JP2583418B2 - 放射線像形成方法 - Google Patents

放射線像形成方法

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JP2583418B2 JP62011901A JP1190187A JP2583418B2 JP 2583418 B2 JP2583418 B2 JP 2583418B2 JP 62011901 A JP62011901 A JP 62011901A JP 1190187 A JP1190187 A JP 1190187A JP 2583418 B2 JP2583418 B2 JP 2583418B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、スクリーン・フィルム撮影系を利用する放
射線像形成方法に関するものである。
[発明の技術的背景および従来技術] 医療診断を目的とするX線撮影等の医療用放射線撮
影、物質の非破壊検査を目的とする工業用放射線撮影な
どの種々の分野における放射線写真撮影においては、放
射線増感スクリーン(増感紙)を放射線写真フィルム
(たとえば、X線写真フィルム)の片面あるいは両面に
密着させるように重ね合わせて使用している。
放射線写真フィルムは基本構造として、支持体と、そ
の片面もしくは両面に設けられたハロゲン化銀を分散状
態で含有支持する結合剤からなる写真乳剤層とからなる
ものである。
また、放射線増感スクリーンは基本構造として、支持
体と、その片面に設けられた蛍光体層とからなるもので
ある。蛍光体層は、蛍光体粒子を分散状態で含有支持す
る結合剤からなるものであり、この蛍光体粒子は、X線
などの放射線によって励起された時に高輝度の発光を示
す性質を有するものである。従って、被写体を通過した
放射線の量に応じて蛍光体は高輝度の発光を示し、放射
線増感スクリーンの蛍光体層の表面に接するようにして
重ね合わされて置かれた放射線写真フィルムは、この蛍
光体の発光によっても感光するため、比較的少ない放射
線量で放射線フィルムの充分な感光を達成することがで
きる。
従来より、放射線写真フィルムの感度および画質を高
めるために、放射線フィルムとして支持体の両面に写真
乳剤層が設けられた構成を有するもの(両面フィルム)
を用い、かつ、このフィルムの両側に放射線増感スクリ
ーン(放射線入射側に位置するフロントスクリーン、お
よびそれとは反対側の放射線フィルムの背後に位置する
バックスクリーン)を配置してなる撮影系(スクリーン
・フィルム系)が利用されている。
一般に、上記撮影系の感度および画像の画質(鮮鋭
度、粒状性)は、その系に組み込まれた放射線増感スク
リーンの特性に起因するところが大である。従って、放
射線増感スクリーンとしては、被写体の被曝線量をでき
る限り低減させるために感度が少しでも高いこと(すな
わち、放射線に対する蛍光体の吸収効率が高く、またス
クリーン表面からの蛍光の放射効率が高いこと)が望ま
しく、また画質(鮮鋭度、粒状性等)の優れた画像を与
えるものであることが望まれている。
従来より、画像の鮮鋭度を高めることを目的として、
放射線増感スクリーンの蛍光体層を構成する蛍光体の粒
子径がスクリーン表面側(蛍光を取り出す側)で大き
く、支持体側で小さくなるように蛍光体粒子を配列させ
る技術が提案されている(特公昭55−33560号、特開昭5
8−71500号等)。このような増感スクリーンを放射線写
真フィルムの両面にそれぞれ配置した場合には、フィル
ムに近い側の蛍光体の粒子径が相対的に大きいから高感
度とすることができ、換言すれば、蛍光体の粒子径がそ
の厚み方向に均一である公知の増感スクリーンと同一感
度とした場合に、鮮鋭度を高めることができる。また、
支持体側の粒子径の小さな蛍光体粒子群が反射層的役割
を果すために蛍光の反射、散乱光路を短くしてスクリー
ン表面から取り出すことができ、このことによっても鮮
鋭度(低周波数領域)が高められる。
なお一般に、蛍光体の粒子径が大きいほど放射線増感
スクリーンの感度は高くなり、反対に粒子径が小さいほ
ど画像の鮮鋭度および粒状性は向上する傾向にある。
[発明の要旨] 本発明は、高感度であって、かつ鮮鋭度および粒状性
