JP2005116465A - 導電性粉体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 複数の球状の導電粒子が、貴金属箔状体を介して結合された粒体からなることを特徴とする導電性粉体。
【効果】 本発明の導電性粉体は、優れた導電性能と良好な保存安定性をもち、加工性が良好なため、高安定性と高信頼性を要求される種々の電子材料用途に使用することができる。
本発明の製造方法は、粒子表面に存在する貴金属箔の導電性を利用するため、少量の貴金属箔の量で効果的な導電性能を付与でき、また、作業性に優れ、低コストでかつ幅広い種類の導電性複合粉体を製造することができる。更に、コア粒子として低比重かつ球形の粒子を選べるので、混練り作業性、分散安定性に優れ、樹脂中への高充填が可能で、安定した導電性能、シールド効果を付与し得る導電性粉体を工業的に有利に製造できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電気・電子分野に使用される電子部品、例えばプリント配線板に適用される導電性回路や導電性接着剤、もしくは自動車用部品、携帯電話等の日用品、パソコン等の事務機などに使用可能な導電材料を組成するために有用な導電性粉体及びその製造方法に関し、より詳細に述べると、導電性ゴム、導電性ペースト、導電性インキ、電磁波シールド材料などの原料として、樹脂組成物に導電性を付与し得る、優れた導電性能をもち、保存安定性の良好な導電性粉体及びその製造方法に関する。
近年、導電性材料に関するニーズの多用化、例えば電子部品の小型化、軽量化、精密化などに伴って導電性材料、導電性樹脂組成物等の開発が盛んに行われている。これら導電性材料や組成物に用いられる導電性粉体としては、従来は低価格なカーボンが主に用いられていたが、最近は低抵抗化への要請から、高い導電性を持つ金属粉や金属被覆粉体が用いられるようになってきた。中でも、銀、銅、銀被覆銅粉、ニッケル、パラジウムといった金属粉体が、とりわけ頻繁に使用されていた。
しかしながら、こうした金属粉体は、様々な問題点を持っていた。例えば銀粉は、電気特性は非常に優れているが、マイグレーションが起こるため信頼性が要求される用途には使用できない。銅粉は、安価で高い導電性を持っているものの酸化され易く、信頼性が低い。ニッケル粉は、接触抵抗が大きいため用途が限られている。
また、これら単体の金属粉末のほかに、銅やニッケルの粉末の表面を銀で被覆した粉体も用いられている。しかし、この目的は、安価である銅やニッケル粉により銀のコストを下げるためであり、やはり空気中の酸素や水分や硫黄等の影響により、粉体表面に酸化膜や硫化膜を形成して導電性を悪化させるため、銀だけからなる粉末に比較して電気特性が劣っており、銀の代替としての使用も制限されていた。
従って、例えば、自動車に搭載される部品のように、高温の環境に置かれたり、高い信頼性が要求される用途には、極めて低い接触抵抗、体積抵抗という優れた電気特性を持ち、高温での耐酸化性ゆえに信頼性にも優れている金や白金といった貴金属粉末の使用が切望されていた。しかし、こうした貴金属粉は、比重が高く、単位体積あたりのコストが非常に高いため、ほとんど実用的には使用されていなかった。
この金属粉の比重が高く、単位質量あたりのコストがあがるという欠点を克服するため、無機粉体又は有機樹脂粉体からなる基材粉体の表面を金属で被覆した導電性粉体の開発がなされていた。例えば、本出願人は、導電性粉体として、無機粉体又は有機樹脂粉体からなる基材粉体の表面を、還元性を有するケイ素系高分子化合物で処理し、この上を無電解メッキした金属被覆粉体にすれば、低比重で低価格の電子材料用途に使用できる導電性粉体を容易に製造できることを提案している(特許文献1〜5;特開2000−319541号、特開2001−23435号、特開2001−152045号、特開2001−200180号、特開2002−133948号公報参照)。つまり、粉体の核を比重が低く安定な球状シリカにし、最表面だけを金のような貴金属にすることで、比重が低く価格も低い金メッキシリカを開発し、こうした問題を解決してきていた。
この球状の導電性粉体は、導電性を付与し得る樹脂組成物に混合しやすく、異方性や強度の低下が起こりにくいという特長があるが、接触以外の導電メカニズムは起こりにくく、充填量がある値を超えて粉体の接触が始まると急激に導電性を発現するために、導電性のコントロールの点について更に改善が望まれた。
一方、針状、繊維状、樹枝状あるいはフレーク状といった球状以外の形状を持つ導電性粉体(以下、異形導電性粉体と称す。)が使用できれば、少量の使用で高い導電性が得られることが期待できる。これは、粉体同士が接触し易く、粒子が尖っているほうがトンネル効果や熱電子輻射といった導電メカニズムが起こり易く、導電性組成物に充填した際に低添加量で安定した導電性が得られると考えられているためである。しかし、異形の金属被覆粉体を得る試みは、そうした形状の核に金属を被覆成形することが内部歪のため剥離を引き起こしやすく、非常に困難であるという問題と共に、樹脂との混合が困難で、樹脂と混合した時に折れ等の破損を生じた場合、導電性の低下が起こったり、導電性粉体が配向した時には、導電性だけでなく表面の平滑性や強度の異方性が出やすく、こうした様々な欠点があるため、実用化は成功していなかった。
また、球状の導電性粉体の欠点を緩和するため、粉体の接触をコントロールすることで導電性のコントロールを行う試みとしては、カップリング剤、界面活性剤、ポリシロキサンのような高分子化合物等、様々な材料が利用されてきた。例えば、シリカのような無機の絶縁性粉体を導電性粉体の処理剤として組み合わせると、混合の条件によっては、導電性粉体単体を用いた場合よりも、導電性組成物としての抵抗率が下げられることは、既に知られている(非特許文献1;与那原邦夫、日刊工業新聞社、工業材料 第31巻,10号参照)。
