JPH0631891B2 - 放射線写真撮影用螢光増感紙 - Google Patents

放射線写真撮影用螢光増感紙

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JPH0631891B2
JPH0631891B2 JP60099950A JP9995085A JPH0631891B2 JP H0631891 B2 JPH0631891 B2 JP H0631891B2 JP 60099950 A JP60099950 A JP 60099950A JP 9995085 A JP9995085 A JP 9995085A JP H0631891 B2 JPH0631891 B2 JP H0631891B2
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intensifying
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は良好な写真画質を得る高感度の放射線写真撮影
用蛍光増感紙(以下「増感紙」と略称する)に関する。
(発明の背景) 増感紙は医療診断を目的とするX線撮影等の医療用放射
線撮影、物質の非破壊検査を目的とする工業用放射線撮
影など種々の分野における放射線撮影において、撮影系
の感度を向上させるためにX線フィルム(以下「フィル
ム」と略称する)に密着して使用されるものである。こ
の増感紙は基本的には紙、プラスチック等の支持体と、
この支持体の片面上に設けられた蛍光体層とからなるも
のである。蛍光体層は放射線励起によって高輝度の発光
を示す蛍光体を結合剤樹脂中に分散したもので、この蛍
光体層表面(支持体側と反対の面)は一般にポリエチレ
ンテレフタレート膜、酢酸セルロース膜、ポリメタアク
リレート膜、ニトロセルロース膜等の透明保護膜によっ
て保護されている。
また増感紙には、支持体と蛍光体層との間に光吸収層、
光反射層あるいは金属箔を設けたものも知られている。
更に物質の非破壊検査を目的とする工業的放射線撮影に
用いられる増感紙には、支持体と蛍光体層との間に金属
箔を介在させたものもある。
放射線写真撮影に際して増感紙は通常2枚1組で使用さ
れる。すなわち、前面増感紙(放射線入射側)と後面増
感紙とをフィルムカセッテ内に保持し、両面乳剤の放射
線写真フィルムをその間に挿入して放射線写真撮影が行
われる。
今日、放射線写真による医療診断においては、患者の被
曝線量低減のために高感度の放射線写真撮影システム
(放射線写真フィルムと増感紙の組合せ)が要望される
反面臨床写真での診断に適応した写真画質(鮮鋭度、粒
状性、コントラスト)を得ることができる放射線写真撮
影システムが要望されている。すなわち、被写体の微細
部分の写真再現能の優れた増感紙による放射線写真撮影
は、医療放射線診断領域では患者の微細な組織的変化を
より適確に診断することを可能にし、また金属構造物の
放射線非破壊検査においては、特にその検出が重要とさ
れるクラック等の判定をより正確にすることを可能にす
る。写真感度を犠牲にすれば写真画質の優れた増感紙を
得ることは可能である。しかしながら写真感度の低下は
医療放射線診断においては患者被曝線量の増大をもたら
し、工業用非破壊検査では検査能率の低下をもたらすも
のであり、好ましくない。すなわち高感度であり、かつ
医療用放射線撮影における診断能の向上及び工業用放射
線撮影における識別度の向上を可能にする。鮮鋭度、粒
状性等の写真画質の良好な増感紙が必要となる。
