JP7251424B2 - インバータ装置及びインバータ装置の制御方法 - Google Patents

インバータ装置及びインバータ装置の制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7251424B2
JP7251424B2 JP2019171208A JP2019171208A JP7251424B2 JP 7251424 B2 JP7251424 B2 JP 7251424B2 JP 2019171208 A JP2019171208 A JP 2019171208A JP 2019171208 A JP2019171208 A JP 2019171208A JP 7251424 B2 JP7251424 B2 JP 7251424B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
axis
voltage command
command
axis voltage
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019171208A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021048740A (ja
Inventor
賢一郎 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meidensha Corp
Original Assignee
Meidensha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meidensha Corp filed Critical Meidensha Corp
Priority to JP2019171208A priority Critical patent/JP7251424B2/ja
Publication of JP2021048740A publication Critical patent/JP2021048740A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7251424B2 publication Critical patent/JP7251424B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Inverter Devices (AREA)

Description

本発明は、インバータ装置及びインバータ装置の制御方法に関する。
一般に、PM(Permanent Magnet)モータは、回転子に永久磁石を使用しているため、励磁電流及び二次電流が生じず、誘導電動機よりも高効率な運転が可能である。
特に、永久磁石同期電動機であるPMSM(Permanent Magnet Synchronous Motor)が広く普及している。
PMSMを制御するインバータ装置として、代表的には、ベクトル制御及びV/f制御を例示することができる。
ここで、ベクトル制御には、回転子位置センサにより得られる回転子位置情報が必要であるが、回転子位置センサは熱及び振動の影響が受けやすく、耐環境性が低い。
また、回転子位置センサの設置は、コストの増加につながる。
他方で、回転子位置情報が不要なPMSMの簡便な制御方法として、V/f制御が知られている。
V/f制御は、インバータ装置の出力電圧の振幅と周波数との比を一定とする制御方法である。
V/f制御では、ベクトル制御よりも演算量が少ない。
そのため、インバータ装置の制御部を低コストのマイコンにより実現することができる。
しかしながら、V/f制御では、回転子位置の検出を行っていないため、負荷運転時に電流位相を適切に制御することが困難であり、無効電力が生じ、効率が低下するという問題があった。
従来技術の一例である非特許文献1には、電圧補正量を適切に制御することでインバータ出力電圧をモータ制御軸であるq軸と一致させて無効電力の発生を抑えることが可能な技術が開示されている。
伊東淳一,豊崎次郎,大沢博、「永久磁石同期電動機のV/f制御の高性能化」、電気学会論文誌D、2003年、Vol.122、No.3、p.253-259
しかしながら、上記の従来技術では、負荷運転時における磁気飽和の影響によってq軸のインダクタンスが変動し、無効電力の推定精度が低下する、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、永久磁石同期電動機をV/f制御で駆動するインバータ装置を、磁気飽和に対してロバストとし、且つ高効率で運転可能とする技術を提供することを目的とする。
