JP2023145379A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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JP2023145379A JP2023042034A JP2023042034A JP2023145379A JP 2023145379 A JP2023145379 A JP 2023145379A JP 2023042034 A JP2023042034 A JP 2023042034A JP 2023042034 A JP2023042034 A JP 2023042034A JP 2023145379 A JP2023145379 A JP 2023145379A
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由季 西海
Yuki NISHIUMI
和泉 大同
Izumi Daido
徳重 七里
Norishige Shichiri
駿夫 高橋
Toshio Takahashi
聡史 林
Satoshi Hayashi
千恵子 森
Chieko Mori
久敏 岡山
Hisatoshi Okayama
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Abstract

【課題】仮固定材に半導体装置を仮固定した状態で300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には残渣を抑制しつつ仮固定材から半導体装置を容易に剥離できる半導体装置の製造方法を提供する。【解決手段】仮固定材を半導体装置に仮固定する仮固定工程(1)と、前記半導体装置に熱処理を行う熱処理工程(2)と、前記仮固定材から熱処理後の前記半導体装置を剥離する剥離工程(3)とをこの順に有し、前記剥離工程(3)において、下記式(F1)及び式(F2)を満たす条件で、前記仮固定材から熱処理後の前記半導体装置を剥離する半導体装置の製造方法。E’(T1)≦3×107(F1)0.080<L(T1)<2.0 (F2)式(F1)中、T1は、前記剥離工程(3)における前記仮固定材が接する前記半導体装置の温度(℃)を表し、E’(t)は、前記剥離工程(3)における温度tでの前記仮固定材の貯蔵弾性率(Pa)を表し、E’(T1)は、E’(t)の温度t=T1のときの値を表す。式(F2)中、T1は、前記剥離工程(3)における前記仮固定材が接する前記半導体装置の温度(℃)を表し、L(t)は、前記剥離工程(3)における温度tでの前記仮固定材の引張伸び率を表し、L(T1)は、L(t)の温度t=T1のときの値を表す。【選択図】なし

Description

本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
半導体ウエハ、半導体チップ等の半導体装置の加工時においては、半導体装置の取扱いを容易にし、破損したりしないようにするために、粘着剤組成物を介して半導体装置を支持板に固定したり、粘着テープを半導体装置に貼付したりして保護することが行われている。例えば、高純度なシリコン単結晶等から切り出した厚膜ウエハを所定の厚さにまで研削して薄膜ウエハとする場合に、粘着剤組成物を介して厚膜ウエハを支持板に接着することが行われる。
このように半導体装置に用いる粘着剤組成物や粘着テープには、加工工程中に半導体装置を強固に固定できるだけの高い接着性とともに、工程終了後には半導体装置を損傷することなく剥離できることが求められる(以下、「高接着易剥離」ともいう。)。
高接着易剥離の実現手段として、例えば特許文献1には、ポリマーの側鎖又は主鎖に放射線重合性官能基を有する多官能性モノマー又はオリゴマーが結合された粘着剤を用いた粘着シートが開示されている。放射線重合性官能基を有することにより紫外線照射によりポリマーが硬化することを利用して、剥離時に紫外線を照射することにより粘着力が低下して、糊残りなく剥離することができる。
特開平5-32946号公報
近年の半導体装置の高性能化に伴い、半導体装置に種々の加工を施す工程が行われるようになってきた。例えば、半導体装置の表面にスパッタリングにより金属薄膜を形成する工程では、300~350℃程度の高温で加工を行うことにより、より導電性に優れた金属薄膜を形成することができる。
しかしながら、従来の粘着剤組成物や粘着テープを用いて保護した半導体装置に、300℃以上の高温加工処理を行うと、接着亢進を起こして、剥離時に充分に粘着力が低下しなかったり、糊残りが発生したりすることがある。また、300℃以上の高温加工処理を経て製造される半導体装置は薄化が進んでおり、通常のメカニカル剥離方法を採用した場合、粘着剤組成物や粘着テープの剥離時に半導体装置の破損が生じることがある。
本発明は、仮固定材に半導体装置を仮固定した状態で300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には残渣を抑制しつつ仮固定材から半導体装置を容易に剥離できる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本開示1は、仮固定材を半導体装置に仮固定する仮固定工程(1)と、前記半導体装置に熱処理を行う熱処理工程(2)と、前記仮固定材から熱処理後の前記半導体装置を剥離する剥離工程(3)とをこの順に有し、前記剥離工程(3)において、下記式(F1)及び式(F2)を満たす条件で、前記仮固定材から熱処理後の前記半導体装置を剥離する半導体装置の製造方法である。
E’(T1)≦3×10 (F1)
0.080<L(T1)<2.0 (F2)
式(F1)中、T1は、前記剥離工程(3)における前記仮固定材が接する前記半導体装置の温度(℃)を表し、E’(t)は、前記剥離工程(3)における温度tでの前記仮固定材の貯蔵弾性率(Pa)を表し、E’(T1)は、E’(t)の温度t=T1のときの値を表す。式(F2)中、T1は、前記剥離工程(3)における前記仮固定材が接する前記半導体装置の温度(℃)を表し、L(t)は、前記剥離工程(3)における温度tでの前記仮固定材の引張伸び率を表し、L(T1)は、L(t)の温度t=T1のときの値を表す。
本開示2は、前記仮固定材は、280℃で1時間加熱後の重量減少率が20%以下である、本開示1の半導体装置の製造方法である。
本開示3は、前記仮固定工程(1)において、仮固定材前駆体を前記半導体装置に塗布した後、前記仮固定材前駆体を加熱により硬化することで、前記半導体装置上で前記仮固定材を形成する、本開示1又は2の半導体装置の製造方法である。
本開示4は、前記仮固定材前駆体は、シリコーン樹脂の流動体、又は、酸二無水物の未反応基及びジアミン化合物の未反応基を有するポリイミド樹脂の流動体である、本開示3の半導体装置の製造方法である。
本開示5は、前記仮固定工程(1)において、前記仮固定材を前記半導体装置に貼り合わせる、本開示1又は2の半導体装置の製造方法である。
本開示6は、前記仮固定材は、硬化型接着剤を含有する接着剤層を有し、前記硬化型接着剤は、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)、及び、分子内にエネルギー線反応性を有する炭素-炭素二重結合を含有する官能基を2以上有し、分子量が5000以下である多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)を含有する、本開示5の半導体装置の製造方法である。
本開示7は、前記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)、及び、前記分子内にエネルギー線反応性を有する炭素-炭素二重結合を含有する官能基を2以上有し、分子量が5000以下である多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)からなる群より選択される少なくとも1種は、ダイマージアミンに由来する脂肪族基を有する、本開示6の半導体装置の製造方法である。
本開示8は、前記剥離工程(3)において、前記T1が25℃以上、120℃以下である、本開示1、2、3、4、5、6又は7の半導体装置の製造方法である。
本開示9は、前記剥離工程(3)において、前記仮固定材の剥離角度が90°以上、180°以下である、本開示1、2、3、4、5、6、7又は8の半導体装置の製造方法である。
本開示10は、前記剥離工程(3)における前記温度T1での前記仮固定材のシリコンウエハに対する剥離力が1N/inch以下である、本開示1、2、3、4、5、6、7、8又は9の半導体装置の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
300℃以上の高温加工処理を行う場合にも適用できる工程材として、耐熱性に優れ、加熱したりエネルギー線を照射したりすることで硬化する硬化型接着剤が検討されている。しかしながら、このような耐熱性に優れた硬化型接着剤は、一般に硬く伸びにくい傾向にあることから、剥離時に剥離力が大きくなり、半導体装置の破損が生じたり、硬化型接着剤の一部がちぎれて残渣が残ったりすることがある。特に半導体装置の表面に形成されているバンプ(突起電極)が高いほど、半導体装置の破損が生じやすく、硬化型接着剤の残渣も生じやすい。
本発明者らは、仮固定材に半導体装置を仮固定した状態で半導体装置に熱処理を行った後、仮固定材から熱処理後の半導体装置を剥離する半導体装置の製造方法において、剥離時の仮固定材の温度、貯蔵弾性率、及び、引張伸び率を特定の関係式を満たすように調整することを検討した。本発明者らは、このような半導体装置の製造方法によれば、仮固定材に半導体装置を仮固定した状態で300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には残渣を抑制しつつ仮固定材から半導体装置を容易に剥離できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の半導体装置の製造方法においては、まず、仮固定材に半導体装置を仮固定する仮固定工程(1)を行う。
上記仮固定材に上記半導体装置を仮固定する方法は特に限定されず、上記仮固定材の形態に応じて適宜選択すればよい。即ち、上記仮固定材が液状、ペースト状等の仮固定材である場合は、例えば、上記仮固定材を上記半導体装置に塗布する方法が挙げられ、上記仮固定材がシート状、フィルム状等の仮固定材である場合は、例えば、上記仮固定材を上記半導体装置に貼り合わせる方法が挙げられる。また、仮固定材前駆体を上記半導体装置に塗布した後、上記仮固定材前駆体を加熱により硬化することで、上記半導体装置上で上記仮固定材を形成する方法も挙げられる。
上記仮固定材、又は、上記仮固定材前駆体を上記半導体装置に塗布する方法は特に限定されず、例えば、スプレーコート、スピンコート等が挙げられる。上記仮固定材を上記半導体装置に貼り合わせる方法は特に限定されず、例えば、熱ラミネーターを用いて50~100℃程度で加熱ラミネートする方法、真空ラミネーターを用いて0~100Paの気圧中で40~70℃程度でラミネートする方法等が挙げられる。
本発明の半導体装置の製造方法においては、上記仮固定材が硬化型である場合には、上記仮固定工程(1)の後かつ後述する熱処理工程(2)の前に、更に、上記仮固定材を硬化する硬化工程(4)を行うことが好ましい。
上記仮固定材を硬化する方法は特に限定されず、例えば、上記仮固定材を加熱する方法、上記仮固定材にエネルギー線を照射する方法等が挙げられる。より具体的には例えば、上記仮固定材を170℃のオーブン中で10分間加熱する方法、上記仮固定材に405nmの照射強度が70mW/cmの紫外線を1000mJ/cm照射する方法等が挙げられる。
本発明の半導体装置の製造方法においては、次いで、上記半導体装置に熱処理を行う熱処理工程(2)を行う。
上記熱処理の種類は特に限定されず、例えば、上記半導体装置に対する、モールディング、スパッタリング、熱圧着ボンディング等の熱処理が挙げられる。上記熱処理は、300℃以上の高温加工処理であってもよい。
本発明の半導体装置の製造方法においては、更に、上記仮固定材から熱処理後の上記半導体装置を剥離する剥離工程(3)を行う。
