JP2549919C - - Google Patents

Info

Publication number
JP2549919C
JP2549919C JP2549919C JP 2549919 C JP2549919 C JP 2549919C JP 2549919 C JP2549919 C JP 2549919C
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphor
support
intensifying screen
binder
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
Other languages
English (en)
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Publication date

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、放射線増感スクリーンに関するものである。詳しくは、本発明は、
感度と画質が共に向上した放射線増感スクリーンに関するものである。 [発明の技術的背景および従来技術] 放射線増感スクリーンは、医療診断を目的とするX線撮影等の医療用放射線撮
影、物質の非破壊検査を目的とする工業用放射線撮影などの種々の分野における
放射線撮影において、撮影系の感度を向上させるために、X線写真フィルム等の
放射線写真フィルムの片面あるいは両面に密着させるように重ね合わせて使用す
るものである。この放射線増感スクリーンは、基本構造として、支持体と、その
片面に形成された蛍光体含有樹脂層とからなるものである。なお、この蛍光体含
有樹脂層の支持体とは反対側の表面(支持体に面していない側の表面)には一般
に、透明な保護膜が設けられていて、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な
衝撃から保護している。 蛍光体含有樹脂層は、蛍光体粒子を分散状態で含有支持する結合剤からなるも
のである。そしてこの蛍光体含有樹脂層の支持体上への付設は、一般に以下に説
明するような常圧下での塗布方法を利用して行なわれている。すなわち、蛍光体
粒子および結合剤を適当な溶剤中で混合分散して塗布液を調製し、この塗布液を
ドクターブレード、ロールコーター、ナイフコーターなどの塗布手段を用いて常
圧下にて放射線増感スクリーンの支持体上に直接塗布した後、塗膜から溶媒を除
去することによって、あるいはあらかじめ塗布液をガラス板などの仮支持体の上 に常圧下にて塗布し、次いで塗膜から溶媒を除去して蛍光体含有樹脂薄膜を形成
させ、これを仮支持体から剥離して放射線増感スクリーンの支持体上に接合する
ことによって、蛍光体含有樹脂層の支持体上への付設が行なわれている。 蛍光体含有樹脂層中の蛍光体粒子は、X線等の放射線によって励起された時に
高輝度の発光を示す性質を有するものである。従って、被写体を通過した放射線
の量に応じて蛍光体は高輝度の発光を示し、放射線増感スクリーンの蛍光体含有
樹脂層の表面に接するようにして重ね合わされて置かれた放射線写真フィルムは
、この蛍光体の発光によっても感光するため、比較的少ない放射線量で写真フィ
ルムの充分な感光を達成することができる。 上記のような基本構造を有する放射線増感スクリーンについては、感度が高い
こと、および画質(鮮鋭度、粒状性等)の良好な画像を与えるものであることが
望まれる。 放射線増感スクリーンの感度は、基本的にはスクリーンに含有されている蛍光
体の総発光量に依存し、この総発光量は蛍光体自体の発光輝度によるのみならず
、蛍光体層における蛍光体の含有量によっても異なる。蛍光体の含有量が多いこ
とはまたX線等の放射線に対する吸収も大であることを意味するから、一層高い
感度が得られ、同時に画質(特に、粒状性)が向上する。一方、蛍光体層におけ
る蛍光体の含有量が一定である場合には、蛍光体粒子が密に充填されているほど
その層厚を薄くすることができるから、散乱による発光光の広がりを少なくする
ことができ、相対的に高い鮮鋭度を得ることができる。 本願出願人は、蛍光体が密に充填された蛍光体層を持つ放射線増感スクリーン
の一つとして、蛍光体層を圧縮処理することにより蛍光体層の空隙率を低下せし
めた放射線増感スクリーンおよびその製造法をすでに出願している(特願昭57
−149069号[特開昭59−38699号公報]、特願昭57−14907
0号[特開昭59−38700号公報参照])。 上記の放射線増感スクリーンは、蛍光体層を圧縮処理することで、蛍光体層中
