JP5996485B2 - モータの駆動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ベクトル制御を利用したモータの駆動制御装置に関する。
従来のベクトル制御を利用したモータの駆動制御装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。
この従来のモータの駆動制御装置は、制御動作の安定性を高めながら、制御の応答性の向上を図るため、以下のように構成されている。
すなわち、非干渉制御部が、d軸電流指令値、q軸電流指令値、およびロータの回転速度に基づいてd軸電圧指令値、q軸電圧指令値のそれぞれの干渉成分を除去するd軸電圧指令補正値およびq軸電圧指令補正値を演算する。電流制御部は、d軸電圧指令補正値およびq軸電圧指令補正値を用いてd軸電圧指令値およびq軸電圧指令補正値のそれぞれの干渉成分を除去してd軸補正電圧指令値、q軸電圧補正値をそれぞれ算出する。これらの干渉成分を除去したd軸補正電圧指令値、q軸電圧補正値を2相/3相座標変換部で3相交流の座標に変換し、インバータによりモータを駆動するようにしている。
なお、干渉電圧は、d軸やq軸の電流が流れることで、これらの他方となるq軸やd軸に発生する電圧のことであり、この干渉電圧は除去することが望ましい。
特開2004−40861号公報
しかしながら、上記従来のモータの駆動制御装置には以下に説明するような問題がある。
すなわち、モータの制御にあっては、d軸とq軸の電流指令値に対して、d軸とq軸の電流はある時定数をもった一次遅れ応答となる。このため、過渡の電流応答にあっては、指令電流値と電流実測値には必ず差が発生する。
それにもかかわらず、上記従来技術では電流実測値の代わりに電流指令値を用いて干渉電圧を演算している。
この場合、過渡の電流応答にあっては指令電流値と電流実測値とに差があるため、電流指令値を用いて演算した干渉電圧値は、実際に発生した干渉電圧値とは異なった値となってしまい、過渡における非干渉制御の動作が不安定となって、過渡の電流応答が悪化する。そうすると、モータにトルクショックが発生するといった問題が生じる。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、過渡時にあっても干渉電圧値を精度よく算出することができるようにしたモータの駆動制御装置を提供することにある。
この目的のため、本発明によるモータの駆動制御装置は、
測定したモータの電流実測値を回転磁界直交座標系のd−q軸上におけるd軸電流値とq軸電流値とに変換し、実測したd軸電流実測値とd軸電流指令値との偏差、および実測したq軸電流実測値とq軸電流指令値との偏差が、ゼロになるように制御するモータの駆動装置において、
d軸電流指令値、q軸電流指令値、d軸の電流実測値、q軸電流実測値に基づいてd軸電圧指令演算値およびq軸電圧指令演算値を得る電流制御手段と、
d軸電流指令演算値のうちの低周波数成分を通過させて高周波成分を遮断する第1ローパスフィルタと、
q軸電流指令演算値のうちの低周波数成分を通過させて高周波成分を遮断する第2ローパスフィルタと、
第1ローパスフィルタの出力値および第2ローパスフィルタの出力値とd軸、q軸の電流実測値とを入力し、第1、第2ローパスフィルタの出力値とd軸、q軸の電流実測値との偏差が所定閾値以上か否かに応じて、出力値および電流実測値それぞれに対する重み付けを変更してd軸干渉電圧演算用電流値およびq軸干渉電圧演算用電流値を出力する重み付け手段と、
この重み付け手段から入力されたd軸干渉電圧演算用電流値およびq軸干渉電圧演算用電流値に基づいてd軸干渉電圧値およびq軸干渉電圧値を算出する干渉電圧算出手段と、
