JP2024013016A - 糸加工設備 - Google Patents

糸加工設備 Download PDF

Info

Publication number
JP2024013016A
JP2024013016A JP2022114911A JP2022114911A JP2024013016A JP 2024013016 A JP2024013016 A JP 2024013016A JP 2022114911 A JP2022114911 A JP 2022114911A JP 2022114911 A JP2022114911 A JP 2022114911A JP 2024013016 A JP2024013016 A JP 2024013016A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
information
yarn
package
remaining amount
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022114911A
Other languages
English (en)
Inventor
規浩 長井
Norihiro Nagai
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TMT Machinery Inc
Original Assignee
TMT Machinery Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TMT Machinery Inc filed Critical TMT Machinery Inc
Priority to JP2022114911A priority Critical patent/JP2024013016A/ja
Priority to CN202310568869.5A priority patent/CN117416815A/zh
Priority to TW112119387A priority patent/TW202405268A/zh
Priority to EP23178866.2A priority patent/EP4345553A1/en
Publication of JP2024013016A publication Critical patent/JP2024013016A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H67/00Replacing or removing cores, receptacles, or completed packages at paying-out, winding, or depositing stations
    • B65H67/08Automatic end-finding and material-interconnecting arrangements
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B19/00Programme-control systems
    • G05B19/02Programme-control systems electric
    • G05B19/18Numerical control [NC], i.e. automatically operating machines, in particular machine tools, e.g. in a manufacturing environment, so as to execute positioning, movement or co-ordinated operations by means of programme data in numerical form
    • G05B19/409Numerical control [NC], i.e. automatically operating machines, in particular machine tools, e.g. in a manufacturing environment, so as to execute positioning, movement or co-ordinated operations by means of programme data in numerical form characterised by using manual data input [MDI] or by using control panel, e.g. controlling functions with the panel; characterised by control panel details or by setting parameters
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H49/00Unwinding or paying-out filamentary material; Supporting, storing or transporting packages from which filamentary material is to be withdrawn or paid-out
    • B65H49/02Methods or apparatus in which packages do not rotate
    • B65H49/04Package-supporting devices
    • B65H49/10Package-supporting devices for one operative package and one or more reserve packages
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H49/00Unwinding or paying-out filamentary material; Supporting, storing or transporting packages from which filamentary material is to be withdrawn or paid-out
    • B65H49/18Methods or apparatus in which packages rotate
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H54/00Winding, coiling, or depositing filamentary material
    • B65H54/70Other constructional features of yarn-winding machines
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H67/00Replacing or removing cores, receptacles, or completed packages at paying-out, winding, or depositing stations
    • B65H67/02Arrangements for removing spent cores or receptacles and replacing by supply packages at paying-out stations
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H2701/00Handled material; Storage means
    • B65H2701/30Handled filamentary material
    • B65H2701/31Textiles threads or artificial strands of filaments

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Human Computer Interaction (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Filamentary Materials, Packages, And Safety Devices Therefor (AREA)
  • Unwinding Of Filamentary Materials (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

【課題】糸の供給が途絶えるのを抑制し、糸の生産効率の低下を抑える。【解決手段】情報管理部は、複数の錘の各々について、給糸パッケージ保持部に装着された給糸パッケージに含まれる糸の残量である個別残量に関する情報である個別残量情報を取得する個別残量情報取得処理と、個別残量情報取得処理で取得した複数の錘の各々についての複数の個別残量情報を列挙した残量列挙情報を機台出力部5bに出力させる出力処理と、を行う。個別残量情報取得処理において、結節部分が有る旨の結節情報を取得した場合には、解舒中パッケージ及び予備パッケージの両方に含まれる糸の残量を個別残量情報として取得し、結節部分が有る旨の結節情報を取得していない場合には、解舒中パッケージに含まれる糸の残量を個別残量情報として取得する。【選択図】図5

