JP2021177447A - ガス遮断器 - Google Patents
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Abstract
【課題】動作速度を低下させることなく、絶縁体で構成される空間内への熱ガスの侵入を防止することができるガス遮断器を提供する。【解決手段】ガスタンク(1)内で、絶縁ガスを吹き付けてアーク(30)を消弧するパッファ型のガス遮断器が、絶縁ガスの流路となる絶縁ノズル(11)と、一対のアーク接触子と、第1の排気孔(7A)を有し、一対のアーク接触子の内の一方のアーク接触子に連結されるパッファシャフト(7)と、パッファシャフトを覆い、第1の排気孔からガスが排気される空間を構成する排気導体(14)と、パッファシャフトに連結されて、一方のアーク接触子を操作する絶縁ロッド(13)と、ガスタンク内において、排気導体を支持する、絶縁体からなる支持部材(17)と、を備え、排気導体は、ガスをガスタンク内へ排気する第2の排気孔(15)と、減圧孔(20)と、を有する。【選択図】図1
Description
本発明はガス遮断器に係り、特に、電流遮断時に接触子間に発生するアークに絶縁ガスを吹き付けて消弧するガス遮断器に関するものである。
電力機器の機器更新の需要が高まる一方で、送変電設備への投資抑制などから、低コストの機器が求められている。ガス遮断器では小型化による低コスト化を目的に遮断部構造、排気、シールド構造の最適化が進められている。またガス遮断器に使用されている絶縁ガス(SF6ガス)の使用量削減の観点からも小型化や、各種ガスを混合した代替ガスを使用したガス遮断器の開発も進められている。
ここで、従来のガス遮断器について、図4および図5を用いて説明する。
図4は、投入状態である従来のガス遮断器を示す概略断面構成図である。また、図5は、遮断状態である従来のガス遮断器を示す概略断面構成図である。
図4,5に示すように、ガス遮断器においては、絶縁カバー6によって覆われている操作器側(図4,5の右側)の可動アーク接触子2と、可動アーク接触子2とは反対側に配置された固定アーク接触子3と、操作器側の可動側主接触子5と、これとは反対側に配置された固定側主接触子4とが、絶縁ガスが充填されたガスタンク1内に収納されている。そして、投入状態では、図4に示すように、可動アーク接触子2と固定アーク接触子3とが電気的に接続されるとともに、可動側主接触子5と固定側主接触子4とが電気的に接続される。
なお、図1に示すように、固定側主接触子4と可動側主接触子5の接触部およびその近傍が、電界緩和のためのシールド12によって覆われている。また、可動側排気導体14には導体16が電気的に接続され、導体16は、図示しない端子に電気的に接続される。固定側排気導体19にも図示しない導体が電気的に接続され、その導体は、図示しない端子に電気的に接続される。
電力系統の短絡故障時にガス遮断器に開極指令が伝えられると、パッファシャフト7と絶縁ロッド13を介して操作器(図示せず)により可動側部が動作し、図5に示すように、可動側の可動アーク接触子2と固定側の固定アーク接触子3とが物理的に開離されるとともに、可動側主接触子5と固定側主接触子4とが物理的に開離される。これにより、ガス遮断器の状態は、投入状態(図4)から遮断状態(図5)に移行する。
可動側主接触子5と固定側主接触子4が開離した後も、固定アーク接触子3と可動アーク接触子2間には電流が流れるが、このときアーク30が発生する。ガス遮断器は、発生したアーク30に高圧の絶縁ガスを吹き付けて消弧する。
図4,5に示す従来のガス遮断器は、シリンダ内の絶縁ガスを圧縮してアークへ吹き付ける、いわゆるパッファ型のガス遮断器である。可動側部が動作する際に、可動アーク接触子2の外周に同軸に設けられたパッファシリンダ9内を相対的に移動するパッファピストン8でパッファ室10内の絶縁ガスが圧縮され、圧縮された絶縁ガスが、パッファ室10と、パッファ室10に連通する空間を形成する絶縁ノズル11とを介して、アーク30に吹付けられる。これにより、アーク30が消孤される。なお、パッファ室10は、パッファシリンダ9とパッファピストン8およびパッファシャフト7で構成されている。
