JP2019199597A - ゴム組成物及びスタッドレスタイヤ - Google Patents

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隆太郎 中川
三原 諭
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諭 三原
悠一郎 唐澤
Yuichiro Karasawa
悠一郎 唐澤
隆裕 岡松
Takahiro Okamatsu
隆裕 岡松
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Abstract

【課題】タイヤにしたときに氷上性能、WET性能及び摩耗性能に優れたゴム組成物、並びに、上記ゴム組成物を用いて製造されたスタッドレスタイヤを提供する。【解決手段】天然ゴムとブタジエンゴムとを含み、上記ブタジエンゴムの含有量が30質量%以上である、ジエン系ゴム100質量部と、無機充填剤20質量部以上と、水酸基又はアミノ基を有するシリコーンとイソシアネートとの重合体1質量部以上とを含有する、ゴム組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、ゴム組成物及びスタッドレスタイヤに関する。
従来、スタッドレスタイヤのタイヤトレッド部に用いられるゴム組成物として、天然ゴムとブタジエンゴムとシリコーンとを含有する組成物が知られている(特許文献1の実施例等)。特許文献1には、上記組成物を用いることで、タイヤにしたときの氷上摩擦力を向上させることができる旨が記載されている。
特開2012−7068号公報
昨今、求められる安全レベルの向上に伴い、スタッドレスタイヤに対して、氷上性能、WET性能(ウェットグリップ性能)及び摩耗性能(耐摩耗性)のさらなる向上が求められている。
このようななか、本発明者らが特許文献1の実施例を参考にゴム組成物を調製し、その性能を評価したところ、氷上性能には優れているものの、WET性能及び摩耗性能については、今後さらに高まるであろう要求を考慮するとさらなる改善が望ましいことが明らかになった。
そこで、本発明は、上記実情を鑑みて、タイヤにしたときに氷上性能、WET性能及び摩耗性能に優れたゴム組成物、並びに、上記ゴム組成物を用いて製造されたスタッドレスタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、シリコーンの代わりに、シリコーンをイソシアネートとの重合体を用いることで上記課題が解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) 天然ゴムとブタジエンゴムとを含み、上記ブタジエンゴムの含有量が30質量%以上である、ジエン系ゴム100質量部と、
無機充填剤20質量部以上と、
水酸基又はアミノ基を有するシリコーンとイソシアネートとの重合体1質量部以上とを含有する、ゴム組成物。
(2) 上記重合体が、水酸基又はアミノ基を有するシリコーンとイソシアネートとポリエーテルポリオールとの重合体である、上記(1)に記載のゴム組成物。
(3) 上記重合体において、上記水酸基又はアミノ基を有するシリコーンに由来する繰り返し単位と上記ポリエーテルポリオールに由来する繰り返し単位との合計に対する、上記ポリエーテルポリオールに由来する繰り返し単位の質量比が、95質量%以下である、上記(2)に記載のゴム組成物。
(4) 上記イソシアネートが、芳香族系ポリイソシアネートである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のゴム組成物。
(5) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載のゴム組成物を用いて製造された、スタッドレスタイヤ。
以下に示すように、本発明によれば、タイヤにしたときに氷上性能、WET性能及び摩耗性能に優れたゴム組成物、並びに、上記ゴム組成物を用いて製造されたスタッドレスタイヤを提供することができる。
本発明のスタッドレスタイヤの実施態様の一例の部分断面概略図である。
以下に、本発明のゴム組成物及び上記ゴム組成物を用いて製造されたスタッドレスタイヤについて説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本発明のタイヤ用ゴム組成物が含有する各成分は、1種を単独でも用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上を併用する場合、その成分について含有量とは、特段の断りが無い限り、合計の含有量を指す。
[ゴム組成物]
本発明のゴム組成物(以下、「本発明の組成物」とも言う)は、
天然ゴムとブタジエンゴムとを含み、上記ブタジエンゴムの含有量が30質量%以上である、ジエン系ゴム100質量部と、
無機充填剤20質量部以上と、
水酸基又はアミノ基を有するシリコーンとイソシアネートとの重合体(以下、「特定重合体」とも言う)1質量部以上とを含有する。
本発明の組成物はこのような構成をとるため、上述した効果が得られるものと考えられる。その理由は明らかではないがおよそ以下のとおりと推測される。
ゴム組成物にシリコーンを配合した場合、シリコーンの撥水効果によりWET性能や氷上性能の向上が期待される。しかしながら、ゴム成分とシリコーンとの親和性が低いため、単にゴム組成物にシリコーンを配合してもシリコーンがゴム成分から分離してしまい、WET性能や氷上性能が十分に向上しないことが本発明者らの検討から分かっている。また、シリコーンがゴム成分から分離することで摩耗性能が低下する傾向があることも分かっている。
