JP2023048833A - モータユニットの状態推定方法及び状態推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロータの回転角度の検出精度を高められるモータユニットの状態推定方法を提供する。【解決手段】電圧検出部302により検出される電圧値に基づきロータの磁極位置を示す第1の磁極位置を検出し、レゾルバ30により検出される信号に基づきロータの磁極位置を示す第2の磁極位置を検出し、第1の磁極位置と前記第2の磁極位置との検出タイミングにおける時間差を算出し、算出された時間差に基づいて第1の磁極位置と第2の磁極位置との回転角度の位相差を算出し、算出された位相差に基づいて、永久磁石の温度を推定する。【選択図】図1

Description

本発明は、モータユニットの状態推定方法及び状態推定装置に関する。
回転電機(モータ)は、永久磁石温度の変化により永久磁石の磁束量が変化するため、この変化を考慮した制御を行う必要がある。
特許文献1には、電動機端子電圧、電動機電流及び電動機定数から演算した誘起電圧に基づいて、永久磁石温度に対応する磁束量を推定する電動機の制御方法が開示されている。
特開平7-212915号公報
このような従来技術では、電動機定数や基準温度における誘起電圧を予め実験等により求めておく必要があるので、電動機の個体差や回転速度の変化による誤差により、推定精度が低下するという問題がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、ロータの永久磁石温度を精度高く推定できるモータユニットの状態推定方法を提供することを目的とする。
本発明のある態様によれば、巻線を有するステータ及び永久磁石を有するロータを備えるモータと、前記ロータの回転速度を検出するレゾルバと、前記ステータの巻線の電圧を検出する電圧検出部と、を有するモータユニットの状態推定装置における状態推定方法に適用される。電圧検出部により検出される電圧値に基づき、ロータの磁極位置を示す第1の磁極位置を検出し、レゾルバにより検出される信号に基づき、ロータの磁極位置を示す第2の磁極位置を検出する。第1の磁極位置と第2の磁極位置との検出タイミングにおける時間差を算出し、算出された時間差に基づいて、第1の磁極位置と第2の磁極位置との回転角度の位相差を算出し、算出された位相差に基づいて、永久磁石の温度を推定する。
本発明によれば、モータにおける実際の磁極位置である第1の磁極位置と、永久磁石の温度に応じてその回転角度が変化する第2の磁極位置との検出タイミングの時間差から位相差を算出し、この位相差に基づいて永久磁石の温度を推定する。その結果、モータの個体差や回転速度の変化による誤差の影響を受けることなく、永久磁石温度を精度高く推定することが可能となる。
図1は、本発明の実施形態のモータユニット制御装置の機能ブロック図である。 図2は、偏差の算出の説明図である。 図3は、磁石温度マップの一例の説明図である。 図4は、トルク補正マップの一例の説明図である。 図5は、変形例の制御ブロック図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態のモータユニット制御装置10の機能ブロック図である。
本実施形態のモータユニット制御装置10は、図外のコントローラより指令されるモータ1の指令トルクTeに基づき、モータ1に供給する電力を算出し、これをモータ1に供給することで、モータ1を駆動する。モータユニット制御装置10は、モータユニットの動作状態を示す状態値(例えば永久磁石温度)を推定する処理を実行するモータユニット状態推定装置として機能する。
モータ1は、例えば電動自動車に搭載され、車輪を駆動する電動機として機能する。また、モータ1は、車輪の回転による駆動力を受けて発電(回生)を行なう発電機としても機能する。なお、モータ1は、自動車以外の装置、例えば各種電気機器又は産業機械の駆動装置として用いられてもよい。
モータユニット制御装置10は、CPU、記憶装置等を備えるマイコンを有しており、記憶装置に記録されているプログラムをCPUが実行することにより、図1に示す各部の機能が実現される。なお、モータユニット制御装置10は、その一部又は全部が電子回路やASICによって各部の機能が実現されるものであってもよい。
