JP2502968B2 - 車両用制御装置 - Google Patents

車両用制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明は車両用制御装置に関し、詳しくは車両運転に
関する種々の制御を論理演算によって実現する車両用制
御装置において、制御に用いられるデータの変更の容易
性と信頼性とを好適に実現する車両用制御装置に関す
る。
[従来の技術] 近年、自動車に搭載される制御装置の電子化、とりわ
けマイクロコンピュータ等の論理演算手段を用いたディ
ジタル制御が、内燃機関の燃料噴射量制御等の制御装置
や自動変速制御装置、アンチスキッドあるいはトラクシ
ョンコントロール装置などを中心に急速に普及してい
る。論理演算手段を用いた制御装置では、種々の条件に
応じて様々の制御を容易に行なうことができるので、精
度の高い制御や緻密な制御を実行することができる上、
同一の構成(ハードウェア)でも処理手順(ソフトウェ
ア)を変更するだけで、種々の制御に対処できるといっ
た利点も存在する。
ところで、車両運転に関する制御が同一であっても制
御対象となるシステムはすこしずつ異なるのが普通であ
って、例えば内燃機関の燃料噴射量制御装置では気筒数
の種類、吸入空気量検出手法の違い、内燃機関の燃料噴
射量制御装置と共働する自動変速制御装置やオートエア
コン等の種類、あるいはこれらの組合わせ等により、実
際に行なわれる制御は完全に同一とはならない。従っ
て、こうした制御対象にあわせて多種多様の制御手順や
制御に用いるデータ等を用意しなければならない。論理
演算によって制御を行なう車両用制御装置では、通常、
こうした予め定められた処理手順や制御に必要なデータ
は、書き換え不可能な形で記憶する固定記憶手段、例え
ばマスクROM等に記憶しておかれる。
ところが、マスクROMは半導体である為、マスクパタ
ーンの開発にかなりの時間とコストとを要し、またマス
クパターンの変更も容易には行なえないという問題があ
った。従って、新たな制御を実現する車両用制御装置を
開発するにあたっては、制御装置の完成に先立って相当
に長期の期間(すくなくとも月単位)をかけて制御装置
の仕様を定め、制御手順の正当性の証明,制御特性の評
価を繰返さねばならなかった。また、マスクROMの完成
後の制御手順,データ等の変更、プログラムの不具合点
(所謂バグ)の解消等は、マスクパターンを作りなおす
以外には行なうことができなかった。従って、マスクRO
Mのような固定記憶手段を用いる場合には、多種類に亘
る機種別,構成別の最適な制御手順・諸元を単一のマス
クROMに用意することは現実には困難なことであった。
そこで、従来、一定の条件の下でデータを書き込むこ
とができる再書込可能記憶手段を用いて、上記の問題を
解決しようとする提案がなされている。例えば、特開昭
59−28030号公報の「電子燃料噴射装置の異常時バック
アップ装置」のように、制御に用いられる一部のデータ
をプログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)に記憶
することによって、多種類の制御に共通する基本的な制
御に用いるデータと、機種毎、構成毎に異なる制御のデ
ータとを分離して、マスクROMの種類を減らして、多品
種の車両用制御装置を実現しようとする提案がなされて
いる。
[発明が解決しようとする問題点] かかる従来技術を背景として本発明が解決しようとす
るのは次の問題である。
(1)一定の条件下でデータの書き込みができるような
記憶手段、例えばPROMを用いた場合、PROMに記憶された
内容(データ)が消去・書き換わってしまうということ
が現実にありえる。例えばPROMの実装上のトラブル(IC
ソケットの接触不良等)が考えられる。また、通常のPR
OMでは、FETで形成されたセルにエネルギによってセル
の性質を変えることによってデータの書き込みを行なっ
ており、このセルの状態を変更するだけのエネルギが外
部から与えられれば、データが変ってしまうことがあり
えるからである。この事は、近年急速に進められている
PROMの大容量化、即ちセルの大きさの縮小に従って、問
題となることが考えられる。
(2)また、PROMの実装まちがいによって、本来用意さ
れるべきデータに替えて誤ったデータが与えられること
がありえる。こうした誤りは、車両運転に関する制御の