上述の課題を解決して目的を達成する本発明は、永久磁石同期電動機をV/f制御により駆動するインバータ装置であって、回転角周波数指令に基づいてγ軸の電圧指令及びδ軸の電圧指令を生成し、下記の式(6)により算出したΔQをP演算、PI演算及びPID演算のいずれか一つにより演算することで電圧補償量指令を算出し、前記γ軸の電圧指令と、前記δ軸の電圧指令に前記電圧補償量指令を加算した前記δ軸の補正後電圧指令と、をα軸の電圧指令vα及びβ軸の電圧指令vβに座標変換し、前記α軸の電圧指令vα及び前記β軸の電圧指令vβに基づいてスイッチング素子をオンオフするゲート信号を生成し、前記式(6)のq軸インダクタンス値Lqは、下記の式(10)により算出したδ軸インダクタンスを用いて算出した、無負荷時からの前記δ軸インダクタンスの変動率を乗じることで補正された値であるインバータ装置である。
Figure 0007251424000001
Figure 0007251424000002
ただし、ω:回転角周波数指令、iγ:γ軸電流推定値、iδ:δ軸電流推定値、vγ:γ軸電圧指令、vδ:δ軸電圧指令、Lq:永久磁石同期電動機のq軸インダクタンス値、Lδ:永久磁石同期電動機のδ軸インダクタンス値、R:巻線抵抗値である。
又は、本発明は、永久磁石同期電動機をV/f制御により駆動するインバータ装置の制御方法であって、回転角周波数指令に基づいてγ軸の電圧指令及びδ軸の電圧指令を生成すること、下記の式(6)により算出したΔQをP演算、PI演算及びPID演算のいずれか一つにより演算することで電圧補償量指令を算出すること、前記γ軸の電圧指令と、前記δ軸の電圧指令に前記電圧補償量指令を加算した前記δ軸の補正後電圧指令と、をα軸の電圧指令vα及びβ軸の電圧指令vβに座標変換すること、及び前記α軸の電圧指令vα及び前記β軸の電圧指令vβに基づいてスイッチング素子をオンオフするゲート信号を生成することを含み、前記式(6)のq軸インダクタンス値Lqは、下記の式(10)により算出したδ軸インダクタンスを用いて算出した、無負荷時からの前記δ軸インダクタンスの変動率を乗じることで補正された値であるインバータ装置の制御方法である。
Figure 0007251424000003
Figure 0007251424000004
ただし、ω:回転角周波数指令、iγ:γ軸電流推定値、iδ:δ軸電流推定値、vγ:γ軸電圧指令、vδ:δ軸電圧指令、Lq:永久磁石同期電動機のq軸インダクタンス値、Lδ:永久磁石同期電動機のδ軸インダクタンス値、R:巻線抵抗値である。
本発明によれば、永久磁石同期電動機をV/f制御で駆動するインバータ装置を、磁気飽和に対してロバストとし、且つ高効率で運転することができる、という効果を奏する。
図1は、PMSMの座標系を示す図である。 図2は、V/f制御におけるインバータ装置が出力する出力電圧と、モータのd‐q軸方向との関係を示す図である。 図3は、V/f制御におけるインバータ装置が出力する出力電圧と、δ軸と、γ軸と、モータのd‐q軸と、の関係を示す図である。 図4は、V/f制御におけるインバータ装置が出力する補正後の出力電圧と、δ軸と、γ軸と、モータのd‐q軸と、の関係を示す図である。 図5は、従来技術のインバータ装置を含むシステム構成を示す図である。 図6は、上記説明した技術に係るインバータ装置の詳細を示したブロック図を含むシステム構成を示す図である。 図7は、本実施形態に係るインバータ装置が備える電圧補償量指令演算部と、無効電力推定部と、インダクタンス値補償部と、を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態について説明する。
ただし、本発明は、以下の実施形態の記載によって限定解釈されるものではない。
<実施形態1>
図1は、PMSMの座標系を示す図である。
図1に示す座標系では、PMSMの運転時にδ軸方向に相電圧の空間ベクトルが向くように設定されている。
PMSMの制御においては、回転子に設けられた磁石の磁束の発生方向がd軸方向であると定義され、このd軸と直交する誘起電圧の発生方向がq軸方向であると定義される。
ここで、q軸方向に流れるq軸方向電流iqはトルクに寄与するため有効電力を発生させ、q軸方向電流iqと直交するq軸方向に流れるd軸方向電流idが無効電力を発生させる。
したがって、d軸方向電流id=0となるように制御すると、V/f制御における最大トルク及び最大電流が得られ、モータの銅損を最小に抑えることができる。
図2は、V/f制御におけるインバータ装置が出力する出力電圧V1と、モータのd‐q軸方向との関係を示す図である。
図2においては、インバータが出力する電圧位相を基準とし、インバータが出力する電圧の軸をδ軸とし、これと直交する方向の軸をγ軸とし、以後このγδ軸をV/f制御軸と称する。
このとき、図2に示すように、モータの回転子位置を基準としたモータ制御軸であるdq軸とV/f制御軸とが異なることになる。
すなわち、インバータ装置が出力する出力電圧V1の方向と、モータのq軸方向とが一致しない。
したがって、d軸方向電流id≠0であるため、d軸方向に電流が流れてしまいモータの銅損を増加させ、これが無効電力を発生させて、インバータ装置の電力効率を低下させる。
なお、ここで、dq軸とV/f制御軸との位相差は、負荷の大きさに応じて大きくなる。
そのため、高負荷時における電力効率の低下が特に問題となる。
図3は、V/f制御におけるインバータ装置が出力する出力電圧V1と、δ軸と、γ軸と、モータのd‐q軸との関係を示す図である。
