JP2019206010A - H形鋼の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スラブ等の素材の端面に鋭角の先端形状をした突起部で深く割り込みを入れ、それによって形成されたフランジ部を順次折り曲げるといった工程を行う際に、被圧延材の表面性状悪化、特に、フランジ内面の表面性状悪化を抑制し、表面疵等の残存しないようなH形鋼製品を効率的に製造する。【解決手段】粗圧延工程、中間圧延工程、仕上圧延工程を備えたH形鋼の製造方法であって、前記粗圧延工程を行う圧延機には、被圧延材を圧延造形する複数の孔型が刻設され、当該複数の孔型は、被圧延材を幅方向に圧延造形する複数のエッジング孔型と、当該複数のエッジング孔型によるエッジング圧延途上、又は、エッジング圧延完了後の被圧延材について、当該被圧延材のフランジ内面の一部または全部のみを孔型ロールに接触させて皺解消工程を行う皺解消用孔型と、を含むことを特徴とする、H形鋼の製造方法が提供される。【選択図】図7

Description

本発明は、例えば矩形断面であるスラブ等を素材としてH形鋼を製造する製造方法に関する。
H形鋼を製造する場合には、加熱炉から抽出されたスラブやブルーム等の素材を粗圧延機(BD)によって粗形材(所謂ドッグボーン形状の被圧延材)に造形し、中間ユニバーサル圧延機によって上記粗形材のウェブやフランジの厚さを圧下し、併せて前記中間ユニバーサル圧延機に近接したエッジャー圧延機によって被圧延材のフランジに対し幅圧下や端面の鍛錬と整形が施される。そして、仕上ユニバーサル圧延機によってH形鋼製品が造形される。
近年、建築構造物の大型化や海洋構造物への利用に伴い、従来に比べ大型のH形鋼製品の製造が求められており、特に、フランジ幅やフランジ厚を増した製品が望まれている。スラブ等の矩形断面素材を用いた製造工程において、フランジ幅及びフランジ厚を増やす技術としては、被圧延材の上下端面(スラブ端面)に割り込みを形成させた後に、スラブ端面をエッジングしながら割り込み形状を変更する技術(所謂ウェッジ法)が知られている。
このうち、フランジ厚を増厚する技術については、例えば特許文献1に、被圧延材の上下端部(スラブ端面)を拘束せずに割り込みを形成させた後に、孔型側壁に接触しない状態でスラブ端面をエッジングしながら割り込み形状を変更する技術が開示されている。この技術によれば、エッジング圧延の圧下率に応じてフランジの増厚を図ることが可能である。
また、例えば特許文献2には、被圧延材の上下端部(スラブ端面)の両側を拘束した状態でスラブ端面をエッジングしながら割り込み形状を変更する技術が開示されている。この技術によれば、被圧延材の上下端部両側を拘束して圧下を行っているため、フランジ先端部に肉溜まりを生じさせ厚肉化を図ることが可能である。
特開平11−347601号公報 特開平7−88501号公報
しかしながら、例えば上記特許文献1に開示されているように、被圧延材の上下端部(スラブ端面)を拘束せず、自由拡がりとして圧延を行った場合、フランジ幅は大きくなるものの、厚みはフランジ先端部が先細りとなるような形状となり、フランジ先端部の厚みが不足し、後段のプロセスで十分な成形ができず、大きな増厚が図られないことが懸念される。また、本発明者らの検討によれば、従来に比べ被圧延材の上下端部(スラブ端面)の左右の拘束を低くした場合であっても、同様にフランジ先端部が先細りとなり厚みが不足してしまうといった知見が得られている。
また、例えば上記特許文献2に開示されているように、被圧延材の上下端部(スラブ端面)の両側を拘束してエッジング圧延を行った場合、孔型において左右フランジ部の拡がりを完全に拘束した状態でエッジング圧延を行うため、被圧延材の長手方向への延伸が支配的となり、フランジ部の増厚の効率が低く、フランジの増厚に限界がある。例えば、孔型条件を適正にして実施した場合でも、フランジ先端部から付け根までの厚みの平均値が素材スラブ厚の1/2以上となるような圧延は本技術では実施できない。
また、一般的なH形鋼の製造プロセスにおいては、スラブからのエッジング圧延時には被圧延材の表面全体が圧縮力を受けるため被圧延材の表面性状が皺状に悪化することが分かっている。被圧延材の表面には製鋼工程に起因する表面荒れや、高温加熱による一次スケールが発生することに加えて、上記のような皺状の表面性状が発現したまま圧延造形を進めていくと、被圧延材の表面に凹凸形状(表面性状不良)が残存したままの状態となってしまう恐れがある。製品サイズに見合った適正スラブを用い、フランジ肉量が充分に確保できる製品サイズの造形時には、充分なフランジ部の圧下率が確保できるために問題にならないことが多いが、適正スラブ断面よりも小さい断面から造形するケースや、製品フランジ幅又はフランジ厚が大きい製品サイズの造形時にはフランジ厚み圧下が充分に取れず、表面性状不良が発生しやすい。これは孔型圧延による粗造形後のユニバーサル圧延において、フランジの厚み圧下が竪ロールによってフランジ外面から押し込まれる圧延となることに起因しており、フランジ内面とロールを接触させるためには、被圧延材のフランジ厚みと竪ロール隙の関係において不足量分をマイナスするだけでは不十分となるためである。