種類が増え、これに対応したPROMの種類が増加する程、
生じる可能性が高くなる。ところがCPU,マスクROM側か
ら見た場合、異なるPROMであるか否かの判断がしにく
く、例えば4気筒の内燃機関に用いられる同期燃料噴射
制御用のデータで6気筒の内燃機関を制御することにな
ってしまい、最適な制御から逸脱したとしても、これを
検出することは極めて困難であった。
(3)更に、車両用制御装置では、上記(1),(2)
のケースにおいて、例えば複数ビットからなるデータの
1ビットが何らかの異常によって消去または変更された
場合、あるいは誤ったPROMが実装された為にデータが異
なっている場合、車両の制御に与える影響がきわめて大
きいという問題があった。わずか1ビットの誤りであっ
ても、それが、例えば最上位ビットであれば論理演算に
おけるデータとして、大きく相違することは容易に諒解
されよう。またそのビットが車両運転に関する何らかの
状態、例えば車載の変速機が自動変速機であるか手動変
速機であるかを示すフラグであれば、制御そのものが実
現の制御対象に適合しなくなってしまうことも考えられ
る。
そこで、本発明は、上記の問題点を解決することを目
的としてなされ、PROM等の再書込可能記憶手段を用いて
多様な制御を実現しうるように構成された車両用制御装
置において、この記憶手段に記憶されたデータの確から
しさを保証して安全性の高い制御を実現する車両用制御
装置を提案するものである。
発明の構成 [問題点を解決するための手段] かかる目的を達成すべく、本発明は問題を解決するた
めの手段として、次の構成をとった。即ち、第1図に示
すように、すくなくとも車両運転に関する機種毎の制御
に対応した処理手順を含む汎用データを記憶し、該記憶
されたデータが消去・書き換えられることのない固定記
憶手段と、 前記車両運転に関する機種毎の制御に用いる特定デー
タと、該特定のデータから一義的に定められた判別デー
タとを記憶するとともに、所定の条件においてデータを
書き込むことができる再書込可能記憶手段と、 再書込可能記憶手段のデータを所定のタイミングで書
込むことの可能なRAMと、 前記再書込可能記憶手段に記憶された前記特定のデー
タと判別データとの対応関係に基づいて、前記特定のデ
ータが有効であるか否かを検出する無効データ検出手段
と、 該無効データ検出手段により前記特定のデータが有効
であるとの検出がなされたときには、前記再書込可能記
憶手段に記憶されたその特定のデータを用い、一方、そ
の特定のデータが有効でないとの検出がなされたときに
は、その特定のデータに替えて前記汎用データ記憶手段
に保存されたデータを用いて、前記記憶された手順に従
う処理を実行することで、前記車両運転に関する所定の
制御に用いられる制御量を集中処理する論理演算手段
と、を備えた車両制御装置としている。
〔作用〕
上記構成によれば、車両の機種毎に応じて定められて
いる特定のデータを再書込可能記憶手段によって提供す
ることにより、車両の種類毎に応じた多様な制御を実現
することができ、またこの再書込可能記憶手段のデータ
をRAMに書き込んでおくことで、より信頼性を向上で
き,また特定データの破壊を無効データ検出手段にて検
出し、再書込可能記憶手段に記憶された特定データが使
用できるときはそのデータを使用し、データが破壊され
使用できなくなったときだけは、固定記憶手段に設定さ
れた種々の機種に対応できる汎用データを使用して車両
の誤制御を防止できるので、機種毎の特定データの使用
頻度を拡大して制御性を向上しつつ、極めて高い信頼性
を備えたシステムを提供できるようになる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第2図は本発明一実施例としてのエンジン制御を行な
う車両用制御装置の構成を示すブラック図である。本実
施例では内燃機関本体の構成等は発明の要旨は直接関係
ないので、特に説明しない。
図において、1はエンジンの点火時期や燃料噴射量等
を制御する電子制御回路(ECU)であって、論理演算手
段M3としての周知のCPU(例えばモトローラ社M6801等)
3,固定記憶手段M1としてのマスクROM5,ランダムアクセ
スメモリ(RAM)7、再書込可能記憶手段M2としてのPRO
M(例えば富士通MBM27C64等)9,スタンバイRAM11,入力
回路12,出力回路14等をコモンバス16を介して相互に接
