JP2023545014A - 極端紫外線マスク吸収剤材料 - Google Patents

極端紫外線マスク吸収剤材料 Download PDF

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Abstract

極端紫外線(EUV)マスクブランク、当該マスクブランクの製造方法、及び当該マスクブランクの生産システムが開示される。このEUVマスクブランクは、基板、基板上にある反射層の多層スタック、反射層の多層スタック上にあるキャッピング層、及びキャッピング層の上にある吸収体層を備え、当該吸収体層は、タンタル、イリジウム及びアンチモンの合金;イリジウム及びアンチモンの合金;並びにタンタル、ルテニウム、及びアンチモンの合金から選択される合金を含む。【選択図】図4

Description

[0001]本開示は一般に、極端紫外線リソグラフィに関し、より具体的には、合金吸収体を有する極端紫外線マスクブランク、及びその製造方法に関する。
[0002]極端紫外線(EUV)リソグラフィ(軟X線投影リソグラフィとしても知られる)は、最小フィーチャーサイズが0.0135ミクロン以下の半導体デバイスの製造に使用される。しかしながら、一般的に5~100ナノメートルの波長域にある極端紫外線は、実質的にすべての材料で激しく吸収される。そのため、極端紫外線システムは、光の透過ではなく、反射によって機能する。一連のミラー又はレンズ素子と、非反射性吸収体マスクパターンでコーティングされた反射素子又はマスクブランクとを用いることにより、パターン化された化学線(actinic light)が、レジストコーティングされた半導体基板上へと反射される。
[0003]極端紫外線リソグラフィシステムのレンズ素子及びマスクブランクは、モリブデン及びケイ素のような材料の反射型多層コーティングでコーティングされている。レンズ素子又はマスクブランクあたり約65%の反射値は、極めて狭い紫外線帯域(例えば、13.5ナノメートルの紫外線に対して12.5~14.5ナノメートルの帯域)の光を強く反射する多層コーティングでコーティングされた基板を用いることにより、得られている。
[0004]図1は、従来のEUV反射マスク10を示し、当該マスクは、EUVマスクブランクから形成されており、基板14上に反射性多層スタック12を含み、当該反射性多層スタックは、ブラッグ干渉によってマスクされていない部分のEUV放射を反射する。従来のEUV反射マスク10のマスク(非反射)領域16は、バッファ層18及び吸収層20をエッチングすることにより形成される。吸収層は典型的に、51nm~77nmの範囲の厚さを有する。キャッピング層22は、反射多層スタック12の上に形成され、エッチングプロセス中に反射多層スタック12を保護する。以下で論じるように、EUVマスクブランクは、多層、キャッピング層及び吸収層によりコーティングされた低熱膨張材料基板上に作られ、その後、マスク(非反射)領域16及び反射領域24をもたらすためにエッチングされる。
[0005]国際半導体技術ロードマップ(ITRS)により、ノードのオーバーレイ要件は、技術の最小ハーフピッチフィーチャサイズに対する割合として規定されている。すべての反射型リソグラフィシステムに固有の画像配置及びオーバーレイエラーへの影響が原因で、EUV反射マスクは、今後の生産においてより精密な平坦性仕様に準拠する必要がある。さらに、EUVブランクは、ブランクの作業領域での欠陥に対する許容度が非常に低い。さらに、吸収層の役割は光を吸収することである一方、吸収層の屈折率と真空の屈折率(n=1)との差による位相差効果もあり、この位相差によって3Dマスク効果が説明される。3Dマスク効果を軽減するために、より薄い吸収体を有するEUVマスクブランクを提供する必要がある。
本開示の1又は複数の実施形態は、極端紫外線(EUV)マスクブランクを製造する方法に関し、当該方法は、EUV照射を反射する多層スタックであって、複数の反射層ペアを備える多層スタックを、基板上に形成することと、多層スタック上にキャッピング層を形成することと、タンタル、イリジウム及びアンチモンの合金;イリジウム及びアンチモンの合金;並びにタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金から選択される吸収体層を、キャッピング層上に形成することと、を含むものである。
[0007]本開示のさらなる実施形態は、EUVマスクブランクに関し、当該EUVマスクブランクは、基板と、EUV照射を反射する多層スタックであって、複数の反射層ペアを備える、多層スタックと、反射層の前記多層スタック上にある、キャッピング層と、キャッピング層の上にある吸収体層であって、タンタル、イリジウム及びアンチモンの合金;イリジウム及びアンチモンの合金;並びにタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金から選択される吸収体層と、を備えるものである。
[0008]先に言及した本開示の特徴が詳細に理解可能なように、先に簡潔に要約した本開示のより具体的な説明は、実施形態を参照することによってなされ、その一部は、添付図面に図示されている。しかしながら添付図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示すに過ぎず、本開示には他の同様に有効な実施形態を認めることができるため、その範囲を限定するとみなされることはないことに留意されたい。
従来の吸収体を用いた背景技術のEUV反射マスクを概略的に示す。 極端紫外線リソグラフィシステムの一実施形態を概略的に示す。 極端紫外線反射素子製造システムの一実施形態を示す。 極端紫外線反射素子、例えばEUVマスクブランクの一実施形態を示す。 極端紫外線反射素子、例えばEUVマスクブランクの一実施形態を示す。 マルチカソード物理堆積チャンバの一実施形態を示す。
[0015]本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示は、以下の説明で規定される構造又はプロセス工程の詳細に限定されないことが理解されるべきである。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々なやり方で実施又は実行できる。
[0016]本明細書で使用するように「水平」という用語は、マスクブランクの向きにかかわらず、マスクブランクの平面又は表面に平行な平面として定義される。「垂直」という用語は、先に定義した水平に対して直交する方向を指す。「上方」、「下方」、「底部」、「頂部」、「側」(例えば「側壁」)、「高い」、「低い」、「上部」、「上に」、及び「下に」などの用語は、図に示したように、水平面に関して定義されている。
[0017]「上」(on)という用語は、要素同士が直接接触していることを示す。「上に直接」(directly on)という用語は、要素が介在せず、要素同士が直接接触していることを示す。
[0018]当業者であれば、プロセス領域を説明するための「第1」及び「第2」のような序列が使用されていても、処理チャンバ内の特定の位置、又は処理チャンバ内の曝露の順序が含意されていないことを理解するだろう。
[0019]本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するように、「基板」という用語は、プロセスが作用する表面、又は表面の一部をいう。また、基板への言及は、文脈が明確にそうでないことを示さない限り、基板の一部のみを指すことも当業者は理解するだろう。さらに、基板への堆積に関する言及は、むき出しの基板と、その上に1又は複数の膜又はフィーチャが堆積又は形成された基板の両方を意味する。
[0020]ここで図2を参照すると、極端紫外線リソグラフィシステム100の例示的な実施形態が示されている。極端紫外線露光装置100は、極端紫外線光112を生成するための極端紫外線光源102と、反射素子のセットと、ターゲットウェハ110と、を含む。反射素子は、集光器104、EUV反射マスク106、光学縮小アセンブリ108、マスクブランク、ミラー、又はこれらの組み合わせを含む。
[0021]極端紫外光源102は、極端紫外光112を発生させる。極端紫外光112は、5~50ナノメートル(nm)の範囲内の波長を有する電磁波である。例えば、極端紫外光源102は、レーザー、レーザー生成プラズマ、放電生成プラズマ、自由電子レーザー、シンクロトロン放射、又はこれらの組み合わせを含む。
[0022]極端紫外光源102は、様々な特性を有する極端紫外光112を発生させる。極端紫外光源102は、波長範囲にわたる広帯域の極端紫外光を生成する。例えば、極端紫外光源102は、5~50nmの範囲の波長を有する極端紫外光112を発生させる。1又は複数の実施形態において、極端紫外光源102は、狭帯域幅を有する極端紫外光112を生成する。例えば、極端紫外光源102は、極端紫外光112を13.5nmで発生させる。波長ピークの中心は、13.5nmである。
