JP2569423B2 - 窒化ホウ素の気相合成法 - Google Patents
窒化ホウ素の気相合成法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒化ホウ素膜を気相合
成法により製造する方法に関する。
成法により製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】窒化ホ
ウ素は、粉体からの焼結体とした場合は、その密度は最
高1.8〜1.9g/cm3であり、緻密質の窒化ホウ素とし
ては、熱分解窒化ホウ素(pBN)が知られ、その密度は
1.99〜2.15程度とされている。pBNはその高耐
熱性、高温強度、低反応性等から、シリコンやIII−V
族半導体結晶製造用の坩堝等に用いられている。
ウ素は、粉体からの焼結体とした場合は、その密度は最
高1.8〜1.9g/cm3であり、緻密質の窒化ホウ素とし
ては、熱分解窒化ホウ素(pBN)が知られ、その密度は
1.99〜2.15程度とされている。pBNはその高耐
熱性、高温強度、低反応性等から、シリコンやIII−V
族半導体結晶製造用の坩堝等に用いられている。
【0003】このpBNの製造法としては、従来は、5
0Torr以下の低圧及び1800℃以上の高温で、塩化
ホウ素(BCl3)とアンモニアガス(NH3)(NH3/BCl
3>1の組成)を熱分解し、黒鉛材料上に析出させること
により行われている。この低圧を用いる理由は、高いガ
ス圧では粉体状或いは嵩だかな析出物しか得られないた
めである。
0Torr以下の低圧及び1800℃以上の高温で、塩化
ホウ素(BCl3)とアンモニアガス(NH3)(NH3/BCl
3>1の組成)を熱分解し、黒鉛材料上に析出させること
により行われている。この低圧を用いる理由は、高いガ
ス圧では粉体状或いは嵩だかな析出物しか得られないた
めである。
【0004】しかし、緻密質の窒化ホウ素が1気圧で、
しかも、より低温で合成できることになれば、製造装置
及び製造プロセスの簡略化ができることになり、また各
種基体上に析出させることが可能になる。
しかも、より低温で合成できることになれば、製造装置
及び製造プロセスの簡略化ができることになり、また各
種基体上に析出させることが可能になる。
【0005】本発明は、かゝる状況のもとで、緻密質の
窒化ホウ素を1気圧下で或いは低温で合成し得る方法を
提供することを目的としている。
窒化ホウ素を1気圧下で或いは低温で合成し得る方法を
提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために種々の合成法について研究した結果、
プラズマを用い、また原料として三フッ化ホウ素を用
い、しかも原料ガス中の気相組成がH/F<1となるよ
うにして反応を行わせることにより、従来より低温で緻
密質の窒化ホウ素が得られることを見い出し、ここに本
発明を完成するに至ったものである。
を解決するために種々の合成法について研究した結果、
プラズマを用い、また原料として三フッ化ホウ素を用
い、しかも原料ガス中の気相組成がH/F<1となるよ
うにして反応を行わせることにより、従来より低温で緻
密質の窒化ホウ素が得られることを見い出し、ここに本
発明を完成するに至ったものである。
【0007】すなわち、本発明は、熱プラズマ或いは非
平衡プラズマを用い、ホウ素源として三フッ化ホウ素、
窒素源として含窒素化合物を原料とする気相合成法にお
いて、原料ガス中のH/Fの比を1以下とすることを特
徴とする窒化ホウ素の合成法を要旨としている。
平衡プラズマを用い、ホウ素源として三フッ化ホウ素、
窒素源として含窒素化合物を原料とする気相合成法にお
いて、原料ガス中のH/Fの比を1以下とすることを特
徴とする窒化ホウ素の合成法を要旨としている。
【0008】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明でいう緻密質の窒化ホウ素とは、そ
の密度が1.95g/cm3以上のものであり、その合成法
としては、熱(平衡)プラズマ又は非平衡プラズマを用い
る気相合成による反応に際して、三フッ化ホウ素を用
い、また気相組成をH/F<1とすることを最も特徴と
している。
の密度が1.95g/cm3以上のものであり、その合成法
としては、熱(平衡)プラズマ又は非平衡プラズマを用い
る気相合成による反応に際して、三フッ化ホウ素を用
い、また気相組成をH/F<1とすることを最も特徴と
している。
【0010】原料としては、ホウ素源として三フッ化ホ
ウ素を用い、また、窒素源としてアンモニア、窒素ガ
ス、三フッ化窒素、ヒドラジン、四フッ化ヒドラジン等
の窒素を含む化合物(含窒素化合物)の1種或いは数種を
同時に用いる。その他に、希釈ガス或いは反応ガスとし
てアルゴン、ヘリウム等の希ガス或いは水素のうちの1
種或いはそれらの混合ガスを加えても良いが、全体の原
料ガス組成がH/F<1となるようにすることが必要で
ある。
ウ素を用い、また、窒素源としてアンモニア、窒素ガ
ス、三フッ化窒素、ヒドラジン、四フッ化ヒドラジン等
の窒素を含む化合物(含窒素化合物)の1種或いは数種を
