JP2019196438A - 着色樹脂微粒子及び筆記具用水性インク組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、上記着色樹脂微粒子からなる色材は、単に色材機能のみや、描線乾燥性向上などの単純な機能を有するに過ぎず、更なる着色樹脂微粒子の改良が望まれているのが現状である。
しかしながら、少なくとも、モノマー成分と染料などとを特定のRAFT剤を用いてリビングラジカル重合させてなる着色樹脂微粒子が、色材機能の他、固着性などの他の機能を付与できることなどについては今まで知られていないものである。
本発明の筆記具用インク組成物は、上記構成の着色樹脂微粒子を含有することを特徴とする。
本発明の着色樹脂微粒子は、少なくとも、モノマー成分と染料とをRAFT剤を用いてリビングラジカル重合して得られる着色樹脂微粒子であって、前記RAFT剤は、下記式(I)で表されるジベンジルトリチオカルボナート化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするものである。
好ましくは、用途により要求特性が様々であるという点、利用できる単量体の種類が豊富な点、優れた発色性などの点から、ビニルモノマーが挙げられる。
用いるビニルモノマーとしては、特に制限はないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート等のアクリル酸エステル系単量体、ジメチルアミノエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル系単量体、スチレン、p−メチルスチレン等のスチレン系単量体、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル、酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル系単量体、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド等のN−アルキル置換(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系単量体、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多官能単量体等が挙げられる。また、酸性官能基(カルボキシル基、スルフォン基など)、シアノ基、トリアジン環、フッ素基などの各種官能基を有するビニルモノマーであってもよい。
酸性官能基(カルボキシル基、スルフォン基など)を有するビニル系モノマーとしては、例えば、フタル酸−2−メタクリロイルオキシエステル、フタル酸−2−アクリロイルオキシエステル、ヘキサヒドロフタル酸−2−メタクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸−2−アクリロイルオキシエチル、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、2−メタリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸などが挙げられる。
このようなモノマー成分(単量体)は、少なくとも1種(各単独で、または2種類以上を組合せて、以下同様)用いることができる。なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリル酸」の表記は、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を表し、「(メタ)アクリレート」の表記は、「アクリレート及び/又はメタクリレート」を表す。
好ましく用いることができるアクリル酸又はメタクリル酸のエステル類としては、例えば、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の少なくとも1種が挙げられる。
本発明においては、発色性、安定性などの点から、塩基性染料、油溶性染料の使用が好ましい。また、筆記具用インクに通常使用されている染料、例えば、クマリン系、ペリレン系、ジシアノピニル系、アゾ系(例えば、ピリドンアゾ系、ジスアゾ系、トリスアゾ系、ベンゼンアゾ系、ヘテロ環アゾ系など)、キノフタロン系、アミノピラゾール系、メチン系、ジシアノイミダゾール系、インドアニリン系、フタロシアニン系も好適に使用し得る。これらの染料は、2種以上を混合して使用してもよい。
具体的な塩基性染料としては、C.I.ベーシックイエロー(−1,−2,−9,−80等)、C.I.ベーシックオレンジ(−1,−2,−7,−34等)、C.I.ベーシックレッド(−1,−2,−3,−53等)、C.I.ベーシックバイオレット(−1,−2,−3,−39等)、C.I.ベーシックブルー(−1,−2,−5,−88等)、C.I.ベーシックグリーン(−1,−4,−6,−10等)、C.I.ベーシックブラウン(−1,−2,−4,−15等)、C.I.ベーシックブラック(−1,−2,−7,−8等)などのCOLOR INDEXに記載されている各No.の各色の染料が挙げられる。