アーク消弧に伴い発生した高温ガスは、図5に示すように、パッファシャフト7を通って、パッファシャフト7に設けられるパッファシャフト排気孔7Aから可動側排気導体14内に排気される。排気された熱ガス21は、可動側排気導体14内で冷却されながらガスタンク1内に排気される。ガスタンク1内に排気される熱ガス21が、温度が低く絶縁耐力が十分である場合、可動側排気導体14とガスタンク1間で絶縁破壊(地絡)が生じず、ガス遮断器は、十分な対地絶縁性能を有する。
一方、可動側排気導体14を含めた遮断部全体の小型化に伴い、可動側排気導体14内の圧力は、熱ガス21の影響で高くなる。そのため、可動側排気導体14と絶縁ロッド13間に生じるギャップ18を通じて、熱ガス21や、金属などを含む異物が、絶縁筒17と絶縁ロッド13で形成される空間に侵入し、絶縁物沿面での絶縁破壊(31)が生じる可能性がある。
これに対し、特許文献1および特許文献2に記載された技術が知られている。
特許文献1の技術では、パッファシャフトと絶縁ロッドとの連結部に保持されるとともにこの連結部を覆う絶縁ロッドカバーと、固定ピストンに固定されるガード筒とで構成される遮蔽部材が設けられる。遮断動作時に、絶縁ロッドカバーがガード筒内に位置することにより、熱ガスが遮蔽される。
特許文献2の技術では、熱ガスを冷却する冷却筒の内壁に、パッファピストン側の空間と対地絶縁筒側の空間との隔壁となる遮断部が設けられる。遮断部には、操作ロッドが摺動可能に貫通する。遮断部と操作ロッドの接触部において、遮断部の内周面と操作ロッドの外周面との間には、帯状リングやOリングが設けられる。これにより、遮断部の両側の空間の気密性が保たれ、対地絶縁筒側の空間への熱ガスの侵入が防止される。
特許文献1の技術では、絶縁ロッドカバーとガード筒の間にはギャップが生じるため、熱ガスがギャップを通って絶縁ロッド空間に侵入する可能性がある。
また特許文献2の技術では、帯状リングやOリングと、操作ロッドとの間の摺動抵抗により、遮断動作速度が低下する。
そこで、本発明は、動作速度を低下させることなく、絶縁体で構成される空間内への熱ガスの侵入を防止することができるガス遮断器を提供する。
上記課題を解決するために、本発明によるガス遮断器は、絶縁ガスが充填されているガスタンク内で、アークに絶縁ガスを吹き付けてアークを消弧するパッファ型のガス遮断器であって、アークに吹き付けられる絶縁ガスのアークへの流路となる絶縁ノズルと、一対のアーク接触子と、第1の排気孔を有し、一対のアーク接触子の内の一方のアーク接触子に連結されるパッファシャフトと、パッファシャフトを覆い、第1の排気孔からガスが排気される空間を構成する排気導体と、パッファシャフトに連結されて、一方のアーク接触子を操作する絶縁ロッドと、ガスタンク内において、排気導体を支持する、絶縁体からなる支持部材と、を備え、排気導体は、ガスをガスタンク内へ排気する第2の排気孔と、減圧孔と、を有する。
本発明によれば、ガス遮断器の動作速度を低下させることなく、絶縁体で構成される空間内への熱ガスの侵入を防ぐことができる。これにより、対地絶縁性能が向上する。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、本発明の実施形態について、下記の実施例1〜3により、図面を用いながら説明する。なお、前述の図4および図5を含む各図において、参照番号が同一のものは同一の構成要件あるいは類似の機能を備えた構成要件を示している。また、図1および図3では、図4および図5に示した従来技術によるガス遮断器と同じ構成要件については、適宜、符号の記載を省略している。
図1は、本発明の実施例1であるガス遮断器の構成を示す概略断面構成図である。なお、図1において、本実施例1のガス遮断器は、遮断状態にある。
図1に示すように、本実施例1のガス遮断器においては、従来のガス遮断器(図4,5)と同様に、一対のアーク接触子すなわち、操作器側(図1の右側)の可動アーク接触子2と、可動アーク接触子2とは反対側に配置された固定アーク接触子3および操作器側(図1の右側:操作器は図示せず)の可動側主接触子5と、これとは反対側に配置された固定側主接触子4とが、絶縁ガス(例えば、SF6)が充填されたガスタンク1内に収納されている。
