JP2019077749A - 暗記ペン用インク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】マーキングペンと半透明なシートの組み合わせからなる、いわゆる暗記ペンセット等に用いられる暗記ペン用インク組成物において、マーキング部分を半透明シートで覆っても文字が認識できてしまうことがなく、また、筆記する対象が辞書のような薄い紙の場合においても、インクが紙面裏面に浸透することがない暗記ペン用インク組成物を提供する。【解決手段】少なくともガラス転移温度(Tg)が45℃以下の樹脂粒子を含有し、インクの表面張力が38mN/m以上であることを特徴とする暗記ペン用インク組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、マーキングペン(暗記ペン)と半透明な着色シートの組み合わせからなる、いわゆる暗記ペンセット等に用いられる暗記ペン用インク組成物に関する。
従来より、マーキングペンと半透明な着色シートの組み合わせからなる、いわゆる暗記ペンセットは定番の筆記具としてよく知られている。
この暗記ペンセットは、特定色からなる半透明な着色シートをマーキングペンにより印刷乃至筆記された箇所に重ね合わせることにより印刷等した箇所を視認できないようにすることで、例えば、学習に際しての暗記作業に利用することができる暗記ペンセットである(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような暗記ペンセットには、いくつかの点において課題が存在している。その代表的なものとして、マーキングした文字などが見えにくくなること、マーキング部分を半透明な着色シートで覆っても文字が認識できてしまうこと、及び、筆記する対象が辞書のような薄い紙の場合において、インクが紙面裏面に浸透してしまうことなどが挙げられる。
特開昭57−37389号公報
本発明は、上記従来技術の現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、マーキングペンと半透明な着色シートの組み合わせからなる、いわゆる暗記ペンセット等に用いられる暗記ペン用インク組成物において、マーキングした文字なども見やすく、また、マーキング部分を半透明な着色シートで覆っても文字が認識できてしまうことがなく、更に、筆記する対象が辞書のような薄い紙の場合においても、インクが紙面裏面に浸透することがない暗記ペン用インク組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等に鑑み、鋭意研究を行った結果、少なくともガラス転移温度(Tg)が特定温度以下の樹脂粒子を含有し、インクの表面張力を特定値以上とすることにより、上記目的の暗記ペン用インク組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の暗記ペン用インク組成物は、少なくともガラス転移温度(Tg)が45℃以下の樹脂粒子を含有し、インクの表面張力が38mN/m以上であることを特徴とする。
樹脂粒子は着色樹脂粒子であることが好ましい。
樹脂粒子の平均粒子径は20〜300nmであることが好ましい。
本発明によれば、マーキングペンと半透明な着色シートの組み合わせからなる、いわゆる暗記ペンセット等に用いられる暗記ペン用インク組成物において、マーキングした文字なども見やすく、また、マーキング部分を半透明な着色シートで覆っても文字が認識できてしまうことがなく、更に、筆記する対象が辞書のような薄い紙の場合においても、インクが紙面裏面に浸透することがない暗記ペン用インク組成物が提供される。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の暗記ペン用インク組成物は、少なくともガラス転移温度(Tg)が45℃以下の樹脂粒子を含有し、インクの表面張力が38mN/m以上であることを特徴とするものである。
本発明に用いる樹脂粒子は、ガラス転移温度(Tg)が45℃以下となるものであり、例えば、粒子内部に空隙のある中空樹脂粒子、粒子内部に空隙のない中実樹脂粒子、着色樹脂粒子などが挙げられる。
これらの樹脂粒子の材質は、ガラス転移温度(Tg)が45℃以下となるものであれば、特に限定されず、中空樹脂粒子、中実樹脂粒子では、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタンなどの単独重合体や、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体などの2種以上のモノマーが共在している共重合体、これらの変性体などの固体の樹脂粒子を用いることができる。
