JP2021062454A

JP2021062454A - 工作機械

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Publication number: JP2021062454A
Application number: JP2019189132A
Authority: JP
Inventors: 学五十部; Manabu Isobe
Original assignee: Fanuc Corp
Current assignee: Fanuc Corp
Priority date: 2019-10-16
Filing date: 2019-10-16
Publication date: 2021-04-22
Anticipated expiration: 2039-10-16
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Abstract

【課題】工具交換に要する無駄な時間を削減して、加工サイクルのサイクルタイムの短縮化を図ることが可能な工作機械を提供すること。【解決手段】主軸と、主軸に対する工具の取り付け及び取り外しを行う工具交換装置と、工具交換装置による工具の取り付け及び取り外しの際に、主軸を工具交換座標へ移動させる主軸移動装置と、工具交換装置による工具の取り付け及び取り外しの際に、予め設定された工具毎に関連付けられた複数の工具交換座標のうち、主軸に取り付けられる取り付け対象工具に関連付けられた第１の工具交換座標と主軸から取り外される取り外し対象工具に関連付けられた第２の工具交換座標とに基づいて、第１の工具交換座標及び第２の工具交換座標のうちの加工点から遠い方の工具交換座標へ主軸を移動させるように主軸移動装置を制御する工具交換制御部と、を備える工作機械である。【選択図】図１

Description

本発明は、工作機械に関する。

従来、主軸に取り付けられた工具によってワークに加工を行う工作機械として、複数種類の工具を保持する工具交換装置を備え、ワークに対する加工の種類を変更する際に工具を交換することによって、複数種類の加工に自動的に対応できるようにした機能を有するものが知られている（例えば、特許文献１等参照）。

特開平２−５３５４２号公報

工具の交換時、主軸は、その軸方向（工具の軸方向でもある。）に移動することによってワークから離隔し、工具交換装置によって工具が受け渡される工具交換座標に移動する。主軸が工具交換座標に移動した後、工具のクランプ・アンクランプ、工具の引き抜きのための各種の動作が行われる。具体的には、工具交換装置による工具の交換動作は次のようにして行われる。
・主軸が工具を受け渡す工具交換座標に移動する。
・工具交換装置が主軸に取り付けられている工具を把持する。
・主軸が工具をアンクランプする。
・主軸と工具（工具交換装置）とが相対移動し、工具を主軸から引き抜く。
・工具交換装置が、把持している次の工具を主軸の位置に移動させる。
・主軸と次の工具（工具交換装置）とが相対移動し、工具を主軸に挿入する。
・主軸が次の工具をクランプする。
・工具交換装置が次の工具の把持を解除する。

工具交換装置による工具交換の際に主軸が移動する工具交換座標は、主軸とワークとの間に、主軸から取り外す工具及び主軸に新たに取り付ける工具をクランプ・アンクランプ可能なスペースを必要とするため、工作機械に使用される複数種類の工具のうち、最もサイズ（軸方向の長さ）の大きい工具を交換可能な座標に設定される。この工具交換座標は、工作機械の構成により決まっており、工具毎に変更されるものではなかった。そのため、従来の工作機械は、取り外される工具及び取り付けられる工具の種類によって、主軸を加工終了座標から工具交換座標に移動させるまでの時間及び工具交換後に工具交換座標から加工開始座標に移動させるまでの時間が無駄に多く掛かる場合があった。よって、工具交換に要する無駄な時間を削減して、加工サイクルのサイクルタイムを短縮化することが可能な工作機械が望まれている。

本開示の一態様は、主軸と、前記主軸に対する前記工具の取り付け及び取り外しを行う工具交換装置と、前記工具交換装置による前記工具の取り付け及び取り外しの際に、前記出軸を工具交換座標へ移動させる主軸移動装置と、前記工具交換装置による前記工具の取り付け及び取り外しの際に、予め設定された前記工具毎に関連付けられた複数の工具交換座標のうち、前記主軸に取り付けられる取り付け対象工具に関連付けられた第１の工具交換座標と前記主軸から取り外される取り外し対象工具に関連付けられた第２の工具交換座標とに基づいて、前記第１の工具交換座標及び前記第２の工具交換座標のうちの加工点に遠い方の前記工具交換座標へ前記主軸を移動させるように前記主軸移動装置を制御する工具交換制御部と、を備える、工作機械である。