続しデータ等のやりとりを行なうよう構成されている。
ここに、スタンバイRAM11とは、バッテリ20からイグニ
ッションスイッチ22を介してECU1に供給される電源が切
られても、猶、電源電圧の供給をうけて、その内容を保
存するランダムアクセスメモリとして構成される。スタ
ンバイRAM11用の電源は、イグニッションスイッチ22を
介することなくバッテリ20から供給するよう構成しても
よいし、ECU1等に内蔵された二次電池等を用いてバック
アップする構成としてもよい。
入力回路12は、エンジンに設けられた各種センサから
の信号を入力する回路であって、例えば、エンジンの回
転数Neを回転数センサ30からのパルス信号として、エン
ジンの吸入空気量Qaをエアフロメータ31からのアナログ
信号として、エンジンの冷却水温Thwを水温センサ32か
らのアナログ信号として、各々入力する。また、入力回
路12には、自己診断の結果の表示を行なわせる場合のテ
スト信号Tを入力するダイアグ端子33も接続されてい
る。
一方、出力回路14は、上述の各センサから入力された
エンジンの運転条件に基づいて定められた点火時期や燃
料噴射量を実現するように各種の制御信号を出力する回
路であって、本実施例では、燃料噴射量制御を制御する
Inj信号を電磁式燃料噴射弁40に、点火時期を制御するI
gt信号をイグナイタ41に、自己診断の結果を出力するW
信号をダイアグ表示器43に、各々出力するよう構成され
ている。
ECU1のCPU3は、マスクROM7内に予め記憶された処理手
順に従って基本制御として点火時期制御や燃料噴射量制
御等を行なうが、これらの制御に用いられる各種の補正
係数、例えばエンジン冷却水温に基づく暖機増量補正係
数Fthw等の計算には、予め機種毎に定められたマップを
用いる。以下、CPU3の実行する制御について第3図,第
5図のフローチャートに基づいて説明する。
第3図は、本実施例の制御ルーチンを示すフローチャ
ートであって、イグニッションスイッチ22がオンとされ
た後、ステップ100より処理を開始する。まず、各ステ
ップでの処理・判断について説明する。
ステップ100:出力回路14を介した制御出力,RAM7,スタ
ンバイRAM11等の初期化を行なう。
ステップ110:PROM9の所定の番地、本実施例では$C7F
E,$C7FFのデータPCODEを読み出す処理を行なう。
ステップ120:ステップ110で読み出したデータPCODEの
内容をマスクROM5内のデータと付合わせて、ECU1に実装
されたPROM9が適合するPROMであるか否かの判断を行な
う。マスクROM5は、所定の番地にPCODEを解析するデー
タ、例えば次表にその一部を示す如きデータを有する。
ここでビット位置A1,A2等はデータPCODEを4ビットず
つ区切った値であって、例えば A1はアドレス$C7FEの上位4ビット、 A2はアドレス$C7FEの下位4ビット、 A3はアドレス$C7FFの上位4ビット、 …といったように定められている。
従って、ステップ120では、PROM9のデータPCODEを読
み出して、この値が予めマスクROM5内に用意された対応
表1の内容に対応したものであるか否かを判断し、PROM
9がエンジン制御を行なうこの車両用制御装置に正しく
適合するものであるか否かの判断を行なうのである。
ステップ130:PROM9内の記憶されたデータに誤りがな
いか否かの判断を行なう。これは、例えばPROM9内に必
要なテーブル等の値を予め2組用意しておき、これらの
データを全て比較することによって、記憶されたデータ
が正しいか否かの判断を行なうのである。本実施例では
2組のデータは互いに反転されたデータとして用意され
ている。この2つのデータが本発明における特定データ
とその特定データから一義的に定められた判別データで
ある。この様子を第4図に概念的に示した。
ステップ140,ステップ150:上記のステップ110ないし
ステップ130での処理・判断に従って、初期値0のフラ
グFの値を、ステップ140ではF=0に、ステップ150で
はF=1にセットする処理を行なう。
以上のステップ110ないしステップ150が、無効データ
検出手段M5として働く。
ステップ160:スタンバイRAM11より所定のアドレスの
データ(スタンバイRAMコード)KEYWDを読み出す処理を
行なう。
ステップ170:データKEYWDが$55AAであるか否かの判
断を行なう。初めて本制御ルーチンが実行された時、あ
