JP2020100136A - 液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び液体噴射システム - Google Patents

液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び液体噴射システム Download PDF

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Abstract

【課題】圧力室を大容量化すると共に、流路基板が大型化するのを抑制した液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び液体噴射システムを提供する。【解決手段】流路が形成された流路基板と、前記流路の液体に圧力変化を生じさせるためのエネルギー発生素子と、を備え、前記流路は、第1共通液室101と、第2共通液室102と、前記第1共通液室101と前記第2共通液室102とに連通する個別流路200と、を含み、前記個別流路200は、外部と連通するノズル21と、前記エネルギー発生素子により圧力変化が生じる圧力室12と、を備え、複数の個別流路のうち、前記ノズル21の並設方向において隣接する3つの前記個別流路200は、それぞれ前記第1共通液室101および前記第2共通液室102に連通し、前記ノズル21の並設方向において隣接する2つの前記個別流路200は、前記第1共通液室101から前記第2共通液室102に向かう液体の流れる方向において、前記圧力室12と前記ノズル21との並び順が異なる。【選択図】図4

Description

本発明は、ノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び液体噴射システムに関し、特に液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド、インクジェット式記録装置及びインクジェット式記録システムに関する。
液体を噴射する液体噴射ヘッドとして、被印刷媒体に液体としてインクを吐出して印刷を行うインクジェット式記録ヘッドが知られている。
インクジェット式記録ヘッドは、ノズルに連通する圧力室を有する個別流路と、複数の個別流路に共通して連通する共通液室と、圧力室内のインクに圧力変化を生じさせる圧電アクチュエーター等のエネルギー発生素子と、を具備し、エネルギー発生素子が圧力室内のインクに圧力変化を生じさせることで、ノズルからインク滴を吐出する。
このようなインクジェット式記録ヘッドでは、圧力室内に気泡が滞留すると、エネルギー発生素子による圧力変化を気泡が吸収し、ノズルからインク滴を正常に吐出することができなくなってしまう。
このため個別流路に共通する共通液室として第1共通液室と第2共通液室とを設け、第1共通液室から個別流路を通って第2共通液室にインクを流す、いわゆる循環するようにした構成のインクジェット式記録ヘッドが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−184372号公報
このようなインクジェット式記録ヘッドでは、圧力室を大容量化して、圧力室のエネルギー発生素子による排除体積を大きくし、ノズルから吐出されるインク滴の吐出特性、特にインク重量を向上したいという要望がある。しかしながら、圧力室を大容量化して排除体積を大きくするために圧力室の並設方向の幅を大きくすると、流路基板が大型化してしまうという問題がある。特に特許文献1のように第1共通液室から個別流路を通って第2共通液室にインクを循環させる場合、個別流路に設けられた圧力室の配置に制約があるため圧力室を大容量化すると、流路基板が大型化してしまう。
このような問題はインクジェット式記録ヘッドだけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、圧力室を大容量化し、また、流路基板の大型化を抑制した液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び液体噴射システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、流路が形成された流路基板と、前記流路の液体に圧力変化を生じさせるためのエネルギー発生素子と、を備え、前記流路は、第1共通液室と、第2共通液室と、前記第1共通液室および前記第2共通液室に連通して前記第1共通液室から前記第2共通液室に向かって液体が流れる個別流路と、を含み、前記個別流路は、外部と連通するノズルと、前記エネルギー発生素子により圧力変化が生じる圧力室と、を備え、前記複数の個別流路のうち、前記ノズルの並設方向において隣接する3つの前記個別流路は、それぞれ、前記第1共通液室および前記第2共通液室に連通し、前記並設方向において隣接する2つの前記個別流路は、前記第1共通液室から前記第2共通液室に向かう液体の流れる方向において、前記圧力室と前記ノズルとの並び順が異なることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
また、本発明の他の態様は、流路が形成された流路基板と、前記流路の液体に圧力変化を生じさせるためのエネルギー発生素子と、を備え、前記流路は、第1共通液室と、第2共通液室と、前記第1共通液室および前記第2共通液室に連通して前記第1共通液室から前記第2共通液室に向かって液体が流れる個別流路と、を含み、前記個別流路は、外部と連通するノズルと、前記エネルギー発生素子により圧力変化が生じる圧力室と、を備え、前記流路基板は、第1流路基板と第2流路基板と第3流路基板とを備え、前記第1流路基板と前記第2流路基板との間に、前記並設方向に第1の解像度で流路が形成され、前記第2流路基板と前記第3流路基板との間に、前記並設方向に前記第1の解像度よりも大きな解像度の第2の解像度で流路が形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
さらに、本発明の他の態様は、上記態様に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
また、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドと、前記第1及び第2の共通液室の何れか一方の共通液室に液体を供給すると共に、他方の共通液室から液体を回収して前記個別流路内に循環流を生じさせる循環系と、を具備する液体噴射システムにある。
本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの平面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。 本発明の実施形態1に係る流路を模式的に表した図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの変形例を示す平面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの変形例を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの変形例を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの変形例を示す平面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの変形例を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの変形例を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの変形例を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの変形例を示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る記録ヘッドを示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る記録ヘッドを示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る記録ヘッドの変形例を示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る記録ヘッドの変形例を示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る記録ヘッドの変形例を示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る記録ヘッドの変形例を示す断面図である。 本発明の実施形態3に係る記録ヘッドを示す断面図である。 本発明の実施形態3に係る記録ヘッドを示す断面図である。 本発明の実施形態3に係る記録ヘッドの変形例を示す断面図である。 本発明の実施形態3に係る記録ヘッドの変形例を示す断面図である。 本発明の実施形態3に係る記録ヘッドの変形例を示す断面図である。 本発明の実施形態3に係る記録ヘッドの変形例を示す断面図である。 本発明の実施形態4に係る記録ヘッドを示す断面図である。 本発明の実施形態4に係る記録ヘッドを示す断面図である。 本発明の実施形態4に係る流路を表す斜視図である。 本発明の実施形態4に係る記録ヘッドの断面図である。 本発明の一実施形態に係る記録ヘッドを示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る記録ヘッドを示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る記録ヘッドを示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る記録ヘッドを示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る記録ヘッドを示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る記録ヘッドを示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る流路を模式的に表した図である。 本発明の一実施形態に係る記録装置の概略構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る記録システムを説明するブロック図である。 本発明の一実施形態に係る記録システムの電気的構成を表すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る駆動信号を示す駆動波形である。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
本実施形態の液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドについて図1〜図4を参照して説明する。なお、図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドのノズル面側から見た平面図である。図2は、図1のA−A′線断面図である。図3は、図1のB−B′線断面図である。図4は、流路を模式的に表した図である。
図示するように、本実施形態の液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッド1(以下、単に記録ヘッド1とも言う)は、流路基板として流路形成基板10、連通板15、ノズルプレート20、保護基板30、ケース部材40及びコンプライアンス基板49等の複数の部材を備える。
流路形成基板10は、シリコン単結晶基板からなり、その一方の面には振動板50が形成されている。振動板50は、二酸化シリコン層や酸化ジルコニウム層から選択される単一層又は積層であってもよい。
流路形成基板10には、個別流路200を構成する圧力室12が、複数の隔壁によって区画されて複数設けられている。複数の圧力室12は、インクを吐出する複数のノズル21が並設される方向に沿って所定のピッチで並設されている。以降、この方向を、ノズル21の並設方向、又は圧力室12の並設方向、又は第1の方向Xと称する。また、流路形成基板10には、圧力室12が第1の方向Xに並設された列が複数列、本実施形態では、2列設けられている。この圧力室12の列が複数列設された列設方向を、以降、第2の方向Yと称する。なお、本実施形態では、流路形成基板10の第1の方向Xに並設された圧力室12の間の部分を隔壁と称する。この隔壁は、第2の方向Yに沿って形成されている。すなわち、隔壁は、流路形成基板10の第2の方向Yにおける圧力室12に重なる部分のことをいう。本実施形態では、流路形成基板10が特許請求の範囲に記載の第1流路基板に相当する。
また、本実施形態では、2列の圧力室12において、一方の列の圧力室12を第1圧力室12Aと称し、他方の列の圧力室12を第2圧力室12Bと称する。第1圧力室12Aと第2圧力室12Bとは、第1の方向Xからの平面視において、互いに重ならない位置に配置されている。また、第1圧力室12Aと第2圧力室12Bとは、第1の方向Xにずらした、いわゆる千鳥配置となっている。本実施形態では、第1圧力室12Aが第1の方向Xに並設された列と、第2圧力室12Bが第1の方向Xに並設された列とは、第1の方向Xに互いに半ピッチずれた位置に配置されている。なお、第1圧力室12Aの一部と第2圧力室12Bの一部とが、第1の方向Xからの平面視において、互いに重なる位置に配置されていてもよい。
また、本実施形態では、第1の方向X及び第2の方向Yの両方に直交する方向を第3の方向Zと称し、詳しくは後述するノズルプレート20に対するケース部材40側をZ1側、ケース部材40に対するノズルプレート20側をZ2側と称する。なお、第1の方向X、第2の方向Y及び第3の方向Zは、互いにそれぞれ直交する方向としたが、特にこれに限定されず、直交以外の角度で交差する方向であってもよい。
なお、本実施形態では、流路形成基板10に圧力室12のみを設けるようにしたが、圧力室12に供給されるインクに流路抵抗を付与するように圧力室12よりも流路を横断する断面積を絞った流路抵抗付与部を設けるようにしてもよい。
このような流路形成基板10の第3の方向Zの一方面側であるZ1側には、上述のように振動板50が形成され、この振動板50上には、第1電極60と圧電体層70と第2電極80とが成膜及びリソグラフィー法によって積層されて圧電アクチュエーター300を構成している。本実施形態では、圧電アクチュエーター300が、圧力室12内のインクに圧力変化を生じさせるエネルギー発生素子となっている。ここで、圧電アクチュエーター300は、圧電素子とも言い、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む部分を言う。一般的には、圧電アクチュエーター300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を圧力室12毎にパターニングして構成する。本実施形態では、第1電極60を圧電アクチュエーター300の共通電極とし、第2電極80を圧電アクチュエーター300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。なお、上述した例では、振動板50、第1電極60が、振動板として作用するが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、振動板50を設けずに、第1電極60のみが振動板として作用するようにしてもよい。また、圧電アクチュエーター300自体が実質的に振動板を兼ねるようにしてもよい。
また、このような各圧電アクチュエーター300の第2電極80には、リード電極90がそれぞれ接続され、このリード電極90を介して各圧電アクチュエーター300に選択的に電圧が印加されるようになっている。
また、流路形成基板10の圧電アクチュエーター300側の面には、保護基板30が接合されている。
保護基板30の圧電アクチュエーター300に対向する領域には、圧電アクチュエーター300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電アクチュエーター保持部31が設けられている。圧電アクチュエーター保持部31は、圧電アクチュエーター300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。また、圧電アクチュエーター保持部31は、本実施形態では、第1の方向Xに並設された複数の圧電アクチュエーター300の列毎にそれぞれ独立して設けられている。すなわち、圧電アクチュエーター保持部31は、第1の方向Xに並設された複数の圧電アクチュエーター300の列を一体的に覆う大きさで形成されている。もちろん、圧電アクチュエーター保持部31は、特にこれに限定されず、圧電アクチュエーター300を個別に覆うものであってもよく、第1の方向Xで並設された2以上の圧電アクチュエーター300で構成される群毎に覆うものであってもよい。
このような保護基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
また、保護基板30には、保護基板30を第3の方向Zに貫通する貫通孔32が設けられている。そして、各圧電アクチュエーター300から引き出されたリード電極90の端部近傍は、貫通孔32内に露出するよう延設されており、貫通孔32内でフレキシブルケーブル120と電気的に接続されている。フレキシブルケーブル120は、可撓性を有する配線基板であって、本実施形態では、半導体素子である駆動回路121が実装されている。なお、フレキシブルケーブル120を介さずに、リード電極90と駆動回路121とを電気的に接続してもよい。また、保護基板30に流路を設けてもよい。
また、保護基板30のZ1側には、ケース部材40が固定されている。ケース部材40は、保護基板30の流路形成基板10とは反対面側が接合されると共に、後述する連通板15にも接合して設けられている。
このようなケース部材40には、第1共通液室101の一部を構成する第1液室部41と、第2共通液室102の一部を構成する第2液室部42とが設けられている。第1液室部41と第2液室部42とは、第2の方向Yにおいて、2列の圧力室12を挟んだ両側にそれぞれ設けられている。
第1液室部41及び第2液室部42のそれぞれは、ケース部材40のZ2側の面に開口する凹形状を有し、第1の方向Xに並設された複数の圧力室12に亘って連続して設けられている。
また、ケース部材40のZ1側の面には、第1液室部41に連通する導入口43と、第2液室部42に連通する排出口44とが開口して設けられている。
さらに、ケース部材40には、保護基板30の貫通孔32に連通して、フレキシブルケーブル120が挿通される接続口45が設けられている。
一方、流路形成基板10の保護基板30とは反対面側であるZ2側には、連通板15とノズルプレート20とコンプライアンス基板49とが設けられている。
連通板15は、本実施形態では、第1連通板151と第2連通板152とが第3の方向Zに積層されて構成されている。第1連通板151は、流路形成基板10側、すなわち、第3の方向ZのZ1側に設けられており、第2連通板152は、ノズルプレート20側、すなわち、第3の方向ZのZ2側に設けられている。
このような連通板15を構成する第1連通板151及び第2連通板152は、ステンレス鋼等の金属、ガラス、セラミック材料等によって製造することができる。なお、連通板15は、流路形成基板10と熱膨張率が略同一の材料を用いるのが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
連通板15には、詳しくは後述するが、第1共通液室101及び第2共通液室102のそれぞれの一部を構成する第1連通部16及び第2連通部17が設けられている。また、連通板15には、詳しくは後述するが、第1共通液室101と圧力室12とを連通する流路と、圧力室12とノズル21とを連通する流路と、ノズル21と第2共通液室102とを連通する流路と、が設けられている。連通板15に設けられたこれらの流路は、個別流路200の一部を構成する。本実施形態では、連通板15が特許請求の範囲に記載の第2流路基板に相当する。
ノズルプレート20には、外部に連通すると共に圧力室12に連通するノズル21が複数形成されている。本実施形態では、図1に示すように、複数のノズル21を第1の方向Xに並設した第1ノズル列22Aと、複数のノズル21を第1の方向Xに並設した第2ノズル列22Bと、を第2の方向Yに並設し、第1ノズル列22Aと第2ノズル列22Bとを第2の方向Yで同じ位置とならないように第1の方向Xにずらした、いわゆる千鳥配置となっている。本実施形態では、第1ノズル列22Aのノズル21を第1ノズル21Aと称し、第2ノズル列22Bのノズル21を第2ノズル21Bと称する。第1ノズル列22Aの第1ノズル21Aは、第1圧力室12Aに連通する。また、第2ノズル列22Bの第2ノズル21Bは、第2圧力室12Bに連通する。そして、これら第1ノズル21A及び第2ノズル21Bからは同じ種類のインクが吐出される。本実施形態では、ノズルプレート20が特許請求の範囲に記載の第3流路基板に相当する。なお、第1ノズル列22Aと第2ノズル列22Bとが、第1の方向Xの一直線上に並んでもよい。
また、連通板15は、第1共通液室101の一部を構成する第1連通部16と、第2共通液室102の一部を構成する第2連通部17と、を有する。
第1連通部16は、第3の方向Zにおいて、ケース部材40の第1液室部41に重なる位置に設けられており、連通板15のZ1側及びZ2側の両面に開口して設けられている。第1連通部16は、Z1側において第1液室部41と連通することで第1共通液室101を構成する。すなわち、第1共通液室101は、ケース部材40の第1液室部41と連通板15の第1連通部16とによって構成されている。また、第1連通部16は、Z2側において圧力室12に第3の方向Zで重なる位置まで第2の方向Yに延設されている。なお、連通板15に第1連通部16を設けずに、第1共通液室101をケース部材40の第1液室部41によって構成してもよい。
第2連通部17は、第3の方向Zにおいて、ケース部材40の第2液室部42に重なる位置に設けられており、連通板15のZ1側及びZ2側の両面に開口して設けられている。第2連通部17は、Z1側において第2液室部42と連通することで第2共通液室102を構成する。すなわち、第2共通液室102は、ケース部材40の第2液室部42と連通板15の第2連通部17とによって構成されている。また、第2連通部17は、Z2側において圧力室12に第3の方向Zで重なる位置まで第2の方向Yに延設されている。なお、連通板15に第2連通部17を設けずに、第2共通液室102をケース部材40の第2液室部42によって構成してもよい。
連通板15の第1連通部16及び第2連通部17が開口するZ2側の面には、コンプライアンス部494を有するコンプライアンス基板49が設けられている。このコンプライアンス基板49が、第1共通液室101及び第2共通液室102のノズル面20a側の開口を封止している。
このようなコンプライアンス基板49は、本実施形態では、可撓性を有する薄膜からなる封止膜491と、金属等の硬質の材料からなる固定基板492と、を具備する。固定基板492の第1共通液室101及び第2共通液室102に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部493となっているため、第1共通液室101及び第2共通液室102の壁面の一部は可撓性を有する封止膜491のみで封止された可撓部であるコンプライアンス部494となっている。本実施形態では、第1共通液室101に設けられたコンプライアンス部494を第1コンプライアンス部494Aと称し、第2共通液室102に設けられたコンプライアンス部494を第2コンプライアンス部494Bと称する。このように第1共通液室101と第2共通液室102とのそれぞれの壁面の一部にコンプライアンス部494を設けることで、第1共通液室101及び第2共通液室102内のインクの圧力変動をコンプライアンス部494が変形することによって吸収することができる。
ちなみに、第2コンプライアンス部494Bを設けずに第1コンプライアンス部494Aのみを設けた場合、圧力室12とノズル21が設けられた個別流路においてインク滴を吐出させた際の圧力変動が、第2共通液室102を介して他の個別流路に伝わり、他の個別流路から吐出されるインク滴の吐出特性が安定せず、複数のノズル21から吐出されるインク滴の吐出特性にばらつきが生じてしまう虞がある。同様に、第1コンプライアンス部494Aを設けずに、第2コンプライアンス部494Bのみを設けた場合、第1共通液室101を介して個別流路の圧力変動が伝わり、インク滴の吐出特性にばらつきが生じてしまう虞がある。本実施形態では、第1共通液室101及び第2共通液室102の両方にコンプライアンス部494を設けることで、個別流路200の圧力変動が第1共通液室101及び第2共通液室102を介して他の個別流路200に伝わり難く、インク滴の吐出特性にばらつきが生じるのを抑制することができる。
また、第2コンプライアンス部494Bを設けずに、第1コンプライアンス部494Aのみを設けた場合、少数のノズル21からインク滴を吐出させた場合には、第1コンプライアンス部494Aの変形によって圧力室12へのインクの供給が十分に間に合うものの、多数のノズル21から同時にインク滴を吐出させた際に第1コンプライアンス部494Aの変形だけでは圧力室12へのインクの供給が十分に行われず、同時に吐出するノズル21の数によってインク滴の吐出特性、特にインク滴の重量にばらつきが生じてしまう虞がある。本実施形態では、第1コンプライアンス部494Aと第2コンプライアンス部494Bとの両方を設けることで、同時にインク滴を吐出するノズル21の数によって圧力室12へのインクの供給不足が生じるのを抑制して、インク滴の吐出特性にばらつきが生じるのを抑制することができる。