ガス遮断器の投入状態では(図4参照)、可動アーク接触子2と固定アーク接触子3とが電気的に接続されるとともに、可動側主接触子5と固定側主接触子4とが電気的に接続される。
電力系統の短絡故障時などにおいて、外部からガス遮断器に開極指令が与えられると、可動アーク接触子2に同軸に連結されるパッファシャフト7と、パッファシャフト7に同軸に連結される絶縁ロッド13と、を介して操作器(図示せず)により可動側部が動作し、図1に示すように、可動側の可動アーク接触子2と固定側の固定アーク接触子3とが物理的に開離されるとともに、可動側主接触子5と固定側主接触子4とが物理的に開離される。これにより、ガス遮断器の状態は、投入状態から遮断状態に移行する。
このように、一対のアーク接触子の一方である可動アーク接触子2は、パッファシャフト7を介して、図示しない操作器によって駆動される絶縁ロッドにより操作される。
なお、本実施例1において、図示されない操作器としては、油圧操作器やバネ操作器などの公知の操作器が適用される。
可動側主接触子5と固定側主接触子4が開離するとき、固定アーク接触子3と可動アーク接触子2間にアーク30が発生する。このため、可動側主接触子5と固定側主接触子4が開離した後も、固定アーク接触子3と可動アーク接触子2間には電流が流れ続ける。ガス遮断器は、発生したアーク30に高圧の絶縁ガスを吹き付けてアーク30を消弧する。このとき、絶縁ノズル11は、絶縁ガスをアーク30に導く流路となる。
このように、本実施例1のガス遮断器は、絶縁ガスが充填されているガスタンク内で、アークに絶縁ガスを吹き付けて、このアークを消弧する、いわゆるパッファ型のガス遮断器である。
可動側部が動作する際に、可動アーク接触子2の外周に同軸に設けられたパッファシリンダ9内を相対的に移動するパッファピストン8でパッファ室10内の絶縁ガスが機械的に圧縮され、圧縮された絶縁ガスが、パッファ室10と、パッファ室10に連通する空間を形成する絶縁ノズル11とを介して、アーク30に吹付けられる。これにより、アーク30が消孤される。なお、パッファ室10は、パッファシリンダ9とパッファピストン8およびパッファシャフト7で構成されている。
アーク消弧の際に、高温でかつ電極などの金属蒸気が混在した、絶縁性能の低い熱ガス21が生成される。熱ガス21は、絶縁ノズル11から、固定アーク接触子3側とパッファシャフト7内とに排出される。絶縁ノズル11から排出された熱ガス21は固定側排気導体19内で冷却されながらガスタンク1内に排出される。また、パッファシャフト7内の熱ガス21は操作器方向へ進み、パッファシャフト排気孔7Aから可動側排気導体14とパッファシャフト7とで形成される空間内に排出される。
ここで、図5を用いて、従来技術によるガス遮断器における可動側排気導体14内の熱ガス21の流れについて説明する。
可動側排気導体14内に排出された熱ガス21は、可動側排気導体14内の冷ガス22と混合されることで、温度が低下しながら可動側排気導体14内の外周部に設けられた排気孔15からガスタンク1内に排出される。可動側排気導体14内に排出された熱ガス21は排気孔15だけでなく、可動側排気導体14と絶縁ロッド13内との間に生じたギャップ18を通じて絶縁ロッド13と絶縁筒17で形成される空間へ流入する。
ここで、絶縁筒17は、ガスタンク1内において、円筒状の可動側排気導体14と、同軸に配置され、可動側排気導体14を固定的に支持する、円筒状の絶縁体からなる部材である。
可動側排気導体14内の容積が十分である場合は、熱ガス21による圧力上昇が小さいことに加えて、ギャップ18の面積が排気孔15に対して十分小さいため、熱ガス21は、排気孔15からほとんどが排出される。しかし、遮断部を小型化すると、可動側排気導体14の容積縮小に伴う圧力上昇により、熱ガス21は、ギャップ18から絶縁筒17内へ流入する。このため、絶縁物沿面からの地絡31などにより、対地絶縁性能が得られない。
そこで、本実施例1では、図1に示すように、可動側排気導体14内の外周部に設けられる排気孔15とパッファシャフト7に設けられるパッファシャフト排気孔7Aとに加えて、可動側排気導体14内の外周上の固定側に減圧孔20が設けられる。すなわち、可動側排気導体14において、減圧孔20は、排気孔15よりも、一対のアーク接触子(可動アーク接触子2および固定アーク接触子3)の側に位置する。