従来より増感紙にはタングステン酸カルシウム蛍光体
(CaWO4)が広く用いられているが、CaWO4蛍光体使用増
感紙の特長は、良好な写真画質が得られる点にあり、こ
れはCaWO4蛍光体固有の特性に依存するものである。X
線励起によってCaWO4蛍光体よりも高輝度に発光する蛍
光体はいくつか存在し、例えば銀付活硫化亜鉛蛍光体
(ZnS:Ag)等が知られている。しかしながらそれらの
蛍光体を用いた増感紙は通常医療診断に使用される撮影
条件では写真画質が悪く、特にCaWO4蛍光体使用増感紙
に比較して粒状性が悪く、かつ一般にコントラストが低
い。鮮鋭度、粒状性及びコントラストのうち鮮鋭度は、
他の2つに比べて蛍光体依存性が小さく、例えば使用蛍
光体の小粒子化や蛍光体層の厚さを減少させること等に
よって改良することができる。しかしながら粒状性及び
コントラストは蛍光体固有の特性に依存することが大き
く、増感紙の有する粒状性及びコントラストは基本的に
使用する蛍光体によって決まる。
最近高感度増感紙として次のような組成の蛍光体を用い
た増感紙が開発されている。
(Y0・998,Tb0・0022O2S (Y0・997,Tb0・002,Tm0・0012O2S (Y0・598,Gd0・4,Tb0・0022O2S (Y0・597,Gd0・4,Tb0・002,Tm0・0012O2S BaF2・BaCl2・KCl:Eu2+ BaF2・BaCl2・1.5KCl・0.6BaSO4:Eu2+ KCl・2BaCl2:Eu2+ BaFCl:Eu2+ LaOBr:Tb LaOBr:Tb,Tm Gd2O2S:Tb しかしCaWO4を用いた増感紙に比べ粒状性あるいはコン
トラストが悪い欠点を有している。
また、特開昭51-80190号、特公昭55-34400号、同56-339
5号、同56-46514号に示されるような、異なった蛍光体
を二層重ねた増感紙、特開昭50-116168号に示されるよ
うな異なった蛍光体同志が混在した蛍光面、特公昭55-3
3560号の蛍光体の粒径が蛍光体層の厚さ方向に変化した
増感紙、特開昭52-115685号のごとき、フィルムを挾む
1対の増感紙がそれぞれ異なった蛍光体でなる増感紙の
組合せ、あるいは特開昭56-12600号、同56-11393号のよ
うな白色顔料光反射層や金属光反射層を裏面に有する放
射線変換パネル等が知られているが、いずれの技術も高
感度を維持したまま良好な鮮鋭性または粒状性またはコ
ントラストを得ることはできない。
また、工業用放射線撮影用増感紙に用いられているよう
な支持体と蛍光体層の間に金属箔を介在させたもの、特
開昭54-70787号のごとき蛍光体層を着色した増感紙、特
公昭58-2640号のごとき蛍光体の発光を吸収する顔料粒
子を含む増感紙等の技術が知られているが、良好な画質
が得られるが感度の低下をもたらす。
また、増感紙の性能、すなわち増感紙の写真感度と写真
画質はそれに用いられる蛍光体の粒子径によって大きく
左右される。一般に増感紙性能と使用する蛍光体粒子径
の関係は、微粒子蛍光体を使用することによって写真画
質は向上するが、一方蛍光体の発光効率の低下をもたら
し、更に蛍光体層中での光学的損失が増大し、写真感度
を大幅に低下させてしまう。逆に大粒子蛍光体を使用す
ることによって写真感度は向上するが、一方蛍光体粒子
が大きいために、また蛍光体の発光効率がよいために蛍
光体層中で散乱光が生じ、写真画質を大幅に低下させて
しまう。
(発明の目的) 本発明の目的は、高感度であり、鮮鋭性、粒子性等につ