の向上した画像を与える放射線像形成方法を提供するこ
とをその目的とするものである。
上記の目的は、放射線写真フィルムの前面と後面に放
射線増感スクリーンをそれぞれ配置してなるスクリーン
・フィルム撮影系を利用する放射線像形成方法におい
て、該放射線増感スクリーンがいずれも支持体とこの上
に設けられた蛍光体層とを有しており、放射線入射側の
放射線増感スクリーンの蛍光体層を構成する蛍光体粒子
が、フィルムに面するスクリーン表面側から支持体側に
向かってその粒子径が小さくなるように配列され、かつ
放射線入射側とは反対側の放射線増感スクリーンの蛍光
体層を構成する蛍光体粒子が、フィルムに面するスクリ
ーン表面側から支持体側に向かってその粒子径が大きく
なるように配列されていることを特徴とする本発明の放
射線像形成方法により達成することができる。
なお、本発明においてスクリーン表面とは支持体とは
反対側の表面を意味し、蛍光体層表面もしくはその上に
保護膜が設けられている場合には保護膜表面を意味す
る。
本発明者は、放射線写真フィルムの両側に二次の放射
線増感スクリーンを配置してなる撮影系を利用する放射
線像形成方法において、画質の向上した画像を得るべく
研究を重ねた結果、放射線増感スクリーンの蛍光体層を
構成する蛍光体の粒子径が撮影系に及ぼす影響はフロン
ト側とバック側で異なることを見い出し、このことから
両スクリーンの蛍光体層をそれぞれ特定の方向に蛍光体
の粒子径が変化した構成とすることにより、感度を低下
させることなく、高鮮鋭度であってかつ粒状性の優れた
画像を得ることを実現した。
すなわち、放射線入射側の放射線増感スクリーン(フ
ロントスクリーン)においては、その蛍光体層を構成す
る蛍光体の粒子径がスクリーン表面側(蛍光の取り出し
側であって、放射線フィルムに面する側である)から支
持体側に向かって小さくなるようにし、一方、それとは
反対側の放射線増感スクリーン(バックスクリーン)に
おいては反対に、蛍光体の粒子径が支持体側からスクリ
ーン表面側に向かって小さくなるようにする。
撮影系においてバック側に、放射線の入射方向に沿っ
て粒子径が大きくなるように蛍光体粒子が配列された増
感スクリーンを配置することにより、フィルム側には相
対的に小さな蛍光体粒子が集まっているから画像の鮮鋭
度および粒状性を顕著に高めることができる。特に、こ
のような構成の増感スクリーンはこれまで知られていな
かったものであり、該スクリーンによれば鮮鋭度と粒状
性において均整のとれた画像を得ることができる。
また、フロント側には、放射線の入射方向であってか
つ蛍光の取り出し方向でもある方向に沿って粒子径が大
きくなるように蛍光体粒子が配列された増感スクリーン
を配置することにより、フィルムの近くには粒子径の比
較的大きな蛍光体粒子が集まっているから感度を高める
ことができるとともに、画像の鮮鋭度を粒子径分布が厚
み方向に均一な従来の増感スクリーンと同程度に維持す
ることができる。
そして、これらのフロントスクリーンおよびバックス
クリーン双方の特性を組み合わせることにより、感度、
鮮鋭度および粒状性の全ての点で優れた、すなわち特性
上均整のとれた撮影系を得ることができる。
[発明の構成] 本発明に用いられる放射線増感スクリーン(フロント
スクリーンおよびバックスクリーン)は、基本的に支持
体とこの上に設けられた蛍光体層とから構成される。
放射線増感スクリーンはたとえば、次に述べるような
方法により製造することができる。
支持体としては、従来の放射線写真法における増感紙
(または増感スクリーン)の支持体として用いられてい
る各種の材料から適宜選ぶことができる。そのような材
料の例としては、セルロースアセテート、ポリエチレン
テレフタレート等のプラスチック物質のフィルム、アル
ミニウム箔等の金属シート、通常の紙、バライタ紙、レ
ジンコート紙などを挙げることができる。本発明におい
て好ましい支持体材料はプラスチックフィルムであり、
このプラスチックフィルムには、鮮鋭度を向上させる目
的でカーボンブラック等の光吸収性物質が練り込まれて
いてもよいし、あるいは感度を高める目的で二酸化チタ
ン等の光反射性物質が練り込まれていてもよい。