Description

本発明は、糸加工設備に関する。
特許文献1には、夫々1本の糸を加工する多数の加工ステーション(加工錘)を有する加工機(糸加工設備)が開示されている。かかる加工機においては、給糸ボビンに糸が巻かれて形成された給糸パッケージ(特許文献1では供給ボビンと記載されている)から解舒された糸を加工して巻取ボビンに巻き取り、巻成体(巻取パッケージ)を形成する。
各加工ステーションは、1つの巻取ボビンに対応して2つの給糸パッケージを支持可能に構成されている。2つの給糸パッケージのうち一方に含まれる糸の終端部と他方に含まれる糸の始端部とが結び合わされている(結節されている)場合に、上記一方が空になった後に上記他方から糸を途切れずに供給することが可能である。具体的には、上記一方の給糸パッケージからの糸の供給が終了した直後、2本の糸の糸結点(結節部分)が引っ張られることにより、上記他方の給糸パッケージから糸が解舒され始める。これにより、糸が途切れることなく供給される。
特表2003-526584号公報
糸の連続的な供給を実現するためには、2つの給糸パッケージのうちの一方が空になった後、他方の給糸パッケージから糸が解舒されている間に、新たな給糸パッケージの準備をする必要がある。具体的には、空の給糸ボビンを取り外して、新たな給糸パッケージを取り付ける。そして、解舒中の給糸パッケージに含まれる糸の終端部と、新たな給糸パッケージに含まれる糸の始端部とを結び合わせる。
しかしながら、多数の加工ステーションの各々について、新たなパッケージを準備するタイミングを把握することは困難である。新たなパッケージの準備が間に合わず糸の供給が途絶えた場合には、糸を加工する各装置への糸掛け作業等が必要となり、糸の生産効率が低下する。
本発明の目的は、糸の供給が途絶えるのを抑制し、糸の生産効率の低下を抑えることができる糸加工設備を提供することである。
第1の発明にかかる糸加工設備は、給糸パッケージから解舒される糸を加工して巻取ボビンに巻き取った巻取パッケージを形成可能に構成された加工錘を複数有する糸加工機と、前記糸加工機に関する情報を管理可能に構成された情報管理部と、を備える糸加工設備である。前記糸加工機は、糸が解舒中である解舒中パッケージと、前記解舒中パッケージとは別の予備パッケージと、を含む複数の給糸パッケージが着脱可能に構成され、前記解舒中パッケージに含まれる糸の終端部と前記予備パッケージに含まれる糸の始端部とが結節されている場合に糸を途切れずに供給可能に構成された給糸パッケージ保持部を、前記複数の加工錘の各々に備える。前記情報管理部は、前記糸加工機に関する情報を出力可能に構成された出力部と、前記解舒中パッケージに含まれる糸の終端部と前記予備パッケージに含まれる糸の始端部との結節部分の有無に関する情報である結節情報を取得可能に構成された結節情報取得部と、を備え、前記複数の加工錘の各々について、前記給糸パッケージ保持部に装着された前記給糸パッケージに含まれる糸の残量である個別残量に関する情報である個別残量情報を取得する個別残量情報取得処理と、前記個別残量情報取得処理で取得した前記複数の加工錘の各々についての複数の前記個別残量情報を列挙した残量列挙情報を前記出力部に出力させる出力処理と、を行い、前記個別残量情報取得処理が行われた場合において、前記結節情報取得部が、前記結節部分が有る旨の前記結節情報を取得した場合には、前記解舒中パッケージに含まれる糸の残量と、前記予備パッケージに含まれる糸の残量と、の合計の糸の残量を前記個別残量情報として取得し、前記結節情報取得部が、前記結節部分が有る旨の前記結節情報を取得していない場合には、前記解舒中パッケージに含まれる糸の残量を前記個別残量情報として取得する。
本発明の出力部は、例えば情報を閲覧可能なものであり、据え置き型のコンピュータ装置に接続されたディスプレイや、タブレット端末などのモバイル端末に設けられたディスプレイ等である。また、本発明の出力部は、例えば情報を聴取可能なものであり、据え置き型のコンピュータ装置に接続されたスピーカや、タブレット端末などのモバイル端末に取り付けられたスピーカ等である。
第1の発明では、出力処理において複数の加工錘の各々についての複数の個別残量情報を列挙した残量列挙情報が出力部に出力される。したがって、オペレータは、残量列挙情報に基づいて複数の加工錘の各々について新たな給糸パッケージを準備するタイミングを容易に把握することができる。よって、糸の供給が途絶えるのを抑制し、糸の生産効率の低下を抑えることができる。
第2の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記複数の加工錘の各々を識別する番号と、その加工錘に対応する前記個別残量情報と、を関連付けた前記残量列挙情報を前記出力部に出力する。
第2の発明では、オペレータは、加工錘を識別する番号により、残量列挙情報に含まれる各個別残量情報がどの加工錘のものであるかを容易に把握することができる。
第3の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記複数の加工錘に対応する前記複数の個別残量情報を、前記個別残量の少ない順でソートした残量列挙情報である昇順残量列挙情報又は前記個別残量の多い順でソートした残量列挙情報である降順残量列挙情報の何れかを前記出力部に出力する。
第3の発明では、出力処理において、複数の個別残量情報が個別残量が少ない順又は多い順に並べられる。したがって、オペレータは、複数の加工錘の各々について新たな給糸パッケージを準備するタイミングをいっそう容易に把握することができる。よって、糸の供給が途絶えるのをより確実に抑制することができる。
第4の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記複数の個別残量情報を前記個別残量の少ない順にソートする昇順ソート指示、及び、前記複数の個別残量情報を前記個別残量の多い順にソートする降順ソート指示と、を入力可能に構成されたソート順入力部を備え、前記出力処理において、前記ソート順入力部を介して前記昇順ソート指示が入力された場合には、前記昇順残量列挙情報を前記出力部に出力し、前記ソート順入力部を介して前記降順ソート指示が入力された場合には、前記降順残量列挙情報を前記出力部に出力する。
第4の発明では、ソート順入力部を操作することで、複数の個別残量情報のソート順を昇順と降順との間で切り替えることができる。
第5の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記複数の加工錘に対応する複数の前記個別残量情報のうち、前記個別残量が所定量以下である1又は複数の前記個別残量情報を列挙した前記残量列挙情報を前記出力部に出力する。
第5の発明では、残量列挙情報として個別残量が所定量以下である個別残量情報が列挙されるので、オペレータは、新たな給糸パッケージを準備するタイミングが近い加工錘を容易に把握することができる。
第6の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記複数の加工錘に対応する前記複数の個別残量情報のうち、前記個別残量が所定量以下である1又は複数の前記個別残量情報を強調して出力可能に前記出力部に出力する。
本発明における「強調して出力する」とは、一例として閲覧可能な情報を出力する場合は、例えば、強調すべき情報を示す文字を、それ以外の情報を示す文字に比べて太い文字で表示することである。また例えば、強調すべき情報を、それ以外の情報とは異なるサイズ又は色とすることである。また例えば、強調すべき情報を点滅させることである。また例えば、強調すべき情報を表示するエリアの背景を、それ以外の情報を表示するエリアの背景とは異なる色とすることである。また、別の一例として、聴取可能な情報を出力する場合は、例えば、強調すべき情報を示す音声を、それ以外の情報を示す音声に比べて大きな音声で発することである。また、例えば、強調すべき情報を示す音声と、それ以外の情報を示す音声との高さを変えることである。また、上述した複数の方法のうち少なくとも2つの方法を組み合わせることで強調して出力してもよい。
第6の発明では、個別残量が所定量以下である個別残量情報が強調して表示されるので、オペレータは、新たな給糸パッケージを準備するタイミングが近い加工錘を容易に把握することができる。
第7の発明にかかる糸加工設備では、前記出力部は、前記糸加工機に関する情報を表示可能に構成された表示部であり、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記残量列挙情報を前記表示部に表示させる。
本発明の表示部は、例えば情報を閲覧可能なものであり、据え置き型のコンピュータ装置に接続されたディスプレイや、タブレット端末などのモバイル端末に設けられたディスプレイ等である。
第7の発明では、オペレータは、表示部に表示された残量列挙情報に基づいて複数の加工錘の各々について新たな給糸パッケージを準備するタイミングを容易に把握することができる。
第8の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記残量列挙情報に含まれる前記複数の個別残量情報を、前記複数の加工錘の各々に備えられた給糸パッケージ保持部の配置に対応した配置で前記表示部に表示させる。
第8の発明では、オペレータは、表示部に表示された複数の個別残量情報の配置に基づいて、残量列挙情報に含まれる各個別残量情報がどの錘のものであるかを容易に把握することができる。
第9の発明にかかる糸加工設備では、前記出力部は、前記糸加工機に関する情報を音声により出力可能に構成された音出力部であり、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記残量列挙情報を前記音出力部に音声により出力させる。
第9の発明では、オペレータは、音出力部から音声により出力された残量列挙情報に基づいて複数の加工錘の各々について新たな給糸パッケージを準備するタイミングを容易に把握することができる。
第10の発明にかかる糸加工設備は、給糸パッケージから解舒される糸を加工して巻取ボビンに巻き取った巻取パッケージを形成可能に構成された加工錘を複数有する糸加工機と、前記糸加工機に関する情報を管理可能に構成された情報管理部と、を備える糸加工設備である。前記糸加工機は、糸が解舒中である解舒中パッケージと、前記解舒中パッケージとは別の予備パッケージと、を含む複数の給糸パッケージが着脱可能に構成され、前記解舒中パッケージに含まれる糸の終端部と前記予備パッケージに含まれる糸の始端部とが結節されている場合に糸を途切れずに供給可能に構成された給糸パッケージ保持部を、前記複数の加工錘の各々に備える。前記情報管理部は、前記糸加工機に関する情報を出力可能に構成された出力部と、前記解舒中パッケージに含まれる糸の終端部と前記予備パッケージに含まれる糸の始端部との結節部分の有無に関する情報である結節情報を取得可能に構成された結節情報取得部と、を備え、前記複数の加工錘の各々について、前記給糸パッケージ保持部に装着された前記給糸パッケージに含まれる糸が解舒され終わるまでの残時間である個別残時間に関する情報である個別残時間情報を取得する個別残時間情報取得処理と、前記個別残時間情報取得処理で取得した前記複数の加工錘の各々についての複数の前記個別残時間情報を列挙した残時間列挙情報を前記出力部に出力させる出力処理と、を行い、前記個別残時間情報取得処理が行われた場合において、前記結節情報取得部が、前記結節部分が有る旨の前記結節情報を取得した場合には、前記解舒中パッケージに含まれる糸が解舒され終わるまでの残時間と、前記予備パッケージに含まれる糸が解舒され終わるまでの残時間と、の合計の糸が解舒され終わるまでの残時間を前記個別残時間情報として取得し、前記結節情報取得部が、前記結節部分が有る旨の前記結節情報を取得していない場合には、前記解舒中パッケージに含まれる糸が解舒され終わるまでの残時間を前記個別残時間情報として取得する。
第10の発明では、出力処理において複数の加工錘の各々についての複数の個別残時間情報を列挙した残時間列挙情報が出力部に出力される。したがって、オペレータは、残時間列挙情報に基づいて複数の加工錘の各々について新たな給糸パッケージを準備するタイミングを容易に把握することができる。よって、糸の供給が途絶えるのを抑制し、糸の生産効率の低下を抑えることができる。
第11の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記複数の加工錘の各々を識別する番号と、その加工錘に対応する前記個別残時間情報と、を関連付けた前記残時間列挙情報を前記出力部に出力する。
第11の発明では、オペレータは、識別番号により、残時間列挙情報に含まれる各個別残時間情報がどの錘のものであるかを容易に把握することができる。
第12の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記複数の加工錘に対応する前記複数の個別残時間情報を、前記個別残時間の少ない順でソートした残時間列挙情報である昇順残時間列挙情報又は前記個別残時間の多い順でソートした残時間列挙情報である降順残時間列挙情報の何れかを前記出力部に出力する。
第12の発明では、出力処理において、複数の個別残時間情報が個別残時間が少ない順又は多い順に並べられる。したがって、オペレータは、複数の加工錘の各々について新たな給糸パッケージを準備するタイミングをいっそう容易に把握することができる。よって、糸の供給が途絶えるのをより確実に抑制することができる。
第13の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記複数の個別残時間情報を前記個別残時間の少ない順にソートする昇順ソート指示、及び、前記複数の個別残時間情報を前記個別残時間の多い順にソートする降順ソート指示と、を入力可能に構成されたソート順入力部を備え、前記出力処理において、前記ソート順入力部を介して前記昇順ソート指示が入力された場合には、前記昇順残時間列挙情報を前記出力部に出力し、前記ソート順入力部を介して前記降順ソート指示が入力された場合には、前記降順残時間列挙情報を前記出力部に出力する。
第13の発明では、ソート順入力部を操作することで、複数の個別残時間情報のソート順を昇順と降順との間で切り替えることができる。
第14の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記複数の加工錘に対応する複数の前記個別残時間情報のうち、前記個別残時間が所定時間以下である1又は複数の前記個別残時間情報を列挙した前記残時間列挙情報を前記出力部に出力する。
第14の発明では、残時間列挙情報として個別残時間が所定時間以下である個別残時間情報が列挙されるので、オペレータは、新たな給糸パッケージを準備するタイミングが近い加工錘を容易に把握することができる。
第15の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記複数の加工錘に対応する前記複数の個別残時間情報のうち、前記個別残時間が所定時間以下である1又は複数の前記個別残時間情報を強調して出力可能に前記出力部に出力する。
第15の発明では、個別残時間が所定時間以下である個別残時間情報が強調して表示されるので、オペレータは、新たな給糸パッケージを準備するタイミングが近い加工錘を容易に把握することができる。
第16の発明にかかる糸加工設備では、前記出力部は、前記糸加工機に関する情報を表示可能に構成された表示部であり、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記残時間列挙情報を前記表示部に表示させる。
第16の発明では、オペレータは、表示部に表示された残時間列挙情報に基づいて複数の加工錘の各々について新たな給糸パッケージを準備するタイミングを容易に把握することができる。
第17の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記残時間列挙情報に含まれる前記複数の個別残時間情報を、前記複数の加工錘の各々に備えられた給糸パッケージ保持部の配置に対応した配置で前記表示部に表示させる。
第17の発明では、オペレータは、表示部に表示された複数の個別残時間情報の配置に基づいて、残時間列挙情報に含まれる各個別残時間情報がどの錘のものであるかを容易に把握することができる。
第18の発明にかかる糸加工設備では、前記出力部は、前記糸加工機に関する情報を音声により出力可能に構成された音出力部であり、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記残時間列挙情報を前記音出力部に音声により出力させる。
第18の発明では、オペレータは、音出力部から音声により出力された残時間列挙情報に基づいて複数の加工錘の各々について新たな給糸パッケージを準備するタイミングを容易に把握することができる。
第19の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記糸加工機に関する情報を記憶可能に構成された記憶部と、前記結節部分が有る旨の前記結節情報を入力可能に構成された結節情報入力部と、を備え、前記結節情報入力部から入力された前記結節情報を前記記憶部に記憶させる結節情報記憶処理と、前記記憶部に記憶された前記結節情報を前記結節情報取得部に取得させる結節情報取得処理と、を行う。
本発明の結節情報入力部は、例えば、据え置き型のコンピュータ装置に接続されたマウス、タッチパネル、キーボード等である。本発明の結節情報入力部は、例えば、タブレット端末などのモバイル端末に設けられたタッチパッド、タッチパネル、キーボードや、モバイル端末に接続されたマウス等である。本発明の結節情報入力部は、例えば、クリールスタンドにおいて加工錘毎に設けられた物理ボタン等である。
第19の発明では、結節情報入力部により結節部分が有る旨の結節情報を入力できるので、結節部分を検知するセンサ等を設ける必要がない。
第20の発明にかかる糸加工設備では、前記糸加工機は、前記給糸パッケージ保持部に装着された複数の前記給糸パッケージのうち、いずれの前記給糸パッケージから糸が解舒されているかを検知する解舒パッケージセンサを前記複数の加工錘の各々に備えており、前記情報管理部は、前記解舒パッケージセンサにより糸が解舒される給糸パッケージが切り替わったことが検知されたとき、前記記憶部に記憶された前記結節情報を、前記結節部分が有る旨の結節情報から前記結節部分が無い旨の結節情報に変更する結節情報変更処理を行う。
糸が解舒される給糸パッケージが解舒中パッケージから予備パッケージに切り替わるとき、結節部分が巻取パッケージ側に供給される。したがって、第20の発明では、解舒パッケージセンサにより糸か解舒される給糸パッケージが切り替わったことが検知されたとき、結節情報を結節部分が無い旨の結節情報に変更することで、結節部分の有無を正確に把握することができる。
第21の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記糸加工機に関する情報を記憶可能に構成された記憶部と、前記結節部分を検知する結節部分センサと、を備え、前記結節部分センサにより前記結節部分が検知されたとき、前記結節部分がある旨の前記結節情報を前記記憶部に記憶させる結節情報記憶処理と、前記結節部分センサにより前記結節部分が検知されたくなったとき、前記記憶部に記憶された前記結節情報を、前記結節部分が有る旨の結節情報から前記結節部分が無い旨の結節情報に変更する結節情報変更処理と、前記記憶部に記憶された前記結節情報を前記結節情報取得部に取得させる結節情報取得処理と、を行う。
第21の本発明では、オペレータが結節情報を入力する必要がないので、作業を簡略化することができる。
第1実施形態にかかる糸加工設備の電気的構成を示すブロック図である。 仮撚加工機の側面図である。 糸の経路(糸道)に沿って仮撚加工機を展開した模式図である。 (a)、(b)は、給糸パッケージに含まれる糸の残量と時刻との関係を示すグラフであり、(c)は、巻取ボビンへの糸の巻取量と時刻との関係を示すグラフである。 (a)は列挙画面の第1画面を示し、(b)は列挙画面の第2画面の残時間列挙画面を示し、(c)は列挙画面の第2画面の残量列挙画面を示す。 準備判断情報の出力処理の手順を示すフローチャートの前半部分である。 準備判断情報の出力処理の手順を示すフローチャートの後半部分である。 個別残量情報取得処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態にかかる糸加工設備の仮撚加工機の模式図である。 変形例にかかる列挙画面を示す。
<第1実施形態>
(糸加工設備の概略)
本発明の第1実施形態について、図面を参照しつつ以下に説明する。まず、本実施形態に係る糸加工設備100の概略について、図1のブロック図を参照しつつ説明する。図1に示すように、糸加工設備100は、複数の仮撚加工機1(本発明の糸加工機)と、管理装置101とを有する。複数の仮撚加工機1は、例えば、所定の機台長手方向(図2等参照)に沿って配列されている。各仮撚加工機1は、例えばポリエステル、ナイロン(ポリアミド系繊維)等の合成繊維からなる糸Y(図2等参照)を仮撚加工可能に構成されている。糸Yは、例えば複数のフィラメント(不図示)からなるマルチフィラメント糸である。各仮撚加工機1は、後述するように、給糸部2から供給された糸Yを加工部3によって加工し、巻取部4に装着された巻取ボビンBwに巻き取って巻取パッケージPwを形成するように構成されている。各仮撚加工機1は、各仮撚加工機1に設けられたコンピュータ装置である機台制御装置5によって制御される。本実施形態においては、機台制御装置5は、後述するように各仮撚加工機1に含まれるスパン毎に設けられている。機台制御装置5は、複数のスパン毎に設けられていてもよい。機台制御装置5は、仮撚加工機1毎に設けられていてもよい。
管理装置101は、複数の機台制御装置5によって取得された情報を統括的に管理するためのホストコンピュータである。管理装置101は、管理入力部101a(例えばマウス及びキーボード)と、管理出力部101b(例えばディスプレイ)と、管理記憶部101c(例えばハードディスク)とを有する。管理装置101と複数の機台制御装置5とを合わせたものが、本実施形態の情報管理部110である。情報管理部110が取り扱う情報の詳細については後述する。
(仮撚加工機の全体構成)
次に、仮撚加工機1の全体構成について、図2及び図3を参照しつつ説明する。図2における紙面垂直方向が上述した機台長手方向である。図2における紙面左右方向を機台幅方向とする。機台長手方向及び機台幅方向の両方と直交する方向を、重力の作用する上下方向(鉛直方向)とする。糸Yが走行する方向を糸走行方向とする。仮撚加工機1は、複数の糸Yを供給するための給糸部2と、給糸部2から供給された複数の糸Yを加工する(仮撚加工する)加工部3と、加工部3によって加工された複数の糸Yを巻取ボビンBwに巻き取る巻取部4と、機台制御装置5と、を備える。
給糸部2は、複数の給糸パッケージPsを保持するクリールスタンド6を有し、加工部3に複数の糸Yを同時に供給することが可能に構成されている。加工部3は、給糸部2の給糸パッケージPsから糸Yを解舒して加工するように構成されている。加工部3は、糸走行方向における上流側から順に、第1フィードローラ11、撚止ガイド12、第1加熱装置13、冷却装置14、仮撚装置15、第2フィードローラ16、第2加熱装置17、第3フィードローラ18が配置された構成となっている。加工部3におけるこれらの構成要素は、例えば、後述する複数の錘9(図3参照)のそれぞれに設けられている。巻取部4は、複数の巻取装置19を有する。各巻取装置19は、加工部3で仮撚加工された糸Yを巻取ボビンBwに巻き取って巻取パッケージPwを形成する。また、巻取部4には、複数の巻取装置19にそれぞれに対応して、形成された巻取パッケージPwと新たな空の巻取ボビンBwとの交換作業を行う複数のオートドッファ10が設けられている。
機台制御装置5は、給糸部2、加工部3及び巻取部4の各構成要素を制御するためのものである。機台制御装置5は、例えば一般的な据え置き型又はモバイル型のコンピュータ装置である。機台制御装置5は、機台入力部5a(本発明の結節情報入力部)と、機台出力部5b(本発明の出力部)と、機台記憶部5c(本発明の記憶部)とを有する(図1参照)。
機台入力部5aは、オペレータによって操作されることが可能に構成されている。機台入力部5aは、例えば、不図示のマウス、タッチパネル、キーボードのうちの少なくとも1つで構成される。機台出力部5bは、情報を出力可能に構成されている。本実施形態においては、機台出力部5bは、表示部5b1及び音出力部5b2を有している。機台出力部5bは、表示部5b1のみを有していてもよい。機台出力部5bは、音出力部5b2のみを有していてもよい。表示部5b1は、閲覧可能な情報を表示可能に構成されている。表示部5b1の具体例としては、ディスプレイである。音出力部5b2は、聴取可能な情報を音声により出力可能に構成されている。音出力部5b2の具体例としては、スピーカである。機台記憶部5cは、給糸部2、加工部3及び巻取部4の構成要素を制御するための各種情報を記憶するように構成されている。
機台制御装置5は、各種情報に基づき、給糸部2、加工部3及び巻取部4の構成要素を制御する。或いは、機台制御装置5は、給糸部2、加工部3及び巻取部4の各構成要素を制御するための各種制御装置(不図示)を介して、これらの構成要素を間接的に制御しても良い。機台制御装置5には、ホストコンピュータである管理装置101が電気的に接続されている。管理装置101は、機台制御装置5が取得した情報を利用し、後述する種々の判断及び/又は演算を行うことが可能である。
複数の仮撚加工機1の各々は、機台幅方向に間隔を置いて配置された主機台7及び巻取台8を有する。主機台7及び巻取台8は、機台長手方向に略同じ長さに延びるように設けられている。主機台7及び巻取台8は、機台幅方向において互いに対向するように配置されている。仮撚加工機1は、1組の主機台7及び巻取台8を含む、スパンと呼ばれる単位ユニットを有する。1つのスパンにおいては、機台長手方向に並んだ状態で走行する複数の糸Yに対して、同時に仮撚加工を施すことができるように各装置が配置されている。仮撚加工機1は、このスパンが、主機台7の機台幅方向の中心線Cを対称軸として、紙面左右対称に配置されている(主機台7は、左右のスパンで共通のものとなっている)。また、複数のスパンが、機台長手方向に配列されている。
また、1本の糸Yが給糸部2から供給されて巻取部4に到達するまでに通る構成要素のグループは、「錘」と呼ばれる。言い換えると、複数の仮撚加工機1の各々は、各仮撚加工機1が有する複数の巻取装置19の数と同じ数の錘9(本発明の加工錘。図3参照)を有する。例として、図3には2つの錘9(錘9A、9B)が記載されている。複数の錘9は、大まかに言えば、機台長手方向に沿って並べて配置されている。包含関係として、仮撚加工機1は複数のスパンを有し、各スパンは複数の錘9を有する。仮撚加工機1は、糸Yが掛けられた錘9において、糸Yを仮撚加工可能である。
(給糸部)
給糸部2の構成について、図2及び図3を参照しつつ説明する。給糸部2のクリールスタンド6は、複数の錘9にそれぞれ対応して設けられた複数の給糸パッケージ保持部20を有する。図2に示すように、クリールスタンド6においては、3つの給糸パッケージ保持部20が上下に並んで設けられている。本実施形態においては、各スパンにおいて、上下に3つ並んだ給糸パッケージ保持部20の列が、機台長手方向に4列配置されている。
複数の給糸パッケージ保持部20の各々は、2つの給糸パッケージPsが着脱されるように構成されている。すなわち、図3に示すように、給糸パッケージ保持部20は、2つのパッケージ装着部21を有する。説明の便宜上、2つのパッケージ装着部21の一方を第1装着部22と呼び、他方を第2装着部23と呼ぶ。第1装着部22及び第2装着部23は、それぞれ、1つの給糸パッケージPsが着脱されることが可能に構成されている。パッケージ装着部21への給糸パッケージPsの着脱は、オペレータによって行われる。
給糸部2の各給糸パッケージ保持部20は、以下のようにして、糸Yを途切れずに供給することが可能に構成されている。例えば、図3に示すように、複数の給糸パッケージPsのうちの任意の1つである給糸パッケージPsAが、第1装着部22に装着されている。また、給糸パッケージPsAとは別の給糸パッケージPsBが、第2装着部23に装着されている。給糸パッケージPsAから糸Yが解舒されているとき、給糸パッケージPsAは、本発明の解舒中パッケージに相当する。また、このとき、給糸パッケージPsBは、本発明の予備パッケージに相当する。また、給糸パッケージPsAに含まれる糸Yの終端部と、給糸パッケージPsBに含まれる糸Yの始端部とが結節されている(接続されている)。これにより、2本の糸Yの間に結節部分Kが形成されている。
このような場合、給糸パッケージPsAが空になった後に、給糸パッケージPsBから糸Yを途切れずに供給することが可能である。具体的には、給糸パッケージPsAからの糸Yの供給が終了して給糸パッケージPsAが空になった直後、結節部分Kが糸走行方向下流側(巻取装置19側)へ引っ張られることにより、給糸パッケージPsBから糸Yが解舒される。つまり、一方のパッケージ装着部21に装着された給糸パッケージPsから糸Yが解舒され終わった後、他方のパッケージ装着部21に装着された次の給糸パッケージPsから糸Yが解舒され始める。以下、説明の便宜上、このような事象を給糸パッケージ切替と呼ぶ。これにより、糸Yが途切れることなく供給される。その後、空になった給糸パッケージPs(給糸ボビンBs)は、オペレータによって新しい給糸パッケージPsと交換される。
各給糸パッケージ保持部20の糸走行方向下流側には、解舒パッケージセンサ24が配置されている。解舒パッケージセンサ24は、第1装着部22及び第2装着部23のうちどちらに装着された給糸パッケージPsから糸Yが解舒されているか検知可能に構成されている。図3に示すように、解舒パッケージセンサ24は、第1検知部25と、第2検知部26とを有する。第1検知部25は、第1装着部22に装着された給糸パッケージPsから糸Yが解舒されているか否か検知可能に構成されている。第2検知部26は、第2装着部23に装着された給糸パッケージPsから糸Yが解舒されているか否か検知可能に構成されている。第1検知部25及び第2検知部26は、例えば、それぞれが糸Yを光学的に検知する光学センサである。解舒パッケージセンサ24のより詳細については、例えば特許第5873105号公報を参照されたい。或いは、第1検知部25及び第2検知部26は、例えば、接触式のセンサであっても良い。
(加工部)
加工部3の構成について、図2及び図3を参照しつつ説明する。以下では、加工部3のうち、1つの錘9に対応する部分のみ説明する。
第1フィードローラ11は、給糸部2に装着された給糸パッケージPsから糸Yを解舒して第1加熱装置13へ送るように構成されている。第1フィードローラ11による糸Yの搬送速度は、給糸パッケージPsから糸Yが解舒される解舒速度Vu(図3参照)と略等しい。第1フィードローラ11による糸Yの搬送速度の設定値の情報は、例えば機台制御装置5に予め記憶されている。撚止ガイド12は、仮撚装置15で糸Yに付与された撚りが、撚止ガイド12よりも糸走行方向上流側に伝播しないように構成されている。
第1加熱装置13は、第1フィードローラ11から送られてきた糸Yを加熱するように構成されている。本実施形態においては、説明の簡略化のため、第1加熱装置13は1本の糸Yを加熱するように構成されているものとするが、これには限られない。第1加熱装置13は、複数の糸Yを同時に加熱可能に構成されていても良い。
冷却装置14は、第1加熱装置13で加熱された糸Yを冷却するように構成されている。本実施形態においては、説明の簡略化のため、冷却装置14は1本の糸Yを冷却するように構成されているものとするが、これに限られない。冷却装置14は、複数の糸Yを同時に冷却可能に構成されていても良い。
仮撚装置15は、糸Yに撚りを付与するように構成されている。仮撚装置15は、例えば、いわゆるディスクフリクション方式の仮撚装置であるが、これには限られない。第2フィードローラ16は、仮撚装置15で処理された糸Yを第2加熱装置17へ送るように構成されている。第2フィードローラ16による糸Yの搬送速度は、第1フィードローラ11による糸Yの搬送速度よりも速い。これにより、糸Yは、第1フィードローラ11と第2フィードローラ16との間で延伸される。第2フィードローラ16による糸Yの搬送速度の設定値の情報は、例えば機台制御装置5に予め記憶されている。
第2加熱装置17は、第2フィードローラ16から送られてきた糸Yを加熱するように構成されている。第2加熱装置17は、鉛直方向に沿って延びている。説明の簡略化のため、第2加熱装置17は1本の糸Yを加熱するように構成されているものとするが、これには限られない。第2加熱装置17は、複数の糸Yを同時に加熱可能に構成されていても良い。
第3フィードローラ18は、第2加熱装置17によって加熱された糸Yを巻取装置19へ送るように構成されている。第3フィードローラ18による糸Yの搬送速度は、第2フィードローラ16による糸Yの搬送速度よりも遅い。糸Yは、第2フィードローラ16と第3フィードローラ18との間で弛緩される。第3フィードローラ18による糸Yの搬送速度の設定値の情報は、例えば機台制御装置5に予め記憶されている。
以上のように構成された加工部3では、第1フィードローラ11と第2フィードローラ16との間で延伸された糸Yが、仮撚装置15によって撚られる。仮撚装置15により形成される撚りは、撚止ガイド12までは伝播するが、撚止ガイド12よりも糸走行方向上流側には伝播しない。延伸されつつ撚りが付与された糸Yは、第1加熱装置13で加熱されて熱固定された後、冷却装置14で冷却される。仮撚装置15から下流では糸Yは解撚されるが、上記の熱固定によって各フィラメントが波状に仮撚りされた状態が維持される。さらに、仮撚装置15によって仮撚りが施された糸Yは、第2フィードローラ16と第3フィードローラ18との間で弛緩されながら、第2加熱装置17で熱固定された後、糸走行方向における下流側へ案内される。最後に、第3フィードローラ18から送られた糸Yは、巻取装置19によって巻取ボビンBwに巻き取られる。これにより、巻取パッケージPwが形成される。
(巻取部)
巻取部4の構成について、図2及び図3を参照しつつ説明する。以下では、巻取部4のうち、1つの錘9に対応する部分のみ説明する。
巻取装置19は、支点ガイド31と、トラバース装置32と、クレードル33と、巻取ローラ34とを有する。支点ガイド31は、糸Yがトラバースされる際の支点となるガイドである。トラバース装置32は、例えば、モータにより往復駆動される無端ベルトに取り付けられたトラバースガイド35によって糸Yを綾振りするように構成されている。クレードル33は、巻取ボビンBw(巻取パッケージPw)を回転自在に支持可能に構成されている。巻取ローラ34は、巻取パッケージPwを回転させ、且つ、巻取パッケージPwの表面に接圧を付与するように構成されている。巻取ローラ34は、例えば、巻取パッケージPwの表面に接触した状態で、不図示のモータによって回転駆動される。これにより、巻取パッケージPwが摩擦力により従動回転するとともに、巻取パッケージPwの表面に接圧が付与されて巻取パッケージPwの形状が整えられる。なお、巻取ローラ34が回転駆動される代わりに、巻取パッケージPwが不図示のモータによって直接回転駆動されても良い。
オートドッファ10は、巻取パッケージPwを巻取装置19から取り外し、空の巻取ボビンBwを巻取装置19に装着するように構成されている。言い換えれば、オートドッファ10は、巻取部4において、形成終了後の巻取パッケージPwと空の巻取ボビンBwとを交換可能に構成されている。また、オートドッファ10は、巻取パッケージPwの近傍において糸Yを切断可能な不図示のカッタを有する。走行中の糸Yがカッタによって切断されることにより、巻取パッケージPwの形成が終了する。ここで、カッタによる糸切断後にも、糸Yは、巻取ボビンBwに巻き取られるときと略等しい速度で給糸パッケージPsから解舒され、巻取装置19側へ供給され続ける。オートドッファ10は、巻取パッケージPwの形成終了後、次の巻取ボビンBwへの糸Yの巻取開始までの間、巻取装置19に供給されてくる走行中の糸Yを吸引捕捉して保持可能な不図示のサクションを有する。次に糸Yが巻き取られる巻取ボビンBwに糸Yが掛けられるまでの間、糸Yのうちサクションによって吸引された部分は吸引除去される。オートドッファ10の構造等のより詳細については、例えば特開平6-212521号公報を参照されたい。
また、オートドッファ10は、ストッカー10aを有する。ストッカー10aは、形成され終わって巻取装置19から取り外された巻取パッケージPwを一時的に保管可能に構成されている。ストッカー10aに保管された巻取パッケージPwは、オペレータによって回収される。
また、巻取装置19の近傍には、例えば不図示の糸掛装置が設けられている。糸掛装置は、巻取装置19に装着された空の巻取ボビンBwに糸Yを掛けるように構成されている。
以上のように構成された巻取部4では、上述した第3フィードローラ18から送られた糸Yが各巻取装置19によって巻取ボビンBwに巻き取られ、巻取パッケージPwが形成される(巻取処理)。オートドッファ10のカッタによって糸Yが切断されることにより、巻取ボビンBwへの糸Yの巻取処理が終了する。それとほぼ同時に、巻取装置19へ供給されてくる糸Yがサクションによって吸引保持され、オートドッファ10によって巻取パッケージPwがクレードル33から取り外される。その直後、オートドッファ10によって新しい空の巻取ボビンBwがクレードル33に装着される。さらに、糸掛装置によって新しい巻取ボビンBwに糸Yが掛けられる。これにより、新しい巻取ボビンBwに糸Yを巻き取り始めることが可能である。
上述のような構成により、仮撚加工機1の各錘9においては、給糸部2から糸Yを連続的に供給して加工部3で仮撚加工を施した後に、巻取部4において次々に巻取パッケージPwを形成することが可能となっている。しかしながら、給糸部2の給糸パッケージ保持部20に装着された全ての給糸パッケージPsの糸Yの残量がゼロとなると、給糸部2から糸Yの供給が途絶える。糸Yの供給が途絶えた場合には、給糸部2の給糸パッケージ保持部20に装着した給糸パッケージPsから引き出した糸Yを、加工部3の各構成要素に掛ける糸掛け作業等が必要となる。これにより、糸Yの生産効率が低下してしまう。
したがって、糸Yの供給が途絶えることがないように、オペレータは、給糸パッケージ保持部20の一方のパッケージ装着部21に装着されている給糸パッケージPsが空となった後、他方のパッケージ装着部21に装着されている給糸パッケージPsの糸Yの残量がゼロとなる前に、新たな給糸パッケージPsの準備を行う必要がある。新たな給糸パッケージPsの準備とは、具体的には、一方のパッケージ装着部21に装着されている空の給糸パッケージPs(給糸ボビンBs)を取り外して、新たな給糸パッケージPsを取り付ける。そして、他方のパッケージ装着部21に装着されている解舒中の給糸パッケージPsに含まれる糸の終端部と、一方のパッケージ装着部21に装着された新たな給糸パッケージPsに含まれる糸の始端部とを結節する。
従来の設備においては、複数の錘9の各々について、新たな給糸パッケージPsを準備するタイミングを把握することは困難である。すなわち例えば、オペレータは、各錘9の給糸パッケージ保持部20に装着されている給糸パッケージPsを目視等により確認し、複数の錘9のうち何れの錘9から新たな給糸パッケージPsの準備をすべきかを判断する必要がある。
そこで、情報管理部110は、後述するような情報処理を行うことで得られた情報に基づいて、複数の錘9のうち何れの錘9から新たな給糸パッケージPsの準備をすべきかの判断に供する情報を機台出力部5bに出力させる。具体的には、情報管理部110は、後述する残量列挙情報及び残時間列挙情報を機台出力部5bに出力させる。情報管理部110は、具体例として、図4(a)~(c)のグラフに示す事象に関する各種情報を取得し、管理する。なお、以下では、特に断らない限り、複数の錘9のうち1つの所定の錘9に限定して説明を進める。
(事象の具体例)
情報管理部110が取得する情報について具体的に説明する前に、後の説明を理解するための助けとなるように、前提として、図4(a)~(c)のグラフに例示される事象と、各事象が起こった時刻について説明する。情報管理部110は、図4(a)~(c)のグラフに示される事象の少なくとも一部に関する情報を取得する(詳細は後述する)。ここで説明する各時刻は、何らかの手段によって予測された時刻ではなく、各事象が実際に起こる時刻であるものとする。
図4(a)は、第1装着部22に装着された給糸パッケージPs(具体的には給糸パッケージPs1、Ps3)に含まれる糸Yの残量(縦軸)と時刻(横軸)との関係を示すグラフである。図4(b)は、第2装着部23に装着された給糸パッケージPs(具体的には給糸パッケージPs2、Ps4)に含まれる糸Yの残量(縦軸)と時刻(横軸)との関係を示すグラフである。図4(c)は、巻取ボビンBw(具体的には巻取ボビンBw1、Bw2、Bw3、Bw4、Bw5、Bw6)への糸Yの巻取量(縦軸)と時刻(横軸)との関係を示すグラフである。図4(a)~(c)のいずれのグラフにおいても、巻取ボビンBw1に糸Yが巻き取られ始める時刻t0が原点である。また、本実施形態においては、各給糸パッケージPsから糸Yが一度も解舒されていない状態(すなわち、満巻の状態)における各給糸パッケージPsの重量(初期重量)は、いずれもWFである。
まず、時刻t0において、第1装着部22には給糸パッケージPs1が装着されている。第2装着部23には給糸パッケージPs2が装着されている。給糸パッケージPs1に含まれる糸Yの残重量はW0である(WFよりも少ない)。給糸パッケージPs2に含まれる糸Yの残重量はWFである。給糸パッケージPs1に含まれる糸Yの終端部と、給糸パッケージPs2に含まれる糸Yの始端部とが結節されており、結節部分Kが形成されている。
時刻t0(時刻ts1)において、オートドッファ10による巻取ボビンBw1のクレードル33への装着が完了し、巻取ボビンBw1に糸が巻き取られ始める。つまり、時刻ts1は、巻取ボビンBw1に糸Yが巻き取られ始めた巻取開始時刻である。このとき、給糸パッケージPs1から糸Yが解舒される。時間が経つにつれて、給糸パッケージPs1に含まれる糸Yの残量(残重量)が減り、巻取ボビンBw1に巻き取られた糸Yの巻取量(巻取重量)が増える。時刻te1において、オートドッファ10のカッタによって糸Yが切断されることにより、巻取ボビンBw1への糸Yの巻取処理が終了する。つまり、時刻te1は、巻取ボビンBw1に糸Yが巻き取られ終わった巻取終了時刻である。巻取ボビンBw1には、給糸パッケージPs1から供給された糸Yのみが巻き取られている。カッタによる糸Yの切断、サクションによる糸Yの吸引捕捉及び巻取ボビンBw1(巻取パッケージPw1)のクレードル33からの取外しが、ほぼ同時に行われる。次に、時刻te1の直後の時刻ts2において、オートドッファ10による巻取ボビンBw2のクレードル33への装着が完了し、巻取ボビンBw2への糸Yの巻取りが開始される。巻取ボビンBw1に係る巻取終了時刻(時刻te1)と、巻取ボビンBw1の次に糸Yが巻き取られる巻取ボビンBw2に係る巻取開始時刻(時刻ts2)との間には、わずかなタイムラグtLがある。
時刻ts2よりも後の時刻ta1において、第1装着部22に装着された給糸パッケージPs1が空になる。給糸パッケージPs1が空になるのと同時に、時刻tb1(=時刻ta1)において、給糸パッケージPs1に含まれる糸Yと給糸パッケージPs2に含まれる糸Yとが結節されて形成された結節部分Kが巻取装置19側へ引っ張られる。これにより、第2装着部23に装着された給糸パッケージPs2から糸Yが最初に解舒される。さらに、時刻te2において巻取ボビンBw2への糸Yの巻取処理(巻取パッケージPw2の形成)が終了し、時刻ts3において巻取ボビンBw3への糸Yの巻取処理が開始される。時刻te3において巻取ボビンBw3への糸Yの巻取処理(巻取パッケージPw3の形成)が終了する。
また、時刻ta1よりも後、且つ、給糸パッケージPs2が空になる前の時刻ta2において、オペレータによって、第1装着部22からの給糸パッケージPs1の取外しと、第1装着部22への給糸パッケージPs3の装着とが行われる。この時の給糸パッケージPs3の残重量はWFである。その後、給糸パッケージPs2に含まれる糸Yの終端部と給糸パッケージPs3に含まれる糸Yの始端部とがオペレータによって結節され、結節部分Kが形成される。結節の作業は、オペレータの手作業で行われても良い。或いは、結節の作業は、例えば持ち運び可能な不図示の結節装置をオペレータが操作することによって行われてもよい。
その後の事象について簡単に説明する。巻取部4に関する事象は以下のとおりである。時刻ts4から時刻te4まで巻取ボビンBw4に糸Yが巻き取られる(巻取パッケージPw4が形成される)。時刻ts5から時刻te5まで巻取ボビンBw5に糸Yが巻き取られる(巻取パッケージPw5が形成される)。時刻ts6から時刻te6まで巻取ボビンBw6に糸Yが巻き取られる(巻取パッケージPw6が形成される)。また、給糸部2に関する事象は以下のとおりである。時刻ts4と時刻te4との間の時刻tb2(=時刻ta3)において、給糸パッケージPs2が空になり、給糸パッケージPs3から糸Yが解舒され始める。その後、時刻tb3において、給糸パッケージPs2が給糸パッケージPs4と交換される。時刻ts6と時刻te6との間の時刻ta4(=時刻tb4)において、給糸パッケージPs3が空になり、給糸パッケージPs4から糸Yが解舒され始める。
(給糸パッケージの基本情報)
上記の事象を考慮した上で、まず、情報管理部110が取得する、給糸パッケージPsの基本情報について説明する。情報管理部110は、給糸パッケージPsの基本情報として、例えば、各給糸パッケージPsの初期量情報と、解舒単位量情報と、積算時間情報とを取得する。これらの情報は、各給糸パッケージPsの管理情報(詳細については後述)を取得するために利用されることが可能である。
初期量情報は、糸Yが解舒され始める前の給糸パッケージPsに含まれる糸Yの初期量(初期重量又は初期長)に関する情報である。初期量情報は、例えば、1つの仮撚加工機1の全ての錘9の全ての給糸パッケージPsに係る共通の情報として、機台制御装置5において予め設定されている。より具体的な情報として、本実施形態では、上述した初期重量(つまり、WF)の情報と、糸Yの繊度(単位長さあたりの重量)の情報が、初期量情報として機台制御装置5に記憶されている。給糸パッケージPsの重量の単位は、例えばkgである。また、糸Yの繊度をFとする。繊度の単位は、例えばdtex(デシテックス)である。デシテックスは、10000メートルあたりの糸Yの重量(g)である。
解舒単位量情報は、給糸パッケージPsから単位時間あたり解舒される糸Yの量に関する情報である。解舒単位量情報は、例えば、上述した解舒速度Vuの情報である。本実施形態では、説明の便宜上、巻取処理中の解舒速度Vuが略一定であるものとする。解舒速度の単位は、例えばm/minである。解舒単位量情報は、例えば、1つの仮撚加工機1の全ての錘9における共通の情報として、機台制御装置5において予め設定されている。機台制御装置5は、例えば、第1フィードローラ11の回転数の設定値の情報に基づいて、解舒速度Vuの情報を取得する。
積算時間情報は、給糸パッケージPsから糸Yが解舒された時間の積算値(積算時間)に関する情報である。説明の便宜上、糸Yが解舒されている給糸パッケージPsに係る積算時間をtinUと呼ぶ。積算時間情報は以下のようにして取得される。巻取処理中に、機台制御装置5は、解舒パッケージセンサ24による検知結果に基づき、糸Yを供給している給糸パッケージPsが切り替わる給糸パッケージ切替が起こったかどうか判断する。例えば、図4(a)、(b)を参照したとき、給糸パッケージPs1からの糸Yが解舒され終わり(解舒終了)、且つ、給糸パッケージPs2から糸Yが最初に解舒される事象が、給糸パッケージ切替である。解舒パッケージセンサ24の状態が、第1検知部25及び第2検知部26の一方によって糸Yを検知している状態から、第1検知部25及び第2検知部26の他方によって糸Yを検知している状態に切り替わったとき、機台制御装置5は、給糸パッケージ切替が起こったと判断する。機台制御装置5は、給糸パッケージ切替が起こったと判断したとき、機台制御装置5は、tinUを所定の初期時間にする(リセット処理)。初期時間は、例えばゼロである。機台制御装置5は、給糸パッケージPs2から糸Yが解舒され始めた解舒開始時刻(すなわち、時刻ta1)の情報を取得し、記憶しても良い。
その後、機台制御装置5は、給糸パッケージPs2から糸Yが解舒されているときに、時間の経過に応じてtinUを増加させる(tinUを更新する)。また、例えば給糸パッケージPs2からの糸Yの解舒が糸切れ等の理由により一時停止されたとき、機台制御装置5は、tinUの更新を一時停止させる。このようにして、機台制御装置5は、給糸パッケージPs2から糸Yが解舒された積算時間の情報を取得する。同様に、給糸パッケージPs2からの糸Yが解舒され終わり、給糸パッケージPs3から糸Yが解舒され始めたときにも、機台制御装置5は、解舒パッケージセンサ24による検知結果に基づき、上述したリセット処理を行う(tinUを初期時間にする)。その後、機台制御装置5が時間の経過に応じてtinUを更新することにより、給糸パッケージPs3から糸Yが解舒された積算時間の情報が取得される。このように、機台制御装置5は、任意の給糸パッケージPsから糸Yが解舒されているときに、当該給糸パッケージPsに係る積算時間情報を取得することができる。
