JP2011126220A - 液体噴射装置、及び、液体噴射装置の制御方法 - Google Patents

液体噴射装置、及び、液体噴射装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体流路内におけるキャビテーションの発生を抑制することで、気泡による噴射不良を防止することが可能な液体噴射装置、及び、その制御方法を提供する。
【解決手段】噴射駆動パルスDP1は、圧力発生室21の容積を緩やかに膨張させる膨張要素p1と、電位VL1を維持する膨張維持要素p2と、圧力発生室21容積を収縮させる収縮要素p3と、電位VH1を維持する収縮維持要素p4と、圧力発生室21容積を緩やかに膨張させる復帰要素p5と、を含む電圧波形であり、膨張要素p1の時間幅Wd1は、膨張維持要素p2の時間幅Wh1よりも長く、復帰要素p5の時間幅Wd2は、収縮維持要素p4の時間幅Wh2よりも長く、第1基準電位VB1は、収縮維持要素p4の電位VH1の50%以上に設定され、噴射駆動パルスDP1が圧電振動子26に印加されることによりノズル開口28から噴射されるインクの流速が0.36mg/s以上である。
【選択図】図6

Description

本発明は、インクジェット式記録ヘッドなどの液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置、及び、その制御方法に関するものである。
液体噴射装置は、液体を噴射可能な液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を噴射する装置である。この液体噴射装置の代表的なものとして、例えば、液体噴射ヘッドとしてのインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドのノズルから液滴状のインクを記録紙等の記録媒体(噴射対象物)に対して噴射・着弾させることで画像等の記録を行うインクジェット式プリンター(以下、単にプリンターという。)等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、各種の製造装置にも応用されている。例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、或いはFED(面発光ディスプレイ)等のディスプレイ製造装置においては、色材や電極等の液体状の各種材料を、画素形成領域や電極形成領域等に対して噴射するためのものとして、液体噴射装置が用いられている。
上記の記録ヘッドでは、液体状のインクを封入したインクカートリッジなどの液体貯留部からのインクが導入されると共に、リザーバーから圧力室を経てノズルに至る一連の液体流路が形成された流路ユニットや圧力室の容積を変動可能な圧力発生素子を有するアクチュエーターユニットなど備えている。この記録ヘッドでは、圧力素子の作動によって生じる圧力変動が大きい程、ノズルから噴射されるインクの速度を速くすることが可能となる。しかしながら、より高い圧力変動を圧力室に与えると、液体流路のうち流路径が縮小した縮径部分を通過した際に負圧が生じ、この負圧によってキャビテーションが発生してインク中に気泡が生じることがあった。この結果、インクに混入した気泡の圧力変動の吸収による圧力損失などによって、ノズルからインクが噴射されない、所謂ドット抜けや飛翔曲がりが発生する虞があり、記録ヘッドがインクの噴射不良を発生させる等の不具合を招く問題があった。
このようなインクの噴射不良の原因となるキャビテーションを抑制するため、種々のメンテナンス処理が実行されている。例えば、圧力室(チャンバー)の容積を、容積変動の基準である通常状態から膨張状態まで変形させる膨張パルスの前側に膨張パルスと同等の電圧を有する短駆動パルスと、圧力室の容積を収縮状態から通常状態まで変形させる収縮パルスの後側に収縮パルスと同等の電圧を有する短駆動パルスとの何れか一方又は両方を設けることで、圧力室が急激に膨張する際に生じる負圧によるキャビテーションの発生を抑制可能なプリンターが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−243661号公報
しかしながら、上記した短駆動パルスの電位と短休止期間の電位とをスイッチによって切り替える構成のプリンターでは、短駆動パルスの電位と短休止期間の電位との差を大きくなるように設定すると、圧力室を急激に変形させてしまう。この圧力室の急激な変化により、液体流路内の負圧によって発生するキャビテーションを確実に抑制することは困難であった。この結果、キャビテーションによって発生した気泡が液体流路内に滞留し、この気泡が圧力変動を吸収することによって噴射不良が生じる問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体流路内におけるキャビテーションの発生を抑制することで、気泡による噴射不良を防止することが可能な液体噴射装置、及び、その制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様による液体噴射装置は、圧力発生手段の作動により圧力室内に圧力変動を与え、当該圧力室に充填された液体をノズルから噴射する液体噴射ヘッドと、
前記圧力発生手段を駆動して前記ノズルから着弾対象に対して液体を噴射させるための噴射駆動パルスを含む駆動信号を発生可能な駆動信号発生手段と、を備えた液体噴射装置であって、
