JP2022079075A - コンベアのトラッキング補正システム及びそれを用いたワークの取り出し方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このようなコンベアにおいては、エンコーダが、上流側の案内ローラが無端ベルトを送り出す際の回転による変位量を検出することが可能となっている。すなわち、かかるコンベアにおいては、エンコーダの変位量により、無端ベルトの送り量を認識することが可能となっている。
すなわち、実測時において、コンベアにおける無端ベルトの送り量と、それに対応するエンコーダ値の実測変位量とがズレる場合がある。
そうすると、コンベアに搬送される搬送物の実際の位置と、エンコーダの実測変位量に基づく位置情報とにズレが生じるため、コンベアの下流側において、当該位置情報に基づいて、ロボットが搬送物を取り出すことができなくなり、また、搬送物に加工を施すこともできなくなるという事態が生じる。
例えば、ベルト搬送方向にエンコーダスリットを有する無端ベルトと、エンコーダスリットの位置を検知するための位置センサと、無端ベルトの1回転に1回の位置を検出するゼロ点センサと、エンコーダスリットがベルト搬送方向に切れ目があっても、ベルト搬送位置を制御する制御部と、を備えるベルト搬送位置制御方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、タイヤ成型機に搬送するタイヤ部材を搭載したコンベヤを予め走行させて停止させ、実際の停止位置と予め設定された停止位置である設定位置とがずれていた場合には、そのズレ量に基づいて、上記コンベヤの移動機構に取付けられたサーボモータを制御する制御装置に入力される当該コンベヤの原点位置もしくは送り量を再設定するコンベヤの原点位置/送り量の調整方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、上述した特許文献1及び2に記載の方法においては、手間がかかると共に、搬送能力が著しく低下するという欠点がある。
Q1=P2-P1(Q1:検出部間変位量、P1:第1エンコーダ値、P2:第2エンコーダ値)
SF=L1/Q1(L1:上流側検出部及び下流側検出部の間の距離、SF:スケールファクタ)
算出手段が、エンコーダ値の実測変位量に、スケールファクタを乗じた補正移動量を算出する上記(1)記載のコンベアのトラッキング補正システムに存する。
その結果、コンベアの送り量と、エンコーダの実測変位量を補正した補正移動量とが略一致することになるので、その補正移動量に基づいて、高精度で、ロボットが物体を取り出すことが可能となり、また、高精度で、物体に加工を施すことも可能となる。
また、上記トラッキング補正を繰り返すことにより、高精度な搬送を継続して行うことができる。
これにより、確実に、上述したトラッキング補正を行うことが可能となる。
これにより、上流側案内ローラの回転の度合いは、パルス信号により認識されることとなる。
このとき、上流側検出部及び下流側検出部がいずれも、レーザーが幅方向に照射される反射式レーザーセンサであると、搬送物を瞬時に検出できるので、任意で設定した点の検出をより高精度で行うことができる。
なお、コンベアのトラッキング補正システムによる補正は、段取り替え等の際に定期的に行ってもよく、搬送物の搬送中に連続的に行ってもよい。
また、無端ベルトの「計算上の送り出し量」とは、上流側案内ローラの回転による無断ベルト1の計算上の送り出し量を意味し、無端ベルトの「送り量」とは、無端ベルトの計算上の送り出し量に、トラッキングズレによるズレ量が加わった量を意味する。
また、「エンコーダ値の検出部間変位量」とは、特に上流側検出部と下流側検出部との間におけるエンコーダ値の変位量を意味し、「エンコーダ値の実測変位量」とは、任意で行われる無端ベルトの送り量に対するエンコーダ値の変位量を意味する。すなわち、無端ベルトの送り量に応じて実測変位量は変化する。
図1は、本実施形態に係るトラッキング補正システムが用いられるコンベアを模式的に示す斜視図である。
なお、図1のコンベア10は、枠体Fを透過させて示している。
