JP2024025952A - ゴム組成物、及び、タイヤ - Google Patents

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裕一 影山
Yuichi Kageyama
和資 木村
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Abstract

【課題】加硫後に優れた破断伸び及び破断強度を示し、且つ、タイヤにしたときに優れたウェット性能及び低燃費性能を示す、ゴム組成物、並びに、上記ゴム組成物を用いて製造されたタイヤを提供する。【解決手段】ジエン系ゴム100質量部と、ポリウレタン系オリゴマー1~60質量部とを含有し、上記ポリウレタン系オリゴマーが、ヒドロキシ基を有するジエン系重合体とポリイソシアネートとポリアミンとを、活性水素基に対するイソシアネート基のモル比が0.3~1.0となる割合で重合したものであり、重量平均分子量が3,000~50,000であり、ウレタン結合及びウレア結合を有し、上記ウレタン結合に対する上記ウレア結合のモル比が0.1~3.0である、ゴム組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、ゴム組成物、及び、タイヤに関する。
従来、タイヤ等に使用されるゴム組成物として、ジエン系ゴムを含有するゴム組成物が知られている。
例えば、特許文献1には、ジエン系ゴムと、ウレタン骨格のセグメントとジエン骨格のセグメントとを1分子内に有する重合体とを含むゴム組成物が開示されている(特許文献1)。
特開2021-46524号公報
昨今、タイヤ(特にトレッド)に使用されるゴム組成物に対して、環境への負荷を減らす等の観点から、タイヤにしたときの低燃費性能のさらなる向上が求められている。また、安全性等の観点から、加硫後の破断強度及び破断伸び、並びに、タイヤにしたときのウェット性能のさらなる向上も求められている。
このようななか、本発明者らが特許文献1に記載のゴム組成物について検討したところ、破断伸び及び破断強度、並びに、ウェット性能及び低燃費性能は昨今要求されている水準を必ずしも満たすものではないことが明らかになった。
そこで、本発明は、上記実情を鑑みて、加硫後に優れた破断伸び及び破断強度を示し、且つ、タイヤにしたときに優れたウェット性能及び低燃費性能を示す、ゴム組成物、並びに、上記ゴム組成物を用いて製造されたタイヤを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、ウレタン結合及びウレア結合を有する特定のポリウレタン系オリゴマーを配合することで上記課題が解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) ジエン系ゴム100質量部と、ポリウレタン系オリゴマー1~60質量部とを含有し、
上記ポリウレタン系オリゴマーが、
ヒドロキシ基を有するジエン系重合体とポリイソシアネートとポリアミンとを、活性水素基に対するイソシアネート基のモル比が0.3~1.0となる割合で重合したものであり、
重量平均分子量が3,000~50,000であり、
ウレタン結合及びウレア結合を有し、上記ウレタン結合に対する上記ウレア結合のモル比が0.1~3.0である、ゴム組成物。
(2) 上記ポリウレタン系オリゴマー全体に対する、上記ポリイソシアネートに由来する部分及び上記ポリアミンに由来する部分が占める合計の割合が、6~40質量%である、上記(1)に記載のゴム組成物。
(3) 上記ヒドロキシ基を有するジエン系重合体が、ポリブタジエンポリオール、水素添加ポリブタジエンポリオール及びポリイソプレンポリオールからなる群より選択される少なくとも1種を含む、上記(1)又は(2)に記載のゴム組成物。
(4) さらに、カーボンブラック及び白色充填剤からなる群より選択される少なくとも1種の充填剤1~100質量部を含有する、上記(1)~(3)のいずれかに記載のゴム組成物。
(5) 上記ポリアミンの数平均分子量が、50~500である、上記(1)~(4)のいずれかに記載のゴム組成物。
(6) さらに、白色充填剤としてシリカ30~100質量部を含有する、上記(1)~(5)のいずれかに記載のゴム組成物。
(7) 上記(1)~(6)のいずれかに記載のゴム組成物を用いて製造された、タイヤ。
以下に示すように、本発明によれば、加硫後に優れた破断伸び及び破断強度を示し、且つ、タイヤにしたときに優れたウェット性能及び低燃費性能を示す、ゴム組成物、並びに、上記ゴム組成物を用いて製造されたタイヤを提供することを課題とする。
本発明のタイヤの実施態様の一例を表す部分断面概略図である。
以下に、本発明のゴム組成物、及び、本発明のタイヤについて説明する。
なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、各成分は、1種を単独でも用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上を併用する場合、その成分について含有量とは、特段の断りが無い限り、合計の含有量を指す。
また、加硫後の破断強度を単に「破断強度」とも言い、加硫後の破断伸びを単に「破断伸び」とも言い、タイヤにしたときのウェット性能を単に「ウェット性能」とも言い、タイヤにしたときの低燃費性能を単に「低燃費性能」とも言う。
また、破断強度が優れる(破断強度が大きい)こと、破断伸びが優れる(破断伸びが大きい)こと、ウェット性能が優れること、低燃費性能が優れることをまとめて「本発明の効果が優れる」とも言う。
[1]ゴム組成物
本発明のゴム組成物(以下、単に「本発明の組成物」とも言う)は、
ジエン系ゴム100質量部と、ポリウレタン系オリゴマー1~60質量部とを含有し、
