JP2023109307A - 硬化性樹脂組成物、仮固定材、及び、電子部品の製造方法 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、仮固定材、及び、電子部品の製造方法 Download PDF

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徳重 七里
Norishige Shichiri
和泉 大同
Izumi Daido
駿夫 高橋
Toshio Takahashi
聡史 林
Satoshi Hayashi
文香 星野
Fumika Hoshino
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Abstract

【課題】透明性が高く、被着体を固定した状態で300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離できる硬化性樹脂組成物を提供する。また、該硬化性樹脂組成物からなる接着剤層を有する仮固定材、及び、該仮固定材を用いた電子部品の製造方法を提供する。【解決手段】イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)を含む反応性樹脂と、シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを含有する硬化性樹脂組成物であって、前記反応性樹脂と、前記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種とのFedors法による溶解度パラメーター(SP値)の差が1.0(cal/cm3)0.5以上、3.0(cal/cm3)0.5以下である硬化性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 〔発行者〕 IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers) 〔刊行物名〕 2021 IEEE 71st Electronic Components and Technology Conference 〔発行日〕 令和3年6月1日
本発明は、硬化性樹脂組成物、仮固定材、及び、電子部品の製造方法に関する。
半導体等の電子部品の加工時においては、電子部品の取扱いを容易にし、破損したりしないようにするために、粘着剤組成物を介して電子部品を支持板に固定したり、粘着テープを電子部品に貼付したりして保護することが行われている。例えば、高純度なシリコン単結晶等から切り出した厚膜ウエハを所定の厚さにまで研削して薄膜ウエハとする場合に、粘着剤組成物を介して厚膜ウエハを支持板に接着することが行われる。
このように電子部品に用いる粘着剤組成物や粘着テープには、加工工程中に電子部品を強固に固定できるだけの高い接着性とともに、工程終了後には電子部品を損傷することなく剥離できることが求められる(以下、「高接着易剥離」ともいう。)。
高接着易剥離の実現手段として、例えば特許文献1には、ポリマーの側鎖又は主鎖に放射線重合性官能基を有する多官能性モノマー又はオリゴマーが結合された粘着剤を用いた粘着シートが開示されている。放射線重合性官能基を有することにより紫外線照射によりポリマーが硬化することを利用して、剥離時に紫外線を照射することにより粘着力が低下して、糊残りなく剥離することができる。
特開平5-32946号公報
近年の電子部品の高性能化に伴い、電子部品に種々の加工を施す工程が行われるようになってきた。例えば、電子部品の表面にスパッタリングにより金属薄膜を形成する工程では、300~350℃程度の高温で加工を行うことにより、より導電性に優れた金属薄膜を形成することができる。しかしながら、従来の粘着剤組成物や粘着テープを用いて保護した電子部品に、300℃以上の高温加工処理を行うと、接着亢進を起こして、剥離時に充分に粘着力が低下しなかったり、糊残りが発生したりすることがある。
本発明は、透明性が高く、被着体を固定した状態で300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離できる硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、該硬化性樹脂組成物からなる接着剤層を有する仮固定材、及び、該仮固定材を用いた電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)を含む反応性樹脂と、シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを含有する硬化性樹脂組成物であって、上記反応性樹脂と、上記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種とのFedors法による溶解度パラメーター(SP値)の差が1.0(cal/cm0.5以上、3.0(cal/cm0.5以下である硬化性樹脂組成物である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者らは、硬化性樹脂組成物において、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)を含む反応性樹脂を用いることを検討した。このような硬化性樹脂組成物は、反応性樹脂を反応させることで粘着力が大きく低下するため、高温加工処理を経た後にも接着亢進が抑えられ、容易に剥離することが期待される。しかしながら、このような硬化性樹脂組成物であっても、依然として高温加工処理を経た後には容易に剥離することは難しかった。
これに対し、本発明者らは、更に、シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種を用い、そのなかでも特に、反応性樹脂とのFedors法による溶解度パラメーター(SP値)の差が特定範囲内である化合物を用いることを検討した。本発明者らは、このような硬化性樹脂組成物であれば、被着体を固定した状態で300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離することができ、透明性にも優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の硬化性樹脂組成物は、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)を含む反応性樹脂を含有する。
上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)は、イミド骨格を有することによって極めて耐熱性に優れ、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても主鎖の分解が起こりにくい。このため、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)を含む反応性樹脂を含有することで、本発明の硬化性樹脂組成物は、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離することができる。
上記反応性樹脂は、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)を含み、かつ、上記反応性樹脂全体として反応性を有していればよく、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)自体が反応性を有していてもよいし、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)自体には反応性がなくてもよい。
なお、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)自体に反応性がない場合、上記反応性樹脂は、反応性官能基を有する他の成分を更に含有することにより、上記反応性樹脂全体として反応性を有する必要がある。
上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)は特に限定されないが、二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)、又は、二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)が好ましい。これらのイミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、上記二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)と、上記二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)とを併用することがより好ましい。これらを併用することにより、硬化性樹脂組成物は、より硬化性に優れ、より高い耐熱性を有し、かつ、反応時の内部応力がより少なくなる。
上記二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)を含むことで、硬化性樹脂組成物は、加熱又は光を照射することで硬化が進行し、粘着力が大きく低下するため、高温加工処理を経た後にも接着亢進が抑えられ、容易に剥離することができる。
上記二重結合を含有する官能基は特に限定されず、例えば、マレイミド基、シトラコンイミド基、ビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アクリル基、及び、これらを含有する基等が挙げられる。これらの二重結合を含有する官能基は、置換されていてもよい。なかでも、より高い耐熱性が得られることから、マレイミド基、置換されたマレイミド基、アリル基、及び、置換されたアリル基が好適である。
上記二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)は、二重結合を含有する官能基の官能基当量(重量平均分子量/二重結合を含有する官能基の数)が4000以下であることが好ましい。上記官能基当量が4000以下であることにより、硬化性樹脂組成物は、高温加工処理を経た後にも接着亢進がより抑えられ、より容易に剥離することができる。これは、樹脂の分子中に一定以上の密度で上記二重結合を含有する官能基を有することにより、架橋間距離が短くなることによって、接着亢進がより抑えられるためと考えられる。上記官能基当量は、3000以下であることがより好ましく、2000以下であることが更に好ましい。上記官能基当量の下限は特に限定されないが、実質的には600程度が下限である。
