JPH0631894B2 - 放射線増感スクリ−ン - Google Patents

放射線増感スクリ−ン

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JPH0631894B2
JPH0631894B2 JP27866485A JP27866485A JPH0631894B2 JP H0631894 B2 JPH0631894 B2 JP H0631894B2 JP 27866485 A JP27866485 A JP 27866485A JP 27866485 A JP27866485 A JP 27866485A JP H0631894 B2 JPH0631894 B2 JP H0631894B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、放射線増感スクリーンに関するものであり、
さらに詳しくは本発明は、支持体と蛍光体層との間に光
反射層を有する放射線増感スクリーンに関するものであ
る。
[発明の技術的背景] 放射線増感スクリーンは、医療診断を目的とするX線撮
影等の医療用放射線撮影、物質の非破壊検査を目的とす
る工業用放射線撮影などの種々の分野における放射線撮
影において、撮影系の感度を向上させるために、放射線
写真フィルム(たとえば、X線写真フィルム)の片面あ
るいは両面に密着させるように重ね合わせて使用するも
のである。
この放射線増感スクリーンは、基本構造として、支持体
と、その片面に設けられた蛍光体層とからなるものであ
る。なお、この蛍光体層の支持体とは反対側の表面(支
持体に面していない側の表面)には一般に、プラスチッ
クフィルムなどからなる透明な保護膜が設けられてい
て、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から
保護している。
蛍光体層は、蛍光体粒子を分散状態で含有支持する結合
剤からなるものであり、この蛍光体粒子は、X線などの
放射線によって励起された時に高輝度の発光を示す性質
を有するものである。従って、被写体を通過した放射線
の量に応じて蛍光体は高輝度の発光を示し、放射線増感
スクリーンの蛍光体層の表面に接するようにして重ね合
わされて置かれた放射線写真フィルムは、この発光光に
よっても感光するため、比較的少ない放射線量で放射線
フィルムの充分な感光を達成することができる。そし
て、放射線フィルム上には被写体の放射線像が形成され
る。
上記のような基本構造を有する放射線増感スクリーンに
ついては、感度が高いこと、および画質(鮮鋭度、粒状
性等)の良好な画像を与えるものであることが望まれ
る。特に、被写体の被曝線量をできる限り低減させるた
めに増感スクリーンの感度は少しでも高いことが望まれ
ている。
従来より、放射線増感スクリーンの感度を向上させる技
術として、支持体表面にアルミニウム等の金属を蒸着し
たり、アルミニウム箔等の金属箔をラミネートしたり、
あるいは白色顔料(光反射性物質)を適当な結合剤中に
分散含有させた塗布液を塗布することなどにより支持体
上に光反射層を設け、その上に蛍光体層を設けることが
知られている。白色顔料としては、二酸化チタン、鉛
白、硫化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムお
よびアルカリ土類金属弗化ハロゲン化物などが用いられ
ている。これにより、蛍光体層の蛍光体から発せられた
光のうち支持体方向に向かった光は、支持体に吸収され
たりあるいは支持体を透過したりすることなく光反射層
によって反射されてスクリーンの蛍光体層側表面から放
出され、隣接する放射線フィルムの感光に寄与すること
ができる。
[発明の要旨] 本発明は、感度の向上した放射線増感スクリーンを提供
することをその目的とするものである。
また本発明は、鮮鋭度、粒状性などの画質を殆ど低下さ
せることなく感度が向上した放射線増感スクリーンを提
供することもその目的とするものである。
上記の目的は、支持体、光反射性物質を分散状態で含有
支持する結合剤からなる光反射層、および蛍光体を分散
状態で含有支持する結合剤からなる蛍光体層をこの順に
有する放射線増感スクリーンにおいて、該光反射層が光
反射性物質として中空構造のポリマー粒子を含有してい
ることを特徴とする本発明の放射線増感スクリーンによ
り達成することができる。
すなわち、本発明は、放射線増感スクリーンの光反射層
に使用される光反射性物質として、従来の白色顔料の代
りに高分子物質からなる中空構造の粒子を用いることに