このような事情に鑑み、本発明の目的は、H形鋼を製造する際の孔型を用いた粗圧延工程において、被圧延材を幅方向に圧延造形する複数のエッジング孔型によりスラブ等の素材に対しエッジング圧延を行い、ドッグボーン形状を造形する工程を行う際に、被圧延材の表面性状悪化、特に、フランジ内面の表面性状悪化を抑制し、表面疵等の残存しないようなH形鋼製品を効率的に製造することが可能なH形鋼の製造方法を提供することにある。
前記の目的を達成するため、本発明によれば、粗圧延工程、中間圧延工程、仕上圧延工程を備えたH形鋼の製造方法であって、前記粗圧延工程を行う圧延機には、被圧延材を圧延造形する複数の孔型が刻設され、当該複数の孔型は、被圧延材を幅方向に圧延造形する複数のエッジング孔型と、当該複数のエッジング孔型によるエッジング圧延途上、又は、エッジング圧延完了後の被圧延材について、当該被圧延材のフランジ内面の一部または全部のみを孔型ロールに接触させて皺解消工程を行う皺解消用孔型と、を含むことを特徴とする、H形鋼の製造方法が提供される。
前記皺解消用孔型においては、フランジ外面の中央部からフランジ部厚み方向への垂線とフランジ内面との接点から当該フランジ内面の先端までの範囲Wのうち、フランジ部の先端厚みと同じ長さだけを先端から除いた範囲W1を少なくとも接触させて皺解消工程を行っても良い。
前記複数の孔型は、被圧延材の幅方向端部に対し鉛直に溝付けを行う溝付け孔型と、溝付けされた被圧延材の幅方向端部に対し鉛直に割り込みを入れて被圧延材端部に分割部位を形成させる突起部が形成された1又は複数の割り込み孔型と、前記割り込みに当接し、前記割り込み孔型において形成された分割部位を順次折り曲げる突起部が形成された複数の折り曲げ孔型と、を含み、前記皺解消工程は、前記複数の折り曲げ孔型において折り曲げ造形される途上、又は、折り曲げ造形完了後の被圧延材に対し行われても良い。
前記複数の折り曲げ孔型は、被圧延材に対し順に折り曲げ造形行う、第1折り曲げ孔型及び第2折り曲げ孔型から構成され、前記皺解消工程は、前記第1折り曲げ孔型での折り曲げ造形後、又は、前記第2折り曲げ孔型での折り曲げ造形後の被圧延材に対し行われても良い。
前記第2折り曲げ孔型に形成された突起部の先端部角度は180°であっても良い。
前記複数の孔型は、前記割り込み孔型、前記折り曲げ孔型、及び、前記皺解消用孔型を経た被圧延材に対し平造形圧延を行う平造形孔型を含み、当該平造形孔型は、被圧延材のフランジ内面と孔型ロールとが接触しないように構成されても良い。
前記皺解消用孔型の孔型内部には、前記複数のエッジング孔型が少なくとも1孔型以上刻設されても良い。
本発明によれば、H形鋼を製造する際の孔型を用いた粗圧延工程において、被圧延材を幅方向に圧延造形する複数のエッジング孔型によりスラブ等の素材に対しエッジング圧延を行い、ドッグボーン形状を造形する工程を行う際に、被圧延材の表面性状悪化、特に、フランジ内面の表面性状悪化を抑制し、表面疵等の残存しないようなH形鋼製品を効率的に製造することができる。
H形鋼の製造ラインについての概略説明図である。 第1孔型の概略説明図である。 第2孔型の概略説明図である。 第3孔型の概略説明図である。 第4孔型の概略説明図である。 第5孔型(平造形孔型)の概略説明図である。 本実施の形態に係る皺解消用孔型の構成を示す概略説明図である。 皺解消用孔型の変形例を示す概略図である。 従来のエッジング圧延法の一例を示す概略説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(製造ラインの概略)
図1は、本実施の形態にかかる圧延設備1を含むH形鋼の製造ラインTについての説明図である。図1に示すように、製造ラインTには上流側から順に、加熱炉2、サイジングミル3、粗圧延機4、中間ユニバーサル圧延機5、仕上ユニバーサル圧延機8が配置されている。また、中間ユニバーサル圧延機5に近接してエッジャー圧延機9が設けられている。なお、以下では、説明のために製造ラインTにおける鋼材を、総称して「被圧延材A」と記載し、各図において適宜その形状を破線・斜線等を用いて図示する場合がある。