用いることができる着色樹脂粒子は、ガラス転移温度(Tg)が45℃以下となるものであり、着色された樹脂粒子から構成されるものであれば特に限定されず、例えば、1)樹脂粒子中にカーボンブラック、酸化チタン等の無機顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料等の有機顔料などの顔料からなる着色剤が分散された着色樹脂粒子、2)樹脂粒子の表面が上記顔料からなる着色剤で被覆された着色樹脂粒子、3)樹脂粒子に直接染料、酸性染料、塩基性染料、食料染料、蛍光染料などの染料からなる着色剤が染着された着色樹脂粒子などが挙げられる。
これらの中空樹脂粒子、中実樹脂粒子、着色樹脂粒子は、水や有機溶媒に分散された水分散体、有機溶媒分散体であってもよいものである。
また、これらの樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)が45℃超過(45℃<)となるものは、粒子の膜化が困難となり、本発明の効果を発揮することができないものとなる。なお、ガラス転移温度(Tg)の下限は、−100℃以上であればよい。
本発明において、ガラス転移温度(Tg)は、リガク社製の示差走査熱分析器(DSC)を用いて、昇温速度10℃/分で、−150℃から+150℃まで昇温して示差走査熱量を測定し、得られた吸熱曲線を微分して変極点を求め、この変極点をTgと判断した。
好ましい樹脂粒子としては、本発明の効果を更に発揮せしめる点から、1)少なくとも、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2〜18の直鎖若しくは環状アルコールとのエステルモノマーとから構成される樹脂粒子、2)上記1)の樹脂粒子、すなわち、少なくとも、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2〜18の直鎖若しくは環状アルコールとのエステルモノマーと、塩基性染料又は油溶性染料とで構成される着色樹脂粒子が望ましい。
用いることができるアクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2〜18の直鎖若しくは環状アルコールとのエステルモノマーは、骨格モノマーとなるものであり、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2〜18の直鎖若しくは環状アルコールとのエステルであり、具体的には、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等の少なくとも1種を好適に示すことができる。なお、上記「(メタ)アクリル酸」の表記は、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を表す。
特に好ましくは、本発明の効果を更に向上させる(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルの使用が望ましい。
着色樹脂粒子とする場合に、用いることができる塩基性染料としては、例えば、ジ及びトリアリールメタン系染料;アジン系(ニグロシンを含む)、オキサジン系、チアジン系等のキノンイミン系染料;キサンテン系染料;トリアゾールアゾ系染料;チアゾールアゾ系染料;ベンゾチアゾールアゾ系染料;アゾ系染料;ポリメチン系、アゾメチン系、アザメチン系等のメチン系染料;アントラキノン系染料;フタロシアニン系染料等の塩基性染料などの少なくとも1種が挙げられ、好ましくは、水溶性の塩基性染料が望ましい。
用いることができる具体的な塩基性染料としては、C.I.ベーシックイエロー(−1,−2,−9,−40,−80等)、C.I.ベーシックオレンジ(−1,−2,−7,−34等)、C.I.ベーシックレッド(−1,−1:1,−2,−3,−53等)、C.I.ベーシックバイオレット(−1,−2,−3,−39等)、C.I.ベーシックブルー(−1,−2,−5,−7,−88等)、C.I.ベーシックグリーン(−1,−4,−6,−10等)、C.I.ベーシックブラウン(−1,−2,−4,−15等)、C.I.ベーシックブラック(−1,−2,−7,−8等)などのCOLOR INDEXに記載されている各No.の各色の染料が挙げられる。
また、これらの市販品も使用することができ、黄色塩基性染料では、AIZEN CATHILON YELLOW GPLH(保土谷化学工業社製の商品名)等、赤色塩基性染料では、AIZEN CATHILON RED BLH、AIZEN CATHILON RED RHなど(以上、保土谷化学工業社製の商品名)、Diacryl Supra Brilliant Red 2Gなど(三菱化学社製の商品名)、Sumiacryl Red B(住友化学社製の商品名)等、青色塩基性染料では、AIZEN CATHILON TURQUOISE BLUE LH(保土谷化学工業社製の商品名)等、緑色塩基性染料では、Diacryl Supra Brilliant Green 2GL(三菱化学社製の商品名)等、茶色塩基性染料では、Janus Brown R(日本化学社製の商品名)、AIZEN CATHILON BROWN GH(保土谷化学工業社製の商品名)等が挙げられる。