一態様によれば、工具交換に要する無駄な時間を削減して、加工サイクルのサイクルタイムの短縮化を図ることが可能な工作機械を提供することができる。

本開示の一態様に係る工作機械を示す側面図である。本開示の一態様に係る工具交換装置の工具交換アームを示す平面図である。本開示の一態様に係る工具交換装置の工具交換アームの動作を説明する平面図である。本開示の一態様に係る工作機械における工具交換に関する構成を示す機能ブロック図である。本開示の一態様に係る記憶部に記憶される参照テーブルを示す図である。本開示の一態様に係る工作機械における工具交換動作を説明するフローチャートである。本開示の一態様に係る工作機械における工具交換動作を説明する図である。本開示の一態様に係る工作機械における工具交換動作を説明する図である。本開示の一態様に係る工作機械における工具交換動作を説明する図である。本開示の一態様に係る工作機械の工具交換動作を説明する図である。本開示の一態様に係る工作機械の工具交換動作を説明する図である。本開示の一態様に係る工作機械の工具交換動作を説明する図である。本開示の一態様に係る工作機械の工具交換動作を説明する図である。本開示の一態様に係る工作機械の工具交換動作を説明する図である。本開示の一態様に係る工作機械の工具交換動作を説明する図である。本開示の一態様に係る工作機械の工具交換動作を説明する図である。本開示の一態様に係る工作機械の工具交換動作を説明する図である。本開示の一態様に係る工作機械の工具交換動作を説明する図である。

以下、本開示の一態様について図面を参照して詳細に説明する。
図１に示すように、工作機械１は、床面に設置されるベース部２と、ベース部２から上方（図１中のＺ１方向）に向けて立ち上がるコラム部３と、コラム部３の前面側（図１中の左側）に配置される主軸ユニット４と、主軸ユニット４とコラム部３との間に設けられ、主軸ユニット４をＺ軸に沿う上下方向（図１中のＺ１方向及びＺ２方向）に移動させる主軸移動装置５と、ベース部２上に設けられ、上面にワークＷを支持するテーブルユニット６と、主軸ユニット４の近傍に配置される工具交換装置７と、を備える。

主軸ユニット４は、先端に工具Ｔを取り付け可能及び取り外し可能な主軸４１と、主軸４１を回転駆動させる主軸モータ４２と、を有する。主軸４１は、主軸モータ４２の回転駆動によって、先端に取り付けられた工具Ｔを回転させ、その下方に配置されるワークＷに対して加工を行う。

主軸４１は、工具Ｔをクランプ又はアンクランプするための不図示のドローバーを内部に備える。ドローバーは、主軸４１の内部で、不図示の進退機構によって進退移動し、工具Ｔを主軸４１の先端にクランプ又はアンクランプする。工具Ｔは、クランプされることによって主軸４１に取り付けられ、アンクランプされた後、主軸４１に対して離れる方向に相対移動することによって、主軸４１から取り外される。ドローバーを進退移動させる進退機構は、後述する工具交換制御部１００によって制御される。

主軸移動装置５は、コラム部３の延び方向に沿って配置された不図示のボールねじと、そのボールねじに螺合する移動部材５１と、ボールねじを回転させるＺ軸モータ５２と、を有する。主軸ユニット４は移動部材５１に固定されている。主軸移動装置５は、Ｚ軸モータ５２の回転駆動によってボールねじを回転させ、そのボールねじに螺合する移動部材５１を介して、主軸ユニット４をＺ軸に沿う上下方向（図１中のＺ１方向及びＺ２方向）に移動させる。

工具交換装置７は、複数の工具Ｔを保持する工具マガジン７１と、２つの工具Ｔ，Ｔを同時に把持可能な工具交換アーム７２と、工具交換アーム７２を移動させる工具交換アーム移動装置７３と、を有する。

工具マガジン７１は、例えば、不図示の昇降機構によって、Ｚ軸に沿う上下方向（図１中のＺ１方向及びＺ２方向）に移動可能に設けられるとともに、不図示の回転機構によって、Ｚ軸周りに回転移動可能に設けられる。工具マガジン７１は、工具交換の際、昇降移動及び回転移動することによって、保持している複数の工具Ｔのうちのいずれか１つの工具Ｔを、工具交換アーム７２によって把持可能な位置に移動させる。工具マガジン７１は、複数の工具Ｔを保持するタレットによって構成されてもよい。