図1に示すように、製造ラインTでは、加熱炉2から抽出された例えばスラブ11等の被圧延材Aがサイジングミル3ならびに粗圧延機4において粗圧延される。次いで、中間ユニバーサル圧延機5において中間圧延される。この中間圧延時には、必要に応じてエッジャー圧延機9によって被圧延材の端部等(後述するフランジ部80)に対して圧下が施される。通常の場合、サイジングミル3及び粗圧延機4のロールには、合わせて4〜6個程度の孔型が刻設されており、これらを経由して複数パス程度のリバース圧延でH形粗形材13が造形され、該H形粗形材13を前記中間ユニバーサル圧延機5−エッジャー圧延機9の2つの圧延機からなる圧延機列を用いて、複数パスの圧下が加えられ、中間材14が造形される。そして中間材14は、仕上ユニバーサル圧延機8において製品形状に仕上圧延され、H形鋼製品16が製造される。
(孔型構成の概略)
次に、以下では図1に示したサイジングミル3及び粗圧延機4に刻設される孔型構成や孔型形状について図面を参照して説明する。図2〜図6は粗圧延工程を行うサイジングミル3及び粗圧延機4に刻設される孔型についての概略説明図である。ここで、説明する第1孔型〜第4孔型は、例えばサイジングミル3に全て刻設されても良く、サイジングミル3及び粗圧延機4に第1孔型〜第5孔型の5つの孔型が分けて刻設されても良い。即ち、第1孔型〜第4孔型はサイジングミル3及び粗圧延機4の両方に亘って刻設されても良く、どちらか一方の圧延機に刻設されても良い。通常のH形鋼の製造における粗圧延工程では、これら各孔型において1又は複数パスでの造形が行われる。
また、本実施の形態では刻設される孔型が5つの場合を例示して説明するが、その孔型数についても、必ずしも5孔型である必要はなく、5以上の複数の孔型数であっても良い。即ち、H形粗形材13を造形するために好適な孔型構成であれば良い。なお、図2〜図6では、各孔型における造形時の被圧延材Aの概略最終パス形状を破線にて図示している。
図2は第1孔型K1の概略説明図である。第1孔型K1は、一対の水平ロールである上孔型ロール20と下孔型ロール21に刻設され、これら上孔型ロール20と下孔型ロール21のロール隙において被圧延材Aが圧下・造形される。また、上孔型ロール20の周面(即ち、第1孔型K1の上面)には、孔型内部に向かって突出する突起部25が形成されている。更に、下孔型ロール21の周面(即ち、第1孔型K1の底面)には、孔型内部に向かって突出する突起部26が形成されている。これら突起部25、26はテーパー形状を有しており、その突出長さ等の寸法は、突起部25と突起部26とでそれぞれ等しく構成されている。突起部25、26の高さ(突出長さ)をh1とし、先端部角度をθ1aとする。
この第1孔型K1においては、突起部25、26が被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)に押し当てられ、割り込み28、29が形成される。ここで、突起部25、26の先端部角度(ウェッジ角度とも呼称される)θ1aは例えば25°以上40°以下であることが望ましい。
ここで、第1孔型K1の孔型幅は、被圧延材Aの厚み(即ち、スラブ厚)とほぼ等しいことが好ましい。具体的には、第1孔型K1に形成された突起部25、26の先端部における孔型の幅と、スラブ厚を同一にすることで、被圧延材Aの左右センタリング性が好適に確保される。また、このような孔型寸法の構成とすることで、図2に示すように、第1孔型K1での造形時において、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)においては、上記突起部25、26及び孔型側面(側壁)の一部が被圧延材Aと接していて、割り込み28、29により4つの要素(部位)に分割されたスラブ上下端部に対して、第1孔型K1の上面及び底面にて積極的な圧下が行われない方が好ましい。孔型の上面及び底面による圧下は、被圧延材Aの長手方向への伸びを生じさせてしまい、フランジ(後述するフランジ部80)の生成効率を低下させてしまうからである。即ち、第1孔型K1においては、突起部25、26が被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)に押し当てられ、割り込み28、29が形成される際の突起部25、26における圧下量(ウェッジ先端圧下量)は、スラブ上下端部における圧下量(スラブ端面圧下量)よりも十分に大きなものとされ、これにより割り込み28、29が形成される。
なお、この第1孔型K1はスラブ上下端部に溝(割り込み28、29)を付与するものであることから、「溝付け孔型」とも呼称される。
図3は第2孔型K2の概略説明図である。第2孔型K2は、一対の水平ロールである上孔型ロール30と下孔型ロール31に刻設される。上孔型ロール30の周面(即ち、第2孔型K2の上面)には、孔型内部に向かって突出する突起部35が形成されている。更に、下孔型ロール31の周面(即ち、第2孔型K2の底面)には、孔型内部に向かって突出する突起部36が形成されている。これら突起部35、36はテーパー形状を有しており、その突出長さ等の寸法は、突起部35と突起部36とでそれぞれ等しく構成されている。これら突起部35、36の先端部角度は25°以上40°以下のウェッジ角度θ1bであることが望ましい。
