JP2024045086A - セパレータ付き仮固定材及び巻回体 - Google Patents

セパレータ付き仮固定材及び巻回体 Download PDF

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聡史 林
徳重 七里
駿夫 高橋
和泉 大同
由季 西海
千恵子 森(山澤)
久敏 岡山
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Abstract

【課題】ロール化を行う場合であってもセパレータの浮きの発生を抑えることができ、かつ、耐熱性に優れるセパレータ付き仮固定材を提供する。また、該セパレータ付き仮固定材を用いて形成される巻回体を提供する。【解決手段】樹脂組成物を含有する仮固定材と、該仮固定材の少なくとも一方の面に備えたセパレータとを有するセパレータ付き仮固定材であって、前記セパレータ付き仮固定材を幅2cm、ループ長さ6cmのループ状とし、25℃、圧縮速度3.3mm/sec、押込量20mmの条件でループステフネス試験を行った際の最大荷重応力をAmNとし、前記セパレータ付き仮固定材について、引張試験機を用いて、25℃、引張速度300mm/分の条件にて180°ピール試験を行った際のセパレータ剥離力(仮固定材の両面にセパレータを有する場合は値が小さい方のセパレータ剥離力)をBmN/20mmとした場合、200≦A<2.2143B+400となるセパレータ付き仮固定材。【選択図】なし

Description

本発明は、セパレータ付き仮固定材に関する。また、本発明は、該セパレータ付き仮固定材を用いて形成される巻回体に関する。
半導体等の電子部品の加工時においては、電子部品の取扱いを容易にし、破損したりしないようにするために、粘着剤組成物からなる仮固定材を介して電子部品を支持板に固定したり、仮固定材からなる粘着剤層を有する粘着テープを電子部品に貼付したりして保護することが行われている。例えば、高純度なシリコン単結晶等から切り出した厚膜ウエハを所定の厚さにまで研削して薄膜ウエハとする場合に、粘着剤組成物を介して厚膜ウエハを支持板に接着することが行われる。
このように電子部品に用いる粘着剤組成物や粘着テープには、加工工程中に電子部品を強固に固定できるだけの高い接着性とともに、工程終了後には電子部品を損傷することなく剥離できることが求められる(以下、「高接着易剥離」ともいう。)。
高接着易剥離の実現手段として、例えば、特許文献1には、ポリマーの側鎖又は主鎖に放射線重合性官能基を有する多官能性モノマー又はオリゴマーが結合された粘着剤を用いた粘着シートが開示されている。放射線重合性官能基を有することで紫外線照射によりポリマーが硬化することを利用して、剥離時に紫外線を照射することにより粘着力が低下して、糊残りなく剥離することができる。
特開平5-32946号公報
フィルム状の仮固定材は、通常、搬送等の都合からロール化されて扱われる。しかし、従来の仮固定材は、耐熱性の観点から剛直な構造の樹脂が用いられており、常温では仮固定材が硬いことがあった。その結果、ロール化した場合に仮固定材を保護するセパレータに浮きが生じることがあった。
本発明は、ロール化を行う場合であってもセパレータの浮きの発生を抑えることができ、かつ、耐熱性に優れるセパレータ付き仮固定材を提供することを目的とする。また、本発明は、該セパレータ付き仮固定材を用いて形成される巻回体を提供することを目的とする。
本開示1は、樹脂組成物を含有する仮固定材と、該仮固定材の少なくとも一方の面に備えたセパレータとを有するセパレータ付き仮固定材であって、上記セパレータ付き仮固定材を幅2cm、ループ長さ6cmのループ状とし、25℃、圧縮速度3.3mm/sec、押込量20mmの条件でループステフネス試験を行った際の最大荷重応力をAmNとし、上記セパレータ付き仮固定材について、引張試験機を用いて、25℃、引張速度300mm/分の条件にて180°ピール試験を行った際のセパレータ剥離力(仮固定材の両面にセパレータを有する場合は値が小さい方のセパレータ剥離力)をBmN/20mmとした場合、200≦A<2.2143B+400となるセパレータ付き仮固定材である。
本開示2は、上記Bが10以上100以下である本開示1のセパレータ付き仮固定材である。
本開示3は、上記仮固定材の両面に上記セパレータを備える本開示1又は2のセパレータ付き仮固定材である。
本開示4は、上記仮固定材の両面に備えたそれぞれのセパレータについて、引張試験機を用いて、25℃、引張速度300mm/分の条件にて180°ピール試験を行った際、値が大きい方のセパレータ剥離力と値が小さい方のセパレータ剥離力との差が5mN/20mm以上である本開示3のセパレータ付き仮固定材である。
本開示5は、上記値が大きい方のセパレータ剥離力が100mN/20mm以下である本開示4のセパレータ付き仮固定材である。
本開示6は、上記仮固定材の300℃で10分加熱した後の25℃におけるシリコンウエハに対する粘着力が1.5N/inch以下である本開示1、2、3、4又は5のセパレータ付き仮固定材である。
本開示7は、上記仮固定材の5%重量減少温度が350℃以上である本開示1、2、3、4、5又は6のセパレータ付き仮固定材である。
本開示8は、上記樹脂組成物は、反応性樹脂を含有し、上記反応性樹脂は、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂を含む本開示1、2、3、4、5、6又は7のセパレータ付き仮固定材である。
本開示9は、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂は、下記式(1)で表される構成単位を有する本開示8のセパレータ付き仮固定材である。
本開示10は、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂は、マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂を含む本開示8又は9のセパレータ付き仮固定材である。
本開示11は、上記マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂は、重量平均分子量が4万以上200万以下である本開示10のセパレータ付き仮固定材である。
本開示12は、上記反応性樹脂100質量部中における上記マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の含有量が10質量部以上90質量部以下である本開示10又は11のセパレータ付き仮固定材である。
本開示13は、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂は、更に、炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂を含む本開示10、11又は12のセパレータ付き仮固定材である。
本開示14は、上記反応性樹脂は、更に、分子内に炭素-炭素二重結合を有する官能基を2以上有し、かつ、分子量が5000以下である多官能モノマー又は多官能オリゴマーを含む本開示10、11、12又は13のセパレータ付き仮固定材である。
本開示15は、上記多官能モノマー又は多官能オリゴマーは、ビスマレイミド化合物である本開示14のセパレータ付き仮固定材である。
本開示16は、上記反応性樹脂100質量部中における上記分子内に炭素-炭素二重結合を有する官能基を2以上有し、かつ、分子量が5000以下である多官能モノマー又は多官能オリゴマーの含有量が5質量部以上90質量部以下である本開示10又は11のセパレータ付き仮固定材である。
本開示17は、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂は、炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂を含む本開示8又は9のセパレータ付き仮固定材である。
本開示18は、上記反応性樹脂100質量部中における上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の含有量が10質量部以上100質量部以下である本開示17のセパレータ付き仮固定材である。
本開示19は、上記反応性樹脂は、更に、分子内に炭素-炭素二重結合を有する官能基を2以上有し、かつ、分子量が5000以下である多官能モノマー又は多官能オリゴマーを含む本開示17又は18のセパレータ付き仮固定材である。
本開示20は、上記多官能モノマー又は多官能オリゴマーは、ビスマレイミド化合物である本開示19のセパレータ付き仮固定材である。
本開示21は、上記反応性樹脂100質量部中における上記分子内に炭素-炭素二重結合を有する官能基を2以上有し、かつ、分子量が5000以下である多官能モノマー又は多官能オリゴマーの含有量が5質量部以上90質量部以下である本開示19又は20のセパレータ付き仮固定材である。
本開示22は、本開示1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又は21のセパレータ付き仮固定材を用いて形成される巻回体である。
Figure 2024045086000001
式(1)中、Pは、芳香族基を表し、Qは、置換又は非置換の直鎖状、分岐鎖状又は環状の脂肪族基を表す。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、ループステフネス試験で測定される最大荷重応力と、180°ピール試験で測定されるセパレータ剥離力とを一定の関係となるように調整することを検討した。その結果、ロール化を行う場合であってもセパレータの浮きの発生を抑えることができ、かつ、耐熱性に優れるセパレータ付き仮固定材を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明のセパレータ付き仮固定材は、仮固定材と、該仮固定材の少なくとも一方の面に備えたセパレータとを有する。
また、本発明のセパレータ付き仮固定材を幅2cm、ループ長さ6cmのループ状とし、25℃、圧縮速度3.3mm/sec、押込量20mmの条件でループステフネス試験を行った際の最大荷重応力をAmNとし、本発明のセパレータ付き仮固定材について、引張試験機を用いて、25℃、引張速度300mm/分の条件にて180°ピール試験を行った際のセパレータ剥離力(仮固定材の両面にセパレータを有する場合は値が小さい方のセパレータ剥離力)をBmN/20mmとした場合、200≦A<2.2143B+400となる。
上記Aが200以上であることにより、本発明のセパレータ付き仮固定材は、耐熱性に優れるものとなる。上記Aは220以上であることが好ましく、230以上であることがより好ましい。
上記Aが2.2143B+400未満であることにより、本発明のセパレータ付き仮固定材は、ロール化を行う場合であってもセパレータの浮きの発生を抑えることができるものとなる。上記Aは、2.2143B+390.15以下であることがより好ましい。
上述したループステフネス試験を行った際の最大荷重応力AmN、及び、セパレータ剥離力BmN/20mmは、仮固定材とセパレータとの組み合わせを調整することにより、200≦A<2.2143B+400となるように調整することできる。
なお、上記ループステフネス試験は、ループステフネステスタ(東洋精機製作所社製)を用いて行うことができる。また、上記引張試験機としては、AG-IS(島津製作所社製)を用いることができる。
上記Bの好ましい下限は10、好ましい上限は100である。上記Bがこの範囲であることにより、得られるセパレータ付き仮固定材がセパレータの浮きの発生を抑える効果により優れるものとなる。上記Bが100以下であることにより、得られるセパレータ付き仮固定材がセパレータを容易に剥離することができるものとなる。上記Bのより好ましい上限は95である。
本発明のセパレータ付き仮固定材は、上記仮固定材の両面に上記セパレータを備えることが好ましい。