前記噴射駆動パルスは、
中間電位から第1の方向に電位が変化して前記圧力室の容積を変化させる第1の変化部と、
当該第1の変化部の終端電位を維持して圧力室容積を一定時間ホールドする第1のホールド部と、
前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に電位が変化して前記第1の変化部によって変化させられた圧力容積を変化させる第2の変化部と、
当該第2の変化部の終端電位を維持して圧力室容積を一定時間ホールドする第2のホールド部と、
前記第1の方向に前記中間電位まで電位が復帰する変化をして前記第2の変化部によって変化させられた圧力容積を変化させる第3の変化部と、
を含む電圧波形であり、
前記第1の変化部の時間幅が、前記第1のホールド部の時間幅よりも長く、
前記第3の変化部の時間幅が、前記第2のホールド部の時間幅よりも長く、
前記中間電位が、第2のホールド部の電位の50%以上に設定され、
前記噴射駆動パルスが前記圧力発生手段に印加されることにより前記ノズルから噴射される液体の流速が0.36mg/s以上であることを特徴とする。
上記構成によれば、噴射駆動パルスは、中間電位から第1の方向に電位が変化して圧力室の容積を変化させる第1の変化部と、第1の変化部の終端電位を維持して圧力室容積を一定時間ホールドする第1のホールド部と、第1の方向とは反対方向である第2の方向に電位が変化して第1の変化部によって変化させられた圧力容積を変化させる第2の変化部と、第2の変化部の終端電位を維持して圧力室容積を一定時間ホールドする第2のホールド部と、第1の方向に中間電位まで電位が復帰する変化をして第2の変化部によって変化させられた圧力容積を変化させる第3の変化部と、を含む電圧波形であり、第1の変化部の時間幅は、第1のホールド部の時間幅よりも長く、第3の変化部の時間幅は、第2のホールド部の時間幅よりも長く、中間電位は、第2のホールド部の電位の50%以上に設定され、噴射駆動パルスが圧力発生手段に印加されることによりノズルから噴射される液体の流速が0.36mg/s以上であるので、ノズルから液体を噴射するべく圧力室内の圧力変動を生じさせる際に、圧力室を緩やかに変形させることができ、液体の噴射に必要な流速を確保しつつも液体流路内に生じる負圧を低減することができる。これにより、負圧によってキャビテーションが発生することを抑制して、キャビテーションの発生に伴う液体流路内の気泡を低減させることができる。この結果、液体流路内に滞留する気泡によってドット抜けや飛翔曲がり等の噴射不良が生じることを防止することができる。
また、上記構成において、前記液体噴射装置に装着される液体カートリッジに充填された液体の溶存窒素量が7.0ppm以上である。
液体カートリッジに充填された液体の溶存窒素量が7.0ppm未満であっても、ノズルから噴射される液体の流速が0.36mg/s以上において、第1の態様の噴射駆動パルスであれば、負圧によるキャビテーションの発生を抑制することができる。一方、液体カートリッジの使用を開始してからの経過時間に応じて液体カートリッジ内の液体の脱気度が徐々に低下する場合や、製造環境と使用環境とが異なることによって液体カートリッジ内の液体の脱気度が使用開始時点において低い場合には、液体カートリッジに充填された液体の溶存窒素量が7.0ppm以上となる場合がある。このような場合には、液体に溶存している窒素量が多くなりキャビテーションが生じやすくなる。このような場合においても、第1の態様の噴射駆動パルスであれば、液体流路内に負圧が生じることによるキャビテーションの発生を抑制できる。これにより、キャビテーションの発生に伴う液体流路内の気泡によって噴射不良が生じることを防止することができる。
また、本発明の液体噴射装置の制御方法は、圧力発生手段の作動により圧力室内に圧力変動を与え、当該圧力室に充填された液体をノズルから噴射する液体噴射ヘッドと、前記圧力発生手段を駆動して前記ノズルから着弾対象に対して液体を噴射させるための噴射駆動パルスを含む駆動信号を発生可能な駆動信号発生手段と、を備えた液体噴射装置の制御方法であって、
前記噴射駆動パルスは、中間電位から第1の方向に電位が変化する第1の変化部と、当該第1の変化部の終端電位を維持する第1のホールド部と、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に電位が変化する第2の変化部と、当該第2の変化部の終端電位を維持する第2のホールド部と、前記第1の方向に前記中間電位まで電位が復帰する変化をする第3の変化部と、を含む電圧波形であり、
前記中間電位が、第2のホールド部の電位の50%以上に設定され、
前記圧力室の容積を第1の変化部によって変化させる第1の変化工程と、
前記第1の変化工程において変化させられた圧力室容積を前記第1のホールド部によって所定時間ホールドする第1のホールド工程と、
前記第1の変化工程において変化させられた圧力室容積を前記第2の変化部によって変化させる第2の変化工程と、
前記第2の変化工程において変化させられた圧力室容積を前記第2のホールド部によって所定時間ホールドする第2のホールド工程と、
前記第2の変化工程において変化させられた圧力室容積を前記第3の変化部によって変化させる第3の変化工程と、
を含み、
前記第1の変化工程における時間幅が、前記第1のホールド工程における時間幅よりも長く、