なお、上記第1孔型K1のウェッジ角度θ1aは、フランジ相当部の先端部厚みを確保し、誘導性を高め、圧延の安定性を担保するために、後段の第2孔型K2のウェッジ角度θ1bと同じ角度であることが好ましい。
突起部35、36の高さ(突出長さ)h2は、上記第1孔型K1の突起部25、26の高さh1より高く構成されており、h2>h1となっている。また、突起部35、36の先端部角度は上記第1孔型K1の突起部25、26の先端部角度と同じであることが圧延寸法精度上、好ましい。これら上孔型ロール30と下孔型ロール31のロール隙において、上記第1孔型K1通材後の被圧延材Aが更に造形される。
ここで、第1孔型K1に形成される突起部25、26の高さh1より、第2孔型K2に形成される突起部35、36の高さh2の方が高く、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)への侵入長さも同様に第2孔型K2の方が長くなる。第2孔型K2での突起部35、36の被圧延材Aへの侵入深さは、突起部35、36の高さh2と同じである。即ち、第1孔型K1での突起部25、26の被圧延材Aへの侵入深さh1’と、第2孔型K2での突起部35、36の被圧延材Aへの侵入深さh2はh1’<h2との関係になっている。
また、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)に対向する孔型上面30a、30b及び孔型底面31a、31bと、突起部35、36の傾斜面とのなす角度θfは、図3に示す4箇所ともに約90°(略直角)に構成されている。
図3に示すように、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)へ押し当てられた時の突起部の侵入長さが長いことから、第2孔型K2においては、第1孔型K1において形成された割り込み28、29が更に深くなるように造形が行われ、割り込み38、39が形成される。なお、ここで形成される割り込み38、39の寸法に基づき粗圧延工程でのフランジ造形工程終了時のフランジ片幅が決定される。
なお、この第2孔型K2は「割り込み孔型」と呼称される。
図4は第3孔型K3の概略説明図である。第3孔型K3は、一対の水平ロールである上孔型ロール40と下孔型ロール41に刻設される。上孔型ロール40の周面(即ち、第3孔型K3の上面)には、孔型内部に向かって突出する突起部45が形成されている。更に、下孔型ロール41の周面(即ち、第3孔型K3の底面)には、孔型内部に向かって突出する突起部46が形成されている。これら突起部45、46はテーパー形状を有しており、その突出長さ等の寸法は、突起部45と突起部46とでそれぞれ等しく構成されている。
上記突起部45、46の先端部角度θ2は、上記角度θ1bに比べ広角に構成され、突起部45、46の被圧延材Aへの侵入深さh3は、上記突起部35、36の侵入深さh2よりも短くなっている(即ち、h3<h2)。この角度θ2は例えば70°以上110°以下が好ましい。
また、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)に対向する孔型上面40a、40b及び孔型底面41a、41bと、突起部45、46の傾斜面とのなす角度θfは、図4に示す4箇所ともに約90°(略直角)に構成されている。
図4に示すように、第3孔型K3では、第2孔型K2通材後の被圧延材Aに対し、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)において第2孔型K2において形成された割り込み38、39が、突起部45、46が押し当てられることにより、割り込み48、49となる。即ち、第3孔型K3での造形における最終パスでは、割り込み48、49の最深部角度(以下、割り込み角度とも呼称する)がθ2となる。換言すると、第2孔型K2において割り込み38、39の形成と共に造形された分割部位(後述するフランジ部80に対応する部位)が外側に折り曲げられるような造形が行われる。
なお、図4に示す第3孔型K3での造形は複数パスによって行われる。
図5は第4孔型K4の概略説明図である。第4孔型K4は、一対の水平ロールである上孔型ロール50と下孔型ロール51に刻設される。上孔型ロール50の周面(即ち、第4孔型K4の上面)には、孔型内部に向かって突出する突起部55が形成されている。更に、下孔型ロール51の周面(即ち、第4孔型K4の底面)には、孔型内部に向かって突出する突起部56が形成されている。これら突起部55、56はテーパー形状を有しており、その突出長さ等の寸法は、突起部55と突起部56とでそれぞれ等しく構成されている。