工具交換アーム７２は、図２に示すように、それぞれ相反する方向に向けて延びる一対の固定爪部７２１，７２１と、各固定爪部７２１，７２１に対向して配置される一対の可動爪部７２２，７２２と、を有する。固定爪部７２１，７２１と可動爪部７２２，７２２との間に、工具Ｔを収容可能な凹部７２３，７２３が形成されている。可動爪部７２２，７２２は、固定爪部７２１，７２１に対して出没可能に設けられている。これによって、工具交換アーム７２は、凹部７２３，７２３内に工具Ｔ，Ｔが収容された際、凹部７２３，７２３内の工具Ｔ，Ｔを、固定爪部７２１，７２１と可動爪部７２２，７２２との間で把持する。

工具交換アーム移動装置７３は、Ｚ軸に沿う下方向（図１中のＺ２方向）に延びる軸部７４と、アーム回転モータ７５と、アーム昇降モータ７６と、を有する。アーム回転モータ７５が回転駆動すると、軸部７４はＺ軸周りに回転し、軸部７４の先端に固定される工具交換アーム７２を、軸部７４を中心にしてＺ軸周りに回転させる。また、アーム昇降モータ７６が回転駆動すると、軸部７４はＺ軸に沿って伸縮移動し、軸部７４の先端に固定される工具交換アーム７２を、Ｚ軸に沿う上下方向（図１中のＺ１方向及びＺ２方向）に移動させる。アーム回転モータ７５及びアーム昇降モータ７６は、工具交換アーム移動装置を構成する。

図３における工具交換アーム７２は、工具Ｔ，Ｔを把持しない非把持状態を示している。工具交換アーム７２は、この非把持状態から、アーム回転モータ７５の回転駆動によって軸部７４を中心に時計周りに回転すると、図１及び図２に示すように、各凹部７２３，７２３内に工具Ｔ，Ｔが収容され、固定爪部７２１，７２１と可動爪部７２２，７２２との間で工具Ｔ，Ｔをそれぞれ把持する把持状態となる。工具交換アーム７２は、把持状態のときに、一方の凹部７２３内に、工具マガジン７１から抜き取られたいずれか１つの工具（取り付け対象工具ともいう。）Ｔを把持し、他方の凹部７２３内に、主軸４１に取り付けられている工具（取り外し対象工具ともいう。）Ｔを把持する。

図４は、工作機械１における工具交換に関する構成を示す機能ブロック図である。図４に示すように、工作機械１は、不図示の制御装置又は制御基盤に、Ｚ軸モータ５２、アーム回転モータ７５及びアーム昇降モータ７６に対してそれぞれ制御可能に接続される工具交換制御部１００と、工具交換制御部１００に読み取り可能に接続される記憶部１０１と、を有する。工具交換制御部１００は、工作機械１における工具交換動作専用の制御部であってもよいし、工作機械１の全体動作を制御する制御部によって構成されてもよい。

記憶部１０１には、図５に示す参照テーブル１０２が記憶されている。参照テーブル１０２には、主軸４１に取り付けられている工具Ｔと工具マガジン７１に保持されている工具Ｔとを含む複数の工具Ｔ１，Ｔ２，Ｔ３，Ｔ４…毎に、主軸４１に対する工具Ｔの取り付け及び取り外しを行う工具交換座標ＴＣ１，ＴＣ２，ＴＣ３，ＴＣ４…が１対１に関連付けられて設定されている。工具交換座標ＴＣ１，ＴＣ２，ＴＣ３，ＴＣ４…は、工具Ｔ１，Ｔ２，Ｔ３，Ｔ４…のサイズ（軸方向の長さ）にそれぞれ対応している。

参照テーブル１０２に設定されている工具交換座標ＴＣ１，ＴＣ２，ＴＣ３，ＴＣ４…は、工具交換の際に、工具交換アーム７２に把持された工具Ｔ１，Ｔ２，Ｔ３，Ｔ４…を、工具交換装置７が主軸４１に対するクランプ位置及びアンクランプ位置にそれぞれ移動させるＺ軸上の座標である。換言すると、工具交換座標ＴＣ１，ＴＣ２，ＴＣ３，ＴＣ４…は、工具交換の際に、主軸４１の先端４１ａが工具Ｔ１，Ｔ２，Ｔ３，Ｔ４…のクランプ及びアンクランプを行う座標でもある。工具交換座標ＴＣ１，ＴＣ２，ＴＣ３，ＴＣ４…は、工具交換の際に、工具Ｔ１，Ｔ２，Ｔ３，Ｔ４…の先端がワークＷに接触せず、ワークＷに可及的に近接するＺ軸上の位置にそれぞれ設定されることが望ましい。