上記剥離工程(3)においては、下記式(F1)及び式(F2)を満たす条件で、上記仮固定材から熱処理後の上記半導体装置を剥離する。剥離時の上記仮固定材が接する上記半導体装置の温度(以下、「仮固定材の温度」ともいう)、上記仮固定材の貯蔵弾性率、及び、引張伸び率をこのような関係式を満たすように調整することにより、仮固定材に半導体装置を仮固定した状態で300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には残渣を抑制しつつ仮固定材から半導体装置を容易に剥離することができる。なお、本発明の半導体装置の製造方法においては、剥離時の上記仮固定材の温度、貯蔵弾性率、及び、引張伸び率について予め検討し、下記式(F1)及び式(F2)を満たすように上記剥離工程(3)における条件を決定する。
E’(T1)≦3×10 (F1)
0.080<L(T1)<2.0 (F2)
式(F1)中、T1は、上記剥離工程(3)における上記仮固定材の温度(℃)を表し、E’(t)は、上記剥離工程(3)における温度tでの上記仮固定材の貯蔵弾性率(Pa)を表し、E’(T1)は、E’(t)の温度t=T1のときの値を表す。式(F2)中、T1は、上記剥離工程(3)における上記仮固定材の温度(℃)を表し、L(t)は、上記剥離工程(3)における温度tでの上記仮固定材の引張伸び率を表し、L(T1)は、L(t)の温度t=T1のときの値を表す。
上記T1は、上記式(F1)及び式(F2)を満たすように調整される限りにおいて特に限定されないが、好ましい下限は25℃、好ましい上限は120℃であり、より好ましい下限は40℃、より好ましい上限は100℃である。
上記E’(T1)(即ち、上記剥離工程(3)における上記仮固定材の温度(℃)での上記仮固定材の貯蔵弾性率(Pa))を3×10Pa以下とすることで、高温加工処理を経た後には仮固定材から半導体装置を容易に剥離することができる。剥離性を更に高める観点から、上記E’(T1)の好ましい上限は1×10Paであり、より好ましい上限は8×10Paである。
上記E’(T1)の下限は特に限定されないが、上記仮固定材が柔らくなりすぎることにより上記半導体装置上に残ってしまうことを抑える観点から、好ましい下限は1×10Pa、より好ましい下限は5×10Paである。
なお、特定温度での上記仮固定材の貯蔵弾性率は、以下の方法により測定することができる。
仮固定材について、5mm×35mm×厚み0.05mmの試験片を作製する。仮固定材が硬化型である場合には、得られた試験片を上記硬化工程(4)を行う条件にて硬化させる。硬化後のサンプルについて上記熱処理工程(2)を行う条件にて熱処理する。熱処理後のサンプルを液体窒素に浸漬して-50℃まで冷却し、その後、粘弾性スペクトロメーター(例えば、DVA-200、アイティー計測制御社製等)を用いて、定速昇温引張モード、昇温速度10℃/分、周波数10Hzの条件で300℃まで昇温し、温度T1における貯蔵弾性率を測定する。
また、常温での上記仮固定材の貯蔵弾性率は特に限定されないが、上記E’(T1)を上記範囲内に調整する観点から、25℃での上記仮固定材の貯蔵弾性率の好ましい下限は1×10Pa、好ましい上限は1×1010Pa、より好ましい下限は5×10Pa、より好ましい上限は5×10Paである。なお、ここでいう貯蔵弾性率とは、上記仮固定材が硬化型である場合には、170℃のオーブン中で10分間加熱した後又は405nmの照射強度が70mW/cmの紫外線を1000mJ/cm照射した後の上記仮固定材の貯蔵弾性率を意味する。
上記E’(T1)を上記範囲内に調整する方法は特に限定されず、例えば、上記仮固定材の組成を調整する方法、上記剥離工程(3)における上記仮固定材の温度を調整する方法等が挙げられる。また、上記仮固定材が基材を含む複数層で構成される場合は、基材種類や厚みの選定で上記E’(T1)を調整する方法等が挙げられる。
上記L(T1)(即ち、上記剥離工程(3)における上記仮固定材の温度(℃)での上記仮固定材の引張伸び率)を0.080より大きく、2.0より小さくすることで、上記仮固定材の一部がちぎれたり上記仮固定材が柔らくなりすぎたりすることにより上記半導体装置上に残ってしまうことを抑え、上記仮固定材の残渣を抑制することができる。上記L(T1)は1.7以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。上記L(T1)は0.090より大きいことが好ましく、0.10以上であることがより好ましく、0.15以上であることが更に好ましい。
なお、特定温度での上記仮固定材の引張伸び率は、上記仮固定材上に2本の標線を設定し、標線間の距離を剥離前後で測定することにより測定することができる。
より具体的には、上記仮固定工程(1)の後に、上記仮固定材に2本の標線を設ける。このとき、2本の標線は上記仮固定材の剥離方向に対して、剥離方向と直角になるように設定する。その後、上記熱処理工程(2)及び上記剥離工程(3)と必要に応じて上記硬化工程(4)を行う。上記剥離工程(3)の前後における標線間の距離について、温度T1における剥離前の標線間距離をA(T1)とし、温度T1で剥離後の標線間距離をB(T1)とし、引張伸び率L(T1)を下記式で算出する。
L(T1)=(B(T1)-A(T1))/A(T1)
上記L(T1)を上記範囲内に調整する方法は特に限定されず、例えば、上記仮固定材の組成を調整する方法、上記剥離工程(3)における上記仮固定材の温度、剥離方法、剥離角度、剥離速度等を調整する方法等が挙げられる。また、上記仮固定材が基材を含む複数層で構成される場合は、基材の種類及び厚みの選定で上記L(T1)を調整する方法等が挙げられる。
上記剥離方法は特に限定されず、例えば、通常のメカニカル剥離方法、ピール剥離方法等が挙げられる。
上記剥離角度は、上記半導体装置に対して上記仮固定材を引っ張る際の角度であり、一般に剥離角度が大きいほうが上記仮固定材の引張伸び率は高くなる傾向があり、90°以上、180°以下が好ましく、100°以上、160°以下がより好ましい。
上記剥離速度は、上記半導体装置に対して上記仮固定材を引っ張る際の速度であり、一般に剥離速度が速いほど引張伸び率は低くなる傾向があり、10mm/秒以上、100mm/秒以下が好ましく、30mm/秒以上、70mm/秒以下がより好ましい。
上記剥離工程(3)における上記温度T1(上記仮固定材の温度)での上記仮固定材のシリコンウエハに対する剥離力は特に限定されないが、好ましい上限が1N/inchである。上記シリコンウエハに対する剥離力を1N/inch以下とすることで、高温加工処理を経た後には仮固定材から半導体装置を容易に剥離することができる。剥離性を更に高める観点から、上記シリコンウエハに対する剥離力のより好ましい上限は0.8N/inchである。
上記シリコンウエハに対する剥離力の下限は特に限定されないが、上記熱処理工程(2)における意図しない剥離を抑制する観点から、好ましい下限は0.01N/inch、より好ましい下限は0.05N/inchである。
なお、上記仮固定材のシリコンウエハに対する剥離力は、以下の方法により測定することができる。
仮固定材を1インチの幅にカットした後、シリコンウエハ(アイテス社製、8インチシリコンダミーウエハ:厚み725±25μm、P型(Boron)、結晶方位(100)、抵抗率1~100Ω・cm、鏡面仕上げ)に100℃のラミネーター(ラミ―コーポレーション社製、Leon13DX、速度メモリ5)にて加熱ラミネートする。仮固定材が硬化型である場合には、仮固定材を上記硬化工程(4)を行う条件にて硬化させる。硬化後のサンプルについて上記熱処理工程(2)を行う条件にて熱処理する。熱処理後のサンプルに対して、25℃、引張速度300mm/分の条件にて180°ピール試験を行い、剥離力(N/inch)を測定する。
本発明の半導体装置の製造方法において使用する上記仮固定材の形態は特に限定されず、液状、ペースト状等の仮固定材であってもよいし、シート状、フィルム状等の仮固定材であってもよい。また、上記仮固定材は単層であっても複数層であってもよい。
また、上記仮固定材は、上述したように仮固定材前駆体から加熱により硬化することで上記半導体装置上で上記仮固定材を形成する形態であってもよい。なお、このような場合、上記仮固定材前駆体は特に限定されないが、シリコーン樹脂の流動体、又は、酸二無水物の未反応基及びジアミン化合物の未反応基を有するポリイミド樹脂の流動体であることが好ましい。
上記シリコーン樹脂の流動体としては、より具体的には例えば、ポリジメチルシロキサン化合物と溶剤とを混合したポリジメチルシロキサン溶液等が挙げられる。上記ポリイミド樹脂の流動体としては、より具体的には例えば、ピロメリット酸二無水物と9,10-ジアミノフェナントレンとのポリアミド酸化合物を溶剤に混合したポリアミド酸溶液等が挙げられる。
上記仮固定材がシート状、フィルム状等の仮固定材である場合、上記仮固定材は、基材の一方又は両方の面に接着剤層を有していてもよく、基材を有さず接着剤層のみを有していてもよい。上記基材を有さない場合、光透過性と耐熱性とをともに有する基材を選定する必要がなく、上記仮固定材は、より安価かつ簡易な構成となる。
上記基材としては、例えば、アクリル、オレフィン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ABS、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ナイロン、ウレタン、ポリイミド等の透明な樹脂からなるシートが挙げられる。また、網目状の構造を有するシート、孔が開けられたシート、ガラス等も用いることができる。
上記基材の厚みは特に限定されないが、光透過性を高める観点、及び、柔軟性を高める観点から、好ましい下限は5μm、好ましい上限は150μmであり、より好ましい下限は10μm、より好ましい上限は100μmである。
上記仮固定材は、硬化型接着剤を含有することが好ましい。なお、上記仮固定材がシート状、フィルム状等の仮固定材である場合は、上記仮固定材が上記硬化型接着剤を含有する接着剤層を有することが好ましい。
上記硬化型接着剤は、加熱したりエネルギー線を照射したりすることで硬化する接着剤であれば特に限定されないが、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)を含有することが好ましい。
上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)は、イミド骨格を有することによって極めて耐熱性に優れ、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても主鎖の分解が起こりにくい。このため、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)を含むことにより、上記硬化型接着剤は、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離することができる。
上記硬化型接着剤は、上記硬化型接着剤全体として反応性を有していればよく、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)自体が反応性を有していてもよいし、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)自体には反応性がなくてもよい。
なお、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)自体に反応性がない場合、上記硬化型接着剤は、反応性官能基を有する他の成分を更に含有することにより、上記硬化型接着剤全体として反応性を有する必要がある。
上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)は特に限定されないが、エネルギー線反応性を有する炭素-炭素二重結合(以下、単に「炭素-炭素二重結合」ともいう)を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)、又は、エネルギー線反応性を有する炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)が好ましい。これらのイミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)と、上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)とを併用することがより好ましい。これらを併用することにより、上記硬化型接着剤は、より硬化性に優れ、より高い耐熱性を有し、かつ、反応時の内部応力がより少なくなる。
