JP2021004214A - 組み合わせ発酵物 - Google Patents

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響子 下島
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Abstract

【課題】本発明は、抗酸化作用、SOD活性促進作用、及び細胞内グルタチオン産生促進作用の少なくとも一つにおいて優れた、新たな抗酸化剤を提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、ハトムギ、トチュウ、ラカンカ、及びカンゾウからなる群から選択される2以上の植物又はそれらの抽出物を含む組成物の、微生物による発酵物、該発酵物を含む化粧料、及びそれらの製造方法等に関する。【選択図】図1

Description

ハトムギ、トチュウ、ラカンカ、及びカンゾウからなる群から選択される2以上の植物又はそれらの抽出物を含む組成物の、微生物による発酵物、該発酵物を含む化粧料、及びそれらの製造法等に関する。
活性酸素とは、酸素分子が反応性の高いより酸化作用の強い物質に変化したものの総称である。活性酸素は身体が太陽光(紫外線)に暴露されること等により生じ、また、呼吸連鎖反応の過程における副産物としても生成される。活性酸素は強力な酸化作用を有し殺菌力が強いため、細菌等から身を守るといった重要な役割も担っている一方で、様々な生体成分と反応し、真皮中の細胞外マトリックスの主要構成成分であるコラーゲンやエラスチン等のタンパク質を変性させてしまう。その結果、皮膚の張りや弾力が低下し、たるみやしわ等の皮膚老化が引き起こされる原因にもなる。そのため、活性酸素による有害な酸化反応を防ぐ抗酸化作用を有する抗酸化剤は、抗皮膚老化にとって重要である。
身体には、以下で記載するSOD及びグルタチオンなど、活性酸素に対する防御システムが備わっている。活性酸素の一つであるスーパーオキシドは、活性酸素の中でも最も反応性の高いヒドロキシラジカルや、比較的寿命の長い過酸化水素等、様々な活性酸素の前駆体となることが知られている。スーパーオキシドを無毒化する酵素として、SODが存在する。SODとは、スーパーオキシドディスムターゼ(Superoxide Dismutase)の略称であり、スーパーオキシドの不均化反応を触媒する酵素である。また、活性酸素のうち過酸化水素を無毒化する物質としてグルタチオンが存在する。グルタチオンは細胞内に存在するトリペプチドであり、生体内の抗酸化物質である。グルタチオンはSH基を有しており、還元型(GSH)と酸化型(GSSG)の2種類が存在し、過酸化水素を無毒化することで還元型は酸化型に変化する。そのため、酸化型と還元型の割合は酸化ストレスによって常に変化するが、酸化型は再び生体内の反応により還元型に戻るため、健康な細胞ではその大部分を還元型が占めていることが知られている。以上のように、抗酸化作用だけでなく、細胞が本来持つ防御システムであるSODの活性や細胞内のグルタチオン量を増強することも、抗皮膚老化のために非常に重要である。
抗酸化作用を有する生薬としては、例えばキク科トウヒレン属植物の粉末及び/抽出物が報告されている(特許文献1)。SOD活性促進作用を有する生薬としては、例えばシラン抽出物が報告されている(特許文献2)。細胞内グルタチオン量の産生を促進する生薬としては、例えば万願寺とうがらしの抽出物が報告されている(特許文献3)。しかしながら、これらの生薬の抗酸化剤としての作用は必ずしも十分なものとは言えない。
特開2004−155961号公報 特開2005−126394号公報 特開2012−162487号公報
本発明は、抗酸化作用、SOD活性促進作用、及び細胞内グルタチオン産生促進作用の少なくとも一つにおいて優れた、新たな抗酸化剤を提供することを課題とする。
本発明は、以下の実施形態を包含する。
(1)ハトムギ、トチュウ、ラカンカ、及びカンゾウからなる群から選択される2以上の植物又はそれらの抽出物を含む組成物の、微生物による発酵物。
(2)前記発酵物が糸状菌及び乳酸菌からなる群から選択される1以上の微生物による発酵物である、(1)に記載の発酵物。
(3)前記微生物が糸状菌である、(2)に記載の発酵物。
(4)前記糸状菌がAspergillus属糸状菌、Acremonium属糸状菌、Penicillium属糸状菌、及びTrichoderma属糸状菌からなる群から選択される1以上の糸状菌である、(3)に記載の発酵物。
(5)前記Aspergillus属糸状菌がAspergillus oryzaeである、(4)に記載の発酵物。
(6)抗皮膚老化のための、(1)〜(5)のいずれかに記載の発酵物。
(7)抗酸化作用、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)活性促進作用、及び細胞内グルタチオン産生促進作用からなる群より選択される1以上の作用のための、(1)〜(6)のいずれかに記載の発酵物。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載の発酵物を含む、化粧料。
(9)ハトムギ、トチュウ、ラカンカ、及びカンゾウからなる群から選択される2以上の植物又はそれらの抽出物を含む組成物を発酵させて発酵物を得るステップを含む、(1)〜(7)のいずれかに記載の発酵物又は(8)に記載の化粧料を製造する方法。
(10)前記2以上の植物又はそれらの抽出物を同時に発酵させる、(9)に記載の方法。
本発明により、抗酸化作用、SOD活性促進作用、及び細胞内グルタチオン産生促進作用の少なくとも一つにおいて優れた、新たな抗酸化剤が提供される。本発明の抗酸化剤は、例えば抗皮膚老化のために用いることができる。
図1は、各微生物による発酵物及び無発酵物によるラジカル消去活性を示す。試験区1はAspergillus oryzae AO−0101株による発酵物を、試験区2はAcremonium属株による発酵物を、試験区3は Trichoderma reesei 株による発酵物を、試験区4はPenicillium pinophilium株による発酵物を、試験区5はLactobacillus plantarum株による発酵物を、試験区6は無発酵物の結果を示す。 図2は、各微生物による発酵物及び無発酵物によるSOD活性率を示す。試験区は図1と同様である。 図3は、各微生物による発酵物及び無発酵物による細胞内グルタチオン産生率を示す。試験区は図1と同様である。 図4は、各生薬及びその組み合わせにおいての、SOD活性促進作用を示す。試験区11〜20の効果を、同じ生薬の組み合わせにおける無発酵物(それぞれ試験区1〜10に対応する)のSOD活性率を100%とした相対値で示した。試験区11はハトムギ、試験区12はトチュウ、試験区13はラカンカ、試験区14はカンゾウ、試験区15はハトムギとトチュウの組み合わせ、試験区16はハトムギとラカンカの組み合わせ、試験区17はトチュウとラカンカの組み合わせ、試験区18はハトムギとトチュウとラカンカの組み合わせ、試験区19はハトムギとカンゾウの組み合わせ、試験区20はハトムギとトチュウとカンゾウの組み合わせの結果を示す。 図5は、生薬単独の発酵物(黒色)と生薬2種類の組み合わせ発酵物(斜線)によるSOD活性率を示す。試験区は図4と同様である。 図6は、生薬単独の発酵物(黒色)と生薬2種類の組み合わせ発酵物(斜線)による細胞内グルタチオン産生率を示す。試験区は図4と同様である。 図7は、生薬3種類の単一発酵物の混合物と、組み合わせ発酵物の、ラジカル消去率を示す。 図8は、生薬3種類の単一発酵物の混合物と、組み合わせ発酵物の、SOD活性率を示す。 図9は、生薬3種類の単一発酵物の混合物と、組み合わせ発酵物の、細胞内グルタチオン産生率を示す。
1.発酵物
一態様において、本発明は、ハトムギ、トチュウ、ラカンカ、及びカンゾウからなる群から選択される2以上の植物又はそれらの抽出物を含む組成物の、微生物による発酵物に関する。
ハトムギ(Coix lacryma−jobi var.ma−yuen)は、イネ科ジュズダマ属ジュズダマ種に属する穀物である。ハトムギは、ジュズダマの野生種を栽培種にした1年草であり、夏から秋口にかけて黄色い小さな花が付き、秋頃に茶褐色で楕円形の果実が生る。漢方で知られるヨクイニンは、ハトムギの殻と渋皮を除いたものであり、古くから主に消炎、イボ、アトピーに効果的とされ利用されてきた。ハトムギ抽出物には、NMF(Natural Moisturizing Factor)産生促進効果があることが知られている(特開2006−124350号公報)。本発明で用いるハトムギは、全草であってよいし、ハトムギの一部、例えば、地上部、花(蕾を包含する)、花弁、葉、茎、果実、種子等、及びそれらの任意の組み合わせであってよく、例えば果実若しくは種子を含むハトムギの一部、ハトムギの果実若しくは種子、又はハトムギの種子(例えば、殻、薄皮、渋皮を除く種子)であってよい。