図1に示すように、コンベア10は、無端ベルト1と、該無端ベルト1を案内する複数の案内ローラ2と、走行する無端ベルト1の任意で設定した点Pを検出するための上流側検出部3a及び下流側検出部3bと、上流側の案内ローラ2(以下「上流側案内ローラ2a」ともいう。)に取り付けられたエンコーダEと、下流側の案内ローラ2(以下「下流側案内ローラ2b」ともいう。)に取り付けられたモータMと、案内ローラの両端を支持するための枠体Fとを備える。
そして、無端ベルト1の任意で設定した点Pには直方体状の搬送物Bが載置されている。
また、これらの材質については、特に限定されず、金属製であっても樹脂製であってもよい。
ここで、便宜的に、コンベア10の搬送物Bの搬送方向に進行する上側の部分を上側部1aとし、コンベア10の搬送物Bの搬送方向とは反対側に進行する下側の部分を下側部1bとする。
一方、無端ベルト1の下側部1bは、後述する支持案内ローラ2c同士の間でそれぞれ弛ませた状態を維持しながら、搬送物Bの搬送方向とは反対側に進行するようになっている。
このように、コンベア10においては、無端ベルト1の下側部1bを弛ませた状態とすることで、その自重により、無端ベルト1の上側部1aに張力を付与している。
すなわち、無端ベルト1は、上流側案内ローラ2a及び下流側案内ローラ2bに架設され、弛ませた下側部1bは、複数の支持案内ローラ2cにより支持されている。
ここで、エンコーダEとしては、インクリメンタル型のロータリエンコーダを採用している。
この場合、エンコーダEは、上流側案内ローラの回転による機械的な変位をパルス信号に変換するものである。このため、エンコーダEによるエンコーダ値は、そのパルス信号をカウンタでカウントした値となる。
すなわち、エンコーダ値から、上流側案内ローラ2aの回転量を算出でき、当該回転量から、無端ベルト1の任意で設定した点の計算上の送り出し量を算出することが可能となっている。
すなわち、下流側案内ローラ2bは、モータM及び減速ギアを内蔵する、いわゆる駆動ローラとなっている。
これにより、コンベア10においては、無端ベルト10が駆動され、回転することになる。
そして、上述したように、無端ベルト1の下側部1bは、隣り合う支持案内ローラ2c同士の間で弛んだ状態となっている。なお、下側部1bを弛ませる箇所は、支持案内ローラ2c同士の間の1箇所であっても、全ての箇所であってもよい。
枠体Fは、案内ローラ2(上流側案内ローラ2a、下流側案内ローラ2及び支持案内ローラ2c)の両端を支持している。
また、枠体Fには、2基の検出部が搬送方向に沿うように取り付け固定されている。
すなわち、枠体Fに一方の検出部(以下「上流側検出部3a」という。)が取り付け固定され、当該上流側検出部3aの下流側に一定の距離L1をおいて他方の検出部(以下「下流側検出部3b」という。)が取り付け固定されている。
このため、上流側検出部3aは、任意に設定した点Pに載置された搬送物Bが搬送され、上流側検出部3aに到達すると、レーザーが搬送物に照射されることにより、搬送物Bを瞬時に検出することが可能となっている。
同様に、下流側検出部3bは、任意に設定した点Pに載置された搬送物Bが搬送され、下流側検出部3bに到達すると、レーザーが搬送物に照射されることにより、搬送物Bを瞬時に検出することが可能となっている。
なお、搬送物Bが載置された位置を任意で設定した点Pとしてもよい。
これにより、無端ベルト1に任意で設定した点Pが、搬送物Bを介して、上流側検出部3a及び下流側検出部3bにより検出されることになる。その結果、任意で設定した点Pを容易に検出することが可能となる。
また、搬送物Bは、実際に加工を施す若しくは施された加工品であってもよい。
図2は、本実施形態に係るコンベアのトラッキング補正システムを説明するためのブロック図である。
図2に示すように、本実施形態に係るコンベア10のトラッキング補正システムTは、無端ベルトを走行させるための走行指令手段T1と、検出部による検出時に検出信号を受信し、その受信時におけるエンコーダのエンコーダ値を計測する計測手段T2と、エンコーダ値を格納する記憶手段T3と、格納されたエンコーダ値から、上流側検出部及び下流側検出部の間におけるエンコーダ値の検出部間変位量を算出し、該検出部間変位量と上流側検出部及び下流側検出部の間の距離とから、スケールファクタを算出する算出手段T4と、を有する。