上記ポリウレタン系オリゴマー(以下、「特定オリゴマー」とも言う)が、
ヒドロキシ基を有するジエン系重合体とポリイソシアネートとポリアミンとを、活性水素基に対するイソシアネート基のモル比が0.3~1.0となる割合で重合したものであり、
重量平均分子量が3,000~50,000であり、
ウレタン結合及びウレア結合を有し、上記ウレタン結合に対する上記ウレア結合のモル比が0.1~3.0である、ゴム組成物である。
本発明の組成物はこのような構成をとるために上述した課題を解決できるものと考えられる。その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと考えられる。
本発明の組成物が含有する特定オリゴマーは、ヒドロキシ基を有するジエン系重合体とポリイソシアネートとポリアミンとを重合したものである。そのため、特定オリゴマーは、ジエン系重合体に由来する柔らかい部分(ソフトセグメント)と、ポリイソシアネート及びポリアミンに由来する硬い部分(ハードセグメント)とを有する。ソフトセグメントはジエン系ゴムとの親和性に寄与し、ハードセグメントは機械的特性(破断強度、破断伸び)に寄与するものと考えられる。また、上記ヒドロキシ基はポリイソシアネートのイソシアネート基と反応してウレタン結合(-NH-COO-)を形成し、ポリアミンのアミノ基はポリイソシアネートのイソシアネート基と反応してウレア結合(-NH-CO-NH-)を形成する。ウレタン結合やウレア結合は、水素結合によって凝集体を形成するものと考えられる。凝集体も機械的特性に寄与するものと考えられる。
本発明の組成物はこのような特定オリゴマーを含有するため、機械的特性に優れるものと考えられる。
また、特定オリゴマーの水素結合の効果により、tanδ(0℃)の上昇(優れたウェット特性)に繋がるものと考えらえる。一方で、特定オリゴマーのソフトセグメントはジエン系ゴムと親和性が高いため、本発明の組成物において、特定オリゴマーはジエン系ゴム中への分散性は高いと考えられる。そのため、ハードセグメントによるエネルギーロスが少ない(低燃費性能を維持できる)ものと考えられる。
以下、本発明の組成物が含有する各成分について説明する。
[ジエン系ゴム]
本発明の組成物が含有するジエン系ゴムは特に限定されない。
本発明の組成物は1種のジエン系ゴムを含有するのでも2種以上のジエン系ゴムを含有するのでもよい。
なお、本明細書において、特定オリゴマーはジエン系ゴムには含まれない。
[具体例]
上記ジエン系ゴムの具体例としては、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、芳香族ビニル-共役ジエン共重合ゴム、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル-ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br-IIR、Cl-IIR)、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。上記芳香族ビニル-共役ジエン共重合ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレン共重合ゴムなどが挙げられる。
上記ジエン系ゴムは、本発明の効果がより優れる理由から、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム及び天然ゴムからなる群より選択される少なくとも1種を含むのが好ましく、スチレンブタジエンゴムを含むのがより好ましい。
上記ジエン系ゴムがSBRを含有する場合、その含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。上限は特に制限されず、100質量%である。
[分子量]
上記ジエン系ゴムの数平均分子量(Mn)は特に限定されないが、本発明の効果がより優れる理由から、50,000~2,500,000であることが好ましく、100,000~1,500,000であることがより好ましく、150,000~1,000,000であることがさらに好ましい。
上記ジエン系ゴムの重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、本発明の効果がより優れる理由から、100,000~5,000,000であることが好ましく、200,000~3,000,000であることがより好ましく、300,000~2,000,000であることがさらに好ましい。
なお、本明細書において、Mn及びMwは、以下の条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により得られる標準ポリスチレン換算値とする。
・溶媒:テトラヒドロフラン
・検出器:RI検出器
[特定オリゴマー]
上述のとおり、本発明の組成物はポリウレタン系オリゴマー(特定オリゴマー)を含有する。
ここで、特定オリゴマーは、
ヒドロキシ基を有するジエン系重合体とポリイソシアネートとポリアミンとを、活性水素基に対するイソシアネート基のモル比が0.3~1.0となる割合で重合したものであり、
重量平均分子量が3,000~50,000であり、
ウレタン結合及びウレア結合を有し、上記ウレタン結合に対する上記ウレア結合のモル比が0.1~3.0である。
〔特定ジエン系重合体〕
特定オリゴマーの製造に使用される、ヒドロキシ基を有するジエン系重合体(以下、「特定ジエン系重合体」とも言う)は、特に制限されない。
