JP2583417B2 - 放射線像形成方法 - Google Patents

放射線像形成方法

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JP2583417B2 JP62011900A JP1190087A JP2583417B2 JP 2583417 B2 JP2583417 B2 JP 2583417B2 JP 62011900 A JP62011900 A JP 62011900A JP 1190087 A JP1190087 A JP 1190087A JP 2583417 B2 JP2583417 B2 JP 2583417B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は放射線増感スクリーン・フィルム撮影系を利
用する放射線像形成方法に関するものである。
[発明の技術的背景および従来技術] 医療診断を目的とするX線撮影等の医療用放射線撮
影、物質の非破壊検査を目的とする工業用放射線撮影な
どの種々の分野における放射線写真撮影においては、放
射線増感スクリーン(増感紙)を放射線写真フィルム
(たとえば、X線写真フィルム)の片面あるいは両面に
密着させるように重ね合わせて使用している。
放射線写真フィルムは基本構造として、支持体と、そ
の片面もしくは両面に設けられたハロゲン化銀を分散状
態で含有支持する結合剤からなる写真乳剤層とからなる
ものである。
また、放射線増感スクリーンは基本構造として、支持
体と、その片面に設けられた蛍光体層とからなるもので
ある。蛍光体層は、蛍光体粒子を分散状態で含有支持す
る結合剤からなるものであり、この蛍光体粒子は、X線
などの放射線によって励起された時に高輝度の発光を示
す性質を有するものである。従って、被写体を通過した
放射線の量に応じて蛍光体は高輝度の発光を示し、放射
線増感スクリーンの蛍光体層の表面に接するようにして
重ね合わされて置かれた放射線写真フィルムは、この蛍
光体の発光によっても感光するため、比較的少ない放射
線量で放射線フィルムの充分な感光を達成することがで
きる。
従来より、放射線写真フィルムとして支持体の片面に
写真乳剤層が設けられた構成を有するもの(片面フィル
ム)を用い、かつ、このフィルムの写真乳剤層側に放射
線増感スクリーンを配置してなるスクリーン・フィルム
撮影系(片面システム)が知られている。
一般に、撮影系によって得られる画像の画質(鮮鋭
度、粒状性等)は、その系に組み込まれた放射線増感ス
クリーンの特性に起因するところが大であり、増感スク
リーンとしては画質の優れた画像を与えるものであるこ
とが望まれている。
たとえば、画像の鮮鋭度を高めることを目的として、
蛍光体層を構成する蛍光体の粒子径がスクリーン表面側
(蛍光を取り出す側)で大きく、支持体側で小さくなる
ように蛍光体粒子を配列させた放射線増感スクリーンが
提案されている(特公昭55−33560号、特開昭58−71500
号等)。また、特開昭58−160952号公報には、感度を損
ねることなく鮮鋭度の向上した画像を与える片面システ
ムとして、フィルムに近い側に粒子径の大きな希土類蛍
光体の粒子を配列させ、フィルムから遠ざかるにつれて
蛍光体の粒子径が小さくなるように配列させてなる放射
線増感スクリーンを使用する増感紙システムが記載され
ている。このような増感スクリーンを用いた片面システ
ムでは、フィルムに近い側の蛍光体の粒子径が相対的に
大きいから高感度とすることができ、換言すれば、蛍光
体の粒子径分布がその厚み方向に均一である従来の増感
スクリーンと同一感度とした場合に、鮮鋭度を高めるこ
とができる。また支持体側の粒子径の小さな蛍光体粒子
群が反射層的役割を果すために蛍光の反射、散乱光路を
短くしてスクリーン表面から取り出すことができ、この
ことによっても鮮鋭度(低周波数領域)が高められる。
[発明の要旨] 本発明は、画質、特に鮮鋭度および粒状性の向上した
画像を与える放射線増感スクリーンを用いる放射線画像
形成方法を提供することをその目的とするものである。
また、本発明は、高感度であって、かつ鮮鋭度の向上
した画像を与える放射線像形成方法を提供することもそ
の目的とするものである。
上記の目的は、放射線の入射方向から見て放射線写真
フィルムの後面に放射線増感スクリーンを配置してなる
スクリーン・フィルム撮影系を利用する放射線像形成方
法において、該放射線増感スクリーンが支持体とこの上
に設けられた蛍光体層とを有しており、かつ蛍光体層を
構成する蛍光体粒子が放射線写真フィルムに近いスクリ
ーン表面側から支持体側に向かってその粒子径が大きく
なるように配列されていることを特徴とする本発明の放
射線像形成方法により達成することができる。
なお、本発明においてスクリーン表面とは支持体とは
反対側の増感スクリーンの表面を意味し、蛍光体層表面
もしくはその上に保護膜が設けられている場合には保護
膜表面をいう。
本発明者は、画質の向上した画像を得るべく研究を重