の蛍光体の密度をそれまでの放射線増感スクリーンより高くしたものであった。
その結果、この放射線増感スクリーンは優れた鮮鋭度を持つものとなったが、そ
の反面、圧縮処理により蛍光体が一部破壊されるために感度および粒状性という 面ではむしろ劣化していまう場合があるという問題があった。 [発明の要旨] 本発明は、優れた鮮鋭度を持ち、しかも感度および粒状性においても優れた放
射線増感スクリーンを提供することを目的とするものである。 上記の目的は、本発明の、支持体と、この支持体上に設けられた結合剤と蛍光
体とからなり、結合剤の軟化温度もしくは融点以上の温度で加熱圧縮して形成さ
れた蛍光体層によって実質的に構成されている放射線増感スクリーンであって、
前記蛍光体層中における前記蛍光体の充填率が67%以上であり、かつ前記結合
剤の10重量%以上100重量%以下が30℃以上150℃以下の軟化温度もし
くは融点をもつ熱可塑性エラストマーであることを特激とする放射線増感スクリ
ーンによって達成することができる。 本発明の放射線増感スクリーンは、圧縮処理によって蛍光体の充填率を67%
以上としても、蛍光体層の結合剤が熱可塑性エラストマーからなっているので、
圧縮の際、該エラストマーの軟化温度もしくは融点以上の温度で加熱することで
蛍光体の破損の程度を軽減することができる。また、予め蛍光体と結合剤からな
る蛍光体のシートを作っておき、この蛍光体シートを支持体の上に載せて結合剤
の軟化温度または融点以上で、支持体上への設置と同時に圧縮を行なえば、さら
に蛍光体の破損を防ぐことができる。 すなわち、圧縮の際、軟化温度もしくは融点以上の温度にされた結合剤中に分
散された蛍光体結晶は、ある程度の自由度を持った状態で圧力を受けるために、
加わる圧力によって蛍光体結晶は配向することができる。さらに、蛍光体シート
を支持体に固定しない状態で圧力を加え、圧縮しながら支持体上へ設置する場合
には、蛍光体シートに加わる圧力は、蛍光体結晶を配向させるように働くと同時
に、蛍光体シートが固定されていれば結晶を破壊してしまうような圧力でもシー
トを薄く延ばし広げるように働く。またこの場合、蛍光体シートが支持体上に固
定された状態で加圧される場合に比べて、同じ圧力で圧縮しても高い蛍光体充填
率を得ることができる。 本発明における好ましい態様を、以下に列記する。 (1)上記エラストマーが、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポ リエステル、ポリアミド、ポリブタジエン、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリ塩化
ビニル、天然ゴム、フッ素ゴム、ポリイソプレン、塩素化ポリエチレン、スチレ
ン−ブタジエンゴムおよびシリコンゴムからなる群より選ばれる少なくとも一つ
の熱可塑性エラストマーであることを特徴とする放射線増感スクリーン。 (2)上記結合剤が100重量%熱可塑性エラストマーであることを特徴とする
放射線増感スクリーン。 [発明の構成] 本発明の放射線像増感スクリーンは、例えば、以下に述べる方法によって製造
することができる。 本発明の放射線増感スクリーンを製造するには、 a)結合剤と蛍光体とからなる蛍光体シートを形成する工程、 b)前記蛍光体シートを支持体上に載せ、前記結合剤の軟化温度もしくは融点以
上の温度で、圧縮しながら前記蛍光体シートを支持体上に接着する工程、 の二つの工程によって製造することが好ましい。 まず、工程a)について述べる。 放射線増感スクリーンの蛍光体層となる蛍光体シートは、結合剤溶液中に蛍光
体が均一に分散した塗布液を、蛍光体シート形成用の仮支持体上に塗布し、乾燥
したのち仮支持体からはがすことで製造することができる。 以下に本発明において使用する蛍光体について述べる。 本発明において使用するのが好ましい放射線増感用蛍光体の例としては、次の
ような蛍光体を挙げることができる。 タングステン酸塩系蛍光体(CaWO4、MgWO4、CaWO4:Pb等)、
テルビウム賦活希土類酸硫化物系蛍光体[Y22S:Tb、Gd22S:Tb、
La22S:Tb、(Y,Gd)22S:Tb、(Y,Gd)22S:Tb,T
m等]、テルビウム賦活希土類燐酸塩系蛍光体(YPO4:Tb、GdPO4
Tb、LaPO4:Tb等)、テルビウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光
体(LaOBr:Tb、LaOBr:Tb,Tm、LaOCl:Tb、LaOC
l:Tb,Tm、GdOBr:Tb、GdOCl:Tb等)、ツリウム賦活希土
