JP2015116784A - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体の吐出特性にばらつきが生じるのを抑制し、ヘッドコントローラーの小型化を図り、高速印刷が可能な液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。【解決手段】圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧電アクチュエーターと、圧電アクチュエーターを駆動する駆動電位を圧電アクチュエーターに印加するか否かを制御するスイッチ素子236と、を有し、複数の圧電アクチュエーターのうち第1圧電アクチュエーター300Aは、スイッチ素子236Aの制御により印加された駆動電位に基づいて、圧力発生室に対応するノズル開口から液体を噴射し、複数のアクチュエーターのうち第2圧電アクチュエーター300Bは、第1圧電アクチュエーターから液体が噴射される間、スイッチ素子236Bの制御により駆動電位が印加され、第2圧電アクチュエーターは、複数あり、複数の第2圧電アクチュエーターは、共通のスイッチ素子から駆動電位が供給される。【選択図】図8

Description

本発明は、ノズル開口から液体を噴射する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
液体噴射ヘッドであるインクジェット式記録ヘッドとしては、例えば、ノズル開口に連通する圧力発生室が複数並設された流路形成基板と、この流路形成基板の一方面側に振動板を介して設けられた圧電アクチュエーターとを具備し、圧電アクチュエーターによって圧力発生室内の容積を変化させることで圧力変化を生じさせて圧力発生室に連通するノズル開口からインク滴を吐出させる。
このようなインクジェット式記録ヘッドの並設された圧力発生室のうち、並設方向の端部に設けられた圧力発生室は、並設方向の一方が隔壁を挟んで圧力発生室が隣り合っているのに対し、並設方向の他方は圧力発生室が隣り合っていない。このため、圧力発生室が隣り合っている側の隔壁に比べて、圧力発生室が隣り合っていない側の隔壁の剛性が高く、圧力発生室の圧力変化によって変形し難いため、並設方向の端部の圧力発生室の隔壁が変形することによる圧力損失と、並設方向中央部の圧力発生室、すなわち、並設方向の両隣に圧力発生室が存在する圧力発生室の圧力損失とに差が生じ、ノズル開口から吐出されるインク滴の飛翔速度等の吐出特性にばらつきが生じてしまうという問題がある。
このため、インク滴の吐出に用いる並設方向の端部に設けられた圧力発生室の隣に、インク滴の吐出に用いられないダミーの圧力発生室を設け、インク滴の吐出に用いる圧力発生室の両側の隔壁の剛性にばらつきが生じるのを抑制して、インク滴の吐出特性のばらつきを抑制した構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−262242号公報
しかしながら、ダミーの圧力発生室を設けることで、吐出に用いる圧力発生室の両側の隔壁の剛性を揃えることができるものの、単にダミーの圧力発生室を設けただけでは、インク滴の吐出特性のばらつきを抑制するのが困難な場合があるという問題がある。これは、インク滴を吐出させる印刷時において、吐出に用いる圧電アクチュエーターには、駆動電位が印加されるものの、ダミーの圧力発生室に対応して圧電アクチュエーターが設けられていないか、ダミーの圧力発生室に対応する圧電アクチュエーターが設けられていたとしても、ダミーの圧力発生室に対応する圧電アクチュエーターは駆動されないため、ダミーの圧力発生室と吐出に用いる圧力発生室との隔壁の剛性と、吐出に用いる圧力発生室の間の隔壁の剛性とに差が生じてしまう場合があるためである。
そして、ダミーの圧力発生室に対応する圧電アクチュエーターに駆動電位を印加する場合、ダミーの圧力発生室に対応する圧電アクチュエーターを含む全ての圧電アクチュエーターにスイッチ素子を設けると、スイッチ素子からの出力信号線の数が増えてしまい、ヘッドコントローラーが大型化してしまうという問題がある。特に、ダミーの圧力発生室が複数設けられている場合には、無駄に駆動する圧電アクチュエーターの数が増大し、ヘッドコントローラーがさらに大型化してしまう。
また、ダミーの圧力発生室に対応する圧電アクチュエーターに駆動電位を印加する場合、ダミーの圧力発生室に対応する圧電アクチュエーター用の画素データを生成する必要があるので、高速印刷に影響を及ぼしてしまうという問題がある。
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドだけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、液体の吐出特性にばらつきが生じるのを抑制すると共に、ヘッドコントローラーの小型化を図り、且つ高速印刷が可能な液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧電アクチュエーターと、前記圧電アクチュエーターを駆動する駆動電位を当該圧電アクチュエーターに印加するか否かを制御するスイッチ素子と、を有し、複数の前記圧電アクチュエーターのうち第1圧電アクチュエーターは、前記スイッチ素子の制御により印加された駆動電位に基づいて、前記圧力発生室に対応するノズル開口から液体を噴射し、複数の前記アクチュエーターのうち第2圧電アクチュエーターは、前記第1圧電アクチュエーターから液体が噴射される間、前記スイッチ素子の制御により駆動電位が印加され、前記第2圧電アクチュエーターは、複数あり、複数の前記第2圧電アクチュエーターは、共通のスイッチ素子から駆動電位が供給されることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、複数の第2圧電アクチュエーターを共通のスイッチ素子で駆動電位を印加することで、スイッチ素子の数を減少させて、スイッチ素子を有するヘッドコントローラーの小型化及び発熱の低減を図ることができる。また、スイッチ素子の数を減少させて、画素データ等を減少させることができるため、高速印刷が可能となる。さらに、第1圧電アクチュエーターが設けられた圧力発生室を液体の吐出に用いる圧力発生室とし、第2圧電アクチュエーターが設けられた圧力発生室を液体の吐出に用いないダミーの圧力発生室とし、吐出用の圧力発生室が並設された端部の外側にダミー用の圧力発生室を配置すると共に第2圧電アクチュエーターを駆動することで、吐出用の圧力発生室の位置に拘わらず、圧力変動の伝播による圧力損失量のばらつきを抑制して、液体の飛翔速度等の吐出特性のばらつきを抑制することができる。
ここで、前記スイッチ素子は、前記駆動電位を変化させた駆動信号を前記第1圧電アクチュエーターに印加して、当該第1圧電アクチュエーターに対応する前記圧力発生室に連通する前記ノズル開口から液体を噴射し、前記共通のスイッチ素子は、前記駆動信号を前記第2圧電アクチュエーターに印加せずに、当該第2圧電アクチュエーターに対応する前記圧力発生室に連通する前記ノズル開口から液体を噴射させないことが好ましい。これによれば、複数の第2圧電アクチュエーターに共通するスイッチ素子に、吐出に用いる駆動電位の変化量、すなわち傾きの大きな波形の駆動信号を流す必要がなく、共通するスイッチ素子と第2圧電アクチュエーターとの間に過度な電流が流れるのを抑制することができる。
また、本発明の他の態様は、圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧電アクチュエーターと、前記圧電アクチュエーターを駆動する駆動電位を当該圧電アクチュエーターに印加するか否かを制御するスイッチ素子と、を有し、複数の前記圧電アクチュエーターのうち第1圧電アクチュエーターは、前記スイッチ素子の制御により印加された駆動電位に基づいて、前記圧力発生室に対応するノズル開口から液体を噴射し、複数の前記アクチュエーターのうち第2圧電アクチュエーターは、前記第1圧電アクチュエーターから液体が噴射される間、前記スイッチ素子の制御によらずに駆動電位が印加されることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、複数の第2圧電アクチュエーターに駆動電位をスイッチ素子を介さずに印加することができるため、さらにスイッチ素子の数を減少させて、スイッチ素子を有するヘッドコントローラーの小型化及び発熱の低減を図ることができる。また、第1圧電アクチュエーターが設けられた圧力発生室を液体の吐出に用いる圧力発生室とし、第2圧電アクチュエーターが設けられた圧力発生室を液体の吐出に用いないダミーの圧力発生室とし、吐出用の圧力発生室が並設された端部の外側にダミー用の圧力発生室を配置すると共に第2圧電アクチュエーターを駆動することで、吐出用の圧力発生室の位置に拘わらず、圧力変動の伝播による圧力損失量のばらつきを抑制して、液体の飛翔速度等の吐出特性のばらつきを抑制することができる。