上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)を含むことで、上記硬化型接着剤は、加熱したりエネルギー線を照射したりすることで硬化が進行し、粘着力が大きく低下するため、高温加工処理を経た後にも容易に剥離することができる。
上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基は特に限定されず、例えば、マレイミド基、シトラコンイミド基、ビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アクリル基、及び、これらを含有する基等が挙げられる。これらの炭素-炭素二重結合を含有する官能基は、置換されていてもよい。なかでも、より高い耐熱性が得られることから、マレイミド基、置換されたマレイミド基、アリル基、及び、置換されたアリル基が好適である。
上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)は、炭素-炭素二重結合を含有する官能基の官能基当量(重量平均分子量/炭素-炭素二重結合を含有する官能基の数)が4000以下であることが好ましい。上記官能基当量が4000以下であることにより、上記硬化型接着剤は、高温加工処理を経た後にもより容易に剥離することができる。これは、樹脂の分子中に一定以上の密度で上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有することにより、架橋間距離が短くなることによって、接着亢進がより抑えられるためと考えられる。上記官能基当量は、3000以下であることがより好ましく、2000以下であることが更に好ましい。上記官能基当量の下限は特に限定されないが、実質的には600程度が下限である。
上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)は、重量平均分子量(Mw)が1000以上、3万以下であることが好ましい。上記重量平均分子量(Mw)が上記範囲内であれば、上記硬化型接着剤は、耐熱性が向上し、硬化物の柔軟性が向上して被着体に対して高い追従性を発揮でき、高温加工処理を経た後にはより容易に剥離することができる。また、上記重量平均分子量(Mw)が上記範囲内であれば、上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)の溶媒への溶解度が低くなりすぎることを防ぐこともできる。上記重量平均分子量(Mw)は1500以上、2万未満であることがより好ましく、5000以上、1万未満であることが更に好ましい。
なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法によりポリスチレン換算分子量として測定される。より具体的には、APCシステム(ウォーターズ社製、又はその同等品)を用いて、移動相THF、流量1.0mL/min、カラム温度40℃、サンプル濃度0.2重量%、RI・PDA検出器の条件で測定することができる。カラムとしては、HR-MB-M 6.0×150mm(品名、ウォーターズ社製、又はその同等品)等を用いることができる。
上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)は、上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を、側鎖又は末端のいずれに有していてもよい。上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)が上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を側鎖に有する場合、上記硬化型接着剤は、架橋間距離が短くなることによって、接着亢進がより抑えられ、より容易に剥離することができる。また、上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を末端に有する場合には、上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基の反応性がより高くなる。
上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)としては、具体的には例えば、次の樹脂が挙げられる。即ち、下記一般式(1a)で表される構成単位、下記一般式(1b)で表される構成単位、及び、下記一般式(1c)で表される構成単位を有し(ただし、s>0、t≧0、u≧0)、両末端がそれぞれX及びXで表される樹脂が挙げられる。
Figure 2023145379000001
一般式(1a)~(1c)中、P、P及びPは、それぞれ独立して、芳香族基を表し、Qは、置換又は非置換の直鎖状、分岐鎖状又は環状の脂肪族基を表し、Qは、置換又は非置換の芳香族構造を有する基を表し、Rは、置換又は非置換の分岐鎖状の脂肪族基又は芳香族基を表す。X、X及びXからなる群より選択される少なくとも1つは、エネルギー線反応性を有する炭素-炭素二重結合を含有する官能基を表す。
上記一般式(1a)~(1c)中、P、P及びPは、炭素数5~50の芳香族基であることが好ましい。P、P及びPが炭素数5~50の芳香族基であることにより、上記硬化型接着剤は、より高い耐熱性を発揮することができ、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離することができる。
上記一般式(1a)中、Qは、置換又は非置換の直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素数2~100の脂肪族基であることが好ましい。Qが置換又は非置換の直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素数2~100の脂肪族基であることにより、上記硬化型接着剤は、硬化物の柔軟性が向上して被着体に対して高い追従性を発揮でき、高温加工処理を経た後にはより容易に剥離することができる。
また、Qは、後述するようなジアミン化合物に由来する脂肪族基であることが好ましい。なかでも、柔軟性を高める観点、及び、上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)の溶媒や他の成分との相溶性が増す観点から、Qは、ダイマージアミンに由来する脂肪族基であることが好ましい。
上記ダイマージアミンに由来する脂肪族基として、より具体的には例えば、下記一般式(4-1)で表される基、下記一般式(4-2)で表される基、下記一般式(4-3)で表される基、及び、下記一般式(4-4)で表される基からなる群より選択される少なくとも1つが好ましい。なかでも、下記一般式(4-2)で表される基がより好ましい。なお、これらの基において光学異性は特に限定されず、いずれの光学異性も含む。
Figure 2023145379000002
一般式(4-1)~(4-4)中、R~R及びR13~R20はそれぞれ独立して、直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を表す。なお、*は結合手を表す。結合手*は、上記一般式(1a)~(1c)中のNと結合する。
上記一般式(4-1)~(4-4)中、R~R及びR13~R20で表される炭化水素基は特に限定されず、飽和炭化水素基であってもよく、不飽和炭化水素基であってもよい。
なかでも、RとR、RとR、RとR、RとR、R13とR14、R15とR16、R17とR18、及び、R19とR20の炭素数の合計が7以上、50以下であることが好ましい。上記炭素数の合計が上記範囲内であることで、上記硬化型接着剤は、硬化物の柔軟性が向上して被着体に対して高い追従性を発揮でき、高温加工処理を経た後にはより容易に剥離することができる。また、上記炭素数の合計が上記範囲内であることで、上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)の溶媒や他の成分との相溶性も増す。上記炭素数の合計は、より好ましくは9以上、更に好ましくは12以上、更により好ましくは14以上である。上記炭素数の合計は、より好ましくは35以下、更に好ましくは25以下、更により好ましくは18以下である。
上記一般式(1b)中、Qは、置換又は非置換の炭素数5~50の芳香族構造を有する基であることが好ましい。Qが置換又は非置換の炭素数5~50の芳香族構造を有する基であることにより、上記硬化型接着剤は、より高い耐熱性を発揮することができ、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離することができる。
上記一般式(1c)中、Rは、置換又は非置換の分岐鎖状の炭素数2~100の脂肪族基又は芳香族基であることが好ましい。Rが置換又は非置換の分岐鎖状の炭素数2~100の脂肪族基又は芳香族基であることにより、上記硬化型接着剤は、硬化物の柔軟性が向上して被着体に対して高い追従性を発揮でき、高温加工処理を経た後にはより容易に剥離することができる。
上記一般式(1c)中、Rは芳香族エステル基又は芳香族エーテル基を有する芳香族基であって、Rにおける該芳香族エステル基又は該芳香族エーテル基はXと結合していることが好ましい。
ここで、「芳香族エステル基」とは、芳香族環にエステル基が直接結合した基を意味し、「芳香族エーテル基」とは、芳香族環にエーテル基が直接結合した基を意味する。このようにエステル基やエーテル基に結合する部分を芳香族基にすることにより、上記硬化型接着剤は、より高い耐熱性を発揮することができ、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離することができる。一方、Xが芳香族エステル基又は芳香族エーテル基を介してRに結合することにより、X中の炭素-炭素二重結合がRと共役することがないことから、加熱したりエネルギー線を照射したりしたときの重合架橋を妨げることがない。
上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)中、炭素-炭素二重結合を含有する官能基(架橋性不飽和結合)は、X、X及びXからなる群より選択される少なくとも1つであればよい。上記X、X2及びXのいずれかが炭素-炭素二重結合を含有する官能基以外の官能基(炭素-炭素二重結合を有さない官能基)である場合、該炭素-炭素二重結合を有さない官能基としては、それぞれ独立して、例えば、脂肪族基、脂環式基、芳香族基、酸無水物、アミン化合物等が挙げられる。具体的には、上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)の原料となる酸無水物、ジアミン化合物の片末端未反応物が挙げられる。
上記一般式(1a)~(1c)中、s、t及びuは、上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)中における上記一般式(1a)で表される構成単位、上記一般式(1b)で表される構成単位、及び、上記一般式(1c)で表される構成単位それぞれの含有量(モル%)に対応するものである。
上記一般式(1a)で表される構成単位の含有量(s)は0モル%よりも大きく、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上であり、好ましくは90モル%以下、より好ましくは80モル%以下である。上記一般式(1b)で表される構成単位の含有量(t)は0モル以上%、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上、更に好ましくは20モル%以上であり、好ましくは50モル%以下、より好ましくは30モル%以下である。上記一般式(1c)で表される構成単位の含有量(u)は0モル%以上、好ましくは10モル%以上、より好ましくは20モル%以上であり、好ましくは50モル%以下、より好ましくは30モル%以下である。上記一般式(1a)~(1c)においてそれぞれの構成単位の含有量が上記範囲内であると、上記硬化型接着剤は、高温加工処理を経た後にはより容易に剥離することができる。
なお、上記一般式(1a)で表される構成単位、上記一般式(1b)で表される構成単位、及び、上記一般式(1c)で表される構成単位は、それぞれの構成単位が連続して配列したブロック成分からなるブロック構造を有していてもよいし、それぞれの構成単位がランダムに配列したランダム構造を有していてもよい。