前記第3の変化工程における時間幅が、前記第2のホールド工程における時間幅よりも長く、
前記各工程を経て前記ノズルから噴射される液体の流速が0.36mg/s以上であることを特徴とする。
この制御方法によれば、ノズルから液体を噴射するべく圧力室内の圧力変動を生じさせる際に、圧力室を緩やかに変形させることができ、液体の噴射に必要な流速を確保しつつも液体流路内に生じる負圧を低減することができる。これにより、負圧によってキャビテーションが発生することを抑制して、キャビテーションの発生に伴う液体流路内の気泡を低減させることができる。この結果、液体流路内に滞留する気泡によってドット抜けや飛翔曲がり等の噴射不良が生じることを防止することができる。
プリンターの概略構成を説明する斜視図である。 記録ヘッドを圧力発生ユニット側から見た斜視図である。 記録ヘッドの構成を説明する要部断面図である。 プリンターの電気的な構成を説明するブロック図である。 噴射駆動パルスを含む駆動信号の構成を説明する波形図である。 噴射駆動パルスの構成を説明する波形図である。 比較例としての噴射駆動パルスを含む駆動信号の構成を説明する波形図である。 比較例としての噴射駆動パルスの構成を説明する波形図である。 インクカートリッジの脱気度とドット抜けとの関係を説明する図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面等を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射装置として、図1に示すインクジェット式記録装置(以下、プリンターと略記する)に適用した場合を例示する。
プリンター1は、液体噴射ヘッドの一種である記録ヘッド2が取り付けられると共に、インク(本発明における液体の一種)を貯留するインクカートリッジ3(本発明における液体カートリッジの一種)が着脱可能に取り付けられるキャリッジ4と、記録ヘッド2の下方に配設されたプラテン5と、記録ヘッド2が搭載されたキャリッジ4を記録紙6(着弾対象の一種)の紙幅方向に移動させるキャリッジ移動機構7と、紙幅方向に直交する方向である紙送り方向に記録紙6を搬送する紙送り機構8等を備えて概略構成されている。ここで、紙幅方向とは、主走査方向(ヘッド走査方向)であり、紙送り方向とは、副走査方向(即ち、ヘッド走査方向に直交する方向)である。
キャリッジ4は、主走査方向に架設されたガイドロッド9に軸支された状態で取り付けられており、キャリッジ移動機構7の作動により、ガイドロッド9に沿って主走査方向に移動するように構成されている。キャリッジ4の主走査方向の位置は、リニアエンコーダー10によって検出され、検出信号が位置情報として制御部46(図4参照)に送信される。これにより、制御部46はこのリニアエンコーダー10からの位置情報に基づいてキャリッジ4(記録ヘッド2)の走査位置を認識しながら、記録ヘッド2による記録動作(噴射動作)等を制御することができる。
キャリッジ4の移動範囲内における記録領域よりも外側(図1における右側)の端部領域には、走査の基点となるホームポジションが設定されている。本実施形態におけるホームポジションには、記録ヘッド2のノズル形成面(ノズルプレート36:図3参照)を封止するキャッピング部材12と、ノズル形成面を払拭するためのワイパー部材13とが配置されている。そして、プリンター1は、このホームポジションから反対側の端部へ向けてキャリッジ4(記録ヘッド2)が移動する往動時と、反対側の端部からホームポジション側にキャリッジ4が戻る復動時との双方向で記録紙6上に文字や画像等を記録する所謂双方向記録が可能に構成されている。
次に、記録ヘッド2の構成について説明する。ここで、図2は、記録ヘッド2を圧力発生ユニット側から見た斜視図、図3は、記録ヘッド2の要部断面図である。例示した記録ヘッド2は、圧力発生ユニット(又はアクチュエーターユニット)19と、流路ユニット20とから構成されており、これらを重ね合わせた状態で一体化してある。圧力発生ユニット19は、圧電振動子26(本発明における圧力発生手段に相当)と、振動板27と、圧力発生室(本発明における圧力室に相当)21を区画するための圧力発生室プレート22とを積層し、焼成等により一体化することで構成されている。
また、流路ユニット20は、供給口30や第2連通口31を形成した供給口形成プレート32と、リザーバー33及び第1連通口34を形成したリザーバープレート35とを積層することで構成されている。また、リザーバープレート35の供給口形成プレート32とは反対側の面には、ノズル開口28(本発明におけるノズルに相当)が形成されたノズルプレート36を設けている。
振動板27は、弾性を有する板材で構成されている。圧力発生室21とは反対側となる振動板27の外側表面には、各圧力発生室21に対応した状態で複数の圧電振動子26が配設される。例示した圧電振動子26は撓み振動モードの振動子であり、駆動電極26aと共通電極26bとによって圧電体26cを挟んで構成されている。そして、圧電振動子26の駆動電極に駆動信号が印加されると、駆動電極26aと共通電極26bとの間には電位差に応じた電場が発生する。この電場は圧電体26cに付与され、圧電体26cが付与された電場の強さに応じて変形する。
圧力発生室プレート22は、圧力発生室21を形成するのに適した厚さのセラミックス材の薄板、例えばアルミナやジルコニア等によって構成され、圧力発生室21を区画するための空部がプレートの厚さ方向に貫通した状態で形成されている。圧力発生室21は、ノズルプレート36のノズル開口28のピッチと同じ一定のピッチで列状に開設され、列設方向と直交する左右方向に細長い長孔である。