モータユニット制御装置10は、インバータ20、レゾルバ30、PWM信号生成部40、変調率生成部50、dq-uvw変換部60、uvw-dq変換部70、d軸PI補償部90、q軸PI補償部100、電流指令値生成部110、トルク補正部120、電流センサ201及び電圧センサ202を備える。
電流指令値生成部110は、補正指令トルクTe’に基づいて、予め記憶されたトルクマップ等によりベクトル制御のための回転座標系のdq軸電流成分を求める。電流指令値生成部110は、dq軸電流成分から、それぞれd軸電流指令値idとq軸電流指令値iqとを算出する。
d軸電流成分については、減算部109においてd軸電流指令値idからモータ1に実際に流れているd軸電流idを減じた差分Δidが求められる。差分Δidはd軸PI補償部90に入力される。d軸PI補償部90は、差分Δidを減ずる方向に働くd軸電圧成分vdを算出する。
q軸電流成分については、減算部111においてq軸電流指令値iqからモータ1に実際に流れているq軸電流iqを減じた差分Δiqが求められる。差分Δiqはq軸PI補償部100に入力される。q軸PI補償部100は、差分Δiqを減ずる方向に働くq軸電圧成分vqを算出する。
このように算出されたd軸電圧成分vdとq軸電圧成分vqとが、dq-uvw変換部60に入力される。dq-uvw変換部60は、回転角度に基づいて、回転座標系のq軸、d軸の2相の電圧値を固定座標系のu、v、wの3相の電圧値に変換する。変換された3相の電圧値は、変調率生成部50により、それぞれu相変調率指令値mu、v相変調率指令値mv、w相変調率指令値mwに変換されて、PWM信号生成部40に送られる。
PWM信号生成部40は、入力されたu相変調率指令値mu、v相変調率指令値mv、w相変調率指令値mwに基づいて、インバータ20の出力を制御するための三相の変調信号Du、Dv、Dwをインバータ20に指令する。
インバータ20は、複数のパワートランジスタから構成され、この指令に基づいて、バッテリ2の直流電力を三相の交流電力に変換して、モータ1のU相、V相、W相の各相に電流を供給する。
電流センサ201は、インバータ20がモータ1に供給する実際の電流値iu、ivを検出する。uvw-dq変換部70は、検出された電流値iu、iv及び電流値iu、ivの差分から算出される電流値iwを、回転角度に基づいて、回転座標系のd軸電流id、q軸電流iqにそれぞれ変換する。変換された電流値、すなわちモータ1に実際に流れる実電流値は、前述のように減算部109、111において、d軸電流指令値id及びq軸電流指令値iqとの差分の算出に用いられる。
トルク補正部120は、ロータの永久磁石温度Thに基づくトルク補正値ΔTを算出する。算出されたトルク補正値ΔTは、減算部109に入力され、モータ1の指令トルクTeからトルク補正値ΔTを減じた値である補正指令トルクTe’が求められる。補正指令トルクTe’は電流指令値生成部110に入力されて、前述する制御が行われる。
このように、モータ1に供給する実電流値と指令トルクTeに基づく指令電流値との差によるフィードバック制御を行うことにより、指令トルクTeに応じた実トルクをモータ1に発生させることが可能となる。
モータ1が回転するとき、電流ベクトルの基準となる回転角度がレゾルバ30を用いて検出される。レゾルバ30が検出した信号は、レゾルバデジタルコンバータ(RDコンバータ)301に入力される。RDコンバータ301は、レゾルバ30が検出した信号に基づいて、ロータの回転角度を出力する。
回転角度は、dq-uvw変換部60及びuvw-dq変換部70に入力され、回転座標系と固定座標系の相互の変換が行われる。
次に、ロータの永久磁石温度Thの推定する制御について説明する。
モータ1は、その駆動により温度が上昇する。モータ1の温度が上昇するとロータの永久磁石温度も上昇する。永久磁石は、温度の上昇に伴って磁束密度が減少する特性を有しているため、モータ1を制御する際に永久磁石温度を考慮する必要がある。
