JP4643088B2 - 物品処理機械の位置調整装置とその位置調整方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器などのワークを搬送するコンベアーと、このコンベアーの容器の搬送動作に追従して所定の送り範囲内で直線状に往復駆動される追従装置とを備えた物品処理機械の位置調整装置とその位置調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、容器を自動洗浄するリンサーや、洗浄済みの容器に液体を充填する充填機や、液体充填済みの容器にキャップを装着するキャッパーなどのライン式包装機が直列に接続された物品処理機械のシステムが従来から開発されている。この種の物品処理機械のシステムでは容器などのワークを搬送するコンベアー(ワーク搬送装置)が設けられている。さらに、キャッパーなどのライン式包装機にはこのコンベアーの容器搬送動作に追従して移動する作業ユニット(追従装置)が設けられている。
【0003】
また、キャッパーなどのライン式包装機にはコンベアーの容器搬送路と平行な適宜の長さ範囲の作業ユニット搬送路が設けられている。そして、作業ユニットは作業ユニット搬送路の始点位置から終点位置までコンベアーの容器搬送動作に追従して移動し、この追従動作中に容器にキャップを装着するなどの作業をコンベアーの容器搬送動作に同期して行うようになっている。さらに、作業ユニットは作業ユニット搬送路の終点位置に達すると追従動作が停止されたのち、この追従動作と反対方向に戻し駆動されて作業ユニット搬送路の始点位置まで戻されるようになっている。
【0004】
そして、物品処理機械のシステムの動作中、キャッパーなどのライン式包装機ではコンベアーの容器搬送動作に追従して作業ユニット搬送路の始点位置から終点位置まで作業ユニットを搬送する作業ユニットの追従動作と、作業ユニット搬送路の終点位置で追従動作が停止されたのち、作業ユニット搬送路の始点位置まで作業ユニットを戻す戻し動作とが交互に繰り返されるようになっている。
【0005】
また、容器搬送用のコンベアーとしては例えばアタッチメントチェーンで等ピッチで搬送する容器搬送システムが従来から採用されている。このアタッチメントチェーンは多数のチェーン構成要素間がそれぞれピンで回動可能に連結されて構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した物品処理機械のシステムではアタッチメントチェーンを使い、等ピッチで容器搬送している場合は、経時変化によってピンの磨耗等が起こり、チェーンを連結しているピン部のガタツキや、温度によるチェーンの膨張などにより、チェーンピッチが延びるおそれがある。このような場合にはアタッチメントにより等間隔に搬送されてきている容器のピッチがチェーンピッチの伸びの分ずれてしまう。ここで、チェーンが長い場合は両端でのピッチの狂いは非常に大きくなる。
【0007】
そこで、線膨張係数の少ないチェーンを使うのが良いが、通常、一般的に使用されている金属製チェーンは線膨張係数が小さいが板金加工のため精度が悪い問題がある。また、樹脂製チェーンは製造精度が比較的良いが線膨張係数が大きく、伸びも多い問題がある。なお、金属製チェーンで精度を上げたチェーンを作ることは可能だが納期が掛り、コスト高になる問題がある。
【0008】
また、等ピッチで搬送するコンベアーの容器搬送システムでは、等ピッチに搬送されている容器に対し、コンベアーの容器搬送動作に追従して移動する作業ユニットによって同期して容器にキャップを装着するなどの作業を行うようになっている。しかしながら、チェーンの伸びによってコンベアーの容器搬送ピッチがずれると容器ピッチが狂い、コンベアーの容器搬送動作に追従して移動する作業ユニットによるキャップ装着作業などが出来なくなる。この場合、作業ユニットに組み込まれているヘッド数が多くなるほど容器ピッチの狂いが大きくなる。
【0009】
そこで、従来は容器ピッチの狂いを最小にするため、チェーンの伸びが大きくなってきた場合は目視にてその都度チェーンの伸びを補正する面倒な作業が必要になる。そのため、物品処理機械のシステム全体の作業能率が低下するなどの問題がある。
【0010】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、物品処理機械における作業開始時の追従装置の基準位置を設定する作業を簡単に行うことができ、物品処理機械のシステム全体の作業能率の低下を防止することができる物品処理機械の位置調整装置とその位置調整方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ワーク搬送装置と、このワーク搬送装置のワーク搬送動作に追従して移動する追従装置とを備えた物品処理機械における作業開始時の前記追従装置の基準位置を設定する物品処理機械の位置調整装置において、
前記追従装置に配設され、前記ワーク搬送装置のワーク搬送軌道上のワークを検出するワーク検出器と、
前記ワーク搬送装置の停止時に前記追従装置を前進駆動して前記ワーク検出器による前記ワークの検出開始時点と前記ワークの検出終了時点との間の検出範囲を測定する測定手段と、
この測定手段で測定された前記ワークの検出範囲における前記ワークの検出終了時点の位置から前記ワークの検出範囲の距離の1/2の距離分だけ前記追従装置を後退させた場所を演算により決定し、その場所を作業開始時の前記追従装置の基準位置として設定する基準位置設定手段と
を具備したことを特徴とする物品処理機械の位置調整装置である。
そして、本請求項1の発明では、物品処理機械における作業開始時の追従装置の基準位置を設定する作業時には、まず、ワーク搬送装置の停止時に追従装置を前進駆動して追従装置のワーク検出器によってワーク搬送装置のワーク搬送軌道上のワークを検出する。このとき、ワーク検出器によるワークの検出開始時点とワークの検出終了時点との間の検出範囲を測定手段によって測定する。その後、測定手段で測定されたワークの検出範囲におけるワークの検出終了時点の位置からワークの検出範囲の距離の1/2の距離分だけ追従装置を後退させた場所を演算により決定し、その場所を基準位置設定手段によって作業開始時の追従装置の基準位置として設定するようにしたものである。
【0012】
請求項2の発明は、前記ワーク検出器は、発光素子と、受光素子とを備えた光電スイッチによって形成され、前記発光素子と、前記受光素子とが前記ワーク搬送装置のワーク搬送軌道上のワークを挟んで離間対向配置されるとともに、
前記測定手段は、前記追従装置の移動中、前記ワークによって遮光されている距離を測定するものであることを特徴とする請求項1に記載の物品処理機械の位置調整装置である。
そして、本請求項2の発明では、ワーク搬送装置のワーク搬送軌道上のワークを挟んで離間対向配置された発光素子からの光を受光素子によって検出し、追従装置の移動中、ワークによって遮光されている距離を測定するようにしたものである。
【0013】
請求項3の発明は、前記ワーク検出器は、発光素子と、受光素子とを備えた光電スイッチによって形成され、
前記受光素子は、前記発光素子からの光が前記ワーク搬送装置のワーク搬送軌道上のワークによって反射された反射光を受光するものであることを特徴とする請求項1に記載の物品処理機械の位置調整装置である。
そして、本請求項3の発明では、追従装置の移動中、ワーク検出器の発光素子からの光がワーク搬送装置のワーク搬送軌道上のワークによって反射された反射光を受光素子によって受光し、発光素子からの光がワークによって反射される距離を測定するようにしたものである。
【0014】
請求項4の発明は、前記ワーク検出器は、レーザー式の光検出器であることを特徴とする請求項1に記載の物品処理機械の位置調整装置である。
そして、本請求項4の発明では、ワーク搬送装置のワーク搬送軌道上のワークを挟んで離間対向配置されたレーザー光の出射部からのレーザー光をレーザー式の光検出器によって検出し、追従装置の移動中、ワークによって遮光されている距離を測定するようにしたものである。
【0015】
請求項5の発明は、前記ワーク検出器は、感圧センサを備えた接触式のプローブであることを特徴とする請求項1に記載の物品処理機械の位置調整装置である。
そして、本請求項5の発明では、ワーク搬送装置のワーク搬送軌道上のワークと離間対向配置された接触式のプローブの感圧センサによってワークの位置を検出するようにしたものである。
【0016】
請求項6の発明は、前記ワーク検出器は、電気的長さ測定器であることを特徴とする請求項1に記載の物品処理機械の位置調整装置である。
そして、本請求項6の発明では、ワーク搬送装置のワーク搬送軌道上のワークの位置を電気的長さ測定器によって検出するようにしたものである。
【0017】
請求項7の発明は、ワーク搬送装置と、このワーク搬送装置のワーク搬送動作に追従して移動する追従装置とを備えた物品処理機械における作業開始時の前記追従装置の基準位置を設定する物品処理機械の位置調整方法において、
前記ワーク搬送装置の停止時に前記追従装置を前進駆動して前記ワーク搬送装置のワーク搬送軌道上のワークを検出するワーク検出工程と、
前記追従装置を前進動作中における前記ワークの検出開始時点と前記ワークの検出終了時点との間の検出範囲を測定する測定工程と、
この測定工程で測定された前記ワークの検出範囲における前記ワークの検出終了時点の位置から前記ワークの検出範囲の距離の1/2の距離分だけ前記追従装置を後退させた場所を演算により決定し、その場所を作業開始時の前記追従装置の基準位置として設定する基準位置設定工程と
を具備したことを特徴とする物品処理機械の位置調整方法である。
そして、本請求項7の発明では、物品処理機械における作業開始時の追従装置の基準位置を設定する作業時には、まず、ワーク搬送装置の停止時に追従装置を前進駆動してワーク搬送装置のワーク搬送軌道上のワークを検出する(ワーク検出工程)。このとき、追従装置を前進動作中におけるワークの検出開始時点とワークの検出終了時点との間の検出範囲を測定する(測定工程)。その後、測定工程で測定されたワークの検出範囲におけるワークの検出終了時点の位置からワークの検出範囲の距離の1/2の距離分だけ追従装置を後退させた場所を演算により決定し、その場所を作業開始時の追従装置の基準位置として設定する(基準位置設定工程)ようにしたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図4を参照して説明する。図1および図2は物品処理機械の一例であるライン式包装機、例えばキャッパー2の概略構成を示すものである。このキャッパー2は、後述する作業ユニット(追従装置)18を支持するフレーム4を備えている。このフレーム4上には、容器8などのワークを搬送するコンベアー(ワーク搬送装置)6が設けられ、所定の間隔(ピッチ)に配置された容器8が一定の速度で搬送されている。
【0019】
また、フレーム4上には、コンベアー6による容器8の搬送方向と平行に延設されたラック12と、1対のガイドシャフト13とが設けられている。これらガイドシャフト13上には、コンベアー6の容器搬送動作に追従して移動する作業ユニット18が摺動可能に配設されている。さらに、図2に示すように各ガイドシャフト13の両端部はそれぞれシャフトブロック15を介してフレーム4上に固定されている。そして、1対のガイドシャフト13によってコンベアー6の容器搬送路と平行な適宜の長さ範囲の作業ユニット搬送路が形成されている。
【0020】
また、作業ユニット18には、第1のサーボモーター16が配設され、その駆動軸が下方に向けられている。この駆動軸には、ピニオン14が取り付けられ、このピニオン14は、ラック12に噛み合わせられている。
【0021】
したがって、第1のサーボモーター16によるピニオン14の回転駆動時にはラック12とピニオン14との噛合部を介して伝達される駆動力によって作業ユニット18がガイドシャフト13に沿って移動されるようになっている。このとき、第1のサーボモーター16が正方向に回転駆動される状態では作業ユニット18は、コンベアー6の容器搬送動作に追従して1対のガイドシャフト13による一定の移動範囲内でほぼ直線的に移動される。
【0022】
また、第1のサーボモーター16が逆向きに回転駆動されると、作業ユニット18は、コンベアー6の容器搬送方向と反対方向にほぼ直線的に移動(戻し駆動)される。すなわち、作業ユニット18は、ラック12およびガイドシャフト13に沿ってフレーム4上を一定の作業ユニット搬送路の範囲内で往復駆動されるようになっている。
【0023】
また、この作業ユニット18がコンベアー6の容器搬送動作に追従して移動する速度は、第1のサーボモーター16によってフィードバック制御され、コンベアー6による容器8の搬送速度に合わせられる。さらに、ピニオン14がラック12の中央付近から端部近傍の所定の位置に到達した時点では、第1のサーボモーター16が一旦停止されるように制御され、反対方向に回転されるか、または停止されるかが選択される。なお、この第1のサーボモーター16による作業ユニット18の駆動速度は、作業ユニット18がコンベアー6の容器搬送動作に追従して移動する場合と、作業ユニット18が戻し駆動される場合とでは、移動速度がほぼ同一でも大きく異なっていてもよい。
【0024】
さらに、作業ユニット18には、この第1のサーボモーター16に隣接し、かつ、駆動軸が逆の方向(上方)に配置された第2のサーボモーター20が取り付けられている。この第2のサーボモーター20の駆動軸には、歯車22が取り付けられ、この歯車22には、タイミングベルト24が噛み合わせられている。
【0025】
また、作業ユニット18の上方には、キャッピングヘッド34が配設されている。このキャッピングヘッド34の前端部には、図2に示すように、下向きに延設された3つのキャップチャックユニット36が並設されている。これら3つのキャップチャックユニット36はコンベアー6の容器搬送方向に沿ってライン状に一列に並べて配置されている。
【0026】
また、キャッピングヘッド34の後端部には昇降駆動可能な昇降駆動部32Aが配設されている。この昇降駆動部32Aには上下方向に延設された昇降駆動用のボールねじ26が取り付けられている。このボールねじ26の下端部には第2のサーボモーター20の駆動軸上の歯車22とほぼ同じ高さに配置された歯車28が装着されている。そして、この歯車28に前記タイミングベルト24が噛み合わせられている。
【0027】
さらに、ボールねじ26の上端には、軸受30が設けられ、この軸受30を介して作業ユニット18のベース部材32が取り付けられている。このため、サーボモーター20の回転による回転トルクは、歯車22に伝達され、この歯車22に噛み合わせられたタイミングベルト24に伝達される。さらに、この回転トルクが歯車28を介してボールねじ26に伝達されて、このボールねじ26が回転駆動される。このボールねじ26の回転運動はボールねじ26と軸受30との噛合部を介してベース部材32の昇降運動に変換されるようになっている。これにより、ボールねじ26が所定の方向に回転されると、ベース部材32を介してキャッピングヘッド34全体が昇降駆動されるようになっている。そして、このキャッピングヘッド34と一体にキャップチャックユニット36が直線的に昇降駆動される。
【0028】
また、このキャップチャックユニット36の昇降駆動時には、第2のサーボモーター20がフィードバック制御されて上下動量(昇降量)が適宜制御される。
【0029】
また、3つのキャップチャックユニット36の軸心部にはスピンドル41が配設されている。このスピンドル41の上端には、歯車38が取り付けられ、下端には、開閉および回転可能なチャック部40が設けられている。
【0030】
さらに、キャッピングヘッド34には、好ましくはサーボモーターからなる3つのモーター42が一列に並設されている。これらモーター42の回転軸には、それぞれ歯車44が取り付けられ、これら歯車44には、それぞれタイミングベルト46が噛み合わせられている。これらタイミングベルト46は、キャップチャックユニット36の上端の歯車38にそれぞれ噛み合わせられている。このため、これらモーター42が回転されると、このモーター42の回転トルクが歯車44を介してタイミングベルト46に伝達される。さらに、この回転トルクが歯車38を介してスピンドル41に伝達されて、このスピンドル41が回転されて、キャップチャックユニット36の下端のチャック部40が回転される。
【0031】
このチャック部40は、モーター42によって、キャッピング時にキャップ48が容器8に取り付けられたとき、キャップ48の締まり具合が最適に制御されて施蓋される。
【0032】
したがって、キャップチャックユニット36は、自在なストロークで直線状に上下動されるとともに、キャップ48が容器8に対して適宜な力でキャッピングされるように、回転される。
【0033】
また、図2に示すように、キャッパー2のフレーム4には、キャップが供給されるキャップシュート50(キャップ搬送路)が設けられている。このキャップシュート50は、フレーム4の上面に配置されているとともに、その終端部がコンベアー6の容器搬送軌道上に沿ってコンベアー6の近傍位置に配置されている。そして、キャップ供給部(図示せず)から順次キャップシュート50に送り出されたキャップ48がこのキャップシュート50に沿って整列されながら滑り落ちるように自然落下され、このキャップシュート50の終端部側に搬送される。このキャップシュート50の終端部側には、フレーム4の上面に対して平行なスクラッチピースユニット60が離間して配置されている。このスクラッチピースユニット60には3つのスクラッチピース58が載置されている。
【0034】
このスクラッチピースユニット60は、スクラッチピース搬送機構52によって移動操作されるようになっている。そして、スクラッチピースユニット60の移動にともないキャップシュート50の終端部位置のキャップ48が1つずつ3つのスクラッチピース58にそれぞれ引っ掛けらて移載されるようになっている。
【0035】
そして、キャッパー2の運転時には作業ユニット18は1対のガイドシャフト13によって形成される作業ユニット搬送路の始点位置(図2中でガイドシャフト13の左端部位置)から終点位置(図2中でガイドシャフト13の右端部位置)までコンベアー6の容器搬送動作に追従して移動し、この追従動作中にキャップチャックユニット36の下端のチャック部40によって容器8にキャップ48を装着するなどの作業をコンベアー6の容器搬送動作に同期して行うようになっている。
【0036】
さらに、作業ユニット18は作業ユニット搬送路の終点位置に達するとコンベアー6の容器搬送動作への追従動作が停止されたのち、この追従動作と反対方向に戻し駆動されて作業ユニット搬送路の始点位置まで戻されるようになっている。そして、以後は上述したコンベアー6の容器搬送動作に追従して作業ユニット搬送路の始点位置から終点位置まで作業ユニット18を搬送する作業ユニット18の追従動作と、作業ユニット搬送路の終点位置で追従動作が停止されたのち、作業ユニット搬送路の始点位置まで作業ユニット18を戻す戻し動作とが交互に繰り返されるようになっている。
【0037】
また、図3は上述したキャッパー2などのライン式包装機における作業開始時の作業ユニット18の基準位置を設定する作業を行う本実施の形態の物品処理機械の位置調整装置を示すものである。図3中で、61はキャッパー2の作業ユニット18に取付けられたワーク検出器としての光センサである。この光センサ61は作業ユニット18におけるコンベアー6の容器搬送軌道と離間対向する位置に配置されている。
【0038】
さらに、この光センサ61には測定器(測定手段)62が接続されている。この測定器62にはコンベアー6の停止時に作業ユニット18を前進駆動した際に光センサ61からの検出信号が入力され、この光センサ61からの検出信号に基づいて容器8の検出開始時点L1と容器8の検出終了時点L2との間の検出範囲Sを測定するものである。なお、L0は位置調整装置による位置調整作業時の光センサ61の原点位置である。
【0039】
また、測定器62は制御部(基準位置設定手段)63に接続されている。この制御部63にはさらにコンベアー6の駆動モータ64と、作業ユニット18の駆動モータである第1のサーボモーター16と、コンベアー6上の容器8のアタッチメント65の位置を検出する位置検出器66とが接続されている。ここで、制御部63では測定器62で測定された容器検出範囲Sにおける容器8の検出終了時点L2の位置から容器8の検出範囲の距離の1/2の距離分だけ作業ユニット18を後退させた場所を演算により決定し、その場所を作業開始時の作業ユニット18の基準位置Pとして設定するようになっている。
【0040】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の物品処理機械の位置調整装置によってキャッパー2などの物品処理機械における作業開始時の作業ユニット18の基準位置を設定する作業時には、まず、コンベアー6の任意の定位置での停止時に作業ユニット18を前進駆動する。この作業ユニット18の前進駆動中は、光センサ61からの光がコンベアー6の容器搬送軌道上の容器8によって遮光されることで容器8が検出される(ワーク検出工程)。このとき、作業ユニット18の前進動作中に光センサ61からの光が容器8によって遮光された時点が容器8の検出開始時点L1となる。さらに、光センサ61からの光が容器8によって遮光されたのち、再び光が入射された時点が容器8の検出終了時点L2となる。そして、この作業ユニット18の前進動作中における容器8の検出開始時点L1と、容器8の検出終了時点L2との間の検出範囲Sが測定器62によって測定される(測定工程)。さらに、測定器62からの測定信号は制御部63に入力される。
【0041】
その後、制御部63では測定器62で測定された容器8の検出範囲Sにおける容器8の検出終了時点L2の位置から容器8の検出範囲Sの距離の1/2の距離分だけ作業ユニット18を後退させた場所を演算により決定し、その場所が作業開始時の作業ユニット18の基準位置として設定される(基準位置設定工程)。これにより、コンベアー6の運転中にチェーンを連結しているピン部のガタツキや、温度によるチェーンの膨張などにより、チェーンピッチが延び、コンベアー6の位置のズレが生じた際に、コンベアー6とキャッパー2などの物品処理機械の作業ユニット18との間のずれた寸法を簡単に補正することができる。
【0042】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の物品処理機械の位置調整装置ではコンベアー6によって等ピッチで容器搬送している場合に、経時変化によってピンの磨耗等が起こり、チェーンを連結しているピン部のガタツキや、温度によるチェーンの膨張などにより、チェーンピッチが延びた場合であっても本実施の形態の物品処理機械の位置調整装置によってキャッパー2などの物品処理機械における作業開始時のコンベアー6に対する作業ユニット18の基準位置を設定する作業を簡単に行うことができる。そのため、コンベアー6のチェーンの伸びが大きくなってきた場合に従来のように目視にてその都度チェーンの伸びを補正する面倒な作業を行う場合に比べて物品処理機械における作業開始時のコンベアー6に対する作業ユニット18の基準位置を設定する作業を簡単に行うことができ、物品処理機械のシステム全体の作業能率の低下を防止することができる。
【0043】
なお、コンベアー6のアタッチメントチェーンに同期して動く作業ユニット18などのワークステーションを所定位置にセッティングする際に、同期して動く時チェーンとワークステーションの位置がずれない場所にセッティングし、同期している間で検出することにより相対速度は0となる為、検出精度が上がる。
【0044】
また、運転中のコンベアー6に対する作業ユニット18の位置のズレを検出し、ずれた寸法を補正する際に、アタッチメントの取りつけピッチが多少ずれている場合は何箇所か寸法を検出し、平均した寸法を補正しても良い。
【0045】
さらに、多くのヘッド数を持つ作業ユニット18では両端の誤差をできるだけ少なくするため、位置のズレを検出する光センサ61は作業ユニット18の中央部につけ両側に誤差を振り分けることが好ましい。
【0046】
また、作業ユニット18のヘッドのセンターは予め決まっているため、アタッチメント65の位置は容器径が変わると容器径の差の1/2動かす必要がある。
【0047】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記方法では作業ユニット18のヘッドのセンターは予め決めているが、ヘッド間に補正装置を組み込みチェーンの伸びを検出しヘッド間の寸法を補正しても良い。
【0048】
また、ワーク検出器は、発光素子と、受光素子とを備えた光電スイッチによって形成され、発光素子と、受光素子とがコンベアー6の容器搬送軌道上の容器8を挟んで離間対向配置されるとともに、測定器62は、作業ユニット18の移動中、容器8によって遮光されている距離を測定するものであってもよい。さらに、ワーク検出器は、発光素子と、受光素子とを備えた光電スイッチ及び発光素子からの光を反射させる反射板によって形成され、受光素子は、発光素子からの光を反射板によって反射された反射光を受光するものであってもよい。また、ワーク検出器は、レーザー式の光検出器、感圧センサを備えた接触式のプローブ、電気的長さ測定器であってもよい。
【0049】
さらに、その他、充填機、リンサー、容器供給装置、容器取り出し装置等の包装機械やロボット等を使用した物品処理装置等への変形等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、物品処理機械における作業開始時の追従装置の基準位置を設定する作業を簡単に行うことができ、物品処理機械のシステム全体の作業能率の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ライン式キャッパー全体の概略構成を示す正面図。
【図2】ライン式キャッパー全体の概略構成を示す平面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態の物品処理機械の位置調整装置の概略構成を示す側面図。
【図4】第1の実施の形態の制御部の接続状態を示す概略構成図。
【符号の説明】
6 コンベアー(ワーク搬送装置)
8 容器(ワーク)
18 作業ユニット(追従装置)
61 光センサ(ワーク検出器)
62 測定器(測定手段)
63 制御部(基準位置設定手段)
Claims (7)
- ワーク搬送装置と、このワーク搬送装置のワーク搬送動作に追従して移動する追従装置とを備えた物品処理機械における作業開始時の前記追従装置の基準位置を設定する物品処理機械の位置調整装置において、
前記追従装置に配設され、前記ワーク搬送装置のワーク搬送軌道上のワークを検出するワーク検出器と、
前記ワーク搬送装置の停止時に前記追従装置を前進駆動して前記ワーク検出器による前記ワークの検出開始時点と前記ワークの検出終了時点との間の検出範囲を測定する測定手段と、
この測定手段で測定された前記ワークの検出範囲における前記ワークの検出終了時点の位置から前記ワークの検出範囲の距離の1/2の距離分だけ前記追従装置を後退させた場所を演算により決定し、その場所を作業開始時の前記追従装置の基準位置として設定する基準位置設定手段と
を具備したことを特徴とする物品処理機械の位置調整装置。 - 前記ワーク検出器は、発光素子と、受光素子とを備えた光電スイッチによって形成され、前記発光素子と、前記受光素子とが前記ワーク搬送装置のワーク搬送軌道上のワークを挟んで離間対向配置されるとともに、
前記測定手段は、前記追従装置の移動中、前記ワークによって遮光されている距離を測定するものであることを特徴とする請求項1に記載の物品処理機械の位置調整装置。 - 前記ワーク検出器は、発光素子と、受光素子とを備えた光電スイッチ及び発光素子からの光を反射させる反射板によって形成され、前記受光素子は、前記発光素子からの光が前記反射板によって反射された反射光を受光するものであることを特徴とする請求項1に記載の物品処理機械の位置調整装置。
- 前記ワーク検出器は、レーザー式の光検出器であることを特徴とする請求項1に記載の物品処理機械の位置調整装置。
- 前記ワーク検出器は、感圧センサを備えた接触式のプローブであることを特徴とする請求項1に記載の物品処理機械の位置調整装置。
- 前記ワーク検出器は、電気的長さ測定器であることを特徴とする請求項1に記載の物品処理機械の位置調整装置。
- ワーク搬送装置と、このワーク搬送装置のワーク搬送動作に追従して移動する追従装置とを備えた物品処理機械における作業開始時の前記追従装置の基準位置を設定する物品処理機械の位置調整方法において、
前記ワーク搬送装置の停止時に前記追従装置を前進駆動して前記ワーク搬送装置のワーク搬送軌道上のワークを検出するワーク検出工程と、
前記追従装置を前進動作中における前記ワークの検出開始時点と前記ワークの検出終了時点との間の検出範囲を測定する測定工程と、
この測定工程で測定された前記ワークの検出範囲における前記ワークの検出終了時点の位置から前記ワークの検出範囲の距離の1/2の距離分だけ前記追従装置を後退させた場所を演算により決定し、その場所を作業開始時の前記追従装置の基準位置として設定する基準位置設定工程と
を具備したことを特徴とする物品処理機械の位置調整方法。
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