電流制御手段で得たd軸電圧指令演算値およびq軸電圧指令演算値から干渉電圧算出手段で算出したd軸干渉電圧値およびq軸干渉電圧値をそれぞれ減算してd軸電圧指令値およびq軸電圧指令値を得る電圧指令値算出手段と、
を備えたことを特徴とする。
また、好ましくは、重み付け手段が、第1ローパスフィルタの出力値および第2ローパスフィルタの出力値と電流実測値とのうちの一方を重み1で、また他方の重み0で重み付けする、
ことを特徴とする。
また、好ましくは、重み付け手段が、0<β<α<1を持たす係数α、βを重みとし、第1ローパスフィルタの出力値および第2ローパスフィルタの出力値と電流実測値とのうちの一方を重みαで、また他方の重みβで重み付けする、
ことを特徴とする。
本発明のモータの駆動制御装置にあっては、過渡時に電流実測値と指令電流値との間に差が生じても、過渡時での電流応答の悪化を抑制することができる。
また、重み付け手段が、第1ローパスフィルタの出力値および第2ローパスフィルタの出力値と電流実測値とのうちの一方を重み1で、また他方の重み0で重み付けするようにしたので、簡単な演算で干渉電圧を参照することができる。
また、重み付け手段が、0<β<α<1を持たす係数α、βを重みとし、第1ローパスフィルタの出力値および第2ローパスフィルタの出力値と電流実測値とのうちの一方を重みαで、また他方の重みβで重み付けするようにしたので、干渉電圧値を精度よく算出することができる
本発明の実施例1に係るモータの駆動制御装置の構成を示すブロック図である。 実施例1のモータの駆動制御装置と従来技術を比較したシミュレーション結果であり、(a)はd軸電流値の時間的変化を表す図、(b)はq軸電流値の時間的変化を表す図である。 実施例1のモータの駆動制御装置においてモータとコントローラでの干渉電圧値を比較したシミュレーション結果であり、(a)はd軸干渉電圧値の時間変化を、(b)はq軸干渉電圧値の時間変化を表した図である。 従来技術のモータの駆動制御装置においてモータとコントローラでの干渉電圧値を比較したシミュレーション結果であり、(a)はそのd軸干渉電圧値の時間変化を、(b)はq軸干渉電圧値の時間変化を表した図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
この実施例1のモータの駆動制御装置は、電気自動車やハイブリッド自動車に搭載されて、ベクトル制御を用いて車両を駆動するモータを制御する。
なお、ベクトル制御自体は周知のものと変わらない。
まず、実施例1のモータの駆動制御装置の全体構成を説明する。
図1に示すように、実施例1のモータの駆動制御装置は、モータM(本実施例では3相交流の永久磁石同期モータ)に接続され、電流指令部1と、電流制御部2と、第1減算部3と、第2減算部4と、dq/3相変換54と、デューティ演算部6と、パルス幅変調(PWM: Pulse Width Modulation)インバータ7と、第1ローパスフィルタ8と、第2ローパスフィルタ9と、第1重み付け部10と、第2重み付け部11と、干渉電圧値算出部12と、3相/dq変換部13と、速度・位置変換部14と、第1電流センサ15と、第2電流センサ16と、レゾルバ17と、を備えている。
電流指令値演算部1は、図示しないアクセルペダルの踏み込み量等に応じたトルク指令値と、速度・位置検出部7で検出した3相交流モータ11の時間当たりの回転数(回転速度ω=dθ/dt;θはモータMの回転子の電気角、tは時間)が入力され、これらの値に応じてd軸電流指令値id*およびq軸電流指令値iq*を算出し、電流制御部2へ出力する。
電流制御部2は、それぞれ入力されたd軸電流指令値id*およびq軸電流指令値iq*と、3相/dq変換部13で変換したd軸電流値idおよびq軸電流値iqとに基づいて比例・積分(PI)制御を用いてd軸電圧指令演算値vdおよびq軸電圧指令演算値vqを算出し、これらを第1減算部3および第2減算部4にそれぞれへ出力する。