なお、支持体の蛍光体層が設けられる側の表面には、
接着性付与層、光反射層、光吸収層などが設けられてい
てもよく、また特開昭58−182599号公報に記載されてい
るように、微細な凹凸が均質に形成されていてもよい
(この凹凸は、支持体表面に接着性付与層、光反射層、
光吸収層などが設けられる場合にはその表面に形成され
る)。
次に、支持体の上には蛍光体層が形成される。
本発明の特徴的な要件である放射線増感スクリーンの
蛍光体層は、蛍光体粒子を分散状態で含有支持する結合
剤からなる層である。
蛍光体としてはすでに各種のものが知られている。本
発明において使用するのが好ましい近紫外乃至可視領域
に発光を示す蛍光体の例としては、次のような化合物を
挙げることができる。
タングステン酸塩系蛍光体(CaWO4、MgWO4、CaWO4:Tb
等)、テルビウム賦活希土類酸硫化物系蛍光体[Y2O2S:
Tb、Gd2O2S:Tb、La2O2S:Tb、(Y,Gd)2O2S:Tb、(Y,G
d)2O2S:Tb,Tm等]、テルビウム賦活希土類燐酸塩系蛍
光体(YPO4:Tb、GdPO4:Tb、LaPO4:Tb等)、テルビウム
賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体(LaOBr:Tb、La
OBr:Tb,Tm、LaOCl:Tb、LaOCl:Tb,Tm、GdOBr:Tb、GdOCl:
Tb等)、ツリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光
体(LaOBr:Tm、LaOCl:Tm等)、硫酸バリウム系蛍光体
[BaSO4:Pb、BaSO4:Eu2+、(Ba,Sr)SO4:Eu2+等]、二
価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属燐酸塩系蛍光体
[Ba3(PO42:Eu2+、(Ba,Sr)(PO42:Eu2+等]、
二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化
物系蛍光体[BaFCl:Eu2+、BaFBr:Eu2+、BaFCl:Eu2+,T
b、BaFBr:Eu2+,Tb、BaF2・BaCl2・KCl:Eu2+、BaF2・BaC
l2・xBaSO4・KCl:Eu2+、(Ba,Mg)F2・BaCl2・KCl:E
u2+]等、沃化物系蛍光体(CsI:Na、CsI:Tl、NaI、KI:T
l等)、硫化物系蛍光体[ZnS:Ag、(Zn,Cd)S:Ag、(Z
n,Cd)S:Cu、(Zn,Cd)S:Cu、Al等]、燐酸ハフニウム
系蛍光体(HfP2O7:Cu等)、ユーロピウム賦活希土類酸
硫化物系蛍光体[Y2O2S:Eu、Gd2O2S:Eu、La2O2S:Eu、
(Y,Gd)2O2S:Eu等]、ユーロピウム賦活希土類酸化物
系蛍光体(Y2O3:Eu、Gd2O3:Eu、La2O3:Eu、(Y,Gd)
2O3:Eu]、ユーロピウム賦活希土類燐酸塩系蛍光体(YP
O4:Eu、GdPO4:Eu、LaPO4:Eu等)、およびユーロピウム
賦活希土類バナジン酸塩系蛍光体(YVO4:Eu、GdVO4:E
u、LaVO4:Eu、(Y,Gd)VO4:Eu]。
なお、本発明に用いられる蛍光体は、これらのものに
限られるものではなく、放射線の照射により近紫外領域
あるいは可視領域に発光を示す蛍光体であればいかなる
ものであってもよい。
ただし、粒子径の異なる蛍光体粒子を用意する必要が
ある。具体的には平均粒子径の異なる蛍光体を二種類以
上用意する。たとえば、粒子径が大である蛍光体として
平均粒子径が8〜15μmの範囲にある蛍光体、および粒
子径が小である蛍光体として平均粒子径が2〜5μmの
範囲にある蛍光体を用意する。好ましくは、平均粒子径
がそれぞれ8〜15μm、5〜8μmおよび2〜5μmの
範囲にある三種類の蛍光体を用意する。
蛍光体層の形成においては、まず上記の平均粒子径の
異なる蛍光体の種類ごとに、蛍光体粒子と結合剤とを適
当な溶剤(たとえば、低級アルコール、塩素原子含有炭
化水素、ケトン、エステル、エーテルなど)に加え、こ
れを充分に混合して結合剤溶液中に蛍光体が均一に分散
した塗布液を調製する。
