JP2019215251A - 放射線検出モジュール、放射線検出器、および放射線検出モジュールの製造方法 - Google Patents

放射線検出モジュール、放射線検出器、および放射線検出モジュールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】防湿部の信頼性を向上させることができ、且つ製造が容易な放射線検出モジュール、放射線検出器、および放射線検出モジュールの製造方法を提供することである。【解決手段】実施形態に係る放射線検出モジュールは、基板と、前記基板の一方の面側に設けられた複数の光電変換部と、を有するアレイ基板と、前記複数の光電変換部の上に設けられ、放射線を蛍光に変換するシンチレータと、シート状を呈し、前記シンチレータを覆う防湿部と、を備えている。前記防湿部は、樹脂を主成分として含む保護部と、前記保護部の前記シンチレータ側の面に設けられ、金属および無機材料の少なくともいずれかを含むバリア部と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、放射線検出モジュール、放射線検出器、および放射線検出モジュールの製造方法に関する。
放射線検出器の一例にX線検出器がある。X線検出器には、X線を可視光すなわち蛍光に変換するシンチレータと、蛍光を信号電荷に変換する複数の光電変換部を有するアレイ基板と、が設けられている。また、蛍光の利用効率を高めて感度特性を改善するために、シンチレータの上に反射層を設ける場合もある。
ここで、水分などに起因する解像度特性の劣化を抑制するために、シンチレータと反射層は、外部雰囲気から隔離する必要がある。特に、シンチレータが、CsI(ヨウ化セシウム):Tl(タリウム)やCsI:Na(ナトリウム)などからなる場合には、水分などによる解像度特性の劣化が大きくなるおそれがある。
そのため、高い防湿性能を得られる構造として、シンチレータと反射層をアルミニウムなどの金属からなるハット形状の防湿部で覆い、防湿部のつば(鍔)部をアレイ基板と接着する技術が提案されている。ところが、ハット形状の防湿部に外力が加わると、金属からなる防湿部にピンホールが発生したり、つば部が剥がれたりするおそれがある。また、金属からなる防湿部の熱膨張率と、樹脂からなる接着部分の熱膨張率との差により、接着部分に亀裂が生じたり、剥離が生じたりするおそれがある。
すなわち、防湿部の信頼性が低下するおそれがある。
また、シンチレータと反射層を樹脂で覆い、樹脂の上に金属膜や無機材料膜を成膜して防湿部を形成する技術が提案されている。ところが、成膜により防湿部を形成すると、アレイ基板を成膜装置に搬入搬出する必要がある。そのため、製造工程が煩雑となったり、製造コストが増大したりするおそれがある。また、アレイ基板には薄膜トランジスタや光電変換素子を有する光電変換部が設けられているので、アレイ基板の搬送中や成膜中に、光電変換部が静電気により損傷するおそれがある。
そこで、防湿部の信頼性を向上させることができ、且つ製造が容易な放射線検出モジュール、放射線検出器、および放射線検出モジュールの製造方法の開発が望まれていた。
特開2009−128023号公報 特開2015−1397号公報
本発明が解決しようとする課題は、防湿部の信頼性を向上させることができ、且つ製造が容易な放射線検出モジュール、放射線検出器、および放射線検出モジュールの製造方法を提供することである。
実施形態に係る放射線検出モジュールは、基板と、前記基板の一方の面側に設けられた複数の光電変換部と、を有するアレイ基板と、前記複数の光電変換部の上に設けられ、放射線を蛍光に変換するシンチレータと、シート状を呈し、前記シンチレータを覆う防湿部と、を備えている。前記防湿部は、樹脂を主成分として含む保護部と、前記保護部の前記シンチレータ側の面に設けられ、金属および無機材料の少なくともいずれかを含むバリア部と、を有する。
本実施の形態に係るX線検出器を例示するための模式斜視図である。 X線検出モジュールを例示するための模式断面図である。 X線検出器のブロック図である。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