また、このように第1共通液室101及び第2共通液室102の両方にコンプライアンス部494を設ける場合、本実施形態では、第1共通液室101及び第2共通液室102をノズル21が開口するZ2側に開口するように設けることで、ノズルプレート20とコンプライアンス部494とは、ノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zにおいて圧力室12及びノズル21を有する個別流路200に対して同じ側であるZ2側に配置されている。このように、コンプライアンス部494を個別流路200に対してノズル21と同じ側に配置することで、ノズル21が設けられていない領域にコンプライアンス部494を設けることができ、コンプライアンス部494を比較的広い面積で設けることができる。また、コンプライアンス部494とノズル21とを個別流路200に対して同じ側に配置することで、コンプライアンス部494を個別流路200に近い位置に配置して、個別流路200内のインクの圧力変動をコンプライアンス部494によって効果的に吸収させることができる。
なお、コンプライアンス部494の位置は、特にこれに限定されず、第3の方向Zにおいて個別流路200に対してノズル21とは反対側に配置するようにしてもよい。すなわち、コンプライアンス部494をケース部材40のZ1側の面や、ケース部材40及び連通板15の側面等に設けることも可能である。ただし、上述のように、コンプライアンス部494をノズル21と同じZ2側に配置した方が、コンプライアンス部494を個別流路200に近い位置に配置して、個別流路200内のインクの圧力変動をコンプライアンス部494によって効果的に吸収することができると共に、コンプライアンス部494を比較的広い面積で形成することができる。
また、本実施形態の2つのコンプライアンス部494は、図1に示すように、1つのコンプライアンス基板49に設けられている。もちろん、コンプライアンス基板49は、これに限定されず、コンプライアンス部494毎に独立したコンプライアンス基板49を設けるようにしてもよい。
また、流路基板を構成する流路形成基板10、連通板15、ノズルプレート20、コンプライアンス基板49等には、第1共通液室101と第2共通液室102とに連通して、第1共通液室101のインクを第2共通液室102に送る複数の個別流路200が設けられている。ここで、本実施形態の個別流路200は、第1共通液室101と第2共通液室102とに連通して、ノズル21毎に設けられたものであり、ノズル21を含むものである。このようなノズル21の並設方向である第1の方向Xにおいて隣接する3つの個別流路200は、それぞれ第1共通液室101及び第2共通液室102に連通して設けられている。すなわち、ノズル21毎に設けられた複数の個別流路200は、それぞれ第1共通液室101及び第2共通液室102のみで連通して設けられており、複数の個別流路200は、第1共通液室101及び第2共通液室102以外で互いに連通することがない。つまり、本実施形態では、1つのノズル21及び1つの圧力室12が設けられた流路を個別流路200と称し、各個別流路200同士は、第1共通液室101及び第2共通液室102のみで連通するように設けられている。
また、本実施形態では、個別流路200のうち、ノズル21よりも第1共通液室101側の流路を上流流路と称し、個別流路200のノズル21よりも第2共通液室102側の流路を下流流路と称する。
さらに、本実施形態では、第1の方向Xに並設された複数の個別流路200は、第1ノズル21Aを有する第1個別流路200Aと、第2ノズル21Bを有する第2個別流路200Bとを具備する。そして、第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとが、第1の方向Xに交互に配置されている。
ここで、第1個別流路200Aは、第1流路201と第1圧力室12Aと第2流路202と第1ノズル21Aと第3流路203と第4流路204と第5流路205とを具備する。
第1流路201は、第1圧力室12Aと第1共通液室101とを連通するものであり、Z2側の一端が第1共通液室101を構成する第1連通部16に連通し、Z1側の他端が圧力室12の第2の方向Yの一端側に連通するように第1連通板151を第3の方向Zに貫通して設けられている。
第1圧力室12Aは、上述のように流路形成基板10に設けられたものであり、第1圧力室12AのZ1側の開口は振動板50によって封止され、第1圧力室12AのZ2側の開口の一部は連通板15によって覆われている。このような第1圧力室12Aは、流路の並ぶ方向、すなわち、第1の方向Xに第1の解像度で形成されている。すなわち、第1流路基板である流路形成基板10と第2流路基板である連通板15との間に設けられた流路とは、圧力室12のことである。また、第1圧力室12Aと第2圧力室12Bとは、第2の方向Yに異なる位置に配置されているため、第1の解像度とは、第1圧力室12A及び第2圧力室12Bのそれぞれの解像度のことである。また、第1の解像度とは、流路が並ぶ方向である第1の方向Xにおける流路のピッチのことである。
第2流路202は、第1圧力室12Aと第1ノズル21Aとを連通するものであり、Z1側の一端が第1圧力室12Aの第2の方向Yの他端側に連通し、Z2側の他端がノズルプレート20に設けられた第1ノズル21Aと連通するように連通板15を第3の方向Zに貫通して設けられている。すなわち、第2流路202は、ノズル21から第1共通液室101までの間にノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zに延びて設けられており、この第2流路202が特許請求の範囲に記載の上流連通路に相当する。また、第2流路202は、第1個別流路200Aにおいて、第1圧力室12Aから第1ノズル21Aまでの間に、ノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zに延びて設けられており、この第2流路202が特許請求の範囲に記載の第1連通路に相当する。
第1ノズル21Aは、第2流路202のZ2側の他端に連通すると共に、ノズルプレート20のZ2側のノズル面20aに開口することで外部と連通して設けられている。
第3流路203は、第2連通板152とノズルプレート20との間に、一端が第2流路202に連通するようにノズル面20aの面内方向において第2の方向Yに沿って延設されている。第3流路203は、第2連通板152に凹部を設け、この凹部の開口をノズルプレート20で蓋をすることで形成されている。なお、第3流路203は特にこれに限定されず、ノズルプレート20に凹部を設け、凹部を第2連通板152によって蓋をするようにしてもよく、第2連通板152とノズルプレート20との両方に凹部を設けるようにしてもよい。この第3流路203が、特許請求の範囲に記載の第2流路基板である連通板15と第3流路基板であるノズルプレート20との間に設けられた流路の一部を構成する。
第4流路204は、Z2側の一端が第3流路203に連通すると共に、第2連通板152を第3の方向に貫通して設けられている。
第5流路205は、第1連通板151と第2連通板152との間に、一端が第4流路204に連通し、他端が第2共通液室102に連通するようにノズル面20aの面内方向において第2の方向Yに沿って延設されている。本実施形態の第5流路205は、第2連通板152に凹部を設け、凹部を第1連通板151によって蓋をすることで形成されている。もちろん、第5流路205は、第1連通板151に凹部を設け、第2連通板152によって蓋をすることで形成してもよく、第1連通板151と第2連通板152との両方に凹部を設けるようにしてもよい。
このように第1個別流路200Aは、第1共通液室101に連通する上流側から第2共通液室102に連通する下流側に向かって順に第1流路201、圧力室12、第2流路202、第1ノズル21A、第3流路203、第4流路204及び第5流路205を有する。つまり、本実施形態では、図4に示すように、第1個別流路200Aは、第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れに対して、上流側から下流側に向かって圧力室12と第1ノズル21Aとがこの順番に配置されている。
そして、このような第1個別流路200Aでは、第1共通液室101から第1個別流路200Aを通り第2共通液室102にインクが流れる。また、圧電アクチュエーター300を駆動することによって第1圧力室12A内のインクに圧力変化を生じさせて、第1ノズル21A内のインクの圧力を上昇させることで第1ノズル21Aから外部にインク滴が吐出される。第1共通液室101から第1個別流路200Aを通り第2共通液室102にインクが流れる時に、圧電アクチュエーター300を駆動してもよいし、第1共通液室101から第1個別流路200Aを通り第2共通液室102にインクが流れない時に、圧電アクチュエーター300を駆動してもよい。また、圧電アクチュエーター300の駆動による圧力変化により、第2共通液室102から第1共通液室101へのインクの流れが一時的に生じてもよい。
なお、本実施形態では、第1個別流路200Aのうち、第1ノズル21Aよりも上流側、すなわち、第1共通液室101に連通する第2流路202と第1圧力室12Aと第1流路201とを第1上流流路と称する。また、第1個別流路200Aのうち、第1ノズル21Aよりも下流側、すなわち第2共通液室102に連通する第3流路203と第4流路204と第5流路205とを第1下流流路と称する。
第2個別流路200Bは、第6流路206と第7流路207と第8流路208と第2ノズル21Bと第9流路209と第2圧力室12Bと第10流路210とを具備する。
第6流路206は、第1連通板151と第2連通板152との間に、一端が第1共通液室101に連通するようにノズル面20aの面内方向において第2の方向Yに沿って延設されている。本実施形態の第6流路206は、第2連通板152に凹部を設け、凹部を第1連通板151によって蓋をすることで形成されている。もちろん、第6流路206は、第1連通板151に凹部を設け、第2連通板152によって蓋をすることで形成してもよく、第1連通板151と第2連通板152との両方に凹部を設けるようにしてもよい。
このような第6流路206と第1個別流路200Aの第1圧力室12Aとは、ノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zにおいて異なる位置に配置されている。具体的には、第1圧力室12Aは、第1連通板151のZ1側に設けられ、第6流路206は、第1連通板151のZ2側に設けられており、第1圧力室12Aと第6流路206とは、第3の方向Zに異なる位置に配置されている。このため、第1圧力室12Aと第6流路206とを第1の方向Xに近接して配置しても、第1圧力室12Aを隔てる隔壁の厚さが薄くなるのを抑制して、第1圧力室12Aの隔壁が変形することで第1圧力室12A内のインクの圧力を吸収するのを抑制し、吐出特性にばらつきが生じるのを抑制することができる。また、詳しくは後述するが、第1圧力室12Aと第6流路206とを第3の方向Zからの平面視において少なくとも一部が重なるように配置したとしても、第1圧力室12Aと第6流路206とが第3の方向Zに異なる位置に配置されているので、第1圧力室12Aと第6流路206とが連通することがない。なお、本実施形態では、第6流路206は、第3の方向Zからの平面視において第1圧力室12Aと重ならない位置に配置されている。
第7流路207は、Z1側の一端が第6流路206に連通すると共に、第2連通板152を第3の方向Zに貫通して設けられている。すなわち、第7流路207は、ノズル21から第1共通液室101までの間にノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zに延びて設けられており、この第7流路207が特許請求の範囲に記載の上流連通路に相当する。
第8流路208は、第2連通板152とノズルプレート20との間に、一端が第7流路207に連通するようにノズル面20aの面内方向において第2の方向Yに沿って延設されている。本実施形態の第8流路208は、第2連通板152に凹部を設け、この凹部の開口をノズルプレート20で蓋をすることで形成されている。なお、第8流路208は特にこれに限定されず、ノズルプレート20に凹部を設け、凹部を第2連通板152によって蓋をするようにしてもよく、第2連通板152とノズルプレート20との両方に凹部を設けるようにしてもよい。この第8流路208が、特許請求の範囲に記載の第2流路基板である連通板15と第3流路基板であるノズルプレート20との間に設けられた流路の一部を構成する。すなわち、第2流路基板である連通板15と第3流路基板であるノズルプレート20との間には、第3流路203と第8流路208とが第1の方向Xに交互に配置されている。この第3流路203と第8流路208とが第1の方向Xに交互に配置された解像度を第2の解像度と称する。そして、第3流路203と第8流路208との第2の解像度は、第1圧力室12A又は第2圧力室12Bの第1の解像度よりも大きい。例えば、第1圧力室12Aが300dpi、第2圧力室12Bが300dpiの第1の解像度で形成されていると、第3流路203と第8流路208とは、600dpiの第2の解像度で形成されることになる。したがって、第1圧力室12A及び第2圧力室12Bのそれぞれの第1の解像度を、第3流路203と第8流路208との第2の解像度よりも小さくして、第1圧力室12A及び第2圧力室12Bの第1の方向Xの開口幅を広げることができ、圧力室12の排除体積を増大させることができる。
第9流路209は、Z2側の一端が第2ノズル21Bに連通し、Z1側の他端が第2圧力室12Bの第2の方向Yの一端側に連通するように連通板15を第3の方向Zに貫通して設けられている。すなわち、第9流路209は、第2圧力室12Bと第2ノズル21Bとの間に、ノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zに延びて設けられている。本実施形態では、第9流路209が、特許請求の範囲に記載の第2連通路に相当する。
第2圧力室12Bは、上述のように流路形成基板10に設けられたものであり、第2圧力室12BのZ1側の開口は振動板50によって封止され、第2圧力室12BのZ2側の開口の一部は連通板15によって覆われている。このような第2圧力室12Bは、第1個別流路200Aの第1圧力室12Aと第2の方向Yに異なる位置に配置されており、第1の方向Xから平面視した際に、第1圧力室12Aと第2圧力室12Bとは互いに重ならない位置に設けられている。このような第2圧力室12Bは、第1圧力室12Aと同様に第1の方向Xに第1の解像度で形成されている。
また、第2圧力室12Bと第1個別流路200Aの第5流路205とは、ノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zにおいて異なる位置に配置されている。具体的には、第2圧力室12Bは、第1連通板151のZ1側に設けられ、第5流路205は、第1連通板151のZ2側に設けられており、第2圧力室12Bと第5流路205とは、第3の方向Zに異なる位置に配置されている。このため、第2圧力室12Bと第5流路205とを第1の方向Xに近接して配置しても、第2圧力室12Bを隔てる隔壁の厚さが薄くなるのを抑制して、第2圧力室12Bの隔壁が変形して圧力吸収することによる吐出特性にばらつきが生じるのを抑制することができる。また、詳しくは後述するが、第2圧力室12Bと第5流路205とを第3の方向Zからの平面視において少なくとも一部が重なるように配置したとしても、第2圧力室12Bと第5流路205とが第3の方向Zに異なる位置に配置されているので、第2圧力室12Bと第5流路205とが連通することがない。なお、本実施形態では、第5流路205は、第3の方向Zからの平面視において第2圧力室12Bと重ならない位置に配置されている。
第2ノズル21Bは、第9流路209のZ2側の端部に連通すると共に、ノズルプレート20のZ2側のノズル面20aに開口することで外部と連通して設けられている。
第10流路210は、第2圧力室12Bと第2共通液室102とを連通するものであり、Z1側の一端が第2圧力室12Bの第2の方向Yの他端側に連通し、Z2側の他端が第2共通液室102を構成する第2連通部17に連通するように第1連通板151を第3の方向Zに貫通して設けられている。
このように第2個別流路200Bは、第1共通液室101に連通する上流側から第2共通液室102に連通する下流側に向かって順に第6流路206、第7流路207、第8流路208、第2ノズル21B、第9流路209、第2圧力室12B及び第10流路210を具備する。つまり、本実施形態では、図4に示すように、第2個別流路200Bは、第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れに対して、上流側から下流側に向かって第2ノズル21Bと第2圧力室12Bとがこの順番に配置されている。すなわち、第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとでは、第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れに対して圧力室12とノズル21との順番が異なるように配置されている。本実施形態では、各個別流路200に圧力室12とノズル21とが1つずつ設けられているため、第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとは、圧力室12とノズル21との順番が、逆転して配置されている。
そして、このような第2個別流路200Bでは、第1共通液室101から第2個別流路200Bを通り第2共通液室102にインクが流れる。また、圧電アクチュエーター300を駆動することによって第2圧力室12B内のインクに圧力変化を生じさせて、第2ノズル21B内の圧力を上昇させることで第2ノズル21Bから外部にインク滴が吐出される。第1共通液室101から第2個別流路200Bを通り第2共通液室102にインクが流れる時に、圧電アクチュエーター300を駆動してもよいし、第1共通液室101から第2個別流路200Bを通り第2共通液室102にインクが流れない時に、圧電アクチュエーター300を駆動してもよい。また、圧電アクチュエーター300の駆動による圧力変化により、第2共通液室102から第1共通液室101へのインクの流れが一時的に生じてもよい。ちなみに、第2ノズル21Bからのインク滴の吐出は、第2ノズル21B内のインクの圧力によって決定される。第2ノズル21B内のインクの圧力は、第1共通液室101から第2共通液室102に向かって流れるインクの圧力、所謂、循環の圧力と、圧電アクチュエーター300の駆動によって第2圧力室12Bから第2ノズル21Bに向かう圧力とによって決定される。
例えば、第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れに対して、第2圧力室12B内のインクの圧力変動によって第2圧力室12Bから第2ノズル21Bに向かってインクが逆流して第2ノズル21Bからインク滴が吐出されてもよい。このように、第2圧力室12Bから第2ノズル21Bに向かってインクが逆流するということは、第1共通液室101から第2共通液室102に向かう循環の圧力が小さいことになるため、循環の圧力を比較的小さくすることで、個別流路200の圧力損失を小さくすることができる。そして、個別流路200の圧力損失を小さくすることで、各個別流路200間での圧力損失の差を減少させることができるため、各ノズル21から吐出されるインク滴の吐出特性のばらつきを低減することができる。
また、例えば、第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れに対して、第2圧力室12B内のインクの圧力変動によって第2圧力室12Bから第2ノズル21Bに向かってインクが逆流することなく第2ノズル21Bからインクが吐出されてもよい。この場合、第2圧力室12Bから第2ノズル21Bに向かうインクの流れが発生しないため、第2圧力室12Bから第2ノズル21Bに向かって気泡が逆流し難く、気泡によって第2ノズル21Bからのインク滴の吐出不良が生じ難い。
なお、本実施形態では、第2個別流路200Bのうち、第2ノズル21Bよりも上流側、すなわち、第1共通液室101に連通する第6流路206と第7流路207と第8流路208とを第2上流流路と称する。また、第2個別流路200Bのうち、第2ノズル21Bよりも下流側、すなわち第2共通液室102に連通する、第9流路209と第2圧力室12Bと第10流路210とを第2下流流路と称する。
このような第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとが、図4に示すように、第1の方向Xに交互に配設されている。すなわち、第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れに対して、圧力室12とノズル21との位置に関係なく、圧力室12内の圧力変動によってノズル21からインク滴を吐出することができる。つまり、第1個別流路200Aのように第1圧力室12Aが上流、第1ノズル21Aが下流に配置されていても、また、第2個別流路200Bのように第2ノズル21Bが上流、第2圧力室12Bが下流に配置されていても、圧力室12内のインクの圧力変動によって第1ノズル21A及び第2ノズル21Bの両者から選択的にインク滴を吐出することができる。このため、上述のように第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れに対して、圧力室12とノズル21との順番が異なる第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとを第1の方向Xに交互に配置することで、第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとで圧力室12の位置を変更、すなわち、第1圧力室12Aと第2圧力室12Bとを第2の方向Yに異なる位置に配置することができる。したがって、各個別流路200の圧力室12を第1の方向Xに幅広に形成することや、圧力室12を第1の方向Xに高密度に配置することができる。つまり、第1圧力室12Aと第2圧力室12Bとを第2の方向Yに異なる位置に配置することで、第1の方向Xに並設された第1圧力室12Aの間の隔壁を厚くすることができると共に、第1の方向Xに並設された第2圧力室12Bの隔壁を厚くすることができる。したがって、第1圧力室12A及び第2圧力室12Bを第1の方向Xに幅広に形成しても、隔壁の剛性が低下するのを抑制することができ、排除体積を向上してインク滴の吐出特性、すなわち、インク滴の重量を増大させることができると共に、隔壁の剛性が低下することによるクロストークの発生を抑制することができる。また、第1圧力室12A及び第2圧力室12Bのそれぞれを第1の方向Xに高密度に配置しても、隔壁の剛性が低下するのを抑制することができ、隔壁の剛性が低下することによるクロストークの発生を抑制することができる。
ちなみに、例えば、第2個別流路200Bを設けずに、第1個別流路200Aのみを第1の方向Xに並設した場合、第1の方向Xに第1圧力室12Aを高密度に配置すると、第1の方向Xで隣接する第1圧力室12Aの間の隔壁の厚さが薄くなり、隔壁の剛性が低下する。このように隔壁の剛性が低下すると、隔壁の変形によるクロストークが発生する。すなわち、インク滴を吐出するノズル21の両側のノズル21からインク滴を同時に吐出する場合には、隣接する第1圧力室12Aの間の隔壁には両側から同じタイミングで圧力が印加される。この場合には、隔壁の剛性にかかわらず隔壁には両側から圧力が印加されるため、隔壁は変形し難い。これに対して、インク滴を吐出するノズル21の両側のノズル21からインク滴を吐出しない場合には、隣接する第1圧力室12Aの間の隔壁には片側のみに圧力が印加される。このとき、隔壁の剛性が低いと、隔壁が変形して圧力変動が吸収され、インク滴の吐出特性が低下する。このため、複数のノズル21の何れかからインク滴を吐出させるかの条件の違いによって、インク滴の吐出特性にばらつきが生じてしまう。したがって、第1圧力室12Aのみを設けた場合には、第1圧力室12Aを第1の方向Xに幅広に形成することができず、また、第1圧力室12Aを第1の方向Xに高密度に配置することができない。
本実施形態では、第1圧力室12Aと第2圧力室12Bとは、第2の方向Yに異なる位置に配置されているため、第1の方向Xで隣接する第1圧力室12Aの間の隔壁の厚さを比較的厚くすると共に、第1の方向Xで隣接する第2圧力室12Bの間の隔壁の厚さを比較的厚くすることができる。このため第1圧力室12A及び第2圧力室12Bをそれぞれ第1の方向Xに幅広に形成しても、第1圧力室12Aの間の隔壁及び第2圧力室12Bの間の隔壁の剛性が低下するのを抑制することができる。したがって、流路基板が第1の方向Xに大型化するのを抑制して、第1圧力室12A及び第2圧力室12Bの容積を大きくすることができ、圧電アクチュエーター300の駆動による排除体積を大きくして、インク滴の吐出特性、特にインク滴の重量を向上することができると共に、隔壁の剛性が低下することによるクロストークの発生を抑制することができる。