上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)を製造する方法は特に限定されない。例えば、ジアミン化合物と芳香族酸無水物とを反応させてイミド化合物を調製した後、該イミド化合物の末端に、例えば無水マレイン酸等を反応させることにより得ることができる。また、例えば、ジアミン化合物と芳香族酸無水物とを反応させてイミド化合物を調製する際に、該イミド化合物に官能基を導入し、該イミド化合物中の官能基に、該官能基と反応する官能基と炭素-炭素二重結合を含有する官能基とを有する化合物(官能基含有不飽和化合物ともいう)を反応させることにより得ることもできる。
上記イミド化合物に官能基を導入する方法は特に限定されず、例えば、ジアミン化合物と芳香族酸無水物とを反応させてイミド化合物を調製する際に、更に、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン基等の官能基を有するジアミン化合物を添加する方法等が挙げられる。上記官能基含有不飽和化合物は特に限定されず、上記イミド化合物中の官能基に応じて選択して用いればよい。
上記ジアミン化合物としては、脂肪族ジアミン化合物又は芳香族ジアミン化合物のいずれも用いることができる。
上記ジアミン化合物として脂肪族ジアミン化合物を用いることにより、上記硬化型接着剤は、硬化物の柔軟性が向上して被着体に対して高い追従性を発揮でき、高温加工処理を経た後にはより容易に剥離することができる。上記ジアミン化合物として芳香族ジアミン化合物を用いることにより、上記硬化型接着剤は、より高い耐熱性を発揮することができ、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離することができる。これらの脂肪族ジアミン化合物、芳香族ジアミン化合物及び官能基を有するジアミン化合物は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記脂肪族ジアミン化合物としては、例えば、1,10-ジアミノデカン、1,12-ジアミノドデカン、ダイマージアミン、1,2-ジアミノ-2-メチルプロパン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,2-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノメンタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、3,3’-ジアミノ-N-メチルジプロピルアミン、ジアミノマレオニトリル、1,3-ジアミノペンタン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、1,2-ビス(2-アミノエトキシ)エタン、3(4),8(9)-ビス(アミノメチル)トリシクロ(5.2.1.02,6)デカン等が挙げられる。
上記芳香族ジアミン化合物としては、例えば、9,10-ジアミノフェナントレン、4,4’-ジアミノオクタフルオロビフェニル、3,7-ジアミノ-2-メトキシフルオレン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,4-ジアミノベンゾフェノン、3,4-ジアミノトルエン、2,6-ジアミノアントラキノン、2,6-ジアミノトルエン、2,3-ジアミノトルエン、1,8-ジアミノナフタレン、2,4-ジアミノトルエン、2,5-ジアミノトルエン、1,4-ジアミノアントラキノン、1,5-ジアミノアントラキノン、1,5-ジアミノナフタレン、1,2-ジアミノアントラキノン、2,4-クメンジアミン、1,3-ビスアミノメチルベンゼン、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、2-クロロ-1,4-ジアミノベンゼン、1,4-ジアミノ-2,5-ジクロロベンゼン、1,4-ジアミノ-2,5-ジメチルベンゼン、4,4’-ジアミノ-2,2’-ビストリフルオロメチルビフェニル、ビス(アミノ-3-クロロフェニ)エタン、ビス(4-アミノ-3,5-ジメチルフェニル)メタン、ビス(4-アミノ-3,5-ジエチルフェニル)メタン、ビス(4-アミノ-3-エチルジアミノフルオレン、2,3-ジアミノナフタレン、2,3-ジアミノフェノール、-5-メチルフェニル)メタン、ビス(4-アミノ-3-メチルフェニル)メタン、ビス(4-アミノ-3-エチルフェニル)メタン、4,4’-ジアミノフェニルスルホン、3,3’-ジアミノフェニルスルホン、2,2-ビス(4,(4アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、2,2-ビス(4-(3-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、4,4’-オキシジアニリン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’-オキシジアニリン、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチルビフェニル、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメトキシビフェニル、Bisaniline M、Bisaniline P、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、o‐トリジンスルホン、メチレンビス(アントラニル酸)、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)-2,2-ジメチルプロパン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)プロパン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ブタン、1,5-ビス(4-アミノフェノキシ)ブタン、2,3,5,6-テトラメチル-1,4-フェニレンジアミン、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン、4,4’-ジアミノベンザニリド、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ポリオキシアルキレンジアミン類(たとえば、HuntsmanのJeffamine D-230、D400、D-2000およびD-4000)、1,3-シクロヘキサンビス(メチルアミン)、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン等が挙げられる。
上記脂肪族ジアミン化合物のなかでも、柔軟性を高める観点、及び、上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)の溶媒や他の成分との相溶性が増す観点から、ダイマージアミンが好ましい。
上記ダイマージアミンとは、不飽和脂肪酸の2量体として得られる環式及び非環式ダイマー酸を、還元しアミノ化して得られるジアミン化合物であり、例えば、直鎖型、単環型、多環型等のダイマージアミンが挙げられる。上記ダイマージアミンは、炭素-炭素不飽和二重結合を含んでもよく、水素が付加した水素添加物であってもよい。上記ダイマージアミンとして、より具体的には例えば、上述した一般式(4-1)で表される基、一般式(4-2)で表される基、一般式(4-3)で表される基、及び、一般式(4-4)で表される基を構成することのできるダイマージアミン等が挙げられる。
上記芳香族酸無水物としては、例えば、ピロメリット酸、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,4,5-ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ビフェニルエーテルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,5,6-ピリジンテトラカルボン酸、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸、4,4’-スルホニルジフタル酸、1-トリフルオロメチル-2,3,5,6-ベンゼンテトラカルボン酸、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル、ベンゼン-1,2,3,4-テトラカルボン酸、2,3,2’,3’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,3’,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、フェナンスレン-1,8,9,10-テトラカルボン酸、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸、チオフエン-2,3,4,5-テトラカルボン酸、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸、3,4,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,2’,3’-ビフェニルテトラカルボン酸、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド、4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ)-ビス(フタル酸)等が挙げられる。
上記硬化型接着剤が上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)を含む場合、該樹脂(1-I)の含有量は特に限定されない。該樹脂(1-I)の含有量は、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)と後述する多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)との合計100重量部に占める好ましい下限が10重量部である。上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)の含有量が10重量部以上であれば、上記硬化型接着剤は、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離することができる。剥離性を更に高める観点から、上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)の含有量のより好ましい下限は20重量部、更に好ましい下限は30重量部である。
上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)の含有量の上限は特に限定されない。剥離性を更に高める観点から、該樹脂(1-I)の含有量は、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)と後述する多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)との合計100重量部に占める好ましい上限が100重量部、より好ましい上限が90重量部、更に好ましい上限が80重量部、更により好ましい上限が70重量部である。
上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)は、重量平均分子量(Mw)が2万以上であることが好ましい。上記重量平均分子量が2万以上であることにより、上記硬化型接着剤は、より高い耐熱性を発揮することができ、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離することができる。上記重量平均分子量は5万以上であることがより好ましい。上記重量平均分子量の上限は特に限定されないが、溶媒への溶解度の観点から、好ましい上限は60万、より好ましい上限は30万である。
なお、上記重量平均分子量は、上述した上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)と同様にして測定することができる。