[0023]集光器104は、極端紫外光112を反射及び集光するための光学ユニットである。集光器104は、極端紫外光源102からの極端紫外光112を反射及び集光してEUV反射マスク106に照射する。
[0024]集光器104は単独の要素として示されているものの、いくつかの実施形態における集光器104は、極端紫外光112を反射及び集光するための1又は複数の反射素子、例えば凹面鏡、凸面鏡、平面鏡、又はそれらの組み合わせを含むことが理解される。例えば、いくつかの実施形態における集光部104は、単独の凹面鏡であるか、又は凸面、凹面及び平面の光学素子を有する光学アセンブリである。
[0025]EUV反射マスク106は、マスクパターン114を有する極端紫外光反射素子である。EUV反射マスク106は、ターゲットウェハ110上に形成すべき回路レイアウトを形成するためのリソグラフィパターンを形成する。EUV反射マスク106は、極端紫外光112を反射する。マスクパターン114は、回路レイアウトの一部を画定する。
[0026]光学縮小アセンブリ108は、マスクパターン114の画像を縮小するための光学ユニットである。EUV反射マスク106からの極端紫外光112の反射は、光学縮小アセンブリ108によって低減され、ターゲットウェハ110に反射される。いくつかの実施形態における光学縮小アセンブリ108は、マスクパターン114の画像のサイズを縮小するためのミラー及び他の光学素子を含む。例えば、いくつかの実施形態における光学縮小アセンブリ108は、極端紫外光112を反射及び集光するための凹面鏡を含む。
[0027]光学縮小アセンブリ108は、ターゲットウェハ110上のマスクパターン114の画像のサイズを縮小する。例えば、いくつかの実施形態におけるマスクパターン114は、ターゲットウェハ110上の光学縮小アセンブリ108によって4:1の比率で結像され、ターゲットウェハ110上にマスクパターン114によって表される回路を形成する。いくつかの実施形態における極端紫外光112は、ターゲットウェハ110と同期してEUV反射マスク106を走査し、ターゲットウェハ110上にマスクパターン114を形成する。
[0028]次に、図3を参照すると、極端紫外線反射素子製造システム200の一実施形態が示されている。極端紫外線反射素子は、EUVマスクブランク204、極端紫外線ミラー205、又は反射素子、例えばEUV反射マスク106を含む。
[0029]いくつかの実施形態における極端紫外反射素子製造システム200は、マスクブランク、ミラー、又は図2の極端紫外光112を反射する他の素子を製造する。極端紫外線反射素子製造システム200は、ソース基板203に薄いコーティングを塗布することによって反射素子を作製する。
[0030]EUVマスクブランク204は、図2のEUV反射マスク106を形成するための多層構造体である。いくつかの実施形態におけるEUVマスクブランク204は、半導体製造技術を使用して形成される。いくつかの実施形態におけるEUV反射マスク106は、エッチング及びその他の処理によりEUVマスクブランク204上に形成された、図2のマスクパターン114を有する。
[0031]極端紫外線ミラー205は、極端紫外線の範囲で反射性の多層構造である。いくつかの実施形態における極端紫外線ミラー205は、半導体製造技術を使用して形成される。いくつかの実施形態におけるEUVマスクブランク204及び極端紫外線ミラー205は、各素子に形成される層に関して類似の構造であるが、極端紫外線ミラー205は、マスクパターン114を有さない。
[0032]反射素子は、極端紫外光112の効率的な反射体である。ある実施形態では、EUVマスクブランク204及び極端紫外線ミラー205が、60%を超える極端紫外線反射率を有する。反射素子は、極端紫外光112を60%より多く反射すれば、効率的である。
[0033]極端紫外線反射素子製造システム200は、ソース基板203がロードされ、反射素子がアンロードされるウェハローディング及びキャリアハンドリングシステム202を含む。雰囲気ハンドリングシステム206は、ウェハ処理真空チャンバ208へのアクセスをもたらす。いくつかの実施形態におけるウェハローディング及びキャリアハンドリングシステム202は、システム内で基板を雰囲気から真空に移すための基板搬送ボックス、ロードロック、及び他の構成要素を含む。EUVマスクブランク204は、非常に小さなスケールでデバイスを形成するために使用されるので、ソース基板203及びEUVマスクブランク204は、汚染及びその他の欠陥を防ぐために真空システム内で処理される。
[0034]いくつかの実施形態におけるウェハ処理用真空チャンバ208は、2つの真空チャンバ、すなわち第1の真空チャンバ210及び第2の真空チャンバ212を含む。第1の真空チャンバ210は、第1のウェハハンドリングシステム214を含み、第2の真空チャンバ212は、第2のウェハハンドリングシステム216を含む。ウェハ処理真空チャンバ208は、2つの真空チャンバで説明されているものの、いくつかの実施形態におけるシステムは、任意の数の真空チャンバを有することが理解される。
[0035]いくつかの実施形態におけるウェハ処理用真空チャンバ208は、他の様々なシステムを取り付けるための複数のポートをその外周に有する。第1の真空チャンバ210は、脱ガスシステム218、第1の物理蒸着システム220、第2の物理蒸着システム222、及びプレクリーンシステム224を備える。脱ガス装置218は、基板から水分を熱により脱着させるためのものである。プレクリーンシステム224は、ウェハ、マスクブランク、ミラー、又は他の光学的構成要素の表面を清浄化するためのものである。
[0036]いくつかの実施形態における物理蒸着システム、例えば第1の物理蒸着装置220及び第2の物理蒸着装置222は、ソース基板203上に導電性材料の薄膜を形成するために使用される。例えば、いくつかの実施形態における物理的蒸着システムは、真空蒸着システム、例えばマグネトロンスパッタリングシステム、イオンスパッタリングシステム、パルスレーザー蒸着、陰極アーク蒸着、又はこれらの組み合わせを含む。物理蒸着システム、例えばマグネトロンスパッタリングシステムは、シリコン、金属、合金、化合物、又はそれらの組み合わせの層を含むソース基板203上に薄層を形成する。
[0037]物理蒸着システムは、反射層、キャッピング層、及び吸収体層を形成する。例えば、いくつかの実施形態における物理蒸着システムは、ケイ素、モリブデン、ルテニウム、タンタル、イリジウム、アンチモン、酸化チタン、二酸化チタン、酸化ルテニウム、酸化ニオブ、イリジウム、酸化イリジウム、ルテニウムタングステン、ルテニウムモリブデン、ルテニウムニオブ、クロム、アンチモン、鉄、銅、ホウ素、ニッケル、ビスマス、テルル、ハフニウム、タンタル、窒化物、化合物、又はこれらの組み合わせの層を形成する。いくつかの化合物は酸化物として説明されているが、いくつかの実施形態における化合物は、酸化物、二酸化物、酸素原子を有する原子混合物、又はこれらの組合せを含むことが理解される。
[0038]第2の真空チャンバ212には、第1のマルチカソード源226、化学蒸着システム228、硬化チャンバ230、及び超平滑堆積チャンバ232が接続されている。例えば、いくつかの実施形態における化学蒸着システム228は、流動性化学蒸着システム(FCVD)、プラズマ化学蒸着システム(CVD)、エアロゾルCVD、ホットフィラメントCVDシステム、又は類似のシステムを含む。別の例では、いくつかの実施形態における化学蒸着システム228、硬化チャンバ230、及び超平滑蒸着チャンバ232が、極端紫外反射素子製造装置200とは別個のシステムである。
[0039]いくつかの実施形態における化学蒸着システム228は、ソース基板203上に材料の薄膜を形成する。例えば、いくつかの実施形態における化学蒸着システム228は、単結晶層、多結晶層、非晶質層、エピタキシャル層、又はそれらの組み合わせを含む材料の層をソース基板203上に形成するために使用される。いくつかの実施形態における化学蒸着システム228は、シリコン、酸化シリコン、シリコンオキシカーバイド、タンタル、テルル、アンチモン、イリジウム、ハフニウム、鉄、銅、ホウ素、ニッケル、タングステン、ビスマスシリコンカーバイド、窒化シリコン、窒化チタン、金属、合金、及び化学蒸着に適した他の材料の層を形成する。例えば、いくつかの実施形態における化学蒸着システムは、平坦化層を形成する。
[0040]第1のウェハハンドリングシステム214は、雰囲気ハンドリングシステム206と第1の真空チャンバ210の周辺部の様々なシステムとの間で、ソース基板203を連続的な真空状態で移動させることができる。第2のウェハハンドリングシステム216は、ソース基板203を連続的な真空に維持しながら、第2の真空チャンバ212の周囲でソース基板203を移動させることができる。いくつかの実施形態における極端紫外線反射素子製造システム200は、ソース基板203及びEUVマスクブランク204を、連続的な真空状態で第1のウェハ処理装置214と第2のウェハ処理装置216との間で移送する。