るいは電源電圧低下等何らかの異常によってスタンバイ
RAM11の内容が破壊された時には、データKEYWDの値は後
述するステップ195で書き込まれたデータ$55AAから変
更されると考えられるので、これによりスタンバイRAM1
1の内容が正しいか否かの判断を行なう。
ステップ180:ステップ170での判断が「NO」、即ちス
タンバイRAM11の内容が正しくないと判断された時に実
行され、フラグFの値が零であるか否かの判断を行な
う。
ステップ190:ステップ180での判断において、フラグ
F=0の時、即ちステップ110ないしステップ140での処
理によりPROM9のデータが有効と判断されている時、ス
テップ195と共に実行され、PROM9内のテーブル等のデー
タをスタンバイRAM11の所定の領域に転送する処理が行
なわれる。
ステップ195:スタンバイRAM11に正しくデータのセッ
トが行なわれたとして、スタンバイRAM11の所定のアド
レスにスタンバイRAMコードとしてKEYWD=$55AAを書込
む処理が行なわれる。
ステップ200:KEYWD=$55AAとなった後(ステップ170
またはステップ195の後)に実行され、PROM9内のデータ
が有効であるか否か、即ちフラグF=0であるか否かの
判断が行なわれる。
ステップ210:ステップ200の判断においてフラグF=
0であった時に実行され、PROM9内の所定のテーブルの
データとスタンバイRAM11に既にロードされた同一のテ
ーブルのデータとが全て一致するか否かの判断が行なわ
れる。
ステップ220:ステップ210の判断においてPROM9のデー
タとスタンバイRAM11のデータとが一致した時に実行さ
れ、以後使用すべきデータの格納場所を示すフラグFDを
FD=$00、即ちPROM9内のデータを使用すると定める処
理を行なう。
ステップ230:PROM9内のデータが有効でなくスタンバ
イRAM11内のデータが正しいと判断された時(ステップ2
00での判断またはステップ210での判断が「NO」の
時)、フラグFDの値を$FF、即ち使用すべきデータとし
てスタンバイRAM11のデータを選択すると定める処理を
行なう。
以上のステップ200ないしステップ230では一旦有効で
あると判断されたPROM9のデータがスタンバイRAM11上に
ロードされた後において、スタンバイRAM11のデータが
正常な場合(KEYWD=$55AAの場合)には、PROM9のデー
タとスタンバイRAM11のデータとが一致するか否かを判
断して、一致しない時にはスタンバイRAM11データのデ
ータが正しく、一致する時にはPROM9のデータを用いる
ことができる、との判断を行なうのである。
ステップ240:ステップ180の判断において、フラグF
の値が零でない時、即ちスタンバイRAM11内のデータの
正しさが保証されず、かつPROM9のデータも有効でない
と判断された時に実行され、使用すべきデータをマスク
ROM5内のデータであると決定し、フラグFD=$AAと定め
る。こうした状況はECU1に実装されたPROM9が適合しな
い機種のものである場合や、PROM9の内容が消去される
などの不具合が発生した後でスタンバイRAM11内のデー
タがその電源電圧の低下等によって書換えられてしまっ
た時などに生じる。
ステップ250:以上のステップ110ないしステップ240の
処理によって、データの有効性の判断を行なった後に実
行され、周知の燃料噴射制御や点火時期制御等を上記の
処理によって選択されたメモリ上のデータを用いて実行
する制御ルーチンである。PROM9,スタンバイRAM11また
はマスクROM5のデータを選択して実行される制御の一例
については、第5図に拠って後述する。
ステップ260:ダイアグ制御ルーチンであって、50msec
に1回の割合でエンジン制御装置内の各センサや制御対
象の動作等を含む自己診断を例えばフラグFの値が零以
外の場合にはPROM9のデータに異常があるとして、ダイ
アグ表示器43を点灯するような制御を行なう。
ステップ260の処理の後、ステップ110へ戻って、上記
のステップ110ないしステップ260の処理を繰返す。
以上のように構成された本制御ルーチンによれば、 (1)PROM9のデータが有効であると判断される時(F
=0かつKEYWD=$55AA)には、PROM9内のデータを用い
るようにフラグFDの値を$00とし、 (2)PROM9のデータが有効でなく(F=1)スタンバ