しかしながら、こうした処理剤はそれ自身もともと絶縁性であり、配合組成に依存せずに再現性よく該材料間の界面の制御を行い、導電性を向上させることは、困難であった。
以上のように、用途ごとに必要とされる配合組成に依存しない高い導電性を有すると共に、電子部品のすべての用途に適した、成形性、特に表面の平滑性が良好で異方性のない、硬化物の物性と導電性の調整、塗料ならば成膜性や基材への密着性などといった、高導電性と加工性のすべてを満足する導電性粉体の開発が求められている。
特開2000−319541号公報 特開2001−23435号公報 特開2001−152045号公報 特開2001−200180号公報 特開2002−133948号公報 与那原邦夫、日刊工業新聞社、工業材料 第31巻,10号
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、高い抗酸化性と高い導電性を持つ耐熱性の高い導電性粉体、特に、金に匹敵する導電性とその安定性を持ち、低比重で加工性の良好な導電性粉体、及びこの導電性粉体を低コストで提供することができる導電性粉体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上述した従来技術における問題点を解決して上記目的を達成するため、鋭意検討を重ねた結果、導電粒子に対し導電性の貴金属箔を結合処理剤として利用して、球状の導電粒子から構成される導電粉末と貴金属箔状体とを混合・加圧した後、粉砕することで、複数の球状の導電粒子が貴金属箔状体を介して乾式で機械的圧力をもって結合された粉体からなる導電性粉体が得られ、かかる導電性粉体は、上記の加工性と導電性低下の問題も改善し得て、金に匹敵する導電性とその安定性を持ち、低比重で加工性が良好で、樹脂に導電性を付与する機能に優れていることを知見した。
特に、上記導電性粉体として、無機粒子又は有機樹脂粒子からなる基材粉体を金属メッキしたもの、とりわけ該基材粉体の表面を還元性を有するケイ素系高分子化合物で処理し、この上を無電解メッキした後、最表層を金箔で処理したものは、高導電性でありながら、低比重、低コスト、加工性に優れ、あらゆる電子材料用途に使用できることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
本発明においては、酸化され難く、導電性の高い貴金属箔により球状の導電粒子を結合することで、低抵抗導電性粉体とすることができ、球状の粒子を使用しながら、少量の添加で高い導電率が発現し得るもので、この導電性粉体は、粒子表面に存在する貴金属箔の導電性を利用するため、少量の貴金属箔の量で効果的な導電性能を付与でき、金属箔を使用しながら加工性の良好な導電性粉体であり、樹脂組成物への高充填が容易で、かつ、高充填しても強度や機能性低下、凝集による加工性の悪化などの悪影響もない。本発明の導電性粉体は、導電性を必要とする素材及び樹脂組成物との混合加工性に優れており、導電性粉体を含有してなる組成物を硬化して得られる材料は、所定のコンタクト部で低い電気抵抗率を高温にあっても安定に保持できるため、信頼性の高いコネクターや電磁波障害を防ぐためのガスケット材料等の原料とすることができる。
更に、本発明の導電性粉体の製造方法は、乾式による製造方法であるため、無電解メッキ法と比べて作業性に優れ、低コストでかつ幅広い種類の導電性複合粉体を製造することができる。
また、コア粒子として低比重かつ球形の粒子を選ぶことができるので、混練り作業性、分散安定性に優れ、従来のフィラーと比べて樹脂中に導電性粉体を高充填することが可能となり、安定した導電性能、シールド効果を付与することができる。
従って、本発明は、複数の球状の導電粒子が、貴金属箔状体を介して結合された粒体からなることを特徴とする導電性粉体、及び、球状の導電粒子から構成される導電粉末と貴金属箔状体とを混合・加圧した後、粉砕して、複数の球状の導電粒子が貴金属箔状体を介して結合された粒体からなる導電性粉体を得ることを特徴とする上記導電性粉体の製造方法を提供する。
本発明の導電性粉体は、優れた導電性能と良好な保存安定性をもち、加工性が良好なため、高安定性と高信頼性を要求される種々の電子材料用途に使用することができる。
本発明の製造方法は、粒子表面に存在する貴金属箔の導電性を利用するため、少量の貴金属箔の量で効果的な導電性能を付与でき、また、作業性に優れ、低コストでかつ幅広い種類の導電性複合粉体を製造することができる。更に、コア粒子として低比重かつ球形の粒子を選べるので、混練り作業性、分散安定性に優れ、樹脂中への高充填が可能で、安定した導電性能、シールド効果を付与し得る導電性粉体を工業的に有利に製造できる。
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明の導電性粉体は、球状の導電粒子(A粒子)が、貴金属箔状体(B箔状体)を介して結合されてなるものである。
ここで、A粒子の球状の導電粒子としては、形状が球状で、その大きさは、樹脂等への混合し易さから、平均粒径が1μm以上100μm以下、特に5μm以上50μm以下であるものが好ましい。平均粒径が小さすぎることは、これを後述する核粒子をメッキして形成したものとする場合、核粒子が小さすぎることを意味し、核粒子が小さすぎると、比表面積が高いためにメッキ金属量が多くなり、経済的に好ましくない場合がある。一方、平均粒径が大きすぎると母材に混合しにくくなる場合がある。
また、A粒子としては、粒子の最表面が耐酸化性のある電気的に良好な導体である貴金属、例えば金、銀、パラジウム、白金を主成分とする貴金属で形成されている限りその材質に特に制限はないが、無機粒子、有機樹脂粒子又はセラミック粒子からなる核粒子の最表面が貴金属で被覆されたものが好適に使用できる。