[0041]次に図4を参照すると、極端紫外線反射素子302の一実施形態が示されている。1又は複数の実施形態において、極端紫外線反射素子302は、図3のEUVマスクブランク204であるか、又は図3の極端紫外線ミラー205である。EUVマスクブランク204及び極端紫外線ミラー205は、図2の極端紫外光112を反射するための構造体である。いくつかの実施形態におけるEUVマスクブランク204は、図2に示すEUV反射マスク106を形成するために使用される。
[0042]極端紫外線反射素子302は、基板304、反射層の多層スタック306、及びキャッピング層308を含む。1又は複数の実施形態において、極端紫外線ミラー205は、図2の集光器104又は図2の光学縮小アセンブリ108で使用するための反射構造を形成するために使用される。
[0043]極端紫外線反射素子302(いくつかの実施形態ではEUVマスクブランク204である)は、基板304、反射層の多層スタック306、キャッピング層308、及び吸収体層310を含む。いくつかの実施形態における極端紫外線反射素子302は、EUVマスクブランク204であり、当該EUVマスクブランクは、必要な回路のレイアウトで吸収体層310をパターニングすることによって、図2のEUV反射マスク106を形成するために使用される。
[0044]以下のセクションでは簡潔性のため、EUVマスクブランク204という用語は、極端紫外線ミラー205という用語と互換的に使用される。1又は複数の実施形態において、EUVマスクブランク204は、さらに図2のマスクパターン114を形成するために、吸収体層310が追加された極端紫外線ミラー205の構成要素を含む。
[0045]EUVマスクブランク204は、マスクパターン114を有するEUV反射マスク106を形成するために用いられる光学的に平坦な構造体である。1又は複数の実施形態において、EUVマスクブランク204の反射面は、入射光、例えば図2の極端紫外光112を反射するための平坦な焦点面を形成する。
[0046]基板304は、極端紫外線反射素子302に構造的な支持をもたらすための要素である。1又は複数の実施形態において、基板304は、温度が変化する間に安定性をもたらすために、熱膨張係数(CTE)が低い材料から作製されている。1又は複数の実施形態において、基板304は、機械的サイクル、熱サイクル、結晶形成、又はこれらの組み合わせに対する安定性などの特性を有する。1又は複数の実施形態による基板304は、シリコン、ガラス、酸化物、セラミック、ガラスセラミック、又はこれらの組み合わせなどの材料から形成される。
[0047]多層スタック306は、極端紫外光112に対して反射性の構造体である。多層スタック306は、第1の反射層312及び第2の反射層314の交互反射層を含む。
[0048]第1の反射層312及び第2の反射層314は、図4の反射ペア316を形成する。非限定的な実施形態では、多層スタック306が、合計で最大120の反射層のために、反射ペア316を20~60の範囲で含む。
[0049]いくつかの実施形態における第1の反射層312及び第2の反射層314は、様々な材料から形成される。ある実施形態では、第1の反射層312及び第2の反射層314がそれぞれ、ケイ素及びモリブデンから形成される。これらの層はケイ素及びモリブデンとして示されているものの、いくつかの実施形態における交互層は、他の材料から形成されるか、又は他の内部構造を有することが理解される。
[0050]いくつかの実施形態における第1の反射層312及び第2の反射層314は、様々な構造を有する。ある実施形態では、第1の反射層312及び第2の反射層314がいずれも、単層、多層、分割層構造、不均一構造、又はそれらの組み合わせで形成されている。
[0051]多くの材料が極端紫外線の波長で光を吸収するため、使用される光学素子は、他のリソグラフィシステムで使用されている透過型ではなく、反射型のものである。多層スタック306は、ブラッグ反射体又はミラーを作成するために、異なる光学特性を有する材料の交互薄層を有することによって、反射構造を形成する。
[0052]ある実施形態では、交互層のそれぞれが、極端紫外光112とは異なる光学定数を有する。交互層により、交互層の厚さの周期が極端紫外光112の波長の1/2であるときに、共振反射がもたらされる。ある実施形態では、波長13nmの極端紫外光112に対して、交互層は約6.5nmの厚さである。提供されたサイズ及び寸法は、典型的な要素に対する通常の工学的公差の許容範囲内にあることが理解される。
[0053]いくつかの実施形態における多層スタック306は、様々なやり方で形成される。ある実施形態では、第1の反射層312及び第2の反射層314が、マグネトロンスパッタリング、イオンスパッタリングシステム、パルスレーザー堆積、陰極アーク堆積、又はそれらの組み合わせで形成される。
[0054]例示的な実施形態では、多層スタック306が、マグネトロンスパッタリングなどの物理的蒸着技術を用いて形成される。ある実施形態では、多層スタック306の第1の反射層312及び第2の反射層314が、マグネトロンスパッタリング技術(精密な厚さ、低い粗さ、及び層間のクリーンな界面を含む)によって形成されている特性を有する。ある実施形態では、多層スタック306の第1の反射層312及び第2の反射層314が、物理蒸着(精密な厚さ、低い粗さ、及び層間のクリーンな界面を含む)によって形成されている特性を有する。
[0055]いくつかの実施形態において物理的蒸着技術を用いて形成された多層スタック306の層の物理的寸法は、反射率を高めるため精密に制御される。ある実施形態では、第1の反射層312、例えばシリコンの層が、4.1nmの厚さを有する。第2の反射層314、例えばモリブデンの層は、2.8nmの厚さを有する。これらの層の厚さにより、極端紫外線反射素子の反射率のピーク波長が決まる。層の厚さが不正確な場合には、いくつかの実施形態における所望の波長13.5nmにおける反射率が低下する。
[0056]ある実施形態において、多層スタック306は、60%を超える反射率を有する。ある実施形態において、物理蒸着を用いて形成された多層スタック306は、66%~67%の範囲にある反射率を有する。1又は複数の実施形態において、より硬い材料で形成された多層スタック306の上にキャッピング層308を形成することにより、反射率が改善される。いくつかの実施形態では、粗さが低い層、層間のクリーンな界面、改善された層材料、又はこれらの組み合わせを使用して、70%を超える反射率が達成される。
[0057]1又は複数の実施形態において、キャッピング層308は、極端紫外光112の透過を可能にする保護層である。ある実施形態では、キャッピング層308が、多層スタック306上に直接形成される。1又は複数の実施形態において、キャッピング層308は、多層スタック306を汚染物質及び機械的損傷から保護する。ある実施形態では、多層スタック306が、酸素、タンタル、ヒドロタンタル、又はこれらの組み合わせによる汚染に対して敏感である。ある実施形態によるキャッピング層308は、汚染物質と相互作用して、当該汚染物質を中和する。
[0058]1又は複数の実施形態において、キャッピング層308は、極端紫外光112に対して透明である光学的に均一な構造体である。極端紫外光112は、キャッピング層308を通過して多層スタック306で反射する。1又は複数の実施形態において、キャッピング層308は、1%~2%の全反射率損失を有する。1又は複数の実施形態において、異なる材料はそれぞれ、厚さに応じて異なる反射率損失を有するが、それらはすべて1%~2%の範囲にあるだろう。
[0059]1又は複数の実施形態において、キャッピング層308は、平滑な表面を有する。例えば、いくつかの実施形態におけるキャッピング層308の表面は、0.2nm RMS(二重平均平方根で測定)未満の粗さを有する。別の例では、キャッピング層308の表面が、1/100nm~1/1μmの範囲の長さについて0.08nm RMSの粗さを有する。RMS粗さは、測定する範囲に応じて変わるだろう。100nmから1μmという特定の範囲について、粗さは0.08nm以下である。それより大きい範囲では、粗さが大きくなるだろう。
[0060]いくつかの実施形態におけるキャッピング層308は、様々な方法で形成される。ある実施形態では、キャッピング層308が、マグネトロンスパッタリング、イオンスパッタリングシステム、イオンビーム堆積、電子ビーム蒸着、高周波(RF)スパッタリング、原子層堆積(ALD)、パルスレーザー蒸着、陰極アーク蒸着、又はそれらの組み合わせにより、多層スタック306上に、又は多層スタック306上に直接、形成される。1又は複数の実施形態において、キャッピング層308は、マグネトロンスパッタリング技術(精密な厚さ、低い粗さ、及び層間のクリーンな界面を含む)によって形成される物理的特性を有する。ある実施形態では、キャッピング層308が、物理蒸着(精密な厚さ、低い粗さ、及び層間のクリーンな界面を含む)によって形成される物理的特性を有する。
