JP6973146B2 - H形鋼の製造方法 - Google Patents
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Description
また、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)に対向する孔型上面30a、30b及び孔型底面31a、31bと、突起部35、36の傾斜面とのなす角度θfは、図3に示す4箇所ともに約90°(略直角)に構成されている。
また、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)に対向する孔型上面40a、40b及び孔型底面41a、41bと、突起部45、46の傾斜面とのなす角度θfは、図4に示す4箇所ともに約90°(略直角)に構成されている。
また、被圧延材Aの上下端部(スラブ端面)に対向する孔型上面50a、50b及び孔型底面51a、51bと、突起部55、56の傾斜面とのなす角度θfは、上記第3孔型K3と同様に、図5に示す4箇所ともに約90°(略直角)に構成されている。
この第6孔型K6は、ウェブ部82に形成された***部82bを消去することから、「***部消去孔型」とも呼称される。
上述した通り、本実施の形態に係る第5孔型K5(図6参照)では、被圧延材Aのウェブ部82の中央に***部82bが形成され、形成された***部82bは、後段の第6孔型K6において消去される。そして、***部消去後に必要に応じてウェブ内法の拡幅圧延が行われ、H形粗形材が造形されるが、従来に比べフランジ幅の大きな大型H形鋼製品を製造するためには、H形粗形材のフランジ幅もできるだけ大きくすることが望まれる。
本発明者らは、第5孔型K5において形成する***部82bの幅長さL1(即ち、第5孔型K5での圧延造形におけるウェブ内法の逃がし量)を変えることで、最終的に得られるH形粗形材のフランジ幅に違いが出ることを見出した。これは、***部82bの幅長さを大きくする程フランジ肉量が確保しやすい反面、後の***部消去時(第6孔型K6での圧延造形)において被圧延材Aの長手方向延伸作用によってフランジ幅が減少することに起因する。
逃がし率[%]=(逃がし量L1/ウェブ内法L2)×100 ・・・(1)
図8に示す結果から、従来に比べフランジ幅の大きな大型H形鋼製品を製造する場合には、H形粗形材のフランジ幅も大きくなるような圧延造形が所望されることに鑑み、逃がし率の数値範囲は25%〜50%とすることが望ましいことが分かる。
上述したように、***部82bを形成する際の逃がし率の数値範囲は25%〜50%とすることが望ましいことが図8の結果から分かっているが、一方で、このような数値範囲の逃がし率で***部82bを形成する際のウェブの圧下部分82aの厚みの値については更なる検討を行う必要がある。これは、***部82bを形成した後に、当該***部82bを消去するための圧延造形を第6孔型K6で実施する際に、圧下部分82aが薄すぎ、***部82bのメタル移動が断面内で行われず、被圧延材Aの長手方向へのメタル移動が生じてしまった結果であると推定される。
図9は、被圧延材Aの反りに関する説明図であり、被圧延材Aの長手方向端部において反りが生じた際の概略側面図である。図9に示すように、被圧延材Aの長手方向端部において反りが生じた際の端部と定常部との差異が「反り量」として規定される。そして、被圧延材Aにおいて反りが発生した長手方向長さに対し発生した反り量の比率が以下の式(2)で定義される「反り(%)」とされる。
反り[%]=反り量/反りの発生した被圧延材長さ ・・・(2)
操業上、被圧延材Aで生じた反りが10%以上となると、次パス以降での寸法形状悪化が著しく圧延続行が困難である。即ち、図10に示す結果から、ウェブ厚み(圧下部分82aの圧下後厚み)を140mm以上となるように第5孔型K5での圧延造形を行うことで、良好な造形性が担保されることが分かる。これは、表1に示す水準1〜3の条件で造形性が良好であることと一致する。
なお、同条件下において反りが数%(10%未満)である場合には、数十mm程度の反りが通常操業にて観察されるが、操業上問題無い程度であることは当業者であれば容易に推察することが可能である。
なお、第5孔型K5においてウェブ厚み(圧下部分82aの圧下後厚み)を所定の値(例えば140mm)以上となるようにした場合、後段の第6孔型K6においてウェブ厚みが更に薄くなるようなウェブの減厚圧下を行っても良い。
例えば、スラブ厚が300mm、***部82bの高さを十分な高さに孔型を取った場合、***部高さは300mmのままである。その状態から、***部消去孔型(図7の第6孔型K6)において***部82bの消去をしたところ、第5孔型K5での圧下後仕上りウェブ厚が140mmのケースでは通材性に問題はなかったが、130mmのケースでは通材不良が発生した。これらのケースでは***部82bの厚みはいずれも300mmとなっており、***部82bの延伸は140mmの場合、300mmから140mmまで圧下されるので2.14であり、130mmの場合、300mmから130mmまで圧下されるので2.31である。同様に種々のケースについてプロットすると、図11に示すように、通材不良の閾値を示す限界延伸はいずれも2.1程度となっている。