一方で、ロータはステータに内装されており、ロータに埋設された永久磁石温度を直接検出することが難しいという問題がある。これに対して、ステータ巻線の電圧値及び電流値と、予め設定したモータの固有の定数とからモータ1の動作を示す状態値の一つである永久磁石温度を推定することも行われている。しかしながら、電動機の個体差や回転速度の変化による誤差により、推定精度が低下するという問題があった。
そこで、本実施形態では、以下に説明するように、電圧検出部302により検出される電圧値と、レゾルバ30により検出される信号とに基づき、永久磁石温度Thを推定するように制御した。
モータユニット制御装置10において、RDコンバータ301は、モータ1に備えたレゾルバ30が検出する信号に基づいてモータ1の磁極位置(第2の磁極位置)を検出する。このように検出される磁極位置は、ロータの永久磁石の温度変化に起因する誤差が含まれる。
このことを利用して、ステータの巻線の実際の電圧値に基づく第1の磁極位置と、レゾルバ30が検出する信号に基づき検出される第2の磁極位置との誤差を位相差θとして算出し、この位相差θに基づいて、永久磁石温度Thを推定することができる。
図1に示すように、モータユニット制御装置10は、RDコンバータ301、電圧検出部302、カウンタ303、回転速度演算部304、位相差演算部305及び磁石温度推定部306を備える。
RDコンバータ301は、レゾルバ30が出力したアナログ信号に基づき、ロータの回転角度を示すデジタル信号に変換して、これを出力する。また、RDコンバータ301は、レゾルバ30が出力したアナログ信号に基づき、ロータの磁極位置が電気角0となるタイミング(第2の磁極位置)を検出する。RDコンバータ301は、第2磁極位置を検出した場合に、第2の磁極位置信号(図2参照)が立ち上がるように出力する。
このように、レゾルバ30により検出される信号に基づき第2の磁極位置を検出することで、RDコンバータ301は第2の磁極位置検出部として機能する。
電圧検出部302は、電圧センサ202により検出されたモータ1のステータの巻線の各相の実際の電圧を示すアナログ信号を取得し、取得したアナログ信号に基づいて、ステータの巻線(U相、V相、W相)の電圧値を検出する。
電圧検出部302は、検出したいずれか一つの相(例えばU相)の電圧値から、電圧値が0となった位置(ゼロクロスポイント)を検出する。このゼロクロスポイントとは、ロータの磁極位置が電気角0となるタイミング(第1の磁極位置)である。電圧検出部302は、第1の磁極位置を検出した場合に、第1の磁極位置信号(ゼロクロス信号)が立ち上がるように出力する。
このように、電圧センサ202により検出される電圧値に基づき第1の磁極位置を検出することで、電圧検出部302は第1の磁極位置検出部として機能する。
なお、電圧検出部302は、モータ1の力行時におけるステータの巻線の電圧値を取得してもよいが、回生時など、ロータが外力により回転されられる場合に巻線に発生する誘導電圧の電圧値を取得することが望ましい。これは、モータ1の力行時はPMW制御されるインバータ20の出力電圧の変動によりステータの巻線の電圧値が影響を受けるためである。ロータが外力により回転させられる場合の誘導電圧を検出することで、ゼロクロスポイントを正確に検出できる。
カウンタ303は、所定周期(例えば0.1[ms]毎)でカウンタ値を更新している。また、カウンタ303は、RDコンバータ301が出力する第2の磁極位置信号と、電圧検出部302が出力する第1の磁極位置信号とを取得する。カウンタ303は、第1の磁極位置信号の検出タイミングと第2の磁極位置信号の検出タイミングとの間にカウントされたカウンタ値の積算値を時間差tとして算出する。
回転速度演算部304は、RDコンバータ301が出力する回転角度に基づいて、モータ1の回転速度nを算出する。
位相差演算部305は、カウンタ303が算出した時間差tと、回転速度演算部304が算出した回転速度nとから、ステータの巻線に実際に流れる電圧の検出結果により検出される第1の磁極位置と、レゾルバ30により検出される第2の磁極位置との回転角度の位相差θを算出する。