[0061]1又は複数の実施形態において、キャッピング層308は、クリーニング中の腐食に抵抗するのに充分な硬度を有する様々な材料から形成される。ある実施形態では、ルテニウムがキャッピング層材料として使用される。ルテニウムは良好なエッチングストップであり、動作条件下で比較的不活性だからである。しかしながら、いくつかの実施形態ではその他の材料が、キャッピング層308を形成するために使用されることが理解される。特定の実施形態では、キャッピング層308が、2.5~5.0nmの範囲内の厚さを有する。
[0062]1又は複数の実施形態において、吸収体層310は、極端紫外光112を吸収する層である。ある実施形態では吸収体層310が、極端紫外光112を反射しない領域を設けることによって、EUV反射マスク106上にパターンを形成するために使用される。吸収体層310は、1又は複数の実施形態によれば、極端紫外光112の特定の周波数(例えば約13.5nm)に対して高い吸収係数を有する材料を含む。ある実施形態では、吸収体層310が、キャッピング層308上に直接形成され、吸収体層310は、EUV反射マスク106のパターンを形成するためにフォトリソグラフィプロセスを用いてエッチングされる。
[0063]1又は複数の実施形態によれば、極端紫外線反射素子302、例えば極端紫外線ミラー205は、基板304、多層スタック306、及びキャッピング層308により形成される。極端紫外線ミラー205は、光学的に平坦な表面を有し、いくつかの実施形態では、極端紫外光112を効率的かつ均一に反射する。
[0064]1又は複数の実施形態によれば、極端紫外線反射素子302、例えばEUVマスクブランク204は、基板304、多層スタック306、キャッピング層308、及び吸収体層310により形成されている。マスクブランク204は、光学的に平坦な表面を有し、いくつかの実施形態では、極端紫外光112を効率的かつ均一に反射する。ある実施形態では、マスクパターン114が、EUVマスクブランク204の吸収体層310により形成される。
[0065]1又は複数の実施形態によれば、キャッピング層308の上に吸収体層310を形成することにより、EUV反射型マスク106の信頼性が向上する。キャッピング層308は、吸収体層310のためのエッチングストップ層としてはたらく。図2のマスクパターン114が吸収体層310内へとエッチングされると、吸収体層310の下のキャッピング層308がエッチング作用を停止して多層スタック306を保護する。1又は複数の実施形態において、吸収体層310は、キャッピング層308に対してエッチング選択性である。いくつかの実施形態では、キャッピング層308がルテニウムを含み、吸収体層310がルテニウムに対してエッチング選択性である。
[0066]ある実施形態において、吸収体層310は、タンタル、イリジウム及びアンチモンの合金;イリジウム及びアンチモンの合金;並びにタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金から選択される合金を含む。いくつかの実施形態では、吸収体層が、約100nm未満の厚さを有する。いくつかの実施形態では、吸収体層が、約65nm未満の厚さを有し、これには、約60nm未満、約55nm未満、約50nm未満、約45nm未満、約40nm未満、又は約35nm未満が含まれる。別の実施形態において、吸収体層310は、約1nm~約100nm、約0.5nm~約85nm、約0.5nm~約75nm、約0.5nm~約65nmの範囲の厚さを有し、これには、約1nmから約100nm、約1nmから約90nm、約1nm~約80nm、約1nm~約70nm、約1nm~約60nm、1nm~約55nm、及び15nm~約50nmの範囲の厚さが含まれる。
[0067]タンタル、イリジウム及びアンチモンの合金;イリジウム及びアンチモンの合金;並びにタンタル、ルテニウム、及びアンチモンの合金から選択された合金を含む吸収体のシミュレーション試験により、TaN吸収体と比較してより良好なリソグラフィ性能が示された。本明細書に記載された合金吸収体は、TaN吸収体と比較して、より良好な焦点深度(DOF)、正規化画像ログ・スロープ(NILS)、及びテレセントリックエラー(TCE)を示した。
[0068]1又は複数の実施形態では、吸収体層がタンタル、イリジウム及びアンチモンの合金を含み、当該合金は、合金の総重量に基づいて、約4.8重量%~約58.4重量%のタンタル、約6.2重量%~約92重量%のイリジウム、及び約3.2重量%から約85.5重量%のアンチモンを含む。1又は複数の実施形態では、当該合金が、合金の総重量に基づいて、約14.8重量%~約48.4重量%のタンタル、約16.2重量%~約82重量%のイリジウム、及び約13.2重量%~約75.5重量%のアンチモンを含む。1又は複数の実施形態では、当該合金が、合金の総重量に基づいて、約24.8重量%~約38.4重量%のタンタル、約26.2重量%~約72重量%のイリジウム、及び約23.2重量%~約65.5重量%のアンチモンを含む。1又は複数の実施形態では、タンタル、イリジウム及びアンチモンの合金が、単相の合金である。
[0069]1又は複数の実施形態では、イリジウム及びアンチモンの合金が、合金の総重量に基づいて、約7.6重量%~約96.8重量%のイリジウム、及び約3.2重量%~約92.4重量%のアンチモンを含む。1又は複数の実施形態では、イリジウム及びアンチモンの合金が、合金の総重量に基づいて、約17.6重量%~約86.8重量%のイリジウム、及び約13.2重量%~約82.4重量%のアンチモンを含む。1又は複数の実施形態では、イリジウム及びアンチモンの合金が、合金の総重量に基づいて、約27.6重量%~約76.8重量%のイリジウム、及び約23.2重量%~約72.4重量%のアンチモンを含む。1又は複数の実施形態では、イリジウム及びアンチモンの合金が、単相の合金である。
[0070]1又は複数の実施形態では吸収体層が、タンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金を含み、当該合金は約7.3重量%~約63.7重量%のタンタル、約3.3重量%~約85.7重量%のルテニウム、及び約4.3重量%~約88.6重量%のアンチモンを含む。1又は複数の実施形態では、当該合金が、合金の総重量に基づいて約17.3重量%~約53.7重量%のタンタル、約13.3重量%~約75.7重量%のルテニウム、及び約14.3重量%~約78.6重量%のアンチモンを含む。1又は複数の実施形態では、当該合金が、合金の総重量に基づいて約27.3重量%~約43.7重量%のタンタル、約23.3重量%~約65.7重量%のルテニウム、及び約24.3重量%~約68.6重量%のアンチモンを含む。1又は複数の実施形態では、タンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金が、単相の合金である。
[0071]1又は複数の実施形態において、タンタル、イリジウム及びアンチモンの合金、イリジウム及びアンチモンの合金、又はタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金は、ドーパントを含む。ドーパントは、窒素又は酸素のうち1若しくは複数から選択することができる。ある実施形態では、ドーパントが酸素を含む。代替的な実施形態では、ドーパントが窒素を含む。ある実施形態では、ドーパントが、合金の重量に基づいて、約0.1重量%から約5重量%の範囲の量で合金中に存在する。他の実施形態ではドーパントが、約0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%%、1.0重量%、1.1重量%、1.2重量%、1.3重量%、1.4重量%、1.5重量%、1.6重量%、1.7重量%、1.8重量%、1.9重量%、2.0重量%、2.1重量%、2.2重量%、2.3重量%、2.4重量%、2.5重量%、2.6重量%、2.7重量%、2.8重量%、2.9重量%、3.0重量%、3.1重量%、3.2重量%、3.3重量%、3.4重量%、3.5重量%、3.6重量%、3.7重量%、3.8重量%、3.9重量%、4.0重量%、4.1重量%、4.2重量%、4.3重量%、4.4重量%、4.5重量%、4.6重量%、4.7重量%、4.8重量%、4.9重量%、又は5.0重量%の量で合金中に存在する。