供給口形成プレート32は、図3に示すように、ステンレス材等の金属材料によって構成された薄手の板状部材である。この供給口形成プレート32には、板厚方向を貫通する供給口30が複数開設されている。また、板厚方向を貫通する第2連通口31が、リザーバープレート35の第1連通口34に対応させて形成されている。供給口30は、インク流路(液体流路)内のインクに対して流体抵抗(流動抵抗)を付与する部分である。この供給口30に関し、リザーバー33側の口径が圧力発生室21側の口径よりも広くなっている。この供給口30はプレス加工によって形成される。また、供給口形成プレート32には、肉厚を他の部分よりも十分に薄くしたコンプライアンス部38が形成されている。このコンプライアンス部38は、エッチングなどによってリザーバープレート35のリザーバー33に対応する領域内をリザーバー33とは反対面側から板厚方向に窪ませて凹部39を形成することで作製されている。
リザーバープレート35は、ステンレス材等の金属材料によって構成された板状部材である。このリザーバープレート35には、リザーバー33を区画するための空部が板厚方向を貫通した状態で形成されている。この空部がリザーバー33を区画形成する。このリザーバー33は、複数の圧力発生室21に共通な液室として機能する部分であり、インクの種類(色)毎に設けられ、インクカートリッジ3から供給されるインクを貯留する。また、リザーバープレート35には、板厚方向を貫通する第1連通口34が上記の第2連通口31に対応させて複数形成されている。
ノズルプレート36は、ステンレス材等の金属材料によって構成された板状部材である。このノズルプレート36には、複数のノズル開口28を列設してノズル列(ノズル開口群)が横並びに形成されており、本実施形態では、ノズル列は一定のピッチ(例えば、180dpi)で開設された180個のノズル開口28によって構成されている。なお、ノズルプレート36は金属材料以外にも、有機プラスチックフィルム等から構成してもよい。
そして、各プレート部材は、圧力発生ユニット19と供給口形成プレート32との間、供給口形成プレート32とリザーバープレート35との間、およびリザーバープレート35とノズルプレート36との間を接合して一体化される。これにより、図3に示すように、リザーバー33と圧力発生室21の他端部とが、供給口30を通じて連通する。また、圧力発生室21の一端部とノズル開口28とが、リザーバープレート35の第1連通口34および供給口形成プレート32の第2連通口31を通じて連通する。そして、リザーバー33から圧力発生室21を通って圧力発生ユニット19とノズル開口28とを連通する一連のインク流路(液体流路)がノズル開口28毎に形成される。
上記構成の記録ヘッド2では、圧電振動子26を変形させることで対応する圧力発生室21が収縮或いは膨張し、圧力発生室21内のインクに圧力変動が生じる。このインク圧力を制御することで、ノズル開口28からインクを噴射(吐出)させることができる。インクを吐出するのに先だって定常容積の圧力発生室21を予備的に膨張させるとリザーバー33側から供給口30を通じて圧力発生室21内にインクが供給される。また、予備膨張の後に圧力発生室21を急激に収縮させるとノズル開口28からインクが噴射される。
次に、プリンター1の電気的な構成を説明する。
図4は、プリンター1の電気的な構成を示すブロック図である。本実施形態におけるプリンター1は、プリンターコントローラー40とプリントエンジン41とで概略構成されている。プリンターコントローラー40は、ホストコンピューター等の外部装置からの印刷データ等が入力される外部インターフェース(外部I/F)42と、各種データ等を記憶するRAM43と、各種データ処理のための制御ルーチン等を記憶したROM44と、各部の制御を行う制御部46と、クロック信号を発生する発振回路47と、記録ヘッド2へ供給する駆動信号を発生する駆動信号発生回路48(本発明における駆動信号発生手段に相当)と、印刷データをドット毎に展開することで得られた画素データや駆動信号等を記録ヘッド2に出力するための内部インターフェース(内部I/F)49と、を備えている。
制御部46は、記録ヘッド2の動作を制御するためのヘッド制御信号を記録ヘッド2に出力したり、駆動信号COMを生成させるための制御信号を駆動信号発生回路48に出力したりする。ヘッド制御信号は、例えば、転送クロックCLK、画素データSI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH1である。これらのラッチ信号やチェンジ信号は、駆動信号COMを構成する各パルスの供給タイミングを規定する。