以上のようにして、情報管理部110によって、初期量情報、解舒単位量情報及び積算時間情報が、給糸パッケージPsの基本情報として取得される。
(新たな給糸パッケージの準備に関する情報)
上述のように、オペレータは、給糸パッケージ保持部20の一方のパッケージ装着部21に装着されている給糸パッケージPsが空となった後、他方のパッケージ装着部21に装着されている給糸パッケージPsの糸Yの残量がゼロとなる前に、新たな給糸パッケージPsの準備を行う必要がある。ここでは、新たな給糸パッケージPsの準備が行われた場合に情報管理部110が取得する情報について説明する。新たな給糸パッケージPsの準備を行う場合、まずオペレータは、一方のパッケージ装着部21に装着されている空の給糸パッケージPsを取り外し、新しい給糸パッケージPsを当該一方のパッケージ装着部21に装着する。さらに、オペレータは、当該新しい給糸パッケージPsに含まれる糸Yの始端部を、他方のパッケージ装着部21に装着された給糸パッケージPsに含まれる糸Yの終端部と結び、結節部分Kを形成する。その後、オペレータは、結節部分Kが有ることを示す結節情報を機台入力部5aを介して機台制御装置5に入力する。すなわち、機台入力部5aは、本発明の結節情報入力部として機能する。
機台制御装置5の機台記憶部5cには、結節部分Kの有無に関する情報である結節情報が記憶されている。機台制御装置5は、機台入力部5aを介して結節部分Kが有ることを示す結節情報が入力されたときに、機台記憶部5cに記憶されている結節情報を結節部分Kが無いことを示す結節情報から結節部分Kが有ることを示す結節情報に変更する(結節情報記憶処理)。その後、給糸パッケージ切替が起こったとき、機台制御装置5は機台記憶部5cに記憶されている結節情報を結節部分Kが無いことを示す結節情報に変更する(結節情報変更処理)。
すなわち、機台記憶部5cに記憶されている結節情報が結節部分Kが有ることを示す結節情報である場合は、解舒中パッケージの次に糸Yが解舒される給糸パッケージPs(予備パッケージ)の準備ができている。また、機台記憶部5cに記憶されている結節情報が結節部分Kが無いことを示す結節情報である場合は、解舒中パッケージの次に糸Yが解舒される給糸パッケージPs(予備パッケージ)の準備ができていない。
(給糸パッケージの管理情報の取得方法)
次に、情報管理部110が給糸パッケージPsの管理情報を取得する方法の例について説明する。本実施形態では、給糸パッケージPsの管理情報は、各錘9における糸Yの残量である個別残量に関する個別残量情報を含む。また、本実施形態では、給糸パッケージPsの管理情報は、各錘9において糸Yが解舒され終わるまでの残時間である個別残時間に関する個別残時間情報を含む。情報管理部110は、複数の仮撚加工機1の各々に含まれる複数の錘9の各々について、個別残量情報及び個別残時間情報を取得する。
個別残量は、任意時刻Tにおいて給糸パッケージ保持部20に装着されている1又は2つの給糸パッケージPsに含まれる糸Yの残量である。本実施形態においては、個別残量は、給糸パッケージPsに含まれる糸Yの残重量の割合(つまり、初期重量に対する残重量の割合(パーセンテージ))である。個別残量は、給糸パッケージPsに含まれる糸Yの残重量であっても良い。或いは、個別残量は、給糸パッケージPsに含まれる糸Yの残長であっても良い。個別残時間は、任意時刻Tにおいて給糸パッケージ保持部20に装着されている1又は2つの給糸パッケージPsに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間である。
情報管理部110は、機台記憶部5cに記憶されている結節情報を取得し、該結節情報に基づいて個別残量情報を取得する。すなわち、情報管理部110は、結節部分Kが有ることを示す結節情報を取得した場合は、解舒中パッケージに含まれる糸Yの残量と、予備パッケージに含まれる糸Yの残量と、の合計の糸Yの残量を個別残量情報として取得する。また、情報管理部110は、結節部分Kが無いことを示す結節情報を取得した場合は、解舒中パッケージに含まれる糸Yの残量を個別残量情報として取得する。すなわち、個別残量は、現時点で給糸パッケージ保持部20から連続的に供給可能な糸Yの量である。個別残量情報にかかる個別残量が少ないほど、新たな給糸パッケージPsを準備するタイミングが近い。
予備パッケージはまだ解舒されていないので、予備パッケージに含まれる糸Yの残量は、100%である。解舒中パッケージに含まれる糸Yの残重量をWrとしたとき、Wrの値は、任意時刻TにおけるtinUの値を利用して、例えば下記の式1に基づいて算出されることが可能である。下記の式1中のAは、括弧内の式に基づく計算結果の単位をkgにするための係数である。
Wr=WF-(A×Vu×F×tinU)・・・・(式1)
情報管理部110が結節部分Kが有ることを示す結節情報を取得した場合の個別残量(残重量の割合)、すなわち、解舒中パッケージに含まれる糸Yの残重量と、予備パッケージに含まれる糸Yの残重量と、の合計の糸Yの残重量の割合は、下記の式2により算出される。
{(Wr/WF)×100}+100・・・・(式2)
また、情報管理部110が結節部分Kが無いことを示す結節情報を取得した場合の個別残量(残重量の割合)は、すなわち、解舒中パッケージに含まれる糸Yの残重量の割合は、下記の式3により算出される。
(Wr/WF)×100・・・・(式3)
情報管理部110は、機台記憶部5cに記憶されている結節情報を取得し、該結節情報に基づいて個別残時間情報を取得する。すなわち、情報管理部110は、結節部分Kが有ることを示す結節情報を取得した場合は、解舒中パッケージに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間と、予備パッケージに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間と、の合計の糸Yが解舒され終わるまでの残時間を個別残時間情報として取得する。また、情報管理部110は、結節部分Kが無いことを示す結節情報を取得した場合は、解舒中パッケージに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間を個別残時間情報として取得する。すなわち、個別残時間は、現時点で給糸パッケージ保持部20から連続的に糸Yを解除可能な残時間である。個別残時間情報にかかる個別残時間が少ないほど、新たな給糸パッケージPsを準備するタイミングが近い。
情報管理部110は、各錘9での任意時刻Tにおける解舒中パッケージに含まれる糸Yの残重量(Wr)と、予備パッケージに含まれる糸Yの残重量(WF)と、に基づいて、複数の錘9の各々についての個別残時間を算出しても良い。
情報管理部110が結節部分Kが有ることを示す結節情報を取得した場合の個別残時間、すなわち、解舒中パッケージに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間と、予備パッケージに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間と、の合計の糸Yが解舒され終わるまでの残時間は、下記の式4により算出される。
(Wr+WF)/(A×Vu×F)・・・・(式4)
また、情報管理部110が結節部分Kが無いことを示す結節情報を取得した場合の個別残時間、すなわち、解舒中パッケージに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間は、下記の式5により算出される。
Wr/(A×Vu×F)・・・・(式5)
なお、情報管理部110は、下記の式6により解舒中パッケージに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間であるtRを算出した後に、当該残時間の情報を利用して解舒中パッケージに含まれる糸Yの残量を算出しても良い。
tR={WF-(A×Vu×F×tinU)}/(A×Vu×F)・・・・(式6)
(残量列挙情報及び残時間列挙情報の説明)
続いて、情報管理部110が出力する残量列挙情報及び残時間列挙情報について説明する。本実施形態においては、情報管理部110は、複数の錘9の各々についての複数の個別残量情報を列挙した残量列挙情報を、機台出力部5bに出力させる。また、情報管理部110は、複数の錘9の各々についての複数の個別残時間情報を列挙した残時間列挙情報を、機台出力部5bに出力させる。
具体的には、機台制御装置5が、図5(a)~図5(c)に示す列挙画面S1を機台出力部5bの表示部5b1に表示する。図5(a)~図5(c)に示すように、列挙画面S1には、リストタブT1及び錘別タブT2が表示される。オペレータによって、機台入力部5aを介してリストタブT1が選択された場合には、機台制御装置5は、図5(a)に示す第1画面S1aを表示部5b1に表示する。オペレータによって、機台入力部5aを介して錘別タブT2が選択された場合には、機台制御装置5は、図5(b)及び図5(c)に示す第2画面S1bを表示部5b1に表示する。
図5(a)に示すように、第1画面S1aには、複数の錘9に対応する複数の個別残量情報を個別残量の少ない順(昇順)でソートした残量列挙情報である昇順残量列挙情報、又は、個別残量の多い順(降順)でソートした残量列挙情報である降順残量列挙情報の何れかが表示される。
第1画面S1aには、複数の錘9に対応する複数の個別残量情報に加えて、各錘9に対応する個別残時間も表示される。第1画面S1aには、複数の錘9に対応する複数の個別残時間情報を個別残時間の少ない順(昇順)でソートした残時間列挙情報である昇順残時間列挙情報、又は、個別残時間の多い順(降順)でソートした残時間列挙情報である降順残時間列挙情報の何れかが表示される。個別残時間は、個別残量が少ないほど短くなる。したがって、個別残量の大小に基づいてソートした場合と、個別残時間の長短に基づいてソートした場合とで、複数の錘9に関する情報の表示順は同じとなる。
第1画面S1aには、複数の個別残量情報を個別残量の少ない順にソートする昇順ソート指示、及び、複数の個別残量情報を個別残量の多い順にソートする降順ソート指示と、を入力するソート順入力ボタンB1が表示される。昇順ソート指示は、複数の個別残時間情報を個別残時間の少ない順にソートする指示でもある。降順ソート指示は、複数の個別残時間情報を個別残時間の多い順にソートする指示でもある。ソート順入力ボタンB1は、本発明のソート順入力部に相当する。
図5(a)に示す例では、第1画面S1aに表示される残量列挙情報(残時間列挙情報)は、複数の個別残量情報が個別残量の少ない順(昇順)並べられた昇順残量列挙情報(昇順残時間列挙情報)となっている。ソート順入力ボタンB1には、「昇順」と表示されている。この状態で、オペレータが機台入力部5aを介してソート順入力ボタンB1を操作することで、降順ソート指示が入力される。降順ソート指示が入力されると、第1画面S1aに表示される残量列挙情報(残時間列挙情報)は、複数の個別残量情報が個別残量の多い順(降順)で並べられた降順残量列挙情報(降順残時間列挙情報)に切り替わる。また、このとき、ソート順入力ボタンB1には、「降順」と表示される。この状態で、オペレータが機台入力部5aを介してソート順入力ボタンB1を操作すると、昇順ソート指示が入力され、図5(a)に示す第1画面S1aに戻る。すなわち、オペレータがソート順入力ボタンB1を操作する度に、第1画面S1aに表示される残量列挙情報(残時間列挙情報)は、昇順残量列挙情報(昇順残時間列挙情報)と降順残量列挙情報(降順残時間列挙情報)との間で切り替わる。
図5(a)に示すように、第1画面S1aには、複数の錘9の各々を識別する番号(錘番号)と、各錘9に対応する個別残量情報(残量)及び個別残時間情報(残時間)と、が表示される。また、第1画面S1aに表示された複数の錘9に関する情報のうち、個別残量が所定量Q以下である錘9の情報が強調して表示される。図5(a)に示す例では、個別残量が20%以下である個別残量情報と、それに対応する錘番号及び残時間が強調して表示されている。錘9の情報を強調表示するか否かの閾値となる所定量Qは、機台入力部5aを介してオペレータによって設定可能である。所定量Qは、1つの給糸パッケージPsに巻かれている糸Yの量よりも少ない量を、オペレータによって、設定されている。また、錘9の情報を強調表示するか否かは、個別残時間を基準として判断してもよい。すなわち、個別残時間が所定長さL(例えば5分以下)である錘9の情報を強調表示してもよい。本実施形態においては、所定長さLは、個別残量が所定量Qであるときの個別残時間となっている。図5(a)に示す例では、個別残量が所定量Q以下である錘9の情報を表す文字を、他の錘9の情報を表す文字に比べて太く且つ大きな文字で表示することで、強調して表示している。
強調表示の方法は、これに限定されるものではない。例えば、強調表示すべき錘9の情報を、他の錘9の情報とは異なる色とすることで強調してもよい。色の一例としては、強調表示すべき錘9の情報を赤とし、他の錘9の情報を黒とする。また、強調表示の別の方法としては、強調表示すべき錘9の情報を点滅表示してもよい。さらに、強調表示の別の方法としては、強調表示すべき錘9の情報を表示するエリアの背景を、他の錘9の情報を表示するエリアの背景とは異なる色とすることで強調してもよい。強調表示は、上述した複数方法のうち少なくとも2つの方法を組み合わせて行われてもよい。
また、図5(a)に示す例では、個別残量情報及び個別残時間情報を文字により表しているが、これらの情報の表示態様はこれに限定されるものではない。すなわち例えば、個別残量情報及び個別残時間情報は棒状の図形により表されてもよい。この場合、棒の長さにより個別残量の大小や個別残時間の長短を表す。
図5(b)及び図5(c)に示すように、第2画面S1bには、残量タブT3及び残時間タブT4が表示される。オペレータによって、機台入力部5aを介して残時間タブT4が選択された場合には、機台制御装置5は、図5(b)に示す残時間列挙画面S1b1を表示部5b1に表示する。残時間列挙画面S1b1には、各錘9の個別残時間情報を複数の錘9の各々に備えられた給糸パッケージ保持部20の配置に対応した配置で並べたものが残時間列挙情報として表示される。すなわち、残時間列挙画面S1b1には、各スパンにおいて上下に3つ並んだ給糸パッケージ保持部20の列が機台長手方向に4列配置されているのに対応して、各錘9の個別残時間情報が3行×4列のマトリクス状に配置されている。図5(b)に示す例では、1つのスパン分の12錘分の個別残時間情報が表示されている。
残時間列挙画面S1b1においては、個別残時間が所定長さL以下である錘9の情報が強調して表示される。図5(b)に示す例では、個別残時間が所定長さL以下である錘9の情報を表す文字を、他の錘9の情報を表す文字に比べて太く且つ大きな文字で表示することで、強調して表示している。
オペレータによって、機台入力部5aを介して残量タブT3が選択された場合には、図5(c)に示す残量列挙画面S1b2を表示部5b1に表示する。残量列挙画面S1b2には、各錘9の残量を複数の錘9の各々に備えられた給糸パッケージ保持部20の配置に対応した配置で並べたものが残量列挙情報として表示された画面が表示部5b1に表示される。すなわち、残量列挙画面S1b2には、残時間列挙画面S1b1と同様に、各錘9の残量が3行×4列のマトリクス状に配置されている。
残量列挙画面S1b2においては、個別残量が所定量Q以下である錘9の情報が強調して表示される。図5(c)に示す例では、個別残量が所定量Q以下である錘9の情報を表す文字を、他の錘9の情報を表す文字に比べて太く且つ大きな文字で表示することで、強調して表示している。第2画面S1bにおける強調表示の方法についても、第1画面S1aでの強調表示と同様に、図5(b)及び図5(c)に示す方法に限定されるものではない。
また、機台制御装置5は、残量列挙情報及び残時間列挙情報を音出力部5b2に出力させる。本実施形態においては、機台制御装置5は、表示部5b1に第1画面S1aが表示されており、ソート順入力ボタンB1により昇順ソート指示が入力された場合に、複数の個別残量情報が個別残量の少ない順で並べられた昇順残量列挙情報を音出力部5b2に出力させる。さらに、機台制御装置5は、表示部5b1に第1画面S1aが表示されており、ソート順入力ボタンB1により降順ソート指示が入力された場合に、複数の個別残量情報が個別残量の多い順で並べられた降順残量列挙情報を音出力部5b2に出力させる。なお、表示部5b1に第1画面S1aが表示されているときは、残量列挙情報に替えて残時間列挙情報を音出力部5b2に出力させてもよい。また、残量列挙情報及び残時間列挙情報の両方を音出力部5b2に出力させてもよい。
さらに、機台制御装置5は、表示部5b1に第2画面S1bの残時間列挙画面S1b1が表示されている場合に、複数の個別残時間情報が錘番号順で並べられた残時間列挙情報を音出力部5b2に出力させる。このとき、複数の個別残時間情報が、錘番号が1番の錘9の個別残時間情報から順番に出力される。また、機台制御装置5は、表示部5b1に第2画面S1bの残量列挙画面S1b2が表示されている場合に、複数の個別残量情報が錘番号順で並べられた残量列挙情報を音出力部5b2に出力させる。このとき、複数の個別残量情報が、錘番号が1番の錘9の個別残量情報から順番に出力される。
機台制御装置5は、音出力部5b2に残量列挙情報を出力する場合には、各個別残量を各個別残量に対応する錘番号とともに出力する。機台制御装置5は、音出力部5b2に残時間列挙情報を出力する場合には、各個別残時間を各個別残時間に対応する錘番号とともに出力する。
機台制御装置5は、音出力部5b2に残量列挙情報を出力する場合には、個別残量が所定量Q以下である錘9の情報を強調して出力させる。機台制御装置5は、音出力部5b2に残時間列挙情報を出力する場合には、個別残時間が所定長さL以下である錘9の情報を強調して出力させる。例えば、機台制御装置5は、強調すべき情報を示す音声が、それ以外の情報を示す音声に比べて大きな音声で発せられるように音出力部5b2を制御する。また、例えば、強調すべき情報を示す音声が、それ以外の情報を示す音声と異なる高さで発せられるように音出力部5b2を制御する。
なお、本実施形態においては、表示部5b1に表示された情報(残量列挙情報や残時間列挙情報)が、音出力部5b2で出力される情報(残量列挙情報や残時間列挙情報)に対応しているが、これには限定されない。すなわち例えば、表示部5b1に表示される情報に関係なく、音出力部5b2からは常に昇順残量列挙情報が出力されてもよい。この場合、表示部5b1に降順残量列挙情報が表示されているときでも、音出力部5b2からは昇順残量列挙情報が出力されることになる。また例えば、表示部5b1に残量列挙画面S1b2(各錘9の残量を給糸パッケージ保持部20の配置に対応した配置で並べたものが残量列挙情報として表示された画面)が表示されているときに、音出力部5b2から昇順残量列挙情報が出力されてもよい。
また、本実施形態においては、表示部5b1に表示された第1画面S1aのソート順入力ボタンB1により、音出力部5b2から出力される情報を昇順残量列挙情報(昇順残時間列挙情報)と降順残量列挙情報(降順残時間列挙情報)との間で切り替えているが、これには限定されない。さらに、本実施形態においては、表示部5b1に表示される第2画面S1bの残量タブT3及び残時間タブT4により、音出力部5b2から出力される情報を残量列挙情報と残時間列挙情報との間で切り替えているがこれには限定されない。音出力部5b2から出力される情報を切り替える操作部は、表示部5b1から出力される情報を切り替える操作部とは別に設けられていてもよい。この場合、音出力部5b2から出力される情報を切り替える操作部は、表示部5b1に表示されるボタンであってもよい。また、物理ボタンでもよい。
機台制御装置5は、音出力部5b2への残量列挙情報や残時間列挙情報の出力は行わず、表示部5b1への残量列挙情報や残時間列挙情報の出力を行ってもよい。また、機台制御装置5は、表示部5b1への残量列挙情報や残時間列挙情報の出力は行わず、音出力部5b2への残量列挙情報や残時間列挙情報の出力を行ってもよい。
(制御フロー)
続いて、図6~図8に示すフローチャートを参照しつつ、残量列挙情報及び残時間列挙情報の出力処理の手順の一例について説明する。なお、情報管理部110のうち各仮撚加工機1に設けられた機台制御装置5が、以下の処理を行うものとする。しかしながら、これには限られず、情報管理部110を構成するどの装置が以下の処理を行っても良い。かかる処理は、糸加工設備100が稼働している間、継続して行われる。糸加工設備100が稼働している間、機台制御装置5は、図5(a)~図5(c)に示すような列挙画面S1を機台出力部5bに継続して表示する。
まず、図6に示すように、機台制御装置5は、当該機台制御装置5が制御する仮撚加工機1に含まれる複数の錘9の各々について、任意時刻Tにおける個別残量情報及び個別残時間情報を取得する(S101:個別残量情報取得処理、個別残時間情報取得処理)。すなわちこのとき、機台制御装置5は、任意時刻Tにおいて各錘9の給糸パッケージ保持部20に装着されている1又は2つの給糸パッケージPsに含まれる糸Yの残量(個別残量)を取得する。また、機台制御装置5は、任意時刻Tにおいて各錘9の給糸パッケージ保持部20に装着されている1又は2つの給糸パッケージPsに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間(個別残時間)を取得する。個別残量情報取得処理及び個別残時間情報取得処理の詳細については、後述する(図8参照)。
その後、機台制御装置5は、オペレータによって機台出力部5bに表示されている列挙画面S1のリストタブT1が選択さているか否かを判断する(S102)。リストタブT1が選択されていると判断した場合には(S102:YES)、機台制御装置5は、オペレータによって機台出力部5bに表示されている第1画面S1aのソート順入力ボタンB1を介して昇順ソート指示が入力されたか否かを判断する(S103)。すなわち、任意時刻Tの時点で最後にソート順入力ボタンB1によって入力された指示が、昇順ソート指示であるか否かを判断する。
昇順ソート指示が入力されたと判断した場合には(S103:YES)、機台制御装置5は昇順フラグを「1」とする(S104)。その後、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残量情報のうち、個別残量が所定量Q以下である個別残量情報が有るか否かを判断する(S105)。一方、昇順ソート指示が入力されていない、すなわち降順ソート指示が入力されたと判断した場合には(S103:NO)、上述のS104の処理を省略してS105に進む。
S105において個別残量が所定量Q以下である個別残量情報が有ると判断した場合には(S105:YES)、機台制御装置5は昇順フラグが「1」であるか否かを判断する(S106)。昇順フラグが「1」であると判断した場合には(S106:YES)、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残量情報及び個別残時間情報を昇順に並べ、且つ、個別残量が所定量Q以下である錘9の情報(錘番号、残量(個別残量情報)、残時間(個別残時間情報))を強調した残量列挙情報及び残時間列挙情報を機台出力部5bに出力する(S107:出力処理)。その後、S112に進む。また、昇順フラグが「1」でないと判断した場合には(S106:NO)、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残量情報及び個別残時間情報を降順に並べ、且つ、個別残量が所定量Q以下である錘9の情報(錘番号、残量(個別残量情報)、残時間(個別残時間情報))を強調した残量列挙情報及び残時間列挙情報を機台出力部5bに出力する(S108:出力処理)。その後、S112に進む。
一方、個別残量が所定量Q以下である個別残量情報が無いと判断した場合には(S105:NO)、機台制御装置5は昇順フラグが「1」であるか否かを判断する(S109)。昇順フラグが「1」であると判断した場合には(S109:YES)、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残量情報及び個別残時間情報を昇順に並べた残量列挙情報及び残時間列挙情報を機台出力部5bに出力する(S110:出力処理)。その後、S112に進む。また、昇順フラグが「1」でないと判断した場合には(S109:NO)、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残量情報及び個別残時間情報を降順に並べた残量列挙情報及び残時間列挙情報を機台出力部5bに出力する(S111:出力処理)。その後、機台制御装置5は、昇順フラグをリセットし(S112)、処理を終了する。
さらに、S102において、リストタブT1が選択されていない、すなわち、錘別タブT2が選択されていると判断した場合には(S102:NO)、図7に示すように、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残量情報のうち個別残量が所定量Q以下である個別残量情報(個別残時間が所定長さL以下である個別残時間情報)が有るか否かを判断する(S113)。
個別残量が所定量Q以下である個別残量情報(個別残時間が所定長さL以下である個別残時間情報)が有ると判断した場合には(S113:YES)、機台制御装置5は、オペレータによって、機台出力部5bに表示されている第2画面S1bの残量タブT3が選択さているか否かを判断する(S114)。残量タブT3が選択さていると判断した場合には(S114:YES)、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残量情報を複数の給糸パッケージ保持部20の配置に対応した配置で並べ、且つ、個別残量が所定量Q以下である錘9の残量(個別残量情報)を強調した残量列挙情報を機台出力部5bの表示部5b1に表示する(S115:出力処理)。またこのとき、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残量情報を錘番号順(昇順)で並べ、且つ、個別残量が所定量Q以下である錘9の情報(錘番号、残量(個別残量情報))を強調した残量列挙情報を機台出力部5bの音出力部5b2に出力する(S115:出力処理)。その後、処理を終了する。
一方、残量タブT3が選択さていない、すなわち残時間タブT4が選択されていると判断した場合には(S114:NO)、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残時間情報を複数の給糸パッケージ保持部20の配置に対応した配置で並べ、且つ、個別残時間が所定長さL以下である錘9の残時間を強調した残時間列挙情報を機台出力部5bの表示部5b1に表示する(S116:力処理)。またこのとき、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残時間情報を錘番号順(昇順)で並べ、且つ、個別残時間が所定長さL以下である錘9の情報(錘番号、残時間(個別残時間情報))を強調した残時間列挙情報を機台出力部5bの音出力部5b2に出力する(S116:出力処理)。その後、処理を終了する。
また、S113において、個別残量が所定量Q以下である個別残量情報(個別残時間が所定長さL以下である個別残時間情報)が無いと判断した場合には(S113:NO)、機台制御装置5は、オペレータによって、機台出力部5bに表示されている第2画面S1bの残量タブT3が選択さているか否かを判断する(S117)。残量タブT3が選択さていると判断した場合には(S117:YES)、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残量情報を複数の給糸パッケージ保持部20の配置に対応した配置で並べた残量列挙情報を機台出力部5bの表示部5b1に表示する(S118:出力処理)。またこのとき、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残量情報を錘番号順(昇順)で並べた残量列挙情報を機台出力部5bの音出力部5b2に出力する(S118:出力処理)。その後、処理を終了する。一方、残量タブT3が選択さていない、すなわち残時間タブT4が選択されていると判断した場合には(S117:NO)、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残時間情報を複数の給糸パッケージ保持部20の配置に対応した配置で並べた残時間列挙情報を機台出力部5bの表示部5b1に表示する(S121:出力処理)。またこのとき、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残時間情報を錘番号順(昇順)で並べた残時間列挙情報を機台出力部5bの音出力部5b2に出力する(S121:出力処理)。その後、処理を終了する。
次に、上述の個別残量情報取得処理の手順の一例について説明する。かかる処理は、複数の錘9の各々で実行される。まず、図8に示すように、例えば上述した式1に基づき、任意時刻Tにおける解舒中パッケージに含まれる糸Yの残重量を取得する(S201)。その後、機台制御装置5は、機台記憶部5cに記憶されている結節情報を取得し(結節情報取得処理)、結節部分Kが有るか否かを判断する(S202)。具体的には、機台記憶部5cに結節部分Kが有ることを示す結節情報が記憶されているか否かを判断する。
結節部分Kが有ると判断した場合には(S202:YES)、上述の式2により算出される糸Yの残重量の割合を個別残量情報として取得し(S203)、処理を終了する。具体的には、S201で取得した任意時刻Tにおける解舒中パッケージに含まれる糸Yの残重量の割合に予備パッケージに含まれる糸Yの残重量の割合(100%)を加算したものを個別残量情報として取得する。一方、結節部分Kが無いと判断した場合には(S202:NO)、上述の式3により算出される糸Yの残重量の割合を個別残量情報として取得し(S204)、処理を終了する。具体的には、S201で取得した任意時刻Tにおける解舒中パッケージに含まれる糸Yの残重量の割合を個別残量情報として取得する。
個別残時間情報取得処理の手順の一例としては、まず、上述の個別残量情報取得処理のS201及びS202の処理を実行する。その後、S202の処理で結節部分Kが有ると判断した場合には、上述の式4により算出される糸Yが解舒され終わるまでの残時間を個別残時間情報として取得して処理を終了する。また、S202の処理で結節部分Kが無いと判断した場合には、上述の式5により算出される糸Yが解舒され終わるまでの残時間を個別残時間情報として取得して処理を終了する。
(第1実施形態の特徴)
以上のように、本実施形態の糸加工設備100では、仮撚加工機1は、解舒中パッケージと予備パッケージとの2つの給糸パッケージPsが着脱可能に構成され、解舒中パッケージに含まれる糸Yの終端部と予備パッケージに含まれる糸Yの始端部とが結節されている場合に糸Yを途切れずに供給可能に構成された給糸パッケージ保持部20を、複数の錘9の各々に備えている。仮撚加工機1に関する情報を管理可能に構成された情報管理部110は、解舒中パッケージに含まれる糸Yの終端部と予備パッケージに含まれる糸Yの始端部との結節部分Kの有無に関する情報である結節情報を取得可能である。情報管理部110は、複数の錘9の各々について、給糸パッケージ保持部20に装着された給糸パッケージPsに含まれる糸Yの残量である個別残量に関する情報である個別残量情報を取得する個別残量情報取得処理と、個別残量情報取得処理で取得した複数の錘9の各々についての複数の個別残量情報を列挙した残量列挙情報を機台出力部5bに出力させる出力処理と、を行う。情報管理部110は、個別残量情報取得処理において、結節部分Kが有る旨の結節情報を取得した場合には、解舒中パッケージに含まれる糸Yの残量と、予備パッケージに含まれる糸Yの残量と、の合計の糸Yの残量を個別残量情報として取得し、結節部分Kが有る旨の結節情報を取得していない場合には、解舒中パッケージに含まれる糸Yの残量を個別残量情報として取得する。
上述の構成により、出力処理において複数の錘9の各々についての複数の個別残量情報を列挙した残量列挙情報が機台出力部5bに出力される。したがって、オペレータは、残量列挙情報に基づいて、複数の錘9の各々について新たな給糸パッケージPsを準備するタイミングを容易に把握することができる。よって、糸Yの供給が途絶えるのを抑制し、糸Yの生産効率の低下を抑えることができる。
さらに、上述の実施形態の糸加工設備100では、情報管理部110は、複数の錘9の各々について、給糸パッケージ保持部20に装着された給糸パッケージPsに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間である個別残時間に関する情報である個別残時間情報を取得する個別残時間情報取得処理と、個別残時間情報取得処理で取得した複数の錘9の各々についての複数の個別残時間情報を列挙した残時間列挙情報を機台出力部5bに出力させる出力処理と、を行う。情報管理部110は、個別残時間情報取得処理において、結節部分Kが有る旨の結節情報を取得した場合には、解舒中パッケージに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間と、予備パッケージに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間と、の合計の糸Yが解舒され終わるまでの残時間を個別残時間情報として取得し、結節部分Kが有る旨の結節情報を取得していない場合には、解舒中パッケージに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間を個別残時間情報として取得する。
上述の構成により、出力処理において複数の錘9の各々についての複数の個別残時間情報を列挙した残時間列挙情報が機台出力部5bに出力される。したがって、オペレータは、残時間列挙情報に基づいて、複数の錘9の各々について新たな給糸パッケージPsを準備するタイミングを容易に把握することができる。よって、糸Yの供給が途絶えるのを抑制し、糸Yの生産効率の低下を抑えることができる。
また、上述の実施形態の糸加工設備100では、情報管理部110は、出力処理において、複数の錘9の各々を識別する錘番号と、その錘9に対応する個別残量情報と、を関連付けた残量列挙情報を機台出力部5bに出力する。したがって、オペレータは、錘番号により、残量列挙情報に含まれる各個別残量情報がどの錘9のものであるかを容易に把握することができる。
さらに、上述の実施形態の糸加工設備100では、情報管理部110は、出力処理において、複数の錘9の各々を識別する錘番号と、その錘9に対応する個別残時間情報と、を関連付けた残時間列挙情報を機台出力部5bに出力する。したがって、オペレータは、錘番号により、残時間列挙情報に含まれる各個別残時間情報がどの錘9のものであるかを容易に把握することができる。
また、上述の実施形態の糸加工設備100では、情報管理部110は、出力処理において、複数の錘9に対応する複数の個別残量情報(個別残時間情報)を、個別残量(個別残時間)の少ない順でソートした残量列挙情報(残時間列挙情報)である昇順残量列挙情報(昇順残時間列挙情報)、及び、多い順でソートした残量列挙情報(残時間列挙情報)である降順残量列挙情報(降順残時間列挙情報)を機台出力部5bに出力する。この構成によると、出力処理において、複数の個別残量情報(個別残時間情報)が個別残量(個別残時間)が少ない順又は多い順に並べられる。したがって、オペレータは、複数の錘9の各々について新たな給糸パッケージPsを準備するタイミングをいっそう容易に把握することができる。よって、糸Yの供給が途絶えるのをより確実に抑制することができる。
さらに、上述の実施形態の糸加工設備100は、複数の個別残量情報(個別残時間情報)を個別残量(個別残時間)の少ない順にソートする昇順ソート指示、及び、複数の個別残量情報(個別残時間情報)を個別残量(個別残時間)の多い順にソートする降順ソート指示と、を入力可能に構成されたソート順入力ボタンB1を備えている。そして、情報管理部110は、出力処理において、ソート順入力ボタンB1を介して昇順ソート指示が入力された場合には、昇順残量列挙情報(昇順残時間列挙情報)を機台出力部5bに出力し、ソート順入力ボタンB1を介して降順ソート指示が入力された場合には、降順残量列挙情報(降順残時間列挙情報)を機台出力部5bに出力する。したがって、ソート順入力ボタンB1を操作することで、複数の個別残量情報(個別残時間情報)のソート順を昇順と降順との間で切り替えることができる。
加えて、上述の実施形態の糸加工設備100では、機台出力部5bは情報を表示可能に構成された表示部5b1を有している。したがって、オペレータは、表示部5b1に表示された残量列挙情報(残時間列挙情報)に基づいて複数の錘9の各々について新たな給糸パッケージPsを準備するタイミングを容易に把握することができる。
また、上述の実施形態の糸加工設備100では、機台出力部5bは情報を音声により出力可能に構成された音出力部5b2を有している。したがって、オペレータは、音出力部5b2から音声により出力された残量列挙情報(残時間列挙情報)に基づいて複数の錘9の各々について新たな給糸パッケージPsを準備するタイミングを容易に把握することができる。
さらに、上述の実施形態の糸加工設備100では、情報管理部110は、出力処理において、残量列挙情報(残時間列挙情報)に含まれる複数の個別残量情報(個別残時間情報)を、複数の錘9の各々に備えられた給糸パッケージ保持部20の配置に対応した配置で機台出力部5bに表示させる。したがって、オペレータは、機台出力部5bに表示された複数の個別残量情報(個別残時間情報)の配置に基づいて、残量列挙情報(残時間列挙情報)に含まれる各個別残量情報(個別残時間情報)がどの錘9のものであるかを容易に把握することができる。
加えて、上述の実施形態の糸加工設備100では、情報管理部110は、出力処理において、複数の錘9に対応する複数の個別残量情報(個別残時間情報)のうち、個別残量(個別残時間)が所定量Q(所定長さL)以下である個別残量情報(個別残時間情報)を強調して出力する。したがって、オペレータは、新たな給糸パッケージPsを準備するタイミングが近い錘9を容易に把握することができる。よって、糸Yの供給が途絶えるのをさらに確実に抑制することができる。
また、上述の実施形態の糸加工設備100では、情報管理部110は、仮撚加工機1に関する情報を記憶可能に構成された機台記憶部5cと、結節部分Kが有る旨の結節情報を入力可能に構成された機台入力部5aと、を備える。そして、情報管理部110は、機台入力部5aから入力された結節情報を機台記憶部5cに記憶させる結節情報記憶処理と、機台記憶部5cに記憶された結節情報を取得する結節情報取得処理と、を行う。したがって、結節部分Kを検知するセンサ等を設ける必要がない。
さらに、上述の実施形態の糸加工設備100では、仮撚加工機1は、給糸パッケージ保持部20に装着された2つの給糸パッケージPsのうち、いずれの給糸パッケージPsから糸Yが解舒されているかを検知する解舒パッケージセンサ24を複数の錘9の各々に備えている。そして、情報管理部110は、解舒パッケージセンサ24により糸Yが解舒される給糸パッケージPsが切り替わったことが検知されたとき、機台記憶部5cに記憶されている結節情報を結節部分Kが無い旨の結節情報に変更する結節情報変更処理を行う。糸Yが解舒される給糸パッケージPsが解舒中パッケージから予備パッケージに切り替わるとき、結節部分Kが巻取パッケージPw側に供給される。したがって、解舒パッケージセンサ24により給糸パッケージ切替が起こったことが検知されたとき、結節情報を結節部分Kが無い旨の結節情報に変更することで、結節部分Kの有無を正確に把握することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態にかかる糸加工設備100mについて説明する。本実施形態の糸加工設備100mは、結節部分Kの有無に関する情報の取得手段が第1実施形態と異なっている。すなわち、第1実施形態の糸加工設備100は、オペレータにより結節部分Kの有無に関する情報が入力される機台入力部5aを備えている。一方、本実施形態の100mは、後で詳述するように結節部分Kの有無に関する情報を取得可能に構成された結節部分センサ53を備えている。以下、第1実施形態と共通する構成については、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態の糸加工設備100mにおいては、仮撚加工機1mの給糸部2mに結節部分センサ53が設けられている。結節部分センサ53は、各錘9mに設けられている。結節部分センサ53は、所定位置に静止するように配置された結節部分Kを検知可能に構成されている。
糸加工設備100mにおいては、給糸パッケージ保持部20の一方のパッケージ装着部21に装着されている給糸パッケージPsが空となった際に、オペレータが新たな給糸パッケージPs(予備パッケージ)の準備を行い、結節部分Kを所定位置に配置する。これにより、結節部分センサ53により結節部分Kが検知される。情報管理部110は、結節部分センサ53により結節部分Kが検知されたときに、結節部分Kが有ることを示す結節情報を機台記憶部5cに記憶する(結節情報記憶処理)。
その後、糸Yが解舒される給糸パッケージPsが解舒中パッケージから予備パッケージに切り替わるとき、結節部分Kが巻取パッケージPw側に供給される。すなわち、結節部分Kが所定位置から移動する。これにより、結節部分センサ53により結節部分Kが検知されなくなる。情報管理部110は、結節部分センサ53により結節部分Kが検知されなくなったときに、機台記憶部5cに記憶されている結節情報を、結節部分Kが無いことを示す結節情報に変更する(結節情報変更処理)。また、結節部分センサ53により結節部分Kが検知されなくなったときに、給糸パッケージ切替が起こったと判断できる。したがって、結節部分センサ53により結節部分Kが検知されなくなったときに、機台制御装置5は、上述したリセット処理を行う。
(第2実施形態の特徴)
以上のように、本実施形態の糸加工設備100mでは、上述の第1実施形態と同様に、糸Yの供給が途絶えるのを抑制し、糸Yの生産効率の低下を抑えることができる。
また、本実施形態の糸加工設備100mでは、結節部分センサ53により結節部分Kが検知されたとき、結節部分Kがある旨の結節情報を機台記憶部5cに記憶させる。したがって、オペレータが結節情報を入力する必要がないので、作業を簡略化することができる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
上述の実施形態では、情報管理部110が、個別残量情報取得処理及び個別残時間情報取得処理を実行する場合について説明したが、これには限定されない。情報管理部110は、個別残量情報取得処理及び個別残時間情報取得処理の一方のみを実行可能であってもよい。情報管理部110が個別残量情報取得処理のみを実行可能である場合、出力処理では残量列挙情報のみが出力される。情報管理部110が個別残時間情報取得処理のみを実行可能である場合、出力処理では残時間列挙情報のみが出力される。
また、上述の実施形態では、出力処理において、複数の錘9の各々についての複数の個別残量情報(個別残時間情報)を全て列挙した残量列挙情報(残時間列挙情報)を出力する場合について説明したが、これには限定されない。残量列挙情報は、複数の錘9の各々についての複数の個別残量情報の少なくとも1つを含むものであればよい。残時間列挙情報は、複数の錘9の各々についての複数の個別残時間情報の少なくとも1つを含むものであればよい。すなわち、図10に示す変形例にかかる列挙画面S1には、複数の錘9に対応する複数の個別残量情報(個別残時間情報)のうち、個別残量(個別残時間)が所定量Q(所定長さL)以下である個別残量情報(個別残時間情報)が列挙されている。本変形例では、2つの個別残量情報(個別残時間情報)が列挙されているが、これには限定されない。列挙画面S1に列挙される個別残量情報(個別残時間情報)の数は1つであってもよく、3つ以上であってもよい。また、例えば、列挙画面S1には、複数の錘9に対応する複数の個別残量情報(個別残時間情報)のうち、個別残量(個別残時間)が最も少ない個別残量情報(個別残時間情報)が列挙されてもよい。また、例えば、列挙画面S1には、複数の錘9に対応する複数の個別残量情報(個別残時間情報)のうち、個別残量(個別残時間)が少ない順に所定個数の個別残量情報(個別残時間情報)が列挙されてもよい。
さらに、上述の実施形態では、残量列挙情報や残時間列挙情報が機台制御装置5の機台出力部5bから出力される場合について説明したが、これには限定されない。残量列挙情報や残時間列挙情報は、機台制御装置5とLANやインターネットなどのネットワークを介して接続された端末(例えば、タブレット端末などのモバイル端末)のディプレイやスピーカに出力されてもよい。
また、上述の実施形態では、情報管理部110は、複数の機台制御装置5及び管理装置101を有するものとしたが、これには限られない。すなわち、情報管理部110は、機台制御装置5及び管理装置101以外のコンピュータ装置(不図示)を含んでいても良い。或いは、情報管理部110は、機台制御装置5又は管理装置101のみを有していても良い。
さらに、上述の実施形態では、情報管理部110は、全ての給糸パッケージPsに共通の初期量情報を予め記憶するものとした。しかしながら、これには限られない。情報管理部110は、任意の給糸パッケージPsの個体情報と当該給糸パッケージPsの初期量情報とを関連付けて記憶するように構成されていても良い。この場合、複数の給糸パッケージPsの初期量は互いに異なっていても良い。
加えて、上述の実施形態では、給糸パッケージ保持部20は2つの給糸パッケージPsを着脱可能に構成されている場合について説明したが、給糸パッケージ保持部20は3つ以上の給糸パッケージPsを着脱可能に構成されていてもよい。この場合も、上述の実施形態と同様に、個別残量情報取得処理では、現時点で給糸パッケージ保持部20から連続的に供給可能な糸Yの量である個別残量に関する個別残量情報を取得する。ここで、給糸パッケージ保持部20が3つの給糸パッケージPsを着脱可能に構成されている場合を例に具体的に説明する。情報管理部110が、解舒中パッケージに含まれる糸Yの終端部と該解舒中パッケージの次に糸Yが解舒される予備パッケージ(第1予備パッケージ)に含まれる糸Yの始端部との結節部分K1に加えて、該第1予備パッケージに含まれる糸Yの終端部と該第1予備パッケージの次に糸Yが解舒される予備パッケージ(第2予備パッケージ)に含まれる糸Yの始端部との結節部分K2がある旨の結節情報が取得された場合は、個別残量情報取得処理において、解舒中パッケージと第1予備パッケージと第2予備パッケージとの合計の糸Yの残量を個別残量情報として取得する。
また、上述の実施形態では、情報管理部110は、出力処理において昇順残量列挙情報(昇順残時間列挙情報)及び降順残量列挙情報(降順残時間列挙情報)を出力可能である場合について説明したが、これには限定されない。すなわち、情報管理部110は、出力処理において昇順残量列挙情報(昇順残時間列挙情報)のみを出力してもよい。また、情報管理部110は、出力処理において降順残量列挙情報(降順残時間列挙情報)のみを出力してもよい。
加えて、上述の実施形態では、ソート順入力ボタンB1を操作することで、複数の個別残量情報(個別残時間情報)のソート順を昇順と降順との間で切り替えることができる場合について説明したが、これには限定されない。すなわち例えば、一定時間毎にソート順の切り替えが行われるようにしてもよい。
さらに、上述の実施形態では、複数の個別残量情報(個別残時間情報)のうち、個別残量(個別残時間)が所定量Q(所定長さL)以下である個別残量情報(個別残時間情報)を強調して出力する場合について説明したが、強調出力は行われなくてもよい。
上述の実施形態では、オペレータが機台制御装置5の機台入力部5aにより結節情報を入力する場合について説明したが、これには限定されない。オペレータは、機台制御装置5とLANやインターネットなどのネットワークを介して接続された端末(例えば、タブレット端末などのモバイル端末)に設けられたタッチパッド、タッチパネル、キーボードや、該端末に接続されたマウス等により結節情報を入力してもよい。また、例えばクリールスタンド6において錘9毎に設けられた物理ボタン等により結節情報を入力してもよい。
また、上述の実施形態では、糸加工設備100は、複数の仮撚加工機1を備えるものとしたが、これには限られない。糸加工設備100は、1つの仮撚加工機1のみを備えていても良い。また、管理装置101が設けられていなくても良い。この場合、仮撚加工機1が、本発明の糸加工設備にも相当する。
さらに、上述の実施形態では、仮撚加工機1を備える糸加工設備100の代わりに、糸加工機を備える別の糸加工設備に適用されても良い。例えば、特開2002-088605号公報に記載されたエア加工機(糸加工機)を備える糸加工設備に対して本発明が適用されても良い。
1 仮撚加工機(糸加工機)
5a 機台入力部(結節情報入力部)
5b 機台出力部(出力部)
5b1 表示部
5b2 音出力部
5c 機台記憶部(記憶部)
9 錘(加工錘)
20 給糸パッケージ保持部
24 解舒パッケージセンサ
53 結節部分センサ
100 糸加工設備
110 情報管理部
B1 ソート順入力ボタン(ソート順入力部)
Bw 巻取ボビン
Ps 給糸パッケージ
PsA 解舒中パッケージ
PsB 予備パッケージ
Y 糸