いて良好な画質を与える増感紙を提供することにある。
(発明の構成) 前記本発明の目的は、支持体上に蛍光体を有してなる放
射線写真撮影用蛍光増感紙に於て、更に重金属粒子を有
することを特徴とする放射線写真撮影用蛍光増感紙によ
って達成される。
尚本発明に於て、支持体上に蛍光体、更に重金属粒子を
有する態様には、 (1)重金属粒子(以後特定金属質粒子と称す)が蛍光体
粒子に付着して結合剤中に分散して同一塗設層に存在す
る場合、 (2)特定金属質粒子と蛍光体粒子が夫々結合剤中に分散
し同一塗設層に存在する場合、 (3)特定金属質粒子及び蛍光体粒子が夫々の結着剤に分
散し別々の塗設層に存在する場合(この場合特定金属質
粒子を分散している塗設層は蛍光体粒子を分散している
塗設層のいずれか1側または両側に設けられる態様が含
まれる。) (4)前記(1)あるいは(2)の塗設層と蛍光体粒子を分散し
ている塗設層が相互の任意の側に積層されている場合、 等が代表的態様として挙げられ、その他前記の態様の複
合的態様を必要に応じて採ることができる。更に蛍光体
粒子及び特定金属質粒子は同一層に於て夫々2種以上で
あってもよいし、別々の塗設層間で同じでも異なってい
てもよい。
更に必要に応じ保護膜が設けられ、更に光反射層あるい
は光吸収層その他の機能補助層が設けられてもよい。
尚本発明に於て蛍光体粒子及び/または特定金属質粒子
を分散してなる塗設層及びそれら複合層を総括して増感
層と称する。
本発明に係る蛍光体としては、CaWO4、ZnS:Ag、あるい
は前記特公昭56-3395号に開示された蛍光体、更にY2O
2S:Tb、Gd2O2S:Tb、La2O2S:Tb、(Y,Gd)2O2S:Tb、
(Y,Gd)2O2S:Tb,Tm、Y2O2S:Eu、Gd2O2S:Eu、(Y,Gd)2O
2S:Eu、Y2O3:Eu、Gd2O3:Eu、(Y,Gd)2O3:Eu、YVO4
Eu、YPO4:Tb、GdPO4:Tb、LaPO4:Tb、YPO4:Eu、LaOB
r:Tb、LaOBr:Tb,Tm、LaOCl:Tb、LaOCl:Tb,Tm、CdOB
r:Tb、GdOCl:Tb、CaWO4、CaWO4:Pb、BaSO4:Pb、BaS
O4:Eu2+、(Ba,Sr)SO4:Eu2+、Ba3(PO4)2:Eu2+、(Ba,S
r)3(PO4)2:Eu2+、BaFCl:Eu2+、BaFBr:Eu2+、BaFCl:
Eu2+,Tb、BaFBr:Eu2+,Tb、BaF2,BaCl2,KCl:Eu2+、Ba
F2,BaCl2,BaSO4,KCl:Eu2+、(Ba,Mg)F2,BaCl2,KCl:Eu
2+、CsI:Na、CsI:Tl、NaI、(Zn,Cd)S:Ag、(Zn,Cd)
S:Cu、(Zn,Cd)S:Cu,Al、(Zn,Cd)S:Au,Al、HfP2O7:C
u、MgWO4、KCl:Tl、CaS:Bi、SrS:Sm,Ce、ZnS:Au,A
l、ZnS:Cu、ZnS:Cu,Al、ZnS:Cu,Co、ZnS:Mn、ZnO:
Zn、BaSi2O5:Pb、Zn2SiO4:Mn、Mg2SiO4:Tb、BaSO4
Eu、MgB4O7:Tb、Ca3(PO4)2:Ce、Ca3(PO4)4:Ce,Mn、3
Ca3(PO4)2:Ca、(FCl)2:Sb,Mn、Ba3(PO4)2:Eu、BaSrS
O4、等の組成を有する蛍光体あるいはその混合物等のX
線用蛍光体が挙げられる。
前記蛍光体の粒径は0.5〜12μm、好ましくは3〜10μm
である。また増感層中の含有量は増感層重量の49〜98wt