ねた結果、放射線増感スクリーンの蛍光体層を構成する
蛍光体粒子を公知のものとは全く反対に、スクリーン表
面側(蛍光の取出し側)で粒子径が小さく支持体側で粒
子径が大きくなるように配列させることにより、鮮鋭度
および粒状性の向上した画像を得ることを実現した。
すなわち、上記構成の放射線増感スクリーンを、スク
リーン表面がフィルムに面するように放射線写真フィル
ムの片側(放射線の入射方向についてフィルムの後面)
に配置してなる撮影系を利用する本発明の放射線像形成
方法によれば、感度をそれほど低下させずに高鮮鋭度で
あってかつ粒状性の優れた画像を得ることができる。
特に、放射線写真フィルムとして写真乳剤層が平板状
のハロゲン化銀粒子から構成された片面フィルムを用い
た場合には、高画質であると同時に高感度の撮影系を実
現することができる。
平板状のハロゲン化銀粒子は高いカバリングパワーを
有するから、放射線フィルムの単位面積当りの銀量を少
なくしても高感度であって、また特性曲線(露光量と写
真濃度との関係を表わすグラフであり、フィルムの感光
特性を示す)の最高濃度(Dmax)を高い値に維持するこ
とができる。銀量の低減とともに結合剤の量も少なくて
済むから、従来の両面フィルムの片側の乳剤層の層厚と
同程度の層厚で同等の感度を得ることができる。
また、放射線写真フィルムは通常、短時間(たとえ
ば、Dry to Dryで90秒)で現像、定着、水洗、乾燥から
なる処理が施されているが、上記放射線フィルムにおい
ては銀量および結合剤量が少ないから、これらの処理の
際に定着不完全(ヌケ不良)、水洗不良、乾燥不良、残
色汚染などの諸問題が生じることがない。
これまで、片面システムの感度に関しては、放射線増
感スクリーンの蛍光体層を厚くしてもスクリーン表面か
ら蛍光が放出されにくくなりスクリーンを高感度化する
ことが困難であったが、上記の迅速処理可能な高感度片
面フィルムを用いることにより、片面システムの高感度
化を達成することができる。従って、本発明にかかる撮
影系(片面システム)に該放射線フィルムを用いること
により、鮮鋭度、粒状性等の画質の向上に加えて撮影系
を高感度にすることができる。
また、上記放射線フィルムを用いた片面システムは、
支持体側からスクリーン表面側に向かって粒子径が大き
くなるように蛍光体粒子が配列した公知の増感スクリー
ンを用いた両面システムと比較しても、感度が同等であ
って、かつ非常に高鮮鋭度の画像を与えることができ
る。
[発明の構成] 本発明の放射線増感スクリーンの代表的な構成例を、
第1図に示す。
第1図は、本発明に係る撮影系の例を示す断面図であ
る。第1図において、放射線増感スクリーン1は順に支
持体1a、蛍光体層1bおよび保護膜1cから構成され、蛍光
体層1b中の蛍光体粒子はスクリーン表面側(保護膜側)
から支持体側に向かってその粒子径が大きくなるように
配列されている。
なお、本発明の放射線増感スクリーンは上記の態様に
限定されるものではなく、蛍光体層を構成する蛍光体粒
子がスクリーン表面側から支持体側に向かってその粒子
径が大きくなるように配列されている限り、種々の構成
をとることができる。たとえば、各層の間には光反射
層、下塗り層など公知の各種の層が設けられていてもよ
い。
本発明の放射線増感スクリーンはたとえば、次に述べ
るような方法により製造することができる。
本発明において使用する支持体は、放射線増感スクリ
ーンの製造のための材料として知られている各種の材料
から任意に選ぶことができる。そのような材料の例とし
ては、セルロースアセテート、ポリエステル、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、トリア
セテート、ポリカーボネートなどのプラスチック物質の
フィルム、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔などの
金属シート、通常の紙、バライタ紙、レンジコート紙、
二酸化チタンなどの顔料を含有するピグメント紙、ポリ
ビニルアルコールなどをサイジングした紙などを挙げる
ことができる。ただし、放射線増感スクリーンとしての
諸特性を考慮した場合、本発明において特に好ましい支
持体の材料はプラスチックフィルムである。このプラス
チックフィルムにはカーボンブラックなどの光吸収性物
質が練り込まれていてもよく、あるいは二酸化チタンな
どの光反射性物質が練り込まれていてもよい。前者は高
鮮鋭度タイプの放射線増感スクリーンに適した支持体で
あり、後者は高感度タイプの放射線増感スクリーンに適
した支持体である。
支持体の表面には、その上に設けられる蛍光体層との
結合を強化する目的でゼラチンなどの高分子物質を塗布
して接着性付与層としたり、感度もしくは画質を高める
目的で二酸化チタン等の光反射性物質からなる光反射
層、もしくはカーボンブラック等の光吸収性物質からな
る光吸収層を設けたり、あるいは散乱放射線の除去など
を目的として鉛箔、鉛合金箔、錫箔などの金属箔を設け
てもよい。
さらに、特開昭58−182599号公報に記載されているよ
