JP2023044392A - 弾性波素子、弾性波フィルタ装置およびマルチプレクサ - Google Patents

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Abstract

【課題】弾性波素子の共振周波数よりも低周波側にて発生するリップルを低減する。【解決手段】弾性波素子10は、IDT電極11と反射器12とを備える。複数の反射電極指12aの電極指ピッチは、複数の櫛歯電極指11a、11bの電極指ピッチpiより大きく、反射電極指12aと櫛歯電極指(例えば11a)との中心間距離は、複数の反射電極指12aの電極指ピッチの0.9倍以下である。IDT電極11に最も近い反射電極指から数えた反射電極指を順に第kの反射電極指とし、IDT電極11に対して最も離れた反射電極指を第(n+1)の反射電極指とし、第kの反射電極指と第(k+1)の反射電極指との間の電極指ピッチを第kの電極指ピッチpkとしたとき、第1の電極指ピッチp1から第kの電極指ピッチpkまでの電極指ピッチの値は、第(k+1)の電極指ピッチpk+1から第nの電極指ピッチpnまでの電極指ピッチの値よりも小さい。【選択図】図2

Description

本発明は、弾性波素子、弾性波フィルタ装置およびマルチプレクサに関する。
近年、携帯電話のデータ伝送速度を向上させるために、マルチバンドシステムが用いられている。その際、複数の周波数帯域の送受信を行う場合があるため、携帯電話のフロントエンド回路には、異なる周波数帯域の高周波信号を通過させる複数のフィルタ装置が配置される。この場合、上記フロントエンド回路に許容される実装スペースには制約があるため、上記複数のフィルタ装置には、小型化、隣接バンドとの高アイソレーションおよび通過帯域の低損失性が要求される。
特許文献1には、伝送特性を改善する弾性表面波装置の構成が開示されている。より具体的には、上記弾性表面波装置は、IDT電極および反射器を有する複数の弾性表面波共振子を備えた回路構成を有している。上記回路構成では、IDT電極に最も近い反射器の電極指と、反射器に最も近いIDT電極の電極指との弾性波伝搬方向における中心間距離が、反射器電極の電極指ピッチで規定される波長の0.45倍以下となっている。この構成により、弾性波共振子の共振周波数よりも低周波側において反射損失が増加することを抑制している。
国際公開第2018/168836号
特許文献1に記載された弾性表面波共振子では、弾性波共振子の共振周波数よりも低周波側において反射損失が増加することを抑制できるが、低周波側の一部の帯域では反射損失を抑制できず、リップルが表れてしまうことがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、弾性波素子の共振周波数よりも低周波側にて発生するリップルを低減できる弾性波素子、弾性波フィルタ装置およびマルチプレクサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る弾性波素子は、圧電性基板と、前記圧電性基板上に形成され、複数の櫛歯状電極を有するIDT電極と、弾性波伝搬方向において前記IDT電極の隣りに配置された反射器と、を備え、前記櫛歯状電極は、前記弾性波伝搬方向に対して交差する方向に延びる電極指である櫛歯電極指を複数有し、前記反射器は、前記弾性波伝搬方向に対して交差する方向に延びる電極指である反射電極指を複数有し、前記IDT電極および前記反射器に含まれるそれぞれの複数の前記電極指において、前記弾性波伝搬方向に隣り合う前記電極指同士の中心間距離を電極指ピッチとしたとき、複数の前記反射電極指の電極指ピッチは、複数の前記櫛歯電極指の電極指ピッチより大きく、複数の前記反射電極指のうち前記IDT電極に最も近い反射電極指と、複数の前記櫛歯電極指のうち前記反射器に最も近い櫛歯電極指との前記弾性波伝搬方向における中心間距離は、複数の前記反射電極指の電極指ピッチの0.9倍以下であり、前記IDT電極に最も近い反射電極指から数えて前記IDT電極に対して離れる方向の前記反射電極指を順に第kの反射電極指(kは1以上の整数)とし、前記IDT電極に対して最も離れた前記反射電極指を第(n+1)の反射電極指(nはkより大きい整数)とし、前記第kの反射電極指と第(k+1)の反射電極指との間の電極指ピッチを第kの電極指ピッチとしたとき、第1の電極指ピッチから前記第kの電極指ピッチまでの電極指ピッチの値は、前記第(k+1)の電極指ピッチから第nの電極指ピッチまでの電極指ピッチの値よりも小さい。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る弾性波フィルタ装置は、上記の弾性波素子を含む。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るマルチプレクサは、上記の弾性波フィルタ装置を含む複数のフィルタを備え、前記複数のフィルタのそれぞれの入力端子および出力端子の一方は、共通端子に直接的または間接的に接続され、前記弾性波フィルタ装置を除く前記複数のフィルタの少なくとも1つは、前記弾性波フィルタ装置の通過帯域の周波数より高い通過帯域を有する。
本発明に係る弾性波素子、弾性波フィルタ装置およびマルチプレクサによれば、弾性波素子の共振周波数よりも低周波側にて発生するリップルを低減することが可能となる。