類オキシハロゲン化物系蛍光体(LaOBr:Tm、LaOCl:Tm 等)、硫酸バリウム系蛍光体[BaSO4:Pb、BaSO4:Eu2+、(Ba,
Sr)SO4:Eu2+等]、2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属燐酸塩系
蛍光体[Ba3(PO42:Eu2+、(Ba,Sr)3(PO42:Eu2+等]、
2価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体[BaFCl
:Eu2+、BaFBr:Eu2+、BaFCl:Eu2+,Tb、BaFBr:Eu
2+,Tb、BaF2・BaCl2・KCl:Eu2+、BaF2・BaCl2・xBa
SO4・KCl:Eu2+、(Ba,Mg)F2・BaCl2・KCl:Eu2+等]
、沃化物系蛍光体(CsI:Na、CsI:Tl、NaI、KI:Tl等)、硫
化物系蛍光体[ZnS:Ag、(Zn,Cd)S:Ag、(Zn,Cd)S:C
u、(Zn,Cd)S:Cu、Al等]、燐酸ハフニウム系蛍光体(HfP27
:Cu等)。ただし、本発明に用いる蛍光体は、これらのものに限られるもので
はなく、放射線の照射により可視乃至近紫外領域の発光を示す蛍光体であればい
かなるものであってもよい。 上述のような蛍光体と結合剤とを適当な溶剤に加え、これを充分に混合して結
合剤溶液中に蛍光体が均一に分散した塗布液を調製する。 結合剤は、その10重量%以上を、軟化温度または融点が30℃〜150℃の
熱可塑性エラストマーを用いる。熱可塑性エラストマーは常温で弾力を持ち、加
熱されると流動性を持つようになるので、圧縮の際の圧力による蛍光体の破損を
防止することができる。熱可塑性エラストマーの例としては、ポリスチレン、ポ
リオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリブタジエン、ポ
リエチレン酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、天然ゴム、フッ素ゴム、ポリイソプレ
ン、塩素化ポリエチレン、スチレン−ブタジエンゴム、シリコンゴムなどをあげ
ることができる。 結合剤における熱可塑性エラストマーの成分比は、上記のように10重量%以
上100重量%以下であれば本発明の効果を得ることができるが、結合剤はなる
べく多くの熱可塑性エラストマー、特に100重量%の熱可塑性エラストマーか
らなっていることが好ましい。 塗布液調製用の溶剤の例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、n−ブタノールなどの低級アルコール;メチレンクロライド、エチレンクロ ライドなどの塩素原子含有炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級
脂肪酸と低級アルコールとのエステル;ジオキサン、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル;そして
、それらの混合物を挙げることができる。 塗布液における結合剤と蛍光体との組成比は、目的とする放射線増感スクリー
ンの特性、蛍光体の種類などによって異なるが、一般には1:1乃至1:100
(重量比)の範囲から選ばれ、そして特に1:8乃至1:40(重量比)の範囲
から選ぶことが好ましい。 なお、塗布液には、上記塗布液中における蛍光体の分散性を向上させるための
分散剤、また、形成後の蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力を向
上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混合されていてもよい。そのような
目的に用いられる分散剤の例としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、
親油性界面活性剤などを挙げることができる。そして可塑剤の例としては、燐酸
トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル;フタル
酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチルなどのフタル酸エステル;グリコール酸
エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフタリルブチルなどのグリコール酸
エステル;そして、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエステル、ジ