%、好ましくは70〜93wt%、塗布量は15〜200mg/cm2、25
〜100mg/cm2、更に好ましくは40〜50mg/cm2である。
次に本発明に係る特定金属質粒子として、まず重金属と
してはPb,Pt,Ag,Au,Sn,Pd,Cd,In,Sb,Te,Mo,
Ir,Tl,Tiなどが挙げられる。
特定金属質粒子の粒径は0.05〜50μm、好ましくは蛍光
体粒子径の1/2以下、更に好ましくは0.1〜3μmであ
り、含有量は増感層重量の0.5〜50wt%、好ましくは1〜
25wt%、更に好ましくは2〜15wt%である。
本発明に係る結合剤としては、例えばゼラチンの如き蛋
白質、デキストランの如きポリサツカライドまたはアラ
ビアゴム、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ニ
トロセルロース、ニチルセルロース、塩化ビニリデン−
塩化ビニルコポリマー、ポリメチルメタクリレート、塩
化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリウレタン、セル
ロースアセテートブチレート、ポリビニルアルコール等
のような通常層形成に用いられる樹脂が使用される。該
樹脂の溶剤としてはアセトン、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、メチルフタル酸、無水フタル酸、ニチレングリコー
ル等が用いられ、添加量は増感層塗布液の粘度によって
調節される。結合剤の増感層中の含有量は増感層重量の
1〜50wt%、好ましくは3〜20wt%、更に好ましくは5〜
15wt%である。
支持体としては各種高分子材料、ガラス、ウール、コッ
トン、紙、金属などの種々の素材から作られたものが使
用され得るが、情報記録材料としての取扱い上可撓性の
あるシートあるいはロールに加工できるものが好適であ
る。この点から、例えばセルロースアセテートフィル
ム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレー
トフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィル
ム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィル
ム等のプラスチックフィルム、一般の紙及び例えば写真
用原紙、コート紙もしくはアート紙のような印刷用原
紙、パライタ紙、レジンコート紙、ベルギー特許第784,
615号明細書に記載されているようなポリサッカライド
等でサイジングされた紙、二酸化チタンなどの顔料を含
有するピグメント紙、ポリビニルアルコール等をサイジ
ングした紙等の加工紙が特に好ましい。
また支持体の色づけには例えば黒色ならばカーボンブラ
ック層を塗布すればよい。尚無色であっても差支ない。
支持体の厚みは100〜500μm、好ましくは200〜300μmで
ある。
また増感層の厚みは10〜1000μm、好ましくは50〜500μ
m、更に好ましくは75〜350μm、最も好ましくは90〜150
μmである。
保護層としてはニトロセルロース、エチルセルロース、
セルロースアセテート、ポリエステル、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリメタクリレート、ポリビニルブチラ
ール等の樹脂が用いられ、厚みは3〜15μm、好ましく
は5〜10μmである。
本発明に於て特定金属質粒子を増感層中に含有させる方