本発明のセパレータ付き仮固定材が上記仮固定材の両面に上記セパレータを備える場合、上記仮固定材の両面に備えたそれぞれのセパレータについて、引張試験機を用いて、25℃、引張速度300mm/分の条件にて180°ピール試験を行った際、値が大きい方のセパレータ剥離力と値が小さい方のセパレータ剥離力との差の好ましい下限は5mN/20mmである。以下、セパレータ剥離力の値が大きい方のセパレータを「重剥離セパレータ」ともいい、セパレータ剥離力の値が小さい方のセパレータを「軽剥離セパレータ」ともいう。上記重剥離セパレータのセパレータ剥離力と上記軽剥離セパレータのセパレータ剥離力との差が5mN/20mm以上であることにより、得られるセパレータ付き仮固定材の一方のセパレータ(軽剥離セパレータ)を剥離する際に、もう一方のセパレータ(重剥離セパレータ)が浮きにくくなる。この結果、安定してセパレータの剥離を行うことができる。
上記重剥離セパレータのセパレータ剥離力と上記軽剥離セパレータのセパレータ剥離力との差のより好ましい下限は6mN/20mm、更に好ましい下限は9mN/20mm、更により好ましい下限は10mN/20mmである。
また、上記重剥離セパレータのセパレータ剥離力と上記軽剥離セパレータのセパレータ剥離力との差の好ましい上限は特にないが、実質的な上限は200mN/20mmである。
なお、上述したように、上記軽剥離セパレータのセパレータ剥離力は、BmN/20mmである。
上記重剥離セパレータのセパレータ剥離力の好ましい上限は300mN/20mmである。上記重剥離セパレータのセパレータ剥離力のより好ましい上限は110mN/20mm、更に好ましい上限は105mN/20mm、更により好ましい上限は100mN/20mmである。上記重剥離セパレータのセパレータ剥離力が100mN/20mm以下であることにより、得られるセパレータ付き仮固定材から重剥離セパレータをより容易に剥離することができるものとなる。
また、上記重剥離セパレータのセパレータ剥離力の好ましい下限は上記軽剥離セパレータのセパレータ剥離力よりも大きければ特に限定されないが、好ましい下限は15mN/20mmであり、より好ましい下限は16mN/20mm、更に好ましい下限は19mN/20mm、更により好ましい下限は20mN/20mm、一層好ましい下限は45mN/20mmである。
上記仮固定材は、5%重量減少温度の好ましい下限が350℃である。上記仮固定材の5%重量減少温度が350℃以上であることにより、得られるセパレータ付き仮固定材が耐熱性により優れるものとなる。上記仮固定材の5%重量減少温度のより好ましい下限は380℃、更に好ましい下限は400℃である。
また、上記仮固定材の5%重量減少温度の好ましい上限は特にないが、実質的な上限は600℃である。なお、上記仮固定材が後述するような硬化性を有する場合、上記仮固定材の硬化物の5%重量減少温度が上記範囲であることが好ましい。
上記5%重量減少温度は、示差熱熱重量同時測定装置により測定することができる。具体的には、以下の方法により測定することができる。
即ち、仮固定材が硬化性を有する場合、仮固定材を硬化させる。仮固定材が光硬化性を有する場合、仮固定材に波長405nm、照射強度が80mW/cmの紫外線を150秒間照射して硬化させる。仮固定材が熱硬化性を有する場合、オーブン中にて150℃で10分間加熱することにより仮固定材を硬化させる。必要に応じて仮固定材を硬化させた後、得られたサンプルをアルミパンに秤取する。次いで、該アルミパンを示差熱熱重量同時測定装置にセットし、窒素雰囲気下で25℃から500℃まで10℃/分の昇温速度で昇温した際に、昇温前と比較して仮固定材の硬化物の重量が5%減少した時点の温度を5%重量減少温度として得ることができる。上記示差熱熱重量同時測定装置としては、例えば、STA7200(日立ハイテクサイエンス社製)等を用いることができる。
仮固定する被着体に対する剥離性等の観点から、上記仮固定材の300℃で10分加熱した後の25℃におけるシリコンウエハに対する粘着力の好ましい上限は10N/inchであり、より好ましい上限は1.5N/inchである。
また、固定性の観点から、上記仮固定材の300℃で10分加熱した後の25℃におけるシリコンウエハに対する粘着力の好ましい下限は0.01N/inch、より好ましい下限は0.1N/inch、更に好ましい下限は0.3N/inch、更により好ましい下限は0.4N/inchである。
なお、上記シリコンウエハに対する粘着力は、以下の方法により測定される。
まず、真空ラミネーターにて、上記仮固定材を、シリコンウエハのミラー面に、ステージ温度40℃、真空度100Pa、貼り付け圧0.5MPaの条件で貼り付ける。上記シリコンウエハとしては、厚みが725μmのベアシリコンウエハを用いることができ、上記真空ラミネーターとしては、ATM-812M(タカトリ社製、又はその同等品)を用いることができる。次いで、仮固定材が硬化性を有する場合、仮固定材を硬化させる。仮固定材が光硬化性を有する場合、波長405nm、照射強度80mW/cmの紫外線を150秒間照射して硬化させる。仮固定材が熱硬化性を有する場合、オーブン中にて150℃で10分間加熱することにより仮固定材を硬化させる。必要に応じて仮固定材を硬化させた後、シリコンウエハ側から300℃のホットプレートで10分間加熱する。300℃で10分加熱後の仮固定材に対して、25℃、50%RHの環境下で、引張試験機を用いて、引張速度300mm/分の条件にて180°ピール試験を行うことにより、シリコンウエハに対する粘着力を測定することができる。上記引張試験機としては、例えば、AG-IS(島津製作所社製、又はその同等品)を用いることができる。
上記仮固定材は、樹脂組成物を含有する。
上記樹脂組成物は、反応性樹脂を含有することが好ましい。
上記反応性樹脂は、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂を含むことが好ましい。上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂は、イミド骨格を有することによって極めて耐熱性に優れ、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても主鎖の分解が起こり難い。このため、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂を含む反応性樹脂を含有することにより、得られる仮固定材は、高温加工処理中は支持体との間のボイド及び浮きの発生を抑えることができ、また、被着体に対して接着亢進を起こしたり、被着体との剥離時に糊残りが発生したりすることを防止することができる。
上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂は、上記式(1)で表される構成単位を有することが好ましい。
上記式(1)中、Pは、炭素数5以上50以下の芳香族基であることが好ましい。上記Pが炭素数5以上50以下の芳香族基であることにより、得られる仮固定材が耐熱性により優れるものとなる。即ち、高温加工処理中は支持体との間のボイド及び浮きの発生をより抑えることができ、また、被着体に対して接着亢進を起こしたり、被着体との剥離時に糊残りが発生したりすることをより防止することができる。
上記式(1)中、Qは、置換又は非置換の直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素数2以上100以下の脂肪族基であることが好ましい。上記Qが置換又は非置換の直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素数2以上100以下の脂肪族基であることにより、得られる仮固定材が光透過性により優れるものとなる。また、得られる仮固定材が柔軟性により優れるものとなり、凹凸を有する被着体に対して高い追従性を発揮できるとともに、剥離時により容易に剥離することができるものとなる。
また、上記Qは、ジアミン化合物に由来する脂肪族基であることが好ましい。なかでも、光透過性、柔軟性、及び、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の溶媒や他の成分との相溶性の観点から、上記Qは、ダイマージアミンに由来する脂肪族基であることが好ましい。
上記ダイマージアミンとは、不飽和脂肪酸の2量体として得られる環式及び非環式ダイマー酸を、還元しアミノ化して得られるジアミン化合物であり、例えば、直鎖型、単環型、多環型等のダイマージアミンが挙げられる。上記ダイマージアミンは、炭素-炭素二重結合を含んでいてもよいし、水素が付加した水素添加物であってもよい。
上記ダイマージアミンに由来する脂肪族基としては、例えば、下記式(2-1)で表される基、下記式(2-2)で表される基、下記式(2-3)で表される基、及び、下記式(2-4)で表される基からなる群より選択される少なくとも1種の基が好ましい。なかでも、下記式(2-2)で表される基がより好ましい。
Figure 2024045086000002
式(2-1)~(2-4)中、R~R16は、それぞれ独立して、直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を表し、*は結合手を表す。結合手*は、上記式(1)中のNと結合する。
上記一般式(2-1)~(2-4)中、R~R16で表される炭化水素基は、飽和炭化水素基であってもよいし、不飽和炭化水素基であってもよい。なかでも、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR10、R11とR12、R13とR14、及び、R15とR16の炭素数の合計が7以上50以下であることが好ましい。上記炭素数の合計が上記範囲内であることにより、得られる仮固定材が、光透過性及び柔軟性により優れるものとなり、かつ、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の溶媒や他の成分との相溶性にもより優れるものとなる。上記炭素数の合計は、より好ましくは9以上、更に好ましくは12以上、更により好ましくは14以上である。上記炭素数の合計は、より好ましくは35以下、更に好ましくは25以下、更により好ましくは18以下である。
上記式(2-1)で表される基、上記式(2-2)で表される基、上記式(2-3)で表される基、及び、上記式(2-4)で表される基において光学異性は特に限定されず、いずれの光学異性も含む。
上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂は、マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂を含むことが好ましく、炭素―炭素二重結合を有する重合性官能基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂を含むことが更に好ましい。
上記マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂は、重量平均分子量が4万以上200万以下であることが好ましい。上記マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の重量平均分子量が4万以上であることにより、得られる仮固定材が耐熱性により優れるものとなる。即ち、高温加工処理中は支持体との間のボイド及び浮きの発生をより抑えることができ、また、被着体に対して接着亢進を起こしたり、被着体との剥離時に糊残りが発生したりすることをより防止することができる。上記マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の重量平均分子量が200万以下であることにより、上記マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂が溶媒や他の成分との相溶性により優れるものとなる。上記マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の重量平均分子量のより好ましい下限は5万、より好ましい上限は60万、更に好ましい上限は30万である。
なお、本明細書において、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法によりポリスチレン換算分子量として測定される。具体的には例えば、Acquity APCシステム(ウォーターズ社製)を用いて、移動相THF、流量1.0mL/min、カラム温度40℃、サンプル濃度0.2質量%、RI・PDA検出器の条件で測定することができる。上記カラムとしては、HR-MB-M 6.0×150mm(ウォーターズ社製)等を用いることができる。