同時に用いる。その他に、希釈ガス或いは反応ガスとし
てアルゴン、ヘリウム等の希ガス或いは水素のうちの1
種或いはそれらの混合ガスを加えても良いが、全体の原
料ガス組成がH/F<1となるようにすることが必要で
ある。
【0011】この気相合成法においては、フッ素が重要
な役割をしていると思われるが、その詳細な作用は明ら
かでない。H/F<1である必要性の理由も不明である
が、1つの可能性として、緻密質窒化ホウ素の合成には
ある種のフッ素とホウ素を含む化学種が必要であり、水
素量が増加するとフッ素が気相中でHFとなってしま
い、化学種が少なくなるためと考えられる。
な役割をしていると思われるが、その詳細な作用は明ら
かでない。H/F<1である必要性の理由も不明である
が、1つの可能性として、緻密質窒化ホウ素の合成には
ある種のフッ素とホウ素を含む化学種が必要であり、水
素量が増加するとフッ素が気相中でHFとなってしま
い、化学種が少なくなるためと考えられる。
【0012】本発明で用いるプラズマは非平衡プラズマ
でも、平衡(熱)プラズマでもいずれでもよく、またプラ
ズマ発生用電源は、直流、低周波交流、高周波、マイク
ロ波いずれでもよい。また反応器への結合方法も容量結
合、誘導結合、アンテナによる結合いずれもでよい。
でも、平衡(熱)プラズマでもいずれでもよく、またプラ
ズマ発生用電源は、直流、低周波交流、高周波、マイク
ロ波いずれでもよい。また反応器への結合方法も容量結
合、誘導結合、アンテナによる結合いずれもでよい。
【0013】反応圧力については、10-4〜102気圧
で合成が可能であるが、析出速度、装置の取扱いの点で
10-3〜10気圧が良い。
で合成が可能であるが、析出速度、装置の取扱いの点で
10-3〜10気圧が良い。
【0014】本発明で窒化ホウ素を析出させる基体とし
ては、シリコン等の半導体、石英等の絶縁体のほか、炭
化タングステンや、モリブデン等の金属のいずれでも用
いることができ、特に制限はない。
ては、シリコン等の半導体、石英等の絶縁体のほか、炭
化タングステンや、モリブデン等の金属のいずれでも用
いることができ、特に制限はない。
【0015】反応温度については、気相の温度について
の制限はないが、窒化ホウ素を析出させる基体の温度は
200℃から可能である。生成物の緻密さと安定性の点
から400℃以上が良く、上限は2000℃まで可能で
ある。
の制限はないが、窒化ホウ素を析出させる基体の温度は
200℃から可能である。生成物の緻密さと安定性の点
から400℃以上が良く、上限は2000℃まで可能で
ある。
【0016】次に、本発明により窒化ホウ素を合成する
手順の例を、実施例を用いて説明する。実施例1は高周
波熱プラズマを、実施例2はマイクロ波低圧プラズマを
用いた例であるが、前述のように直流放電、低周波交流
放電によるプラズマでも良く、要するに熱プラズマ、非
平衡プラズマのいずれでも用いることができる。
手順の例を、実施例を用いて説明する。実施例1は高周
波熱プラズマを、実施例2はマイクロ波低圧プラズマを
用いた例であるが、前述のように直流放電、低周波交流
放電によるプラズマでも良く、要するに熱プラズマ、非
平衡プラズマのいずれでも用いることができる。
【0017】
【実施例1】図1に示す高周波プラズマ装置において、
シリコン基板3を基板ホルダー3′上におき、0.01
Torrまで排気後、ガス供給器6より、バルブ7″を通
して、Ar(15リットル/min)を流し、バルブ7′を通
して、Ar(0.4リットル/min)を流し、バルブ7を通
してAr+BF3+N2(1リットル/min+0.01リット
ル/min+1リットル/min)を流し、高周波発振器11
からの4MHz、15kWのプレート電力をワークコイ
ル12に供給し、プラズマを発生させた。
シリコン基板3を基板ホルダー3′上におき、0.01
Torrまで排気後、ガス供給器6より、バルブ7″を通
して、Ar(15リットル/min)を流し、バルブ7′を通
して、Ar(0.4リットル/min)を流し、バルブ7を通
してAr+BF3+N2(1リットル/min+0.01リット
ル/min+1リットル/min)を流し、高周波発振器11
からの4MHz、15kWのプレート電力をワークコイ
ル12に供給し、プラズマを発生させた。
【0018】1気圧下の20分間の放電により、基板上
に約20μmの膜厚の窒化ホウ素が得られた。X線回
折、赤外吸収スペクトル、光電子分光(XPS)スペクト
ルにより窒化ホウ素が生成していることが確かめられ、
その密度は2.1g/cm3であった。なお、反応時の原料
ガス中のH/Fの比はこの実施例の場合は0である。ま
た基板温度は450℃であった。
に約20μmの膜厚の窒化ホウ素が得られた。X線回
折、赤外吸収スペクトル、光電子分光(XPS)スペクト
ルにより窒化ホウ素が生成していることが確かめられ、
その密度は2.1g/cm3であった。なお、反応時の原料
ガス中のH/Fの比はこの実施例の場合は0である。ま
た基板温度は450℃であった。
【0019】
【実施例2】図2に示すマイクロ波プラズマ装置におい
て、シリコン基板3を基板ホルダー3′上におき、0.