また、本発明の実施形態に係る放射線検出器は、X線のほかにもγ線などの各種放射線に適用させることができる。ここでは、一例として、放射線の中の代表的なものとしてX線に係る場合を例にとり説明をする。したがって、以下の実施形態の「X線」を「他の放射線」に置き換えることにより、他の放射線にも適用させることができる。
また、以下に例示をするX線検出器1は、放射線画像であるX線画像を検出するX線平面センサである。X線検出器1は、例えば、一般医療などに用いることができる。ただし、X線検出器1の用途は、一般医療に限定されるわけではない。
(X線検出器1およびX線検出モジュール10)
図1は、本実施の形態に係るX線検出器1を例示するための模式斜視図である。
なお、煩雑となるのを避けるために、図1においては、保護層2f、反射層6、接合部7、および防湿部8などを省いて描いている。
図2は、X線検出モジュール10を例示するための模式断面図である。
図3は、X線検出器1のブロック図である。
図1および図2に示すように、X線検出器1には、X線検出モジュール10、および回路基板11が設けられている。また、X線検出器1には、図示しない筐体を設けることができる。筐体の内部には、X線検出モジュール10、および回路基板11を設けることができる。例えば、筐体の内部に板状の支持板を設け、支持板のX線の入射側の面にはX線検出モジュール10を設け、支持板のX線の入射側とは反対側の面には回路基板11を設けることができる。
X線検出モジュール10には、アレイ基板2、シンチレータ5、反射層6、接合部7、および防湿部8が設けられている。
アレイ基板2は、基板2a、光電変換部2b、制御ライン(又はゲートライン)2c1、データライン(又はシグナルライン)2c2、配線パッド2d1、配線パッド2d2および保護層2fを有する。
なお、光電変換部2b、制御ライン2c1、およびデータライン2c2の数などは例示をしたものに限定されるわけではない。
基板2aは、板状を呈し、無アルカリガラスなどのガラスから形成されている。基板2aの平面形状は、四角形とすることができる。基板2aの厚みは、例えば、0.7mm程度とすることができる。
光電変換部2bは、基板2aの一方の面側に複数設けられている。
光電変換部2bは、矩形状を呈し、制御ライン2c1とデータライン2c2とにより画された領域に設けられている。複数の光電変換部2bは、マトリクス状に並べられている。なお、1つの光電変換部2bは、X線画像の1つの画素(pixel)に対応する。
複数の光電変換部2bのそれぞれには、光電変換素子2b1と、スイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)2b2が設けられている。
また、光電変換素子2b1において変換した信号電荷を蓄積する蓄積キャパシタを設けることができる。蓄積キャパシタは、例えば、矩形平板状を呈し、各薄膜トランジスタ2b2の下に設けることができる。ただし、光電変換素子2b1の容量によっては、光電変換素子2b1が蓄積キャパシタを兼ねることができる。
光電変換素子2b1は、例えば、フォトダイオードなどとすることができる。
薄膜トランジスタ2b2は、蓄積キャパシタへの電荷の蓄積および放出のスイッチングを行う。薄膜トランジスタ2b2は、ゲート電極2b2a、ドレイン電極2b2b及びソース電極2b2cを有している。薄膜トランジスタ2b2のゲート電極2b2aは、対応する制御ライン2c1と電気的に接続される。薄膜トランジスタ2b2のドレイン電極2b2bは、対応するデータライン2c2と電気的に接続される。薄膜トランジスタ2b2のソース電極2b2cは、対応する光電変換素子2b1と蓄積キャパシタとに電気的に接続される。また、光電変換素子2b1のアノード側と蓄積キャパシタは、グランドに接続することができる。
制御ライン2c1は、所定の間隔をあけて互いに平行に複数設けられている。制御ライン2c1は、例えば、行方向に延びている。
1つの制御ライン2c1は、基板2aの周縁近傍に設けられた複数の配線パッド2d1のうちの1つと電気的に接続されている。1つの配線パッド2d1には、フレキシブルプリント基板2e1に設けられた複数の配線のうちの1つが電気的に接続されている。フレキシブルプリント基板2e1に設けられた複数の配線の他端は、回路基板11に設けられた読み出し回路11aとそれぞれ電気的に接続されている。