より、増感スクリーンの感度の向上を実現するものであ
る。
本発明者は、蛍光体からの発光光が支持体方向に散乱し
て消失するのを防止するべく研究を重ねた結果、高分子
物質からなる層中に微小の空隙を多数形成することによ
り、高分子物質と空気との屈折率が大きく異なることを
利用して該層の光反射特性を高めることができることを
見い出し、そしてこの微小の空隙の形成を中空構造のポ
リマー粒子を結合剤層に分散させることにより具体的に
達成し、本発明に到達したものである。
本発明によれば、支持体方向に向かった発光光は、光反
射層において中空構造の粒子のポリマー殻と内部の空気
との屈折率の違いによってその境界面で反射されて増感
スクリーンの蛍光体層側表面から放出され、放射線写真
フィルムの感光に寄与する。
これまで、高分子物質の粒子で中空構造を有するものは
殆ど知られておらず、特に外径が1μm以下の微粒子を
入手することは不可能であったが、ごく最近になってそ
のような中空ポリマー粒子(ポリマーピグメント)が開
発された。本発明の放射線増感スクリーンにおいては、
この中空ポリマー粒子を適当な結合剤に分散含有させて
なる塗布液を支持体上に塗布することにより、あるいは
別途形成した中空ポリマー粒子が分散された薄膜を接着
剤を用いて接着することにより、光反射層として多数の
微小の空隙を有する結合剤層を設けることができる。
そして、これにより放射線増感スクリーンの感度を高め
ることができる。特に、本発明に用いられる中空ポリマ
ー粒子は、従来より光反射層に使用されている二酸化チ
タン等の白色顔料と比較して、300〜450nmの短
波長領域においても優れた反射特性を有する。このた
め、増感スクリーンの蛍光体として、二価ユーロピウム
賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体(発光
のピーク波長:約390nm)のような近紫外並びに可
視領域に発光を示す蛍光体を用いる場合には、増感スク
リーンの感度を顕著に高めることができる。また、短波
長領域にまで反射スペクトルが及んでいるアルカリ土類
金属弗化ハロゲン化物等の白色顔料と比べても、本発明
に用いられる中空ポリマー粒子は結合剤を好適に選択す
ることにより微粒子であっても分散性が低下することが
なく、また比較的安価であるために増感スクリーンの製
造コストを下げることができる。
また、本発明の放射線増感スクリーンによれば、得られ
る画像の鮮鋭度などの画質を殆ど低下させることなく、
感度を顕著に高めることができる。とりわけ、感度を高
めつつ、同時に画像の粒状性を向上させることが可能で
ある。
[発明の構成] 上述したような好ましい特性を有する本発明の放射線増
感スクリーンは、たとえば、次に述べるような方法によ
り製造することができる。
本発明において使用する支持体は、放射線増感スクリー
ンの製造のための材料として知られている各種の材料か
ら任意に選ぶことができる。そのような材料の例として
は、セルロースアセテート、ポリエステル、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、トリアセ
テート、ポリカーボネートなどのプラスチック物質のフ
ィルム、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔などの金
属シート、通常の紙、バライタ紙、レジンコート紙、二
酸化チタンなどの顔料を含有するピグメント紙、ポリビ
ニルアルコールなどをサイジングした紙などを挙げるこ
とができる。ただし、放射線増感スクリーンとしての諸
特性を考慮した場合、本発明において特に好ましい支持
体の材料はプラスチックフィルムである。このプラスチ
ックフィルムにはカーボンブラックなどの光吸収性物質
が練り込まれていてもよく、あるいは二酸化チタンなど
の光反射性物質が練り込まれていてもよい。前者は高鮮
鋭度タイプの放射線増感スクリーンに適した支持体であ
り、後者は高感度タイプの放射線増感スクリーンに適し
た支持体である。
支持体の表面には、その上に設けられる光反射層との結
合を強化する目的でゼラチンなどの高分子物質を塗布し
て接着性付与層としたり、あるいは散乱放射線の除去な
どを目的として鉛箔、鉛合金箔、錫箔などの金属箔を設
けてもよい。
次に、支持体上には光反射層が設けられる。
本発明の特徴的な要件である光反射層は、光反射性物質
として中空構造のポリマー粒子を分散状態で含有支持す
る結合剤からなる層である。
本発明に用いられる中空構造のポリマー粒子(ポリマー
ピグメント)は、一般にその外径が0.2〜1μmの範