弾性波素子の電極構成を模式的に表す平面図および断面図である。 実施の形態1に係る弾性波素子のIDT電極および反射器のそれぞれの電極指を示す図である。 比較例1の弾性波素子のIDT電極および反射器を示す図である。 実施例1の弾性波素子のIDT電極および反射器を示す図である。 実施例1および比較例1の弾性波素子の挿入損失を示す図である。 実施例2の弾性波素子のIDT電極および反射器を示す図である。 従来の弾性波素子の挿入損失の一例を示す図である。 実施例2において反射器の電極指ピッチを変えた場合のリップルの改善量を示す図である。 実施例3の弾性波素子のIDT電極および反射器を示す図である。 実施例3において反射器の電極指ピッチを変えた場合のリップルの改善量を示す図である。 実施例4の弾性波素子のIDT電極および反射器を示す図である。 実施例1、実施例4および比較例の弾性波素子の挿入損失を示す図である。 実施例5において反射器の電極指ピッチを変えた場合のリップルの改善量を示す図である。 実施例6において反射器の電極指ピッチを変えた場合のリップルの改善量を示す図である。 実施例7において反射器の電極指ピッチを変えた場合のリップルの改善量を示す図である。 実施例8において反射器の電極指ピッチを変えた場合のリップルの改善量を示す図である。 実施の形態2に係る弾性波フィルタ装置の回路構成を示す図である。 実施の形態3に係るマルチプレクサおよびその周辺回路の回路構成図である。
以下、本発明の実施の形態について図表を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施例は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施例で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。以下の実施例における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面に示される構成要素の大きさまたは大きさの比は、必ずしも厳密ではない。
(実施の形態1)
[弾性波素子の構成]
本実施の形態に係る弾性波素子10の構成について説明する。
図1は、弾性波素子10の電極構成を模式的に表す平面図および断面図である。同図に示された弾性波素子10は、圧電性基板100と、電極110と、保護膜113とで形成され、これらの構成要素で構成されたIDT(InterDigital Transducer)電極11と、反射器12と、を備える。弾性波素子10は、IDT電極11、反射器12、および圧電性基板100で構成された弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)共振子である。
なお、図1に示された弾性波素子10は、その典型的な構造を説明するためのものであって、電極を構成する電極指の本数や長さなどは、これに限定されない。
IDT電極11および反射器12を構成する電極110は、図1の断面図に示すように、密着層111と主電極層112との積層構造となっている。
密着層111は、圧電性基板100と主電極層112との密着性を向上させるための層であり、材料として、例えば、Tiが用いられる。
主電極層112は、材料として、例えば、Cuを1%含有したAlが用いられる。
保護膜113は、電極110を覆うように形成されている。保護膜113は、主電極層112を外部環境から保護する、周波数温度特性を調整する、および、耐湿性を高めるなどを目的とする層であり、例えば、二酸化ケイ素(SiO)を主成分とする膜である。
なお、密着層111、主電極層112および保護膜113を構成する材料は、上述した材料に限定されない。さらに、電極110は、上記積層構造でなくてもよい。電極110は、例えば、Ti、Al、Cu、Pt、Au、Ag、Pdなどの金属または合金から構成されてもよく、また、上記の金属または合金から構成される複数の積層体から構成されてもよい。また、保護膜113は、形成されていなくてもよい。
圧電性基板100は、例えば、θ°YカットX伝搬LiNbO圧電単結晶または圧電セラミックス(X軸を中心軸としてY軸からZ軸方向にθ°回転した軸を法線とする面で切断したニオブ酸リチウム単結晶またはセラミックスであって、X軸方向に弾性表面波が伝搬する単結晶またはセラミックス)からなる。
なお、圧電性基板100は、少なくとも一部に圧電体層を有する基板であってもよく、圧電体層を有する積層構造であってもよい。圧電性基板100は、例えば、高音速支持基板と、低音速膜と、圧電体層とを備え、高音速支持基板、低音速膜および圧電体層がこの順で積層された構造を有していてもよい。以下、高音速支持基板、低音速膜および圧電体層の構成について説明する。
圧電体層は、例えば、θ°YカットX伝搬LiNbO圧電単結晶または圧電セラミックス(X軸を中心軸としてY軸からZ軸方向にθ°回転した軸を法線とする面で切断したニオブ酸リチウム単結晶またはセラミックスであって、X軸方向に弾性表面波が伝搬する単結晶またはセラミックス)からなる。
高音速支持基板は、低音速膜、圧電体層ならびに電極110を支持する基板である。高音速支持基板は、さらに、圧電体層を伝搬する表面波や境界波の弾性波よりも、高音速支持基板中のバルク波の音速が高速となる基板であり、弾性表面波を圧電体層および低音速膜が積層されている部分に閉じ込め、高音速支持基板より下方に漏れないように機能する。高音速支持基板は、例えば、シリコン基板である。なお、高音速支持基板は、(1)窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、シリコン、サファイア、リチウムタンタレート、リチウムニオベイト、または水晶等の圧電体、(2)アルミナ、ジルコニア、コージライト、ムライト、ステアタイト、またはフォルステライト等の各種セラミック、(3)マグネシアダイヤモンド、(4)上記各材料を主成分とする材料、ならびに、(5)上記各材料の混合物を主成分とする材料、のいずれかで構成されていてもよい。