特定ジエン系重合体のジエン系重合体は特に制限されないが、その具体例としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、芳香族ビニル-共役ジエン共重合体(例えば、スチレン-ブタジエン共重合体)、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体等が挙げられ、なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、ポリブタジエン、ポリイソプレンが好ましく、ポリイソプレンがより好ましい。
特定ジエン系重合体のジエン系重合体は水素添加(水添)物でもよい。
特定ジエン系重合体は、本発明の効果がより優れる理由から、上記ヒドロキシ基を2個以上有するのが好ましい。
特定ジエン系重合体は、本発明の効果がより優れる理由から、ポリブタジエンポリオール、水素添加ポリブタジエンポリオール及びポリイソプレンポリオールからなる群より選択される少なくとも1種を含むのが好ましく、ポリブタジエンポリオール及びポリイソプレンポリオールからなる群より選択される少なくとも1種を含むのがより好ましく、ポリイソプレンポリオールを含むのがさらに好ましい。
<分子量>
特定ジエン系重合体の数平均分子量(Mn)は、本発明の効果がより優れる理由から、500~20,000であることが好ましく、1,000~10,000であることがより好ましい。
〔ポリイソシアネート〕
特定オリゴマーの製造に使用されるポリイソシアネートは、イソシアネート基(-NCO)を2個以上有する化合物であれば特に制限されない。
ポリイソシアネートの具体例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI;例えば、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート)、1,4-フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートのような芳香族ポリイソシアネート;
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、トランスシクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(HXDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)のような、脂肪族ポリイソシアネート(脂環式ポリイソシアネートを含む);
これらのカルボジイミド変性ポリイソシアネート;
これらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネートが挙げられる。
ポリイソシアネートは、本発明の効果がより優れる理由から、芳香族ポリイソシアネートが好ましく、MDIがより好ましい。
ポリイソシアネートは、本発明の効果がより優れる理由から、カルボジイミド変性ポリイソシアネートが好ましい。
<分子量>
ポリイソシアネートの数平均分子量(Mn)は、本発明の効果がより優れる理由から、50~2,000であることが好ましく、100~1,000であることがより好ましい。
〔ポリアミン〕
特定オリゴマーの製造に使用されるポリアミンは、アミノ基(-NH)を2個以上有する化合物であれば特に制限されない。
ポリアミンの具体例としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,2-プロパンジアミン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、1,5-ジアミノ-2-メチルペンタン(MPMD、デュポン・ジャパン社製)などの脂肪族ポリアミン;メタフェニレンジアミン、オルトフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、m-キシリレンジアミン(MXDA)、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジエチルジフェニルメタン、ジエチルメチルベンゼンジアミン、ジメチルチオトルエンジアミン(ハートキュア30、クミアイ化学社製)、4,4’-メチレンビス(2-クロロアニリン)、4,4’-メチレンビス(3-クロロ-2,6-ジエチルアニリン)、トリメチレンビス(4-アミノベンゾアート)、ビス(4-アミノ-2,3-ジクロロフェニル)メタンなどの芳香族ポリアミン;N-アミノエチルピペラジン;サンテクノケミカル社製のジェファーミンEDR148に代表されるポリエーテル骨格のジアミン;イソホロンジアミン、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3BAC、三菱ガス化学社製)、1-シクロヘキシルアミノ-3-アミノプロパン、3-アミノメチル-3,3,5-トリメチル-シクロヘキシルアミンなどの脂環式ポリアミン;ノルボルナンジアミン(NBDA、三井化学社製)などのノルボルナン骨格のジアミン;ポリアミドの分子末端にアミノ基を有するポリアミドアミン;2,5-ジメチル-2,5-ヘキサメチレンジアミン、メンセンジアミン、1,4-ビス(2-アミノ-2-メチルプロピル)ピペラジン、ポリプロピレングリコール(PPG)を骨格に持つサンテクノケミカル社製のジェファーミンD230、ジェファーミンD400;等が挙げられる。
ポリアミンは、本発明の効果がより優れる理由から、芳香族ポリアミンが好ましく、ジメチルチオトルエンジアミンがより好ましい。
<分子量>
ポリアミンの数平均分子量(Mn)は、本発明の効果がより優れる理由から、50~2,000であることが好ましく、100~1,000であることがより好ましい。
〔イソシアネート基/活性水素基〕
特定オリゴマーは、活性水素基に対するイソシアネート基のモル比(以下、「イソシアネート基/活性水素基」とも言う)が0.3~1.0となる割合で重合したものである。