法としては、 (1)蛍光体粒子表面に付着させる場合は次のいずれかの
方法がある。
例えば静電塗布法による製造方法 (特願昭51-49436号) 懸濁重合法による製造方法 (特願昭51-49437号) 共重合法による製造方法 (特願昭51-77649号) ゼラチンとアラビアゴムの混合物を接着剤とする製造
方法 (特願昭51-80296号) (2)蛍光体層及び/または保護膜及び/またはその他の
層に含有させる場合 例えば蛍光体粒子と特定金属質粒子を蛍光体層結合層
樹脂中に混合し、例えばボールミルによって均一に分散
させる製造方法 特定金属質粒子を保護膜用樹脂あるいはその他の層用
樹脂中に混合し、例えばボールミルによって均一に分散
させる製造方法 等が挙げられる。
本発明の増感紙の製造方法は特定金属質粒子を含有する
こと以外は従来一般に行われている増感紙の製造方法で
製造される。すなわち蛍光体及び/または特定金属質粒
子と硝化綿等の結合剤樹脂とを適当量混合し、更にこれ
に溶剤を適当量加えて最適粘度の蛍光体及び/または特
定金属質粒子塗布液を作成し、この蛍光体及び/または
特定金属質粒子塗布液をロールコーター、ナイフコータ
ー等によって支持体上に塗布し乾燥して増感層とする。
この支持体は増感層をより密接に保持する目的で一方の
面(増感層が設けられる面)に下塗り層を有していても
よい。なお支持体上に増感層を設けるに際しては、結合
剤中に蛍光体及び/または特定金属質粒子を分散してな
る塗布液を支持体上に直接塗布して増感層を形成しても
よいし、あるいはあらかじめ別途形成された増感層を支
持体上に接着してもよい。
なお支持体と増感層との間に光反射層、光吸収層もしく
は金属箔を有する構造の増感紙の場合には、あらかじめ
支持体上に光反射層、光吸収層もしくは金属箔を設け、
その上に蛍光体及び/または特定金属質粒子塗布液を塗
布し乾燥して増感層とする。なお増感層が複数層よりな
る場合には、まず第1層(支持体に最も近い層)を塗布
した後更に同様な方法で第2層目以降を順次塗布する。
増感層を作成するにあたって蛍光体及び/または特定金
属質粒子の分散性を向上させるための分散剤あるいは得
られる増感紙の可撓性を高めるためのジブチルフタレー
ト、メチルフタリルエチレングリコール等の可塑剤等の
添加剤を蛍光体及び/または特定金属質粒子塗布液に添
加してもよい。また一般に多くの増感紙は増感層上に増
感層を保護するための透明保護膜を有しているが、本発
明の増感紙においても透明保護膜を設けた方法がよい。
この保護膜は保護膜用塗布液を増感層上に直接塗布して
形成してもよいし、あるいはあらかじめ別途形成された
保護膜を増感層上に接着してもよい。
放射線写真における重要な特性として感度と画質(鮮鋭
度、粒状性、コントラスト)がある。
この感度と画質は一般的には相反する特性で、特別な技
術を用いないかぎり両者を同時に向上させることは困難
である。
すなわち、増感紙の感度を上げるには、感度の高い蛍光
体を用いるか、大粒径の蛍光体を用いるか、多量の蛍光
体(層厚大)を用いることが知られているが、それぞれ
コントラスト、粒状性、鮮鋭度が悪くなる。
また、放射線写真の粒状性は写真フィルムの粒状性と増
感紙の粒状性とX線量子の統計的ゆらぎによる粒状性を
含み、これらの中で統計的ゆらぎによる粒状性が大きな
部分を占める。
高感度増感紙はX線照射量が減るため、入射X線量子数
の減少をきたし、統計的ゆらぎが増加して粒状性が悪く
なる。しかも、放射線撮影で最も多い人体胸部の高X線
管電圧撮影において被写体で生じた多量の散乱X線に感