なお、電流制御部2は、本発明の電流制御手段に相当する。
第1減算部3は、電流制御部2から入力されたd軸電圧指令演算値vdから、干渉電圧値算出部12で得られたd軸干渉電圧vodを減算してd軸電圧指令値vd*を得、これをdq/3相変換部5へ出力する。
同様に、第2減算部4は、電流制御部2から入力されたq軸電圧指令演算値vqから、干渉電圧値算出部12で得られたq軸干渉電圧voqを減算してq軸電圧指令値vq*を得、これをdq/3相変換部5へ出力する。
なお、第1減算部3および第2減算部4は、本発明の電圧指令値算出手段に相当する。
dq/3相変換部5は、入力されたd軸電圧指令値vd*およびq軸電圧指令値vq*と速度・位置検出部14で検出したモータMの回転子の電気角θとに基づいて、U相電圧値Vu、V相電圧値Vv、W相電圧値Vwを算出し、これらをデューティ演算部6へ出力する。
デューティ演算部6は、dq/3相変換部5から入力されたU相電圧値Vu、V相電圧値Vv、W相電圧値Vwに応じたデューティ率をそれぞれ演算し、これらのデューティ値をPWMインバータ5に出力する。
PWMインバータ7は、デューティ演算部6から入力されたU相、V相、W相の各デューティ率に応じて正弦波のU相電圧値Vu、V相電圧値Vv、W相電圧値Vwを生成し、モータMのU相の巻線、V相の巻線、W相の巻線にそれぞれ供給する。
なお、この電流の供給にあっては、PWMインバータ7とモータMのU相およびV相の2つの巻線間を流れる電流値Iu、Ivを、それぞれ検出する第1電流センサ15と第2電流センサ16が設けられている。
第1ローパスフィルタ8は、電流指令値演算部1から入力されたd軸電流指令値id*の高周波成分を遮断してその低周波成分の値id*_LPFを第1重み付け部10へ出力する。
同様に、第2ローパスフィルタ9は、電流指令値演算部1から入力されたq軸電流指令値iq*の高周波成分を遮断してその低周波成分の値iq*_LPFを第2重み付け部11へ出力する。
ここで、第1ローパスフィルタ8および第2ローパスフィルタ9は、d軸およびq軸の電流応答相当の時定数を持たせた1次遅れフィルタとしたが、これに限ることとなく、2次遅れやそれ以上の高次遅れのものでもよく、電流応答を模擬可能なフィルタであればよい。
第1重み付け部10は、第1ローパスフィルタ8から入力されたd軸低周波成分の値id*_LPFと、3相/dq変換部13から入力されたd軸電流値idとから、これらの偏差の絶対値が所定の閾値以上である場合には、電流実測であるd軸電流値Iuを、その出力値としてのd軸干渉電圧演算用電流値iodとする。また、上記偏差の絶対値が所定の閾値より小さい場合には、低周波成分の値id*_LPFを、出力値としてのq軸干渉電圧演算用電流値iodとなるようにして、各入力値に対し1と0の重み付けを行う。
このd軸干渉電圧演算用電流値iodは、干渉電圧値算出部12へ出力する。
同様に、第2重み付け部11は、第2ローパスフィルタ9から入力されたq軸低周波成分の値iq*_LPFと、3相/dq変換部13から入力されたq軸電流値iqとから、これらの偏差の絶対値が所定の閾値以上である場合には、電流実測であるq軸電流値Ivをそのq軸干渉電圧演算用電流値ioqとする。また、上記偏差の絶対値が所定の閾値より小さい場合には、低周波成分の値iq*_LPFをq軸干渉電圧演算用電流値ioqとなるようにして、各入力値に対し1と0の重み付けを行う。
この軸干渉電圧演算用電流値ioqは、干渉電圧値算出部12へ出力する。
なお、第1重み付け部10および第2重み付け部11で用いる閾値は、電流実測であるd軸電流値id、q軸電流値iqの大きさ等を考慮して予め設定しておく。