熱ガス21は、パッファシャフト排気孔7Aから、可動側排気導体14内における固定側(図中、左側)および操作器側(図中、右側)に向かって排出される。熱ガス21が可動側排気導体14内の排気孔15からガスタンク1内に排気されるまでに、減圧孔20から可動側排気導体14内の冷ガス22が流出することで、可動側排気導体14内の圧力が低下する。これにより、ギャップ18を介する絶縁筒17内へのガス流入を抑えることができるので、絶縁筒17や絶縁ロッド13の表面への異物付着などによる絶縁物沿面の絶縁性能低下を抑制できる。
本実施例1では、可動側排気導体14内におけるパッファシャフト排気孔7Aの位置から排気孔15の位置までの距離L2が、パッファシャフト排気孔7Aから排気される熱ガス21を可動側排気導体14内の冷ガス22と混合させるために十分な長さに設定される。このため、可動側排気導体14内の圧力が上昇しやすくなっている。さらに、パッファシャフト排気孔7Aの位置から減圧孔20の位置までの距離L1をL2より短くすることで可動側排気導体14内での冷ガス22との混合を妨げることなく、減圧孔20によって圧力を低下させることができる。
また、減圧孔20の流路断面積を可動側排気導体14の排気孔15の流路断面積より小さくすることで、減圧孔20の流路抵抗が排気孔15の流路抵抗よりも高くなっている。このため、ガス流量としては、減圧孔20よりも排気孔15の方が大きくなる。さらに、減圧孔20の流路断面積をギャップ18の流路断面積より大きくすることで、絶縁筒17内へのガス流入が抑制される。
なお、減圧孔20からも可動側排気導体14内のガスが排気されるが、図1に示すように、パッファシャフト7および可動側排気導体14の長手方向に沿って、パッファシャフト排気孔7Aが減圧孔20と排気孔15の間に位置しているため、熱ガス21に押し出された可動側排気導体14内の冷ガス22が最初に排気される。このため、減圧孔20から排出される熱ガスに起因する地絡が発生しにくくなる。
上述のように、本実施例1によれば、ギャップ18へのガス侵入を遮断するための部材を用いることなく、ギャップ18へのガス侵入が防止されるので、ガス遮断器の動作速度を低下させることなく、絶縁体で構成される空間内への熱ガスの侵入を防ぐことができる。これにより、ガス遮断器の対地絶縁性能を確保しながらも、ガス遮断器の小型化が可能になる。
本実施例1は、パッファシリンダ9内の空間である機械圧縮室(機械パッファ室)内のガスをパッファピストン8により機械的に圧縮して吹付ガス圧力を得る機械パッファタイプのガス遮断器である。上述したような減圧孔20を有する可動側排気導体14は、このような機械パッファタイプのガス遮断器に限らず、容積固定の熱的膨張室(熱パッファ室)内のガスをアークの熱により熱膨張させて吹付ガス圧力を得る熱パッファタイプのガス遮断器や、機械圧縮室と熱的膨張室の双方を有するガス遮断器に対しても適用することができる。
また、ガスタンク1内に充填される絶縁ガスとしては、SF6限らず、乾燥空気や窒素ガスなどの他の絶縁ガスを使用してもよい。
図2は、本発明の実施例2であるガス遮断器におけるパッファシャフト7および可動側排気導体14の構成を示す断面図である。全体構成は、図1に示した実施例1と同様である。なお、図2の左図、中央図および右図は、それぞれ、図1におけるA−A’断面、B−B’断面およびC−C’断面を示す。また、各断面図における矢印は、熱ガスが排気される位置および方向を示す。
前述のように、熱ガス21は、パッファシャフト7を通って、パッファシャフト排気孔7Aから可動側排気導体14内に排気される。図2の中央図(B−B’断面)の矢印が示すように、パッファシャフト排気孔7Aは、パッファシャフト7の円環状断面の外周方向に沿って配置され、熱ガス21の流路となるようにパッファシャフト7の円環状断面を貫通している。