囲にあり、そして小孔径(内径)が0.05〜0.7μ
mの範囲にある微粒子である。中空ポリマー粒子の具体
例としては、スチレン系および/またはアクリル系モノ
マーに適当な架橋剤を添加して球形の殻状に結合(コア
・シェル重合)させることにより得られるスチレン系ポ
リマー粒子およびスチレン・アクリル系コポリマー粒子
を挙げることができる。
この中空ポリマー粒子は、内部に空隙をもっているため
にポリマー殻を通過した光は空隙の壁で乱反射され、従
って二酸化チタン等の無機顔料と同様の白色光沢を有す
る。また、中空ポリマー粒子の反射スペクトルは、近紫
外領域から可視領域(300nm以上の長波長領域)に
まで及んでおり、特に300〜450nmの近紫外領域
においては、従来より光反射層に使用される光反射性物
質として知られている二酸化チタン等の自己顔料などで
は得られない高い反射率を示す。従って、中空ポリマー
粒子は、近紫外並びに可視領域に発光を示す蛍光体を含
有する放射線増感スクリーンの光反射性物質として特に
適している。
光反射層は、上記の中空ポリマー粒子を適当な結合剤に
加えて充分に混合して結合剤中に中空ポリマー粒子が均
一に分散した塗布液を調製し、この塗布液を支持体表面
に均一に塗布することにより塗布液の塗膜を形成した
後、この塗膜を加熱乾燥することによって支持体上に形
成することができる。あるいは、別にガラス板、金属
板、プラスチックシートなどのシート上に塗布液を塗布
し乾燥することにより中空ポリマー粒子を分散含有する
薄膜を形成した後、これを支持体に接着剤を用いて接合
することにより光反射層を設けてもよい。
光反射層の結合剤としては、アクリル酸エステル共重合
体などの水性の高分子物質以外に、後述の蛍光体層の結
合剤として用いられるものの中から選ぶことができる。
塗布液における結合剤と中空ポリマー粒子との混合比
は、一般に1:1乃至1:50(重量比)の範囲から選
ばれ、支持体との接着性などの点から好ましくは1:2
乃至1:20(重量比)の範囲から選ばれる。なお、塗
布液には白色顔料などの公知の光反射性物質が添加され
ていてもよく、形成される光反射層は中空ポリマー粒子
と白色顔料との混合物からなっていてもよい。たとえ
ば、二酸化チタンとの混合物である場合には、中空ポリ
マー粒子は粒子径のより大きな二酸化チタンの空隙を埋
めることができ、従来の二酸化チタン単独の場合よりも
遮蔽力を高めることができる。また、光反射層の層厚は
5乃至100μmの範囲とするのが好ましい。
さらに、特開昭58−182599号公報に記載されて
いるように鮮鋭度を向上させる目的で、光反射層の表面
には微小の凹凸が設けられてもよい。
次に、光反射層の上に蛍光体層が形成される。蛍光体層
は、蛍光体粒子を分散状態で含有支持する結合剤からな
る層である。
蛍光体としてはすでに各種のものが知られている。本発
明において使用するのが好ましい近紫外乃至可視領域
(青色領域、緑色領域および赤色領域)に発光を示す蛍
光体の例としては、次のような化合物を挙げることがで
きる: タングステン酸塩系蛍光体(CaWO、MgWO
CaWO:Pb等)、テルビウム賦活希土類酸硫化物
系蛍光体[YS:Tb、GdS:Tb、L
S:Tb、(Y,Gd)S:Tb、
(Y,Gd)S:Tb,Tm等]、テルビウム賦
活希土類燐酸塩系蛍光体(YPO:Tb、GdP
:Tb、LaPO:Tb等)、テルビウム賦活希
土類オキシハロゲン化物系蛍光体(LaOBr:Tb、
LaOBr:Tb,Tm、LaOCl:Tb、LaOC
l:Tb,Tm、GdOBr:Tb、GdOCl:Tb
等)、ツリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体
(LaOBr:Tm、LaOCl:Tm等)、硫酸バリ
ウム系蛍光体[BaSO:Pb、BaSO:E
2+、(Ba,Sr)SO:Eu2+等]二価ユーロピ
ウム賦活アルカリ土類金属燐酸塩系蛍光体[Ba(P
:Eu2+、(Ba,Sr)(PO:E
2+等]、二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化
ハロゲン化物系蛍光体[BaFCl:Eu2+、BaFB
r:Eu2+、BaFCl:Eu2+,Tb、BaFBr:
Eu2+,Tb、BaF・BaCl・KCl:E
2+、BaF・BaCl・xBaSO・KCl:
Eu2+(Ba,Mg)F・BaCl・KCl:Eu
2+等]、沃化物系蛍光体(CsI:Na、CsI:T
l、NaI,KI:Tl等)、硫化物系蛍光体[Zn
S:Ag、(Zn,Cd)S:Ag、(Zn,Cd)