ここで、前記スイッチ素子の制御によらずに前記第2圧電アクチュエーターに印加される駆動電位は、基準電位であることが好ましい。これによれば、第2圧電アクチュエーターに印加される駆動電位を基準電位とすることで、さらに第2圧電アクチュエーターに印加される駆動電位を生成する必要がなく、回路構成を簡略化することができる。
また、前記第2圧電アクチュエーターに対応する前記圧力発生室内には液体が充填されていないことが好ましい。これによれば、第2圧電アクチュエーターに駆動電位を印加した際に、第2圧電アクチュエーターに対応する圧力発生室内の液体に圧力変動が生じるのを抑制して、第2圧電アクチュエーターに対応する圧力発生室内の液体の圧力変動が他の圧力発生室に影響を及ぼすのを抑制することができる。また、第2圧電アクチュエーターに対応する圧力発生室内の液体が増粘・固化して、第2圧電アクチュエーターに対応する圧力発生室と第1圧電アクチュエーターの圧力発生室との間の隔壁の剛性、すなわち、撓み特性が変化するのを抑制することができる。
また、前記第2圧電アクチュエーターに対応する前記圧力発生室には、当該圧力発生室に対応する前記ノズル開口が設けられていないことが好ましい。これによれば、第2圧電アクチュエーターに対応する圧力発生室に連通するノズル開口にインク等が付着することによる不具合を抑制することができる。
さらに、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、液体の吐出特性にばらつきが生じるのを抑制すると共に、ヘッドコントローラーの小型化を図り、且つ高速印刷が可能な液体噴射装置を実現できる。
本発明の実施形態1に係る記録装置の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの要部平面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの要部断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの配線構成を示す概略図である。 本発明の実施形態1に係る記録装置の制御構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態1に係る駆動回路の制御構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態1に係る各種信号を示す波形図である。 本発明の実施形態1に係る駆動回路の変更例を示すブロック図である。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置である。
図示するように、インクジェット式記録装置Iにおいて、複数のインクジェット式記録ヘッド1を有するインクジェット式記録ヘッドユニットII(以下、ヘッドユニットIIとも言う)は、インク供給手段を構成するカートリッジ2が着脱可能に設けられ、このヘッドユニットIIを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。このヘッドユニットIIは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、ヘッドユニットIIを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4には搬送手段としての搬送ローラー8が設けられており、紙等の記録媒体である記録シートSが搬送ローラー8により搬送されるようになっている。なお、記録シートSを搬送する搬送手段は、搬送ローラーに限られずベルトやドラム等であってもよい。
このようなインクジェット式記録装置Iに搭載されるインクジェット式記録ヘッド1の一例について図2〜図4を参照して説明する。なお、図2は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図3は、インクジェット式記録ヘッドの断面図であり、図4は、圧電アクチュエーターの配置を示す平面図であり、図5は、図4のA−A′線の断面図であり、図6は、圧電アクチュエーターと駆動回路との接続構成を示す図である。
図示するように、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド1は、ヘッド本体11、ケース部材40等の複数の部材を備え、これら複数の部材が接着剤等によって接合されている。本実施形態では、ヘッド本体11は、本実施形態のアクチュエーター基板である流路形成基板10と、連通板15と、ノズルプレート20と、保護基板30と、コンプライアンス基板45と、を具備する。
ヘッド本体11を構成する流路形成基板10には、一方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁によって区画された圧力発生室12がインクを吐出する複数のノズル開口21が並設される方向に沿って並設されている。以降、この方向を圧力発生室12の並設方向、又は第1の方向Xと称する。また、流路形成基板10には、圧力発生室12が第1の方向Xに並設された列が複数列、本実施形態では、2列設けられている。この圧力発生室12が第1の方向Xに沿って形成された圧力発生室12の列が複数列設された列設方向を、以降、第2の方向Yと称する。さらに、本実施形態では、第1の方向X及び第2の方向Yに直交する方向を、以降、第3の方向Zと称する。
また、流路形成基板10には、圧力発生室12の第2の方向Yの一端部側に、当該圧力発生室12よりも開口面積が狭く、圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を付与する供給路等が設けられていてもよい。
ここで、本実施形態では、図4に示すように、並設された複数の圧力発生室12のうち、インクの吐出に用いられる圧力発生室12を吐出用の圧力発生室12Aと称し、インクの吐出に用いられない圧力発生室12をダミーの圧力発生室12Bと称する。本実施形態では、第1の方向Xに並設された圧力発生室12の列において、第1の方向Xの両端部側にダミーの圧力発生室12Bを配置し、ダミーの圧力発生室12Bの間に吐出用の圧力発生室12Aが配置されるようにした。本実施形態では、第1の方向Xの両端部のそれぞれに2つのダミーの圧力発生室12Bを設けるようにした。なお、このような吐出用の圧力発生室12A及びダミーの圧力発生室12Bは、本実施形態では、同じ形状で形成するようにした。もちろん、吐出用の圧力発生室12Aとダミーの圧力発生室12Bとは、異なる形状としてもよいが、第1の方向Xに並設された吐出用の圧力発生室12Aにおいて、第1の方向Xの中央部の圧力発生室12Aと両端の圧力発生室12Bとの特性を同じにするためにも、吐出用の圧力発生室12Aとダミーの圧力発生室12Bとを同じ形状とするのが好ましい。また、ダミー用の圧力発生室12Bの数は、特に限定されず、並設された吐出用の圧力発生室12Aの並設方向の両端部に少なくとも1つずつ設けられていればよく、3個以上設けられていてもよい。
また、図2及び図3に示すように、流路形成基板10の一方面側には、連通板15が接合されている。また、連通板15には、各圧力発生室12に連通する複数のノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接合されている。
連通板15には、圧力発生室12とノズル開口21とを連通するノズル連通路16が設けられている。連通板15は、流路形成基板10よりも大きな面積を有し、ノズルプレート20は流路形成基板10よりも小さい面積を有する。このようにノズルプレート20の面積を比較的小さくすることでコストの削減を図ることができる。なお、図5に示すように、ノズル連通路16は、圧力発生室12のうち、吐出用の圧力発生室12Aに対応して設けられており、ダミーの圧力発生室12Bには設けられていない。もちろん、ダミーの圧力発生室12B内にインクが充填されないように構成されていれば、ノズル連通路16をダミーの圧力発生室12Bに設けてもよい。
また、図2及び図3に示すように、連通板15には、マニホールド100の一部を構成する第1マニホールド部17と、第2マニホールド部18とが設けられている。