次に、この工作機械１における具体的な工具交換動作について、図６に示すフローチャート及び図７〜図１８に示す工具交換動作を説明する図を参照して説明する。
図７において、主軸４１には、工作機械１に使用される複数の工具Ｔのうちの最小サイズの工具Ｔ１が取り付けられている。最初に、この工具Ｔ１を、工作機械１に使用される複数の工具Ｔのうちの最大サイズの工具Ｔ２に交換する場合について説明する。

工具Ｔ１を使用したワークＷに対する加工終了の後、工具Ｔ１を工具Ｔ２に交換する指示がなされると、工具交換制御部１００は、記憶部１０１に記憶されている参照テーブル１０２において、主軸４１に取り付けられている取り外し対象工具である工具Ｔ１の工具交換座標ＴＣ１と、この工具Ｔ１に代わって主軸４１に取り付けられる取り付け対象工具である工具Ｔ２の工具交換座標ＴＣ２とを参照する（Ｓ１）。この場合、工具交換座標ＴＣ１は第２の工具交換座標であり、工具交換座標ＴＣ２は第１の工具交換座標である。

参照テーブル１０２を参照した後の工具交換制御部１００は、工具交換座標ＴＣ１と工具交換座標ＴＣ２とを比較し、工具交換座標ＴＣ１と工具交換座標ＴＣ２とに基づいて、主軸移動装置５のＺ軸モータ５２を制御して主軸ユニット４を上昇させ、主軸４１の先端４１ａ及び主軸４１に取り付けられている工具Ｔ１を、ワークＷに対する加工点（ワークＷの表面）から遠い方の工具交換座標へ移動させる（Ｓ２）。工具Ｔ１を工具Ｔ２に交換する場合では、工具Ｔ１よりも工具Ｔ２の方が大きいサイズを有する。したがって、工具交換座標ＴＣ１よりも工具交換座標ＴＣ２の方が加工点から遠い座標である。そのため、工具交換制御部１００は、ステップＳ２において、主軸４１の先端４１ａ及び主軸４１に取り付けられている工具Ｔ１を、図７に示すように、工具交換座標ＴＣ２に移動させる。工具交換座標ＴＣ２は、工具Ｔ２が主軸４１に取り付けられてもワークＷに接触しない程度の高さＨ１だけワークＷに対して上方に離隔する位置に設定されている。

このときの工具マガジン７１に保持される工具Ｔ２のＺ軸上の位置は、工具マガジン７１が上昇することによって、工具交換座標ＴＣ２に配置される。図７は、工具マガジン７１の図示を省略し、工具Ｔ２のみを示している。工具交換アーム７２は、非把持状態（図３参照）であり、工具交換座標ＴＣ２に配置される工具Ｔ１，Ｔ２を把持可能なＺ軸上の位置に配置されている。

主軸４１の先端４１ａ及び工具Ｔ１が工具交換座標ＴＣ２に移動した後、工具交換制御部１００は、アーム回転モータ７５を制御して、非把持状態の工具交換アーム７２を時計周りに９０°回転させて把持状態とする。これによって、工具交換アーム７２は工具Ｔ１を把持する（Ｓ３）。このとき、工具Ｔ２も工具交換座標ＴＣ２と同じＺ軸上の位置に配置されている。そのため、図８に示すように、工具交換アーム７２は、回転することによって、工具Ｔ１の把持と同時に工具Ｔ２を把持する。工具Ｔ２は、工具交換アーム７２によって把持された後、不図示の工具マガジン７１が上昇することによって、工具マガジン７１から引き抜かれる。

工具交換アーム７２が工具Ｔ１，Ｔ２を把持した後、工具交換制御部１００は、主軸４１内のドローバーを移動させて工具Ｔ１をアンクランプする。その後、工具交換制御部１００は、図９に示すように、Ｚ軸モータ５２を制御して主軸ユニット４を上昇させ、主軸４１の先端４１ａを、次に取り付けられる工具Ｔ２のクランプ待機位置ＴＣ２＋αまで移動させる。これによって、主軸４１から工具Ｔ１が取り外される（Ｓ４）。工具Ｔ２のクランプ待機位置ＴＣ２＋αに移動した主軸４１の先端４１ａは、ワークＷに対して高さＨ１よりもαだけ上方に配置される。