A粒子としては、貴金属で被覆された金属粒子、例えば金、銀、パラジウム、白金を主成分とする貴金属でメッキされた銅、銀、ニッケル等の金属粒子を使用することができるが、特に、核粒子として無機粒子又は有機樹脂粒子を使用し、これを銅、銀、ニッケル等でメッキ処理して中間メッキ層を形成した後、上記貴金属のメッキにより最表面に該貴金属メッキ層を形成したものを好適に使用できる。
上記核粒子として使用される無機粒子又は有機樹脂粒子は、比重を下げるために、比重が4以下、特に0.5〜3.5、とりわけ0.7〜3.0であるものが好ましい。比重が4を超えると金属を被覆した場合の比重が高くなり、組成物に配合した場合、経時で導電性粉体が沈降分離し易くなる場合がある。
核粒子の平均粒径は、0.5〜100μm、特に1.0〜50μmが好ましく、平均粒径が小さすぎると比表面積が高くなるため、メッキ金属量が多くなって高価となり、経済的に好ましくない場合があり、平均粒径が大きすぎると母材に混合しにくくなり、組成物の硬化物表面が凹凸となってしまう場合がある。この場合、平均粒径は、具体的にcoulter multisizer(粒度測定機)により測定した値である。
上記核粒子として使用される無機粒子としては、200℃以上の耐熱性のある無機粒子が望ましく、金属粉末、金属又は非金属の酸化物、アルミノ珪酸塩を含む金属珪酸塩、金属炭化物、金属窒化物、金属酸塩、金属ハロゲン化物又はカーボン等が挙げられ、例えばシリカ、アルミナ、ケイ酸アルミナ、タルク、マイカ、シラスバルーン、グラファイト、ガラスファイバー、シリコンファイバー、カーボンファイバー、アスベスト、チタン酸カリウムウィスカー、亜鉛華、窒化アルミ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素等が挙げられる。
有機樹脂粒子としては、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、アクリルエステル樹脂、アクリルニトリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアセタール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリジアリールフタレート樹脂、ポリキシレン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリカーボネートのような絶縁性樹脂粒子、ポリアニリン樹脂、ポリアセチレン樹脂、ポリチオフェン樹脂、ポリピロール樹脂のような低い導電性樹脂粒子等が挙げられ、必要に応じて熱処理を行い、炭素にしてもよい。
特に高度な信頼性を要求される電子材料に使用するには、イオン性の金属を含まず、耐熱的にも安定な無機粒子が好ましく、特にケイ素系高分子化合物と相性のよい、シリカであることが好ましい。特に比表面積を低くするためには、表面に繋がる空洞を内部に持たないものが好ましく、溶融石英粉が好適に用い得る。
本発明では、とりわけ導電粒子として、無機粒子又は有機樹脂粒子からなる核粒子を金属メッキ処理したもの、特に核粒子の表面に還元性を有するケイ素系高分子層又はその一部もしくは全部にセラミック化した層が形成され、この層の表面上を無電解メッキにより金属で被覆した金属被覆粒子であって、更に最表層を貴金属メッキした導電粒子が、比重が低く安定性が高いため、より好適である。核粒子の表面に還元作用を有するケイ素系高分子層を形成することにより、核粒子と金属の界面の接着安定性が向上する。基材粒子の表面に還元作用を有するケイ素系高分子化合物層を形成する方法としては、基材粒子を還元性を有するケイ素系高分子化合物で処理して、核粒子の表面に還元性ケイ素系高分子化合物の層を形成する方法が挙げられる。
ここで、還元作用を持つケイ素系高分子化合物としては、Si−Si結合又はSi−H結合を有するケイ素系高分子化合物が挙げられ、このようなケイ素系高分子化合物としては、ポリシラン、ポリカルボシラン、ポリシロキサン、ポリシラザン等が挙げられ、中でもポリシラン、Si原子に直接結合した水素原子を有するポリシロキサンが好適に用いられ、特に下記一般式(1)で表されるポリシランが好適に用いられる。
(R1 a2 bcSi)d (1)
(式中、R1、R2は水素原子又は置換もしくは非置換の一価炭化水素基、Xは、R1と同様の基、アルコキシ基、ハロゲン原子、酸素原子、又は窒素原子を示し、R1、R2は同一であっても異なっていてもよい。a、b、及びcは、0.1≦a≦2、0≦b≦1、0≦c≦0.5、1≦a+b+c≦2.5を満足する数であり、dは、4≦d≦100,000を満足する整数である。)
1、R2は水素原子又は置換もしくは非置換の一価炭化水素基であり、一価炭化水素基としては、炭素数1〜12、好ましくは1〜6の脂肪族又は脂環式炭化水素基、炭素数6〜14、好ましくは6〜10の芳香族炭化水素基等が挙げられる。脂肪族又は脂環式炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ベンジル基等が挙げられる。なお、これらの水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、アミノアルキル基等で置換したもの、例えばモノフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、m−ジメチルアミノフェニル基等が挙げられる。
Xは、R1と同様の基、アルコキシ基、ハロゲン原子、酸素原子、又は窒素原子であり、アルコキシ基としては、特に炭素数1〜4のメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられ、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。Xとしては、特に、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