イRAM11のデータが正しいと判断される時(KEYWD=$55
AA)には、スタンバイRAM11のデータを用いるようにフ
ラグFDの値を$FFとし、 (3)PROM9のデータが有効でなく(F=1)、スタン
バイRAM11のデータも正しくない時(KEYWD=$55AA)に
は、マスクROM5のデータを用いるようにフラグFDの値を
$AAとし、 ステップ250のエンジン制御ルーチンを実行するので
ある。
そこで次に、本実施例におけるエンジン制御ルーチン
(ステップ250)のうち、燃料噴射量τを算出するにあ
たって用いられる暖機増量補正係数Fthwを求める処理に
ついて説明する。この補正係数算出ルーチンは第5図の
フローチャートに示すようにステップ300から開始され
るが、まずステップ300ではフラグFDの値についての判
別が行なわれる。フラグFDは使用すべきデータがどのメ
モリ上にあるか示すものである。
(1)FDの値が$00の場合には処理はステップ310へ進
み、PROM9のデータが有効であることから、PROM9内の暖
機増量補正係数Fthw算出用テーブルFWLの先頭アドレスP
ADがインデクスレジスタIXにロードされる。この際、直
接先頭アドレスPADを参照するのではなく、一旦先頭ア
ドレスPADの値がおかれたポインタを参照し、これを介
して先頭アドレスPADを知る方法が用いられる。これ
は、テーブルの種類が増えてその先頭アドレスの変更を
余儀なくされた場合でも、プログラムの格納されたマス
クROM5の内容を変更することなく処理できるようにした
ものでシステムの柔軟性を高め好適である。
(2)一方、フラグFDの値が$FFであれば処理はステッ
プ320へ進み、PROM9のデータが有効ではなく、これに替
えてスタンバイRAM11のデータを用いるとして、インデ
クスレジスタIXに、スタンバイRAM11上に正常であった
時点においてPROM9より展開されたテーブルFWLの先頭ア
ドレスSADをロードする処理が行なわれる。
(3)上記(1),(2)以外の場合、即ちフラグFDの
値が$00または$FF以外の場合には処理はステップ330
へ進み、テーブルFWLの先頭アドレスとしてマスクROM5
内に用意された暖機増量補正係数のテーブルFWLの先頭
アドレスMADをインデクスレジスタIXにロードする。こ
こで、マスクROM5内に用意されたテーブルFWLの汎用デ
ータとは、ECU1に実装されたマスクROM5の制御プログラ
ムが対応する複数の機種,構成に対して共通に用いるこ
とができるようなデータであって、燃料噴射量の算出に
用いられる暖機増量補正係数Fthwについて言えば、適用
機種の中で最も大きな暖機増量補正係数程度のデータか
らなるテーブルとして構成される。テーブルは数種類用
意しておいてもよいが、限られたマスクROM5の記憶容量
を有効に利用する為に、例えば同一のテーブルを用い、
これに機種や制御装置の構成の違いに対応した係数を演
算して補正係数を求めるよう構成することもできる。機
種や各制御装置の構成等はPROM9内に記憶されてもいる
が、これとは別に入力回路12の特定ポートに対応づけら
れたディップスイッチ等の設定から知るよう構成してお
くことができる。
以上のステップ300ないしステップ330の判断・処理に
おいて、フラグFDの値が$00,$FF以外の場合にマスクR
OM5内の汎用データテーブルFWLを用いるよう構成したの
は、電源電圧の低下等によってこのフラグFDの値が書き
替えられてしまったような場合に、最も安全なデータを
用いることができるように配慮したものである。
ステップ310ないしステップ330の処理の終了後、ステ
ップ340ではレジスタAの値とインデクスレジスタIXの
示すアドレスの内容(以下、これを(IX)として表わ
す)との比較が行なわれる。ここでレジスタAには入力
回路12を介して水温センサ32から読み込まれたエンジン
の冷却水温Thwの値が保持されているものとする。
ステップ340での判断が「YES」、即ち冷却水温Thwの
値が(IX)の値よりも大きければ処理はステップ350へ
進み、インデクスレジスタIXの値を2だけインクリメン
トし、そのアドレスのデータをレジスタBにロードする
処理(B←(IX))を行なう。更にステップ360ではレ
ジスタBの値との比較が行なわれる。
第6図は本実施例で用いられる暖機増量補正係数のテ