また、第1の方向Xにおいて第1圧力室12Aと第2圧力室12Bとの間隔を短くしても、第1圧力室12Aの間の隔壁及び第2圧力室12Bの間の隔壁の剛性が低下するのを抑制することができるため、第1圧力室12A及び第2圧力室12Bを第1の方向Xに高密度に配置することが可能である。したがって、流路基板の第1の方向Xの小型化を図ると共に圧力室12の排除体積を向上してインク滴吐出特性を向上することや、圧力室12を第1の方向Xに高密度に配置してノズル21を高密度に配置することができると共に、隔壁の剛性が低下することによるクロストークの発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、第1ノズル21Aを、一端が第1圧力室12Aに連通する第3の方向Zに沿った第1連通路である第2流路202の他端に連通する位置に配置している。このため、第1圧力室12Aから第1ノズル21Aまでの第2流路202の横断面積を比較的大きくして、第2流路202の流路抵抗を小さくして、第1ノズル21Aから吐出されるインク滴の重量を大きくすることができる。
同様に、本実施形態では、第2ノズル21Bを、一端が第2圧力室12Bに連通する第3の方向Zに沿った第2連通路である第9流路209の他端に連通する位置に配置している。このため、第2圧力室12Bから第2ノズル21Bまでの第9流路209の横断面積を比較的大きくして、第8流路208の流路抵抗を小さくして、第2ノズル21Bから吐出されるインク滴の重量を大きくすることができる。
すなわち、本実施形態では、第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとがそれぞれ第2流路202及び第9流路209に直接連通するように、第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとを第2の方向Yで異なる位置に配置し、ノズル21を第1の方向Xに所謂、千鳥配置とすることで、第1ノズル21A及び第2ノズル21Bから吐出されるインク滴の重量を大きくすることができる。
もちろん、第1ノズル21Aを第3流路203の途中に連通するように配置し、第2ノズル21Bを第8流路208の途中に連通するように配置してもよいが、第3流路203及び第8流路208は、連通板15の第3の方向Zの厚さによって流路の横断面積、特に第3の方向Zの高さを大きくすることに制限があるため、第2流路202及び第9流路209に比べて第3流路203及び第8流路208は、流路抵抗が大きくなり易い。したがって、第1ノズル21A及び第2ノズル21Bから吐出されるインク滴の重量が比較的小さくなる虞がある。
また、本実施形態では、個別流路200のノズル21よりも第1共通液室101側の上流流路の流路抵抗と、ノズル21よりも第2共通液室102側の下流流路の流路抵抗とは、同じとなるように設けられている。
すなわち、第1個別流路200Aの第1上流流路の流路抵抗と第1下流流路の流路抵抗とは、同じとなっている。つまり、第1上流流路を構成する第1流路201、第1圧力室12A及び第2流路202の合計の流路抵抗と、第1下流流路を構成する第3流路203、第4流路204及び第5流路205の合計の流路抵抗とは、同じ流路抵抗となるように形成されている。ここで、第1上流流路と第1下流流路との流路抵抗とは、流路を横断する断面積、流路長、及び形状によって決定されるものである。
また、第2個別流路200Bの第2上流流路と第2下流流路とは同じ流路抵抗となっている。すなわち、第2上流流路を構成する第6流路206、第7流路207、第8流路208の合計の流路抵抗と、第9流路209、第2圧力室12B、第10流路210の合計の流路抵抗とは、同じ流路抵抗となるように形成されている。
そして、本実施形態では、第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとは、第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れる方向に対して互いに反転させた形状となっている。すなわち、第1個別流路200Aの第1上流流路と第2個別流路200Bの第2下流流路とは同じ形状で且つ同じ流路抵抗となるように設けられており、第1個別流路200Aの第1下流流路と第2個別流路200Bの第2上流流路とは同じ形状で且つ同じ流路抵抗となるように設けられている。
このように、第1個別流路200Aの第1上流流路と第1下流流路とを同じ流路抵抗とし、第2個別流路200Bの第2上流流路と第2下流流路とを同じ流路抵抗とすることで、第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとを、第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れる方向に対して互いに反転させた形状としても、第1共通液室からノズル21までの第1上流流路と第2上流流路との流路抵抗を揃えることができる。したがって、第1個別流路200Aの第1ノズル21Aから吐出されるインク滴と、第2個別流路200Bの第2ノズル21Bから吐出されるインク滴との吐出特性にばらつきが生じるのを抑制することができると共に、流路の構造を簡略化することができる。
また、第1個別流路200Aの第1下流流路と第2個別流路200Bの第2下流流路との流路抵抗を揃えることで、ノズル21から吐出されるインク滴の吐出特性を揃えることができる。つまり、複数のノズル21から同時にインク滴を吐出する場合、第1共通液室101と第2共通液室102との両方から圧力室12にインクが供給されるため、第1下流流路と第2下流流路とを同じ流路抵抗とすることで、インクの供給量にばらつきが生じるのを抑制して、インク滴の吐出特性にばらつきが生じるのを抑制することができる。
ちなみに、例えば、第1個別流路200Aの第1上流流路と第1下流流路との流路抵抗が異なる場合、第1個別流路200Aを反転させて第2個別流路200Bとした際に、第1個別流路200Aの第1下流流路が第2個別流路200Bの第2上流流路となるため、第1共通液室101からノズル21までの第1上流流路と第2上流流路とで異なる流路抵抗になってしまう。このため、第1個別流路200Aの第1ノズル21Aと第2個別流路200Bの第2ノズル21Bとから吐出されるインク滴の吐出特性にばらつきが生じてしまう。また、第1上流流路と第2上流流路とを同じ流路抵抗にするためには、第2上流流路を第1下流流路とは異なる断面積、流路長、形状等で形成しなくてはならず煩雑である。
以上説明したように、本実施形態の液体噴射ヘッドの一例である記録ヘッド1では、流路が形成された流路基板と、流路の液体であるインクに圧力変化を生じさせるためのエネルギー発生素子である圧電アクチュエーター300と、を備え、流路は、第1共通液室101と、第2共通液室102と、第1共通液室101および第2共通液室102に連通して第1共通液室101から第2共通液室102に向かってインクが流れる個別流路200と、を含み、個別流路200は、外部と連通するノズル21と、圧電アクチュエーター300により圧力変化が生じる圧力室12と、を備え、複数の前記個別流路のうち、ノズル21の並設方向である第1の方向Xにおいて隣接する3つの個別流路200は、それぞれ、第1共通液室101および第2共通液室102に連通し、並設方向である第1の方向Xにおいて隣接する2つの個別流路200である第1個別流路200A及び第2個別流路200Bは、第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れる方向において、圧力室とノズル21との並び順が異なる。
このように、圧力室12とノズル21との並び順が異なる個別流路200である第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとを第1の方向Xに隣接するように配置することで、隣接する個別流路200の圧力室12を第2の方向Yで異なる位置に配置することができる。したがって、圧力室12とノズル21との順番が同じ個別流路を並設する場合に比べて、圧力室12の並設方向の幅を広く設けて、圧力室12の圧電アクチュエーター300による排除体積を大きくして、インク滴の吐出重量を大きくすることや、圧力室12を第1の方向Xに高密度に並設して、流路基板を小型化することができる。また、隣接する個別流路200の圧力室12を第2の方向Yにずらした位置に配置することができるため、第1の方向Xで隣接する個別流路200の圧力室12の配設密度を向上して、ノズル21を高密度に配置することができる。
また、個別流路200同士を途中で合流させることなく、個別流路200をそれぞれ独立して第1共通液室101及び第2共通液室102に連通させることで、各個別流路200の間での圧力変動の影響によるクロストークの発生を抑制することができる。つまり、個別流路200同士を第1共通液室101及び第2共通液室102に連通する前に合流してしまうと、一方の個別流路200内のインクの圧力変化が他方の個別流路200に大きく影響し、インク吐出特性にばらつきが生じてしまう。本実施形態では、複数の個別流路200は、比較的大きな容積を有する第1共通液室101及び第2共通液室102のみに連通しているため、複数の個別流路200の間で互いに圧力変動の影響を小さくすることができ、インク吐出特性のばらつきを抑制することができる。
さらに、第1共通液室101と第2共通液室102とが個別流路200だけで連通しているため、インクが第1共通液室101内を個別流路200の並設方向である第1の方向Xに流れることがなく、複数の個別流路200に供給するインクの圧力差が生じ難く、ノズル21から吐出されるインクの吐出特性にばらつきが生じ難い。ちなみに、第1共通液室101内をインクが第1の方向Xに流れると、第1共通液室101の上流側に連通する個別流路200へ供給するインクの圧力に比べて、下流側に連通する個別流路200へ供給するインクの圧力が低下し、各個別流路200へ供給するインクの圧力のばらつきによってインク吐出特性のばらつきが生じ易くなってしまう。
また、本実施形態の記録ヘッド1では、個別流路200のうち、ノズル21から第1共通液室101までの上流流路の流路抵抗と、ノズル21から第2共通液室102までの下流流路の流路抵抗とは、同じであることが好ましい。このように第1の方向Xで隣接する個別流路200の上流流路の流路抵抗と下流流路の流路抵抗とを同じにすることで、第1の方向Xで隣接する個別流路200を第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れる方向に対して互いに反転させた形状としても、隣接する個別流路200の上流流路を同じ流路抵抗とすることができる。したがって、隣接する個別流路200から吐出されるインク滴の吐出特性にばらつきが生じるのを抑制することができると共に、流路の構造を簡略化することができる。
また、本実施形態の記録ヘッド1では、第1共通液室101から個別流路200を介して第2共通液室102に液体であるインクを流した状態で、ノズル21からインクを吐出しない非吐出時において、2つの個別流路200のノズル21内のインクの圧力差は、−2%以上、+2%以下である。
このように非吐出時において、第1の方向Xで隣接する個別流路200のノズル21内のインクの圧力差を−2%以上、+2%以下と比較的小さくすることで、隣接する個別流路200の各ノズル21から吐出されるインク滴の吐出特性にばらつきが生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態の記録ヘッド1では、2つの個別流路200のそれぞれのエネルギー発生素子である圧電アクチュエーター300に印加される電圧を異ならせるようにしてもよい。このように、第1個別流路200Aに対応する圧電アクチュエーター300と第2個別流路200Bに対応する圧電アクチュエーター300とに印加する電圧を異ならせることで、例えば、第1個別流路200Aの第1ノズル21Aから第1共通液室101までの第1上流流路と、第2個別流路200Bの第2ノズル21Bから第1共通液室101までの第2上流流路との流路抵抗が異なる場合であっても、第1ノズル21A及び第2ノズル21Bから吐出されるインク滴のインク重量の誤差を低減することができる。同様に、第1個別流路200Aに対応する圧電アクチュエーター300と第2個別流路200Bに対応する圧電アクチュエーター300とに印加する電圧を異ならせることで、非吐出時において第1ノズル21A内のインクと第2ノズル21B内のインクとの圧力差が−2%より小さく、+2%よりも大きい場合であっても、第1ノズル21A及び第2ノズル21Bから吐出されるインク滴のインク重量の誤差を低減することができる。
また、本実施形態の記録ヘッド1では、複数の個別流路200は、ノズル21が圧力室12よりも下流側に設けられた第1個別流路200Aと、ノズル21が圧力室12よりも上流側に設けられた第2個別流路200Bと、を有し、第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとが並設方向である第1の方向Xで隣接する位置に配置されており、ノズル21が開口するノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zにおいて、第1個別流路200Aの圧力室12と、第2個別流路200Bのうちノズル21よりも第1共通液室101側の流路であって、ノズル面20aの面内方向に延びる流路である第6流路206とは、異なる位置に配置されている。
このように、第1個別流路200Aの第1圧力室12Aと第2個別流路200Bの第6流路206とを、第3の方向Zで異なる位置に配置することで、第1圧力室12Aと第6流路206とを第1の方向Xに近接して配置しても、第1圧力室12Aを隔てる隔壁の厚さが薄くなるのを抑制することができ、第1圧力室12Aを第1の方向Xに幅広に形成して、第1圧力室12Aの排除体積を増大させて、インク滴の吐出特性を向上することができる。また、第1圧力室12Aの隔壁の剛性が低下するのを抑制して、隔壁が変形することによる圧力吸収を抑制し、インク滴の吐出特性にばらつきが生じるのを抑制することができる。
もちろん、第1個別流路200Aの第1圧力室12Aと第2個別流路200Bの第6流路206とを第3の方向Zで同じ位置に配置してもよい。
また、本実施形態では、第2個別流路200Bの第2圧力室12Bと、第1個別流路200Aのノズル21よりも第2共通液室102側の流路であって、ノズル面20aの面内方向の延びる流路である第5流路205とは、ノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zで異なる位置に配置されている。
これにより、第1圧力室12Aと第6流路206とを第1の方向Xに近接して配置しても、第2圧力室12Bを隔てる隔壁の厚さが薄くなるのを抑制することができ、第2圧力室12Bを第1の方向Xに幅広に形成して、第2圧力室12Bの排除体積を増大させて、インク滴の吐出特性を向上することができる。また、第2圧力室12Bの隔壁の剛性が低下するのを抑制して、隔壁が変形することによる圧力吸収を抑制し、インク滴の吐出特性にばらつきが生じるのを抑制することができる。
もちろん、第2個別流路200Bの第2圧力室12Bと第1個別流路200Aの第5流路205とを第3の方向Zで同じ位置に配置してもよい。
また、本実施形態の記録ヘッド1では、第1共通液室101と第2共通液室102とのそれぞれの壁面の一部には、液体であるインクの圧力を吸収可能なコンプライアンス部494が設けられている。このように、第1共通液室101と第2共通液室102とのそれぞれにコンプライアンス部494を設けることで、第1共通液室101及び第2共通液室102内のインクの圧力変動をコンプライアンス部494が変形することによって吸収することができ、インク滴の吐出特性にばらつきが生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態の記録ヘッドでは、液体であるインクの圧力変動を吸収可能なコンプライアンス部494と、ノズル21が設けられたノズルプレート20と、を含み、コンプライアンス部494とノズルプレート20とは、ノズル21が開口するノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zにおいて、個別流路に対して同じ側に配置されている。
このように、コンプライアンス部494をノズル21と同じ側に配置することで、ノズル21が設けられていない領域にコンプライアンス部494を設けることができ、コンプライアンス部494を比較的広い面積で設けることができる。また、コンプライアンス部494とノズル21とを同じ側に配置することで、コンプライアンス部494を個別流路200に近い位置に配置して、個別流路200内のインクの圧力変動をコンプライアンス部494によって効果的に吸収させることができる。
また、本実施形態の記録ヘッドでは、コンプライアンス部494は、ノズルプレート20とは異なる部材であるコンプライアンス基板49に形成されている。
このようにコンプライアンス部494をノズルプレート20とは別部材であるコンプライアンス基板49に設けることで、コンプライアンス部494の変形による振動がノズルプレート20のノズル21に伝わり難く、コンプライアンス部494の振動によってノズル21から吐出されるインク滴の飛翔方向にばらつきが生じるのを抑制することができる。また、ノズルプレート20の面積を比較的小さくすることで、コストの低減を図ることができる。
また、本実施形態の記録ヘッドでは、ノズル21が開口するノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zから平面視した際に、第1共通液室101と第2共通液室102との間にノズル21が配置されている。
このように第1共通液室101と第2共通液室102との間にノズル21を配置することで、第1共通液室101と第2共通液室102とノズル21とに連通する流路の構造を簡略化することができ、流路抵抗を低減してノズル21から吐出されるインク滴の重量が減少するのを抑制することができる。ちなみに、第1共通液室101と第2共通液室102との間の外側にノズル21を配置すると、第1共通液室101と第2共通液室102とノズル21とに連通する流路の構造が複雑化し、流路長が長くなることによって流路抵抗が増大し、ノズル21から吐出されるインク滴の重量が減少してしまう。
なお、上述した構成では、第1個別流路200Aの第1ノズル21Aと、第2個別流路200Bの第2ノズル21Bとは、第2の方向Yにずれた位置に配置することでノズル21が第1の方向Xに千鳥配置となるようにしたが、特にこれに限定されない。
ここで、変形例を図5〜図7に示す。なお、図5は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの変形例を示すノズル面側の平面図である。図6は、インクジェット式記録ヘッドの変形例を示す図5のC−C′線断面図である。図7は、インクジェット式記録ヘッドの変形例を示す図5のD−D′線に準じた断面図である。
図6に示すように、第1ノズル21Aは、第1個別流路200Aの第3流路203の途中に連通する位置に設けられている。
また、図7に示すように、第2ノズル21Bは、第2個別流路200Bの第8流路208の途中に連通する位置に設けられている。すなわち、ノズル21は、流路基板のノズル21が開口するノズル面20aの面内方向に延びる流路である第3流路203及び第8流路208の途中に連通して配置されている。
これにより、図5に示すように、第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとを第2の方向Yで同じ位置に配置することができ、第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとを第1の方向Xに沿った直線上に1列に配置することができる。すなわち、ノズル21をノズル面20aの面内方向に延びる流路である第3流路203及び第8流路208の途中に連通するように配置することで、第1圧力室12Aと第2圧力室12Bとが第2の方向Yに異なる位置に配置されていても、ノズル21の位置を第2の方向Yに容易に調整することができるため、複数のノズル21を第1の方向Xに沿った直線上に1列に容易に配置することができる。
このような構成では、ノズル21の並設方向である第1の方向Xから平面視した際に、第1の方向Xで隣接する2つの個別流路、すなわち、第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとにおいて、ノズル21の間隔、すなわち、第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとの間隔は、圧力室12の間隔、すなわち第1圧力室12Aと第2圧力室12Bとの間隔よりも小さくなっている。
このように、第2の方向Yにおいて、第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとの間隔を第1圧力室12A及び第2圧力室12Bとの間隔よりも小さくすることで、複数のノズル21を近接させて高密度に配置することができると共に、第1圧力室12A及び第2圧力室12Bを第2の方向Yで離れた位置に配置することができ、第1圧力室12Aの列、及び、第2圧力室12Bの列のそれぞれをノズル21に比べて低密度に配置することができる。したがって、各圧力室12の排除体積を大きくすることや高密度に配置して流路基板の小型化を図ることができる。
また、第2の方向Yで複数のノズル21を同じ位置に配置することで、各ノズル21からインク滴を吐出させるタイミングをずらすように調整する必要がなく、圧電アクチュエーター300の駆動制御を簡略化することができる。ちなみに、記録ヘッド1を第2の方向Yに移動させてインク滴を吐出させる際に、第2の方向Yに異なる位置に配置されたノズル21から同じタイミングでインク滴を吐出させると、被噴射媒体へのインク滴の着弾位置が第2の方向Yにずれてしまうため、第2の方向Yで同じ位置にインク滴が着弾するように、圧電アクチュエーター300の駆動タイミングを調整する必要があるからである。
また、第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとが第2の方向Yに比較的離れた位置に配置されていると、第1ノズル21A及び第2ノズル21Bのそれぞれから吐出されたインク滴により発生した乱流が互いに影響し、インク滴の飛翔方向にずれが生じる虞がある。本実施形態のように、第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとを比較的近い位置に配置することで、互いのノズル21から吐出されるインク滴の乱流による影響を抑制して、インク滴の飛翔方向のばらつきを抑制し、インク滴の被噴射媒体への着弾位置ずれを抑制することができる。
また、図5に示す例では、第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとが第1の方向Xに沿った直線上に配置されるようにしたが、特にこれに限定されない。例えば、第2の方向Yにおいて第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとを異なる位置に配置すると共に、ノズル21の並設方向である第1の方向Xから平面視した際に、第1の方向Xで隣接する第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとにおいて、第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとの間隔は、第1圧力室12Aと第2圧力室12Bとの間隔よりも小さくするようにしてもよい。すなわち、第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとが第1の方向Xに沿って千鳥状に配置されると共に、第1ノズル21Aは第3流路203に連通し、第2ノズル21Bが第8流路208に連通するようにしてもよい。このように第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとを比較的近い位置に配置することで、第1ノズル21A及び第2ノズル21Bのそれぞれから吐出されたインク滴によって発生した乱流の影響を抑制し、インク滴の飛翔方向のばらつきを抑制して、インク滴の被噴射媒体への着弾位置ずれを抑制することができる。また、第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとを第2の方向Yに延設された流路である第3流路203及び第8流路208に連通させることで、ノズル21によって乾燥することによって増粘したインクや、ノズル21から侵入した気泡が、連通板15とノズルプレート20との境界の角部、すなわち、第2流路202及び第9流路209のノズルプレート20側の端部の角部に滞留するのを抑制して、ノズル21による増粘したインクや気泡を下流側の第2共通液室102に排出することができる。また、ノズル21から侵入した気泡は、浮力によって圧力室12側に移動するのを抑制することができ、下流側の第2共通液室102に排出することができる。したがって、増粘したインクや気泡によって吐出不良が発生するのを抑制することができる。
また、本実施形態の記録ヘッド1では、第1個別流路200Aの圧力室である第1圧力室12Aと、第2個別流路200Bのうちノズル21よりも第1共通液室101側の流路であって、ノズル面20aの面内方向に延びる流路である第6流路206とは、ノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zから平面視した際に互いに重ならない位置に配置するようにしたが、特にこれに限定されない。例えば、第1圧力室12Aと第6流路206とは、第3の方向Zからの平面視において少なくとも一部が互いに重なる位置に配置されていてもよい。このような構成を図8に示す。なお、図8は、本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの流路構成を示す平面図である。