図3に示す所定の負荷角においては、出力電流I1が流れる。
図3に示す出力電流I1をd‐q軸の座標系に分解するとd軸方向にはd軸方向電流idが流れるため、無効電力が発生する。
図4は、V/f制御におけるインバータ装置が出力する補正後の出力電圧と、δ軸と、γ軸と、モータのd‐q軸と、の関係を示す図である。
ここで、d軸方向電流idによる無効電力を抑えるために、出力電圧V1に対して電圧補償量ΔVを加算し、補償量加算後出力電圧V2=V1+ΔVとする。
そして、補償量加算後出力電圧V2により流れる電流を出力電流I2とする。
出力電流I2は、モータの制御軸であるq軸と一致する。
しかしながら、V/f制御では、回転子位置の検出を行っていないため、負荷運転時に電流位相を適切に制御することが困難であり、無効電力が生じ、効率が低下するという問題があった。
そこで、上記の従来技術の一例である非特許文献1には、PMSMを所望の回転角周波数指令ωで運転するシステムにおいて、無効電力推定値Qdq,Qγδに応じてδ軸の電圧指令Vδを補正することで、効率を向上させている。
図5は、従来技術のインバータ装置を含むシステム構成を示す図である。
図5には、電圧指令演算部11と、インバータ部12と、PMSM13と、電圧補償量指令演算部14と、無効電力推定部15と、加算器16と、が示されている。
電圧指令演算部11には、図示しない制御部からの回転角周波数指令ωが入力され、電圧指令演算部11は、δ軸の電圧指令vδ及びγ軸の電圧指令vγを出力する。
ここで、一般に、V/f制御では、γ軸の電圧指令vγは、vγ=0に設定され、δ軸の電圧指令vδは、回転角周波数指令ωに比例する値に設定される。
インバータ部12には、δ軸の補正後電圧指令vδ’及びγ軸の電圧指令vγが入力され、インバータ部12は、PMSM13に三相電圧を出力する。
ここで、δ軸の補正後電圧指令vδ’は、加算器16によって、δ軸の電圧指令vδに電圧補償量指令Vcmdが加算されたものである。
インバータ部12は、δ軸の補正後電圧指令vδ’及びγ軸の電圧指令vγに基づいて三相電圧指令vuvwを生成し、三相電圧指令vuvwと三角波状のキャリア信号との比較を行い、この比較した結果に基づいてインバータ部12内のスイッチング素子をオンオフするゲート信号を生成することで、所定の振幅及び所定の周波数の三相電圧をPMSM13に出力する。
一般に、モータの制御においては、制御の簡素化のために対称三相交流を等価な二相交流に変換した、回転座標系である二相座標系が用いられる。
ここで、巻線抵抗値R、モータのd軸インダクタンス値Ld、モータのq軸インダクタンス値Lq、微分演算子p、誘起電圧定数Ke、回転角周波数指令ωを用いると、PMSM13は下記の式(1)の電圧方程式で表される。
Figure 0007251424000005
そして、モータ制御軸であるdq軸上における無効電力Qdqは、下記の式(2)で表される。
Figure 0007251424000006
上記の式(1)を上記の式(2)に代入すると、下記の式(3)が得られる。
Figure 0007251424000007
ここで、d軸方向電流id=0となるように制御すると、最大トルク及び最大電流が得られるため、id=0とし、定常状態における動作を考慮して微分演算子p=0とすると、下記の式(4)が得られる。
Figure 0007251424000008
ここで、インバータ部12の出力電流をI1とすると、d軸方向電流id=0での制御時には、I1=(iq)となる。
次に、V/f制御軸における無効電力Qγδを算出する。
V/f制御軸においても同様にしてiδ=0とすると、V/f制御軸の無効電力Qγδは下記の式(5)で表される。
Figure 0007251424000009
そして、V/f制御軸において最大トルク及び最大電流を得るためには、上記の式(4)と式(5)と、を一致させればよい。
ここで、インバータ部12の出力電流I1をV/f制御軸、すなわちγδ軸に分解すると、図3に示すように(I1)=(iγ)+(iδ)となるため、下記の式(6)を満たすように、すなわち、ΔQ=0となるようにPI(Proportional-Integral)制御を行うことで、V/f制御軸上の出力電圧V1を補正する。
Figure 0007251424000010
図6は、上記説明した技術に係るインバータ装置の詳細を示したブロック図を含むシステム構成を示す図である。
図6には、インバータ部12と、PMSM13と、電圧補償量指令演算部14と、無効電力推定部15と、加算器16と、が示されている。
図6に示すインバータ部12は、座標変換器120と、二相三相変換器122と、PWM回路及びインバータ123と、電流検出器124と、を備える。
ここで、下記の式(7)に示すように周波数指令fcmdの積分により図示しない出力電圧位相推定器により図1に示す出力電圧位相θvfを推定する。
なお、出力電圧位相θvfは、αβ軸とγδ軸との位相差である。
Figure 0007251424000011
ここで、fcmd=ω/2πは周波数指令であり、sはラプラス演算子である。