また、第1重み付け部10および第2重み付け部11は、本発明の重み付け手段に相当する。
干渉電圧値算出部12は、第1重み付け部10から入力されたd軸干渉電圧演算用電流値iodと、第2重み付け部11から入力されたq軸干渉電圧演算用電流値ioqと、速度・位置検出部14から入力された回転速度ωとから、非干渉制御を実行して、d軸干渉電圧vodとq軸干渉電圧voqとを算出し、これらをそれぞれ第1減算部3と第2減算部4へ出力する。
ここで、干渉電圧値算出部12は、本発明の干渉電圧算出手段に相当する。
ここで、上記非干渉制御では、d軸電流が流れ込むことでq軸電圧に発生する干渉電圧、およびq軸電流が流れ込むことでd軸電圧に発生する干渉電圧を除去して、d軸側とq軸側をで互いに独立した制御を行うことを可能とするものであり、そのため、干渉電圧値算出部12では、干渉電圧を求める。
なお、干渉電圧は、それぞれvod=ωLqiq、voq=-ωLdid-ωφaとなる。
ここで、Lqはq軸側のインダクタンス、Ldはd軸側のインダクタンス、φaは1相当りの永久磁石の電機子鎖交磁束である。
3相/dq変換部13は、第1電流センサ15で検出したU相電流値Iuと、第2電流センサ16で検出したV相電流値Ivと、速度・位置検出部14で検出したモータMの電気角θとに基づいて、測定したU相電流値IuおよびV相電流値Ivをd軸電流値idおよびq軸電流値iqへと変換し、これらを電流制御部2へ出力する。
リゾルバ17は、モータMに取り付けられて、モータMの回転子の位置を検出し、この検出信号を、速度・位置検出部14へ出力する。
速度・位置検出部14は、レゾルバ17で測定した電気角信号に基づいてモータMの電気角θおよびその回転速度ωを検出し、電気角θをdq/3相変換部5と3相/dq変換部13とへ出力し、回転速度ωを電流指令値演算部1へ出力する。
次に、上記のように構成した実施例1のモータ制御装置の作用について、説明する。
なお、モータMのベクトル制御は、ベクトル量として電流とトルクが比例するような制御構成をとるものであって、この制御については、周知であるので、ここでは非干渉制御を中心に説明する。
運転者によるアクセルペダルの踏み込み量等に応じて、電流指令値演算部1が、d軸電流指令値id*とq軸電流指令値iq*を演算し、電流演算部2と、第1ローパスフィルタ8および第2ローパスフィルタ9にそれぞれ出力する。
電流制御部2では、電流指令値演算部1から入力されたd軸電流指令値id*およびq軸電流指令値iq*と、3相/dq変換部13で変換されたd軸電流値idおよびq軸電流値iqと、が入力されて、これら電流値の偏差がゼロになるように電流フィードバックが行われ、d軸電圧値vdおよびq軸電圧値vqが算出されて、これらをそれぞれ第1減算部3と第2減算部4へ出力する。
一方、第1ローパスフィルタ8と第2ローパスフィルタ9では、それぞれ電流指令値演算部1から入力されたd軸電流指令値id*とq軸電流指令値iq*とを、電流応答に相当するように予め設定した時定数で決まる低周波数成分(値はそれぞれid*_LPF、iq*_LPF)を、第1重み付け部10と第2重み付け部11とへ出力する。
低周波数成分の値id*_LPF、iq*_LPFは、d電流指令値id*、q電流指令値iq*の1次遅れ分であり、これらは、それぞれ入力された第1重み付け部10と第2重み付け部11とで、以下のように重み付けがなされる。
すなわち、第1重み付け部10と第2重み付け部11とでは、上記入力された値id*_LPF、iq*_LPFと、さらに3相/dq変換部13から入力されたd軸電流値id、q軸電流値iq(これらは電流実測に相当する)とからこれらの偏差id*_LPF-id、iq*_LPF-iqの絶対値をそれぞれ算出する。