また、用いることができる油溶性染料としては、一般に市販されているモノアゾ、ジスアゾ、金属錯塩型モノアゾ、アントラキノン、フタロシアニン、トリアリールメタン等が挙げられる。また、酸・塩基性染料等の官能基を疎水基で置換した造塩タイプ油溶性染料も使用することができる。
黄色系としては、C.I.ソルベントイエロー16、29、30、56、79、82、114、116;オレンジ系としては、C.I.ソルベントオレンジ67;赤色系としては、C.I.ソルベントレッド1、8、25、27、49、122、127、132、146、218;青色系としては、C.I.ソルベントブルー5、36、38、44、63、70、83、105、111;黒色系としては、C.I.ソルベントブラック3、7、27、29;等がそれぞれ挙げられる。
具体的な市販油溶性染料としては、青染料SBNブルー701(保土谷化学工業社製)、青染料SPTブルー26(保土谷化学工業社製)、赤染料サビニールピンク 6BLS(クラリアントケミカルズ社製)等を挙げることができる。
用いる上記1)の好ましい樹脂粒子は、例えば、上記のアクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2〜18の直鎖若しくは環状アルコールとのエステルモノマーとを含む混合モノマーに過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素などを重合開始剤として、また還元剤を更に併用した重合開始剤とし、更に必要に応じて重合性界面活性剤を用いて乳化重合することなどにより樹脂粒子の水分散体を製造することができ、また、上記2)の好ましい着色樹脂粒子の場合は、例えば、上記混合モノマーに塩基性染料又は油溶性染料を溶解し、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素などを重合開始剤として、また還元剤を更に併用した重合開始剤とし、更に必要に応じて重合性界面活性剤を用いて乳化重合することなどにより着色樹脂粒子の水分散体を製造することができる。また、上記染色は重合と同時に行ったが、重合後に塩基性染料又は油溶性染料を溶解して染色を行っても良い。
上記乳化重合の際に、本発明の効果を損なわない範囲で、他の疎水性ビニルモノマーを混合して乳化重合を行ってもよい。用いることができる疎水性ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、メチルスチレンなどのスチレン類などが挙げられ、また、乳化重合において、エポキシ基、ヒドロキシメチルアミド基、イソシアネート基などの反応性架橋基を有するモノマーや2つ以上のビニル基を有する多官能性モノマーを配合して架橋してもよい。
着色樹脂微粒子として用いる場合は、上記塩基性染料又は油溶性染料の含有量は、発色性、耐候性、安定性などの色材としての機能の点から、モノマー全量に対して、好ましくは、0.2〜50質量%、更に好ましくは、0.5〜10質量%とすることが望ましい。
上記必要に応じて用いることができる重合性界面活性剤としては、上記乳化重合に通常用いられる重合性界面活性剤であれば特に制限はないが、例えば、重合性界面活性剤としては、アニオン系またはノニオン系の重合性界面活性剤であり、アデカ(株)製のアデカリアソープNE−10、同NE−20、同NE−30、同NE−40、同SE−10N、花王(株)製のラテムルS−180、同S−180A、同S−120A、三洋化成工業(株)製のエレミノールJS−20などの少なくとも1種が挙げられる。これらの重合性界面活性剤の使用量は、上記モノマー全量に対して、0〜50質量%、好ましくは、0.1〜50質量%が望ましい。
上記好ましい態様、具体的には、少なくとも、上記(A)成分のカルボキシル基含有ビニルモノマー40質量%以上と、上記(B)成分のエステルモノマー20質量%以上と含む混合モノマーを乳化重合することにより、また、当該混合モノマーに、上述の如く塩基性染料又は油溶性染料を溶解し、乳化重合することにより、または、少なくとも、上記(A)成分と(B)成分との重合後に塩基性染料又は油溶性染料を溶解して染色することにより、樹脂固形分として20〜50質量%の着色樹脂微粒子が水に分散されている樹脂微粒子、着色樹脂微粒子の分散液が得られることとなる。
得られる上記樹脂微粒子、着色樹脂微粒子は、ガラス転移温度(Tg)が45℃以下となるものであり、水などの溶媒に沈みにくく、描線乾燥性(速乾性)、描線造膜性に優れ、高接触角(紙面に75°)、高表面張力であり、また、着色樹脂微粒子の場合には、更に、用いる上記塩基性染料や油溶性染料等の各色を選択することにより無限に近い色揃えもでき、ピンポイント調色ができるなどの利点がある。従って、暗記ペン用インク組成物の樹脂粒子として、着色樹脂微粒子では色材として有用となるものである。
