JP2014229825A - Euvリソグラフィ用反射型マスクブランクの製造方法および、該マスクブランク用の反射層付基板の製造方法 - Google Patents

Euvリソグラフィ用反射型マスクブランクの製造方法および、該マスクブランク用の反射層付基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Mo/Si多層反射膜での膜応力による基板の変形を緩和でき、かつ、Mo/Si多層反射膜での膜応力の経時変化を緩和できるEUVリソグラフィ(EUVL)用マスクブランクの製造方法および、EUVL用マスクブランクの製造に使用されるEUVL用反射層付基板の製造方法を提供する。
【解決手段】基板11の成膜面上に、EUV光を反射する多層反射膜12を形成するEUVL用反射層付基板の製造方法であって、多層反射膜が、Mo/Si多層反射膜であり、多層反射膜の形成後、減圧雰囲気下にて、または、希ガス雰囲気下にて、120〜180℃の温度で加熱処理する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体製造等に使用されるEUV(Extreme Ultraviolet:極端紫外)リソグラフィ用反射型マスクブランク(以下、本明細書において、「EUVマスクブランク」という。)の製造方法に関する。
また、本発明は、EUVリソグラフィ(EUVL)用反射層付基板の製造方法に関する。EUVL用反射層付基板は、EUVL用マスクブランクの前駆体として用いられる。
従来、半導体産業において、シリコン基板等に微細なパターンからなる集積回路を形成する上で必要な微細パターンの転写技術として、可視光や紫外光を用いたフォトリソグラフィ法が用いられてきた。しかし、半導体デバイスの微細化が加速している一方で、従来のフォトリソグラフィ法の限界に近づいてきた。フォトリソグラフィ法の場合、パターンの解像限界は露光波長の1/2程度であり、液浸法を用いても露光波長の1/4程度と言われており、ArFレーザ(193nm)の液浸法を用いても45nm程度が限界と予想される。そこで45nm以降の露光技術として、ArFレーザよりさらに短波長のEUV光を用いた露光技術であるEUVリソグラフィが有望視されている。本明細書において、EUV光とは、軟X線領域または真空紫外線領域の波長の光線を指し、具体的には波長10〜20nm程度、特に13.5nm±0.3nm(13.2nm〜13.8nm)程度の光線を指す。
EUV光は、あらゆる物質に対して吸収されやすく、かつこの波長で物質の屈折率が1に近いため、従来の可視光または紫外光を用いたフォトリソグラフィのような屈折光学系を使用できない。このため、EUVリソグラフィでは、反射光学系、すなわち反射型フォトマスクとミラーとが用いられる。
マスクブランクは、フォトマスク製造に用いられるパターニング前の積層体である。EUVマスクブランクの場合、ガラス製等の基板上にEUV光を反射する反射層と、EUV光を吸収する吸収層とがこの順で形成された構造を有している。反射層としては、EUV光に対して低屈折率となる低屈折率膜と、EUV光に対して高屈折率となる高屈折率膜とを交互に積層することで、EUV光を層表面に照射した際の光線反射率が高められた多層反射膜が通常使用される。多層反射膜の低屈折率膜としては、モリブデン(Mo)層が、高屈折率膜としては、ケイ素(Si)層が通常使用される。
吸収層には、EUV光に対する吸収係数の高い材料、具体的にはたとえば、クロム(Cr)やタンタル(Ta)を主成分とする材料が用いられる。
EUVマスクブランクの反射層として、多層反射膜を用いる場合、EUV光照射時の光線反射率を高めるために、多層反射膜の各層の膜密度を高くする必要があり、多層反射膜は必然的に高い膜応力(圧縮応力)を有する。
このような高い膜応力が基板に加わることによって、基板が変形するおそれがある。EUVマスクブランク用の基板には通常低膨張ガラス製の基板が使用されるので、膜応力が加わることによって生じる基板の変形は軽微であるため、従来問題とならなかった。
しかしながら、パターンの微細化の要請によって、従来問題視されなかった基板の微小な変形(膜応力が加わることによって生じる基板の変形)が問題となってきた。たとえば、EUVマスクブランクの基板に特定の大きさ以上の変形が存在する場合、具体的には、EUVマスクブランクの製造に通常使用される152mm角の基板の場合、基板の反り量が0.6μmを超えると、該EUVマスクブランクをパターニングする際にパターンの位置精度が低下するおそれがある。また、このような大きさの反りが発生すると、該EUVマスクブランクから作製した反射型マスクを用いてパターン転写する際に、パターン位置ずれやパターン欠陥が発生するおそれがある。
また、製造後のEUVマスクブランクでは、多層反射膜での膜応力が熱的要因によって経時的に変化することが特許文献1で確認されている。さらに、EUVマスクブランクの洗浄工程や、該EUVマスクブランクから反射型マスクを作製する手順で実施されるレジスト膜成膜後のベーク工程等の熱的要因により、多層反射膜での膜応力が変化することが特許文献1で確認されている。
特許文献1には、このような膜応力の変化は、多層反射膜を構成している各層界面の極僅かなミキシングに起因していると記載されている。この変化は、X線反射率膜厚測定による周期長測定では検出できないレベルであるが、これにより、多層反射膜の反射率のピーク波長(即ち、多層反射膜の反射率がピーク(最大)である波長)は、0.01nmのレベルで変化をする。EUV光は非常に短波長の光なので、多層反射膜の状態の変化が、非常に敏感にその波長特性、反射特性に影響を及ぼすとされている。
又、EUVリソグラフィでは、特定の狭い波長帯域の光を使用するため、波長シフトの影響は大きく、反射率のピーク波長のシフトは、パターン転写時に使用する露光機のミラーとのミスマッチを起こしてしまうため、ピーク波長は正確に制御されていなければならない。更には、ピーク波長のシフトによって、多層反射膜の反射率が低下してしまう。このように、多層反射膜の応力の経時変化は、基板の平坦度の変化を生じるなど、マスクの実用的な使用において色々問題になる。
特許文献1では、上記の問題点を解決するため、多層反射膜成膜時、及び/又は成膜後、該多層反射膜付基板に加熱処理を実施している。これによって、多層反射膜を構成する各層界面のミキシングの進行を抑制させることにより、成膜後の多層反射膜の応力の経時変化を抑制でき、これにより、露光光であるEUV光に対する多層反射膜の波長特性や反射特性の変化を防止できるとしている。
特許文献1では、加熱処理の前後に多層反射膜のピーク波長と反射率を測定して、各々のピーク波長と反射率の差によるピーク波長の変化と反射率の低下が、パターン転写装置の反射ミラーとのマッチングにずれが生じることによる半導体基板上に形成するパターンサイズが実質的に変動しないものであるかを検査するため、吸収層を形成する前に加熱処理を実施することが好ましいとしている。
また、特許文献1では、基板上に形成した多層反射膜を加熱保持された液体と接触させることにより上記の加熱処理を実施している。さらには、特許文献1では、加熱処理に用いる液体として、洗浄液を使用することで、加熱処理と洗浄工程を同時に行うことができるとしている。
このように、多層反射膜成膜時、及び/又は成膜後、該多層反射膜付基板に加熱処理を実施している。これによって、多層反射膜を構成する各層界面のミキシングの進行を抑制させることにより、成膜後の多層反射膜の応力の経時変化を抑制でき、これにより、露光光であるEUV光に対する多層反射膜の波長特性や反射特性の変化を防止できるとしている。
また、成膜後の多層反射膜に対し加熱処理を施して、多層反射膜の膜応力を緩和する手順は特許文献2,3にも開示されている。特許文献2,3では、多層反射膜の加熱処理により、EUV光反射率を著しく低下することなく、多層反射膜の膜応力を緩和できるとしている。