第1マニホールド部17は、連通板15を第3の方向Zに貫通して設けられている。
また、第2マニホールド部18は、連通板15を第3の方向Zに貫通することなく、連通板15のノズルプレート20側に開口して第3の方向Zの途中まで設けられている。
さらに、連通板15には、圧力発生室12の第2の方向Yの一端部に連通する供給連通路19が、各圧力発生室12毎に独立して設けられている。この供給連通路19は、第2マニホールド部18と圧力発生室12とを連通する。なお、供給連通路19は、本実施形態では、圧力発生室12のうち、吐出用の圧力発生室12Aに対応して設けられており、ダミーの圧力発生室12Bには設けられていない。これにより、ダミーの圧力発生室12B内にインクが充填されないようになっている。このように、ダミーの圧力発生室12B内にインクが充填されないことで、ダミーの圧力発生室12B内のインクが増粘・固化して、ダミーの圧力発生室12と吐出用の圧力発生室12Aとの間の隔壁の剛性、すなわち、撓み特性が変化するのを抑制することができる。また、ダミーの圧力発生室12B内で増粘・固化したインクが、吐出用の圧力発生室12A内に侵入して吐出不良が発生するのを抑制することができる。さらに、ダミーの圧力発生室12B内にインクを充填するようにすると、詳しくは後述するが、ダミーの圧力発生室12Bに対応するダミー用の圧電アクチュエーター300Bに駆動電位を印加して駆動した際に、インクの圧力変動がマニホールド100内に伝わり、吐出用の圧力発生室12Aに影響を与えてインク滴の吐出特性に影響を及ぼす虞がある。ダミーの圧力発生室12B内にインクを充填しないようにすれば、吐出用の圧力発生室12Aに影響を及ぼすのを抑制することができる。もちろん、第2マニホールド部18等を吐出用の圧力発生室12Aに対応する領域のみに設け、マニホールド100がダミーの圧力発生室12Bに達しないように構成してもよい。この場合には、供給連通路19をダミーの圧力発生室12Bに設けても、マニホールド100内のインクがダミーの圧力発生室12Bに充填されない。
ノズルプレート20には、各圧力発生室12とノズル連通路16を介して連通するノズル開口21が形成されている。すなわち、ノズル開口21は、同じ種類の液体であるインクを噴射するものが第1の方向Xに並設され、この第1の方向Xに並設されたノズル開口21の列が第2の方向Yに2列形成されている。本実施形態では、図5に示すように、ノズル開口21は、吐出用の圧力発生室12Aのみに連通して設けられている。すなわち、ノズル開口21は、ダミーの圧力発生室12Bに対応して設けられていない。これにより、ノズルプレート20に無駄な加工が不要となると共に、ダミーの圧力発生室12Bに対応して設けられたインク滴が吐出されないノズル開口21にインク等が付着することによる不具合を抑制することができる。例えば、インク滴が吐出されないノズル開口21に付着したインクが乾燥して固化し、ノズル開口21が開口する液体噴射面を弾性材料からなるブレード等でワイピングした際などに、固化したインクがブレードに付着し、吐出用のノズル開口21に刷り込むことによる吐出不良が発生する虞がある。もちろん、吐出用のノズル開口21の並設方向の両側に、吐出に用いないダミー用のノズル開口21を設けるようにしてもよい。このようにダミー用のノズル開口21を設けることで、吐出に用いるノズル開口21のうち、並設方向中央部のノズル開口21と、両端部のノズル開口21とで、加工条件を揃えることができ、加工精度にばらつきが生じるのを抑制することができる。つまり、隣にノズル開口21が存在するノズル開口21を加工する場合と、隣にノズル開口21が存在しないノズル開口21を加工する場合とによって、加工するノズル開口21の加工条件、すなわち、肉寄せなどの隣の影響が及ぶか否かが異なるため、加工精度にばらつきが生じる可能性があるからである。もちろん、ダミーの圧力発生室12B内にインクが充填される場合には、ダミーの圧力発生室12Bに連通するノズル開口21を設けると、詳しくは後述するダミーの圧力発生室12Bに対応して設けられたダミー用の圧電アクチュエーター300Bに駆動電位を印加した際に、ノズル開口21からインク滴が吐出されてしまう虞がある。つまり、ダミー用のノズル開口21を設ける場合には、ダミーの圧力発生室12Bにはインクが充填されないようにするのが好ましい。
一方、図3及び図5に示すように、流路形成基板10の連通板15とは反対面側には、振動板50が形成されている。本実施形態では、振動板50として、流路形成基板10側に設けられた酸化シリコンからなる弾性膜51と、弾性膜51上に設けられた酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜52と、を設けるようにした。なお、圧力発生室12等の液体流路は、例えば、流路形成基板10を第3の方向Zの一方面側、本実施形態では、連通板15が接合される面側から異方性エッチングすることにより形成されており、圧力発生室12の他方面は、弾性膜51によって画成されている。なお、振動板50は、上述したものに限定されず、例えば、弾性膜51のみで構成されていてもよく、絶縁体膜52のみで構成されていてもよい。また、振動板50は、弾性膜51、絶縁体膜52に加えて、他の膜を有するものであってもよい。また、振動板50の材料は上述したものに限定されるものではない。
また、振動板50の絶縁体膜52上には、第1電極60と、圧電体層70と、第2電極80とが、本実施形態では、成膜及びリソグラフィー法によって積層形成されて圧電アクチュエーター300を構成している。ここで、圧電アクチュエーター300は、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む部分をいう。一般的には、圧電アクチュエーター300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、第1電極60を圧電アクチュエーター300の共通電極とし、第2電極80を圧電アクチュエーター300の個別電極としているが、駆動回路120や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。なお、上述した例では、第1電極60が、複数の圧力発生室12に亘って連続して設けられているため、第1電極60が振動板の一部として機能するが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、上述の弾性膜51及び絶縁体膜52の何れか一方又は両方を設けずに、第1電極60のみが振動板として作用するようにしてもよい。
また、圧電アクチュエーター300の第2電極80には、本実施形態の引き出し配線であるリード電極90が接続されている。具体的には、リード電極90は、第2の方向Yにおいて、第2電極80の圧電アクチュエーター300の列の間側の端部から、流路形成基板10上に引き出されている。本実施形態では、流路形成基板10上には、振動板50が設けられているため、リード電極90は、第2電極80上から振動板50上に引き出されている。なお、本実施形態では、図4に示すように、第1電極60にも、第1電極60から引き出された共通リード電極91が形成されている。なお、共通リード電極91については、リード電極90と略同じ構成であるため、重複する説明は省略する。
ここで、本実施形態では、図4及び図5に示すように、吐出用の圧力発生室12Aに対応して設けられた圧電アクチュエーター300を吐出用の圧電アクチュエーター300Aと称し、ダミー用の12Bに対応して設けられた圧電アクチュエーター300をダミー用の圧電アクチュエーター300Bと称する。また、本実施形態では、吐出用の圧電アクチュエーター300Aが、第1圧電アクチュエーターに相当し、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bが第2圧電アクチュエーターに相当する。つまり、本実施形態では、吐出用の圧電アクチュエーター300Aが第1の方向Xに並設され、この吐出用の圧電アクチュエーター300Aの並設方向の両端部のそれぞれに2つのダミー用の圧電アクチュエーター300Bが設けられている。なお、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bは、ダミーの圧力発生室12Bに対応して設けられており、ダミーの圧力発生室12Bの数に応じて、設けられていればよい。ただし、吐出用の圧力発生室12Aの並設方向の一端部に、複数のダミーの圧力発生室12Bが設けられている場合、少なくとも吐出用の圧力発生室12Aに隣り合うダミーの圧力発生室12Bにダミー用の圧電アクチュエーター300Bが設けられていればよく、他のダミーの圧力発生室12Bには、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bが設けられていなくてもよい。