次に、出力電圧位相θvfとV/f制御軸上の回転座標のγ軸電圧指令vγ及びδ軸の電圧指令vδから固定座標軸上のα軸電圧指令vα及びβ軸電圧指令vβが算出され、これに基づいて、三相電圧指令vuvwが生成され、PWM回路及びインバータ123のゲート信号が生成される。
座標変換器120には、γ‐δ軸の電圧指令、すなわちδ軸の補正後電圧指令vδ’及びγ軸の電圧指令vγが入力され、座標変換器120は、座標変換を行って、α‐β軸の電圧指令、すなわちα‐β軸電圧指令vαβを出力する。
α‐β軸電圧指令vαβは、α軸の電圧指令vα及びβ軸の電圧指令vβを含む。
二相三相変換器122には、α‐β軸電圧指令vαβが入力され、二相三相変換器122は、α‐β軸電圧指令vαβを三相の座標系に変換することで、三相電圧指令vuvwを出力する。
PWM回路及びインバータ123には、三相電圧指令vuvwが入力され、PWM回路及びインバータ123は、三相電圧指令vuvwと三角波状のキャリア信号との比較を行い、この比較した結果に基づいてPWM回路及びインバータ123内のスイッチング素子をオンオフするゲート信号を生成することで、所定の振幅及び所定の周波数の三相電圧をPMSM13に出力する。
電流検出器124は、PWM回路及びインバータ123の出力側とPMSM13との間に配されており、三相電流を検出して三相電流検出値iuvwを出力する。
無効電力推定部15は、三相二相変換器150と、乗算器151,152,155と、加算器153と、減算器156と、乗算器154と、を備える。
三相二相変換器150には、出力電圧位相θvf及び三相電流検出値iuvwが入力され、三相二相変換器150は、三相電流検出値iuvwをγδ軸上に座標変換することで、γ軸電流推定値iγ及びδ軸電流推定値iδを出力する。
ここで、座標変換は、下記の式(8),(9)により行う。
Figure 0007251424000012
Figure 0007251424000013
乗算器151は、入力されるδ軸電流推定値iδを二乗して出力する。
乗算器152は、入力されるγ軸電流推定値iγを二乗して出力する。
加算器153は、乗算器151の出力に乗算器152の出力を加算する。
乗算器154は、加算器153の出力に回転角周波数指令ωと、モータのq軸インダクタンス値Lqと、を乗算する。
乗算器155は、δ軸の補正後電圧指令vδ’にγ軸電流推定値iγを乗算する。
減算器156は、乗算器154の出力から乗算器155の出力を減算して出力する。
すなわち、無効電力推定部15は、上記の式(6)のΔQを算出して出力している。
図6に示す電圧補償量指令演算部14は、PI制御器141を備える。
PI制御器141には、減算器156の出力が入力され、PI制御器141は、上記の式(6)のΔQが0となるように、dq軸無効電流目標値Qdq*=0が入力され、電圧補償量指令Vcmdを出力する。
そして、加算器16によって、電圧補償量指令Vcmdがδ軸の電圧指令vδに加算されてδ軸の補正後電圧指令vδ’が出力されることで、フィードバック制御が実現されている。
なお、PI制御器141に代えて、P(Proportional)演算を行うP制御器又はPID(Proportional-Integral-Differential)演算を行うPID制御器が設けられていてもよい。
以上説明したように、d軸方向電流id=0となるように制御することで、図6に示す構成において最大トルク及び最大電流が得られるとされている。
上述した構成では、モータの制御軸上の無効電力Qdqがq軸インダクタンス値Lqを用いて表現されている。
しかしながら、q軸インダクタンス値Lqは、磁気飽和の影響を受けやすい。
特に、回転子に磁石が埋め込まれた、埋め込み型同期電動機であるIPMSM(Interior Permanent Magnet Synchronous Motor)においては、負荷電流によってq軸インダクタンス値Lqの変動が顕著である。
これにより、上記の式(4)又は図6に示す無効電力推定部15におけるq軸インダクタンス値Lqの設定値と真値との間に誤差が生じてしまい、負荷時のパラメータ変動による無効電力の推定精度の低下と、これに伴うインバータ装置の高効率制御の精度の低下とが発生するおそれがある。
そこで、本実施形態では、V/f制御軸におけるδ軸インダクタンスの変動からq軸インダクタンス値Lqの変動を推定し、q軸インダクタンス値Lqを補正することで、無効電力の推定に用いるq軸インダクタンス値Lqを真値に近づける。
図7は、本実施形態に係るインバータ装置が備える電圧補償量指令演算部14と、無効電力推定部15aと、インダクタンス値補償部20と、を示す図である。
図7に示す構成のうち、図6に示す構成と同じ構成については図6と同一の符号を付している。
図7に示す無効電力推定部15aは、加算器153の出力と乗算器154の入力との間に乗算器211が追加された点のみが無効電力推定部15と異なり、その他の構成は同じである。
図7に示すインダクタンス値補償部20は、微分器201と、乗算器202,208と、乗算器203,206と、減算器204,207と、除算器205,209,210と、を備える。