うに鮮鋭度を向上させる目的で、支持体の表面(支持体
の蛍光体層側の表面に接着性付与層、光反射層、光吸収
層あるいは金属箔が設けられている場合には、その表面
を意味する)には微小の凹凸が設けられていてもよい。
次に、支持体の上には蛍光体層が形成される。
本発明の特徴的な要件である蛍光体層は、蛍光体粒子
を分散状態で含有支持する結合剤からなる層である。
蛍光体としてはすでに各種のものが知られている。本
発明において使用するのが好ましい近紫外乃至可視領域
(青色領域、緑色領域および赤色領域)に発光を示す蛍
光体の例としては、次のような化合物を挙げることがで
きる: タングステン酸塩系蛍光体(CaWO4、MgWO4、CaWO4:Pb
等)、テルビウム賦活希土類酸硫化物系蛍光体[Y2O2S:
Tb、Gd2O2S:Tb、La2O2S:Tb、(Y,Gd)2O2S:Tb、(Y,G
d)2O2S:Tb,Tm等]、テルビウム賦活希土類燐酸塩系蛍
光体(YPO4:Tb、GdPO4:Tb、LaPO4:Tb等)、テルビウム
賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体(LaOBr:Tb、La
OBr:Tb,Tm、LaOCl:Tb、LaOCl:Tb,Tm、GdOBr:Tb、GdOCl:
Tb等)、ツリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光
体(LaOBr:Tm、LaOCl:Tm等)、硫酸バリウム系蛍光体
[BaSO4:Pb、BaSO4:Eu2+、(Ba,Sr)SO4:Eu2+等]、二
価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属燐酸塩系蛍光体
[Ba3(PO42:Eu2+、(Ba,Sr)(PO42:Eu2+等]、
二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化
物系蛍光体[BaFCl:Eu2+、BaFBr:Eu2+、BaFCl:Eu2+,T
b、BaFBr:Eu2+,Tb、BaF2・BaCl2・KCl:Eu2+、BaF2・BaC
l2・xBaSO4・KCl:Eu2+、(Ba,Mg)F2・BaCl2・KCl:Eu2+
等]、沃化物系蛍光体(CsI:Na、CsI:Tl、NaI、KI:Tl
等)、硫化物系蛍光体[ZnS:Ag、(Zn,Cd)S:Ag、(Zn,
Cd)S:Cu、(Zn,Cd)S:Cu、Al等)]、燐酸ハフニウム
系蛍光体(HfP2O7:Cu等)、ユーロピウム賦活希土類酸
硫化物系蛍光体[Y2O2S:Eu、Gd2O2S:Eu、La2O2S:Eu、
(Y,Gd)2O2S:Eu等]、ユーロピウム賦活希土類酸化物
系蛍光体[Y2O3:Eu、Gd2O3:Eu、La2O3:Eu、(Y,Gd)
2O3:Eu]、ユーロピウム賦活希土類燐酸塩系蛍光体(YP
O4:Eu、GdPO4:Eu、LaPO4:Eu等)、ユーロピウム賦活希
土類バナジン酸塩系蛍光体[YVO4:Eu、GdVO4:Eu、LaV
O4:Eu、(Y,Gd)VO4:Eu]。
なお、本発明に用いられる蛍光体はこれらのものに限
られるものではなく、放射線の照射により近紫外領域あ
るいは可視領域に発光を示す蛍光体であればいかなるも
のであってもよい。
ただし、粒子径の異なる蛍光体粒子を用意する必要が
ある。具体的には平均粒子径の異なる蛍光体を二種類以
上用意する。たとえば、粒子径が大である蛍光体として
平均粒子径が8〜15μmの範囲にある蛍光体、および粒
子径が小である蛍光体として平均粒子径が2〜5μmの
範囲にある蛍光体を用意する。好ましくは、平均粒子径
がそれぞれ8〜15μm、5〜8μmおよび2〜5μmの
範囲にある三種類の蛍光体を用意する。
蛍光体層の結合剤の例としては、ゼラチン等の蛋白
質、デキストラン等のポリサッカライド、またはアラビ
アゴムのような天然高分子物質;および、ポリビニルブ
チラール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチル
セルロース、塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、
ポリアルキル(メタ)アクリレート、塩化ビニル・酢酸
ビニルコポリマー、ポリウレタン、セルロースアセテー
トブチレート、ポリビニルアルコール、線状ポリエステ
ルなどのような剛性高分子物質などにより代表される結
合剤を挙げることができる。このような結合剤のなかで
特に好ましいものは、ニトロセルロース、線状ポリエス
テル、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ニトロセル
ロースと線状ポリエステルとの混合物、およびニトロセ
ルロースとポリアルキル(メタ)アクリレートとの混合
物である。
蛍光体層は、たとえば、次のような方法により支持体
上に形成することができる。
蛍光体層の形成においては、まず上記の平均粒子径の
異なる蛍光体の種類ごとに、蛍光体粒子と結合剤とを適