データライン2c2は、所定の間隔をあけて互いに平行に複数設けられている。データライン2c2は、例えば、行方向に直交する列方向に延びている。
1つのデータライン2c2は、基板2aの周縁近傍に設けられた複数の配線パッド2d2のうちの1つと電気的に接続されている。1つの配線パッド2d2には、フレキシブルプリント基板2e2に設けられた複数の配線のうちの1つが電気的に接続されている。フレキシブルプリント基板2e2に設けられた複数の配線の他端は、回路基板11に設けられた信号検出回路11bとそれぞれ電気的に接続されている。
制御ライン2c1、およびデータライン2c2は、例えば、アルミニウムやクロムなどの低抵抗金属を用いて形成することができる。
保護層2fは、第1層2f1および第2層2f2を有する。第1層2f1は、光電変換部2b、制御ライン2c1、およびデータライン2c2を覆っている。第2層2f2は、第1層2f1の上に設けられている。
第1層2f1および第2層2f2は、絶縁性材料から形成することができる。絶縁性材料は、例えば、酸化物絶縁材料、窒化物絶縁材料、酸窒化物絶縁材料、および樹脂などとすることができる。
シンチレータ5は、複数の光電変換部2bの上に設けられ、入射するX線を可視光すなわち蛍光に変換する。シンチレータ5は、基板2a上の複数の光電変換部2bが設けられた領域(有効画素領域A)を覆うように設けられている。
シンチレータ5は、例えば、ヨウ化セシウム(CsI):タリウム(Tl)、ヨウ化ナトリウム(NaI):タリウム(Tl)、あるいは臭化セシウム(CsBr):ユーロピウム(Eu)などを用いて形成することができる。シンチレータ5は、真空蒸着法を用いて形成することができる。真空蒸着法を用いてシンチレータ5を形成すれば、複数の柱状結晶の集合体からなるシンチレータ5が形成される。シンチレータ5の厚みは、例えば、600μm程度とすることができる。
なお、真空蒸着法を用いてシンチレータ5を形成する際には、開口を有するマスクが用いられる。この場合、アレイ基板2上の開口に対峙する位置(有効画素領域Aの上)にシンチレータ5が形成される。また、蒸着による膜は、マスクの表面にも形成される。そして、マスクの開口の近傍においては、膜は、開口の内部に徐々に張り出すように成長する。開口の内部に膜が張り出すと、開口の近傍において、アレイ基板2への蒸着が抑制される。そのため、図1および図2に示すように、シンチレータ5の周縁近傍は、外側になるに従い厚みが漸減している。
また、シンチレータ5は、例えば、テルビウム賦活硫酸化ガドリニウム(GdS/Tb、又はGOS)などを用いて形成することもできる。この場合、複数の光電変換部2bごとに四角柱状のシンチレータ5が設けられるように、マトリクス状の溝部を設けることができる。
反射層6は、蛍光の利用効率を高めて感度特性を改善するために設けられている。すなわち、反射層6は、シンチレータ5において生じた蛍光のうち、光電変換部2bが設けられた側とは反対側に向かう光を反射させて、光電変換部2bに向かうようにする。
ただし、反射層6は、必ずしも必要ではなく、X線検出モジュール10に求められる感度特性などに応じて設けるようにすればよい。
以下においては、一例として、反射層6が設けられている場合を説明する。
反射層6は、シンチレータ5のX線の入射側に設けられている。反射層6は、少なくともシンチレータ5の上面5aを覆っている。反射層6は、シンチレータ5の側面5bをさらに覆うこともできる。
例えば、酸化チタン(TiO)などからなる光散乱性粒子と、樹脂と、溶媒とを混合した材料をシンチレータ5上に塗布し、これを乾燥することで反射層6を形成することができる。
また、例えば、銀合金やアルミニウムなどの光反射率の高い金属からなる層をシンチレータ5上に成膜することで反射層6を形成することができる。
また、例えば、表面が銀合金やアルミニウムなどの光反射率の高い金属からなるシートや、光散乱性粒子を含む樹脂シートなどをシンチレータ5上に接合することで反射層6とすることもできる。