ここで、活性水素基は、上述した特定ジエン系重合体のヒドロキシ基、及び、上述したポリアミンのアミノ基を指す。また、イソシアネート基は、上述したポリイソシアネートのイソシアネート基を指す。
イソシアネート基/活性水素基を1.0以下に限定している理由は、特定オリゴマーがイソシアネート基をほとんど有さないようにするためである。イソシアネートが存在すると、これが加硫促進剤を失活させ、加硫が十分に進まない虞がある。
イソシアネート基/活性水素基は、本発明の効果がより優れる理由から、0.5~0.8であることが好ましく、0.6~0.7であることがより好ましい。
〔重量平均分子量〕
特定オリゴマーの重量平均分子量(Mw)は、3,000~50,000である。特定オリゴマーは、Mwが上記範囲であるため、ジエン系ゴム中に均一に分散するものと考えられる。
特定オリゴマーのMwは、本発明の効果がより優れる理由から、10,000~45,000であることが好ましく、20,000~40,000であることがより好ましい。
〔ウレア結合/ウレタン結合〕
特定オリゴマーは、ウレタン結合及びウレア結合を有し、上記ウレタン結合に対する/上記ウレア結合のモル比(以下、「ウレア結合/ウレタン結合」とも言う)は、0.1~3.0である。上述のとおり、ウレタン結合及びウレア結合は水素結合によって凝集体を形成すると考えられる。特定オリゴマーは、ウレア結合/ウレタン結合が上記範囲であるため、機械的特性と、ジエン系ゴム中の分散性とのバランスに優れるものと考えられる。より具体的には、ウレア結合/ウレタン結合が大きい程凝集体が形成され、一方で、ウレア結合/ウレタン結合が大き過ぎると分散性が低下するものと考えられる。
ウレア結合/ウレタン結合は、本発明の効果がより優れる理由から、0.2~2.7であることが好ましく、0.3~2.3であることがより好ましく、0.4~2.0であることがさらに好ましく、0.5~1.0であることが特に好ましい。
〔ハードセグメント量〕
特定オリゴマー全体に対する、上述したポリイソシアネートに由来する部分及び上述したポリアミンに由来する部分が占める合計の割合(以下、「ハードセグメント量」とも言う)は、本発明の効果がより優れる理由から、3~60質量%であることが好ましく、6~40質量%であることがより好ましく、8~30質量%であることがさらに好ましく、10~25質量%であることが特に好ましく、12~20質量%であることが最も好ましい。
特定オリゴマー全体に対する、上述したポリイソシアネートに由来する部分が占める割合は、本発明の効果がより優れる理由から、2~50質量%であることが好ましく、4~40質量%であることがより好ましく、6~30質量%であることがさらに好ましく、8~20質量%であることが特に好ましい。
特定オリゴマー全体に対する、上述したポリアミンに由来する部分が占める割合は、本発明の効果がより優れる理由から、1~30質量%であることが好ましく、2~20質量%であることがより好ましく、3~10質量%であることがさらに好ましい。
〔ソフトセグメント量〕
特定オリゴマー全体に対する、上述した特定ジエン系重合体に由来する部分が占める割合(以下、「ソフトセグメント量」とも言う)は、本発明の効果がより優れる理由から、40~97質量%であることが好ましく、60~94質量%であることがより好ましく、70~92質量%であることがさらに好ましく、75~90質量%であることが特に好ましく、80~88質量%であることが最も好ましい。
[任意成分]
本発明の組成物は、必要に応じて、その効果や目的を損なわない範囲でさらに他の成分(任意成分)を含有することができる。
上記任意成分としては、例えば、充填剤、シランカップリング剤、テルペン樹脂(例えば、芳香族変性テルペン樹脂)、熱膨張性マイクロカプセル、酸化亜鉛(亜鉛華)、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、加工助剤、オイル、液状ポリマー、熱硬化性樹脂、加硫剤(例えば、硫黄)、加硫促進剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤などが挙げられる。
〔充填剤〕
本発明の組成物は、本発明の効果がより優れる理由から、充填剤を含有するのが好ましい。
本発明の組成物は、本発明の効果がより優れる理由から、カーボンブラック及び白色充填剤からなる群より選択される少なくとも1種の充填剤を含有するのが好ましく、カーボンブラック及び白色充填剤(特にシリカ)の両方を含有するのがより好ましい。
<カーボンブラック>
上記カーボンブラックは特に限定されず、例えば、SAF-HS、SAF、ISAF-HS、ISAF、ISAF-LS、IISAF-HS、HAF-HS、HAF、HAF-LS、FEF、GPF、SRF等の各種グレードのものを使用することができる。
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は特に限定されないが、本発明の効果がより優れる理由から、50~200m/gであることが好ましく、70~150m/gであることがより好ましい。
ここで、窒素吸着比表面積(N2SA)は、カーボンブラック表面への窒素吸着量をJIS K6217-2:2001「第2部:比表面積の求め方-窒素吸着法-単点法」にしたがって測定した値である。
<白色充填剤>
上記白色充填剤は特に限定されないが、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレー、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸カルシウム等が挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、シリカが好ましい。