当な溶剤に加え、これを充分に混合して結合剤溶液中に
蛍光体粒子が均一に分散した塗布液を調製する。
塗布液調製用の溶剤の例としては、メタノール、エタ
ノール、n−プロパノール、n−ブタノールなどの低級
アルコール;メチレンクロライド、エチレンクロライド
などの塩素原子含有炭化水素;ベンゼン、トルエンなど
の芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級アルコール
とのエステル;ジオキサン、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル
などのエーテル;そして、それらの混合物を挙げること
ができる。
各塗布液における結合剤と蛍光体との混合比は、目的
とする放射線増感スクリーンの特性、蛍光体の種類など
によって異なるが、一般には結合剤と蛍光体との混合比
は1:1乃至1:100(重量比)の範囲から選ばれ、そして特
に1:8乃至1:40(重量比)の範囲から選ぶのが好まし
い。
なお、各塗布液には、該塗布液中における蛍光体粒子
の分散性を向上させるための分散剤、形成後の蛍光体層
中における結合剤と蛍光体粒子との間の結合力を向上さ
せるための可塑剤などの種々の添加剤が混合されていて
もよい。そのような目的に用いられる分散剤の例として
は、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性界面
活性剤などを挙げることができる。そして可塑剤の例と
しては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ジ
フェニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジエチル、フタ
ル酸ジメトキシエチルなどのフタル酸エステル;グリコ
ール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフタ
リルブチルなどのグリコール酸エステル;そして、トリ
エチレングリコールとアジピン酸とのポリエステル、ジ
エチレングリコールとコハク酸とのポリエステルなどの
ポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエス
テルなどを挙げることができる。
上記のようにして調製された複数の塗布液を支持体の
表面に均一に同時に重層塗布することにより塗布液の塗
膜を形成する。この際に、支持体側に平均粒子径の最も
大きな蛍光体粒子を含む塗布液を配置し、支持体から遠
のくにつれて平均粒子径のより小さな蛍光体粒子を含む
塗布液を配置して同時重層塗布を行なう。この塗布操作
は、通常の塗布手段、たとえばドクターブレード、ロー
ルコーター、ナイフコーターなどを用いることにより行
なうことができる。ついで、形成された塗膜を徐々に加
熱することにより乾燥して、支持体上への蛍光体層の形
成を完了する。
あるいは、各塗布液を順に一つずつ塗布乾燥する操作
を繰り返すことにより、支持体上に多層からなる蛍光体
層を形成してもよい。
蛍光体層の層厚(全層厚)は、目的とする放射線増感
スクリーンの特性、蛍光体の種類、結合剤と蛍光体との
混合比などによって異なるが、通常は200μm乃至1mmの
範囲にあり、好ましくは50乃至500μmの範囲にある。
本発明において、蛍光体層中の蛍光体の粒子径は支持
体近傍で大きく、反対側のスクリーン表面近傍でそれよ
り小さくされていればよく、好ましくはスクリーン表面
側から支持体側に向かって次第に大きくなるように配列
されているのが好ましい。蛍光体の粒子径は目的とする
放射線増感スクリーンの特性によっても異なるが、好ま
しくはスクリーン表面近傍における平均粒子径が2〜5
μmの範囲にあり、支持体近傍における平均粒子径が8
〜15μmの範囲にある。また、上記のように蛍光体の平
均粒子径の異なる複数種の塗布液を用いて蛍光体層を形
成する場合には、各塗布液における結合剤と蛍光体との
比率および各塗布量は蛍光体の種類、平均粒子径などに
応じて好適に調節される。
なお、蛍光体層は、必ずしも上記のように支持体上に
塗布液を直接塗布して形成する必要はなく、たとえば、
別にガラス板、金属板、プラスチックシートなどのシー
ト上に上記と同様にして塗布液を塗布し乾燥することに
より蛍光体層を形成した後、これを支持体上に押圧する
か、あるいは接着剤を用いるなどして支持体と蛍光体層
とを接合してもよい。
蛍光体層の支持体に接する側とは反対側の表面には、
蛍光体層を物理的および化学的に保護する目的で保護膜
が設けられてもよい。
透明保護膜は、たとえば、酢酸セルロース、ニトロセ
ルロースなどのセルロース誘導体;あるいはポリメチル
メタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホ
ルマール、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、塩化ビ