磁石温度推定部306は、位相差演算部305が算出した位相差θと回転速度演算部304が算出したモータ1の回転速度nとから、予め記憶された磁石温度テーブル(図3参照)を用いて、永久磁石温度Thを推定する。
モータユニット制御装置10は、このようにして算出された永久磁石温度Thを用いて指令トルクTeを補正し、補正された補正指令トルクTe’に基づいて、モータ1の駆動力を制御する。
次に、このように構成されたモータユニット制御装置10の磁石温度推定制御をより具体的に説明する。
図2は、本実施形態の誤差の補正制御の説明図である。
図2は、上段から、カウンタ303におけるカウンタ値、RDコンバータ301が出力する相位置信号、及び、電圧検出部302が出力するゼロクロス信号を、それぞれ時間を横軸として示されたタイムチャートである。
カウンタ303は、所定周期でカウンタ値を更新している。カウンタ303は、電圧検出部302から入力される第1の磁極位置信号の立ち上がりを検出した場合に、カウンタ値のカウントを開始する。その後、RDコンバータ301から入力される第2の磁極位置信号相位置信号の立ち上がりを検出した場合に、カウンタ値のカウントを停止する。その間のカウンタ値の積算値を算出してこれを時間差tとする。算出された時間差tは、位相差演算部305に送られる。
図2に示す例では、タイミングT0においてカウンタ303に第1の磁極位置信号が入力されたことにより、カウンタ値のカウントが開始される。その後、タイミングT1においてカウンタ303にRDコンバータ301から第2の磁極位置信号が入力されたことにより、カウンタ値のカウントが終了する。その間にカウントされた4カウント分が、第1の磁極位置信号と第2の磁極位置信号との検出タイミングの差が、時間差tとして算出される。
このように、ステータの巻線に実際に発生する誘導電圧に基づくモータ1の実際の基準位置である第1の磁極位置信号の検出タイミングに対して、レゾルバ30及びRDコンバータ301により出力される第2の磁極位置信号の検出タイミングが、時間差tを伴って取得される。
なお、カウンタ303は、カウンタ値のカウントアップが終了した場合に、その旨を示す信号を電圧検出部302に送る。電圧検出部302は、この信号を受けた場合に、第1の磁極位置信号をリセットする。
このように、第1の磁極位置信号と第2の磁極位置信号との検出タイミングの偏差である時間差tを算出することで、カウンタ303は時間差算出部として機能する。
次に、位相差演算部305での、位相差θの算出方法について説明する。位相差演算部305は、カウンタ303から時間差tが送られると、時間差tと、回転速度演算部304から出力されるモータ1の回転速度nとに基づき、次のような演算により第1の磁極位置と第2の磁極位置との回転角度における位相差θを算出する。
まず、電気角一周期Te[sec]は、モータ1の回転速度n[rpm]とモータ1の極対数pとの間で、次の数式1のような関係が成り立つ。
Figure 2023048833000002
また、位相差θ[°]は、カウンタ303が算出した時間差t[sec]と、電気角一周期Teとの間で、次の数式2のような関係が成り立つ。
Figure 2023048833000003
位相差演算部305は、これら数式1及び数式2に基づき、カウンタ303が算出した時間差tと、回転速度演算部304が算出したモータ1の回転速度nとから、次の数式3に基づいて、第1の磁極位置と第2の磁極位置との回転角度における位相差θを算出する。
Figure 2023048833000004
位相差演算部305は、演算された位相差θを、磁石温度推定部306に出力する。磁石温度推定部306は、位相差θと回転速度nと永久磁石温度Thとの関係を示す磁石温度テーブル(図3)を予め記憶しており、入力された位相差θと回転速度nとから、磁石温度テーブルに基づき、永久磁石温度Thを推定する。
図3に示す磁石温度テーブルは、位相差θが大きいほど、回転速度nが大きいほど、永久磁石温度Thが高くなるように設定されている。この磁石温度テーブルは、モータ1の構造、特にロータの永久磁石の極数や構成等に基づき、予め設定される。