主軸４１の先端４１ａが配置されるクランプ待機位置ＴＣ２＋αの「α」は、工具交換座標ＴＣ２よりもワークＷからＺ１方向に離隔する値である。この「α」の値は、工具交換アーム７２が回転した際に、工具交換座標ＴＣ２に配置される取り外し対象工具（工具Ｔ１）を主軸４１の下方から退避可能であるとともに、取り付け対象工具（工具Ｔ２）を主軸４１の下方に配置可能であり、且つ、可及的にワークＷに近接した位置となるような値に設定される。主軸４１が取り付け対象工具をクランプするために移動する距離を短くして、クランプ完了後から加工再開までの時間を短縮できるようにするためである。この「α」は、工具Ｔの種類（サイズ）に関わらず、一定値に設定される。

次に、工具交換制御部１００は、アーム回転モータ７５を制御して工具交換アーム７２を、１８０°×ｎ（ｎは１以上の奇数）だけ回転させ、図１０に示すように、工具Ｔ１を主軸４１の下方から退避させるとともに、工具Ｔ２を主軸４１の下方に配置させる（Ｓ５）。

工具Ｔ２が主軸４１の下方に配置された後、工具交換制御部１００は、Ｚ軸モータ５２を制御して主軸ユニット４を「α」だけ下降させ、図１１に示すように、主軸４１の先端４１ａを工具交換座標ＴＣ２に移動させるとともに、主軸４１によって工具Ｔ２をクランプする（Ｓ６）。このとき、工具Ｔ１は、不図示の工具マガジン７１が下降することによって工具マガジン７１に保持される。その後、工具交換制御部１００は、アーム回転モータ７５を制御して工具交換アーム７２を非把持状態とし、工具交換アーム７２を主軸４１の下方から退避させる（Ｓ７）。

以上の動作によって、工具Ｔ１に代えて新たな工具Ｔ２が主軸４１に取り付けられる。主軸４１に工具Ｔ２が取り付けられた後、工作機械１は、図１２に示すように、ワークＷに対して工具Ｔ２による加工を再開する。

次に、主軸４１に取り付けられている最小サイズの工具Ｔ１を、工作機械１に使用される複数の工具Ｔのうちの工具Ｔ１と同じサイズの工具Ｔ３に交換する場合について説明する。この場合の工具交換動作も、図６に示すフローチャートに従って実行される。

工具Ｔ１を使用したワークＷに対する加工終了の後、工具Ｔ１を工具Ｔ３に交換する指示がなされると、工具交換制御部１００は、記憶部１０１に記憶されている参照テーブル１０２において、主軸４１に取り付けられている取り外し対象工具である工具Ｔ１の工具交換座標ＴＣ１と、この工具Ｔ１に代わって主軸４１に取り付けられる取り付け対象工具である工具Ｔ３の工具交換座標ＴＣ３とを参照する（Ｓ１）。この場合、工具交換座標ＴＣ１は第２の工具交換座標であり、工具交換座標ＴＣ３は第１の工具交換座標である。

参照テーブル１０２を参照した後の工具交換制御部１００は、工具交換座標ＴＣ１と工具交換座標ＴＣ３とを比較し、工具交換座標ＴＣ１と工具交換座標ＴＣ３とに基づいて、主軸移動装置５のＺ軸モータ５２を制御して主軸ユニット４を上昇させ、主軸４１の先端４１ａ及び主軸４１に取り付けられている工具Ｔ１を、ワークＷに対する加工点（ワークＷの表面）から遠い方の工具交換座標へ移動させる（Ｓ２）。工具Ｔ１を工具Ｔ３に交換する場合では、工具Ｔ１と工具Ｔ３とは同一サイズであるため、工具交換座標ＴＣ１と工具交換座標ＴＣ３も同一座標である。そのため、工具交換制御部１００は、ステップＳ２において、主軸４１の先端４１ａ及び主軸４１に取り付けられている工具Ｔ１を、図１３に示すように、工具交換座標ＴＣ１（＝ＴＣ３）に移動させる。工具交換座標ＴＣ１（＝ＴＣ３）は、工具Ｔ１がワークＷに接触しない程度の高さＨ２だけワークＷに対して上方に離隔する位置に設定されている。この高さＨ２は、前述した高さＨ１よりも小さい。