aは0.1≦a≦2、好ましくは0.5≦a≦1であり、bは0≦b≦1、好ましくは0.5≦b≦1であり、cは0≦c≦0.5、好ましくは0≦c≦0.2であり、かつ1≦a+b+c≦2.5、特に1.5≦a+b+c≦2を満足する数であり、dは4≦d≦100,000、好ましくは10≦d≦10,000の範囲の整数である。
また、下記一般式(2)で表されるポリシロキサンも好適に用いられる。
(R3 e4 fgSiOhi (2)
(式中、R3、R4は水素原子又は置換もしくは非置換の一価炭化水素基、アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、R3、R4は同一であっても異なっていてもよい。eは、0.1≦e≦2、fは、0≦f≦1、gは、0.01≦g≦1、hは、0.5≦h≦1.95であり、かつ、2≦e+f+g+h≦3.5を満足する数、iは2≦i≦100,000を満足する整数である。)
3、R4は、水素原子又は置換もしくは非置換の一価炭化水素基、アルコキシ基又はハロゲン原子であり、一価炭化水素基としては、炭素数1〜12、好ましくは1〜6の脂肪族又は脂環式炭化水素基、炭素数6〜14、好ましくは6〜10の芳香族炭化水素基等が挙げられる。脂肪族又は脂環式炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ベンジル基等が挙げられる。なおこれらの水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、アミノアルキル基等で置換したもの、例えばモノフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、m−ジメチルアミノフェニル基等が挙げられる。アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜4のもの、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、通常メトキシ基、エトキシ基が用いられる。
eは0.1≦e≦2、好ましくは0.5≦e≦1であり、fは0≦f≦1、好ましくは0.5≦f≦1であり、gは0.01≦g≦1、好ましくは0.1≦g≦1であり、hは0.5≦h≦1.95、好ましくは1≦h≦1.5であり、かつ、2≦e+f+g+h≦3.5、好ましくは2≦e+f+g+h≦3.2を満足する数である。iは2≦i≦100,000、好ましくは10≦i≦10,000の範囲の整数である。
ケイ素系高分子化合物層の厚さは、0.0001〜1.0μmが好ましく、特に0.001〜0.5μmが好ましい。厚さが0.0001μm未満だと密着性に優れたメッキが良好に行われない場合があり、1.0μmを超えると高価となる割には特性の向上が見られない場合がある。
被覆する金属としては、例えば、ニッケル、銅、銀、コバルト、タングステン、鉄、亜鉛、金、白金、パラジウム等の金属を含んでなるものが好適に用いられる。この単独の金属の他、合金、例えばNi−Co、Ni−W、Ni−Fe、Co−W、Co−Fe、Ni−Cu、Ni−P、Au−Pd、Au−Pt、Pd−Pt等から構成させることができる。かかる合金被膜を形成させるには所望に応じた複数の金属塩を使用したメッキ液を用いればよい。
上記A粒子は、基材粒子の表面にケイ素系高分子化合物層が形成され、ケイ素系高分子化合物層の表面上を金属で被覆してなる金属層(第一金属層)が形成された導電粒子で、その最外表面に第二金属層として貴金属層が形成されたものであることが好ましい。
具体的には、絶縁性粒子表面上に、ケイ素系高分子化合物層、第一金属層及び第二金属層が順次形成され、第一金属層がニッケル、銅、銀、コバルトからなる群から選ばれるイオン化ポテンシャルの低い金属よりなり、第二金属層がイオン化ポテンシャルが高く抗酸化性に優れた金、銀、白金、パラジウムからなる群から選ばれる金属よりなる導電粒子であることが好ましい。特に、第一金属層がニッケル、第二金属層が金であり、基材粒子−ケイ素系高分子層−ニッケル層−金層という4層構造を持つ金属被覆粒子が好ましい。これは、粉体の最表面となる第二金属層は、貴金属の中でも高い導電率を持ち、高温、多湿雰囲気下に長時間置かれても酸化や硫化により抵抗率が上がることのない金が好ましく、第一金属層は、低価格、耐食性、適度な硬度があり、第二金属層の下地層として安定に保持する層となるニッケルが好ましいからである。
第一、第二金属層の厚さは、合計で0.01〜10.0μm、好ましくは1.0〜6.0μmとすることができる。0.01μm未満であると、粉体を完全に被いかつ十分な硬度や耐食性が得られにくくなる場合があり、10.0μmを超えると金属の量が多くなり、高価となりかつ比重が高くなるため、経済的に好ましくない場合がある。更に、価格を押さえるために、第一の金属層が第二の金属層より厚いことが望ましく、第一の金属層が0.5〜10.0μm、望ましくは1.0〜5.0μmで、第二の金属層が0.005〜5μm、望ましくは0.01〜1.0μmであることが好ましい。
A粒子としての導電粒子は、下記工程により得ることができる。
核粒子をトルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素溶媒中にて還元性ケイ素系高分子化合物で処理し、粒子表面に該還元性ケイ素系高分子化合物の層を形成させ(第一工程)、得られた粒子を凝集のない状態で分散させ、次いでこの粒子を塩化パラジウムのような標準酸化還元電位0.54V以上の金属からなる金属塩で処理し、還元性ケイ素系高分子化合物層上に金属コロイドを析出させて、金属コロイド被覆粒子を得(第二工程)、その後無電解メッキ液で処理して、上記粒子の表面に第一の金属層を析出させ、必要により無電解メッキ液、電気メッキ液で処理して第二の金属層を析出させる(第三工程)ことで導電粒子を製造する。更に、得られた導電粒子を200℃以上の温度で熱処理して、還元性ケイ素系高分子化合物の一部又は全部をセラミック化することが好ましい。
