JP2508107Y2 - レンズ鏡筒 - Google Patents

レンズ鏡筒

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Description

【考案の詳細な説明】 「技術分野」 本考案は、レンズ鏡筒に関し、特に円筒状のシャッタ
ユニットから出るフレキシブルプリント基板の支持構造
に関する。
「従来技術およびその問題点」 いわゆるレンズシャッタカメラでは、レンズ鏡筒に円
筒状のシャッタユニットが設けられる。シャッタユニッ
トは、周知のように、測距装置からの被写体距離信号に
基づいてフォーカシングレンズ群を駆動し、測光装置か
らの被写体輝度信号に基づいてシャッタブレードを開閉
する。このシャッタユニットは一般に、その前端面に駆
動用端子が設けられており、この駆動用端子にフレキシ
ブルプリント基板の前端部が接続される。フレキシブル
プリント基板は、該シャッタユニットの周面を経て後方
に導かれ、適当な案内手段を介してカメラボディ側の制
御回路に接続される。
このフレキシブルプリント基板は従来、シャッタ周面
上で撓まないように、接着テープや接着剤を介して該シ
ャッタユニットに貼り付けられていた。ところがシャッ
タユニットは、その構造上、外径を極力小さくするため
に、駆動用ギヤ、ばね等が露出しており、この接着テー
プや接着剤が作動に悪影響を与えるおそれがある。この
ため、接着テープや接着剤による貼付作業は大変難しい
ものになっていた。
「考案の目的」 本考案は、フレキシブルプリント基板のシャッタユニ
ット回りの支持構造についての以上の問題意識に基づ
き、接着テープや接着剤を用いることなく、フレキシブ
ルプリント基板がシャッタ円周上で撓まないように簡単
に支持できる支持構造を得ることを目的とする。
「考案の概要」 本考案は、フレキシブルプリント基板の接着構造に代
えて、シャッタユニットを固定するシャッタ保持枠の後
端面に、シャッタユニットの周面を経たフレキシブルプ
リント基板を、該シャッタ保持枠の後端面に沿わせて保
持する押え部材を設けたことを特徴としている。すなわ
ち本考案は、シャッタユニットの周面を経たフレキシブ
ルプリント基板を、一旦シャッタ保持枠の後端面に屈曲
させて沿わせ、その状態で押え枠によって保持すること
により、接着を要することなく、撓みを生じさせること
なく、フレキシブルプリント基板を保持できるようにし
たことを特徴としている。
この押え枠は、シャッタ保持枠の後端面に形成した凹
部との間に、フレキシブルプリント基板の板厚より大き
い隙間の屈曲した基板通路を形成するものであることが
好ましい。この基板通路に予めフレキシブルプリント基
板を挿通し、その後、該基板を後方に引くと、基板は、
屈曲した基板通路との摩擦により、引かれた状態、つま
り周面に密着して沿う状態を維持する。よって、極めて
簡単にフレキシブルプリント基板をシャッタユニットに
沿わせて保持することができる。
「考案の実施例」 以下図示実施例について本発明を説明する。
まずこのズームレンズ鏡筒の全体構造を第３図につい
て説明する。カメラボディに一体化される固定鏡筒11に
は、ヘリコイド環12が固定され、このヘリコイド環12の
雌ヘリコイド12aに、カム環10の外周面に形成した雄ヘ
リコイド10aが螺合している。このカム環10の内側に
は、雌ヘリコイド10bとカム溝（図示せず）が形成され
ていて、雌ヘリコイド10bには、前群レンズ筒13の雄ヘ
リコイド13aが螺合している。カム環10の後端部には、
直進案内板14が固定されていて、この直進案内板14の径
方向突起14aは、固定鏡筒11に形成した直進案内溝11aに
嵌まっている。直進案内板14には、直進案内環15が固定
されていて、カム環10はこの直進案内環15に対して回転
自在である。
前群レンズ筒13には、環状のシャッタユニット16の後
端部を固定したシャッタ保持枠13bが固定されており、
シャッタユニット16の内周部に一体に設けたヘリコイド
環17には、前群レンズを保持した前群レンズ枠18が螺合
している。シャッタユニット16はその駆動ピン16aを前
群レンズ枠18に一体とした被動ピン18aに係合させてい