特許第3806711号明細書 米国特許第6,309,705号明細書 米国特許第6,110,607号明細書
特許文献1では、加熱処理による効果として、多層反射膜の応力の経時変化の抑制にのみ着目しているが、多層反射膜を構成する各層の構造緩和と界面のミキシングの進行により、多層反射膜を構成する各層が収縮すると考えられる。そして、各層の収縮により、多層反射膜における膜応力自体が緩和されると考えられる。したがって、加熱処理によって、膜応力による基板の変形を緩和できる可能性がある。
このため、本発明者らは、特許文献1に記載の加熱処理による多層反射膜への影響について鋭意検討した。その結果、多層反射膜を構成する各層の構造緩和と界面のミキシングの進行により、多層反射膜を構成する各層が収縮して膜応力が緩和されること、および、膜応力の緩和により基板の変形が緩和されることを確認した。以下、本明細書において、多層反射膜を構成する各層の構造緩和と界面のミキシングの進行により、多層反射膜を構成する各層が収縮して膜応力が緩和されることを、多層反射膜での構造緩和とミキシングによる膜応力の緩和という場合がある。
しかしながら、加熱処理により多層反射膜での構造緩和とミキシングにより膜応力が緩和される一方で、加熱処理の条件によっては、所望の値を満たさない程度に、EUV光照射時の反射特性の変化も併せて引き起こされる場合がある。具体的には、多層反射膜でのミキシングが進行しすぎると、多層反射膜の各層が層の厚さ方向に大きく収縮し、EUV光照射時の反射特性、すなわち、反射光のピーク波長と反射率が低下するおそれがある。
また、加熱処理時に多層反射膜の表面が酸化されることによって、上述した加熱処理による効果、すなわち、多層反射膜での構造緩和とミキシングによる膜応力の緩和が阻害されることが明らかになった。
ここで、多層反射膜として、Mo/Si多層反射膜が形成された多層反射膜付基板に対し加熱処理を実施した場合、Mo/Si多層反射膜表面からの酸化により、該Mo/Si多層反射膜の膜応力(圧縮応力)の緩和が阻害される。以下、表面からの酸化により、Mo/Si多層反射膜の膜応力(圧縮応力)の緩和が阻害される理由を示す。
加熱処理の実施時に、大気に面したMo/Si多層反射膜表面から拡散した酸素が、該Mo/Si多層反射膜を構成する個々の膜を構成する原子と結合して膜の構造が膨張することにより、Mo/Si多層反射膜の膜応力(圧縮応力)の緩和が阻害される。
これにより、上述した加熱処理による効果、すなわち、多層反射膜での構造緩和とミキシングによる膜応力の緩和が阻害される。
また、Mo/Si多層反射膜上には、吸収層にパターン形成する際に、該Mo/Si多層反射膜を保護する目的で保護層を形成する場合がある。このような目的で形成する保護層としては、例えば、Ru膜やRu化合物(RuB等)膜が挙げられる。
Mo/Si多層反射膜上に保護層として、Ru膜やRu化合物(RuB等)膜が形成された多層反射膜付基板に対し加熱処理を実施した場合においても、大気に面した膜(Ru膜やRu化合物膜)表面から拡散した酸素によって、Mo/Si多層反射膜を構成する個々の膜を構成する原子と結合して膜の構造が膨張することにより、Mo/Si多層反射膜の膜応力(圧縮応力)の緩和が阻害される。
また、保護層としてのRu膜やRu化合物膜が酸化されることでも、膜応力(圧縮応力)の緩和が阻害される原因となり得る。
また、加熱処理の実施時、Mo/Si多層反射膜表面からの酸化により、Mo/Si多層反射膜を構成する膜の光学定数が変化して、EUV光照射時の反射特性が変化するおそれがある。具体的には、EUV光照射時の反射光の反射率(以下、「EUV反射率」という。)が低下するおそれがある。
Mo/Si多層反射膜上に、保護層としてRu膜やRu化合物膜が形成されている場合は、Ru膜やRu化合物膜の酸化によっても、それらの光学定数が変化して、EUV光照射時の反射特性が変化するおそれがある。具体的には、EUV反射率が低下するおそれもある。
特許文献2,3では、大気雰囲気中、または、窒素雰囲気中で多層反射膜を加熱処理するとしている。大気雰囲気中で多層反射膜を加熱処理すると、Mo/Si多層反射膜表面からの酸化が該多層反射膜中に進行して、EUV反射率が低下するおそれがある。また、Mo/Si多層反射膜の膜応力(圧縮応力)の緩和が阻害される。
Mo/Si多層反射膜上に、保護層としてRu膜やRu化合物膜が形成されている場合も、Ru膜やRu化合物膜の酸化により、EUV反射率が低下するおそれもある。また、上述した機構により、該Ru膜やRu化合物膜での膜応力(圧縮応力)の緩和が阻害される。
窒素雰囲気中で多層反射膜を加熱処理する場合には、Mo/Si多層反射膜表面からの窒化が該多層反射膜中に進行して、EUV反射率が低下するおそれがあり、また、Mo/Si多層反射膜の膜応力(圧縮応力)の緩和が阻害されるおそれがある。
Mo/Si多層反射膜上に、保護層としてRu膜やRu化合物膜が形成されている場合も、Ru膜やRu化合物膜の窒化により、EUV反射率が低下するおそれもあり、また、該Ru膜やRu化合物膜での膜応力(圧縮応力)の緩和が阻害されるおそれがある。
なお、窒化によるEUV反射率の低下や膜応力(圧縮応力)緩和が阻害される程度は、酸化による同様の作用に比べて軽微であるが、EUV光照射時の反射特性を変化させ、かつ、多層反射膜での膜応力の緩和を阻害する点は相違ない。
上述した点を鑑みて、本発明は、Mo/Si多層反射膜での膜応力による基板の変形を緩和でき、かつ、Mo/Si多層反射膜での膜応力の経時変化を緩和できるEULV用マスクブランクの製造方法および、該EUVL用マスクブランクの製造に使用されるEUVL用反射層付基板の製造方法の提供を目的とする。
上記した目的を達成するため、本発明は、基板の成膜面上に、EUV光を反射する多層反射膜を形成するEUVリソグラフィ(EUVL)用反射層付基板の製造方法であって、
前記多層反射膜が、Mo/Si多層反射膜であり、
前記多層反射膜の形成後、圧力100Pa以下の減圧雰囲気下にて、120〜180℃の温度で加熱処理するEUVL用反射層付基板の製造方法(1)を提供する。
また、本発明は、基板の成膜面上に、EUV光を反射する多層反射膜を形成するEUVリソグラフィ(EUVL)用反射層付基板の製造方法であって、
前記多層反射膜が、Mo/Si多層反射膜であり、
前記多層反射膜の形成後、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、および、キセノン(Xe)からなる群から選択される少なくとも1種を含む希ガス雰囲気下にて、120〜180℃の温度で加熱処理するEUVL用反射層付基板の製造方法(2)を提供する。
本発明のEUVL用反射層付基板の製造方法(1)、(2)において、前記加熱処理後、前記多層反射膜上に該多層反射膜の保護層を形成してもよい。
前記保護層は、Ru膜またはRu化合物膜であることが好ましい。
また、本発明は、基板上にEUV光を反射する多層反射膜を形成し、前記多層反射膜上に該多層反射膜の保護層を形成するEUVリソグラフィ(EUVL)用反射層付基板の製造方法であって、
前記多層反射膜がMo/Si多層反射膜であり、
前記保護層の形成後、圧力100Pa以下の減圧雰囲気下にて、120〜180℃の温度で加熱処理するEUVL用反射層付基板の製造方法(3)を提供する。
また、本発明は、基板上にEUV光を反射する多層反射膜を形成し、前記多層反射膜上に該多層反射膜の保護層を形成するEUVリソグラフィ(EUVL)用反射層付基板の製造方法であって、
前記多層反射膜がMo/Si多層反射膜であり、