上記突起部55、56の先端部角度θ3は、上記角度θ2に比べ広角に構成され、突起部55、56の被圧延材Aへの侵入深さh4は、上記突起部45、46の侵入深さh3よりも短くなっている(即ち、h4<h3)。なお、角度θ3の上限は180°である。
また、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)に対向する孔型上面50a、50b及び孔型底面51a、51bと、突起部55、56の傾斜面とのなす角度θfは、上記第3孔型K3と同様に、図5に示す4箇所ともに約90°(略直角)に構成されている。
第4孔型K4では、第3孔型K3通材後の被圧延材Aに対し、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)において第3孔型K3において形成された割り込み48、49が、突起部55、56が押し当てられることにより押し広げられ、割り込み58、59となる。即ち、第4孔型K4での造形における最終パスでは、割り込み58、59の最深部角度(以下、割り込み角度とも呼称する)がθ3となる。換言すると、第3孔型K3において割り込み48、49の形成と共に造形された分割部位(後述するフランジ部80に対応する部位)が更に外側に折り曲げられるような造形が行われる。このようにして造形された被圧延材Aの上下端部の部位は、後のH形鋼製品のフランジに相当する部位であり、ここではフランジ部80と呼称する。
なお、図5に示す第4孔型K4での造形は複数パスによって行われる。
これら、割り込みを割り広げ、被圧延材Aの上下端の分割部位(後のフランジ部80)を外側に折り曲げるような造形を行う第3孔型K3、第4孔型K4は「折り曲げ孔型」と呼称される。なお、第3孔型K3、第4孔型K4を順に「第1折り曲げ孔型」、「第2折り曲げ孔型」と呼称する場合もある。
また、上述してきた、スラブ(被圧延材A)を立てた状態で上下方向(幅方向)に圧下を行うような孔型(第1孔型K1〜第4孔型K4)を総称して「エッジング孔型」と呼称する場合がある。
図6は第5孔型K5の概略説明図である。第5孔型K5は、一対の水平ロールである上孔型ロール85と下孔型ロール86から構成される。図6に示すように、第5孔型K5では、第4孔型K4までに造形された被圧延材Aが90°あるいは270°回転させられ、第4孔型K4までは被圧延材Aの上下端に位置していたフランジ部80が、圧延ピッチライン上に来るような配置となる。そして、第5孔型K5では、2か所のフランジ部80を繋ぐ接続部であるウェブ部82の圧下及びフランジ部80のフランジ先端部を圧下することでフランジ幅の寸法調整が行われる。このようにしていわゆるドッグボーン形状のH形粗形材(図1に示すH形粗形材13)が造形される。なお、この第5孔型K5はウェブ部82を圧下して減厚させることから、ウェブ減厚孔型あるいは平造形孔型とも呼称される。なお、この平造形孔型(第5孔型K5)における圧延造形は平圧延工程、平圧延造形とも呼ばれ、1又は任意の複数パスで行われる。
このように造形されたH形粗形材13に対し、既知の圧延機である中間ユニバーサル圧延機5−エッジャー圧延機9の2つの圧延機からなる圧延機列を用いて、複数パスのリバース圧延が加えられ、中間材14が造形される。そして中間材14は、仕上ユニバーサル圧延機8において製品形状に仕上圧延され、H形鋼製品16が製造される(図1参照)。
上述したように、本実施の形態にかかる第1孔型K1〜第4孔型K4を用いて被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)に割り込みを入れ、それら割り込みによって左右に分かれた各部分を左右に折り曲げる加工を行い、フランジ部80を形成するといった造形をすることで、被圧延材A(スラブ)の上下端面をほぼ上下方向に圧下することなくH形粗形材13の造形を行うことができる。即ち、従来行われていたスラブ端面を常に圧下する粗圧延方法に比べ、フランジ幅を広幅化させてH形粗形材13を造形することが可能となり、その結果、フランジ幅の大きな最終製品(H形鋼)を製造することができる。
一方で、本発明者らが鋭意実験を行ったところ、上述した第1孔型K1〜第4孔型K4に例示されるエッジング孔型において被圧延材Aのエッジング圧延を行う場合には、当該被圧延材Aの表面性状に種々の問題点が発現することが分かってきている。即ち、被圧延材Aのスラブ表面は、既に製鋼段階で発生した凹凸にスケールが付着した凹凸形状になっており、スラブ先端部のエッジング圧延によって当該先端部が圧縮されて凹凸形状が増幅されてしまう。
更には、上記第3孔型K3や第4孔型K4の説明で示したような分割部位(後のフランジ部80)を折り曲げ造形する場合、フランジ内面を内側とする折り曲げプロセスであるため、当該フランジ内面の表面が圧縮変形となり、表面の凹凸形状が更に増幅される。
即ち、スラブからエッジング圧延を行う工程において、被圧延材Aのフランジ内面の表面性状が最も悪くなるタイミングは、エッジング圧延完了時である。