このときの無端ベルト1の具体的な走行速度は、特に限定されないが、少なくとも、上流側検出部3a及び下流側検出部3bの間では略一定速度であることが好ましい。
走行指令手段T1が走行指令を発信すると、当該走行指令に基づいて、コンベア10のモータMは、下流側案内ローラ2bを回転させる。これにより、無端ベルト1が回転し、無端ベルト1の上側部1aが搬送方向に走行することになる。
また、走行指令手段T1は、無端ベルト1の回転を停止させる際には、停止指令を発信する。
これにより、モータMは、下流側案内ローラ2bの回転を停止させる。
そして、第1検出信号の受信時におけるエンコーダEのエンコーダ値(以下「第1エンコーダ値」という。)を計測する。
また、その後、計測手段T2は、下流側検出部3bが、搬送される搬送物B(任意に設定した点P)を検出した時に、当該下流側検出部3bからの検出信号(以下「第2検出信号」という。)を受信する。
そして、第2検出信号の受信時におけるエンコーダEのエンコーダ値(以下「第2エンコーダ値」という。)を計測する。
すなわち、計測手段T2は、上流側検出部3a及び下流側検出部3bが搬送物Bを検出した時点でのエンコーダ値をそれぞれ計測する。
なお、第1エンコーダ値の計測、及び、第2エンコーダ値の計測は、搬送物Bの1回の搬送で行われる。
なお、格納された第1エンコーダ値及び第2エンコーダ値は、表示手段により表示することも可能である。
すなわち、第1エンコーダ値をP1、第2エンコーダ値をP2とした場合、検出部間変位量Q1は、
Q1=P2-P1
により算出される。
すなわち、上流側検出部3aと下流側検出部3bとの間の距離をL1とした場合、スケールファクタSFは、
SF=L1/Q1
により算出される。すなわち、スケールファクタSFは、1カウント当たりの距離(送り量)として算出される。なお、トラッキングズレが生じた場合、距離L1は一定であるものの、第1エンコーダ値P1及び第2エンコーダ値P2が変化するため、スケールファクタSFも変化することになる。
無端ベルト1を任意の送り量となるように送り出した場合、それに対するエンコーダ値の実測変位量に、スケールファクタを乗じることにより、補正移動量を算出する。
すなわち、実測変位量をQ2とした場合、補正移動量L2は、
L2=Q2×SF
により算出される。
得られる補正移動量L2は、上述した無端ベルト1の任意の送り量に相当する。
この場合トラッキングズレが生じたとしても、無端ベルトの送り量自体は補正しないため、搬送能力を低下させない。
また、搬送される搬送物の位置を高精度で認識できるため、ロボットが物体を取り出すことが可能となり、また、物体に加工を施すことも可能となる。
また、上記トラッキング補正を繰り返すことにより、高精度な搬送を継続して行うことができる。
図3は、本実施形態に係るワークの取り出し方法を示すフローチャートである。
図3に示すように、本実施形態に係るワークの取り出し方法は、搬送ステップS1と、取出しステップS2と、載置ステップS3とを備える。
これらのステップを経ることにより、搬送されるワークを確実に取り出すことができる。
なお、ワークは、ロボットが把持可能であれば、平板状であっても、立体形状であってもよい。
図4に示すように、ワークの取り出し方法においては、まず、無端ベルト1上に配置されたワークWを取り出し位置X1まで搬送する(搬送ステップS1)。
このとき、搬送ステップS1においては、上述したトラッキング補正システムが用いられる。
したがって、搬送されるワークWの位置情報として、エンコーダEによる実測変位量を補正した補正移動量が得られる。
このとき、取出しステップS2においては、ロボットに設定されたワークを把持する位置が補正移動量に基づくものとなっている。すなわち、補正移動量に基づく位置情報により、ロボットRにワークWを把持させる。
これにより、ワークの取り出し方法においては、長時間使用し、仮にトラッキングズレが生じたとしても、ワークの位置ずれによる取り出しエラーが生じることを防止することができる。
また、ワークの取り出し方法においては、搬送能力も低下させない。
ここで、載置部X2としては、リフターを採用している。
したがって、リフター上にワークが重ねて載置されることにより、いわゆるスタックSが形成される。
なお、トラッキングズレは、無端ベルト1のほうが生じ易い。