前記保護層の形成後、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、および、キセノン(Xe)からなる群から選択される少なくとも1種を含む希ガス雰囲気下にて、120〜180℃の温度で加熱処理するEUVL用反射層付基板の製造方法(4)を提供する。
本発明のEUVL用反射層付基板の製造方法(3)、(4)において、前記保護層は、Ru膜またはRu化合物膜であることが好ましい。
また、本発明は、基板の成膜面上に、EUV光を反射する多層反射膜を形成した後、前記多層反射膜上にEUV光を吸収する吸収層を形成することにより、EUVリソグラフィ(EUVL)用反射型マスクブランクを製造する、EUVL用反射型マスクブランクの製造方法であって、
前記多層反射膜が、Mo/Si多層反射膜であり、
前記多層反射膜の形成後、圧力100Pa以下の減圧雰囲気下にて、120〜180℃の温度で加熱処理し、該加熱処理後に、前記吸収層を形成するEUVL用反射型マスクブランクの製造方法(1)を提供する。
また、本発明は、基板の成膜面上に、EUV光を反射する多層反射膜を形成した後、前記多層反射膜上にEUV光を吸収する吸収層を形成することにより、EUVリソグラフィ(EUVL)用反射型マスクブランクを製造する、EUVL用反射型マスクブランクの製造方法であって、
前記多層反射膜が、Mo/Si多層反射膜であり、
前記多層反射膜の形成後、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、および、キセノン(Xe)からなる群から選択される少なくとも1種を含む希ガス雰囲気下にて、120〜180℃の温度で加熱処理し、該加熱処理後に、前記吸収層を形成するEUVL用反射型マスクブランクの製造方法(2)を提供する。
本発明のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法(1)、(2)において、前記多層反射膜の加熱処理後、該多層反射膜上に該多層反射膜の保護層を形成し、該保護層上に前記吸収層を形成してもよい。
前記保護層は、Ru膜またはRu化合物膜であることが好ましい。
また、本発明は、基板上にEUV光を反射する多層反射膜を形成し、前記多層反射膜上に該多層反射膜の保護層を形成し、
前記保護層上にEUV光を吸収する吸収層を形成することにより、EUVリソグラフィ(EUVL)用反射型マスクブランクを製造する、EUVL用反射型マスクブランクの製造方法であって、
前記多層反射膜が、Mo/Si多層反射膜であり、
前記保護層の形成後、圧力100Pa以下の減圧雰囲気下にて、120〜180℃の温度で加熱処理し、該加熱処理後に、前記吸収層を形成する反射型マスクブランクの製造方法(3)を提供する。
また、本発明は、基板上にEUV光を反射する多層反射膜を形成し、前記多層反射膜上に該多層反射膜の保護層を形成し、
前記保護層上にEUV光を吸収する吸収層を形成することにより、EUVリソグラフィ(EUVL)用反射型マスクブランクを製造する、EUVL用反射型マスクブランクの製造方法であって、
前記多層反射膜が、Mo/Si多層反射膜であり、
前記保護層の形成後、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、および、キセノン(Xe)からなる群から選択される少なくとも1種を含む希ガス雰囲気下にて、120〜180℃の温度で加熱処理し、該加熱処理後に、前記吸収層を形成する反射型マスクブランクの製造方法(4)を提供する。
本発明のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法(3)、(4)において、前記保護層がRu膜またはRu化合物膜であることが好ましい。
本発明のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法(1)〜(4)において、前記吸収層がタンタル(Ta)および窒素(N)を合計含有率で60at%以上含有する層であり、かつ、前記吸収層の膜厚が5〜100nmであることが好ましい。
本発明のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法(1)〜(4)において、前記吸収層上にマスクパターンの検査に使用する検査光における低反射層を形成してもよい。
本発明では、圧力100Pa以下の減圧雰囲気下にて、または、希ガス雰囲気下にて、Mo/Si多層反射膜を加熱処理するため、とくに、加熱処理によるMo/Si多層反射膜表面からの酸化が抑制される。その結果、多層反射膜での構造緩和とミキシングにより膜応力を緩和する、加熱処理による作用が最大限に発揮される。したがって、Mo/Si多層反射膜における膜応力の緩和、および、それによる基板の変形の緩和、ならびに、Mo/Si多層反射膜における膜応力の経時変化の抑制といった、加熱処理による効果が向上する。
また、とくに、Mo/Si多層反射膜表面からの酸化の抑制により、Mo/Si多層反射膜の反射特性の変化が抑制される。具体的には、EUV光照射時における反射光の反射率の低下が抑制される。
Mo/Si多層反射膜上に保護層が形成されている場合は、Mo/Si多層反射膜の加熱処理後にこれらの膜を形成する、または、圧力100Pa以下の減圧雰囲気下にて、または、希ガス雰囲気下にて、保護層を加熱処理するため、とくに、保護層の酸化も抑制される。保護層の膜の酸化の抑制によっても、多層反射膜の膜応力を緩和する効果、および、多層反射膜の反射特性の変化を抑制する効果が発揮される。
図1は、本発明の方法により製造されるEUVL用反射型マスクブランクの実施形態を示す概略断面図である。 図2は、本発明の方法により製造されるEUVL用反射型マスクブランクの別の実施形態を示す概略断面図である。
以下、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明の方法により製造されるEUVL用反射型マスクブランク(以下、本明細書において、「本発明のEUVマスクブランク」という。)の1実施形態を示す概略断面図である。図1に示すEUVマスクブランク1は、基板11上にEUV光を反射する反射層12と、EUV光を吸収する吸収層14とがこの順に形成されている。反射層12と吸収層14との間には、吸収層14へのパターン形成時に反射層12を保護するための保護層13が形成されている。
なお、本発明のEUVマスクブランクにおいて、図1に示す構成中、基板11、反射層12、および、吸収層14のみが必須であり、保護層13は任意の構成要素である。
以下、マスクブランク1の個々の構成要素について説明する。
基板11は、EUVマスクブランク用の基板としての特性を満たすことが要求される。
そのため、基板11は、低熱膨張係数(0±1.0×10-7/℃が好ましく、より好ましくは0±0.3×10-7/℃、さらに好ましくは0±0.2×10-7/℃、さらに好ましくは0±0.1×10-7/℃、特に好ましくは0±0.05×10-7/℃)を有し、平滑性、平坦度、およびマスクブランクまたはパターン形成後のフォトマスクの洗浄等に用いる洗浄液への耐性に優れたものが好ましい。基板11としては、具体的には低熱膨張係数を有するガラス、例えばSiO2−TiO2系ガラス等を用いるが、これに限定されず、β石英固溶体を析出した結晶化ガラスや石英ガラスやシリコンや金属などの基板も使用できる。また、基板11上に応力補正膜のような膜を形成してもよい。
基板11は、0.15nm rms以下の平滑な表面と100nm以下の平坦度を有していることがパターン形成後のフォトマスクにおいて高反射率および転写精度が得られるために好ましい。
基板11の大きさや厚さなどはマスクの設計値等により適宜決定される。後で示す実施例では、外形6インチ(152.4mm)角で、厚さ0.25インチ(6.3mm)のSiO2−TiO2系ガラスを用いた。