結合剤の例としては、ゼラチン等の蛋白質、ポリ酢酸
ビニル、ニトロセルロース、ポリウレタン、ポリビニル
アルコール、ポリアルキル(メタ)アクリレート、線状
ポリエステルなどのような合成高分子物質などにより代
表される結合剤を挙げることができる。塗布液における
結合剤と蛍光体との混合比は、通常は1:8乃至1:40(重
量比)の範囲から選ばれる。
これらの塗布液を支持体の表面に均一に同時に重層塗
布して塗布液の塗膜を形成したのち乾燥して、支持体上
への蛍光体層の形成を完了する。この際に、フロントス
クリーンの製造の場合には、支持体側に平均粒子径の最
も小さな蛍光体粒子を含む塗布液を配置し、支持体から
離れるにつれて平均粒子径のより大きな蛍光体粒子を含
む塗布液を配置して同時重層塗布を行なう。また、バッ
クスクリーンの製造の場合には反対に、支持体側に平均
粒子径の最も大きな蛍光体粒子を含む塗布液を配置し、
支持体から遠のくにつれて平均粒子径のより小さな蛍光
体粒子を含む塗布液を配置して同時重層塗布を行なう。
あるいは、各塗布液を順に一つずつ塗布乾燥する操作
を繰り返すことにより、支持体上に多層からなる蛍光体
層を形成してもよい。蛍光体層の層厚は、一般に50乃至
500μmである。
さらに、蛍光体層の支持体に接する側とは反対側の表
面には蛍光体層を物理的および化学的に保護するための
透明な保護膜が設けられてもよい。透明保護膜に用いら
れる材料の例としては、酢酸セルロース、ポリメチルメ
タクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レンを挙げることができる。透明保護膜の膜厚は通常約
3乃至20μmである。
このようにして、スクリーン表面側から支持体側に向
かって粒子径が小さくなるように蛍光体粒子が配列され
たフロントスクリーン、およびスクリーン表面側から支
持体側に向かって粒子径が大きくなるように蛍光体粒子
が配列されたバックスクリーンが得られる。
本発明の放射線像形成方法に用いられる放射線フィル
ムは、基本構造として、支持体とこの両面に設けられた
写真乳剤層とからなるものである。
支持体の材料としては、ポリエチレンテレフタレート
等のプラスチック物質のフィルムが挙げられる。このプ
ラスチックフィルムはクロスオーバー光を遮断して画像
の画質をより向上させるために、青色染料または赤色染
料など適当な着色剤によって着色されていてもよい。
写真乳剤層はハロゲン化銀を分散状態で含有支持する
ゼラチンなどの結合剤からなる。たとえば青色領域に感
度を有する、すなわちレギュラー感度の写真乳剤層は、
沃臭化銀(AgBrI)の粒子が分散されたゼラチン溶液を
支持体上に塗布、乾燥することにより形成することがで
きる。また、緑色領域に感度を有する(すなわちオルソ
感度の)写真乳剤層、および赤色領域に感度を有する
(すなわちパンクロタイプの)写真乳剤層は、たとえ
ば、沃臭化銀の粒子に赤色色素などの増感色素を吸着さ
せたものを用いることにより得ることができる。
ハロゲン化銀は球形の粒子であってもよいし、また平
板状の粒子であってもよい。ハロゲン化銀は乳剤層の単
位面積当り両面で2〜10g/m2の範囲で含有され、好まし
くは3〜5g/m2の範囲である。また、赤色色素としては
シアニン色素、メロシアニン色素などを使用することが
できる。乳剤層の層厚は通常1〜20μmの範囲である。
さらに、両面の写真乳剤層を物理的および化学的に保
護するためにゼラチンなどからなる保護層が設けられ
る。
次に、蛍光体層の厚み方向にそれぞれ蛍光体の粒子径
が異なるフロントスクリーンとバックスクリーンとを組
み合わせた撮影系を用いる本発明の放射線像形成方法に
ついて、添付図面を参照しながら説明する。
第1図は、本発明の放射線像形成方法の例を概略的に
示す図であり、第2図は、第1図に示した撮影系を拡大
した断面図である。
第1図において、スクリーン・フィルム撮影系3は、
中央部に配置された放射線写真フィルム5とその両側に
配置された二枚の放射線増感スクリーン4、6とからな
る。増感スクリーン4はX線入射側に位置するフロント
スクリーンであり、増感スクリーン6は放射線フィルム
5の背後に位置するバックスクリーンである。すなわ