上記二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)は、重量平均分子量(Mw)が1000以上、3万以下であることが好ましい。上記重量平均分子量(Mw)が上記範囲内であれば、硬化性樹脂組成物は、耐熱性が向上し、硬化物の柔軟性が向上して被着体に対して高い追従性を発揮でき、高温加工処理を経た後にはより容易に剥離することができる。また、上記重量平均分子量(Mw)が上記範囲内であれば、上記二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)の溶媒への溶解度が低くなりすぎることを防ぐこともできる。上記重量平均分子量(Mw)は1500以上、2万未満であることがより好ましく、2000以上、1万未満であることが更に好ましい。
なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法によりポリスチレン換算分子量として測定される。より具体的には、APCシステム(ウォーターズ社製、又はその同等品)を用いて、移動相THF、流量1.0mL/min、カラム温度40℃、サンプル濃度0.2重量%、RI・PDA検出器の条件で測定することができる。カラムとしては、HR-MB-M 6.0×150mm(品名、ウォーターズ社製、又はその同等品)等を用いることができる。
上記二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)は、上記二重結合を含有する官能基を、側鎖又は末端のいずれに有していてもよい。上記二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)が上記二重結合を含有する官能基を側鎖に有する場合、硬化性樹脂組成物は、架橋間距離が短くなることによって、接着亢進がより抑えられ、より容易に剥離することができる。また、上記二重結合を含有する官能基を末端に有する場合には、上記二重結合を含有する官能基の反応性がより高くなる。
上記二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)としては、具体的には例えば、次の樹脂が挙げられる。即ち、下記一般式(1a)で表される構成単位、下記一般式(1b)で表される構成単位、及び、下記一般式(1c)で表される構成単位を有し(ただし、s>0、t≧0、u≧0)、両末端がそれぞれX及びXで表される樹脂(1-i)が挙げられる。
Figure 2023109307000001
一般式(1a)~(1c)中、P、P及びPは、それぞれ独立して、芳香族基を表し、Qは、置換又は非置換の直鎖状、分岐鎖状又は環状の脂肪族基を表し、Qは、置換又は非置換の芳香族構造を有する基を表し、Rは、置換又は非置換の分岐鎖状の脂肪族基又は芳香族基を表す。X、X及びXからなる群より選択される少なくとも1つは、二重結合を含有する官能基を表す。
上記一般式(1a)~(1c)中、P、P及びPは、炭素数5~50の芳香族基であることが好ましい。P、P及びPが炭素数5~50の芳香族基であることにより、硬化性樹脂組成物は、より高い耐熱性を発揮することができ、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離することができる。
上記一般式(1a)中、Qは、置換又は非置換の直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素数2~100の脂肪族基であることが好ましい。Qが置換又は非置換の直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素数2~100の脂肪族基であることにより、硬化性樹脂組成物は、硬化物の柔軟性が向上して被着体に対して高い追従性を発揮でき、高温加工処理を経た後にはより容易に剥離することができる。
また、Qは、後述するようなジアミン化合物に由来する脂肪族基であることが好ましい。なかでも、柔軟性を高める観点、及び、上記二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)の溶媒や他の成分との相溶性が増す観点から、Qは、ダイマージアミンに由来する脂肪族基であることが好ましい。
上記ダイマージアミンに由来する脂肪族基として、より具体的には例えば、下記一般式(4-1)で表される基、下記一般式(4-2)で表される基、下記一般式(4-3)で表される基、及び、下記一般式(4-4)で表される基からなる群より選択される少なくとも1つが好ましい。なかでも、下記一般式(4-2)で表される基がより好ましい。なお、これらの基において光学異性は特に限定されず、いずれの光学異性も含む。
Figure 2023109307000002
一般式(4-1)~(4-4)中、R~R及びR13~R20はそれぞれ独立して、直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を表す。なお、*は結合手を表す。結合手*は、上記一般式(1a)~(1c)中のNと結合する。
上記一般式(4-1)~(4-4)中、R~R及びR13~R20で表される炭化水素基は特に限定されず、飽和炭化水素基であってもよく、不飽和炭化水素基であってもよい。
なかでも、RとR、RとR、RとR、RとR、R13とR14、R15とR16、R17とR18、及び、R19とR20の炭素数の合計が7以上、50以下であることが好ましい。上記炭素数の合計が上記範囲内であることで、硬化性樹脂組成物は、硬化物の柔軟性が向上して被着体に対して高い追従性を発揮でき、高温加工処理を経た後にはより容易に剥離することができる。また、上記炭素数の合計が上記範囲内であることで、上記二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)の溶媒や他の成分との相溶性も増す。上記炭素数の合計は、より好ましくは9以上、更に好ましくは12以上、更により好ましくは14以上である。上記炭素数の合計は、より好ましくは35以下、更に好ましくは25以下、更により好ましくは18以下である。
上記一般式(1b)中、Qは、置換又は非置換の炭素数5~50の芳香族構造を有する基であることが好ましい。Qが置換又は非置換の炭素数5~50の芳香族構造を有する基であることにより、硬化性樹脂組成物は、より高い耐熱性を発揮することができ、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離することができる。
上記一般式(1c)中、Rは、置換又は非置換の分岐鎖状の炭素数2~100の脂肪族基又は芳香族基であることが好ましい。Rが置換又は非置換の分岐鎖状の炭素数2~100の脂肪族基又は芳香族基であることにより、硬化性樹脂組成物は、硬化物の柔軟性が向上して被着体に対して高い追従性を発揮でき、高温加工処理を経た後にはより容易に剥離することができる。
上記一般式(1c)中、Rは芳香族エステル基又は芳香族エーテル基を有する芳香族基であって、Rにおける該芳香族エステル基又は該芳香族エーテル基はXと結合していることが好ましい。
ここで、「芳香族エステル基」とは、芳香族環にエステル基が直接結合した基を意味し、「芳香族エーテル基」とは、芳香族環にエーテル基が直接結合した基を意味する。このようにエステル基やエーテル基に結合する部分を芳香族基にすることにより、硬化性樹脂組成物は、より高い耐熱性を発揮することができ、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離することができる。一方、Xが芳香族エステル基又は芳香族エーテル基を介してRに結合することにより、X中の二重結合がRと共役することがないことから、加熱又は光を照射したときの重合架橋を妨げることがない。
上記二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)中、二重結合を含有する官能基(架橋性不飽和結合)は、X、X及びXからなる群より選択される少なくとも1つであればよい。上記X、X2及びXのいずれかが二重結合を含有する官能基以外の官能基(二重結合を有さない官能基)である場合、該二重結合を有さない官能基としては、それぞれ独立して、例えば、脂肪族基、脂環式基、芳香族基、酸無水物、アミン化合物等が挙げられる。具体的には、上記二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)の原料となる酸無水物、ジアミン化合物の片末端未反応物が挙げられる。
上記一般式(1a)~(1c)中、s、t及びuは、上記二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)中における上記一般式(1a)で表される構成単位、上記一般式(1b)で表される構成単位、及び、上記一般式(1c)で表される構成単位それぞれの含有量(モル%)に対応するものである。
上記一般式(1a)で表される構成単位の含有量(s)は0モル%よりも大きく、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上であり、好ましくは90モル%以下、より好ましくは80モル%以下である。上記一般式(1b)で表される構成単位の含有量(t)は0モル以上%、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上、更に好ましくは20モル%以上であり、好ましくは50モル%以下、より好ましくは30モル%以下である。上記一般式(1c)で表される構成単位の含有量(u)は0モル%以上、好ましくは10モル%以上、より好ましくは20モル%以上であり、好ましくは50モル%以下、より好ましくは30モル%以下である。上記一般式(1a)~(1c)においてそれぞれの構成単位の含有量が上記範囲内であると、硬化性樹脂組成物は、高温加工処理を経た後にはより容易に剥離することができる。