例えば、無端ベルト1の下側部1bを弛ませず、無端ベルト1を案内する張力調整ローラを取り付け、当該張力調整ローラを動かすことにより、無端ベルト1に張力を付与してもよい。
但し、この場合、搬送速度を一定とし、上流側検出部と下流側検出部との間の搬送に要する時間を設定する必要がある。
本発明のコンベアのトラッキング補正システムによれば、簡単にトラッキング補正を行うことができると共に、搬送能力を低下させない。
10・・・コンベア
1a・・・上側部
1b・・・下側部
2・・・案内ローラ
2a・・・上流側案内ローラ
2b・・・下流側案内ローラ
2c・・・支持案内ローラ
3a・・・上流側検出部
3b・・・下流側検出部
B・・・搬送物
E・・・エンコーダ
F・・・枠体
L1・・・距離
M・・・モータ
P・・・任意で設定した点
R・・・ロボット
S1・・・搬送ステップ
S2・・・取出しステップ
S3・・・載置ステップ
T・・・トラッキング補正システム
T1・・・走行指令手段
T2・・・計測手段
T3・・・記憶手段
T4・・・算出手段
X1・・・取り出し位置
X2・・・載置部
W・・・ワーク
Claims (6)
- 無端ベルトと、該無端ベルトを案内する上流側案内ローラ及び下流側案内ローラと、走行する前記無端ベルトの任意で設定した点を検出するための上流側検出部及び該上流側検出部の下流側に位置する下流側検出部と、前記上流側案内ローラに取り付けられたエンコーダと、を備えたコンベアのトラッキング補正システムであって、
前記無端ベルトを走行させるための走行指令手段と、
前記上流側検出部による前記任意で設定した点の検出時に該上流側検出部からの第1検出信号を受信し、その受信時における前記エンコーダの第1エンコーダ値を計測し、且つ、前記下流側検出部による前記任意で設定した点の検出時に該下流側検出部からの第2検出信号を受信し、その受信時における前記エンコーダの第2エンコーダ値を計測する計測手段と、
前記第1エンコーダ値及び前記第2エンコーダ値を格納する記憶手段と、
格納された前記第1エンコーダ値及び前記第2エンコーダ値から、前記上流側検出部及び前記下流側検出部の間における前記エンコーダ値の検出部間変位量を算出し、該検出部間変位量と前記上流側検出部及び前記下流側検出部の間の距離とから、スケールファクタを算出する算出手段と、
を有し、
前記エンコーダ値の実測変位量を、前記スケールファクタを用いて補正するコンベアのトラッキング補正システム。 - 前記算出手段による算出が下記式によるものであり、
Q1=P2-P1(Q1:検出部間変位量、P1:第1エンコーダ値、P2:第2エンコーダ値)
SF=L1/Q1(L1:上流側検出部及び下流側検出部の間の距離、SF:スケールファクタ)
前記算出手段が、前記エンコーダ値の実測変位量に、前記スケールファクタを乗じた補正移動量を算出する請求項1記載のコンベアのトラッキング補正システム。 - 前記エンコーダが、インクリメンタル型のロータリエンコーダであり、
前記エンコーダ値が、前記上流側案内ローラの回転量が変換されたパルス信号をカウントした値である請求項1又は2に記載のコンベアのトラッキング補正システム。 - 前記無端ベルトの任意で設定した点には搬送物が載置されており、
前記任意で設定した点が、該搬送物を介して、前記上流側検出部及び前記下流側検出部により検出される請求項1~3のいずれか1項に記載のコンベアのトラッキング補正システム。 - 前記上流側検出部及び前記下流側検出部がいずれも、レーザーが幅方向に照射される反射式レーザーセンサであり、該レーザーが前記搬送物に照射されることにより、前記任意で設定した点が検出される請求項4記載のコンベアのトラッキング補正システム。
- 請求項2記載のコンベアのトラッキング補正システムを用いたワークの取り出し方法であって、
前記無端ベルト上の所定の位置に配置されたワークを取り出し位置まで搬送する搬送ステップと、
前記取り出し位置における前記ワークをロボットが把持して取り出す取出しステップと、
前記ロボットが前記ワークを載置部に載置する載置ステップと、
を備え、
前記ロボットに設定された前記ワークを把持する位置が、前記補正移動量に基づくものであるワークの取り出し方法。
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