また、制御部46は、上記印刷データに基づき、RGB表色系からCMY表色系への色変換処理、多階調のデータを所定階調まで減少させるハーフトーン処理、ハーフトーニングされたデータを、インク種類毎(ノズル列毎)に所定の配列で並べてドットパターンデータに展開するドットパターン展開処理等を経て、記録ヘッド2の噴射制御に用いる画素データSIを生成する。この画素データSIは、印刷される画像の画素に関するデータであり、噴射制御情報の一種である。ここで、画素とは、着弾対象である記録紙等の記録媒体上に仮想的に定められたドット形成領域を示す。そして、本実施形態に係る画素データSIは、記録媒体上に形成されるドットの有無(又はインクの噴射の有無)及びドットの大きさ(又は噴射されるインクの量)に関する階調データからなる。本実施形態において、画素データSIは合計2ビットの2値階調データによって構成されている。2ビットの階調値には、インクを噴射しない非記録(微振動)に対応する[00]と、小ドットの記録に対応する[01]と、中ドットの記録に対応する[10]と、大ドットの記録に対応する[11]とがある。従って、本実施形態におけるプリンターは4階調で記録ができる。
次に、プリントエンジン41側の構成について説明する。プリントエンジン41は、記録ヘッド2と、キャリッジ移動機構7と、紙送り機構8と、リニアエンコーダー10と、から構成されている。記録ヘッド2は、シフトレジスター(SR)50、ラッチ51、デコーダー52、レベルシフター(LS)53、スイッチ54、及び圧電振動子26を、各ノズル開口28に対応させて複数備えている。プリンターコントローラー40からの画素データ(SI)は、発振回路47からのクロック信号(CK)に同期して、シフトレジスター50にシリアル伝送される。
シフトレジスター50には、ラッチ51が電気的に接続されており、プリンターコントローラー40からのラッチ信号(LAT)がラッチ51に入力されると、シフトレジスター50の画素データをラッチする。このラッチ51にラッチされた画素データは、デコーダー52に入力される。このデコーダー52は、2ビットの画素データを翻訳してパルス選択データを生成する。本実施形態におけるパルス選択データは、合計2ビットのデータによって構成されている。
そして、デコーダー52は、ラッチ信号(LAT)又はチャンネル信号(CH)の受信を契機にパルス選択データをレベルシフター53に出力する。この場合、パルス選択データは、上位ビットから順にレベルシフター53に入力される。このレベルシフター53は、電圧増幅器として機能し、パルス選択データが「1」の場合、スイッチ54を駆動できる電圧、例えば数十ボルト程度の電圧に昇圧された電気信号を出力する。レベルシフター53で昇圧された「1」のパルス選択データは、スイッチ54に供給される。このスイッチ54の入力側には、駆動信号発生回路48からの駆動信号COMが供給されており、スイッチ54の出力側には、圧電振動子26が接続されている。
そして、パルス選択データは、スイッチ54の作動、つまり、駆動信号中の噴射パルスの圧電振動子26への供給を制御する。例えば、スイッチ54に入力されるパルス選択データが「1」である期間中は、スイッチ54が接続状態になって、対応する噴射パルスが圧電振動子26に供給され、この噴射パルスの波形に倣って圧電振動子26の電位レベルが変化する。一方、パルス選択データが「0」である期間中は、レベルシフター53からはスイッチ54を作動させるための電気信号が出力されない。このため、スイッチ54は切断状態となり、圧電振動子26へは噴射パルスが供給されない。
ここで、記録ヘッド2のインク流路内のインクに残存する気泡について説明する。インクカートリッジ3は、製造工程においてインク内の空気を脱気する脱気処理が行なわれている。しかしながら、インクカートリッジ3をプリンター1に装着すると、時間の経過と共にインク流路の壁面などを介して空気(主に窒素)が透過してインク流路内に侵入することなどでインクに空気が溶け込んだり、気泡が混入することや、或いはインクカートリッジ3の製造環境と使用環境とが異なることにより、例えば、溶存窒素量が7.0ppm以上までインク内の窒素濃度が上昇して脱気度が低下する場合がある。このような脱気度の低下したインクが充填された圧力発生室21に対して、急激な圧力変化を加えるとインク流路内に負圧が生じ、この負圧によってキャビテーションが発生し易くなる傾向がある。そして、キャビテーションの発生によってインク流路内に生じた気泡が成長して大きくなると、成長した気泡が圧力変動を吸収することによって、ノズル開口28からインクが噴射されない、所謂ドット抜けや飛翔曲がり等の噴射不良が発生する虞があった。そのため、本発明のプリンター1の噴射駆動パルスDP1は、圧電振動子26に印加した際のインク流路内に生じる負圧によるキャビテーションの発生を抑制すべく圧力発生室21を緩やかに変形(膨張)させる圧力変動を圧力発生室21に与え、ノズル開口28からインクを噴射させるように構成された一連の波形要素からなる。
図5は、上記構成の駆動信号発生回路48が発生する噴射駆動パルスDP1を含む駆動信号COM1の構成を説明する波形図であり、図6は、噴射駆動パルスDP1の構成を説明する波形図であり、図7は、比較例としての噴射駆動パルスDP2を含む駆動信号COM2の構成を説明する波形図であり、図8は、比較例としての噴射駆動パルスDP2の構成を説明する波形図である。
まず、本発明の噴射駆動パルスDP1(良波形(対策波形))とは異なる比較例としての噴射駆動パルスDP2(未対策波形)について説明する。この噴射駆動パルスDP2は、従来のプリンターで一般的に用いられる駆動パルスの一例であり、この種のプリンターにおいて噴射可能なインク滴のうち最もサイズの大きいインク滴を噴射するための噴射駆動パルスである。駆動信号COM2は、図7に示すように、3つの噴射駆動パルスDP2(DP2a,DP2b,DP2c)を、LAT信号で区切られる単位周期内に含んで構成されている。この駆動信号COM2の第2基準電位VB2(中間電位に相当)は、図8に示すように、圧電振動子26が圧力発生室21側に変位して圧力発生室21を収縮させた状態に対応する電位(第2収縮電位VH2)の46%以下に調整される。なお、第2膨張電位VL2は、圧電振動子26が圧力発生室21とは反対側に変位して圧力発生室21を膨張させた状態に対応する電位である。