はじめに、予め無負荷で行う事前運転時において、以下に示す構成と動作によって、無負荷時δ軸インダクタンス値Lδ0を算出する。
微分器201には、出力電圧位相θvfが入力され、微分器201は、出力電圧位相θvfを微分して回転角周波数ωfを出力する。
なお、回転角周波数ωfは、回転角周波数指令ωに置き換えられてもよい。
乗算器202には、回転角周波数ωf及び無負荷時γ軸電流推定値iγ0が入力され、乗算器202は、回転角周波数ωfに無負荷時γ軸電流推定値iγ0を乗算した値を出力する。
乗算器203には、無負荷時γ軸電流推定値iγ0が入力され、乗算器203は、無負荷時γ軸電流推定値iγ0に巻線抵抗値Rを乗算した値を出力する。
減算器204は、乗算器203の出力から無負荷時γ軸電圧指令vγ0を減算して出力する。
除算器205には、乗算器202の出力及び減算器204の出力が入力され、除算器205は、減算器204の出力を乗算器202の出力で除算した無負荷時δ軸インダクタンス値Lδ0を出力する。
ここで、無負荷時δ軸インダクタンス値Lδ0については、予め無負荷で行う事前運転時のパラメータとして、図示しない記憶部に記憶される。
次に、負荷運転時において、以下に示す構成と動作によって、δ軸インダクタンス値Lδを算出する。
乗算器206には、γ軸電流推定値iγが入力され、乗算器206は、γ軸電流推定値iγに巻線抵抗値Rを乗算した値を出力する。
減算器207は、乗算器206の出力からγ軸電圧指令vγを減算した値を出力する。
乗算器208には、回転角周波数ωf及びδ軸電流推定値iδが入力され、乗算器208は、回転角周波数ωfにδ軸電流推定値iδを乗算した値を出力する。
除算器209には、減算器207の出力及び乗算器208の出力が入力され、除算器209は、減算器207の出力を乗算器208の出力で除算したδ軸インダクタンス値Lδを出力する。
更に、除算器210には、除算器209の出力であるδ軸インダクタンス値Lδ及び除算器205の出力である無負荷時δ軸インダクタンス値Lδ0(前記記憶部に記憶された値)が入力され、除算器210は、除算器209の出力を除算器205の出力で除算して無負荷時からのδ軸インダクタンスの変動率を出力する。
乗算器211には、加算器153の出力及び除算器210の出力が入力され、乗算器211は、加算器153の出力に除算器210の出力を乗算した値を出力する。
次に、所定負荷時のδ軸電流推定値iδを所定負荷時δ軸電流推定値iδ1と設定し、このときのδ軸インダクタンス値Lδを所定負荷時δ軸インダクタンス値Lδ1と設定すると、所定負荷時δ軸インダクタンス値Lδ1は、この所定負荷における運転時のパラメータ及び下記の式(10)を用いて取得される。
Figure 0007251424000014
ここで、δ軸インダクタンス値Lδの変動率は、Lδ1/Lδ0となる。
そして、上記の式(6)において、無負荷時q軸インダクタンス値Lq0を公称値で設定し、δ軸電流推定値iδの変化に合わせてδ軸インダクタンス値Lδの変動率を乗算することでq軸インダクタンス値Lqが補正される。
ここで、上述のように、q軸インダクタンス値Lqの補正にδ軸インダクタンス値Lδの変動率を用いる理由を説明する。
まず、q軸インダクタンス値Lqは、下記の式(11)で表される。
Figure 0007251424000015
上記の式(10)におけるγ軸電流推定値iγの大きさと上記の式(11)におけるd軸電流推定値idの大きさの間には、概ね比例関係が成立する。
同様に、γ軸電圧指令vγの大きさとd軸電圧指令vdの大きさの間には、概ね比例関係が成立する。
また、同様に、δ軸電流推定値iδの大きさとq軸電流推定値iqの大きさの間には、概ね比例関係が成立する。
従って、負荷の変化に対してのδ軸インダクタンス値Lδの大きさとq軸インダクタンス値Lqの大きさの間には、概ね比例関係が成立する。
そのため、q軸インダクタンス値Lqの補正にδ軸インダクタンス値Lδの変動率を用いることができる。
このように、本実施形態に係るインバータ装置によれば、q軸インダクタンス値Lqの変動に応じた補正が可能である。
従って、本実施形態に係るインバータ装置によれば、磁気飽和に対してロバストとし、且つ高効率で運転することができる
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、上述した構成に対して、構成要素の付加、削除又は転換を行った様々な変形例も含むものとする。
11 電圧指令演算部
12 インバータ部
120 座標変換器
122 二相三相変換器
123 PWM回路及びインバータ
124 電流検出器
13 PMSM
14 電圧補償量指令演算部
141 PI制御器
15,15a 無効電力推定部
150 三相二相変換器
151,152,155 乗算器
153 加算器
154 乗算器
156 減算器
16 加算器
20 インダクタンス値補償部
201 微分器
202,203,206,208 乗算器
204,207 減算器
205,209,210 除算器
211 乗算器