上記シリカは特に限定されないが、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、湿式シリカであることが好ましい。
上記シリカのセチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)吸着比表面積は特に限定されないが、本発明の効果がより優れる理由から、100~400m/gであることが好ましく、150~300m/gであることがより好ましい。
ここで、CTAB吸着比表面積は、シリカ表面へのCTAB吸着量をJIS K6217-3:2001「第3部:比表面積の求め方-CTAB吸着法」にしたがって測定した値である。
<含有量>
本発明の組成物において、充填剤の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、1~200質量部であることが好ましく、10~100質量部であることがより好ましい。
本発明の組成物がカーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、0.1~100質量部であることが好ましく、0.5~10質量部であることがより好ましい。
本発明の組成物が白色充填剤(特に、シリカ)を含有する場合、白色充填剤の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、1~100質量部であることが好ましく、30~70質量部であることがより好ましい。
〔シランカップリング剤〕
本発明の組成物は、本発明の効果がより優れる理由から、シランカップリング剤を含有するのが好ましい。シランカップリング剤は、加水分解性基および有機官能基を有するシラン化合物であれば特に限定されない。
上記加水分解性基は特に限定されないが、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、アルコキシ基であることが好ましい。加水分解性基がアルコキシ基である場合、アルコキシ基の炭素数は、本発明の効果がより優れる理由から、1~16であることが好ましく、1~4であることがより好ましい。炭素数1~4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
上記有機官能基は特に限定されないが、有機化合物と化学結合を形成し得る基であることが好ましく、例えば、エポキシ基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アミノ基、スルフィド基(特に、ポリスルフィド基(-S-:nは2以上の整数))、メルカプト基、ブロックメルカプト基(保護メルカプト基)(例えば、オクタノイルチオ基)などが挙げられ、なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、スルフィド基(特に、ジスルフィド基、テトラスルフィド基)、メルカプト基、ブロックメルカプト基が好ましい。
シランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記シランカップリング剤は、本発明の効果がより優れる理由から、硫黄含有シランカップリング剤であることが好ましい。
上記シランカップリング剤の具体例としては、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイル-テトラスルフィド、トリメトキシシリルプロピル-メルカプトベンゾチアゾールテトラスルフィド、トリエトキシシリルプロピル-メタクリレート-モノスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイル-テトラスルフィド、3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物において、シランカップリング剤の含有量は特に限定されないが、本発明の効果がより優れる理由から、上述した充填剤(特にシリカ)の含有量に対して2~20質量%であることが好ましく、5~15質量%であることがより好ましい。
〔オイル〕
本発明の組成物は、本発明の効果がより優れる理由から、オイルを含有するのが好ましい。
本発明の組成物において、上記オイルの含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、1~100質量部であることが好ましく、2~10質量部であることがより好ましい。
本発明の組成物において、上述した特定オリゴマーと上記オイルの合計の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、1~100質量部であることが好ましく、2~20質量部であることがより好ましく、5~10質量部であることがさらに好ましい。
[ゴム組成物の製造方法]
本発明の組成物の製造方法は特に限定されず、その具体例としては、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。本発明の組成物が硫黄又は加硫促進剤を含有する場合は、硫黄及び加硫促進剤以外の成分を先に高温(好ましくは100~155℃)で混合し、冷却してから、硫黄又は加硫促進剤を混合するのが好ましい。
また、本発明の組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
[用途]
本発明の組成物はゴム材料として好適に用いられる。例えば、タイヤ(特に、空気入りタイヤ)、コンベアベルト、ホース、防振材、ゴムロール、鉄道車両の外幌等に好適に用いられる。なかでも、タイヤ(特にトレッド)に好適に用いられる。
[2]タイヤ