る。駆動ピン16aは、周知のように、測距装置からの測
距信号に応じた角度だけ回転駆動されるもので、この回
転が被動ピン18aを介して前群レンズ枠18に伝わり、前
群レンズ枠18（前群レンズL1）が回転しながら、シャッ
タユニット16により光軸方向に移動してフォーカシング
がなされる。またシャッタユニット16は、被写体の輝度
信号に応じて、シャッタブレード16bを開閉する。
後群レンズL2を支持した後群レンズ枠19は、径方向に
突出するカムピン（図示せず）を有し、このカムピン
は、カム環10の内面に形成した前述のカム溝（図示せ
ず）に嵌まっている。そして、この後群レンズ枠19とシ
ャッタ保持枠13bとは、上記直進案内環15に形成した直
進案内面によって直進案内されている。
従って上記構成のズームレンズ鏡筒は、カム環10を回
転駆動すると、雄ヘリコイド10aと雌ヘリコイド12aの関
係に従ってカム環10自体が光軸方向に移動する。同時
に、雌ヘリコイド10bと雄ヘリコイド13aの螺合関係、お
よびシャッタ保持枠13bと直進案内環15の直進ガイド機
構により、前群レンズ筒13（前群レンズL1）が光軸方向
に直進移動する。またカム環10が回転すると、その内面
のカム溝（図示せず）と後群レンズ枠19に設けたカムピ
ン（図示せず）との関係、および後群レンズ枠19と直進
案内環15の直進ガイド機構により、該後群レンズ枠19
（後群レンズL2）が光軸方向に移動し、ズーミングがな
される。
環状のシャッタユニット16は、その前端面に図示しな
い駆動用端子を有し、この駆動用端子にフレキシブルプ
リント基板20の前端部が固定されている。フレキシブル
プリント基板20は、シャッタユニット16の周面に沿わせ
て後方に導かれ、さらに本考案の特徴とする押え部材21
により、シャッタ保持枠13bの後端面に支持されてい
る。
すなわち、第１図、第２図に詳細に示すように、シャ
ッタ保持枠13bには、フレキシブルプリント基板20の幅
に見あう幅の横長の凹部22が形成されている。この凹部
22の一側部には、取付台23が突出形成され、他側部に
は、支持突起24が突出形成されている。取付台23には雌
ねじ孔23aが形成され、支持突起24の先端部には、凹部2
2側に向く抜け止め片24aが形成されている。
全体として板状をなす押え部材21は、この取付台23と
支持突起24の間に支持されるもので、取付台23の雌ねじ
孔23aとの対応部分にねじ孔21aを有し、支持突起24（抜
け止め片24a）との対応部分に二股部21bを有している。
そして中央部分には、凹部22内に突出する円弧部21c
と、凹部22の内側においてフレキシブルプリント基板20
を滑らかに外方に屈曲ガイドする屈曲部21dとがそれぞ
れ屈曲形成されている。
以上の押え部材21は、シャッタユニット16の前端面か
ら出て該シャッタユニット16の周面に導いたフレキシブ
ルプリント基板20を、凹部22との間に挟んだ状態で、取
付台23と支持突起24の間に固定される。すなわち、押え
部材21の二股部21bを抜け止め片24a下部において支持突
起24に押し付け、ねじ孔21aに挿通した固定ねじ25を雌
ねじ孔23aに螺合させる。この押え部材21の固定状態で
は、円弧部21cと凹部22との間に、略Ｖ字状に屈曲した
基板通路26（第２図）が形成される。この基板通路26の
隙間ｓは、フレキシブルプリント基板20の板厚ｔより大
きい。そしてこの隙間ｓは、フレキシブルプリント基板
20に引張力を与えたときは該プリント基板20が移動する
ことができるが、引張力を開放したときには、基板通路
26とフレキシブルプリント基板20との間に作用する摩擦
力で、該プリント基板20が移動しないように定められて
いる。
従って上記構成の本装置によると、第１図、第２図に
鎖線で示すようにフレキシブルプリント基板20を撓ませ
た状態で、押え部材21をシャッタ保持枠13bの後端面に
固定し、その状態でフレキシブルプリント基板20の後部
を引くと、該プリント基板20はぴったりとシャッタユニ
ット16の周面に沿う。そしてフレキシブルプリント基板
20を離しても、基板通路26（押え部材21の円弧部21cと