このとき、工具マガジン７１に保持される工具Ｔ３は、工具マガジン７１が下降することによって、工具交換座標ＴＣ１に配置されている。図１３においても、工具マガジン７１の図示を省略し、工具Ｔ３のみを示している。工具交換アーム７２は、非把持状態（図３参照）であり、工具交換座標ＴＣ１に配置される工具Ｔ１，Ｔ３を把持可能なＺ軸上の位置に配置されている。

主軸４１の先端４１ａ及び工具Ｔ１が工具交換座標ＴＣ１に移動した後、工具交換制御部１００は、アーム回転モータ７５を制御して、非把持状態の工具交換アーム７２を時計周りに９０°回転させて把持状態とする。これによって、工具交換アーム７２は、図１４に示すように、工具Ｔ１，Ｔ３を把持する（Ｓ３）。工具Ｔ３は、工具交換アーム７２によって把持された後、不図示の工具マガジン７１が上昇することによって、工具マガジン７１から引き抜かれる。

工具交換アーム７２が工具Ｔ１，Ｔ３を把持した後、工具交換制御部１００は、主軸４１内のドローバーを移動させて工具Ｔ１をアンクランプする。その後、工具交換制御部１００は、参照した工具交換座標ＴＣ３に基づいて、図１５に示すように、Ｚ軸モータ５２を制御して主軸ユニット４を上昇させ、主軸４１の先端４１ａを、次に取り付けられる工具Ｔ３のクランプ待機位置ＴＣ３＋αまで移動させる。これによって、主軸４１から工具Ｔ１が取り外される（Ｓ４）。

工具Ｔ３は工具Ｔ１と同じサイズであるため、工具Ｔ３の工具交換座標ＴＣ３は、工具Ｔ１の工具交換座標ＴＣ１と同一であり、工具Ｔ３のクランプ待機位置ＴＣ３＋αは、工具Ｔ１のクランプ待機位置ＴＣ１＋αと同一である。ワークＷに対する工具交換座標ＴＣ３の高さＨ３は、ワークＷに対する工具交換座標ＴＣ１の高さＨ２と同一である。そのため、ステップＳ４において、工具Ｔ１を取り外した直後の主軸４１の先端４１ａは、次に取り付けられる工具Ｔ３のクランプ待機位置ＴＣ３＋α（＝ＴＣ１＋α）に停止し、Ｚ１方向にそれ以上移動することはない。主軸４１は、工具Ｔ１を取り外した位置（ＴＣ１＋α＝ＴＣ３＋α）に待機した状態を維持する。また、工具交換アーム７２のＺ軸方向の位置も変化しない。

次に、工具交換制御部１００は、アーム回転モータ７５を制御して工具交換アーム７２を、１８０°×ｎ（ｎは１以上の奇数）だけ回転させ、図１６に示すように、工具Ｔ１を主軸４１の下方から退避させるとともに、工具Ｔ３を主軸４１の下方に配置させる（Ｓ５）。

工具Ｔ３が主軸４１の下方に配置された後、工具交換制御部１００は、Ｚ軸モータ５２を制御して主軸ユニット４を「α」だけ下降させ、図１７に示すように、主軸４１の先端４１ａを工具交換座標ＴＣ３に移動させるとともに、主軸４１によって工具Ｔ３をクランプする（Ｓ６）。このとき、工具Ｔ１は、不図示の工具マガジン７１に保持される。その後、工具交換制御部１００は、アーム回転モータ７５を制御して工具交換アーム７２を非把持状態とし、主軸４１の下方から退避させる（Ｓ７）。

以上の動作によって、工具Ｔ１に代えて新たな工具Ｔ３が主軸４１に取り付けられる。主軸４１に工具Ｔ３が取り付けられた後、工作機械１は、図１８に示すように、ワークＷに対して工具Ｔ３による加工を再開する。