基板11の反射層12が形成される側の表面には欠点が存在しないことが好ましい。しかし、存在している場合であっても、凹状欠点および/または凸状欠点によって位相欠点が生じないように、凹状欠点の深さおよび凸状欠点の高さが2nm以下であり、かつこれら凹状欠点および凸状欠点の半値幅が60nm以下であることが好ましい。
EUVマスクブランクの反射層12に特に要求される特性は、高いEUV反射率が得られることである。具体的には、EUV光の波長領域の光線を反射層12表面に入射角度6度で照射した際の、波長13.5nm付近の光線反射率の最大値は、60%以上が好ましく、63%以上がより好ましく、65%以上がさらに好ましい。また、反射層12の上に保護層13を設けた場合であっても、波長13.5nm付近の光線反射率の最大値は、60%以上が好ましく、63%以上がより好ましく、65%以上がさらに好ましい。
EUVマスクブランクの反射層としては、高いEUV反射率を達成できることから、EUV光に対して低屈折率となる低屈折率膜と、EUV光に対して高屈折率となる高屈折率膜とを交互に複数回積層させた多層反射膜が広く用いられている。本発明のEUVマスクブランクでは、低屈折率膜としてのMo膜と、高屈折率膜としてのSi膜とを交互に複数回積層させたMo/Si多層反射膜を用いる。
なお、本明細書において、Mo/Si多層反射膜は、最上層がSi膜である場合と、最上層がMo膜である場合の両方を含むものとする。ただし、最上層がSi膜である場合と、最上層がMo膜である場合と、を比較した場合、最上層がSi膜の場合のほうが大気雰囲気室温下において酸化に対して安定であることから、多層反射膜表面の酸化を防止する観点から好ましい。
Mo/Si多層反射膜の場合に、EUV反射率の最大値が60%以上の反射層12とするには、膜厚2.3±0.1nmのMo膜と、膜厚4.5±0.1nmのSi膜とを繰り返し単位数が30〜60になるように積層させればよい。
本発明の方法では基板の成膜面上にMo/Si多層反射膜を形成する。基板の成膜面上にMo/Si多層反射膜を形成するには、該Mo/Si多層反射膜を構成する各層を、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法など、周知の成膜方法を用いて所望の厚さになるように、基板の成膜面上に成膜すればよい。例えば、イオンビームスパッタリング法を用いてMo/Si多層反射膜を形成する場合、ターゲットとしてMoターゲットを用い、スパッタリングガスとしてArガス(ガス圧1.3×10-2Pa〜2.7×10-2Pa)を使用して、イオン加速電圧300〜1500V、成膜速度1.8〜18.0nm/minで厚さ2.3nmとなるようにMo膜を成膜し、次に、ターゲットとしてSiターゲットを用い、スパッタリングガスとしてArガス(ガス圧1.3×10-2Pa〜2.7×10-2Pa)を使用して、イオン加速電圧300〜1500V、成膜速度1.8〜18.0nm/minで厚さ4.5nmとなるようにSi膜を成膜することが好ましい。これを1周期として、Mo膜およびSi膜を30〜60周期積層させることによりMo/Si多層反射膜が形成される。
本発明の方法では、上記の手順によるMo/Si多層反射膜形成後、圧力100Pa以下の減圧雰囲気下にて、120〜180℃の温度で加熱処理する。
この加熱処理により、Mo/Si多層反射膜を構成する各層の構造緩和と界面のミキシングが促進される。そして、構造緩和とミキシングの促進により、Mo/Si多層反射膜の収縮により該Mo/Si多層反射膜の膜応力が緩和される。すなわち、Mo/Si多層反射膜での構造緩和とミキシングにより膜応力を緩和する、加熱処理の作用が発揮される。そして、膜応力の緩和により、基板の変形が緩和される。
また、構造緩和とミキシングの促進により、Mo/Si多層反射膜の応力の経時変化が抑制される。
この結果、多層反射膜での構造緩和とミキシングにより膜応力を緩和する、加熱処理による作用が最大限に発揮される。
また、とくに、Mo/Si多層反射膜表面からの酸化の抑制により、Mo/Si多層反射膜のEUV反射率の低下が抑制される。
なお、上述したように、圧力100Pa以下の減圧雰囲気下で加熱処理を実施する際には、該減圧雰囲気中に酸素や酸素原子を含む分子が存在する場合でも、Mo/Si多層反射膜表面に衝突・吸着する頻度が低減する。そのため、加熱処理を実施する減圧雰囲気に残留するガス成分は特に限定されず、大気や窒素(N2)であってもよい。
一方、加熱処理を実施する減圧雰囲気には、水素(H2)、メタン(CH4)等の還元作用を有するガス成分が残留していてもよい。これらのガス成分が残留することによって、加熱処理時における、とくにMo/Si多層反射膜表面からの酸化を抑制する作用がさらに向上することが期待される。
上記の加熱処理は、圧力1Pa以下の減圧雰囲気下にて実施することが好ましく、圧力0.1Pa以下の減圧雰囲気下にて実施することがより好ましい。
また、本発明の方法では、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、および、キセノン(Xe)からなる群から選択される少なくとも1種を含む希ガス雰囲気下にて、120〜180℃の温度で加熱処理することも可能である。この場合、雰囲気中に酸素や窒素が存在しないか、または、それらの含有量がきわめて低いため、加熱処理による、とくに、Mo/Si多層反射膜表面からの酸化が抑制される。なお、希ガス雰囲気で加熱処理を実施する場合、その圧力条件は特に限定されず、大気圧下で実施することができる。
上述した点から明らかなように、加熱処理を実施する希ガス雰囲気は、微量の酸素や窒素を含有していてもよい。但し、加熱処理を実施する希ガス雰囲気における酸素や窒素の含有量は、該希ガス雰囲気における分圧で80Pa以下が好ましく、0.8Pa以下がより好ましく、0.08Pa以下がさらに好ましい。
一方、加熱処理を実施する希ガス雰囲気中には、水素(H2)、メタン(CH4)等の還元作用を有するガス成分を含有していてもよい。これらのガス成分を含有した場合、加熱処理時における、とくに、Mo/Si多層反射膜表面からの酸化を抑制する作用がさらに向上することが期待される。
なお、加熱処理を実施する希ガス雰囲気における、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、および、キセノン(Xe)の合計含有量は、該希ガス雰囲気における分圧で120kPa以下が好ましく、1kPa以下がより好ましく、100Pa以下がさらに好ましい。
減圧雰囲気中で加熱処理を実施する場合、希ガス雰囲気中で加熱処理をする場合のいずれにおいても、加熱処理の具体的な温度は120℃〜180℃の範囲で所望の応力緩和量となるように調整するとよい。加熱処理温度が120℃よりも低いと、Mo/Si多層反射膜での構造緩和とミキシングにより膜応力を緩和する、加熱処理の作用が不十分になる。
一方、加熱処理温度が180℃よりも高いと、Mo/Si多層反射膜でのミキシングが進行しすぎて、多層反射膜の各層が大きく収縮し、EUV反射率が低下するおそれがある。なお、加熱処理の温度は、120℃〜160℃の範囲がより好ましく、130℃〜150℃の範囲がさらに好ましく、136℃〜144℃の範囲がとくに好ましい。
また、加熱時間は5〜60分の範囲が好ましく、10〜30分の範囲がより好ましい。加熱処理の時間が5分よりも短いと、Mo/Si多層反射膜での構造緩和とミキシングにより膜応力を緩和する、加熱処理の作用が不十分になるおそれがある。一方、加熱処理の時間が60分より長いと、ミキシングが進行しすぎて多層反射膜の各層が大きく収縮し、EUV反射率が低下するおそれがある。
保護層13は、エッチングプロセス、通常はドライエッチングプロセスにより吸収層14にパターン形成する際に、反射層12がエッチングプロセスによるダメージを受けないよう反射層12を保護する目的で設けられる任意の構成要素である。但し、反射層12の保護という観点からは、反射層12上に保護層13を形成することが好ましい。