上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)としては、具体的には例えば、下記一般式(1d)で表される構成単位、及び、下記一般式(1e)で表される構成単位を有し(ただし、s>0、t≧0)、両末端がそれぞれX及びXで表される樹脂(1-ii)が挙げられる。
Figure 2023145379000003
一般式(1d)~(1e)中、P及びPは、それぞれ独立して、芳香族基を表し、Qは、置換又は非置換の直鎖状、分岐鎖状又は環状の脂肪族基を表し、Qは、置換又は非置換の芳香族構造を有する基を表す。X及びXは、エネルギー線反応性を有する炭素-炭素二重結合を有さない官能基を表す。
上記一般式(1d)~(1e)中、P及びPは、炭素数5~50の芳香族基であることが好ましい。P及びPが炭素数5~50の芳香族基であることにより、上記硬化型接着剤は、より高い耐熱性を発揮することができ、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離することができる。
上記一般式(1d)中、Qは、置換又は非置換の直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素数2~100の脂肪族基であることが好ましい。Qが置換又は非置換の直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素数2~100の脂肪族基であることにより、上記硬化型接着剤は、硬化物の柔軟性が向上して被着体に対して高い追従性を発揮でき、高温加工処理を経た後にはより容易に剥離することができる。
また、Qは、上述したようなジアミン化合物に由来する脂肪族基であることが好ましい。なかでも、柔軟性を高める観点、及び、上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)の溶媒や他の成分との相溶性が増す観点から、Qは、ダイマージアミンに由来する脂肪族基であることが好ましい。
即ち、上記硬化型接着剤においては、上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)と、上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)との少なくともいずれかが、ダイマージアミンに由来する脂肪族基を有することが好ましい。つまり、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)が、ダイマージアミンに由来する脂肪族基を有することが好ましい。
上記一般式(1e)中、Qは、置換又は非置換の炭素数5~50の芳香族構造を有する基であることが好ましい。Qが置換又は非置換の炭素数5~50の芳香族構造を有する基であることにより、上記硬化型接着剤は、より高い耐熱性を発揮することができ、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離することができる。
上記X及びXで表される炭素-炭素二重結合を有さない官能基としては、それぞれ独立して、例えば、脂肪族基、脂環式基、芳香族基、酸無水物、アミン化合物等が挙げられる。具体的には、上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)の原料となる酸無水物、ジアミン化合物の片末端未反応物が挙げられる。
上記一般式(1d)~(1e)中、s、及びtは、上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)中における上記一般式(1d)で表される構成単位、及び、上記一般式(1e)で表される構成単位それぞれの含有量(モル%)に対応するものである。
上記一般式(1d)で表される構成単位の含有量(s)は0モル%よりも大きく、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上であり、好ましくは90モル%以下、より好ましくは80モル%以下である。上記一般式(1e)で表される構成単位の含有量(t)は0モル以上%、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上、更に好ましくは20モル%以上であり、好ましくは50モル%以下、より好ましくは30モル%以下である。上記一般式(1d)~(1e)においてそれぞれの構成単位の含有量が上記範囲内であると、上記硬化型接着剤は、高温加工処理を経た後にはより容易に剥離することができる。
なお、上記一般式(1d)で表される構成単位、及び、上記一般式(1e)で表される構成単位は、それぞれの構成単位が連続して配列したブロック成分からなるブロック構造を有していてもよいし、それぞれの構成単位がランダムに配列したランダム構造を有していてもよい。
上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)を製造する方法は特に限定されず、例えば、ジアミン化合物と芳香族酸無水物とを反応させることにより得ることができる。上記ジアミン化合物及び上記芳香族酸無水物は、上述したような炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)におけるジアミン化合物及び芳香族酸無水物と同様のものであってよい。
上記硬化型接着剤は上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)を含む場合、該樹脂(1-II)の含有量は特に限定されない。該樹脂(1-II)の含有量は、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)と後述する多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)との合計100重量部に占める好ましい下限が20重量部である。上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)の含有量が20重量部以上であれば、上記硬化型接着剤は、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離することができる。剥離性を更に高める観点から、上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)の含有量のより好ましい下限は30重量部である。
上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)の含有量の上限は特に限定されない。剥離性を更に高める観点から、該樹脂(1-II)の含有量は、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)と後述する多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)との合計100重量部に占める好ましい上限が90重量部、より好ましい上限が80重量部である。
上記硬化型接着剤は、更に、分子内にエネルギー線反応性を有する炭素-炭素二重結合を含有する官能基を2以上有する多官能モノマー又は多官能オリゴマーを含むことが好ましい。なかでも、分子内にエネルギー線反応性を有する炭素-炭素二重結合を含有する官能基を2以上有し、分子量が5000以下である多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)(以下、単に「多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)」ともいう。)を含むことがより好ましい。
上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)を含むことで、上記硬化型接着剤は、加熱したりエネルギー線を照射したりすることで硬化がより充分に進行し、粘着力が大きく低下するため、高温加工処理を経た後にもより容易に剥離することができる。
なお、上述したように、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)自体に反応性がない場合、上記硬化型接着剤は、反応性官能基を有する他の成分を更に含有することにより、上記硬化型接着剤全体として反応性を有する必要がある。このような反応性官能基を有する他の成分として、上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)を用いることが好ましい。上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)自体に反応性がない場合としては、例えば、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)が、上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)のみを含有する場合等が挙げられる。
上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)における炭素-炭素二重結合を含有する官能基は特に限定されず、例えば、マレイミド基、シトラコンイミド基、ビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アクリル基、及び、これらを含有する基等が挙げられる。これらの炭素-炭素二重結合を含有する官能基は、置換されていてもよい。なかでも、より高い耐熱性が得られることから、マレイミド基、置換されたマレイミド基、アリル基、及び、置換されたアリル基が好適である。
上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)は、ジアミン化合物に由来する脂肪族基を有することが好ましい。上記ジアミン化合物としては、脂肪族ジアミン化合物又は芳香族ジアミン化合物のいずれも用いることができるが、脂肪族ジアミン化合物が好ましい。上記ジアミン化合物として脂肪族ジアミン化合物を用いることにより、上記硬化型接着剤は、硬化物の柔軟性が向上して被着体に対して高い追従性を発揮でき、高温加工処理を経た後にはより容易に剥離することができる。
上記脂肪族ジアミン化合物のなかでも、柔軟性を高める観点、及び、上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)の溶媒や他の成分との相溶性が増す観点から、上述したようなダイマージアミンが好ましい。つまり、本発明の半導体装置の製造方法においては、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)、及び、上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)からなる群より選択される少なくとも1種がダイマージアミンに由来する脂肪族基を有することが好ましい。
上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)の含有量は特に限定されないが、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)と上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)との合計100重量部に占める好ましい下限は5重量部である。上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)の含有量が上記範囲内であれば、上記硬化型接着剤は、高温加工処理を経た後にはより容易に剥離することができる。剥離性を更に高める観点から、上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は50重量部である。