低音速膜は、圧電体層を伝搬する弾性波の音速よりも、低音速膜中のバルク波の音速が低速となる膜であり、圧電体層と高音速支持基板との間に配置される。この構造と、弾性波が本質的に低音速な媒質にエネルギーが集中するという性質とにより、弾性表面波エネルギーのIDT電極外への漏れが抑制される。低音速膜は、例えば、二酸化ケイ素(SiO)を主成分とする膜である。
圧電性基板100の上記積層構造によれば、圧電性基板100を単層で使用している構造と比較して、共振周波数および***振周波数における弾性波共振子のQ値を大幅に高めることが可能となる。すなわち、Q値が高い弾性表面波共振子を構成し得るので、当該弾性表面波共振子を用いて、挿入損失が小さいフィルタを構成することが可能となる。
なお、高音速支持基板は、支持基板と、圧電体層を伝搬する表面波や境界波の弾性波よりも伝搬するバルク波の音速が高速となる高音速膜とが積層された構造を有していてもよい。この場合、支持基板は、サファイア、リチウムタンタレート、リチウムニオベイト、水晶等の圧電体、アルミナ、マグネシア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、ジルコニア、コージライト、ムライト、ステアタイト、フォルステライト等の各種セラミック、ガラス等の誘電体またはシリコン、窒化ガリウム等の半導体及び樹脂基板等を用いることができる。また、高音速膜は、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、DLC膜またはダイヤモンド、上記材料を主成分とする媒質、上記材料の混合物を主成分とする媒質等、様々な高音速材料を用いることができる。
なお、圧電性基板100の上記積層構造において例示した各層の材料などは一例であり、例えば、要求される高周波伝搬特性のうち重視すべき特性に応じて変更されるものである。
図1の平面図に示すように、IDT電極11は、互いに対向する一対の櫛歯状電極11Aおよび11Bを有している。櫛歯状電極11Aは、弾性波伝搬方向と交差する方向に延びるように配置された複数の櫛歯電極指11aと、複数の櫛歯電極指11aのそれぞれの一端同士を接続するバスバー電極11cとで構成されている。櫛歯状電極11Bは、弾性波伝搬方向と交差する方向に延びるように配置された複数の櫛歯電極指11bと、複数の櫛歯電極指11bのそれぞれの一端同士を接続するバスバー電極11cとで構成されている。複数の櫛歯電極指11a、11bの各々の電極指は、弾性波伝搬方向に交互に並ぶよう配置される。
反射器12は、IDT電極11と上記弾性波伝搬方向に隣り合って配置されている。反射器12は、上記弾性波伝搬方向と交差する方向に延びるように配置された複数の反射電極指12aと、複数の反射電極指12aの一端同士を接続するバスバー電極12cとで構成されている。反射器12は、複数設けられ、弾性波伝搬方向におけるIDT電極11の両外側に1つずつ配置されている。
図2は、本実施の形態の弾性波素子10のIDT電極11および反射器12を示す図である。図2には2つの反射器12のうちの一方の反射器12が示されている。図2に示されていない他方の反射器12は、弾性波伝搬方向において、一方の反射器12に対して鏡映対称となるように配置されている。
本実施の形態の弾性波素子10では、反射器12に含まれる複数の反射電極指12aの電極指ピッチが、IDT電極11に含まれる複数の櫛歯電極指11a、11bの電極指ピッチpiよりも大きくなっている。
なお、電極指ピッチとは、IDT電極11および反射器12に含まれるそれぞれの複数の電極指において、弾性波伝搬方向に隣り合う電極指同士の中心間距離である。
例えば、IDT電極11内における複数の櫛歯電極指11a、11bの電極指ピッチが異なる場合、櫛歯電極指11a、11bの電極指ピッチpiは、複数の櫛歯電極指11a、11bの電極指ピッチの全ての平均値で表される。言い換えると、IDT電極11における電極指ピッチpiは、例えば、複数の櫛歯電極指11a、11bの両端の中心間距離を、(複数の櫛歯電極指11a、11bの総本数-1)で除算することで求められる。
例えば、反射器12内における複数の反射電極指12aの電極指ピッチが異なる場合、反射電極指12aの電極指ピッチは、複数の反射電極指12aの電極指ピッチの平均値で表される。なお、複数の櫛歯電極指11a、11bの電極指ピッチpiの2倍が、IDT電極11の波長であるIDT波長に該当する。複数の反射電極指12aの電極指ピッチの2倍が、反射器12の波長である反射器波長に該当する(図1参照)。
また、本実施の形態の弾性波素子10では、図2に示すIDT-反射器ギャップ(IRGAP)が、複数の反射電極指12aの電極指ピッチの0.9倍以下(反射器波長の0.45倍以下)になっている。なお、IDT-反射器ギャップとは、複数の櫛歯電極指11aおよび11bのうち反射器12に最近接する櫛歯電極指(図2では11a)と、複数の反射電極指12aのうちIDT電極11に最近接する反射電極指12aとの、弾性波伝搬方向における中心同士の距離(中心間距離)である。
さらに、本実施の形態の弾性波素子10は、以下に示す特徴的な構成を有している。
ここで、IDT電極11に最も近い反射電極指12aから数えてIDT電極11に対して離れる方向の反射電極指12aを順に第kの反射電極指(kは1以上の整数)とする。また、IDT電極11に対して最も離れた反射電極指12aを、第(n+1)の反射電極指(nはkより大きい整数)とする。なお、n+1は、反射電極指12aの総本数に該当する。また、第kの反射電極指12aと第(k+1)の反射電極指12aとの間の電極指ピッチを第kの電極指ピッチpと定義する。