また、これらの市販品も使用することができ、黄色塩基性染料では、AIZEN CATHILON YELLOW GLH(保土谷化学工業社製の商品名)等、赤色塩基性染料では、AIZEN CATHILON RED BLH、AIZEN CATHILON RED RHなど(以上、保土谷化学工業社製の商品名)、Diacryl Supra Brilliant Red 2Gなど(三菱化学社製の商品名)、Sumiacryl Red B(住友化学社製の商品名)等、青色塩基性染料では、AIZEN CATHILON TURQUOISE BLUE LH(保土谷化学工業社製の商品名)等、緑色塩基性染料では、Diacryl Supra Brilliant Green 2GL(三菱化学社製の商品名)等、茶色塩基性染料では、Janus Brown R(日本化学社製の商品名)、AIZEN CATHILON BROWN GH(保土谷化学工業社製の商品名)等が挙げられる。
黄色系としては、C.I.ソルベントイエロー114、116;オレンジ系としては、C.I.ソルベントオレンジ67;赤色系としては、C.I.ソルベントレッド122、146;青色系としては、C.I.ソルベントブルー5、36、44、63、70、83、105、111;黒色系としては、C.I.ソルベントブラック3、7、27、29;等がそれぞれ挙げられる。
具体的な市販油溶性染料としては、青染料SBNブルー701(保土谷化学工業社製)、青染料オイルブルー650(オリエント化学工業社製)、青染料サビニールブルーGLS(クラリアント社製)、赤染料SOC−1−0100(オリエント化学工業社製)、オイルブラック860、オイルピンク314、オイルイエロー3G、バリファストピンク2310N、同レッド3312、同イエローCGHNnew、同イエロー1108、同ブラック3830(オリエント化学工業社製)等を挙げることができる。
本発明では、従来の着色樹脂微粒子のラジカル重合(乳化重合等)に較べ、上記特定のRAFT剤を用いたリビングラジカル重合により得られる着色樹脂粒子とすることにより、色材機能の他、凝集力および粘着性を有する特性が発現するので固着性、水拭き性などが良好となる着色樹脂微粒子を得ることができる。
本発明において、用いることができるRAFT剤としては、上記式(I)で表されるジベンジルトリチオカルボナート化合物から選ばれる少なくとも1種であり、式(I)中、Arはフェニレン基であり、R1、R2は、水素原子、アセトキシ基、ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基であるものが挙げられる。式(I)中のR1,R2は同一であっても、異なっても良いものである。また、R1、R2は、式:−C(O)−O−CH2−R3で表され、ここで、R3は末端にヒドロキシ基を有する炭素数1〜5のアルキル基、末端及びその隣接位にそれぞれヒドロキシ基を有する炭素数2〜5のアルキル基、末端及びその隣接位間に二重結合を有する炭素数2〜5のアルケニル基または末端及びその隣接位にエポキシを有する炭素数2〜5のアルキル基であるものが挙げられる。更に、R1、R2は、式:−C(O)−N(R4)−(CH2)n−R5で表され、R4は炭素数1〜5のアルキル基、nは1〜5の数、R5はアセトキシ基、ヒドロキシ基であるものが挙げられる。
好ましくは、本発明の効果を更に発揮せしめる点から、R1、R2は同一であるものが望ましい。
上記式(I)で表される各種ジベンジルトリチオカルボナート化合物の製造等は、既知であり、X−CH2−Ar−R1〔Xはハロゲン、Arはフェニレン基を表し、R1は上記(I)中のR1と同じ)で表される化合物などを、トリチオ炭酸塩を用いてトリチオカーボナート化することにより得ることができる。また、市販品があればそれらを用いることができる。
これらの上記式(I)で表されるジベンジルトリチオカルボナート化合物からなるRAFT剤は、モノマー(単量体)の反応性に応じて最適なものを選択することが好ましく、特に、本発明の着色樹脂微粒子の重合には、分散安定性の点から、ビス{4−〔エチル−(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル〕ベンジル}トリチオカルボナートの使用が望ましい。
また、上記染色はリビングラジカル重合と同時に行ったが、リビングラジカル重合後に塩基性染料や油溶性染料などの染料を溶解して染色を行っても良い。
上記トリアリルイソシアヌレートなどの架橋剤を更に併用すると、着色樹脂微粒子の耐熱性、機械的特性、耐加水分解性、耐候性が更に向上できるので好ましい。
なお、本発明において、「全ポリマー成分」とは、着色樹脂微粒子を構成する重合性成分をいい、具体的には、モノマー成分と、上記架橋剤、重合性界面活性剤、重合性染料の合計量をいう。