トチュウ(Eucommia ulmoides)は、トチュウ科トチュウ属の唯一の種であり、中国原産の雌雄異株の落葉高木である。楕円形の葉をちぎったり、樹皮をはがしたりすると白い粘着性の液体が染み出すが、これはトチュウゴムとも呼ばれ天然ゴムとしても利用されている。また樹皮は漢方薬、葉はお茶として利用され、様々な生活習慣病の予防効果があるとされている。トチュウ葉抽出物に、くすみの原因となるメイラード反応を阻害する効果があることが知られている(特開2007−254345号公報)。本発明で用いるトチュウは、全草であってよいし、トチュウの一部、例えば、地上部、花(蕾を包含する)、花弁、葉、枝、幹、果実、種子等、及びそれらの任意の組み合わせであってよく、例えば葉若しくは枝を含むトチュウの一部、トチュウの葉若しくは枝、又はトチュウの葉であってよい。
ラカンカ(Momordica grosvenorii、Siraitia grosvenoriiとしても知られる)は、中国原産のウリ科ラカンカ属のつる植物である。多年草の雌雄異株で初夏から夏頃に黄色の小さな花が咲き、夏から秋口にかけて産毛の生えた球体の果実を付け、秋頃に光沢を帯びた濃緑色の熟した実を収穫する。原産国である中国では、古くから民間薬として利用されており、様々な病に効果のある不老長寿の薬として知られていた。果実は砂糖の数百倍の強い甘さを持つことより甘味料として幅広く利用されているが、体内に吸収されにくいためエネルギーとして利用されないことから特段ダイエット用の甘味料として利用される。ラカンカ抽出物には、創傷治癒効果を有するとの報告もある(特表2011−510912号公報)。本発明で用いるラカンカは、全草であってよいし、ラカンカの一部、例えば、地上部、花(蕾を包含する)、花弁、葉、茎、果実、種子等、及びそれらの任意の組み合わせであってよく、例えば果実若しくは種子を含むラカンカの一部又は全草、ラカンカの果実若しくは種子、又はラカンカの果実(例えば、種子を含み、果皮を含まない果実)であってよい。
カンゾウはマメ科カンゾウ属(Glycyrrhiza)の植物であり、高さ約50〜80cmになる多年草である。昔から根やストロンと呼ばれる走出茎が薬用部位として利用されており、含まれる有効成分であるグリチルリチンは薬用効果として鎮咳、鎮痙、抗アレルギーなどの効果が知られている。また、グリチルリチンは薬効効果以外にも強い甘味を持つことから、食品の甘味料として利用されることも多い。カンゾウには様々な種類があり、Glycyrrhiza uralensis、Glycyrrhiza glabra、Glycyrrhiza inflata、及びGlycyrrhiza aspera等が知られている。カンゾウ根抽出物には、チロシナーゼ発現抑制作用を有するとの報告もある(特開2004―352697号公報)。本発明で用いるカンゾウは、全草であってよいし、カンゾウの一部、例えば、地上部、花(蕾を包含する)、花弁、葉、茎、果実、種子等、及びそれらの任意の組み合わせであってよく、例えば葉若しくは茎を含むカンゾウの一部、カンゾウの地上部、又はカンゾウの葉及び茎であってよい。
本発明の発酵物を得るために、上記植物の抽出物を用いることもできる。抽出物は、上記植物又はその一部に対し、水、水と親水性有機溶媒との混合物、又は親水性有機溶媒を使用して、抽出することによって調製することができる。抽出物は、アルコール抽出物又は水抽出物であってよい。本発明においてアルコール抽出物とは、本発明の発酵物から無水アルコール又はアルコール水溶液を用いて得られた抽出物を意味する。本発明において水抽出物とは、本発明の発酵物から水(限定するものではないが、例えば、冷水、常温水、温水又は熱水)又は緩衝液を用いて得られた抽出物を意味する。抽出物は、例えば「3.発酵物又は化粧料を製造する方法」の後処理ステップにおいて記載される抽出法に従って得ることができ、例えば溶液中で植物を、例えば30分〜4週間、好ましくは1時間〜2週間、−30℃〜110℃、任意に加圧下で攪拌することによって得ることができる。なお、抽出を行う前に、例えば乾燥、粉砕処理、粉末化処理、熱処理、水等の液体への浸漬処理、及び酸又はアルカリ処理等の前処理を行ってもよい。抽出物は、適宜搾取抽出により得てもよい。抽出物は溶液状で使用することも可能であるが、溶液を乾燥して得られる粉体状の製品として使用することも可能である。
本発明の発酵物は、ハトムギ、トチュウ、ラカンカ、及びカンゾウからなる群から選択される2以上の植物又はそれらの抽出物を含む組成物を、微生物により発酵させることにより得られる。上記植物又は抽出物としては、ハトムギ、トチュウ、ラカンカ、及びカンゾウからなる群から選択される2以上、例えば3又は4つ全ての植物又は抽出物を用いてもよい。また、ハトムギ、トチュウ、ラカンカ、及びカンゾウに加えて他の植物又は抽出物を含む組成物を発酵させてもよい。用いる植物種の組み合わせは限定されず、例えば、2種類を含む組み合わせであれば、ハトムギとラカンカ、トチュウとラカンカ、ハトムギとカンゾウ、ハトムギとトチュウ、トチュウとカンゾウ、ラカンカとカンゾウを含む組み合わせが挙げられ、3種類を含む組み合わせであれば、ハトムギとトチュウとラカンカ、ハトムギとトチュウとカンゾウ、トチュウとラカンカとカンゾウ、ハトムギとラカンカとカンゾウを含む組み合わせが挙げられる。
発酵物中に含まれ得る各植物に由来する成分の割合は限定しない。各植物に由来する成分の割合は、例えば、発酵物全体に対し、0.01〜50重量%、0.1〜40重量%、0.2〜30重量%、又は0.5〜15.5重量%であってよい。例えば、ハトムギに由来する成分の割合は、0.1〜6重量%、0.2〜2.8重量%、又は0.5〜1.4重量%であってよく、トチュウに由来する成分の割合は、1〜50重量%、2.5〜28重量%、又は5〜14.1重量%であってよく、ラカンカに由来する成分の割合は、1〜50重量%、5〜30重量%、10〜15重量%であってよく、カンゾウに由来する成分の割合は、1〜50重量%、5〜30重量%、10〜15重量%であってよい。
本発明の発酵物を得るために用いる該微生物としては、例えば、糸状菌及び乳酸菌が挙げられる。糸状菌の例として、限定するものではないが、Aspergillus(アスペルギルス)属、Acremonium(アクレモニウム)属、Trichoderma(トリコデルマ)属、Penicillium(ペニシリウム)属、Monascus(モナスカス)属、Thermoascus(サーモアスカス)属、Cephalosporium(セファロスポリウム)属、及びNeurospora(ニューロスポラ)属からなる群から選択される属の糸状菌、例えばAspergillus oryzae(アスペルギルス・オリゼ)、Trichoderma reesei(トリコデルマ・レッセイ)、及びPenicillium pinophilum(ペニシリウム・ピノフィラム)からなる群から選択される種の糸状菌が挙げられる。糸状菌は、例えばAspergillus oryzae AO−0101株(独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに、受託番号:NITE P−02793で2018年10月12日に寄託された)、Acremonium_sp.(NBRC 30052株)、Trichoderma reesei(NBRC 31328株)、又はPenicillium pinophilum(NBRC 33285株)であってよい。
乳酸菌の例として、限定するものではないが、Lactobacillus(ラクトバチルス)属、Enterococcus(エンテロコッカス)属、Lactococcus属(ラクトコッカス)、Pediococcus(ペディオコッカス)属、Leuconostoc(ロイコノストック)属、Streptococcus(ストレプトコッカス)属、Bifidobacterium(ビフィドバクテリウム)属からなる群から選択される属の乳酸菌、例えばLactobacillus plantarum(ラクトバチルス・プランタラム)種の乳酸菌であってもよく、例えばLactobacillus plantarum(NBRC 3074株)であってよい。
上記微生物は、いずれか一種類を用いて発酵を行ってもよいし、複数組み合わせて発酵を行ってもよい。また、上記微生物に加えて、さらに他の微生物を加えて発酵を行ってもよい。
本発明の発酵物を得るための発酵方法については、特に限定されず、例えば従来用いられている公知の発酵方法を用いることができる。例えば、以下の「3.発酵物又は化粧料を製造する方法」に記載の方法を用いて得ることができる。本発明の発酵物には、発酵物の抽出物(例えば、以下の「3.発酵物又は化粧料を製造する方法」に記載の方法により得られ得る)、又は発酵物若しくは抽出物の処理物(例えば、真空凍結乾燥物をはじめとする凍結乾燥物等の乾燥物、精製物、濃縮物、希釈物、抽出溶媒以外の溶媒中への溶液、又はそれらの組み合わせ等)が包含される。
本発明の発酵物は、後述の実施例で示すとおり、抗酸化作用、SOD活性促進作用、細胞内グルタチオン産生促進作用を有し得る。本発明の発酵物による、抗酸化作用、SOD活性促進作用、細胞内グルタチオン産生促進作用は、常法により測定し、評価することができる。具体的には、後述の実施例に記載されているようにしてそれぞれの活性を測定し、評価することができる。