本発明のタイヤは、上述した本発明の組成物を用いて製造されたタイヤである。本発明のタイヤは、空気入りタイヤであることが好ましく、空気、窒素等の不活性ガス及びその他の気体を充填することができる。なかでも、本発明の組成物をタイヤトレッド(キャップトレッド)に用いた(配置した)空気入りタイヤであることが好ましい。
図1に、本発明のタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明のタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
図1において、符号1はビード部を表し、符号2はサイドウォール部を表し、符号3はタイヤトレッド部を表す。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド部3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
なお、タイヤトレッド部3は上述した本発明の組成物により形成されている。
本発明のタイヤは、例えば、従来公知の方法に従って製造することができる。また、タイヤに充填する気体としては、通常のまたは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを用いることができる。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[ポリウレタン系オリゴマー1~6及び比較ポリウレタン1~3の合成]
以下のとおり、ポリウレタン系オリゴマー1~6及び比較ポリウレタン1~3を合成した。
なお、ポリウレタン系オリゴマー1~6は上述した特定オリゴマーに該当し、比較ポリウレタン1~3は上述した特定オリゴマーに該当しない。
〔ポリウレタン系オリゴマー1〕
ポリイソプレンポリオール(Poly ip、Mn:2,500、出光興産社製)100.0gとカルボジイミド変性MDI(ミリオネートMTL、東ソー社製)12.0gとジメチルチオトルエンジアミン(ハートキュア30、クミアイ化学社製)5.3gとを混合して、窒素雰囲気下、80℃で2時間撹拌を行い、反応させた。イソシアネート基/活性水素基は0.63であった。このようにしてオリゴマーを得た。得られたオリゴマーをポリウレタン系オリゴマー1とも言う。
ポリウレタン系オリゴマー1は、重量平均分子量が36,856であり、ウレア結合/ウレタン結合が0.6であり、ハードセグメント量が15質量%であった。
〔ポリウレタン系オリゴマー2〕
ポリブタジエンポリオール(Poly bd R-15HT、Mn:1,200、出光興産社製)100.0gとカルボジイミド変性MDI(ミリオネートMTL、東ソー社製)26.1gとジメチルチオトルエンジアミン(ハートキュア30、クミアイ化学社製)11.6gとを混合して、窒素雰囲気下、80℃で2時間撹拌を行い、反応させた。イソシアネート基/活性水素基は0.63であった。このようにしてオリゴマーを得た。得られたオリゴマーをポリウレタン系オリゴマー2とも言う。
ポリウレタン系オリゴマー2は、重量平均分子量が32,198であり、ウレア結合/ウレタン結合が0.6であり、ハードセグメント量が27質量%であった。
〔ポリウレタン系オリゴマー3〕
ポリブタジエンポリオール(Poly bd R-45HT、Mn:2,800、出光興産社製)100.0gとカルボジイミド変性MDI(ミリオネートMTL、東ソー社製)11.6gとジメチルチオトルエンジアミン(ハートキュア30、クミアイ化学社製)5.2gとを混合して、窒素雰囲気下、80℃で2時間撹拌を行い、反応させた。イソシアネート基/活性水素基は0.63であった。このようにしてオリゴマーを得た。得られたオリゴマーをポリウレタン系オリゴマー3とも言う。
ポリウレタン系オリゴマー3は、重量平均分子量が41,443であり、ウレア結合/ウレタン結合が0.6であり、ハードセグメント量が14質量%であった。以下同様です。
〔ポリウレタン系オリゴマー4〕
ポリイソプレンポリオール(Poly ip、Mn:2,500、出光興産社製)100.0gとカルボジイミド変性MDI(ミリオネートMTL、東ソー社製)30.1gとジメチルチオトルエンジアミン(ハートキュア30、クミアイ化学社製)22.2gとを混合して、窒素雰囲気下、80℃で2時間撹拌を行い、反応させた。イソシアネート基/活性水素基は0.71であった。このようにしてオリゴマーを得た。得られたオリゴマーをポリウレタン系オリゴマー4とも言う。
ポリウレタン系オリゴマー4は、重量平均分子量が13,367であり、ウレア結合/ウレタン結合が2.5であり、ハードセグメント量が34質量%であった。
〔ポリウレタン系オリゴマー5〕
ポリイソプレンポリオール(Poly ip、Mn:2,500、出光興産社製)100.0gとカルボジイミド変性MDI(ミリオネートMTL、東ソー社製)42.1gとジメチルチオトルエンジアミン(ハートキュア30、クミアイ化学社製)26.7gとを混合して、窒素雰囲気下、80℃で2時間撹拌を行い、反応させた。イソシアネート基/活性水素基は0.88であった。このようにしてオリゴマーを得た。得られたオリゴマーをポリウレタン系オリゴマー5とも言う。
ポリウレタン系オリゴマー5は、重量平均分子量が15,262であり、ウレア結合/ウレタン結合が3.0であり、ハードセグメント量が41質量%であった。
〔ポリウレタン系オリゴマー6〕
ポリイソプレンポリオール(Poly ip、Mn:2,500、出光興産社製)100.0gとカルボジイミド変性MDI(ミリオネートMTL、東ソー社製)12.0gと高分子ジアミン(エラスマー650P、クミアイ化学社製)22.1gとを混合して、窒素雰囲気下、80℃で2時間撹拌を行い、反応させた。イソシアネート基/活性水素基は0.63であった。このようにしてオリゴマーを得た。得られたオリゴマーをポリウレタン系オリゴマー6とも言う。