ーブルFWLを理解しやすいようにグラフ化したものであ
るが、このテーブルFWLは実際には冷却水温Thwとこれに
対応した暖機増量補正係数Fthwとを一組として、これを
複数組用意したテーブルとしてメモリ上に展開されてい
る。次表2はPROM9上のアドレス$C000から$C000+2n
までに用意されたデータの一例を示しており、ここでX
1,X2,…Xn−1,Xnは冷却水温Thwに対応した値を、Y1,Y2,
…Yn−1,Ynは各々対応する暖機増量補正係数Fthwの値
を、示している。尚、アドレス$C000+2nのデータ$FF
はこのテーブルFWLの終了を示すものである。
従って、ステップ350でのインデクスレジスタIXの値
2だけのインクリメント及びステップ360でのレジスタ
AとレジスタB間の比較(A≦B?)を繰り返すことによ
って、ステップ360での判断が「YES」となった時には実
際の水温Thwより大きくかつ最も近いテーブル上の水温X
iが求められるのである。
以上の処理の後、ステップ370ではレジスタBの値が
$FFであるか否かの判断が行なわれる。$FFでなけれ
ば、ステップ380へ進んで、補間データを暖機増量補正
係数Fthwとして求める処理を行なう。ここで補間データ
の算出は、 Fthw=(Thw−Xi−1)・(Yi−Yi−1)/(Xi−Xi−
1)+Yi−1 として算出される。尚、水温Thwの値はレジスタAに残
されている。
一方、ステップ370においてレジスタBの値が$FFと
なった時には、処理はステップ390へ進み、上限値に対
応したデータYnが暖機増量補正係数Fthwに算入される。
尚、ステップ340においてレジスタAの値、即ち冷却
水温ThwがテーブルFWLの下限値より小さい時には処理は
ステップ400に進み、下限値に対応する値が暖機増量補
正係数Fthwとして算入される。
ステップ380,ステップ390もしくはステップ400の処理
後、NEXTへ抜けて本制御ルーチンを終了し、以下暖機増
量補正係数Fthwを用いて燃料噴射量τの算出、また場合
によっては点火時期θの算出等が行なわれる。
以上詳細に説明したように、エンジン制御を行なう本
実施例の車両用制御装置は、機種や構成の違いに応じて
最適のデータをPROM9によって供給することができ、製
造工数・時間・コストのかかるマスクROMを多種類用意
する必要がないという優れたものである。しかも本実施
例の車両用制御装置は、PROM9の内容(データ)が有効
であるか否かを判断し、PROM9のデータが消去されてい
た場合には、スタンバイRAM11に保存されたPROM9のデー
タが猶有効であればこれを用いるので、PROM9のデータ
が内らかの要因で無効となっても正しい制御量(例えば
暖機増量補正係数Fthw)を求めて制御を継続することが
できる。更に、スタンバイRAM11に保存されていた有効
なPROM9のデータが失われたり、ECU1に実装さたPROM9が
適合しない機種のものであった場合等には、予めマスク
ROM5内に用意された汎用データを用いて制御量(例えば
暖機増量補正係数Fthw)は算出されるので、充分な制御
が継続される。従って、PROM9のデータが有効でなくな
った場合でも、無効となったデータを用いて誤った制御
量を求めてしまうことはなく、燃料噴射量や点火時期等
のエンジンの制御量も適切に求められる。この結果、PR
OM9のデータが失われても、エンジンストールやノッキ
ング等の不具合を生じることはない。
また、本実施例では詳細な説明は省いたが、フラグF,
FD等にPROM9やスタンバイRAM11のデータが有効であるか
否かの判断が反映されているので、例えばダイアグ端子
33をアクティブな状態にして信号Tを入力した時、フラ
グの値に従って、ダイアグ表示器43に不良の状態を表示
させ、メンテナンスを容易にすることもできる。なお、
本実施例では制御用データとその反転値とによりミラー
チェックを行って制御用データの正誤判定を行っている
ので、複雑な演算処理を実行しなくてもよく、他の車両
制御を妨げないという点でも好ましい。
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明
はこの実施例に何等限定されるものではなく、他の車両
運転に関する制御、自動変速機の制御やアンチスキッ
ド,トラクションコントロール等に適当することはもと
より、例えばPROM9やスタンバイRAM11のデータのチェッ