図8に示すように、第1個別流路200Aの第1圧力室12Aと、第2個別流路200Bの第6流路206とは、第3の方向Zからの平面視において一部が互いに重なる位置に配置されている。このように第1圧力室12Aと第6流路206とが第3の方向Zにおいて一部が互いに重なる位置に配置された構成は、本実施形態のように、第1圧力室12Aと第6流路206とが、第3の方向Zにおいて異なる位置に配置されていることで可能となる。このように、第1圧力室12Aと第6流路206とが第3の方向Zにおいて一部が互いに重なる位置に配置することで、第1圧力室12Aの第1の方向Xの幅を比較的広く形成することができ、第1圧力室12Aの排除体積を大きくしてインク滴の吐出特性、特にインク滴の重量を増大させることができる。
また、第2個別流路200Bの第2圧力室12Bと、第1個別流路200Aの第5流路205についても同様に、第3の方向Zからの平面視において少なくとも一部が互いに重なる位置に配置されている。このように、第2圧力室12Bと第5流路205とが第3の方向Zにおいて一部が互いに重なる位置に配置することで、第2圧力室12Bの第1の方向Xの幅を比較的広く形成することができ、第2圧力室12Bの排除体積を大きくしてインク滴の吐出特性、特にインク滴の重量を増大させることができる。
なお、本実施形態では、第1圧力室12Aと第2個別流路200Bの第2ノズル21Bよりも第1共通液室101側の流路であって、ノズル面20aの面内方向に延びる流路である第6流路206とを第3の方向Zで異なる位置に配置するようにしたが、特にこれに限定されない。ここで、本実施形態の記録ヘッドの変形例を図9及び図10を参照して説明する。なお、図9は、実施形態1に係る記録ヘッドの変形例を示す断面図であって図1のA−A′線に準じた断面図である。図10は、実施形態1の記録ヘッドの変形例を示す断面図であって図1のB−B′線に準じた断面図である。
図9及び図10に示すように、連通板15は、1枚の基板で形成されている。そして、図9に示すように、第1個別流路200Aは、第1流路201と第1圧力室12Aと第2流路202と第1ノズル21Aと第3流路203と第4流路204と第11流路211と第12流路212とを具備する。
第11流路211は、第1個別流路200Aの第1ノズル21Aよりも第2共通液室102側の流路であって、ノズル面20aの面内方向である第2の方向Yに延びて設けられている。本実施形態の第11流路211は、圧力室12と第3の方向Zで同じ位置に配置されている。すなわち、第11流路211は、流路形成基板10にZ2側に開口する凹部を設け、凹部を連通板15によって覆うことで形成されている。
また、第12流路212は、一端が第11流路211と連通し、他端が第2共通液室102に連通するように第3の方向Zに沿って設けられている。
また、図10に示すように、第2個別流路200Bは、第13流路213と第14流路214と第7流路207と第8流路208と第2ノズル21Bと第9流路209と第2圧力室12Bと第10流路210とを具備する。
第13流路213は、一端が第14流路214と連通し、他端が第1共通液室101に連通するように第3の方向Zに沿って設けられている。
第14流路214は、第2個別流路200Bの第2ノズル21Bよりも第1共通液室101側の流路であって、ノズル面20aの面内方向である第2の方向Yに延びて設けられている。本実施形態では、第14流路214は、圧力室12と第3の方向Zで同じ位置に配置されている。すなわち、第14流路214は、流路形成基板10にZ2側に開口する凹部を設け、凹部を連通板15によって覆うことで形成されている。
以上説明したように、図9及び図10に示す記録ヘッド1では、複数の個別流路200は、ノズル21が圧力室12よりも下流側に設けられた第1個別流路200Aと、ノズル21が圧力室12よりも上流側に設けられた第2個別流路200Bと、を有し、第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとが並設方向である第1の方向Xで隣接する位置に配置されており、ノズル21が開口するノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zにおいて、第1個別流路200Aの圧力室である第1圧力室12Aと、第2個別流路200Bのうちノズル21よりも第1共通液室101側の流路であって、ノズル面20aの面内方向に延びる流路である第14流路214とは、同じ位置に配置されている。
このように、第1圧力室12Aと第14流路214とを第3の方向Zで同じ位置に配置することで、連通板15を1枚の基板で形成することができ、記録ヘッド1の構造を簡略化して部品点数を減少させて、コストを低減することができる。
また、本実施形態では、第3の方向Zにおいて、第2個別流路200Bの圧力室である第2圧力室12Bと、第1個別流路200Aのうちノズル21よりも第2共通液室102側の流路であって、ノズル面20aの面内方向に延びる流路である第11流路211とは、同じ位置に配置されている。これによっても、連通板15を1枚の基板で形成することができ、記録ヘッド1の構造を簡略化して部品点数を減少させて、コストを低減することができる。
なお、図9及び図10に示す例では、第11流路211と第14流路214とを第3の方向Zにおいて圧力室12と同じ位置、すなわち、流路形成基板10に形成するようにしたが、特にこれに限定されない。ここで、記録ヘッド1の変形例を図11及び図12に示す。なお、図11は、記録ヘッドの変形例を示す断面図であって図1のA−A′線に準じた断面図である。図12は、記録ヘッドの変形例を示す断面図であって図1のB−B′線に準じた断面図である。
図11に示すように、第1個別流路200Aは、第1流路201と第1圧力室12Aと第2流路202と第1ノズル21Aと第3流路203と第4流路204と第11流路211とを具備する。
第11流路211は、連通板15に流路形成基板10側に開口する凹部を形成し、この凹部の開口を流路形成基板10で蓋をすることで形成されている。
また、図12に示すように、第2個別流路200Bは、第14流路214と第7流路207と第8流路208と第2ノズル21Bと第9流路209と第2圧力室12Bと第10流路210とを具備する。
第14流路214は、連通板15に流路形成基板10側に開口する凹部を形成し、この凹部の開口を流路形成基板10で蓋をすることで形成されている。
このような構成によっても連通板15を1枚の基板で形成することができ、部品点数を減少させてコストを低減することができる。
また、本実施形態の液体噴射ヘッドの一例である記録ヘッド1では、流路が形成された流路基板と、流路の液体であるインクに圧力変化を生じさせるためのエネルギー発生素子である圧電アクチュエーター300と、を備え、流路は、第1共通液室101と、第2共通液室102と、第1共通液室101および第2共通液室102に連通して第1共通液室101から第2共通液室102に向かってインクが流れる個別流路200と、を含み、個別流路200は、外部と連通するノズル21と、圧電アクチュエーター300により圧力変化が生じる圧力室12と、を備え、流路基板は、第1流路基板である流路形成基板10と第2流路基板である連通板15と第3流路基板であるノズルプレート20とを備え、流路形成基板10と連通板15との間に、並設方向である第1の方向Xに第1の解像度で流路である第1圧力室12A又は第2圧力室12Bが形成され、連通板15とノズルプレート20との間に、第1の方向Xに第1の解像度よりも大きな解像度の第2の解像度で流路である第3流路203及び第8流路208が形成されている。
このように、第3流路203と第8流路208との第2の解像度を、第1圧力室12A又は第2圧力室12Bの第1の解像度よりも大きくすることで、第1圧力室12A及び第2圧力室12B第1の方向Xの開口幅を広げることができ、圧力室12の排除体積を増大させることができる。
なお、このような各階層の流路の第1の解像度及び第2の解像度の違いは、ノズル21の並設方向である第1の方向Xにおいて隣接する2つの個別流路200の圧力室12とノズル21との並び順が同じ場合であっても適用することができる。
また、本実施形態の記録ヘッド1では、第3流路基板が、ノズル21が形成されたノズルプレート20を含む。このように第3流路基板がノズルプレート20を含むことで、第2流路基板である連通板15とノズルプレート20との間のノズル21に連通する流路を高解像度で配置することができ、ノズル21を高解像度で配置することが可能となる。
また、本実施形態の記録ヘッド1では、第1の解像度は、流路が並ぶ方向における流路のピッチである。
(実施形態2)
図13は、本発明の実施形態2に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの断面図であって、図1のA−A′線に準じた断面図である。図14は、本発明の実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドの断面図であって、図1のB−B′線に準じた断面図である。なお、上述した実施形態と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
本実施形態の記録ヘッド1は、ノズルプレート20とコンプライアンス基板49とが一体となったものである。
具体的には、図13及び図14に示すように、ノズルプレート20は、第1共通液室101及び第2共通液室102の開口を覆う大きさで設けられている。このようなノズルプレート20の第1共通液室101及び第2共通液室102のそれぞれの壁の一部を構成する部分には、コンプライアンス部494が設けられている。すなわち、ノズルプレート20の第1共通液室101に対応する部分には、第1コンプライアンス部494Aが設けられており、第2共通液室102に対応する部分には、第2コンプライアンス部494Bが設けられている。
本実施形態では、ノズルプレート20を、ポリイミド等の樹脂材料で製造されたフィルムで形成することで、ノズルプレート20の第1共通液室101及び第2共通液室102を画成する壁のそれぞれをコンプライアンス部494として機能するようにした。
このように、第1共通液室101と第2共通液室102とのそれぞれの壁面の一部に、インクの圧力を吸収可能なコンプライアンス部494を設けることで、第1共通液室101及び第2共通液室102内のインクの圧力変動をコンプライアンス部494が変形することによって吸収することができ、インク滴の吐出特性にばらつきが生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、ノズルプレート20の一部にコンプライアンス部494を設けたため、ノズルプレート20とコンプライアンス部494とは、ノズル21が開口するノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zにおいて、個別流路200に対して同じ側であるZ2側に配置されている。
このようにコンプライアンス部494をノズル21と同じ側に配置することで、ノズル21が設けられていない領域にコンプライアンス部494を設けることができ、コンプライアンス部494を比較的広い面積で設けることができる。また、コンプライアンス部494とノズル21とを同じ側に配置することで、コンプライアンス部494を個別流路200に近い位置に配置して、個別流路200内のインクの圧力変動をコンプライアンス部494によって効果的に吸収させることができる。
また、ノズルプレート20が第1共通液室101及び第2共通液室102の開口を覆うため、連通板15のZ2側の第1共通液室101とノズル21との間、及び、第2共通液室102とノズル21との間は、ノズルプレート20で覆われている。このため、ノズルプレート20と連通板15との接合界面に第1共通液室101及び第2共通液室102に連通する個別流路200を形成することができる。このため、本実施形態の連通板15は、複数の基板を積層して構成する必要がなく、1枚の基板で構成されている。
ここで、本実施形態の流路基板である流路形成基板10、連通板15、ノズルプレート20、ケース部材40等には、第1共通液室101と、第2共通液室102と、第1共通液室101から第2共通液室102に向かってインクを流す個別流路200と、が設けられている。
個別流路200は、第1ノズル21Aに連通する第1個別流路200Aと、第2ノズル21Bに連通する第2個別流路200Bと、を具備する。
図13に示すように、第1個別流路200Aは、第1流路201と第1圧力室12Aと第2流路202と第1ノズル21Aと第15流路215とを具備する。
本実施形態の第1流路201と第1圧力室12Aと第2流路202と第1ノズル21Aとは、上述した実施形態1と同様であるため重複する説明は省略する。
第15流路215は、一端が第2流路202と連通し、他端が第2共通液室102を構成する第2連通部17に連通するようにノズル面20aの面内方向において第2の方向Yに沿って延設されている。本実施形態の第15流路215は、連通板15にZ2側に開口する凹部を設け、この凹部の開口をノズルプレート20で蓋をすることで形成されている。なお、第15流路215は特にこれに限定されず、ノズルプレート20に凹部を設け、凹部を連通板15によって蓋をするようにしてもよく、連通板15とノズルプレート20との両方に凹部を設けるようにしてもよい。
このように第1個別流路200Aは、第1共通液室101に連通する上流側から第2共通液室102に連通する下流側に向かって順に第1流路201、第1圧力室12A、第2流路202、第1ノズル21A、第15流路215を有する。つまり、本実施形態では、第1個別流路200Aは、第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れに対して、上流側から下流側に向かって第1圧力室12Aと第1ノズル21Aとがこの順番に配置されている。
そしてこのような第1個別流路200Aによれば、インク滴を吐出しない場合には、第1共通液室101から第1個別流路200Aを通り第2共通液室102にインクが流れる。また、インク滴を吐出する際には、圧電アクチュエーター300を駆動することによって第1圧力室12A内のインクに圧力変化を生じさせて、第1ノズル21A内の圧力を上昇させることで第1ノズル21Aから外部にインク滴として吐出される。
なお、本実施形態では、第1個別流路200Aのうち、第1ノズル21Aよりも上流側、すなわち、第1共通液室101に連通する第2流路202と第1圧力室12Aと第1流路201とを第1上流流路と称する。また、第1個別流路200Aのうち、第1ノズル21Aよりも下流側、すなわち第2共通液室102に連通する第15流路215とを第1下流流路と称する。
第2個別流路200Bは、第16流路216と第2ノズル21Bと第9流路209と第2圧力室12Bと第10流路210とを具備する。
本実施形態の第2ノズル21Bと第9流路209と第2圧力室12Bと第10流路210とは、上述した実施形態1と同様であるため重複する説明は省略する。
第16流路216は、一端が第1共通液室101を構成する第1連通部16に連通するようにノズル面20aの面内方向において第2の方向Yに沿って延設されている。本実施形態の第16流路216は、連通板15にZ2側に開口する凹部を設け、この凹部の開口をノズルプレート20で蓋をすることで形成されている。なお、第16流路216は特にこれに限定されず、ノズルプレート20に凹部を設け、凹部を連通板15によって蓋をするようにしてもよく、連通板15とノズルプレート20との両方に凹部を設けるようにしてもよい。
このような第16流路216と第1個別流路200Aの第1圧力室12Aとは、ノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zにおいて異なる位置に配置されている。具体的には、第1圧力室12Aは、連通板15のZ1側に設けられ、第16流路216は、連通板15のZ2側に設けられており、第1圧力室12Aと第16流路216とは、第3の方向Zに異なる位置に配置されている。このように第1個別流路200Aの第1圧力室12Aと第2個別流路200Bの第16流路216とを、第3の方向Zで異なる位置に配置することで、第1圧力室12Aと第16流路216とを第1の方向Xに近接して配置しても、第1圧力室12Aを隔てる隔壁の厚さが薄くなるのを抑制することができ、第1圧力室12Aを第1の方向Xに幅広に形成して、第1圧力室12Aの排除体積を増大させて、インク滴の吐出特性を向上することができる。また、第1圧力室12Aの隔壁の剛性が低下するのを抑制して、隔壁が変形することによる圧力吸収を抑制し、インク滴の吐出特性にばらつきが生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態の記録ヘッド1では、第1個別流路200Aの圧力室である第1圧力室12Aと、第2個別流路200Bのうちノズル21よりも第1共通液室101側の流路であって、ノズル面20aの面内方向に延びる流路である第16流路216とは、ノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zから平面視した際に互いに重ならない位置に配置されている。もちろん、上述した実施形態1の図8と同様に、第1圧力室12Aと第16流路216とは、第3の方向Zからの平面視において少なくとも一部が互いに重なるように配置してもよい。
また、第2圧力室12Bと第1個別流路200Aの第15流路215とは、ノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zにおいて異なる位置に配置されている。具体的には、第2圧力室12Bは、連通板15のZ1側に設けられ、第15流路215は、連通板15のZ2側に設けられており、第2圧力室12Bと第15流路215とは、第3の方向Zに異なる位置に配置されている。このように第2個別流路200Bの第2圧力室12Bと第2個別流路200Bの第15流路215とを、第3の方向Zで異なる位置に配置することで、第1圧力室12Aと第15流路215とを第1の方向Xに近接して配置しても、第2圧力室12Bを隔てる隔壁の厚さが薄くなるのを抑制することができ、第2圧力室12Bを第1の方向Xに幅広に形成して、第2圧力室12Bの排除体積を増大させて、インク滴の吐出特性を向上することができる。また、第2圧力室12Bの隔壁の剛性が低下するのを抑制して、隔壁が変形することによる圧力吸収を抑制し、インク滴の吐出特性にばらつきが生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態の記録ヘッド1では、第2個別流路200Bの第2圧力室12Bと、第1個別流路200Aのうちノズル21よりも第2共通液室102側の流路であって、ノズル面20aの面内方向に延びる流路である第15流路215とは、ノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zから平面視した際に互いに重ならない位置に配置されている。もちろん、上述した実施形態1の図8と同様に、第2圧力室12Bと第15流路215とは、第3の方向Zからの平面視において少なくとも一部が互いに重なるように配置してもよい。
このように第2個別流路200Bは、第1共通液室101に連通する上流側から第2共通液室102に連通する下流側に向かって順に第16流路216、第2ノズル21B、第9流路209、第2圧力室12B、第10流路210を具備する。つまり、本実施形態では、第2個別流路200Bは、第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れに対して、上流側から下流側に向かって第2ノズル21Bと第2圧力室12Bとがこの順番に配置されている。すなわち、第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとでは、第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れに対して圧力室12とノズル21との順番が異なるように配置されている。本実施形態では、各個別流路200に圧力室12とノズル21とが1つずつ設けられているため、第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとは、圧力室12とノズル21との順番が、逆転して配置されている。
そして、このような第2個別流路200Bによれば、インク滴を吐出しない場合には、第1共通液室101から第2個別流路200Bを通り第2共通液室102にインクが流れる。また、インク滴を吐出する際には、圧電アクチュエーター300を駆動することによって第2圧力室12B内のインクに圧力変化を生じさせて、第2ノズル21B内の圧力を上昇させることで第2ノズル21Bから外部にインク滴として吐出される。
このように、ノズルプレート20で第1共通液室101及び第2共通液室102の開口を覆い、ノズルプレート20にコンプライアンス部494を設けることで、個別流路200として、第1共通液室101及び第2共通液室102とノズル21とを接続する流路、すなわち、第15流路215及び第16流路216をノズルプレート20と連通板15との接合界面に設けることができる。したがって、個別流路200の構成を簡略化することができ圧力損失を低減することができる。また、第1共通液室101及び第2共通液室102とノズル21とを連通する流路である第15流路215及び第16流路216をノズルプレート20と連通板15との間に設けることで、連通板15を複数の基板を積層して構成する必要がなく、1枚の基板で製造することができるため、連通板15の第3の方向Zの厚さを比較的薄くして、圧力室12とノズル21とを接続する流路長を短くすることができる。これにより、圧力室12からノズル21までの流路の流路抵抗を小さくして、ノズル21から吐出されるインク滴の重量が低下するのを抑制することができる。
また、連通板15を複数の基板を積層して構成する必要がなく、また、上述した実施形態1のようにコンプライアンス基板49をノズルプレート20と別途設ける必要がないため、部品点数を減少させてコストを低減することができる。
また、本実施形態においても、個別流路200のノズル21よりも第1共通液室101側の上流流路と、ノズル21よりも第2共通液室102側の下流流路とは、同じ流路抵抗となるように設けられている。
すなわち、第1個別流路200Aの第1上流流路と第1下流流路とは、同じ流路抵抗となっている。つまり、第1上流流路を構成する第1流路201、第1圧力室12A及び第2流路202の合計の流路抵抗と、第1下流流路を構成する第15流路215の流路抵抗とは、同じ流路抵抗となるように形成されている。ここで、第1上流流路と第1下流流路との流路抵抗とは、流路を横断する断面積、流路長、及び形状によって決定されるものである。
同様に、第2個別流路200Bの第2上流流路と第2下流流路とは同じ流路抵抗となっている。すなわち、第2上流流路を構成する第16流路216の流路抵抗と、第2下流流路を構成する第9流路209、第2圧力室12B及び第10流路210の合計の流路抵抗とは、同じ流路抵抗となるように形成されている。
そして、本実施形態では、第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとは、第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れる方向に対して互いに反転させた形状となっている。すなわち、第1個別流路200Aの第1上流流路と第2個別流路200Bの第2下流流路とは同じ形状で且つ同じ流路抵抗となるように設けられており、第1個別流路200Aの第1下流流路と第2個別流路200Bの第2上流流路とは同じ形状で且つ同じ流路抵抗となるように設けられている。
このように、第1個別流路200Aの第1上流流路と第1下流流路とを同じ流路抵抗とし、第2個別流路200Bの第2上流流路と第2下流流路とを同じ流路抵抗とすることで、第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとを、第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れる方向に対して互いに反転させた形状としても、第1共通液室101からノズル21までの第1上流流路と第2上流流路との流路抵抗を揃えることができる。したがって、第1個別流路200Aの第1ノズル21Aから吐出されるインク滴と、第2個別流路200Bの第2ノズル21Bから吐出されるインク滴との吐出特性にばらつきが生じるのを抑制することができると共に、流路の構造を簡略化することができる。
また、第1個別流路200Aの第1下流流路と第2個別流路200Bの第2下流流路との流路抵抗を揃えることで、ノズル21から吐出されるインク滴の吐出特性を揃えることができる。つまり、複数のノズル21から同時にインク滴を吐出する場合、第1共通液室101と第2共通液室102との両方から圧力室12にインクが供給されるため、第1下流流路と第2下流流路とのを同じ流路抵抗とすることで、インクの供給量にばらつきが生じるのを抑制して、インク滴の吐出特性にばらつきが生じるのを抑制することができる。
また、第1共通液室101から個別流路200を介して第2共通液室102にインクを流した状態で、ノズル21からインク滴を吐出しない非吐出時において、ノズル21の並設方向である第1の方向Xで隣接する個別流路200のノズル21内の大気圧を基準としたインクの圧力差は、−2%以上、+2%以上であることが好ましい。例えば、大気圧を1013hPaとした場合、ノズル21内の圧力は約1000hPa程度である。したがって、第1の方向Xで隣接するノズル21内のインクの圧力差は、最大で約20hPa程度である。
このように非吐出時において、第1の方向Xで隣接する第1ノズル21A内のインクの圧力と、第2ノズル21B内のインクの圧力との差を、−2%以上、+2%以下と比較的小さくすることで、第1ノズル21Aから吐出されるインク滴と第2ノズル21Bから吐出されるインク滴との吐出特性にばらつきが生じるのを抑制することができる。