接合部7は、防湿部8と反射層6(シンチレータ5)との間に設けられている。この場合、接合部7は、少なくともシンチレータ5の側面5bの側に設けることができる。ただし、接合部7が、シンチレータ5の上面5aの側、および側面5bの側に設けられていれば、防湿部8の接合強度および密着性を向上させることができる。
接合部7は、例えば、接着剤が硬化することで形成されたものとすることができる。
また、接合部7は、例えば、粘着性を有するシートとすることができる。接合部7は、例えば、両面テープなどとすることができる。接合部7は、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、およびゴムの少なくとも1種を含むものとすることができる。ただし、接合部7の材料は例示をしたものに限定されるわけではない。
なお、接着剤が硬化することで形成された接合部7とすれば、接着剤の一部がシンチレータ5の柱状結晶同士の間に入り込み光学特性が変化してしまうおそれがある。これに対し、接合部7が粘着性を有するシートであれば、接合部7がシンチレータ5の柱状結晶同士の間に入り込むのを抑制することができる。そのため、接合部7は、粘着性を有するシートとすることが好ましい。
また、後述するように、シート状の防湿部8が接合部7を介して接合される。そのため、接合部7の剥離強度および剪断強度が所定の値以上であれば、防湿部8とシンチレータ5などとを密着させることが容易となる。また、防湿部8が剥離するのを抑制することができる。
本発明者の得た知見によれば、接合部7の剥離強度および剪断強度は、1N/mm以上とすることが好ましい。なお、剥離強度は、JIS Z 0237:2009に準じて測定することができる。剪断強度は、JIS K 6850:1999に準じて測定することができる。
防湿部8は、シート状を呈し、シンチレータ5および反射層6を覆っている。防湿部8は、シンチレータ5の形状に倣うように設けられている。防湿部8は、保護部8aとバリア部8bを有する。
保護部8aは、例えば、樹脂を主成分として含むものとすることができる。保護部8aは、例えば、樹脂シートなどとすることができる。樹脂は、ある程度の剛性を有するものであれば特に限定はない。樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などとすることができる。
バリア部8bは、保護部8aのシンチレータ5側の面に設けられている。バリア部8bは、金属および無機材料の少なくともいずれかを含む。バリア部8bは、例えば、シート状の保護部8aの上に、金属および無機材料の少なくともいずれかを含む膜を成膜することで形成することができる。金属は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金などとすることができる。無機材料は、例えば、酸化シリコンや酸化アルミニウムなどの酸化物、窒化シリコンなどの窒化物、酸窒化シリコンなどの酸窒化物などとすることができる。なお、金属や無機材料は例示をしたものに限定されるわけではない。
バリア部8bの形成は、例えば、スパッタリング法やPVD(Physical Vapor Deposition)法などの物理的気相成長法、またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法などの化学的気相成長法を用いて行うことができる。
ここで、高分子材料である樹脂は、分子鎖間にある隙間が元々大きく、熱運動によりさらに隙間が大きくなる。そのため、樹脂を主成分として含む保護部8aは水蒸気に対するバリア性が低いので、保護部8aのみで防湿部を構成すると、シンチレータ5および反射層6を水蒸気から保護できなくなるおそれがある。