ニル・酢酸ビニルコポリマーなどの合成高分子物質のよ
うな透明な高分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した
溶液を蛍光体層の表面に塗布する方法により形成するこ
とができる。あるいはポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレン、塩化ビニリデン、ポリアミドなどから予め
形成した透明な薄膜を蛍光体層と表面に適当な接着剤を
用いて接着するなどの方法によっても形成することがで
きる。透明保護膜の膜厚は約3乃至20μmとするのが望
ましい。
本発明の放射線像形成方法に用いられる放射線フィル
ムは、基本構造として、支持体とこの片面に設けられた
写真乳剤層とからなるものでる。
支持体の材料としては、ポリエチレンテレフタレート
などのプラスチックフィルムが挙げられる。このプラス
チックフィルムはクロスオーバー光を遮断して画像の画
質をより向上させるために、青色染料または赤色染料な
ど適当な着色剤によって着色されていてもよい。
写真乳剤層は、ハロゲン化銀を分散状態で含有支持す
るゼラチンなどの結合剤からなるものである。
ハロゲン化銀としては、AgCl、AgBr、AgIおよびこれ
らの混晶などを挙げることができる。ハロゲン化銀はレ
ギュラー粒子(立方体、八面体、十四面体、エピキシャ
ル粒子)であってもよいし、また非レギュラー粒子(平
板状、ジャガイモ状)であってもよい。
これらのうちで、平板状のハロゲン化銀粒子は現像し
た時の銀像のカバリングパワーが大きいために少ない銀
量で像を形成でき、特に好ましい。また、平板状粒子は
比表面積が大きいためにハロゲン化銀の固有減感を伴な
わずに多量の増感色素を粒子表面に吸着させることがで
きる。そして、増感色素の光吸収係数はハロゲン化銀の
間接遷移の光吸収係数より大きいために、蛍光体から発
せられた光の殆どは色素で吸収されるのでクロスオーバ
ー光を非常に減少させることができる。さらに、平板状
粒子は塗布乾燥した時に支持体表面と平行に配列するた
めに入射光を横方向へあまり散乱させず、写真乳剤層中
での横方向への光の広がりを少なくすることができる。
本発明に用いられる平板状粒子は、一般に平均直径が
0.4〜10μmの範囲にあり、好ましくは0.5〜5μmの範
囲にある。そして平均厚さと平均直径の比率(直径/厚
さ)が4〜20の範囲にあり、好ましくは6〜15の範囲に
ある。
写真乳剤層は、たとえば、ハロゲン化銀の粒子を分散
するゼラチン溶液を支持体上に塗布、乾燥することによ
り形成することができる。ゼラチン溶液中には増感色
素、カップラーなどが適宜添加されてもよい。ハロゲン
化銀は一般に乳剤層の単位面積当り1〜20g/m2の範囲で
含有され、好ましくは2〜10g/m2の範囲である。また、
写真乳剤層は通常1〜50μmの範囲の層厚で支持体上に
設けられる。
さらに、写真乳剤層を物理的および化学的に保護する
ためにゼラチンなどからなる保護層が設けられていても
よい。
次に、蛍光体層の厚み方向に蛍光体の粒子径が異なる
放射線増感スクリーンと放射線写真フィルムとを組み合
わせた撮影系を用いる本発明の放射線像形成方法につい
て、添付図面を参照しながら説明する。
第1図は、本発明に係る撮影系(片面システム)の例
を示す断面図であり、第2図は、第1図に示した撮影系
を利用する本発明の放射線像形成方法の例を概略的に示
す図である。
第1図において、前述したように放射線増感スクリー
ン1は順に支持体1a、蛍光体層1bおよび保護膜1cから構
成され、蛍光体層1b中の蛍光体粒子はスクリーン表面側
から支持体側に向かって(放射線の入射方向に)、その
粒子径が次第に大きくなるように配列されている。ま
た、放射線写真フィルム2は支持体2aの片面に設けられ
た写真乳剤層2bおよび保護層2cから構成される。スクリ
ーン1とフィルム2とは保護膜1c、保護層2c表面が互い
に面するように向かい合わされている。
第2図において、スクリーン・フィルム撮影系3は放
射線入射側に位置する放射線写真フィルム2とその背後
に配置された放射線増感スクリーン1とからなる。撮影
系3は被写体4を挟んで放射線発生装置5に対向するよ
うに配置されている。
放射線発生装置5から放射された放射線は被写体4を
透過したのち、一部は直接に放射線フィルム2を感光さ
せる。一方、残りの放射線はフィルム2を透過したのち
増感スクリーン1の蛍光体粒子により吸収されて蛍光に
変換され、この光は隣接するフィルム2をさらに感光さ
せる。
このようにして放射線フィルム2上には被写体の放射
線像が形成され、撮影後、このフィルムを現像処理する
ことによりフィルム上には可視画像が得られる。
次に本発明の実施例および比較例を記載する。ただ
し、これらの各例は本発明を制限するものではない。
[実施例1] (1)放射線増感スクリーンの製造 テルビウム賦活オキシ硫化ガドリニウム蛍光体粒子
(Gd2O2S:Tb、平均粒子径:4.4μm)、及び線状ポリエ
ステル(バイロン#500、東洋紡(株)製)と硝化度11.