一方、本発明で使用される特定重合体はシリコーンとイソシアネートとの重合体であるため、イソシアネートに由来する構造がゴム成分との親和性に寄与し、シリコーンがゴム成分と分離することなくシリコーンの撥水効果が発現される。結果として、本発明の組成物はタイヤにしたときに優れたWET性能及び氷上性能を示すものと考えられる。また、シリコーンがゴム成分から分離することがないため、摩耗性能も維持されるものと考えられる。
以下、本発明の組成物に含有される各成分について詳述する。
〔ジエン系ゴム〕
本発明の組成物に含有されるジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)とブタジエンゴム(BR)とを含む。ここで、ジエン系中のブタジエンゴムの含有量は30質量%以上である。ジエン系ゴム中のブタジエンゴムの含有量の上限は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、80質量%以下であることが好ましい。ジエン系ゴム中のブタジエンゴムの含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、35〜70質量%であることが好ましく、40〜60質量%であることがより好ましい。
また、ジエン系ゴム中の天然ゴムの含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、20〜80質量%であることが好ましく、40〜60質量%であることがより好ましい。
上記ジエン系ゴムは天然ゴム及びブタジエンゴム以外のゴム成分(その他のゴム成分)を含んでいてもよい。そのようなゴム成分としては特に制限されないが、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−IIR)、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。上記芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレン共重合体ゴムなどが挙げられる。
上記ジエン系ゴム中のその他のゴム成分の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、0〜30質量%であることが好ましい。
〔無機充填剤〕
本発明の組成物に含有される無機充填剤は特に制限されないが、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、層状又は板状粘土鉱物、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸カルシウムなどの無機充填剤が挙げられ、こちらのうち1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。なお、本明細書において、カーボンブラックは無機充填剤に該当しないものとする。
本発明の組成物は、本発明の効果がより優れる理由から、無機充填剤としてシリカを含有するのが好ましい。
上記シリカは特に制限されないが、タイヤ等の用途でゴム組成物に配合されている従来公知の任意のシリカを用いることができる。
シリカの具体例としては、湿式シリカ、乾式シリカ、ヒュームドシリカ、珪藻土などが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、湿式シリカが好ましい。上記シリカは、1種のシリカを単独で用いても、2種以上のシリカを併用してもよい。
シリカのCTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)吸着比表面積は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、100〜300m/gであることが好ましく、150〜200m/gであることがより好ましい。なお、本明細書において、CTAB吸着比表面積は、シリカ表面へのCTAB吸着量をJIS K6217−3:2001「第3部:比表面積の求め方−CTAB吸着法」にしたがって測定した値である。
本発明の組成物において、無機充填剤(特にシリカ)の含有量は、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、20質量部以上である。上限は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、150質量部以下であることが好ましい。無機充填剤の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、50〜100質量部であることが好ましい。
〔特定重合体〕
上述のとおり、本発明の組成物は、水酸基又はアミノ基を有するシリコーン(以下、「特定シリコーン」とも言う)とイソシアネートとの重合体(特定重合体)を含有する。
特定重合体は、特定シリコーンが有する水酸基又はアミノ基とイソシアネートが有するイソシアネート基(−NCO)とが反応することで得られる重合体である。なお、特定シリコーンが水酸基を有するシリコーンである場合、通常、特定重合体はポリウレタンであり、特定シリコーンがアミノ基を有する場合、通常、特定重合体はポリウレアである。
<特定シリコーン>
特定シリコーンは、水酸基又はアミノ基を有するシリコーンであれば特に制限されない。特定シリコーンは水酸基とアミノ基の両方を有していてもよい。特定シリコーンは、本発明の効果がより優れる理由から、水酸基を有するのが好ましい。
ここで、シリコーンとは、主鎖にシロキサン構造(−Si−O−)を2つ以上有する化合物をいう。
シリコーンは特に制限されないが、その具体例としては、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、ジメチルシリコーンなどが挙げられる。
特定シリコーンは、本発明の効果がより優れる理由から、水酸基又はアミノ基を2つ以上有するシリコーンであることが好ましい。