磁石温度推定部306は、このようにして推定した永久磁石温度Thをトルク補正部120に出力する。トルク補正部120は、磁石温度推定部306から入力された永久磁石温度Thと回転速度演算部304から入力された回転速度nとから、予め記憶されたトルク補正テーブル(図4参照)を用いて、トルク補正値ΔTを算出する。
より詳しくは、トルク補正部120は、予め設定された基準温度とこれら入力された永久磁石温度Thと回転速度nとから、トルク補正テーブルを用いて、トルク補正値ΔTを算出する。図4に示すトルク補正テーブルは、基準温度よりも永久磁石温度Thが高いほど、かつ回転速度nが大きいほど、負の値となるように設定され、基準温度よりも永久磁石温度Thが低いほど、かつ回転速度nが大きいほど、正の値となるように設定されている。
このように算出されたトルク補正値ΔTは、減算部121に送られ、減算部121において、指令トルクTeからトルク補正値ΔTを減じることで、補正指令トルクTe’が算出される。例えば、永久磁石温度Thが基準温度に対して高い場合はマイナスの値であるトルク補正値ΔTが算出される。減算部121において、指令トルクTeからマイナスの値となるトルク補正値ΔTを減じることで、永久磁石温度Thの高さに応じて指令トルクTeが増加するように補正された補正指令トルクTe’が算出される。
なお、本実施形態における基準温度とは、モータ1が定常運転時の温度を示す値であり、例えば60[℃]に設定される。
このような制御により、永久磁石温度Thを、ステータの巻線に実際に流れる電圧の検出結果により検出される第1の磁極位置の検出タイミングと、レゾルバ30により検出される第2の磁極位置との検出タイミングとの位相差θに基づいて推定することができる。このようにして推定された永久磁石温度Thにより指令トルクTe*を補正することで、永久磁石温度Thに応じて変化する磁束密度の変化を補償できるので、モータ1を精度高く制御することができる。
なお、電圧検出部302は、ステータの各相の巻線それぞれの誘導電圧の電圧値を電圧センサ202により取得するように構成したが、これに限られず、電圧センサ202により各相の相関電圧を検出し、これに基づき誘導電圧を検出するように構成してもよい。このように構成した場合は、ゼロクロス点の位相が相電圧の位相とは異なる。そこで、相間電圧を取得するように構成した場合は、前述の位相差θの算出における数式3に換えて、次の数式4を用いるように構成される。
Figure 2023048833000005
このように、電圧センサ202が、ステータの巻線の各相の誘導電圧を直接検出できない場合において、相間電圧を検出することによっても、位相差θを算出することができる。
以上説明したように、本実施形態では、ステータ及び永久磁石を有するロータを備えるモータ1と、ロータの回転角度を検出するレゾルバ30と、ステータの巻線の電圧を検出する電圧検出部302と、を有するモータユニット制御装置10において、モータユニットの動作状態を示す状態値を推定する状態推定装置として構成される。電圧検出部302は、電圧センサ202により検出される電圧値に基づき、ロータの磁極位置を示す第1の磁極位置を検出し、RDコンバータ301は、レゾルバ30により検出される信号に基づき、ロータの磁極位置を示す第2の磁極位置を検出する。カウンタ303は、第1の磁極位置と前記第2の磁極位置との検出タイミングにおける時間差tを算出する。位相差演算部305は、この時間差tから、第1の磁極位置と前記第2の磁極位置との回転角度における位相差θを算出する。磁石温度推定部306は、算出された位相差θに基づいて、永久磁石の温度を推定する。
このような構成により、ステータの巻線の実際の電圧値に基づく第1の磁極位置に対して、ロータの永久磁石温度Thの変化に起因する誤差が含まれるレゾルバ30が検出する信号に基づき検出される第2の磁極位置との時間差tから位相差θを算出し、この位相差θに基づいて永久磁石温度Thを推定する。その結果、モータの個体差や回転速度の変化による誤差の影響を受けることなく、ロータの永久磁石温度Thを精度高く推定することができる。