本発明は、糸加工設備に関する。
特許文献1には、夫々1本の糸を加工する多数の加工ステーション(加工錘)を有する加工機(糸加工設備)が開示されている。かかる加工機においては、給糸ボビンに糸が巻かれて形成された給糸パッケージ(特許文献1では供給ボビンと記載されている)から解舒された糸を加工して巻取ボビンに巻き取り、巻成体(巻取パッケージ)を形成する。
各加工ステーションは、1つの巻取ボビンに対応して2つの給糸パッケージを支持可能に構成されている。2つの給糸パッケージのうち一方に含まれる糸の終端部と他方に含まれる糸の始端部とが結び合わされている(結節されている)場合に、上記一方が空になった後に上記他方から糸を途切れずに供給することが可能である。具体的には、上記一方の給糸パッケージからの糸の供給が終了した直後、2本の糸の糸結点(結節部分)が引っ張られることにより、上記他方の給糸パッケージから糸が解舒され始める。これにより、糸が途切れることなく供給される。
特表2003-526584号公報
糸の連続的な供給を実現するためには、2つの給糸パッケージのうちの一方が空になった後、他方の給糸パッケージから糸が解舒されている間に、新たな給糸パッケージの準備をする必要がある。具体的には、空の給糸ボビンを取り外して、新たな給糸パッケージを取り付ける。そして、解舒中の給糸パッケージに含まれる糸の終端部と、新たな給糸パッケージに含まれる糸の始端部とを結び合わせる。
しかしながら、多数の加工ステーションの各々について、新たなパッケージを準備するタイミングを把握することは困難である。新たなパッケージの準備が間に合わず糸の供給が途絶えた場合には、糸を加工する各装置への糸掛け作業等が必要となり、糸の生産効率が低下する。
本発明の目的は、糸の供給が途絶えるのを抑制し、糸の生産効率の低下を抑えることができる糸加工設備を提供することである。
第1の発明にかかる糸加工設備は、給糸パッケージから解舒される糸を加工して巻取ボビンに巻き取った巻取パッケージを形成可能に構成された加工錘を複数有する糸加工機と、前記糸加工機に関する情報を管理可能に構成された情報管理部と、を備える糸加工設備である。前記糸加工機は、糸が解舒中である解舒中パッケージと、前記解舒中パッケージとは別の予備パッケージと、を含む複数の給糸パッケージが着脱可能に構成され、前記解舒中パッケージに含まれる糸の終端部と前記予備パッケージに含まれる糸の始端部とが結節されている場合に糸を途切れずに供給可能に構成された給糸パッケージ保持部を、前記複数の加工錘の各々に備える。前記情報管理部は、前記糸加工機に関する情報を出力可能に構成された出力部と、前記解舒中パッケージに含まれる糸の終端部と前記予備パッケージに含まれる糸の始端部との結節部分の有無に関する情報である結節情報を取得可能に構成された結節情報取得部と、を備え、前記複数の加工錘の各々について、前記給糸パッケージ保持部に装着された前記給糸パッケージに含まれる糸の残量である個別残量に関する情報である個別残量情報を取得する個別残量情報取得処理と、前記個別残量情報取得処理で取得した前記複数の加工錘の各々についての複数の前記個別残量情報を列挙した残量列挙情報を前記出力部に出力させる出力処理と、を行い、前記個別残量情報取得処理が行われた場合において、前記結節情報取得部が、前記結節部分が有る旨の前記結節情報を取得した場合には、前記解舒中パッケージに含まれる糸の残量と、前記予備パッケージに含まれる糸の残量と、の合計の糸の残量を前記個別残量情報として取得し、前記結節情報取得部が、前記結節部分が有る旨の前記結節情報を取得していない場合には、前記解舒中パッケージに含まれる糸の残量を前記個別残量情報として取得する。
本発明の出力部は、例えば情報を閲覧可能なものであり、据え置き型のコンピュータ装置に接続されたディスプレイや、タブレット端末などのモバイル端末に設けられたディスプレイ等である。また、本発明の出力部は、例えば情報を聴取可能なものであり、据え置き型のコンピュータ装置に接続されたスピーカや、タブレット端末などのモバイル端末に取り付けられたスピーカ等である。
第1の発明では、出力処理において複数の加工錘の各々についての複数の個別残量情報を列挙した残量列挙情報が出力部に出力される。したがって、オペレータは、残量列挙情報に基づいて複数の加工錘の各々について新たな給糸パッケージを準備するタイミングを容易に把握することができる。よって、糸の供給が途絶えるのを抑制し、糸の生産効率の低下を抑えることができる。
第2の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記複数の加工錘の各々を識別する番号と、その加工錘に対応する前記個別残量情報と、を関連付けた前記残量列挙情報を前記出力部に出力させる
第2の発明では、オペレータは、加工錘を識別する番号により、残量列挙情報に含まれる各個別残量情報がどの加工錘のものであるかを容易に把握することができる。
第3の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記複数の加工錘に対応する前記複数の個別残量情報を、前記個別残量の少ない順でソートした残量列挙情報である昇順残量列挙情報又は前記個別残量の多い順でソートした残量列挙情報である降順残量列挙情報の何れかを前記出力部に出力させる
第3の発明では、出力処理において、複数の個別残量情報が個別残量が少ない順又は多い順に並べられる。したがって、オペレータは、複数の加工錘の各々について新たな給糸パッケージを準備するタイミングをいっそう容易に把握することができる。よって、糸の供給が途絶えるのをより確実に抑制することができる。
第4の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記複数の個別残量情報を前記個別残量の少ない順にソートする昇順ソート指示、及び、前記複数の個別残量情報を前記個別残量の多い順にソートする降順ソート指示と、を入力可能に構成されたソート順入力部を備え、前記出力処理において、前記ソート順入力部を介して前記昇順ソート指示が入力された場合には、前記昇順残量列挙情報を前記出力部に出力させ、前記ソート順入力部を介して前記降順ソート指示が入力された場合には、前記降順残量列挙情報を前記出力部に出力させる
第4の発明では、ソート順入力部を操作することで、複数の個別残量情報のソート順を昇順と降順との間で切り替えることができる。
第5の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記複数の加工錘に対応する複数の前記個別残量情報のうち、前記個別残量が所定量以下である1又は複数の前記個別残量情報を列挙した前記残量列挙情報を前記出力部に出力させる
第5の発明では、残量列挙情報として個別残量が所定量以下である個別残量情報が列挙されるので、オペレータは、新たな給糸パッケージを準備するタイミングが近い加工錘を容易に把握することができる。
第6の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記複数の加工錘に対応する前記複数の個別残量情報のうち、前記個別残量が所定量以下である1又は複数の前記個別残量情報を強調して前記出力部に出力させる
本発明における「強調して出力する」とは、一例として閲覧可能な情報を出力する場合は、例えば、強調すべき情報を示す文字を、それ以外の情報を示す文字に比べて太い文字で表示することである。また例えば、強調すべき情報を、それ以外の情報とは異なるサイズ又は色とすることである。また例えば、強調すべき情報を点滅させることである。また例えば、強調すべき情報を表示するエリアの背景を、それ以外の情報を表示するエリアの背景とは異なる色とすることである。また、別の一例として、聴取可能な情報を出力する場合は、例えば、強調すべき情報を示す音声を、それ以外の情報を示す音声に比べて大きな音声で発することである。また、例えば、強調すべき情報を示す音声と、それ以外の情報を示す音声との高さを変えることである。また、上述した複数の方法のうち少なくとも2つの方法を組み合わせることで強調して出力してもよい。
第6の発明では、個別残量が所定量以下である個別残量情報が強調して表示されるので、オペレータは、新たな給糸パッケージを準備するタイミングが近い加工錘を容易に把握することができる。
第7の発明にかかる糸加工設備では、前記出力部は、前記糸加工機に関する情報を表示可能に構成された表示部であり、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記残量列挙情報を前記表示部に表示させる。
本発明の表示部は、例えば情報を閲覧可能なものであり、据え置き型のコンピュータ装置に接続されたディスプレイや、タブレット端末などのモバイル端末に設けられたディスプレイ等である。
第7の発明では、オペレータは、表示部に表示された残量列挙情報に基づいて複数の加工錘の各々について新たな給糸パッケージを準備するタイミングを容易に把握することができる。
第8の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記残量列挙情報に含まれる前記複数の個別残量情報を、前記複数の加工錘の各々に備えられた給糸パッケージ保持部の配置に対応した配置で前記表示部に表示させる。
第8の発明では、オペレータは、表示部に表示された複数の個別残量情報の配置に基づいて、残量列挙情報に含まれる各個別残量情報がどの錘のものであるかを容易に把握することができる。
第9の発明にかかる糸加工設備では、前記出力部は、前記糸加工機に関する情報を音声により出力可能に構成された音出力部であり、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記残量列挙情報を前記音出力部に音声により出力させる。
第9の発明では、オペレータは、音出力部から音声により出力された残量列挙情報に基づいて複数の加工錘の各々について新たな給糸パッケージを準備するタイミングを容易に把握することができる。
第10の発明にかかる糸加工設備は、給糸パッケージから解舒される糸を加工して巻取ボビンに巻き取った巻取パッケージを形成可能に構成された加工錘を複数有する糸加工機と、前記糸加工機に関する情報を管理可能に構成された情報管理部と、を備える糸加工設備である。前記糸加工機は、糸が解舒中である解舒中パッケージと、前記解舒中パッケージとは別の予備パッケージと、を含む複数の給糸パッケージが着脱可能に構成され、前記解舒中パッケージに含まれる糸の終端部と前記予備パッケージに含まれる糸の始端部とが結節されている場合に糸を途切れずに供給可能に構成された給糸パッケージ保持部を、前記複数の加工錘の各々に備える。前記情報管理部は、前記糸加工機に関する情報を出力可能に構成された出力部と、前記解舒中パッケージに含まれる糸の終端部と前記予備パッケージに含まれる糸の始端部との結節部分の有無に関する情報である結節情報を取得可能に構成された結節情報取得部と、を備え、前記複数の加工錘の各々について、前記給糸パッケージ保持部に装着された前記給糸パッケージに含まれる糸が解舒され終わるまでの残時間である個別残時間に関する情報である個別残時間情報を取得する個別残時間情報取得処理と、前記個別残時間情報取得処理で取得した前記複数の加工錘の各々についての複数の前記個別残時間情報を列挙した残時間列挙情報を前記出力部に出力させる出力処理と、を行い、前記個別残時間情報取得処理が行われた場合において、前記結節情報取得部が、前記結節部分が有る旨の前記結節情報を取得した場合には、前記解舒中パッケージに含まれる糸が解舒され終わるまでの残時間と、前記予備パッケージに含まれる糸が解舒され終わるまでの残時間と、の合計の糸が解舒され終わるまでの残時間を前記個別残時間情報として取得し、前記結節情報取得部が、前記結節部分が有る旨の前記結節情報を取得していない場合には、前記解舒中パッケージに含まれる糸が解舒され終わるまでの残時間を前記個別残時間情報として取得する。
第10の発明では、出力処理において複数の加工錘の各々についての複数の個別残時間情報を列挙した残時間列挙情報が出力部に出力される。したがって、オペレータは、残時間列挙情報に基づいて複数の加工錘の各々について新たな給糸パッケージを準備するタイミングを容易に把握することができる。よって、糸の供給が途絶えるのを抑制し、糸の生産効率の低下を抑えることができる。
第11の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記複数の加工錘の各々を識別する番号と、その加工錘に対応する前記個別残時間情報と、を関連付けた前記残時間列挙情報を前記出力部に出力させる
第11の発明では、オペレータは、識別番号により、残時間列挙情報に含まれる各個別残時間情報がどの錘のものであるかを容易に把握することができる。
第12の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記複数の加工錘に対応する前記複数の個別残時間情報を、前記個別残時間の少ない順でソートした残時間列挙情報である昇順残時間列挙情報又は前記個別残時間の多い順でソートした残時間列挙情報である降順残時間列挙情報の何れかを前記出力部に出力させる
第12の発明では、出力処理において、複数の個別残時間情報が個別残時間が少ない順又は多い順に並べられる。したがって、オペレータは、複数の加工錘の各々について新たな給糸パッケージを準備するタイミングをいっそう容易に把握することができる。よって、糸の供給が途絶えるのをより確実に抑制することができる。
第13の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記複数の個別残時間情報を前記個別残時間の少ない順にソートする昇順ソート指示、及び、前記複数の個別残時間情報を前記個別残時間の多い順にソートする降順ソート指示と、を入力可能に構成されたソート順入力部を備え、前記出力処理において、前記ソート順入力部を介して前記昇順ソート指示が入力された場合には、前記昇順残時間列挙情報を前記出力部に出力させ、前記ソート順入力部を介して前記降順ソート指示が入力された場合には、前記降順残時間列挙情報を前記出力部に出力させる
第13の発明では、ソート順入力部を操作することで、複数の個別残時間情報のソート順を昇順と降順との間で切り替えることができる。
第14の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記複数の加工錘に対応する複数の前記個別残時間情報のうち、前記個別残時間が所定時間以下である1又は複数の前記個別残時間情報を列挙した前記残時間列挙情報を前記出力部に出力させる
第14の発明では、残時間列挙情報として個別残時間が所定時間以下である個別残時間情報が列挙されるので、オペレータは、新たな給糸パッケージを準備するタイミングが近い加工錘を容易に把握することができる。
第15の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記複数の加工錘に対応する前記複数の個別残時間情報のうち、前記個別残時間が所定時間以下である1又は複数の前記個別残時間情報を強調して前記出力部に出力させる
第15の発明では、個別残時間が所定時間以下である個別残時間情報が強調して表示されるので、オペレータは、新たな給糸パッケージを準備するタイミングが近い加工錘を容易に把握することができる。
第16の発明にかかる糸加工設備では、前記出力部は、前記糸加工機に関する情報を表示可能に構成された表示部であり、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記残時間列挙情報を前記表示部に表示させる。
第16の発明では、オペレータは、表示部に表示された残時間列挙情報に基づいて複数の加工錘の各々について新たな給糸パッケージを準備するタイミングを容易に把握することができる。
第17の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記残時間列挙情報に含まれる前記複数の個別残時間情報を、前記複数の加工錘の各々に備えられた給糸パッケージ保持部の配置に対応した配置で前記表示部に表示させる。
第17の発明では、オペレータは、表示部に表示された複数の個別残時間情報の配置に基づいて、残時間列挙情報に含まれる各個別残時間情報がどの錘のものであるかを容易に把握することができる。
第18の発明にかかる糸加工設備では、前記出力部は、前記糸加工機に関する情報を音声により出力可能に構成された音出力部であり、前記情報管理部は、前記出力処理において、前記残時間列挙情報を前記音出力部に音声により出力させる。
第18の発明では、オペレータは、音出力部から音声により出力された残時間列挙情報に基づいて複数の加工錘の各々について新たな給糸パッケージを準備するタイミングを容易に把握することができる。
第19の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記糸加工機に関する情報を記憶可能に構成された記憶部と、前記結節部分が有る旨の前記結節情報を入力可能に構成された結節情報入力部と、を備え、前記結節情報入力部から入力された前記結節情報を前記記憶部に記憶させる結節情報記憶処理と、前記記憶部に記憶された前記結節情報を前記結節情報取得部に取得させる結節情報取得処理と、を行う。
本発明の結節情報入力部は、例えば、据え置き型のコンピュータ装置に接続されたマウス、タッチパネル、キーボード等である。本発明の結節情報入力部は、例えば、タブレット端末などのモバイル端末に設けられたタッチパッド、タッチパネル、キーボードや、モバイル端末に接続されたマウス等である。本発明の結節情報入力部は、例えば、クリールスタンドにおいて加工錘毎に設けられた物理ボタン等である。
第19の発明では、結節情報入力部により結節部分が有る旨の結節情報を入力できるので、結節部分を検知するセンサ等を設ける必要がない。
第20の発明にかかる糸加工設備では、前記糸加工機は、前記給糸パッケージ保持部に装着された複数の前記給糸パッケージのうち、いずれの前記給糸パッケージから糸が解舒されているかを検知する解舒パッケージセンサを前記複数の加工錘の各々に備えており、前記情報管理部は、前記解舒パッケージセンサにより糸が解舒される給糸パッケージが切り替わったことが検知されたとき、前記記憶部に記憶された前記結節情報を、前記結節部分が有る旨の結節情報から前記結節部分が無い旨の結節情報に変更する結節情報変更処理を行う。
糸が解舒される給糸パッケージが解舒中パッケージから予備パッケージに切り替わるとき、結節部分が巻取パッケージ側に供給される。したがって、第20の発明では、解舒パッケージセンサにより糸か解舒される給糸パッケージが切り替わったことが検知されたとき、結節情報を結節部分が無い旨の結節情報に変更することで、結節部分の有無を正確に把握することができる。
第21の発明にかかる糸加工設備では、前記情報管理部は、前記糸加工機に関する情報を記憶可能に構成された記憶部と、前記結節部分を検知する結節部分センサと、を備え、前記結節部分センサにより前記結節部分が検知されたとき、前記結節部分がある旨の前記結節情報を前記記憶部に記憶させる結節情報記憶処理と、前記結節部分センサにより前記結節部分が検知されたくなったとき、前記記憶部に記憶された前記結節情報を、前記結節部分が有る旨の結節情報から前記結節部分が無い旨の結節情報に変更する結節情報変更処理と、前記記憶部に記憶された前記結節情報を前記結節情報取得部に取得させる結節情報取得処理と、を行う。
第21の本発明では、オペレータが結節情報を入力する必要がないので、作業を簡略化することができる。
第1実施形態にかかる糸加工設備の電気的構成を示すブロック図である。 仮撚加工機の側面図である。 糸の経路(糸道)に沿って仮撚加工機を展開した模式図である。 (a)、(b)は、給糸パッケージに含まれる糸の残量と時刻との関係を示すグラフであり、(c)は、巻取ボビンへの糸の巻取量と時刻との関係を示すグラフである。 (a)は列挙画面の第1画面を示し、(b)は列挙画面の第2画面の残時間列挙画面を示し、(c)は列挙画面の第2画面の残量列挙画面を示す。 準備判断情報の出力処理の手順を示すフローチャートの前半部分である。 準備判断情報の出力処理の手順を示すフローチャートの後半部分である。 個別残量情報取得処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態にかかる糸加工設備の仮撚加工機の模式図である。 変形例にかかる列挙画面を示す。
<第1実施形態>
(糸加工設備の概略)
本発明の第1実施形態について、図面を参照しつつ以下に説明する。まず、本実施形態に係る糸加工設備100の概略について、図1のブロック図を参照しつつ説明する。図1に示すように、糸加工設備100は、複数の仮撚加工機1(本発明の糸加工機)と、管理装置101とを有する。複数の仮撚加工機1は、例えば、所定の機台長手方向(図2等参照)に沿って配列されている。各仮撚加工機1は、例えばポリエステル、ナイロン(ポリアミド系繊維)等の合成繊維からなる糸Y(図2等参照)を仮撚加工可能に構成されている。糸Yは、例えば複数のフィラメント(不図示)からなるマルチフィラメント糸である。各仮撚加工機1は、後述するように、給糸部2から供給された糸Yを加工部3によって加工し、巻取部4に装着された巻取ボビンBwに巻き取って巻取パッケージPwを形成するように構成されている。各仮撚加工機1は、各仮撚加工機1に設けられたコンピュータ装置である機台制御装置5によって制御される。本実施形態においては、機台制御装置5は、後述するように各仮撚加工機1に含まれるスパン毎に設けられている。機台制御装置5は、複数のスパン毎に設けられていてもよい。機台制御装置5は、仮撚加工機1毎に設けられていてもよい。
管理装置101は、複数の機台制御装置5によって取得された情報を統括的に管理するためのホストコンピュータである。管理装置101は、管理入力部101a(例えばマウス及びキーボード)と、管理出力部101b(例えばディスプレイ)と、管理記憶部101c(例えばハードディスク)とを有する。管理装置101と複数の機台制御装置5とを合わせたものが、本実施形態の情報管理部110である。情報管理部110が取り扱う情報の詳細については後述する。
(仮撚加工機の全体構成)
次に、仮撚加工機1の全体構成について、図2及び図3を参照しつつ説明する。図2における紙面垂直方向が上述した機台長手方向である。図2における紙面左右方向を機台幅方向とする。機台長手方向及び機台幅方向の両方と直交する方向を、重力の作用する上下方向(鉛直方向)とする。糸Yが走行する方向を糸走行方向とする。仮撚加工機1は、複数の糸Yを供給するための給糸部2と、給糸部2から供給された複数の糸Yを加工する(仮撚加工する)加工部3と、加工部3によって加工された複数の糸Yを巻取ボビンBwに巻き取る巻取部4と、機台制御装置5と、を備える。
給糸部2は、複数の給糸パッケージPsを保持するクリールスタンド6を有し、加工部3に複数の糸Yを同時に供給することが可能に構成されている。加工部3は、給糸部2の給糸パッケージPsから糸Yを解舒して加工するように構成されている。加工部3は、糸走行方向における上流側から順に、第1フィードローラ11、撚止ガイド12、第1加熱装置13、冷却装置14、仮撚装置15、第2フィードローラ16、第2加熱装置17、第3フィードローラ18が配置された構成となっている。加工部3におけるこれらの構成要素は、例えば、後述する複数の錘9(図3参照)のそれぞれに設けられている。巻取部4は、複数の巻取装置19を有する。各巻取装置19は、加工部3で仮撚加工された糸Yを巻取ボビンBwに巻き取って巻取パッケージPwを形成する。また、巻取部4には、複数の巻取装置19にそれぞれに対応して、形成された巻取パッケージPwと新たな空の巻取ボビンBwとの交換作業を行う複数のオートドッファ10が設けられている。
機台制御装置5は、給糸部2、加工部3及び巻取部4の各構成要素を制御するためのものである。機台制御装置5は、例えば一般的な据え置き型又はモバイル型のコンピュータ装置である。機台制御装置5は、機台入力部5a(本発明の結節情報入力部)と、機台出力部5b(本発明の出力部)と、機台記憶部5c(本発明の記憶部)とを有する(図1参照)。
機台入力部5aは、オペレータによって操作されることが可能に構成されている。機台入力部5aは、例えば、不図示のマウス、タッチパネル、キーボードのうちの少なくとも1つで構成される。機台出力部5bは、情報を出力可能に構成されている。本実施形態においては、機台出力部5bは、表示部5b1及び音出力部5b2を有している。機台出力部5bは、表示部5b1のみを有していてもよい。機台出力部5bは、音出力部5b2のみを有していてもよい。表示部5b1は、閲覧可能な情報を表示可能に構成されている。表示部5b1の具体例としては、ディスプレイである。音出力部5b2は、聴取可能な情報を音声により出力可能に構成されている。音出力部5b2の具体例としては、スピーカである。機台記憶部5cは、給糸部2、加工部3及び巻取部4の構成要素を制御するための各種情報を記憶するように構成されている。
機台制御装置5は、各種情報に基づき、給糸部2、加工部3及び巻取部4の構成要素を制御する。或いは、機台制御装置5は、給糸部2、加工部3及び巻取部4の各構成要素を制御するための各種制御装置(不図示)を介して、これらの構成要素を間接的に制御しても良い。機台制御装置5には、ホストコンピュータである管理装置101が電気的に接続されている。管理装置101は、機台制御装置5が取得した情報を利用し、後述する種々の判断及び/又は演算を行うことが可能である。
複数の仮撚加工機1の各々は、機台幅方向に間隔を置いて配置された主機台7及び巻取台8を有する。主機台7及び巻取台8は、機台長手方向に略同じ長さに延びるように設けられている。主機台7及び巻取台8は、機台幅方向において互いに対向するように配置されている。仮撚加工機1は、1組の主機台7及び巻取台8を含む、スパンと呼ばれる単位ユニットを有する。1つのスパンにおいては、機台長手方向に並んだ状態で走行する複数の糸Yに対して、同時に仮撚加工を施すことができるように各装置が配置されている。仮撚加工機1は、このスパンが、主機台7の機台幅方向の中心線Cを対称軸として、紙面左右対称に配置されている(主機台7は、左右のスパンで共通のものとなっている)。また、複数のスパンが、機台長手方向に配列されている。
また、1本の糸Yが給糸部2から供給されて巻取部4に到達するまでに通る構成要素のグループは、「錘」と呼ばれる。言い換えると、複数の仮撚加工機1の各々は、各仮撚加工機1が有する複数の巻取装置19の数と同じ数の錘9(本発明の加工錘。図3参照)を有する。例として、図3には2つの錘9(錘9A、9B)が記載されている。複数の錘9は、大まかに言えば、機台長手方向に沿って並べて配置されている。包含関係として、仮撚加工機1は複数のスパンを有し、各スパンは複数の錘9を有する。仮撚加工機1は、糸Yが掛けられた錘9において、糸Yを仮撚加工可能である。
(給糸部)
給糸部2の構成について、図2及び図3を参照しつつ説明する。給糸部2のクリールスタンド6は、複数の錘9にそれぞれ対応して設けられた複数の給糸パッケージ保持部20を有する。図2に示すように、クリールスタンド6においては、3つの給糸パッケージ保持部20が上下に並んで設けられている。本実施形態においては、各スパンにおいて、上下に3つ並んだ給糸パッケージ保持部20の列が、機台長手方向に4列配置されている。
複数の給糸パッケージ保持部20の各々は、2つの給糸パッケージPsが着脱されるように構成されている。すなわち、図3に示すように、給糸パッケージ保持部20は、2つのパッケージ装着部21を有する。説明の便宜上、2つのパッケージ装着部21の一方を第1装着部22と呼び、他方を第2装着部23と呼ぶ。第1装着部22及び第2装着部23は、それぞれ、1つの給糸パッケージPsが着脱されることが可能に構成されている。パッケージ装着部21への給糸パッケージPsの着脱は、オペレータによって行われる。
給糸部2の各給糸パッケージ保持部20は、以下のようにして、糸Yを途切れずに供給することが可能に構成されている。例えば、図3に示すように、複数の給糸パッケージPsのうちの任意の1つである給糸パッケージPsAが、第1装着部22に装着されている。また、給糸パッケージPsAとは別の給糸パッケージPsBが、第2装着部23に装着されている。給糸パッケージPsAから糸Yが解舒されているとき、給糸パッケージPsAは、本発明の解舒中パッケージに相当する。また、このとき、給糸パッケージPsBは、本発明の予備パッケージに相当する。また、給糸パッケージPsAに含まれる糸Yの終端部と、給糸パッケージPsBに含まれる糸Yの始端部とが結節されている(接続されている)。これにより、2本の糸Yの間に結節部分Kが形成されている。
このような場合、給糸パッケージPsAが空になった後に、給糸パッケージPsBから糸Yを途切れずに供給することが可能である。具体的には、給糸パッケージPsAからの糸Yの供給が終了して給糸パッケージPsAが空になった直後、結節部分Kが糸走行方向下流側(巻取装置19側)へ引っ張られることにより、給糸パッケージPsBから糸Yが解舒される。つまり、一方のパッケージ装着部21に装着された給糸パッケージPsから糸Yが解舒され終わった後、他方のパッケージ装着部21に装着された次の給糸パッケージPsから糸Yが解舒され始める。以下、説明の便宜上、このような事象を給糸パッケージ切替と呼ぶ。これにより、糸Yが途切れることなく供給される。その後、空になった給糸パッケージPs(給糸ボビンBs)は、オペレータによって新しい給糸パッケージPsと交換される。
各給糸パッケージ保持部20の糸走行方向下流側には、解舒パッケージセンサ24が配置されている。解舒パッケージセンサ24は、第1装着部22及び第2装着部23のうちどちらに装着された給糸パッケージPsから糸Yが解舒されているか検知可能に構成されている。図3に示すように、解舒パッケージセンサ24は、第1検知部25と、第2検知部26とを有する。第1検知部25は、第1装着部22に装着された給糸パッケージPsから糸Yが解舒されているか否か検知可能に構成されている。第2検知部26は、第2装着部23に装着された給糸パッケージPsから糸Yが解舒されているか否か検知可能に構成されている。第1検知部25及び第2検知部26は、例えば、それぞれが糸Yを光学的に検知する光学センサである。解舒パッケージセンサ24のより詳細については、例えば特許第5873105号公報を参照されたい。或いは、第1検知部25及び第2検知部26は、例えば、接触式のセンサであっても良い。
(加工部)
加工部3の構成について、図2及び図3を参照しつつ説明する。以下では、加工部3のうち、1つの錘9に対応する部分のみ説明する。
第1フィードローラ11は、給糸部2に装着された給糸パッケージPsから糸Yを解舒して第1加熱装置13へ送るように構成されている。第1フィードローラ11による糸Yの搬送速度は、給糸パッケージPsから糸Yが解舒される解舒速度Vu(図3参照)と略等しい。第1フィードローラ11による糸Yの搬送速度の設定値の情報は、例えば機台制御装置5に予め記憶されている。撚止ガイド12は、仮撚装置15で糸Yに付与された撚りが、撚止ガイド12よりも糸走行方向上流側に伝播しないように構成されている。
第1加熱装置13は、第1フィードローラ11から送られてきた糸Yを加熱するように構成されている。本実施形態においては、説明の簡略化のため、第1加熱装置13は1本の糸Yを加熱するように構成されているものとするが、これには限られない。第1加熱装置13は、複数の糸Yを同時に加熱可能に構成されていても良い。
冷却装置14は、第1加熱装置13で加熱された糸Yを冷却するように構成されている。本実施形態においては、説明の簡略化のため、冷却装置14は1本の糸Yを冷却するように構成されているものとするが、これに限られない。冷却装置14は、複数の糸Yを同時に冷却可能に構成されていても良い。
仮撚装置15は、糸Yに撚りを付与するように構成されている。仮撚装置15は、例えば、いわゆるディスクフリクション方式の仮撚装置であるが、これには限られない。第2フィードローラ16は、仮撚装置15で処理された糸Yを第2加熱装置17へ送るように構成されている。第2フィードローラ16による糸Yの搬送速度は、第1フィードローラ11による糸Yの搬送速度よりも速い。これにより、糸Yは、第1フィードローラ11と第2フィードローラ16との間で延伸される。第2フィードローラ16による糸Yの搬送速度の設定値の情報は、例えば機台制御装置5に予め記憶されている。
第2加熱装置17は、第2フィードローラ16から送られてきた糸Yを加熱するように構成されている。第2加熱装置17は、鉛直方向に沿って延びている。説明の簡略化のため、第2加熱装置17は1本の糸Yを加熱するように構成されているものとするが、これには限られない。第2加熱装置17は、複数の糸Yを同時に加熱可能に構成されていても良い。
第3フィードローラ18は、第2加熱装置17によって加熱された糸Yを巻取装置19へ送るように構成されている。第3フィードローラ18による糸Yの搬送速度は、第2フィードローラ16による糸Yの搬送速度よりも遅い。糸Yは、第2フィードローラ16と第3フィードローラ18との間で弛緩される。第3フィードローラ18による糸Yの搬送速度の設定値の情報は、例えば機台制御装置5に予め記憶されている。