特定シリコーンは、本発明の効果がより優れる理由から、末端に水酸基又はアミノ基を有するシリコーンであることが好ましく、両末端に水酸基又はアミノ基を有するシリコーンであることが好ましい。
特定シリコーンが水酸基を有する場合、特定シリコーンの水酸基価は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、3〜100であることが好ましく、5〜50であることがより好ましい。
なお、本明細書において水酸基価とは、JIS K 0070:1992に記載の水酸基価であり、試料1gをアセチル化させたとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数である。
特定シリコーンの重量平均分子量(Mw)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、1,000〜100,000であることが好ましく、2,000〜50,000であることがより好ましい。
なお、本明細書において重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により得られる標準ポリスチレン換算値である。
特定シリコーンは、本発明の効果がより優れる理由から、下記好適な態様1又は下記好適な態様2であることが好ましく、下記好適な態様2であることがより好ましい。
(好適な態様1)
特定シリコーンは、本発明の効果がより優れる理由から、両末端に水酸基又はアミノ基を有するシリコーンであることが好ましく、下記式(1)で表される化合物であることがより好ましい。
式(1)
上記式(1)中、Rは炭化水素基を表し、Lは単結合又は2価の連結基を表し、nは繰り返し単位の数を表す。複数存在するRは同一であっても異なっていてもよい。複数存在するLは同一であっても異なっていてもよい。
上述のとおり、式(1)中、Rは炭化水素基を表す。
上記炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又はこれらを組み合わせた基などが挙げられる。上記脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。上記脂肪族炭化水素基の具体例としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、直鎖状又は分岐状のアルケニル基(好ましくは炭素数2〜10)、直鎖状又は分岐状のアルキニル基(好ましくは炭素数2〜10)などが挙げられる。上記芳香族炭化水素基としては、例えば、アリール基、ナフチル基などが挙げられる。上記アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基などが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、炭素数1〜10(好ましくは、炭素数1〜3)の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、メチル基がより好ましい。
上述のとおり、式(1)中、Lは単結合又は2価の連結基を表す。
上記2価の連結基としては、2価の脂肪族炭化水素基(例えば、アルキレン基。好ましくは炭素数1〜8)、2価の芳香族炭化水素基(例えば、アリーレン基。好ましくは炭素数6〜12)、アルキレンオキシ基、−O−、−S−、−SO−、−N(R)−(R:アルキル基)、−CO−、−NH−、−COO−、−CONH−、又はこれらを組み合わせた基などが挙げられる。
上述のとおり、式(1)中、nは繰り返し単位(カッコ内の繰り返し単位)の数を表す。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、1〜1,000の整数であることが好ましく、10〜500の整数であることがより好ましい。
(好適な態様2)
特定シリコーンは、本発明の効果がより優れる理由から、一方の末端に水酸基又はアミノ基を2つ有するシリコーンであることが好ましく、下記式(2)で表される化合物であることがより好ましい。特定シリコーンが下記式(2)で表される化合物であり、イソシアネートがジイソシアネートである場合、主鎖が式(2)中のR22とジイソシアネートとの重合体であって、シリコーン(式(2)中のシリコーン構造)を側鎖に有する重合体となる。
式(2)
上記式(2)中、Rは炭化水素基を表し、Lは単結合又は2価の連結基を表し、R21は水素原子又は置換基を表し、R22は水酸基を2つ有する置換基を表し、nは繰り返し単位の数を表す。複数存在するRは同一であっても異なっていてもよい。複数存在するLは同一であっても異なっていてもよい。
上述のとおり、式(2)中、Rは炭化水素基を表す。Rの具体例及び好適な態様は上述した式(1)中のRと同じである。
上述のとおり、式(2)中、Lは単結合又は2価の連結基を表す。Lの具体例及び好適な態様は上述した式(1)中のLと同じである。
上述のとおり、式(2)中のR21は水素原子又は置換基を表す。置換基の具体例及び好適な態様は上述した式(1)中のRと同じである。
上述のとおり、式(2)中のR22は水酸基を2つ有する置換基を表す。R22の具体例としては、水酸基を2つ有する炭化水素基が挙げられる。
上記水酸基を2つ有する炭化水素基中の炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又はこれらを組み合わせた基などが挙げられる。上記脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよいが、本発明の効果がより優れる理由から、分岐状であることが好ましい。上記脂肪族炭化水素基の具体例としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、直鎖状又は分岐状のアルケニル基(好ましくは炭素数2〜10)、直鎖状又は分岐状のアルキニル基(好ましくは炭素数2〜10)などが挙げられる。上記芳香族炭化水素基としては、例えば、アリール基、ナフチル基などが挙げられる。上記アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基などが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、炭素数1〜10(好ましくは、炭素数3〜7)の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