なお、上記一般式(1a)で表される構成単位、上記一般式(1b)で表される構成単位、及び、上記一般式(1c)で表される構成単位は、それぞれの構成単位が連続して配列したブロック成分からなるブロック構造を有していてもよいし、それぞれの構成単位がランダムに配列したランダム構造を有していてもよい。
上記二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)を製造する方法は特に限定されない。例えば、ジアミン化合物と芳香族酸無水物とを反応させてイミド化合物を調製した後、該イミド化合物の末端に、例えば無水マレイン酸等を反応させることにより得ることができる。また、例えば、ジアミン化合物と芳香族酸無水物とを反応させてイミド化合物を調製する際に、該イミド化合物に官能基を導入し、該イミド化合物中の官能基に、該官能基と反応する官能基と二重結合を含有する官能基とを有する化合物(官能基含有不飽和化合物ともいう)を反応させることにより得ることもできる。
上記イミド化合物に官能基を導入する方法は特に限定されず、例えば、ジアミン化合物と芳香族酸無水物とを反応させてイミド化合物を調製する際に、更に、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン基等の官能基を有するジアミン化合物を添加する方法等が挙げられる。上記官能基含有不飽和化合物は特に限定されず、上記イミド化合物中の官能基に応じて選択して用いればよい。
上記ジアミン化合物としては、脂肪族ジアミン化合物又は芳香族ジアミン化合物のいずれも用いることができる。
上記ジアミン化合物として脂肪族ジアミン化合物を用いることにより、硬化性樹脂組成物は、硬化物の柔軟性が向上して被着体に対して高い追従性を発揮でき、高温加工処理を経た後にはより容易に剥離することができる。上記ジアミン化合物として芳香族ジアミン化合物を用いることにより、硬化性樹脂組成物は、より高い耐熱性を発揮することができ、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離することができる。これらの脂肪族ジアミン化合物、芳香族ジアミン化合物及び官能基を有するジアミン化合物は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記脂肪族ジアミン化合物としては、例えば、1,10-ジアミノデカン、1,12-ジアミノドデカン、ダイマージアミン、1,2-ジアミノ-2-メチルプロパン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,2-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノメンタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、3,3’-ジアミノ-N-メチルジプロピルアミン、ジアミノマレオニトリル、1,3-ジアミノペンタン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、1,2-ビス(2-アミノエトキシ)エタン、3(4),8(9)-ビス(アミノメチル)トリシクロ(5.2.1.02,6)デカン等が挙げられる。
上記芳香族ジアミン化合物としては、例えば、9,10-ジアミノフェナントレン、4,4’-ジアミノオクタフルオロビフェニル、3,7-ジアミノ-2-メトキシフルオレン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,4-ジアミノベンゾフェノン、3,4-ジアミノトルエン、2,6-ジアミノアントラキノン、2,6-ジアミノトルエン、2,3-ジアミノトルエン、1,8-ジアミノナフタレン、2,4-ジアミノトルエン、2,5-ジアミノトルエン、1,4-ジアミノアントラキノン、1,5-ジアミノアントラキノン、1,5-ジアミノナフタレン、1,2-ジアミノアントラキノン、2,4-クメンジアミン、1,3-ビスアミノメチルベンゼン、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、2-クロロ-1,4-ジアミノベンゼン、1,4-ジアミノ-2,5-ジクロロベンゼン、1,4-ジアミノ-2,5-ジメチルベンゼン、4,4’-ジアミノ-2,2’-ビストリフルオロメチルビフェニル、ビス(アミノ-3-クロロフェニ)エタン、ビス(4-アミノ-3,5-ジメチルフェニル)メタン、ビス(4-アミノ-3,5-ジエチルフェニル)メタン、ビス(4-アミノ-3-エチルジアミノフルオレン、2,3-ジアミノナフタレン、2,3-ジアミノフェノール、-5-メチルフェニル)メタン、ビス(4-アミノ-3-メチルフェニル)メタン、ビス(4-アミノ-3-エチルフェニル)メタン、4,4’-ジアミノフェニルスルホン、3,3’-ジアミノフェニルスルホン、2,2-ビス(4,(4アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、2,2-ビス(4-(3-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、4,4’-オキシジアニリン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’-オキシジアニリン、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチルビフェニル、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメトキシビフェニル、Bisaniline M、Bisaniline P、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、o‐トリジンスルホン、メチレンビス(アントラニル酸)、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)-2,2-ジメチルプロパン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)プロパン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ブタン、1,5-ビス(4-アミノフェノキシ)ブタン、2,3,5,6-テトラメチル-1,4-フェニレンジアミン、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン、4,4’-ジアミノベンザニリド、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ポリオキシアルキレンジアミン類(たとえば、HuntsmanのJeffamine D-230、D400、D-2000およびD-4000)、1,3-シクロヘキサンビス(メチルアミン)、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン等が挙げられる。
上記脂肪族ジアミン化合物のなかでも、柔軟性を高める観点、及び、上記二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)の溶媒や他の成分との相溶性が増す観点から、ダイマージアミンが好ましい。
上記ダイマージアミンとは、不飽和脂肪酸の2量体として得られる環式及び非環式ダイマー酸を、還元しアミノ化して得られるジアミン化合物であり、例えば、直鎖型、単環型、多環型等のダイマージアミンが挙げられる。上記ダイマージアミンは、炭素-炭素不飽和二重結合を含んでもよく、水素が付加した水素添加物であってもよい。上記ダイマージアミンとして、より具体的には例えば、上述した一般式(4-1)で表される基、一般式(4-2)で表される基、一般式(4-3)で表される基、及び、一般式(4-4)で表される基を構成することのできるダイマージアミン等が挙げられる。
上記芳香族酸無水物としては、例えば、ピロメリット酸、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,4,5-ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ビフェニルエーテルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,5,6-ピリジンテトラカルボン酸、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸、4,4’-スルホニルジフタル酸、1-トリフルオロメチル-2,3,5,6-ベンゼンテトラカルボン酸、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル、ベンゼン-1,2,3,4-テトラカルボン酸、2,3,2’,3’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,3’,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、フェナンスレン-1,8,9,10-テトラカルボン酸、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸、チオフエン-2,3,4,5-テトラカルボン酸、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸、3,4,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,2’,3’-ビフェニルテトラカルボン酸、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド、4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ)-ビス(フタル酸)等が挙げられる。
上記反応性樹脂が上記二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)を含む場合、該樹脂(1-I)の含有量は特に限定されないが、上記反応性樹脂100重量部に占める好ましい下限が10重量部である。上記二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)の含有量が10重量部以上であれば、硬化性樹脂組成物は、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離することができる。剥離性を更に高める観点から、上記二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)の含有量のより好ましい下限は20重量部、更に好ましい下限は30重量部である。