5%のニトロセルロースとの混合物(重量混合比、8:2)
をメチルエチルケトンに添加して、蛍光体粒子を分散状
態で含有する分散液を調製した。さらに、この分散液に
燐酸トリクレジル、n−ブタノールそしてメチルエチル
ケトンを添加したのちプロペラミキサーを用いて充分に
撹拌混合して、蛍光体粒子が均一に分散し、蛍光体と結
合剤との混合比が10:1(重量比)かつ粘度が25〜35PS
(25℃)の塗布液Aを調製した。
テルビウム賦活オキシ硫化ガドリニウム蛍光体粒子
(平均粒子径:6.0μm)を用いること以外は上記と同様
の操作を行なうことにより、塗布液Bを調製した。ま
た、テルビウム賦活オキシ硫化ガドリニウム蛍光体粒子
(平均粒子径:9.6μm)を用いること以外は上記と同様
の操作を行なうことにより、塗布液Cを調製した。
次に、ガラス板上に水平に置いた二酸化チタン練り込
みポリエチレンテレフタレートシート(支持体、厚み:2
50μm)の上に、支持体から遠い順に塗布液A、Bおよ
びCとなるように配置して、ドクターブレードを用いて
均一に同時に重層塗布した後、塗膜が形成された支持体
を乾燥器に入れ、器内の温度を25℃から100℃に徐々に
上昇させることにより塗膜の乾燥を行なった。このよう
にして、支持体上に順に塗膜C、B、Aからなり、各乾
燥塗膜の厚さが約60μm、全層厚が約180μmの蛍光体
層を形成した。
そして、この蛍光体層の上にポリエチレテレフタレー
トの透明フィルム(厚み:12μm、ポリエステル系接着
剤が付与されているもの)を接着剤層側を下に向けて置
いて接着することによって、透明保護膜を形成し、支持
体、スクリーン表面側から支持体側に向かって蛍光体の
粒子径が大きくなっている蛍光体層、および透明保護膜
から構成された放射線増感スクリーンIを製造した[第
3図(I)、a:支持体、b:蛍光体層、c:保護膜]。
(2)放射線写真撮影(放射線画像の形成) 得られた放射線増感スクリーンと片面の放射線写真フ
ィルム(商品名:Fuji MI−NH、富士写真フィルム(株)
製)とをカセッテ内で圧着して前記第1図に示すような
スクリーン・フィルム撮影系を構成し、第2図に示す配
置でX線撮影を行なった。
撮影後、放射線フィルムを現像処理してX線写真を得
た。
[比較例1] 実施例1において、支持体から近い順に塗布液A、B
およびCとなるように配置すること以外は実施例1の方
法と同様の操作を行なうことにより、支持体、スクリー
ン表面側から支持体側に向かって蛍光体の粒子径が小さ
くなっている蛍光体層、および透明保護膜から構成され
た放射線増感スクリーンIIを製造した[第3図(I
I)]。
得られた放射線増感スクリーンを用いること以外は実
施例1の方法と同様の操作を行なうことにより、X線撮
影を行なって放射線フィルム上にX線画像を得た。
[比較例2] 実施例1の塗布液A、BおよびCをそれぞれ等量混合
して、種々の粒子径の蛍光体粒子を分散含有する塗布液
を調製した。
実施例1において、この塗布液を単独で用いること以
外は実施例1の方法と同様の操作を行なうことにより、
支持体、スクリーン表面側から支持体側に向かって蛍光
体の粒子径分布が均一な蛍光体層、および透明保護膜か
ら構成された放射線増感スクリーンIIIを製造した[第
3図(III)]。
得られた放射線増感スクリーンを用いること以外は実
施例1の方法と同様の操作を行なうことにより、X線撮
影を行なって放射線フィルム上にX線画像を得た。
上記の各放射線増感スクリーンおよび放射線写真撮影
について、以下に記載する画像鮮鋭度試験、画像粒状性
試験および感度試験により評価した。
(1)画像鮮鋭度試験 スクリーン・フィルム撮影系に、解像力チャートを通
して管電圧80KVpのX線を照射してX線写真撮影を行な
い、得られたX線写真のコントラスト伝達関数(CTF)
を測定し、これを空間周波数2サイクル/mmの値で表示
した。
(2)画像粒状性試験 スクリーン・フィルム撮影系に、水ファントーム(厚
さ:10cm)とアルミニウム板(厚さ:10mm)とを介して濃
度1.2の条件で、管電圧80KVpのX線を照射してX線写真
撮影を行なった。このX線写真フィルムを自動現像機
(New RN、富士写真フィルム(株)製)により現像液
(RD III、富士写真フィルム(株)製)を用いて35℃の
温度で90秒処理した。得られたフィルムをミクロホトメ
ータ(アパーチャー:300μm×300μm)で測定し、RMS
値を求めた。
(3)感度試験 スクリーン・フィルム撮影系に管電圧80KVpのX線を
照射してX線写真撮影を行なった。得られたX線写真の
画像濃度より感度を測定した。
得られた結果をまとめて第1表に示す。
第1表に示した結果から明らかなように、上記第1図
に示したスクリーン・フィルム撮影系を使用する本発明
の放射線像形成方法(実施例1)は、蛍光体層の厚み方
向に蛍光体の粒子径分布が均一な従来の放射線増感スク
リーン(III)を用いた従来の方法(比較例2)と比較
して、感度は若干低いものの画像の鮮鋭度および粒状性
が顕著に向上した。
また、本発明の方法(実施例1)は、フィルム側に粒
子径の大きな蛍光体粒子を配列させた公知の放射線増感
スクリーン(II)を用いた公知の方法(比較例1)と比
べても、鮮鋭度および粒状性ともに著しく改良されてい
た。