本実施例2では、図2の中央図(B−B’断面)の矢印が示すように、2個のパッファシャフト排気孔7Aが、ガス遮断器が設置されている状態でパッファシャフト7の円環状断面の上部および下部に一個ずつ配置されている。これに対し、減圧孔20および排気孔15は、それぞれ図2の左図(A−A’断面)および右図(C−C’断面)の矢印が示すように、可動側排気導体14の円環状断面の外周方向に沿って、パッファシャフト排気孔7Aが配置されている上下方向から角度をずらして配置されている。そして、減圧孔20および排気孔15は、熱ガス21の流路となるように可動側排気導体14の円環状断面を貫通している。
なお、本実施例2では、図2の左図(A−A’断面)の矢印が示すように、4個の減圧孔が、パッファシャフト排気孔7Aが配置される上下方向に対して略45度の角度を成すように配置されている。また、図2の右図(C−C’断面)の矢印が示すように、4個の排気孔15が、減圧孔20と同様に、パッファシャフト排気孔7Aが配置される上下方向に対して略45度の角度を成すように配置されている。
このような減圧孔20および排気孔15と、パッファシャフト排気孔7Aの配置により、パッファシャフト7の円環状断面の外周におけるパッファシャフト排気孔7Aからの排気方向と、可動側排気導体14の円環状断面の外周における排気孔15および減圧孔20からの各排気方向とが異なる。このため、パッファシャフト排気孔7Aから排気された熱ガス21が、可動側排気導体14内を回り込みながら、減圧孔20および排気孔15に導かれる。これにより、熱ガス21を、可動側排気導体14内において冷ガス22と効率よく混合させながら、ガスタンク1内に排気することができる。
なお、減圧孔20と排気孔15およびパッファシャフト排気孔7Aの各平面形状は、本実施例2ではいずれも円形であるが、円形に限らず矩形などの他の形状でもよい。また、減圧孔20および排気孔15の配置方向と、パッファシャフト排気孔7Aの配置方向とがなす角度は、45度に限らず、適宜設定できる。
また、パッファシャフト排気孔7A、排気孔15および減圧孔20の各個数は、単数でもよいが、本実施例2のように複数個設けられることにより、排気の効率が向上する。
図3は、本発明の実施例3であるガス遮断器の構成を示す概略断面構成図である。なお、図3において、本実施例3のガス遮断器は、遮断状態にある。以下、主に、実施例1(図1)と異なる点について説明する。
本実施例3では、パッファシャフト排気孔7Aが、その内壁面において、熱ガス21の流れを操作器方向へ導くために、パッファシャフト7内から操作器方向へ傾くテーパを有する。すなわち、パッファシャフト排気孔7Aは、パッファシャフト7の長手方向に沿った断面において、長手方向すなわち中心軸方向から、可動側排気導体14の排気孔15に向かう方向に傾いている。これにより、熱ガス21が、減圧孔20よりも流路断面積が大きくて流路抵抗の小さい排気孔15方向に導かれる。このため、熱ガス21を、パッファシャフト7内から可動側排気導体14内へ効率よく排気することができる。
もし熱ガス21がパッファシャフト7内で滞留すると、パッファシャフト7内の圧力が上昇して、アーク30へのガス吹付が滞る。この場合、遮断性能が低下する恐れがある。
これに対し、本実施例3によれば、熱ガス21が、パッファシャフト7内に滞留することなく、パッファシャフト7内からスムースに排気されるので、遮断性能の低下が防止される。
また、本実施例3によれば、減圧孔20方向への熱ガス21の排気が抑制されるため、減圧孔20からは、可動側排気導体14内の圧力上昇に伴い冷ガス22が押し出される。これにより、減圧孔20からの高温ガス排気量が減少するので、減圧孔20からの熱ガス21を放電の起点とする地絡を防ぐことができる。
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置き換えをすることが可能である。
例えば、実施例1と同様に、実施例2および実施例3についても、熱的膨張室(熱パッファ室)および機械圧縮室(機械パッファ室)の一方のみを備えるガス遮断器、並びに両方を備えるガス遮断器に適用できる。
また、実施例1と同様に、実施例2および実施例3についても、ガスタンク1内に充填される絶縁ガスとしては、SF6限らず、乾燥空気や窒素ガスなどの他の絶縁ガスを使用してもよい。
また、ガス遮断器は、一対のアーク接触子が共に駆動される、双方向駆動方式のガス遮断器でもよい。