特に抗酸化作用は、皮膚老化防止、とりわけ光老化防止に有効である。光老化は、皮膚が紫外線に曝露されることによって皮膚内に生じた活性酸素により、コラゲナーゼやエラスターゼ等のマトリックスメタロプロテアーゼの活性が亢進し、皮膚に存在するコラーゲン、エラスチン等を変性させてしまうことにより、皮膚のたるみ、しわ等を生じるものとされている。すなわち、光老化を防止するためには、活性酸素の影響を軽減することがとても重要である。そのため、活性酸素を消去する抗酸化作用を有する抗酸化剤は、皮膚老化防止に有効である。
一方皮膚老化の中でも、経年的な皮膚の老化は、加齢等の要因によって細胞内の機能や、本来細胞が持つ抗老化物質の量及び活性等が低下し、上記で述べたような皮膚老化を引き起こす原因となる活性酸素の影響を強く受けることで生じる。そのため、皮膚を正常な状態で維持するためには、抗酸化酵素であるSODや、抗酸化物質である細胞内グルタチオン量を補う又は増強することが重要である。SOD活性促進作用剤、細胞内グルタチオン産生促進作用剤は、細胞が本来持つ防御システムを増強し、老化の原因となる活性酸素を不均化することができることから、皮膚老化防止のための抗酸化剤として有効に利用することができる。
すなわち本発明の発酵物は、抗酸化作用、SOD活性促進作用、細胞内グルタチオン産生促進作用をもたらす用途に有効に用いることができ、特に、それらの作用に基づき抗酸化剤として抗皮膚老化作用に有効に用いることができる。したがって、一態様において、本発明は、抗皮膚老化のための、本明細書に記載の発酵物に関する。また、一態様において、本発明は、抗酸化作用、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)活性促進作用、及び細胞内グルタチオン産生促進作用からなる群より選択される1以上の作用のための、本明細書に記載の発酵物に関する。また、本発明の発酵物は、酸化ストレスに関係する疾患、例えば、白内障、各種動脈硬化症(虚血性心疾患、心筋梗塞、脳虚血、脳梗塞等)、神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病等)、癌の治療及び/又は予防のための食品、医薬品、又はサプリメントとして用いることもできる。
本発明の発酵物は、生体内の皮膚又は皮膚細胞(例えば皮膚線維芽細胞)を作用対象として用いてもよいし、in vitro又はex vivoで皮膚細胞(例えば皮膚線維芽細胞)を作用対象として用いてもよいし、皮膚細胞(例えば皮膚線維芽細胞)以外の細胞(例えば皮膚以外の組織又は臓器(肺等)の線維芽細胞)又は酵素やラジカル等の非細胞物質を作用対象として用いてもよい。
本発明において「抗皮膚老化」とは、抗酸化作用によって活性酸素の発生を軽減又は抑制することや、SODの活性や、細胞内グルタチオンの産生を増強させることにより、細胞が本来持つ防御システムである抗酸化系を増強させることで、活性酸素による真皮中の細胞外マトリックスの劣化を防止すること等を意味する。細胞外マトリックスの劣化を防止することにより、皮膚の張りや弾力性の低下、たるみ、しわ等の抑制につながる。
本発明の発酵物は、経口又は非経口的に用いてもよいが、特に皮膚外用剤等の化粧料として有利に用いることができる。
2.化粧料
一態様において、本発明は、「1.発酵物」に記載の発酵物を含む化粧料に関する。本発明の化粧料は、「1.発酵物」に記載の発酵物と同様の用途を有し得る。例えば、本発明の化粧料は、皮膚に適用することにより、抗皮膚老化効果を発揮することができる。
本発明の化粧料は、溶液状、懸濁液状、乳化状、粉末状、ペースト状、ムース状、ジェル状の任意の形態の組成物であってよい。本発明の化粧料は、皮膚に接触して使用され得る任意の化粧料であってよく、具体的には、例えば、化粧水、乳液、美容液、一般クリーム(フェイスクリーム、ハンドクリーム、ボディクリーム等)、洗顔料(クレンジングクリーム等)、パック、髭剃り用クリーム、日焼けクリーム、日焼け止めクリーム、日焼け止めローション、日焼けローション、化粧石鹸、ファンデーション、おしろい、パウダー、口紅、リップクリーム、アイライナー、アイクリーム、アイシャドウ、マスカラ、浴用化粧品、シャンプー、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアパック、スカルプケア剤、ボディリンス、ボディジェル、制汗消臭剤、染毛料、頭髪用化粧品等が挙げられる。
配合量は、化粧料の組成物中、本発明の発酵物の乾燥重量で0.0001〜100%、好ましくは0.001〜10%の濃度とすることができる。本発明の発酵物は、本発明の化粧料に任意の形態で配合することができ、例えば、液状、ゲル状、粉末状、顆粒状、カプセル封入体等の形態で配合することができる。
本発明の化粧料には、本発明の発酵物に加えて、化粧料に配合され得る任意の他の成分を配合することができる。他の成分としては、化粧料において用いられる添加剤、賦形剤、及び他の活性成分(例えば、他の抗皮膚老化剤、保湿剤、美白剤、日焼け防止剤、収斂剤等)が挙げられるが、これらに限定されず、化粧料の用途及び形態に適したものを任意に選択して用いることができる。本発明の化粧料は、原料を混合、撹拌等することにより、常法により製造することができる。
本発明の化粧料は、例えば以下に挙げられる1)〜8)の成分のうち任意のものを、本発明の発酵物と共に含み得る:
1)コラーゲン、コラーゲン誘導体、コラーゲン加水分解物、ゼラチン、ゼラチン加水分解物、エラスチン、エラスチン加水分解物、ラクトフェリン、ケラチン、ケラチン加水分解物、カゼイン、アルブミン、ハチミツ、及びローヤルゼリー等の、タンパク質及びタンパク質加水分解物、ヒアルロン酸ナトリウム、キサンタンガム、カラギーナン、グアーガム、アルギン酸及びその塩、ペクチン、コンドロイチン硫酸及びその塩、水溶性キチン、キトサン誘導体及びその塩、デオキシリボ核酸、アラビアゴム、トラガントゴム、プルラン等の天然高分子及びそれらの誘導体;
2)アロエ、りんご、みかん、もも、みかん、メロン、いちご、シークアーサー、イチジク等の果実由来物、ブクリョウ、ホオズキ、ナツメ、ショウガ、ウド等の生薬由来物、ラッカセイ、クリ、リュウガン、キビ、大麦、米、ゴヨウマツ、大豆等の種子由来物、ニホンナシ、イチョウ、クサソテツ(若芽のコゴミ含む)などの葉由来物、ワサビなど根茎由来等、桜やナナカマド等の樹木由来の植物由来物、腐植物質であるフミン酸及びフルボ酸、酵母エキス等の微生物由来物、菌体、菌核、キノコ等の菌由来物、海藻末や海藻エキス、海藻由来の多糖類、プラセンタエキス等の動物由来物、炭酸水、温泉水、マイクロナノバブル水、精製水、蒸留水等の水、コラーゲン等の蛋白質、プルラン等の天然高分子、これらを発酵させた発酵物;
3)ビールエキス、チューリップ花エキス、シチヘンゲ根エキス、オタネニンジンエキス、キビ芽エキス、大麦発酵エキス、栗渋皮発酵エキス、リュウガン種子エキス、ラッカセイ種皮エキス、ピンクロックローズエキス、甘草エキス、アロエエキス、カモミラエキス、シソエキス、不知火菊エキス、ピンピネラエキス、カルボキシビニルポリマー及びその塩、ポリアクリル酸及びその塩、カルボキシメチルセルロース及びその塩等の酸性ポリマー、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ニトロセルロースポリビニルメチルエーテル等の中性ポリマー、カチオン化キトサン、カチオン化セルロース、ポリエチレンイミン、カチオン化グアーガム等のカチオン性ポリマー、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、アントラニエール酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤、酸化チタン、酸化亜鉛等の紫外線散乱剤;
4)ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、リン酸L−アスコルビルマグネシウム及びその誘導体、ビタミンD群、酢酸d−α−トコフェノール、ビタミンE群、葉酸類、β−カロチン、γ−オリザノール、ニコチン酸、パントテン酸類、ビオチン類、フェルラ酸等のビタミン類、グリチルリチン酸及びその塩類、グアイアズレン及びその誘導体、アラントイン等の抗炎症剤、ステアリン酸エステル、ノルジヒドログアセレテン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、パラヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、セサモール、セサモリン、ゴシポール等の抗酸化剤、パラ安息香酸メチル、パラ安息香酸エチル、パラ安息香酸プロピル、パラ安息香酸ブチル等のパラ安息香酸エステル類、ソルビン酸、デヒドロ酢酸、フェノキシエタノール、安息香酸等の防腐剤;