噴射駆動パルスDP2は、第2基準電位VB2から第2膨張電位VL2までマイナス側(第1の方向)に電位が変化して圧力発生室21を膨張させる膨張要素p6と、第2膨張電位VL2を一定時間維持する膨張維持要素p7と、第2膨張電位VL2から第2収縮電位VH2までプラス側(第2の方向)に電位が変化して圧力発生室21を急激に収縮させる収縮要素p8と、第2収縮電位VH2を一定時間維持する収縮維持(制振ホールド)要素p9と、第2収縮電位VH2から第2基準電位VB2まで電位が復帰する復帰要素p10と、から構成される。
噴射駆動パルスDP2は、膨張要素p6の時間幅Wd3(例えば、2.67μs)が、膨張維持要素p7の時間幅Wh3(例えば、3.23μs)よりも短く設定され、復帰要素p10の時間幅Wd4(例えば、3.00μs)が、収縮維持要素p9の時間幅Wh4(例えば、3.42μs)よりも短く設定され、第2基準電位VB2が第2収縮電位VH2の50%未満(例えば、46%)に設定されている。すなわち、噴射駆動パルスDP2は、圧力発生室21を急激に膨張変形させる圧力変化を圧力発生室21内に生じさせるための一連の波形要素からなる。
この噴射駆動パルスDP2が圧電振動子26に印加されると、まず、膨張要素p6によって圧電振動子26は圧力発生室21から離隔する方向に撓み、これにより圧力発生室21が第2基準電位VB2に対応する基準容積から第2膨張電位VL2に対応する膨張容積まで膨張する。この膨張により、ノズル開口28におけるメニスカスが圧力発生室21側に大きく引き込まれる。そして、この圧力発生室21の膨張状態は、膨張維持要素p7の供給期間(Wh3)に亘って維持される。その後、収縮要素p8が時間幅Wc2(2.89μs)に亘って印加されることで圧電振動子26が圧力発生室21側に撓む。この圧電振動子26の変位により、圧力発生室21は膨張容積から収縮容積まで急激に収縮される。この圧力発生室21の急激な収縮により圧力発生室21内のインクが加圧され、ノズル開口28からインクが噴射される。この圧力発生室21の収縮状態は、収縮維持要素p9の供給期間(Wh4)に亘って維持される。そして、復帰要素p10が印加されることで圧電振動子26が圧力発生室21から離隔する側に緩やかに撓み、これにより、圧力発生室21は収縮容積から基準容積まで復帰する。その結果、残留振動とは位相が異なる(望ましくは、逆位相の)圧力振動が生じ、残留振動が低減される。そして、上記した噴射駆動パルスDP1を用いてインクを噴射させる場合、圧力発生室21内の圧力変動がインク流路内を伝播することで負圧が生じ、この負圧によってインク流路内にキャビテーションが発生する虞があった。
次に、本発明の駆動信号COM1に含まれる噴射駆動パルスDP1について説明する。
駆動信号COM1は、図5に示すように、3つの噴射駆動パルスDP1(DP1a,DP1b,DP1c)を、LAT信号で区切られる単位周期内に含んで構成されている。なお、第1収縮電位VH1は、圧電振動子26が圧力発生室21側に変位して圧力発生室21を収縮させた状態に対応する電位であり、第1膨張電位VL1は、圧電振動子26が圧力発生室21とは反対側に変位して圧力発生室21を膨張させた状態に対応する電位である。
噴射駆動パルスDP1は、本実施形態におけるプリンター1において噴射可能なインク滴のうち最もサイズの大きいインク滴を噴射するための噴射駆動パルスである。この噴射駆動パルスDP1は、第1基準電位VB1(中間電位に相当)から第1膨張電位VL1までマイナス側(第1の方向)に電位が変化して圧力発生室21を膨張させる膨張要素p1(第1の変化部)と、第1膨張電位VL1を一定時間維持する膨張維持要素p2(第1のホールド部)と、第1膨張電位VL1から第1収縮電位VH1までプラス側(第2の方向)に電位が変化して圧力発生室21を急激に収縮させる収縮要素p3(第2の変化部)と、第1収縮電位VH1を一定時間維持する収縮維持(制振ホールド)要素p4(第2のホールド部)と、第1収縮電位VH1から第1基準電位VB1まで電位が復帰する復帰要素p5(第3の変化部)と、から構成される。換言すると、噴射駆動パルスDP1は、ノズル開口28からインクを噴射させるための波形要素(膨張要素p1〜収縮要素p3)からなる噴射部と、当該噴射部によってインクが噴射された後のメニスカスの残留振動を抑制して安定させるための波形要素(収縮維持要素p4,復帰要素p5)からなる制振部と、から構成される。
本発明の噴射駆動パルスDP1は、上記の噴射駆動パルスDP2と比較したときに、基準電位の値や、各波形要素の時間幅についての設定が異なっている。具体的には、膨張要素p1の時間幅Wd1(3.67μs)が、膨張維持要素p2の時間幅Wh1(2.23μs)よりも長く設定され、復帰要素p5の時間幅Wd2(3.50μs)が、収縮維持要素p4の時間幅Wh2(2.82μs)よりも長く設定され、第1基準電位VB1が第1収縮電位VH1の50%以上であって、本実施形態においては65%に設定されていることに特徴を有している。また、当該噴射駆動パルスDP1を用いてノズル開口28からインクを噴射する際のインクの流速が0.36mg/s以上である。すなわち、噴射駆動パルスDP1は、インク流路内に生じる負圧によるキャビテーションの発生を抑制すべく圧力発生室21を緩やかに変形させる圧力変化を圧力発生室21内に生じさせるための一連の波形要素からなる。なお、本実施形態におけるインク密度は、1.06g/cmとなっている。さらに、本実施形態におけるノズルの径は22.5μm(±1μm以下の製造誤差を含む)となっている。