S:Cu、(Zn,Cd)S:Cu、Al等]、燐酸ハ
フニウム系蛍光体(HfP:Cu等)、ユーロピ
ウム賦活希土類酸硫化物系蛍光体[YS:Eu、
GdS:Eu、LaS:Eu、(Y,G
d)S:Eu等]、ユーロピウム賦活希土類酸化
物系蛍光体[Y:Eu、Gd:Eu、La
:Eu、(Y,Gd):Eu]、ユーロピ
ウム賦活希土類燐酸塩系蛍光体(YPO:Eu、Gd
PO:Eu、LaPO:Eu等)、ユーロピウム賦
活希土類バナジン酸塩系蛍光体[YVO:Eu、Gd
VO:Eu、LaVO:Eu、(Y,Gd)V
:Eu]。
ただし、本発明に用いられる蛍光体は、これらのものに
限られるものではなく、放射線の照射により近紫外領域
あるいは可視領域に発光を示す蛍光体であればいかなる
ものであってもよい。
蛍光体層の結合剤の例としては、ゼラチン等の蛋白質、
デキストラン等のポリサッカライド、またはアラビアゴ
ムのような天然高分子物質;および、ポリビニルブチラ
ール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチルセル
ロース、塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、ポリ
アルキル(メタ)アクリレート、塩化ビニル・酢酸ビニ
ルコポリマー、ポリウレタン、セルロースアセテートブ
チレート、ポリビニルアルコール、線状ポリエステルな
どのような合成高分子物質などにより代表される結合剤
を挙げることができる。このような結合剤のなかで特に
好ましいものは、ニトロセルロース、線状ポリエステ
ル、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ニトロセルロ
ースと線状ポリエステルとの混合物、およびニトロセル
ロースとポリアルキル(メタ)アクリレートとの混合物
である。
蛍光体層は、たとえば、次のような方法により光反射層
上に形成することができる。
まず、上記の蛍光体と結合剤とを適当な溶剤に加え、こ
れを充分に混合して結合剤溶液中に蛍光体粒子が均一に
分散した塗布液を調製する。
塗布液調製用の溶剤の例としては、メタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、n−ブタノールなどの低級ア
ルコール;メチレンクロライド、エチレンクロライドな
どの塩素原子含有炭化水素;ベンゼン、トルエンなどの
芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級アルコールと
のエステル;ジオキサン、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルな
どのエーテルそして;それらの混合物を挙げることがで
きる。
塗布液における結合剤と蛍光体との混合比は、目的とす
る放射線増感スクリーンの特性、蛍光体の種類などによ
って異なるが、一般には結合剤と蛍光体との混合比は、
1:1乃至1:100(重量比)の範囲から選ばれ、そ
して特に1:8乃至1:40(重量比)の範囲から選ぶ
のが好ましい。
なお、塗布液には、該塗布液中における蛍光体粒子の分
散性を向上させるための分散剤、また、形成後の蛍光体
層中における結合剤と蛍光体粒子との間の結合力を向上
させるための可塑剤などの種々の添加剤が混合されてい
てもよい。そのような目的に用いられる分散剤の例とし
ては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性界
面活性剤などを挙げることができる。そして可塑剤の例
としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸
ジフェニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジエチル、フ
タル酸ジメトキシエチルなどのフタル酸エステル;グリ
コール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフ
タリルブチルなどのグリコール酸エステル;そして、ト
リエチレングリコールとアジピン酸とのポリエステル、
ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエステルなど
のポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエ
ステルなどを挙げることができる。
上記のようにして調製された蛍光体と結合剤を含有する
塗布液を光反射層の表面に均一に塗布することにより塗