そして、図4に示すように、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bの各個別電極である第2電極80から引き出されたリード電極90は、流路形成基板10上で互いに接続されている。本実施形態では、第1の方向Xに並設された圧電アクチュエーター300の両端部において、ダミー用の圧電アクチュエーター300から引き出されたリード電極90をそれぞれ接続するようにした。つまり、第1の方向Xに並設された圧電アクチュエーター300の一端部側には、2つのダミー用の圧電アクチュエーター300Bが設けられているため、この2つのダミー用の圧電アクチュエーター300Bから引き出された2つのリード電極90同士を接続するようにした。また、他端部側にも2つのダミーの圧電アクチュエーター300Bが設けられているため、この2つのダミー用の圧電アクチュエーター300Bから引き出された2つのリード電極90同士を接続するようにした。これにより、ダミー用の圧電アクチュエーター300B毎にリード電極90を個別に設ける場合に比べて、リード電極90の配線基板に接続される端子部の大きさを小さくすることができ、流路形成基板10の小型化を図ることができる。
もちろん、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bのリード電極90は、これに限定されず、第1の方向Xで並設された圧電アクチュエーター300の両端部にそれぞれ設けられたダミー用の圧電アクチュエーター300Bのリード電極90同士を接続してもよい。また、本実施形態では、圧電アクチュエーター300が第1の方向Xに並設された列が、第2の方向Yに2列形成されているが、この2列の圧電アクチュエーター300の一端部に設けられたダミー用の圧電アクチュエーター300Bのリード電極90同士を接続するようにしてもよい。これにより、配線基板121に接続される端子部の面積を減少させて、さらなる小型化を図ることができる。つまり、1つの流路形成基板10に設けられたダミー用の圧電アクチュエーター300Bの各第2電極80から引き出されたリード電極90は、引き回しの制限などを考慮してできるだけ接続した方が、流路形成基板10の小型化を図ることができる。また、詳しくは後述するが、リード電極90で接続するダミー用の圧電アクチュエーター300Bの数を増やすほど、ヘッドコントローラーである駆動回路120に設けられたダミー用の圧電アクチュエーター300Bに接続される共通のスイッチ236Bの数をさらに減少させることができる。
このようなリード電極90の第2電極80に接続された一端部とは反対側の他端部には、図3及び図6に示すように、駆動IC等のヘッドコントローラーである駆動回路120を実装した配線基板121の接続配線122が電気的に接続されている。なお、配線基板121の接続配線122とリード電極90との接続方法は、特に限定されず、例えば、異方性導電性接着剤(ACP、ACF)や、非導電性接着剤(NCP)、半田等の金属を用いた溶接等が挙げられる。
ここで、配線基板121には、吐出用の圧電アクチュエーター300Aに接続される接続配線122Aと、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bに接続される接続配線122Bとが設けられている。吐出用の圧電アクチュエーター300Aに接続される接続配線122Aは、各圧電アクチュエーター300A毎に独立して設けられている。また、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bには、上述のように2個以上の圧電アクチュエーター300Bのリード電極90が接続されて設けられているため、リード電極90が接続された2つのダミー用の圧電アクチュエーター300B毎に接続配線122Bが設けられている。すなわち、1つのダミー用の圧電アクチュエーター300Bに対して1つの接続配線122Bは設けられていない。これにより、配線基板121に設ける接続配線122Bの本数を減少させて、配線基板121の小型化を図ることができる。
また、接続配線122Bの本数を減少させることができるため、詳しくは後述する駆動回路120の内部の接続配線122B用のスイッチの数を減少させることができ、駆動回路120の小型化を図ることができる。
また、図2及び図3に示すように、流路形成基板10の圧電アクチュエーター300側の面には、流路形成基板10と略同じ大きさを有する保護基板30が接合されている。保護基板30は、圧電アクチュエーター300を保護するための空間である保持部31を有する。また、保護基板30には、厚さ方向(流路形成基板10と保護基板30との積層方向)に貫通する貫通孔32が設けられている。この貫通孔32内にリード電極90の第2電極80に接続された端部とは反対側の端部が形成され、貫通孔32内で配線基板121の接続配線122とリード電極90とが接続されている。
また、このような構成のヘッド本体11には、複数の圧力発生室12に連通するマニホールド100をヘッド本体11と共に画成するケース部材40が固定されている。ケース部材40は、平面視において上述した連通板15と略同一形状を有し、保護基板30に接合されると共に、上述した連通板15にも接合されている。具体的には、ケース部材40は、保護基板30側に流路形成基板10及び保護基板30が収容される深さの凹部41を有する。この凹部41は、保護基板30の流路形成基板10に接合された面よりも広い開口面積を有する。そして、凹部41に流路形成基板10等が収容された状態で凹部41のノズルプレート20側の開口面が連通板15によって封止されている。これにより、流路形成基板10の外周部には、ケース部材40とヘッド本体11とによって第3マニホールド部42が画成されている。そして、連通板15に設けられた第1マニホールド部17及び第2マニホールド部18と、ケース部材40とヘッド本体11とによって画成された第3マニホールド部42と、によって本実施形態のマニホールド100が構成されている。
なお、ケース部材40の材料としては、例えば、樹脂や金属等を用いることができる。ちなみに、ケース部材40として、樹脂材料を成形することにより、低コストで量産することができる。
また、連通板15の第1マニホールド部17及び第2マニホールド部18が開口する面には、コンプライアンス基板45が設けられている。このコンプライアンス基板45が、第1マニホールド部17と第2マニホールド部18の液体噴射面側の開口を封止している。
このようなコンプライアンス基板45は、本実施形態では、封止膜46と、固定基板47と、を具備する。封止膜46は、可撓性を有する薄膜(例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)やステンレス鋼(SUS)等により形成された厚さが20μm以下の薄膜)からなり、固定基板47は、ステンレス鋼(SUS)等の金属等の硬質の材料で形成される。この固定基板47のマニホールド100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部48となっているため、マニホールド100の一方面は可撓性を有する封止膜46のみで封止された可撓部であるコンプライアンス部49となっている。
なお、ケース部材40には、マニホールド100に連通して各マニホールド100にインクを供給するための導入路44が設けられている。また、ケース部材40には、保護基板30の貫通孔32に連通して配線基板121が挿通される接続口43が設けられている。
このような構成のインクジェット式記録ヘッド1では、インクを噴射する際に、液体貯留手段から導入路44を介してインクを取り込み、マニホールド100からノズル開口21に至るまで流路内部をインクで満たす。その後、駆動回路120からの信号に従い、圧力発生室12に対応する各圧電アクチュエーター300に電圧を印加することにより、圧電アクチュエーター300と共に振動板50をたわみ変形させる。これにより、圧力発生室12内の圧力が高まり所定のノズル開口21からインク滴が噴射される。
ここで、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド1を具備するインクジェット式記録装置Iの制御系について詳細に説明する。なお、図7は、インクジェット式記録ヘッドの制御構成を示すブロック図である。