ち、両スクリーン4、6は放射線フィルム5を挟んで前
後に配置される。また、撮影系3は、被写体2を挟んで
放射線発生装置1に対向するように配置されている。
第2図に示すように、フロントスクリーン4は順に支
持体4a、蛍光体層4bおよび保護膜4cから構成され、保護
膜側表面で放射線フィルム5と面している。蛍光体層4b
中の蛍光体粒子は支持体側からスクリーン表面側に向か
って(X線の入射方向であり、蛍光の取り出し方向
に)、その粒子径が次第に大きくなるように配列されて
いる。また、バックスクリーン6は順に支持体6a、蛍光
体層6bおよび保護膜6cから構成され、保護膜側表面で放
射線フィルム5と面している。蛍光体層6b中の蛍光体粒
子はスクリーン表面側から支持体側に向かって(X線の
入射方向に)、その粒子径が次第に大きくなるように配
列されている。放射線フィルム5は支持体5aの両面に設
けられた写真乳剤層5b、5b′および保護層5c、5c′から
構成される。
放射線発生装置1から放射された放射線は被写体2を
透過したのち、一部はスクリーン4の蛍光体粒子により
吸収されて蛍光に変換され、その光は隣接するフィルム
5を感光させる。一方、残りの放射線はスクリーン4お
よびフィルム5を透過したのちスクリーン6の蛍光体粒
子により吸収されて蛍光に変換され、この光は隣接する
フィルム5をさらに感光させる。
このようにして放射線フィルム5上には被写体の放射
線像が形成され、撮影後、このフィルムを現像処理する
ことによりフィルム上には可視画像が得られる。
通常、バックスクリーンにおける蛍光の反射、散乱は
画質に大いに影響を及ぼすものであるが、バックスクリ
ーン6のフィルム側には粒子径の小さな蛍光体粒子が存
在するから、画像の粒状性を顕著に改善することができ
ると同時に、蛍光の反射、散乱光路を最小限に抑えて画
像の鮮鋭度を著しく高めることができる。
また、フロントスクリーン4は、画像形成への寄与が
大きいフィルム側に粒子径の大きな蛍光体粒子が存在す
るために高感度とすることができる。一般には粒子径が
小さい方が高い鮮鋭度をもたらすが、X線入射側である
ために、粒子径分布が厚み方向に一定の従来のスクリー
ンと同等の鮮鋭度の画像を与えて、鮮鋭度を低下させる
ことがない。
次に本発明の実施例および比較例を記載する。ただ
し、これらの各例は本発明を制限するものではない。
まず、下記の方法により、三種類の放射線増感スクリ
ーンを用意した。
(1)放射線増感スクリーンIの製造 テルビウム賦活オキシ硫化ガドリニウム蛍光体粒子
(Gd2O2S:Tb、平均粒子径:4.4μm)、および線状ポリ
エステル(バイロン#500、東洋紡(株)製)と硝化度1
1.5%のニトロセルロースとの混合物(重量混合比、8:
2)をメチルエチルケトンに添加して、蛍光体粒子を分
散状態で含有する分散液を調製した。さらに、この分散
液に燐酸トリクレジル、n−ブタノールそしてメチルエ
チルケトンを添加したのちプロペラミキサーを用いて充
分に撹拌混合して、蛍光体粒子が均一に分散し、蛍光体
と結合剤との混合比が10:1(重量比)かつ粘度が25〜35
PS(25℃)の塗布液Aを調製した。
テルビウム賦活オキシ硫化ガドリニウム蛍光体粒子
(平均粒子径:6.0μm)を用いること以外は上記と同様
の操作を行なうことにより、塗布液Bを調製した。ま
た、テルビウム賦活オキシ硫化ガドリニウム蛍光体粒子
(平均粒子径:9.6μm)を用いること以外は上記と同様
の操作を行なうことにより、塗布液Cを調製した。
次に、ガラス板上に水平に置いた二酸化チタン練り込
みポリエチレンテレフタレートシート(支持体、厚み:2
50μm)の上に、支持体から遠い順に塗布液A、Bおよ
びCとなるように配置して、ドクターブレードを用いて
均一に同時に重層塗布した後、塗膜が形成された支持体
を乾燥器に入れ、器内の温度を25℃から100℃に徐々に
上昇させることにより塗膜の乾燥を行なった。このよう
にして、支持体上に順に塗膜C、B、Aからなり、各乾
燥塗膜の厚さが約60μm、全層厚が約180μmの蛍光体
層を形成した。
そして、この蛍光体層の上にポリエチレンテレフタレ
ートの透明フィルム(厚み:12μm、ポリエステル系接