そして、これらの絶対値と所定の閾値とが比較され、絶対値が閾値以上である場合、すなわち指令電流値と電流実測値との間にある程度以上の大きな偏差が発生している場合には、モータMの電流の一次遅れ応答に起因した過渡の電流差が生じていると判断して、電流実測値であるd軸電流値id、q軸電流値iqをそれぞれd軸干渉電圧演算用電流値iod、q軸干渉電圧演算用電流値ioqとして干渉電圧値算出部12へ出力する。
すなわち、この場合には、電流実測であるd軸電流値id、q軸電流値iqに対し重みを1とし、低周波数成分の値id*_LPF、iq*_LPFに対する重みは0とすることになる。
一方、上記絶対値が上記閾値より小さいときは、上記の場合とは逆に、第1重み付け部10と第2重み付け部11とは、電流実測値であるd軸電流値id、q軸電流値iqに対し重みを0とし、低周波数成分の値id*_LPF、iq*_LPFに対する重みを1とする結果、それぞれ低周波数成分の値id*_LPF、iq*_LPFを、それぞれd軸干渉電圧演算用電流値iod、q軸干渉電圧演算用電流値ioqとして干渉電圧値算出部12へ出力する。
干渉電圧値算出部12では、第1重み付け部10、第2重み付け部11から入力されたd軸干渉電圧演算用電流値iod、q軸干渉電圧演算用電流値ioqと、速度・位置検出部14から入力された回転速度ωと、から非干渉制御を行って、d軸干渉電圧vod、q軸干渉電圧voqをそれぞれ算出し、これらを第1減算器3と第2減算器4へ出力する。
第1減算器3では、d軸電流指令値id*からd軸干渉電圧vodを減算してd軸電圧指令値vd*を得、これをdq/3相変換部5へ入力する。
同様に、第2減算器4では、q軸電流指令値iq*からq軸干渉電圧voqを減算してq軸電圧指令値vq*を得、これをdq/3相変換部5へ入力する。
dq/3相変換部5では、第1減算器3および第2減算器4から入力されたd軸電圧指令値vd*およびq軸電圧指令値vq*と、速度・位置検出部14から入力されたモータMの回転子の電気角θとから、U相電圧値Vu、V相電圧値Vv、W相電圧値Vwを算出し、これらをデューティ演算部6に入力する。
デューティ演算部6では、dq/3相変換部5からそれぞれ入力されたU相電圧値Vu、V相電圧値Vv、W相電圧値Vwを作り出すのに必要なデューティ率を演算しってPWMインバータ7へ出力する。
PWMインバータ7では、デューティ演算部6から入力された各デューティ率に応じてU相電圧値Vu、V相電圧値Vv、W相電圧値Vwを作り出し、モータMのU相、V相、W相の各巻線にそれぞれ供給して、モータMを駆動制御する。
ここで、上記モータ駆動制御装置のシミュレーションを行った結果について、以下に説明する。
まず、シミュレーションの条件として、電流制御のモータ定数誤差がない場合、すなわち、電流実測が設計値と同じ値となる (id*_LPF=id、iq*_LPF=iq) 場合をシュミレーションした。
また、電流制御は、PI制御で行い、電流制御の応答定数の設計値を4msとし、各ローパスフィルタ8、9をその応答時定数の設計値が4msの1次ローパスフィルタとし、モータMの定数と電流制御で使用するモータMの定数を同じ値とし(すなわち、電流制御のモータ定数誤差なし)、d軸電流指令値を-300Aから-400Aへのステップ指令値とし、q軸電流指令値iq*-350Aから-450Aへのステップ指令値とし、モータMの回転速度ωを2,000r.p.m.とした。
また、電流指令値id*、iq*と電流実測id、iqとの偏差を比較する所定の閾値を5Aとした。
このときのシミュレーション結果を、図2〜図4に示す。
図2(a)は横軸が時間[秒(s)]で縦軸がd電流値id[アンペア(A)]でd電流値idの時間変化を表し、同図(b)は横軸が時間[秒(s)]で縦軸がq電流値iq[アンペア(A)]でq電流値iqの時間変化を表わす。