1…ガスタンク、2…可動アーク接触子、3…固定アーク接触子、4…固定側主接触子、5…可動側主接触子、6…絶縁カバー、7…パッファシャフト、7A…パッファシャフト排気孔、8…パッファピストン、9…パッファシリンダ、10…パッファ室、11…絶縁ノズル、12…シールド、13…絶縁ロッド、14…可動側排気導体、15…排気孔、16…導体、17…絶縁筒、18…ギャップ、19…固定側排気導体、20…減圧孔、21…熱ガス、22…冷ガス、30…アーク、31…地絡
Claims (14)
- 絶縁ガスが充填されているガスタンク内で、アークに前記絶縁ガスを吹き付けて前記アークを消弧するパッファ型のガス遮断器において、
前記アークに吹き付けられる前記絶縁ガスの前記アークへの流路となる絶縁ノズルと、
一対のアーク接触子と、
第1の排気孔を有し、前記一対のアーク接触子の内の一方のアーク接触子に連結されるパッファシャフトと、
前記パッファシャフトを覆い、前記第1の排気孔からガスが排気される空間を構成する排気導体と、
前記パッファシャフトに連結されて、前記一方のアーク接触子を操作する絶縁ロッドと、
前記ガスタンク内において、前記排気導体を支持する、絶縁体からなる支持部材と、
を備え、
前記排気導体は、前記ガスを前記ガスタンク内へ排気する第2の排気孔と、減圧孔と、を有することを特徴とするガス遮断器。 - 請求項1に記載のガス遮断器において、
前記減圧孔の流路断面積が前記第2の排気孔の流路断面積より小さいことを特徴とするガス遮断器。 - 請求項2に記載のガス遮断器において、
前記減圧孔の流路断面積が前記排気導体と絶縁ロッドとの間のギャップの流路断面積より大きいことを特徴とするガス遮断器。 - 請求項1に記載のガス遮断器において、
前記減圧孔は、前記第2の排気孔よりも、前記一対のアーク接触子の側に位置することを特徴とするガス遮断器。 - 請求項4に記載のガス遮断器において、
遮断状態で、前記第1の排気孔と前記減圧孔との距離が、前記第1の排気孔と前記第2の排気孔との距離よりも短いことを特徴とするガス遮断器。 - 請求項5に記載のガス遮断器において、
前記第1の排気孔が、前記減圧孔と前記第2の排気孔との間に位置することを特徴とするガス遮断器。 - 請求項1に記載のガス遮断器において、
前記パッファシャフトの断面の外周における前記第1の排気孔からの排気方向と、前記排気導体の断面の外周における前記第2の排気孔からの排気方向とが異なることを特徴とするガス遮断器。 - 請求項1に記載のガス遮断器において、
前記パッファシャフトの断面の外周における前記第1の排気孔からの排気方向と、前記排気導体の断面の外周における前記減圧孔からの排気方向とが異なることを特徴とするガス遮断器。 - 請求項1に記載のガス遮断器において、
前記第1の排気孔は、前記パッファシャフトの外周に沿って、複数個配置されることを特徴とするガス遮断器。 - 請求項1に記載のガス遮断器において、
前記第2の排気孔は、前記排気導体の外周に沿って、複数個配置されることを特徴とするガス遮断器。 - 請求項1に記載のガス遮断器において、
前記減圧孔は、前記排気導体の外周に沿って、複数個配置されることを特徴とするガス遮断器。 - 請求項1に記載のガス遮断器において、
前記第1の排気孔は、前記パッファシャフトの外周に沿って、複数個配置され、
前記第2の排気孔は、前記排気導体の外周に沿って、複数個配置され、
複数の前記第1の排気孔からの排気方向と、複数の前記第2の排気孔の排気方向とが異なることを特徴とするガス遮断器。 - 請求項1に記載のガス遮断器において、
前記第1の排気孔は、前記パッファシャフトの外周に沿って、複数個配置され、
前記減圧孔は、前記排気導体の外周に沿って、複数個配置され、
複数の前記第1の排気孔からの排気方向と、複数の前記減圧孔の排気方向とが異なることを特徴とするガス遮断器。 - 請求項1に記載のガス遮断器において、
前記第1の排気孔は、前記パッファシャフトの長手方向から、前記第2の排気孔に向かう方向へ傾いていることを特徴とするガス遮断器。
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2020
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