なお、第1上流流路と第1下流流路との流路抵抗、及び、第2上流流路と第2下流流路との流路抵抗や、第1の方向Xで隣接する2つのノズル21内のインクの圧力差は、上述したものに限定されるものではない。例えば、第1上流流路と第1下流流路との流路抵抗、及び、第2上流流路と第2下流流路との流路抵抗のそれぞれが異なる場合や、第1ノズル21A内のインクの圧力と第2ノズル21B内のインクの圧力とが−2%より小さい、又は、+2%よりも大きくてもよい。このような場合には、ノズル21の並設方向で隣接する個別流路のそれぞれの圧電アクチュエーター300に印加する電圧を異ならせるようにすればよい。
以上説明したように、本実施形態の液体噴射ヘッドの一例である記録ヘッド1では、流路が形成された流路基板と、流路の液体であるインクに圧力変化を生じさせるためのエネルギー発生素子である圧電アクチュエーター300と、を備え、流路は、第1共通液室101と、第2共通液室102と、第1共通液室101および第2共通液室102に連通して第1共通液室101から第2共通液室102に向かってインクが流れる個別流路200と、を含み、個別流路200は、外部と連通するノズル21と、圧電アクチュエーター300により圧力変化が生じる圧力室12と、を備え、複数の個別流路200のうち、ノズル21の並設方向である第1の方向Xにおいて隣接する3つの個別流路200は、それぞれ、第1共通液室101および第2共通液室102に連通し、並設方向である第1の方向Xにおいて隣接する2つの個別流路200である第1個別流路200A及び第2個別流路200Bは、第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れる方向において、圧力室とノズル21との並び順が異なる。
このように、圧力室12とノズル21との並び順が異なる個別流路200である第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとを第1の方向Xに隣接するように配置することで、隣接する個別流路200の圧力室12を第2の方向Yで異なる位置に配置することができる。したがって、圧力室12とノズル21との順番が同じ個別流路を並設する場合に比べて、圧力室12の並設方向の幅を広く設けて、圧力室12の圧電アクチュエーター300による排除体積を大きくして、インク滴の吐出重量を大きくすることや、圧力室12を第1の方向Xに高密度に並設して、流路基板を小型化することができる。また、隣接する個別流路200の圧力室12を第2の方向Yにずらした位置に配置することができるため、第1の方向Xで隣接する個別流路200の圧力室12の配設密度を向上して、ノズル21を高密度に配置することができる。
また、個別流路200同士を途中で合流させることなく、個別流路200をそれぞれ独立して第1共通液室101及び第2共通液室102に連通させることで、各個別流路200の間での圧力変動の影響によるクロストークの発生を抑制することができる。つまり、個別流路200同士を第1共通液室101及び第2共通液室102に連通する前に合流してしまうと、一方の個別流路200内のインクの圧力変化が他方の個別流路200に大きく影響し、インク吐出特性にばらつきが生じてしまう。本実施形態では、複数の個別流路200は、比較的大きな容積を有する第1共通液室101及び第2共通液室102のみに連通しているため、複数の個別流路200の間で互いに圧力変動の影響を小さくすることができ、インク吐出特性のばらつきを抑制することができる。
さらに、第1共通液室101と第2共通液室102とが個別流路200だけで連通しているため、インクが第1共通液室101内を個別流路200の並設方向である第1の方向Xに流れることがなく、複数の個別流路200に供給するインクの圧力差が生じ難く、ノズル21から吐出されるインクの吐出特性にばらつきが生じ難い。ちなみに、第1共通液室101をインクが第1の方向Xに流れると、第1共通液室101の上流側に連通する個別流路200へ供給するインクの圧力に比べて、下流側に連通する個別流路200へ供給するインクの圧力が低下し、各個別流路200へ供給するインクの圧力のばらつきによってインク吐出特性のばらつきが生じ易くなってしまう。
また、本実施形態の記録ヘッド1では、コンプライアンス部494は、ノズルプレート20に形成されている。このように、コンプライアンス部494をノズルプレート20に形成することで、部品点数を減少させてコストを低減することができる。また、ノズルプレート20にコンプライアンス部494を設けることで、ノズル21が開口するノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zにおいて、個別流路200に対して同じ側であるZ2側に配置することができる。したがって、ノズル21が設けられていない領域にコンプライアンス部494を設けることができ、コンプライアンス部494を比較的広い面積で設けることができる。また、コンプライアンス部494とノズル21とを同じ側に配置することで、コンプライアンス部494を個別流路200に近い位置に配置して、個別流路200内のインクの圧力変動をコンプライアンス部494によって効果的に吸収させることができる。
なお、本実施形態では、第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとを第2の方向Yに異なる位置に設けることで、第1ノズル21Aが第1の方向Xに並設された第1ノズル列22Aと、第2ノズル21Bが第1の方向Xに並設された第2ノズル列22Bとの2列が第2の方向Yに並設された構成、所謂、ノズル21が第1の方向Xに向かって千鳥状に配置された構成を例示したが、特にこれに限定されず、上述した実施形態1の図5と同様に、第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとを第2の方向Yで同じ位置に設け、ノズル21が第1の方向Xに沿った直線上に配置するようにしてもよい。このような構成の場合、特に図示していないが、第1ノズル21Aは、第15流路215の途中に連通する位置に設け、第2ノズル21Bは、第16流路216の途中に連通するように設ければよい。すなわち、ノズル21は、流路基板のノズル21が開口するノズル面20aの面内方向に延びる流路である第15流路215及び第16流路216の途中に連通して配置されていてもよい。もちろん、第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとをそれぞれ第15流路215及び第16流路216の途中に連通する位置に設けると共に、第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとが第2の方向Yで異なる位置に配置されていてもよい。
また、上述した例では、ノズルプレート20をポリイミド等の樹脂材料で製造するようにしたが、特にこれに限定されない。ここで、ノズルプレートの変形例を図15及び図16を参照して説明する。なお、図15は、実施形態2の記録ヘッドの変形例を示す断面図であり、図1のA−A′線に準じた断面図である。図16は、実施形態2の記録ヘッドの変形例を示す断面図であり、図1のB−B′線に準じた断面図である。
図15及び図16に示すように、ノズルプレート20を樹脂フィルムに比べて剛性が高いステンレス鋼等の金属材料で製造し、ノズルプレート20の第1共通液室101及び第2共通液室102の壁を形成する部分の厚みを他の部分に比べて薄くすることでノズルプレート20にコンプライアンス部494が形成されている。すなわち、ノズルプレート20の第1共通液室101及び第2共通液室102に対応する領域を、ノズル21が形成される領域に比べて薄くする。これにより、ノズルプレート20の第1共通液室101に対応する部分にはノズル21が形成された領域に比べて剛性が低い第1コンプライアンス部494Aが形成され、第2共通液室102に対応する部分にはノズル21が形成された領域に比べて剛性が低い第2コンプライアンス部494Bが形成されている。このように、ノズルプレート20を比較的高い剛性の材料で形成しても、第1共通液室101及び第2共通液室102を塞ぐ部分の厚さを薄くすることで変形し易くして、第1共通液室101及び第2共通液室102の壁の一部に容易にコンプライアンス部494を形成することができる。
また、連通板15とノズルプレート20との間に、封止膜491を設けるようにしてもよい。このような例を図17及び図18を参照して説明する。なお、図17は、実施形態2の記録ヘッドの変形例を示す断面図であり、図1のA−A′線に準じた断面図である。図18は、実施形態2の記録ヘッドの変形例を示す断面図であり、図1のB−B′線に準じた断面図である。
図17及び図18に示すように、ノズルプレート20は、第1共通液室101及び第2共通液室102の開口を覆わない大きさで設けられており、第1共通液室101及び第2共通液室102が開口するZ2側の面は、封止膜491で封止されている。すなわち、連通板15のZ2側の面には、封止膜491とノズルプレート20とがこの順番に積層されている。そして、ノズルプレート20を第1共通液室101及び第2共通液室102の開口を覆わない大きさで設けることで、第1共通液室101及び第2共通液室102の開口は、封止膜491のみで封止されたコンプライアンス部494、すなわち、第1コンプライアンス部494A及び第2コンプライアンス部494Bとなっている。ちなみに、図17に示すように、第1ノズル21Aと第2流路202とを連通する部分には、第1ノズル21Aよりも大きな第1開口495Aが設けられており、第2流路202から第1ノズル21Aに向かうインクの流れを阻害しないようになっている。なお、第1開口495Aは、第1ノズル21Aよりも大きい開口面積で設けられていれば、第2流路202よりも大きくてもよく、また、第2流路202よりも小さくてもよい。同様に、図18に示すように、第2ノズル21Bと第9流路209とを連通する部分には、第2ノズル21Bよりも大きな第2開口495Bが設けられており、第9流路209から第2ノズル21Bに向かうインクの流れを阻害しないようになっている。なお、第2開口495Bは、第2ノズル21Bよりも大きい開口面積で設けられていれば、第9流路209よりも大きくてもよく、また、第9流路209よりも小さくてもよい。
このような構成であっても、封止膜491と連通板15との間に個別流路200、すなわち、第15流路215及び第16流路216を形成することができるため、個別流路200の構造を簡略化して、複数の基板を積層して連通板15を製造する必要がなく、連通板15を1枚の基板で製造することができる。また、ノズルプレート20の面積を小さくすることができるため、コストを低減することができる。
(実施形態3)
図19は、本発明の実施形態3に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの図1のA−A′線に準じた断面図である。図20は、実施形態3に係るインクジェット式記録ヘッドの図1のB−B′線に準じた断面図である。なお、上述した実施形態と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図19及び図20に示すように、流路基板である流路形成基板10、連通板15、ノズルプレート20、コンプライアンス基板49、ケース部材40等には、第1共通液室101と、第2共通液室102と、第1共通液室101からのインクを第2共通液室102に流す複数の個別流路200と、が設けられている。
第1共通液室101を構成する第1連通部16は、第3の方向Zにおいて圧力室12側であるZ1側に設けられた第1幅狭部16aと、ノズル21側に設けられた第1幅広部16bと、を具備する。
第1幅狭部16aは、第1連通板151及び第2連通板152の第1連通板151側に設けられており、第1幅広部16bは、第2連通板152に設けられている。
また、第1幅狭部16aと第1幅広部16bとは、第1の方向Xにおいて同じ幅で設けられており、第2の方向Yにおいて第1幅広部16bの方が第1幅狭部16aよりも広い幅で形成されている。また、第1幅広部16bは、第1幅狭部16aよりもノズル21側に拡幅して設けられている。つまり、第1幅広部16bの第2の方向Yのノズル21とは反対側の端部は、第1幅狭部16aと同じ位置に設けられており、第1幅広部16bの第2の方向Yのノズル21側の端部は、第1幅狭部16aよりも外側に配置されている。
第2共通液室102を構成する第2連通部17は、第3の方向Zにおいて圧力室12側であるZ1側に設けられた第2幅狭部17aと、ノズル21側に設けられた第2幅広部17bと、を具備する。
第2幅狭部17aは、第1連通板151及び第2連通板152の第1連通板151側に設けられており、第2幅広部17bは、第2連通板152に設けられている。
また、第2幅狭部17aと第2幅広部17bとは、第1の方向Xにおいて同じ幅で設けられており、第2の方向Yにおいて第2幅広部17bの方が第2幅狭部17aよりも広い幅で形成されている。また、第2幅広部17bは、第2幅狭部17aよりもノズル21側に拡幅して設けられている。つまり、第2幅広部17bの第2の方向Yのノズル21とは反対側の端部は、第2幅狭部17aと同じ位置に設けられており、第2幅広部17bの第2の方向Yのノズル21側の端部は、第2幅狭部17aよりも外側に配置されている。
このような第1共通液室101及び第2共通液室102のZ2側の開口は、コンプライアンス基板49によって覆われている。ここで、コンプライアンス基板49が覆う第1共通液室101の第1幅広部16bの開口面積は、第1幅狭部16aの開口面積よりも大きい。したがって、第1幅狭部16aの開口面積に対して第1コンプライアンス部494Aを設けた場合に比べて、第1幅広部16bの比較的広い開口面積に対して第1コンプライアンス部494Aを設けることで、第1コンプライアンス部494Aの面積を大きくすることができる。
同様に、コンプライアンス基板49が覆う第2共通液室102の第2幅広部17bの開口面積は、第2幅狭部17aの開口面積よりも大きい。したがって、第2幅狭部17aの開口面積に対して第2コンプライアンス部494Bを設けた場合に比べて、第2幅広部17bの比較的広い開口面積に対して第2コンプライアンス部494Bを設けることで、第2コンプライアンス部494Bの面積を大きくすることができる。
このように第1共通液室101及び第2共通液室102の開口を覆うコンプライアンス部494の面積を比較的大きくすることで、第1共通液室101及び第2共通液室102内のインクの圧力変動に対応するコンプライアンス部494の変形の反応性を向上することができ、インク滴の吐出周期を短くして、高速印刷を実現することができる。
また、流路基板を構成する流路形成基板10、連通板15、ノズルプレート20、コンプライアンス基板49には、第1共通液室101と第2共通液室102とに連通する個別流路200が設けられている。
本実施形態では、個別流路は、第1ノズル21Aに連通する第1個別流路200Aと、第2ノズル21Bに連通する第2個別流路200Bとを有する。
第1個別流路200Aは、第1流路201と第1圧力室12Aと第2流路202と第1ノズル21Aと第3流路203と第4流路204と第5流路205とを具備する。
本実施形態の第1流路201、第1圧力室12A、第1ノズル21A、第3流路203、第4流路204、第5流路205は、上述した実施形態1と同様であるため重複する説明は省略する。
第2流路202は、第1個別流路200Aにおいて、第1圧力室12Aから第1ノズル21Aまでの間に、ノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zに延びて設けられており、この第2流路202が特許請求の範囲に記載の第1連通路に相当する。
第2流路202は、第1ノズル21A側の開口が、第1圧力室12A側の開口よりも第2共通液室102側となるように形成されている。ここで、第2流路202の第1ノズル21A側の開口が、第1圧力室12A側の開口よりも第2共通液室102側となるように形成されているとは、第3の方向Zから平面視した際に、第2流路202の第1ノズル21A側の開口が、第2流路202の第1圧力室12A側の開口よりも第2の方向Yにおいて第2共通液室102側にずれた位置に配置されていることを言う。ちなみに、第3の方向Zから平面視した際に、第2流路202の第1ノズル21A側の開口と、第1圧力室12A側の開口との一部が重なっていてもよいが、第2流路202の第1ノズル21A側の開口と第1圧力室12A側の開口との何れか一方が、他方に完全に重なったものは含まれない。
具体的には、第2流路202は、一端が第1圧力室12Aに連通して第1連通板151を第3の方向Zに貫通して設けられた第17流路217と、第17流路217の他端に連通して、第1連通板151と第2連通板152との間に第2の方向Yに沿って延設された第18流路218と、第18流路218に連通して第2連通板152を第3の方向Zに貫通して設けられた第19流路219と、を具備する。
第18流路218は、本実施形態では、第2連通板152に凹部を形成し、第2連通板152の凹部の開口を第1連通板151で覆うことで形成されている。もちろん、第18流路218は特にこれに限定されず、第1連通板151に凹部を形成するようにしてもよく、第1連通板151及び第2連通板152の両方に凹部を形成するようにしてもよい。
このように第2流路202の途中に水平流路である第18流路218を設けることで、第19流路219を第2の方向Yにおいて第2共通液室102側に移動することができる。そして、第19流路219を第2共通液室102側に移動することで、第1共通液室101の第1幅広部16bを第1幅狭部16aよりも第2共通液室102側に拡幅することができる。ちなみに、第1コンプライアンス部494Aの面積を広くするために、第1共通液室101のZ2側の面の開口を第2の方向Yにおいて第2共通液室102とは反対側に広げると、連通板15が第2の方向Yに大型化してしまう。本実施形態では、第2流路202の第1ノズル21A側の開口を、第1圧力室12A側の開口よりも第2共通液室102側となるように形成することで、第1共通液室101のZ2側の開口を第2共通液室102側に広げることができるため、連通板15が第2の方向Yに大型化するのを抑制して、第1コンプライアンス部494Aの面積を広げることができる。
第2個別流路200Bは、第6流路206と第7流路207と第8流路208と第2ノズル21Bと第9流路209と第2圧力室12Bと第10流路210とを有する。
本実施形態の第6流路206、第7流路207、第8流路208、第2ノズル21B、第2圧力室12B、第10流路210は上述した実施形態1と同様であるため重複する説明は省略する。
第9流路209は、第2個別流路200Bにおいて、第2圧力室12Bから第2ノズル21Bまでの間に、ノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zに延びて設けられており、この第9流路209が特許請求の範囲に記載の第2連通路に相当する。
第9流路209は、第2ノズル21B側の開口が第2圧力室12B側の開口よりも第1共通液室101側となるように形成されている。ここで、第9流路209の第2ノズル21B側の開口が、第2圧力室12B側の開口よりも第1共通液室101側となるように形成されているとは、第3の方向Zから平面視した際に、第9流路209の第2ノズル21B側の開口が、第9流路209の第2圧力室12B側の開口よりも第2の方向Yにおいて第1共通液室101側にずれた位置に配置されていることを言う。ちなみに、第3の方向Zから平面視した際に、第9流路209の第2ノズル21B側の開口と、第2圧力室12B側の開口との一部が重なっていてもよいが、第9流路209の第2ノズル21B側の開口と第2圧力室12B側の開口との何れか一方が、他方に完全に重なったものは含まれない。
具体的には、第9流路209は、第2ノズル21B一端が開口して第2連通板152を第3の方向Zに貫通して設けられた第20流路220と、第20流路220の他端に連通すると共に第2の方向Yに沿って第2共通液室102側に向かって延設された第21流路221と、第21流路221に連通すると共に第2圧力室12Bに連通するように第1連通板151を第3の方向Zに貫通して設けられた第22流路222と、を具備する。
第21流路221は、本実施形態では、第2連通板152に凹部を形成し、第2連通板152の凹部の開口を第1連通板で覆うことで形成されている。もちろん、第21流路221は特にこれに限定されず、第1連通板151に凹部を形成するようにしてもよく、第1連通板151及び第2連通板152の両方に凹部を形成するようにしてもよい。
このように第9流路209の途中に水平流路である第21流路221を設けることで、第22流路222を第2の方向Yにおいて第1共通液室101側に移動することができる。そして、第22流路222を第1共通液室101側に移動させることで、第2共通液室102の第2幅広部17bを第2幅狭部17aよりも第1共通液室101側に拡幅することができる。ちなみに、第2コンプライアンス部494Bの面積を広くするために、第2共通液室102のZ2側の面の開口を第2の方向Yにおいて第1共通液室101とは反対側に広げると、連通板15が第2の方向Yに大型化してしまう。本実施形態では、第9流路209の第1ノズル21A側の開口を、第1圧力室12A側の開口よりも第1共通液室101側となるように形成することで、第2共通液室102のZ2側の開口を第1共通液室101側に広げることができるため、連通板15が第2の方向Yに大型化するのを抑制して、第2コンプライアンス部494Bの面積を広げることができる。
また、図19に示すように、第1共通液室101には、第1幅狭部16aと第1幅広部16bとによって段差が設けられているため、この段差に気泡が滞留し易い。しかしながら、本実施形態では、図20に示すように、段差部分には、第2個別流路200Bの第6流路206が開口しているため、段差によって滞留した気泡は第2個別流路200Bを介して第2共通液室102側に移動される。したがって、第1共通液室101内に気泡が滞留するのを抑制して、第1共通液室101の気泡が成長し、圧力室12へのインクの供給不良や、気泡が予期せぬタイミングで圧力室12に流れ込むことによるインク滴の吐出不良等を抑制することができる。
また、第2共通液室102にも第2幅狭部17aと第2幅広部17bとによって段差が設けられているが、段差の気泡は、第2共通液室102内のインクの流れによって排出口44側に移動するため、気泡が第2共通液室102内で成長することや、圧力室12内に流れ込むのを抑制することができる。
このように、圧力室12とノズル21とを連通する連通路である第2流路202及び第9流路209を第2の方向Yにおいて互いに内側、すなわち、第1共通液室101と第2共通液室102との間の中心側に配置することで、連通板15が第2の方向Yに大型化することなく、第1共通液室101及び第2共通液室102のZ2側の開口面積が広くなるように拡幅することができ、コンプライアンス部494を広い面積で形成して、個別流路200内のインクの圧力変動を第1共通液室101及び第2共通液室102のコンプライアンス部494で吸収することができる。したがって、インク滴の吐出特性のばらつきを低減して、インク滴の吐出を安定させることができる。
以上説明したように、本実施形態の液体噴射ヘッドの一例である記録ヘッド1では、流路が形成された流路基板と、流路の液体であるインクに圧力変化を生じさせるためのエネルギー発生素子である圧電アクチュエーター300と、を備え、流路は、第1共通液室101と、第2共通液室102と、第1共通液室101および第2共通液室102に連通して第1共通液室101から第2共通液室102に向かってインクが流れる個別流路200と、を含み、個別流路200は、外部と連通するノズル21と、圧電アクチュエーター300により圧力変化が生じる圧力室12と、を備え、複数の個別流路200のうち、ノズル21の並設方向である第1の方向Xにおいて隣接する3つの個別流路200は、それぞれ、第1共通液室101および第2共通液室102に連通し、並設方向である第1の方向Xにおいて隣接する2つの個別流路200である第1個別流路200A及び第2個別流路200Bは、第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れる方向において、圧力室とノズル21との並び順が異なる。
このように、圧力室12とノズル21との並び順が異なる個別流路200である第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとを第1の方向Xに隣接するように配置することで、隣接する個別流路200の圧力室12を第2の方向Yで異なる位置に配置することができる。したがって、圧力室12とノズル21との順番が同じ個別流路を並設する場合に比べて、圧力室12の並設方向の幅を広く設けて、圧力室12の圧電アクチュエーター300による排除体積を大きくして、インク滴の吐出重量を大きくすることや、圧力室12を第1の方向Xに高密度に並設して、流路基板を小型化することができる。また、隣接する個別流路200の圧力室12を第2の方向Yにずらした位置に配置することができるため、第1の方向Xで隣接する個別流路200の圧力室12の配設密度を向上して、ノズル21を高密度に配置することができる。