じやすく、コントラストの低下を生じ鮮鋭性が低下す
る。
本発明において特定金属質粒子を蛍光体の近傍に分散さ
せる方法は、一般的には、重金属(化合物)によって散
乱X線を吸収させ、被写体を透過、直進して来たX線を
主成分として蛍光体を発光させることによって、写真の
鮮鋭度を向上させる方法と考えられ、かつ、散乱X線の
吸収に伴う感度の低下をきたす方法とも考えられがちで
ある。
しかし、おどろくべきことに、本発明のように蛍光体近
傍に特定金属質粒子を分散させた増感紙の感度は低下せ
ず、粒状性と鮮鋭度が向上したのである。
(実施例) 実施例−1 平均粒子径0.5μのPb粒子7重量%を、平均粒径5μのC
aWO4蛍光体表面に付着させた重金属付蛍光体8重量部と
ニトロセルロース1重量部とを溶剤(アセトン、酢酸エ
チル及び酢酸ブチルを1:1:8の重量比の混合液)を
用いて混合し、粘度が50センチストークスの蛍光体塗布
液とした。
この蛍光体塗布液をおよそ250μ厚のカーボンブラック
光吸収層を有するポリエチレンテレフタレート支持体上
に蛍光体塗布重量がおよそ45mg/cm2となるようにナイ
フコーターを用いて均一に塗布し50℃で乾燥し、約135
μの増感層を形成した。更にこの増感層上にニトロセル
ロースを均一に塗布し、乾燥して、膜厚が約6μの透明
保護膜を形成した。このようにして得た増感紙を増感紙
Aとした。
また、平均粒径6μのCaWO4蛍光体を用いる他は増感紙
Aと全く同様にして増感紙Bを作成した。更に蛍光体の
粒径、種類が異なる外は増感紙Aと全く同様条件で、平
均粒径7μの(Y,Gd)2O2S:Tb蛍光体を用い増感紙Cを、
平均粒径7μのGd2O2S:Tbを用い増感紙Dを、平均粒径
5μのBaFCl:Eu2+蛍光体を用い増感紙Eを、平均粒径
6μのLaOBr:Tb蛍光体を用い増感紙Fを、平均粒径10
μのZnS:Ag蛍光体を用い増感紙Gを、平均粒径6μのL
a2O2S:Tb蛍光体を用い増感紙Hを、平均粒径3μのBaS
rSO4蛍光体を用い増感紙Iを作成した。もちろん以上の
増感紙B〜Iの各蛍光体は増感紙Aと同様に平均粒子径
0.5μのPb粒子7重量%を各蛍光体表面に付着させてあ
る。一方、これらとは別に、Pb粒子を付着させない上記
各蛍光体を用いる以外は上記A,B,C,D,E,F,
G,H,I増感紙とまったく同じ条件で作成した従来タ
イプの増感紙を上記順に対応させてそれぞれa,b,
c,d,e,f,g,h,i増感紙とした。
上記増感紙A,a,B,b,E,e,F,f,G,g,
I,iそれぞれに紫外ないし青色光領域に感度を有する
レギュラータイプX線フィルム「サクラX−レイフィル
ムタイプA」を組合せ、また、増感紙C,c,D,d,
H,hそれぞれに紫外ないし青色光ないし緑色光領域に
感度を有するオルソタイプX線フィルム「サクラX−レ
イフィルムタイプAOG」を組合せて、管電圧100KVpで、
現像後の写真画像の濃度が各組合せとも同一になるよう
にX線照射量を制御しながらX線写真撮影を行い、露光
された各フィルムを通常の90秒自動現像処理機(例えば
小西六写真工業株式会社製のVX−400自現機)で現像処
理を行い、写真画像を得た。
得られた写真画像の感度、鮮鋭度及び粒状性を下記第1
表に示す。表中の感度は、それぞれ蛍光体種類の異なっ
た従来タイプの増感紙(a,c,d,e,f,g,h,
i)と前記各フィルムとの組合せ感度を100とした相対
感度値、鮮鋭度は空間周波数2本/mmにおける変調伝達
関数値(M.T.F.値)、粒状性は写真濃度1.0におけるR.