上記定義の下、本実施の形態の弾性波素子10は、第1の電極指ピッチpから第kの電極指ピッチpまでの電極指ピッチの値が、第(k+1)の電極指ピッチpk+1から第nの電極指ピッチpまでの電極指ピッチの値よりも小さい、という構成を有している。この構成によれば、弾性波素子10の共振周波数よりも低周波側にて発生するリップルを低減することが可能である。
以下、本実施の形態に係る弾性波素子10の上記構成および効果について、実施例および比較例を対比させながら説明する。
[実施例1]
実施例1および比較例1の弾性波素子について、図3~図5を参照しながら説明する。なお、以下に示す複数の実施例および比較例において、反射器の電極指ピッチは、IDT電極の電極指ピッチpiより大きく、IDT-反射器ギャップ(IRGAP)は、反射器の電極指ピッチの0.9倍以下である。
図3は、比較例1の弾性波素子510のIDT電極511および反射器512を示す図である。図3の(a)には、IDT電極511および反射器512のそれぞれの電極指が示され、(b)には、IDT電極511および反射器512のそれぞれの電極指ピッチの値がグラフで示されている。
図3に示すように、比較例1では、隣り合う反射電極指512aの電極指ピッチが、IDT電極11の電極指ピッチpiの1.152倍である。このように比較例1では、反射器512における電極指ピッチが、全て同じ値になっている。なお、反射器512の反射電極指512aの総本数は21本である。
図4は、実施例1の弾性波素子10のIDT電極11および反射器12を示す図である。図4の(a)には、IDT電極11および反射器12のそれぞれの電極指が示され、(b)には、IDT電極11および反射器12のそれぞれの電極指ピッチの値がグラフで示されている。
実施例1の反射器12では、第2の電極指ピッチpが、IDT電極11の電極指ピッチpiの1.047倍である。また、第2の電極指ピッチpを除く第1~第9の電極指ピッチp、p~pのそれぞれが、IDT電極11の電極指ピッチpiの1.026倍である。また、第10~第20の電極指ピッチp10~p20のそれぞれが、IDT電極11の電極指ピッチpiの1.152倍である。なお、反射器12の反射電極指12aの総本数は21本である。
すなわち、実施例1では、k=9およびn+1=21である条件において、第1の電極指ピッチpから第kの電極指ピッチpの電極指ピッチの値が、第(k+1)の電極指ピッチpk+1から第nの電極指ピッチpの電極指ピッチの値よりも小さくなっている。また、実施例1では、第2の電極指ピッチpの値が、第2の電極指ピッチpを除く第1の電極指ピッチpから第kの電極指ピッチpまでの電極指ピッチの値よりも大きく、かつ、第(k+1)の電極指ピッチpk+1から第nの電極指ピッチpまでの電極指ピッチの値よりも小さくなっている。
図5は、実施例1および比較例1の弾性波素子の挿入損失を示す図である。同図には、縦軸の下側に向かうほど反射損失が大きくなることが示されている。
図5に示すように、比較例1では、弾性波素子の共振周波数frよりも低周波側で、3つのリップルA、B、Cが発生している。それに対し実施例1では、各リップルA、B、Cの発生が抑制されている。このように、反射器12において、第1の電極指ピッチp~第kの電極指ピッチpの電極指ピッチの値を、第(k+1)の電極指ピッチpk+1~第nの電極指ピッチpの電極指ピッチの値よりも小さくすることで、弾性波素子10の共振周波数frよりも低周波側に発生するリップルA~Cを低減することができる。
[実施例2]
実施例2の弾性波素子10Aについて、図6~図8を参照しながら説明する。実施例2では、第1の電極指ピッチpから第kの電極指ピッチpのうちの1つの電極指ピッチの値を変えた例について説明する。
図6は、実施例2の弾性波素子10AのIDT電極11および反射器12を示す図である。図6の(a)には、IDT電極11および反射器12のそれぞれの電極指が示され、(b)には、IDT電極11および反射器12のそれぞれの電極指ピッチの値がグラフで示されている。なお、反射器12の反射電極指12aの総本数は21本である。
実施例2の反射器12では、k=9およびn+1=21である条件において、第kの電極指ピッチpが、IDT電極11の電極指ピッチpiの1.026倍、すなわち実施例1の第2の電極指ピッチp(=1.047pi)の0.98倍である。また、第kの電極指ピッチpを除く他の電極指ピッチp~pk-1、pk+1~pが、IDT電極11の電極指ピッチpiの1.152倍である。
図7は、従来の弾性波素子の挿入損失の一例を示す図である。同図には、縦軸の下側に向かうほど反射損失が大きくなることが示されている。
図7には、弾性波素子の共振周波数frよりも低周波側で発生する3つのリップルA、B、Cが示されている。各リップルA、B、Cの中では、共振周波数frの近くに位置するリップルAおよびBの発生を抑制することが効果的であると考えられる。なお、同図の例ではリップルCの発生量は小さいが、電極指ピッチの条件を変えるときは、小さなリップルCが大きくなり過ぎないようにすることが望ましい。
図8は、実施例2において反射器12の電極指ピッチを変えた場合のリップルA、B、Cの改善量を示す図である。リップルA、B、Cの改善量とは、図7に示す従来の弾性波共振子にて発生するリップルA、B、Cのそれぞれに対する改善量である。図8の縦軸のプラス方向は、リップルA~Cが小さくなって損失が減る方向であり、マイナス方向は、リップルA~Cが大きくなって損失が増える方向である。