エチレングリコールとコハク酸とのポリエステルなどのポリエチレングリコール
と脂肪族二塩基酸とのポリエステルなどを挙げることができる。 上記のようにして調製された蛍光体と結合剤とを含有する塗布液を、次に、シ
ート形成用の仮支持体の表面に均一に塗布することにより塗布液の塗膜を形成す
る。この塗布操作は、通常の塗布手段、たとえば、ドクターブレード、ロールコ
ーター、ナイフコーターなどを用いることにより行なうことができる。 仮支持体は、例えば、ガラス、金属の板、あるいは増感スクリーンの支持体と
して公知の材料から任意に選ぶことができる。そのような材料の例としては、セ
ルロースアセテート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド
、ポリイミド、トリアセテート、ポリカーボネートなどのプラスチック物質のフ
ィルム、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔などの金属シート、通常の紙、バ
ラ イタ紙、レジンコート紙、二酸化チタンなどの顔料を含有するピグメント紙、ポ
リビニルアルコールなどをサイジングした紙、アルミナ、ジルコニア、マグネシ
ア、チタニアなどのセラミックスの板あるいはシートなどを挙げることができる
。 仮支持体の上に蛍光体層形成用塗布液を塗布し、乾燥ののち仮支持体からはが
して放射線増感スクリーンの蛍光体層となる蛍光体シートとする。従って、仮支
持体の表面には予め離型剤を塗布しておき、形成された蛍光体シートが仮支持体
からはがし易くなるようにしておくことが好ましい。 次に工程b)について述べる。 まず、上記のように形成した蛍光体シートとは別に、放射線増感スクリーンの
支持体を用意する。この支持体は、蛍光体シートを形成する際に用いる仮支持体
と同様の材料から任意に選ぶことができる。 公知の放射線増感スクリーンにおいて、支持体と蛍光体層の結合を強化するた
めに、あるいは放射線増感スクリーンとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状
性)を向上させるために、蛍光体層が設けられる側の支持体表面にゼラチンなど
の高分子物質を塗布して接着性付与層としたり、あるいは二酸化チタンなどの光
反射性物質からなる光反射層、もしくはカーボンブラックなどの光吸収性物質か
らなる光吸収層を設けることが知られている。本発明において用いられる支持体
についても、これらの各種の層を設けることができ、それらの構成は所望の放射
線増感スクリーンの目的、用途などに応じて任意に選択することができる。 工程a)によって得られた蛍光体シートを支持体上に載せ、結合剤の軟化温度
または融点以上の温度で、圧縮しながら支持体上に接着する。 このように、蛍光体シートを支持体上に予め固定せずに圧縮することでシート
を薄く押し広げることができ、蛍光体の損傷を防ぐだけでなく、シートを固定し
て加圧する場合に比較して、同じ圧力でも高い蛍光体充填率を得ることができる
。 本発明の圧縮処理のために使用される圧縮装置の例としては、カレンダーロー
ル、ホットプレスなど一般に知られているものを挙げることができる。たとえば
カレンダーロールによる圧縮処理は、支持体上に工程a)によって得た蛍光体シ
ートを載せ、結合剤の軟化温度または融点以上に加熱したローラーの間を一定の
速度で通過させることにより行なわれる。ただし、本発明に用いられる圧縮装置 はこれらのものに限られるものではなく、上記のようなシートを加熱しながら圧
縮することのできるものであればいかなるものであってもよい。 圧縮の際の圧力は、50kgw/cm2以上であるのが一般的である。 上記のようにして支持体上に形成された蛍光体層の空隙率は、次の(I)式に
より理論的に求めることができる。 (ただし、V :蛍光体層の全体積 Vair :蛍光体層中の空気体積 A :蛍光体の全重量 ρx :蛍光体の密度 ρy :結合剤の密度 ρair :空気の密度 a :蛍光体の重量 b :結合剤の重量) さらに(I)式において、ρair はほぼ0であるから、(I)式は近似的に次
の(II)式で表わすことができる。 (ただし、V、Vair、A、ρx、ρy、a、および bの定義は(I)式と同じで
ある) 本発明において、蛍光体層の空隙率は(II)式により計算して求めた。 また、蛍光体の充填率は次式(III)によって求めることができる。 (ただし、V、Vair、A、ρx、ρy、a、および bの定義は(I)式と同 じである) 通常の放射線増感スクリーンにおいては、前述のように支持体に接する側とは
反対側の蛍光体層の表面に、蛍光体層を物理的および化学的に保護するための透