5)エデト酸、エデト酸二ナトリウム等のエデト酸及びその塩類、フィチン酸、ヒドロキシエタンジスルホン酸等の金属イオン封鎖剤、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール類、L−アスパラギン酸、DL−アラニン、L−アルギニン、L−システイン、L−グルタミン酸、グリシン等のアミノ酸類及びその塩、マルチトール、ソルビトール、キシロビオース、N−アセチル−D−グルコサミン等の糖類、クエン酸、乳酸、α−ヒドロキシ酢酸、ピロリドンカルボン酸等の有機酸類及びその塩類、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン等の炭化水素類、ゴヨウマツ種子油、オリーブ油、ヤシ油、月見草油、ホホバ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油等の油脂類、ラウリン酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸類;
6)ミリスチルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、トリオクタン酸グリセリン、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸ステアリル等のエステル類、レシチン及びその誘導体等のリン脂質類、ウシ骨髄脂やウシ脳脂質等の動植物由来脂質、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸エタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸塩;
7)ポリオキシエチレン(2EO)ラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン(なお、EOはエチレンオキサイドを意味し、EOの前の数値はエチレンオキサイドの付加モル数を示す)、ポリオキシエチレン(3EO)アルキル(炭素数11〜15のいずれか又は2種以上の混合物)エーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレン(3EO)トリデシルエーテル酢酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシントリエタノールアミン、ラウロイルメチル−L−グルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸−L−グルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム等のN−アシルアミノ酸塩、エーテル硫酸アルカンスルホン酸ナトリウム、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム、ウンデシノイルアミドエチルスルホコハク酸二ナトリウム、オクチルフェノキシジエントキシエチルスルホン酸ナトリウム、オレイン酸アミノスルホコハク酸二ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル(炭素鎖12〜15)エーテルリン酸(8〜10EO)、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、塩化ステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジ(ポリオキシエチレン)オレイルメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化トリ(ポリオキシエチレン)ステアリルアンモニウム、塩化ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウム、塩化ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ウンデシル−N−ヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ヤシ油アルキル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムジナトリウムラウリル硫酸、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−アルギニンエチル−DL−ピロリドンカルボン酸塩等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキル(炭素数12〜14)エーテル(7EO)、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオレイン酸グリセリン、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルステアリルジエーテル、ポリオキシエチレンソルビトール・ラノリン(40EO)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル等のノニオン性界面活性剤、イソステアリン酸ジエタノールアミド、ウンデシレン酸モノエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、牛脂脂肪酸モノエタノールアミド、硬化牛脂脂肪酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸エタノールアミド、ラウリン酸イソプロパノールアミド、ラウリン酸エタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラノリン脂肪酸ジエタノールアミド等の増粘剤、鎖状又は環状メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサンポリエチレングリコール共重合体、ジメチルポリシロキサンポリプロピレン共重合体、アミノ変性シリコンオイル、第四級アンモニウム変性シリコンオイル等のシリコンオイル;
8)pH調整剤、着色料、香料、安定化剤、清涼剤、血流促進剤、角質溶解剤、収斂剤、創傷治療剤、増泡剤、口腔用剤、消臭・脱臭剤、抗アレルギー剤、細胞賦活剤、不活性担体(固体又は液体担体)、賦形剤、界面活性剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、溶解補助剤、懸濁化剤、コーティング剤、保存剤、緩衝剤等。
例えば、賦形剤の具体例としては、デンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等が挙げられる。
崩壊剤の具体例としては、結晶セルロース、メチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース(カルボキシメチルセルロース)、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、トラガント等が挙げられる。
結合剤の具体例としては、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルメロースナトリウム、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、デキストリン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、プルラン、ポリビニルピロリドン、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマー、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、寒天、ゼラチン、白色セラック、トラガント、精製白糖、マクロゴール等が挙げられる。
滑沢剤の具体例としては、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、タルク、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ロウ類、水素添加植物油、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
界面活性剤の具体例としては、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ポリソルベート、モノステアリン酸グリセリン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロマクロゴール等が挙げられる。
本発明の化粧料は、ヒト、家畜、愛玩動物、実験(試験)動物等を含む任意の哺乳動物(被験体)に投与(適用)することができるが、皮膚老化が認められる被験体、紫外線に高度に曝露されている等皮膚老化の促進リスクが高い被験体、皮膚老化が促進されている被験体、皮膚老化防止の必要性が高い被験体等への投与に特に有用である。本発明は、本発明の化粧料を被験体に投与(好ましくは皮膚に適用)することにより、抗皮膚老化作用を増強する方法、及びそれによる皮膚老化防止方法も提供する。本発明はまた、本発明の化粧料を被験体に投与(好ましくは皮膚に適用)することによる、抗酸化作用、SOD活性促進作用、細胞内グルタチオン産生促進作用を増強する方法も提供する。