[0072]1又は複数の実施形態では、吸収体層の合金が、合金の各金属成分を含む複数のターゲットを使用して物理的堆積チャンバ内で形成された、共スパッタリングされた(co-sputtered)合金吸収体材料であり、これにより、いくつかの実施形態では、2%未満の反射率及び適切なエッチング特性を実現しながら、はるかに薄い吸収体層の厚さ(例えば100nm未満、90nm未満、80nm未満、70nm未満、60nm未満、50nm未満、40nm未満、又は30nm未満)がもたらされる。1又は複数の実施形態では、吸収体層の合金が、アルゴン(Ar)、酸素(O)又は窒素(N)のうちの1又は複数から選択されるガスにより共スパッタリングされる。ある実施形態において、いくつかの実施形態における吸収体層の合金は、アルゴンと酸素との混合ガス(Ar+O)によって共スパッタリングされる。いくつかの実施形態では、アルゴンと酸素との混合物中での共スパッタリングにより、タンタル、イリジウム及びアンチモンの合金については、タンタルの酸化物、イリジウムの酸化物及び/又はアンチモンの酸化物が形成されるか、又はイリジウム及びアンチモンの合金については、イリジウムの酸化物及び/又はアンチモンの酸化物が形成されるか、又はタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金については、タンタルの酸化物、ルテニウムの酸化物及び/又はアンチモンの酸化物が形成される。他の実施形態では、アルゴンと酸素との混合物による共スパッタリングが、本明細書に開示される各合金の成分の1又は複数の酸化物を形成しない。ある実施形態では、いくつかの実施形態における吸収体層の合金が、アルゴンと窒素との混合ガス(Ar+N)中で共スパッタリングされる。いくつかの実施形態では、アルゴンと窒素との混合物中での共スパッタリングにより、タンタル、イリジウム及びアンチモンの合金の場合、タンタルの窒化物、イリジウムの窒化物、及び/又はアンチモンの窒化物が形成されるか、又はイリジウム及びアンチモンの合金については、イリジウムの窒化物、及び/又はアンチモンの窒化物が形成されるか、又はタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金については、タンタルの窒化物、ルテニウムの窒化物、及び/又はアンチモンの窒化物が形成される。他の実施形態では、アルゴンと窒素との混合物中での共スパッタリングにより、本明細書に開示される合金の1又は複数の成分の窒化物が形成されない。ある実施形態では、いくつかの実施形態における吸収体層の合金が、アルゴンと酸素と窒素との混合ガス(Ar+O+N)中で共スパッタリングされる。いくつかの実施形態では、アルゴンと酸素と窒素との混合物中での共スパッタリングにより、タンタル、イリジウム及びアンチモンの酸化物及び/又は窒化物が形成されるか、又はイリジウム及びアンチモンの合金については、イリジウム及びアンチモンの酸化物及び/又は窒化物が形成されるか、又はタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金については、タンタル、ルテニウム及びアンチモンの酸化物及び/又は窒化物が形成される。他の実施形態では、アルゴンと酸素と窒素との混合ガス中での共スパッタリングにより、本明細書に記載された合金の成分の1又は複数の酸化物又は窒化物が形成されない。ある実施形態では、いくつかの実施形態における吸収体層のエッチング特性及び/又は他の特性が、先に論じたように、合金の割合を制御することによって仕様に合わせて調整される。ある実施形態では、いくつかの実施形態における合金の割合が、物理蒸着チャンバの動作パラメータ、例えば電圧、圧力、流量などによって精密に制御される。ある実施形態では、材料特性をさらに修正するためにプロセスガスが使用され、例えばNガスが、タンタル、イリジウム及びアンチモンの合金、イリジウム及びアンチモンの合金、又はタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金の1若しくは複数の成分の窒化物を形成するために使用される。
[0073]1又は複数の実施形態では、本明細書で使用するように「共スパッタリング」とは、少なくとも2つのターゲット、すなわちイリジウムを含有する1つのターゲット、及びアンチモンを含有する第2のターゲットが、又はタンタル、イリジウム及びアンチモンの合金については、タンタルを含有する1つのターゲット、イリジウムを含有する1つのターゲット、及びアンチモンを含有する第3のターゲットが、又はタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金については、タンタルから構成される1つのターゲット、ルテニウムから構成される第2のターゲット、及びアンチモンを含有する第3のターゲットが、アルゴン(Ar)、酸素(O)又は窒素(N)から選択される1又は複数のガスを用いて共スパッタリングされて、タンタル、イリジウム及びアンチモンの合金;イリジウム及びアンチモンの合金;並びにタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金から選択される吸収体層が、堆積/形成されることを意味する。
[0074]他の実施形態では、タンタル、イリジウム及びアンチモンの合金、イリジウム及びアンチモンの合金、又はタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金が、アルゴン(Ar)、酸素(O)又は窒素(N)のうち1又は複数から選択されるガスを用いて、タンタル、イリジウム及びアンチモンの層の積層体、イリジウム及びアンチモンの層の積層体、又はタンタル、ルテニウム及びアンチモンの層の積層体として層ごとに堆積される。ある実施形態では、いくつかの実施形態における吸収体層の合金が、アルゴンと酸素との混合ガス(Ar+O)を用いて、タンタル、イリジウム及びアンチモンの層の積層体、イリジウム及びアンチモンの層の積層体、又はタンタル、ルテニウム及びアンチモンの層の積層体として層ごとに堆積される。ある実施形態では、アルゴンと酸素との混合物を用いた層ごとの堆積(layer by layer depositing)により、タンタル、イリジウム及び/又はアンチモンの酸化物が形成されるか、又はイリジウム及びアンチモンの合金については、イリジウム及び/又はアンチモンの酸化物が形成されるか、又はタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金については、タンタル、ルテニウム及び/又はアンチモンの酸化物が形成される。他の実施形態では、アルゴンと酸素との混合物を用いた層ごとの堆積により、これらの積層体を構成する金属の酸化物が形成されない。ある実施形態では、いくつかの実施形態における吸収体層の合金が、アルゴンガスと窒素との混合ガス(Ar+N)を用いて、タンタル、イリジウム及びアンチモンの層の積層体として、又はイリジウム及びアンチモンの合金については、イリジウム及びアンチモンの層の積層体として、又はタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金については、タンタル、ルテニウム及びアンチモンの層の積層体として、層ごとに堆積される。いくつかの実施形態では、アルゴンと窒素との混合物を用いた層ごとの堆積により、タンタルの窒化物、イリジウムの窒化物及び/又はアンチモンの窒化物が、又はイリジウム及びアンチモンの合金については、イリジウムの窒化物及び/又はアンチモンの窒化物が、又はタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金については、タンタルの窒化物、ルテニウムの窒化物及び/又はアンチモンの窒化物が形成される。他の実施形態では、アルゴンと窒素との混合物を用いた層ごとの堆積により、これらの各積層体を構成する金属の窒化物が形成されない。ある実施形態において、いくつかの実施形態における吸収体層の合金は、アルゴンと酸素と窒素との混合ガス(Ar+O+N)を用いて、タンタル、イリジウム及びアンチモン層の積層として、又はイリジウム及びアンチモンの合金については、イリジウム及びアンチモン層の積層として、又はタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金については、タンタル、ルテニウム及びアンチモン層の積層として、層ごとに堆積される。いくつかの実施形態では、アルゴンと酸素と窒素との混合物を用いた層ごとの堆積により、タンタルの酸化物及び/又は窒化物、イリジウムの酸化物及び/又は窒化物、アンチモンの酸化物及び/又は窒化物が、又はイリジウム及びアンチモンの合金については、イリジウムの酸化物及び/又は窒化物、アンチモンの酸化物及び/又は窒化物が、又はタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金については、タンタルの酸化物及び/又は窒化物、ルテニウムの酸化物及び/又は窒化物、アンチモンの酸化物及び/又は窒化物が形成される。他の実施形態では、アルゴンと酸素と窒素との混合物を用いた層ごとの堆積により、これらの積層体の1又は複数の成分の酸化物又は窒化物が形成されない。