このように、工作機械１における工具交換制御部１００は、工具Ｔの取り付け及び取り外しの際に、主軸４１に取り付けられる取り付け対象工具に関連付けられた第１の工具交換座標と、主軸４１から取り外される取り外し対象工具に関連付けられた第２の工具交換座標とに基づいて、第１の工具交換座標及び第２の工具交換座標のうちの加工点から遠い方の工具交換座標へ主軸４１を移動させるように主軸移動装置５（Ｚ軸モータ５２）を制御する。そのため、前述したように、最小サイズの工具Ｔ１から最大サイズの工具Ｔ２への交換時に工具Ｔ１，Ｔ２及び主軸４１が移動する高さＨ１に比べて、最小サイズの工具Ｔ１から同じ最小サイズの工具Ｔ３への交換時に工具Ｔ１，Ｔ３及び主軸４１が移動する高さＨ２（＝Ｈ３）を小さくすることができる。すなわち、工具交換の際の工具Ｔ及び主軸４１の移動量は、工具Ｔのサイズ（軸方向の長さ）に応じて必要最小限で済む。そのため、最小サイズの工具Ｔ１から同じ最小サイズの工具Ｔ３への交換に要する工具交換時間は、最小サイズの工具Ｔ１から最大サイズの工具Ｔ２への交換に要する工具交換時間に比べて短くなり、工具交換時間を短縮することができる。したがって、この工作機械１によれば、工具交換に要する無駄な時間を削減でき、加工サイクルのサイクルタイムを短縮化することができる。

以上説明した工作機械１は、工具Ｔのクランプ・アンクランプの際、工具Ｔを不動にし、主軸ユニット４を上下方向に移動させるように構成されている。これによれば、工具交換時に、工具ＴとワークＷとの間に工具Ｔを主軸４１から下方に引き抜くスペースを確保する必要がないため、工具交換時の主軸４１をワークＷに可及的に近接させることができる。そのため、工具交換完了から加工再開までに要する主軸４１の移動距離を最小にすることができる。しかし、工具Ｔと主軸ユニット４（主軸４１）との移動は相対的であればよい。したがって、工作機械１は、工具Ｔのクランプ・アンクランプの際、主軸ユニット４を不動にし、工具Ｔを上下方向に移動させるように構成されてもよい。

また、以上説明した工作機械１は、取り付け対象工具及び取り外し対象を工具交換アーム７２によって把持するように構成されるが、複数の工具Ｔを保持する工具マガジン７１がタレットによって構成される場合は、工具交換アーム７２を使用することなく、取り付け対象工具及び取り外し対象工具をタレットから主軸４１に対して直接取り付け及び取り外しするように構成されてもよい。

主軸４１に対する工具Ｔの取り付け及び取り外しは、工具交換アーム７２に代えて、ロボットによって行うようにしてもよい。また、工作機械１における主軸４１及び工具Ｔの軸方向は、上下方向に配置されるものに制限されず、横方向又は斜め方向に配置されるものであってもよい。

１工作機械
４１主軸
５主軸移動装置
７工具交換装置
１００工具交換制御部
Ｔ，Ｔ１，Ｔ２，Ｔ３，Ｔ４工具
ＴＣ１，ＴＣ２，ＴＣ３，ＴＣ４工具交換座標

Claims

主軸と、
前記主軸に対する工具の取り付け及び取り外しを行う工具交換装置と、
前記工具交換装置による前記工具の取り付け及び取り外しの際に、前記主軸を工具交換座標へ移動させる主軸移動装置と、
前記工具交換装置による前記工具の取り付け及び取り外しの際に、予め設定された前記工具毎に関連付けられた複数の工具交換座標のうち、前記主軸に取り付けられる取り付け対象工具に関連付けられた第１の工具交換座標と前記主軸から取り外される取り外し対象工具に関連付けられた第２の工具交換座標とに基づいて、前記第１の工具交換座標及び前記第２の工具交換座標のうちの加工点から遠い方の前記工具交換座標へ前記主軸を移動させるように前記主軸移動装置を制御する工具交換制御部と、
を備える、工作機械。
前記工具交換装置は、前記工具の取り付け及び取り外しの際に前記工具を前記工具交換座標に移動させるように構成され、
前記工具交換座標は、前記工具交換装置が前記取り付け対象工具及び前記取り外し対象工具を前記主軸に対するクランプ位置及びアンクランプ位置にそれぞれ移動させる座標である、請求項１に記載の工作機械。
前記工具交換座標は、前記主軸が前記取り付け対象工具及び前記取り外し対象工具のクランプ及びアンクランプを行う座標である、請求項１又は２に記載の工作機械。