この噴射駆動パルスDP1が圧電振動子26に印加されると、まず、膨張要素p1によって圧電振動子26は圧力発生室21から離隔する方向に撓み、これにより圧力発生室21が第1基準電位VB1に対応する基準容積から第1膨張電位VL1に対応する膨張容積まで膨張要素p6を圧電振動子26に印加したときよりも緩やかに膨張する(第1の変化工程)。この膨張により、ノズル開口28におけるメニスカスが圧力発生室21側に大きく引き込まれる。そして、この圧力発生室21の膨張状態は、膨張維持要素p2の供給期間(Wh1)に亘って維持される(第1のホールド工程)。その後、収縮要素p3が時間幅Wc1(2.99μs)に亘って印加されることで圧電振動子26が圧力発生室21側に撓む。この圧電振動子26の変位により、圧力発生室21は膨張容積から収縮容積まで急激に収縮される(第2の変化工程)。この圧力発生室21の急激な収縮により圧力発生室21内のインクが加圧され、ノズル開口28からインクが噴射される。この圧力発生室21の収縮状態は、収縮維持要素p4の供給期間(Wh2)に亘って維持される(第2のホールド工程)。そして、復帰要素p5が印加されることで圧電振動子26が圧力発生室21から離隔する側に膨張要素p10を圧電振動子26に印加したときよりも緩やかに撓み、これにより、圧力発生室21は収縮容積から基準容積まで復帰する(第3の変化工程)。これにより、残留振動とは位相が異なる(望ましくは、逆位相の)圧力振動が生じ、残留振動が低減される。そして、上記した噴射駆動パルスDP1が圧電振動子26に印加されることによって、インクがノズル開口28から噴射される際の流速は、0.36mg/s以上となる。
図9は、インクカートリッジ3の脱気度とドット抜け検査結果との関係を説明する図である。なお、図9中の「×」は、略全てのノズル開口28で噴射不良が発生したことを示し、「△」は、約8割のノズル開口28で噴射不良が発生したことを示し、「○」は、全てのノズル開口28の噴射が良好であったことを示している。
同図に示すように、噴射駆動パルスDP2(図9中の下段)を圧電振動子26に印加する場合には、インクカートリッジ3をプリンター1に装着した時点(開直)から2週間経過後(2W飽和)までは、ノズル開口28からインクが良好に噴射されたが、インクカートリッジ3をプリンター1に装着してから1月経過後(1M飽和)以降では、ノズル開口28からインクが噴射されない、所謂ドット抜けが発生した。一方、噴射駆動パルスDP1(良波形:図9中の上段)を圧電振動子26に印加する場合には、インクカートリッジ3をプリンター1に装着した時点(開直)から1月経過後(1M飽和)までノズル開口28からインクが良好に噴射され、2月経過までは概ね良好に噴射することができた。そして、インクカートリッジ3をプリンター1に装着してから3月経過後(3M飽和)以降において、約8割のノズル開口28で噴射不良が発生した。つまり、噴射駆動パルスDP1を圧電振動子26に印加する場合は、噴射駆動パルスDP2を圧電振動子26に印加する場合に比べて、インクカートリッジ3内のインクの溶存窒素量が上昇しても、インク流路内においてキャビテーションが生じ難いことが判る。
このように、本実施形態のプリンター1の噴射駆動パルスDP1は、第1基準電位VB1からマイナス側に電位が変化して圧力発生室21の容積を緩やかに膨張させる膨張要素p1と、膨張要素p1によって膨張させられた圧力発生室21容積を一定時間ホールドする、膨張要素p1の終端電位VL1で一定な膨張維持要素p2と、プラス側に電位が変化して膨張要素p1によって膨張させられた圧力発生室21容積を収縮させる収縮要素p3と、収縮要素p3によって収縮させられた圧力発生室21容積を一定時間ホールドする、収縮要素p3の終端電位VH1で一定な収縮維持要素p4と、マイナス側に第1基準電位VB1まで電位が復帰する変化をして収縮要素p3によって収縮させられた圧力発生室21容積を緩やかに膨張させる復帰要素p5と、を含む電圧波形であり、膨張要素p1の時間幅Wd1は、膨張維持要素p2の時間幅Wh1よりも長く、復帰要素p5の時間幅Wd2は、収縮維持要素p4の時間幅Wh2よりも長く、第1基準電位VB1は、収縮維持要素p4の電位VH1の50%以上に設定され、噴射駆動パルスDP1が圧電振動子26に印加されることによりノズル開口28から噴射されるインクの流速が0.36mg/s以上であるので、ノズル開口28からインクを噴射するべく圧力発生室内21内に圧力変動を生じさせる際に、圧力発生室21を緩やかに変形させることができ、インクの噴射に必要な流速を確保しつつもインク流路内に生じる負圧を低減することができる。特に、供給口30などの流路断面積が減少して流速が速くなる部分(境界部分)に生じる負圧を低減することができる。これにより、負圧によってキャビテーションが発生することを抑制して、キャビテーションの発生に伴うインク流路内の気泡を低減させることができる。この結果、インク流路内に滞留する気泡によってドット抜けや飛翔曲がり等の噴射不良が生じることを防止することができる。