上述のとおり、式(2)中、nは繰り返し単位(カッコ内の繰り返し単位)の数を表す。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、1〜1,000の整数であることが好ましく、10〜500の整数であることがより好ましい。
<イソシアネート>
上記イソシアネートは、イソシアネート基(−NCO)を有する化合物であれば特に制限されない。
上記イソシアネートは、イソシアネート基を2つ以上有する化合物(ポリイソシアネート)であることが好ましく、イソシアネート基を2つ有する化合物(ジイソシアネート)であることがより好ましい。
イソシアネートの具体例としては、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどの芳香族系ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂肪族系ポリイソシアネート;これらのイソシアヌレート体、ビューレット体、アダクト体;等が挙げられる。
イソシアネートは、本発明の効果がより優れる理由から、芳香族系ポリイソシアネートであることが好ましく、ジフェニルメタンジイソシアネートであることがより好ましい。
<好適な態様>
特定重合体は、本発明の効果がより優れる理由から、水酸基又はアミノ基を有するシリコーン(特定シリコーン)とイソシアネートとポリエーテルポリオールとの重合体であることが好ましい。
特定重合体が特定シリコーンとイソシアネートとポリエーテルポリオールとの重合体である場合、特定重合体は、特定シリコーンが有する水酸基又はアミノ基並びにポリエーテルポリオールが有する水酸基と、イソシアネートが有するイソシアネート基(−NCO)とが反応することで得られる重合体である。
特定シリコーン及びイソシアネートについては上述のとおりである。
(ポリエーテルポリオール)
上記ポリエーテルポリオールは、主鎖としてポリエーテルを有し、水酸基を2個以上有する化合物であれば特に制限されない。ポリエーテルとは、エーテル結合を2以上有す構造であり、その具体例としては、例えば、構造単位−Ra−O−Rb−を合計して2個以上有する構造が挙げられる。ここで、上記構造単位中、RaおよびRbは、それぞれ独立して、炭化水素基を表す。炭化水素基は特に制限されない。例えば、炭素数1〜10の直鎖状のアルキレン基が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチレンジオール(ポリエチレングリコール)、ポリオキシプロピレンジオール(ポリプロピレングリコール:PPG)、ポリオキシプロピレントリオール、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ポリテトラエチレングリコールのようなポリオキシアルキレンポリオール;ソルビトール系ポリオール等が挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、PPGが好ましい。
上記ポリエーテルポリオールは、本発明の効果がより優れる理由から、両末端に水酸基を有するポリエーテルポリオールであることが好ましい。
上記ポリエーテルポリオールの水酸基価は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、10〜100であることが好ましく、20〜75であることがより好ましい。
上記ポリエーテルポリオールの重量平均分子量(Mw)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、1,000〜100,000であることが好ましく、2,000〜20,000であることがより好ましい。
(ポリエーテルポリオール含有率)
特定重合体が特定シリコーンとイソシアネートとポリエーテルポリオールとの重合体である場合、特定シリコーンに由来する繰り返し単位と上記ポリエーテルポリオールに由来する繰り返し単位との合計に対する、上記ポリエーテルポリオールに由来する繰り返し単位の質量比(以下、「ポリエーテルポリオール含有率」とも言う)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、0.1〜99質量%であることが好ましい。
ここで、上記特定シリコーンが上述した好適な態様1である場合、ポリエーテルポリオール含有率は、本発明の効果がより優れる理由から、70質量%以下であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましい。
また、上記特定シリコーンが上述した好適な態様2である場合、ポリエーテルポリオール含有率は、本発明の効果がより優れる理由から、10〜95質量%であることが好ましく、75質量%超95質量%未満であることが好ましい。
<接触角>
特定重合体の水の接触角は、本発明の効果がより優れる理由から、80〜160°であることが好ましく、90〜150°であることがより好ましい。
なお、特定重合体の水の接触角は、特定重合体を用いてガラスプレート上に作製したフィルムの水の接触角である。
<特定重合体の製造方法>
特定重合体を製造する方法は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、上述した特定シリコーンと上述したイソシアネートとを重合する方法(方法1)、又は、上述した特定シリコーンと上述したポリエーテルポリオールと上述したイソシアネートとを重合する方法(方法2)が好ましい。