上記マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂としては、具体的には例えば、上記式(1)で表される構成単位を有し、両末端にマレイミド基を有さない官能基を有する樹脂等が挙げられる。
上記式(1)で表される構成単位を有し、両末端にマレイミド基を有さない官能基を有する樹脂は、下記式(3)で表される構成単位を有していてもよい。
Figure 2024045086000003
式(3)中、Pは、芳香族基を表し、Qは、置換又は非置換の芳香族構造を有する基を表す。
上記式(3)中、Pは、炭素数5以上50以下の芳香族基であることが好ましい。上記Pが炭素数5以上50以下の芳香族基であることにより、得られる仮固定材が耐熱性により優れるものとなる。即ち、高温加工処理中は支持体との間のボイド及び浮きの発生をより抑えることができ、また、被着体に対して接着亢進を起こしたり、被着体との剥離時に糊残りが発生したりすることをより防止することができる。
上記式(3)中、Qは、置換又は非置換の炭素数5以上50以下の芳香族構造を有する基であることが好ましい。上記Qが置換又は非置換の炭素数5以上50以下の芳香族構造を有する基であることにより、得られる仮固定材が耐熱性により優れるものとなる。即ち、高温加工処理中は支持体との間のボイド及び浮きの発生をより抑えることができ、また、被着体に対して接着亢進を起こしたり、被着体との剥離時に糊残りが発生したりすることをより防止することができる。
上記マレイミド基を有さない官能基としては、例えば、脂肪族基、脂環式基、芳香族基、酸無水物基、アミノ基等が挙げられる。具体的には、上記マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の原料となる酸無水物やジアミン化合物の未反応の片末端構成基等が挙げられる。
上記式(1)で表される構成単位を有し、両末端にマレイミド基を有さない官能基を有する樹脂が両末端に有するマレイミド基を有さない官能基は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記式(1)で表される構成単位を有し、両末端にマレイミド基を有さない官能基を有する樹脂における上記式(1)で表される構成単位の含有割合は、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上であり、好ましくは90モル%以下、より好ましくは80モル%以下である。
上記式(1)で表される構成単位を有し、両末端にマレイミド基を有さない官能基を有する樹脂が上記式(3)で表される構成単位を有する場合、上記式(3)で表される構成単位の含有割合は、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上、更に好ましくは20モル%以上であり、好ましくは50モル%以下、より好ましくは30モル%以下である。
上記式(1)で表される構成単位及び上記式(3)で表される構成単位において、それぞれの構成単位の含有量が上記範囲内であることにより、得られる仮固定材が、高温加工処理中は支持体との間のボイド及び浮きの発生をより抑えることができ、また、被着体との剥離時により容易に剥離することができるものとなる。
なお、上記式(1)で表される構成単位及び上記式(3)で表される構成単位は、それぞれの構成単位が連続して配列したブロック成分からなるブロック構造を有していてもよいし、それぞれの構成単位がランダムに配列したランダム構造を有していてもよい。
上記マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂を製造する方法としては、例えば、ジアミン化合物と芳香族酸無水物とを反応させる方法等が挙げられる。
上記ジアミン化合物としては、脂肪族ジアミン化合物又は芳香族ジアミン化合物のいずれも用いることができる。
上記ジアミン化合物として脂肪族ジアミン化合物を用いることにより、得られる仮固定材が光透過性により優れるものとなる。また、得られる仮固定材が柔軟性により優れるものとなり、凹凸を有する被着体に対して高い追従性を発揮できるとともに、剥離時により容易に剥離することができるものとなる。
また、上記ジアミン化合物として芳香族ジアミン化合物を用いることにより、得られる仮固定材が耐熱性により優れるものとなる。
上記ジアミン化合物は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記脂肪族ジアミン化合物としては、例えば、1,10-ジアミノデカン、1,12-ジアミノドデカン、ダイマージアミン、1,2-ジアミノ-2-メチルプロパン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,2-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノメンタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、3,3’-ジアミノ-N-メチルジプロピルアミン、ジアミノマレオニトリル、1,3-ジアミノペンタン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、1,2-ビス(2-アミノエトキシ)エタン、3(4),8(9)-ビス(アミノメチル)トリシクロ(5.2.1.02,6)デカン等が挙げられる。
上記脂肪族ジアミン化合物のなかでも、光透過性、柔軟性、及び、上記マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の溶媒や他の成分との相溶性の観点から、ダイマージアミンが好ましい。上記ダイマージアミンとしては、具体的には例えば、上述した式(2-1)で表される基、式(2-2)で表される基、式(2-3)で表される基、及び、式(2-4)で表される基からなる群より選択される少なくとも1種の基を構成することのできるダイマージアミン等が挙げられる。
上記芳香族ジアミン化合物としては、例えば、9,10-ジアミノフェナントレン、4,4’-ジアミノオクタフルオロビフェニル、3,7-ジアミノ-2-メトキシフルオレン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,4-ジアミノベンゾフェノン、3,4-ジアミノトルエン、2,6-ジアミノアントラキノン、2,6-ジアミノトルエン、2,3-ジアミノトルエン、1,8-ジアミノナフタレン、2,4-ジアミノトルエン、2,5-ジアミノトルエン、1,4-ジアミノアントラキノン、1,5-ジアミノアントラキノン、1,5-ジアミノナフタレン、1,2-ジアミノアントラキノン、2,4-クメンジアミン、1,3-ビスアミノメチルベンゼン、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、2-クロロ-1,4-ジアミノベンゼン、1,4-ジアミノ-2,5-ジクロロベンゼン、1,4-ジアミノ-2,5-ジメチルベンゼン、4,4’-ジアミノ-2,2’-ビストリフルオロメチルビフェニル、ビス(アミノ-3-クロロフェニ)エタン、ビス(4-アミノ-3,5-ジメチルフェニル)メタン、ビス(4-アミノ-3,5-ジエチルフェニル)メタン、9,9’-ビス(4-アミノ-3-エチルフェニル)フルオレン、2,3-ジアミノナフタレン、2,3-ジアミノフェノール、ビス(4-アミノ-5-メチルフェニル)メタン、ビス(4-アミノ-3-メチルフェニル)メタン、ビス(4-アミノ-3-エチルフェニル)メタン、4,4’-ジアミノフェニルスルホン、3,3’-ジアミノフェニルスルホン、2,2-ビス(4-(4アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、2,2-ビス(4-(3-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、4,4’-オキシジアニリン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’-オキシジアニリン、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチルビフェニル、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメトキシビフェニル、Bisaniline M、Bisaniline P、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、o‐トリジンスルホン、メチレンビス(アントラニル酸)、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)-2,2-ジメチルプロパン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)プロパン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ブタン、1,5-ビス(4-アミノフェノキシ)ブタン、2,3,5,6-テトラメチル-1,4-フェニレンジアミン、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン、4,4’-ジアミノベンザニリド、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ポリオキシアルキレンジアミン類(例えば、HuntsmanのJeffamine D-230、D400、D-2000、D-4000等)、1,3-シクロヘキサンビス(メチルアミン)、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン等が挙げられる。
上記芳香族酸無水物としては、例えば、ピロメリット酸、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,4,5-ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ビフェニルエーテルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,5,6-ピリジンテトラカルボン酸、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸、4,4’-スルホニルジフタル酸、1-トリフルオロメチル-2,3,5,6-ベンゼンテトラカルボン酸、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル、ベンゼン-1,2,3,4-テトラカルボン酸、2,3,2’,3’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,3’,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、フェナンスレン-1,8,9,10-テトラカルボン酸、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸、チオフエン-2,3,4,5-テトラカルボン酸、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド、4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ)-ビス(フタル酸)等のカルボン酸の無水物が挙げられる。
上記反応性樹脂100質量部中における上記マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の含有量の好ましい下限は10質量部、好ましい上限は90質量部である。上記マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の含有量がこの範囲内であることにより、得られる仮固定材が、被着体からの剥離時により容易に剥離することができるものとなる。剥離性を更に高める観点から、上記マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の含有量のより好ましい下限は20質量部、より好ましい上限は80質量部である。