なお、同図において、実施例1を実線で、従来技術を一点鎖線で、電流指令値を破線で、設計値を2点鎖線で示す。
これらの図から分かるように、従来技術のものではd軸電流値id、q軸電流値iqは設定値から大きくオーバーシュートしているのに対し、実施例1のものではd軸電流値id、q軸電流値iqはほぼ設定値と同じ値になり過渡応答が改善されていることが分かる。
また、図3(a)、図4(a)は横軸が時間[秒(s)]で縦軸がd軸干渉電圧値vod[ボルト(V)]で実施例1でのd軸干渉電圧値vodの時間変化を表し、図3(b)、図4(b)は横軸が時間[秒(s)]で縦軸がq軸干渉電圧値voq[ボルト(V)]で実施例1でのq軸干渉電圧値voqの時間変化を表わす。ここで、図3は実施例1のももを、図4は従来技術によるものをそれぞれ表している。
なお、同図において、モータMの実干渉電圧値を実線で、実施例1のコントローラ(第1、第2ローフィルタ8、9〜非干渉電圧値算出部12)で得られた干渉電圧値を一点鎖線でそれぞれ示す。
これらの図から分かるように、従来技術のものでは図4に示すように、算出した干渉電圧vod、yoqは、電流実測値Iu、Ivとd軸干渉電圧演算用電流値iod、q軸干渉電圧演算用電流値ioqとに偏差があるため、モータMの実干渉電圧値からずれてしまうのに対し、実施例1のものにあっては、図5に示すように、算出した干渉電圧vod、yoqは、電流実測値Iu、Ivとd軸干渉電圧演算用電流値iod、q軸干渉電圧演算用電流値ioqと偏差がほとんどないため、モータMの実干渉電圧値からずれない。
以上説明したように、実施例1のモータの駆動制御装置は、以下の特徴を得ることができる。
すなわち、実施例1のモータの駆動制御装置では、d軸電流指令値id*、q軸電流指令値iq*を、第1、第2ローパスフィルタ8、9で1次遅れ分となる低周波数成分の値id*_LPF、iq*_LPFを取り出し、第1、第2重み付け部9、10でそれらの値と電流実測値id、iqとの偏差が所定の閾値以上になるか否かで、それらの値id*_LPF、iq*_LPFと電流実測値id、iqとに重み付けを変えてd軸、q軸干渉電圧演算用電流値iod、ioqを得、これらに基づき、干渉電圧値算出部12で干渉電圧vod、voqを算出し、第1、第2減算器3、4でd軸、q軸電圧指令値vd*、vdq*を得るようにしたので、過渡時に電流実測値と指令電流値との間に差が生じても、過渡時での電流応答の悪化を抑制することができる。
また、第1重み付け部10と第2重み付け部11での重み付けは、一方の重みを1とし、他方の重みを0としたので、簡単な演算で重み付けができる。
次に、本発明の実施例2に係るモータの制御装置について、以下に説明する。
実施例2のモータの制御装置は、図1に示した実施例1のモータの制御装置と同じ行成を有するが、第1重み付け部10と第2重み付け部11で行う重み付けのやり方が実施例1のものと異なる。
すなわち、実施例2での第1重み付け部10と第2重み付け部11では、実施例での重み1、0に代えて、係数αとβを用いた下記式によりd軸干渉電圧演算用電流値iodとq軸干渉電圧演算用電流値ioqを求める。
まず、電流指令値id*、iq*と電流実測id、iqとの差の絶対値が所定の閾値以上ある場合には、
iod=α・id*_LPF+β・id
ioq=α・iq*_LPF+β・idPF+β・iq
とする。
ここで、係数α、βは、以下の条件に従うものとする。
0<β<α<1
また、電流指令値id*、iq*と電流実測id、iqとの差の絶対値が所定の閾値より小さい場合には、
iod=β・id*_LPF+α・id
ioq=β・iq*_LPF+β・idPF+α・iq
