JP2019086462A - 放射線検出モジュール、および放射線検出器 - Google Patents
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そのため、高い防湿性能を得られる構造として、シンチレータと反射層をハット形状の防湿体で覆い、防湿体のつば(鍔)部をアレイ基板と接着する技術が提案されている。この場合、アルミニウムなどの金属を含む防湿体のつば部が、ガラスを含むアレイ基板と接着されることになる。
そのため、アレイ基板の、防湿体側とは反対側の面に、板状の樹脂フィルムやバイメタルを接着して、反りの発生を抑制する技術が提案されている。
しかしながら、反りの発生の抑制には改善の余地があった。
前記第1の接着層の平面形状は、枠状である。前記反り抑制部は、板状を呈している。前記第2の接着層の平面形状は、枠状である。
また、本発明の実施形態に係る放射線検出器は、X線のほかにもγ線などの各種放射線に適用させることができる。ここでは、一例として、放射線の中の代表的なものとしてX線に係る場合を例にとり説明をする。したがって、以下の実施形態の「X線」を「他の放射線」に置き換えることにより、他の放射線にも適用させることができる。
また、以下に例示をするX線検出器1は、放射線画像であるX線画像を検出するX線平面センサである。X線検出器1は、例えば、一般医療用途などに用いることができる。ただし、X線検出器1の用途は、一般医療用途に限定されるわけではない。
なお、煩雑となるのを避けるために、図1においては、保護層2f、反射層6、防湿体7、接着層8(第1の接着層の一例に相当する)などを省いて描いている。
図2は、X線検出モジュール10を例示するための模式断面図である。
図3(a)、(b)は、防湿体7を例示するための模式図である。
図1および図2に示すように、X線検出器1には、X線検出モジュール10、および回路基板11が設けられている。また、X線検出器1には、図示しない筐体を設けることができる。筐体の内部には、X線検出モジュール10、および回路基板11を設けることができる。例えば、筐体の内部に板状の支持板を設け、支持板のX線の入射側の面にはX線検出モジュール10を設け、支持板のX線の入射側とは反対側の面には回路基板11を設けることができる。
アレイ基板2は、基板2a、光電変換部2b、制御ライン(又はゲートライン)2c1、データライン(又はシグナルライン)2c2、配線パッド2d1、配線パッド2d2および保護層2fを有する。
なお、光電変換部2b、制御ライン2c1、およびデータライン2c2の数などは例示をしたものに限定されるわけではない。
光電変換部2bは、基板2aの一方の面に複数設けられている。
光電変換部2bは、矩形状を呈し、制御ライン2c1とデータライン2c2とにより画された領域に設けられている。複数の光電変換部2bは、マトリクス状に並べられている。なお、1つの光電変換部2bは、X線画像の1つの画素(pixel)に対応する。
また、光電変換素子2b1において変換した信号電荷を蓄積する蓄積キャパシタを設けることができる。蓄積キャパシタは、例えば、矩形平板状を呈し、各薄膜トランジスタ2b2の下に設けることができる。ただし、光電変換素子2b1の容量によっては、光電変換素子2b1が蓄積キャパシタを兼ねることができる。
薄膜トランジスタ2b2は、蓄積キャパシタへの電荷の蓄積および放出のスイッチングを行う。薄膜トランジスタ2b2は、ゲート電極2b2a、ドレイン電極2b2b及びソース電極2b2cを有している。薄膜トランジスタ2b2のゲート電極2b2aは、対応する制御ライン2c1と電気的に接続される。薄膜トランジスタ2b2のドレイン電極2b2bは、対応するデータライン2c2と電気的に接続される。薄膜トランジスタ2b2のソース電極2b2cは、対応する光電変換素子2b1と蓄積キャパシタとに電気的に接続される。また、光電変換素子2b1のアノード側と蓄積キャパシタは、グランドに接続される。
1つの制御ライン2c1は、基板2aの周縁近傍に設けられた複数の配線パッド2d1のうちの1つと電気的に接続されている。1つの配線パッド2d1には、フレキシブルプリント基板2e1に設けられた複数の配線のうちの1つが電気的に接続されている。フレキシブルプリント基板2e1に設けられた複数の配線の他端は、回路基板11に設けられた読み出し回路とそれぞれ電気的に接続されている。
1つのデータライン2c2は、基板2aの周縁近傍に設けられた複数の配線パッド2d2のうちの1つと電気的に接続されている。1つの配線パッド2d2には、フレキシブルプリント基板2e2に設けられた複数の配線のうちの1つが電気的に接続されている。フレキシブルプリント基板2e2に設けられた複数の配線の他端は、回路基板11に設けられた信号検出回路とそれぞれ電気的に接続されている。