明な保護膜が設けられている。このような透明保護膜は、本発明の放射線増感ス
クリーンについても設置することが好ましい。 透明保護膜は、たとえば、酢酸セルロース、ニトロセルロースなどのセルロー
ス誘導体;あるいはポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルホルマール、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル
コポリマーなどの合成高分子物質のような透明な高分子物質を適当な溶媒に溶解
して調製した溶液を蛍光体層の表面に塗布する方法により形成することができる
。あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、
ポリアミドなどからなるプラスチックシート;および透明なガラス板などの保護
膜形成用シートを別に形成して蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて接着する
などの方法によっても形成することができる。 透明保護膜の膜厚は一般に約0.1乃至20μmの範囲にある。 次に本発明の実施例を記載する。ただし、これらの各実施例は本発明を制限す
るものではない。 [実施例1] 蛍光体シート形成用塗布液として、 蛍光体:Gd22S:Tb ……200 g 結合剤:ポリウレタン (住友バイエルウレタン(株) デスモラックTPKL−5−2625 [固形分40%]、軟化温度45℃ …… 20g :ニトロセルロース(硝化度11.5%) …… 2g を、メチルエチルケトン溶媒に加え、プロペラミキサーで分散させて、粘度が3
0PS(25℃)の塗布液を調製した(結合剤/蛍光体比=1/20)。これを
、シリコーン系離型剤が塗布されているポリエチレンテレフタレート(仮支持体
、厚み180μm)上に膜厚180μmで塗布し、乾燥した後、仮支持体から剥
離 して蛍光体シートを形成した。 また、別途に下塗層形成用塗布液として、 軟質アクリル樹脂固形分 ……90g ニトロセルロース ……50g をメチルエチルケトンに加え分散、混合して、粘度が3〜6PS(25℃)の分
散液を調製した。 二酸化チタンを練り込んだ厚さ250μmのポリエチレンテレフタレート(支
持体)をガラス板上に水平に置き、上記の下塗層形成用塗布液をドクターブレー
ドを用いて支持体上に均一に塗布した後、25℃から100℃に徐々に上昇させ
て塗布膜の乾燥を行ない、支持体上に下塗層を形成した(塗布膜の厚さ:15μ
m)。この上に最初に作成しておいた蛍光体シートを載せ、圧縮を行った。 圧縮は、カレンダーロールを用いて400Kgw/cm2の圧力、80℃の温
度で連続的に行なった。この圧縮により、蛍光体シートと支持体とは完全に融着
した。 この圧縮の後、ポリエステル系接着剤が片面に塗布されているポリエチレンテ
レフタレートの透明フィルム(厚さ10μm)を、接着剤層側を下にむけて接着
することによって透明保護膜を形成した。 以上のようにして、支持体、下塗層、蛍光体層、透明保護膜から構成された放
射線増感スクリーンを製造した。 [実施例2] 実施例1において、圧縮の際の圧力を600Kgw/cm2とする以外は実施
例1と同様にして、支持体、下塗層、蛍光体層、透明保護膜から構成された放射
線増感スクリーンを製造した。 [比較例1] 実施例1と同様にして下塗層を形成した後、この塗布液が乾燥しないうちに、
この上に続けて蛍光体層形成用塗布液を塗布した。これを25℃から100℃に
徐々に上昇させて乾燥を行ない、支持体、下塗層、蛍光体層からなるシートを形
成した。次に、このシートを実施例1と同様にカレンダーロールを用いて400
Kgw/cm2の圧力、80℃の温度にて圧縮した。さらに、実施例1と同様な 方法により保護層を設けて、支持体、下塗層、蛍光体層、透明保護膜から構成さ
れた放射線増感スクリーンを製造した。 [比較例2] 比較例1において、圧縮の際の圧力を600Kgw/cm2とする以外は比較
例1と同様にして、支持体、下塗層、蛍光体層、透明保護膜から構成された放射
線増感スクリーンを製造した。 [比較例3] 比較例1において、圧縮を全く行なわないこと以外は比較例1と同様にして、
支持体、下塗層、蛍光体層、透明保護膜から構成された放射線増感スクリーンを
製造した。 [放射線増感スクリーン蛍光体層の蛍光体充填率および空隙率] 上記のようにして製造した、実施例、比較例の各放射線増感スクリーンの蛍光
体層における、蛍光体の充填率および空隙率を(II)式および(III)式によっ
て求めた。ただし、蛍光体の密度は、7.5g/cm3、結合剤の密度は1.1