そして、このようにして推定された永久磁石温度Thを用いて、モータ1の指令トルクTeを補正するので、モータ制御の精度を高めることができる。
また、本実施形態では、算出された位相差θと、磁石温度推定部306に予め記憶されている回転速度nと位相差θと永久磁石温度Thとの関係を示す磁石温度テーブルを用いて、永久磁石温度Thを推定するので、位相差θに基づいて、永久磁石温度Thを推定することができる。
また、本実施形態では、算出された時間差tと、レゾルバ30により検出された信号に基づき検出された回転速度nとに基づいて位相差θを算出するので、モータ1の回転速度に基づいた位相差θを算出することができる。
また、本実施形態では、電圧検出部302により検出される電圧値に基づき、当該電圧値がゼロとなるタイミングを第1の磁極位置として検出するので、第1の磁極位置をより正確に検出することができる。
また、本実施形態では、ロータが外力により回転させられる場合において、電圧検出部302により検出される誘導電圧の電圧値に基づき、第1の磁極位置を検出するので、モータ1の力行時に頻繁に変化するインバータ20の出力電圧ではなく、ロータの回転に依存する誘導電圧を用いることで、第1の磁極位置をより正確に検出することができる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。この変形例では、モータユニット制御装置10の状態である磁束変化量ΔΦを推定するように構成した。
図5は、本実施形態の変形例のモータユニット制御装置10の要部の機能ブロック図である。なお、図1に示す構成と同一の構成は、その説明を省略する。
図5において、モータユニット制御装置10は、減算部310と磁束変化量演算部311とを備える点において、図1で説明した構成と異なる。
減算部310は、永久磁石温度Thと前述した基準温度との磁石温度差Xと、磁石温度変化に対する磁束変化量の比例係数であるαとに基づき、次の数式(5)に基づいて、単位時間あたりの磁束変化量ΔΦを算出する。
Figure 2023048833000006
このようにして、位相差θに基づき算出された永久磁石温度Thから、単位時間あたりの磁束変化量ΔΦについても、精度高く算出することができる。磁束変化量ΔΦは、たとえばモータ1の指令トルクTeの補正や、モータ1の他の制御のために用いられる。このようにして推定された磁束変化量ΔΦを用いてモータ1の指令トルクを補正することによっても、モータ制御の精度を高めることができる。
以上本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
前述の実施形態では、モータ1が外力によって駆動される場合に、ステータの各相の巻線に発生する誘導電圧を電圧センサ202が検出したが、これに限られない。例えば、モータ1を120度通電駆動するように制御した場合は、U相、V相、W相にはそれぞれ、120度の通電期間と60度の非通電期間とが交互に発生する。そこで、いずれか一の相(例えばU相)が非通電期間である場合に、前述のように電圧センサ202が当該相の誘導電圧を検出することによって、モータ1の力行時にも第1の磁極位置を正確に検出することができる。
また、前述の実施形態では、カウンタ303が、第1の磁極位置信号と第2の磁極位置信号との検出タイミングである時間差tとして算出したが、これに限られない。第1の磁極位置信号と第2の磁極位置信号との回転角度の差を算出し、この回転角度の差に基づき、時間差tを算出するように制御してもよい。
1:モータ、10:モータユニット制御装置、30:レゾルバ、120:トルク補正部、121:減算部、202:電圧センサ、301:RDコンバータ(第2の磁極位置検出部)、302:電圧検出部(第1の磁極位置検出部)、303:カウンタ、304:回転速度演算部、305:位相差演算部、306:磁石温度推定部、310:減算部、311、磁束変化量演算部

Claims (10)

  1. 巻線を有するステータ及び永久磁石を有するロータを備えるモータと、前記ロータの回転速度を検出するレゾルバと、前記ステータの巻線の電圧を検出する電圧検出部と、を有するモータユニットの状態推定方法であって、