このような事情に鑑み、本発明者らは、H形鋼の製造に係る粗圧延工程において、エッジング圧延を行っている途中の被圧延材A、あるいは、エッジング圧延完了後の被圧延材Aに対し、被圧延材Aの上下端部(即ち、フランジ相当部、後のフランジ部80)の内面(単にフランジ内面、内面とも記載)に発現した皺形状といった表面性状不良を解消するための「皺解消工程」を行うことを創案した。また、この「皺解消工程」を行うにあたり、当該工程用の孔型(以下、皺解消用孔型とも記載)を孔型ロールに刻設する構成についても創案した。以下、本実施の形態に係る「皺解消工程」ならびに「皺解消用孔型」について図面を参照して説明する。
(皺解消用孔型の構成)
図7は、本実施の形態に係る皺解消用孔型KSの構成を示す概略説明図である。皺解消用孔型KSは一対の水平ロールである上孔型ロール105と下孔型ロール106から構成される。図7に示すように、エッジング圧延時の被圧延材Aが90°あるいは270°回転させられ、エッジング圧延時は被圧延材Aの上下端に位置していたフランジ相当部(フランジ部80)が、圧延ピッチライン上に来るような配置となる。ここで、上下孔型ロール105、106のロール形状は任意に設計されるが、その特徴として、フランジ部80の内面(フランジ内面80a)がロール周面と当接・接触するような形状となっている。
ここで、フランジ部80の内面(フランジ内面80a)とは、H形鋼製品となった際にフランジの内面となる部位を示しており、フランジ部80のウェブ部82接続側がフランジ内面80a、ウェブ部82接続部と反対側がフランジ外面80bである。なお、図示のように、上下孔型ロール105、106のロール周面と接触するフランジ内面80a及びフランジ外面80bは、概略断面図において上下左右の4箇所に存在する。
また、上下孔型ロール105、106のフランジ内面80aに当接・接触する当接面105a、106aと、圧延ピッチラインとのなす角度は、皺解消用孔型KSに導入される被圧延材Aのフランジ部80傾斜角度αに合わせて設計されることが望ましい。
また、フランジ部80の内面80aと上下孔型ロール105、106との当接・接触については、必ずしも内面80aの全面が接触しない構成でも良い。例えば、フランジ内面80aにおいて、折り曲げ時等に皺等の表面性状悪化がより顕著に発生する部位は、フランジ部80の根元部近傍の範囲(ウェブ部82との接続部に近い範囲)であることが分かっていることから、当該範囲を重点的に接触させるようなロール設計とすれば良い。具体的には、図7に示すように、フランジ外面80bの中央部からフランジ厚み方向への垂線とフランジ内面80aとの接点からフランジ内面80aの先端までの範囲Wのうち、フランジ部80の先端厚みtと同じ長さだけを先端から除いた範囲W1を規定し、少なくとも当該範囲W1においてはロールと内面80aとが接触しているようなロール設計とすることが好ましい。
なお、内面80aのうち、先端の範囲(長さtの範囲)がロールと接触しなくても良いのは、当該範囲が折り曲げ工程における圧縮変形の及ばない範囲であることに加え、後段の中間圧延工程において先端部のエッジング圧延によるバルジング変形によってフランジ厚が増厚し、中間ユニバーサル圧延(中間圧延工程)や仕上ユニバーサル圧延(仕上圧延工程)でフランジ内面部の厚み圧下が容易に可能となり、その際に表面性状悪化が矯正されるからである。なお、フランジ部80の先端厚みtと、内面80aでの範囲tが同じ数値tとするのは、先端部をエッジング圧延した際にバルジングが形成される範囲が、多くの場合、ほぼ厚み範囲以上となるために、先端の範囲tの部分は、少なくとも、以降の圧延において厚みが増厚しやすく、後段での圧延工程において厚み圧下による表面性状の改善が期待できるからである。
(皺解消工程)
図7を参照して説明した皺解消用孔型KSを設け、粗圧延工程において好適なタイミングで当該孔型を用いた皺解消工程を組み込むことで、フランジ内面80a発現した皺形状といった表面性状不良を解消することができる。本発明者らは、図2〜図6を参照して上述した本発明の実施の形態に係る孔型構成により行われる粗圧延工程において、どのようなタイミングで皺解消用孔型KSを用いた皺解消工程を行うことが好ましいかを検討し、その好適なタイミングを見出した。
上述したように、スラブからエッジング圧延を行う工程において、被圧延材Aのフランジ内面の表面性状が最も悪くなるタイミングは、エッジング圧延完了時である。即ち、本実施の形態で説明した第1孔型K1〜第5孔型K5を用いた粗圧延工程においては、皺の発生をなるべく抑制させる意味で、第4孔型K4での圧延造形完了後(即ち、エッジング圧延完了後)に皺解消工程を行うことが好ましいと考えられる。この場合、皺解消用孔型KSのロール形状は、第4孔型K4の突起部55、56の先端部角度θ3に基づいて定められる。また、このタイミングで皺解消工程を行う場合、皺解消用孔型KSを経た後の被圧延材Aに対して、表面性状の悪化を抑制する点から、フランジ部80の折り曲げ造形がなるべく実施されないことが望ましく、上記角度θ3は上限値の180°とすることが好ましい。