保護層13の材質としては、吸収層14のエッチングプロセスによる影響を受けにくい、つまりこのエッチング速度が吸収層14よりも遅く、しかもこのエッチングプロセスによるダメージを受けにくい物質が選択される。
また、保護層13は、保護層13を形成した後であっても反射層12でのEUV反射率を損なうことがないように、保護層13自体もEUV反射率が高い物質を選択することが好ましい。
保護層13としては、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)といった白金族の金属膜、または、これらの金属を含む化合物膜が、上記の条件を満足するため好ましい。なかでも、Ru膜、または、Ru化合物(RuB等)膜を形成することが好ましい。保護層13として、Ru膜、または、Ru化合物膜を形成する場合、保護層13中のRuの含有率は、50at%以上が好ましく、70at%以上がより好ましく、90at%以上がさらに好ましく、特に95at%以上が好ましい。
反射層12上に保護層13を形成する場合、保護層13表面の表面粗さは、0.5nm rms以下が好ましい。保護層13表面の表面粗さが大きいと、該保護層13上に形成される吸収層14の表面粗さが大きくなり、該吸収層14に形成されるパターンのエッジラフネスが大きくなり、パターンの寸法精度が悪くなる。パターンが微細になるに従いエッジラフネスの影響が顕著になるため、吸収層14表面は平滑であることが要求される。
保護層13表面の表面粗さが0.5nm rms以下であれば、該保護層13上に形成される吸収層14表面が十分平滑であるため、エッジラフネスの影響によってパターンの寸法精度が悪化するおそれがない。保護層13表面の表面粗さは、0.4nm rms以下がより好ましく、0.3nm rms以下がさらに好ましい。
反射層12上に保護層13を形成する場合、保護層13の厚さは、EUV反射率を高め、かつ耐エッチング特性を得られるという理由から、1〜10nmが好ましい。保護層13の厚さは、1〜5nmがより好ましく、2〜4nmがさらに好ましい。
反射層12上に保護層13を形成する場合、保護層13は、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法など周知の成膜方法を用いて形成できる。
イオンビームスパッタリング法を用いて、保護層13としてRu層を形成する場合、ターゲットとしてRuターゲットを用い、アルゴン(Ar)雰囲気中で放電させればよい。具体的には、以下の条件でイオンビームスパッタリングを実施すればよい。
スパッタリングガス:Ar(ガス圧1.3×10-2Pa〜2.7×10-2Pa)
イオン加速電圧:300〜1500V
成膜速度:1.8〜18.0nm/min
反射層12上に保護層13を形成する場合、本発明の方法では、以下の2通りの選択肢を取り得る。
(1)上記の加熱処理の実施後に保護層13を形成する。
(2)保護層13の形成後に、圧力100Pa以下の減圧雰囲気下にて、または、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、および、キセノン(Xe)からなる群から選択される少なくとも1種を含む希ガス雰囲気下にて、120〜180℃の温度で加熱処理する。
上記(1)の手順の場合、加熱処理の実施後に保護層13を形成するため、保護層13の自然酸化は軽微であり、Mo/Si多層反射膜表面からの酸化のおそれがない。そのため、上述した加熱処理による効果、すなわち、多層反射膜の膜応力を緩和する効果、および、多層反射膜の反射特性の変化を抑制する効果が阻害されることがない。
一方、上記(2)の手順の場合、圧力100Pa以下の減圧雰囲気下で加熱処理を実施するか、または、希ガス雰囲気で加熱処理を実施するため、とくに保護層の酸化、あるいは保護層表面から拡散した酸素によるMo/Si多層反射膜表面からの酸化も抑制される。これらの作用によっても、多層反射膜の膜応力を緩和する効果、および、多層反射膜の反射特性の変化を抑制する効果が発揮される。なお、上記(2)の手順の場合、加熱処理の条件、すなわち、温度範囲、圧力条件、加熱処理を実施する雰囲気に存在するガス成分等については上記と同様である。
なお、本発明のEUVL用反射型マスクブランクの吸収層を形成する前の状態、すなわち、図1に示すEUVL用反射型マスクブランク1の吸収層14を除いた構造が本発明のEUVL用反射層付基板である。本発明のEUVL用反射層付基板は、EUVL用反射型マスクブランクの前駆体をなすものである。なお、本発明のEUVL用反射層付基板は、EUVL用マスクブランクの前駆体に限らず、全般的にEUV光を反射する機能を有する光学基板を含めて考えてもよい。
吸収層14に特に要求される特性は、EUV反射率が極めて低いことである。具体的には、EUV光の波長領域の光線を吸収層14表面に照射した際の、波長13.5nm付近の最大光線反射率は、2.0%以下が好ましく、1.0%以下がより好ましい。
上記の特性を達成するため、EUV光の吸収係数が高い材料での構成が好ましく、タンタル(Ta)を主成分とする材料で形成されていることが好ましい。
また、吸収層14表面は、上述のとおり、その表面粗さが大きいと、吸収層14に形成されるパターンのエッジラフネスが大きくなり、パターンの寸法精度が悪くなる。パターンが微細になるに従いエッジラフネスの影響が顕著になるため、吸収層14表面は平滑であることが要求される。
吸収層14として、Taおよび窒素(N)を含有する層(TaN層)は、結晶状態がアモルファスの膜を形成しやすい点で好ましい。結晶状態がアモルファスの膜は、表面の平滑性に優れている。具体的には、吸収層14としてTaN層を形成した場合、吸収層14表面の表面粗さが0.5nm rms以下になる。
吸収層14表面の表面粗さが0.5nm rms以下であれば、吸収層14表面が十分平滑であるため、エッジラフネスの影響によってパターンの寸法精度が悪化するおそれがない。吸収層14表面の表面粗さは、0.4nm rms以下がより好ましく、0.3nm rms以下がさらに好ましい。
吸収層14として、TaN層を形成する場合、TaおよびNの合計含有率は、60at%以上であることが、結晶状態がアモルファスの膜を形成しやすい点で好ましく、80at%以上がより好ましく、95at%以上がさらに好ましい。
吸収層14として、TaN層を形成する場合、下記組成を満たすことが好ましい。
Taの含有率 好ましくは10〜95at%、より好ましくは60〜90at%
Nの含有率 好ましくは5〜50at%、より好ましくは10〜40at%
TaとNとの組成比(Ta:N) 8:1〜1:5
吸収層14としてTaN層を形成した場合、エッチングガスとして塩素系ガスを用いてドライエッチングを実施した際のエッチング速度が速く、保護層13とのエッチング選択比が10以上を示す。
ここで、反射層12上に保護層13を形成しない場合は、反射層12(具体的には、Mo/Si多層反射膜の最上層)とのエッチング選択比が10以上を示す。
本明細書において、エッチング選択比は、下記式を用いて計算できる。
エッチング選択比
=(吸収層14のエッチング速度)/(保護層13(または反射層12)のエッチング速度)
エッチング選択比は、10以上が好ましく、11以上がさらに好ましく、12以上がさらに好ましい。
上述した要求特性(EUV反射率)を満たすためには、吸収層14の膜厚は、5nm以上が好ましく、20nm以上がより好ましく、30nm以上がさらに好ましく、50nm以上が特に好ましい。
一方、吸収層14の膜厚が大きすぎると、該吸収層14に形成するパターンの精度が低下したり、該吸収層14の表面粗さが大きくなるおそれがあるため、100nm以下が好ましく、90nm以下がより好ましく、80nm以下がさらに好ましい。