本実施形態のインクジェット式記録装置Iは、図7に示すように、プリンターコントローラー200とプリントエンジン201とから概略構成されている。
プリンターコントローラー200は、外部インターフェース202(以下、外部I/F202という)と、各種データを一時的に記憶するRAM203と、制御プログラム等を記憶したROM204と、CPU等を含んで構成した制御部205と、クロック信号を発生する発振回路206と、インクジェット式記録ヘッド1へ供給するための駆動信号を発生する駆動信号形成回路207と、この駆動信号形成回路207で使用するための電源を生成する電源生成部208と、駆動信号や印刷データに基づいて展開されたドットパターンデータ(ビットマップデータ)等をプリントエンジン201に送信する内部インターフェース209(以下、内部I/F209と言う)と、を備えている。
外部I/F202は、例えば、キャラクターコード、グラフィック関数、イメージデータ等によって構成される印刷データを、図示しないホストコンピューター等から受信する。また、この外部I/F202を通じてビジー信号(BUSY)やアクノレッジ信号(ACK)が、ホストコンピューター等に対して出力される。RAM203は、受信バッファー210、中間バッファー211、出力バッファー212、及び、図示しないワークメモリーとして機能する。そして、受信バッファー210は外部I/F202によって受信された印刷データを一時的に記憶し、中間バッファー211は制御部205が変換した中間コードデータを記憶し、出力バッファー212はドットパターンデータを記憶する。なお、このドットパターンデータは、階調データをデコード(翻訳)することにより得られる画素データによって構成してある。
ROM204には、各種データ処理を行わせるための制御プログラム(制御ルーチン)の他に、フォントデータ、グラフィック関数等を記憶させてある。制御部205は、受信バッファー210内の印刷データを読み出すと共に、この印刷データを変換して得た中間コードデータを中間バッファー211に記憶させる。また、中間バッファー211から読み出した中間コードデータを解析し、ROM204に記憶させているフォントデータ及びグラフィック関数等を参照して、中間コードデータをドットパターンデータに展開する。そして、制御部205は、必要な装飾処理を施した後に、この展開したドットパターンデータを出力バッファー212に記憶させる。
そして、インクジェット式記録ヘッド1の1行分に相当するドットパターンデータが得られたならば、この1行分のドットパターンデータは、内部I/F209を通じてインクジェット式記録ヘッド1に出力される。また、出力バッファー212から1行分のドットパターンデータが出力されると、展開済みの中間コードデータは中間バッファー211から消去され、次の中間コードデータについての展開処理が行われる。
また、電源生成部208は、駆動信号形成回路207に、詳しくは後述する駆動波形の駆動電位となる駆動電源を供給する。
そして、駆動信号形成回路207は、電源生成部208が生成した駆動電源に基づいて駆動信号(COM)を生成する。
プリントエンジン201は、インクジェット式記録ヘッド1と、紙送り機構213と、キャリッジ機構214とを含んで構成してある。紙送り機構213は、搬送手段の搬送ローラー8や紙送りモーター等から構成してあり、記録シートSをインクジェット式記録ヘッド1の記録動作に連動させて順次送り出す。即ち、この紙送り機構213は、記録シートSをインクジェット式記録ヘッド1に対して副走査方向に相対移動させる。
キャリッジ機構214は、インクジェット式記録ヘッド1を搭載可能なキャリッジ3と、このキャリッジ3を主走査方向に沿って走行させるキャリッジ駆動部とから構成してあり、キャリッジ3を走行させることによりインクジェット式記録ヘッド1を主走査方向に移動させる。なお、キャリッジ駆動部は、上述したように駆動モーター6及びタイミングベルト7等で構成されている。
インクジェット式記録ヘッド1は、副走査方向である第1の方向Xに沿って多数のノズル開口21を有し、ドットパターンデータ等によって規定されるタイミングで各ノズル開口21からインク滴(液滴)を吐出する。そして、このようなインクジェット式記録ヘッド1の圧電アクチュエーター300には、配線基板121を介して電気信号、例えば、後述する駆動信号COMや画素データSI等が供給される。
ここで、インクジェット式記録ヘッド1に搭載された駆動回路120について図8を参照して詳細に説明する。なお、図8は、駆動回路を示すブロック図である。
図8に示すように、駆動回路120は、第1シフトレジスター(SR)230、第2シフトレジスター(SR)231、第1ラッチ回路232、第2ラッチ回路233、デコーダー234、制御ロジック235、トランスミッションゲート等のスイッチ素子であるスイッチ236等を備えている。そして、制御ロジック235を除いた各部、すなわち、第1シフトレジスター230、第2シフトレジスター231、第1ラッチ回路232、第2ラッチ回路233、デコーダー234及びスイッチ236は、それぞれ吐出用の圧電アクチュエーター300A毎に設けられている。また、制御ロジックを除いた各部、すなわち、第1シフトレジスター230、第2シフトレジスター231、第1ラッチ回路232、第2ラッチ回路233、デコーダー234及びスイッチ236は、リード電極90が接続されたダミー用の圧電アクチュエーター300B毎、すなわち、2つのダミー用の圧電アクチュエーター300B毎に設けられている。すなわち、本実施形態では、制御ロジック235を除く各部は、リード電極90毎に設けられている。本実施形態では、吐出用の圧電アクチュエーター300Aに接続されたスイッチ236を個別のスイッチ236Aと称し、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bに接続されたスイッチ236を共通のスイッチ236Bと称する。
駆動回路120には、インクジェット式記録装置Iのプリンターコントローラー200から配線基板121の接続配線122を介してヘッド制御信号として、クロック信号CLK、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH及び画素データSIと設定データSPとを含む設定信号等が入力される。また、駆動回路120には、プリンターコントローラー200の駆動信号形成回路207から配線基板121の接続配線を介して駆動信号COMが入力される。
ここで、駆動信号COMと各種信号について図9を参照して詳細に説明する。なお、図9は、駆動信号及び各種信号の説明図である。
図9に示すように、駆動信号COMは、繰り返し周期Tにおける期間T1で生成される第1区間信号SS1と、期間T2で生成される第2区間信号SS2と、期間T3で生成される第3区間信号SS3と、期間T4で生成される第4区間信号SS4と、を有する。第1区間信号SS1は、駆動パルスPS1を有する。また、第2区間信号SS2は駆動パルスPS2を、第3区間信号SS3は駆動パルスPS3を、第4区間信号SS4は駆動パルスPS4をそれぞれ有する。なお、駆動パルスPS1、駆動パルスPS2、駆動パルスPS3は、大ドットの形成時に圧電アクチュエーター300に印加されるものであり、それぞれが同じ波形を有している。また、駆動パルスPS1と駆動パルスPS2とは、中ドットの形成時に圧電アクチュエーター300に印加されるものである。また、駆動パルスPS1は、小ドット形成時に圧電アクチュエーター300に印加されるものである。さらに、駆動パルスPS4は、ノズル開口21からインク滴が吐出されない程度に圧電アクチュエーター300を微振動させる時に印加されるものである。
ここで、駆動信号COMは、広義の駆動電位であり、駆動信号COMに含まれる各駆動パルスPS1、駆動パルスPS2、駆動パルスPS3及び駆動パルスPS4は何れも駆動電位である。
駆動パルスPS1は、ノズル開口21からインク滴を吐出させる波形であり、基準電位Vbを維持した状態から第1電位V1まで印加して圧力発生室を膨張させる膨張要素P1と、膨張状態を一定時間維持する膨張維持要素P2と、第1電位V1から第2電位V2まで印加して圧力発生室12を収縮させる収縮要素P3と、収縮状態を一定時間維持する収縮維持要素P4と、第2電位V2の収縮状態から基準電位Vbの基準容積まで圧力発生室を復帰させる膨張復帰要素P5と、を具備する。なお、駆動パルスPS2、駆動パルスPS3については、駆動パルスPS1と同じ波形を有するものである。