上記硬化型接着剤が上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)と上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)とを含む場合、これらの合計含有量は特に限定されない。上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)と上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)との合計100重量部に占める上記樹脂(1-I)と上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)との合計含有量の好ましい下限は20重量部、好ましい上限は80重量部である。上記樹脂(1-I)と上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)との合計含有量が上記範囲内であれば、上記硬化型接着剤は、高温加工処理を経た後にはより容易に剥離することができる。剥離性を更に高める観点から、上記樹脂(1-I)と上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)との合計含有量のより好ましい下限は30重量部、更に好ましい下限は40重量部、更により好ましい下限は50重量部であり、より好ましい上限は70重量部である。
上記硬化型接着剤は、更に、シリコーン化合物又はフッ素化合物を含むことが好ましい。
上記シリコーン化合物又はフッ素化合物は、耐熱性に優れることから、300℃以上の高温加工処理を経ても上記硬化型接着剤の焦げ付きを防止し、剥離時には被着体界面にブリードアウトして、剥離をより容易にする。
上記シリコーン化合物は特に限定されず、例えば、シリコーンオイル、シリコーンジアクリレート、シリコーン系グラフト共重合体等が挙げられる。上記フッ素化合物は特に限定されず、例えば、フッ素原子を有する炭化水素化合物等が挙げられる。
上記シリコーン化合物又はフッ素化合物は、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)と架橋可能な官能基を有することが好ましい。
上記シリコーン化合物又はフッ素化合物が上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)と架橋可能な官能基を有することにより、加熱したりエネルギー線を照射したりすることにより上記シリコーン化合物又はフッ素化合物が上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)と化学反応する。これにより、上記シリコーン化合物又はフッ素化合物が上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)中に取り込まれる。このため、被着体に上記シリコーン化合物又はフッ素化合物が付着して汚染することを抑制することができる。
上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)と架橋可能な官能基は特に限定されず、例えば、炭素-炭素二重結合を含有する官能基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミド基、イソシアネート基、エポキシ基等が挙げられる。なかでも、炭素-炭素二重結合を含有する官能基が好ましい。即ち、上記シリコーン化合物又はフッ素化合物は、炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有することが好ましい。上記炭素-炭素二重結合を含有する官能基は、炭素-炭素二重結合(ラジカル重合性の不飽和結合)を含有していれば特に限定されず、例えば、マレイミド基、シトラコンイミド基、ビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アクリル基、ナジイミド基、及び、これらを含有する基等が挙げられる。これらの炭素-炭素二重結合を含有する官能基は、置換されていてもよい。
なかでも、環境にやさしく、廃棄が容易であるという観点から、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)と架橋可能な官能基を有するシリコーン化合物が好適である。上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)と架橋可能な官能基を有するシリコーン化合物としては、主鎖にシロキサン骨格を有し、側鎖又は末端に炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有するシリコーン化合物が好ましい。
上記主鎖にシロキサン骨格を有し、側鎖又は末端に炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有するシリコーン化合物は特に限定されないが、下記一般式(I)で表されるシリコーン化合物、下記一般式(II)で表されるシリコーン化合物、及び、下記一般式(III)で表されるシリコーン化合物からなる群より選択される少なくとも1つを含有することが好ましい。これらのシリコーン化合物は、耐熱性が特に高く、極性が高いために上記硬化型接着剤からのブリードアウトが容易である。
Figure 2023145379000004
上記一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)中、X及びYは、それぞれ独立して、0~1200の整数を表し、Rは炭素-炭素二重結合を含有する官能基を表す。
上記一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)中、Rで表される炭素-炭素二重結合を含有する官能基としては、例えば、マレイミド基、シトラコンイミド基、ビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アクリル基、ナジイミド基、及び、これらを含有する基等が挙げられる。これらの炭素-炭素二重結合を含有する官能基は、置換されていてもよい。なかでも、より高い耐熱性が得られることから、マレイミド基、置換されたマレイミド基、アリル基、及び、置換されたアリル基が好適である。なお、上記一般式(I)、一般式(II)及び一般式(III)において、Rが複数存在する場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)で表されるシリコーン化合物のうち市販されているものは、例えば、EBECRYL350、EBECRYL1360(いずれもダイセル・サイテック社製)等が挙げられる。更に、BYK-UV3500(ビックケミー社製)、TEGO RAD2250(エボニック社製)(いずれもRがアクリル基)、メガファックRS-56(DIC社製、シリコーン及びフッ素原子含有化合物)等が挙げられる。
上記シリコーン化合物又はフッ素化合物の含有量は特に限定されないが、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)と上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)との合計100重量部に対する好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は20重量部である。上記シリコーン化合物又はフッ素化合物の含有量がこの範囲内であると、上記硬化型接着剤が被着体を汚染することなく優れた剥離性を発揮することができる。汚染を抑制しつつも剥離性を更に高める観点から、上記シリコーン化合物又はフッ素化合物の含有量のより好ましい下限は0.3重量部、より好ましい上限は10重量部である。
なお、上記硬化型接着剤は耐熱性に優れることから、上記シリコーン化合物又はフッ素化合物の含有量を比較的少なくしても充分な効果を発揮することができる。そのため、上記シリコーン化合物又はフッ素化合物による汚染の可能性をより一層少なくすることができる。
上記硬化型接着剤は、更に、重合開始剤を含むことが好ましい。
上記重合開始剤は特に限定されないが、光重合開始剤及び熱重合開始剤からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、光重合開始剤がより好ましい。
上記光重合開始剤としては、例えば、250~800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられる。なかでも、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)の吸収波長と重なりにくく、上記硬化型接着剤にエネルギー線を照射した際に充分に活性化されることから、上記光重合開始剤は、405nmにおけるモル吸光係数が1以上である光重合開始剤を含有することが好ましい。上記光重合開始剤は、405nmにおけるモル吸光係数が200以上である光重合開始剤を含有することがより好ましく、405nmにおけるモル吸光係数が350以上である光重合開始剤を含有することが更に好ましい。上記405nmにおけるモル吸光係数が1以上である光重合開始剤の405nmにおけるモル吸光係数の上限は特に限定されないが、例えば2000、1500等が上限である。
上記光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物、フォスフィンオキシド誘導体化合物等が挙げられる。更に、ビス(η5-シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記重合開始剤の含有量は特に限定されないが、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)と上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)との合計100重量部に対する好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は10重量部である。上記重合開始剤の含有量がこの範囲内であると、加熱したりエネルギー線を照射したりすることにより上記硬化型接着剤の全体が均一にかつ速やかに重合架橋し、弾性率が上昇することにより粘着力が大きく低下して、接着亢進を起こしたり、剥離時に糊残りが発生したりするのを防止することができる。上記重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.3重量部、より好ましい上限は3重量部である。
上記硬化型接着剤は、更に、気体発生剤を含有することが好ましい。
上記気体発生剤は、TG-DTA(熱重量-示差熱分析)測定にて窒素雰囲気下で30℃から300℃まで10℃/minの昇温速度で加熱したときの300℃における重量減少率が5%以下であることが好ましい。上記重量減少率が5%以下であれば、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても上記気体発生剤の分解が起こりにくく、上記硬化型接着剤は、より高い耐熱性を発揮することができる。
なお、TG-DTA(熱重量-示差熱分析)測定は、例えば、TG-DTA装置(STA7200RV、日立ハイテクサイエンス社製、又はその同等品)を用いて行うことができる。
上記気体発生剤としては、例えば、加熱することにより気体を発生する気体発生剤、光を照射することにより気体を発生する気体発生剤等が挙げられる。これらの気体発生剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、光を照射することにより気体を発生する気体発生剤が好ましく、紫外線を照射することにより気体を発生する気体発生剤がより好ましい。
上記光を照射することにより気体を発生する気体発生剤を含有することにより、上記硬化型接着剤は、光を照射することにより発生した気体が被着体との界面に放出される。これにより、上記硬化型接着剤は、より容易に剥離することができる。また、被着体が薄い場合であっても、被着体の破損を防止することができる。
上記光を照射することにより気体を発生する気体発生剤としては、例えば、テトラゾール化合物又はその塩、トリアゾール化合物又はその塩、アゾ化合物、アジド化合物、キサントン酢酸、炭酸塩等が挙げられる。これらの気体発生剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、特に耐熱性に優れることから、テトラゾール化合物又はその塩が好適である。
上記気体発生剤の含有量は特に限定されないが、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)と上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)との合計100重量部に対する好ましい下限は5重量部、好ましい上限は50重量部である。上記気体発生剤の含有量が上記範囲内であれば、上記硬化型接着剤が特に優れた剥離性を発揮することができる。上記気体発生剤の含有量のより好ましい下限は8重量部、より好ましい上限は30重量部である。