また、個別流路200同士を途中で合流させることなく、個別流路200をそれぞれ独立して第1共通液室101及び第2共通液室102に連通させることで、各個別流路200の間での圧力変動の影響によるクロストークの発生を抑制することができる。つまり、個別流路200同士を第1共通液室101及び第2共通液室102に連通する前に合流してしまうと、一方の個別流路200内のインクの圧力変化が他方の個別流路200に大きく影響し、インク吐出特性にばらつきが生じてしまう。本実施形態では、複数の個別流路200は、比較的大きな容積を有する第1共通液室101及び第2共通液室102のみに連通しているため、複数の個別流路200の間で互いに圧力変動の影響を小さくすることができ、インク吐出特性のばらつきを抑制することができる。
さらに、第1共通液室101と第2共通液室102とが個別流路200だけで連通しているため、インクが第1共通液室101内を個別流路200の並設方向である第1の方向Xに流れることがなく、複数の個別流路200に供給するインクの圧力差が生じ難く、ノズル21から吐出されるインクの吐出特性にばらつきが生じ難い。ちなみに、第1共通液室101をインクが第1の方向Xに流れると、第1共通液室101の上流側に連通する個別流路200へ供給するインクの圧力に比べて、下流側に連通する個別流路200へ供給するインクの圧力が低下し、各個別流路200へ供給するインクの圧力のばらつきによってインク吐出特性のばらつきが生じ易くなってしまう。
また、本実施形態の記録ヘッド1では、複数の個別流路200は、ノズル21が前記圧力室12よりも下流側に設けられた第1個別流路200Aと、ノズル21が圧力室12よりも上流側に設けられた第2個別流路200Bと、を有し、第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとが並設方向である第1の方向Xで隣接する位置に配置されており、第1個別流路200Aは、圧力室12からノズル21までの間に、ノズル21が開口するノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zに延びる第1連通路である第2流路202を有し、第2個別流路200Bは、圧力室12からノズル21までの間に、第3の方向Zに延びる第2連通路である第9流路209を有し、第2流路202は、ノズル21側の開口が圧力室12側の開口よりも第2共通液室102側に位置し、第9流路209は、ノズル21側の開口が圧力室12側の開口よりも第1共通液室101側に位置する。
このように第1連通路である第2流路202のノズル21側の開口及び第2連通路である第9流路209の開口をずらすことで、第1共通液室101のノズル21側の開口を第2共通液室102側に拡幅することができると共に第2共通液室102のノズル21側の開口を第1共通液室101側に拡幅することができる。したがって、コンプライアンス部494を比較的広い面積で形成することができ、第1共通液室101及び第2共通液室102内のインクの圧力変動をコンプライアンス部494によって吸収することができる。
また、本実施形態では、第1共通液室101の第1連通部16に第1幅狭部16aと第1幅広部16bを設けることで、第1共通液室101のノズル21側の開口面積を流路形成基板10側の開口面積よりも広げるようにしたが、特にこれに限定されない。ここで、第1共通液室101と第2共通液室102との変形例を図21及び図22を参照して説明する。なお、図21は、実施形態3の記録ヘッドの変形例を示す断面図であって、図1のA−A′線に準じた断面図である。図22は、実施形態3の記録ヘッドの変形例であって、図1のB−B′線に準じた断面図である。
図21及び図22に示すように、第1共通液室101の第1連通部16の第2共通液室102側の側面は、第2の方向Yにおいてノズル21側が拡幅するように傾斜して設けられている。
同様に、第2共通液室102の第2連通部17の第1共通液室101側の側面は、第2の方向Yにおいてノズル21側が拡幅するように傾斜して設けられている。
このような構成であっても、上述したように第1共通液室101及び第2共通液室102のノズル21側であるZ2側の開口面積を広げて、コンプライアンス部494を比較的広い面積で形成することができる。また、第1共通液室101の側面に段差を設けることなく、側面を傾斜させることで、段差に気泡が滞留するのを抑制することができる。もちろん、このような傾斜した側面は、図19、20に示す第1幅広部16b及び第2幅広部17bの側面のみに適用してもよい。
また、本実施形態では、第2流路202と第9流路209との途中に水平流路である第18流路218及び第21流路221を設けることで、第2流路202及び第9流路209のノズル21側の開口を圧力室12側の開口よりも第2の方向Yにおいて内側に移動するようにしたが、特にこれに限定されない。ここで、第2流路202及び第9流路209の変形例を図23及び図24を参照して説明する。なお、図23は、実施形態3の記録ヘッドの変形例を示す断面図であって、図1のA−A′線に準じた断面図である。図24は、実施形態3の記録ヘッドの変形例を示す断面図であって、図1のB−B′線に準じた断面図である。
図23に示すように、第2流路202は、第3の方向Zに対して傾斜して設けられている。具体的には、第2流路202は、第1圧力室12Aに連通する端部が第1共通液室101側であり、第1ノズル21Aに連通する端部が第2共通液室102側となるように、第2の方向Yに傾斜して設けられている。これにより、第1共通液室101のノズル21側であるZ2側の開口を第2共通液室102側に拡幅して、第1コンプライアンス部494Aを比較的広い面積で形成することができる。
また、図24に示すように、第9流路209は、第3の方向Zに対して傾斜して設けられている。具体的には、第9流路209は、第2圧力室12Bに連通する端部が第2共通液室102側であり、第2ノズル21Bに連通する端部が第1共通液室101側となるように、第2の方向Yに傾斜して設けられている。これにより、第2共通液室102のノズル21側であるZ2側の開口を第1共通液室101側に拡幅して、第2コンプライアンス部494Bを比較的広い面積で形成することができる。
なお、図23及び図24に示す傾斜した第2流路202及び第9流路209と、図21及び図22に示す第1幅広部16b及び第2幅広部17bの傾斜した壁面とを組み合わせてもよい。
なお、本実施形態では、第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとを第2の方向Yに異なる位置に設けることで、第1ノズル21Aが第1の方向Xに並設された第1ノズル列22Aと、第2ノズル21Bが第1の方向Xに並設された第2ノズル列22Bとの2列が第2の方向Yに並設された構成、所謂、ノズル21が第1の方向Xに向かって千鳥状に配置された構成を例示したが、特にこれに限定されず、上述した実施形態1の図5と同様に、第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとを第2の方向Yで同じ位置に設け、ノズル21が第1の方向Xに沿った直線上に配置するようにしてもよい。このような構成の場合、特に図示していないが、第1ノズル21Aは、第15流路215の途中に連通する位置に設け、第2ノズル21Bは、第16流路216の途中に連通するように設ければよい。すなわち、ノズル21は、流路基板のノズル21が開口するノズル面20aの面内方向に延びる流路である第15流路215及び第16流路216の途中に連通して配置されていてもよい。
また、本実施形態の記録ヘッド1では、第1個別流路200Aの圧力室である第1圧力室12Aと、第2個別流路200Bのうちノズル21よりも第1共通液室101側の流路であって、ノズル面20aの面内方向に延びる流路である第6流路206とは、ノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zから平面視した際に互いに重ならない位置に配置する。もちろん、これに限定されず、第1圧力室12Aと第6流路206とは、第3の方向Zからの平面視において少なくとも一部が互いに重なる位置に配置してもよい。このように、第1圧力室12Aと第6流路206とが第3の方向Zにおいて一部が互いに重なる位置に配置することで、第1圧力室12Aの第1の方向Xの幅を比較的広く形成することができ、第1圧力室12Aの排除体積を大きくしてインク滴の吐出特性、特にインク滴の重量を増大させることができる。
また、第2個別流路200Bの第2圧力室12Bと、第1個別流路200Aの第5流路205についても同様に、第3の方向Zからの平面視において少なくとも一部が互いに重なる位置に配置してもよい。このように、第2圧力室12Bと第5流路205とが第3の方向Zにおいて一部が互いに重なる位置に配置することで、第2圧力室12Bの第1の方向Xの幅を比較的広く形成することができ、第2圧力室12Bの排除体積を大きくしてインク滴の吐出特性、特にインク滴の重量を増大させることができる。
(実施形態4)
図25は、本発明の実施形態4に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの断面図であって図1のA−A′線に準じた断面図である。図26は、実施形態4に係るインクジェット式記録ヘッドの断面図であって図1のB−B′線に準じた断面図である。図27は、流路を表すZ2側からの斜視図である。図28は、実施形態4に係る記録ヘッドの断面図であって、図25のE−E′線断面図、F−F′線断面図、G−G′線断面図である。なお、上述した実施形態と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図25及び図26に示すように、流路基板を構成する流路形成基板10、連通板15、ノズルプレート20、コンプライアンス基板49、ケース部材40等には、第1共通液室101と、第2共通液室102と、第1共通液室101からのインクを第2共通液室102に流す複数の個別流路200と、が設けられている。
個別流路は、第1ノズル21Aを有する第1個別流路200Aと、第2ノズル21Bを有する第2個別流路200Bとを有する。
図25に示すように、第1個別流路200Aは、第1流路201と第1圧力室12Aと第2流路202と第1ノズル21Aと第3流路203と第4流路204と第5流路205とを具備する。
本実施形態では、第2流路202は、ノズル21から第1共通液室101までの間にノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zに延びて設けられており、この第2流路202が特許請求の範囲に記載の上流連通路に相当する。
また、本実施形態では、第5流路205は、ノズル21から第2共通液室102までの間にノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zに延びて設けられており、この第5流路205が下流連通路に相当する。
図26に示すように、第2個別流路200Bは、第6流路206と第7流路207と第8流路208と第2ノズル21Bと第9流路209と第2圧力室12Bと第10流路210とを有する。
本実施形態では、第7流路207は、ノズル21から第1共通液室101までの間にノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zに延びて設けられており、この第7流路207が特許請求の範囲に記載の上流連通路に相当する。
また、第9流路209は、ノズル21から第2共通液室102までの間にノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zに延びて設けられており、この第9流路209が下流連通路に相当する。
そして、個別流路200は、図27及び図28に示すように、ノズル21から第1共通液室101までの間に、ノズル21が開口するノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zに延びる上流連通路である第2流路202及び第7流路207を有し、ノズル21の並設方向である第1の方向Xにおいて隣接する個別流路の上流連通路同士、すなわち、第1個別流路200Aの第2流路202と第2個別流路200Bの第7流路207とは、ノズル21の並設方向である第1の方向Xから見た場合に、互いに重なっていない部分を有する。本実施形態では、第2流路202と第7流路207とは、第2の方向Yにおいて完全に重ならない位置に配置されている。もちろん、第2流路202と第7流路207とは、第1の方向Xから平面視した際に、完全に重なっていなければ、一部が重なっていてもよい。このように、第2流路202と第7流路207とは、第2の方向Yにおいて異なる位置に配置されることで、第1の方向Xに沿って所謂、千鳥状に配置されている。
このような構成では、第1の方向Xで隣接する第2流路202の間の壁の剛性を向上することができ、インク滴を吐出する際の圧力変動によって第2流路202の壁が変形するのを抑制して、第2流路202の壁が変形することによる圧力吸収を抑制して、壁の剛性が低下することによるクロストークの発生を抑制することができる。
同様に、第1の方向Xで隣接する第7流路207の間の壁の剛性を向上することができ、インク滴を吐出する際の圧力変動によって第7流路207の壁が変形することによる圧力吸収を抑制して、壁の剛性が低下することによるクロストークの発生を抑制することができる。ちなみに、第2流路202と第7流路207とが、第1の方向Xからの平面視において完全に重なっている位置に配置されていると、第2流路202と第7流路207との間の壁が第3の方向Zに亘って薄く形成されることになり、第2流路202及び第7流路207内のインクの圧力変動によって壁が変形して、クロストークが発生してしまう。また、第2流路202と第7流路207との壁の剛性を高めるために、第2流路202と第7流路207とを第1の方向Xに離れた位置に配置すると、ノズル21が第1の方向Xに低密度に配置されると共に、流路基板が第1の方向Xに大型化してしまう。本実施形態のように、第2流路202と第7流路207とを第1の方向Xからの平面視において少なくとも一部が重ならないように配置することで、第2流路202と第7流路207とを第1の方向Xに比較的近く配置しても壁の剛性が低下するのを抑制することができ、ノズル21の低密度化及び流路基板の大型化を抑制することができる。
また、本実施形態では、個別流路200は、ノズル21から第2共通液室102までの間に、ノズル21が開口するノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zに延びる下流連通路である第5流路205及び第9流路209を有し、ノズル21の並設方向である第1の方向Xにおいて隣接する個別流路の下流連通路同士、すなわち、第1個別流路200Aの第5流路205と第2個別流路200Bの第9流路209とは、ノズル21の並設方向である第1の方向Xから見た場合に、互いに重なっていない部分を有する。本実施形態では、第5流路205と第9流路209とは、第2の方向Yにおいて完全に重ならない位置に配置されている。もちろん、第5流路205と第9流路209とは、第1の方向Xから平面視した際に、完全に重なっていなければ、一部が重なっていてもよい。このように、第5流路205と第9流路209とは、第2の方向Yにおいて異なる位置に配置されることで、第1の方向Xに沿って所謂、千鳥状に配置されている。
このような構成では、第1の方向Xで隣接する第5流路205の間の壁の剛性を向上することができ、インク滴を吐出する際の圧力変動によって第5流路205の壁が変形するのを抑制して、圧力吸収を抑制してクロストークを低減することができる。同様に、第1の方向Xで隣接する第9流路209の間の壁の剛性を向上することができ、インク滴を吐出する際の圧力変動によって第9流路209の壁が変形するのを抑制して、圧力吸収を抑制してクロストークを低減することができる。
ちなみに、第5流路205と第9流路209とが、第1の方向Xからの平面視において完全に重なっている位置に配置されていると、第5流路205と第9流路209との間の壁が第3の方向Zに亘って薄く形成されることになり、第5流路205及び第9流路209内のインクの圧力変動によって壁が変形して、クロストークが発生してしまう。また、第5流路205と第9流路209との壁の剛性を高めるために、第5流路205と第9流路209とを第1の方向Xに離れた位置に配置すると、ノズル21が第1の方向Xに低密度に配置されると共に、流路基板が第1の方向Xに大型化してしまう。本実施形態のように、第5流路205と第9流路209とを第1の方向Xからの平面視において少なくとも一部が重ならないように配置することで、第5流路205と第9流路209とを第1の方向Xに比較的近く配置しても壁の剛性が低下するのを抑制することができ、ノズル21の低密度化及び流路基板の大型化を抑制することができる。
なお、本実施形態においても、第6流路206と第1個別流路200Aの第1圧力室12Aとは、ノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zにおいて異なる位置に配置されている。具体的には、第1圧力室12Aは、第1連通板151のZ1側に設けられ、第6流路206は、第1連通板151のZ2側に設けられており、第1圧力室12Aと第6流路206とは、第3の方向Zに異なる位置に配置されている。このため、第1圧力室12Aと第6流路206とを第1の方向Xに近接して配置しても、第1圧力室12Aを隔てる隔壁の厚さが薄くなるのを抑制して、第1圧力室12Aの隔壁が変形することで第1圧力室12A内のインクの圧力を吸収するのを抑制し、吐出特性にばらつきが生じるのを抑制することができる。また、本実施形態では、第1圧力室12Aと第6流路206とは、第3の方向Zからの平面視において重ならない位置に配置されているが、上述した実施形態1の図8と同様に、第1圧力室12Aと第6流路206とは、互いに少なくとも一部が重なるように配置してもよい。
また、第2圧力室12Bと第1個別流路200Aの第5流路205とは、ノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zにおいて異なる位置に配置されている。具体的には、第2圧力室12Bは、第1連通板151のZ1側に設けられ、第5流路205は、第1連通板151のZ2側に設けられており、第2圧力室12Bと第5流路205とは、第3の方向Zに異なる位置に配置されている。このため、第2圧力室12Bと第5流路205とを第1の方向Xに近接して配置しても、第2圧力室12Bを隔てる隔壁の厚さが薄くなるのを抑制して、第2圧力室12Bの隔壁が変形して圧力吸収することによる吐出特性にばらつきが生じるのを抑制することができる。また、本実施形態では、第2圧力室12Bと第5流路205とを第3の方向Zからの平面視において重ならない位置に配置されているが、第2圧力室12Bと第5流路205とは、互いに少なくとも一部が重なるように配置してもよい。
以上説明したように、本実施形態の液体噴射ヘッドの一例である記録ヘッド1では、流路が形成された流路基板と、流路の液体であるインクに圧力変化を生じさせるためのエネルギー発生素子である圧電アクチュエーター300と、を備え、流路は、第1共通液室101と、第2共通液室102と、第1共通液室101および第2共通液室102に連通して第1共通液室101から第2共通液室102に向かってインクが流れる個別流路200と、を含み、個別流路200は、外部と連通するノズル21と、圧電アクチュエーター300により圧力変化が生じる圧力室12と、を備え、複数の個別流路200のうち、ノズル21の並設方向である第1の方向Xにおいて隣接する3つの個別流路200は、それぞれ、第1共通液室101および第2共通液室102に連通し、並設方向である第1の方向Xにおいて隣接する2つの個別流路200である第1個別流路200A及び第2個別流路200Bは、第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れる方向において、圧力室とノズル21との並び順が異なる。
このように、圧力室12とノズル21との並び順が異なる個別流路200である第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとを第1の方向Xに隣接するように配置することで、隣接する個別流路200の圧力室12を第2の方向Yで異なる位置に配置することができる。したがって、圧力室12とノズル21との順番が同じ個別流路を並設する場合に比べて、圧力室12の並設方向の幅を広く設けて、圧力室12の圧電アクチュエーター300による排除体積を大きくして、インク滴の吐出重量を大きくすることや、圧力室12を第1の方向Xに高密度に並設して、流路基板を小型化することができる。また、隣接する個別流路200の圧力室12を第2の方向Yにずらした位置に配置することができるため、第1の方向Xで隣接する個別流路200の圧力室12の配設密度を向上して、ノズル21を高密度に配置することができる。
また、個別流路200同士を途中で合流させることなく、個別流路200をそれぞれ独立して第1共通液室101及び第2共通液室102に連通させることで、各個別流路200の間での圧力変動の影響によるクロストークの発生を抑制することができる。つまり、個別流路200同士を第1共通液室101及び第2共通液室102に連通する前に合流してしまうと、一方の個別流路200内のインクの圧力変化が他方の個別流路200に大きく影響し、インク吐出特性にばらつきが生じてしまう。本実施形態では、複数の個別流路200は、比較的大きな容積を有する第1共通液室101及び第2共通液室102のみに連通しているため、複数の個別流路200の間で互いに圧力変動の影響を小さくすることができ、インク吐出特性のばらつきを抑制することができる。
さらに、第1共通液室101と第2共通液室102とが個別流路200だけで連通しているため、インクが第1共通液室101内を個別流路200の並設方向である第1の方向Xに流れることがなく、複数の個別流路200に供給するインクの圧力差が生じ難く、ノズル21から吐出されるインクの吐出特性にばらつきが生じ難い。ちなみに、第1共通液室101をインクが第1の方向Xに流れると、第1共通液室101の上流側に連通する個別流路200へ供給するインクの圧力に比べて、下流側に連通する個別流路200へ供給するインクの圧力が低下し、各個別流路200へ供給するインクの圧力のばらつきによってインク吐出特性のばらつきが生じ易くなってしまう。
また、本実施形態の記録ヘッド1では、個別流路200は、ノズル21から第1共通液室101までの間に、ノズル21が開口するノズル面20aの垂線方向である第3の方向Zに延びる上流連通路である第2流路202、第7流路207を有し、2つの個別流路200である第1個別流路200A及び第2個別流路200Bの上流流路同士、すなわち、第2流路202及び第7流路207は、並設方向である第1の方向Xから見た場合に、互いに重なっていない部分を有する。
このように、第2流路202と第7流路207とが第1の方向Xからの平面視において互いに重ならない部分を有する配置とすることで、第1の方向Xで隣接する第2流路202の間の壁の剛性を向上することができ、インク滴を吐出する際の圧力変動によって第2流路202の壁が変形するのを抑制して、第2流路202の壁が変形することによる圧力吸収を抑制して、壁の剛性が低下することによるクロストークの発生を抑制することができる。同様に、第1の方向Xで隣接する第7流路207の間の壁の剛性を向上することができ、インク滴を吐出する際の圧力変動によって第7流路207の壁が変形することによる圧力吸収を抑制して、壁の剛性が低下することによるクロストークの発生を抑制することができる。
ちなみに、第2流路202と第7流路207とが、第1の方向Xからの平面視において完全に重なっている位置に配置されていると、第2流路202と第7流路207との間の壁が第3の方向Zに亘って薄く形成されることになり、第2流路202及び第7流路207内のインクの圧力変動によって壁が変形して、クロストークが発生してしまう。また、第2流路202と第7流路207との壁の剛性を高めるために、第2流路202と第7流路207とを第1の方向Xに離れた位置に配置すると、ノズル21が第1の方向Xに低密度に配置されると共に、流路基板が第1の方向Xに大型化してしまう。本実施形態のように、第2流路202と第7流路207とを第1の方向Xからの平面視において少なくとも一部が重ならないように配置することで、第2流路202と第7流路207とを第1の方向Xに比較的近く配置しても壁の剛性が低下するのを抑制することができ、ノズル21の低密度化及び流路基板の大型化を抑制することができる。
なお、本実施形態では、第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとを第2の方向Yに異なる位置に設けることで、第1ノズル21Aが第1の方向Xに並設された第1ノズル列22Aと、第2ノズル21Bが第1の方向Xに並設された第2ノズル列22Bとの2列が第2の方向Yに並設された構成、所謂、ノズル21が第1の方向Xに向かって千鳥状に配置された構成を例示したが、特にこれに限定されず、上述した実施形態1の図5と同様に、第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとを第2の方向Yで同じ位置に設け、ノズル21が第1の方向Xに沿った直線上に配置するようにしてもよい。このような構成の場合、特に図示していないが、第1ノズル21Aは、第3流路203の途中に連通する位置に設け、第2ノズル21Bは、第8流路208の途中に連通するように設ければよい。すなわち、ノズル21は、流路基板のノズル21が開口するノズル面20aの面内方向に延びる流路である第3流路203及び第8流路208の途中に連通して配置されていてもよい。もちろん、第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとをそれぞれ第3流路203及び第8流路208の途中に連通する位置に設けると共に、第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとが第2の方向Yで異なる位置に配置されていてもよい。