一方で、第4孔型K4での圧延造形完了後(エッジング圧延完了後)に皺解消工程を行う場合、皺の発生を抑制する点では有効であるが、フランジ部80傾斜角度αが極めて小さい角度となる。例えばθ3が180°の場合、αは0°に近い値となる。その場合、ロールがフランジ内面80aに角度無く接触するためすり下げ疵が発生しやすいといった問題もある。また、皺解消工程においてフランジ部80を寝かせる(傾斜角αを大きくする)ような造形を指向する場合には、フランジ部80の形状が崩れる恐れがある。
このような事情からは、皺の発生を抑制しつつ、すり下げ疵の発生も防止するといった観点から、本実施の形態で説明した第1孔型K1〜第5孔型K5を用いた粗圧延工程において、第3孔型K3での圧延造形完了後(即ち、エッジング圧延途上)に皺解消工程を行うことが好ましいと考えられる。この場合、皺解消用孔型KSのロール形状は、第3孔型K3の突起部45、46の先端部角度θ2に基づいて定められる。
(平圧延造形との関係)
上述してきたように、皺解消工程を行った後、即ち、フランジ部80の内面80aの表面性状が良好となった後には、なるべく表面性状が悪化するような圧延造形は避けることが好ましく、被圧延材AをできるだけH形鋼製品の形状に近付けておくことが好ましい。このような観点から、皺解消工程後の被圧延材Aが送られる平造形孔型(本実施の形態における第5孔型K5)の構成は、圧延造形時に当該平造形孔型の上下孔型ロール85、86とフランジ部80の内面80aとが接触しないような構成とすることが好ましい。これにより、皺解消工程後にフランジ内面80aの表面性状が再度悪化してしまうといった事を防止できる。
以上の通り、本実施の形態に係る第1孔型K1〜第5孔型K5を用いた圧延造形技術において、皺解消工程を行う好適なタイミングとしては、第3孔型K3での圧延造形完了後、あるいは第4孔型K4での圧延造形完了後が挙げられる。このようなタイミングで皺解消工程を行うことで、粗圧延工程後でH形粗形材13の表面性状不良を抑制させ、これに伴う後段プロセスでの形状不良や疵発生等も抑制させて良好な表面性状のH形鋼製品を効率的に製造することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態の一例を説明したが、本発明は図示の形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上記実施の形態において、第1孔型K1〜第4孔型K4として図示・説明した孔型群を用いて被圧延材Aの圧延造形を行い、その後、第5孔型K5を用いて平造形圧延を行う技術を説明したが、粗圧延工程を実施する孔型数はこれに限られるものではなく、更に多くの孔型を用いて実施しても良い。その場合、皺解消用孔型KSによる圧延は、最終折り曲げ孔型(例えば上記実施の形態における第4孔型K4)の前に行うことが好ましい。即ち、上記実施の形態に示した孔型構成は一例であり、サイジングミル3や粗圧延機4に刻設される孔型の数は任意に変更可能であり、好適に粗圧延工程を実施することができる程度に適宜変更される。
(孔型の効率化)
上記実施の形態において説明した第1孔型K1〜第5孔型K5や皺解消用孔型KSは、所定の胴長の孔型ロール内に収まるように刻設されることが求められる。また、上述したように、皺解消用孔型KSはフランジ部80の内面80aのみに当接・接触するような構成とされることが好ましい。このような場合、皺解消用孔型KSの内部、主に中央部にエッジング圧延用の孔型(上記実施の形態における第1孔型K1〜第4孔型K4)を刻設することも可能である。
図8は皺解消用孔型の変形例を示す概略図であり、孔型内部にエッジング孔型を刻設した構成を示している。皺を解消するためには、少なくともフランジ内面部をロールと接触させて平滑化すればよく、ウェブ部の圧下は必須ではないので、ウェブ相当部(ウェブ部82)にエッジング孔型を配置している。なお、内部に刻設するエッジング孔型は任意であり、図8では、一例として第2孔型K2を刻設した場合を図示している。また、内部に刻設する孔型数も任意であり、皺解消用孔型の寸法に応じて適宜刻設すれば良い。
このように皺解消用孔型の内部にエッジング孔型を刻設するといった構成を採ることで、所定のロール胴長内に刻設できる孔型数を増やすことができ、サイジングミルや粗圧延機といった設備限界のある圧延設備において、設備効率の向上を図ることができる。