ポリウレタン系オリゴマー6は、重量平均分子量が41,572であり、ウレア結合/ウレタン結合が0.6であり、ハードセグメント量が25質量%であった。
〔ポリウレタン系オリゴマー7〕
ポリイソプレンポリオール(Poly ip、Mn:2,500、出光興産社製)100.0gとカルボジイミド変性MDI(ミリオネートMTL、東ソー社製)9.6gとジメチルチオトルエンジアミン(ハートキュア30、クミアイ化学社製)2.7gとを混合して、窒素雰囲気下、80℃で2時間撹拌を行い、反応させた。イソシアネート基/活性水素基は0.62であった。このようにしてオリゴマーを得た。得られたオリゴマーをポリウレタン系オリゴマー7とも言う。
ポリウレタン系オリゴマー7は、重量平均分子量が43,369であり、ウレア結合/ウレタン結合が0.3であり、ハードセグメント量が11質量%であった。
〔ポリウレタン系オリゴマー8〕
ポリイソプレンポリオール(Poly ip、Mn:2,500、出光興産社製)100.0gとカルボジイミド変性MDI(ミリオネートMTL、東ソー社製)15.0gとジメチルチオトルエンジアミン(ハートキュア30、クミアイ化学社製)8.9gとを混合して、窒素雰囲気下、80℃で2時間撹拌を行い、反応させた。イソシアネート基/活性水素基は0.63であった。このようにしてオリゴマーを得た。得られたオリゴマーをポリウレタン系オリゴマー8とも言う。
ポリウレタン系オリゴマー8は、重量平均分子量が24,754であり、ウレア結合/ウレタン結合が1.0であり、ハードセグメント量が19質量%であった。
〔比較ポリウレタン1〕
ポリブタジエンポリオール(Poly bd R-45HT、Mn:2,800、出光興産社製)100.0gとカルボジイミド変性MDI(ミリオネートMTL、東ソー社製)11.6gと1,8-オクタンジオール(東京化成社製)3.5gとを混合して、窒素雰囲気下、80℃で2時間撹拌を行い、反応させた。イソシアネート基/活性水素基は0.63であった。このようにしてオリゴマーを得た。得られたオリゴマーを比較ポリウレタン1とも言う。
比較ポリウレタン1は、重量平均分子量が26,906であり、ウレア結合/ウレタン結合が0であり(すなわち、ウレタン結合を有するが、ウレア結合を有さない)、ハードセグメント量が12質量%であった。
〔比較ポリウレタン2〕
ポリブタジエンポリオール(Poly bd R-45HT、Mn:2,800、出光興産社製)100.0gと4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート(ミリオネートMT、東ソー社製)17.8gとを混合して、窒素雰囲気下、70℃で2時間撹拌を行い、反応させた。得られたウレタンプレポリマー100.0gとジメチルチオトルエンジアミン(ハートキュア30、クミアイ化学社製)6.5gとを混合して、窒素雰囲気下、5分間撹拌を行い、反応させた。イソシアネート基/活性水素基は1.00であった。このようにしてオリゴマーを得た。得られたオリゴマーを比較ポリウレタン2とも言う。
比較ポリウレタン2は、重量平均分子量が102,451であり、ウレア結合/ウレタン結合が1.0であり、ハードセグメント量が20質量%であった。
〔比較ポリウレタン3〕
ポリブタジエンポリオール(Poly bd R-45HT、Mn:2,800、出光興産社製)100.0gとカルボジイミド変性MDI(ミリオネートMTL、東ソー社製)29.0gとジメチルチオトルエンジアミン(ハートキュア30、クミアイ化学社製)5.2gとを混合して、窒素雰囲気下、80℃で2時間撹拌を行い、反応させた。イソシアネート基/活性水素基は1.56であった。このようにしてオリゴマーを得た。得られたオリゴマーを比較ポリウレタン3とも言う。
比較ポリウレタン3は、重量平均分子量が21,736であり、ウレア結合/ウレタン結合が0.6であり、ハードセグメント量が25質量%であった。
[ゴム組成物の調製]
下記表1に示す成分を、同表に示す割合(質量部)で配合した。具体的には、まず硫黄及び加硫促進剤を除く成分を、1.7リットルの密閉型ミキサーで5分間混練し、150℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。次に、得られたマスターバッチに硫黄及び加硫促進剤をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。
[評価]
得られたゴム組成物について、以下の評価を行った。
〔破断強度及び破断伸び〕
得られたゴム組成物を所定形状の金型(内寸:長さ150mm、幅150mm、厚さ2mm)を用いて170℃、15分間加硫し、加硫ゴムシートを作製した。
得られた加硫ゴムシートについて、JIS K6251:2017に準拠し、JIS3号ダンベル型試験片(厚さ2mm)を打ち抜き、温度23℃、引張り速度500mm/分の条件で、破断強度及び破断伸びを測定した。
結果を表1に示す。結果は、標準例1を100とする指数で示した。指数が大きいほど破断強度又は破断伸びが優れることを意味する。
〔ウェット性能及び低燃費性能〕
得られたゴム組成物を所定形状の金型(内寸:長さ150mm、幅150mm、厚さ2mm)を用いて170℃、15分間加硫し、加硫ゴムシートを作製した。
得られた加硫ゴムシートについて、JIS K6394:2007に準じて、粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所社製)を用いて、伸張変形歪率10%±2%、振動数20Hz、温度0℃および60℃における、tanδを測定した。0℃のtanδからウェット性能を、60℃でのtanδから低燃費性能を評価した。
ウェット性能は、標準例1の値を100とする指数として表1に示した。指数が大きいほどウェット性能が優れることを意味する。