上記二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)の含有量の上限は特に限定されない。剥離性を更に高める観点から、該樹脂(1-I)の含有量は、上記反応性樹脂100重量部に占める好ましい上限が100重量部、より好ましい上限が90重量部、更に好ましい上限が80重量部、更により好ましい上限が70重量部である。
上記二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)は、重量平均分子量(Mw)が2万以上であることが好ましい。上記重量平均分子量が2万以上であることにより、硬化性樹脂組成物は、より高い耐熱性を発揮することができ、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離することができる。上記重量平均分子量は5万以上であることがより好ましい。上記重量平均分子量の上限は特に限定されないが、溶媒への溶解度の観点から、好ましい上限は60万、より好ましい上限は30万である。
なお、上記重量平均分子量は、上述した上記二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)と同様にして測定することができる。
上記二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)としては、具体的には例えば、下記一般式(1d)で表される構成単位、及び、下記一般式(1e)で表される構成単位を有し(ただし、s>0、t≧0)、両末端がそれぞれX及びXで表される樹脂(1-ii)が挙げられる。
Figure 2023109307000003
一般式(1d)~(1e)中、P及びPは、それぞれ独立して、芳香族基を表し、Qは、置換又は非置換の直鎖状、分岐鎖状又は環状の脂肪族基を表し、Qは、置換又は非置換の芳香族構造を有する基を表す。X及びXは、二重結合を有さない官能基を表す。
上記一般式(1d)~(1e)中、P及びPは、炭素数5~50の芳香族基であることが好ましい。P及びPが炭素数5~50の芳香族基であることにより、硬化性樹脂組成物は、より高い耐熱性を発揮することができ、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離することができる。
上記一般式(1d)中、Qは、置換又は非置換の直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素数2~100の脂肪族基であることが好ましい。Qが置換又は非置換の直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素数2~100の脂肪族基であることにより、硬化性樹脂組成物は、硬化物の柔軟性が向上して被着体に対して高い追従性を発揮でき、高温加工処理を経た後にはより容易に剥離することができる。
また、Qは、上述したようなジアミン化合物に由来する脂肪族基であることが好ましい。なかでも、柔軟性を高める観点、及び、上記二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)の溶媒や他の成分との相溶性が増す観点から、Qは、ダイマージアミンに由来する脂肪族基であることが好ましい。
即ち、本発明の硬化性樹脂組成物においては、上記二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)と、上記二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)との少なくともいずれかが、ダイマージアミンに由来する脂肪族基を有することが好ましい。つまり、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)が、ダイマージアミンに由来する脂肪族基を有することが好ましい。
上記一般式(1e)中、Qは、置換又は非置換の炭素数5~50の芳香族構造を有する基であることが好ましい。Qが置換又は非置換の炭素数5~50の芳香族構造を有する基であることにより、硬化性樹脂組成物は、より高い耐熱性を発揮することができ、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離することができる。
上記X及びXで表される二重結合を有さない官能基としては、それぞれ独立して、例えば、脂肪族基、脂環式基、芳香族基、酸無水物、アミン化合物等が挙げられる。具体的には、上記二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)の原料となる酸無水物、ジアミン化合物の片末端未反応物が挙げられる。
上記一般式(1d)~(1e)中、s、及びtは、上記二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)中における上記一般式(1d)で表される構成単位、及び、上記一般式(1e)で表される構成単位それぞれの含有量(モル%)に対応するものである。
上記一般式(1d)で表される構成単位の含有量(s)は0モル%よりも大きく、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上であり、好ましくは90モル%以下、より好ましくは80モル%以下である。上記一般式(1e)で表される構成単位の含有量(t)は0モル以上%、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上、更に好ましくは20モル%以上であり、好ましくは50モル%以下、より好ましくは30モル%以下である。上記一般式(1d)~(1e)においてそれぞれの構成単位の含有量が上記範囲内であると、硬化性樹脂組成物は、高温加工処理を経た後にはより容易に剥離することができる。
なお、上記一般式(1d)で表される構成単位、及び、上記一般式(1e)で表される構成単位は、それぞれの構成単位が連続して配列したブロック成分からなるブロック構造を有していてもよいし、それぞれの構成単位がランダムに配列したランダム構造を有していてもよい。
上記二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)を製造する方法は特に限定されず、例えば、ジアミン化合物と芳香族酸無水物とを反応させることにより得ることができる。上記ジアミン化合物及び上記芳香族酸無水物は、上述したような二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)におけるジアミン化合物及び芳香族酸無水物と同様のものであってよい。
上記反応性樹脂が上記二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)を含む場合、該樹脂(1-II)の含有量は特に限定されないが、上記反応性樹脂100重量部に占める好ましい下限が20重量部である。上記二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)の含有量が20重量部以上であれば、硬化性樹脂組成物は、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離することができる。剥離性を更に高める観点から、上記二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)の含有量のより好ましい下限は30重量部である。
上記二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)の含有量の上限は特に限定されない。剥離性を更に高める観点から、該樹脂(1-II)の含有量は、上記反応性樹脂100重量部に占める好ましい上限が90重量部、より好ましい上限が80重量部である。
上記反応性樹脂は、更に、分子内に二重結合を含有する官能基を2以上有する多官能モノマー又は多官能オリゴマーを含むことが好ましい。なかでも、分子内に二重結合を含有する官能基を2以上有し、分子量が5000以下である多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)(以下、単に「多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)」ともいう。)を含むことがより好ましい。
上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)を含むことで、硬化性樹脂組成物は、加熱又は光を照射することで硬化がより充分に進行し、粘着力が大きく低下するため、高温加工処理を経た後にも接着亢進がより抑えられ、より容易に剥離することができる。
なお、上述したように、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)自体に反応性がない場合、上記反応性樹脂は、反応性官能基を有する他の成分を更に含有することにより、上記反応性樹脂全体として反応性を有する必要がある。このような反応性官能基を有する他の成分として、上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)を用いることが好ましい。上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)自体に反応性がない場合としては、例えば、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)が、上記二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)のみを含有する場合等が挙げられる。