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明の基本的な構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば、上述した各実施形態では、1つの流路基板に第1共通液室101と第2共通液室102とが1つずつ設けられた構成を例示したが、特にこれに限定されるものではない。
ここで、記録ヘッド1の変形例について図29及び図30を参照して説明する。なお、図29は、流路構成を説明する概略断面図であって図1のA−A′線に準じた概略断面図である。図30は、流路構成を説明する概略断面図であって図1のB−B′線に準じた概略断面図である。
図29及び図30に示すように、流路基板400には、第1共通液室101と第2共通液室102とが第2の方向Yに交互に繰り返し配置されている。また、第1共通液室101からのインクを第2共通液室102に供給する複数の個別流路200が設けられている。個別流路200は、1つの第1共通液室101と1つの第2共通液室102とで構成される1組に対して、第1の方向Xに沿って複数設けられている。第2の方向Yにおいて、個別流路200は、第1共通液室101と第2共通液室102との間に位置している。
個別流路200は、第1ノズル21Aを有する第1個別流路200Aと、第2ノズル21Bを有する第2個別流路200Bとを有する。
図29に示すように、第1個別流路200Aは、第1流路201と第1圧力室12Aと第2流路202と第1ノズル21Aと第15流路215とを有する。
このように第1個別流路200Aは、第1共通液室101に連通する上流側から第2共通液室102に連通する下流側に向かって順に第1流路201、圧力室12、第2流路202、第1ノズル21A、第15流路215を有する。すなわち、本実施形態では、第1個別流路200Aは、第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れに対して、上流側から下流側に向かって第1圧力室12Aと第1ノズル21Aとがこの順番に配置されている。
図30に示すように、第2個別流路200Bは、第16流路216と第2ノズル21Bと第9流路209と第2圧力室12Bと第10流路210とを有する。
このように第2個別流路200Bは、第1共通液室101に連通する上流側から第2共通液室102に連通する下流側に向かって順に第16流路216、第2ノズル21B、第9流路209、第2圧力室12B、第10流路210を具備する。つまり、本実施形態では、第2個別流路200Bは、第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れに対して、上流側から下流側に向かって第2ノズル21Bと第2圧力室12Bとがこの順番に配置されている。すなわち、第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとでは、第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れに対して圧力室12とノズル21との順番が異なるように配置されている。本実施形態では、各個別流路200に圧力室12とノズル21とが1つずつ設けられているため、第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとは、圧力室12とノズル21との順番が、逆転して配置されている。
そして、本実施形態では、第1の方向Xの一直線上に第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとが並んでいる。ちなみに、第1の方向Xの一直線上に第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとが並んでいなくてもよい。また、図29及び図30には、第1共通液室101と第2共通液室102との組が2組のみ示したが、第2の方向Yに3組以上設けられていてもよく、いわゆるマトリックス状に配置されていてもよい。また、3組以上の第1共通液室101と第2共通液室102との組に対応する圧電アクチュエーター300に対して、共通のフレキシブルケーブル120を接続してもよい。
また、図29及び図30の記録ヘッド1の変形例を図31及び図32に示す。なお、図31は、流路構成を説明する概略断面図であって図1のA−A′線に準じた概略断面図である。図32は、流路構成を説明する概略断面図であって図1のB−B′線に準じた概略断面図である。
図31及び図32に示すように、第1共通液室101と第2共通液室102とは、第2の方向Yに交互に配置されている。
また、1つの第1共通液室101からは、2列の個別流路200によって第2の方向Yの両側の第2共通液室102にインクが送られる。また、1つの第2共通液室102には、2列の個別流路200によって第2の方向Yの両側の第1共通液室101からインクが送られる。すなわち、第1共通液室101と2列の個別流路200とを連通し、1つの第2共通液室102と2列の個別流路200とを連通するようにした。このように、第1共通液室101及び第2共通液室102を個別流路200の2列に対して兼用させることで、ノズル21を高密度に配置して流路基板400の小型化を図ることができる。
また、上述した各実施形態では、第2の方向Yにおいて、第1共通液室101と第2共通液室102との間に個別流路200が設けられた構成を例示したが、特にこれに限定されない。ここで、記録ヘッド1の変形例を図33〜図35を参照して説明する。なお、図33は、流路構成を説明する概略断面図であって図1のA−A′線に準じた概略断面図である。図34は、流路構成を説明する概略断面図であって図1のB−B′線に準じた概略断面図である。図35は、流路を模式的に表した図である。
図33及び図34に示すように、第1共通液室101と第2共通液室102とが第2の方向Yに並設されている。また、第1共通液室101から第2共通液室102にインクを送る個別流路200の各ノズル21は、第2の方向Yにおいて、第1共通液室101の第2共通液室102とは反対側に配置されている。
具体的には、個別流路200は、第1ノズル21Aを有する第1個別流路200Aと第2ノズル21Bを有する第2個別流路200Bとを有する。
図33に示すように、第1個別流路200Aは、第23流路223と第1圧力室12Aと第24流路224と第1ノズル21Aと第25流路225とを有する。
第23流路223は、第1共通液室101から第2の方向Yの第2共通液室102とは反対側に向かって第2の方向Yに沿って延設されている。
第1圧力室12Aは、流路基板400のZ1側に配置されている。
第24流路224は、第3の方向Zに沿って形成されており、第1圧力室12Aと第1ノズル21Aとを連通する。
第25流路225は、第2の方向Yに沿って形成されており、第24流路224と第2共通液室102とを連通する。
すなわち、第1個別流路200Aは、第1共通液室101から第2の方向Yの第2共通液室102とは反対側に向かって延設されて、第2共通液室102と連通して設けられている。
このような第1個別流路200Aには、第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れる方向に対して第1圧力室12Aと第1ノズル21Aとがこの順番に配置されている。
図34に示すように、第2個別流路200Bは、第26流路226と第27流路227と第2ノズル21Bと第28流路228と第2圧力室12Bと第29流路229とを具備する。
第26流路226は、第1共通液室101から第3の方向ZのZ2側に向かって延設されている。
第27流路227は、第26流路226から第2の方向Yにおいて第2共通液室102とは反対側に向かって延設されている。
第28流路228は、第2ノズル21Bに連通する位置に第3の方向Zに沿って延設されている。
第2圧力室12Bは、第1圧力室12Aとは第2の方向Yに異なる位置に配置されている。
第29流路229は、第2圧力室12Bと第2共通液室102とを連通するように第2の方向Yに沿って延設されている。
すなわち、第2個別流路200Bは、第1共通液室101から第2の方向Yの第2共通液室102とは反対側に向かって延設されて、第2共通液室102と連通して設けられている。
このような第2個別流路200Bには、第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れる方向に対して第2ノズル21Bと第2圧力室12Bとがこの順番に配置されている。すなわち、図35に示すように、第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとでは、第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れに対して圧力室12とノズル21との順番が異なるように配置されている。本実施形態では、各個別流路200に圧力室12とノズル21とが1つずつ設けられているため、第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとは、圧力室12とノズル21との順番が、逆転して配置されている。
このような構成では、第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとで、圧力室12とノズル21との順番を異ならせることで、第1圧力室12Aと第2圧力室12Bとを第2の方向Yで異なる位置に配置することができ、圧力室12の並設方向である第1の方向Xの幅を広げて、排除体積を大きくすることや、圧力室12を高密度に配置することができる。
また、図33及び図34の記録ヘッド1では、第2の方向Yにおいて、第1共通液室101と第2共通液室102とに対して、第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとを一方側に配置したが、両側に配置してもよい。すなわち、1つの第1共通液室101に対して、第2の方向Yにおける両側に個別流路200を設け、1つの第2共通液室102に対して、第2の方向Yにおける両側に個別流路200を設けてもよい。
なお、上述した図33及び図34に示すように、第3の方向Zからの平面視において第1共通液室101と第2共通液室102との間にノズル21が設けられていない構成に比べて、上述した各実施形態のように第3の方向Zからの平面視において第1共通液室101と第2共通液室102との間にノズル21が設けられている構成では、個別流路200の構成を簡略化することができ、連通板15の多層化を抑制することができる。
また、上述した各実施形態では、各個別流路200にノズル21と圧力室12とが1つずつ設けられた構成を例示したが、ノズル21と圧力室12との数は特に限定されず、1つの圧力室12に対して2以上の複数のノズル21が設けられていてもよく、また、1つのノズル21に対して2以上の圧力室12が設けられていてもよい。ただし、1つの個別流路200に設けられたノズル21からは、1吐出周期で同時にインク滴が吐出されるものである。つまり、1つの個別流路200に複数のノズル21が設けられていても、複数のノズル21からは同時にインク滴を吐出するか、同時にインク滴を吐出しない非吐出かの何れかのみが行われればよい。すなわち、1つの個別流路200に複数のノズル21を設けた構成では、複数のノズル21からのインク滴の吐出、非吐出が同時に行われればよい。
また、上述した各実施形態では、流路基板は、流路形成基板10、連通板15、ノズルプレート20、コンプライアンス基板49、ケース部材40等を有するものとしたが、特にこれに限定されるものではなく、流路基板は1枚の基板であっても、また、2枚以上の複数の基板が積層されたものであってもよい。例えば、流路基板は、流路形成基板10、と、ノズルプレート20とを含んでいてもよく、連通板15と、コンプライアンス基板49と、ケース部材40とを含んでいなくてもよい。また、複数の流路形成基板10により1つの圧力室12を形成してもよいし、流路形成基板10に圧力室12と第1共通液室101と第2共通液室102とを形成してもよい。
また、上述した各実施形態では、圧力室12に圧力変化を生じさせるエネルギー発生素子として、薄膜型の圧電アクチュエーター300を用いて説明したが、特にこれに限定されず、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型の圧電アクチュエーターや、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電アクチュエーターなどを使用することができる。また、エネルギー発生素子として、圧力室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズルから液滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用することができる。
ここで、本実施形態の液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置の一例について図36を参照して説明する。なお、図36は、本発明のインクジェット式記録装置の概略構成を示す図である。
図36に示すように、液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置Iでは、複数の記録ヘッド1がキャリッジ3に搭載されている。記録ヘッド1を搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。本実施形態では、キャリッジ3の移動方向が第2の方向Yとなっている。
また、装置本体4には、液体としてインクが貯留された貯留手段であるタンク2が設けられている。タンク2は、チューブ等の供給管2aを介して記録ヘッド1と接続されており、タンク2からのインクは供給管2aを介して記録ヘッド1に供給される。また、記録ヘッド1とタンク2とはチューブ等の排出管2bを介して接続されており、記録ヘッド1から排出されたインクは排出管2bを介してタンク2に戻される、所謂、循環が行われる。なお、タンク2は、複数で構成されていてもよい。
そして、駆動モーター7の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7aを介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッド1を搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4には搬送手段としての搬送ローラー8が設けられており、紙等の被噴射媒体である記録シートSが搬送ローラー8により搬送されるようになっている。なお、記録シートSを搬送する搬送手段は、搬送ローラー8に限られずベルトやドラム等であってもよい。本実施形態では、記録シートSの搬送方向が第1の方向Xとなっている。
なお、上述したインクジェット式記録装置Iでは、記録ヘッド1がキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、記録ヘッド1が固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
ここで、本実施形態の液体循環システムの一例について図37を参照して説明する。なお、図37は、本発明の液体噴射システムであるインクジェット式記録システムを説明するブロック図である。
図37に示すように、液体循環システムであるインクジェット式記録システム(以下、略して記録システムとも言う)は、メインタンク500と、上述した各実施形態の記録ヘッド1と、第1タンク501と、第2タンク502と、コンプレッサー503と、真空ポンプ504と、第1送液ポンプ505と、第2送液ポンプ506と、を具備する。
第1タンク501には、記録ヘッド1及びコンプレッサー503が接続されており、コンプレッサー503によって第1タンク501のインクは所定の正圧で記録ヘッド1に供給される。
第2タンク502は、第1送液ポンプ505を介して第1タンク501と接続されており、第1送液ポンプ505によって第2タンク502のインクが第1タンク501に送液される。
また、第2タンク502には、記録ヘッド1と真空ポンプ504とが接続されており、真空ポンプ504によって記録ヘッド1のインクは所定の負圧で第2タンク502に排出される。
すなわち、第1タンク501から記録ヘッド1にインクが供給され、記録ヘッド1から第2タンク502にインクが排出される。そして、第1送液ポンプ505によって第2タンク502から第1タンク501へインクが送液されることでインクが循環する。
また、第2タンク502には、第2送液ポンプ506を介してメインタンク500が接続されており、記録ヘッド1によって消費された分のインクが、メインタンク500から第2タンク502に補充される。なお、メインタンク500から第2タンク502へのインクの補充は、例えば、第2タンク502内のインクの液面が所定の高さよりも低くなった場合などのタイミングで行えばよい。
なお、本実施形態では、第1共通液室101にインクを供給し、第2共通液室102からインクを回収するようにしたが、特にこれに限定されず、第2共通液室102にインクを供給し、第1共通液室101からインクを回収するようにしてもよい。すなわち個別流路200の循環流の向きが変わった場合であっても、上述の記録ヘッド1では、第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとは、第1共通液室101から第2共通液室102に向かうインクの流れる方向に対して互いに反転させた形状となっているため、ノズル21から吐出されるインク滴の吐出特性が変化することがない。
また、第1共通液室101から個別流路200を介して第2共通液室102にインクを流した状態で、ノズル21からインク滴を吐出しない非吐出時において、ノズル21の並設方向である第1の方向Xで隣接する個別流路200のノズル21内の大気圧を基準としたインクの圧力差は、±2%以内、つまり−2%以上、+2%以下であることが好ましい。例えば、大気圧を1013hPaとした場合、ノズル21内の圧力は約1000hPa程度である。したがって、第1の方向Xで隣接するノズル21内のインクの圧力差は、最大で約20hPa程度である。
このように非吐出時において、第1の方向Xで隣接する第1ノズル21A内のインクの圧力と、第2ノズル21B内のインクの圧力との差を、−2%以上、+2%以下と比較的小さくすることで、第1ノズル21Aから吐出されるインク滴と第2ノズル21Bから吐出されるインク滴との吐出特性にばらつきが生じるのを抑制することができる。このように、第1ノズル21A内のインクの圧力と、第2ノズル21B内のインクの圧力との差を比較的小さくするには、第1共通液室101から第1ノズル21Aまでの流路抵抗と、第1共通液室101から第2ノズル21Bまでの流路抵抗とを、ノズル21内のインクの圧力差が、−2%以上、+2%以下となるように揃える必要がある。そして、第1共通液室101から第1ノズル21Aまでの流路抵抗と、第1共通液室101から第2ノズル21Bまでの流路抵抗とをノズル21内のインクの圧力差が、−2%以上、+2%以下となるように形成する場合、第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとを同じ形状で且つインクの流れる方向に対して互いに反転させた形状とすることで、個別流路200の構造を簡略化して第1圧力室12A及び第2圧力室12Bを第2の方向Yで異なる位置に配置することができる。
また、第1上流流路と第1下流流路との流路抵抗、及び、第2上流流路と第2下流流路との流路抵抗や、第1の方向Xで隣接する2つのノズル21内のインクの圧力差は、上述したものに限定されるものではない。例えば、第1上流流路と第1下流流路との流路抵抗、及び、第2上流流路と第2下流流路との流路抵抗のそれぞれが異なる場合や、第1ノズル21A内のインクの圧力と第2ノズル21B内のインクの圧力とが−2%より小さい、又は、+2%よりも大きくてもよい。このような場合には、ノズル21の並設方向で隣接する個別流路200のそれぞれの圧電アクチュエーター300に印加する電圧を異ならせるようにすればよい。
ここで、本実施形態の記録システムについて説明する。なお、図38は、本発明の液体噴射システムの一例であるインクジェット式記録システムの電気的構成を説明する図である。
本実施形態の記録システムは、エネルギー発生素子である圧電アクチュエーター300に駆動パルスを供給する制御部600を備える。
制御部600は、外部インターフェース601(以下、略して外部I/F601という)と、各種データを一時的に記憶するRAM602と、制御プログラム等を記憶したROM603と、CPU等を含んで構成した制御処理部604と、クロック信号(CK)を発生する発振回路605と、記録ヘッド1へ供給するための駆動信号を発生する駆動信号発生部606と、駆動信号や印刷データに基づいて展開されたドットパターンデータ(ビットマップデータ)等を記録ヘッド1に送信する内部インターフェース607(以下、略して内部I/F607という)と、を備えている。
外部I/F601は、例えば、キャラクタコード、グラフィック関数、イメージデータ等によって構成される印刷データを、図示しないホストコンピューター等から受信する。また、この外部I/F601を通じてビジー信号(BUSY)やアクノレッジ信号(ACK)が、ホストコンピューター等の外部装置に対して出力される。RAM602は、受信バッファー602A、中間バッファー602B、出力バッファー602C、及び、図示しないワークメモリーとして機能する。そして、受信バッファー602Aは外部I/F601によって受信された印刷データを一時的に記憶し、中間バッファー602Bは制御処理部604が変換した中間コードデータを記憶し、出力バッファー602Cはドットパターンデータを記憶する。なお、このドットパターンデータは、階調データをデコード(翻訳)することにより得られる記録データ(SI)によって構成してある。
駆動信号発生部606は、第1駆動信号COM1を発生可能な第1駆動信号発生手段である第1駆動信号発生部606Aと、第2駆動信号COM2を発生可能な第2駆動信号発生手段である第2駆動信号発生部606Bと、を具備する。
ここで、第1駆動信号発生部606Aが生成する第1駆動信号COM1は、ノズル21からインク滴を吐出させるように圧電アクチュエーター300を駆動する第1吐出パルスDP1を1記録周期T内に有する信号であり、記録周期T毎に繰り返し発生される。
また、第2駆動信号発生部606Bが生成する第2駆動信号COM2は、詳しくは後述するが、ノズルからインク滴を吐出させるように圧電アクチュエーター300を駆動する第2吐出パルスDP2を1記録周期T内に有する信号であり、記録周期T毎に繰り返し発生される。なお、第2吐出パルスDP2は、第1吐出パルスDP1と同じ記録周期T内で同じタイミングで生成されるものである。なお、記録周期Tは、駆動信号COMの繰り返し単位であり、本発明における吐出周期の一種であり、記録シートSに印刷する画像の1画素分に対応する。なお、第1駆動信号COM1、第2駆動信号COM2の詳細については後述する。
ROM603には、各種データ処理を行わせるための制御プログラム(制御ルーチン)の他に、フォントデータ、グラフィック関数等を記憶させてある。制御処理部604は、受信バッファー602A内の印刷データを読み出すと共に、この印刷データを変換して得た中間コードデータを中間バッファー602Bに記憶させる。また、中間バッファー602Bから読み出した中間コードデータを解析し、ROM603に記憶させているフォントデータ及びグラフィック関数等を参照して、中間コードデータをドットパターンデータに展開する。そして、制御処理部604は、必要な装飾処理を施した後に、この展開したドットパターンデータを出力バッファー602Cに記憶させる。
そして、記録ヘッド1の1行分に相当するドットパターンデータが得られたならば、この1行分のドットパターンデータは、内部I/F607を通じて記録ヘッド1に出力される。また、出力バッファー602Cから1行分のドットパターンデータが出力されると、展開済みの中間コードデータは中間バッファー602Bから消去され、次の中間コードデータについての展開処理が行われる。
なお、詳しくは後述するが、制御部600の制御処理部604は、外部装置から外部I/F601を介して受信した印刷データ等に基づいてドットパターンデータ等の記録データを生成する際に、1行のドットパターンデータにおいて、インク滴が吐出される隣接する連続したノズル21でノズル群を構成し、ノズル群を構成するノズル21のうち、端部のノズル21から吐出されるインク滴の吐出タイミングを、端部以外のノズル21から吐出されるインク滴の吐出タイミングに対してずらす機能を実現する。このような制御プログラムは、外部I/F601を介して直接接続された、又はホストコンピューターを介して接続されたフロッピィディスクやCDROM、DVDROM、USBメモリー等の記録媒体から読み込まれる。もちろん、制御プログラムはホストコンピューターにプリンタードライバーとして備えられていてもよい。このように制御プログラムがホストコンピューターに備えられた場合には、特許請求の範囲に記載の制御部は、制御プログラムを具備するホストコンピューターとなる。
一方、記録ヘッド1は、第1シフトレジスタ122A及び第2シフトレジスタ122Bからなるシフトレジスタ回路と、第1ラッチ回路123A及び第2ラッチ回路123Bからなるラッチ回路と、デコーダー124と、制御ロジック125と、第1レベルシフター126A及び第2レベルシフター126Bからなるレベルシフター回路と、第1スイッチ127A及び第2スイッチ127Bからなるスイッチ回路と、圧電アクチュエーター300とを具備する。そして、各シフトレジスタ122A、122B、各ラッチ回路123A、133B、各レベルシフター126A、126B、スイッチ127A、127B及び圧電アクチュエーター300は、それぞれノズル21の各々に対応して設けられている。