M.S.値で示してある。
第1表から明らかなように、本発明に係る増感紙で得ら
れた画像は、従来タイプの増感紙で得られた画像に比
べ、感度、鮮鋭度、粒状性のいずれかが優れている。即
ち、同一感度の場合は鮮鋭度及び粒状性が優れ、また増
感紙aとbの如く感度を上げると鮮鋭性、粒状性が劣化
するが、増感紙bを基礎する増感紙Bと増感紙aとの比
較に見られるごとく同一種類の蛍光体で同一の鮮鋭性、
粒状性である場合には感度が高くなる。
実施例−2 平均粒子径1.0μのPb粒子1重量部と、平均粒径4μのC
aWO4蛍光体8重量部とニトロセルロース1重量部を溶剤
(アセトン、酢酸エチル及び酢酸ブチルの混合液)を用
いて混合し、粘度が50センチストークスの蛍光体塗布液
を調整した。この蛍光体塗布液を用いて実施例−1と全
く同様にして増感紙Jを作成した。同様に、平均粒径6
μのGd2O2S:Tb蛍光体を用いる他は増感紙Jと全く同様
にして増感紙Kを作成した。同様に、平均粒径7μのB
aSrSO蛍光体を用いる他は、増感紙Jと全く同様
にして増感紙Lを作成した。
一方、これとは別にPb粒子を混合しない以外は上記J,
K,L増感紙と全く同じ条件で作成した従来タイプの増
感紙をそれぞれJに対してはj、Kに対してはk、Lに
対してはl増感紙とした。
また、平均粒子径5μのCaWO4蛍光体8重量部とニトロ
セルロース1重量部とを溶剤(アセトン、酢酸エチル及
び酢酸ブチルの混合液)を用いて混合し、粘度が50セン
チストークスの蛍光体塗布液を調整した。この蛍光体塗
布液をおよそ250μ厚のカーボンブラック光吸収層を有
するポリエチレンテレフタレート支持体上に蛍光体塗布
重量がおよそ50mg/cm2となるようにナイフコータを用
いて均一に塗布し、50℃で乾燥し、増感層を形成した。
更に、この増感層上に、ニトロセルロースと平均粒子径
1.0μのPb粒子0.5重量部(すなわち蛍光体8重量部に対
して0.5重量部)とを混合した液を、均一に塗布し、乾
燥して、膜厚が約10μの保護膜を形成した。このように
して得た増感紙を増感紙Mとした。同様に、平均粒子径
4μのGd2O2S:Tb蛍光体を用いる他は増感紙Mと全く同
様にして増感紙Nを作成した。
一方これとは別に保護膜中にPb粒子を混合しない以外は
上記M,N増感紙と全く同じ条件で作成した従来タイプ
の増感紙をそれぞれMに対してはm、Nに対してはn増
感紙とした。
また、平均粒子径3μのPb粒子1.4重量部(すなわち蛍
光体8重量部に対して1.4重量部)とニトロセルロース
とを混合した液を、およそ250μ厚のカーボンブラック
光吸収層を有するポリエチレンテレフタレート支持体上
に均一に塗布し、膜厚が約20μの中間層を形成した。さ
らに、この中間層上に、平均粒子径5μのCaWO4蛍光体
8重量部とニトロセルロース1重量部とを前記と同じ溶
剤を用いて混合し、粘度が50センチストークスの蛍光体
塗布液を調整し、上記中間層上に蛍光体塗布重量がおよ
そ40mg/cm2となるようにナイフコータを用いて均一に
塗布し、50℃で乾燥し、増感層を形成した。更にこの増
感層上にニトロセルロースを均一に塗布し、乾燥して、
膜厚が約5μの透明保護膜を形成した。このようにして
得た増感紙を増感紙Oとした。同様に平均粒子径4μの
Gd2O2S:Tb蛍光体を用いる他は増感紙Oと全く同様にし
て増感紙Pを作成した。
一方、これとは別に中間層を用いない以外は上記O及び
P増感紙と全く同じ条件で作成した従来タイプの増感紙
をそれぞれOに対してo、Pに対してp増感紙とした。
また、平均粒子径5μのCaWO4蛍光体8重量部とニトロ
セルロース1重量部とを前記と同じ溶媒を用いて混合
し、粘度が50センチストークスの蛍光体塗布液を調整
し、およそ250μ厚のカーボンプラック光吸収層を有す
るポリエチレンテレフタレート支持体上に蛍光体塗布重
量がおよそ25mg/cm2となるようにナイフロータを用い
て均一に塗布し、CaWO4増感層を形成し、次いで平均粒
子径0.7μのPb粒子1重量部と上記と同じ平均粒子径5