上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)における二重結合を含有する官能基は特に限定されず、例えば、マレイミド基、シトラコンイミド基、ビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アクリル基、及び、これらを含有する基等が挙げられる。これらの二重結合を含有する官能基は、置換されていてもよい。なかでも、より高い耐熱性が得られることから、マレイミド基、置換されたマレイミド基、アリル基、及び、置換されたアリル基が好適である。
上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)は、ジアミン化合物に由来する脂肪族基を有することが好ましい。上記ジアミン化合物としては、脂肪族ジアミン化合物又は芳香族ジアミン化合物のいずれも用いることができるが、脂肪族ジアミン化合物が好ましい。上記ジアミン化合物として脂肪族ジアミン化合物を用いることにより、硬化性樹脂組成物は、硬化物の柔軟性が向上して被着体に対して高い追従性を発揮でき、高温加工処理を経た後にはより容易に剥離することができる。
上記脂肪族ジアミン化合物のなかでも、柔軟性を高める観点、及び、上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)の溶媒や他の成分との相溶性が増す観点から、上述したようなダイマージアミンが好ましい。
上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)の含有量は特に限定されないが、上記反応性樹脂100重量部に占める好ましい下限は5重量部、好ましい上限は100重量部である。上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)の含有量が上記範囲内であれば、硬化性樹脂組成物は、高温加工処理を経た後にはより容易に剥離することができる。剥離性を更に高める観点から、上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は50重量部である。
上記反応性樹脂が上記二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)と上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)とを含む場合、該含有量は特に限定されないが、上記反応性樹脂100重量部に占める上記合計含有量の好ましい下限は20重量部、好ましい上限は80重量部である。上記樹脂(1-I)と上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)との合計含有量が上記範囲内であれば、硬化性樹脂組成物は、高温加工処理を経た後にはより容易に剥離することができる。剥離性を更に高める観点から、上記樹脂(1-I)と上記多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)との合計含有量のより好ましい下限は30重量部、更に好ましい下限40重量部、更により好ましい下限は50重量部であり、より好ましい上限は70重量部である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する。
上記シリコーン化合物及び上記フッ素化合物は、耐熱性に優れることから、300℃以上の高温加工処理を経ても硬化性樹脂組成物の焦げ付きを防止し、剥離時には被着体界面にブリードアウトして、剥離をより容易にする。
上記シリコーン化合物は特に限定されず、例えば、シリコーンオイル、シリコーンジアクリレート、シリコーン系グラフト共重合体等が挙げられる。上記フッ素化合物は特に限定されず、例えば、フッ素原子を有する炭化水素化合物等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物においては、上記反応性樹脂と、上記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種とのFedors法による溶解度パラメーター(SP値)の差の下限が1.0(cal/cm0.5、上限が3.0(cal/cm0.5である。
上記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種のなかでも特に、上記SP値の差が上記範囲を満たす化合物を含有することで、本発明の硬化性樹脂組成物は、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離することができ、透明性にも優れる。
上記SP値の差が1.0(cal/cm0.5以上であれば、上記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種が被着体界面にブリードアウトしやすくなるため、硬化性樹脂組成物は、高温加工処理を経た後には容易に剥離することができる。上記SP値の差が3.0(cal/cm0.5以下であれば、上記反応性樹脂と、上記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種とが適切に相溶するため、硬化性樹脂組成物は、高温加工処理を経た後には容易に剥離することができる。また、硬化性樹脂組成物の透明性が高くなる。上記SP値の差の好ましい下限は1.5(cal/cm0.5、好ましい上限は2.8(cal/cm0.5であり、より好ましい下限は2.0(cal/cm0.5、より好ましい上限は2.7(cal/cm0.5である。
なお、Fedors法による溶解度パラメーター(SP値)とは、Fedors法(R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.,14(2),147-154(1974))を用いて算出された、溶解のしやすさを表すことのできる指標である。
上記SP値の差が上記範囲を満たす限りにおいて、上記反応性樹脂のFedors法による溶解度パラメーター(SP値)は特に限定されないが、上述したような反応性樹脂のFedors法による溶解度パラメーター(SP値)は通常9(cal/cm0.5以上、12(cal/cm0.5以下程度となる。上記反応性樹脂のSP値のより好ましい下限は9.5(cal/cm0.5、より好ましい上限は11(cal/cm0.5である。
なお、反応性樹脂のSP値は、反応性樹脂に含まれるそれぞれの成分のSP値及び重量比率をもとに、加重平均により算出することができる。
上記SP値の差が上記範囲を満たす限りにおいて、上記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種のFedors法による溶解度パラメーター(SP値)も特に限定されないが、上記反応性樹脂のSP値を考慮すると、好ましい下限は5(cal/cm0.5、好ましい上限は10(cal/cm0.5である。上記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種のSP値のより好ましい下限は6(cal/cm0.5、より好ましい上限は9.5(cal/cm0.5である。
上記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種は、上記反応性樹脂と架橋可能な官能基を有することが好ましい。
上記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種が上記反応性樹脂と架橋可能な官能基を有することにより、加熱又は光の照射や架橋剤等との反応により上記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種が上記反応性樹脂と化学反応して上記反応性樹脂中に取り込まれる。このため、被着体に上記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種が付着して汚染することを抑制することができる。
上記反応性樹脂と架橋可能な官能基は特に限定されず、例えば、二重結合を含有する官能基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミド基、イソシアネート基、エポキシ基等が挙げられる。なかでも、二重結合を含有する官能基が好ましい。即ち、上記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種は、二重結合を含有する官能基を有することが好ましい。上記二重結合を含有する官能基は、二重結合(ラジカル重合性の不飽和結合)を含有していれば特に限定されず、例えば、マレイミド基、シトラコンイミド基、ビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アクリル基、ナジイミド基、及び、これらを含有する基等が挙げられる。これらの二重結合を含有する官能基は、置換されていてもよい。
なかでも、環境にやさしく、廃棄が容易であるという観点から、上記反応性樹脂と架橋可能な官能基を有するシリコーン化合物が好適である。上記反応性樹脂と架橋可能な官能基を有するシリコーン化合物としては、主鎖にシロキサン骨格を有し、側鎖又は末端に二重結合を含有する官能基を有するシリコーン化合物が好ましい。
上記主鎖にシロキサン骨格を有し、側鎖又は末端に二重結合を含有する官能基を有するシリコーン化合物は特に限定されないが、下記一般式(I)で表されるシリコーン化合物、下記一般式(II)で表されるシリコーン化合物、及び、下記一般式(III)で表されるシリコーン化合物からなる群より選択される少なくとも1つを含有することが好ましい。これらのシリコーン化合物は、耐熱性が特に高く、極性が高いために硬化性樹脂組成物からのブリードアウトが容易である。
Figure 2023109307000004
上記一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)中、X及びYは、それぞれ独立して、0~1200の整数を表し、Rは二重結合を含有する官能基を表す。