この染料の含有量を15質量%以上とすることにより、十分な発色性、十分な描線濃度を発揮せしめることができ、一方、染料の含有量が15質量%未満であると、発色性が十分でないものとなる。
また、上記トリアリルイソシアヌレートなどの架橋剤の含有量は、上記モノマー全量に対して、0〜50質量%、好ましくは、0.1〜25質量%が望ましい。
本発明は、上述の如く、少なくとも、モノマー成分と染料とを上記式(I)で表されるジベンジルトリチオカルボナート化合物を用いてリビングラジカル重合して得られる着色樹脂微粒子であり、例えば、少なくとも、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマー等に、上述の塩基性染料や油溶性染料などの染料を溶解し、上記式(I)のRAFT剤となるジベンジルトリチオカルボナート化合物を用いてリビングラジカル重合(乳化重合)を行うことにより、または、少なくとも、上記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーなどのビニルモノマーと他のモノマー成分を含む混合モノマーを上記式(I)で表されるジベンジルトリチオカルボナート化合物を用いて重合後に塩基性染料や油溶性染料などの染料を溶解して染色することにより、樹脂固形分として20〜50質量%の着色樹脂微粒子が水に分散されている着色樹脂微粒子の分散液が得られ、この分散液を乾燥処理することなどにより着色樹脂微粒子が得られることとなる。
上記好ましい平均粒子径の範囲とすることにより、サインペンやマーキングペン、ボールペンなどの筆記具のペン芯において目詰まりすることなく、更に、保存安定性などに優れたものとなる。
なお、本発明で規定する「平均粒子径」は、散乱光強度分布によるヒストグラム平均粒子径であり、本発明(後述する実施例を含む)では、粒度分布測定装置〔FPAR1000(大塚電子社製)〕にて、測定した値D50の値である。
すなわち、本発明において、少なくとも、モノマー成分と染料とを上記式(I)で表されるジベンジルトリチオカルボナート化合物を用いてリビングラジカル重合して得られる着色樹脂微粒子では、均一な低分子量分布のため、乾燥後、水への再分散性が高いことから、上記色材機能などの他、固着性、水拭き性などが良好となる着色樹脂微粒子が得られるものとなり、また、サインペンやマーキングペン、ボールペンなどの筆記具に好適な筆記具用水性インク組成物の色材として有用となるものである。
用いることができる水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ オール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル1,3−ブタンジオール、2メチルペンタン −2,4−ジオール、3−メチルペンタン−1,3,5トリオール、1,2,3−ヘキサントリオールなどのアルキレングリコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類、グリセロール、ジグリセロール、トリグリセロールなどのグリセロール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルなどのグリコールの低級アルキルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダリジノンなどの少なくとも1種が挙げられる。
これらの水溶性有機溶剤の含有量は、サインペンやマーキングペン、ボールペンなどの筆記具種により変動するものであり、インク組成物全量に対して、1〜40質量%、描線乾燥性を更に向上させる点から、10質量%以下としたインク組成に対して特に有効であり、より好ましくは、3〜8質量%とすることが望ましい。
また、着色樹脂微粒子の含有量は、筆記具種、流出機構(ペン芯、ボールペン)等により変動するものであるが、固形分量で、筆記具用水性インク組成物全量に対して、1〜30質量%が好ましい。
例えば、pH調整剤として、アンモニア、尿素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、トリポリリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなど炭酸やリン酸のアルカリ金属塩、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物などの少なくとも1種が挙げられる。
潤滑剤としてリン酸エステル類、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリアルキレングリコール誘導体、脂肪酸アルカリ塩、ノニオン系界面活性剤、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどのフッ素系界面活性剤、ジメチルポリシロキサンのポリエチレングリコール付加物などのポリエーテル変性シリコーンなどの少なくとも1種が挙げられる。