[実施例2] (1)放射線写真フィルムの製造 水1中に臭化カリウム6g、ゼラチン25gおよびチオ
エーテル[OH(CH22S−(CH22S(SH22OH]の0.5
重量%溶液20ccを加えたのち容器を60℃に保ち、さらに
この容器中に激しく撹拌しながら、0.88Mの硝酸銀水溶
液30ccと混合モル比が96:4の臭化カリウムと沃化カリウ
ムからなる0.88Mのハロゲン水溶液30ccとを同時に30秒
間で添加した。
その後さらに、1.70Mの硝酸銀水溶液600ccと混合モル
比が96:4の臭化カリウムと沃化カリウムからなる1.75M
のハロゲン水溶液600ccとを70分かけて同時に添加し
た。容器の温度を下げて沈降法により乳剤中の塩類を水
洗し除去した。金増感とイオウ増感を併用して55℃で10
0分間熟成した。
このようにして、平均厚さが0.160μm、平均直径が
1.25μm、直径/厚さの比率が7.8の平板状の沃臭化銀
粒子からなる乳剤を得た。沃化銀の含量は4モル%であ
った。
次に、この乳剤に、銀1モル当り緑色増感色素[アン
ヒドロ−5,5′−ジクロロ−9−エチル−3,3′−ジ(3
−スルフォプロピル)オキサカルボシアニンハイドロオ
キサイドナトリウム塩]500mgおよび沃化カリウム500mg
の割合で添加した。さらに、4−ヒドロキシ−6−メチ
ル−1,3,3a,7−テトラザインデンおよび平均分子量が4
7,000のポリアクリルアミドを添加して、乳剤溶液を調
製した。乳剤溶液におけるゼラチンと銀との重量比(ゼ
ラチン/銀)は0.86であった。
別に、マット剤(ポリメチルメタクリレート微粒
子)、塗布助剤(t−オクチルフェノキシエトキシエタ
ンスルフォン酸ナトリウム)、帯電防止剤(ポリエチレ
ンオキサイト)および硬膜剤を含むゼラチン溶液を調製
した。
ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体、厚
み:180μm)の上に、上記乳剤溶液およびゼラチン溶液
を同時押出し塗布法により塗布し乾燥して、順に支持
体、写真乳剤層および保護層からなる片面フィルムを得
た。フィルムの塗布銀量は3.5g/m2であり、乳剤層のゼ
ラチン量は3g/m2であり、保護層におけるゼラチン塗布
量は1.2g/m2であった。
(2)放射線写真撮影(放射線画像の形成) 実施例1で得られた放射線増感スクリーンと上記放射
線写真フィルムとをカセッテ内で圧着して第1図に示す
ようなスクリーン・フィルム撮影系を構成し、第2図に
示す配置でX線撮影を行なった。撮影後、放射線フィル
ムを現像処理してX線写真を得た。
[実施例3] 実施例2において、平板状粒子の代りにジャガイモ状
粒子(球相当の平均直径:1.0μm)からなる乳剤を用い
ること以外は実施例2の方法と同様の操作を行なうこと
により、順に支持体、写真乳剤層および保護層からなる
片面フィルムを得た。なお、フィルムの塗布銀量は7.0g
/m2であり、乳剤層のゼラチン量は6g/m2であり、ゼラチ
ン/銀の比率(重量比)は0.86であった。
この放射線写真フィルムを用いること以外は実施例2
の方法と同様の操作を行なうことにより、X線撮影を行
なって放射線フィルム上にX線画像を得た。
[実施例4] 実施例2において、平板状粒子の代りにジャガイモ状
粒子(球相当の平均直径:1.0μm)からなる乳剤を用い
ること以外は実施例2の方法と同様の操作を行なうこと
により、順に支持体、写真乳剤層および表面保護層から
なる片面フィルムを得た。なお、フィルムの塗布銀量は
7.0g/m2であり、乳剤層のゼラチン量は3g/m2であり、ゼ
ラチン/銀の比率(重量比)は0.43であった。
この放射線写真フィルムを用いること以外は実施例2
の方法と同様の操作を行なうことにより、X線撮影を行
なって放射線フィルム上にX線画像を得た。
[実施例5] 実施例2において、平板状粒子の代りにジャガイモ状
粒子(球相当の平均直径:0.6μm)からなる乳剤を用い
ること以外は実施例2の方法と同様の操作を行なうこと
により、順に支持体、写真乳剤層および表面保護層から
なる片面フィルムを得た。なお、フィルムの塗布銀量は
3.5g/m2であり、乳剤層のゼラチン量は3g/m2であり、ゼ
ラチン/銀の比率(重量比)は0.86であった。
この放射線写真フィルムを用いること以外は実施例2
の方法と同様の操作を行なうことにより、X線撮影を行
なって放射線フィルム上にX線画像を得た。
実施例2〜5の各放射線写真撮影について、上記の画
像粒状性試験および感度試験、さらに以下に記載する乾
燥処理試験および残色試験により評価した。また、特性
曲線からカブリおよびDmaxを求めた。
(4)乾燥処理試験 X線撮影後、放射線フィルムを自動現像機を用いて現
像から乾燥に至るまで(Dry to Dry)90秒で処理したと
きのフィルムの乾燥の程度を目視および手の感触により
判断した。乾燥の程度を以下の四段階で評価した。
A:フィルムは十分に乾燥していた。
B:フィルムは湿気が残っていた。
C:フィルムの乾燥は不十分であった。
D:フィルムは全く乾燥していなかった。
(5)残色試験 上記乾燥処理後、放射線フィルムを目視により観察
し、残色汚染(ヌケ不良)の程度を以下の四段階で評価
した。
A:フィルムにヌケ不良は全く生じなかった。
B:フィルムにヌケ不良が若干生じていた。
C:フィルムにヌケ不良が相当生じていた。