凹部22）と、フレキシブルプリント基板20との間に作用
する摩擦力で、フレキシブルプリント基板20はその状態
に維持される。よって、従来のように接着テープや接着
剤を要することなく、フレキシブルプリント基板20をシ
ャッタユニット16の周面に密着状態で保持することがで
きる。
なお押え部材21を出たフレキシブルプリント基板20
は、屈曲部21dに沿って外方に案内される。そしてこの
フレキシブルプリント基板20はさらに、第３図に示すよ
うに、直進案内環15の内面に沿って前方に導かれ、直進
案内環15の前端部からその外面に沿って再び後方に導か
れた後、直進案内環15の後方においてもう一度前方に折
り返され、ヘリコイド環12と固定鏡筒11の間に形成した
隙間を通って、カメラボディ側の制御回路27に接続され
ている。制御回路27は、被写体距離信号および被写体輝
度信号に基づく作動信号をフレキシブルプリント基板20
を介してシャッタユニット16に与える。
なお実施例に示す、押え部材21を出た後のフレキシブ
ルプリント基板20のガイド手段およびその経路は一例を
示すものである。本考案は、押え部材21を出た後のフレ
キシブルプリント基板20の経路は問わない。
「考案の効果」 以上のように本考案は、シャッタユニットの前端面か
ら出て周面に導かれるフレキシブルプリント基板を、シ
ャッタユニットを固定したシャッタ保持枠の後端面に一
旦導いて、押え部材により保持するようにしたので、接
着テープや接着剤を用いることなく、シャッタユニット
周面に沿わせることができる。よって接着テープや接着
剤が原因でシャッタユニットの作動が不良になるおそれ
がない。また請求項２に記載の考案によれば、さらに押
え部材と凹部との間に挟んだ状態で、単にフレキシブル
プリント基板を引くだけで、該基板をシャッタユニット
周面に沿わせることができるから、作業性を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第１図ないし第３図は本考案によるレンズ鏡筒の実施例
を示すもので、第１図は要部の分解斜視図、第２図は組
立状態の要部の側面図、第３図はレンズ鏡筒全体の縦断
面図であって、上半分はレンズ収納状態、下半分はレン
ズ突出状態（テレ状態）を示している。 10…カム環（環状部材）、10a…雄ヘリコイド、10b…雌
ヘリコイド、11…固定鏡筒、11a…直進案内溝、12…ヘ
リコイド環、12a…雌ヘリコイド、13…前群レンズ筒、1
3a…雄ヘリコイド、13b…シャッタ保持枠、14…直進案
内板、15…直進案内環、16…シャッタユニット、16a…
駆動ピン、16b…シャッタブレード、17…ヘリコイド
環、18…前群レンズ枠、18a…被動ピン、19…後群レン
ズ枠、20…フレキシブルプリント基板、21…押え部材、
21a…ねじ孔、21b…二股部、21c…円弧部、21d…屈曲
部、22…凹部、23…取付台、23a…雌ねじ孔、24…支持
突起、24a…抜け止め片、25…固定ねじ、26…基板通
路、27…制御回路。

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項１】円筒状のシャッタユニットと；このシャッ
    タユニットの後端部を保持するシャッタ保持枠と；この
    シャッタユニットの前端面から周面に沿わせて後方に導
    かれるフレキシブルプリント基板とを有するレンズ鏡筒
    において、 上記シャッタ保持枠の後端面に、上記シャッタユニット
    の周面を経たフレキシブルプリント基板を、該シャッタ
    保持枠の後端面に沿わせて保持する押え部材を設けたこ
    とを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 【請求項２】請求項１において、上記シャッタ保持枠の
    後端面には凹部が形成されていて、上記押え枠は、この
    凹部との間に、フレキシブルプリント基板の板厚より大
    きい隙間の屈曲した基板通路を形成しているレンズ鏡
    筒。
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