ボールペンとしては、上記組成の筆記具用水性インク組成物をボールペン用インク収容体(リフィール)に収容すると共に、該インク収容体内に収容された上記組成の筆記具用水性インク組成物とは相溶性がなく、かつ、該水性インク組成物に対して比重が小さい物質、例えば、ポリブテン、シリコーンオイル、鉱油等がインク追従体として収容されるものが挙げられる。
なお、ボールペン、マーキングペンの構造は、特に限定されず、例えば、軸筒自体をインク収容体として該軸筒内に上記構成の筆記具用水性インク組成物を充填したコレクター構造(インク保持機構)を備えた直液式のボールペン、マーキングペンであってもよいものである。
下記製造例1〜11により、各着色樹脂微粒子の分散液を製造した。なお、以下の「部」は質量部を表す。
2リットルのフラスコに、撹拌機、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管、モノマー投入用1000ml分液漏斗を取り付け、温水槽にセットし、蒸留水329.5部、グリセリンモノメタクリレート〔ブレンマーGLM、日油社製〕5部、メタクリル酸2−スルホエチルナトリウム〔アクリルエステルSEM−Na、三菱ケミカル社製〕5部、重合性界面活性剤〔ADEKA社製、アデカリアソープSE−10N、エーテルサルフェート〕20部及び過硫酸アンモニウム0.5部を仕込んで、窒素ガスを導入しながら、内温を50℃まで昇温した。
この調製液を上記分液漏斗から温度50℃付近に保った上記フラスコ内に撹拌下で3時間にわたって添加し、乳化重合を行った。さらに5時間熟成して重合を終了し、水性インク用着色樹脂微粒子の分散液(粒子1)を得た。
この着色樹脂微粒子の平均粒子径は、120nmであった。
上記製造例1において、蒸溜水を340.5部とし、メタクリル酸シクロヘキシルモノマーの量を30部とし、メタクリル酸n−ブチルの量を45部とし、また、染料として、油溶性染料〔バリファーストピンク2310N、オリエント化学工業社製〕20部、油溶性染料〔オイルピンンク 314、オリエント化学工業社製〕12部、油溶性染料〔バリファース レッド 3312、オリエント化学工業社製〕12部とし、更に、RAFT剤(連鎖移動剤):ビス{4−〔エチル−(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル〕ベンジル}トリチオカルボナート0.3部とした以外は、上記製造例1と同様にして、水性インク用着色微粒子水性分散液(粒子2)を得た。
この着色樹脂微粒子の平均粒子径は、97nmであった。
上記製造例1において、蒸溜水を333.5部とし、メタクリル酸シクロヘキシルモノマーの量を60部とし、メタクリル酸n−ブチルの量を30部とし、また、染料として、油溶性染料〔スピロンイエローCGNH New、保土谷化学工業社製〕25部、油溶性染料〔バリファーストイエロー1109、オリエント化学工業社製〕11部とし、更に、RAFT剤(連鎖移動剤):ビス{4−〔エチル−(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル〕ベンジル}トリチオカルボナート0.8部とした以外は、上記製造例1と同様にして、水性インク用着色微粒子水性分散液(粒子3)を得た。
この着色樹脂微粒子の平均粒子径は、38nmであった。
上記製造例1において、蒸溜水を309.5部とし、重合性界面活性剤〔ADEKA社製、アデカリアソープSE−10N、エーテルサルフェート〕を10部、メタクリル酸シクロヘキシルモノマーの量を60部とし、メタクリル酸n−ブチルの量を35部とし、また、染料として、油溶性染料〔バリファーストレッド3312、オリエント化学工業社製〕10部、油溶性染料〔バリファーストブラック1821、オリエント化学工業社製〕25部、油溶性染料〔バリファーストイエロー129、オリエント化学工業社製〕10部とし、更に、RAFT剤(連鎖移動剤):ビス{4−〔エチル−(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル〕ベンジル}トリチオカルボナート0.4部とした以外は、上記製造例1と同様にして、水性インク用着色微粒子水性分散液(粒子4)を得た。
この着色樹脂微粒子の平均粒子径は、46nmであった。
上記製造例1において、RAFT剤(連鎖移動剤、RAFT−NT、日本テルペン化学社製):ビス{4−〔エチル−(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル〕ベンジル}トリチオカルボナート0.6部をビス〔4−(アリルオキシカルボニル)ベンジル〕トリチオカルボナート0.6部とした以外は、上記製造例1と同様にして、水性インク用着色微粒子水性分散液(粒子5)を得た。
この着色樹脂微粒子の平均粒子径は、110nmであった。
上記製造例2において、RAFT剤(連鎖移動剤、RAFT−NT,日本テルペン化学社製):ビス{4−〔エチル−(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル〕ベンジル}トリチオカルボナート0.6部をRAFT剤(連鎖移動剤):S,S−ジベンジルトリチオカルボナート0.4部とした以外は、上記製造例2と同様にして、水性インク用着色微粒子水性分散液(粒子6)を得た。