この場合、イソシアネートのイソシアネート基(−NCO)と、特定シリコーン及びポリエーテルポリオールの合計の水酸基(−OH)又はアミノ基との当量比(モル比)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、0.5〜1.5であることが好ましく、0.75〜1.25であることがより好ましい。以下、「イソシアネートのイソシアネート基(−NCO)と、特定シリコーン及びポリエーテルポリオールの合計の水酸基(−OH)との当量比(モル比)」を「−NCO/−OH」とも言う。
また、上記重合では、ジオクチル錫等の触媒を用いるのが好ましい。
<含有量>
本発明の組成物において、特定重合体の含有量は、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、1質量部以上である。上限は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、50質量部以下であることが好ましい。特定重合体の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、上述したジエン系ゴム100質量部に対して、5〜20質量部であることが好ましい。
また、本発明の組成物において、特定重合体の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、上述した無機充填剤の含有量に対して、1〜50質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましく、10〜30質量%であることがさらに好ましい。
〔任意成分〕
本発明の組成物は、必要に応じて、その効果や目的を損なわない範囲でさらに他の成分(任意成分)を含有することができる。
上記任意成分としては、例えば、カーボンブラック、シランカップリング剤、テルペン樹脂(例えば、芳香族変性テルペン樹脂)、熱膨張性マイクロカプセル、充填剤、酸化亜鉛(亜鉛華)、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、加工助剤、オイル、液状ポリマー、熱膨張性マイクロカプセル、熱硬化性樹脂、加硫剤(例えば、硫黄)、加硫促進剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤などが挙げられる。
<カーボンブラック>
本発明の組成物は、本発明の効果がより優れる理由から、カーボンブラックを含有するのが好ましい。
上記カーボンブラックは特に限定されず、例えば、SAF−HS、SAF、ISAF−HS、ISAF、ISAF−LS、IISAF−HS、HAF−HS、HAF、HAF−LS、FEF等の各種グレードのものを使用することができる。
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、50〜200m/gであることが好ましく、70〜150m/gであることがより好ましい。
ここで、窒素吸着比表面積(NSA)は、カーボンブラック表面への窒素吸着量をJIS K6217−2:2001「第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」にしたがって測定した値である。
上記カーボンブラックの含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、上記ジエン系ゴム100質量部に対して1〜200質量部であることが好ましく、10〜100質量部であることがより好ましい。
<熱膨張性マイクロカプセル>
本発明の組成物は、本発明の効果がより優れる理由から、熱膨張性マイクロカプセルを含有するのが好ましい。
上記熱膨張性マイクロカプセルは、熱により気化して気体を発生する液体を熱可塑性樹脂に内包した熱膨張性熱可塑性樹脂粒子であり、この粒子をその膨張開始温度以上の温度、通常130〜190℃の温度で加熱して膨張させて、その熱可塑性樹脂からなる外殻中に気体を封入した気体封入熱可塑性樹脂粒子となる。
上記熱可塑性樹脂において、その膨張開始温度は100℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましい。最大膨張温度は150℃以上が好ましく、160℃以上がより好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば(メタ)アクリロニトリルの重合体、また(メタ)アクリロニトリル含有量の高い共重合体が好適に用いられる。その共重合体の場合の他のモノマー(コモノマー)としては、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、スチレン系モノマー、(メタ)アクリレート系モノマー、酢酸ビニル、ブタジエン、ビニルピリジン、クロロプレン等のモノマーが用いられる。
なお、上記熱可塑性樹脂は、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、トリアリルイソシアヌレート等の架橋剤で架橋可能にされていてもよい。架橋形態については、未架橋が好ましいが、熱可塑性樹脂としての性質を損わない程度に部分的に架橋していてもよい。
また、熱により気化して気体を発生する上記液体としては、例えば、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ブタン、イソブタン、ヘキサン、石油エーテルなどの炭化水素類;塩化メチル、塩化メチレン、ジクロロエチレン、トリクロロエタン、トリクロルエチレンなどの塩素化炭化水素;等の液体が挙げられる。