以上のように構成された加工部3では、第1フィードローラ11と第2フィードローラ16との間で延伸された糸Yが、仮撚装置15によって撚られる。仮撚装置15により形成される撚りは、撚止ガイド12までは伝播するが、撚止ガイド12よりも糸走行方向上流側には伝播しない。延伸されつつ撚りが付与された糸Yは、第1加熱装置13で加熱されて熱固定された後、冷却装置14で冷却される。仮撚装置15から下流では糸Yは解撚されるが、上記の熱固定によって各フィラメントが波状に仮撚りされた状態が維持される。さらに、仮撚装置15によって仮撚りが施された糸Yは、第2フィードローラ16と第3フィードローラ18との間で弛緩されながら、第2加熱装置17で熱固定された後、糸走行方向における下流側へ案内される。最後に、第3フィードローラ18から送られた糸Yは、巻取装置19によって巻取ボビンBwに巻き取られる。これにより、巻取パッケージPwが形成される。
(巻取部)
巻取部4の構成について、図2及び図3を参照しつつ説明する。以下では、巻取部4のうち、1つの錘9に対応する部分のみ説明する。
巻取装置19は、支点ガイド31と、トラバース装置32と、クレードル33と、巻取ローラ34とを有する。支点ガイド31は、糸Yがトラバースされる際の支点となるガイドである。トラバース装置32は、例えば、モータにより往復駆動される無端ベルトに取り付けられたトラバースガイド35によって糸Yを綾振りするように構成されている。クレードル33は、巻取ボビンBw(巻取パッケージPw)を回転自在に支持可能に構成されている。巻取ローラ34は、巻取パッケージPwを回転させ、且つ、巻取パッケージPwの表面に接圧を付与するように構成されている。巻取ローラ34は、例えば、巻取パッケージPwの表面に接触した状態で、不図示のモータによって回転駆動される。これにより、巻取パッケージPwが摩擦力により従動回転するとともに、巻取パッケージPwの表面に接圧が付与されて巻取パッケージPwの形状が整えられる。なお、巻取ローラ34が回転駆動される代わりに、巻取パッケージPwが不図示のモータによって直接回転駆動されても良い。
オートドッファ10は、巻取パッケージPwを巻取装置19から取り外し、空の巻取ボビンBwを巻取装置19に装着するように構成されている。言い換えれば、オートドッファ10は、巻取部4において、形成終了後の巻取パッケージPwと空の巻取ボビンBwとを交換可能に構成されている。また、オートドッファ10は、巻取パッケージPwの近傍において糸Yを切断可能な不図示のカッタを有する。走行中の糸Yがカッタによって切断されることにより、巻取パッケージPwの形成が終了する。ここで、カッタによる糸切断後にも、糸Yは、巻取ボビンBwに巻き取られるときと略等しい速度で給糸パッケージPsから解舒され、巻取装置19側へ供給され続ける。オートドッファ10は、巻取パッケージPwの形成終了後、次の巻取ボビンBwへの糸Yの巻取開始までの間、巻取装置19に供給されてくる走行中の糸Yを吸引捕捉して保持可能な不図示のサクションを有する。次に糸Yが巻き取られる巻取ボビンBwに糸Yが掛けられるまでの間、糸Yのうちサクションによって吸引された部分は吸引除去される。オートドッファ10の構造等のより詳細については、例えば特開平6-212521号公報を参照されたい。
また、オートドッファ10は、ストッカー10aを有する。ストッカー10aは、形成され終わって巻取装置19から取り外された巻取パッケージPwを一時的に保管可能に構成されている。ストッカー10aに保管された巻取パッケージPwは、オペレータによって回収される。
また、巻取装置19の近傍には、例えば不図示の糸掛装置が設けられている。糸掛装置は、巻取装置19に装着された空の巻取ボビンBwに糸Yを掛けるように構成されている。
以上のように構成された巻取部4では、上述した第3フィードローラ18から送られた糸Yが各巻取装置19によって巻取ボビンBwに巻き取られ、巻取パッケージPwが形成される(巻取処理)。オートドッファ10のカッタによって糸Yが切断されることにより、巻取ボビンBwへの糸Yの巻取処理が終了する。それとほぼ同時に、巻取装置19へ供給されてくる糸Yがサクションによって吸引保持され、オートドッファ10によって巻取パッケージPwがクレードル33から取り外される。その直後、オートドッファ10によって新しい空の巻取ボビンBwがクレードル33に装着される。さらに、糸掛装置によって新しい巻取ボビンBwに糸Yが掛けられる。これにより、新しい巻取ボビンBwに糸Yを巻き取り始めることが可能である。
上述のような構成により、仮撚加工機1の各錘9においては、給糸部2から糸Yを連続的に供給して加工部3で仮撚加工を施した後に、巻取部4において次々に巻取パッケージPwを形成することが可能となっている。しかしながら、給糸部2の給糸パッケージ保持部20に装着された全ての給糸パッケージPsの糸Yの残量がゼロとなると、給糸部2から糸Yの供給が途絶える。糸Yの供給が途絶えた場合には、給糸部2の給糸パッケージ保持部20に装着した給糸パッケージPsから引き出した糸Yを、加工部3の各構成要素に掛ける糸掛け作業等が必要となる。これにより、糸Yの生産効率が低下してしまう。
したがって、糸Yの供給が途絶えることがないように、オペレータは、給糸パッケージ保持部20の一方のパッケージ装着部21に装着されている給糸パッケージPsが空となった後、他方のパッケージ装着部21に装着されている給糸パッケージPsの糸Yの残量がゼロとなる前に、新たな給糸パッケージPsの準備を行う必要がある。新たな給糸パッケージPsの準備とは、具体的には、一方のパッケージ装着部21に装着されている空の給糸パッケージPs(給糸ボビンBs)を取り外して、新たな給糸パッケージPsを取り付ける。そして、他方のパッケージ装着部21に装着されている解舒中の給糸パッケージPsに含まれる糸の終端部と、一方のパッケージ装着部21に装着された新たな給糸パッケージPsに含まれる糸の始端部とを結節する。
従来の設備においては、複数の錘9の各々について、新たな給糸パッケージPsを準備するタイミングを把握することは困難である。すなわち例えば、オペレータは、各錘9の給糸パッケージ保持部20に装着されている給糸パッケージPsを目視等により確認し、複数の錘9のうち何れの錘9から新たな給糸パッケージPsの準備をすべきかを判断する必要がある。
そこで、情報管理部110は、後述するような情報処理を行うことで得られた情報に基づいて、複数の錘9のうち何れの錘9から新たな給糸パッケージPsの準備をすべきかの判断に供する情報を機台出力部5bに出力させる。具体的には、情報管理部110は、後述する残量列挙情報及び残時間列挙情報を機台出力部5bに出力させる。情報管理部110は、具体例として、図4(a)~(c)のグラフに示す事象に関する各種情報を取得し、管理する。なお、以下では、特に断らない限り、複数の錘9のうち1つの所定の錘9に限定して説明を進める。
(事象の具体例)
情報管理部110が取得する情報について具体的に説明する前に、後の説明を理解するための助けとなるように、前提として、図4(a)~(c)のグラフに例示される事象と、各事象が起こった時刻について説明する。情報管理部110は、図4(a)~(c)のグラフに示される事象の少なくとも一部に関する情報を取得する(詳細は後述する)。ここで説明する各時刻は、何らかの手段によって予測された時刻ではなく、各事象が実際に起こる時刻であるものとする。
図4(a)は、第1装着部22に装着された給糸パッケージPs(具体的には給糸パッケージPs1、Ps3)に含まれる糸Yの残量(縦軸)と時刻(横軸)との関係を示すグラフである。図4(b)は、第2装着部23に装着された給糸パッケージPs(具体的には給糸パッケージPs2、Ps4)に含まれる糸Yの残量(縦軸)と時刻(横軸)との関係を示すグラフである。図4(c)は、巻取ボビンBw(具体的には巻取ボビンBw1、Bw2、Bw3、Bw4、Bw5、Bw6)への糸Yの巻取量(縦軸)と時刻(横軸)との関係を示すグラフである。図4(a)~(c)のいずれのグラフにおいても、巻取ボビンBw1に糸Yが巻き取られ始める時刻t0が原点である。また、本実施形態においては、各給糸パッケージPsから糸Yが一度も解舒されていない状態(すなわち、満巻の状態)における各給糸パッケージPsの重量(初期重量)は、いずれもWFである。
まず、時刻t0において、第1装着部22には給糸パッケージPs1が装着されている。第2装着部23には給糸パッケージPs2が装着されている。給糸パッケージPs1に含まれる糸Yの残重量はW0である(WFよりも少ない)。給糸パッケージPs2に含まれる糸Yの残重量はWFである。給糸パッケージPs1に含まれる糸Yの終端部と、給糸パッケージPs2に含まれる糸Yの始端部とが結節されており、結節部分Kが形成されている。
時刻t0(時刻ts1)において、オートドッファ10による巻取ボビンBw1のクレードル33への装着が完了し、巻取ボビンBw1に糸が巻き取られ始める。つまり、時刻ts1は、巻取ボビンBw1に糸Yが巻き取られ始めた巻取開始時刻である。このとき、給糸パッケージPs1から糸Yが解舒される。時間が経つにつれて、給糸パッケージPs1に含まれる糸Yの残量(残重量)が減り、巻取ボビンBw1に巻き取られた糸Yの巻取量(巻取重量)が増える。時刻te1において、オートドッファ10のカッタによって糸Yが切断されることにより、巻取ボビンBw1への糸Yの巻取処理が終了する。つまり、時刻te1は、巻取ボビンBw1に糸Yが巻き取られ終わった巻取終了時刻である。巻取ボビンBw1には、給糸パッケージPs1から供給された糸Yのみが巻き取られている。カッタによる糸Yの切断、サクションによる糸Yの吸引捕捉及び巻取ボビンBw1(巻取パッケージPw1)のクレードル33からの取外しが、ほぼ同時に行われる。次に、時刻te1の直後の時刻ts2において、オートドッファ10による巻取ボビンBw2のクレードル33への装着が完了し、巻取ボビンBw2への糸Yの巻取りが開始される。巻取ボビンBw1に係る巻取終了時刻(時刻te1)と、巻取ボビンBw1の次に糸Yが巻き取られる巻取ボビンBw2に係る巻取開始時刻(時刻ts2)との間には、わずかなタイムラグtLがある。
時刻ts2よりも後の時刻ta1において、第1装着部22に装着された給糸パッケージPs1が空になる。給糸パッケージPs1が空になるのと同時に、時刻tb1(=時刻ta1)において、給糸パッケージPs1に含まれる糸Yと給糸パッケージPs2に含まれる糸Yとが結節されて形成された結節部分Kが巻取装置19側へ引っ張られる。これにより、第2装着部23に装着された給糸パッケージPs2から糸Yが最初に解舒される。さらに、時刻te2において巻取ボビンBw2への糸Yの巻取処理(巻取パッケージPw2の形成)が終了し、時刻ts3において巻取ボビンBw3への糸Yの巻取処理が開始される。時刻te3において巻取ボビンBw3への糸Yの巻取処理(巻取パッケージPw3の形成)が終了する。
また、時刻ta1よりも後、且つ、給糸パッケージPs2が空になる前の時刻ta2において、オペレータによって、第1装着部22からの給糸パッケージPs1の取外しと、第1装着部22への給糸パッケージPs3の装着とが行われる。この時の給糸パッケージPs3の残重量はWFである。その後、給糸パッケージPs2に含まれる糸Yの終端部と給糸パッケージPs3に含まれる糸Yの始端部とがオペレータによって結節され、結節部分Kが形成される。結節の作業は、オペレータの手作業で行われても良い。或いは、結節の作業は、例えば持ち運び可能な不図示の結節装置をオペレータが操作することによって行われてもよい。
その後の事象について簡単に説明する。巻取部4に関する事象は以下のとおりである。時刻ts4から時刻te4まで巻取ボビンBw4に糸Yが巻き取られる(巻取パッケージPw4が形成される)。時刻ts5から時刻te5まで巻取ボビンBw5に糸Yが巻き取られる(巻取パッケージPw5が形成される)。時刻ts6から時刻te6まで巻取ボビンBw6に糸Yが巻き取られる(巻取パッケージPw6が形成される)。また、給糸部2に関する事象は以下のとおりである。時刻ts4と時刻te4との間の時刻tb2(=時刻ta3)において、給糸パッケージPs2が空になり、給糸パッケージPs3から糸Yが解舒され始める。その後、時刻tb3において、給糸パッケージPs2が給糸パッケージPs4と交換される。時刻ts6と時刻te6との間の時刻ta4(=時刻tb4)において、給糸パッケージPs3が空になり、給糸パッケージPs4から糸Yが解舒され始める。
(給糸パッケージの基本情報)
上記の事象を考慮した上で、まず、情報管理部110が取得する、給糸パッケージPsの基本情報について説明する。情報管理部110は、給糸パッケージPsの基本情報として、例えば、各給糸パッケージPsの初期量情報と、解舒単位量情報と、積算時間情報とを取得する。これらの情報は、各給糸パッケージPsの管理情報(詳細については後述)を取得するために利用されることが可能である。
初期量情報は、糸Yが解舒され始める前の給糸パッケージPsに含まれる糸Yの初期量(初期重量又は初期長)に関する情報である。初期量情報は、例えば、1つの仮撚加工機1の全ての錘9の全ての給糸パッケージPsに係る共通の情報として、機台制御装置5において予め設定されている。より具体的な情報として、本実施形態では、上述した初期重量(つまり、WF)の情報と、糸Yの繊度(単位長さあたりの重量)の情報が、初期量情報として機台制御装置5に記憶されている。給糸パッケージPsの重量の単位は、例えばkgである。また、糸Yの繊度をFとする。繊度の単位は、例えばdtex(デシテックス)である。デシテックスは、10000メートルあたりの糸Yの重量(g)である。
解舒単位量情報は、給糸パッケージPsから単位時間あたり解舒される糸Yの量に関する情報である。解舒単位量情報は、例えば、上述した解舒速度Vuの情報である。本実施形態では、説明の便宜上、巻取処理中の解舒速度Vuが略一定であるものとする。解舒速度の単位は、例えばm/minである。解舒単位量情報は、例えば、1つの仮撚加工機1の全ての錘9における共通の情報として、機台制御装置5において予め設定されている。機台制御装置5は、例えば、第1フィードローラ11の回転数の設定値の情報に基づいて、解舒速度Vuの情報を取得する。
積算時間情報は、給糸パッケージPsから糸Yが解舒された時間の積算値(積算時間)に関する情報である。説明の便宜上、糸Yが解舒されている給糸パッケージPsに係る積算時間をtinUと呼ぶ。積算時間情報は以下のようにして取得される。巻取処理中に、機台制御装置5は、解舒パッケージセンサ24による検知結果に基づき、糸Yを供給している給糸パッケージPsが切り替わる給糸パッケージ切替が起こったかどうか判断する。例えば、図4(a)、(b)を参照したとき、給糸パッケージPs1からの糸Yが解舒され終わり(解舒終了)、且つ、給糸パッケージPs2から糸Yが最初に解舒される事象が、給糸パッケージ切替である。解舒パッケージセンサ24の状態が、第1検知部25及び第2検知部26の一方によって糸Yを検知している状態から、第1検知部25及び第2検知部26の他方によって糸Yを検知している状態に切り替わったとき、機台制御装置5は、給糸パッケージ切替が起こったと判断する。機台制御装置5は、給糸パッケージ切替が起こったと判断したとき、機台制御装置5は、tinUを所定の初期時間にする(リセット処理)。初期時間は、例えばゼロである。機台制御装置5は、給糸パッケージPs2から糸Yが解舒され始めた解舒開始時刻(すなわち、時刻ta1)の情報を取得し、記憶しても良い。
その後、機台制御装置5は、給糸パッケージPs2から糸Yが解舒されているときに、時間の経過に応じてtinUを増加させる(tinUを更新する)。また、例えば給糸パッケージPs2からの糸Yの解舒が糸切れ等の理由により一時停止されたとき、機台制御装置5は、tinUの更新を一時停止させる。このようにして、機台制御装置5は、給糸パッケージPs2から糸Yが解舒された積算時間の情報を取得する。同様に、給糸パッケージPs2からの糸Yが解舒され終わり、給糸パッケージPs3から糸Yが解舒され始めたときにも、機台制御装置5は、解舒パッケージセンサ24による検知結果に基づき、上述したリセット処理を行う(tinUを初期時間にする)。その後、機台制御装置5が時間の経過に応じてtinUを更新することにより、給糸パッケージPs3から糸Yが解舒された積算時間の情報が取得される。このように、機台制御装置5は、任意の給糸パッケージPsから糸Yが解舒されているときに、当該給糸パッケージPsに係る積算時間情報を取得することができる。
以上のようにして、情報管理部110によって、初期量情報、解舒単位量情報及び積算時間情報が、給糸パッケージPsの基本情報として取得される。
(新たな給糸パッケージの準備に関する情報)
上述のように、オペレータは、給糸パッケージ保持部20の一方のパッケージ装着部21に装着されている給糸パッケージPsが空となった後、他方のパッケージ装着部21に装着されている給糸パッケージPsの糸Yの残量がゼロとなる前に、新たな給糸パッケージPsの準備を行う必要がある。ここでは、新たな給糸パッケージPsの準備が行われた場合に情報管理部110が取得する情報について説明する。新たな給糸パッケージPsの準備を行う場合、まずオペレータは、一方のパッケージ装着部21に装着されている空の給糸パッケージPsを取り外し、新しい給糸パッケージPsを当該一方のパッケージ装着部21に装着する。さらに、オペレータは、当該新しい給糸パッケージPsに含まれる糸Yの始端部を、他方のパッケージ装着部21に装着された給糸パッケージPsに含まれる糸Yの終端部と結び、結節部分Kを形成する。その後、オペレータは、結節部分Kが有ることを示す結節情報を機台入力部5aを介して機台制御装置5に入力する。すなわち、機台入力部5aは、本発明の結節情報入力部として機能する。
機台制御装置5の機台記憶部5cには、結節部分Kの有無に関する情報である結節情報が記憶されている。機台制御装置5は、機台入力部5aを介して結節部分Kが有ることを示す結節情報が入力されたときに、機台記憶部5cに記憶されている結節情報を結節部分Kが無いことを示す結節情報から結節部分Kが有ることを示す結節情報に変更する(結節情報記憶処理)。その後、給糸パッケージ切替が起こったとき、機台制御装置5は機台記憶部5cに記憶されている結節情報を結節部分Kが無いことを示す結節情報に変更する(結節情報変更処理)。
すなわち、機台記憶部5cに記憶されている結節情報が結節部分Kが有ることを示す結節情報である場合は、解舒中パッケージの次に糸Yが解舒される給糸パッケージPs(予備パッケージ)の準備ができている。また、機台記憶部5cに記憶されている結節情報が結節部分Kが無いことを示す結節情報である場合は、解舒中パッケージの次に糸Yが解舒される給糸パッケージPs(予備パッケージ)の準備ができていない。
(給糸パッケージの管理情報の取得方法)
次に、情報管理部110が給糸パッケージPsの管理情報を取得する方法の例について説明する。本実施形態では、給糸パッケージPsの管理情報は、各錘9における糸Yの残量である個別残量に関する個別残量情報を含む。また、本実施形態では、給糸パッケージPsの管理情報は、各錘9において糸Yが解舒され終わるまでの残時間である個別残時間に関する個別残時間情報を含む。情報管理部110は、複数の仮撚加工機1の各々に含まれる複数の錘9の各々について、個別残量情報及び個別残時間情報を取得する。
個別残量は、任意時刻Tにおいて給糸パッケージ保持部20に装着されている1又は2つの給糸パッケージPsに含まれる糸Yの残量である。本実施形態においては、個別残量は、給糸パッケージPsに含まれる糸Yの残重量の割合(つまり、初期重量に対する残重量の割合(パーセンテージ))である。個別残量は、給糸パッケージPsに含まれる糸Yの残重量であっても良い。或いは、個別残量は、給糸パッケージPsに含まれる糸Yの残長であっても良い。個別残時間は、任意時刻Tにおいて給糸パッケージ保持部20に装着されている1又は2つの給糸パッケージPsに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間である。
情報管理部110は、機台記憶部5cに記憶されている結節情報を取得し、該結節情報に基づいて個別残量情報を取得する。すなわち、情報管理部110は、結節部分Kが有ることを示す結節情報を取得した場合は、解舒中パッケージに含まれる糸Yの残量と、予備パッケージに含まれる糸Yの残量と、の合計の糸Yの残量を個別残量情報として取得する。また、情報管理部110は、結節部分Kが無いことを示す結節情報を取得した場合は、解舒中パッケージに含まれる糸Yの残量を個別残量情報として取得する。すなわち、個別残量は、現時点で給糸パッケージ保持部20から連続的に供給可能な糸Yの量である。個別残量情報にかかる個別残量が少ないほど、新たな給糸パッケージPsを準備するタイミングが近い。
予備パッケージはまだ解舒されていないので、予備パッケージに含まれる糸Yの残量は、100%である。解舒中パッケージに含まれる糸Yの残重量をWrとしたとき、Wrの値は、任意時刻TにおけるtinUの値を利用して、例えば下記の式1に基づいて算出されることが可能である。下記の式1中のAは、括弧内の式に基づく計算結果の単位をkgにするための係数である。
Wr=WF-(A×Vu×F×tinU)・・・・(式1)
情報管理部110が結節部分Kが有ることを示す結節情報を取得した場合の個別残量(残重量の割合)、すなわち、解舒中パッケージに含まれる糸Yの残重量と、予備パッケージに含まれる糸Yの残重量と、の合計の糸Yの残重量の割合は、下記の式2により算出される。
{(Wr/WF)×100}+100・・・・(式2)
また、情報管理部110が結節部分Kが無いことを示す結節情報を取得した場合の個別残量(残重量の割合)は、すなわち、解舒中パッケージに含まれる糸Yの残重量の割合は、下記の式3により算出される。
(Wr/WF)×100・・・・(式3)
情報管理部110は、機台記憶部5cに記憶されている結節情報を取得し、該結節情報に基づいて個別残時間情報を取得する。すなわち、情報管理部110は、結節部分Kが有ることを示す結節情報を取得した場合は、解舒中パッケージに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間と、予備パッケージに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間と、の合計の糸Yが解舒され終わるまでの残時間を個別残時間情報として取得する。また、情報管理部110は、結節部分Kが無いことを示す結節情報を取得した場合は、解舒中パッケージに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間を個別残時間情報として取得する。すなわち、個別残時間は、現時点で給糸パッケージ保持部20から連続的に糸Yを解除可能な残時間である。個別残時間情報にかかる個別残時間が少ないほど、新たな給糸パッケージPsを準備するタイミングが近い。
情報管理部110は、各錘9での任意時刻Tにおける解舒中パッケージに含まれる糸Yの残重量(Wr)と、予備パッケージに含まれる糸Yの残重量(WF)と、に基づいて、複数の錘9の各々についての個別残時間を算出しても良い。
情報管理部110が結節部分Kが有ることを示す結節情報を取得した場合の個別残時間、すなわち、解舒中パッケージに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間と、予備パッケージに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間と、の合計の糸Yが解舒され終わるまでの残時間は、下記の式4により算出される。
(Wr+WF)/(A×Vu×F)・・・・(式4)
また、情報管理部110が結節部分Kが無いことを示す結節情報を取得した場合の個別残時間、すなわち、解舒中パッケージに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間は、下記の式5により算出される。
Wr/(A×Vu×F)・・・・(式5)
なお、情報管理部110は、下記の式6により解舒中パッケージに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間であるtRを算出した後に、当該残時間の情報を利用して解舒中パッケージに含まれる糸Yの残量を算出しても良い。
tR={WF-(A×Vu×F×tinU)}/(A×Vu×F)・・・・(式6)
(残量列挙情報及び残時間列挙情報の説明)
続いて、情報管理部110が出力させる残量列挙情報及び残時間列挙情報について説明する。本実施形態においては、情報管理部110は、複数の錘9の各々についての複数の個別残量情報を列挙した残量列挙情報を、機台出力部5bに出力させる。また、情報管理部110は、複数の錘9の各々についての複数の個別残時間情報を列挙した残時間列挙情報を、機台出力部5bに出力させる。
具体的には、機台制御装置5が、図5(a)~図5(c)に示す列挙画面S1を機台出力部5bの表示部5b1に表示させる。図5(a)~図5(c)に示すように、列挙画面S1には、リストタブT1及び錘別タブT2が表示される。オペレータによって、機台入力部5aを介してリストタブT1が選択された場合には、機台制御装置5は、図5(a)に示す第1画面S1aを表示部5b1に表示する。オペレータによって、機台入力部5aを介して錘別タブT2が選択された場合には、機台制御装置5は、図5(b)及び図5(c)に示す第2画面S1bを表示部5b1に表示する。
図5(a)に示すように、第1画面S1aには、複数の錘9に対応する複数の個別残量情報を個別残量の少ない順(昇順)でソートした残量列挙情報である昇順残量列挙情報、又は、個別残量の多い順(降順)でソートした残量列挙情報である降順残量列挙情報の何れかが表示される。
第1画面S1aには、複数の錘9に対応する複数の個別残量情報に加えて、各錘9に対応する個別残時間も表示される。第1画面S1aには、複数の錘9に対応する複数の個別残時間情報を個別残時間の少ない順(昇順)でソートした残時間列挙情報である昇順残時間列挙情報、又は、個別残時間の多い順(降順)でソートした残時間列挙情報である降順残時間列挙情報の何れかが表示される。個別残時間は、個別残量が少ないほど短くなる。したがって、個別残量の大小に基づいてソートした場合と、個別残時間の長短に基づいてソートした場合とで、複数の錘9に関する情報の表示順は同じとなる。
第1画面S1aには、複数の個別残量情報を個別残量の少ない順にソートする昇順ソート指示、及び、複数の個別残量情報を個別残量の多い順にソートする降順ソート指示と、を入力するソート順入力ボタンB1が表示される。昇順ソート指示は、複数の個別残時間情報を個別残時間の少ない順にソートする指示でもある。降順ソート指示は、複数の個別残時間情報を個別残時間の多い順にソートする指示でもある。ソート順入力ボタンB1は、本発明のソート順入力部に相当する。
図5(a)に示す例では、第1画面S1aに表示される残量列挙情報(残時間列挙情報)は、複数の個別残量情報が個別残量の少ない順(昇順)並べられた昇順残量列挙情報(昇順残時間列挙情報)となっている。ソート順入力ボタンB1には、「昇順」と表示されている。この状態で、オペレータが機台入力部5aを介してソート順入力ボタンB1を操作することで、降順ソート指示が入力される。降順ソート指示が入力されると、第1画面S1aに表示される残量列挙情報(残時間列挙情報)は、複数の個別残量情報が個別残量の多い順(降順)で並べられた降順残量列挙情報(降順残時間列挙情報)に切り替わる。また、このとき、ソート順入力ボタンB1には、「降順」と表示される。この状態で、オペレータが機台入力部5aを介してソート順入力ボタンB1を操作すると、昇順ソート指示が入力され、図5(a)に示す第1画面S1aに戻る。すなわち、オペレータがソート順入力ボタンB1を操作する度に、第1画面S1aに表示される残量列挙情報(残時間列挙情報)は、昇順残量列挙情報(昇順残時間列挙情報)と降順残量列挙情報(降順残時間列挙情報)との間で切り替わる。
図5(a)に示すように、第1画面S1aには、複数の錘9の各々を識別する番号(錘番号)と、各錘9に対応する個別残量情報(残量)及び個別残時間情報(残時間)と、が表示される。また、第1画面S1aに表示された複数の錘9に関する情報のうち、個別残量が所定量Q以下である錘9の情報が強調して表示される。図5(a)に示す例では、個別残量が20%以下である個別残量情報と、それに対応する錘番号及び残時間が強調して表示されている。錘9の情報を強調表示するか否かの閾値となる所定量Qは、機台入力部5aを介してオペレータによって設定可能である。所定量Qは、1つの給糸パッケージPsに巻かれている糸Yの量よりも少ない量を、オペレータによって、設定されている。また、錘9の情報を強調表示するか否かは、個別残時間を基準として判断してもよい。すなわち、個別残時間が所定長さL(例えば5分以下)である錘9の情報を強調表示してもよい。本実施形態においては、所定長さLは、個別残量が所定量Qであるときの個別残時間となっている。図5(a)に示す例では、個別残量が所定量Q以下である錘9の情報を表す文字を、他の錘9の情報を表す文字に比べて太く且つ大きな文字で表示することで、強調して表示している。
強調表示の方法は、これに限定されるものではない。例えば、強調表示すべき錘9の情報を、他の錘9の情報とは異なる色とすることで強調してもよい。色の一例としては、強調表示すべき錘9の情報を赤とし、他の錘9の情報を黒とする。また、強調表示の別の方法としては、強調表示すべき錘9の情報を点滅表示してもよい。さらに、強調表示の別の方法としては、強調表示すべき錘9の情報を表示するエリアの背景を、他の錘9の情報を表示するエリアの背景とは異なる色とすることで強調してもよい。強調表示は、上述した複数方法のうち少なくとも2つの方法を組み合わせて行われてもよい。
また、図5(a)に示す例では、個別残量情報及び個別残時間情報を文字により表しているが、これらの情報の表示態様はこれに限定されるものではない。すなわち例えば、個別残量情報及び個別残時間情報は棒状の図形により表されてもよい。この場合、棒の長さにより個別残量の大小や個別残時間の長短を表す。
図5(b)及び図5(c)に示すように、第2画面S1bには、残量タブT3及び残時間タブT4が表示される。オペレータによって、機台入力部5aを介して残時間タブT4が選択された場合には、機台制御装置5は、図5(b)に示す残時間列挙画面S1b1を表示部5b1に表示する。残時間列挙画面S1b1には、各錘9の個別残時間情報を複数の錘9の各々に備えられた給糸パッケージ保持部20の配置に対応した配置で並べたものが残時間列挙情報として表示される。すなわち、残時間列挙画面S1b1には、各スパンにおいて上下に3つ並んだ給糸パッケージ保持部20の列が機台長手方向に4列配置されているのに対応して、各錘9の個別残時間情報が3行×4列のマトリクス状に配置されている。図5(b)に示す例では、1つのスパン分の12錘分の個別残時間情報が表示されている。
残時間列挙画面S1b1においては、個別残時間が所定長さL以下である錘9の情報が強調して表示される。図5(b)に示す例では、個別残時間が所定長さL以下である錘9の情報を表す文字を、他の錘9の情報を表す文字に比べて太く且つ大きな文字で表示することで、強調して表示している。
オペレータによって、機台入力部5aを介して残量タブT3が選択された場合には、図5(c)に示す残量列挙画面S1b2を表示部5b1に表示する。残量列挙画面S1b2には、各錘9の残量を複数の錘9の各々に備えられた給糸パッケージ保持部20の配置に対応した配置で並べたものが残量列挙情報として表示された画面が表示部5b1に表示される。すなわち、残量列挙画面S1b2には、残時間列挙画面S1b1と同様に、各錘9の残量が3行×4列のマトリクス状に配置されている。
残量列挙画面S1b2においては、個別残量が所定量Q以下である錘9の情報が強調して表示される。図5(c)に示す例では、個別残量が所定量Q以下である錘9の情報を表す文字を、他の錘9の情報を表す文字に比べて太く且つ大きな文字で表示することで、強調して表示している。第2画面S1bにおける強調表示の方法についても、第1画面S1aでの強調表示と同様に、図5(b)及び図5(c)に示す方法に限定されるものではない。
また、機台制御装置5は、残量列挙情報及び残時間列挙情報を音出力部5b2に出力させる。本実施形態においては、機台制御装置5は、表示部5b1に第1画面S1aが表示されており、ソート順入力ボタンB1により昇順ソート指示が入力された場合に、複数の個別残量情報が個別残量の少ない順で並べられた昇順残量列挙情報を音出力部5b2に出力させる。さらに、機台制御装置5は、表示部5b1に第1画面S1aが表示されており、ソート順入力ボタンB1により降順ソート指示が入力された場合に、複数の個別残量情報が個別残量の多い順で並べられた降順残量列挙情報を音出力部5b2に出力させる。なお、表示部5b1に第1画面S1aが表示されているときは、残量列挙情報に替えて残時間列挙情報を音出力部5b2に出力させてもよい。また、残量列挙情報及び残時間列挙情報の両方を音出力部5b2に出力させてもよい。