この着色樹脂微粒子の平均粒子径は、115nmであった。
上記製造例4において、RAFT剤(連鎖移動剤、RAFT−NT,日本テルペン化学社製):ビス{4−〔エチル−(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル〕ベンジル}トリチオカルボナート0.6部を0.1部とした以外は、上記製造例4と同様にして、水性インク用着色微粒子水性分散液(粒子7)を得た。
この着色樹脂微粒子の平均粒子径は、87nmであった。
上記製造例4において、RAFT剤(連鎖移動剤、RAFT−NT,日本テルペン化学社製):ビス{4−〔エチル−(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル〕ベンジル}トリチオカルボナート0.6部を2.0部とした以外は、上記製造例1と同様にして、水性インク用着色微粒子水性分散液(粒子8)を得た。
この着色樹脂微粒子の平均粒子径は、90nmであった。
上記製造例1において、RAFT剤(連鎖移動剤):ビス{4−〔エチル−(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル〕ベンジル}トリチオカルボナートを用いることなく(使用量ゼロ)、上記製造例1と同様にして、水性インク用着色微粒子水性分散液(粒子9)を得た。
この着色樹脂微粒子の平均粒子径は、60nmであった。
上記製造例2において、RAFT剤(連鎖移動剤):ビス{4−〔エチル−(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル〕ベンジル}トリチオカルボナートを用いることなく(使用量ゼロ)、上記製造例2と同様にして、水性インク用着色微粒子水性分散液(粒子10)を得た。
この着色樹脂微粒子の平均粒子径は、70nmであった。
上記製造例3において、RAFT剤(連鎖移動剤):ビス{4−〔エチル−(2−ヒドロキシエチル)カルバモイル〕ベンジル}トリチオカルボナートを用いることなく(使用量ゼロ)、上記製造例3と同様にして、水性インク用着色微粒子水性分散液(粒子11)を得た。
この着色樹脂微粒子の平均粒子径は、83nmであった。
上記製造例1〜11により製造した各着色樹脂微粒子の分散液(粒子1〜12)を用いて、下記に示す配合組成(全量100質量%)により常法により各筆記具用水性インク組成物を調製した。
インク組成:(全量100質量%)
各水性インク用着色樹脂微粒子の分散液 50質量%
pH調整剤(トリエタノールアミン) 1質量%
水溶性有機溶剤(エチレングリコール) 5質量%
イオン交換水 44質量%
下記表1に実施例1〜8及び比較例1〜3の各評価結果を示す。
三菱鉛筆社製PC−5Mのペン体に、各筆記板用水性インク組成物を詰め、気温25℃、湿度65%の環境下において、直径約30mmの螺旋を5つ、ブラックボード又はホワイトボード上に描き、キムタオル(実験用ペーパータオル、日本製紙クレシア株式会社製)によりボードを水平に保ったまま一回擦過した。擦過後の描線の様子を観察し、下記評価基準で評価した(n=5)。
評価基準:
A:19.6N(重り2kg)の力を上から加えても消去できなかった。
B:9.8N超〜19.6N(重り2kg)未満の力を上から加えて擦過し消去
できた。
C:9.8N(重り1kg)以下の力を上から加えて擦過し消去できた。
三菱鉛筆社製PC−5Mのペン体に、各筆記板用水性インク組成物を詰め、気温25℃、湿度65%の環境下において、直径約30mmの螺旋を5つ、ブラックボード又はホワイトボード上に描き、キムタオル(実験用ペーパータオル、日本製紙クレシア株式会社製)に約25gの水道水を含ませ、ボードを水平に保ったまま一回擦過した。擦過後の描線の様子を観察し、下記評価基準で評価した(n=5)。
評価基準:
A:重りを置かずに水平に力を加えて消去できた。
B:0N超〜7.84N(重り0.8kg)以下の力を上から加えて擦過し消去
できた。
C:7.84N超〜9.8N(重り1kg)以下の力を上から加えて擦過し消去
できた。
D:9.8N超〜19.6N(重り2kg)未満の力を上から加えて擦過し消去
できた。
E:19.6N(重り2kg)の力を上から加えても消去できなかった。
Claims (2)
- 少なくとも、モノマー成分と染料とをRAFT剤を用いてリビングラジカル重合して得られる着色樹脂微粒子であって、前記RAFT剤は、下記式(I)で表されるジベンジルトリチオカルボナート化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする着色樹脂微粒子。
- 請求項1に記載の着色樹脂微粒子を含有することを特徴とする筆記具用インク組成物。
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