低燃費性能は、測定値の逆数を用いて標準例1の値を100とする指数として表1に示した。指数が大きいほど低燃費性能が優れることを意味する。
Figure 2024025952000002
表1に示される各成分の詳細は以下のとおりである。
・SBR:スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製NIPOL1502(Tg(ガラス転移温度):-51℃、Mw:45万)
・シリカ:ローディア社製Zeosil 1165MP
・カーボンブラック:東海カーボン社製シースト6
・ポリウレタン系オリゴマー1~8:上述のとおり合成したポリウレタン系オリゴマー1~8
・比較ポリウレタン1~3:上述のとおり合成した比較ポリウレタン1~3
・オイル1:昭和シェル石油社製エキストラクト4号S
・シランカップリング剤:ビス-(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、Evonik社製Si69
・亜鉛華:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸YR
・老化防止剤:フレキシス社製サントフレックス6PPD
・硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
・加硫促進剤1:大内新興化学工業社製ノクセラーCZ-G
・加硫促進剤2:住友化学社製ソクシノールD-G
なお、表1中、重量平均分子量、ウレア結合/ウレタン結合、ハードセグメント量、及び、イソシアネート基/活性水素基は、それぞれ、各例で使用されたポリウレタン系オリゴマー1~6又は比較ポリウレタン1~3の重量平均分子量、ウレア結合/ウレタン結合、ハードセグメント量、及び、イソシアネート基/活性水素基を表す。
表1から分かるように、ジエン系ゴム100質量部と特定オリゴマー1~60質量部とを含有する実施例1~9は、優れた、破断強度、破断伸び、ウェット性能、及び、低燃費性能を示した。
実施例1と実施例4と実施例5と実施例7と実施例8との対比(ジエン系ゴム100質量部に対する特定オリゴマーの含有量が5質量部であり、特定オリゴマーの製造に使用される特定ジエン系重合体がポリイソプレンポリオールであり、特定オリゴマーの製造に使用されるポリアミンがジメチルチオトルエンジアミンである態様同士の対比)から、ハードセグメント量が6~40質量%である実施例1、実施例4及び実施例7~8は、より優れた、破断伸び、及び、低燃費性能を示した。なかでも、ウレア結合/ウレタン結合が0.1~2.0である実施例1及び実施例7~8は、さらに優れた低燃費性能を示した。そのなかでも、ウレア結合/ウレタン結合が0.2以上1.0未満である実施例1及び実施例7は、さらに優れた、破断伸び、及び、低燃費性能を示した。そのなかでも、ウレア結合/ウレタン結合が0.4~0.8である実施例1は、さらに優れた、破断強度、ウェット性能、及び、低燃費性能を示した。
また、実施例1と実施例9との対比(ジエン系ゴム100質量部に対する特定オリゴマーの含有量のみが異なる態様同士の対比)から、ジエン系ゴム100質量部に対する特定オリゴマーの含有量が3~20質量部である実施例1は、より優れた、破断伸び、及び、低燃費性能を示した。
一方、特定オリゴマーを含有しない標準例1は、破断強度、破断伸び、及び、ウェット性能が不十分であった。また、特定オリゴマーの代わりに比較ポリウレタン1を含有する比較例1は、破断強度、ウェット性能、及び、低燃費性能が不十分であった。また、特定オリゴマーの代わりに比較ポリウレタン2を含有する比較例2は、破断強度、破断伸び、ウェット性能、及び、低燃費性能が不十分であった。また、特定オリゴマーの代わりに比較ポリウレタン2を含有する比較例2は、破断強度、及び、低燃費性能が不十分であった。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション

Claims (7)

  1. ジエン系ゴム100質量部と、ポリウレタン系オリゴマー1~60質量部とを含有し、
    前記ポリウレタン系オリゴマーが、
    ヒドロキシ基を有するジエン系重合体とポリイソシアネートとポリアミンとを、活性水素基に対するイソシアネート基のモル比が0.3~1.0となる割合で重合したものであり、
    重量平均分子量が3,000~50,000であり、
    ウレタン結合及びウレア結合を有し、前記ウレタン結合に対する前記ウレア結合のモル比が0.1~3.0である、ゴム組成物。
  2. 前記ポリウレタン系オリゴマー全体に対する、前記ポリイソシアネートに由来する部分及び前記ポリアミンに由来する部分が占める合計の割合が、6~40質量%である、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記ヒドロキシ基を有するジエン系重合体が、ポリブタジエンポリオール、水素添加ポリブタジエンポリオール及びポリイソプレンポリオールからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載のゴム組成物。
  4. さらに、カーボンブラック及び白色充填剤からなる群より選択される少なくとも1種の充填剤1~100質量部を含有する、請求項1に記載のゴム組成物。
  5. 前記ポリアミンの数平均分子量が、50~500である、請求項1に記載のゴム組成物。
  6. さらに、白色充填剤としてシリカ30~100質量部を含有する、請求項1に記載のゴム組成物。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いて製造された、タイヤ。
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