駆動パルスPS4は、基準電位Vbから第3電位V3まで圧力発生室12を膨張させる振動膨張要素P6と、膨張容積を一定時間維持する振動膨張維持要素P7と、第3電位V3の膨張容積から基準電位Vbの基準容積まで復帰させる振動復帰要素P8と、を具備する。すなわち、各駆動パルスPS1、PS2、PS3及びPS4の始端あるいは終端の電位が基準電位Vbとなる。この基準電位Vbは、グランド電位GNDよりも高い電位に設定されている。
これらの駆動信号COMは、圧電アクチュエーター300毎、本実施形態では、吐出用の圧電アクチュエーター300A毎と、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bの接続されたリード電極90毎とに設けられたスイッチ236にそれぞれが入力される。すなわち、スイッチ236は、吐出用の圧電アクチュエーター300A毎に設けられた個別のスイッチ236Aと、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bの接続されたリード電極90毎、つまり、複数の圧電アクチュエーター300Bに共通する共通のスイッチ236Bと、を有する。個別のスイッチ236Aは、駆動信号COMを吐出用の圧電アクチュエーター300Aに印加するか否かのオン/オフ制御を行う。このオン/オフ制御により、駆動信号COMの一部分を選択的に圧電アクチュエーター300に印加することができ、これによりドットの大きさを変更することができる。また、共通のスイッチ236Bのオン/オフ制御により、駆動信号COMの駆動電位をダミー用の圧電アクチュエーター300Bに印加することができる。
ラッチ信号LATは、ノズル開口21から1画素にインクを吐出する吐出周期を規定する信号であって、繰り返し周期T(1画素の区間をインクジェット式記録ヘッドが移動する期間)を示す信号である。ラッチ信号LATは、プリンターコントローラー200によって生成され、制御ロジック235、ラッチ回路(第1ラッチ回路232、第2ラッチ回路233)に入力される。
チェンジ信号CHは、駆動信号COMに含まれる駆動パルスを圧電アクチュエーター300に印加する区間を示す信号である。チェンジ信号CHは、プリンターコントローラー200によって生成され、制御ロジック235に入力される。
画素データSIは、各画素にドットを形成するか否か、すなわち、ノズル開口21からインク滴を吐出するか否かを示す信号である。この画素データSIは、1個のノズル開口21に対して2ビットずつで構成されている。例えば、ノズル数が180個の場合、2ビット×180の画素データSIが繰り返し周期T毎にプリンターコントローラー200から送られてくることになる。なお、画素データSIは、第1シフトレジスター230と第2シフトレジスター231とに入力される。本実施形態では、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bには、常にインク滴を吐出しない画素データSIが供給される。
クロック信号CLKは、プリンターコントローラー200から送られる画素データSI、チェンジ信号CH、ラッチ信号LAT等を、制御ロジック235、各シフトレジスター(第1シフトレジスター230、第2シフトレジスター231)等にセットする際に用いられる信号である。
制御ロジック235は、16ビットの設定データSPのうち、所定の4ビットデータとチェンジ信号CHとに基づいて、選択信号q0を生成する。また、同様に、16ビットの設定データSPのうちの所定の4ビットデータとチェンジ信号CHとに基づいて選択信号q1〜q3を生成する。そして、生成された選択信号q0〜q3は、圧電アクチュエーター300毎、本実施形態では、吐出用の圧電アクチュエーター300A毎と、リード電極90が接続された2つのダミー用の圧電アクチュエーター300B毎とに設けられたデコーダー234にそれぞれが入力される。
ここで、画素データSIが小ドット形成を示す場合(画素データ「01」の場合)、画素データ「01」がラッチされて、スイッチ制御信号SWとして選択信号q1が出力される。これにより、期間T1において個別のスイッチ236Aがオン状態になり、期間T2、期間T3、期間T4において個別のスイッチ236Aがオフ状態になる。この結果、駆動信号COMの第1区間信号の駆動パルスPS1が圧電アクチュエーター300、すなわち、吐出用の圧電アクチュエーター300Aに印加されて、吐出用の圧電アクチュエーター300Aは駆動パルスPS1により駆動される。この駆動パルスPS1に応じて圧電アクチュエーター300Aが駆動すると、記録シートSに小ドットが形成される。
画素データSIが中ドット形成を示す場合(画素データ「10」)、画素データ「10」がラッチされて、スイッチ制御信号SWとして選択信号q2が出力される。これにより、期間T1及びT2において個別のスイッチ236Aがオン状態となり、期間T3及び期間T4において個別のスイッチ236Aがオフ状態となる。この結果、駆動信号COMの第1区間信号の駆動パルスPS1及び第2区間信号の駆動パルスPS2が圧電アクチュエーター300、すなわち、吐出用の圧電アクチュエーター300Aに印加されて、吐出用の圧電アクチュエーター300Aは駆動パルスPS1及び駆動パルスPS2により駆動される。この駆動パルスPS1及び駆動パルスPS2に応じて圧電アクチュエーター300Aが駆動すると、記録シートSに中ドットが形成される。
画素データSIが大ドット形成を示す場合(画素データ「11」)、画素データ「11」がラッチされて、スイッチ制御信号SWとして選択信号q3が出力される。これにより、期間T1、期間T2及び期間T3において個別のスイッチ236Aがオン状態となり、期間T4において個別のスイッチ236Aがオフ状態となる。この結果、駆動信号COMの第1区間信号の駆動パルスPS1、第2区間信号の駆動パルスPS2及び第3区間信号の駆動パルスPS3が圧電アクチュエーター300、すなわち、吐出用の圧電アクチュエーター300Aに印加されて、吐出用の圧電アクチュエーター300Aは駆動パルスPS1、駆動パルスPS2及び駆動パルスPS3により駆動される。この駆動パルスPS1、駆動パルスPS2及び駆動パルスPS3に応じて圧電アクチュエーター300Aが駆動すると、記録シートSに大ドットが形成される。
画素データSIがドット非形成を示す場合(画素データ「00」)、画素データ「00」がラッチされて、スイッチ制御信号SWとして選択信号q0が出力される。これにより、期間T4においてスイッチ236(個別のスイッチ236A、共通のスイッチ236B)がオン状態となり、期間T1、期間T2、期間T3においてスイッチ236がオフ状態となる。この結果、駆動信号COMの第4区間信号の駆動パルスPS4が圧電アクチュエーター300に印加されて、圧電アクチュエーター300は駆動パルスPS4により駆動される。この駆動パルスPS4に応じて吐出用の圧電アクチュエーター300Aが駆動すると、ノズル開口21からインク滴が吐出されない程度の圧力変動が生じ、ノズル開口21のインクのメニスカスが振動する。
ここで、画素データ「00」は、印刷中にドット非形成となる吐出用の圧電アクチュエーター300Aと、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bとに印加される。すなわち、本実施形態では、プリンターコントローラー200からの画素データSI及び設定データSPは、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bに接続された共通のスイッチ236Bに対して、インク滴が吐出されない値のデータ、本実施形態では、印刷中のドット非形成となるデータを与えて、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bにドット非形成時と同様の駆動電位を印加する。つまり、第1の方向Xに並設された圧電アクチュエーター300のうち、2つのダミー用の圧電アクチュエーター300Bが並設方向の端部のそれぞれに設けられており、各端部に設けられた2つのダミー用の圧電アクチュエーター300Bには、共通のスイッチ236Bを介して、同じ駆動パルスPS4が印加される。このように、リード電極90が接続されたダミー用の圧電アクチュエーター300Bに対して共通のスイッチ236Bを設けることで、ダミー用の圧電アクチュエーター300B毎に個別にスイッチ236Bを設ける必要がなく、駆動回路120の小型化を図ることができる。