上記一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)中、Rで表される二重結合を含有する官能基としては、例えば、マレイミド基、シトラコンイミド基、ビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アクリル基、ナジイミド基、及び、これらを含有する基等が挙げられる。これらの二重結合を含有する官能基は、置換されていてもよい。なかでも、より高い耐熱性が得られることから、マレイミド基、置換されたマレイミド基、アリル基、及び、置換されたアリル基が好適である。なお、上記一般式(I)、一般式(II)及び一般式(III)において、Rが複数存在する場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)で表されるシリコーン化合物のうち市販されているものは、例えば、EBECRYL350、EBECRYL1360(いずれもダイセル・サイテック社製)等が挙げられる。更に、BYK-UV3500(ビックケミー社製)、TEGO RAD2250(エボニック社製)(いずれもRがアクリル基)、メガファックRS-56(DIC社製、シリコーン及びフッ素原子含有化合物)等が挙げられる。
上記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種の分子量又は重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、上記SP値を上記範囲に調整する観点及び易剥離性の観点から、好ましい下限は1000、好ましい上限は1万であり、より好ましい下限は1500、より好ましい上限は3000である。
上記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種の分子量又は重量平均分子量(Mw)が1000以上であれば、上記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種の加熱による分解、気化等を抑制することができる。その結果、硬化性樹脂組成物の高温加工処理中の意図せぬ剥離を抑えることができる。また、被着体に上記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種が付着して汚染することをより抑制することができる。上記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種の分子量又は重量平均分子量(Mw)が1万以下であれば、上記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種の分子の運動性を向上させることができ、被着体との界面に集まりやすくすることができる。その結果、硬化性樹脂組成物がより優れた剥離性を発揮することができる。
なお、上記重量平均分子量は、上述した上記二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)、及び、上記二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)と同様にして測定することができる。
上記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種の含有量は特に限定されないが、上記反応性樹脂100重量部に対する好ましい下限は0.5重量部、好ましい上限は20重量部である。上記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種の含有量が上記範囲内であれば、硬化性樹脂組成物が被着体を汚染することなく優れた剥離性を発揮することができる。汚染を抑制しつつも剥離性を更に高め、透明性をより高める観点から、上記含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は15重量部であり、更に好ましい下限は3重量部、更に好ましい上限は10重量部である。
なお、本発明の硬化性樹脂組成物は耐熱性に優れることから、上記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種の含有量を比較的少なくしても充分な効果を発揮することができる。そのため、上記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種による汚染の可能性をより一層少なくすることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、更に、重合開始剤を含むことが好ましく、光重合開始剤を含むことがより好ましい。
上記光重合開始剤としては、例えば、250~800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられる。なかでも、上記反応性樹脂の吸収波長と重なりにくく、硬化性樹脂組成物に光を照射した際に充分に活性化されることから、上記光重合開始剤は、405nmにおけるモル吸光係数が1以上である光重合開始剤を含有することが好ましい。上記光重合開始剤は、405nmにおけるモル吸光係数が200以上である光重合開始剤を含有することがより好ましく、405nmにおけるモル吸光係数が350以上である光重合開始剤を含有することが更に好ましい。上記405nmにおけるモル吸光係数が1以上である光重合開始剤の405nmにおけるモル吸光係数の上限は特に限定されないが、例えば2000、1500等が上限である。
上記光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物、フォスフィンオキシド誘導体化合物等が挙げられる。更に、ビス(η5-シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光重合開始剤の含有量は特に限定されないが、上記反応性樹脂100重量部に対する好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は10重量部である。上記光重合開始剤の含有量が上記範囲内であれば、硬化性樹脂組成物は、光を照射することで硬化がより充分に進行し、粘着力が大きく低下するため、高温加工処理を経た後にも接着亢進がより抑えられ、より容易に剥離することができる。上記光重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.3重量部、より好ましい上限は3重量部である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、更に、気体発生剤を含有することが好ましい。
上記気体発生剤は、TG-DTA(熱重量-示差熱分析)測定にて窒素雰囲気下で30℃から300℃まで10℃/minの昇温速度で加熱したときの300℃における重量減少率が5%以下であることが好ましい。上記重量減少率が5%以下であれば、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても上記気体発生剤の分解が起こりにくく、硬化性樹脂組成物は、より高い耐熱性を発揮することができる。
なお、TG-DTA(熱重量-示差熱分析)測定は、例えば、TG-DTA装置(STA7200RV、日立ハイテクサイエンス社製、又はその同等品)を用いて行うことができる。
上記気体発生剤としては、例えば、加熱することにより気体を発生する気体発生剤、光を照射することにより気体を発生する気体発生剤等が挙げられる。これらの気体発生剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、光を照射することにより気体を発生する気体発生剤が好ましく、紫外線を照射することにより気体を発生する気体発生剤がより好ましい。
上記光を照射することにより気体を発生する気体発生剤を含有することにより、硬化性樹脂組成物は、光を照射することにより発生した気体が被着体との界面に放出される。これにより、硬化性樹脂組成物は、より容易に剥離することができる。また、被着体が薄い場合であっても、被着体の破損を防止することができる。
上記光を照射することにより気体を発生する気体発生剤としては、例えば、テトラゾール化合物又はその塩、トリアゾール化合物又はその塩、アゾ化合物、アジド化合物、キサントン酢酸、炭酸塩等が挙げられる。これらの気体発生剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、特に耐熱性に優れることから、テトラゾール化合物又はその塩が好適である。
上記気体発生剤の含有量は特に限定されないが、上記反応性樹脂100重量部に対する好ましい下限は5重量部、好ましい上限は50重量部である。上記気体発生剤の含有量が上記範囲内であれば、硬化性樹脂組成物が特に優れた剥離性を発揮することができる。上記気体発生剤の含有量のより好ましい下限は8重量部、より好ましい上限は30重量部である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、例えば、無機充填剤、光増感剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス等の公知の添加剤を含んでもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物を製造する方法は特に限定されず、例えば、上記反応性樹脂、上記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種、及び、必要に応じて配合する添加剤を、ビーズミル、超音波分散、ホモジナイザー、高出力ディスパー、ロールミル等を用いて混合する方法等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物からなる接着剤層を有する仮固定材もまた、本発明の1つである。
上記接着剤層は、硬化後の25℃における貯蔵弾性率は特に限定されないが、好ましい上限が0.5GPaである。上記硬化後の25℃における貯蔵弾性率が0.5GPa以下であれば、上記接着剤層は、硬化物の柔軟性が向上して被着体に対して高い追従性を発揮でき、高温加工処理を経た後にはより容易に剥離することができる。上記硬化後の25℃における貯蔵弾性率のより好ましい上限は0.3GPa、更に好ましい上限は0.1GPaである。上記硬化後の25℃における貯蔵弾性率の下限は特に限定されないが、剥離時に上記接着剤層を破断しにくくする観点から、好ましい下限は0.01GPaである。
なお、硬化後の25℃における貯蔵弾性率の測定においては、例えば、接着剤層の5mm×35mm×厚み0.03mmの試験片を作製する。接着剤層が光硬化型の場合、得られた試験片に405nmの照射強度が70mW/cmの紫外線を1000mJ/cm照射することで硬化させる。接着剤層が熱硬化型の場合、得られた試験片を例えば170℃のオーブン中で10分間加熱することで硬化させる。