布液の塗膜を形成する。この塗布操作は、通常の塗布手
段、たとえば、ドクターブレード、ロールコーター、ナ
イフコーターなどを用いることにより行なうことができ
る。
ついで、形成された塗膜を徐々に加熱することにより乾
燥して、光反射層上への蛍光体層の形成を完了する。蛍
光体層の層厚は、目的とする放射線増感スクリーンの特
性、蛍光体の種類、結合剤と蛍光体との混合比などによ
って異なるが、通常は20μm乃至1mmとする。ただ
し、この層厚は50乃至500μmとするのが好まし
い。
なお、蛍光体層は、必ずしも上記のように光反射層上に
塗布液を直接塗布して形成する必要はなく、たとえば、
別にガラス板、金属板、プラスチックシートなどのシー
ト上に塗布液を塗布し乾燥することにより蛍光体層を形
成した後、これを光反射層上に押圧するか、あるいは接
着剤を用いるなどして光反射層と蛍光体層とを接合して
もよい。
蛍光体層の光反射層に接する側とは反対側の表面には、
蛍光体層を物理的および化学的に保護する目的で保護膜
が設けられてもよい。
透明保護膜は、たとえば、酢酸セルロース、ニトロセル
ロースなどのセルロース誘導体;あるいはポリメチルメ
タクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホル
マール、ポリカーボネート、ポリ酸ビニル、塩化ビニル
・酢酸ビニルコポリマーなどの合成高分子物質のような
透明な高分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液
を蛍光体層の表面に塗布する方法により形成することが
できる。あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレン、塩化ビニリデン、ポリアミドなどから予め形成
した透明な薄膜を蛍光体層の表面に適当な接着剤を用い
て接着するなどの方法によっても形成することができ
る。透明保護膜の膜厚は3乃至20μmとするのが望ま
しい。
次に本発明の実施例および比較例を記載する。ただし、
これらの各例は本発明を制限するものではない。
[実施例1] スチレン・アクリル系中空ポリマー粒子(VONC OAT PP-
2000S、大日本インキ化学(株)製)とアクリル酸エス
テル共重合体(アロンタックA-2422H、東亜合成(株)
製)とを充分に混合して、中空ポリマー粒子が均一に分
散し、結合剤と中空ポリマー粒子との重量混合比が1:
5の塗布液を調製した。
ガラス板上に水平に置いたポリエチレンテレフタレート
フィルム(支持体、厚み:250μm)の上に、この塗
布液をドクターブレードを用いて均一に塗布した。そし
て塗布後に塗膜が形成された支持体を乾燥器内に入れ、
この乾燥器の内部の温度を25℃から100℃に徐々に
上昇させて塗膜の乾燥を行なった。このようにして、支
持体上に層厚が50μmの光反射層を設けた。
次に、酢酸ビニル(キシダ化学(株)製)90重量部お
よびニトロセルロース10重量部を、エタノールとメチ
ルエチルケトンの混合溶剤(混合比7:3)に添加し、
さらにタングステン酸カルシウム蛍光体(CaWO
の粒子を添加した後、プロペラミキサーを用いて充分に
攪拌混合して蛍光体粒子が均一に分散し、結合剤と蛍光
体との混合比が1:20(重量比)かつ粘度が25〜3
0PS(25℃)の塗布液を調製した。
この塗布液を上記と同様の操作を行なうことにより光反
射層上に塗布したのち乾燥して、層厚が150μmの蛍
光体層を形成した。
そして、この蛍光体層の上にポリエチレンテレフタレー
トフィルム(厚み;12μm、ポリエステル系接着剤が
付与されているもの)を、接着剤層側を下に向けて置い
て接着することにより透明保護膜を形成した。
このようにして、支持体、光反射層、蛍光体層および透
明保護膜から構成された放射線増感スクリーンを製造し
た。
[比較例1] 実施例1において、スチレン・アクリル系中空ポリマー
粒子の代りに二酸化チタンを用いること以外は実施例1
の方法と同様な処理を行なうことにより支持体上に光反
射層を形成した。
次いで、この光反射層が設けられた支持体を用いて実施
例1の方法と同様な処理を行なうことにより、支持体、
光反射層、蛍光体層および透明保護膜から構成された放
射線増感スクリーンを製造した。
次に、上記実施例1および比較例1の各光反射層につい
て分光光度計(日立自記分光光度計330型)を用いて
分光反射率を測定した。その結果を第1図および第1表
にまとめて示す。
第1図は、 1:中空ポリマー粒子からなる光反射層の反射スペクト