第三工程を具体的に説明すると、第二工程後、金属コロイド被覆粒子を無電解メッキ処理し、第一の金属層を形成する。無電解メッキ液は、必須成分であるメッキ金属塩液と還元剤液と任意成分である錯化剤、pH調整剤、界面活性剤等を含有する。
メッキ金属塩液は、上記被覆金属として挙げられた金属の塩が含まれる。還元剤液としては、次亜リン酸ナトリウム、ホルマリン、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられ、pH調整剤としては酢酸ナトリウム等が挙げられ、錯化剤としてはフェニレンジアミンや酒石酸ナトリウムカリウム等が挙げられる。
メッキ金属塩液と還元剤液の配合割合は、それらの組み合わせにより異なるため一様ではないが、還元剤は、酸化等による無効分解で消費されるため金属塩より過剰に用いられ、通常は金属塩の1.1〜5倍モルの還元剤が使用される。通常は無電解メッキ液として市販されており、安価に入手することができる。
メッキ温度は、通常15〜100℃であるが、浴中の金属イオン拡散速度が速くメッキ金属のつきまわりがよく、かつ浴成分の揮発による減少、溶媒の減少等が比較的少ない40〜95℃が好ましく、特に65〜85℃が好ましい。40℃より低いとメッキ反応の進行が非常に遅く、実用的でない場合があり、95℃より高いと溶媒に水を用いていることから溶媒の蒸発が激しく、浴管理が難しくなる場合がある。
このように第一の金属層を形成した後、この金属層が酸化されないうちにすぐに耐酸化性の貴金属からなる第二の金属層を形成させることが好ましい。かかる貴金属層を形成させるために用いる無電解メッキ液は、上記の方法により調製したものを用いればよいが、その際に使用する金属としては、例えば、金、白金、パラジウム、銀等の単独の金属の他、合金、例えばAu−Pd、Au−Pt、Pd−Pt等が挙げられる。この中で、金が安定性の面から、また銀が価格の面から最も好ましい。
第一の金属層を形成させた粒子に対する第二の金属層の表面被膜を形成する方法としては、無電解メッキ、電気メッキ、置換メッキのいずれの方法でもよいが、無電解メッキの場合は、上記の第三工程と同様の方法で行うことができる。
これらの工程終了後に、不要な金属塩、還元剤、錯化剤、界面活性剤等を除くため、十分な洗浄を行うとよい。
最後に、得られた金属被覆粒子を、アルゴン、ヘリウム、窒素等の不活性気体、又は水素、アルゴン−水素、アンモニア等の還元性気体の存在下に150℃以上の温度で熱処理することが好ましい。不活性気体又は還元性気体処理条件は、通常200〜900℃、処理時間は1分〜24時間が好適に用いうる。より好ましくは、200〜500℃で処理時間は30分〜4時間である。これにより、粒子と金属層間にある還元性ケイ素系高分子化合物の一部又は全部は、セラミックに変化し、より高い耐熱性と絶縁性と密着性を持つことになる。このときの雰囲気を水素のような還元系で行うことにより、金属中の酸化物を減少させ、ケイ素系高分子化合物を安定な構造に変えることで、粒子と金属が強固に結合し、高い導電性を安定的に示す粒子を得ることができる。
次に、B箔状体の貴金属箔状体としては、金、銀、パラジウム、白金を主成分とする貴金属からなる箔形状の貴金属箔状体が使用できるが、特に金、銀、白金、又はこれら貴金属の含有量が90質量%以上、特に95〜100%である合金が好適である。価格と比重を下げるために副成分として、銀のような低価格貴金属や、銅、ニッケル、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、鉄等の卑金属を含んでもよいが、耐熱的に安定な導電性を発現させるためには、抗酸化性を持つ貴金属の割合が90質量%以上、更に望ましくは95質量%以上が望ましい。
B箔状体の厚さは、0.1〜10μm、特に0.2〜5μmであることが好ましい。金属箔の厚さが0.1μmより薄いと、薄すぎて、A粒子とB箔状体の結合粒体を形成する場合に金属箔に皺が発生したり金属箔が切れやすくなったりして、結合加工がスムースにでき難くなったり、導電性粉体を得るためにカットあるいは破砕する場合の加工もスムースにでき難くなる場合がある。金属箔の厚さが10μmより厚いと厚すぎて、結合加工がスムースにでき難くなり、A粒子を結合させるために大量にこのB箔状体が必要となるため、高価格になるので好ましくない場合がある。
更に、上記金属箔の平均アスペクト比(フレーク径μm/フレーク厚さμm)は10〜100,000、特に100〜10,000、平均径は100〜10,000μm、特に200〜5,000μmの箔であることが好ましい。平均アスペクト比が10より小さいとA粒子の十分な結合による低抵抗化の効果が得られない場合があり、平均アスペクト比が100,000より大きい箔は工業的に入手しにくくなる。特に、金は、優れた導電性と導電安定性を持ち極めて箔形状にしやすい貴金属であり、金箔として工業的に入手しやすく、好適に用い得る。例えば、厚みが0.2μmであり、平均径が5,000μmである金箔は、かなざわ純金箔として容易に入手できる。
本発明においては、B箔状体の金属箔よりも体積抵抗率が高いA粒子を用いたり、逆にA粒子よりも体積抵抗率が高いB箔状体を用いた場合は、いずれも体積抵抗率が高い粒子よりは電気特性を向上できるが、体積抵抗率が低い粒子の電気特性より優れた電気特性は得られ難いので、A粒子とB箔状体の最も望ましい組み合わせは、A粒子として最表面が金で被覆された粒子で、B箔状体としては金箔を用いた場合で、この場合、最も低い抵抗率が得られる。
このA粒子とB粒子、つまり球状の導電粒子と箔状の貴金箔状体とは、混合・加圧した後、粉砕することで、導電粒子が貴金属箔状体で結合された粒体からなる導電性粉体を得ることができる。