制御ライン2c1、およびデータライン2c2は、例えば、アルミニウムやクロムなどの低抵抗金属を用いて形成することができる。
第1層2f1および第2層2f2は、絶縁性材料から形成することができる。絶縁性材料は、例えば、酸化物絶縁材料、窒化物絶縁材料、酸窒化物絶縁材料、および樹脂材料などとすることができる。
シンチレータ5は、例えば、ヨウ化セシウム(CsI):タリウム(Tl)、ヨウ化ナトリウム(NaI):タリウム(Tl)、あるいは臭化セシウム(CsBr):ユーロピウム(Eu)などを用いて形成することができる。シンチレータ5は、真空蒸着法を用いて形成することができる。真空蒸着法を用いてシンチレータ5を形成すれば、複数の柱状結晶の集合体からなるシンチレータ5が形成される。シンチレータ5の厚みは、例えば、600μm程度とすることができる。
反射層6は、シンチレータ5のX線の入射側を覆っている。
反射層6は、例えば、酸化チタン(TiO2)などからなる光散乱性粒子と、樹脂と、溶媒とを混合した材料をシンチレータ5上に塗布し、これを乾燥することで形成することができる。
また、反射層6は、例えば、銀合金やアルミニウムなどの光反射率の高い金属からなる層をシンチレータ5上に成膜することで形成することもできる。
また、反射層6は、例えば、表面が銀合金やアルミニウムなどの光反射率の高い金属からなる板を用いて形成することもできる。
また、反射層6は、光散乱性粒子を含む樹脂シートを用いて形成することもできる。
なお、反射層6は、必ずしも必要ではなく、X線検出器1に求められる感度特性などに応じて設けるようにすればよい。
図3(a)、(b)に示すように、防湿体7は、ハット形状を呈し、シンチレータ5と反射層6とを覆っている。防湿体7は、表面部7a、周面部7b、および、つば部7cを有する。防湿体7は、表面部7a、周面部7b、および、つば部7cが一体成形されたものとすることができる。
防湿体7は、透湿係数の小さい材料から形成することができる。例えば、防湿体7は、アルミニウムやアルミニウム合金などの金属、樹脂層と無機材料層(例えば、セラミック層など)とが積層された低透湿防湿材料などから形成することができる。例えば、防湿体7は、厚みが50μm〜100μm程度のアルミニウムの箔をプレス成形して形成することができる。
周面部7bは、表面部7aの周縁を囲むように設けられている。周面部7bは、表面部7aの周縁からアレイ基板2側に向けて延びている。周面部7bは、シンチレータ5の側面5bと対峙している。
つば部7cは、周面部7bの、表面部7a側とは反対側の端部を囲むように設けられている。つば部7cは、周面部7bの端部から外側に向けて延びている。つば部7cの平面形状は、枠状となっている。つば部7cは、アレイ基板2と対峙している。
接着層18は、アレイ基板2(基板2a)と反り抑制部9との間に設けられている。接着層18は、反り抑制部9とアレイ基板2(基板2a)とを接着している。
なお、反り抑制部9および接着層18に関する詳細は後述する。
回路基板11には、読み出し回路、信号検出回路、および画像処理回路が設けられている。なお、これらの回路を1つの基板に設けることもできるし、これらの回路を複数の基板に分けて設けることもできる。
読み出し回路には、画像処理回路などから制御信号S1が入力される。読み出し回路は、X線画像の走査方向に従って、制御ライン2c1に制御信号S1を入力する。例えば、読み出し回路は、フレキシブルプリント基板2e1を介して、制御信号S1を各制御ライン2c1毎に順次入力する。制御ライン2c1に入力された制御信号S1により薄膜トランジスタ2b2がオン状態となり、蓄積キャパシタからの電荷(画像データ信号S2)が受信できるようになる。
1つの積分アンプは、1つのデータライン2c2と電気的に接続されている。積分アンプは、光電変換部2bからの画像データ信号S2を順次受信する。そして、積分アンプは、一定時間内に流れる電流を積分し、その積分値に対応した電圧を選択回路へ出力する。この様にすれば、所定の時間内にデータライン2c2を流れる電流の値(電荷量)を電圧値に変換することが可能となる。すなわち、積分アンプは、シンチレータ5において発生した蛍光の強弱分布に対応した画像データ情報を、電位情報へと変換する。
ADコンバータは、読み出された画像データ信号S2をデジタル信号に順次変換する。デジタル信号に変換された画像データ信号S2は、画像処理回路に入力される。
前述したように、防湿体7のつば部7cとアレイ基板2とを接着する際に加熱硬化型接着剤が用いられる場合がある。加熱硬化型接着剤を用いる場合には、防湿体7とアレイ基板2とが加熱される。また、X線検出器1を動作させると、アレイ基板2や回路基板11に設けられた素子が発熱し、防湿体7とアレイ基板2とが加熱される。