[0075]1又は複数の実施形態において、本明細書に記載された合金組成物のバルクターゲットは、アルゴン(Ar)、酸素(O)、又は窒素(N)のうち1又は複数から選択されるガスを用いた通常のスパッタリングによって作製可能である。1又は複数の実施形態では、合金の組成と同じ組成を有するバルクターゲットを用いて合金を堆積させ、アルゴン(Ar)、酸素(O)又は窒素(N)のうち1又は複数から選択されるガスを用いてスパッタリングして、吸収体層を形成する。ある実施形態では、いくつかの実施形態における吸収体層の合金が、合金と同じ組成を有するバルクターゲットを用いて堆積され、アルゴンと酸素との混合ガス(Ar+O)を用いてスパッタされる。いくつかの実施形態では、アルゴンと酸素との混合物を用いたバルクターゲット堆積により、タンタルの酸化物、イリジウムの酸化物及び/又はアンチモンの酸化物が、又はイリジウム及びアンチモンの合金については、イリジウム及び/又はアンチモンの酸化物が、又はタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金については、タンタルの酸化物、ルテニウムの酸化物及び/又はアンチモンの酸化物が形成される。他の実施形態では、アルゴンと酸素との混合物を使用するバルクターゲット堆積により、これらの積層体の各金属の酸化物が形成されない。ある実施形態では、いくつかの実施形態における吸収体層の合金が、合金と同じ組成を有するバルクターゲットを用いて堆積され、アルゴンと窒素との混合ガス(Ar+N)を用いてスパッタリングされる。いくつかの実施形態では、アルゴンと窒素との混合物を用いたバルクターゲット堆積により、タンタルの窒化物、イリジウムの窒化物、及び/又はアンチモンの窒化物が、又はイリジウム及びアンチモンの合金については、イリジウムの窒化物及び/又はアンチモンの窒化物が、又はタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金については、タンタルの窒化物、ルテニウムの窒化物、及び/又はアンチモンの窒化物が形成される。他の実施形態では、アルゴンと窒素との混合物を用いたバルクターゲット堆積により、合金の1又は複数の成分の窒化物が形成されない。ある実施形態では、いくつかの実施形態における吸収体層の合金が、合金と同じ組成を有するバルクターゲットを用いて堆積され、アルゴンと酸素と窒素との混合ガス(Ar+O+N)を用いてスパッタリングされる。いくつかの実施形態では、アルゴンと酸素と窒素との混合物を用いたバルクターゲット堆積により、タンタルの酸化物及び/又は窒化物、イリジウムの酸化物及び/又は窒化物、並びに/又はアンチモンの酸化物及び/又は窒化物が、又はイリジウム及びアンチモンの合金については、イリジウムの酸化物及び/又は窒化物、並びに/又はアンチモンの酸化物及び/又は窒化物が、又はタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金については、タンタルの酸化物及び/又は窒化物、ルテニウムの酸化物及び/又は窒化物、並びに/又はアンチモンの酸化物及び/又は窒化物が形成される。他の実施形態では、アルゴンと酸素と窒素との混合物を用いたバルクターゲット堆積により、合金の1又は複数の成分の酸化物又は窒化物が形成されない。いくつかの実施形態では、タンタル、イリジウム及びアンチモンの合金、イリジウム及びアンチモンの合金、又はタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金が、1又は複数の窒素又は酸素により0.1重量%~5重量%の範囲でドープされている。
[0076]いくつかの実施形態におけるEUVマスクブランクは、第1の吸収体材料を含む第1のカソード、第2の吸収体材料を含む第2のカソード、第3の吸収体材料を含む第3のカソード、第4の吸収体材料を含む第4のカソード、及び第5の吸収体材料を含む第5のカソードを有する物理堆積チャンバで作製され、ここで第1の吸収体材料、第2の吸収体材料、第3の吸収体材料、第4の吸収体材料、及び第5の吸収体材料は相互に異なり、これらの吸収体材料はそれぞれ、他の材料とは異なる吸光係数を有し、これらの吸収体材料はそれぞれ、他の材料とは異なる屈折率を有する。
[0077]ここで図5を参照すると、極端紫外線マスクブランク400は、基板414と、基板414上の反射層の多層スタック412とを備えるものとして示されており、反射層の多層スタック412は、複数の反射層ペアを含む。1又は複数の実施形態において、複数の反射層ペアは、モリブデン(Mo)含有材料、及びケイ素(Si)含有材料から選択される材料から作製される。いくつかの実施形態において、複数の反射層ペアは、モリブデン及びケイ素の交互層を含む。極端紫外線マスクブランク400は、反射層412の多層スタック上にキャッピング層422をさらに含み、キャッピング層422の上には吸収体層の多層スタック420がある。1又は複数の実施形態では、複数の反射層412が、モリブデン(Mo)含有材料、及びケイ素(Si)含有材料から選択され、キャッピング層422が、ルテニウムを含む。
[0078]吸収体層の多層スタック420は、複数の吸収体層ペア420a、420b、420c、420d、420e、420fを含み、各ペア(420a/420b、420c/420d、420e/420f)は、イリジウム及びアンチモンの合金から選択される。いくつかの420a/420b/420c、及び420d/420e/420fでは、それぞれが、タンタル、イリジウム及びアンチモンを含有する。いくつかの420a/420b/420c、及び420d/420e/420fでは、それぞれが、タンタル、ルテニウム及びアンチモンを含有する。
[0079]1つの例では、吸収体層420aがイリジウムから作製されており、吸収体層420bを形成する材料が、アンチモンである。同様に、吸収体層420cはイリジウムから作製され、吸収体層420dを形成する材料はアンチモンであり、吸収体層420eはイリジウム材料から作製され、吸収体層420fを形成する材料はアンチモンである。別の例では、吸収体層420aがタンタルから作製され、吸収体層420bを形成する材料がイリジウムであり、吸収体層420cがアンチモンから作製される。吸収体層420dを形成する材料はタンタルであり、吸収体層420eはイリジウムから作製され、吸収体層420fを形成する材料はアンチモンである。別の例では、吸収体層420aがタンタルから作製され、吸収体層420bを形成する材料がルテニウムであり、吸収体層420cがアンチモンから作製される。吸収体層420dを形成する材料はタンタルであり、吸収体層420eはルテニウムから作製され、吸収体層420fを形成する材料はアンチモンである。
[0080]ある実施形態において、吸収体層310は、タンタル、イリジウム及びアンチモンの合金、イリジウム及びアンチモンの合金、並びにタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金から選択される合金から作製される。1又は複数の実施形態において、合金は、タンタル、イリジウム及びアンチモンの合金を含み、当該合金は、合金の総重量に基づいて、約4.8重量%から約58.4重量%のタンタル、約6.2重量%から約92重量%のイリジウム、及び約3.2重量%から約85.5重量%のアンチモンを含む。1又は複数の実施形態において、当該合金は、合金の総重量に基づいて、約14.8重量%から約48.4重量%のタンタル、約16.2重量%から約82重量%のイリジウム、及び約13.2重量%から約75.5重量%のアンチモンを含む。1又は複数の実施形態では、当該合金は、合金の総重量に基づいて、約24.8重量%から約38.4重量%のタンタル、約26.2重量%から約72重量%のイリジウム、及び約23.2重量%から約65.5重量%のアンチモンを含む。1又は複数の実施形態において、タンタル、イリジウム及びアンチモンの合金は、単相の合金である。
[0081]1又は複数の実施形態において、イリジウム及びアンチモンの合金は、合金の総重量に基づいて、約7.6重量%から約96.8重量%のイリジウム、及び約3.2重量%から約92.4重量%のアンチモンを含む。1又は複数の実施形態において、イリジウム及びアンチモンの合金は、合金の総重量に基づいて、約17.6重量%から約86.8重量%のイリジウム、及び約13.2重量%から約82.4重量%のアンチモンを含む。1又は複数の実施形態において、イリジウム及びアンチモンの合金は、合金の総重量に基づいて、約27.6重量%~約76.8重量%のイリジウム、及び約23.2重量%~約72.4重量%のアンチモンを含む。1又は複数の実施形態において、イリジウム及びアンチモンの合金は、単相の合金である。