さらに、機台制御装置5は、表示部5b1に第2画面S1bの残時間列挙画面S1b1が表示されている場合に、複数の個別残時間情報が錘番号順で並べられた残時間列挙情報を音出力部5b2に出力させる。このとき、複数の個別残時間情報が、錘番号が1番の錘9の個別残時間情報から順番に出力される。また、機台制御装置5は、表示部5b1に第2画面S1bの残量列挙画面S1b2が表示されている場合に、複数の個別残量情報が錘番号順で並べられた残量列挙情報を音出力部5b2に出力させる。このとき、複数の個別残量情報が、錘番号が1番の錘9の個別残量情報から順番に出力される。
機台制御装置5は、音出力部5b2に残量列挙情報を出力させる場合には、各個別残量を各個別残量に対応する錘番号とともに出力させる。機台制御装置5は、音出力部5b2に残時間列挙情報を出力させる場合には、各個別残時間を各個別残時間に対応する錘番号とともに出力させる
機台制御装置5は、音出力部5b2に残量列挙情報を出力させる場合には、個別残量が所定量Q以下である錘9の情報を強調して出力させる。機台制御装置5は、音出力部5b2に残時間列挙情報を出力させる場合には、個別残時間が所定長さL以下である錘9の情報を強調して出力させる。例えば、機台制御装置5は、強調すべき情報を示す音声が、それ以外の情報を示す音声に比べて大きな音声で発せられるように音出力部5b2を制御する。また、例えば、強調すべき情報を示す音声が、それ以外の情報を示す音声と異なる高さで発せられるように音出力部5b2を制御する。
なお、本実施形態においては、表示部5b1に表示された情報(残量列挙情報や残時間列挙情報)が、音出力部5b2で出力される情報(残量列挙情報や残時間列挙情報)に対応しているが、これには限定されない。すなわち例えば、表示部5b1に表示される情報に関係なく、音出力部5b2からは常に昇順残量列挙情報が出力されてもよい。この場合、表示部5b1に降順残量列挙情報が表示されているときでも、音出力部5b2からは昇順残量列挙情報が出力されることになる。また例えば、表示部5b1に残量列挙画面S1b2(各錘9の残量を給糸パッケージ保持部20の配置に対応した配置で並べたものが残量列挙情報として表示された画面)が表示されているときに、音出力部5b2から昇順残量列挙情報が出力されてもよい。
また、本実施形態においては、表示部5b1に表示された第1画面S1aのソート順入力ボタンB1により、音出力部5b2から出力される情報を昇順残量列挙情報(昇順残時間列挙情報)と降順残量列挙情報(降順残時間列挙情報)との間で切り替えているが、これには限定されない。さらに、本実施形態においては、表示部5b1に表示される第2画面S1bの残量タブT3及び残時間タブT4により、音出力部5b2から出力される情報を残量列挙情報と残時間列挙情報との間で切り替えているがこれには限定されない。音出力部5b2から出力される情報を切り替える操作部は、表示部5b1から出力される情報を切り替える操作部とは別に設けられていてもよい。この場合、音出力部5b2から出力される情報を切り替える操作部は、表示部5b1に表示されるボタンであってもよい。また、物理ボタンでもよい。
機台制御装置5は、音出力部5b2への残量列挙情報や残時間列挙情報の出力は行わず、表示部5b1への残量列挙情報や残時間列挙情報の出力を行ってもよい。また、機台制御装置5は、表示部5b1への残量列挙情報や残時間列挙情報の出力は行わず、音出力部5b2への残量列挙情報や残時間列挙情報の出力を行ってもよい。
(制御フロー)
続いて、図6~図8に示すフローチャートを参照しつつ、残量列挙情報及び残時間列挙情報の出力処理の手順の一例について説明する。なお、情報管理部110のうち各仮撚加工機1に設けられた機台制御装置5が、以下の処理を行うものとする。しかしながら、これには限られず、情報管理部110を構成するどの装置が以下の処理を行っても良い。かかる処理は、糸加工設備100が稼働している間、継続して行われる。糸加工設備100が稼働している間、機台制御装置5は、図5(a)~図5(c)に示すような列挙画面S1を機台出力部5bに継続して表示させる
まず、図6に示すように、機台制御装置5は、当該機台制御装置5が制御する仮撚加工機1に含まれる複数の錘9の各々について、任意時刻Tにおける個別残量情報及び個別残時間情報を取得する(S101:個別残量情報取得処理、個別残時間情報取得処理)。すなわちこのとき、機台制御装置5は、任意時刻Tにおいて各錘9の給糸パッケージ保持部20に装着されている1又は2つの給糸パッケージPsに含まれる糸Yの残量(個別残量)を取得する。また、機台制御装置5は、任意時刻Tにおいて各錘9の給糸パッケージ保持部20に装着されている1又は2つの給糸パッケージPsに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間(個別残時間)を取得する。個別残量情報取得処理及び個別残時間情報取得処理の詳細については、後述する(図8参照)。
その後、機台制御装置5は、オペレータによって機台出力部5bに表示されている列挙画面S1のリストタブT1が選択さているか否かを判断する(S102)。リストタブT1が選択されていると判断した場合には(S102:YES)、機台制御装置5は、オペレータによって機台出力部5bに表示されている第1画面S1aのソート順入力ボタンB1を介して昇順ソート指示が入力されたか否かを判断する(S103)。すなわち、任意時刻Tの時点で最後にソート順入力ボタンB1によって入力された指示が、昇順ソート指示であるか否かを判断する。
昇順ソート指示が入力されたと判断した場合には(S103:YES)、機台制御装置5は昇順フラグを「1」とする(S104)。その後、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残量情報のうち、個別残量が所定量Q以下である個別残量情報が有るか否かを判断する(S105)。一方、昇順ソート指示が入力されていない、すなわち降順ソート指示が入力されたと判断した場合には(S103:NO)、上述のS104の処理を省略してS105に進む。
S105において個別残量が所定量Q以下である個別残量情報が有ると判断した場合には(S105:YES)、機台制御装置5は昇順フラグが「1」であるか否かを判断する(S106)。昇順フラグが「1」であると判断した場合には(S106:YES)、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残量情報及び個別残時間情報を昇順に並べ、且つ、個別残量が所定量Q以下である錘9の情報(錘番号、残量(個別残量情報)、残時間(個別残時間情報))を強調した残量列挙情報及び残時間列挙情報を機台出力部5bに出力させる(S107:出力処理)。その後、S112に進む。また、昇順フラグが「1」でないと判断した場合には(S106:NO)、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残量情報及び個別残時間情報を降順に並べ、且つ、個別残量が所定量Q以下である錘9の情報(錘番号、残量(個別残量情報)、残時間(個別残時間情報))を強調した残量列挙情報及び残時間列挙情報を機台出力部5bに出力させる(S108:出力処理)。その後、S112に進む。
一方、個別残量が所定量Q以下である個別残量情報が無いと判断した場合には(S105:NO)、機台制御装置5は昇順フラグが「1」であるか否かを判断する(S109)。昇順フラグが「1」であると判断した場合には(S109:YES)、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残量情報及び個別残時間情報を昇順に並べた残量列挙情報及び残時間列挙情報を機台出力部5bに出力させる(S110:出力処理)。その後、S112に進む。また、昇順フラグが「1」でないと判断した場合には(S109:NO)、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残量情報及び個別残時間情報を降順に並べた残量列挙情報及び残時間列挙情報を機台出力部5bに出力させる(S111:出力処理)。その後、機台制御装置5は、昇順フラグをリセットし(S112)、処理を終了する。
さらに、S102において、リストタブT1が選択されていない、すなわち、錘別タブT2が選択されていると判断した場合には(S102:NO)、図7に示すように、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残量情報のうち個別残量が所定量Q以下である個別残量情報(個別残時間が所定長さL以下である個別残時間情報)が有るか否かを判断する(S113)。
個別残量が所定量Q以下である個別残量情報(個別残時間が所定長さL以下である個別残時間情報)が有ると判断した場合には(S113:YES)、機台制御装置5は、オペレータによって、機台出力部5bに表示されている第2画面S1bの残量タブT3が選択さているか否かを判断する(S114)。残量タブT3が選択さていると判断した場合には(S114:YES)、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残量情報を複数の給糸パッケージ保持部20の配置に対応した配置で並べ、且つ、個別残量が所定量Q以下である錘9の残量(個別残量情報)を強調した残量列挙情報を機台出力部5bの表示部5b1に表示させる(S115:出力処理)。またこのとき、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残量情報を錘番号順(昇順)で並べ、且つ、個別残量が所定量Q以下である錘9の情報(錘番号、残量(個別残量情報))を強調した残量列挙情報を機台出力部5bの音出力部5b2に出力させる(S115:出力処理)。その後、処理を終了する。
一方、残量タブT3が選択さていない、すなわち残時間タブT4が選択されていると判断した場合には(S114:NO)、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残時間情報を複数の給糸パッケージ保持部20の配置に対応した配置で並べ、且つ、個別残時間が所定長さL以下である錘9の残時間を強調した残時間列挙情報を機台出力部5bの表示部5b1に表示させる(S116:力処理)。またこのとき、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残時間情報を錘番号順(昇順)で並べ、且つ、個別残時間が所定長さL以下である錘9の情報(錘番号、残時間(個別残時間情報))を強調した残時間列挙情報を機台出力部5bの音出力部5b2に出力させる(S116:出力処理)。その後、処理を終了する。
また、S113において、個別残量が所定量Q以下である個別残量情報(個別残時間が所定長さL以下である個別残時間情報)が無いと判断した場合には(S113:NO)、機台制御装置5は、オペレータによって、機台出力部5bに表示されている第2画面S1bの残量タブT3が選択さているか否かを判断する(S117)。残量タブT3が選択さていると判断した場合には(S117:YES)、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残量情報を複数の給糸パッケージ保持部20の配置に対応した配置で並べた残量列挙情報を機台出力部5bの表示部5b1に表示させる(S118:出力処理)。またこのとき、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残量情報を錘番号順(昇順)で並べた残量列挙情報を機台出力部5bの音出力部5b2に出力させる(S118:出力処理)。その後、処理を終了する。一方、残量タブT3が選択さていない、すなわち残時間タブT4が選択されていると判断した場合には(S117:NO)、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残時間情報を複数の給糸パッケージ保持部20の配置に対応した配置で並べた残時間列挙情報を機台出力部5bの表示部5b1に表示させる(S121:出力処理)。またこのとき、機台制御装置5は、S101で取得した複数の個別残時間情報を錘番号順(昇順)で並べた残時間列挙情報を機台出力部5bの音出力部5b2に出力させる(S121:出力処理)。その後、処理を終了する。
次に、上述の個別残量情報取得処理の手順の一例について説明する。かかる処理は、複数の錘9の各々で実行される。まず、図8に示すように、例えば上述した式1に基づき、任意時刻Tにおける解舒中パッケージに含まれる糸Yの残重量を取得する(S201)。その後、機台制御装置5は、機台記憶部5cに記憶されている結節情報を取得し(結節情報取得処理)、結節部分Kが有るか否かを判断する(S202)。具体的には、機台記憶部5cに結節部分Kが有ることを示す結節情報が記憶されているか否かを判断する。
結節部分Kが有ると判断した場合には(S202:YES)、上述の式2により算出される糸Yの残重量の割合を個別残量情報として取得し(S203)、処理を終了する。具体的には、S201で取得した任意時刻Tにおける解舒中パッケージに含まれる糸Yの残重量の割合に予備パッケージに含まれる糸Yの残重量の割合(100%)を加算したものを個別残量情報として取得する。一方、結節部分Kが無いと判断した場合には(S202:NO)、上述の式3により算出される糸Yの残重量の割合を個別残量情報として取得し(S204)、処理を終了する。具体的には、S201で取得した任意時刻Tにおける解舒中パッケージに含まれる糸Yの残重量の割合を個別残量情報として取得する。
個別残時間情報取得処理の手順の一例としては、まず、上述の個別残量情報取得処理のS201及びS202の処理を実行する。その後、S202の処理で結節部分Kが有ると判断した場合には、上述の式4により算出される糸Yが解舒され終わるまでの残時間を個別残時間情報として取得して処理を終了する。また、S202の処理で結節部分Kが無いと判断した場合には、上述の式5により算出される糸Yが解舒され終わるまでの残時間を個別残時間情報として取得して処理を終了する。
(第1実施形態の特徴)
以上のように、本実施形態の糸加工設備100では、仮撚加工機1は、解舒中パッケージと予備パッケージとの2つの給糸パッケージPsが着脱可能に構成され、解舒中パッケージに含まれる糸Yの終端部と予備パッケージに含まれる糸Yの始端部とが結節されている場合に糸Yを途切れずに供給可能に構成された給糸パッケージ保持部20を、複数の錘9の各々に備えている。仮撚加工機1に関する情報を管理可能に構成された情報管理部110は、解舒中パッケージに含まれる糸Yの終端部と予備パッケージに含まれる糸Yの始端部との結節部分Kの有無に関する情報である結節情報を取得可能である。情報管理部110は、複数の錘9の各々について、給糸パッケージ保持部20に装着された給糸パッケージPsに含まれる糸Yの残量である個別残量に関する情報である個別残量情報を取得する個別残量情報取得処理と、個別残量情報取得処理で取得した複数の錘9の各々についての複数の個別残量情報を列挙した残量列挙情報を機台出力部5bに出力させる出力処理と、を行う。情報管理部110は、個別残量情報取得処理において、結節部分Kが有る旨の結節情報を取得した場合には、解舒中パッケージに含まれる糸Yの残量と、予備パッケージに含まれる糸Yの残量と、の合計の糸Yの残量を個別残量情報として取得し、結節部分Kが有る旨の結節情報を取得していない場合には、解舒中パッケージに含まれる糸Yの残量を個別残量情報として取得する。
上述の構成により、出力処理において複数の錘9の各々についての複数の個別残量情報を列挙した残量列挙情報が機台出力部5bに出力される。したがって、オペレータは、残量列挙情報に基づいて、複数の錘9の各々について新たな給糸パッケージPsを準備するタイミングを容易に把握することができる。よって、糸Yの供給が途絶えるのを抑制し、糸Yの生産効率の低下を抑えることができる。
さらに、上述の実施形態の糸加工設備100では、情報管理部110は、複数の錘9の各々について、給糸パッケージ保持部20に装着された給糸パッケージPsに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間である個別残時間に関する情報である個別残時間情報を取得する個別残時間情報取得処理と、個別残時間情報取得処理で取得した複数の錘9の各々についての複数の個別残時間情報を列挙した残時間列挙情報を機台出力部5bに出力させる出力処理と、を行う。情報管理部110は、個別残時間情報取得処理において、結節部分Kが有る旨の結節情報を取得した場合には、解舒中パッケージに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間と、予備パッケージに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間と、の合計の糸Yが解舒され終わるまでの残時間を個別残時間情報として取得し、結節部分Kが有る旨の結節情報を取得していない場合には、解舒中パッケージに含まれる糸Yが解舒され終わるまでの残時間を個別残時間情報として取得する。
上述の構成により、出力処理において複数の錘9の各々についての複数の個別残時間情報を列挙した残時間列挙情報が機台出力部5bに出力される。したがって、オペレータは、残時間列挙情報に基づいて、複数の錘9の各々について新たな給糸パッケージPsを準備するタイミングを容易に把握することができる。よって、糸Yの供給が途絶えるのを抑制し、糸Yの生産効率の低下を抑えることができる。
また、上述の実施形態の糸加工設備100では、情報管理部110は、出力処理において、複数の錘9の各々を識別する錘番号と、その錘9に対応する個別残量情報と、を関連付けた残量列挙情報を機台出力部5bに出力させる。したがって、オペレータは、錘番号により、残量列挙情報に含まれる各個別残量情報がどの錘9のものであるかを容易に把握することができる。
さらに、上述の実施形態の糸加工設備100では、情報管理部110は、出力処理において、複数の錘9の各々を識別する錘番号と、その錘9に対応する個別残時間情報と、を関連付けた残時間列挙情報を機台出力部5bに出力させる。したがって、オペレータは、錘番号により、残時間列挙情報に含まれる各個別残時間情報がどの錘9のものであるかを容易に把握することができる。
また、上述の実施形態の糸加工設備100では、情報管理部110は、出力処理において、複数の錘9に対応する複数の個別残量情報(個別残時間情報)を、個別残量(個別残時間)の少ない順でソートした残量列挙情報(残時間列挙情報)である昇順残量列挙情報(昇順残時間列挙情報)、及び、多い順でソートした残量列挙情報(残時間列挙情報)である降順残量列挙情報(降順残時間列挙情報)を機台出力部5bに出力させる。この構成によると、出力処理において、複数の個別残量情報(個別残時間情報)が個別残量(個別残時間)が少ない順又は多い順に並べられる。したがって、オペレータは、複数の錘9の各々について新たな給糸パッケージPsを準備するタイミングをいっそう容易に把握することができる。よって、糸Yの供給が途絶えるのをより確実に抑制することができる。
さらに、上述の実施形態の糸加工設備100は、複数の個別残量情報(個別残時間情報)を個別残量(個別残時間)の少ない順にソートする昇順ソート指示、及び、複数の個別残量情報(個別残時間情報)を個別残量(個別残時間)の多い順にソートする降順ソート指示と、を入力可能に構成されたソート順入力ボタンB1を備えている。そして、情報管理部110は、出力処理において、ソート順入力ボタンB1を介して昇順ソート指示が入力された場合には、昇順残量列挙情報(昇順残時間列挙情報)を機台出力部5bに出力させ、ソート順入力ボタンB1を介して降順ソート指示が入力された場合には、降順残量列挙情報(降順残時間列挙情報)を機台出力部5bに出力させる。したがって、ソート順入力ボタンB1を操作することで、複数の個別残量情報(個別残時間情報)のソート順を昇順と降順との間で切り替えることができる。
加えて、上述の実施形態の糸加工設備100では、機台出力部5bは情報を表示可能に構成された表示部5b1を有している。したがって、オペレータは、表示部5b1に表示された残量列挙情報(残時間列挙情報)に基づいて複数の錘9の各々について新たな給糸パッケージPsを準備するタイミングを容易に把握することができる。
また、上述の実施形態の糸加工設備100では、機台出力部5bは情報を音声により出力可能に構成された音出力部5b2を有している。したがって、オペレータは、音出力部5b2から音声により出力された残量列挙情報(残時間列挙情報)に基づいて複数の錘9の各々について新たな給糸パッケージPsを準備するタイミングを容易に把握することができる。
さらに、上述の実施形態の糸加工設備100では、情報管理部110は、出力処理において、残量列挙情報(残時間列挙情報)に含まれる複数の個別残量情報(個別残時間情報)を、複数の錘9の各々に備えられた給糸パッケージ保持部20の配置に対応した配置で機台出力部5bに表示させる。したがって、オペレータは、機台出力部5bに表示された複数の個別残量情報(個別残時間情報)の配置に基づいて、残量列挙情報(残時間列挙情報)に含まれる各個別残量情報(個別残時間情報)がどの錘9のものであるかを容易に把握することができる。
加えて、上述の実施形態の糸加工設備100では、情報管理部110は、出力処理において、複数の錘9に対応する複数の個別残量情報(個別残時間情報)のうち、個別残量(個別残時間)が所定量Q(所定長さL)以下である個別残量情報(個別残時間情報)を強調して出力させる。したがって、オペレータは、新たな給糸パッケージPsを準備するタイミングが近い錘9を容易に把握することができる。よって、糸Yの供給が途絶えるのをさらに確実に抑制することができる。
また、上述の実施形態の糸加工設備100では、情報管理部110は、仮撚加工機1に関する情報を記憶可能に構成された機台記憶部5cと、結節部分Kが有る旨の結節情報を入力可能に構成された機台入力部5aと、を備える。そして、情報管理部110は、機台入力部5aから入力された結節情報を機台記憶部5cに記憶させる結節情報記憶処理と、機台記憶部5cに記憶された結節情報を取得する結節情報取得処理と、を行う。したがって、結節部分Kを検知するセンサ等を設ける必要がない。
さらに、上述の実施形態の糸加工設備100では、仮撚加工機1は、給糸パッケージ保持部20に装着された2つの給糸パッケージPsのうち、いずれの給糸パッケージPsから糸Yが解舒されているかを検知する解舒パッケージセンサ24を複数の錘9の各々に備えている。そして、情報管理部110は、解舒パッケージセンサ24により糸Yが解舒される給糸パッケージPsが切り替わったことが検知されたとき、機台記憶部5cに記憶されている結節情報を結節部分Kが無い旨の結節情報に変更する結節情報変更処理を行う。糸Yが解舒される給糸パッケージPsが解舒中パッケージから予備パッケージに切り替わるとき、結節部分Kが巻取パッケージPw側に供給される。したがって、解舒パッケージセンサ24により給糸パッケージ切替が起こったことが検知されたとき、結節情報を結節部分Kが無い旨の結節情報に変更することで、結節部分Kの有無を正確に把握することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態にかかる糸加工設備100mについて説明する。本実施形態の糸加工設備100mは、結節部分Kの有無に関する情報の取得手段が第1実施形態と異なっている。すなわち、第1実施形態の糸加工設備100は、オペレータにより結節部分Kの有無に関する情報が入力される機台入力部5aを備えている。一方、本実施形態の100mは、後で詳述するように結節部分Kの有無に関する情報を取得可能に構成された結節部分センサ53を備えている。以下、第1実施形態と共通する構成については、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態の糸加工設備100mにおいては、仮撚加工機1mの給糸部2mに結節部分センサ53が設けられている。結節部分センサ53は、各錘9mに設けられている。結節部分センサ53は、所定位置に静止するように配置された結節部分Kを検知可能に構成されている。
糸加工設備100mにおいては、給糸パッケージ保持部20の一方のパッケージ装着部21に装着されている給糸パッケージPsが空となった際に、オペレータが新たな給糸パッケージPs(予備パッケージ)の準備を行い、結節部分Kを所定位置に配置する。これにより、結節部分センサ53により結節部分Kが検知される。情報管理部110は、結節部分センサ53により結節部分Kが検知されたときに、結節部分Kが有ることを示す結節情報を機台記憶部5cに記憶する(結節情報記憶処理)。
その後、糸Yが解舒される給糸パッケージPsが解舒中パッケージから予備パッケージに切り替わるとき、結節部分Kが巻取パッケージPw側に供給される。すなわち、結節部分Kが所定位置から移動する。これにより、結節部分センサ53により結節部分Kが検知されなくなる。情報管理部110は、結節部分センサ53により結節部分Kが検知されなくなったときに、機台記憶部5cに記憶されている結節情報を、結節部分Kが無いことを示す結節情報に変更する(結節情報変更処理)。また、結節部分センサ53により結節部分Kが検知されなくなったときに、給糸パッケージ切替が起こったと判断できる。したがって、結節部分センサ53により結節部分Kが検知されなくなったときに、機台制御装置5は、上述したリセット処理を行う。
(第2実施形態の特徴)
以上のように、本実施形態の糸加工設備100mでは、上述の第1実施形態と同様に、糸Yの供給が途絶えるのを抑制し、糸Yの生産効率の低下を抑えることができる。
また、本実施形態の糸加工設備100mでは、結節部分センサ53により結節部分Kが検知されたとき、結節部分Kがある旨の結節情報を機台記憶部5cに記憶させる。したがって、オペレータが結節情報を入力する必要がないので、作業を簡略化することができる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
上述の実施形態では、情報管理部110が、個別残量情報取得処理及び個別残時間情報取得処理を実行する場合について説明したが、これには限定されない。情報管理部110は、個別残量情報取得処理及び個別残時間情報取得処理の一方のみを実行可能であってもよい。情報管理部110が個別残量情報取得処理のみを実行可能である場合、出力処理では残量列挙情報のみが出力される。情報管理部110が個別残時間情報取得処理のみを実行可能である場合、出力処理では残時間列挙情報のみが出力される。
また、上述の実施形態では、出力処理において、複数の錘9の各々についての複数の個別残量情報(個別残時間情報)を全て列挙した残量列挙情報(残時間列挙情報)を出力させる場合について説明したが、これには限定されない。残量列挙情報は、複数の錘9の各々についての複数の個別残量情報の少なくとも1つを含むものであればよい。残時間列挙情報は、複数の錘9の各々についての複数の個別残時間情報の少なくとも1つを含むものであればよい。すなわち、図10に示す変形例にかかる列挙画面S1には、複数の錘9に対応する複数の個別残量情報(個別残時間情報)のうち、個別残量(個別残時間)が所定量Q(所定長さL)以下である個別残量情報(個別残時間情報)が列挙されている。本変形例では、2つの個別残量情報(個別残時間情報)が列挙されているが、これには限定されない。列挙画面S1に列挙される個別残量情報(個別残時間情報)の数は1つであってもよく、3つ以上であってもよい。また、例えば、列挙画面S1には、複数の錘9に対応する複数の個別残量情報(個別残時間情報)のうち、個別残量(個別残時間)が最も少ない個別残量情報(個別残時間情報)が列挙されてもよい。また、例えば、列挙画面S1には、複数の錘9に対応する複数の個別残量情報(個別残時間情報)のうち、個別残量(個別残時間)が少ない順に所定個数の個別残量情報(個別残時間情報)が列挙されてもよい。
さらに、上述の実施形態では、残量列挙情報や残時間列挙情報が機台制御装置5の機台出力部5bから出力される場合について説明したが、これには限定されない。残量列挙情報や残時間列挙情報は、機台制御装置5とLANやインターネットなどのネットワークを介して接続された端末(例えば、タブレット端末などのモバイル端末)のディプレイやスピーカに出力されてもよい。
また、上述の実施形態では、情報管理部110は、複数の機台制御装置5及び管理装置101を有するものとしたが、これには限られない。すなわち、情報管理部110は、機台制御装置5及び管理装置101以外のコンピュータ装置(不図示)を含んでいても良い。或いは、情報管理部110は、機台制御装置5又は管理装置101のみを有していても良い。
さらに、上述の実施形態では、情報管理部110は、全ての給糸パッケージPsに共通の初期量情報を予め記憶するものとした。しかしながら、これには限られない。情報管理部110は、任意の給糸パッケージPsの個体情報と当該給糸パッケージPsの初期量情報とを関連付けて記憶するように構成されていても良い。この場合、複数の給糸パッケージPsの初期量は互いに異なっていても良い。
加えて、上述の実施形態では、給糸パッケージ保持部20は2つの給糸パッケージPsを着脱可能に構成されている場合について説明したが、給糸パッケージ保持部20は3つ以上の給糸パッケージPsを着脱可能に構成されていてもよい。この場合も、上述の実施形態と同様に、個別残量情報取得処理では、現時点で給糸パッケージ保持部20から連続的に供給可能な糸Yの量である個別残量に関する個別残量情報を取得する。ここで、給糸パッケージ保持部20が3つの給糸パッケージPsを着脱可能に構成されている場合を例に具体的に説明する。情報管理部110が、解舒中パッケージに含まれる糸Yの終端部と該解舒中パッケージの次に糸Yが解舒される予備パッケージ(第1予備パッケージ)に含まれる糸Yの始端部との結節部分K1に加えて、該第1予備パッケージに含まれる糸Yの終端部と該第1予備パッケージの次に糸Yが解舒される予備パッケージ(第2予備パッケージ)に含まれる糸Yの始端部との結節部分K2がある旨の結節情報が取得された場合は、個別残量情報取得処理において、解舒中パッケージと第1予備パッケージと第2予備パッケージとの合計の糸Yの残量を個別残量情報として取得する。
また、上述の実施形態では、情報管理部110は、出力処理において昇順残量列挙情報(昇順残時間列挙情報)及び降順残量列挙情報(降順残時間列挙情報)を出力可能である場合について説明したが、これには限定されない。すなわち、情報管理部110は、出力処理において昇順残量列挙情報(昇順残時間列挙情報)のみを出力させてもよい。また、情報管理部110は、出力処理において降順残量列挙情報(降順残時間列挙情報)のみを出力させてもよい。
加えて、上述の実施形態では、ソート順入力ボタンB1を操作することで、複数の個別残量情報(個別残時間情報)のソート順を昇順と降順との間で切り替えることができる場合について説明したが、これには限定されない。すなわち例えば、一定時間毎にソート順の切り替えが行われるようにしてもよい。
さらに、上述の実施形態では、複数の個別残量情報(個別残時間情報)のうち、個別残量(個別残時間)が所定量Q(所定長さL)以下である個別残量情報(個別残時間情報)を強調して出力する場合について説明したが、強調出力は行われなくてもよい。
上述の実施形態では、オペレータが機台制御装置5の機台入力部5aにより結節情報を入力する場合について説明したが、これには限定されない。オペレータは、機台制御装置5とLANやインターネットなどのネットワークを介して接続された端末(例えば、タブレット端末などのモバイル端末)に設けられたタッチパッド、タッチパネル、キーボードや、該端末に接続されたマウス等により結節情報を入力してもよい。また、例えばクリールスタンド6において錘9毎に設けられた物理ボタン等により結節情報を入力してもよい。
また、上述の実施形態では、糸加工設備100は、複数の仮撚加工機1を備えるものとしたが、これには限られない。糸加工設備100は、1つの仮撚加工機1のみを備えていても良い。また、管理装置101が設けられていなくても良い。この場合、仮撚加工機1が、本発明の糸加工設備にも相当する。
さらに、上述の実施形態では、仮撚加工機1を備える糸加工設備100の代わりに、糸加工機を備える別の糸加工設備に適用されても良い。例えば、特開2002-088605号公報に記載されたエア加工機(糸加工機)を備える糸加工設備に対して本発明が適用されても良い。
1 仮撚加工機(糸加工機)
5a 機台入力部(結節情報入力部)
5b 機台出力部(出力部)
5b1 表示部
5b2 音出力部
5c 機台記憶部(記憶部)
9 錘(加工錘)
20 給糸パッケージ保持部
24 解舒パッケージセンサ
53 結節部分センサ
100 糸加工設備
110 情報管理部
B1 ソート順入力ボタン(ソート順入力部)
Bw 巻取ボビン
Ps 給糸パッケージ
PsA 解舒中パッケージ
PsB 予備パッケージ
Y 糸