    前記電圧検出部により検出される電圧値に基づき、前記ロータの磁極位置を示す第1の磁極位置を検出し、
    前記レゾルバにより検出される信号に基づき、前記ロータの磁極位置を示す第2の磁極位置を検出し、
    前記第1の磁極位置と前記第2の磁極位置との検出タイミングにおける時間差を算出し、
    算出された前記時間差に基づいて、前記第1の磁極位置と前記第2の磁極位置との回転角度の位相差を算出し、
    算出された前記位相差に基づいて、前記永久磁石の温度を推定する、
    モータユニットの状態推定方法。
  2. 請求項1に記載のモータユニットの状態推定方法であって、
    算出された前記位相差及び前記レゾルバにより検出された信号に基づき算出される前記ロータの回転速度と、予め記憶された前記回転速度と前記位相差と前記永久磁石の温度との関係を示すテーブルと、に基づいて、前記永久磁石の温度を推定する、
    モータユニットの状態推定方法。
  3. 請求項1又は2に記載のモータユニットの状態推定方法であって、
    算出された前記時間差と、前記レゾルバにより検出された前記信号に基づき検出された前記ロータの回転速度とに基づいて、前記位相差を算出する、
    モータユニットの状態推定方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載のモータユニットの状態推定方法であって、
    前記電圧検出部により検出される前記電圧値に基づき、当該電圧値がゼロとなるタイミングを前記第1の磁極位置として検出する、
    モータユニットの状態推定方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一つに記載のモータユニットの状態推定方法であって、
    前記ロータが外力により回転させられる場合に、前記電圧検出部により検出される誘導電圧の電圧値に基づき、前記第1の磁極位置を検出する、
    モータユニットの状態推定方法。
  6. 請求項1から4のいずれか一つに記載のモータユニットの状態推定方法であって、
    ステータのいずれか一の相が通電されてない場合に、前記電圧検出部により検出される当該相における誘導電圧の電圧値に基づき、前記第1の磁極位置を検出する、
    モータユニットの状態推定方法。
  7. 請求項1から6のいずれか一つに記載のモータユニットの状態推定方法であって、
    推定された前記永久磁石の温度に基づいて、前記モータの指令トルクを補正する、
    モータユニットの状態推定方法。
  8. 請求項1から6のいずれか一つに記載のモータユニットの状態推定方法であって、
    算出された前記永久磁石の温度に基づいて、前記永久磁石の単位時間あたりの磁束変化量を推定する、
    モータユニットの状態推定方法。
  9. 請求項8に記載のモータユニットの状態推定方法であって、
    推定された前記磁束変化量に基づいて、前記モータの指令トルクを補正する、
    モータユニットの状態推定方法。
  10. ステータ及び永久磁石を有するロータを備えるモータと、前記ロータの回転速度を検出するレゾルバと、前記ステータの巻線の電圧を検出する電圧検出部と、を有するモータユニットの状態推定装置であって、
    前記電圧検出部により検出される電圧値に基づき、前記ロータの磁極位置を示す第1の磁極位置を検出する第1の磁極位置検出部と、
    前記レゾルバにより検出される信号に基づき、前記ロータの磁極位置を示す第2の磁極位置を検出する第2の磁極位置検出部と、
    前記第1の磁極位置と前記第2の磁極位置との検出タイミングにおける時間差を算出する時間差算出部と、
    前記算出された時間差に基づいて、前記第1の磁極位置と前記第2の磁極位置との回転角度の位相差を算出する位相差演算部と、
    算出された前記位相差に基づいて、前記ステータの前記永久磁石の温度を推定する磁石温度推定部と、を備える、
    モータユニットの状態推定装置。
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