上記熱膨張性マイクロカプセルは、熱によって膨張して気体封入熱可塑性樹脂となる熱膨張性マイクロカプセルであれば特に限定されず、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、熱膨張性マイクロカプセルの膨張前の粒子径は、5〜300μmが好ましく、10〜200μmがより好ましい。
このような熱膨張性マイクロカプセルとしては、市販品を用いることができ、具体的には、例えば、EXPANCEL社製のエクスパンセル091DU−80、エクスパンセル092DU−120;松本油脂社製のマイクロスフェアF−85、マイクロスフェアF−100;等が挙げられる。
本発明の組成物において、熱膨張性マイクロカプセルの含有量は特に制限されないが、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、0.5〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。
<シランカップリング剤>
本発明の組成物は、本発明の効果がより優れる理由から、シランカップリング剤を含有するのが好ましい。シランカップリング剤は、加水分解性基および有機官能基を有するシラン化合物であれば特に制限されない。
上記加水分解性基は特に制限されないが、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、アルコキシ基であることが好ましい。加水分解性基がアルコキシ基である場合、アルコキシ基の炭素数は、本発明の効果がより優れる理由から、1〜16であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
上記有機官能基は特に制限されないが、有機化合物と化学結合を形成し得る基であることが好ましく、例えば、エポキシ基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アミノ基、スルフィド基(特に、ポリスルフィド基(−S−:nは2以上の整数))、メルカプト基、ブロックメルカプト基(保護メルカプト基)(例えば、オクタノイルチオ基)などが挙げられ、なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、スルフィド基(特に、ジスルフィド基、テトラスルフィド基)、メルカプト基、ブロックメルカプト基が好ましい。
シランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記シランカップリング剤は、本発明の効果がより優れる理由から、硫黄含有シランカップリング剤であることが好ましい。
上記シランカップリング剤の具体例としては、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、トリメトキシシリルプロピル−メルカプトベンゾチアゾールテトラスルフィド、トリエトキシシリルプロピル−メタクリレート−モノスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物において、シランカップリング剤の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、上述した無機充填剤(特にシリカ)の含有量に対して2〜20質量%であることが好ましく、5〜15質量%であることがより好ましい。
〔ゴム組成物の調製方法〕
本発明の組成物の製造方法は特に限定されず、その具体例としては、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。本発明の組成物が硫黄又は加硫促進剤を含有する場合は、硫黄及び加硫促進剤以外の成分を先に高温(好ましくは100〜155℃)で混合し、冷却してから、硫黄又は加硫促進剤を混合するのが好ましい。
また、本発明の組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
上述のとおり、本発明の組成物は、摩耗性能、WET性能及び氷上性能に優れるため、特に、スタッドレスタイヤに好適である。
[スタッドレスタイヤ]
本発明のスタッドレスタイヤは、上述した本発明の組成物を用いて製造されたスタッドレスタイヤである。なかでも、本発明の組成物を用いて製造されたタイヤトレッド部を備えるスタッドレスタイヤであることが好ましい。
図1に、本発明のスタッドレスタイヤの実施態様の一例を表すスタッドレスタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明のスタッドレスタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
図1において、符号1はビード部を表し、符号2はサイドウォール部を表し、符号3はタイヤトレッド部を表す。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5及びビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド部3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
なお、タイヤトレッド部3は上述した本発明の組成物により形成されている。
本発明のスタッドレスタイヤは、例えば、従来公知の方法に従って製造することができる。また、本発明のスタッドレスタイヤに充填する気体としては、通常の又は酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを用いることができる。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔合成例〕
以下のとおり、特定重合体A1〜A3及び特定重合体B1〜B3を合成した。
<特定重合体A2の合成>