Claims (21)

  1. 給糸パッケージから解舒される糸を加工して巻取ボビンに巻き取った巻取パッケージを形成可能に構成された加工錘を複数有する糸加工機と、
    前記糸加工機に関する情報を管理可能に構成された情報管理部と、を備える糸加工設備であって、
    前記糸加工機は、
    糸が解舒中である解舒中パッケージと、前記解舒中パッケージとは別の予備パッケージと、を含む複数の給糸パッケージが着脱可能に構成され、前記解舒中パッケージに含まれる糸の終端部と前記予備パッケージに含まれる糸の始端部とが結節されている場合に糸を途切れずに供給可能に構成された給糸パッケージ保持部を、前記複数の加工錘の各々に備え、
    前記情報管理部は、
    前記糸加工機に関する情報を出力可能に構成された出力部と、
    前記解舒中パッケージに含まれる糸の終端部と前記予備パッケージに含まれる糸の始端部との結節部分の有無に関する情報である結節情報を取得可能に構成された結節情報取得部と、を備え、
    前記複数の加工錘の各々について、前記給糸パッケージ保持部に装着された前記給糸パッケージに含まれる糸の残量である個別残量に関する情報である個別残量情報を取得する個別残量情報取得処理と、
    前記個別残量情報取得処理で取得した前記複数の加工錘の各々についての複数の前記個別残量情報を列挙した残量列挙情報を前記出力部に出力させる出力処理と、を行い、
    前記個別残量情報取得処理が行われた場合において、
    前記結節情報取得部が、前記結節部分が有る旨の前記結節情報を取得した場合には、前記解舒中パッケージに含まれる糸の残量と、前記予備パッケージに含まれる糸の残量と、の合計の糸の残量を前記個別残量情報として取得し、
    前記結節情報取得部が、前記結節部分が有る旨の前記結節情報を取得していない場合には、前記解舒中パッケージに含まれる糸の残量を前記個別残量情報として取得することを特徴とする糸加工設備。
  2. 前記情報管理部は、
    前記出力処理において、前記複数の加工錘の各々を識別する番号と、その加工錘に対応する前記個別残量情報と、を関連付けた前記残量列挙情報を前記出力部に出力することを特徴とする請求項1に記載の糸加工設備。
  3. 前記情報管理部は、前記出力処理において、前記複数の加工錘に対応する前記複数の個別残量情報を、前記個別残量の少ない順でソートした残量列挙情報である昇順残量列挙情報又は前記個別残量の多い順でソートした残量列挙情報である降順残量列挙情報の何れかを前記出力部に出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の糸加工設備。
  4. 前記情報管理部は、
    前記複数の個別残量情報を前記個別残量の少ない順にソートする昇順ソート指示、及び、前記複数の個別残量情報を前記個別残量の多い順にソートする降順ソート指示と、を入力可能に構成されたソート順入力部を備え、
    前記出力処理において、前記ソート順入力部を介して前記昇順ソート指示が入力された場合には、前記昇順残量列挙情報を前記出力部に出力し、前記ソート順入力部を介して前記降順ソート指示が入力された場合には、前記降順残量列挙情報を前記出力部に出力することを特徴とする請求項3に記載の糸加工設備。
  5. 前記情報管理部は、前記出力処理において、前記複数の加工錘に対応する複数の前記個別残量情報のうち、前記個別残量が所定量以下である1又は複数の前記個別残量情報を列挙した前記残量列挙情報を前記出力部に出力することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項記載の糸加工設備。
  6. 前記情報管理部は、前記出力処理において、前記複数の加工錘に対応する前記複数の個別残量情報のうち、前記個別残量が所定量以下である1又は複数の前記個別残量情報を強調して出力可能に前記出力部に出力することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の糸加工設備。
  7. 前記出力部は、前記糸加工機に関する情報を表示可能に構成された表示部であり、
    前記情報管理部は、前記出力処理において、前記残量列挙情報を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の糸加工設備。
  8. 前記情報管理部は、前記出力処理において、前記残量列挙情報に含まれる前記複数の個別残量情報を、前記複数の加工錘の各々に備えられた給糸パッケージ保持部の配置に対応した配置で前記表示部に表示させることを特徴とする請求項7に記載の糸加工設備。
  9. 前記出力部は、前記糸加工機に関する情報を音声により出力可能に構成された音出力部であり、
    前記情報管理部は、前記出力処理において、前記残量列挙情報を前記音出力部に音声により出力させることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の糸加工設備。
  10. 給糸パッケージから解舒される糸を加工して巻取ボビンに巻き取った巻取パッケージを形成可能に構成された加工錘を複数有する糸加工機と、
    前記糸加工機に関する情報を管理可能に構成された情報管理部と、を備える糸加工設備であって、
    前記糸加工機は、
    糸が解舒中である解舒中パッケージと、前記解舒中パッケージとは別の予備パッケージと、を含む複数の給糸パッケージが着脱可能に構成され、前記解舒中パッケージに含まれる糸の終端部と前記予備パッケージに含まれる糸の始端部とが結節されている場合に糸を途切れずに供給可能に構成された給糸パッケージ保持部を、前記複数の加工錘の各々に備え、
    前記情報管理部は、
    前記糸加工機に関する情報を出力可能に構成された出力部と、
    前記解舒中パッケージに含まれる糸の終端部と前記予備パッケージに含まれる糸の始端部との結節部分の有無に関する情報である結節情報を取得可能に構成された結節情報取得部と、を備え、
    前記複数の加工錘の各々について、前記給糸パッケージ保持部に装着された前記給糸パッケージに含まれる糸が解舒され終わるまでの残時間である個別残時間に関する情報である個別残時間情報を取得する個別残時間情報取得処理と、
    前記個別残時間情報取得処理で取得した前記複数の加工錘の各々についての複数の前記個別残時間情報を列挙した残時間列挙情報を前記出力部に出力させる出力処理と、を行い、
    前記個別残時間情報取得処理が行われた場合において、
    前記結節情報取得部が、前記結節部分が有る旨の前記結節情報を取得した場合には、前記解舒中パッケージに含まれる糸が解舒され終わるまでの残時間と、前記予備パッケージに含まれる糸が解舒され終わるまでの残時間と、の合計の糸が解舒され終わるまでの残時間を前記個別残時間情報として取得し、
    前記結節情報取得部が、前記結節部分が有る旨の前記結節情報を取得していない場合には、前記解舒中パッケージに含まれる糸が解舒され終わるまでの残時間を前記個別残時間情報として取得することを特徴とする糸加工設備。
  11. 前記情報管理部は、
    前記出力処理において、前記複数の加工錘の各々を識別する番号と、その加工錘に対応する前記個別残時間情報と、を関連付けた前記残時間列挙情報を前記出力部に出力することを特徴とする請求項10に記載の糸加工設備。
  12. 前記情報管理部は、前記出力処理において、前記複数の加工錘に対応する前記複数の個別残時間情報を、前記個別残時間の少ない順でソートした残時間列挙情報である昇順残時間列挙情報又は前記個別残時間の多い順でソートした残時間列挙情報である降順残時間列挙情報の何れかを前記出力部に出力することを特徴とする請求項10又は11に記載の糸加工設備。
  13. 前記情報管理部は、
    前記複数の個別残時間情報を前記個別残時間の少ない順にソートする昇順ソート指示、及び、前記複数の個別残時間情報を前記個別残時間の多い順にソートする降順ソート指示と、を入力可能に構成されたソート順入力部を備え、
    前記出力処理において、前記ソート順入力部を介して前記昇順ソート指示が入力された場合には、前記昇順残時間列挙情報を前記出力部に出力し、前記ソート順入力部を介して前記降順ソート指示が入力された場合には、前記降順残時間列挙情報を前記出力部に出力することを特徴とする請求項12に記載の糸加工設備。
  14. 前記情報管理部は、前記出力処理において、前記複数の加工錘に対応する複数の前記個別残時間情報のうち、前記個別残時間が所定時間以下である1又は複数の前記個別残時間情報を列挙した前記残時間列挙情報を前記出力部に出力することを特徴とする請求項10~13のいずれか1項に記載の糸加工設備。
  15. 前記情報管理部は、前記出力処理において、前記複数の加工錘に対応する前記複数の個別残時間情報のうち、前記個別残時間が所定時間以下である1又は複数の前記個別残時間情報を強調して出力可能に前記出力部に出力することを特徴とする請求項10~14のいずれか1項に記載の糸加工設備。
  16. 前記出力部は、前記糸加工機に関する情報を表示可能に構成された表示部であり、
    前記情報管理部は、前記出力処理において、前記残時間列挙情報を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項10~15のいずれか1項に記載の糸加工設備。
  17. 前記情報管理部は、前記出力処理において、前記残時間列挙情報に含まれる前記複数の個別残時間情報を、前記複数の加工錘の各々に備えられた給糸パッケージ保持部の配置に対応した配置で前記表示部に表示させることを特徴とする請求項16に記載の糸加工設備。
  18. 前記出力部は、前記糸加工機に関する情報を音声により出力可能に構成された音出力部であり、
    前記情報管理部は、前記出力処理において、前記残時間列挙情報を前記音出力部に音声により出力させることを特徴とする請求項10~15のいずれか1項に記載の糸加工設備。
  19. 前記情報管理部は、
    前記糸加工機に関する情報を記憶可能に構成された記憶部と、
    前記結節部分が有る旨の前記結節情報を入力可能に構成された結節情報入力部と、を備え、
    前記結節情報入力部から入力された前記結節情報を前記記憶部に記憶させる結節情報記憶処理と、
    前記記憶部に記憶された前記結節情報を前記結節情報取得部に取得させる結節情報取得処理と、を行うことを特徴とする請求項1~18のいずれか1項に記載の糸加工設備。
  20. 前記糸加工機は、
    前記給糸パッケージ保持部に装着された複数の前記給糸パッケージのうち、いずれの前記給糸パッケージから糸が解舒されているかを検知する解舒パッケージセンサを前記複数の加工錘の各々に備えており、
    前記情報管理部は、前記解舒パッケージセンサにより糸が解舒される給糸パッケージが切り替わったことが検知されたとき、前記記憶部に記憶された前記結節情報を、前記結節部分が有る旨の結節情報から前記結節部分が無い旨の結節情報に変更する結節情報変更処理を行うことを特徴とする請求項19に記載の糸加工設備。
  21. 前記情報管理部は、
    前記糸加工機に関する情報を記憶可能に構成された記憶部と、
    前記結節部分を検知する結節部分センサと、を備え、
    前記結節部分センサにより前記結節部分が検知されたとき、前記結節部分がある旨の前記結節情報を前記記憶部に記憶させる結節情報記憶処理と、
    前記結節部分センサにより前記結節部分が検知されたくなったとき、前記記憶部に記憶された前記結節情報を、前記結節部分が有る旨の結節情報から前記結節部分が無い旨の結節情報に変更する結節情報変更処理と、
    前記記憶部に記憶された前記結節情報を前記結節情報取得部に取得させる結節情報取得処理と、を行うことを特徴とする請求項1~18のいずれか1項に記載の糸加工設備。
JP2022114911A 2022-07-19 2022-07-19 糸加工設備 Pending JP2024013016A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022114911A JP2024013016A (ja) 2022-07-19 2022-07-19 糸加工設備
CN202310568869.5A CN117416815A (zh) 2022-07-19 2023-05-19 丝线加工设备
TW112119387A TW202405268A (zh) 2022-07-19 2023-05-24 絲線加工設備
EP23178866.2A EP4345553A1 (en) 2022-07-19 2023-06-13 Yarn processing facility