このA粒子とB箔状体の結合方法は、乾式で外部から圧力を加え、凝集体を作り、その後解砕すればよい。例えば、A粒子とB箔状体の混合物を、ペレット作成器に充填し、真空ポンプにつないで排気しつつ油圧ポンプにより外部から圧力をかけ、5〜10分間加圧して一旦ペレット状にした後、細かく粉砕すればよい。圧力は、特にA粒子(導電粒子)の種類に応じて選定される。例えば、球状導電粒子として核粒子が非金属で、これを金属被覆した金属被覆粒子の場合は10〜1,000kg/cm2、特に50〜500kg/cm2であることが好ましい。また、金属粒子又は核粒子が金属で、これを金属被覆したものの場合は10〜400kg/cm2、特に50〜200kg/cm2であることが好ましい。圧力が小さすぎると、A粒子とB箔状体の結合が十分できない場合があり、大きすぎると塊状になり、粉砕が困難になることがあり、粒子が潰れて本発明に係る導電性粉体が得られない場合が生じる。とりわけ、A粒子が金属粉の場合、A粒子同士の結合が起こり、塊状になりやすくペレット状になった導電性粒体を再び粉体にすることが困難になる場合があるので、A粒子は、絶縁性粒子表面上に金属を被覆した導電粒子であることがより望ましい。このような圧力処理によってA粒子がB箔状体により結合体として形成されるのは、金属箔の延展性を利用してB箔状体が複数のA粒子表面に延ばしつけられるためである。
ペレット状になった導電粒体を破砕する場合、破砕方法は問わない。例えば、ハンマーミル、ボールミル、ニーダー等を用いる粉砕方法等の適宜の破砕方法を採用することができる。あるいは、キャビテーションタイプの分散・粉砕機としては、ホモジナイザー(AVP GOULIN社)や、必要に応じて上記分散・粉砕処理よりも弱い条件、例えばマルチブレンダーミル((株)日本精機製作所製)を採用することができる。
A粒子とB箔状体で結合、形成された導電性粉体の平均粒径は、スクリーン印刷等に対応するため90質量%以上が100μm以下であることが好ましい。100μmより大きい金属粉末が10質量%以上含まれると、微細なスクリーン印刷に対応できなくなり問題となる場合がある。更に好ましくは、95質量%以上が75μm以下であればより微細なスクリーン印刷が可能である。
B箔状体の使用量は、A粒子の量に対して0.5〜10質量%、特にコスト的な観点から1〜5質量%であることが好ましい。B箔状体である金属箔の結合量が少なすぎると金属箔による結合が不完全となり、金属箔の特性を十分に得ることができない場合があり、多すぎると、コストが高くなり好ましくない場合がある。
本発明の導電性粉体は、優れた導電性初期性能と良好な保存安定性をもち、導電性を必要とする素材及び樹脂組成物との混合加工性に優れており、導電性組成物のそれぞれの用途で必要とされる加工性、成形性、特に表面の平滑性や異向性、硬化物の物性と導電性の調整、成膜性などといった汎用的な電子部品用途に適したものであり、高安定性と高信頼性の電子材料用途に使用できる。
例えば、近年の電子部品の小型軽量化に伴い、加工性と高導電性の導電性粉体が実用化に不可欠になっている導電性ゴム、導電性ペースト、導電性インキ、電磁波シールド材料などの素材及び樹脂組成物に満足な導電性を付与し得るもので、特に、回路パターンを形成するといったスクリーン印刷が必要とされる電子部品の用途や、ゴムコネクタ、電磁波シールド用のガスケットや面状発熱体等の用途に好適に用いることができる。
本発明の導電性粉体を含有してなる組成物を硬化して得られる材料は、所定のコンタクト部で低い電気抵抗率を高温にあっても安定に保持できるため、信頼性の高いコネクターや電磁波障害を防ぐためのガスケット材料等の原料として有用である。
以下、参考例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において配合量はいずれも質量%である。
〔参考例1〕 ポリシランの製造方法
フェニルハイドロジェンポリシラン(以下PPHSと略記する)を、以下の方法により製造した。
アルゴン置換したフラスコ内にビス(シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウムのTHF溶液にメチルリチウムのジエチルエーテル溶液を添加し、30分室温で反応させた後、溶剤を減圧にて留去することで、系内で触媒を調整した。これに、フェニルトリヒドロシランを触媒の10,000倍モル添加し、100℃から150℃で3時間、次いで200℃で8時間加熱攪拌を行った。生成物をトルエンに溶解させ、塩酸水洗を行うことで、触媒を失活除去した。このトルエン溶液に硫酸マグネシウムを加え、水分を除去し、濾過した。これにより、ほぼ定量的に質量平均分子量1,200、ガラス転移点65℃のPPHSを得た。これは、NMRにより、−(SiPh)a−(SiPhH)b−;a/b=1/1 の構造をしていることが確認された。
〔参考例2〕 金メッキシリカ1粉体の製造
球状シリカ粉体US−10(三菱レーヨン製;平均粒径10μm;真比重2.2)を分級により粒径を揃えたものを用いた。
上記参考例1で得られたPPHS0.5gをトルエン200gに溶解させ、この溶液を上記粉体100gに加え1時間撹拌した。ロータリーエバポレーターにて、60℃の温度、45mmHgの圧力で、トルエンを留去させ乾燥させた。
得られたポリシラン処理粉体は疎水化されているので、界面活性剤としてサーフィノール504(日信化学工業(株)製界面活性剤)の0.5%水溶液5gにこの処理粉体10gを撹拌しながら投入し、水に分散させた。
パラジウム処理としては、上記粉体−水分散体15gに対し1%PdCl2水溶液を7g(塩化パラジウムとして0.07g、パラジウムとして0.04g)添加して、30分撹拌後、ろ過し、水洗した。これらの処理により、粉体表面はパラジウムコロイドが付着した黒灰色に着色した粉体が得られた。この粉体をろ過により単離し、水洗後直ちにメッキ化を行った。