とする。
その他の構成は、実施例1と同じである。
実施例2では、実施例1と同様に、過渡に電流実測値と指令電流値との間に差が生じても、過渡時での電流応答の悪化を抑制することができるのに加え、重みをより最適な値に設定できるので、干渉電圧値の算出精度をさらに向上させることができる。
以上、本発明を上記実施例に基づき説明してきたが、本発明は上記実施例に限られず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更等があった場合でも、本発明に含まれる。
M モータ
1 電流指令値演算部
2 電流制御部(電流制御手段)
3 第1減算器(電圧指令値算出手段)
4 第2減算器(電圧指令値算出手段)
5 dq/3相変換部
6 デューティ演算部
7 パルス幅変調インバータ
8 第1ローパスフィルタ
9 第2ローパスフィルタ
10 第1重み付け部(重み付け手段)
11 第2重み付け部(重み付け手段)
12 干渉電圧値算出部(干渉電圧算出手段)
13 3相/dq変換部
14 速度・位置検出部
15 第1電流センサ
16 第2電流センサ
17 レゾルバ

Claims (3)

  1. 測定したモータの電流実測値を回転磁界直交座標系のd−q軸上におけるd軸電流値とq軸電流値とに変換し、実測したd軸電流実測値とd軸電流指令値との偏差、および実測したq軸電流実測値とq軸電流指令値との偏差が、ゼロになるように制御するモータの駆動装置において、
    前記d軸電流指令値、前記q軸電流指令値、前記d軸の電流実測値、前記q軸電流実測値に基づいてd軸電圧指令演算値およびq軸電圧指令演算値を得る電流制御手段と、
    前記d軸電流指令演算値のうちの低周波数成分を通過させて高周波成分を遮断する第1ローパスフィルタと、
    前記q軸電流指令演算値のうちの低周波数成分を通過させて高周波成分を遮断する第2ローパスフィルタと、
    前記第1ローパスフィルタの出力値および前記第2ローパスフィルタの出力値と前記d軸、q軸の電流実測値とを入力し、前記第1、第2ローパスフィルタの出力値と前記d軸、q軸の電流実測値との偏差が所定閾値以上か否かに応じて、前記出力値および前記電流実測値それぞれに対する重み付けを変更してd軸干渉電圧演算用電流値およびq軸干渉電圧演算用電流値を出力する重み付け手段と、
    前記重み付け手段から入力されたd軸干渉電圧演算用電流値およびq軸干渉電圧演算用電流値に基づいてd軸干渉電圧値およびq軸干渉電圧値を算出する干渉電圧算出手段と、
    前記電流制御手段で得たd軸電圧指令演算値およびq軸電圧指令演算値から前記干渉電圧算出手段で算出したd軸干渉電圧値およびq軸干渉電圧値をそれぞれ減算してd軸電圧指令値およびq軸電圧指令値を得る電圧指令値算出手段と、
    を備えたことを特徴とするモータの駆動制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータの駆動制御装置において、
    記重み付け手段は、前記第1ローパスフィルタの出力値および前記第2ローパスフィルタの出力値と前記電流実測値とのうちの一方を重み1で、また他方の重み0で重み付けする、
    ことを特徴とするモータの駆動制御装置。
  3. 請求項1に記載のモータの駆動制御装置において、
    前記重み付け手段は、0<β<α<1を持たす係数α、βを重みとし、前記第1ローパスフィルタの出力値および前記第2ローパスフィルタの出力値と前記電流実測値とのうちの一方を重みαで、また他方の重みβで重み付けする、
    ことを特徴とするモータの駆動制御装置。
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