上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂は、炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂を含むことが好ましい。上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂を含むことにより、得られる仮固定材が、光の照射等によりその全体が均一にかつ速やかに重合架橋し、弾性率が上昇することにより粘着力が大きく低下するものとなる。このため、接着亢進を起こしたり、剥離時に糊残りが発生したりすることを防止することができる。
上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂が上記マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂を含む場合は、上記マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂に加えて、更に、上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂を含むことが好ましい。
上記炭素-炭素二重結合を有する官能基としては、例えば、置換されていてもよいマレイミド基、シトラコンイミド基、ビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。なかでも、より高い耐熱性が得られることから、置換されていてもよいマレイミド基が好ましい。なお、芳香環に含まれる炭素-炭素二重結合は、上記炭素-炭素二重結合を有する官能基の該炭素-炭素二重結合としては扱わない。
なお、本明細書において、上記(メタ)アクリロイルは、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。
上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂は、炭素-炭素二重結合を有する官能基の官能基当量(重量平均分子量/炭素-炭素二重結合を有する官能基の数)が4000以下であることが好ましい。上記炭素-炭素二重結合を有する官能基の官能基当量が4000以下であることにより、得られる仮固定材が耐熱性により優れるものとなる。これは、樹脂の分子中に一定以上の密度で炭素-炭素二重結合を有する官能基を有することにより、架橋間距離が短くなることによって、接着亢進がより抑えられるためと考えられる。上記炭素-炭素二重結合を有する官能基の官能基当量は、3000以下であることがより好ましく、2000以下であることが更に好ましい。
また、上記炭素-炭素二重結合を有する官能基の官能基当量の好ましい下限は特にないが、実質的な下限は600程度である。
上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂は、重量平均分子量が1000以上10万以下であることが好ましい。上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の重量平均分子量が1000以上であることにより、得られる仮固定材の成膜が容易となるとともに、得られる仮固定材がある程度の柔軟性を発揮することから、凹凸を有する被着体に対して高い追従性を発揮できるとともに、剥離時により容易に剥離することができる。上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の重量平均分子量が10万以下であることにより、上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の溶媒への溶解度が低くなりすぎることを防ぐことができる。上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の重量平均分子量は1500以上5万以下であることがより好ましく、2000以上2万未満であることが更に好ましい。
上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂において、炭素-炭素二重結合を有する官能基は側鎖又は末端のいずれにあってもよいが、両末端に存在することが好ましく、両末端に加えて更に側鎖にも存在することがより好ましい。上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の両末端における炭素-炭素二重結合を有する官能基は反応性が高く、光の照射等により上記仮固定材をより充分に硬化させることができる。この結果、接着亢進を起こしたり、剥離時に糊残りが発生したりするのをより防止することができる。
更に、上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の側鎖に炭素-炭素二重結合を有する官能基が存在することにより、得られる仮固定材が耐熱性により優れるものとなる。これは、架橋間距離が短くなることによって、接着亢進がより抑えられるためと考えられる。また、上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の側鎖に炭素-炭素二重結合を有する官能基が存在することにより、上記重量平均分子量を1000以上としながら、上記官能基当量を4000以下に調整することが容易となる。これにより、上記仮固定材が充分な初期粘着力を有すると同時に、接着亢進を起こしたり、剥離時に糊残りが発生したりするのをより防止することができる。
上述したように、上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂において、炭素-炭素二重結合を有する官能基は側鎖又は末端のいずれにあってもよい。側鎖又は末端のいずれかが炭素-炭素二重結合を有する官能基以外の官能基(炭素-炭素二重結合を有さない官能基)である場合、該炭素-炭素二重結合を有さない官能基としては、例えば、脂肪族基、脂環式基、芳香族基、酸無水物基、アミノ基等が挙げられる。具体的には、上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の原料となる酸無水物、ジアミン化合物の未反応の片末端構成基等が挙げられる。上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂が、側鎖又は末端に上記炭素-炭素二重結合を有さない官能基を2以上有する場合、それぞれの炭素-炭素二重結合を有さない官能基は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂としては、具体的には例えば、上記式(1)で表される構成単位を有し、末端及び側鎖の少なくともいずれかに炭素-炭素二重結合を有する官能基を有する樹脂等が挙げられる。
上記式(1)で表される構成単位を有し、末端及び側鎖の少なくともいずれかに炭素-炭素二重結合を有する官能基を有する樹脂は、下記式(4-1)で表される構成単位及び下記式(4-2)で表される構成単位からなる群より選択される少なくとも1種の構成単位を有していてもよい。
Figure 2024045086000004
式(4-1)中、Pは、芳香族基を表し、Qは、置換又は非置換の芳香族構造を有する基を表し、式(4-2)中、Pは、芳香族基を表し、Rは、置換又は非置換の分岐鎖状の脂肪族基又は芳香族基を表し、Xは、炭素-炭素二重結合を有する官能基を表す。
上記式(4-1)中のP及び上記式(4-2)中のPは、炭素数5~50の芳香族基であることが好ましい。上記P及びPが炭素数5~50の芳香族基であることにより、得られる仮固定材が耐熱性により優れるものとなる。即ち、高温加工処理中は支持体との間のボイド及び浮きの発生をより抑えることができ、また、被着体に対して接着亢進を起こしたり、被着体との剥離時に糊残りが発生したりすることをより防止することができる。
上記式(4-1)中、Qは、置換又は非置換の炭素数5~50の芳香族構造を有する基であることが好ましい。上記Qが置換又は非置換の炭素数5~50の芳香族構造を有する基であることにより、得られる仮固定材が耐熱性により優れるものとなる。即ち、高温加工処理中は支持体との間のボイド及び浮きの発生をより抑えることができ、また、被着体に対して接着亢進を起こしたり、被着体との剥離時に糊残りが発生したりすることをより防止することができる。
上記式(4-2)中、Rは、置換又は非置換の分岐鎖状の炭素数2~100の脂肪族基又は芳香族基であることが好ましい。上記Rが置換又は非置換の分岐鎖状の炭素数2~100の脂肪族基又は芳香族基であることにより、得られる仮固定材が柔軟性により優れるものとなり、凹凸を有する被着体に対して高い追従性を発揮できるとともに、剥離時により容易に剥離することができる。
上記式(4-2)中、Rは、芳香族エステル基又は芳香族エーテル基を有する芳香族基であって、該Rにおける該芳香族エステル基又は該芳香族エーテル基は、Xと結合していることが好ましい。
ここで、「芳香族エステル基」とは、芳香族環にエステル基が直接結合した基を意味し、「芳香族エーテル基」とは、芳香族環にエーテル基が直接結合した基を意味する。このようにエステル基やエーテル基に結合する部分を芳香族基にすることにより、得られる仮固定材が耐熱性により優れるものとなる。即ち、高温加工処理中はボイド及び浮きの発生をより抑えることができ、また、被着体に対して接着亢進を起こしたり、被着体との剥離時に糊残りが発生したりすることをより防止することができる。一方、Xが芳香族エステル基又は芳香族エーテル基を介してRに結合することにより、X中の炭素-炭素二重結合がRと共役することがないことから、加熱又は光を照射したときの重合架橋を妨げることがない。
上記式(1)で表される構成単位を有し、末端及び側鎖の少なくともいずれかに炭素-炭素二重結合を有する官能基を有する樹脂における上記式(1)で表される構成単位の含有割合は、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上であり、好ましくは90モル%以下、より好ましくは80モル%以下である。
上記式(1)で表される構成単位を有し、末端及び側鎖の少なくともいずれかに炭素-炭素二重結合を有する官能基を有する樹脂が上記式(4-1)で表される構成単位を有する場合、上記式(4-1)で表される構成単位の含有割合は、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上、更に好ましくは20モル%以上であり、好ましくは50モル%以下、より好ましくは30モル%以下である。
上記式(1)で表される構成単位を有し、末端及び側鎖の少なくともいずれかに炭素-炭素二重結合を有する官能基を有する樹脂が上記式(4-2)で表される構成単位を有する場合、上記式(4-2)で表される構成単位の含有割合は、好ましくは10モル%以上、より好ましくは20モル%以上であり、好ましくは50モル%以下、より好ましくは30モル%以下である。
上記式(1)で表される構成単位、上記式(4-1)で表される構成単位、及び、上記式(4-2)で表される構成単位において、それぞれの構成単位の含有量が上記範囲内であることにより、得られる仮固定材が、高温加工処理中は支持体との間のボイド及び浮きの発生をより抑えることができ、また、被着体との剥離時により容易に剥離することができるものとなる。
なお、上記式(1)で表される構成単位、上記式(4-1)で表される構成単位、及び、上記式(4-2)で表される構成単位は、それぞれの構成単位が連続して配列したブロック成分からなるブロック構造を有していてもよいし、それぞれの構成単位がランダムに配列したランダム構造を有していてもよい。
上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂を製造する方法としては、例えば、以下の方法等が挙げられる。
即ち、まず、ジアミン化合物と芳香族酸無水物とを反応させてイミド化合物を調製する。次いで、該イミド化合物の官能基に、該官能基と反応する官能基と炭素-炭素二重結合を有する官能基とを有する化合物(以下、「官能基含有不飽和化合物」ともいう)を反応させることにより、上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂を得ることができる。