Claims (2)

  1. 永久磁石同期電動機をV/f制御により駆動するインバータ装置であって、
    回転角周波数指令に基づいてγ軸の電圧指令及びδ軸の電圧指令を生成し、
    下記の式(6)により算出したΔQをP演算、PI演算及びPID演算のいずれか一つにより演算することで電圧補償量指令を算出し、
    前記γ軸の電圧指令と、前記δ軸の電圧指令に前記電圧補償量指令を加算した前記δ軸の補正後電圧指令と、をα軸の電圧指令vα及びβ軸の電圧指令vβに座標変換し、
    前記α軸の電圧指令vα及び前記β軸の電圧指令vβに基づいてスイッチング素子をオンオフするゲート信号を生成し、
    前記式(6)のq軸インダクタンス値Lqは、下記の式(10)により算出したδ軸インダクタンスを用いて算出した、無負荷時からの前記δ軸インダクタンスの変動率を、無負荷時q軸インダクタンス値Lq0に対して乗じることで補正された値であるインバータ装置。
    Figure 0007251424000016
    Figure 0007251424000017
    ただし、ω:回転角周波数指令、iγ:γ軸電流推定値、iδ:δ軸電流推定値、vγ:γ軸電圧指令、vδ:δ軸電圧指令、Lq:永久磁石同期電動機のq軸インダクタンス値、Lδ:永久磁石同期電動機のδ軸インダクタンス値、R:巻線抵抗値である。
  2. 永久磁石同期電動機をV/f制御により駆動するインバータ装置の制御方法であって、
    回転角周波数指令に基づいてγ軸の電圧指令及びδ軸の電圧指令を生成すること、
    下記の式(6)により算出したΔQをP演算、PI演算及びPID演算のいずれか一つにより演算することで電圧補償量指令を算出すること、
    前記γ軸の電圧指令と、前記δ軸の電圧指令に前記電圧補償量指令を加算した前記δ軸の補正後電圧指令と、をα軸の電圧指令vα及びβ軸の電圧指令vβに座標変換すること、及び
    前記α軸の電圧指令vα及び前記β軸の電圧指令vβに基づいてスイッチング素子をオンオフするゲート信号を生成することを含み、
    前記式(6)のq軸インダクタンス値Lqは、下記の式(10)により算出したδ軸インダクタンスを用いて算出した、無負荷時からの前記δ軸インダクタンスの変動率を、無負荷時q軸インダクタンス値Lq0に対して乗じることで補正された値であるインバータ装置の制御方法。
    Figure 0007251424000018
    Figure 0007251424000019
    ただし、ω:回転角周波数指令、iγ:γ軸電流推定値、iδ:δ軸電流推定値、vγ:γ軸電圧指令、vδ:δ軸電圧指令、Lq:永久磁石同期電動機のq軸インダクタンス値、Lδ:永久磁石同期電動機のδ軸インダクタンス値、R:巻線抵抗値である。
JP2019171208A 2019-09-20 2019-09-20 インバータ装置及びインバータ装置の制御方法 Active JP7251424B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019171208A JP7251424B2 (ja) 2019-09-20 2019-09-20 インバータ装置及びインバータ装置の制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019171208A JP7251424B2 (ja) 2019-09-20 2019-09-20 インバータ装置及びインバータ装置の制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021048740A JP2021048740A (ja) 2021-03-25
JP7251424B2 true JP7251424B2 (ja) 2023-04-04