反応容器に、特定シリコーンとして両末端サイラプレーンFM4425(両末端に水酸基を有する反応性シリコーン、下記構造(式中、Meはメチル基を表し、nは繰り返し単位の数を表す)、重量平均分子量:10,000、JNC社製)(上述した式(1)で表される化合物に該当)と、ポリエーテルポリオールとしてEXCENOL3020(両末端に水酸基を有するポリプロピレングリコール(PPG)、水酸基数:2、重量平均分子量:3000、水酸基価:37.4)とを、99/1の質量比で入れた。オーブンにて原料(両末端サイラプレーンFM4425、EXCENOL3020)の水分を除去した後、80℃のオイルバスを用いて上記原料をメチルエチルケトン(MEK)(関東化学社製)に溶解させた。
原料が溶解した後、イソシアネートとしてジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、触媒としてネオスタンU−810(ジオクチル錫、日東化成社製)を加えた。このとき、イソシアネートのイソシアネート基(−NCO)と、特定シリコーン及びポリエーテルポリオールの合計の水酸基(−OH)との当量比(モル比)(−NCO/−OH)が1.05になるようにイソシアネートを加えた。
容器内を窒素置換して重合反応を開始した。重合反応は蓋を閉めたままの閉鎖系で5時間実施した。
このようにして、特定シリコーンとイソシアネートとポリエーテルポリオールとの重合体を得た。得られた重合体のポリエーテルポリオール含有率は1質量%であった。また、水の接触角は115°であった。
両末端サイラプレーンFM4425
<特定重合体A1の合成>
ポリエーテルポリオールを使用しなかったこと以外は、上述した特定重合体A2と同様の手順に従って重合を行った。
このようにして、特定シリコーンとイソシアネートとの重合体を得た。得られた重合体のポリエーテルポリオール含有率は0質量%であった。また、水の接触角は115°であった。
<特定重合体A3の合成>
特定シリコーンとポリエーテルポリオールとの質量比を75/25に変更した以外は、上述した特定重合体A2と同様の手順に従って重合を行った。
このようにして、特定シリコーンとイソシアネートとポリエーテルポリオールとの重合体を得た。得られた重合体のポリエーテルポリオール含有率は25質量%であった。また、水の接触角は110°であった。
<特定重合体B1の合成>
反応容器に、特定シリコーンとして片末端サイラプレーンFMDA26(一方の末端に水酸基を2つ有する反応性シリコーン、下記構造(式中、Meはメチル基を表し、Rは置換基を表し、nは繰り返し単位の数を表す)(上述した式(2)で表される化合物に該当)、重量平均分子量:15,000、水酸基価:約8、JNC社製)と、ポリエーテルポリオールとしてEXCENOL3020(両末端に水酸基を有するポリプロピレングリコール(PPG)、水酸基数:2、重量平均分子量:3000、水酸基価:37.4)とを、5/95の質量比で入れた。オーブンにて原料(片末端サイラプレーンFMDA26、EXCENOL3020)の水分を除去した後、80℃のオイルバスを用いて上記原料をメチルエチルケトン(MEK)(関東化学社製)に溶解させた。
原料が溶解した後、イソシアネートとしてジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、触媒としてネオスタンU−810(ジオクチル錫、日東化成社製)を加えた。このとき、イソシアネートのイソシアネート基(−NCO)と、特定シリコーン及びポリエーテルポリオールの合計の水酸基(−OH)との当量比(モル比)(−NCO/−OH)が1.05になるようにイソシアネートを加えた。
容器内を窒素置換して重合反応を開始した。重合反応は蓋を閉めたままの閉鎖系で5時間実施した。
このようにして、特定シリコーンとイソシアネートとポリエーテルポリオールとの重合体を得た。得られた重合体のポリエーテルポリオール含有率は95質量%であった。また、水の接触角は108°であった。
片末端サイラプレーンFMDA26
<特定重合体B2の合成>
特定シリコーンとポリエーテルポリオールとの質量比を7.5/92.5に変更した以外は、上述した特定重合体B1と同様の手順に従って重合を行った。
このようにして、特定シリコーンとイソシアネートとポリエーテルポリオールとの重合体を得た。得られた重合体のポリエーテルポリオール含有率は92.5質量%であった。また、水の接触角は124°であった。
<特定重合体B3の合成>
特定シリコーンとポリエーテルポリオールとの質量比を25/75に変更した以外は、上述した特定重合体B1と同様の手順に従って重合を行った。
このようにして、特定シリコーンとイソシアネートとポリエーテルポリオールとの重合体を得た。得られた重合体のポリエーテルポリオール含有率は75質量%であった。また、水の接触角は107°であった。
〔ゴム組成物の調製〕
下記表1に示される成分を同表に示される割合(質量部)で配合した。具体的には、まず、下記表1に示す成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて150℃付近に温度を上げてから、5分間混合した後に放出し、室温まで冷却してマスターバッチを得た。さらに、上記バンバリーミキサーを用いて、得られたマスターバッチに硫黄および加硫促進剤を混合し、ゴム組成物を得た。
〔評価〕
得られたゴム組成物を所定の金型中で、170℃で10分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を調製した。そして、得られた加硫ゴム試験片について、以下の評価を行った。
<摩耗性能>
加硫ゴム試験片について、ランボーン摩耗試験機(岩本製作所社製)を用いて、JIS K6264−2:2005に準拠し、付加力4.0kg/cm3(=39N)、スリップ率30%、摩耗試験時間4分、試験温度を室温の条件で摩耗試験を行い、摩耗質量を測定した。そして、下記のとおり指数を算出した。結果を表1に示す。指数が大きいほど摩耗量が少なく、タイヤにしたときに摩耗性能(耐摩耗性)に優れる。