なお、上記実施の形態では、H形鋼を製造する際の素材としてはスラブを例示して説明したが、類似形状のその他素材についても本発明技術は当然適用可能である。例えば、従来のエッジング圧延法に適用することも可能であり、その場合も各エッジング孔型の途中に皺解消用孔型による圧延を行うことで表面性状の改善が可能となる。
図9は、従来のエッジング圧延法の一例を示す概略説明図である。従来のエッジング圧延法は図9の(a)→(b)→(c)→(d)→(e)であるのに対し、本発明に係る皺解消用孔型KSを適用する場合には、(a)→(b)→(c)→皺解消用孔型KS→(d)→(e)といったケースや、(a)→(b)→(c)→(d)→皺解消用孔型KS→(e)といったケースが考えられる。
本発明は、例えば矩形断面であるスラブ等を素材としてH形鋼を製造する製造方法に適用できる。
1…圧延設備
2…加熱炉
3…サイジングミル
4…粗圧延機
5…中間ユニバーサル圧延機
8…仕上ユニバーサル圧延機
9…エッジャー圧延機
11…スラブ
13…H形粗形材
14…中間材
16…H形鋼製品
20…上孔型ロール(第1孔型)
21…下孔型ロール(第1孔型)
25、26…突起部(第1孔型)
28、29…割り込み(第1孔型)
30…上孔型ロール(第2孔型)
31…下孔型ロール(第2孔型)
35、36…突起部(第2孔型)
38、39…割り込み(第2孔型)
40…上孔型ロール(第3孔型)
41…下孔型ロール(第3孔型)
45、46…突起部(第3孔型)
48、49…割り込み(第3孔型)
50…上孔型ロール(第4孔型)
51…下孔型ロール(第4孔型)
55、56…突起部(第4孔型)
58、59…割り込み(第4孔型)
80…フランジ部
82…ウェブ部
85…上孔型ロール(第5孔型)
86…下孔型ロール(第5孔型)
105…上孔型ロール(皺解消用孔型)
106…下孔型ロール(皺解消用孔型)
K1…第1孔型
K2…第2孔型
K3…第3孔型
K4…第4孔型
K5…第5孔型(平造形孔型)
KS…皺解消用孔型
T…製造ライン
A…被圧延材

Claims (7)

  1. 粗圧延工程、中間圧延工程、仕上圧延工程を備えたH形鋼の製造方法であって、
    前記粗圧延工程を行う圧延機には、被圧延材を圧延造形する複数の孔型が刻設され、
    当該複数の孔型は、
    被圧延材を幅方向に圧延造形する複数のエッジング孔型と、
    当該複数のエッジング孔型によるエッジング圧延途上、又は、エッジング圧延完了後の被圧延材について、当該被圧延材のフランジ内面の一部または全部のみを孔型ロールに接触させて皺解消工程を行う皺解消用孔型と、を含むことを特徴とする、H形鋼の製造方法。
  2. 前記皺解消用孔型においては、フランジ外面の中央部からフランジ部厚み方向への垂線とフランジ内面との接点から当該フランジ内面の先端までの範囲Wのうち、フランジ部の先端厚みと同じ長さだけを先端から除いた範囲W1を少なくとも接触させて皺解消工程を行うことを特徴とする、請求項1に記載のH形鋼の製造方法。
  3. 前記複数の孔型は、
    被圧延材の幅方向端部に対し鉛直に溝付けを行う溝付け孔型と、
    溝付けされた被圧延材の幅方向端部に対し鉛直に割り込みを入れて被圧延材端部に分割部位を形成させる突起部が形成された1又は複数の割り込み孔型と、
    前記割り込みに当接し、前記割り込み孔型において形成された分割部位を順次折り曲げる突起部が形成された複数の折り曲げ孔型と、を含み、
    前記皺解消工程は、前記複数の折り曲げ孔型において折り曲げ造形される途上、又は、折り曲げ造形完了後の被圧延材に対し行われることを特徴とする、請求項1又は2に記載のH形鋼の製造方法。
  4. 前記複数の折り曲げ孔型は、被圧延材に対し順に折り曲げ造形行う、第1折り曲げ孔型及び第2折り曲げ孔型から構成され、
    前記皺解消工程は、前記第1折り曲げ孔型での折り曲げ造形後、又は、前記第2折り曲げ孔型での折り曲げ造形後の被圧延材に対し行われることを特徴とする、請求項3に記載のH形鋼の製造方法。
  5. 前記第2折り曲げ孔型に形成された突起部の先端部角度は180°であることを特徴とする、請求項4に記載のH形鋼の製造方法。
  6. 前記複数の孔型は、前記割り込み孔型、前記折り曲げ孔型、及び、前記皺解消用孔型を経た被圧延材に対し平造形圧延を行う平造形孔型を含み、当該平造形孔型は、被圧延材のフランジ内面と孔型ロールとが接触しないように構成されることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか一項に記載のH形鋼の製造方法。
  7. 前記皺解消用孔型の孔型内部には、前記複数のエッジング孔型が少なくとも1孔型以上刻設されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のH形鋼の製造方法。
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