上記硬化型接着剤は、例えば、無機充填剤、光増感剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス等の公知の添加剤を含んでもよい。
上記仮固定材が上記硬化型接着剤を含有する接着剤層を有するシート状、フィルム状等の仮固定材である場合、上記仮固定材の厚み(基材を有さない場合は接着剤層の厚み、基材を有する場合は接着剤層の厚みと基材の厚みとを合わせた厚み)は特に限定されず、好ましい下限は5μm、好ましい上限は550μmである。上記厚みが5μm以上であれば、上記接着剤層が初期に充分な粘着力を有することができる。上記厚みが550μm以下であれば、上記接着剤層は、高い柔軟性を発揮することができ、被着体に対して高い追従性を発揮できるとともに、剥離時により容易に剥離することができる。上記厚みのより好ましい下限は10μm、更に好ましい下限は20μm、更により好ましい下限は30μmである。上記厚みのより好ましい上限は400μm、更に好ましい上限は300μm、更により好ましい上限は200μm、一層好ましい上限は150μmである。
上記仮固定材は、280℃で1時間加熱後の重量減少率が20%以下であることが好ましい。上記280℃で1時間加熱後の重量減少率が20%以下であれば、仮固定材に半導体装置を仮固定した状態で300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には残渣を抑制しつつ仮固定材から半導体装置を容易に剥離することができる。上記280℃で1時間加熱後の重量減少率は15%以下であることがより好ましい。
上記280℃で1時間加熱後の重量減少率の下限は特に限定されず、重量減少率が少ないほど好ましい。
なお、上記仮固定材の280℃で1時間加熱後の重量減少率は、以下の方法により測定することができる。
仮固定材が硬化型である場合には、170℃のオーブン中で10分間加熱する後又は405nmの照射強度が70mW/cmの紫外線を1000mJ/cm照射することにより仮固定材を硬化する。硬化後のサンプルをアルミパンに秤取し、アルミパンを装置にセットする。窒素雰囲気下、熱重量測定装置(STA7200(日立ハイテクサイエンス社製)又はその同等品)にて昇温速度10℃/分で測定サンプルを25℃から加熱し、280℃に達した後、1時間保持する。280℃で1時間加熱後の重量減少率を下記式により算出する。
重量減少率=(初期重量-加熱後の重量)/初期重量×100(%)
上記仮固定材を製造する方法は特に限定されず、例えば、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)等の配合成分をビーズミル、超音波分散、ホモジナイザー、高出力ディスパー、ロールミル等を用いて混合し、液状、ペースト状等の仮固定材を製造する方法が挙げられる。また、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)等の配合成分を溶剤とともにビーズミル、超音波分散、ホモジナイザー、高出力ディスパー、ロールミル等を用いて混合し、得られた硬化型接着剤溶液を離型フィルムの離型処理面上に塗工し、乾燥させて接着剤層を有する仮固定材を製造する方法も挙げられる。
本発明の半導体装置の製造方法によれば、高温加工処理を経た後には残渣を抑制しつつ仮固定材から半導体装置を容易に剥離できる。
上記半導体装置の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は40μm、好ましい上限は3000μmであり、より好ましい下限は50μm、より好ましい上限は1500μmである。
上記半導体装置は特に限定されず、例えば、半導体ウエハ、半導体チップ、半導体用実装基板等が挙げられる。上記半導体装置が半導体ウエハ、半導体チップ等である場合、表面に形成されているバンプ(突起電極)が高いほど通常は半導体装置の破損が生じやすく、上記仮固定材の残渣も生じやすい。これに対し、本発明の半導体装置の製造方法によれば、半導体ウエハ、半導体チップ等が比較的高いバンプを有する場合であっても、残渣を抑制しつつ上記仮固定材を容易に剥離することができる。上記バンプの高さは特に限定されないが、好ましい下限は5μm、好ましい上限は150μmであり、より好ましい下限は10μm、より好ましい上限は100μmである。
本発明によれば、仮固定材に半導体装置を仮固定した状態で300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には残渣を抑制しつつ仮固定材から半導体装置を容易に剥離できる半導体装置の製造方法を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)の調製)
(合成例1)
テフロン(登録商標)スターラーを入れた500mLの丸底フラスコに250mLのトルエンを投入した。次いで、トリエチルアミン35g(0.35モル)と無水メタンスルホン酸35g(0.36モル)を加えて攪拌し、塩を形成した。10分間撹拌後、ダイマージアミン(クローダ社製、プリアミン1075)56g(0.1モル)と、無水ピロメリット酸19.1g(0.09モル)をこの順に加えた。ディーンスターク管とコンデンサーをフラスコに取り付け、混合物を2時間還流し、アミン末端のジイミドを形成した。反応物を室温以下に冷却後、無水マレイン酸12.8g(0.13モル)を加え、次いで、無水メタンスルホン酸5g(0.05モル)を加えた。混合物を、更に12時間還流した後、室温に冷却し、トルエン300mLをフラスコに加え、静置により不純物を沈殿させ除去した。得られた溶液を、シリカゲルを充填したガラスフリット漏斗を通してろ過した後、溶剤を真空除去し、琥珀色ワックス状の、下記式(A)で表される両末端にマレイミド基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)を得た。
得られた樹脂について、溶出液としてTHF、カラムとしてHR-MB-M(品名、ウォーターズ社製)を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により測定したところ、重量平均分子量は5000であった。
Figure 2023145379000005
(炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)の調製)
(合成例2)
テフロン(登録商標)スターラーを入れた500mLの丸底フラスコに250mLのトルエンを投入した。次いで、トリエチルアミン35g(0.35モル)と無水メタンスルホン酸35g(0.36モル)を加えて攪拌し、塩を形成した。10分間撹拌後、ダイマージアミン(クローダ社製、プリアミン1075)56g(0.1モル)と、無水ピロメリット酸21.8g(0.1モル)をこの順に加えた。ディーンスターク管とコンデンサーをフラスコに取り付け、混合物を2時間還流し、室温に冷却し、トルエン300mLをフラスコに加え、静置により不純物を沈殿させ除去した。得られた溶液を、シリカゲルを充填したガラスフリット漏斗を通してろ過した後、溶剤を真空除去し、褐色固体状の、下記式で表される炭素-炭素二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)を得た。
得られた樹脂について、溶出液としてTHF、カラムとしてHR-MB-M(品名、ウォーターズ社製)を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により測定したところ、重量平均分子量は4000であった。
Figure 2023145379000006
(多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)の調製)
(合成例3)
テフロン(登録商標)スターラーを入れた500mLの丸底フラスコに250mLのトルエンを投入した。ダイマージアミン(クローダ社製、プリアミン1075)56g(0.1モル)と、無水マレイン酸19.6g(0.2モル)を加え、次いで、無水メタンスルホン酸5gを加えた。溶液を12時間還流した後、室温に冷却し、トルエン300mLをフラスコに加え、静置により塩を沈殿させ除去した。得られた溶液を、シリカゲルを充填したガラスフリット漏斗を通してろ過した後、溶剤を真空除去し、茶色液状の、下記式(E)で表されるビスマレイミドモノマー(2)を得た。
Figure 2023145379000007
(実施例1)
(1)仮固定材の製造
アニソール100重量部に、上記で得られた樹脂(1-I)を100重量部加え、更に、シリコーン化合物としてEBECRYL350(ダイセル・サイテック社製)を2重量部、光重合開始剤としてOmnirad819(IGM Resins社製)を5重量部加え、硬化型接着剤溶液を調製した。
得られた硬化型接着剤溶液を、片面離型処理の施された50μmのPETフィルムの離型処理面上に、乾燥皮膜の厚さが40μmとなるようにドクターナイフで塗工し、130℃、10分間加熱して乾燥させた。これにより接着剤層を有する仮固定材(ノンサポートタイプ)を得た。
(2)280℃で1時間加熱後の重量減少率
405nmの照射強度が70mW/cmの紫外線を1000mJ/cm照射することにより仮固定材を硬化した。硬化後のサンプルをアルミパンに秤取し、アルミパンを装置にセットした。窒素雰囲気下、熱重量測定装置(STA7200(日立ハイテクサイエンス社製))にて昇温速度10℃/分で測定サンプルを25℃から加熱し、280℃に達した後、1時間保持した。280℃で1時間加熱後の重量減少率を下記式により算出した。
重量減少率=(初期重量-加熱後の重量)/初期重量×100(%)
(3)半導体装置の製造
仮固定材を1インチの幅にカットした後、半導体装置としてのTEGウエハ(ウォルツ社製、WALTS-TEG FBW100-0001JY(PI)、ウエハ厚み725±25μm、バンプの高さ50μm)に100℃のラミネーター(ラミーコーポレーション社製、Leon13DX、速度メモリ5)にて加熱ラミネートした[仮固定工程(1)]。
ラミネート後、仮固定材と半導体装置とからなる仮固定体に、仮固定材側から超高圧水銀灯を用いて、405nmの照射強度が70mW/cmの紫外線を1000mJ/cm照射した[硬化工程(4)]。
硬化後、仮固定材と半導体装置とからなる仮固定体を更にホットプレートにより300℃で10分間加熱した[熱処理工程(2)]。
その後、通常のメカニカル剥離方法により仮固定材から半導体装置を剥離した[剥離工程(3)]。このときの仮固定材の温度T1、仮固定材の剥離角度、仮固定材の温度T1での仮固定材の貯蔵弾性率E’(T1)、仮固定材の温度T1での仮固定材の引張伸び率L(T1)、仮固定材のシリコンウエハに対する剥離力を表中に示した。上記剥離工程(3)では、ホットプレート上に、仮固定材と半導体装置が積層されたものを半導体装置側がホットプレートに接するように置いた状態で、仮固定材を剥離し、仮固定材の温度T1の測定は、仮固定材が接している半導体装置表面の温度を測定することにより行った。なお、貯蔵弾性率、引張伸び率、及び、シリコンウエハに対する剥離力の測定方法を下記に示す。
特定温度での仮固定材の貯蔵弾性率は、以下の方法により測定した。
仮固定材について、5mm×35mm×厚み0.03mmの試験片を作製した。仮固定材が硬化型である場合には、得られた試験片を上記硬化工程(4)を行う条件にて硬化させた。硬化後のサンプルについて上記熱処理工程(2)を行う条件にて熱処理した。熱処理後のサンプルを液体窒素に浸漬して-50℃まで冷却し、その後、粘弾性スペクトロメーター(例えば、DVA-200、アイティー計測制御社製等)を用いて、定速昇温引張モード、昇温速度10℃/分、周波数10Hzの条件で300℃まで昇温し、貯蔵弾性率を測定した。
特定温度での仮固定材の引張伸び率は、以下の方法により測定した。
仮固定工程(1)後の仮固定材について、2本の標線を設けた。このとき、仮固定材の剥離方向は1方向とし、2本の標線は剥離方向と直角になるように設定した。その後、上記半導体装置の製造と同様に硬化工程(4)、熱処理工程(2)及び剥離工程(3)を行った。温度T1における剥離前の標線間距離をA(T1)とし、温度T1での剥離後の標線間距離をB(T1)とし、引張伸び率L(T1)を下記式で算出した。
L(T1)=(B(T1)-A(T1))/A(T1)