上記好ましい態様の樹脂粒子、着色樹脂微粒子を含む樹脂粒子は、その平均粒子径は、
発色性の点、分散安定性の点から、20〜300nmのものが望ましい。
更に好ましくは、40〜150nm、特に好ましくは、60〜110nmが望ましい。
なお、本発明で規定する「平均粒子径」は、粒度分布測定装置〔FPAR1000(大塚電子製)〕にて、測定したD50の値である。
これらの樹脂粒子の含有量は、着色樹脂粒子を色材として単独で使用する場合、着色のない樹脂粒子と色材となる着色樹脂粒子として併用したりする場合など、目的に応じてその量は変動する。例えば、樹脂粒子を水などの溶媒に沈みにくく、描線乾燥性(速乾性)、描線造膜性、高接触角(紙面に75°)、高表面張力などに用いる場合、更に、色材として兼用する着色樹脂粒子として用いる場合では、それぞれ適切な含有量はあるが一様ではない。
具体的には、本発明の効果を高度に発揮せしめる点から、着色のない樹脂粒子として用いる場合は、インク組成物全量に対して、5〜30質量%が好ましく、着色樹脂粒子を色材として単独で使用する場合は、インク組成物全量に対して、5〜30質量%が望ましい。
本発明の暗記ペン用インク組成物において、上記ガラス転移温度(Tg)が45℃以下の樹脂粒子を着色樹脂粒子として用いない場合、色材を含有せしめることが好ましい。
用いることができる色材としては、暗記ペン用インク組成物に慣用されている顔料及び/又は水溶性染料が挙げられる。顔料としては、無機系及び有機系顔料の中から任意のものを使用することができる。
無機系顔料としては、例えば、カーボンブラックや、酸化チタン、金属粉等が挙げられる。また、有機系顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔 料、キナクリドン顔料、染料レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料などが挙げ/*られる。
水溶性染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料のいずれも用いることができる。
これらの色材は、樹脂粒子と共に、単独で、又は2種以上を混合して、インク組成物全量に対して、0.05〜30質量%用いることができる。
本発明の暗記ペン用インク組成物において、上記ガラス転移温度(Tg)が45℃以下の樹脂粒子の他、残部として溶媒である水(水道水、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水等)の他、通常用いられる各成分、例えば、水溶性有機溶剤、保湿剤、防腐剤もしくは防菌剤、pH調整剤などを本発明の効果を損なわない範囲で、適宜量含有することができる。
用いることができる水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ オール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル1,3−ブタンジオール、2メチルペンタン −2,4−ジオール、3−メチルペンタン−1,3,5トリオール、1,2,3−ヘキサントリオールなどのアルキレングリコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類、グリセロール、ジグリセロール、トリグリセロールなどのグリセロール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルなどのグリコールの低級アルキルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダリジノンなどの少なくとも1種が挙げられる。
その他にも、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジエチルアセトアミドなどのアミド類、アセトンなどのケトン類などの水溶性溶剤を混合することもできる。
これらの水溶性有機溶剤の含有量は、インク組成物全量に対して、0.1〜10.0質量%とすることが望ましい。
本発明の暗記ペン用インク組成物には、耐乾燥性、耐滲み性などを更に改善するために、保湿剤を含有させることが好ましい。
保湿剤としては、無毒性、水に対する溶解性、水分保持性の観点から、マルチトール、マルチトールを主成分とする還元糖、ソルビトール、ソルビトールを主成分とする還元糖、還元オリゴ糖、還元マルトオリゴ糖、還元澱粉分解物、還元デキストリン、還元マルトデキストリン、α−サイクロデキストリン、β−サイクロデキストリン及びマルトシルサイクロデキストリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