吸収層14は、マグネトロンスパッタリング法やイオンビームスパッタリング法のようなスパッタリング法など、周知の成膜方法を用いて形成できる。
吸収層14としてTaN層を形成する場合、マグネトロンスパッタリング法を用いる場合には、Taターゲットを使用し、Arで希釈した窒素(N2)雰囲気中でターゲットを放電させることによって、TaN層を形成できる。
上記例示した方法で吸収層14としてのTaN層を形成するには、具体的には以下の成膜条件で実施すればよい。
スパッタリングガス:ArとN2の混合ガス(N2ガス濃度3〜80vol%、好ましくは5〜30vol%、より好ましくは8〜15vol%。ガス圧0.5×10-1Pa〜10×10-1Pa、好ましくは0.5×10-1Pa〜5×10-1Pa、より好ましくは0.5×10-1Pa〜3×10-1Pa。)
投入電力(各ターゲットについて):30〜1000W、好ましくは50〜750W、より好ましくは80〜500W
成膜速度:2.0〜60nm/min、好ましくは3.5〜45nm/min、より好ましくは5〜30nm/min
なお、本発明のEUVマスクブランクは、図1に示した構成(すなわち、基板11、反射層12、保護層13および吸収層14)以外の構成要素を有していてもよい。
図2は、本発明のEUVマスクブランクの別の実施形態を示す概略断面図である。
図2に示すEUVマスクブランク1´では、吸収層14上にマスクパターンの検査に使用する検査光における低反射層15が形成されている。
本発明のEUVマスクブランクからEUVマスクを作製する際、吸収層にパターンを形成した後、このパターンが設計どおりに形成されているかどうか検査する。このマスクパターンの検査では、検査光として通常257nmの光を使用した検査機が使用される。つまり、この257nm程度の光の反射率の差、具体的には、吸収層14がパターン形成により除去されて露出した面と、パターン形成により除去されずに残った吸収層14表面と、の反射率の差によって検査される。ここで、前者は保護層13表面であり、反射層12上に保護層13が形成しない場合は反射層12表面である。
したがって、257nm程度の検査光の波長に対する保護層13表面(または反射層12表面)と吸収層14表面との反射率の差が小さすぎると検査時のコントラストが悪くなり、正確な検査ができない場合がある。
以下、本明細書で検査光と言った場合、その波長を特に記載しない場合は波長257nmの光を指す。
上記した構成の吸収層14は、EUV反射率が極めて低く、EUVマスクブランクの吸収層として優れた特性を有しているが、検査光の波長について見た場合、光線反射率が必ずしも十分低いとは言えない。この結果、検査光の波長での吸収層14表面の反射率と反射層12表面(または保護層13表面)の反射率との差が小さくなり、検査時のコントラストが十分得られないおそれがある。検査時のコントラストが十分得られないと、マスク検査においてパターンの欠陥を十分判別できず、正確な欠陥検査を行えない場合がある。
図2に示すEUVマスクブランク1´のように、吸収層14上に低反射層15を形成することにより、検査時のコントラストが良好となる。別の言い方をすると、検査光の波長での光線反射率が極めて低くなる。このような目的で形成する低反射層15は、検査光の波長領域(257nm近傍)の光線を照射した際の、該検査光の波長の最大光線反射率は、15%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、5%以下がさらに好ましい。
低反射層15における検査光の波長の光線反射率が15%以下であれば、該検査時のコントラストが良好である。具体的には、保護層13表面(または反射層12表面)における検査光の波長の反射光と、低反射層15表面における検査光の波長の反射光と、のコントラストが、40%以上となる。
本明細書において、コントラストは下記式を用いて求められる。
コントラスト(%)=((R2−R1)/(R2+R1))×100
ここで、検査光の波長におけるR2は保護層13表面(または反射層12表面)での反射率であり、R1は低反射層15表面での反射率である。なお、上記R1およびR2は、図2に示すEUVマスクブランク1´の吸収層14および低反射層15にパターンを形成した状態で測定する。上記R2は、パターン形成によって吸収層14および低反射層15が除去され、外部に露出した保護層13表面(または反射層12表面)で測定した値であり、R1はパターン形成によって除去されずに残った低反射層15表面で測定した値である。
本発明において、上記式で表されるコントラストは、45%以上がより好ましく、60%以上がさらに好ましく、70%以上が特に好ましい。
低反射層15は、上記の特性を達成するため、検査光の波長の屈折率が吸収層14よりも低い材料で構成され、その結晶状態はアモルファスが好ましい。
このような低反射層15の具体例としては、Ta、酸素(O)および窒素(N)を以下に述べる比率で含有するもの(低反射層(TaON))が挙げられる。
Taの含有率 20〜80at%、好ましくは、20〜70at%、より好ましくは20〜60at%
OおよびNの合計含有率 20〜80at%、好ましくは30〜80at%、より好ましくは40〜80at%
OとNとの組成(O:N) 20:1〜1:20、好ましくは18:1〜1:18、より好ましくは15:1〜1:15
低反射層(TaON)は、上記の構成により、その結晶状態はアモルファスであり、その表面が平滑性に優れている。具体的には、低反射層(TaON)表面の表面粗さが0.5nm rms以下である。
上記したように、エッジラフネスの影響によってパターンの寸法精度の悪化を防止するため、吸収層14表面は平滑であることが要求される。低反射層15は、吸収層14上に形成されるため、同様の理由から、その表面は平滑であることが要求される。
低反射層15表面の表面粗さが0.5nm rms以下であれば、低反射層15表面が十分平滑であるため、エッジラフネスの影響によってパターンの寸法精度が悪化するおそれがない。低反射層15表面の表面粗さは0.4nm rms以下がより好ましく、0.3nm rms以下がさらに好ましい。
吸収層14上に低反射層15を形成する場合、吸収層14と低反射層15との合計厚さは、20〜130nmが好ましい。また、低反射層15の厚さが吸収層14の厚さよりも大きいと、吸収層14でのEUV光吸収特性が低下するおそれがあるので、低反射層15の厚さは吸収層14の厚さよりも小さいことが好ましい。このため、低反射層15の厚さは5〜30nmが好ましく、10〜20nmがより好ましい。
上記の構成の低反射層(TaON)は、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)のうち少なくともひとつを含む不活性ガスで希釈した酸素(O2)および窒素(N2)雰囲気中で、Taターゲットを用いたスパッタリング法、例えば、マグネトロンスパッタリング法またはイオンビームスパッタリング法により形成できる。または、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)のうち少なくともひとつを含む不活性ガスで希釈した窒素(N2)雰囲気中でTaターゲットを放電させてTaおよびNを含有する膜を形成した後、例えば酸素プラズマ中にさらしたり、酸素を用いたイオンビームを照射することによって、形成された膜を酸化することにより、上記の構成の低反射層(TaON)としてもよい。
上記した方法で低反射層(TaON)を形成するには、具体的には以下の成膜条件で実施すればよい。