ニッケルメッキ用還元液として、イオン交換水で希釈した次亜リン酸ナトリウム2.0M、酢酸ナトリウム1.0M、グリシン0.5Mの混合溶液260gを用いた。上記パラジウムコロイド析出粉体を、KS−538(信越化学工業(株)製消泡剤)0.5gと共にニッケルメッキ還元液中に分散させた。撹拌しながら液温を室温から65℃に上げた。イオン交換水で希釈した水酸化ナトリウム2.0M 260gを空気ガスにより同伴させながら滴下し、同時にイオン交換水で希釈した硫酸ニッケル1.0M 260gを窒素ガスにより同伴させながら、還元液中に滴下した。すると、細かい発泡とともに粉体が黒色となり、粉体表面に金属ニッケルが析出した。この粉体は、全面に金属ニッケルが析出していた。
この粉体を、亜硫酸金ソーダを7.1g(金3.7g含有)溶解させた水溶液100g中に分散させた。撹拌しながら液温を室温から80℃に上げると、表面のニッケルが金に置換され粉体が黄色となり、粉体表面に金が析出した。
メッキ溶液中に浮遊している粉体は、濾過、水洗、乾燥(50℃で30分)の後、水素で置換された電気炉にて200℃で1時間焼成した。実体顕微鏡観察により、粉体全表面が黄色により覆われた粉体(以下、金メッキシリカ1と表記する。)が得られていることがわかった。顕微鏡により観察した外観は球状黄色、比重は5.0であった。金属の含有量は、金13%、ニッケル52%であった。
上記金メッキシリカ1の抵抗率を測定したところ、抵抗率は、0.4mΩcmであった。なお、抵抗率は下記方法により測定した(以下、同様)。
導電性粉体の抵抗率の測定方法:
導電性粉体の抵抗率は、4端子を持つ円筒状のセルに粉体を充填し、両末端の面積0.2cm2の端子からSMU−257(ケースレ社製電流源)より−10−10mAの電流を流し、円筒の中央部に0.2cm離して設置した端子から、2000型ケースレ社製ナノボルトメーターで電圧降下を測定することで求めた。
〔参考例3〕 金メッキシリカ2粉体の製造
ニッケルメッキ用還元液の混合溶液、イオン交換水で希釈した水酸化ナトリウム溶液、イオン交換水で希釈した硫酸ニッケル溶液をそれぞれ260gから75gに変え、亜硫酸金ソーダを2.37g(金1.23g含有)用いる以外は、参考例2と同様に操作した。この場合、得られた全面に金属ニッケルが析出した粉体を金メッキ液中に分散させた。撹拌しながら液温を室温から80℃に上げると、表面のニッケルが金に置換され粉体が黄色となり、粉体表面に金が析出した。この粉体を、金メッキシリカ2と表記する。顕微鏡により観察した外観は黄色、比重は3.0であった。金属の含有量は、金8%、ニッケル27%で、参考例2と同様に測定した抵抗率は、2.5mΩcmであった。
〔参考例4〕 金メッキニッケル粉体の製造
シリカの代わりに、ニッケル粉(福田金属社製、平均粒径8μm)を希塩酸−イオン交換水で十分洗浄したものを用いた。このニッケル粉10gを、亜硫酸金ソーダを1.67g(金0.87g含有)溶解させた水溶液100g中に分散させた。撹拌しながら液温を室温から80℃に上げると、表面のニッケルが金に置換され、粉体が黄色となり、粉体表面に金が析出した。この粉体を金メッキニッケルと表記する。顕微鏡により観察した外観は黄色、比重は9.8であった。金属の含有量は、金8%、ニッケル92%で、抵抗率は0.15mΩcmであった。
〔実施例1、比較例1〕
金メッキシリカ1の粉体(参考例2で製造:抵抗率0.40mΩcm)1gと金箔(カタニ産業(株):金切り回し「華ふぶき」長さ3mm、厚み0.2μm、平均径3,000μm(3mm))10mg(金メッキシリカの1%)を、単純に混合し、得られた導電性粉体の抵抗率を測定したところ、0.49mΩcmであり、導電率の改善は見られなかった(比較例1:以下、このような混合方法を単純混合と略記する)。
この単純混合した粉体を、錠剤成型機に入れて真空ポンプで排気しつつ、100kg/cm2の圧力で5分間加圧して(以下、加圧Aと略記する)、錠剤を作った。とりだした塊状の金箔により固化した金メッキシリカはメノウ乳鉢にとり、軽く押さえることで再度粉末状に解砕した。この粉体は、実体顕微鏡で観察したところ、金箔により金メッキシリカが結合されていた(実施例1)。
この金箔結合金メッキシリカの抵抗率は、0.29mΩcmであった。また、導電性の改善率(下記式により定義して算出。以下同様。)は28%で、大きな導電率の改善が見られた。
導電性の改善率(%)=100×(A粉体の抵抗率−B粉体添加後に得られた導電性粉体
の抵抗率)/A粉体の抵抗率
A粉体;導電核粒子(上記金メッキシリカ1,2又は金メッキニッケル
B粉体;金箔
なお、上記実施例、比較例で使用した粉体を具体的に示すと、図1は上記実施例、比較例で使用した金メッキシリカのみの拡大実体顕微鏡写真、図2は比較例1において、単純混合により得られた導電性粉体の拡大実体顕微鏡写真、図3,4は実施例1において、加圧後に固化した金メッキシリカの拡大実体顕微鏡写真、図5は実施例1において、加圧後に固化した金メッキシリカを破砕した後の拡大実体顕微鏡写真である。
この理由を調べるために、導電率の向上した金箔改質金メッキシリカを実体顕微鏡で調べた。すると、圧力をかけることにより、この金箔と金メッキシリカが結合し、複数の導電粒子が、金箔を介して結合された状態が観測された。
上記金箔結合金メッキシリカの原料として用いた金箔は、金96.1%、銀3.9%の合金を叩く事で箔形状とし、箔の長尺方向が3mm、短尺方向が0.5〜1mmであるのにもかかわらず、厚みが0.1〜0.2μmと非常に薄い。このため、アスペクト比(箔の広がり長と厚み長の比)が2,500〜30,000と非常に大きく、外圧により簡単に微細化する。但し、単にこの金箔と金メッキシリカを混ぜただけでは、不均一な空洞ができて導電率が悪化したと考えられる。
一方、圧力をかけることにより、この金箔と金メッキシリカは結合し、複数の導電粒子が、金箔を介して結合していた。このため、質量比で1%(体積比ではわずか0.2%)という微量の金箔の混合により、金メッキシリカ間の接触抵抗が低下し、これにより全体としての導電率が向上したものと考えられる。
〔比較例2〕