また、ジアミン化合物と芳香族酸無水物とを反応させてイミド化合物を調製し、更に、該イミド化合物の末端に、例えば、無水マレイン酸等を反応させることによっても、上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂を得ることができる。
上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂を製造する方法に用いられるジアミン化合物及び芳香族酸無水物としては、上記マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂を製造する方法に用いられるものと同様のものを用いることができる。
上記官能基含有不飽和化合物としては、上記イミド化合物の末端又は側鎖の官能基に応じて選択して用いる。
例えば、上記イミド化合物の末端又は側鎖の官能基が水酸基である場合には、上記官能基含有不飽和化合物としては、カルボキシ基を有するマレイミド化合物、エーテル基を有するビニル化合物、グリシジル基を有するアリル化合物、グリシジル基を有するアリルエーテル化合物、グリシジル基を有するビニルエーテル化合物、イソシアネート基を有するアリル化合物、イソシアネート基を有する(メタ)アクリロイル化合物等が挙げられる。
また、例えば、上記イミド化合物の末端又は側鎖の官能基がカルボキシ基の場合には、上記官能基含有不飽和化合物としては、水酸基を有するアリル化合物、グリシジル基を有するアリル化合物、グリシジル基を有するアリルエーテル化合物、グリシジル基を有するビニルエーテル化合物等が挙げられる。
上記カルボキシ基を有するマレイミド化合物としては、例えば、酢酸マレイミド、マレイミドプロピオン酸、マレイミド酪酸、マレイミドヘキサン酸、trans-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボン酸、19-マレイミド-17-オキソ-4,7,10,13-テトラオキサ-16-アザノナデカン酸等が挙げられる。
上記エーテル基を有するビニル化合物としては、例えば、ブチルビニルエーテル等が挙げられる。
上記グリシジル基を有するアリル化合物としては、例えば、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート等が挙げられる。
上記グリシジル基を有するアリルエーテル化合物としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、グリセリンジアリルモノグリシジルエーテル等が挙げられる。
上記グリシジル基を有するビニルエーテル化合物としては、例えば、グリシジルオキシエチルビニルエーテル、グリシジルオキシブチルビニルエーテル、グリシジルオキシヘキシルビニルエーテル、グリシジルジエチレングリコールビニルエーテル、グリシジルシクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル等が挙げられる。
上記イソシアネート基を有するアリル化合物としては、例えば、アリルイソシアネート等が挙げられる。
上記イソシアネート基を有する(メタ)アクリロイル化合物としては、例えば、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等が挙げられる。
上記水酸基を有するアリル化合物としては、例えば、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等が挙げられる。
上記反応性樹脂100質量部中における上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の含有量の好ましい下限は10質量部、好ましい上限は100質量部である。上記反応性樹脂100質量部中における上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の含有量がこの範囲内であることにより、上記仮固定材は、剥離時により容易に剥離することができる。剥離性を更に高める観点から、上記反応性樹脂100質量部中における上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の含有量のより好ましい下限は20質量部、更に好ましい下限は30質量部であり、より好ましい上限は90質量部、更に好ましい上限は80質量部、更により好ましい上限は70質量部である。
上記反応性樹脂が上記マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂を含む場合、上記反応性樹脂は、更に、分子内に炭素-炭素二重結合を有する官能基を2以上有し、分子量が5000以下である多官能モノマー又は多官能オリゴマー(以下、単に「多官能モノマー又は多官能オリゴマー」ともいう)を含むことが好ましい。
また、上記反応性樹脂が上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂を含む場合も、上記反応性樹脂は、更に、上記多官能モノマー又は多官能オリゴマーを含んでいてもよい。
上記多官能モノマー又は多官能オリゴマーを含むことにより、上記仮固定材は、光の照射等による三次元網状化がより効率よくなされるようになり、接着亢進を起こしたり、剥離時に糊残りが発生したりするのをより防止することができる。
なお、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂自体に反応性がない場合、上記反応性樹脂は、反応性官能基を有する他の成分を更に含有することにより、上記反応性樹脂全体として反応性を有する必要がある。このような反応性官能基を有する他の成分として、上記多官能モノマー又は多官能オリゴマーを用いることが好ましい。上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂自体に反応性がない場合としては、例えば、上記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂が、上記マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂のみを含む場合等が挙げられる。
上記多官能モノマー又は多官能オリゴマーにおける炭素-炭素二重結合を有する官能基としては、例えば、置換されていてもよいマレイミド基、シトラコンイミド基、ビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。なかでも、より高い耐熱性が得られることから、置換されていてもよいマレイミド基が好適である。特に、上記多官能モノマー又は多官能オリゴマーは、ビスマレイミド化合物であることが好ましい。
上記多官能モノマー又は多官能オリゴマーは、ジアミン化合物に由来する基を有することが好ましい。上記ジアミン化合物としては、脂肪族ジアミン化合物又は芳香族ジアミン化合物のいずれも用いることができるが、脂肪族ジアミン化合物が好ましい。即ち、上記多官能モノマー又は多官能オリゴマーは、ジアミン化合物に由来する脂肪族基を有することがより好ましい。上記ジアミン化合物として脂肪族ジアミン化合物を用いることにより、得られる仮固定材が光透過性により優れるものとなる。また、得られる仮固定材が柔軟性により優れるものとなり、凹凸を有する被着体に対して高い追従性を発揮できるとともに、剥離時により容易に剥離することができるものとなる。
上記脂肪族ジアミン化合物のなかでも、光透過性、柔軟性、及び、上記多官能モノマー又は多官能オリゴマーの溶媒や他の成分との相溶性の観点から、上述したようなダイマージアミンが好ましい。
上記反応性樹脂100質量部中における上記多官能モノマー又は多官能オリゴマーの含有量の好ましい下限は5質量部、好ましい上限は90質量部である。上記多官能モノマー又は多官能オリゴマーの含有量がこの範囲内であることにより、上記仮固定材は、剥離時により容易に剥離することができる。剥離性を更に高める観点から、上記多官能モノマー又は多官能オリゴマーの含有量のより好ましい下限は10質量部、より好ましい上限は50質量部である。
上記反応性樹脂が上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂と上記多官能モノマー又は多官能オリゴマーとを含む場合、上記反応性樹脂100質量部中における上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂と上記多官能モノマー又は多官能オリゴマーとの合計の含有量の好ましい下限は20質量部、好ましい上限は80質量部である。上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂と上記多官能モノマー又は多官能オリゴマーとの合計の含有量がこの範囲内であることにより、上記仮固定材は、剥離時により容易に剥離することができる。剥離性を更に高める観点から、上記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂と上記多官能モノマー又は多官能オリゴマーとの合計の含有量のより好ましい下限は30質量部、更に好ましい下限は40質量部、更により好ましい下限は50質量部であり、より好ましい上限は70質量部である。
上記樹脂組成物は、更に、シリコーン化合物又はフッ素化合物を含有することが好ましい。
上記シリコーン化合物及びフッ素化合物は、耐熱性に優れることから、300℃以上の高温加工処理を経ても樹脂組成物の焦げ付きを防止し、剥離時には被着体界面にブリードアウトして、剥離をより容易にする。
上記シリコーン化合物としては、例えば、シリコーンオイル、シリコーンジアクリレート、シリコーン系グラフト共重合体等が挙げられる。
上記フッ素化合物としては、例えば、フッ素原子を有する炭化水素化合物等が挙げられる。
上記シリコーン化合物又はフッ素化合物は、架橋可能な官能基を有することが好ましく、上記反応性樹脂と架橋可能な官能基を有することがより好ましい。
上記シリコーン化合物又はフッ素化合物が上記反応性樹脂と架橋可能な官能基を有することにより、光の照射や架橋剤等との反応により上記シリコーン化合物又はフッ素化合物が上記反応性樹脂と化学反応して上記反応性樹脂中に取り込まれる。このため、被着体に上記シリコーン化合物又はフッ素化合物が付着して汚染することを抑制することができる。上記反応性樹脂と架橋可能な官能基としては、例えば、カルボキシ基、ラジカル重合性の不飽和結合(例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、置換されていてもよいマレイミド基)、ヒドロキシ基、アミド基、イソシアネート基、エポキシ基等が挙げられる。
なかでも、環境にやさしく、廃棄が容易であるという観点から、上記反応性樹脂と架橋可能な官能基を有するシリコーン化合物が好ましい。
上記反応性樹脂と架橋可能な官能基を有するシリコーン化合物としては、主鎖にシロキサン骨格を有し、側鎖又は末端に炭素-炭素二重結合を有する官能基を有するシリコーン化合物が好ましい。
上記主鎖にシロキサン骨格を有し、側鎖又は末端に炭素-炭素二重結合を有する官能基を有するシリコーン化合物としては、下記式(5-1)で表されるシリコーン化合物、下記式(5-2)で表されるシリコーン化合物、及び、下記式(5-3)で表されるシリコーン化合物からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。これらのシリコーン化合物は、耐熱性に特に優れ、極性が高いために上記仮固定材からのブリードアウトが容易である。
Figure 2024045086000005
上記式(5-1)~(5-3)中のX、及び、上記式(5-1)、(5-3)中のYは、それぞれ独立して、0以上1200以下の整数を表し、上記式(5-1)~(5-3)中、Rは、炭素-炭素二重結合を有する官能基を表す。