つまり、ダミー用の圧電アクチュエーター300B毎に個別のスイッチ236Aを設けた場合、駆動回路120が大型化してしまう。すなわち、複数のダミー用の圧電アクチュエーター300Bには、常に同じ駆動電位、本実施形態では、駆動パルスPS4が印加されれば良いため、接続配線122Bを共通化して、スイッチ236Bを共通化することができる。本実施形態では、複数のダミー用の圧電アクチュエーター300Bをリード電極90で接続して流路形成基板10の小型化を図ることができると共に、複数のダミー用の圧電アクチュエーター300Bに共通のスイッチ236Bを接続することで、駆動回路120の小型化を図ることができる。また、スイッチ236の数を減少させることができるため、駆動回路120の発熱も抑制することができる。さらに、スイッチ236の数を減少させることができるので、配線基板121の接続配線122Bの数も減少でき、配線基板121の小型化を図ることができる。ちなみに、リード電極90で接続するダミー用の圧電アクチュエーター300Bの数を増やすほど、ヘッドコントローラーである駆動回路120に設けられたダミー用の圧電アクチュエーター300Bに接続される共通のスイッチ236Bの数をさらに減少させることができるため、複数のダミー用の圧電アクチュエーター300から引き出されたリード電極90同士を接続して、共通のスイッチ236Bの数を減少させるのが好ましい。つまり、1つの流路形成基板10に第1の方向Xに並設された圧電アクチュエーター300が2列設けられており、圧電アクチュエーター300の列毎に4個のダミー用の圧電アクチュエーター300Bが設けられている場合には、合計8個のダミー用の圧電アクチュエーター300Bのリード電極90同士を接続すれば、駆動回路120には、共通のスイッチ素子236Bを1つだけ設ければよく、駆動回路120のさらなる小型化を図ることができる。
なお、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bに駆動電位を印加する印刷中とは、吐出用の圧電アクチュエーター300Aに対応するノズル開口21からインク滴が吐出される間のことであり、吐出用の圧電アクチュエーター300Aに対応するノズル開口21からインク滴が吐出される間とは、吐出用の圧電アクチュエーター300Aに駆動電位が印加されている期間のことである。
また、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bには、インク滴の吐出に用いる駆動電位を変化させた駆動信号、すなわち駆動パルスPS1〜PS3を印加することなく、インク滴の吐出に用いない駆動電位を変化させた駆動信号である駆動パルスPS4を印加するようにしたため、複数のダミー用の圧電アクチュエーター300Bに共通する接続配線122に、吐出に用いる駆動電位の変化量、すなわち傾きの大きな波形の駆動信号を流す必要がなく、スイッチ236Bとダミー用の圧電アクチュエーター300Bとの間の接続配線122Bやリード電極90等に過度な電流が流れるのを抑制することができる。
このように、印刷中、つまり吐出用の圧電アクチュエーター300Aからインク滴が吐出される間、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bに駆動パルスPS4を印加することで、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bに駆動電位を印加している。これにより、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bが緊張して、ダミーの圧力発生室12Bと吐出用の圧力発生室12Aとの間の隔壁を側方から支持する、すなわち、吐出用の圧力発生室12A側に押圧する状態となる。この結果、吐出用の圧力発生室12Aの内圧が上昇しても、隔壁がダミーの圧力発生室12B側に撓み変形するのを抑制することができる。このため、吐出用の圧力発生室12Aからダミーの圧力発生室12Bへの圧力損失を低減することができる。また、緊張した圧電アクチュエーター300Bによって吐出用の圧電アクチュエーター300Aとダミー用の圧電アクチュエーター300Bとの間の隔壁を支持するため、ダミーの圧力発生室12Bを設けない構造と比較して、隔壁の剛性が過度に高くなるのを抑制することができる。したがって、ダミーの圧力発生室12Bの隣の吐出用の圧力発生室12Aで圧力変動が生じたときのダミーの圧力発生室12B側の隔壁の変形度合いと他の圧力発生室12A側の隔壁の変形度合いとを同程度に揃えることができる。これにより、圧力変動の伝播による圧力損失量を並設方向の端部の圧力発生室12と中央部等の他の圧力発生室12Aとで同程度に揃えることができる。その結果、並設された吐出用の圧力発生室12Aから吐出されるインク滴の飛翔速度等の吐出特性を揃えることができる。このため、ノズル開口21(圧力発生室12)の高密度化やインクジェット式記録ヘッドの小型化に対応することが可能となる。また、圧力発生室12を形成する流路形成基板10をシリコン単結晶性基板のように比較的剛性が弱い素材から作製する場合にも好適である。
なお、本実施形態では、吐出用の圧電アクチュエーター300Aのドット非形成時に印加する駆動パルスPS4を、印刷中、すなわち、吐出用の圧電アクチュエーター300Aに対応するノズル開口21からインク滴を吐出している間、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bに印加することで、ヘッド制御信号が肥大化するのを抑制することができる。つまり、ダミー用の圧電アクチュエーター300B毎にスイッチ236を設けた場合、各スイッチ236毎にインク滴を吐出するか否かを示す画素データSI等のヘッド制御信号が必要になるが、本実施形態では、複数のダミー用の圧電アクチュエーター300Bを共通のスイッチ236Bに接続することで、インク滴を吐出するか否かを示す画素データSI等のヘッド制御信号が少なくて済むため、ヘッド制御信号の肥大化を抑制して、高速印刷を実現できる。
また、画素データSIや設定データSPを含む設定信号を変更するだけで、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bに、吐出に用いない駆動電位である駆動信号(駆動パルスPS4)を印加することができるため、駆動回路120の回路構成が簡略化される。もちろん、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bには、印刷中に駆動電位が印加されればよいため、微振動パルスである駆動パルスPS4を含まない基準電位Vbのみが印加されるようにしてもよい。このような基準電位Vbのみが印加されるようにするには、上述した駆動信号COMに、基準電位Vbのみが印加される期間T5をさらに追加してもよいが、繰り返し周期Tが長くなってしまう虞があるため好ましくない。例えば、駆動信号形成回路207に、吐出用の圧電アクチュエーター300Aに印加する上述した駆動信号COMと同じ第1駆動信号COM1と、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bに印加する少なくとも基準電位Vbを含む第2駆動信号COM2とを生成させて、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bには、第2駆動信号COM2を印刷中に印加するようにすれば、繰り返し周期Tが長くなることなく、好適な駆動電位をダミー用の圧電アクチュエーター300Bに選択的に印加することもできる。ただし、このように第1駆動信号COM1と第2駆動信号COM2とを用いる場合には、駆動回路120に第1駆動信号COM1と第2駆動信号COM2とを選択可能な回路構成が必要になり、回路構成が複雑になる虞がある。