比較のために、この金メッキシリカと金箔を単純混合した粉体を、ボールミル中で30分間十分混合した後、導電率を調べた。抵抗率は、0.52mΩcmと逆に高くなっていた(以下、この混合方法をボールミル混合と略記する)。
〔実施例2、比較例3〕
金箔の使用量を20mg(金メッキシリカの2%)に変えた以外は比較例1と同様にして、単純混合して得られた導電性粉体の抵抗率を測定したところ、0.44mΩcmでやはり改善は見られなかった(比較例3)。
一方、この混合物を100kg/cm2の圧力で5分間加圧して錠剤を作った後、再度粉末状に解砕したところ、この金箔結合金メッキシリカが得られていた(実施例2)。この抵抗率は0.27mΩcmであり、更に抵抗が下がっていた。
〔実施例3〕
圧力を500kg/cm2に変えて加圧(以下、この加圧条件を加圧Bと略記する)して錠剤を作った以外は実施例1と同様にして、金箔結合金メッキシリカを得たところ、この導電性粉体の抵抗率は0.29mΩcmであった。この加圧混合による導電率の改善率は、28%であった(実施例3)。
〔実施例4、比較例4〕
金メッキシリカ1の代わりに、金メッキニッケル粉(参考例4で製造:抵抗率0.15mΩcm、平均粒径8μm)を用いた以外は比較例1と同様にして、単純混合して得られた導電性粉体の抵抗率を測定したところ、電気抵抗率は0.17mΩcmであった(比較例4)。
この混合物を、錠剤成型機に入れて真空ポンプで排気しつつ、100kg/cm2の圧力で5分間加圧して錠剤を作った。とりだした塊状の金箔により固化した金メッキニッケルをメノウ乳鉢にとり、軽く押さえることで再度粉末状に解砕した。この金箔結合金メッキニッケルの抵抗率は、0.10mΩcmであり、改善率は33%であった(実施例4)。
〔比較例5〕
比較のため、上記比較例4と同様の単純混合した粉体を、ボールミル中で30分間十分混合した後、導電率を調べた。抵抗率は、0.15mΩcmと初期の金メッキニッケル粉の抵抗率と同じであった。
〔比較例6〕
圧力を500kg/cm2に変えて加圧して錠剤を作った以外は実施例4と同様にした。このときのとりだした塊状物は、金箔により強く固化しており、これはもはや粉末状に解砕することはできなかった。
〔実施例5、比較例7〕
金メッキシリカ2の粉体(参考例3で製造:抵抗率2.5mΩcm)1gと金箔10mgを混合し、得られた導電性粉体の抵抗率を測定したところ、2.3mΩcmであり、やや改善が見られたが、その改善率は8%と、わずか1ケタ台であった(比較例7)。
一方、この混合物を錠剤成型機に入れて真空ポンプで排気しつつ、100kg/cm2の圧力で5分間加圧して錠剤を作った後、再度粉末状に解砕したところ、得られた金箔結合金メッキシリカの抵抗率は1.9mΩcmであり、大きく抵抗が下がっていて、その改善率は24%であった(実施例5)。
以上の結果を表1にまとめて示した。上記結果からわかるように、単に導電粒子に金箔を混ぜたり、ボールミルで混合したりしただけでは、低抵抗化できず、逆に抵抗は高くなったが、圧力をかけて十分金メッキシリカと金箔を接触させた後、凝集したこの導電性粒体を破砕すると、わずか1質量%の金箔の添加でも27〜33%程度抵抗率を低減することが可能であった。
Figure 2005116465
*1;金メッキシリカ1 Au/Ni/SiO2 8/50/42 平均粒径12μm
金メッキシリカ2 Au/Ni/SiO2 8/27/65 平均粒径12μm
金メッキNi Au/Ni 8/92 平均粒径8μm
*2;金箔 平均径3mm/厚み0.2μm
*3;改善率(%)=100×(A粒子の抵抗率−B箔状体添加後に得られた導電性粉体
の抵抗率)/A粒子の抵抗率
実施例1、比較例1で使用した金メッキシリカのみの拡大実体顕微鏡写真(倍率500倍)である。 比較例1において、単純混合により得られた導電性粉体の拡大実体顕微鏡写真(倍率200倍)である。 実施例1において、加圧後に固化した金メッキシリカの拡大実体顕微鏡写真(倍率500倍)である。 実施例1において、加圧後に固化した金メッキシリカの拡大実体顕微鏡写真(倍率500倍)である。 実施例1において、加圧後に固化した金メッキシリカを破砕した後の拡大実体顕微鏡写真(倍率500倍)である。

Claims (7)

  1. 複数の球状の導電粒子が、貴金属箔状体を介して結合された粒体からなることを特徴とする導電性粉体。
  2. 球状の導電粒子として平均粒径1〜100μmの球状の金属被覆粒子が、アスペクト比(L/D=フレーク長/フレーク厚)が10〜100,000で、厚さが0.1〜10μmの貴金属箔状体を介して結合された粒体からなるものである請求項1記載の導電性粉体。
  3. 球状の導電粒子が、無機粒子又は有機樹脂粒子からなる基材粒子を覆ってその表面にメッキ金属層が形成されたものである請求項1又は2記載の導電性粉体。
  4. 球状の導電粒子が、無機粒子又は有機樹脂粒子からなる基材粒子の表面に還元性を有するケイ素系高分子化合物層又はその一部もしくは全部をセラミック化した層が形成され、更に、この層の表面上をメッキによる金属で被覆してなる金属被覆粒子であって、その最表層が貴金属層である請求項3記載の導電性粉体。
  5. 基材粒子の表面層を形成する還元性を有するケイ素系高分子化合物がポリシランであり、金属被覆粒子の最表層を形成する貴金属が金、銀、パラジウム、白金から選ばれる貴金属である請求項4記載の導電性粉体。
  6. 貴金属箔状体が、金、銀、白金又はその含有量が90質量%以上からなる合金である請求項1乃至5のいずれか1項記載の導電性粉体。
  7. 球状の導電粒子から構成される導電粉末と貴金属箔状体とを混合・加圧した後、粉砕して、複数の球状の導電粒子が貴金属箔状体を介して結合された粒体からなる導電性粉体を得ることを特徴とする請求項1記載の導電性粉体の製造方法。
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