クを電源電圧低下時(例えばスタータスイッチがオンと
なってスタータの負荷がかかった時)には行なわないよ
うにしてデータの有効・無効に関する誤判定を避ける構
成や、汎用データをマスクROM5内におかず、今ひとつの
PROM内に用意するといった構成など、本発明の要旨を変
更しない範囲において、種々なる態様にて実施できるこ
とは勿論である。
発明の効果 以上詳述したように、本発明の車両用制御装置によれ
ば、機種や構成に応じて異なる最適の制御用データを再
書込可能記憶手段によって提供することによって、高精
度で緻密な制御を実現すると共に、この再書込可能記憶
手段に記憶されたデータが有効でなくなった時にも予め
汎用データ記憶手段に記憶したデータを用いて制御を行
なって、車両運転に関する制御を十分に保証することが
できるという優れた効果を奏する。従って、車両の制御
に関する安全性も高められる。特に車両を制御する場合
には、誤ったデータによる制御が行われるとエミッショ
ンの悪化等を招くだけでなく、車両が危険な方向に制御
されてしまう可能性があるため、データの有効判断は、
他の車両制御を妨げることなく速くそして確実に行うこ
とが必要である。その点でも、本発明では、制御用のデ
ータとして用いる特定のデータ自体を、その特定のデー
タから一義的に定められた判別データとの対応関係に基
づいて有効性を判断しているので有利である。
また、開発・製造工数,時間やコストの大きな固定記
憶手段を多種類用意する必要がなく、車両運転に関する
制御を容易に変更しうるなど車両用制御装置設計・開発
上の柔軟性も高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本的構成図、第2図は本発明一実施
例の車両用制御装置の概略構成を示すブロック図、第3
図は同じく実施例における制御の手順を示すフローチャ
ート、第4図はPROM内に格納されたデータの一例を示す
概念図、第5図はエンジン制御ルーチンの一部を示すフ
ローチャート、第6図は暖機増量補正係数を求めるテー
ブルの内容を図示したグラフ、である。 1…電子制御回路(ECU) 3…CPU(論理演算手段) 5…ROM(固定記憶手段) 7…RAM 9…PROM(再書込可能記憶手段) 32…水温センサ 40…電磁式燃料噴射弁

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】すくなくとも車両運転に関する機種毎の制
    御に対応した処理手順を含む汎用データを記憶し、該記
    憶されたデータが消去・書き換えられることのない固定
    記憶手段と、 前記車両運転に関する機種毎の制御に用いる特定のデー
    タと、該特定のデータから一義的に定められた判別デー
    タとを記憶するとともに、所定の条件においてデータを
    書き込むことができる再書込可能記憶手段と、 再書込可能記憶手段のデータを所定のタイミングで書込
    むことの可能なRAMと、 前記再書込可能記憶手段に記憶された前記特定のデータ
    と判別データとの対応関係に基づいて、前記特定のデー
    タが有効であるか否かを検出する無効データ検出手段
    と、 該無効データ検出手段により前記特定のデータが有効で
    あるとの検出がなされたときには、前記再書込可能記憶
    手段に記憶されたその特定のデータを用い、一方、その
    特定データが有効でないとの検出がなされたときには、
    その特定のデータに替えて前記汎用データ記憶手段に保
    存されたデータを用いて、前記記憶された手順に従う処
    理を実行することで、前記車両運転に関する所定の制御
    に用いられる制御量を集中処理する論理演算手段と、を
    備えたことを特徴とする車両用制御装置。
  2. 【請求項2】前記汎用データを記憶する手段が、マスク
    ROMであることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の車両用制御装置。
  3. 【請求項3】前記判別データが、前記特定のデータを反
    転して求められたことを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の車両用制御装置。
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