着剤が付与されているもの)を接着剤層側を下に向けて
置いて接着することによって、透明保護膜を形成し、支
持体、スクリーン表面側から支持体側に向かって蛍光体
の粒子径が大きくなっている蛍光体層、および透明保護
膜から構成された放射線増感スクリーンIを製造した
[第3図(I)、a:支持体、b:蛍光体層、c:保護膜]。
(2)放射線増感スクリーンIIの製造 上記スクリーンIの製造において、支持体から近い順
に塗布液A、BおよびCとなるように配置すること以外
は同様の操作を行なうことにより、支持体、スクリーン
表面側から支持体側に向かって蛍光体の粒子径が小さく
なっている蛍光体層、および透明保護膜から構成された
放射線増感スクリーンIIを製造した[第3図(II)]。
(3)放射線増感スクリーンIIIの製造 上記塗布液A、BおよびCをそれぞれ等量混合して、
種々の粒子径の蛍光体粒子を分散含有する塗布液を調製
した。
上記スクリーンIの製造において、この塗布液を単独
で用いること以外は同様の操作を行なうことにより、支
持体、スクリーン表面側から支持体側に向かって蛍光体
の粒子径分布が均一な蛍光体層、および透明保護膜から
構成された放射線増感スクリーンIIIを製造した[第3
図(III)]。
[実施例1] 得られた放射線増感スクリーンIおよびIIを、放射線
写真フィルム(直接医療用微粒子オルソフィルム、商品
名:HR−A、富士写真フィルム(株)製)を挟んで圧着
状態でカッセテ内に収納した。そしてスクリーンIIが放
射線入射側(フロント側)に、スクリーンIがフィルム
の背後(バック側)に位置するように配置した。
このようにして、第2図に示したようなフロントスク
リーン、バックスクリーンおよび放射線フィルムからな
るスクリーン・フィルム撮影系を構成した。
[比較例1〜4] 実施例1において、放射線増感スクリーンI、IIもし
くはIIIを用いて下記第1表に示す配置とすること以外
は、実施例1の方法と同様の操作を行なうことによりス
クリーン・フィルム撮影系を構成した。
次に、各スクリーン・フィルム撮影系を以下に記載す
る感度試験、画像鮮鋭度試験および画像粒子性試験によ
り評価した。
(1)感度試験 スクリーン・フィルム撮影系に管電圧80KVpのX線を
照射してX線写真撮影を行なった。得られたX線写真の
画像濃度より感度を測定した。
(2)画像鮮鋭度試験 スクリーン・フィルム撮影系に、管電圧80KVpのX線
を解像力チャートを通して照射してX線写真撮影を行な
い、得られたX線写真のコントラスト伝達関数(CTF)
を測定し、これを空間周波数2サイクル/mmの値で表示
した。
(3)画像粒状性試験 スクリーン・フィルム撮影系に、水ファントーム(厚
さ:10cm)とアルミニウム板(厚さ:10mm)とを介して濃
度1.2の条件で、管電圧80KVpのX線を照射してX線写真
撮影を行なった。このX線写真フィルムを自動現像機
(New RN、富士写真フィルム(株)製)により現像液
(RD III、富士写真フィルム(株)製)を用いて35℃の
温度で現像処理した。得られたフィルムをミクロフォト
メータ(アパーチャー:300μm×300μm)で測定し、R
MS値を求めた。
得られた結果はまとめて第2表に示す。
第2表から明らかなように、上記第2図に示したスク
リーン・フィルム撮影系を使用する本発明の放射線像形
成方法(実施例1)は、感度を低下させることなく、鮮
鋭度および粒状性が顕著に向上した画像を与えた。
すなわち、本発明の放射線像形成方法(実施例1)
は、蛍光体層の厚み方向に蛍光体の粒子径分布が均一な
従来の放射線増感スクリーン(III)を用いた従来の方
法(比較例4)と感度が同じであって、かつ該方法より
も鮮鋭度および粒状性が改良されている。また、フィル
ム側に粒子径の大きな蛍光体粒子を配列させた公知の放
射線増感スクリーン(II)のみを用いた公知の方法(比
較例3)と比較しても、本発明の方法は感度は若干低い
ものの鮮鋭度および粒状性が著しく改良されており、こ
れら三つの特性を通じて優れ、均整がとれていた。さら
に、本発明の方法はスクリーンの別の組合せを用いた方
法(比較例1、2)よりも感度、鮮鋭度および粒状性全