ル 2:二酸化チタンからなる光反射層の反射スペクトル をそれぞれ表わしている。
第1図および第1表にまとめられた結果から、本発明の
放射線増感スクリーンを構成する中空ポリマー粒子から
なる光反射層(実施例1)は、二酸化チタンからなる光
反射層(比較例1)よりも短波長側まで反射スペクトル
が延びており、特に300〜450nmの近紫外乃至可
視領域において優れた反射特性を優することが明らかで
あった。
また、得られた各放射線増感スクリーンについて、以下
に記載する感度試験、画像鮮鋭度試験および画像粒状性
試験により評価した。
(1)感度試験 放射線増感スクリーンに管電圧80KVpのX線を照射
し、感度を測定した。
(2)画像鮮鋭度試験 放射線増感スクリーンとX線写真フィルムとをカセッテ
内で圧着し、解像力チャートを介して管電圧80KVp
のX線を照射してX線写真撮影を行ない、できあがった
X線写真のコントラスト伝達関数(CTF)を測定し、
空間周波数2サイクル/mmの値で評価した。
(3)画像粒状性試験 放射線増感スクリーンとX線写真フィルムとをカセッテ
内で圧着し、水ファントーム(厚さ:10cm)とアル
ミニウム板(厚さ:10mm)とを介して濃度1.0の
条件で、管電圧80KVpのX線を照射してX線写真撮
影を行なった。このX線写真フィルムを自動現像機(Ne
w RN、富士写真フィルム(株)製)により現像液(RDII
I、富士写真フィルム(株)製)を用いて35℃の温度
で90秒間処理した。得られたX線フィルムをミクロホ
トメータ(アパーチャー:300μm×300μm)で
測定し、RMS値を求めた。このRM値を粒状性の目安
とした。
得られた結果を第2表にまとめて示す。なお、感度およ
び鮮鋭度は比較例1の値を100としたときの相対値で
ある。
第2表に示された結果から明らかなように、中空ポリマ
ー粒子からなる光反射層を有する本発明の放射線増感ス
クリーン(実施例1)は、二酸化チタンからなる光反射
層を有する従来公知の放射線増感スクリーン(比較例
1)と比較して、画像の鮮鋭度が殆ど低下することな
く、感度が向上した。また、画像の粒状性も従来の増感
スクリーンより優れていた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の放射線増感スクリーンを構成する中
空ポリマー粒子からなる光反射層の反射スペクトル
(1)、および従来公知の二酸化チタンからなる光反射
層の反射スペクトル(2)を表わすグラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体、光反射性物質を分散状態で含有支
    持する結合剤からなる光反射層、および蛍光体を分散状
    態で含有支持する結合剤からなる蛍光体層をこの順に有
    する放射線増感スクリーンにおいて、該光反射層が光反
    射性物質として中空構造のポリマー粒子を含有している
    ことを特徴とする放射線増感スクリーン。
  2. 【請求項2】上記中空構造のポリマー粒子の外径が0.
    2〜1μmの範囲にあり、かつ小孔径が0.05〜0.
    7μmの範囲にあることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の放射線増感スクリーン。
  3. 【請求項3】上記中空構造のポリマー粒子がスチレン系
    および/またはアクリル系ポリマーであることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の放射線増感スクリー
    ン。
  4. 【請求項4】上記光反射層における結合剤と中空構造の
    ポリマー粒子との重量混合比が1:1〜1:50の範囲
    にあることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の放
    射線増感スクリーン。
  5. 【請求項5】上記蛍光体が近紫外乃至可視領域に発光を
    示すものであることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の放射線増感スクリーン。
  6. 【請求項6】上記近紫外乃至可視領域に発光を示す蛍光
    体が二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲ
    ン化物系蛍光体であることを特徴とする特許請求の範囲
    第5項記載の放射線増感スクリーン。
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