上記式(5-1)~(5-3)中、Rで表される炭素-炭素二重結合を有する官能基としては、例えば、置換されていてもよいマレイミド基、シトラコンイミド基、ビニルエーテル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。なかでも、得られる仮固定材が耐熱性により優れるものとなることから、置換されていてもよいマレイミド基が好ましい。なお、上記式(5-1)~(5-3)中において、Rが複数存在する場合、それぞれのRは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記式(5-1)~(5-3)で表されるシリコーン化合物のうち、市販されているものとしては、例えば、EBECRYL350、EBECRYL1360(いずれもダイセル・オルネクス社製)等が挙げられる。また、BYK-UV3500(ビックケミー社製)、TEGO RAD2250(エボニック社製)(いずれもRがアクリロイル基)等も挙げられる。
上記反応性樹脂と架橋可能な官能基を有するフッ素化合物としては、例えば、メガファックRS-75、メガファックRS-90、メガファックF-556(いずれもDIC社製)、エフクリアUVH-2(関東電化工業社製)、フタージェント601ADH2(ネオス社製)、アクリット8FX-038EX(大成ファインケミカル社製)等が挙げられる。
上記シリコーン化合物又はフッ素化合物の含有量は、上記反応性樹脂100質量部に対して、好ましい下限が0.1質量部、好ましい上限が20質量部である。上記シリコーン化合物又はフッ素化合物の含有量がこの範囲内であることにより、得られる仮固定材が被着体を汚染することなく剥離性により優れるものとなる。汚染を抑制しつつも剥離性を更に高める観点から、上記シリコーン化合物又はフッ素化合物の含有量のより好ましい下限は0.3質量部、より好ましい上限は10質量部である。
なお、上記仮固定材は、耐熱性に優れることから、上記シリコーン化合物又はフッ素化合物の含有量を比較的少なくしても充分な効果を発揮することができる。そのため、上記シリコーン化合物又はフッ素化合物による汚染の可能性をより一層少なくすることができる。
上記樹脂組成物は、更に、重合開始剤を含むことが好ましい。上記重合開始剤は、熱重合開始剤であってもよいし、光重合開始剤であってもよいが、光重合開始剤が好ましい。
上記光重合開始剤としては、例えば、250~800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられる。なかでも、上記反応性樹脂の吸収波長と重なりにくく、仮固定材に光照射した際に充分に活性化されることから、上記光重合開始剤は、405nmにおけるモル吸光係数が1以上である化合物を含むことが好ましい。上記光重合開始剤は、405nmにおけるモル吸光係数が200以上である化合物を含むことがより好ましく、405nmにおけるモル吸光係数が350以上である化合物を含むことが更に好ましい。上記405nmにおけるモル吸光係数が1以上である化合物の405nmにおけるモル吸光係数の好ましい上限は特にないが、実質的な上限は2000である。
上記光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン誘導体、ベンゾインエーテル系化合物、ケタール誘導体、フォスフィンオキシド誘導体等が挙げられる。
上記アセトフェノン誘導体としては、例えば、メトキシアセトフェノン等が挙げられる。
上記ベンゾインエーテル系化合物としては、例えば、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。
上記ケタール誘導体としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等が挙げられる。
また、上記光重合開始剤としては、例えば、ビス(η5-シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシメチルフェニルプロパン等も挙げられる。
これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記重合開始剤の含有量は、上記反応性樹脂100質量部に対して、好ましい下限が0.1質量部、好ましい上限が10質量部である。上記重合開始剤の含有量がこの範囲内であることにより、光の照射等により上記仮固定材の全体が均一にかつ速やかに重合架橋し、弾性率が上昇することにより粘着力が大きく低下して、接着亢進を起こしたり、剥離時に糊残りが発生したりするのを防止することができる。上記重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.3質量部、より好ましい上限は3質量部である。
上記樹脂組成物は、更に、気体発生剤を含んでもよい。上記気体発生剤を含有することにより、300℃以上の高温加工処理を経た後であっても、光を照射すること等により発生した気体が被着体との界面に放出されることから、より容易に、かつ、糊残りすることなく被着体を剥離することができる。また、300℃以上の高温加工処理を行った後、薄い被着体を剥離する場合であっても、被着体の破損を防止することができる。
上記気体発生剤は、TG-DTA(熱重量-示差熱分析)測定にて窒素雰囲気下で30℃から300℃まで10℃/minの昇温速度で加熱したときの300℃における重量減少率が5%以下であることが好ましい。上記重量減少率が5%以下であれば、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても上記気体発生剤の分解が起こりにくく、上記仮固定材が耐熱性により優れるものとなる。即ち、高温加工処理中は剥がれをより抑えることができ、また、接着亢進を起こしたり、剥離時に糊残りが発生したりすることをより防止することができる。
なお、上記TG-DTA(熱重量-示差熱分析)測定は、例えば、TG-DTA装置(日立ハイテクサイエンス社製、「STA7200RV」)等を用いて行うことができる。
上記気体発生剤としては、例えば、加熱することにより気体を発生する気体発生剤、光を照射することにより気体を発生する気体発生剤等が挙げられる。これらの気体発生剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、光を照射することにより気体を発生する気体発生剤が好ましく、紫外線を照射することにより気体を発生する気体発生剤がより好ましい。
上記気体発生剤としては、例えば、テトラゾール化合物又はその塩、トリアゾール化合物又はその塩、アゾ化合物、アジド化合物、キサントン酢酸、炭酸塩等が挙げられる。これらの気体発生剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。なかでも、特に耐熱性に優れることから、テトラゾール化合物又はその塩が好ましい。
上記気体発生剤の含有量は、上記反応性樹脂100質量部に対して、好ましい下限が5質量部、好ましい上限が50質量部である。上記気体発生剤の含有量がこの範囲内であることにより、得られる仮固定材が剥離性に特に優れるものとなる。上記気体発生剤の含有量のより好ましい下限は8質量部、より好ましい上限は30質量部である。
上記樹脂組成物は、更に、無機充填剤を含有してもよい。
上記無機充填剤を含有することにより、得られる仮固定材が、高温における弾性率の低下を抑えることができ、300℃以上の高温加工処理を行う場合であっても高温加工処理中の剥がれをより抑えることができるものとなる。
上記無機充填剤としては、例えば、ケイ素、チタン、アルミニウム、カルシウム、ホウ素、マグネシウム及びジルコニアの酸化物、並びに、これらの複合物からなる群より選択される少なくとも1種からなる無機充填剤が挙げられる。なかでも、市販品で安価かつ入手が容易なことから、シリカやタルクが好ましい。
上記無機充填剤は、表面修飾されていてもよい。上記無機充填剤を表面修飾する修飾官能基としては、例えば、アルキルシラン基、メタクリロイル基及びジメチルシロキサン基等が挙げられる。なかでも、適度な疎水性を有することから、ジメチルシロキサン基が好ましい。
上記無機充填剤の平均粒子径の好ましい下限は5nm、好ましい上限は30μmである。上記無機充填剤の平均粒子径がこの範囲内であることにより、得られる仮固定材が高温加工処理中は剥がれをより抑えることができ、また、剥離時にピール処理により剥離することができるものとなる。上記無機充填剤の平均粒子径のより好ましい下限は10nm、より好ましい上限は20μmであり、更に好ましい下限は15nm、更に好ましい上限は15μmである。
なお、上記平均粒子径は、数平均粒子径であることが好ましい。上記平均粒子径は、例えば、任意の無機充填剤50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、各無機充填剤の粒子径の平均値を算出することや、レーザー回折式粒度分布測定を行うことにより求められる。
上記無機充填剤の含有量は、上記反応性樹脂100質量部に対して、好ましい下限が1質量部、好ましい上限が20質量部である。上記無機充填剤の含有量がこの範囲内であることにより、得られる仮固定材が高温加工処理中は剥がれをより抑えることができ、また、剥離時にピール処理により剥離することができるものとなる。上記無機充填剤の含有量のより好ましい下限は3質量部、より好ましい上限は15質量部であり、更に好ましい下限は5質量部、更に好ましい上限は10質量部である。
上記樹脂組成物は、例えば、光増感剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス等の公知の添加剤を含有してもよい。
上記樹脂組成物を製造する方法としては、例えば、上記反応性樹脂、及び、必要に応じて配合する添加剤を、ビーズミル、超音波分散、ホモジナイザー、高出力ディスパー、ロールミル等を用いて混合する方法等が挙げられる。
上記仮固定材は、仮固定材用の基材の一方又は両方の面に上述した樹脂組成物等を含有する接着層を有していてもよく、仮固定材用の基材を有していなくてもよい。上記仮固定材用の基材を有さない場合、光透過性と耐熱性とをともに有する基材を選定する必要がなく、上記仮固定材は、より安価かつ簡易な構成とすることができる。上記仮固定材用の基材を有する場合、仮固定材の取り扱い性がより向上する。
上記仮固定材用の基材を有する場合、該仮固定材用の基材としては、例えば、アクリル、オレフィン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ABS、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ナイロン、ウレタン、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド(PA)等の樹脂シート等が挙げられ、光透過性の高い樹脂シートを好適に用いることができる。また、網目状の構造を有するシート、孔が開けられたシート、繊維が絡み合ってシート状になったもの、ガラス等も用いることができる。
光透過性を高める観点、及び、柔軟性を高める観点から、上記仮固定材用の基材の厚みの好ましい下限は5μm、より好ましい下限は10μmであり、好ましい上限は150μm、より好ましい上限は100μmである。
上記仮固定材は、硬化後のゲル分率の好ましい下限が70質量%、好ましい上限が95質量%である。上記硬化後のゲル分率が上記範囲内であることで、上記仮固定材は、被着体との剥離時により容易に剥離することができるものとなる。上記仮固定材の硬化後のゲル分率のより好ましい下限は75質量%、より好ましい上限は90質量%である。
なお、上記硬化後のゲル分率は、光硬化型の仮固定材の場合は、該仮固定材に波長365nm、照射強度70mW/cmの紫外線を300秒間照射することにより硬化させた後、また、熱硬化型の仮固定材の場合は、150℃で10分間加熱することにより硬化させた後、以下の方法により測定される。
即ち、まず、仮固定材を50mm×100mmの平面長方形状に裁断して試験片を作製する。得られた試験片をトルエン中にて23℃で24時間浸漬した後、トルエンから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させる。乾燥後の試験片の質量を測定し、下記式を用いてゲル分率を算出する。なお、試験片には、仮固定材を保護するためのセパレータは積層されていないものとする。更に、仮固定材が仮固定材用の基材を有さないノンサポートタイプである場合は、下記Wは0として計算する。