ての点で優れていることが判明した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の放射線像形成方法を説明する概略図
である。 第2図は、本発明に係るスクリーン・フィルム撮影系の
例を示す断面図である。 第3図は、放射線増感スクリーンの例を示す断面図であ
り、(I)および(II)はそれぞれ本発明に用いられる
バックスクリーンおよびフロントスクリーンであり、
(III)は従来のスクリーンである。 1:放射線発生装置、2:被写体、 3:スクリーン・フィルム撮影系、 4,6:放射線増感スクリーン、 4a,6a,a:支持体、 4b,6b,b:蛍光体層、 4c,6c,c:保護膜 5:放射線写真フィルム 5a:支持体、5b,5b′:写真乳剤層、 5c,5c′:保護層

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射線写真フィルムの前面と後面に放射線
    増感スクリーンをそれぞれ配置してなるスクリーン・フ
    ィルム撮影系を利用する放射線像形成方法において、該
    放射線増感スクリーンがいずれも支持体とこの上に設け
    られた蛍光体層とを有しており、放射線入射側の放射線
    増感スクリーンの蛍光体層を構成する蛍光体粒子が、フ
    ィルムに面するスクリーン表面側から支持体側に向かっ
    てその粒子径が小さくなるように配列され、かつ放射線
    入射側とは反対側の放射線増感スクリーンの蛍光体層を
    構成する蛍光体粒子が、フィルムに面するスクリーン表
    面側から支持体側に向かってその粒子径が大きくなるよ
    うに配列されていることを特徴とする放射線像形成方
    法。
  2. 【請求項2】上記放射線入射側の放射線増感スクリーン
    の蛍光体層において、スクリーン表面近傍の蛍光体粒子
    の平均粒子径が8〜15μmの範囲にあり、支持体近傍の
    蛍光体粒子の平均粒子径が2〜5μmの範囲にあること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の放射線像形成
    方法。
  3. 【請求項3】上記放射線入射側の放射線増感スクリーン
    の蛍光体層において、スクリーン表面近傍の蛍光体粒子
    の平均粒子径が8〜15μmの範囲にあり、中央部の蛍光
    体粒子の平均粒子径が5〜8μmの範囲にあり、そして
    支持体近傍の蛍光体粒子の平均粒子径が2〜5μmの範
    囲にあることを特徴とする特許請求の範囲第2項記載の
    放射線像形成方法。
  4. 【請求項4】上記放射線入射側とは反対側の放射線増感
    スクリーンの蛍光体層において、スクリーン表面近傍の
    蛍光体粒子の平均粒子径が2〜5μmの範囲にあり、支
    持体近傍の蛍光体粒子の平均粒子径が8〜15μmの範囲
    にあることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の放
    射線像形成方法。
  5. 【請求項5】上記放射線入射側とは反対側の放射線増感
    スクリーンの蛍光体層において、スクリーン表面近傍の
    蛍光体粒子の平均粒子径が2〜5μmの範囲にあり、中
    央部の蛍光体粒子の平均粒子径が5〜8μmの範囲にあ
    り、そして支持体近傍の蛍光体粒子の平均粒子径が8〜
    15μmの範囲にあることを特徴とする特許請求の範囲第
    4項記載の放射線像形成方法。
  6. 【請求項6】上記各放射線増感スクリーンの蛍光体層を
    構成する蛍光体粒子が、テルビウム賦活希土類酸硫化物
    蛍光体であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の放射線像形成方法。
  7. 【請求項7】上記放射線写真フィルムが、支持体とこの
    支持体の両面に設けられた写真乳剤層とから実質的に構
    成されていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の放射線像形成方法。
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