本発明の化粧料の投与量(適用量)は、被験体の生物種、年齢、体重、投与経路、剤型、用途、投与回数等により異なり、当業者の裁量によって広範囲に変更することができる。具体的には、その投与量は、特に限定されるものではないが、本発明の発酵物の乾燥重量換算で、例えば、0.001g/回〜1g/回とすることができる。本発明の化粧料は、限定するものではないが、例えば6〜24時間間隔で繰り返し投与することもできる。
3.発酵物又は化粧料を製造する方法
一態様において、本発明は、ハトムギ、トチュウ、ラカンカ、及びカンゾウからなる群から選択される2以上の植物又はそれらの抽出物を含む組成物を発酵させて発酵物を得るステップ(以下、「発酵ステップ」とも記載する)を含む、本明細書に記載の発酵物又は化粧料を製造する方法に関する。本発明の製造方法は、発酵ステップに加えて、発酵ステップの前の前処理ステップ、発酵ステップの後の後処理ステップ、及び発酵ステップ又は後処理ステップの後の配合ステップを任意に含む。本発明の製造法に含まれ得る各ステップについて、以下で詳細に記載する。
前処理ステップ
前処理ステップは、本発明の製造方法に含まれ得る任意のステップであり、以下の殺菌処理及び/又は酵素処理を含み得る。
殺菌処理では、雑菌によるコンタミネーション等を防ぐために上記植物、抽出物又はそれらの溶媒との混合液を処理する。殺菌方法としては、例えば、加熱殺菌であってもよい。加熱殺菌としては、120〜130℃で10〜30分間加熱するオートクレーブ殺菌や、70〜100℃に30〜180分間保持することを1日数回、数日繰り返す間断殺菌法といった方法が挙げられる。また、対象物をアルミジップ袋等に入れて加熱空気により殺菌する乾熱殺菌処理や、上記植物をあらかじめ殺菌用エタノール等を用いて洗浄する方法を用いてもよい。
酵素処理は、例えば、上記植物又は抽出物の成分が、微生物による発酵処理にさらに有効に利用されるようにするために行うことができる。酵素処理は、上記植物抽出物又はそれらの溶媒との混合液に酵素を添加することによって行うことができ、例えば酵素によって加水分解処理を施すことができる。酵素としては、例えば、蛋白分解酵素、澱粉分解酵素、ペクチン質分解酵素及び繊維素分解酵素から選ばれる少なくとも1種であり、例えば澱粉分解酵素を使用することができる。澱粉分解酵素としては、例えばα−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、β−ガラクトシターゼ等を用いることができる。酵素の供給源は限定しないが、公知の動物由来、植物由来、菌由来等を適宜用いることができ、天然又は組換え体のいずれであってもよい。また、酵素を添加するタイミングは、微生物の植菌前であってもよいが、以下の発酵ステップと同時、すなわち植菌と同時に添加してもよい。
酵素の添加量は、上記植物抽出物又はそれらの溶媒との混合液中の植物又は抽出物の重量に対して、0.001〜20重量%であってよい。また、酵素処理の際のpH、温度、時間等の処理条件は、使用する酵素に適した条件を用いることができる。微生物の植菌前に酵素処理を行うのであれば、使用する酵素の至適pH及び至適温度付近で0.5〜48時間の処理を行うことができる。また微生物の植菌と同時に酵素処理を行うのであれば、当該発酵処理と同条件で行うことができる。
前処理ステップは、殺菌処理及び/又は酵素処理に加えて、又はこれにかえて、乾燥処理、粉砕処理、粉末化処理、熱処理、水等の液体への浸漬処理、及び酸又はアルカリ処理等の処理を含み得る。
発酵ステップ
発酵は、固体培養及び液体培養のいずれであってもよいが、以下の後処理ステップにおいて抽出操作を行う場合があることを考慮すると、液体培養が好ましい。発酵は、ハトムギ、トチュウ、ラカンカ、及びカンゾウからなるから選択される植物、抽出物又はそれらに溶媒を加えたものに対して行うことができる。溶媒を加える場合、上記植物又はその抽出物と溶媒との混合割合は、重量換算で一般的に植物又はその抽出物1に対し、溶媒が1〜500、例えば1.5〜100、好ましくは2〜50又は5〜25の範囲であってよい。用いる溶媒としては、水又は水と一価アルコールや多価アルコールの混合液等を使用することができる。一価アルコールとしては、メタノール、プロピルアルコール、エタノール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ベンジルアルコールなどが、多価アルコールとしては、エチレングリコール、1,3‐ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールなどが挙げられる。また、これら溶媒中には、一般的に微生物の良好な生育に必要な無機塩や窒素原、糖質を添加してもよい。しかし、微生物がハトムギ、トチュウ、ラカンカ、カンゾウの成分以外を栄養源として利用することで生成される副産物を避けるという点と、微生物が最も力を発揮しやすいという観点より、水単独で用いるのが最も好ましい。
上記の通り必要に応じて無菌化した上記植物、抽出物又はそれらの溶媒との混合液に、微生物を植菌し発酵を行う。微生物の植菌数は、限定しないが10細胞〜10細胞、10細胞〜10細胞、又は約10細胞であってよい。発酵条件については、微生物が生育できる条件であれば特に制限はないが、温度については15〜50℃、より好ましくは20〜40℃、最も好ましくは25〜30℃、pHに関しては2〜10、好ましくは4〜9、より好ましくは5〜8であってよい。その他撹拌速度、発酵時間、好気及び嫌気条件等においても同様に生育に最適な条件にて培養を行うことができる。
発酵を行う溶液中の各植物又は抽出物の重量は限定しない。例えば、各植物又はその抽出物の重量は、溶液全体に対し、0.01〜50重量%、0.1〜40重量%、0.2〜30重量%、又は0.5〜15.5重量%であってよい。例えば、ハトムギ又はその抽出物は、0.1〜6重量%、0.2〜2.8重量%、又は0.5〜1.4重量%であってよく、トチュウ又はその抽出物は、1〜50重量%、2.5〜28重量%、又は5〜14.1重量%であってよく、ラカンカ又はその抽出物は、1〜50重量%、5〜30重量%、10〜15重量%であってよく、カンゾウ又はその抽出物は、1〜50重量%、5〜30重量%、10〜15重量%であってよい。また、発酵に用い得る植物種の組み合わせは限定されず、例えば、2種類を含む組み合わせであれば、ハトムギとラカンカ、トチュウとラカンカ、ハトムギとカンゾウ、ハトムギとトチュウ、トチュウとカンゾウ、ラカンカとカンゾウを含む組み合わせが挙げられ、3種類を含む組み合わせであれば、ハトムギとトチュウとラカンカ、ハトムギとトチュウとカンゾウ、トチュウとラカンカとカンゾウ、ハトムギとラカンカとカンゾウを含む組み合わせが挙げられる。
発酵ステップにおける発酵の順序は限定しない。例えば、上記植物又はその抽出物を2種以上同時に発酵させることにより行ってもよいし、又は1種の植物又はそれらの抽出物を発酵させた後に、さらに別の1種以上の植物又はそれらの抽出物や発酵物を加えて発酵を行うこともできる。一実施形態において、発酵ステップは、植物又はそれらの抽出物を別々に発酵させた後に、発酵物を混合することは含まない。
後処理ステップ
後処理ステップは、本発明の製造方法に含まれ得る任意のステップであり、以下の殺菌処理、抽出処理、精製処理、濃縮処理、希釈処理、溶媒交換処理、及び乾燥処理の少なくとも一つを含み得る。
殺菌処理は、発酵処理に用いた微生物の殺菌や、酵素処理を併用した場合であれば酵素の失活のために行うことができる。
抽出処理では、発酵物から抽出物を得る。抽出物は任意の抽出技術によって得られた抽出物で良いが、好ましくはアルコール抽出物又は水抽出物である。本発明においてアルコール抽出物とは、本発明の発酵物から無水アルコール又はアルコール水溶液を用いて得られた抽出物を意味する。本発明において水抽出物とは、本発明の発酵物から水(限定するものではないが、例えば、冷水、常温水、温水又は熱水)又は緩衝液を用いて得られた抽出物を意味する。
抽出溶媒としては、アルコール、水、緩衝液、希酸、及び希アルカリ、並びにそれらの任意の組み合わせ又は混合溶媒が挙げられるが、これらに限定されない。アルコール抽出物の場合、抽出溶媒としてはアルコール(無水アルコール)又はアルコール水溶液(アルコールと水の混合溶媒)を用いることができる。アルコールは、一価アルコールであっても、多価アルコールであってもよい。具体的には一価アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ベンジルアルコール等が挙げられる。多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。抽出溶媒としてアルコール水溶液を用いる場合には、アルコール濃度を90%(重量比)以下、例えば10〜60%とすることも好ましい。例えば、10〜60%濃度のエタノール水溶液、10〜60%濃度の1,3−ブチレングリコール水溶液等も好適に用いることができる。無水エタノール及び1,3−ブチレングリコール(無水)も、抽出溶媒として特に好適である。