4g/cm3とした。 結果を第1表に示す。 第1表から明らかなように、本発明の放射線増感スクリーンは、同じ圧力で圧
縮された放射線増感スクリーンに比較して、蛍光体の充填率が高く、空隙率が低
下したものであることが分る。 [放射線増感スクリーンの評価] また、上記のようにして製造した各々の放射線増感スクリーンを、次に記載す
る方法により評価した。 (1)感度試験 放射線増感スクリーンに管電圧80KVpのX線を照射し、感度を測定した。
数値は比較例3を100とした相対値で示した。 (2)画像鮮鋭度試験 放射線増感スクリーンとX線写真フィルム(富士写真フィルム(株)性HR−
S)とをカセッテ内で圧着し、解像力チャートを介して管電圧80KVpのX線
を照射してX線写真撮影を行ない、できあがったX線写真のコントラスト伝達関
数(CTF)を測定し、空間周波数2サイクル/mmの値で評価した。 (3)画像粒状性試験 放射線増感スクリーンとX線写真フィルム(富士写真フィルム(株)性HR−
S)とをカセッテ内で圧着し、水ファントーム(厚さ:10cm)とアルミニウ
ム板(厚さ:10mm)とを介して濃度1.0の条件で、管電圧80KVpのX
線を照射してX線写真撮影を行なった。このX線写真フィルムを自動現像機(富
士写真フィルム(株)製RD III)を用いて35℃の温度で90秒間処理した
。得られたX線フィルムをミクロホトメータ(アパーチャー:300μm×30
0μm)で測定し、RMS値を求めた。このRMS値を粒状性の目安とした。 上記の試験結果を第2表に示す。 また、画質について得られた結果をまとめて第1図にグラフの形で示す。 第1図は、たて軸に鮮鋭度(空間周波数2サイクル/mmにおけるCTF値)
をとっており、上方にプロットされるほど鮮鋭度が高いことを表わす。よこ軸は
、粒状性を示しており、左にプロットされるほど粒状性がよいことを示す。 第2表および第1図より明らかなように、本発明の放射線像増感スクリーンは
、同じ圧力で圧縮された比較例のスクリーンに比較して、鮮鋭度においても、感
度および粒状性においても向上していることが分る。
【図面の簡単な説明】 第1図は、実施例、比較例による放射線増感スクリーンの画質を表わすグラフ
である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 支持体と、この支持体上に設けられた結合剤と蛍光体とからな
    り、結合剤の軟化温度もしくは融点以上の温度で加熱圧縮して形成された蛍光体
    層によって実質的に構成されている放射線増感スクリーンであって、前記蛍光体
    層中における前記蛍光体の充填率が67%以上であり、かつ前記結合剤の10重
    量%以上100重量%以下が30℃以上150℃以下の軟化温度もしくは融点を
    もつ熱可塑性エラストマーであることを特徴とする放射線増感スクリーン。

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS5942500A (ja) 放射線像変換パネル
JPH0444715B2 (ja)
JPH0314159B2 (ja)
JPH0444712B2 (ja)
JPH0836099A (ja) 放射線像変換パネル
JP2549919B2 (ja) 放射線増感スクリーン
JP2549921B2 (ja) 放射線増感スクリーンの製造法
JP2549920B2 (ja) 放射線増感スクリーンの製造法
JPH0444713B2 (ja)
JP2549919C (ja)
JP3561855B2 (ja) 放射線増感スクリーン及び放射線画像変換パネル
JPH0444714B2 (ja)
JPH1073699A (ja) 放射線増感スクリーン及び放射線画像変換パネル
JP2583418B2 (ja) 放射線像形成方法
JPH08313699A (ja) 放射線増感スクリーン及び放射線画像変換パネル
JP2583417B2 (ja) 放射線像形成方法
JP3561852B2 (ja) 放射線増感スクリーン及び放射線画像変換パネル
JPH09236698A (ja) 放射線増感スクリーン及び放射線画像変換パネル
JPH0690317B2 (ja) 放射線増感スクリーン
JP2549912B2 (ja) 放射線像変換パネルの製造法
JPH0631894B2 (ja) 放射線増感スクリ−ン
JP2003270393A (ja) 放射線増感スクリーン及びその製造方法
JP2003248087A (ja) 放射線増感スクリーン及びその製造方法
JPH09269400A (ja) 放射線増感スクリーンと放射線像変換パネル
JPS62137596A (ja) 放射線増感スクリ−ン