また、ハット形状の防湿体7は、板状の防湿体と比べて高い防湿信頼性を確保することができる。しかしながら、ハット形状の防湿体7は、板状の防湿体と比べて剛性が高くなるので、反りが発生しやすくなる。また、ガラスから形成された基板2aの厚みは薄く(例えば、0.7mm程度)、アレイ基板2の剛性が比較的低くなる。そのため、防湿体7とアレイ基板2とが加熱されると、アレイ基板2に反りが発生しやすくなる。
図4は、反り抑制部9および接着層18を例示するための模式図である。
図4に示すように、反り抑制部9は板状を呈するものとすることができる。
ここで、反り抑制部9とアレイ基板2との間に生じる熱応力は、防湿体7とアレイ基板2との間に生じる熱応力と同程度となるようにすることが好ましい。アレイ基板2の両面側で発生する熱応力が同程度であれば、アレイ基板2に反りが発生するのを抑制することができる。
また、反り抑制部9の材料の熱膨張率は、防湿体7の材料の熱膨張率と同程度とすることができる。例えば、反り抑制部9の材料は、防湿体7の材料と同じとすることができる。例えば、防湿体7がアルミニウムまたはアルミニウム合金を含む場合には、反り抑制部9はアルミニウムまたはアルミニウム合金を含むものとすることができる。
また、反り抑制部9の厚みは、防湿体7の厚みと同じとすることができる。
また、反り抑制部9の平面寸法は、防湿体7の平面寸法と同じとすることができる。
以上の様にすれば、アレイ基板2の両面側で発生する熱応力が同程度となるようにすることが容易となる。
すなわち、反り抑制部9は、材料の熱膨張率、厚み、平面寸法、および平面形状の少なくともいずれかが防湿体7と同じであればよい。ただし、同じになるものが多くなれば、熱応力が同程度となるようにするのが容易となる。
そのため、接着層18の平面形状は、接着層8の平面形状と同様とすることが好ましい。前述したように、接着層8は、防湿体7のつば部7cとアレイ基板2との間に設けられているので、接着層8の平面形状は、枠状となる。そのため、図4に示すように、接着層18の平面形状は、枠状とすることができる。
また、接着層18に用いる接着剤は、接着層8に用いる接着剤と同じとすることができる。
また、接着層18の厚みは、接着層8の厚みと同じとすることができる。
また、接着層18の平面寸法は、接着層8の平面寸法と同じとすることができる。
以上の様にすれば、接着層18が熱応力に及ぼす影響が、接着層8が熱応力に及ぼす影響と同程度となるようにするのが容易となる。
すなわち、接着層18は、用いる接着剤、厚み、平面寸法、および平面形状の少なくともいずれかが接着層8と同じであればよい。ただし、同じになるものが多くなれば、熱応力に及ぼす影響が同程度となるようにするのが容易となる。
Claims (7)
- 基板と、前記基板の一方の面側に設けられた複数の光電変換部と、を有するアレイ基板と、
前記複数の光電変換部の上に設けられ、放射線を蛍光に変換するシンチレータと、
前記シンチレータを覆う防湿体と、
前記防湿体と、前記アレイ基板と、の間に設けられた第1の接着層と、
前記基板の他方の面側に設けられた反り抑制部と、
前記反り抑制部と、前記基板と、の間に設けられた第2の接着層と、
を備え、
前記第1の接着層の平面形状は、枠状であり、
前記反り抑制部は、板状を呈し、
前記第2の接着層の平面形状は、枠状である放射線検出モジュール。 - 前記防湿体は、ハット形状を呈し、
前記第1の接着層は、前記防湿体のつば部と、前記アレイ基板と、の間に設けられている請求項1記載の放射線検出モジュール。 - 前記反り抑制部は、材料の熱膨張率、厚み、平面寸法、および平面形状の少なくともいずれかが前記防湿体と同じである請求項1または2に記載の放射線検出モジュール。
- 前記第2の接着層は、用いる接着剤、厚み、平面寸法、および平面形状の少なくともいずれかが前記第1の接着層と同じである請求項1〜3のいずれか1つに記載の放射線検出モジュール。
- 前記反り抑制部の前記アレイ基板側の面は、光吸収機能を有する請求項1〜4のいずれか1つに記載の放射線検出モジュール。
- 前記防湿体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含み、
前記反り抑制部は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む請求項1〜5のいずれか1つに記載の放射線検出モジュール。 - 請求項1〜6のいずれか1つに記載の放射線検出モジュールと、
前記放射線検出モジュールと電気的に接続された回路基板と、
を備えた放射線検出器。
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