抽出溶媒は、例えば、発酵物の1重量部に対し、好ましくは0.1〜500重量部、より好ましくは0.3〜300重量部、0.5〜100重量部を加え、抽出方法としては、発酵物を抽出溶媒に一定時間浸漬することにより抽出を行うことができるが、この方法に限定されない。抽出溶媒での抽出温度及び抽出時間は、当業者であれば抽出溶媒の種類や量等を考慮して適宜調節することができる。抽出温度(抽出溶媒の温度)は、限定するものではないが、通常は0℃超〜加圧下での沸点であり、好ましくは10℃〜加圧下での沸点、より好ましくは15℃〜100℃、例えば20℃〜70℃であり得る。抽出時間(抽出溶媒に浸漬する時間)は抽出溶媒の種類や抽出温度により変動するが、通常は30分間〜4週間、好ましくは1時間〜2週間、より好ましくは3時間〜5日間、例えば10時間〜48時間であり得る。好適例としては、水抽出の場合、抽出温度20〜70℃、例えば60℃で抽出時間を、例えば1時間〜2週間、好ましくは10時間〜48時間とすることができる。また、無水エタノール又は濃度10〜60%(重量比)のエタノール水溶液(含水エタノール)を用いたアルコール抽出の場合、抽出温度20〜70℃、例えば60℃で抽出時間を、例えば1時間〜2週間、好ましくは10時間〜48時間とすることができる。さらに1,3−ブチレングリコール(無水)又は濃度10〜60%(重量比)の1,3−ブチレングリコール水溶液を用いたアルコール抽出の場合、抽出温度20〜100℃、例えば30℃で抽出時間を、例えば1時間〜2週間、好ましくは10時間〜48時間とすることができる。
このようにして得られた抽出物はそのまま用いてもよいが、その抗皮膚老化効果に大きな影響を及ぼさない範囲で、抽出物に一般的に適用され得る通常の処理を施してもよい。例えば、抽出物について、遠心分離して沈殿物を濾過する等の周知の精製法による精製を行ってもよい。さらに好ましくは化粧品用原料としての安定性向上のため、ろ過後の抽出物をウィンタリング処理し(例えば温度−30〜0℃、3日間〜30日間)再ろ過を実施してもよい。また、脱臭及び脱色のため、活性炭カラム濾過等による精製処理等を行ってもよい。また、抽出物ついて、常法により、濃縮処理、希釈処理又は溶媒交換処理をおこなってもよい。また、抽出物やその処理物を、スプレードライ法等の熱乾燥法、凍結乾燥法を始めとする任意の乾燥処理により乾燥させて、乾燥物としてもよい。
配合ステップ
配合ステップは、本発明の製造方法に含まれ得る任意のステップであり、上記のステップにより得られ得る発酵物の抽出物、又は発酵物若しくは抽出物の処理物(例えば、真空凍結乾燥物をはじめとする凍結乾燥物等の乾燥物、精製物、濃縮物、希釈物、抽出溶媒以外の溶媒中への溶液、又はそれらの組み合わせ等)を、例えば「2.化粧料」に記載の他の成分と配合することにより、化粧料を製造するステップを意図する。配合ステップは、本分野で公知の方法により行うことができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<菌液の準備>
Aspergillus oryzae AO−0101株(受託番号:NITE P−02793)を含む各菌液のストックを作製した。また、Acremonium 属菌株(NBRC 30052)、Penicillium pinophilum菌株(NBRC 33285)、Trichoderma reesei菌株(NBRC 31328)、及びLactobacillus plantarum菌株(NBRC 3074)は、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターから入手した。Aspergillus oryzae AO−0101株(NITE P−02793)、Acremonium 属菌株、Penicillium pinophilum菌株、Trichoderma reesei菌株は、平板培地(ポテトデキストロース寒天培地「ダイゴ」(日本製薬))、Lactobacillus plantarum菌株は一般乳酸菌接種用培地(日水製薬)にてあらかじめ培養しておいた菌を、無菌水に懸濁させた。血球計算盤を用いて10細胞/mLの菌液に調整した。調整した菌液と等量のグリセリンを混合し、1mLずつエッペンチューブに分注し、−80℃で保管することで菌液のストックとした。
(実施例2)
<ハトムギ、トチュウ、ラカンカ、カンゾウの前処理>
ハトムギの種子(殻、薄皮、渋皮は含まない)及びトチュウの葉、ラカンカの果実(種子を含み果皮を含まない)、カンゾウの葉及び茎を乾燥後粉砕し、各300gの粉砕物を得た。
(実施例3)
<各微生物による発酵物及び無発酵物の調製>
実施例2のハトムギ1.5g、トチュウ3g、ラカンカ3gを三角フラスコに混合添加し、脱塩水92.5mL、α−アミラーゼ0.015gを添加し90℃で攪拌しながら0.5時間加温した。雑菌によるコンタミネーションを防ぐために121℃で20分間オートクレーブ殺菌し、室温まで降温した。その後、表1記載の微生物を、実施例1の菌液のストックを用いてあらかじめ各微生物に適した培地及び条件で培養しておいたものを植菌し、96時間培養を行った。なお、各微生物は無菌水で10細胞/mLに調整したものを1mL植菌し、試験区1〜4は振盪培養、試験区5は静置培養とした。各微生物にて培養後、121℃20分間オートクレーブ殺菌した。室温まで降温した後、無水エタノール92.5mLを添加し、30℃で一晩攪拌抽出を行った。得られた抽出液を高速遠心分離機(トミー工業製)によって遠心分離(10000rpm、10分)し、固形分を除いた。その後、7μmの濾紙(ADVANTEC 5A)と1μmの濾紙(ADVANTEC 5C)を用いて清澄な抽出液を得た。抽出液をエバポレーターで濃縮し、さらに真空乾燥中で乾燥させ乾燥物を得た。なお、対照として試験区6のようにハトムギ、トチュウ、ラカンカを抽出しただけの無発酵区を設け、植菌する以外は同様に操作し乾燥物を得た。
Figure 2021004214
(実施例4)
<各微生物による発酵物の評価1:抗酸化作用>
各微生物による発酵物及び無発酵物の抗酸化作用を、DPPHラジカル消去法により評価した。DPPHラジカル消去法とは、可視部に吸収を持ち、かつ還元されると吸収を示さなくなる安定ラジカルであるDPPH(1,1−ジフェニル−2−ピクリル−ヒドラジル)を抗酸化物質と反応させた後、抗酸化物質で還元されなかったDPPH量を吸光度測定により決定することに基づいて、抗酸化物質の抗酸化能を評価する方法である。具体的には、まず、実施例3で調製した各微生物による発酵物及び無発酵物の乾燥粉末を、それぞれ50%エタノール水溶液に混合し、2000ppmの試験液を調製した。反応指示薬(800μM 1,1−ジフェニル−2−ピクリル−ヒドラジル 12mL、400mM 2−モルホリノエタンスルホン酸緩衝液 12mL,50%エタノール水溶液 24mL)900μLを試験管に分注し、50%エタノール水溶液60μLを加えた。そこに試験液240μLを加え、ボルテックスミキサーでミキシングし、試験液添加の20分後に520nmでの吸光度を測定した。コントロールとして、各試験液の代わりに50%エタノールを添加して、同様の反応及び測定を行った。各試験液のラジカル消去率(%)を、コントロールの測定値と比較して以下のように算出した。
ラジカル消去率(%)=[(コントロールの吸光値−試験液添加時の吸光値)/コントロールの吸光値]×100
結果を図1に示す。図1に示されるように、各微生物による発酵物及び無発酵物には高いラジカル消去活性が認められた。その中でも、Aspergillus oryzae AO−0101株による発酵物は、最も高いラジカル消去レベルを示した。
(実施例5)
<各微生物による発酵物の評価2:SOD活性促進作用>
12well細胞培養プレートにて10%FBS(ウシ胎児血清)添加MEM−α培地に懸濁した正常ヒト新生児皮膚由来線維芽細胞(国立研究開発法人理化学研究所バイオリソース研究センターより入手、以下同様)を、セミコンフルエントになるまで培養した。培地を除去し、Hanks緩衝液(−)にて1回洗浄した細胞に、実施例3で調製した各微生物による発酵物及び無発酵物の乾燥粉末を100ppmとなるように添加したMEM−α培地(FBS0.5%)を試験液として加え、一晩培養した。培養後、再び培地を除去し、Hanks緩衝液(−)にて1回洗浄した。あらかじめ冷却しておいた0.1%TritonX−100含有のHanks緩衝液(−)を添加し、氷冷下でホモジナイズして細胞を破砕した。この細胞破砕液を用い、SOD Assay Kit−WST(同仁化学)にてSOD活性の測定を行った。同様の細胞破砕液を用いて、細胞タンパク質量をDC Protein Assay Kit(BIO−RAD)にて測定した。コントロールとして、各微生物による発酵物及び無発酵物を未添加とし、MEM−α培地(FBS0.5%)を添加し同様に操作した。各微生物による発酵物及び無発酵物のSOD活性率(%)を、コントロール(100%)と比較して以下のように算出した。