ゲル分率(質量%)=100×(W-W)/(W-W
(W:仮固定材用の基材の質量、W:浸漬前の試験片の質量、W:浸漬、乾燥後の試験片の質量)
本発明のセパレータ付き仮固定材における上記仮固定材の厚み(仮固定材が仮固定材用の基材を有する場合、仮固定材用の基材を含めた厚み)の好ましい下限は5μm、好ましい上限は550μmである。上記仮固定材の厚みが5μm以上であることにより、上記仮固定材が初期に充分な感圧又は感熱粘着力を有することができる。上記仮固定材の厚みが550μm以下であることにより、上記仮固定材は、高い柔軟性を発揮することができ、凹凸を有する被着体に対して高い追従性を発揮できるとともに、剥離時により容易に剥離することができるものとなる。上記仮固定材の厚みのより好ましい下限は10μm、更に好ましい下限は20μm、更により好ましい下限は30μmである。上記仮固定材の厚みのより好ましい上限は400μm、更に好ましい上限は300μm、更により好ましい上限は200μm、特に好ましい上限は150μmである。
上記セパレータに用いるセパレータ用の基材としては、上述した仮固定材用の基材の少なくとも一方の面が離型処理されたものを好適に用いることができる。
上記セパレータ用の基材としては、例えば、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ナイロン、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂シート等が挙げられる。
上記離型処理は、離型剤の塗布等により行うことができる。
上記離型剤としては、例えば、シリコーン系離型剤、フッ素系離型剤、長鎖アルキル樹脂系離型剤等が挙げられる。
上記セパレータの厚みの好ましい下限は10μm、好ましい上限は200μmである。上記セパレータの厚みがこの範囲であることにより、上述したループステフネス試験を行った際の最大荷重応力AmN、及び、セパレータ剥離力BmN/20mmを、200≦A<2.2143B+400となるように調整することがより容易となる。上記セパレータの厚みのより好ましい下限は12μm、より好ましい上限は150μmである。
本発明のセパレータ付きの仮固定材を製造する方法としては、例えば、上述した方法により調製した樹脂組成物を含有する溶液を重剥離セパレータの離型処理面上にドクターナイフで塗工した後、塗工溶液を乾燥させた後に、軽剥離セパレータを樹脂組成物の表面と軽剥離セパレータの離型処理面とが接するようにして重ねること等により、得ることができる。
また、樹脂組成物を含有する溶液を基材にドクターナイフで塗工した後、塗工溶液を乾燥させた後に、セパレータを樹脂組成物の表面とセパレータの離型処理面とが接するように重ねること等により、基材を有するセパレータ付き仮固定材を得ることができる。
本発明のセパレータ付き仮固定材は、300℃以上の高温加工処理を行う被着体、特に、ポリイミド樹脂からなる被着体の保護及び仮固定に好適に用いることができる。とりわけ、半導体等の電子部品の加工時において、電子部品の取扱いを容易にし、破損したりしないようにするために、上記仮固定材を介して電子部品を支持板に固定したり、上記仮固定材を電子部品に貼付したりして保護するのに好適に用いることができる。
本発明のセパレータ付き仮固定材は、搬送等の都合からロール化を行う場合であってもセパレータの浮きの発生を抑えることができる。本発明のセパレータ付き仮固定材を用いて形成される巻回体もまた、本発明の1つである。
本発明によれば、ロール化を行う場合であってもセパレータの浮きの発生を抑えることができ、かつ、耐熱性に優れるセパレータ付き仮固定材を提供することができる。また、本発明によれば、該セパレータ付き仮固定材を用いて形成される巻回体を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(合成例1)
(マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の調製)
テフロン(登録商標)スターラーを入れた500mL容の丸底フラスコに250mLのトルエンを投入した。ダイマージアミン(クローダ社製、「プリアミン1075」)31.9g(0.06モル)、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)-ヘキサフルオロプロパン5.5g(0.015モル)、及び、4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸無水物39g(0.0765モル)をこの順に加えた。ディーンスターク管とコンデンサーをフラスコに取り付け、得られた混合物を6時間還流し、室温に冷却した。褐色の、下記式(6-1)で表される構成単位及び下記式(6-2)で表される構成単位を有する、マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(マレイミド基非含有PI)のトルエン溶液を得た。
得られたマレイミド基非含有PIについて、溶出液としてTHF、カラムとしてHR-MB-M 6.0×150mm(ウォーターズ社製)を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC、装置名:Acquity APCシステム(ウォーターズ社製))により測定したところ、重量平均分子量は78000であった。
Figure 2024045086000006
(合成例2)
(炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の調製)
テフロン(登録商標)スターラーを入れた500mL容の丸底フラスコに250mLのトルエンを投入した。次いで、トリエチルアミン35g(0.35モル)と無水メタンスルホン酸35g(0.36モル)を加えて撹拌し、塩を形成した。10分間撹拌後、ダイマージアミン(クローダ社製、プリアミン1075)56g(0.1モル)と、無水ピロメリット酸19.1g(0.09モル)をこの順に加えた。ディーンスタークトラップとコンデンサーをフラスコに取り付け、混合物を2時間還流し、アミン末端のジイミドを形成した。反応物を室温以下に冷却後、無水マレイン酸12.8g(0.13モル)を加え、次いで、無水メタンスルホン酸5g(0.05モル)を加えた。得られた混合物を、更に12時間還流した後、室温に冷却し、トルエン300mLをフラスコに加え、静置により層分離させ、不純物である下層を除去した。得られた溶液を、シリカゲルを充填したガラスフリット漏斗を通してろ過した後、溶剤を真空除去し、琥珀色ワックス状の、下記式(7)で表される両末端にマレイミド基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂(C=C官能基含有PI)を得た。
得られたC=C官能基含有PIについて、溶出液としてTHF、カラムとしてHR-MB-M 6.0×150mm(ウォーターズ社製)を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC、装置名:Acquity APCシステム(ウォーターズ社製))法により測定したところ、重量平均分子量は5000であった。
Figure 2024045086000007
式(7)中、nは、繰り返し数である。
(合成例3)
(分子内に炭素-炭素二重結合を有する官能基を2以上有し、かつ、分子量が5000以下である多官能モノマーの調製)
テフロン(登録商標)スターラーを入れた500mL容の丸底フラスコに250mLのトルエンを投入した。ダイマージアミン(クローダ社製、「プリアミン1075」)56g(0.1モル)と、無水マレイン酸19.6g(0.2モル)を加え、次いで、無水メタンスルホン酸5gを加えた。得られた溶液を12時間還流した後、室温に冷却し、トルエン300mLをフラスコに加え、静置により層分離させ、不純物である下層を除去した。得られた溶液を、シリカゲルを充填したガラスフリット漏斗を通してろ過した後、溶剤を真空除去し、茶色液状の、下記式(8)で表されるビスマレイミドモノマーを得た。
Figure 2024045086000008
(合成例4)
(アクリル系反応性樹脂の調製)
温度計、撹拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、2-エチルヘキシルアクリレート94質量部、メタクリル酸ヒドロキシエチル6質量部、ラウリルメルカプタン0.01質量部、及び、酢酸エチル80質量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン0.01質量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンを0.01質量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt-ヘキシルパーオキシピバレートを0.05質量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分55重量%、重量平均分子量50万の官能基含有アクリル系ポリマーの酢酸エチル溶液を得た。
得られた官能基含有アクリル系ポリマーを含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100質量部に対して、官能基含有不飽和化合物として2-イソシアナトエチルメタクリレート3.5質量部を加えて反応させてアクリル系反応性樹脂を得た。
得られたアクリル系反応性樹脂について、溶出液としてTHF、カラムとしてHR-MB-M 6.0×150mm(ウォーターズ社製)を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC、装置名:Acquity APCシステム(ウォーターズ社製))法により測定したところ、重量平均分子量は55万であった。
(実施例1~17、比較例1~10)
トルエン150mLに、表1、2に記載した各材料を加えて混合し、樹脂組成物のトルエン溶液を調製した。
得られた樹脂組成物のトルエン溶液を、表1、2に記載した重剥離セパレータの離型処理面上に、乾燥後の仮固定材の厚みが表1、2に示す厚みとなるようにドクターナイフで塗工した後、130℃で10分間加熱して塗工溶液を乾燥させた後に、表1、2に記載した軽剥離セパレータを、樹脂組成物の表面と軽剥離セパレータの離型処理面とが接するようにして重ねることにより、仮固定材の一方の面に重剥離セパレータを備え、他方の面に軽剥離セパレータを備えたセパレータ付き仮固定材を得た。
なお、表中に記載した各材料は、以下の通りである。
(仮固定材)
(マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂)
マレイミド基非含有PI:合成例1で得られた樹脂
(炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂)
C=C官能基含有PI:合成例2で得られた樹脂
(分子内に炭素-炭素二重結合を有する官能基を2以上有し、かつ、分子量が5000以下である多官能モノマー又は多官能オリゴマー)
ビスマレイミドモノマー:合成例3で得られたビスマレイミドモノマー
(アクリル化合物)
アクリル系反応性樹脂:合成例4で得られたアクリル系反応性樹脂
(光重合開始剤)
Omnirad819:ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(IGM Resins社製)
(シリコーン化合物)
BYK-UV3500(ビックケミー社製)
(フッ素化合物)
メガファックRS-75(DIC社製)
(架橋剤)
コロネートL:イソシアネート系架橋剤(東ソー社製)
(軽剥離セパレータ)
NS-25-C:シリコーン離型処理PETセパレータ(中本パックス社製)
SP3000:シリコーン離型処理PETセパレータ(東洋クロス社製)
LDPE:低密度ポリエチレン(タマポリ社製)
PI/C処理:カプトンフィルムに中本パックスC離型処理を行ったポリイミド
PI/G処理:カプトンフィルムに中本パックスG離型処理を行ったポリイミド
NS-50-G:シリコーン離型処理PETセパレータ(中本パックス社製)
NS-25-G:シリコーン離型処理PETセパレータ(中本パックス社製)