[0082]1又は複数の実施形態において、吸収体層は、タンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金を含み、当該合金は、約7.3重量%~約63.7重量%のタンタル、約3.3重量%~約85.7重量%のルテニウム、及び約4.3重量%~約88.6重量%のアンチモンを含む。1又は複数の実施形態では、当該合金が、合金の総重量に基づいて、約17.3重量%から約53.7重量%のタンタル、約13.3重量%から約75.7重量%のルテニウム、及び約14.3重量%から約78.6重量%のアンチモンを含む。1又は複数の実施形態では、当該合金が、合金の総重量に基づいて、約27.3重量%~約43.7重量%のタンタル、約23.3重量%~約65.7重量%のルテニウム、及び約24.3重量%~約68.6重量%のアンチモンを含む。1又は複数の実施形態において、タンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金は、単相の合金である。
[0083]1又は複数の実施形態によれば、吸収体層ペアが、第1の層(420a、420c、420e)及び第2の吸収体層(420b、420d、420f)を含み、第1の層(420a、420c、420e)及び第2の吸収体層(420b、420d、420f)はそれぞれ、0.1nm~10nmの範囲の厚さ、例えば1nm~5nmの範囲、又は1nm~3nmの範囲の厚さを有する。1又は複数の特定の実施形態において、第1の層420aの厚さは、0.5nm、0.6nm、0.7nm、0.8nm、0.9nm、1nm、1.1nm、1.2nm、1.3nm、1.4nm、1.5nm、1.6nm、1.7nm、1.8nm、1.9nm、2nm、2.1nm、2.2nm、2.3nm、2.4nm、2.5nm、2.6nm、2.7nm、2.8nm、2.9nm、3nm、3.1nm、3.2nm、3.3nm、3.4nm、3.5nm、3.6nm、3.7nm、3.8nm、3.9nm、4nm、4.1nm、4.2nm、4.3nm、4.4nm、4.5nm、4.6nm、4.7nm、4.8nm、4.9nm、及び5nmである。1又は複数の実施形態において、各ペアの第1の吸収体層及び第2の吸収体層の厚さは、同一であるか、又は異なる。例えば、第1の吸収体層及び第2の吸収体層は、第1の吸収体層の厚さと第2の吸収体層の厚さとの比が、1:1、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1、4.5:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、又は20:1であるような厚さを有し、これにより第1の吸収体層は、各ペアで第2の吸収体層の厚さと等しい、又はそれより大きい厚さを有することになる。代替的には、第1の吸収体層及び第2の吸収体層は、第2の吸収体層の厚さと第1の吸収体層の厚さとの比が、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1、4.5:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、又は20:1であるような厚さを有し、これにより第2の吸収体層は、各ペアで第1の吸収体層の厚さと等しい、又はそれより大きい厚さを有することになる。
[0084]1又は複数の実施形態によれば、極端紫外光が吸光度によって、及び反射層の多層スタックからの光との破壊的干渉による位相変化によって吸収されるように、異なる吸収体材料及び吸収体層の厚さが選択される。図5に示す実施形態では、3つの吸収体層ペア、420a/420b、420c/420d、及び420e/420fが示されているが、特許請求の範囲は、特定の数の吸収体層ペアに限定されるべきではない。1又は複数の実施形態によれば、いくつかの実施形態におけるEUVマスクブランク400が、5~60の範囲の吸収体層ペア、又は10~40の範囲の吸収体層ペアを含む。
[0085]1又は複数の実施形態によれば、吸収体層が、2%未満の反射率及び他のエッチング特性をもたらす厚さを有する。いくつかの実施形態における供給ガスは、吸収体層の材料特性をさらに修正するために使用され、例えば、いくつかの実施形態における窒素(N)ガスは、先に提示した材料の窒化物を形成するために使用される。1又は複数の実施形態による吸収体層の多層スタックは、EUV光が吸光度によって吸収されるだけでなく、多層吸収体スタックにより引き起こされる位相変化によっても吸収されるように異なる材料の個々の厚さの反復パターンであり、これによって、下の反射材料の多層スタックからの光と破壊的に干渉してより良好なコントラストがもたらされる。
[0086]本開示の別の態様は、極端紫外線(EUV)マスクブランクの製造方法に関し、当該方法は、複数の反射層ペアを含む反射層の多層スタックを基板上に形成すること、反射層の多層スタック上にキャッピング層を形成すること、及びキャッピング層上に吸収体層を形成することを含むものであり、ここで吸収体層は、タンタル、イリジウム及びアンチモンの合金;イリジウム及びアンチモンの合金;並びにタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金から選択される。
[0087]いくつかの実施形態におけるEUVマスクブランクは、図4及び図5に関して上述した実施形態の特性のいずれかを有し、いくつかの実施形態における方法は、図3に関して説明したシステムで実行される。
[0088]よってある実施形態では、複数の反射層が、モリブデン(Mo)含有材料及びケイ素(Si)含有材料から選択され、吸収体層は、タンタル、イリジウム及びアンチモンの合金;イリジウム及びアンチモンの合金;並びにタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金から選択された合金である。
[0089]別の特定の方法の実施形態では、異なる吸収体層が、第1の吸収体材料を含む第1のカソードと、第2の吸収体材料を含む第2のカソードとを有する物理堆積チャンバ内で形成される。次に図6を参照すると、ある実施形態に従ったマルチカソードチャンバ500の上部が示されている。マルチカソードチャンバ500は、トップアダプタ504によりキャップされた円筒形の本体部分502を有するベース構造501を含む。トップアダプタ504は、トップアダプタ504の周囲に配置された多数のカソードソース、例えばカソードソース506、508、510、512、及び514のための規定(provisions)を有する。
[0090]1又は複数の実施形態において、本方法は、5nm~60nmの範囲内の厚さを有する吸収体層を形成する。1又は複数の実施形態において、吸収体層は、51nm~57nmの範囲内の厚さを有する。1又は複数の実施形態において、吸収体層を形成するために使用される材料は、吸収体層のエッチング特性に影響を与えるように選択される。1又は複数の実施形態では、吸収体層の合金が、物理堆積チャンバで形成された合金吸収体材料を共スパッタリングすることによって形成され、これによりいくつかの実施形態では、かなり薄い吸収体層厚(30nm未満)がもたらされ、2%未満の反射率及び望ましいエッチング特性が実現される。ある実施形態において、いくつかの実施形態における吸収体層のエッチング特性及び他の所望の特性は、各吸収体材料の合金割合を制御することにより、仕様に合わせて調整される。ある実施形態において、いくつかの実施形態における合金割合は、物理蒸着チャンバの動作パラメータ、例えば電圧、圧力、流量によって精密に制御される。ある実施形態では、材料特性をさらに修正するためにプロセスガスが使用され、例えばNガスが、タンタル、イリジウム及びアンチモンの窒化物を形成するため、又はイリジウム及びアンチモンの合金については、イリジウムの窒化物又はアンチモンの窒化物を形成するため、又はタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金については、タンタル、ルテニウム及び/又はアンチモンの窒化物を形成するために、使用される。
[0091]いくつかの実施形態におけるマルチカソードソースチャンバ500は、図3に示したシステムの一部である。ある実施形態では、極端紫外線(EUV)マスクブランク製造システムが、真空を作り出すための基板処理真空チャンバと、真空中で、基板処理真空チャンバにロードされた基板を搬送するための基板処理プラットフォームと、EUVマスクブランクを形成するために、基板処理プラットフォームによってアクセスされる複数のサブチャンバと、を備え、当該EUVマスクブランクは、複数の反射層ペアを含む、基板上の反射層の多層スタック、反射層の多層スタック上のキャッピング層、及びキャッピング層上の吸収体層を含むものであり、当該吸収体層は、タンタル、イリジウム及びアンチモンの合金;イリジウム及びアンチモンの合金;並びにタンタル及びルテニウム及びアンチモンの合金から選択される合金から作製されている。いくつかの実施形態におけるシステムは、図4又は図5との関連で示されたEUVマスクブランクを作成するために、また上記図4又は図5との関連で説明したEUVマスクブランクについて述べた特性のいずれかを有するために、使用される。