スパッタリングガス:ArとO2とN2の混合ガス(O2ガス濃度5〜80vol%、N2ガス濃度5〜75vol%、好ましくはO2ガス濃度6〜70vol%、N2ガス濃度6〜35vol%、より好ましくはO2ガス濃度10〜30vol%、N2ガス濃度10〜30vol%。Arガス濃度5〜90vol%、好ましくは10〜88vol%、より好ましくは20〜80vol%、ガス圧1.0×10-1Pa〜50×10-1Pa、好ましくは1.0×10-1Pa〜40×10-1Pa、より好ましくは1.0×10-1Pa〜30×10-1Pa。)
投入電力:30〜1000W、好ましくは50〜750W、より好ましくは80〜500W
成膜速度:0.1〜50nm/min、好ましくは0.2〜45nm/min、より好ましくは0.2〜30nm/min
なお、Ar以外の不活性ガスを使用する場合、その不活性ガスの濃度が上記したArガス濃度と同じ濃度範囲にする。また、複数種類の不活性ガスを使用する場合、不活性ガスの合計濃度を上記したArガス濃度と同じ濃度範囲にする。
図2に示すEUVマスクブランク1´のように、吸収層14上に低反射層15を形成する構成が好ましいのは、パターンの検査光の波長とEUV光の波長とが異なるからである。したがって、パターンの検査光としてEUV光(13.5nm付近)を使用する場合、吸収層14上に低反射層15を形成する必要はないと考えられる。検査光の波長は、パターン寸法が小さくなるに伴い短波長側にシフトする傾向があり、将来的には193nm、さらには13.5nmにシフトすることも考えられる。また、検査光の波長が193nmである場合、吸収層14上に低反射層15を形成する必要はない場合がある。さらに、検査光の波長が13.5nmである場合、吸収層14上に低反射層15を形成する必要はないと考えられる。
本発明のEUVマスクブランクは、反射層12、保護層13、吸収層14、低反射層15以外に、EUVマスクブランクの分野において公知の機能膜を有していてもよい。このような機能膜の具体例としては、例えば、特表2003−501823号公報に記載のように、基板の静電チャッキングを促すために、基板の裏面側に施される高誘電性コーティングが挙げられる。ここで、基板の裏面とは、図1の基板11において、反射層12が形成されている側とは反対側の面を指す。このような目的で基板の裏面に施す高誘電性コーティングは、シート抵抗が100Ω/□以下となるように、構成材料の電気伝導率と厚さを選択する。高誘電性コーティングの構成材料としては、公知の文献に記載されているものから広く選択できる。例えば、特表2003−501823号公報に記載の高誘電率のコーティング、具体的には、シリコン、TiN、モリブデン、クロム、TaSiからなるコーティングを適用できる。高誘電性コーティングの厚さは、例えば10〜1000nmである。
高誘電性コーティングは、公知の成膜方法、例えば、マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法といったスパッタリング法、CVD法、真空蒸着法、電解メッキ法を用いて形成できる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに説明する。
実施例1
本実施例では、図1に示すEUVマスクブランク1を作製した。但し、本実施例のEUVマスクブランクは、反射層12(Mo/Si多層反射膜)上に保護層13を形成せず、吸収層14を形成した。
成膜用の基板11として、SiO2−TiO2系のガラス基板(外形6インチ(152.4mm)角、厚さが6.3mm)を使用する。このガラス基板の熱膨張率は0.2×10-7/℃、ヤング率は67GPa、ポアソン比は0.17、比剛性は3.07×1072/s2である。このガラス基板を研磨により、rmsが0.15nm以下の平滑な表面と100nm以下の平坦度に形成した。
基板11の裏面側には、マグネトロンスパッタリング法を用いて厚さ100nmのCr膜を成膜することによって、シート抵抗100Ω/□の高誘電性コーティング(図示していない)を施した。
平板形状をした通常の静電チャックに、上記の手順で形成されるCr膜を用いて基板11(外形6インチ(152.4mm)角、厚さ6.3mm)を固定して、該基板11の表面上にイオンビームスパッタリング法を用いてMo膜およびSi膜を交互に成膜することを50周期繰り返すことにより、合計膜厚340nm((2.3nm+4.5nm)×50)のMo/Si多層反射膜(反射層12)を形成し、EUVL用反射層付基板とした。
Mo膜およびSi膜の成膜条件は以下のとおりである。
Mo膜の成膜条件
ターゲット:Moターゲット
スパッタリングガス:Arガス(ガス圧0.02Pa)
電圧:700V
成膜速度:3.84nm/min
膜厚:2.3nm
Si膜の成膜条件
ターゲット:Siターゲット(ホウ素ドープ)
スパッタリングガス:Arガス(ガス圧0.02Pa)
電圧:700V
成膜速度:4.62nm/min
膜厚:4.5nm
Mo/Si多層反射膜の形成後、圧力0.02Paの減圧雰囲気下にて、140±4℃の範囲内に制御して20分間加熱処理した。なお、温度はMo/Si多層反射膜の表面の温度であり、加熱時間は、該Mo/Si多層反射膜表面の温度を140±4℃の範囲内に保持した時間である。
そして、加熱処理の実施前後に、EUVL用反射層付基板での表面および裏面の平坦度を測定した。ここで、EUVL用反射層付基板の表面とはMo/Si多層反射膜表面を指す。一方、EUVL用反射層付基板の裏面とは、基板11の裏面側に形成されたCr膜の表面を指す。平坦度の測定には、フィゾー型レーザ干渉式平坦度測定機(Fujinon社製、商品名:G310S)を用いる。
次に、反射層12上に、吸収層14としてTaN層を、マグネトロンスパッタリング法を用いて形成し、EUVマスクブランク1とした。
TaN層を成膜条件は以下のとおりである。
TaN層の成膜条件
ターゲット:Taターゲット
スパッタリングガス:ArとN2の混合ガス(Ar:86vol%、N2:14vol%、ガス圧:0.3Pa)
投入電力:150W
成膜速度:7.2nm/min
膜厚:60nm
そして、吸収層14形成後に、EUVマスクブランクの表面および裏面の平坦度を測定した。ここで、EUVマスクブランクの表面とは吸収層14の表面を指す。一方、EUVマスクブランクの裏面とは、基板11の裏面側に形成されたCr膜の表面を指す。
実施例2
本実施例では、実施例1と同様の手順で反射層12(Mo/Si多層反射膜)を形成した後、該反射層12上に保護層13を形成してから、圧力0.02Paの減圧雰囲気下にて、140±4℃の範囲内に制御して20分間加熱処理した。なお、温度は保護層13の表面の温度であり、加熱時間は、該保護層13の表面の温度を140±4℃の範囲内に保持した時間である。
保護層13としてはRu層を、イオンビームスパッタリング法を用いて形成した。
保護層13の形成条件は以下のとおりである。
ターゲット:Ruターゲット
スパッタリングガス:Arガス(ガス圧0.02Pa)
電圧:700V
成膜速度:3.12nm/min
膜厚:2.5nm
次に、保護層13上に、実施例1と同様の手順で、吸収層14としてTaN層を、マグネトロンスパッタリング法を用いて形成した。
本実施例においても、加熱処理の実施前後に、EUVL用反射層付基板での表面および裏面の平坦度を測定した。ここで、EUVL用反射層付基板の表面とは保護層13の表面を指す。一方、EUVL用反射層付基板の裏面とは、基板11の裏面側に形成されたCr膜の表面を指す。また、吸収層14形成後に、EUVマスクブランクの表面および裏面の平坦度を測定した。
比較例1
本比較例では、Mo/Si多層反射膜形成後の加熱処理を、大気雰囲気下で実施した以外は実施例1と同様の手順を実施した。加熱処理は、大気雰囲気下にて、140±4℃の範囲内に制御して20分間実施した。
本比較例においても、加熱処理の実施前後に、EUVL用反射層付基板での表面および裏面の平坦度を測定した。また、吸収層14形成後に、EUVマスクブランクの表面および裏面の平坦度を測定した。
比較例2
