JP2545975B2 - パッフア形ガス遮断器 - Google Patents

パッフア形ガス遮断器

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JP2545975B2
JP2545975B2 JP1076261A JP7626189A JP2545975B2 JP 2545975 B2 JP2545975 B2 JP 2545975B2 JP 1076261 A JP1076261 A JP 1076261A JP 7626189 A JP7626189 A JP 7626189A JP 2545975 B2 JP2545975 B2 JP 2545975B2
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康彦 金高
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、接地された金属容器に収容され直線状に
進退して棒状の固定アーク接触子に接離する中空状の可
動アーク接触子と、該可動アーク接触子を包囲する絶縁
ノズルと、該絶縁ノズルを取り囲み前記固定アーク接触
子を包囲する筒状の固定主接触子に接離するリング状の
可動主接触子とが取り付けられるパツフアシリンダを備
えたパツフア形ガス遮断器に関する。
〔従来の技術〕
一般に、遮断器に課せられる責務は、無負荷送電線の
充電電流や無負荷変圧器の励磁電流などの数アンペアオ
ーダの小電流から電力系統における数万アンペアオーダ
の短絡電流の遮断まで、電流の大きさ,種類とも多岐に
わたるが、いずれの遮断条件においても遮断器はその遮
断途中において遮断接点以外の通電部で発弧や溶融など
の異常現象を生ずることなく、その遮断接点間で確実に
電流を遮断するとともに、遮断直後に現れる回復電圧に
対し、遮断接点間はもちろん導電部と大地との間にも十
分な絶縁性能を保有しなければならない。これらの責務
を果たす前記パツフア形ガス遮断器の従来の構造例を第
2図ないし第4図に示す。ここで、第3図は遮断器の開
路状態を、第4図は閉路状態における遮断部の拡大図
を、また第2図は第4図における要部の拡大図を示す。
これらの図から見られるように、外部回路から端子12に
流入した電流は、ブツシング導体13と、固定主接触子2
A,固定アーク接触子2Bと、直線状に進退して固定主接触
子2A,固定アーク接触子2Bにそれぞれ接離するリング状
の可動主接触子3A,中空状の可動アーク接触子3Bと、こ
の可動主,アーク接触子が取り付けられたパツフアシリ
ンダ7と、このパツフアシリンダの外周面と摺動する接
触部10bを端部に備えた短冊状の通電部材10dが円周上に
配列されてなる円筒状の集電子10と、この集電子を大地
電位にある金属容器1の端板1bから絶縁筒8cを介して支
持する固定支持部8と、ブツシング導体14とを介して端
子15から流出する。電流遮断時に前記パツフアシリンダ
7と軸線上で結合され壁面に排気口9cを有する中空の金
属管9aが絶縁棒9bと結合されてなる操作棒9を、図示さ
れない駆動装置の駆動棒20を介して矢印pの方向に駆動
すると、固定主接触子2Aと可動主接触子3Aとの開離に遅
れて開離する固定アーク接触子2Bと可動アーク接触子3B
と間にアークを生ずるとともに、固定支持部8によって
支持された固定ピストン11とパツフアシリンダ7との間
に画成されたパツフア室17の消弧性ガスが圧縮され、固
定アーク接触子2Bと可動アーク接触子3Bとの間に生じた
熱ガスの一部が金属管9aを通って排気口9cから金属容器
1内の空間へ放出される。さらに遮断行程が進み、固定
アーク接触子2Bが絶縁ノズル6から脱出すると、それま
でに圧縮された大量の消弧性ガスがアークに沿って高速
で流出しかつ外方へ拡散しつつアークを冷却し、固定ア
ーク接触子2Bが、第2図に示されるような,遮断可能な
位置以降で電流零点を迎えるとアークは最終的に遮断さ
れる。
〔発明が解決しようとする課題〕
電流遮断部がこのように構成されたパツフア形ガス遮
断器の問題点は次の通りである。すなわち、固定アーク
接触子2Bが絶縁ノズル6Bから脱出すると、絶縁ノズル6
からは大量の熱ガスがアークに沿って流出し、流出した
熱ガス22は矢印23のように固定主接触子2Aに向かって拡
がって行く。このために固定主接触子2Aと可動主接触子
3Aとの間の絶縁間隔A−A′の電流遮断後の耐電圧性能
が低下するという問題があった。特に電流遮断につづく
回復電圧に耐えるのに必要な長さは、沿面およびガスギ
ヤツプいずれの場合でも、熱ガスにさらされないとした
ときに必要とする長さよりもはるかに長くなり、このた
め、固定可動主接触子間の絶縁間隔は現実の遮断器では
かなり長いものとなっている。この絶縁間隔を短縮する
ために、例えば絶縁ノズルの下流側の裾部を延長して熱
ガスが固定主接触子2Aと可動主接触子3Aとの間へ拡がる
ことを防止するなどの対策も考えられるが、実験の結果
では裾野の沿面で絶縁破壊が生じ易くなり、結局、固定
主接触子と可動主接触子との間隔を短縮することは困難
であり、熱ガスの両接触子間への拡がりは遮断器の軸方
向の小形化を妨げる大きな要因となっていた。
この発明の目的は、固定主接触子と可動主接触子との
間隔を大きくすることなく、両接触子間が電流遮断後の
回復電圧に耐えうる遮断部の構成を提供することであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するために、この発明においては、設
置された金属容器に収容され直線状に進退して棒状の固
定アーク接触子に接離する中空状の可動アーク接触子