図8に示すように、第1の電極指ピッチpから第9の電極指ピッチpのうちの1つの電極指ピッチを、他の電極指ピッチよりも小さくすることで、リップルAおよびBを小さくすることができる。具体的には、第1の電極指ピッチpから第9の電極指ピッチpのうちの1つの電極指ピッチをIDT電極11の電極指ピッチpiの1.026倍にし、他の電極指ピッチをIDT電極11の電極指ピッチpiの1.152倍にすることで、損失を減らすことができる。一方で、第kの電極指ピッチのkの値が10になると、リップルの改善量が小さくなっている。したがって、電極指ピッチを変えるのは、第9の電極指ピッチpまでで十分である。
また、図8に示すように、第2の電極指ピッチpを変えると、リップルの改善量が大きく変化している。例えば、第2の電極指ピッチpを他の電極指ピッチよりも小さくすることで、リップルAおよびBを小さくすることができるが、その反面、リップルCの損失が増加する。そのため、第2の電極指ピッチpは、実施例1の第2の電極指ピッチp(=1.047pi)の値を変えずに維持することが望ましい。
[実施例3]
実施例3の弾性波素子10Bについて、図9および図10を参照しながら説明する。実施例3では、IDT電極11から最も離れた反射電極指12aの電極指ピッチを含む複数の電極指ピッチを変えた例について説明する。
図9は、実施例3の弾性波素子10BのIDT電極11および反射器12を示す図である。図9の(a)には、IDT電極11および反射器12のそれぞれの電極指が示され、(b)には、IDT電極11および反射器12のそれぞれの電極指ピッチの値がグラフで示されている。なお、反射器12の反射電極指12aの総本数は21本である。
実施例3の反射器12では、n+1=21である条件において、第nの電極指ピッチpから第kの電極指ピッチpまでの全ての電極指ピッチの値が、IDT電極11の電極指ピッチpiの1.152倍、すなわち実施例1の第2の電極指ピッチp(=1.047pi)の1.1倍である。また、残りの電極指ピッチである、第(k-1)の電極指ピッチpk-1から第1の電極指ピッチpまでの全ての電極指ピッチの値が、IDT電極11の電極指ピッチpiの1.026倍である。なお、第nの電極指ピッチpから第kの電極指ピッチpまでの全ての電極指ピッチの値を変えたのは、第nの電極指ピッチpから第kの電極指ピッチpのうちの1つの電極指ピッチの値を変えただけでは、挿入損失に大きな変化が表れなかったからである。
図10は、実施例3において反射器12の電極指ピッチを変えた場合のリップルA、B、Cの改善量を示す図である。
図10に示すように、第20の電極指ピッチp20から第17の電極指ピッチp17までの全ての電極指ピッチの値を変えても、リップルA、BおよびCの値は、ほとんど変化しない。具体的には、第20の電極指ピッチp20から第17の電極指ピッチp17までの全ての電極指ピッチの値をIDT電極11の電極指ピッチpiの1.152倍にし、他の電極指ピッチをIDT電極11の電極指ピッチpiの1.026倍にしても、損失を減らすことはできない。したがって、反射器12の反射電極指12aのうち、IDT電極11に対して離れた位置にある反射電極指12aの電極指ピッチを変えても、損失を減らす効果は小さい。
[実施例4]
実施例4の弾性波素子10Cについて、図11および図12を参照しながら説明する。実施例4では、IDT電極11から最も近い反射電極指12aの電極指ピッチを含む複数の電極指ピッチを変えた例について説明する。
図11は、実施例4の弾性波素子10CのIDT電極11および反射器12を示す図である。図11の(a)には、IDT電極11および反射器12の平面図が示され、(b)には、IDT電極11および反射器12の電極指ピッチの値がグラフで示されている。なお、反射器12の反射電極指12aの総本数は21本である。
実施例4の反射器12では、n+1=21である条件において、第1の電極指ピッチpから第kの電極指ピッチpまでの全ての電極指ピッチの値が、IDT電極11の電極指ピッチpiの1.026倍である。また、残りの電極指ピッチの範囲である、第(k+1)の電極指ピッチp(k+1)から第nの電極指ピッチpまでの全ての電極指ピッチの値が、IDT電極11の電極指ピッチpiの1.152倍である。すなわち、実施例4は、第2の電極指ピッチpの値も、第2の電極指ピッチpを除く第1~第kの電極指のピッチp~pと同じになっている点で、実施例1と異なっている。
図12は、実施例1、実施例4および比較例の弾性波素子の挿入損失を示す図である。
図12に示すように、実施例4は、比較例よりもリップルAおよびBの大きさが小さくなっている。このように、実施例4では、弾性波素子10Cの共振周波数よりも低周波側にて発生するリップルA、Bを低減することができる。
また、実施例1は、実施例4よりも、周波数1920MHz~1960MHzの間における挿入損失が小さくなっている。実施例1のように、第2の電極指ピッチpの値を、第2の電極指ピッチpを除く第1~第kの電極指ピッチp~pの電極指ピッチの値よりも大きく、かつ、第(k+1)の電極指ピッチpk+1から第nの電極指ピッチpまでの電極指ピッチの値よりも小さくすることで、弾性波素子10の共振周波数よりも低周波側にて発生するリップルA、Bをさらに低減することができる。
[実施例5]
実施例5の弾性波素子について説明する。実施例5では、反射器12の反射電極指12aの総本数が11本である場合において、第1の電極指ピッチpから第kの電極指ピッチpのうちの1つの電極指ピッチの値を変えた例について説明する。
図13は、実施例5において反射器12の電極指ピッチを変えた場合のリップルA、B、Cの改善量を示す図である。
図13に示すように、第1の電極指ピッチpから第9の電極指ピッチpのうちの1つの電極指ピッチを、他の電極指ピッチよりも小さくすることで、リップルAおよびBを小さくすることができる。具体的には、第1の電極指ピッチpから第9の電極指ピッチpのうちの1つの電極指ピッチをIDT電極11の電極指ピッチpiの1.026倍にし、他の電極指ピッチをIDT電極11の電極指ピッチpiの1.152倍にすることで、損失を減らすことができる。一方で、第kの電極指ピッチのkの値が10になると、リップルの改善量が小さくなっている。したがって、電極指ピッチを変えるのは、第9の電極指ピッチpまでにすることが望ましい。