02Torrまで排気後、ガス供給器6より、バルブ7を
通して、H2+BF3+N2(0.5mリットル/min+1mリ
ットル/min+100mリットル/min)を流し、マイクロ
波発振器21からの2.45GHz、0.5kWの電力を供
給し、反応管中にプラズマを発生させた。30Torr下
の3時間の放電により、基板上に膜が得られた。実施例
1の場合と同様にX線回折、赤外吸収スペクトルにより
窒化ホウ素であることが確かめられ、その密度は2.0g
/cm3であった。なお、反応時の原料ガス中のH/Fの
比は1/3であった。また基板温度は590℃であっ
た。
て、シリコン基板3を基板ホルダー3′上におき、0.
02Torrまで排気後、ガス供給器6より、バルブ7を
通して、H2+BF3+N2(0.5mリットル/min+1mリ
ットル/min+100mリットル/min)を流し、マイクロ
波発振器21からの2.45GHz、0.5kWの電力を供
給し、反応管中にプラズマを発生させた。30Torr下
の3時間の放電により、基板上に膜が得られた。実施例
1の場合と同様にX線回折、赤外吸収スペクトルにより
窒化ホウ素であることが確かめられ、その密度は2.0g
/cm3であった。なお、反応時の原料ガス中のH/Fの
比は1/3であった。また基板温度は590℃であっ
た。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来より低温で、また1気圧下の高いガス圧下でも、緻
密質の窒化ホウ素の合成が可能である。
従来より低温で、また1気圧下の高いガス圧下でも、緻
密質の窒化ホウ素の合成が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】窒化ホウ素を合成するための装置の一例を示す
図で、高周波熱プラズマを用いる場合である。
図で、高周波熱プラズマを用いる場合である。
【図2】窒化ホウ素を合成するための装置の他の例を示
す図で、マイクロ波プラズマを用いる場合である。
す図で、マイクロ波プラズマを用いる場合である。
1 反応管 3 基板 3′ 基板ホルダー 4 支柱 5 排気装置 6 ガス供給装置 7 バルブ 7′ バルブ 7″ バルブ 11 高周波電源 12 ワークコイル 21 マイクロ波電源 22 導波管及びマイクロ波放電アプリケーター
Claims (2)
- 【請求項1】 熱プラズマ或いは非平衡プラズマを用
い、ホウ素源として三フッ化ホウ素、窒素源として含窒
素化合物を原料とする気相合成法において、原料ガス中
のH/Fの比を1以下とすることを特徴とする窒化ホウ
素の合成法。 - 【請求項2】 基板温度が200℃以上である請求項1
に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5343557A JP2569423B2 (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | 窒化ホウ素の気相合成法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5343557A JP2569423B2 (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | 窒化ホウ素の気相合成法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08208207A JPH08208207A (ja) | 1996-08-13 |
JP2569423B2 true JP2569423B2 (ja) | 1997-01-08 |
Family
ID=18362450
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5343557A Expired - Lifetime JP2569423B2 (ja) | 1993-12-15 | 1993-12-15 | 窒化ホウ素の気相合成法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2569423B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010032908A1 (ko) * | 2008-09-17 | 2010-03-25 | (주)거봉한진 | 삼불화붕소 가스의 제조방법 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4674353B2 (ja) * | 2005-10-07 | 2011-04-20 | 独立行政法人物質・材料研究機構 | フッ素原子が導入された窒化ホウ素ナノチューブ及びその製造方法 |
JP4827061B2 (ja) * | 2007-03-12 | 2011-11-30 | 独立行政法人物質・材料研究機構 | 立方晶窒化ホウ素の製造方法 |
JP6632470B2 (ja) * | 2016-05-24 | 2020-01-22 | 東京エレクトロン株式会社 | カーボン膜の成膜方法および成膜装置 |
-
1993
- 1993-12-15 JP JP5343557A patent/JP2569423B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010032908A1 (ko) * | 2008-09-17 | 2010-03-25 | (주)거봉한진 | 삼불화붕소 가스의 제조방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08208207A (ja) | 1996-08-13 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |