JP2021101047A - 金属めっき物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、セラミックス表面と金属表面とを有する基材上に密着強度の高いめっき層を有する金属めっき物を提供する。【解決手段】本発明の金属めっき物は、セラミックス表面及び金属表面を有する基材と、前記セラミックス表面上及び前記金属表面上に設けられた金属めっき層とを有し、前記金属めっき層は、前記基材に近接する部分に金属ナノ粒子を有し、前記セラミックス表面に前記金属ナノ粒子を固定するための第1バインダの分解生成物又は反応生成物であるケイ素化合物が、前記セラミックス表面と前記金属めっき層との界面に存在し、前記金属表面に前記金属ナノ粒子を固定するための第2バインダの分解生成物又は反応生成物である硫黄又は硫黄を含む化合物が前記金属表面と前記金属めっき層との界面に存在することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、金属めっき物に関する。
セラミックス基材の表面に金属めっき層を形成する技術として、基材表面に触媒となる金属イオンを吸着させ、その上に無電解めっき法で金属を析出させる方法が一般的である(例えば、特許文献1参照)。また、セラミックス基材の表面をエッチングすることにより凹凸粗面とした後、凹凸粗面上にめっき層を形成することにより、アンカー効果によってセラミックス基材と金属めっき層との密着性を高めることができることが知られている。
一方、プラスチック基材の表面に、チオール基を持つバインダを介して金微粒子を固定して一次めっきを行い、無電解めっきで二次めっきを行う技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−206735号公報 特開2013−170293号公報
金属とセラミックスからなる複合基材の表面には、金属とセラミックスの異種相が混在するので、従来の無電解めっき法では、密着強度が均一な金属めっき層を形成することは難しい。また、複合素材の温度変化があると、熱膨張率の差により複合素材から金属めっき層が剥離する場合がある。特に、金属とセラミックスからなる抵抗体に電流を流すと抵抗体は自己発熱する。このような抵抗体の表面上に端子として金属めっき層を形成すると、抵抗体の温度変化により金属めっき層が剥離する場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、セラミックス表面と金属表面とを有する基材上に密着強度の高い金属めっき層を形成することができる金属めっき方法を提供する。
本発明は、少なくとも1種類のバインダを用いて複数の金属ナノ粒子を基材の表面に固定することにより、前記基材上に複数の金属ナノ粒子からなる一次めっき層を形成する一次めっき工程を含み、前記基材は、セラミックス表面と金属表面とを有し、少なくとも1種類のバインダは、複数の金属ナノ粒子の一部を前記セラミックス表面に固定し、かつ、他の金属ナノ粒子を前記金属表面に固定することを特徴とする金属めっき方法を提供する。
ここで、少なくとも1種類のバインダの各々は、セラミック表面と金属表面のいずれか一方だけに結合されていてもよいが、少なくとも1種類のバインダには、セラミック表面と金属表面の両方に跨った状態で金属ナノ粒子を固定するバインダが含まれていてもよい。また、少なくとも1種類のバインダのすべてが、セラミック表面と金属表面の両方に跨った状態で金属ナノ粒子を固定するバインダであってもよい。
本発明の金属めっき方法は、少なくとも1種類のバインダを用いて複数の金属ナノ粒子を基材の表面に固定することにより、前記基材上に複数の金属ナノ粒子からなる一次めっき層を形成する一次めっき工程を含む。また、前記基材は、セラミックス表面と金属表面とを有する。このため、セラミックス表面と金属表面とを有する基材上に一次めっき層を形成することができる。
一次めっき工程で使用する少なくとも1種類のバインダは、複数の金属ナノ粒子の一部を基材のセラミックス表面に固定し、かつ、他の金属ナノ粒子を基材の金属表面に固定する。すなわち、少なくとも1種類のバインダは、複数の金属ナノ粒子をセラミックス表面だけあるいは金属表面だけに固定するのではなく、複数の金属ナノ粒子の中にはセラミックス表面に固定されるものもあり金属表面に固定されるものもある。このため、基材の表面を凹凸処理しなくても、基材の表面を均一に覆う一次めっき層を形成することができ、かつ、一次めっき層を構成する複数の金属ナノ粒子は、基材の表面に対して均一的に高い密着強度を得ることができる。
また、この一次めっき層は、二次めっき層を析出させるための核として利用することができ、基材上に十分な厚さを有する金属めっき層を形成することが可能になる。従って、セラミックス表面と金属表面とを有する基材上に密着強度の高い金属めっき層を形成することが可能になる。このことは、本発明者等が行った実験により実証された。
また、本発明の金属めっき方法を用いて形成した金属めっき層は、優れた耐熱性を有し、基材が高温となった場合でも、基材から剥離することを抑制することができる。このことは、本発明者等が行った実験により実証された。
(a)(b)は、それぞれ本発明の一実施形態の金属めっき物の概略断面図である。 (a)(b)は、それぞれ本発明の一実施形態の金属めっき物の概略断面図である。 (a)は本発明の一実施形態の抵抗体の概略斜視図であり、(b)は本発明の一実施形態の抵抗体を含む抵抗器の概略断面図である。 一次めっき工程のフローチャートである。 一次めっき工程のフローチャートである。 一次めっき工程のフローチャートである。 一次めっき工程のフローチャートである。 一次めっき工程のフローチャートである。 第1バインダにより基材のセラミックス表面に固定した金属ナノ粒子の概念図である。 (a)は第2バインダにより基材の金属表面に固定した金属ナノ粒子の概念図であり、(b)は第3バインダにより基材の金属表面に固定した金属ナノ粒子の概念図であり、(c)は第3バインダにより基材のセラミックス表面に固定した金属ナノ粒子の概念図である。
本発明の金属めっき方法は、少なくとも1種類のバインダを用いて複数の金属ナノ粒子を基材の表面に固定することにより、前記基材上に複数の金属ナノ粒子からなる一次めっき層を形成する一次めっき工程を含み、前記基材は、セラミックス表面と金属表面とを有し、少なくとも1種類のバインダは、複数の金属ナノ粒子の一部を前記セラミックス表面に固定し、かつ、他の金属ナノ粒子を前記金属表面に固定することを特徴とする。
本発明の金属めっき方法に含まれる一次めっき工程は、複数の金属ナノ粒子の一部を前記セラミックス表面に固定する第1バインダと他の金属ナノ粒子を前記金属表面に固定する第2バインダとを用いて一次めっき層を形成する工程であることが好ましい。第1バインダは、チオール基、ジスルフィド基、アミノ基又はグリシジル基を有するシランカップリング剤であることが好ましい。第2バインダは、前記金属ナノ粒子に吸着する第1官能基と、前記金属表面に吸着する第2官能基とを有する有機化合物であることが好ましく、第1及び第2官能基は、チオール基、ジスルフィド基、アミノ基又はグリシジル基であることが好ましい。チオール基、ジスルフィド基、アミノ基又はグリシジル基を有するシランカップリング剤を第1バインダとして用いると、金属ナノ粒子を基材のセラミックス表面に固定することができる。第1及び第2官能基がチオール基、ジスルフィド基、アミノ基又はグリシジル基である有機化合物を第2バインダとして用いると、金属ナノ粒子を基材の金属表面に固定することができる。このため、基材の表面を均一に覆う一次めっき層を形成することができる。
本発明の金属めっき方法に含まれる一次めっき工程は、前記セラミックス表面及び前記金属表面に複数の金属ナノ粒子を固定する第3バインダを用いて一次めっき層を形成する工程であることが好ましい。第3バインダは、前記金属ナノ粒子に吸着する第3官能基と、前記金属表面に吸着する第4官能基とを有するシランカップリング剤であることが好ましく、第3及び第4官能基は、チオール基、ジスルフィド基、アミノ基又はグリシジル基であることが好ましい。第3及び第4官能基がチオール基、ジスルフィド基又はアミノ基であるシランカップリング剤を第3バインダとして用いると、金属ナノ粒子を基材のセラミックス表面及び金属表面に固定することができる。このため、基材の表面を均一に覆う一次めっき層を形成することができる。
なお、少なくとも1種類のバインダとして、第3バインダだけを用いることもできるが、第1バインダと第2バインダと第3バインダを組み合わせて用いてもよい。
前記基材は、セラミックス相と金属相とを有する複合焼結体であることが好ましく、前記セラミックス表面は、前記セラミックス相であることが好ましく、前記金属表面は、前記金属相であることが好ましい。この場合、本発明の金属めっき方法により複合焼結体の表面上に第1めっき層を形成することができる。
前記セラミックス相は、無機酸化物相であることが好ましく、Li、Be、B、N、F、Na、Mg、Al、Si、P、K、Ca、Ti、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Baのうち一種又は複数種の元素の酸化物を含むことが好ましい。この場合、基材のセラミックス表面が水酸基を有することができ、この水酸基がシランカップリング剤のシラノール基と縮合反応することができる。
本発明の金属めっき方法は、一次めっき層が形成された基材に電解めっき又は無電解めっきを施し二次めっき層を形成する二次めっき工程をさらに含むことが好ましい。二次めっき工程を行うことにより、基材を覆う金属めっき層の厚さを厚くすることができ、金属めっき層の導電性を向上させることができる。
本発明の金属めっき方法は、二次めっき層が形成された基材に電解めっき又は無電解めっきを施し三次めっき層を形成する三次めっき工程をさらに含むことが好ましい。三次めっき工程を行うことにより、基材が多層化した金属めっき層により覆われた金属めっき物を製造することができる。
本発明は、セラミックス表面及び金属表面を有する基材と、前記セラミックス表面上及び前記金属表面上に設けられた金属めっき層とを有し、前記基材と前記金属めっき層との界面に、チオール基を有する化合物、あるいはその分解生成物又は反応生成物を有することを特徴とする金属めっき物も提供する。本発明の金属めっき物は、密着強度の高く耐熱性に優れた金属めっき層を有する。このことは、本発明者等が行った実験により実証された。
本発明は、セラミックス相と金属相とを有する複合焼結体と、前記セラミックス相上及び前記金属相上に設けられた金属めっき層とを有し、前記金属めっき層は、前記金属相と電気的に接続する抵抗体端子であり、前記複合焼結体と前記金属めっき層との界面に、チオール基を有する化合物、あるいはその分解生成物又は反応生成物を有することを特徴とする抵抗体も提供する。本発明の抵抗体は、密着強度の高く耐熱性に優れた抵抗体端子(金属めっき層)を有する。このことは、本発明者等が行った実験により実証された。
以下、複数の実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
図1(a)(b)は、それぞれ本実施形態の金属めっき方法により基材上に一次めっき層を形成した金属めっき物の概略断面図である。図2(a)は、本実施形態の金属めっき方法により基材上に一次めっき層及び二次めっき層を形成しためっき物の概略断面図であり、図2(b)は、本実施形態の金属めっき方法により基材上に一次めっき層、二次めっき層及び三次めっき層を形成しためっき物の概略断面図である。図3(a)は本実施形態の抵抗体の概略斜視図であり、図3(b)は本実施形態の抵抗体を含む抵抗器の概略断面図である。
本実施形態の金属めっき方法は、少なくとも1種類のバインダ2を用いて複数の金属ナノ粒子1を基材5の表面に固定することにより、基材5上に複数の金属ナノ粒子1からなる一次めっき層4を形成する一次めっき工程を含み、基材5は、セラミックス表面7と金属表面9とを有し、少なくとも1種類のバインダ2は、複数の金属ナノ粒子1の一部をセラミックス表面7に固定し、かつ、他の金属ナノ粒子1を金属表面9に固定することを特徴とする。本実施形態の金属めっき方法により、本実施形態の金属めっき物13又は抵抗体15を製造することができる。また、本実施形態の金属めっき方法は、二次めっき工程を含むことができる。さらに、本実施形態の金属めっき方法は、三次めっき工程を含むことができる。
本実施形態の金属めっき物13は、セラミックス表面7及び金属表面9を有する基材5と、セラミックス表面7上及び金属表面9上に設けられた金属めっき層18とを有し、基材5と金属めっき層18との界面に、チオール基を有する化合物、あるいはその分解生成物又は反応生成物を有することを特徴とする。
本実施形態の抵抗体15は、セラミックス相6と金属相8とを有する複合焼結体28と、セラミックス相6上及び金属相8上に設けられた金属めっき層18とを有し、金属めっき層18は、金属相8と電気的に接続する抵抗体端子20であり、複合焼結体28と金属めっき層18との界面に、チオール基を有する化合物、あるいはその分解生成物又は反応生成物を有することを特徴とする。
以下、本実施形態の金属めっき方法、金属めっき物13、抵抗体15について説明する。
1.基材
本実施形態の金属めっき方法に用いる基材5は、被めっき物であり、基材5上に金属めっき層18が形成される。基材5は、セラミックス表面7と金属表面9とを有する。セラミックス表面7とは基材5の表面のうちセラミックス相6の表面であり、金属表面9とは基材5の表面のうち金属相8の表面である。セラミックス表面7は、無機酸化物表面であってもよい。セラミックス表面7と金属表面9とを有する基材表面が、一次めっき工程の下地となる。
例えば、基材5は、セラミックスと金属との複合材である。また、基材5は、セラミックス相6と金属相8とを有する複合焼結体28であってもよい。
ここでは、基材5が複合焼結体28である場合について説明する。
複合焼結体28は、セラミックスの粉粒体と金属の粉粒体とを混合して焼結したものである。なお、粉粒体には粒径が数nmのものから粒径が数百μmのものまで含まれる。また、複合焼結体28は、セラミックスの粉粒体が軟化又は溶融する温度以上であり、金属の粉粒体が溶融しない温度で焼結されたものであってもよい。例えば、複合焼結体28は、600℃以上1500℃以下の温度で焼結されたものであってもよい。また、粉粒体の混合比(体積比)は、例えば、セラミックス:金属を80:20〜40:60とすることができる。つまり、セラミックスと金属との合計を100%としたとき、セラミックスを40%〜80%とし、金属を20%〜60%とすることができる。
セラミックスの粉粒体が焼結により複合焼結体28のセラミックス相6となり、金属の粉粒体が焼結により複合焼結体28の金属相8となる。また、複合焼結体28の表面のうちセラミックス相6である部分がセラミックス表面7となり、複合焼結体28の表面のうち金属相8である部分が金属表面9となる。
複合焼結体28は、セラミックス相6がマトリックスとなるものであってもよい。また、複合焼結体28は、マトリックスであるセラミックス相6中において、粒子状の金属相8が分散及び接触した構造を有することができる。このことにより、複合焼結体28を用いて、比較的高い電気抵抗値を有する抵抗体15を製造することができる。
複合焼結体28に含まれるセラミックス相6は、無機酸化物相であり、Li、Be、B、N、F、Na、Mg、Al、Si、P、K、Ca、Ti、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Baのうち一種又は複数種の元素の酸化物を含む。セラミックス相6の原料となるセラミックスの粉粒体は、例えば、ガラス粉粒体である。ガラス粉粒体は、焼結時に溶融又は軟化するものであってもよい。また、セラミックスの粉粒体は、アルミナ粉粒体、ジルコニア粉粒体、マグネシア粉粒体、ムライト粉粒体などであってもよい。さらにセラミックスの粉粒体は、陶磁器、瓦、碍子などを粉砕したものであってもよい。セラミックス相6の原料となるセラミックスの粉粒体は、例示した粉粒体を複数混合したものであってもよい。
焼結前のセラミックスの粉粒体の平均粒径は、例えば、50μm以下とすることができる。
複合焼結体28に含まれる金属相8は、例えばニクロムを含むことができる。ニクロムは、例えば、55〜90%Ni、10〜25%Cr、0〜26%Feを含む合金であってもよい。また、複合焼結体28に含まれる金属相8は、ステンレス鋼を含むことができる。
金属相8の原料となる金属の粉粒体は、たとえば、ニクロム粉粒体であってもよく、ステンレス鋼粉粒体であってもよく、ニクロムとステンレス鋼の混合粉粒体であってもよい。焼結前の金属の粉粒体の平均粒径は、例えば、1μm以上200μm以下である。焼結前の金属の粉粒体の形状は、例えば、球状、板状、扁平状などである。
2.一次めっき工程
一次めっき工程は、少なくとも1種類のバインダ2を用いて複数の金属ナノ粒子1を基材5の表面に固定することにより、基材5上に複数の金属ナノ粒子1からなる一次めっき層4を形成する工程である。また、一次めっき工程は、無電解めっき法により一次めっき層4を形成する工程である。なお、無電解めっき法とは、電流を流すことなくめっきする方法である。
一次めっき工程は、例えば、図4〜図8に示したフローチャートのような手順により行うことができる。なお、図4〜図8では、一次めっき工程は金属ナノ粒子分散液の調製を含んでいるが、一次めっき工程は調製済みの金属ナノ粒子分散液を用いてもよい。また、図4〜図8では、一次めっき工程は熱処理を含んでいるが、熱処理は省略してもよい。なお、基材5の表面の一部に金属めっき層18を形成する場合、一次めっき工程の前に、基材5の表面の一部をマスクで覆うことができる。
金属ナノ粒子分散液は、例えば、金属化合物が溶解した水溶液に還元剤を添加し、室温〜95℃で水溶液を5分〜24時間攪拌することにより調製することができる。このことにより、水溶液中の金属イオンを還元剤により還元することができ、水溶液中に金属ナノ粒子1を発生させることができる。金属ナノ粒子1の平均粒径は、例えば1nm以上50nm以下である。
金属ナノ粒子分散液は、例えば、金ナノ粒子分散液、銀ナノ粒子分散液、パラジウムナノ粒子分散液などである。金ナノ粒子分散液は、例えば、テトラクロロ金酸水溶液に還元剤を添加することにより調製することができる。銀ナノ粒子分散液は、例えば、硝酸銀水溶液に還元剤を添加することにより調製することができる。パラジウムナノ粒子分散液は、例えば、硝酸パラジウム水溶液に還元剤を添加することにより調製することができる。
還元剤は、金属イオンを還元することができるものであれば限定されないが、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、過酸化水素などである。
金属ナノ粒子分散液は、分散剤を含んでもよく、分散剤を含まなくてもよい。金属ナノ粒子分散液は、例えば、分散剤として、クエン酸、クエン酸ナトリウム、アルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンなどを含むことができる。また、金属ナノ粒子分散液は、pH調整剤を含んでもよい。
一次めっき工程は、複数の金属ナノ粒子1の一部をセラミックス表面7に固定する第1バインダ2aと他の金属ナノ粒子1を金属表面9に固定する第2バインダ2bとを用いて一次めっき層4を形成する工程であってもよい。この場合、一次めっき工程により図1(a)に示したような一次めっき物13を製造することができる。なお、図1では、一次めっき層4を構成する金属ナノ粒子1として、バインダ2により基材5の表面に固定された金属ナノ粒子1のみを示しているが、一次めっき層4は、基材5の表面に固定された金属ナノ粒子1に付着した金属ナノ粒子1も含む。
第1バインダ2aは、基材5のセラミックス表面7に吸着する官能基と、金属ナノ粒子1に吸着する官能基とを有する有機化合物である。なお、吸着には、物理吸着と化学吸着とが含まれる。なお、図1(a)では、セラミックス表面7に吸着する官能基を黒丸で示しており、金属ナノ粒子1に吸着する官能基を白丸で示している。
セラミックス表面7に吸着する官能基としては、シラノール基(―SiOH)、ケイ素原子に結合した加水分解性基(例えば、−Si−OCH3、−Si−OC25、−Si−OCOCH3など)などが挙げられる。この場合、第1バインダ2aは、シランカップリング剤となる。シランカップリング剤は、有機官能基「Y」と加水分解性基「OR」の両者を併せ持つ有機ケイ素化合物(Y−Si−ORn)である。シランカップリング剤を基材5のセラミックス表面7に吸着させる場合、例えば、シランカップリング剤に水を加え、加水分解性基の加水分解反応を進行させ、加水分解性基をシラノール基(−Si−OH)に変換する。このシラノール基とセラミックス表面7の水酸基(−OH)との脱水縮合反応を進行させることにより、第1バインダ2aをセラミックス表面7に化学吸着させることができる。
金属ナノ粒子1に吸着する官能基としては、チオール基(−SH)、ジスルフィド基(−SS−)、アミノ基(−NH2)、グリシジル基などが挙げられる。硫黄原子は、金属原子との親和性が高いため、チオール基又はジスルフィド基は、金属ナノ粒子1に吸着する。また、アミノ基は、静電相互作用により金属ナノ粒子1に吸着する。第1バインダ2aがシランカップリング剤である場合、シランカップリング剤の有機官能基「Y」がチオール基、ジスルフィド基、アミノ基又はグリシジル基を有することができる。この第1バインダ2aにより、金属ナノ粒子1をセラミックス表面7に固定することができる。また、金属ナノ粒子1とセラミックス表面7との接合強度を高くすることができる。
第1バインダ2aは、例えば、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系シランカップリング剤や3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどのメルカプト系シランカップリング剤である。
図9は、アミノ系シランカップリング剤を用いて金属ナノ粒子1を基材5のセラミックス表面7に固定する場合の概念図である。まず、アミノ系シランカップリング剤に水を加え加水分解性基を加水分解し、基材5のセラミックス表面7の水酸基と脱水縮合反応させることにより、シランカップリング剤をセラミックス表面7に化学吸着させる。そして、シランカップリング剤のアミノ基を金属ナノ粒子1に吸着させることにより、シランカップリング剤を介して基材5のセラミックス表面7に金属ナノ粒子1を固定することができる。
第2バインダ2bは、基材5の金属表面9に吸着する官能基と、金属ナノ粒子1に吸着する官能基とを有する有機化合物である。なお、図1(a)では、金属表面9に吸着する官能基を黒四角で示しており、金属ナノ粒子1に吸着する官能基を白丸で示している。
金属表面9に吸着する官能基としては、チオール基(−SH)、ジスルフィド基(−SS−)、アミノ基(−NH2)、グリシジル基などが挙げられる。また、金属ナノ粒子1に吸着する官能基としては、チオール基(−SH)、ジスルフィド基(−SS−)、アミノ基(−NH2)、グリシジル基などが挙げられる。また、第2バインダ2bは、金属表面9に吸着する官能基としてチオール基又はジスルフィド基を有し、金属ナノ粒子1に吸着する官能基としてアミノ基(−NH2)を有する有機化合物であってもよい。
従って、第2バインダ2bがこのような官能基を有することにより、金属ナノ粒子1を金属表面9に固定することができる。また、金属ナノ粒子1と金属表面9との接合強度を高くすることができる。
第2バインダ2bは、例えば、4−アミノチオフェノール、アミノフェニルジスルフィドなどである。第2バインダ2bは、例えば、図10(a)のように、基材5の金属表面9に金属ナノ粒子1を固定することができる。
一次めっき工程は、例えば、図4に示したフローチャートのように、金属ナノ粒子分散液に基材5を浸漬し、金属ナノ粒子分散液に第1バインダ2a及び第2バインダ2bを添加した後、金属ナノ粒子分散液を攪拌又は静置することにより、基材5上に一次めっき層4を形成する工程であってもよい。攪拌又は静置する時間は、例えば、1時間以上48時間以下とすることができる。
この場合、金属ナノ粒子分散液中に、金属ナノ粒子1、基材5、第1バインダ2a及び第2バインダ2bが存在する。このため、第1バインダ2aは、基材5のセラミックス表面7及び金属ナノ粒子1に吸着し、セラミックス表面7に金属ナノ粒子1を固定する。また、第2バインダ2bは、基材5の金属表面9及び金属ナノ粒子1に吸着し、セラミックス表面7に金属ナノ粒子1を固定する。このため、基材5の表面を均一に覆う一次めっき層4を形成することができる。また、一次めっき層4を構成する金属ナノ粒子1は、第1バインダ2a及び第2バインダ2bにより基材5の表面に固定されているため、基材5の表面に対する一次めっき層4の密着強度を高くすることができる。また、この一次めっき層4は、二次めっき層10を析出させるための核として利用することができ、基材5上に十分な厚さを有する金属めっき層18を形成することが可能になる。
一次めっき工程は、例えば、図5に示したフローチャートのように、第1バインダ2aを用いて基材5の表面処理を行うことにより基材5のセラミックス表面7に第1バインダ2aを吸着させた後、金属ナノ粒子分散液に基材5を浸漬し、金属ナノ粒子分散液に第2バインダ2bを添加し、金属ナノ粒子分散液を攪拌又は静置することにより、基材5上に一次めっき層4を形成する工程であってもよい。この場合、表面処理において第1バインダ2aを基材5のセラミックス表面7に吸着させ、金属ナノ粒子分散液中において第2バインダ2bを金属表面9に吸着させるため、第1バインダ2aを吸着させる条件と第2バインダ2bを吸着させる条件とを変えることができる。例えば、吸着時のpHや温度などを変更することができる。このことにより、一次めっき層4を効率的に形成することができる。また、一次めっき層4を構成する金属ナノ粒子1に余分な第1バインダ2aが付着することを抑制することができる。
一次めっき工程は、例えば、図6に示したフローチャートのように、第1バインダ2a及び第2バインダ2bを用いて基材5の表面処理を行うことにより基材5のセラミックス表面7に第1バインダ2aを吸着させ金属表面9に第2バインダ2bを吸着させた後、金属ナノ粒子分散液に基材5を浸漬し、金属ナノ粒子分散液を攪拌又は静置することにより、基材5上に一次めっき層4を形成する工程であってもよい。この場合、表面処理において第1バインダ2aを基材5のセラミックス表面7に吸着させ第2バインダ2bを金属表面9に吸着させた後、金属ナノ粒子分散液中において第1及び第2バインダ2に金属ナノ粒子1を吸着させる。この場合、基材5に第1及び第2バインダ2を吸着させる条件と第1及び第2バインダ2に金属ナノ粒子1を吸着させる条件とが同じである必要はないので、それぞれの吸着に適した条件を選択して行うことができる。このことにより、一次めっき層4を効率的に形成することができる。
一次めっき工程は、基材5のセラミックス表面7及び金属表面9に複数の金属ナノ粒子1を固定する第3バインダ2cを用いて一次めっき層4を形成する工程であってもよい。この場合、一次めっき工程により図1(b)に示したような一次めっき物13を製造することができる。
第3バインダ2cは、基材5のセラミックス表面7に吸着する官能基と、基材5の金属表面9に吸着する官能基と、金属ナノ粒子1に吸着する官能基とを有する有機化合物である。なお、図1(b)では、セラミックス表面7に吸着する官能基を黒丸で示しており、金属表面9に吸着する官能基を黒四角で示しており、金属ナノ粒子1に吸着する官能基を白丸で示している。
セラミックス表面7に吸着する官能基としては、シラノール基(―SiOH)、ケイ素原子に結合した加水分解性基(例えば、−Si−OCH3、−Si−OC25、−Si−OCOCH3など)などが挙げられる。例えば、シランカップリング剤のアルコキシ基がセラミックス表面7に化学的に結合(縮合)して吸着する。
金属表面9に吸着する官能基としては、チオール基(−SH)、ジスルフィド基(−SS−)、アミノ基(−NH2)、グリシジル基などが挙げられる。金属ナノ粒子1に吸着する官能基としては、チオール基、ジスルフィド基、アミノ基、グリシジル基などが挙げられる。
第3バインダ2cがシランカップリング剤(Y−Si−ORn)である場合、シランカップリング剤の有機官能基「Y」が金属表面9に吸着する官能基と、金属ナノ粒子1に吸着する官能基とを有する。この第3バインダ2cにより、金属ナノ粒子1をセラミックス表面7及び金属表面9に固定することができる。また、金属ナノ粒子1と基材5の表面との接合強度を高くすることができる。
第3バインダ2cは、例えば、図10(b)のように、基材5の金属表面9に金属ナノ粒子1を固定することができ、図10(c)のように、基材5のセラミックス表面7に金属ナノ粒子1を固定することができる。
一次めっき工程は、例えば、図7に示したフローチャートのように、金属ナノ粒子分散液に基材5を浸漬し、金属ナノ粒子分散液に第3バインダ2cを添加した後、金属ナノ粒子分散液を攪拌又は静置することにより、基材5上に一次めっき層4を形成する工程であってもよい。この場合、金属ナノ粒子分散液中に、金属ナノ粒子1、基材5、第3バインダ2cが存在する。このため、第3バインダ2cは、基材5のセラミックス表面7及び金属ナノ粒子1に吸着しセラミックス表面7に金属ナノ粒子1を固定する。また、第3バインダ2cは、基材5の金属表面9及び金属ナノ粒子1に吸着し金属表面9に金属ナノ粒子1を固定する。このように第3バインダ2cを用いると1種類のバインダで一次めっき層4を形成することができる。
一次めっき工程は、例えば、図8に示したフローチャートのように、第3バインダ2cを用いて基材5の表面処理を行うことにより基材5のセラミックス表面7及び金属表面9に第3バインダ2cを吸着させた後、金属ナノ粒子分散液に基材5を浸漬し、金属ナノ粒子分散液を攪拌又は静置することにより、基材5上に一次めっき層4を形成する工程であってもよい。この場合、表面処理において第3バインダ2cを基材5のセラミックス表面7及び金属表面9に吸着させた後、金属ナノ粒子分散液中において第3バインダ2cに金属ナノ粒子1を吸着させる。このため、基材5に第3バインダ2cを吸着させる条件と第3バインダ2cに金属ナノ粒子1を吸着させる条件とを変えることができる。
一次めっき工程は、一次めっき層4が形成された一次めっき物13を熱処理する工程を含むことができる。このことにより、一次めっき層4を核として二次めっき層10が析出しやすくなる。なお、熱処理工程の前に、一次めっき物13を洗浄し乾燥させることができる。
熱処理温度は、例えば、120℃以上400℃以下とすることができる。また、熱処理時間は、1分間以上30分間以下とすることができ、好ましくは10分間以上20分間以下とすることができる。また、熱処理雰囲気は、空気中でもよいが、窒素やアルゴンなどの不活性雰囲気であることが好ましい。
また、熱処理によりバインダ2は熱分解する場合もあるが、一次めっき層4の密着強度は保たれる。また、バインダ2が熱分解した場合、基材5と一次めっき層4との界面にバインダ2の熱分解生成物が存在する場合がある。なお、バインダ2がチオール基を有する化合物である場合、基材5と一次めっき層4との界面にバインダ2の熱分解生成物である硫黄、又は硫黄を含む化合物が存在すると考えられる。また、バインダ2がシランカップリング剤である場合、基材5と一次めっき層4との界面にバインダ2の熱分解生成物であるケイ素化合物が存在すると考えられる。
3.二次めっき工程
二次めっき工程は、一次めっき層4が形成された基材5(一次めっき物)に電解めっき又は無電解めっきを施し二次めっき層10を形成する工程である。二次めっき工程を行うことにより、基材5を覆う金属めっき層18が十分に厚い二次めっき物を製造することができる。金属めっき層18の厚さが厚くなることにより、金属めっき層18の導電性が向上する。また、金属めっき層18は基材5の金属表面9と電気的に接続するため、金属めっき層18を基材5の端子として利用することができる。
二次めっき物は、例えば図2(a)のような断面を有することができる。
一次めっき層4と二次めっき層10の金属種は、同じであっても異なってもよい。一次めっき層4と二次めっき層10の金属種が同じ場合、一次めっき層4と二次めっき層10とが一体となり金属めっき層18を構成すると考えられる。また、一次めっき層4と二次めっき層10の金属種が異なる場合、図2(a)に示した金属めっき物13のように、金属めっき層18の基材5に近接する部分に一次めっき層4を構成する金属ナノ粒子1が存在すると考えられる。
無電解めっきにより二次めっき工程を行う場合、例えば、金属化合物が溶解した水溶液に還元剤を加えることにより調製しためっき液に一次めっき層4が形成された基材5を浸漬し、めっき液を室温〜95℃で水溶液を5〜120分間攪拌又は静置することにより、二次めっき層10を形成することができる。このことにより、一次めっき層4を核として二次めっき層10を析出させることができ、金属ナノ粒子1の間隙を二次めっき層10で埋めることができる。このことにより、金属めっき層18が高い導電性を有することができる。
二次めっき層10の金属種は、例えば、Zn、Ni、Ag又はSnである。この金属種の金属化合物の水溶液をめっき液に用いることができる。二次めっき層10の金属種はニッケルであることが好ましい。このことにより、金属めっき層18が耐熱性を有することができる。
還元剤には、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、過酸化水素、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸、ヒドラジンなどを用いることができる。また、めっき液には、エチレンジアミン、クエン酸などの錯化剤が添加されていてもよい。また、めっき液には、pH調整剤が添加されていてもよい。
二次めっき層10の厚さは、例えば、50nm〜3μmである。
電解めっきにより二次めっき工程を行う場合、例えば、金属化合物が溶解した水溶液であるめっき液中に一次めっき層4が形成された基材5を陰極となるように設置し、電流を流すことにより一次めっき層4上に二次めっき層10を形成することができる。
二次めっき層10の金属種は、例えば、Zn、Ni、Ag又はSnである。この金属種の金属化合物の水溶液をめっき液に用いることができる。また、めっき液には、エチレンジアミン、クエン酸などの錯化剤が添加されていてもよい。また、めっき液には、pH調整剤が添加されていてもよい。
4.三次めっき工程
三次めっき工程は、二次めっき層10が形成された基材5(二次めっき物)に電解めっき又は無電解めっきを施し三次めっき層11を形成する工程である。三次めっき工程を行うことにより、基材5が多層化した金属めっき層18により覆われた三次めっき物を製造することができる。三次めっき物は、例えば図2(b)のような断面を有することができる。二次めっき層10の金属種は、三次めっき層11の金属種と異なってもよい。三次めっき層11の金属種は、例えば、Zn、Ni、Ag又はSnである。
三次めっき工程では、二次めっき工程と同様の方法より、電解めっき又は無電解めっきを行うことができる。
三次めっき層11の厚さは、例えば、50nm〜3μmである。
5.金属めっき物
本実施形態の金属めっき物13は、セラミックス表面7及び金属表面9を有する基材5と、セラミックス表面7上及び金属表面9上に設けられた金属めっき層18とを有する。金属めっき物13は、基材5と金属めっき層18との界面に、チオール基を有する化合物、あるいはその分解生成物又は反応生成物を有する。
本実施形態の金属めっき物13は、上述の金属めっき方法により製造することができる。また、金属めっき層18は、上述の一次めっき工程、二次めっき工程により形成することができる。また、金属めっき層18は、一次めっき工程、二次めっき工程、三次めっき工程により形成されていてもよい。この場合、金属めっき層18は、多層構造を有する。金属めっき物13は、例えば、図1(a)(b)、図2(a)(b)の断面図のような断面を有することができる。
金属めっき物13は、基材5と金属めっき層18との界面に、チオール基を有する化合物、あるいはその分解生成物又は反応生成物を有する。このチオール基を含む化合物は、一次メッキ工程で用いるバインダ2であり、基材5と金属めっき層18との界面に残存する。この残存したバインダ2は、熱処理や、金属めっき物13の自己発熱などにより熱分解又は化学反応する場合がある。この場合、基材5と金属めっき層18との界面にチオール基を有する化合物の分解生成物又は反応生成物が存在する。分解生成物又は反応生成物は、例えば、硫黄、又は硫黄を含む化合物である。
6.抵抗体
本実施形態の抵抗体15は、セラミックス相6と金属相8とを有する複合焼結体28と、セラミックス相6上及び金属相8上に設けられた金属めっき層18とを有する。金属めっき層18は、金属相8と電気的に接続する抵抗体端子20である。抵抗体15は、複合焼結体28と金属めっき層18との界面に、チオール基を有する化合物、あるいはその分解生成物又は反応生成物を有する。
抵抗体15は、電流量を制限したり調整したりするものである。抵抗体15は、例えば、中性点接地抵抗器、突入電流制限抵抗器、励磁突入電流抑制抵抗器などに含まれる。
本実施形態の抵抗体15は、上述の金属めっき方法により製造することができる。また、金属めっき層18(抵抗体端子20)は、上述の一次めっき工程、二次めっき工程により形成することができる。このため、複合焼結体28のセラミックス表面7及び金属表面9への金属めっき層18の密着強度を大きくすることができ、複合焼結体28と金属めっき層18との接触抵抗を均一化することができる。また、金属めっき層18は、一次めっき工程、二次めっき工程、三次めっき工程により形成されていてもよい。
抵抗体15は、例えば、図2(a)(b)の断面図のような断面を有することができる。
抵抗体15は、例えば、ニッケルの二次めっき層10と銀の三次めっき層11とを有することができる。抵抗体15がニッケルの二次めっき層10を有することにより、抵抗体端子20の耐熱性を向上させることができ、銀の三次めっき層11を有することにより、抵抗体端子20の導電性を向上させることができる。
抵抗体15は、基材5と金属めっき層18との界面に、チオール基を有する化合物、あるいはその分解生成物又は反応生成物を有する。このチオール基を含む化合物は、一次メッキ工程で用いるバインダ2であり、基材5と金属めっき層18との界面に残存する。この残存したバインダ2は、熱処理や、抵抗体15の自己発熱などにより熱分解又は化学反応する場合がある。
金属めっき層18は、複合焼結体28の金属相8と電気的に接続する抵抗体端子20である。このため、金属めっき層18を介して複合焼結体28に電流を流すことができ、電流量を制限したり調整したりすることができる。また、複合焼結体28のセラミックス相6は、絶縁体又は高抵抗半導体であり、金属相8は導電体であるため、セラミックスと金属の混合比、金属相8の形状、大きさなどを調整することにより、複合焼結体28の電気抵抗値を制御することが可能である。
抵抗体15は、図3(a)の斜視図のように、2つの抵抗体端子20a、20b(金属めっき層18)を有することができる。抵抗体端子20a、20bとの間に電位差が生じた場合、複合焼結体28の金属相8に電流を流すことができる。複合焼結体28は、マトリックスであるセラミックス相6中において、粒子状の金属相8が分散及び接触した構造を有するため、複合焼結体28中において電流は複雑な電流経路で流れると考えられる。
複合焼結体28に大電流が流れると、複合焼結体28は自己発熱し高温になる。このため、抵抗体端子20(金属めっき層18)も高温化する。このため、熱膨張率の差などにより、抵抗体端子20と複合焼結体28の間に剥がれようとする応力が働く。しかし、本実施形態の抵抗体15では、バインダ2により金属ナノ粒子1をセラミックス表面7及び金属表面9に固定する上記の金属めっき方法を用いて金属めっき層18を形成しているため、抵抗体15が自己発熱し高温になった場合でも、抵抗体端子20が複合焼結体28から剥がれることを抑制することができる。このことは、発明者等が行った実験により実証された。
複数の抵抗体15を用いて抵抗器25を作製することができる。抵抗器25は、例えば図3(b)のような複数の抵抗体15が積層した構造を有することができる。抵抗体端子20は、隣接する2つの抵抗体15を電気的に接続する端子、又は抵抗体15と接続端子21とを接続する端子として機能することができる。
積層した複数の抵抗体15は、図3(b)に示した抵抗器25のように、直列に接続されてもよい。また、積層した複数の抵抗体15は、並列に接続されてもよい。また、抵抗器25は、並列に接続された抵抗体15と、直列に接続された抵抗体15とを含んでもよい。
以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[複合焼結体の金属めっき]
ガラス粉末と、ニクロム粉末とを70:30で混合し焼結した複合焼結体を基材として用いた。この複合焼結体の表面上に金属めっき層を形成した。
<実施例1>
(1)準備工程
100mLの超純水に、0.7mLの硝酸銀(和光純薬工業社製)0.1M水溶液を加えた後、1mLの水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬工業社製)2重量%水溶液を加え、マグネチックスターラで1時間攪拌(500rpm)することにより、銀ナノ粒子分散液(以下、Ag分散液という)を得た。
(2)一次めっき工程
メルカプトプロピルトリメトキシシラン水溶液(第1バインダ)に複合焼結体を浸漬させ、1時間静置することで複合焼結体表面に第1バインダを修飾した。その後、複合焼結体を回収して充分水洗いした後、80℃で15分乾燥を行った。得られたバインダ修飾複合焼結体に50mLのAg分散液と、2.3mLの塩酸0.1M水溶液と、0.25mLのアミノエタンチオール塩酸塩10mM水溶液(第2バインダ)とを添加し、室温で3時間ミックスロータにより攪拌(100rpm)した。その後、一次めっき物を回収して充分水洗いした後、真空乾燥を行った。
(3)二次めっき工程
50mlの超純水と、1.65mLの硝酸銀0.1M水溶液と、67μLのエチレンジアミン(和光純薬工業社製)と、5.7mLのロッシェル塩(和光純薬工業社製)5重量%水溶液とを加え、無電解銀めっき液を調製した。このめっき液に一次めっき物を入れ、ミックスロータで攪拌(100rpm)した。二次めっき物を回収して充分水洗いした後、真空乾燥を行った。
(4)熱処理工程
二次めっき物を卓上マッフル炉(デンケン社製、商品名「KDF P70」)で窒素雰囲気中、250℃、15分間加熱することにより、実施例1に係る金属めっき物を得た。
<実施例2>
実施例1における(2)一次めっき工程の代わりに、下記(2−1)一次めっき工程を実行したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2に係る金属めっき物を得た。
(2−1)一次めっき工程
50mLの酢酸1重量%水溶液を、マグネチックスターラで攪拌(500rpm)しながら、0.25mLの3―グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(シグマアルドリッチ社製)(第1バインダ)をゆっくり滴下し、グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン水溶液を調製した。調製した溶液に複合焼結体を浸漬させ、1時間静置することで複合焼結体表面に第1バインダを修飾した。その後、複合焼結体を回収して充分水洗いした後、80℃で15分乾燥を行った。得られたバインダ修飾複合焼結体を50mLのAg分散液と、2.3mLの塩酸0.1M水溶液と、0.25mLのアミノエタンチオール塩酸塩10mM水溶液とを添加し、室温で3時間ミックスロータにより攪拌(100rpm)した。その後、一次めっき物を回収して充分水洗いした後、真空乾燥を行った。
<比較例1>
実施例1における(2)一次めっき工程の代わりに、下記(2−2)一次めっき工程を実行したこと以外は実施例1と同様にして、比較例1に係る金属めっき物を得た。
(2−2)一次めっき工程
φ30×t2mmの複合焼結体に、50mLのAg分散液と、2.3mLの塩酸(和光純薬工業社製)0.1M水溶液と、0.25mLのアミノエタンチオール塩酸塩(和光純薬工業社製)10mM水溶液(第2バインダ)とを添加し、室温で3時間ミックスロータ(アズワン社製、商品名「MIX-ROTAR VMR‐5」)で攪拌(100rpm)した。その後、一次めっき物を回収して充分水洗いした後、真空乾燥を行った。
<比較例2>
実施例1における(2)一次めっき工程の代わりに、下記(2−3)一次めっき工程を実行したこと以外は実施例1と同様にして、比較例2に係る金属めっき物を得た。
(2−3)一次めっき工程
50mLの酢酸(和光純薬工業社製)1重量%水溶液を、マグネチックスターラで攪拌(500rpm)しながら、0.25mLの3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(シグマアルドリッチ社製)(第1バインダ)をゆっくり滴下し、メルカプトプロピルトリメトキシシラン水溶液を調製した。調製した溶液に複合焼結体を浸漬させ、1時間静置することで複合焼結体表面にバインダを修飾した。その後、複合焼結体を回収して充分水洗いした後、80℃で15分乾燥を行った。得られたバインダ修飾複合焼結体を50mLのAg分散液に浸漬し、室温で3時間ミックスロータにより攪拌(100rpm)した。その後、一次めっき物を回収して充分水洗いした後、真空乾燥を行った。
<比較例3>
実施例1における(2)一次めっき工程の代わりに、下記(2−4)一次めっき工程を実行したこと以外は実施例1と同様にして、比較例3に係る金属めっき物を得た。
(2−4)一次めっき工程
アミノプロピルトリメトキシシラン水溶液(和光純薬工業社製)0.5重量%水溶液(第1バインダ)に複合焼結体を浸漬させ、1時間静置することで複合焼結体表面にバインダを修飾した。その後、複合焼結体を回収して充分水洗いした後、80℃で15分乾燥を行った。得られたバインダ修飾複合焼結体を50mLのAg分散液に浸漬し、室温で3時間ミックスロータにより攪拌(100rpm)した。その後、一次めっき物を回収して充分水洗いした後、真空乾燥を行った。
<比較例4>
実施例1における(2)一次めっき工程の代わりに、下記(2−5)一次めっき工程を実行したこと以外は実施例1と同様にして、比較例4に係る金属めっき物を得た。
(2−5)一次めっき工程
複合焼結体に、50mLのAg分散液と、2.3mLの塩酸0.1M水溶液を添加し、3時間ミックスロータで攪拌(100rpm)した。その後、一次めっき物を回収して充分水洗いした後、真空乾燥を行った。
<評価>
実施例1、2に係る金属めっき物及び比較例1〜4に係る金属めっき物を評価した結果を表に示す。なお、表における被覆状態の評価は、「○:良好(全面に銀が被覆されている)、×:不充分(一部に銀が被覆されていない箇所がある)」とした。金属めっき物のめっき層の厚さは、金属使用量から1μmと計算された。電気抵抗は抵抗測定用4探針プローブ(BAS社製)の電極を銀めっき物の表面に押し付け、デジタルマルチメーター(34970A、Agilent社製)を用いて、10回測定し、それらの平均値を算出した。テープ剥離試験は、金属めっき物に貼り付けた粘着テープを剥がすことにより行い、評価は「○:めっきの剥離がない)、△:一部にめっきの剥離がある、×:全面にめっきの剥離がある」とした。
Figure 2021101047
実施例1、2、比較例1、3に係る金属めっき方法によれば、バインダを使用することで複合焼結体に均一に金属めっき物を得ることが出来た。
実施例1のセラミックと金属どちらにも結合するように第1バインダと第2バインダの両方を使用した場合にテープ剥離試験でめっき剥離がみられず、めっきの密着が良好であった。実施例1では、第1バインダに含まれる加水分解性基が複合焼結体のセラミックス表面に結合し、第1バインダに含まれるチオール基が銀ナノ粒子に結合していると考えられる。このため、第1バインダにより複合焼結体のセラミックス表面に銀ナノ粒子を固定できたと考えられる。また、第2バインダに含まれるアミノ基及びチオール基のうち一方が複合焼結体の金属表面に結合し、他方が銀ナノ粒子に結合していると考えられる。このため、第2バインダにより複合焼結体の金属表面に銀ナノ粒子を固定できたと考えられる。
実施例2では、テープ剥離試験において一部にめっきの剥離が認められたが、めっきの密着性は比較的良好であった。
実施例2では、第1バインダに含まれる加水分解性基が複合焼結体のセラミックス表面に結合し、第1バインダに含まれるグリシジル基が銀ナノ粒子に結合していると考えられる。このため、第1バインダにより複合焼結体のセラミックス表面に銀ナノ粒子を固定できたと考えられる。また、第2バインダに含まれるアミノ基及びチオール基のうち一方が複合焼結体の金属表面に結合し、他方が銀ナノ粒子に結合していると考えられる。このため、第2バインダにより複合焼結体の金属表面に銀ナノ粒子を固定できたと考えられる。
比較例1では、第1バインダを用いていないため、複合焼結体のセラミックス表面に銀ナノ粒子を固定できなかったと考えられ、この結果、テープ剥離試験で剥離が生じたと考えられる。
比較例2では、第2バインダを用いていないため、複合焼結体の金属表面に銀ナノ粒子を固定できなかったと考えられ、この結果、金属めっき物の被覆状態が不充分になったと考えられる。
比較例3では、第2バインダを用いていないため、複合焼結体の金属表面に銀ナノ粒子を固定できなかったと考えられ、この結果、テープ剥離試験で剥離が生じたと考えられる。
比較例4では、第1及び第2バインダを用いていないため、複合焼結体の表面に銀ナノ粒子を固定できなかったと考えられ、この結果、金属めっき物の被覆状態が不充分になったと考えられる。
[耐熱性に優れた金属めっき]
規格外瓦を粉砕したセラミックス粉末と、ニクロム粉末とを70:30で混合し焼結した複合焼結体を基材として用いた。この複合焼結体の表面上に金属めっき層を形成した。
<実施例3>
(1)準備工程
100mLの超純水に、1.41mLの塩化パラジウム(田中貴金属工業社製)1重量%水溶液を加えた後、1mLの水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬工業社製)2重量%水溶液を加え、マグネチックスターラ(500rpm)で12時間攪拌することによりパラジウムナノ粒子分散液(以下、Pd分散液という)を得た。
(2)一次めっき工程
メルカプトプロピルトリメトキシシラン水溶液(第1バインダ)にφ30×t2mmの複合焼結体を浸漬させ、1時間静置することで複合焼結体表面に第1バインダを修飾した。その後、複合焼結体を回収して充分水洗いした後、80℃で15分乾燥を行った。得られたバインダ修飾複合焼結体に50mLのPd分散液と0.5mLのp−アミノチオフェノール(和光純薬工業社製)10mMエタノール溶液を添加し、3時間攪拌した。このような一次めっき工程によりPdナノ粒子からなる一次めっき層を形成し、一次めっき物を得た。
(3)二次めっき工程
100mlの超純水に、3.9gの硫酸ニッケル六水和物(和光純薬工業社製)と、4.0gの次亜リン酸ナトリウム一水和物(和光純薬工業社製)と、3.1gのマロン酸(和光純薬工業社製)とを加えた後、25%アンモニア水(和光純薬工業社製)でpH5.5に調整し、無電解ニッケルめっき液を調製した。一次めっき物をめっき液に入れ、60℃で11分間静置することでニッケルめっきを行った。二次めっき物を回収して充分水洗いした。二次めっき層の膜厚は約1μmとした。
(4)三次めっき工程
100mlの超純水に、3.8gの硝酸銀と、7.5gのシアン化カリウム(和光純薬工業社製)と、1.5gの炭酸カリウム(和光純薬工業社製)とを加え、電解銀めっき液を調整した。次に、二次めっき層が形成された二次めっき物(陰極)と、銀線(陽極)とを調製しためっき液に浸漬し、陽極−陰極間に15mA/cm2の直流電流を流すことにより、複合焼結体に電解めっき処理を行った。この三次めっき工程により銀からなる三次めっき層を形成し、実施例3の金属めっき物を得た。三次めっき層の膜厚は約1μmとした。
[金属めっき物の耐熱特性の評価]
作製した実施例3の金属めっき物を800℃で15分間保持し熱処理を行った。そして、冷却した後の金属めっき物について、電気抵抗値測定、テープ剥離試験およびスタッドプル剥離強度測定を行った。
複合焼結体の電気抵抗値を測定したところ、0.92Ωであった。この測定値は、熱処理前の複合焼結体の電気抵抗値とほぼ同じであった。従って、金属めっき層と複合焼結体の接触抵抗は、金属めっき物に800℃の熱処理を施しても変わらないことがわかった。
テープ剥離試験は、金属めっき層に貼り付けた粘着テープを金属めっき物から剥がすことにより行った。この試験では、金属めっき層が粘着テープに付着し複合焼結体から剥離することはなかった。従って、金属めっき物に800℃の熱処理を施しても、複合焼結体に対する金属めっき層の密着強度が高いことがわかった。
スタッドプル剥離強度測定では、金属めっき物に対し、エポキシ樹脂系接着剤(クイック5、コニシ社製)で金属めっき層に接着したスタッドピンに引張荷重を掛け、金属めっき層が複合焼結体から剥離する引張荷重を測定した。この測定から金属めっき層の密着強度は、1580N/cm2であった。従って、金属めっき物に800℃の熱処理を施しても、複合焼結体に対する金属めっき層の密着強度が高いことがわかった。
従って、本発明の金属めっき方法により、800℃の耐熱性を有する金属めっき物を製造できることがわかった。
1: 金属ナノ粒子 2:バインダ 2a:第1バインダ 2b:第2バインダ 2c:第3バインダ 4:一次めっき層 5:基材 6:セラミックス相 7:セラミックス表面 8:金属相 9:金属表面 10:二次めっき層 11:三次めっき層 13:金属めっき物 15、15a〜15c:抵抗体 18:金属めっき層 20、20a〜20f:抵抗体端子 21、21a、21b:接続端子 25:抵抗器 26:絶縁板 27:導電板 28:複合焼結体

Claims (5)

  1. セラミックス表面及び金属表面を有する基材と、前記セラミックス表面上及び前記金属表面上に設けられた金属めっき層とを有し、
    前記金属めっき層は、前記基材に近接する部分に金属ナノ粒子を有し、
    前記セラミックス表面に前記金属ナノ粒子を固定するための第1バインダの分解生成物又は反応生成物であるケイ素化合物が、前記セラミックス表面と前記金属めっき層との界面に存在し、
    前記金属表面に前記金属ナノ粒子を固定するための第2バインダの分解生成物又は反応生成物である硫黄又は硫黄を含む化合物が前記金属表面と前記金属めっき層との界面に存在することを特徴とする金属めっき物。
  2. 前記金属ナノ粒子は、金ナノ粒子、銀ナノ粒子又はパラジウムナノ粒子である請求項1に記載の金属めっき物。
  3. 前記基材は、セラミックスの粉粒体と金属の粉粒体とを混合して焼結することにより前記セラミックスの粉粒体がセラミックス相となり前記金属の粉粒体が金属相となった複合焼結体であり、
    前記セラミックス表面は、前記複合焼結体の表面のうち前記セラミックス相である部分であり、
    前記金属表面は、前記複合焼結体の表面のうち前記金属相である部分である請求項1又は2に記載の金属めっき物。
  4. 前記複合焼結体は、マトリックスである前記セラミックス相中において粒子状の前記金属相が分散又は接触した構造を有し、
    前記金属めっき層は、第1抵抗体端子および第2抵抗体端子を含み、
    第1及び第2抵抗体端子は、第1抵抗体端子と第2抵抗体端子との間に電位差が生じると前記金属相に電流が流れるように設けられた請求項3に記載の金属めっき物。
  5. 前記セラミックス相は、無機酸化物相であり、Li、Be、B、N、F、Na、Mg、Al、Si、P、K、Ca、Ti、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Baのうち一種又は複数種の元素の酸化物を含む請求項3又は4に記載の金属めっき物。
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