これらは、インク粘度、pHを経時的に変動させるようなこともなく、書き味、耐乾燥性を向上させる機能を有する。また、アニオン性やカチオン性の物質に対しても影響を及ぼさないため、着色樹脂粒子や、染料、顔料の中から任意に色材を選択できる利点がある。
保湿剤の含有量は、インク組成物全量に対して、20質量%以下が好ましく、更に好ましくは、0.1〜10.0質量%が望ましい。
pH調整剤として、アンモニア、尿素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、トリポリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなど炭酸やリン酸のアルカリ金属塩、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物などの少なくとも1種が挙げられる。
防腐剤もしくは防黴剤として、フェノール、ナトリウムオマジン、ペンタクロロフェノールナトリウム、1,2−ベンズイソチアゾリン3−オン、2,3,5,6−テトラクロロ−4(メチルフォニル)ピリジン、安息香酸やソルビン酸やデヒドロ酢酸のアルカリ金属塩、ベンズイミダゾール系化合物などの少なくとも1種が挙げられる。
本発明の暗記ペン用インク組成物は、少なくとも、上記構成のガラス転移温度(Tg)が45℃以下の樹脂粒子を含有し、水、その他の各成分などを適宜組み合わせて、ホモミキサー、ホモジナイザーもしくはディスパー等の撹拌機により撹拌混合することにより、更に必要に応じて、ろ過や遠心分離によってインク組成物中の粗大粒子を除去すること等によって暗記ペン用インク組成物を調製することができ、文字面上からインク組成物がはじかれやすくする点から、暗記ペン用インク組成物の表面張力を38mN/m以上とすることが必要であり、好ましくは、40mN/m以上、60mN/m以下とすることが望ましい。
このインク組成物の表面張力を38mN/m未満であると、文字面上からインク組成物がはじかれにくくなり、本発明の効果を発揮できないこととなる。
この暗記ペン用インク組成物の表面張力を38mN/m以上とするためには、用いる樹脂粒子種(着色樹脂粒子を含む)及びその含有量、保湿剤などのその他の成分を適宜好適に組み合わせることなどにより調製することができる。

本発明において、インクの表面張力(25℃)は、協和界面科学社製、表面張力測定装置:CBVP−Zにて測定した値をいう。
本発明では、上記組成の暗記ペン用インク組成物を、例えば、繊維芯、多孔質芯などのペン先部を備えたマーキングペン等に搭載することにより暗記ペン(マーキングペン)として使用に供されることとなる。
暗記ペン(マーキングペン)の構造は、特に限定されず、例えば、軸筒自体をインク収容体として該軸筒内に上記構成の暗記ペン用インク組成物を充填したコレクター構造(インク保持機構)を備えた直液式のマーキングペンなどであってもよいものである。
本発明の暗記ペン用インク組成物を用いた暗記ペンセット等としては、例えば、覚えたい部分に着色樹脂粒子等を用いた赤色又は緑色のペンでマーキングし、特定色からなる半透明な着色シート(例えば、赤色のペンでは緑色のシート、緑色のペンでは赤色のシート)をマーキングした箇所に重ね合わせることにより印刷乃至筆記等した箇所を視認できないようになるので、例えば、学習に際しての暗記作業に利用することができるものとなる。
このように構成される本発明の暗記ペン用インク組成物では、少なくともガラス転移温度(Tg)が45℃以下の樹脂粒子を含有し、インクの表面張力が38mN/m以上となり、上記樹脂粒子(着色樹脂粒子を含む)は水などの溶媒に沈みにくく、描線乾燥性(速乾性)、描線造膜性に優れ、高接触角(紙面に75°)、高表面張力(50mN/m以上)となるものであるので、マーキングした文字なども見やすく、また、マーキング部分を半透明な着色シートで覆っても文字が認識できてしまうことがなく、更に、筆記する対象が辞書のような薄い紙の場合においても、インクが紙面裏面に浸透することがない暗記ペン用インク組成物が得られることとなる。
次に、製造例、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
〔製造例1〜9:樹脂粒子、着色樹脂微粒子の水分散体の製造〕
下記製造例1〜9及び表1の配合組成により、各樹脂粒子、着色樹脂微粒子の分散液を製造した。
(製造例1)
2リットルのフラスコに、撹拌機、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管、モノマー投入用1000ml分液漏斗を取り付け、温水槽にセットし、下記表1の配合割合によりイオン交換水、重合性界面活性剤〔アデカ社製“アデカリアソープSE−10N”〕および過硫酸アンモニウムを仕込んで、窒素ガスを導入しながら、内温を50℃まで昇温した。