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022114911A JP2024013016A (ja) 2022-07-19 2022-07-19 糸加工設備

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024013016A true JP2024013016A (ja) 2024-01-31

Family

ID=86764921

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022114911A Pending JP2024013016A (ja) 2022-07-19 2022-07-19 糸加工設備

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP4345553A1 (ja)
JP (1) JP2024013016A (ja)
CN (1) CN117416815A (ja)
TW (1) TW202405268A (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2517831B2 (ja) 1993-01-13 1996-07-24 村田機械株式会社 仮撚機の糸掛方法及び同装置
JP4651817B2 (ja) 1998-10-09 2011-03-16 バルマーク アクチエンゲゼルシヤフト 糸を連続的に繰出すための方法
JP2002088605A (ja) 2000-09-07 2002-03-27 Aiki Seisakusho:Kk エア加工機
ITMI20111252A1 (it) 2011-07-06 2013-01-07 Btsr Int Spa Dispositivo e metodo di rilevamento del cambio di bobina di alimentazione di un filato
JP6404018B2 (ja) * 2013-07-16 2018-10-10 株式会社ジェイテクト フィラメントワインディング方法及びフィラメントワインディング装置
JP2019026981A (ja) * 2017-08-02 2019-02-21 村田機械株式会社 空気紡績機及び表示制御方法
JP2023138043A (ja) * 2022-03-18 2023-09-29 Tmtマシナリー株式会社 糸加工設備

Also Published As

Publication number Publication date
TW202405268A (zh) 2024-02-01
EP4345553A1 (en) 2024-04-03
CN117416815A (zh) 2024-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6080153B2 (ja) 紡績機及び紡績機における糸の製造を中断する方法
EP2463221B1 (en) Yarn cutting apparatus
JP2002087703A (ja) 繊維機械の機台情報表示システム
CN100431936C (zh) 纺织业中新型的络筒方法
JP2024013016A (ja) 糸加工設備
CN116767964A (zh) 丝线加工设备
EP3705430B1 (en) Compressed air consumption output device and automatic winder
CN220283137U (zh) 丝线加工机
CN105819269B (zh) 纱线卷绕机
TW202233917A (zh) 絲線加工設備
TW202308930A (zh) 絲線加工設備
JP2023182044A (ja) 糸加工機
EP4194385A1 (en) Yarn processing facility
JP2023138041A (ja) 糸加工設備
CN111661706B (zh) 废纱产生量输出装置及纤维机械
EP3653553B1 (en) Production volume simulation apparatus and predicted production volume calculation method
CN114789942A (zh) 丝线加工设备
JP2018178282A (ja) 糸欠陥表示装置、及び糸処理装置
JPH11268872A (ja) 紡績機の表示システム
EP3686330A1 (en) Spinning method, spinning machine, and spinning program
JPH08229271A (ja) 下糸自動供給装置
JP2003089938A (ja) 分繊用異型マルチフィラメント糸パッケージの分繊方法
JP2008074500A (ja) ディスクスプライサを備えた自動ワインダ
JPH08276090A (ja) 下糸自動供給装置
JPH08229269A (ja) 下糸自動供給装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230523