仮固定材のシリコンウエハに対する剥離力は、以下の方法により測定した。
仮固定材を1インチの幅にカットした後、シリコンウエハ(アイテス社製、8インチシリコンダミーウエハ:厚み725±25μm、P型(Boron)、結晶方位(100)、抵抗率1~100Ω・cm、鏡面仕上げ)に100℃のラミネーター(ラミ―コーポレーション社製、Leon13DX、速度メモリ5)にて加熱ラミネートした。仮固定材が硬化型である場合には、仮固定材を上記硬化工程(4)を行う条件にて硬化させた。硬化後のサンプルについて上記熱処理工程(2)を行う条件にて熱処理した。熱処理後のサンプルに対して、25℃、引張速度300mm/分の条件にて180°ピール試験を行い、剥離力(N/inch)を測定した。
(実施例2~6、9~14、比較例1~3)
表1~2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、仮固定材を得た。また、半導体装置の製造を行った。なお、下記に示す材料を用いた。
・アクリル粘着剤(SK-1、新中村化学社製)
・多官能アクリレート(3官能アクリレート、NKエステル A-TMPT、新中村化学社製)
・架橋剤(イソシアネート系架橋剤、L45-K、綜研化学社製)
(実施例7)
(1)仮固定材前駆体(ポリイミド樹脂の流動体)の製造
加熱冷却装置、及び、攪拌装置を設置した反応容器を用意した。この反応容器に、窒素気流下の雰囲気において、68.33gのN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)中に、芳香族ジアミンオリゴマー(イハラケミカル社製、エラスマー1000、分子量1229.7)12.89g、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(DDE、分子量200.2)7.08g、及び、ピロメリット酸二無水物(PMDA)10.0gを70℃で5時間攪拌して反応させた。これにより、仮固定材前駆体(ポリイミド樹脂の流動体)を得た。
(2)280℃で1時間加熱後の重量減少率
仮固定材前駆体(ポリイミド樹脂の流動体)をスライドガラスに塗布し、90℃で20分乾燥させた。その後、窒素雰囲気下、仮固定材前駆体(ポリイミド樹脂の流動体)を300℃で2時間加熱して硬化することで、厚み50μmの仮固定材からなる膜を形成した。膜形成後のサンプルをスライドガラスから剥離又は削り取ってアルミパンに秤取し、アルミパンを装置にセットした。窒素雰囲気下、熱重量測定装置(STA7200(日立ハイテクサイエンス社製))にて昇温速度10℃/分で測定サンプルを25℃から加熱し、280℃に達した後、1時間保持した。280℃で1時間加熱後の重量減少率を下記式により算出した。
重量減少率=(初期重量-加熱後の重量)/初期重量×100(%)
(3)半導体装置の製造
仮固定材前駆体(ポリイミド樹脂の流動体)を半導体装置としてのTEGウエハ(ウォルツ社製、WALTS-TEG FBW100-0001JY(PI)、ウエハ厚み725±25μm、バンプの高さ50μm)に塗布し、90℃で20分乾燥させた。その後、窒素雰囲気下、仮固定材前駆体(ポリイミド樹脂の流動体)を300℃で2時間加熱して硬化することで、厚み50μmの仮固定材からなる膜を形成した[仮固定工程(1)]。
膜形成後、仮固定材と半導体装置とからなる仮固定体を更にホットプレートにより300℃で10分間加熱した[熱処理工程(2)]。
その後、通常のメカニカル剥離方法により仮固定材から半導体装置を剥離した[剥離工程(3)]。このときの仮固定材の温度T1は50℃、仮固定材の剥離角度は120°、仮固定材の温度T1での仮固定材の貯蔵弾性率E’(T1)は2.56×10Pa、仮固定材の温度T1での仮固定材の引張伸び率L(T1)は0.6、仮固定材のシリコンウエハに対する剥離力は0.4N/inchであった。なお、貯蔵弾性率、引張伸び率、及び、シリコンウエハに対する剥離力の測定方法は実施例1と同様である。
(実施例8)
(1)仮固定材前駆体(シリコーン樹脂の流動体)の製造
4つ口フラスコにトルエン900重量部を入れ、分子鎖両末端が水酸基で封鎖された生ゴム状のジメチルポリシロキサン90重量部と、(CHSiO1/2単位0.75モルとSiO4/2単位1モルの割合からなり、かつ、固形分100中に1.0モル%の水酸基を含むメチルポリシロキサンレジン10重量部とを溶解した。得られた溶液に、28%のアンモニア水を1重量部添加し、室温にて24時間撹拌して縮合反応させた。次いで、減圧状態で180℃に加熱し、トルエン、縮合水、アンモニア等を除去させて、固形化された部分縮合物を得た。この部分縮合物100重量部に、トルエン900重量部を加えて溶解させた。この溶液にヘキサメチルジシラザン20重量部を加え、130℃にて3時間撹拌して残存する水酸基を封鎖した。次いで、減圧状態で180℃に加熱し、溶剤等を除去させて、固形化された非反応性部分縮合物を得た。更に、上記非反応性部分縮合物100重量部にヘキサン900重量部を加えて溶解させた後、これを2000重量部のアセトン中に投入し、析出した樹脂を回収して、その後、真空下でヘキサン等を除去して、分子量740以下の低分子量成分が0.05質量%である、重量平均分子量90万のジメチルポリシロキサン重合体を得た。この重合体20gをイソドデカン80gに溶解し、0.2μmのメンブレンフィルターで濾過して、ジメチルポリシロキサン重合体のイソドデカン溶液を得た。
(2)280℃で1時間加熱後の重量減少率
仮固定材前駆体(シリコーン樹脂の流動体)をスライドガラスに塗布し、150℃で5分加熱して硬化することで、仮固定材からなる膜を形成した。膜形成後のサンプルをスライドガラスから剥離又は削り取ってアルミパンに秤取し、アルミパンを装置にセットした。窒素雰囲気下、熱重量測定装置(STA7200(日立ハイテクサイエンス社製))にて昇温速度10℃/分で測定サンプルを25℃から加熱し、280℃に達した後、1時間保持した。280℃で1時間加熱後の重量減少率を下記式により算出した。
重量減少率=(初期重量-加熱後の重量)/初期重量×100(%)
(3)半導体装置の製造
仮固定材前駆体(シリコーン樹脂の流動体)を半導体装置としてのTEGウエハ(ウォルツ社製、WALTS-TEG FBW100-0001JY(PI)、ウエハ厚み725±25μm、バンプの高さ50μm)に塗布し、150℃で5分加熱して硬化することで、仮固定材からなる膜を形成した[仮固定工程(1)]。
膜形成後、仮固定材と半導体装置とからなる仮固定体を更にホットプレートにより300℃で10分間加熱した[熱処理工程(3)]。
その後、通常のメカニカル剥離方法により仮固定材から半導体装置を剥離した[剥離工程(3)]。このときの仮固定材の温度T1は50℃、仮固定材の剥離角度は120°、仮固定材の温度T1での仮固定材の貯蔵弾性率E’(T1)は2.56×10Pa、仮固定材の温度T1での仮固定材の引張伸び率L(T1)は0.6、仮固定材のシリコンウエハに対する剥離力は0.4N/inchであった。なお、貯蔵弾性率、引張伸び率、及び、シリコンウエハに対する剥離力の測定方法は実施例1と同様である。
<評価>
実施例及び比較例で行った半導体装置の製造について、以下の方法により評価を行った。結果を表1~2に示した。
(1)半導体装置の破損(歩留まり)
実施例及び比較例で行った半導体装置の製造を20個の半導体装置について行い、剥離工程(3)後の半導体装置の破損率を求めた。
◎:半導体装置の破損率5%未満
〇:半導体装置の破損率5%以上、25%未満
△:半導体装置の破損率25%以上、50%未満
×:半導体装置の破損率50%以上
(2)残渣
実施例及び比較例で行った半導体装置の製造について、剥離工程(3)後の半導体装置表面の面積に占める、残渣が付着していた面積の割合(残渣付着率)を求めた。
◎:半導体装置表面の残渣付着率5%未満
〇:半導体装置表面の残渣付着率5%以上、25%未満
△:半導体装置表面の残渣付着率25%以上50%未満
×:半導体装置表面の残渣付着率50%以上
Figure 2023145379000008
Figure 2023145379000009
本発明によれば、仮固定材に半導体装置を仮固定した状態で300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には残渣を抑制しつつ仮固定材から半導体装置を容易に剥離できる半導体装置の製造方法を提供することができる。

Claims (10)

  1. 仮固定材を半導体装置に仮固定する仮固定工程(1)と、
    前記半導体装置に熱処理を行う熱処理工程(2)と、
    前記仮固定材から熱処理後の前記半導体装置を剥離する剥離工程(3)とをこの順に有し、
    前記剥離工程(3)において、下記式(F1)及び式(F2)を満たす条件で、前記仮固定材から熱処理後の前記半導体装置を剥離する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
    E’(T1)≦3×10 (F1)
    0.080<L(T1)<2.0 (F2)
    式(F1)中、T1は、前記剥離工程(3)における前記仮固定材が接する前記半導体装置の温度(℃)を表し、E’(t)は、前記剥離工程(3)における温度tでの前記仮固定材の貯蔵弾性率(Pa)を表し、E’(T1)は、E’(t)の温度t=T1のときの値を表す。式(F2)中、T1は、前記剥離工程(3)における前記仮固定材が接する前記半導体装置の温度(℃)を表し、L(t)は、前記剥離工程(3)における温度tでの前記仮固定材の引張伸び率を表し、L(T1)は、L(t)の温度t=T1のときの値を表す。
  2. 前記仮固定材は、280℃で1時間加熱後の重量減少率が20%以下であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記仮固定工程(1)において、仮固定材前駆体を前記半導体装置に塗布した後、前記仮固定材前駆体を加熱により硬化することで、前記半導体装置上で前記仮固定材を形成することを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記仮固定材前駆体は、シリコーン樹脂の流動体、又は、酸二無水物の未反応基及びジアミン化合物の未反応基を有するポリイミド樹脂の流動体であることを特徴とする請求項3記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記仮固定工程(1)において、前記仮固定材を前記半導体装置に貼り合わせることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記仮固定材は、硬化型接着剤を含有する接着剤層を有し、前記硬化型接着剤は、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)、及び、分子内にエネルギー線反応性を有する炭素-炭素二重結合を含有する官能基を2以上有し、分子量が5000以下である多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)を含有することを特徴とする請求項5記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)、及び、前記分子内にエネルギー線反応性を有する炭素-炭素二重結合を含有する官能基を2以上有し、分子量が5000以下である多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)からなる群より選択される少なくとも1種は、ダイマージアミンに由来する脂肪族基を有することを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記剥離工程(3)において、前記T1が25℃以上、120℃以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記剥離工程(3)において、前記仮固定材の剥離角度が90°以上、180°以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記剥離工程(3)における前記温度T1での前記仮固定材のシリコンウエハに対する剥離力が1N/inch以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法。

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