と、該可動アーク接触子を包囲する絶縁ノズルと、該絶
縁ノズルを取り囲み前記固定アーク接触子を包囲する筒
状の固定主接触子に接離するリング状の可動主接触子と
が取り付けられるパツフアシリンダを備えたパツフア形
ガス遮断器を、前記パツフアシリンダの内部に同心状に
内周側のパッフア室と外周側のパッフア室とが形成され
るとともに、遮断器の開路動作時には、前記内周側のパ
ッフア室から、前記絶縁ノズルの内側に前記固定アーク
接触子および前記可動アーク接触子へ向けてガス流が放
出され、かつ、前記外周側のパッフア室から、前記絶縁
ノズルの外側に前記固定アーク接触子および前記固定主
接触子へ向けてガス流が放出されるようにした構成とす
るものとする。
〔作用〕
パツフアシリンダをこのように構成し、以下の実施例
で詳細に説明するように、2つの周壁の間にリング状ピ
ストンを配して固定支持部8(第4図)から支持すると
ともにパツフアシリンダの固定主接触子側底面に開口を
形成すると、遮断器の開路動作時に2つの周壁の間のリ
ング状空間で圧縮されたガスが絶縁ノズルを包囲して軸
方向に進み、固定主接触子と可動主接触子との間に拡が
り漂おうとするガスを後方へ押しやり、両接触子間を清
浄なガス雰囲気に維持することができる。
〔実施例〕
第1図に本発明の一実施例を示す。図中、第2図ない
し第4図と同一機能部材には同一符号を付し、説明を省
略する。パツフアシリンダ7の周壁を2重構造とするた
めに第2の周壁7bが第1の周壁7aと同心に形成され、こ
の2つの周壁の間のリング状空間にはリング状のピスト
ン11bが配され支持部材8bを介して固定支持部8(第4
図)に固定されている。パツフアシリンダ7の固定主接
触子2A側底面には円弧状の長孔7cが形成され、この長孔
7cと同位置に可動主接触子3Aにも同形の長孔6cが形成さ
れている。
遮断部をこのように形成すると、電流遮断時に、第2
の周壁7bの内側に形成されたパツフア室17は電流遮断用
のパツフア室として働き、2つの周壁7a,7bの間のパツ
フア室18はガス流24を発生させて絶縁ノズル6を包囲す
る軸方向流れを形成し固定アーク接触子2Bが絶縁ノズル
6から脱出した後矢印23のように拡がる熱ガスが固定主
接触子2Aと可動主接触子3Aとの間へ拡がるのを阻止する
絶縁耐力維持用のパツフア室として働く。
〔発明の効果〕
以上に述べたように、本発明によれば、接地された金
属容器に収容され直線状に進退して棒状の固定アーク接
触子に接離する中空状の可動アーク接触子と、該可動ア
ーク接触子を包囲する絶縁ノズルと、該絶縁ノズルを取
り囲み前記固定アーク接触子を包囲する筒状の固定主接
触子に接離するリング状の可動主接触子とが取り付けら
れるパツフアシリンダを備えたパツフア形ガス遮断器
を、前記パツフアシリンダの内部に同心状に内周側のパ
ッフア室と外周側のパッフア室とが形成されるととも
に、遮断器の開路動作時には、前記内周側のパッフア室
から、前記絶縁ノズルの内側に前記固定アーク接触子お
よび前記可動アーク接触子へ向けてガス流が放出され、
かつ、前記外周側のパッフア室から、前記絶縁ノズルの
外側に前記固定アーク接触子および前記固定主接触子へ
向けてガス流が放出されるようにした構成としたので、
電流遮断時に固定主接触子と可動主接触子との間へ拡が
り漂おうとする熱ガスを後方へ押しやり、両接触子間を
清浄なガス雰囲気に維持することができ、両接触子間の
絶縁間隔を従来のように広げることなく電流遮断後の回
復電圧に対する絶縁強度を付与することができる。これ
により、従来の両接触子間絶縁間隔を小さくすることが
でき、遮断器の軸方向の小形化が可能となる。さらに、
定格遮断電流の大きい大容量パツフア形遮断器の製作が
さほど寸法増加を招くことなく可能となるメリツトが併
せて得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す遮断部の縦断面図、第
2図は従来の遮断部要部の拡大縦断面図、第3図は従来
のパツフア形遮断器の全体構成例を示す縦断面図、第4
図は第3図に示すパツフア形ガス遮断器の金属容器内構
造を示す拡大図である。 1……金属容器、2A……固定主接触子、2B……固定アー
ク接触子、3A……可動主接触子、3B……可動アーク接触
子、6……絶縁ノズル、7……パツフアシリンダ、7a,7
b……周壁、17,18……パツフア室、24……ガス流。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】接地された金属容器に収納され直線状に進
    退して棒状の固定アーク接触子に接離する中空状の可動
    アーク接触子と、該可動アーク接触子を包囲する絶縁ノ
    ズルと、該絶縁ノズルを取り囲み前記固定アーク接触子
    を包囲する筒状の固定主接触子に接離するリング状の可
    動主接触子とが取り付けられるパッフアシリンダを備え
    たパッフア形ガス遮断器において、前記パッフアシリン
    ダの内部に同心状に内周側のパッフア室と外周側のパッ
    フア室とが形成されるとともに、遮断器の開路動作時に
    は、前記内周側のパッフア室から、前記絶縁ノズルの内
    側に前記固定アーク接触子および前記可動アーク接触子
    へ向けてガス流が放出され、かつ、前記外周側のパッフ
    ア室から、前記絶縁ノズルの外側に前記固定アーク接触
    子および前記固定主接触子へ向けてガス流が放出される
    ようにしたことを特徴とするパッフア形ガス遮断器。
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