また、本発明者らは、上述した第5孔型K5及び第6孔型K6を用いた圧延造形技術では、被圧延材Aの定常部と非定常部とで長手方向への拘束力が異なっていることから、断面内のメタルフローが定常部と非定常部で変化し、長手方向で圧延造形後のウェブ高さが大きく変化することを見出した。即ち、第6孔型K6における圧延造形では、被圧延材Aの非定常部では端部の拘束がないために、***部82bの圧下が長手方向へのメタルフローを生じさせやすく、ウェブ内法(ウェブ高さ)が定常部とは異なってしまう。このような被圧延材Aの非定常部と定常部の断面形状の差異(長手方向での寸法変動)は、次工程以降の孔型との孔型形状マッチングが不十分となることから好ましくない。図12は、上述した第5孔型K5及び第6孔型K6を用いた圧延造形技術の一例として、2000×300mmの矩形断面スラブ素材を用いて、以下の表2に示すロール諸元でもって製品フランジ幅400mm以上のH形鋼を製造する場合において、第6孔型K6での圧延前と圧延後の被圧延材ウェブ高さの変化を示すグラフである。
上述したように、第6孔型K6での圧延造形では、当該孔型に側壁を設けて圧延造形後の被圧延材Aのウェブ高さ(即ち、被圧延材外法)を所定の値に揃えることが好ましいが、その場合、フランジ肉量(平均フランジ幅×平均フランジ厚)をできるだけ多く確保するとの観点からは、第5孔型K5の内法と第6孔型K6の内法との関係を好適なものとすることが望ましい。
2…加熱炉
3…サイジングミル
4…粗圧延機
5…中間ユニバーサル圧延機
8…仕上ユニバーサル圧延機
9…エッジャー圧延機
11…スラブ
13…H形粗形材
14…中間材
16…H形鋼製品
20…上孔型ロール(第1孔型)
21…下孔型ロール(第1孔型)
25、26…突起部(第1孔型)
28、29…割り込み(第1孔型)
30…上孔型ロール(第2孔型)
31…下孔型ロール(第2孔型)
35、36…突起部(第2孔型)
38、39…割り込み(第2孔型)
40…上孔型ロール(第3孔型)
41…下孔型ロール(第3孔型)
45、46…突起部(第3孔型)
48、49…割り込み(第3孔型)
50…上孔型ロール(第4孔型)
51…下孔型ロール(第4孔型)
55、56…突起部(第4孔型)
58、59…割り込み(第4孔型)
80…フランジ部
82…ウェブ部
82a…圧下部分
82b…***部(未圧下部分)
85…上孔型ロール(第5孔型)
85a…窪み部
86…下孔型ロール(第5孔型)
86a…窪み部
95…上孔型ロール(第6孔型)
96…下孔型ロール(第6孔型)
100…孔型側壁
110…コーナー部
K1…第1孔型
K2…第2孔型
K3…第3孔型
K4…第4孔型
K5…第5孔型(***部形成孔型)
K6…第6孔型(***部消去孔型)
T…製造ライン
A…被圧延材
Claims (6)
- 粗圧延工程、中間圧延工程、仕上圧延工程を備えたH形鋼の製造方法であって、
前記粗圧延工程は、被圧延材を所定の略ドッグボーン形状に圧延造形するエッジング圧延工程と、エッジング圧延工程完了後の被圧延材を90°あるいは270°回転させてウェブ部の圧延を行う平圧延工程を有し、
前記平圧延工程を行う孔型には、少なくとも、被圧延材のウェブ部中央に***部を形成させる窪み部が設けられた***部形成孔型と、前記***部が形成された被圧延材に対し、当該***部を圧下する***部消去孔型が刻設され、
前記平圧延工程において形成される***部の幅は被圧延材のウェブ部内法の25%以上50%以下に設定され、
前記***部消去孔型における前記***部に対する圧下率を2.1以下とし、
前記***部消去孔型の内法寸法は、前記***部形成孔型の内法寸法未満に設計され、
且つ、前記***部消去孔型には、被圧延材の外法寸法を所定値以下に抑える孔型側壁が設けられることを特徴とする、H形鋼の製造方法。 - 前記孔型側壁間の間隔は、前記***部消去孔型における被圧延材非定常部の幅拡がり量に基づき設計されることを特徴とする、請求項1に記載のH形鋼の製造方法。
- 前記平圧延工程を行う孔型には、前記***部消去孔型で圧延造形された後の被圧延材に対し、ウェブ部を略平坦に圧延造形し、且つ、拡幅圧延を行う1又は複数の拡幅用孔型が更に含まれることを特徴とする、請求項1又は2に記載のH形鋼の製造方法。
- 前記拡幅用孔型で圧延造形された被圧延材のウェブ部厚みは、前記***部形成孔型で圧延造形された被圧延材のウェブ部厚みに比べ薄く設定され、
前記***部消去孔型では、前記***部の圧下と併せて被圧延材のウェブ部の圧下が行われることを特徴とする、請求項3に記載のH形鋼の製造方法。 - 前記粗圧延工程を行う圧延機には、被圧延材を圧延造形する6以上の複数の孔型が刻設され、
当該複数の孔型では被圧延材の1又は複数パス造形が行われ、
前記複数の孔型のうち、第1孔型及び第2孔型には、被圧延材の幅方向に対し鉛直に割り込みを入れて被圧延材端部に分割部位を形成させる突起部が形成され、
前記複数の孔型のうち、後段に位置する前記平圧延工程を行う孔型を除く第3孔型以降の孔型には、前記割り込みに当接し、形成された分割部位を順次折り曲げる突起部が形成されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のH形鋼の製造方法。 - 厚み290mm以上310mm以下の矩形断面スラブを素材として用い、ウェブ高さ1000mm以上、且つ、フランジ幅400mm以上のH形鋼製品を製造することを特徴とする、請求項5に記載のH形鋼の製造方法。
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