この記録ヘッド1は、制御部600からの記録データ(SI)に基づいてインク滴を吐出させる。本実施形態では、記録データの上位ビット群、記録データの下位ビット群の順に記録ヘッド1へ送られてくるので、まず、記録データの上位ビット群が第2シフトレジスタ122Bにセットされる。全てのノズル21について記録データの上位ビット群が第2シフトレジスタ122Bにセットされると、これらの上位ビット群が第1シフトレジスタ122Aにシフトする。これと同時に、記録データの下位ビット群が第2シフトレジスタ122Bにセットされる。
第1シフトレジスタ122Aの後段には、第1ラッチ回路123Aが電気的に接続され、第2シフトレジスタ122Bの後段には、第2ラッチ回路123Bが電気的に接続されている。そして、制御部600からのラッチ信号(LAT)が各ラッチ回路123A、123Bに入力されると、第1ラッチ回路123Aは記録データの上位ビット群をラッチし、第2ラッチ回路123Bは記録データの下位ビット群をラッチする。各ラッチ回路123A、123Bでラッチされた記録データ(上位ビット群、下位ビット群)は、それぞれデコーダー124に出力される。このデコーダー124は、記録データの上位ビット群及び下位ビット群に基づいて、第1駆動信号COM1、第2駆動信号COM2を構成する第1吐出パルスDP1、第2吐出パルスDP2を選択するためのパルス選択データを生成する。
パルス選択データは、第1駆動信号COM1及び第2駆動信号COM2毎に生成される。すなわち、第1駆動信号COM1に対応する第1パルス選択データは、1ビットのデータによって構成されている。また、第2駆動信号COM2に対応する第2パルス選択データは、1ビットのデータによって構成されている。
また、デコーダー124には、制御ロジック125からのタイミング信号も入力される。この制御ロジック125は、ラッチ信号やチャンネル信号の入力に同期してタイミング信号を発生する。このタイミング信号も第1駆動信号COM1及び第2駆動信号COM2毎に生成される。デコーダー124によって生成された各パルス選択データは、タイミング信号によって規定されるタイミングで上位ビット側から順次各レベルシフター126A、126Bに入力される。これらレベルシフター126A、126Bは、電圧増幅器として機能し、パルス選択データが「1」の場合には、対応するスイッチ127A、127Bが駆動可能な電圧値、例えば、数十ボルトに昇圧した電気信号を出力する。すなわち、第1パルス選択データが「1」の場合には、第1スイッチ127Aに電気信号が出力され、第2パルス選択データが「1」の場合には、第2スイッチ127Bに電気信号が出力されて接続状態となる。
第1スイッチ127Aの入力側には第1駆動信号発生部606Aからの第1駆動信号COM1が供給されており、第2スイッチ127Bの入力側には第2駆動信号発生部606Bからの第2駆動信号COM2が供給されている。また、各スイッチ127A、127Bの出力側には、圧電アクチュエーター300が電気的に接続されている。そして、これら第1スイッチ127A及び第2スイッチ127Bは、発生される駆動信号の種類毎に設けられており、駆動信号発生部606と圧電アクチュエーター300との間に介在して第1駆動信号COM1及び第2駆動信号COM2を圧電アクチュエーター300に選択的に供給する。なお、第1スイッチ127A及び第2スイッチ127Bが共に切断状態となると、圧電アクチュエーター300には第1駆動信号COM1及び第2駆動信号COM2が供給されない。
このようなパルス選択データは、各スイッチ127A、127Bの動作を制御する。すなわち、第1スイッチ127Aに入力されたパルス選択データが「1」である期間中は、この第1スイッチ127Aが接続された導通状態となり、第1駆動信号COM1が圧電アクチュエーター300に供給される。同様に、第2スイッチ127Bに入力されたパルス選択データが「1」である期間中は、この第2スイッチ127Bが接続された導通状態となり、第2駆動信号COM2が圧電アクチュエーター300に供給される。そして、供給された第1駆動信号COM1及び第2駆動信号COM2に応じて圧電アクチュエーター300に印加される駆動信号が変化する。一方、各スイッチ127A、127Bに入力されたパルス選択データが共に「0」の期間中は、各スイッチ127A、127Bが切断状態となり、圧電アクチュエーター300には第1駆動信号COM1及び第2駆動信号COM2が供給されない。要するにパルス選択データとして「1」が設定された期間のパルスが選択的に圧電アクチュエーター300に供給される。なお、パルス選択データが共に「0」の期間において、各圧電アクチュエーター300は直前の電位を保持するので、直前の変位状態が維持される。
このように、本実施形態では、デコーダー124、制御ロジック125、各レベルシフター126A、125B及び各スイッチ127A、127Bは、駆動素子制御手段として機能し、記録データ(階調データ)に応じて第1駆動信号COM1及び第2駆動信号COM2の供給を制御することにより圧電アクチュエーター300の挙動を制御する。
次に、駆動信号発生部606が発生する第1駆動信号COM1及び第2駆動信号COM2と、これら第1駆動信号COM1及び第2駆動信号COM2の圧電アクチュエーター300への供給制御について説明する。なお、図39は、駆動信号を示す駆動波形である。
図39に示した駆動信号を示す駆動波形は、第1駆動信号COM1と第2駆動信号COM2とからなる。
第1駆動信号COM1は、発振回路605から発信されるクロック信号により規定される単位周期T(吐出周期Tであって、記録周期Tともいう)毎に駆動信号発生部606の第1駆動信号発生部606Aから繰り返し生成される。単位周期Tは、記録シートSに印刷する画像等の1画素分に対応する。本実施形態では、単位周期Tにおいて駆動パルスである第1吐出パルスDP1が生成される。
同様に、第2駆動信号COM2は、第1駆動信号COM1と同じ単位周期T毎に駆動信号発生部606の第2駆動信号発生部606Bから繰り返し生成される。本実施形態では、単位周期Tにおいて駆動パルスである第2吐出パルスDP2が生成される。そして、印刷中において記録シートSの記録領域に1行分(1ラスター分)のドットパターンを形成するとき、各ノズル21に対応する圧電アクチュエーター300には、第1吐出パルスDP1及び第2吐出パルスDP2の何れか一方が選択的に供給される。なお、本実施形態では、第1駆動信号COM1、第2駆動信号COM2は、圧電アクチュエーター300の共通電極である第1電極60を基準電位(vbs)として、個別電極である第2電極80に供給される。すなわち、駆動信号によって第2電極80に印加される電圧は、基準電位(vbs)を基準としての電位として表される。
具体的には、第1駆動信号COM1の第1吐出パルスDP1は、中間電位Vmが印加された状態から第1電位Vまで印加して圧力室12の容積を基準容積から膨張させる第1膨張要素P01と、第1膨張要素P01によって膨張した圧力室12の容積を一定時間維持する第1膨張維持要素P02と、第1電位Vから第2電位Vまで印加して圧力室12の容積を収縮させる第1収縮要素P03と、第1収縮要素P03によって収縮した圧力室12の容積を一定時間維持する第1収縮維持要素P04と、第2電位Vの収縮状態から中間電位Vmの基準容積まで圧力室12を復帰させる第1膨張復帰要素P05と、を具備する。
このような第1吐出パルスDP1が圧電アクチュエーター300に供給されると、第1膨張要素P01によって圧電アクチュエーター300が圧力室12の容積を膨張させる方向に変形して、ノズル21内のメニスカスが圧力室12側に引き込まれると共に、圧力室12には第1共通液室101及び第2共通液室102からインクが供給される。そして、圧力室12の膨張状態は、第1膨張維持要素P02で維持される。その後、第1収縮要素P03が供給されて圧力室12は膨張容積から第2電位Vに対応する収縮容積まで急激に収縮され、圧力室12内のインクが加圧されてノズル21からインク滴が吐出される。圧力室12の収縮状態は、第1収縮維持要素P04で維持され、この間にインク滴の吐出によって減少した圧力室12内のインク圧力は、その固有振動によって再び上昇する。この上昇タイミングに合わせて第1膨張復帰要素P05が供給されて、圧力室12が基準容積まで復帰し、圧力室12内の圧力変動が吸収される。
これに対して、第2駆動信号COM2の第2吐出パルスDP2は、中間電位Vmが印加された状態から第1電位Vまで印加して圧力室12の容積を基準容積から膨張させる第2膨張要素P11と、第2膨張要素P11によって膨張した圧力室12の容積を一定時間維持する第2膨張維持要素P12と、第1電位Vから第3電位Vまで印加して圧力室12の容積を収縮させる第2収縮要素P13と、第2収縮要素P13によって収縮した圧力室12の容積を一定時間維持する第2収縮維持要素P14と、第3電位Vの収縮状態から中間電位Vmの基準容積まで圧力室12を復帰させる第2膨張復帰要素P15と、を具備する。
これら第2駆動信号COM2の第2収縮要素P13の第1電位Vから第3電位Vまでに印加される第2印加電圧ΔVは、第1駆動信号COM1の第1収縮要素P03の第1電位Vから第2電位Vまでに印加される第1印加電位ΔVよりも小さい。本実施形態では、第2収縮要素P13の終点電位である第3電位Vを第1収縮要素P03の終点電位である第2電位Vよりも小さくすることで、第2印加電圧ΔVを第1印加電位ΔVよりも小さくしている。もちろん、第2吐出パルスDP2の第2収縮要素P13の始点電位である第1電位Vを、第1吐出パルスDP1の第1収縮要素P03の始点電位である第1電位Vよりも大きくすることで、第2印加電圧ΔVを第1印加電位ΔVよりも小さくしてもよく、始点電位と終点電位の両方の電位を変更するようにしてもよい。
このように第2吐出パルスDP2の第2印加電位ΔVは、第1吐出パルスDP1の第1印加電位ΔVよりも小さい、第2吐出パルスDP2で吐出させたインク滴の方が、第1吐出パルスDP1で吐出させたインク滴に比べて重量が小さくなる。
ここで、例えば、第1個別流路200Aの第1上流流路の流路抵抗が第1下流流路よりも大きい場合、第1個別流路200Aと第2個別流路200Bとを反転させた構造とすると、第2個別流路200Bの第2上流流路の流路抵抗は、第2下流流路の流路抵抗よりも小さくなる。このため、第1ノズル21A内のインクの圧力は、第2ノズル21B内のインクの圧力に比べて小さくなり、第1ノズル21Aから吐出されるインク滴の重量は第2ノズル21Bから吐出されるインク滴の重量に比べて小さくなる。
このため、本実施形態の記録システムの制御部600によって、第1個別流路200A及び第2個別流路200Bのそれぞれに対応する圧電アクチュエーター300に異なる駆動パルスを供給する。具体的には、インク滴の重量が小さくなる第1個別流路200Aに対応する圧電アクチュエーター300には、第1駆動信号COM1の第1吐出パルスDP1を印加し、インク滴の重量が大きくなる第2個別流路200Bに対応する圧電アクチュエーター300には、第2駆動信号COM2の第2吐出パルスDP2を印加する。これにより、第1ノズル21A内のインクの圧力と第2ノズル21B内のインクの圧力とに比較的大きな差が生じたとしても、圧電アクチュエーター300に印加する電圧を調整することで、第1ノズル21A及び第2ノズル21Bから吐出されるインク滴の重量のばらつきを低減して、印刷品質を向上することができる。
なお、本実施形態では、第1吐出パルスDP1の第1収縮要素P03の第1印加電位ΔVと、第2吐出パルスDP2の第2収縮要素P13の第2印加電圧ΔVとを変更することで、ノズル21から吐出されるインク滴の重量を変更するようにしたが、特にこれに限定されない。例えば、第1吐出パルスDP1の第1膨張要素P01と、第2吐出パルスDP2の第2膨張要素P11との印加電位及び傾きの少なくとも一方を変更することによっても吐出されるインク滴の重量を変更することができる。また、第1吐出パルスDP1の第1膨張維持要素P02と第2吐出パルスDP2の第2膨張維持要素P12との時間成分を変更することでも吐出されるインク滴の重量を変更することができる。さらに、第1吐出パルスDP1の第1収縮要素P03と第2吐出パルスDP2の第2収縮要素P13との傾きを変更することでもインク滴の重量を変更することができる。なお、これらは2以上を組み合わせて変更するようにしてもよい。
すなわち、第1吐出パルスDP1と第2吐出パルスDP2とで、インク滴の重量に関わる印加電位、傾き、時間の少なくとも一つを変更することで、インク滴の重量を変更して、第1ノズル21Aと第2ノズル21Bとのそれぞれから吐出されるインク滴の重量のばらつきを低減することができ、印刷品質を向上することができる。
なお、各実施形態では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを、また液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録装置を挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド及び液体噴射装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドや液体噴射装置にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられ、かかる液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置、液体噴射システムにも適用できる。
I…インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、1…インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、2…タンク、2a…供給管、2b…排出管、3…キャリッジ、4…装置本体、5…キャリッジ軸、7…駆動モーター、7a…タイミングベルト、8…搬送ローラー、10…流路形成基板、12…圧力室、12A…第1圧力室、12B…第2圧力室、15…連通板、151…第1連通板、152…第2連通板、16…第1連通部、16a…第1幅狭部、16b…第1幅広部、17…第2連通部、17a…第2幅狭部、17b…第2幅広部、20…ノズルプレート、20a…ノズル面、21…ノズル、21A…第1ノズル、21B…第2ノズル、22A…第1ノズル列、22B…第2ノズル列、30…保護基板、31…圧電アクチュエーター保持部、32…貫通孔、40…ケース部材、41…第1液室部、42…第2液室部、43…導入口、44…排出口、45…接続口、49…コンプライアンス基板、491…封止膜、492…固定基板、493…開口部、494…コンプライアンス部、494A…第1コンプライアンス部、494B…第2コンプライアンス部、495A…第1開口、495B…第2開口、50…振動板、60…第1電極、70…圧電体層、80…第2電極、90…リード電極、101…第1共通液室、102…第2共通液室、120…フレキシブルケーブル、121…駆動回路、122A…第1シフトレジスタ、122B…第2シフトレジスタ、123A…第1ラッチ回路、123B…第2ラッチ回路、124…デコーダー、125…制御ロジック、126A…第1レベルシフター、126B…第2レベルシフター、127A…第1スイッチ、127B…第2スイッチ、200…個別流路、200A…第1個別流路、200B…第2個別流路、201…第1流路、202…第2流路、203…第3流路、204…第4流路、205…第5流路、206…第6流路、207…第7流路、208…第8流路、209…第9流路、210…第10流路、211…第11流路、212…第12流路、213…第13流路、214…第14流路、215…第15流路、216…第16流路、217…第17流路、218…第18流路、219…第19流路、220…第20流路、221…第21流路、222…第22流路、223…第23流路、224…第24流路、225…第25流路、226…第26流路、227…第27流路、228…第28流路、229…第29流路、300…圧電アクチュエーター、400…流路基板、500…メインタンク、501…第1タンク、502…第2タンク、503…コンプレッサー、504…真空ポンプ、505…第1送液ポンプ、506…第2送液ポンプ、600…制御部、601…外部インターフェース(外部I/F)、602A…受信バッファー、602B…中間バッファー、602C…出力バッファー、604…制御処理部、605…発振回路、606…駆動信号発生部、606A…第1駆動信号発生部、606B…第2駆動信号発生部、607…内部インターフェース(内部I/F)、COM…駆動信号、COM1…第1駆動信号、COM2…第2駆動信号、DP1…第1吐出パルス、DP2…第2吐出パルス、P01…第1膨張要素、P02…第1膨張維持要素、P03…第1収縮要素、P04…第1収縮維持要素、P05…第1膨張復帰要素、P11…第2膨張要素、P12…第2膨張維持要素、P13…第2収縮要素、P14…第2収縮維持要素、P15…第2膨張復帰要素、S…記録シート、T…記録周期(単位周期、吐出周期)、Vm…中間電位、V…第1電位、V…第2電位、V…第3電位、X…第1の方向、Y…第2の方向、Z…第3の方向

Claims (21)

  1. 流路が形成された流路基板と、
    前記流路の液体に圧力変化を生じさせるためのエネルギー発生素子と、を備え、
    前記流路は、第1共通液室と、第2共通液室と、前記第1共通液室および前記第2共通液室に連通して前記第1共通液室から前記第2共通液室に向かって液体が流れる個別流路と、を含み、
    前記個別流路は、外部と連通するノズルと、前記エネルギー発生素子により圧力変化が生じる圧力室と、を備え、
    複数の前記個別流路のうち、前記ノズルの並設方向において隣接する3つの前記個別流路は、それぞれ、前記第1共通液室および前記第2共通液室に連通し、
    前記並設方向において隣接する2つの前記個別流路は、前記第1共通液室から前記第2共通液室に向かう液体の流れる方向において、前記圧力室と前記ノズルとの並び順が異なることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記個別流路のうち、前記ノズルから前記第1共通液室までの上流流路の流路抵抗と、前記ノズルから前記第2共通液室までの下流流路の流路抵抗とは、同じであることを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記ノズルは、前記流路基板の前記ノズルが開口するノズル面の面内方向に延びる流路の途中に連通して配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記並設方向から平面視した際に、前記2つの前記個別流路において、前記ノズルの間隔は、前記圧力室の間隔よりも小さいことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 複数の前記個別流路は、
    前記ノズルが前記圧力室よりも下流側に設けられた第1個別流路と、
    前記ノズルが前記圧力室よりも上流側に設けられた第2個別流路と、
    を有し、
    前記第1個別流路と前記第2個別流路とが前記並設方向で隣接する位置に配置されており、
    前記ノズルが開口するノズル面の垂線方向において、前記第1個別流路の前記圧力室と、前記第2個別流路のうち前記ノズルよりも前記第1共通液室側の流路であって、前記ノズル面の面内方向に延びる流路とは、異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  6. 前記ノズル面の垂線方向から平面視した際に、前記第1個別流路の前記圧力室と、前記第2個別流路のうち前記ノズルよりも前記第1共通液室側の流路であって、前記ノズル面の面内方向に延びる流路とは、少なくとも一部が重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項5記載の液体噴射ヘッド。
  7. 複数の前記個別流路は、
    前記ノズルが前記圧力室よりも下流側に設けられた第1個別流路と、
    前記ノズルが前記圧力室よりも上流側に設けられた第2個別流路と、
    を有し、
    前記第1個別流路と前記第2個別流路とが前記並設方向で隣接する位置に配置されており、
    前記ノズルが開口するノズル面の垂線方向において、前記第1個別流路の前記圧力室と、前記第2個別流路のうち前記ノズルよりも前記第1共通液室側の流路であって、前記ノズル面の面内方向に延びる流路とは、同じ位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  8. 前記第1共通液室と前記第2共通液室とのそれぞれの壁面の一部には、液体の圧力を吸収可能なコンプライアンス部が設けられていることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  9. 前記流路基板は、液体の圧力変動を吸収可能なコンプライアンス部と、前記ノズルが設けられたノズルプレートと、を含み、
    前記コンプライアンス部と前記ノズルプレートとは、前記ノズルが開口するノズル面の垂線方向において、前記個別流路に対して同じ側に配置されていることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  10. 前記コンプライアンス部は、前記ノズルプレートに形成されていることを特徴とする請求項9記載の液体噴射ヘッド。
  11. 前記コンプライアンス部は、前記ノズルプレートとは異なる部材に形成されていることを特徴とする請求項9記載の液体噴射ヘッド。
  12. 前記個別流路は、前記ノズルから前記第1共通液室までの間に、前記ノズルが開口するノズル面の垂線方向に延びる上流連通路を有し、
    前記2つの前記個別流路の前記上流連通路同士は、前記並設方向から見た場合に、互いに重なっていない部分を有することを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  13. 前記ノズルが開口するノズル面の垂線方向から平面視した際に、前記第1共通液室と前記第2共通液室との間に前記ノズルが配置されていることを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  14. 複数の前記個別流路は、
    前記ノズルが前記圧力室よりも下流側に設けられた第1個別流路と、
    前記ノズルが前記圧力室よりも上流側に設けられた第2個別流路と、
    を有し、
    前記第1個別流路と前記第2個別流路とが前記並設方向で隣接する位置に配置されており、
    前記第1個別流路は、前記圧力室から前記ノズルまでの間に、前記ノズルが開口するノズル面の垂線方向に延びる第1連通路を有し、
    前記第2個別流路は、前記圧力室から前記ノズルまでの間に、前記ノズル面の垂線方向に延びる第2連通路を有し、
    前記第1連通路は、前記ノズル側の開口が前記圧力室側の開口よりも前記第2共通液室側に位置し、
    前記第2連通路は、前記ノズル側の開口が前記圧力室側の開口よりも前記第1共通液室側に位置する
    ことを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  15. 流路が形成された流路基板と、
    前記流路の液体に圧力変化を生じさせるためのエネルギー発生素子と、を備え、
    前記流路は、第1共通液室と、第2共通液室と、前記第1共通液室および前記第2共通液室に連通して前記第1共通液室から前記第2共通液室に向かって液体が流れる個別流路と、を含み、
    前記個別流路は、外部と連通するノズルと、前記エネルギー発生素子により圧力変化が生じる圧力室と、を備え、
    前記流路基板は、第1流路基板と第2流路基板と第3流路基板とを備え、
    前記第1流路基板と前記第2流路基板との間に、並設方向に第1の解像度で流路が形成され、
    前記第2流路基板と前記第3流路基板との間に、前記並設方向に前記第1の解像度よりも大きな解像度の第2の解像度で流路が形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  16. 前記第3流路基板が、前記ノズルが形成されたノズルプレートを含むことを特徴とする請求項15記載の液体噴射ヘッド。
  17. 前記第1の解像度は、流路が並ぶ方向における流路のピッチであることを特徴とする請求項15又は16記載の液体噴射ヘッド。
  18. 請求項1〜17の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
  19. 請求項1〜17の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドと、
    前記第1及び第2の共通液室の何れか一方の共通液室に液体を供給すると共に、他方の共通液室から液体を回収して前記個別流路内に循環流を生じさせる循環系と、
    を具備する液体噴射システム。
  20. 前記個別流路内に循環流が生じている状態で、前記ノズルから液体を吐出させない非吐出時の前記ノズル内の圧力は、当該ノズル間で±2%以内の差であることを特徴とする請求項19記載に液体噴射システム。
  21. 前記エネルギー発生素子に駆動パルスを供給する制御部を備えており、前記制御部は、前記2つの前記個別流路のそれぞれに対応するエネルギー発生素子に異なる駆動パルスを供給することを特徴とする請求項19又は20記載の液体噴射システム。
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