[0092]プロセスは、一般に、プロセッサによって実行されると、処理チャンバに本開示のプロセスを実行させるソフトウェアルーチンとしてメモリに格納されていてよい。また、ソフトウェアルーチンは、プロセッサによって制御されるハードウェアから遠隔に位置する第2のプロセッサ(図示せず)によって格納及び/又は実行され得る。本開示の方法の一部又は全部は、ハードウェアで実行されてもよい。よって本プロセスは、ソフトウェアに実装されてよく、コンピュータシステムを使用してハードウェアで、例えば特定用途向け集積回路若しくは他のタイプのハードウェア実装として、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせとして、実行され得る。ソフトウェアルーチンは、プロセッサによって実行されると、汎用コンピュータを、本プロセスが実行されるようにチャンバ動作を制御する特定目的のコンピュータ(コントローラ)に変換する。
[0093]本明細書全体を通じて、「1つの実施形態」、「特定の実施形態」、「1又は複数の実施形態」、又は「ある実施形態」への言及は、その実施態様との関連で説明される特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施態様に含まれることを意味する。よって、本明細書全体の様々な場所における、「1又は複数の実施形態において」、「特定の実施形態において」、「1つの実施形態において」、又は「ある実施形態において」などの語句は、必ずしも本開示の同じ実施態様を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、1又は複数の実施態様において任意の適切なやり方で組み合わせることができる。
[0094]本明細書の開示は特定の実施形態を参照して説明されているが、これらの実施形態は本開示の原理及び適用を例示するものに過ぎないことが理解されるべきである。本開示の思想及び範囲から逸脱することなく、本開示の方法及び装置に対して様々な修正及び変形を行うことが可能なことは、当業者には明らかであろう。よって本開示は、添付の特許請求の範囲及びその均等の範囲内にある修正及び変形を含むことが意図されている。

Claims (20)

  1. 極端紫外線(EUV)マスクブランクを製造する方法であって、
    EUV照射を反射する多層スタックであって、複数の反射層ペアを備える多層スタックを、基板上に形成することと、
    前記多層スタック上にキャッピング層を形成することと、
    タンタル、イリジウム及びアンチモンの合金;イリジウム及びアンチモンの合金;並びにタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金から選択される吸収体層を、前記キャッピング層上に形成することと
    を含む、方法。
  2. 前記吸収体層が、タンタル、イリジウム及びアンチモンの合金を含み、該合金が、約4.8重量%から約58.4重量%のタンタル、約6.2重量%から約92重量%のイリジウム、及び約3.2重量%から約85.5重量%のアンチモンを含有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記吸収体層が、イリジウム及びアンチモンの合金を含み、該合金が、約7.6重量%から約96.8重量%のイリジウム、及び約3.2重量%から約92.4重量%のアンチモンを含有する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記吸収体層が、タンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金を含み、該合金が、約7.3重量%から約63.7重量%のタンタル、約3.3重量%から約85.7重量%のルテニウム、及び約4.3重量%から約88.6重量%のアンチモンを含有する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記合金が非晶質である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記吸収体層を形成するために、前記合金が、タンタル、イリジウム及びアンチモンの別個のターゲットを、アルゴン(Ar)、酸素(O)又は窒素(N)のうち1又は複数から選択されるガスで共スパッタリングすることによって形成される、請求項2に記載の方法。
  7. 前記吸収体層を形成するために、前記合金が、イリジウム及びアンチモンの別個のターゲットを、アルゴン(Ar)、酸素(O)又は窒素(N)のうち1又は複数から選択されるガスで共スパッタリングすることによって形成される、請求項3に記載の方法。
  8. 前記吸収体層を形成するために、前記合金が、タンタル、ルテニウム及びアンチモンの別個のターゲットを、アルゴン(Ar)、酸素(O)又は窒素(N)のうち1又は複数から選択されるガスで共スパッタリングすることによって形成される、請求項4に記載の方法。
  9. 前記吸収体層を形成するために、前記合金が、アルゴン(Ar)、酸素(O)又は窒素(N)のうち1又は複数から選択されるガスを使用して、タンタル及びイリジウムの層、並びにルテニウム及びアンチモンの層から選択される交互層の積層体として層ごとに堆積される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記吸収体層を形成するために、アルゴン(Ar)、酸素(O)又は窒素(N)のうち1又は複数から選択されるガスを使用して、前記合金と組成が同じバルクターゲットを使用して、前記合金が堆積され、スパッタリングされる、請求項1に記載の方法。
  11. 前記合金には、窒素又は酸素のうち1又は複数が、0.1重量%から5重量%の範囲でドープされている、請求項10に記載の方法。
  12. 極端紫外線(EUV)マスクブランクであって、
    基板と、
    EUV照射を反射する多層スタックであって、複数の反射層ペアを備える、多層スタックと、
    反射層の前記多層スタック上にある、キャッピング層と、
    タンタル、イリジウム及びアンチモンの合金;イリジウム及びアンチモンの合金;並びにタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金から選択される吸収体層と
    を備える、極端紫外線(EUV)マスクブランク。
  13. 前記吸収体層が、タンタル、イリジウム及びアンチモンの合金を含み、該合金が、約4.8重量%から約58.4重量%のタンタル、約6.2重量%から約92重量%のイリジウム、及び約3.2重量%から約85.5重量%のアンチモンを含有する、請求項12に記載の極端紫外線(EUV)マスクブランク。
  14. 前記吸収体層が、イリジウム及びアンチモンの合金を含み、該合金が、約7.6重量%から約96.8重量%のイリジウム、及び約3.2重量%から約92.4重量%のアンチモンを含有する、請求項12に記載の極端紫外線(EUV)マスクブランク。
  15. 前記吸収体層が、タンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金を含み、該合金が、約7.3重量%から約63.7重量%のタンタル、約3.3重量%から約85.7重量%のルテニウム、及び約4.3重量%から約88.6重量%のアンチモンを含有する、請求項12に記載の極端紫外線(EUV)マスクブランク。
  16. ルテニウム及びアンチモンの前記合金が非晶質である、請求項12に記載の極端紫外線(EUV)マスクブランク。
  17. 前記吸収体層が60nm未満の厚さを有する、請求項12に記載の極端紫外線(EUV)マスクブランク。
  18. 前記吸収体層が、窒素又は酸素のうち1又は複数から選択されるドーパントを、約0.1重量%から約5重量%の範囲でさらに含む、請求項12に記載の極端紫外線(EUV)マスクブランク。
  19. 前記吸収体層が60nm未満の厚さを有する、請求項18に記載の極端紫外線(EUV)マスクブランク。
  20. 極端紫外線(EUV)マスクブランクであって、
    基板と、
    EUV照射を反射する多層スタックであって、モリブデン(Mo)及びケイ素(Si)を含む複数の反射層ペアを備える、多層スタックと、
    反射層の前記多層スタック上にあるキャッピング層と、
    タンタル、イリジウム及びアンチモンの合金;イリジウム及びアンチモンの合金;並びにタンタル、ルテニウム及びアンチモンの合金から選択される吸収体層と
    を備える、極端紫外線(EUV)マスクブランク。
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