D:フィルムにヌケ不良が著しく生じていた。
得られた結果をまとめて第2表に示す。
第2表に示した結果から明らかなように、本発明に係
る放射線像形成方法のうちでも、平板状の沃臭化銀粒子
を含有する放射線写真フィルムを用いた場合(実施例
2)には、従来のジャガイモ状粒子を含有する放射線フ
ィルムを用いた場合(実施例3〜5)と比較して、感度
が高く粒状性が優れており、そしてカブリおよび最高濃
度(Dmax)とも十分満足できる程度であった。また、乾
燥不良や残色汚染は全く生じなかった。
一方、ジャガイモ状粒子を含有する放射線フィルムで
は、銀およびゼラチン量とも多い場合(実施例3)には
比較的高感度ではあるが、乾燥不良および残色汚染が生
じた。銀量のみを増加させた場合(実施例4)には粒状
性が悪く、残色汚染も生じた。また、粒子径を小さくし
た場合(実施例5)には感度が極めて低かった。
[実施例6] 実施例1で得られた放射線増感スクリーンと実施例2
で得られた放射線写真フィルムとをカセッテ内で圧着し
て第1図に示すようなスクリーン・フィルム撮影系を構
成し、第2図に示す配置でX線撮影を行なった。撮影
後、放射線フィルムを現像処理してX線写真を得た。
[比較例3] 実施例6において、二枚の放射線増感スクリーン(商
品名:Fuji GRENEX G4、富士写真フィルム(株)製)と
両面の放射線写真フィルム(商品名:オルソHR−L、富
士写真フィルム(株)製)とを、フィルムの両側にスク
リーンを配置しカセッテ内で圧着してスクリーン・フィ
ルム撮影系(両面システム)を構成すること以外は実施
例6の方法と同様の操作を行なうことにより、X線撮影
を行なって放射線フィルム上にX線画像を得た。
実施例6および比較例3の各放射線写真撮影につい
て、上記の感度試験、画像鮮鋭度試験および画像粒状性
試験により評価した。得られた結果を第3表に示す。
第3表に示した結果から明らかなように、平板状粒子
を含有する放射線写真フィルムを用いた本発明の放射線
像形成方法(実施例6)は、片面システムであっても、
フィルム側に粒子径の大きな蛍光体粒子を配列させた公
知の両面システムを利用する放射線像形成方法(比較例
3)と同等の感度を有し、かつ鮮鋭度が顕著に高かっ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係るスクリーン・フィルム撮影系の
例を示す断面図である。 第2図は、本発明の放射線像形成方法を説明する概略図
である。 第3図は、放射線増感スクリーンの例を示す断面図であ
り、(I)は本発明のスクリーン、(II)は公知のスク
リーン、そして(III)は従来のスクリーンである。 1:放射線増感スクリーン、 1a,a:支持体、1b,b:蛍光体層、 1c,c:保護膜 2:放射線写真フィルム 2a:支持体、2b:写真乳剤層、 3c:保護層 3:スクリーン・フィルム撮影系、 4:被写体、5:放射線発生装置

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射線の入射方向から見て放射線写真フィ
    ルムの後面に放射線増感スクリーンを配置してなるスク
    リーン・フィルム撮影系を利用する放射線像形成方法に
    おいて、該放射線増感スクリーンが支持体とこの上に設
    けられた蛍光体層とを有しており、かつ蛍光体層を構成
    する蛍光体粒子が放射線写真フィルムに近いスクリーン
    表面側から支持体側に向かって粒子径が大きくなるよう
    に配列されていることを特徴とする放射線像形成方法。
  2. 【請求項2】上記放射線増感スクリーンの蛍光体層にお
    いて、スクリーン表面近傍の蛍光体粒子の平均粒子径が
    2〜5μmの範囲にあり、支持体近傍の蛍光体粒子の平
    均粒子径が8〜15μmの範囲にある特許請求の範囲第1
    項記載の放射線像形成方法。
  3. 【請求項3】上記放射線増感スクリーンの蛍光体層にお
    いて、スクリーン表面近傍の蛍光体粒子の平均粒子径が
    2〜5μmの範囲にあり、中央部の蛍光体粒子の平均粒
    子径が5〜8μmの範囲にあり、そして支持体近傍の蛍
    光体粒子の平均粒子径が8〜15μmの範囲にある特許請
    求の範囲第1項記載の放射線像形成方法。
  4. 【請求項4】上記放射線増感スクリーンの蛍光体層を構
    成する蛍光体粒子が、テルビウム賦活希土類酸硫化物蛍
    光体である特許請求の範囲第1項記載の放射線像形成方
    法。
  5. 【請求項5】上記放射線写真フィルムが、支持体とこの
    支持体の片面に設けられた写真乳剤層とから実質的に構
    成されており、かつ写真乳剤層には平板状のハロゲン化
    銀粒子が含有されている特許請求の範囲第1項記載の放
    射線像形成方法。
  6. 【請求項6】上記平板状のハロゲン化銀粒子の平均厚さ
    に対する平均直径の比率が、4〜20の範囲にある特許請
    求の範囲第5項記載の放射線像形成方法。
  7. 【請求項7】上記平板状のハロゲン化銀粒子の平均厚さ
    に対する平均直径の比率が、6〜15の範囲にある特許請
    求の範囲第5項記載の放射線像形成方法。
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