本比較例では、保護層13(Ru層)形成後の加熱処理を、大気雰囲気下で実施した以外は実施例2と同様の手順を実施した。加熱処理は、大気雰囲気下にて、140±4℃の範囲内に制御して20分間実施した。
本比較例においても、加熱処理の実施前後に、EUVL用反射層付基板での表面および裏面の平坦度を測定した。また、吸収層14形成後に、EUVマスクブランクの表面および裏面の平坦度を測定した。
加熱処理実施前後での平坦度の差分(表面と裏面の平均値)を以下に示す。
実施例1
0.23μm
実施例2
0.24μm
比較例1
0.17μm
比較例2
0.19μm
加熱処理実施前と、吸収層14形成後での平坦度の差分(表面と裏面の平均値)を以下に示す。
実施例1
0.23μm
実施例2
0.24μm
比較例1
0.17μm
比較例2
0.19μm
加熱処理実施前後での平坦度の差分は、膜応力によって生じた基板11の反りが加熱処理によってどの程度緩和されたかを示している。実施例と比較例との比較から明らかなように、減圧雰囲気下にて加熱処理を行うことで、基板の反りを緩和する効果が向上した。
また、加熱処理実施前と、吸収層14形成後での平坦度の差分から、吸収層14の形成によっては、基板の反りはほとんど変化しないことが確認された。
1,1´:EUVマスクブランク
11:基板
12:反射層(Mo/Si多層反射膜)
13:保護層
14:吸収層
15:低反射層

Claims (16)

  1. 基板の成膜面上に、EUV光を反射する多層反射膜を形成するEUVリソグラフィ(EUVL)用反射層付基板の製造方法であって、
    前記多層反射膜が、Mo/Si多層反射膜であり、
    前記多層反射膜の形成後、圧力100Pa以下の減圧雰囲気下にて、120〜180℃の温度で加熱処理するEUVL用反射層付基板の製造方法。
  2. 基板の成膜面上に、EUV光を反射する多層反射膜を形成するEUVリソグラフィ(EUVL)用反射層付基板の製造方法であって、
    前記多層反射膜が、Mo/Si多層反射膜であり、
    前記多層反射膜の形成後、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、および、キセノン(Xe)からなる群から選択される少なくとも1種を含む希ガス雰囲気下にて、120〜180℃の温度で加熱処理するEUVL用反射層付基板の製造方法。
  3. 前記加熱処理後、前記多層反射膜上に該多層反射膜の保護層を形成する、請求項1または2に記載のEUVL用反射層付基板の製造方法。
  4. 前記保護層は、Ru膜またはRu化合物膜である、請求項3に記載のEUVL用反射層付基板の製造方法。
  5. 基板上にEUV光を反射する多層反射膜を形成し、前記多層反射膜上に該多層反射膜の保護層を形成するEUVリソグラフィ(EUVL)用反射層付基板の製造方法であって、
    前記多層反射膜がMo/Si多層反射膜であり、
    前記保護層の形成後、圧力100Pa以下の減圧雰囲気下にて、120〜180℃の温度で加熱処理するEUVL用反射層付基板の製造方法。
  6. 基板上にEUV光を反射する多層反射膜を形成し、前記多層反射膜上に該多層反射膜の保護層を形成するEUVリソグラフィ(EUVL)用反射層付基板の製造方法であって、
    前記多層反射膜がMo/Si多層反射膜であり、
    前記保護層の形成後、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、および、キセノン(Xe)からなる群から選択される少なくとも1種を含む希ガス雰囲気下にて、120〜180℃の温度で加熱処理するEUVL用反射層付基板の製造方法。
  7. 前記保護層がRu膜またはRu化合物膜である、請求項5または6に記載のEUVL用反射層付基板の製造方法。
  8. 基板の成膜面上に、EUV光を反射する多層反射膜を形成した後、前記多層反射膜上にEUV光を吸収する吸収層を形成することにより、EUVリソグラフィ(EUVL)用反射型マスクブランクを製造する、EUVL用反射型マスクブランクの製造方法であって、
    前記多層反射膜が、Mo/Si多層反射膜であり、
    前記多層反射膜の形成後、圧力100Pa以下の減圧雰囲気下にて、120〜180℃の温度で加熱処理し、該加熱処理後に、前記吸収層を形成するEUVL用反射型マスクブランクの製造方法。
  9. 基板の成膜面上に、EUV光を反射する多層反射膜を形成した後、前記多層反射膜上にEUV光を吸収する吸収層を形成することにより、EUVリソグラフィ(EUVL)用反射型マスクブランクを製造する、EUVL用反射型マスクブランクの製造方法であって、
    前記多層反射膜が、Mo/Si多層反射膜であり、
    前記多層反射膜の形成後、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、および、キセノン(Xe)からなる群から選択される少なくとも1種を含む希ガス雰囲気下にて、120〜180℃の温度で加熱処理し、該加熱処理後に、前記吸収層を形成するEUVL用反射型マスクブランクの製造方法。
  10. 前記多層反射膜の加熱処理後、該多層反射膜上に該多層反射膜の保護層を形成し、該保護層上に前記吸収層を形成する、請求項8または9に記載のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法。
  11. 前記保護層が、Ru膜またはRu化合物膜である、請求項10に記載のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法。
  12. 基板上にEUV光を反射する多層反射膜を形成し、前記多層反射膜上に該多層反射膜の保護層を形成し、
    前記保護層上にEUV光を吸収する吸収層を形成することにより、EUVリソグラフィ(EUVL)用反射型マスクブランクを製造する、EUVL用反射型マスクブランクの製造方法であって、
    前記多層反射膜が、Mo/Si多層反射膜であり、
    前記保護層の形成後、圧力100Pa以下の減圧雰囲気下にて、120〜180℃の温度で加熱処理し、該加熱処理後に、前記吸収層を形成するEUVL用反射型マスクブランクの製造方法。
  13. 基板上にEUV光を反射する多層反射膜を形成し、前記多層反射膜上に該多層反射膜の保護層を形成し、
    前記保護層上にEUV光を吸収する吸収層を形成することにより、EUVリソグラフィ(EUVL)用反射型マスクブランクを製造する、EUVL用反射型マスクブランクの製造方法であって、
    前記多層反射膜が、Mo/Si多層反射膜であり、
    前記保護層の形成後、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、および、キセノン(Xe)からなる群から選択される少なくとも1種を含む希ガス雰囲気下にて、120〜180℃の温度で加熱処理し、該加熱処理後に、前記吸収層を形成する反射型マスクブランクの製造方法。
  14. 前記保護層がRu膜またはRu化合物膜である、請求項12または13に記載のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法。
  15. 前記吸収層がタンタル(Ta)および窒素(N)を合計含有率で60at%以上含有する層であり、かつ、前記吸収層の膜厚が5〜100nmである、請求項8〜14のいずれかに記載のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法。
  16. 前記吸収層上にマスクパターンの検査に使用する検査光における低反射層を形成する、請求項8〜15のいずれかに記載のEUVL用反射型マスクブランクの製造方法。
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