また、プリンター1に装着されるインクカートリッジ3の溶存窒素量が7.0ppm以上である場合においても、圧力発生室21に圧力変動を与えた際に、インク流路内に負圧が生じることによって、キャビテーションが発生することを抑制できる。これにより、キャビテーションの発生に伴うインク流路内の気泡によって噴射不良が生じることを防止することができる。
なお、上記各実施形態では、圧力発生手段として、所謂撓み振動型の圧電振動子26を例示したが、これには限られず、例えば、所謂縦振動型の圧電振動子を採用することも可能である。この場合、例示した駆動信号に関し、電位の変化方向、つまり上下が反転した波形となる。
以上は、液体噴射装置の一種であるプリンター1を例に挙げて説明したが、本発明は他の液体噴射装置にも適用することができる。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターを製造するディスプレイ製造装置、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極製造装置、バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置等にも適用することができる。
1…プリンター、2…記録ヘッド、3…インクカートリッジ、6…記録紙、21…圧力発生室、26…圧電振動子、28…ノズル開口、48…駆動信号発生回路、DP…噴射駆動パルス

Claims (3)

  1. 圧力発生手段の作動により圧力室内に圧力変動を与え、当該圧力室に充填された液体をノズルから噴射する液体噴射ヘッドと、
    前記圧力発生手段を駆動して前記ノズルから着弾対象に対して液体を噴射させるための噴射駆動パルスを含む駆動信号を発生可能な駆動信号発生手段と、を備えた液体噴射装置であって、
    前記噴射駆動パルスは、
    中間電位から第1の方向に電位が変化して前記圧力室の容積を変化させる第1の変化部と、
    当該第1の変化部の終端電位を維持して圧力室容積を一定時間ホールドする第1のホールド部と、
    前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に電位が変化して前記第1の変化部によって変化させられた圧力室容積を変化させる第2の変化部と、
    当該第2の変化部の終端電位を維持して圧力室容積を一定時間ホールドする第2のホールド部と、
    前記第1の方向に前記中間電位まで電位が復帰する変化をして前記第2の変化部によって変化させられた圧力室容積を変化させる第3の変化部と、
    を含む電圧波形であり、
    前記第1の変化部の時間幅が、前記第1のホールド部の時間幅よりも長く、
    前記第3の変化部の時間幅が、前記第2のホールド部の時間幅よりも長く、
    前記中間電位が、第2のホールド部の電位の50%以上に設定され、
    前記噴射駆動パルスが前記圧力発生手段に印加されることにより前記ノズルから噴射される液体の流速が0.36mg/s以上であることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記液体噴射装置に装着される液体カートリッジに充填された液体の溶存窒素量が7.0ppm以上であることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 圧力発生手段の作動により圧力室内に圧力変動を与え、当該圧力室に充填された液体をノズルから噴射する液体噴射ヘッドと、前記圧力発生手段を駆動して前記ノズルから着弾対象に対して液体を噴射させるための噴射駆動パルスを含む駆動信号を発生可能な駆動信号発生手段と、を備えた液体噴射装置の制御方法であって、
    前記噴射駆動パルスは、中間電位から第1の方向に電位が変化する第1の変化部と、当該第1の変化部の終端電位を維持する第1のホールド部と、前記第1の方向とは反対方向である第2の方向に電位が変化する第2の変化部と、当該第2の変化部の終端電位を維持する第2のホールド部と、前記第1の方向に前記中間電位まで電位が復帰する変化をする第3の変化部と、を含む電圧波形であり、
    前記中間電位が、第2のホールド部の電位の50%以上に設定され、
    前記圧力室の容積を第1の変化部によって変化させる第1の変化工程と、
    前記第1の変化工程において変化させられた圧力室容積を前記第1のホールド部によって所定時間ホールドする第1のホールド工程と、
    前記第1の変化工程において変化させられた圧力室容積を前記第2の変化部によって変化させる第2の変化工程と、
    前記第2の変化工程において変化させられた圧力室容積を前記第2のホールド部によって所定時間ホールドする第2のホールド工程と、
    前記第2の変化工程において変化させられた圧力室容積を前記第3の変化部によって変化させる第3の変化工程と、
    を含み、
    前記第1の変化工程における時間幅が、前記第1のホールド工程における時間幅よりも長く、
    前記第3の変化工程における時間幅が、前記第2のホールド工程における時間幅よりも長く、
    前記各工程を経て前記ノズルから噴射される液体の流速が0.36mg/s以上であることを特徴とする液体噴射装置の制御方法。
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