さらに、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bには、駆動電位が印加されればよいため、駆動信号COMに含まれる駆動パルスPS4を印加させずに、駆動回路120を介さず直接駆動電位を印加するようにしてもよい。すなわち、図10に示すように、プリンターコントローラー200にダミー用駆動信号形成回路215を設け、ダミー用駆動信号形成回路215に基準電位Vbのみを含むダミー用駆動信号を生成させて、ダミー用駆動信号を直接ダミー用の圧電アクチュエーター300Bに印加するようにしてもよい。これにより、駆動回路120には複数のダミー用の圧電アクチュエーター300Bに接続される共通のスイッチ236Bが不要になり、駆動回路120のさらなる小型化及び発熱の抑制を行うことができる。また、図10に示す構成では、駆動回路120のスイッチ236を介さずにダミー用の圧電アクチュエーター300Bに駆動電位を印加できるので、画素データの数をさらに少なくすることができるため、高速印刷を実現できる。さらに、共通のスイッチ236Bが不要なため、駆動回路120の回路構成をさらに簡略化することができる。また、配線基板121とは別にダミー用の圧電アクチュエーター300Bに接続される配線基板121を用いることで、配線基板121には、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bに接続される接続配線122Bが不要となり、配線基板121のさらなる小型化及び低コスト化を図ることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1では、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bに、駆動電位として駆動パルスPS4を印加するようにしたが、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bに対応するダミーの圧力発生室12Bには、インクが充填されないため、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bには、吐出用の駆動パルスPS1〜PS3を含む駆動信号を印加してもよい。ただし、上述のように、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bと共通のスイッチ236Bとの間の接続配線122Bやリード電極90等の吐出に用いる変化量の大きな駆動波形が流れるため、過度な電流が流れる虞がある。
また、上述した実施形態1では、ダミーの圧力発生室12B内にインクが充填されない構成を例示したが、特にこれに限定されず、インクが充填されてもよい。
さらに、上述した実施形態1では、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bに、基準電位Vb又は微振動駆動の駆動パルスPS4を含む基準電位Vbを印加するようにしたが、特にこれに限定されず、基準電位Vbとは異なる電位をダミー用の圧電アクチュエーター300Bに印加するようにしてもよい。ただし、ダミー用の圧電アクチュエーター300Bに基準電位Vbを印加することで、駆動信号形成回路207やダミー用駆動信号形成回路215等に基準電位Vb以外の電位を形成する必要がなくなり、回路構成を簡略化することができる。
なお、上述した実施形態1では、圧力発生室12に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として、薄膜型の圧電アクチュエーター300を用いて説明したが、特にこれに限定されず、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型の圧電アクチュエーターや、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電アクチュエーターなどを使用することができる。
さらに、上述したインクジェット式記録装置Iでは、インクジェット式記録ヘッド1(ヘッドユニットII)がキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッド1が固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
さらに、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種のインクジェット式記録ヘッド等の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等にも適用することができる。
また、液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録装置Iを挙げて説明したが、上述した他の液体噴射ヘッドを用いた液体噴射装置にも用いることが可能である。
I インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 II インクジェット式記録ヘッドユニット(液体噴射ヘッドユニット)、 1 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 12A 吐出用の圧力発生室、 12B ダミーの圧力発生室、 15 連通板、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 40 ケース部材、 50 振動板、 60 第1電極、 70 圧電体層、 80 第2電極、 90 リード電極、 100 マニホールド、 120 駆動回路、 121 配線基板、 122、122A、 122B 接続配線、 200 プリンターコントローラー、 236 スイッチ(スイッチ素子)、 236A 個別のスイッチ(スイッチ素子)、 236B 共通のスイッチ(スイッチ素子)、 300 圧電アクチュエーター、 300A 吐出用の圧電アクチュエーター、 300B ダミー用の圧電アクチュエーター

Claims (7)

  1. 圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧電アクチュエーターと、
    前記圧電アクチュエーターを駆動する駆動電位を当該圧電アクチュエーターに印加するか否かを制御するスイッチ素子と、を有し、
    複数の前記圧電アクチュエーターのうち第1圧電アクチュエーターは、前記スイッチ素子の制御により印加された駆動電位に基づいて、前記圧力発生室に対応するノズル開口から液体を噴射し、
    複数の前記アクチュエーターのうち第2圧電アクチュエーターは、前記第1圧電アクチュエーターから液体が噴射される間、前記スイッチ素子の制御により駆動電位が印加され、
    前記第2圧電アクチュエーターは、複数あり、
    複数の前記第2圧電アクチュエーターは、共通のスイッチ素子から駆動電位が供給されることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記スイッチ素子は、前記駆動電位を変化させた駆動信号を前記第1圧電アクチュエーターに印加して、当該第1圧電アクチュエーターに対応する前記圧力発生室に連通する前記ノズル開口から液体を噴射し、
    前記共通のスイッチ素子は、前記駆動信号を前記第2圧電アクチュエーターに印加せずに、当該第2圧電アクチュエーターに対応する前記圧力発生室に連通する前記ノズル開口から液体を噴射させないことを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
  3. 圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧電アクチュエーターと、
    前記圧電アクチュエーターを駆動する駆動電位を当該圧電アクチュエーターに印加するか否かを制御するスイッチ素子と、を有し、
    複数の前記圧電アクチュエーターのうち第1圧電アクチュエーターは、前記スイッチ素子の制御により印加された駆動電位に基づいて、前記圧力発生室に対応するノズル開口から液体を噴射し、
    複数の前記アクチュエーターのうち第2圧電アクチュエーターは、前記第1圧電アクチュエーターから液体が噴射される間、前記スイッチ素子の制御によらずに駆動電位が印加されることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  4. 前記スイッチ素子の制御によらずに前記第2圧電アクチュエーターに印加される駆動電位は、基準電位であることを特徴とする請求項3記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記第2圧電アクチュエーターに対応する前記圧力発生室内には液体が充填されていないことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  6. 前記第2圧電アクチュエーターに対応する前記圧力発生室には、当該圧力発生室に対応する前記ノズル開口が設けられていないことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
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