NS-50-C:シリコーン離型処理PETセパレータ(中本パックス社製)
PI/B処理:カプトンフィルムに中本パックスB離型処理を行ったポリイミド
PI/MA処理:カプトンフィルムに中本パックスMA離型処理を行ったポリイミド
NS-50-MA:シリコーン離型処理PETセパレータ(中本パックス社製)
(重剥離セパレータ)
SP4030:シリコーン離型処理PETセパレータ(東洋クロス社製)
PET50X:シリコーン離型処理PETセパレータ(リンテック社製)
PET25X:シリコーン離型処理PETセパレータ(リンテック社製)
SP4035:シリコーン離型処理PETセパレータ(東洋クロス社製)
SP3000:シリコーン離型処理PETセパレータ(東洋クロス社製)
なお、実施例及び比較例に用いた軽剥離セパレータ及び重剥離セパレータはすべて、片面のみに離型処理が施されているセパレータである。
また、実施例15において、セパレータとして用いた2つのSP3000は、重剥離セパレータと軽剥離セパレータとに分類できないが、表1中の「重剥離セパレータのセパレータ剥離力と軽剥離セパレータのセパレータ剥離力との差」の測定や、後述する「(セパレータ剥離性)」の評価に当たっては、一方を軽剥離セパレータ、もう一方を重剥離セパレータとして、測定及び評価を行った。
(最大荷重応力及びセパレータ剥離力)
得られたセパレータ付き仮固定材を幅2cm、ループ長さ6cmのループ状とし、ループステフネステスタ(東洋精機製作所社製)を用いて、25℃、圧縮速度3.3mm/sec、押込量20mmの条件でループステフネス試験を行った際の最大荷重応力を表1、2に示した。また、得られたセパレータ付き仮固定材について、引張試験機(島津製作所社製、「AG-IS」)を用いて、25℃、引張速度300mm/分の条件にて180°ピール試験を行った際の、軽剥離セパレータ及び重剥離セパレータのセパレータ剥離力を測定した。結果を表1、2に示した。
(300℃で10分加熱した後の仮固定材の硬化物の25℃におけるシリコンウエハに対する粘着力)
得られたセパレータ付き仮固定材から軽剥離セパレータを剥離し、厚みが725μmのシリコンウエハのミラー面に、真空ラミネーターにて、ステージ温度40℃、真空度100Pa、貼り付け圧0.5MPaの条件で貼り付けた。次いで、超高圧水銀灯を用いて、波長405nm、照射強度80mW/cmの紫外線を150秒間照射して仮固定材を硬化させた。次いで、重剥離セパレータを剥離し、シリコンウエハ側から300℃のホットプレートで10分間加熱した。
300℃10分加熱後の仮固定材の硬化物に対して、引張試験機(島津製作所社製、「AG-IS」)を用いて、25℃、50%RH、引張速度300mm/分の条件にて180°ピール試験を行い、シリコンウエハに対する粘着力を測定した。結果を表1、2に示した。
(仮固定材の硬化物の5%重量減少温度)
得られたセパレータ付き仮固定材における仮固定材について、波長405nm、照射強度80mW/cmの紫外線を150秒間照射することにより硬化させ、硬化物10mgをアルミパンに秤取した。該アルミパンを示差熱熱重量同時測定装置(日立ハイテクサイエンス社製、「STA7200」)にセットした後、窒素雰囲気下で、昇温速度10℃/分で25℃から500℃まで加熱し、仮固定材の硬化物の重量が5%減少した時点の温度を測定した。結果を表1、2に示した。
(仮固定材の硬化後のゲル分率)
得られたセパレータ付き仮固定材に波長405nm、照射強度70mW/cmの紫外線を300秒間照射することにより仮固定材を硬化させた後、硬化した仮固定材を50mm×100mmの平面長方形状に裁断して試験片を作製した。得られた試験片をトルエン中にて23℃で24時間浸漬した後、トルエンから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させた。乾燥後の試験片の質量を測定し、下記式を用いてゲル分率を算出した。なお、試験片には、仮固定材を保護するためのセパレータは積層されていないものとする。また、仮固定材が仮固定材用の基材を有さないノンサポートタイプである場合は、下記Wは0として計算した。
ゲル分率(質量%)=100×(W-W)/(W-W
(W:仮固定材用の基材の質量、W:浸漬前の試験片の質量、W:浸漬、乾燥後の試験片の質量)
<評価>
実施例及び比較例で得られたセパレータ付き仮固定材について、以下の方法により評価を行った。結果を表1、2に示した。
(耐熱性)
上述した「(仮固定材の硬化物の5%重量減少温度)」により、測定した仮固定材の硬化物の5%重量減少温度が、350℃以上であった場合を「○」、350℃未満であった場合を「×」として、耐熱性を評価した。
(ロール化)
得られたセパレータ付き仮固定材を内径6インチ、肉厚5.5mmのABSコアに50m巻き付け、24時間静置後の巻き状態を観察した。セパレータの浮き等の不良が確認されなかった場合を「○」、セパレータ浮き等の不良が確認された場合を「×」として評価した。
(セパレータ剥離性)
(軽剥離セパレータのセパレータ剥離性)
得られたセパレータ付き仮固定材を30cm×30cmに切り出した後、軽剥離セパレータを、引張試験機(島津製作所社製、「オートグラフAGS-X」)を用いて、25℃、引張速度300mm/分、剥離角度180°の条件にて剥離した。このとき重剥離セパレータと仮固定材との間に浮きが生じなかった場合を「○」、浮きが生じた場合を「△」として評価した。
(重剥離セパレータのセパレータ剥離性)
得られたセパレータ付き仮固定材を30cm×30cmに切り出した後、軽剥離セパレータを剥離し、厚みが725μmのベアシリコンウエハのミラー面に、真空ラミネーターにて、ステージ温度40℃、真空度100Pa、貼り付け圧0.5MPaの条件で貼り付け、シリコンウエハからはみ出した仮固定材をシリコンウエハの円周に沿ってカッターで切り取った。次いで、重剥離セパレータを、引張試験機(島津製作所社製、「オートグラフAGS-X」)を用いて、25℃、引張速度300mm/分、剥離角度180°の条件にて、剥離した。仮固定材とベアシリコンウエハとの間に浮きが生じなかった場合を「○」、仮固定材に浮きが生じた場合を「△」として評価した。
Figure 2024045086000009
Figure 2024045086000010
本発明によれば、ロール化を行う場合であってもセパレータの浮きの発生を抑えることができ、かつ、耐熱性に優れるセパレータ付き仮固定材を提供することができる。また、本発明によれば、該セパレータ付き仮固定材を用いて形成される巻回体を提供することができる。

Claims (22)

  1. 樹脂組成物を含有する仮固定材と、該仮固定材の少なくとも一方の面に備えたセパレータとを有するセパレータ付き仮固定材であって、
    前記セパレータ付き仮固定材を幅2cm、ループ長さ6cmのループ状とし、25℃、圧縮速度3.3mm/sec、押込量20mmの条件でループステフネス試験を行った際の最大荷重応力をAmNとし、
    前記セパレータ付き仮固定材について、引張試験機を用いて、25℃、引張速度300mm/分の条件にて180°ピール試験を行った際のセパレータ剥離力(仮固定材の両面にセパレータを有する場合は値が小さい方のセパレータ剥離力)をBmN/20mmとした場合、
    200≦A<2.2143B+400となる
    ことを特徴とするセパレータ付き仮固定材。
  2. 前記Bが10以上100以下である請求項1記載のセパレータ付き仮固定材。
  3. 前記仮固定材の両面に前記セパレータを備える請求項1又は2記載のセパレータ付き仮固定材。
  4. 前記仮固定材の両面に備えたそれぞれのセパレータについて、引張試験機を用いて、25℃、引張速度300mm/分の条件にて180°ピール試験を行った際、値が大きい方のセパレータ剥離力と値が小さい方のセパレータ剥離力との差が5mN/20mm以上である請求項3記載のセパレータ付き仮固定材。
  5. 前記値が大きい方のセパレータ剥離力が100mN/20mm以下である請求項4記載のセパレータ付き仮固定材。
  6. 前記仮固定材の300℃で10分加熱した後の25℃におけるシリコンウエハに対する粘着力が1.5N/inch以下である請求項1又は2記載のセパレータ付き仮固定材。
  7. 前記仮固定材の5%重量減少温度が350℃以上である請求項1又は2記載のセパレータ付き仮固定材。
  8. 前記樹脂組成物は、反応性樹脂を含有し、
    前記反応性樹脂は、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂を含む請求項1又は2記載のセパレータ付き仮固定材。
  9. 前記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂は、下記式(1)で表される構成単位を有する請求項8記載のセパレータ付き仮固定材。
    Figure 2024045086000011
    式(1)中、Pは、芳香族基を表し、Qは、置換又は非置換の直鎖状、分岐鎖状又は環状の脂肪族基を表す。
  10. 前記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂は、マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂を含む請求項8記載のセパレータ付き仮固定材。
  11. 前記マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂は、重量平均分子量が4万以上200万以下である請求項10記載のセパレータ付き仮固定材。
  12. 前記反応性樹脂100質量部中における前記マレイミド基を有さず、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の含有量が10質量部以上90質量部以下である請求項10記載のセパレータ付き仮固定材。
  13. 前記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂は、更に、炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂を含む請求項10記載のセパレータ付き仮固定材。
  14. 前記反応性樹脂は、更に、分子内に炭素-炭素二重結合を有する官能基を2以上有し、かつ、分子量が5000以下である多官能モノマー又は多官能オリゴマーを含む請求項10記載のセパレータ付き仮固定材。
  15. 前記多官能モノマー又は多官能オリゴマーは、ビスマレイミド化合物である請求項14記載のセパレータ付き仮固定材。
  16. 前記反応性樹脂100質量部中における前記分子内に炭素-炭素二重結合を有する官能基を2以上有し、かつ、分子量が5000以下である多官能モノマー又は多官能オリゴマーの含有量が5質量部以上90質量部以下である請求項10記載のセパレータ付き仮固定材。
  17. 前記イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂は、炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂を含む請求項8記載のセパレータ付き仮固定材。
  18. 前記反応性樹脂100質量部中における前記炭素-炭素二重結合を有する官能基を有し、かつ、イミド骨格を主鎖の繰り返し単位に有する樹脂の含有量が10質量部以上100質量部以下である請求項17記載のセパレータ付き仮固定材。
  19. 前記反応性樹脂は、更に、分子内に炭素-炭素二重結合を有する官能基を2以上有し、かつ、分子量が5000以下である多官能モノマー又は多官能オリゴマーを含む請求項17記載のセパレータ付き仮固定材。
  20. 前記多官能モノマー又は多官能オリゴマーは、ビスマレイミド化合物である請求項19記載のセパレータ付き仮固定材。
  21. 前記反応性樹脂100質量部中における前記分子内に炭素-炭素二重結合を有する官能基を2以上有し、かつ、分子量が5000以下である多官能モノマー又は多官能オリゴマーの含有量が5質量部以上90質量部以下である請求項19記載のセパレータ付き仮固定材。
  22. 請求項1又は2記載のセパレータ付き仮固定材を用いて形成される巻回体。
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