硬化後のサンプルを液体窒素に浸漬して-50℃まで冷却し、その後、粘弾性スペクトロメーター(DVA-200、アイティー計測制御社製)を用いて、定速昇温引張モード、昇温速度10℃/分、周波数10Hzの条件で300℃まで昇温し、貯蔵弾性率を測定する。
上記接着剤層は、硬化後のゲル分率は特に限定されないが、好ましい下限が20重量%、好ましい上限が99重量%である。上記硬化後のゲル分率が上記範囲内であれば、上記接着剤層は、高温加工処理を経た後にはより容易に剥離することができる。上記硬化後のゲル分率のより好ましい下限は40重量%、更に好ましい下限は60重量%、更により好ましい下限は80重量%、より好ましい上限は95重量%である。
なお、硬化後のゲル分率は、接着剤層が光硬化性の場合、接着剤層に405nmの照射強度が70mW/cmの紫外線を1000mJ/cm照射した後、以下の方法により測定される。接着剤層が熱硬化型の場合、接着剤層を例えば170℃のオーブン中で10分間加熱することで硬化させた後に、以下の方法により測定される。
接着剤層を50mm×100mmの平面長方形状に裁断して試験片を作製する。試験片をトルエン中に23℃にて24時間浸漬した後、トルエンから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させる。乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式を用いてゲル分率を算出する。なお、試験片には、接着剤層を保護するための離型フィルムは積層されていないものとする。
ゲル分率(重量%)=100×(W-W)/(W-W
(W:基材の重量、W:浸漬前の試験片の重量、W:浸漬、乾燥後の試験片の重量)
上記接着剤層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は5μm、好ましい上限は550μmである。上記厚みが5μm以上であれば、上記接着剤層が充分な初期粘着力を有することができる。上記厚みが550μm以下であれば、上記接着剤層は、硬化物の柔軟性が向上して被着体に対して高い追従性を発揮でき、高温加工処理を経た後にはより容易に剥離することができる。上記厚みのより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は400μmであり、更に好ましい下限は20μm、更に好ましい上限は300μmであり、更により好ましい下限は30μm、更により好ましい上限は200μm、一層好ましい上限は150μmである。
本発明の仮固定材は、上記接着剤層を有するシート状であることが好ましい。この場合、本発明の仮固定材は、基材の一方又は両方の面に上記接着剤層を有していてもよく、基材を有していなくてもよい。上記基材を有さない場合、光透過性と耐熱性とをともに有する基材を選定する必要がなく、仮固定材は、より安価かつ簡易な構成とすることができる。
上記基材を有する場合、該基材としては、例えば、アクリル、オレフィン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ABS、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ナイロン、ウレタン、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド(PA)等の樹脂シートが挙げられ、光透過性の高い樹脂シートを好適に用いることができる。また、網目状の構造を有するシート、孔が開けられたシート、ガラス等も用いることができる。
上記基材の厚みは特に限定されないが、光透過性を高める観点、及び、柔軟性を高める観点から、好ましい下限は5μm、好ましい上限は150μmであり、より好ましい下限は10μm、より好ましい上限は100μmである。
本発明の硬化性樹脂組成物、及び、本発明の仮固定材は、300℃以上の高温加工処理を行う被着体の保護及び仮固定に好適に用いることができる。とりわけ、半導体等の電子部品の加工時において、電子部品の取扱いを容易にし、破損したりしないようにするために、硬化性樹脂組成物又は仮固定材を介して電子部品を支持板に固定したり、仮固定材を電子部品に貼付したりして保護するのに好適に用いることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物、及び、本発明の仮固定材は、透明性にも優れるものであり、そのヘーズは特に限定されないが、好ましい下限が10%、好ましい上限が80%であり、より好ましい下限が20%、より好ましい上限が60%である。
上記ヘーズが上記範囲内であれば、透明性が高くなるため、紫外線により硬化する場合、高い反応性が得られ、硬化が充分に進行する。その結果、接着亢進をより抑制することができる。また、上記ヘーズが上記範囲内であれば、上記反応性樹脂と、上記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種とが相分離することなく混合されていると考えられ、高温加工処理を経た後により容易に剥離することができる。
なお、硬化性樹脂組成物、及び、仮固定材のヘーズは、例えば、ヘーズメーターHM-150(村上色彩技術研究所社製)等を用いて測定することができる。
本発明の仮固定材に電子部品を仮固定する仮固定工程と、上記仮固定材の接着剤層を硬化する硬化工程と、上記電子部品に熱処理を行う熱処理工程と、上記仮固定材から上記電子部品を剥離する剥離工程とを有する電子部品の製造方法もまた、本発明の1つである。
上記硬化工程は、上記剥離工程の直前に行ってもよいが、上記仮固定工程の後かつ上記熱処理工程の前に行うことが好ましい。これにより、上記仮固定材がより優れた耐熱性を発揮することができる。
本発明によれば、透明性が高く、被着体を固定した状態で300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離できる硬化性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該硬化性樹脂組成物からなる接着剤層を有する仮固定材、及び、該仮固定材を用いた電子部品の製造方法を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)の調製)
(合成例1)
テフロン(登録商標)スターラーを入れた500mLの丸底フラスコに250mLのトルエンを投入した。次いで、トリエチルアミン35g(0.35モル)と無水メタンスルホン酸35g(0.36モル)を加えて攪拌し、塩を形成した。10分間撹拌後、ダイマージアミン(クローダ社製、プリアミン1075)56g(0.1モル)と、無水ピロメリット酸19.1g(0.09モル)をこの順に加えた。ディーンスターク管とコンデンサーをフラスコに取り付け、混合物を2時間還流し、アミン末端のジイミドを形成した。反応物を室温以下に冷却後、無水マレイン酸12.8g(0.13モル)を加え、次いで、無水メタンスルホン酸5g(0.05モル)を加えた。混合物を、更に12時間還流した後、室温に冷却し、トルエン300mLをフラスコに加え、静置により不純物を沈殿させ除去した。得られた溶液を、シリカゲルを充填したガラスフリット漏斗を通してろ過した後、溶剤を真空除去し、琥珀色ワックス状の、下記式(A)で表される両末端にマレイミド基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)を得た。この樹脂のSP値は10.3(cal/cm0.5であった。
得られた樹脂について、溶出液としてTHF、カラムとしてHR-MB-M(品名、ウォーターズ社製)を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により測定したところ、重量平均分子量は5000であった。
Figure 2023109307000005
(二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)の調製)
テフロン(登録商標)スターラーを入れた500mLの丸底フラスコに250mLのトルエンを投入した。次いで、トリエチルアミン35g(0.35モル)と無水メタンスルホン酸35g(0.36モル)を加えて攪拌し、塩を形成した。10分間撹拌後、ダイマージアミン(クローダ社製、プリアミン1075)31.9g(0.06モル)、Bis-AP-AF5.5g(0.015モル)及び4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸無水物39g(0.075モル)をこの順に加えた。ディーンスターク管とコンデンサーをフラスコに取り付け、混合物を2時間還流し、室温に冷却し、トルエン300mLをフラスコに加え、静置により不純物を沈殿させ除去した。得られた溶液を、シリカゲルを充填したガラスフリット漏斗を通してろ過した後、溶剤を真空除去し、褐色固体状の、下記式(D)で表される二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)を得た。この樹脂のSP値は10.8(cal/cm0.5であった。
得られた樹脂について、溶出液としてTHF、カラムとしてHR-MB-M(品名、ウォーターズ社製)を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により測定したところ、重量平均分子量は72000であった。
Figure 2023109307000006
(多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)の調製)
テフロン(登録商標)スターラーを入れた500mLの丸底フラスコに250mLのトルエンを投入した。ダイマージアミン(クローダ社製、プリアミン1075)56g(0.1モル)と、無水マレイン酸19.6g(0.2モル)を加え、次いで、無水メタンスルホン酸5gを加えた。溶液を12時間還流した後、室温に冷却し、トルエン300mLをフラスコに加え、静置により塩を沈殿させ除去した。得られた溶液を、シリカゲルを充填したガラスフリット漏斗を通してろ過した後、溶剤を真空除去し、茶色液状の、下記式(E)で表されるビスマレイミドモノマー(2)を得た。このビスマレイミドモノマーのSP値は9.8(cal/cm0.5であった。