Family

ID=74878859

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019171208A Active JP7251424B2 (ja) 2019-09-20 2019-09-20 インバータ装置及びインバータ装置の制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7251424B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116345942B (zh) * 2023-06-01 2023-08-25 华中科技大学 一种并网逆变器控制方法及其应用

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005184988A (ja) 2003-12-19 2005-07-07 Yaskawa Electric Corp 永久磁石型交流電動機の速度制御装置
JP5644820B2 (ja) 2012-08-17 2014-12-24 株式会社安川電機 モータ制御装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005184988A (ja) 2003-12-19 2005-07-07 Yaskawa Electric Corp 永久磁石型交流電動機の速度制御装置
JP5644820B2 (ja) 2012-08-17 2014-12-24 株式会社安川電機 モータ制御装置

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
中島 雄希,V/f制御に基づくIPMSMの最大効率制御,平成25年電気学会全国大会講演論文集 (第4分冊),日本,The Institute of Electrical Engineers of Japan,2013年03月,p.199~200

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021048740A (ja) 2021-03-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4988329B2 (ja) 永久磁石モータのビートレス制御装置
US8988027B2 (en) Motor control apparatus and motor control method
JP4989075B2 (ja) 電動機駆動制御装置及び電動機駆動システム
KR101046802B1 (ko) 교류 회전기의 제어 장치 및 이 제어 장치를 사용한 교류회전기의 전기적 정수 측정 방법
JP6367332B2 (ja) インバータ制御装置及びモータ駆動システム
JP3684203B2 (ja) モータ制御装置
US20170264227A1 (en) Inverter control device and motor drive system
KR20180030132A (ko) 드라이브 시스템 및 인버터 장치
JP6414771B2 (ja) モータ制御装置及びモータ制御方法
JP6166601B2 (ja) モータ制御装置及び発電機制御装置
KR101941976B1 (ko) 전동기 제어장치
JP5648310B2 (ja) 同期モータの制御装置、及び同期モータの制御方法
JP4596906B2 (ja) 電動機の制御装置
JP7251424B2 (ja) インバータ装置及びインバータ装置の制御方法
JP2013150498A (ja) 同期電動機の制御装置及び制御方法
JP6541092B2 (ja) 永久磁石同期電動機の制御装置
JP2016100994A (ja) モータ制御装置及び発電機制御装置
JP2016096666A (ja) モータ制御装置
KR20080019131A (ko) 전압제어기를 이용한 유도전동기 및 그 제어방법
JP6908888B2 (ja) 同期電動機の制御装置
CN111801886A (zh) 电力转换装置
KR102255250B1 (ko) 인버터 제어장치
JP7226211B2 (ja) インバータ装置及びインバータ装置の制御方法
JP6680104B2 (ja) モータの制御装置、及び、制御方法
US20230198438A1 (en) Rotary machine control device

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230306

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7251424

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150