SOD活性率(%)=[試験液添加区の細胞タンパク質量あたりのSOD活性/コントロール区の細胞タンパク質量あたりのSOD活性]×100
結果を図2に示す。図2に示されるように、各微生物による発酵物及び無発酵物には、コントロールと同等及びそれ以上のSOD活性率が認められた。その中でも、Aspergillus oryzae AO−0101株を用いて発酵した発酵物に最も高いSOD活性促進作用が認められた。
(実施例6)
<各微生物による発酵物の評価3:細胞内グルタチオン産生促進作用>
96well細胞培養プレートにて10%FBS(ウシ胎児血清)添加MEM−α培地に懸濁した正常ヒト新生児皮膚由来線維芽細胞を、セミコンフルエントになるまで培養した。培地を除去し、Hanks緩衝液(−)にて1回洗浄した細胞に、実施例3で調製した各微生物による発酵物及び無発酵物の乾燥粉末を100ppmとなるように添加したMEM−α培地(FBS0.5%)を試験液として加え、一晩培養した。培養後、再び培地を除去し、Hanks緩衝液(−)にて1回洗浄した。あらかじめ冷却しておいた0.1%TritonX−100含有のHanks緩衝液(−)を添加し、ホモジナイズして細胞を破砕した。この細胞破砕液を用い、グルタチオンリサイクリング法を用いて細胞内のグルタチオン産生量を測定した。すなわち、細胞培養プレートとは別の96well Assayプレートに細胞破砕液30μL、0.1Mリン酸緩衝液(0.5mMEDTA含有)135μL、1.67mM NADPH30μL、グルタチオンリダークターゼ30μLを混合し、プレートシェイカーでよく撹拌した後、37℃で10分間インキュベートした。その後、8.4mM 5,5’―Dithiobis(2−nitrobenzoic acid)30μLを添加し、よく撹拌した。その後、2分間隔で450nm吸光度を測定した。細胞タンパク質量は、同様の細胞破砕液を用いてDC Protein Assay Kit(BIO−RAD)にて測定した。コントロールとして、各微生物による発酵物及び無発酵物を未添加とし、MEM−α培地(FBS0.5%)を添加し同様に操作した。各微生物による発酵物及び無発酵物の細胞内グルタチオン産生率(%)を、コントロール(100%)と比較して以下のように算出した。
細胞内グルタチオン産生率(%)=[試験液添加区の細胞タンパク質量あたりの細胞内グルタチオン産生量/コントロール区の細胞タンパク質量あたりの細胞内グルタチオン産生量]×100
結果を図3に示す。図3に示されるように、各微生物による発酵物及び無発酵物には、コントロールと同等及びそれ以上の細胞内グルタチオン産生率が認められた。その中でも、Aspergillus oryzae AO−0101株による発酵物において、最も高い細胞内グルタチオン産生促進作用を示した。
(実施例7)
<各生薬の組合せ発酵物の調製>
実施例2のハトムギ、トチュウ、ラカンカ、カンゾウを用いて、表2に示す各生薬の組合せにて発酵物を調製した。表2に示した割合で各生薬を三角フラスコに取り、脱塩水84.5mL、α−アミラーゼ0.005gを添加し90℃で攪拌しながら0.5時間加温した。その後、雑菌によるコンタミネーションを防ぐため及び酵素の失活のために、121℃20分間オートクレーブした。室温まで降温した後、実施例1で調製したAspergillus oryzae AO−0101株の菌液のストック1mLを植菌し、培養温度30℃好気条件で96時間振盪培養を行った。培養後、121℃20分間オートクレーブ殺菌した。室温まで降温した後、無水エタノール84.5mLを添加し、30℃で一晩攪拌抽出を行った。得られた抽出液を高速遠心分離機(トミー工業製)によって遠心分離(10000rpm、10分)し固形分を除いた。その後、7μmの濾紙(ADVANTEC 5A)と1μmの濾紙(ADVANTEC 5C)を用いて、清澄な抽出液を得た。抽出液をエバポレーターで濃縮し、さらに真空乾燥中で乾燥させ乾燥物を得た。なお、対照として試験区1〜10のように各生薬を抽出しただけの無発酵区を設け、植菌する以外は同様に操作して乾燥物を得た。
Figure 2021004214
(実施例8)
<各生薬の組み合わせ発酵物の評価1:SOD活性促進作用>
24well細胞培養プレートにて10%FBS(ウシ胎児血清)添加MEM−α培地に懸濁した正常ヒト新生児皮膚由来線維芽細胞を、セミコンフルエントになるまで培養した。培地を除去し、Hanks緩衝液(−)にて1回洗浄した細胞に、実施例7で調製した各乾燥粉末を100ppmになるようにMEM−α培地(FBS0.5%)に溶解し、得られた各試験液を加え、一晩培養した。その後は実施例5と同様に、SOD活性率(%)を算出した。
(実施例9)
<各生薬の組み合わせ発酵物の評価2:細胞内グルタチオン産生促進作用>
96well細胞培養プレートにて10%FBS(ウシ胎児血清)添加MEM−α培地に懸濁した正常ヒト新生児皮膚由来線維芽細胞を、セミコンフルエントになるまで培養した。培地を除去し、Hanks緩衝液(−)にて1回洗浄した細胞に、実施例7で調製した各乾燥粉末を100ppmになるようにMEM−α培地(FBS0.5%)に溶解し、得られた各試験液を加え、一晩培養した。その後は実施例6と同様に細胞内グルタチオン産生率(%)を算出した。
表2に記載した各生薬及びその組み合わせにおいての、SOD活性率を図4に示す。試験区11〜20の効果を、同じ生薬の組み合わせにおける無発酵物(それぞれ試験区1〜10に対応する)のSOD活性率を100%とした相対値で示した。全ての試験区で無発酵物に対して発酵物が、同等及びそれ以上の結果を示したことから、発酵処理を行うことにより、抗酸化剤としての有用性が向上することが確認された。
次に、表2で示した各生薬及びその組み合わせによるSOD活性率、細胞内グルタチオン産生率を、図5及び6にそれぞれ示した。その結果、それぞれの生薬を単一(試験区11:ハトムギ、12:トチュウ、13:ラカンカ、14:カンゾウ)で発酵するよりも2種(試験区16:ハトムギとラカンカ、17:トチュウとラカンカ、19:ハトムギとカンゾウ)組み合わせて発酵することにより、高い効果が示された。なお、本試験では生薬の総量が同一となるように各生薬を組み合わせているため、単一よりも組み合わせの方が高い効果が認められたことは、組み合わせによる相乗的な効果の存在を示唆している。
(実施例10)
<3種類の植物の組み合わせ発酵物の評価1:抗酸化作用>
ハトムギ、トチュウ、ラカンカ又はカンゾウの組み合わせ発酵物と、各生薬の単一発酵物の混合物の抗酸化作用を、DPPHラジカル消去法により評価した。まず、実施例7で調製した表2の試験区11〜14のハトムギ、トチュウ、ラカンカ、カンゾウの単一発酵処理における発酵物の各乾燥粉末を、2000ppmになるように50%エタノール水溶液に溶解した。その後、試験区18、20の各生薬の割合と同じになるように各2000ppm/50%エタノール水溶液を1つに混合調製し、試験液を得た。次に実施例7で調製した表2の試験区18、20の乾燥粉末を50%エタノール水溶液に混合し、2000ppmになるように溶解し、試験液を得た。その後は実施例4と同様に、ラジカル消去率(%)を算出した。
結果を図7に示す。図7に示されるように、ハトムギ、トチュウ、ラカンカ又はカンゾウを、組み合わせて発酵させた発酵物と、各生薬を単一発酵処理した発酵物を混合したものはいずれも高いラジカル消去活性が認められたが、ハトムギ、トチュウ、ラカンカ又はカンゾウを、組み合わせて発酵させた発酵物のほうがより高いラジカル消去活性を示した。このことから、単一でハトムギ、トチュウ、ラカンカ、又はカンゾウを発酵させて混合するよりも、組み合わせて発酵させることでより高い抗酸化作用を有し、抗酸化剤としてより有用な効果をもたらすことが示された。
(実施例11)
<3種類の植物の組み合わせ発酵物の評価2:SOD活性促進作用>
実施例7で調製した各発酵物の乾燥粉末を用いた。表2の試験区11〜14のハトムギ、トチュウ、ラカンカ、カンゾウの単一発酵処理における発酵物の各乾燥粉末を、試験区11のハトムギ発酵物と試験区12のトチュウ発酵物はそれぞれ30ppmと100ppmの2濃度に、試験区13のラカンカ発酵物は100ppm、試験区14のカンゾウ発酵物は30ppmになるようにMEM−α培地(FBS10%)に溶解し溶解液を得た。その後、試験区18、20の各生薬の割合と同じになるように各濃度の溶解液を1つに混合調製し試験液を得た。なお、混合調製に用いた試験区11のハトムギ発酵物及び試験区12のトチュウ発酵物の溶解液の濃度は、試験区18は100ppm、試験区20は30ppmを使用した。次に試験区18、20の発酵物の各乾燥粉末を、試験区18は100ppm、試験区20は30ppmに溶解し、試験液を調製した。調製した発酵物を以下で検体として用いた。