また、図13に示すように、第2の電極指ピッチpを変えると、リップルの改善量が大きく変化している。例えば、第2の電極指ピッチpを他の電極指ピッチよりも小さくすることで、リップルAおよびBを小さくすることができるが、その反面、リップルCの損失が増加する。そのため、第2の電極指ピッチpは、実施例1の第2の電極指ピッチp(=1.047pi)の値を変えずに維持することが望ましい。
[実施例6]
実施例6の弾性波素子について説明する。実施例6では、反射器12の反射電極指12aの総本数が11本である場合において、IDT電極11から最も離れた反射電極指12aの電極指ピッチを含む複数の電極指ピッチを変えた例について説明する。
図14は、実施例6において反射器12の電極指ピッチを変えた場合のリップルA、B、Cの改善量を示す図である。
図14に示すように、第10の電極指ピッチp10の電極指ピッチの値を変えても、リップルA、BおよびCの値は、ほとんど変化しない。具体的には、第10の電極指ピッチp10の値をIDT電極11の電極指ピッチpiの1.152倍にし、他の電極指ピッチをIDT電極11の電極指ピッチpiの1.026倍にしても、損失を減らすことはできない。したがって、反射器12の反射電極指12aのうち、IDT電極11に対して離れた位置にある反射電極指12aの電極指ピッチを変えても、損失を減らす効果は小さい。
[実施例7]
実施例7の弾性波素子について説明する。実施例7では、反射器12の反射電極指12aの総本数が41本である場合において、第1の電極指ピッチpから第kの電極指ピッチpのうちの1つの電極指ピッチの値を変えた例について説明する。
図15は、実施例7において反射器12の電極指ピッチを変えた場合のリップルA、B、Cの改善量を示す図である。
図15に示すように、第1の電極指ピッチpから第9の電極指ピッチpのうちの1つの電極指ピッチを、他の電極指ピッチよりも小さくすることで、リップルAおよびBを小さくすることができる。具体的には、第1の電極指ピッチpから第9の電極指ピッチpのうちの1つの電極指ピッチをIDT電極11の電極指ピッチpiの1.026倍にし、他の電極指ピッチをIDT電極11の電極指ピッチpiの1.152倍にすることで、損失を減らすことができる。一方で、第kの電極指ピッチのkの値が10になると、リップルの改善量が小さくなっている。したがって、電極指ピッチを変えるのは、第9の電極指ピッチpまでにすることが望ましい。
また、図15に示すように、第2の電極指ピッチpを変えると、リップルの改善量が大きく変化している。例えば、第2の電極指ピッチpを他の電極指ピッチよりも小さくすることで、リップルAおよびBを小さくすることができるが、その反面、リップルCの損失が増加する。そのため、第2の電極指ピッチpは、実施例1の第2の電極指ピッチp(=1.047pi)の値を変えずに維持することが望ましい。
[実施例8]
実施例8の弾性波素子について説明する。実施例8では、反射器12の反射電極指12aの総本数が41本である場合において、IDT電極11から最も離れた反射電極指12aの電極指ピッチを含む複数の電極指ピッチを変えた例について説明する。
図16は、実施例8において反射器12の電極指ピッチを変えた場合のリップルA、B、Cの改善量を示す図である。
図16に示すように、第40の電極指ピッチp40から第31の電極指ピッチp31までの全ての電極指ピッチの値を変えても、リップルA、BおよびCの値は、ほとんど変化しない。具体的には、第40の電極指ピッチp40から第31の電極指ピッチp31までの全ての電極指ピッチの値をIDT電極11の電極指ピッチpiの1.152倍にし、他の電極指ピッチをIDT電極11の電極指ピッチpiの1.026倍にしても、損失を減らすことはできない。したがって、反射器12の反射電極指12aのうち、IDT電極11に対して離れた位置にある反射電極指12aの電極指ピッチを変えても、損失を減らす効果は小さい。
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1に係る弾性波素子10を用いた弾性波フィルタ装置について説明する。実施の形態1に係る弾性波素子10を用いて、弾性波フィルタ装置を構成することにより、通過帯域内の挿入損失が劣化することを抑制できる。
図17は、実施の形態2に係る弾性波フィルタ装置1の回路構成を示す図である。
図17に示すように、弾性波フィルタ装置1は、入力端子50および出力端子60と、入力端子50と出力端子60との間に接続された直列腕共振子S1、S2、S3およびS4と、入力端子50と出力端子60とを結ぶ経路上のノードおよびグランドに接続された並列腕共振子P1、P2、P3およびP4と、を備えている。実施の形態1の弾性波素子10は、直列腕共振子S1~S4のそれぞれに用いられている。本実施の形態の弾性波フィルタ装置1では、通過帯域において挿入損失が劣化することを抑制できる。
(実施の形態3)
図18は、実施の形態3に係るマルチプレクサ5およびその周辺回路(アンテナ4)の回路構成図である。同図に示されたマルチプレクサ5は、弾性波フィルタ装置1と、フィルタ3と、共通端子70と、入出力端子81および82と、を備える。
弾性波フィルタ装置1は、弾性波フィルタ装置1の入力端子50が共通端子70に接続され、弾性波フィルタ装置1の出力端子60が入出力端子81に接続されている。