指数=(標準例の試験片の摩耗質量/各例の摩耗質量)×100
<WET性能>
加硫ゴム試験片について、JIS K6394:2007に準じ、粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所社製)を用いて、伸張変形歪率10%±2%、振動数20Hz、温度0℃の条件でtanδ(0℃)を測定した。
結果を表1に示す。結果は標準例のtanδ(0℃)を100とする指数で表した。指数が大きいほどtanδ(0℃)が大きく、タイヤにしたときにWET性能(ウェットグリップ性能)に優れる。
<氷上性能>
加硫ゴム試験片を偏平円柱状の台ゴムにはりつけ、インサイドドラム型氷上摩擦試験機にて、測定温度:−1.5℃、荷重:5.5kg/cm3、ドラム回転速度:25km/時間の条件で、氷上摩擦係数を測定した。
結果を表1に示す。結果は標準例の氷上摩擦係数を100とする指数で表した。指数が大きいほどゴムと氷との摩擦力が大きく、タイヤにしたときに氷上性能に優れる。
表1中の各成分の詳細は以下のとおりである。
・NR:TSR20(天然ゴム、ガラス転移温度(Tg):−62℃)
・BR:NIPOL BR1220(BR、日本ゼオン社製)
・カーボンブラック:ショウブラックN339(キャボットジャパン社製)
・シリカ:ZEOSIL 1165MP(CTAB吸着比表面積:159m/g、ローディア社製)
・シランカップリング剤:Si69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、エボニックデグッサ社製)
・オイル:エキストラクト4号S(昭和シェル石油社製)
・特定重合体A1:上述のとおり合成した特定重合体A1(ポリエーテルポリオール含有率:0質量%)
・特定重合体A2:上述のとおり合成した特定重合体A2(ポリエーテルポリオール含有率:1質量%)
・特定重合体A3:上述のとおり合成した特定重合体A3(ポリエーテルポリオール含有率:25質量%)
・特定重合体A1:上述のとおり合成した特定重合体A1(ポリエーテルポリオール含有率:0質量%)
・特定重合体B1:上述のとおり合成した特定重合体B1(ポリエーテルポリオール含有率:95質量%)
・特定重合体B2:上述のとおり合成した特定重合体B2(ポリエーテルポリオール含有率:92.5質量%)
・特定重合体B3:上述のとおり合成した特定重合体B3(ポリエーテルポリオール含有率:75質量%)
・シリコーンA:両末端サイラプレーンFM4425(両末端に水酸基を有する反応性シリコーン、上述した構造、重量平均分子量:10,000、JNC社製)
・シリコーンB:片末端サイラプレーンFMDA26(一方の末端に水酸基を2つ有する反応性シリコーン、上述した構造、重量平均分子量:15,000、水酸基価:約8、JNC社製)
・熱膨張性マイクロカプセル:マイクロスフェアF100(松本油脂社製)
表1から分かるように、特定重合体を含有する実施例A1〜A4及びB1〜B4は、いずれも優れた摩耗性能、WET性能及び氷上性能を示した。
実施例A1〜A3の対比(特定重合体のポリエーテルポリオール含有率のみが異なる態様同士の対比)から、特定重合体が特定シリコーンとイソシアネートとポリエーテルポリオールとの重合体である実施例A2〜A3は、より優れたWET性能及び氷上性能を示した。なかでも、実施例A2〜A3の対比から、特定重合体のポリエーテルポリオール含有率が20質量%以下である実施例A2は、より優れた氷上性能を示した。
また、実施例B1〜B3の対比(特定重合体のポリエーテルポリオール含有率のみが異なる態様同士の対比)から、特定重合体のポリエーテルポリオール含有率が75質量%超である実施例B1〜B2は、より優れたWET性能及び氷上性能を示した。なかでも、特定重合体のポリエーテルポリオール含有率が95質量%未満である実施例B2は、さらに優れた氷上性能を示した。
また、実施例A2とA4との対比(熱膨張性マイクロカプセルの有無のみが異なる態様同士の対比)から、熱膨張性マイクロカプセルを含有する実施例A2は、より優れたWET性能及び氷上性能を示した。
一方、特定重合体を含有しない標準例、及び、特定重合体を含有するがその含有量がジエン系ゴム100質量部に対して1質量部に満たない比較例A2は、WET性能及び氷上性能が不十分であった。また、特定重合体の代わりにシリコーンを含有する比較例A1及び比較例B1は、氷上性能が不十分であった。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション

Claims (5)

  1. 天然ゴムとブタジエンゴムとを含み、前記ブタジエンゴムの含有量が30質量%以上である、ジエン系ゴム100質量部と、
    無機充填剤20質量部以上と、
    水酸基又はアミノ基を有するシリコーンとイソシアネートとの重合体1質量部以上とを含有する、ゴム組成物。
  2. 前記重合体が、水酸基又はアミノ基を有するシリコーンとイソシアネートとポリエーテルポリオールとの重合体である、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記重合体において、前記水酸基又はアミノ基を有するシリコーンに由来する繰り返し単位と前記ポリエーテルポリオールに由来する繰り返し単位との合計に対する、上記ポリエーテルポリオールに由来する繰り返し単位の質量比が、95質量%以下である、請求項2に記載のゴム組成物。
  4. 前記イソシアネートが、芳香族系ポリイソシアネートである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いて製造された、スタッドレスタイヤ。
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