細胞培養用のφ60mmDishにて、予め任意濃度となるように検体を溶解した試験液である10%FBS(ウシ胎児血清)添加MEM−α培地を用いて懸濁した正常ヒト新生児皮膚由来線維芽細胞を、セミコンフルエントになるまで培養した。その後細胞を剥離、カウントした後、予め任意濃度となるように検体を溶解した試験液であるMEM−α培地(FBS10%)で任意細胞数となるように調整し、再びφ60mmDishにてセミコンフルエントになるまで培養した。同様の操作をもう一度行い、任意濃度の検体を溶解した試験液であるMEM−α培地(FBS10%)にて計3回継代を繰り返すことで、検体を継続的に処理した。最後に播種した細胞がセミコンフルエントになったことを確認した後、培地を除去し、Hanks緩衝液(−)にて1回洗浄した。あらかじめ冷却しておいた0.1%TritonX−100含有のHanks緩衝液(−)を添加し、氷冷下でホモジナイズして細胞を破砕した。この細胞破砕液を用い、実施例5と同様に、各発酵物のSOD活性率(%)を算出した。
結果を図8に示す。図8に示されるように、各生薬を単一発酵処理した発酵物を混合したものは、コントロールと同程度のSOD活性率であったが、ハトムギ、トチュウ、ラカンカ又はカンゾウを、組み合わせて発酵させた発酵物は、高いSOD活性促進作用が認められた。このことは、単一でハトムギ、トチュウ、ラカンカ、又はカンゾウを発酵させて混合するよりも、組み合わせて発酵させることが抗酸化剤としてより有用な効果をもたらすことを示している。
(実施例12)
<3種類の植物の組み合わせ発酵物の評価3:細胞内グルタチオン産生促進作用>
96well細胞培養プレートにて10%FBS(ウシ胎児血清)添加MEM−α培地に懸濁した、正常ヒト新生児皮膚由来線維芽細胞をセミコンフルエントになるまで培養した。培地を除去し、Hanks緩衝液(−)にて1回洗浄した細胞に、試験液の濃度が全て100ppmとなるように実施例11と同様の操作を行い調製した各試験液を添加し、一晩培養した。その後は実施例6と同様に細胞内グルタチオン産生率(%)を算出した。
結果を図9に示す。図9に示されるように、各生薬を単一発酵処理した発酵物を混合したものは、コントロールと同程度の細胞内グルタチオン産生率であったが、ハトムギ、トチュウ、ラカンカ又はカンゾウを、組み合わせて発酵させた発酵物は、高い細胞内グルタチオン産生促進作用が認められた。このことは、単一でハトムギ、トチュウ、ラカンカ、又はカンゾウを発酵させて混合するよりも、組み合わせて発酵させることで抗酸化剤としてより有用な効果をもたらすことを示す。
(実施例13)
<生薬の組み合わせ発酵物の1,3−ブチレングリコール抽出物の調製>
実施例2のハトムギ3g、トチュウ6g、ラカンカ6gを三角フラスコに混合添加し、脱塩水185mL、α−アミラーゼ0.03gを添加し90℃で攪拌しながら0.5時間加温した。その後、121℃20分間オートクレーブ殺菌し、室温まで降温した後、実施例1で調製したAspergillus oryzae AO−0101株の菌液のストック2mLを植菌し、96時間培養を行った。培養後、121℃20分間オートクレーブ殺菌し、室温まで降温した後、1,3−ブチレングリコール185mLを添加し、30℃で一晩攪拌抽出を行った。得られた抽出液を高速遠心分離機(トミー工業製)によって遠心分離(10000rpm、10分)し固形分を除いた。その後、7μmの濾紙(ADVANTEC 5A)と1μmの濾紙(ADVANTEC 5C)を用いて自然ろ過し、清澄な抽出液を得た。
(実施例14)
<化粧水の製造>
以下の表3の処方に従い、ハトムギ、トチュウ、ラカンカを、組み合わせて発酵させた発酵物の抽出物を配合した抽出物添加品と、この抽出物を配合していない対照品のそれぞれについて、各成分を80℃で撹拌、溶解後室温に冷却し、化粧水を得た。得られた化粧水はいずれも清澄であり、40℃、相対湿度(PH)75%の条件下において3ヶ月間白濁を生じることもなく安定であった。
Figure 2021004214
得られた化粧水は、使用中にべたつかず、肌をしっとりとさせるものであった。
また、専門パネラー10名を対象とし、得られた化粧水について1ヶ月間の使用試験を行った。使用後、肌の張り感や弾力性の改善作用の評価を、以下の5段階の評点評価にて実施した。
1.悪化した
2.やや悪化した
3.変わらず
4.やや改善した
5.改善した
パネラー10名の評点の平均を表4に示した。表4に示されるように、抽出物添加品は、対照品よりも、優れた肌の張り感や弾力性の改善作用を示した。
Figure 2021004214
(実施例15)
<シャンプー剤の製造>
表5の処方に従い、成分(1)〜(8)を70℃で混合撹拌し、室温まで冷却させてシャンプー剤を調製した。
Figure 2021004214
得られたシャンプー剤を用いて洗髪したところ、髪の感触が滑らかで、髪に潤いを与えることができた。
(実施例16)
<クリーム剤の製造>
表6に示す処方に従い、(1)〜(6)を80℃で混合撹拌したものに、別途(7)〜(10)を80℃で混合攪拌したものを加え、ホモジナイズし、攪拌しながら室温まで冷却し、クリーム剤を得た。
Figure 2021004214
得られたクリーム剤はいずれも使用中にべたつかず、肌をしっとりとさせるものであった。
また、専門パネラー10名を対象とし、得られたクリーム剤について1ヶ月間の使用試験を行った。使用後、しわ、たるみの改善作用の評価を、以下の5段階の評点評価にて実施した。
1.悪化した
2.やや悪化した
3.変わらず
4.やや改善した
5.改善した
パネラー10名の評点の平均を表7に示した。表7に示されるように、ハトムギ、トチュウ、ラカンカを、組み合わせて発酵させた発酵物の抽出物を添加した抽出物添加品は、この抽出物を添加していない対照品よりも、優れたしわ、たるみ改善作用を示した。
Figure 2021004214
(実施例17)
<ボディジェル剤の製造>
表8の処方に従い、(1)〜(8)を撹拌、溶解した。
得られた製品は使用中にべたつかず、肌をしっとりとさせるものであった。
Figure 2021004214
(実施例18)
<ヘアパック剤の製造>
表9に示す処方に従い、(1)〜(2)を80℃混合撹拌したものに、別途(3)〜(12)を80℃で混合撹拌したものを加え、80℃にて混合攪拌しながら(13)、(14)をさらに添加し混合攪拌してヘアパック剤を得た。
Figure 2021004214
得られた製品を用いて髪のトリートメントをしたところ、髪の感触が滑らかで、髪に潤いを与えるものであった。
(実施例19)
<ボディリンス剤の製造>
表10に示す処方に従い、常法よりボディリンスを得た。得られたボディリンスは肌をしっとりとさせるものであった。
Figure 2021004214

Claims (10)

  1. ハトムギ、トチュウ、ラカンカ、及びカンゾウからなる群から選択される2以上の植物又はそれらの抽出物を含む組成物の、微生物による発酵物。
  2. 前記発酵物が糸状菌及び乳酸菌からなる群から選択される1以上の微生物による発酵物である、請求項1に記載の発酵物。
  3. 前記微生物が糸状菌である、請求項2に記載の発酵物。
  4. 前記糸状菌がAspergillus属糸状菌、Acremonium属糸状菌、Penicillium属糸状菌、及びTrichoderma属糸状菌からなる群から選択される1以上の糸状菌である、請求項3に記載の発酵物。
  5. 前記Aspergillus属糸状菌がAspergillus oryzaeである、請求項4に記載の発酵物。
  6. 抗皮膚老化のための、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発酵物。
  7. 抗酸化作用、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)活性促進作用、及び細胞内グルタチオン産生促進作用からなる群より選択される1以上の作用のための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発酵物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の発酵物を含む、化粧料。
  9. ハトムギ、トチュウ、ラカンカ、及びカンゾウからなる群から選択される2以上の植物、又はそれらの抽出物を含む組成物を発酵させて発酵物を得るステップを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発酵物又は請求項8に記載の化粧料を製造する方法。
  10. 前記2以上の植物又はそれらの抽出物を同時に発酵させる、請求項9に記載の方法。
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CN113499298A (zh) * 2021-06-24 2021-10-15 青岛黛优佳生物科技有限公司 一种具有美白祛斑协同增效作用的化妆品和应用
CN113499298B (zh) * 2021-06-24 2023-01-24 青岛黛优佳生物科技有限公司 一种具有美白祛斑协同增效作用的化妆品和应用

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