フィルタ3は、共通端子70および入出力端子82に接続されている。フィルタ3は、例えば、並列腕共振子および直列腕共振子を有するラダー型の弾性波フィルタであるが、LCフィルタなどであってもよく、その回路構成は特に限定されない。
ここで、弾性波フィルタ装置1の通過帯域は、フィルタ3の通過帯域よりも低周波側に位置する。
なお、弾性波フィルタ装置1とフィルタ3とは、図18に示すように共通端子70に直接接続されていなくてもよく、例えば、インピーダンス整合回路、移相器、サーキュレータ、または、2以上のフィルタを選択可能なスイッチ素子、を介して共通端子70に間接的に接続されていてもよい。
また、本実施の形態では、マルチプレクサ5として、2つのフィルタが共通端子70に接続された回路構成としたが、共通端子70に接続されるフィルタの数は2つに限定されず、3以上であってもよい。つまり、本発明に係るマルチプレクサは、弾性波フィルタ装置1を含む複数のフィルタを備え、当該複数のフィルタのそれぞれの入力端子および出力端子の一方は、共通端子に直接的または間接的に接続され、弾性波フィルタ装置1を除く複数のフィルタの少なくとも1つは、弾性波フィルタ装置1の通過帯域の周波数より高い通過帯域を有していてもよい。
(まとめ)
本実施の形態に係る弾性波素子10は、圧電性基板100と、圧電性基板100上に形成され、複数の櫛歯状電極11A、11Bを有するIDT電極11と、弾性波伝搬方向においてIDT電極11の隣りに配置された反射器12と、を備える。櫛歯状電極11A、11Bは、弾性波伝搬方向に対して交差する方向に延びる電極指である櫛歯電極指11a、11bを複数有する。反射器12は、弾性波伝搬方向に対して交差する方向に延びる電極指である反射電極指12aを複数有する。IDT電極11および反射器12に含まれるそれぞれの複数の電極指において、弾性波伝搬方向に隣り合う電極指同士の中心間距離を電極指ピッチとしたとき、複数の反射電極指12aの電極指ピッチは、複数の櫛歯電極指の電極指ピッチpiより大きく、複数の反射電極指12aのうちIDT電極11に最も近い反射電極指12aと、複数の櫛歯電極指11a、11bのうち反射器12に最も近い櫛歯電極指との弾性波伝搬方向における中心間距離は、複数の反射電極指12aの電極指ピッチの0.9倍以下である。IDT電極11に最も近い反射電極指12aから数えてIDT電極11に対して離れる方向の反射電極指12aを順に第kの反射電極指(kは1以上の整数)とし、IDT電極11に対して最も離れた反射電極指12aを第(n+1)の反射電極指(nはkより大きい整数)とし、第kの反射電極指と第(k+1)の反射電極指との間の電極指ピッチを第kの電極指ピッチpとしたとき、第1の電極指ピッチpから第kの電極指ピッチpまでの電極指ピッチの値は、第(k+1)の電極指ピッチpk+1から第nの電極指ピッチpまでの電極指ピッチの値よりも小さい。
このように、反射器12において、第1の電極指ピッチpから第kの電極指ピッチpまでの電極指ピッチの値を、第(k+1)の電極指ピッチpk+1から第nの電極指ピッチpまでの電極指ピッチの値よりも小さくすることで、弾性波素子10の共振周波数よりも低周波側にて発生するリップルを低減することができる。
また、第2の電極指ピッチpを除く第1の電極指ピッチpから第kの電極指ピッチpまでの電極指ピッチの値は、第(k+1)の電極指ピッチpk+1から第nの電極指ピッチpまでの電極指ピッチの値よりも小さくてもよい。
上記の構成によれば、例えば実施例1に示すリップルA、Bの発生を抑制できる。これにより、弾性波素子10の共振周波数よりも低周波側にて発生するリップルを低減することができる。
また、第2の電極指ピッチpの値は、第2の電極指ピッチpを除く第1の電極指ピッチpから第kの電極指ピッチpまでの電極指ピッチの値よりも大きく、第(k+1)の電極指ピッチpk+1から第nの電極指ピッチpまでの電極指ピッチの値よりも小さくてもよい。
上記の構成によれば、例えば図12の実施例1に示すように、実施例4よりも挿入損失をさらに減らすことができる。これにより、弾性波素子10の共振周波数よりも低周波側にて発生するリップルを低減することができる。
また、複数の反射電極指12aの本数は、11本以上であり、第kの電極指ピッチのkは9であってもよい。
上記の構成によれば、例えば実施例1、5および7に示すリップルA、Bの発生を抑制できる。これにより、弾性波素子10の共振周波数よりも低周波側にて発生するリップルを低減することができる。
本実施の形態に係る弾性波フィルタ装置1は、上記の弾性波素子10を含む。
これによれば、弾性波素子10の共振周波数よりも低周波側にて発生するリップルを低減することができる弾性波フィルタ装置1を提供することができる。
また、弾性波フィルタ装置1は、さらに、入力端子50および出力端子60と、入力端子50と出力端子60とを結ぶ経路上のノードおよびグランドに接続された並列腕共振子P1~P4と、を備え、弾性波素子10は、入力端子50と出力端子60との間に接続された直列腕共振子S1~S4であってもよい。
上記構成によれば、弾性波フィルタ装置1は、直列腕共振子S1~S4および並列腕共振子P1~P4で構成されたラダー型の弾性波フィルタを構成し、上記弾性波素子10が直列腕共振子S1~S4に適用される。これにより、弾性波フィルタ装置1の通過帯域を構成する直列腕共振子S1~S4の共振周波数よりも低周波側にて、挿入損失が増加することを抑制できる。
本実施の形態に係るマルチプレクサ5は、上記の弾性波フィルタ装置1を含む複数のフィルタを備え、複数のフィルタのそれぞれの入力端子および出力端子の一方は、共通端子70に直接的または間接的に接続され、弾性波フィルタ装置1を除く複数のフィルタの少なくとも1つは、弾性波フィルタ装置1の通過帯域の周波数より高い通過帯域を有していてもよい。