μのCaWO4蛍光体8重量部とニトロセルロース1重量部
とを前記と同じ溶媒を用いて混合し、粘度が50センチス
トークスの蛍光体塗布液を調整し、この塗布液を上記未
乾燥のCaWO4増感層上に蛍光体塗布重量がおよそ25mg/c
m2となるようにナイフコータを用いて均一に塗布し、Pb
粒子混合のCaWO4増感層を形成した後50℃で乾燥した。
次いでこのPb粒子混合CaWO4増感層上にニトロセルロー
スを均一に塗布し、乾燥して、膜厚がおよそ5μの透明
保護膜を形成した。このようにして得た増感紙を増感紙
Qとした。同様に平均粒子径6μのGd2O2S:Tb蛍光体を
用いる他は増感紙Qと全く同様にして増感紙Rを作成し
た。
一方、これとは別にPb粒子を用いない以外は上記Q及び
R増感紙と全く同じ条件で作成した従来タイプの増感紙
をそれぞれQに対してq、Rに対してr増感紙とした。
こうして作成した増感紙J,j,L,l,M,m,O,
o,Q,qそれぞれにレギュラータイプX線フィルム
「サクラX−レイフィルムタイプA」を組合せ、また、
増感紙K,k,N,n,P,p,R,rそれぞれにオル
ソタイプX線フィルム「サクラX−レイフィルムタイプ
AOG」を組合せて、管電圧130KVpで実施例−1と同様に
X線写真撮影を行い、現像処理して写真画像を得た。得
られた写真画像の感度、鮮鋭度及び粒状性を下記第2表
に示す。
表中の感度はそれぞれ従来タイプの増感紙j,k,l,
m,n,o,p,q,rと前記各フィルムとの組合せ感
度を100とした相対感度値、鮮鋭度と粒状性は実施例−
1と同様である。
第2表から明らかなように、本発明に係る増感紙で得ら
れた画像は、従来タイプの増感紙で得られた画像に比
べ、感度の低下なしに鮮鋭度及び粒状性が優れている。
実施例−3 実施例−1の平均粒子径0.5μのPb粒子7重量%の代り
に、0.7μのSn粒子10重量%を使用する他は実施例−1
の増感紙A及びDと同様にして、蛍光体としてCaWO4
用いた増感紙S、Gd2O2S:Tbを用いた増感紙Tを作成し
た。一方これとは別にSn粒子を使用しない以外は上記S
及びT増感紙とまったく同じ条件で作成した従来タイプ
の増感紙をそれぞれs及びt増感紙とした。
また、実施例−2の平均粒子径1.0μのPb粒子1重量部
の代りに、Au粒子を使用する他は実施例−2の増感紙J
及びKと同様にして、蛍光体としてCaWO4を用いた増感
紙U、Gd2O2S:Tbを用いた増感紙Vを作成した。一方こ
れとは別にAuを使用しない以外は、上記U及びV増感紙
とまったく同じ条件で作成した従来タイプの増感紙をそ
れぞれu及びv増感紙とした。
こうして作成した増感紙S,s,U,u,それぞれにレ
ギュラータイプX線フィルム「サクラX−レイフィルム
タイプA」を組合せ、また増感紙T,t,V,v,それ
ぞれにオルソタイプX線フィルム「サクラX−レイフィ
ルムタイプAOG」を組合せて、管電圧80KVpで実施例−1
と同様にX線写真撮影を行い、現像処理して写真画像を
得た。得られた写真画像の感度、鮮鋭度、及び粒状性を
下記第3表に示す。
表中の感度はそれぞれ従来タイプの増感紙t,u,v,
と前記各フィルムとの組合せ感度を100とした相対感度
値、鮮鋭度と粒状性は実施例−1と同様である。
第3表から明らかなように、本発明に係る増感紙で得ら
れた画像は従来タイプの増感紙で得られた画像に比べ、
感度の低下なしに、鮮鋭度及び粒状性が優れていること
がわかる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に蛍光体を有してなる放射線写真
    撮影用蛍光増感紙に於て、更に重金属粒子を有すること
    を特徴とする放射線写真撮影用蛍光増感紙。
JP60099950A 1985-05-10 1985-05-10 放射線写真撮影用螢光増感紙 Expired - Lifetime JPH0631891B2 (ja)

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