一方、下記表1の配合割合により、メタクリルシクロヘキシルと、メタクリル酸n−ブチルとからなる混合モノマーを混合した液を調製した。
この調製液を上記分液漏斗から温度50℃付近に保った上記フラスコ内に撹拌下で3時間にわたって添加し、乳化重合を行った。さらに5時間熟成して重合を終了し、樹脂微粒子の水分散体(粒子1)を得た。
(製造例2〜6、9)
下記表1に示す各成分の配合割合にて、上記製造例1と同様にして、樹脂微粒子の水分散体(粒子2〜6、9)を得た。
(製造例7、8)
2リットルのフラスコに、撹拌機、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管、モノマー投入用1000ml分液漏斗を取り付け、温水槽にセットし、下記表1の配合割合によりイオン交換水、重合性界面活性剤〔アデカ社製“アデカリアソープSE−10N”〕および過硫酸アンモニウムを仕込んで、窒素ガスを導入しながら、内温を50℃まで昇温した。
一方、下記表1の配合割合により、メタクリルシクロヘキシル又はメタクリル酸ジシクロペンタニルと、メタクリル酸n−ブチルとからなる各混合モノマーに、下記表1の配合割合となる水溶性染料を混合した液を調製した。
この調製液を上記分液漏斗から温度50℃付近に保った上記フラスコ内に撹拌下で3時間にわたって添加し、乳化重合を行った。さらに5時間熟成して重合を終了し、着色樹脂微粒子の水分散体(粒子7、8)を得た。
得られた各樹脂粒子及び着色樹脂微粒子(粒子1〜9)のガラス転移温度(Tg)、平均粒子径を上述の各測定装置〔示差走査熱分析器(DSC)、粒度分布測定装置〕にて、測定した。これらの測定値を下記表1に示す。
〔実施例1〜8及び比較例1〜2:暗記ペン用インク組成物の調製〕
上記製造例1〜9により製造した各樹脂粒子、着色樹脂微粒子の水分散体(粒子1〜9)を用いて、下記表2に示す配合組成(全量100質量%)により常法により各暗記ペン用インク組成物を調製した。
得られた各暗記ペン用インク組成物(全量100質量%)について、上述の測定装置(表面張力測定装置)により、インク組成物の表面張力を測定した。
また、上記で得られた実施例1〜8及び比較例1、2の各暗記ペン用インク組成物を用いて、下記構成の暗記ペン(マーキングペン)を作製し、下記評価に使用した。
マーキングペン〔三菱鉛筆株式会社製、商品名:プロパス・ウインドウPUS−102T、ペン先、太:PE樹脂製燒結芯、細:PET繊維芯〕に上記各暗記ペン用インク組成物を装填して暗記ペン(マーキングペン)を作製した。
得られた各暗記ペンを用いて下記各評価方法により、文字視認性、文字隠蔽性、裏抜け性について評価した。
下記表2に実施例1〜8及び比較例1〜2の各評価結果等を示す。
(文字視認性の評価方法)
PPC用紙に印刷した12ポイントの文字を上記暗記ペンでマーキングして、下記評価基準で評価した。
評価基準:
A:文字が明確に視認できる。
B:文字と紙面の境界がやや不明瞭。
C:文字が全体的に不明瞭。
(文字隠蔽性の評価方法)
上記のサンプルにおいて、実施例1、3、5、7及び比較例2については、赤色の透明シートを、実施例2、4、6、8及び比較例1については、緑色の透明シートで覆い、印刷した文字の隠蔽性について、下記評価基準で評価した。
評価基準:
A:文字が全く視認できない。
B:文字の輪郭が一部分視認できる。
C:文字が判読できる。
(文字裏抜け性の評価方法)
岩波 国語辞典 第四版の任意の項目を上記暗記ペンでマーキングして、その裏面からの状態を、下記評価基準で評価した。
評価基準:
A:裏抜けが全く認められない。
B:色が濃くなっている部分がある。
C:裏抜けが認められる、或いは全体的に色が濃くなっている。
Figure 2019077749
Figure 2019077749
上記表1及び表2を考察すると、本発明範囲となる実施例1〜8は、本発明の範囲外となる比較例1〜2に較べ、インク表面張力も38mN/m以上であり、文字視認性、文字隠蔽性に優れ、文字裏抜け性もないこことが判った。
マーキングペンと半透明なシートの組み合わせからなる、いわゆる暗記ペンセット等に用いられる暗記ペン用インク組成物が得られる。

Claims (3)

  1. 少なくともガラス転移温度(Tg)が45℃以下の樹脂粒子を含有し、インクの表面張力が38mN/m以上であることを特徴とする暗記ペン用インク組成物。
  2. 樹脂粒子が着色樹脂粒子であることを特徴とする請求項1記載の暗記ペン用インク組成物。
  3. 樹脂粒子の平均粒子径が20〜300nmであることを特徴とする請求項1又は2記載の暗記ペン用インク組成物。
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