上記の弾性波フィルタ装置1では、通過帯域よりも高周波側の減衰帯域の減衰量を大きくできる。これにより、弾性波フィルタ装置1の通過帯域よりも高周波側の通過帯域を有するフィルタの通過帯域内の挿入損失を低減できるマルチプレクサ5を提供することができる。
(その他の実施の形態など)
以上、本発明の実施の形態に係る弾性波素子、弾性波フィルタ装置およびマルチプレクサについて、実施の形態および実施例を挙げて説明したが、本発明の弾性波素子、弾性波フィルタ装置およびマルチプレクサは、上記実施の形態および実施例に限定されるものではない。上記実施の形態および実施例における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、上記実施の形態に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる実施例や、本発明の弾性波素子、弾性波フィルタ装置およびマルチプレクサを内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
例えば、本発明に係る弾性波フィルタ装置1は、さらに、インダクタおよびキャパシタなどの回路素子を備えてもよい。
また、本発明に係る弾性波素子は、実施の形態1のような弾性表面波共振子でなくてもよく、弾性境界波を利用した弾性波共振子であってもよい。
本発明は、マルチバンド化およびマルチモード化された周波数規格に適用できる低損失かつ小型の弾性波素子、弾性波フィルタ装置およびマルチプレクサとして、携帯電話などの通信機器に広く利用できる。
1 弾性波フィルタ装置
3 フィルタ
4 アンテナ
5 マルチプレクサ
10 弾性波素子
11 IDT電極
11A、11B 櫛歯状電極
11a、11b 櫛歯電極指
11c バスバー電極
12 反射器
12a 反射電極指
12c バスバー電極
50 入力端子
60 出力端子
81、82 入出力端子
70 共通端子
100 圧電性基板
110 電極
111 密着層
112 主電極層
113 保護膜
、pi 電極指ピッチ
P1、P2、P3、P4 並列腕共振子
S1、S2、S3、S4 直列腕共振子

Claims (7)

  1. 圧電性基板と、
    前記圧電性基板上に形成され、複数の櫛歯状電極を有するIDT電極と、
    弾性波伝搬方向において前記IDT電極の隣りに配置された反射器と、
    を備え、
    前記櫛歯状電極は、前記弾性波伝搬方向に対して交差する方向に延びる電極指である櫛歯電極指を複数有し、
    前記反射器は、前記弾性波伝搬方向に対して交差する方向に延びる電極指である反射電極指を複数有し、
    前記IDT電極および前記反射器に含まれるそれぞれの複数の前記電極指において、前記弾性波伝搬方向に隣り合う前記電極指同士の中心間距離を電極指ピッチとしたとき、
    複数の前記反射電極指の電極指ピッチは、複数の前記櫛歯電極指の電極指ピッチより大きく、
    複数の前記反射電極指のうち前記IDT電極に最も近い反射電極指と、複数の前記櫛歯電極指のうち前記反射器に最も近い櫛歯電極指との前記弾性波伝搬方向における中心間距離は、複数の前記反射電極指の電極指ピッチの0.9倍以下であり、
    前記IDT電極に最も近い反射電極指から数えて前記IDT電極に対して離れる方向の前記反射電極指を順に第kの反射電極指(kは1以上の整数)とし、
    前記IDT電極に対して最も離れた前記反射電極指を第(n+1)の反射電極指(nはkより大きい整数)とし、
    前記第kの反射電極指と第(k+1)の反射電極指との間の電極指ピッチを第kの電極指ピッチとしたとき、
    第1の電極指ピッチから前記第kの電極指ピッチまでの電極指ピッチの値は、前記第(k+1)の電極指ピッチから第nの電極指ピッチまでの電極指ピッチの値よりも小さい
    弾性波素子。
  2. 第2の電極指ピッチを除く前記第1の電極指ピッチから前記第kの電極指ピッチまでの電極指ピッチの値は、前記第(k+1)の電極指ピッチから前記第nの電極指ピッチまでの電極指ピッチの値よりも小さい
    請求項1に記載の弾性波素子。
  3. 前記第2の電極指ピッチの値は、前記第2の電極指ピッチを除く前記第1の電極指ピッチから前記第kの電極指ピッチまでの電極指ピッチの値よりも大きく、前記第(k+1)の電極指ピッチから前記第nの電極指ピッチまでの電極指ピッチの値よりも小さい
    請求項2に記載の弾性波素子。
  4. 複数の前記反射電極指の本数は、11本以上であり、
    前記第kの電極指ピッチのkは9である
    請求項1~3のいずれか1項に記載の弾性波素子。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の弾性波素子を含む
    弾性波フィルタ装置。
  6. 前記弾性波フィルタ装置は、さらに、
    入力端子および出力端子と、
    前記入力端子と前記出力端子とを結ぶ経路上のノードおよびグランドに接続された並列腕共振子と、を備え、
    前記弾性波素子は、前記入力端子と前記出力端子との間に接続された直列腕共振子である
    請求項5記載の弾性波フィルタ装置。
  7. 請求項6に記載の弾性波フィルタ装置を含む複数のフィルタを備え、
    前記複数のフィルタのそれぞれの入力端子および出力端子の一方は、共通端子に直接的または間接的に接続され、
    前記弾性波フィルタ装置を除く前記複数のフィルタの少なくとも1つは、前記弾性波フィルタ装置の通過帯域の周波数より高い通過帯域を有する
    マルチプレクサ。
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