Figure 2023109307000007
(シリコーン化合物1の調製)
テフロン(登録商標)スターラーを入れた200mLの丸底フラスコに50mLのトルエンを投入した。次いで、両末端にアミノ基を有するシリコーン化合物(信越化学工業社製、X-22-161A、シロキサンユニットの繰り返し数n=20、重量平均分子量1600)16.0g(0.01モル)及びエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート(TMEG-100、新日本理化社製)8.2g(0.02モル)をこの順に加えた。ディーンスターク管とコンデンサーをフラスコに取り付け、混合物を5時間還流し、下記式で表される構造(式中、nは1以上の整数)を有するシリコーン化合物1を得た。
このシリコーン化合物1のSP値は9.3(cal/cm0.5であり、重量平均分子量は2400であった。
Figure 2023109307000008
(シリコーン化合物3の調製)
テフロン(登録商標)スターラーを入れた200mLの丸底フラスコに50mLのトルエンを投入した。次いで、両末端にアミノ基を有するシリコーン化合物(信越化学工業社製、X-22-161A)16.0g(0.01モル)及び4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸無水物(試薬)10.4g(0.02モル)をこの順に加えた。ディーンスターク管とコンデンサーをフラスコに取り付け、混合物を5時間還流し、下記式で表される構造(式中、nは1以上の整数)を有するシリコーン化合物3を得た。
このシリコーン化合物3のSP値は7.9(cal/cm0.5であり、重量平均分子量は2600であった。
Figure 2023109307000009
(シリコーン化合物4の調製)
テフロン(登録商標)スターラーを入れた200mLの丸底フラスコに50mLのトルエンを投入した。次いで、両末端にアミノ基を有するシリコーン化合物(信越化学工業社製、X-22-161A)16.0g(0.01モル)及びナジック酸(試薬)3.3g(0.02モル)をこの順に加えた。ディーンスターク管とコンデンサーをフラスコに取り付け、混合物を5時間還流し、下記式で表される構造(式中、mは1以上の整数)を有するシリコーン化合物4を得た。
このシリコーン化合物4のSP値は7.8(cal/cm0.5であり、重量平均分子量は2000であった。
Figure 2023109307000010
(実施例1)
(仮固定材の製造)
アニソール100重量部に、反応性樹脂として上記で得られた樹脂(1-I)を50重量部、上記で得られた樹脂(1-II)を50重量部加え、更に、表1中に示す構造を有する上記で得られたSP値9.3(cal/cm0.5のシリコーン化合物1(重量平均分子量2400)を5重量部加えた。更に、光重合開始剤としてOmirad819(IGM Resins社製)を2重量部加え、硬化性樹脂組成物溶液を調製した。反応性樹脂とシリコーン化合物とのSP値の差を表1中に示した。
得られた硬化性樹脂組成物溶液を、片面離型処理の施された50μmのPETフィルムの離型処理面上に、乾燥皮膜の厚みが50μmとなるようにドクターナイフで塗工し、130℃、10分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。これにより接着剤層を有する仮固定材(ノンサポートタイプ)を得た。
(実施例2~9、比較例1~3)
反応性樹脂の組成、使用したシリコーン化合物の種類及び量を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、仮固定材を得た。使用した表1中に示す構造を有するシリコーン化合物の詳細について下記に示す。
・SP値8.4(cal/cm0.5のシリコーン化合物2(長瀬産業社製、PDMS-DA、重量平均分子量3000)
・上記で得られたSP値7.9(cal/cm0.5のシリコーン化合物3(重量平均分子量2600)
・上記で得られたSP値7.8(cal/cm0.5のシリコーン化合物4(重量平均分子量2000)
・SP値6.0(cal/cm0.5のシリコーン化合物5(JNC社製、サイラプレーンFM-0711、重量平均分子量1000)
<評価>
実施例及び比較例で得た仮固定材について、以下の方法により評価を行った。結果を表1に示した。
(1)透明性
ヘーズメーターHM-150(村上色彩技術研究所社製)を用いて仮固定材のヘーズを測定した。
(2)硬化後かつ300℃10分加熱後の剥離性
仮固定材を1インチの幅にカットした後、1mm厚のガラス(松浪ガラス工業社製、大型スライドガラス白縁磨 No.2)に100℃のラミネーター(ラミ―コーポレーション社製、Leon13DX、速度メモリ5)にて加熱ラミネートした。ラミネート後、ガラス側から超高圧水銀灯を用いて、405nmの照射強度が70mW/cmの紫外線を1000mJ/cm照射した。硬化後、仮固定材の離型PETフィルムを剥離し、ガラス側から300℃のホットプレートで10分間加熱した。
硬化後かつ300℃10分加熱後(加熱し放冷後)の仮固定材に対して、25℃、引張速度300mm/分の条件にて180°ピール試験を行い、剥離力(N/インチ)を測定した。
Figure 2023109307000011
本発明によれば、透明性が高く、被着体を固定した状態で300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても、高温加工処理を経た後には容易に剥離できる硬化性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該硬化性樹脂組成物からなる接着剤層を有する仮固定材、及び、該仮固定材を用いた電子部品の製造方法を提供することができる。

Claims (10)

  1. イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)を含む反応性樹脂と、シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種とを含有する硬化性樹脂組成物であって、
    前記反応性樹脂と、前記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種とのFedors法による溶解度パラメーター(SP値)の差が1.0(cal/cm0.5以上、3.0(cal/cm0.5以下である
    ことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 前記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種は、二重結合を含有する官能基を有することを特徴とする請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記シリコーン化合物及びフッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種の含有量が、前記反応性樹脂100重量部に対して0.5重量部以上、20重量部以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記反応性樹脂は、分子内に二重結合を含有する官能基を2以上有し、分子量が5000以下である多官能モノマー又は多官能オリゴマー(2)を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 前記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)は、二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)を含み、
    前記二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)は、重量平均分子量(Mw)が1000以上、3万以下であり、
    前記反応性樹脂100重量部に占める前記二重結合を含有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-I)の含有量が、10重量部以上である
    ことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 前記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)は、二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)を含み、
    前記二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)は、重量平均分子量(Mw)が2万以上であり、
    前記反応性樹脂100重量部に占める前記二重結合を含有する官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1-II)の含有量が、30重量部以上である
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 前記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(1)は、ダイマージアミンに由来する脂肪族基を有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の硬化性樹脂組成物。
  8. 更に、重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の硬化性樹脂組成物からなる接着剤層を有することを特徴とする仮固定材。
  10. 請求項9記載の仮固定材に電子部品を仮固定する仮固定工程と、
    前記仮固定材の接着剤層を硬化する硬化工程と、
    前記電子部品に熱処理を行う熱処理工程と、
    前記仮固定材から前記電子部品を剥離する剥離工程とを有する
    ことを特徴とする電子部品の製造方法。
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