一方、金属や無機材料は、金属原子、酸素、窒素、炭素、シリコンなどの結合により構成されている。そのため、金属や無機材料には、水蒸気を透過させる隙間がほとんど存在しないので、高い防湿性能を有する。しかしながら、金属や無機材料は、樹脂に比べて剛性が高い。そのため、バリア部8bのみで防湿部を構成する場合には、シンチレータ5および反射層6の形状に合わせて、防湿部を予め成形しておく必要がある。例えば、アルミニウムなどの金属からなるハット形状の防湿部とする必要がある。しかしながら、防湿部を予め成形すると、製造工程が煩雑となったり、製造コストが増大したりするおそれがある。また、ハット形状の防湿部に外力が加わると、防湿部にピンホールが発生したり、つば部が剥がれたりするおそれがある。また、ハット形状の防湿部の熱膨張率と、樹脂からなる接着部分の熱膨張率との差により、接着部分に亀裂が生じたり、剥離が生じたりするおそれがある。この場合、金属などからなるバリア部8bのみで防湿部を構成し、且つ防湿部の厚みを薄くすればシート状の防湿部としても、防湿部がシンチレータ5および反射層6の形状に倣うようにすることができる。ところが、防湿部の厚みを薄くすれば、ピンホールが発生しやすくなる。
本実施の形態に係る防湿部8には、保護部8aとバリア部8bが設けられているので、バリア部8bにより水蒸気の透過を抑制し、保護部8aによりバリア部8bの保護を図ることができる。この場合、バリア部8bは、保護部8aのシンチレータ5側の面に設けられているので、外力がバリア部8bに直接加わるのを抑制することができる。そのため、バリア部8bの厚みを薄くしても、ピンホールの発生を抑制することができる。
また、保護部8aは、金属や無機材料よりも剛性が低い樹脂を主成分として含むので、保護部8aの厚みをある程度厚くしても柔軟性を維持することができる。そのため、防湿部8がシンチレータ5および反射層6の形状に倣うようにするのが容易となる。例えば、シート状の防湿部8を、シンチレータ5および反射層6に被せるようにして接合することができる。
本実施の形態に係るX線検出モジュール10とすれば、防湿部8の信頼性を向上させることができ、且つ製造を容易とすることができる。
なお、防湿部8の厚みを薄くしすぎると外力に対する耐性が低くなりピンホールなどが発生しやすくなる。防湿部8の厚みを厚くしすぎると、シンチレータ5および反射層6の形状に防湿部8を倣わせるのが困難となる。本発明者の得た知見によれば、防湿部8の厚みは、50μm以上、100μm以下とすることが好ましい。この場合、成膜の際にピンホールなどの欠陥が生じなければ、バリア部8bの厚みは、薄くすることが好ましい。バリア部8bの厚みは、例えば、保護部8aの厚み以下とすることができる。厚みが保護部8aの厚み以下のバリア部8bが設けられていれば、温度が40℃、湿度が90%の環境下において、防湿部8の水蒸気透過度が0.1g/(m・24h)以下となるようにすることができる。なお、水蒸気透過度は、JIS K 7129:2008に準じて測定することができる。
また、防湿部8は、接合部7を介してシンチレータ5および反射層6に接合される。そのため、シンチレータ5および反射層6の表面に凹凸があったとしても、凹凸が防湿部8に転写されるのを抑制することができる。
また、防湿部8は、シンチレータ5および反射層6に接合される。この場合、図2に示すように、防湿部8とアレイ基板2とが接触する部分の寸法は、防湿部8の厚み寸法程度とすることができる。すなわち、シンチレータ5の周囲に設けられる接合領域を小さくすることができる。そのため、X線検出モジュール10の小型化が容易となる。
図1に示すように、回路基板11は、アレイ基板2の、シンチレータ5が設けられる側とは反対側に設けられている。回路基板11は、X線検出モジュール10(アレイ基板2)と電気的に接続されている。
図3に示すように、回路基板11には、読み出し回路11aおよび信号検出回路11bが設けられている。なお、これらの回路を1つの基板に設けることもできるし、これらの回路を複数の基板に分けて設けることもできる。
読み出し回路11aは、薄膜トランジスタ2b2のオン状態とオフ状態を切り替える。 読み出し回路11aは、複数のゲートドライバ11aaと行選択回路11abとを有する。
行選択回路11abには、X線検出器1の外部に設けられた図示しない画像処理部などから制御信号S1が入力される。行選択回路11abは、X線画像の走査方向に従って、対応するゲートドライバ11aaに制御信号S1を入力する。
ゲートドライバ11aaは、対応する制御ライン2c1に制御信号S1を入力する。
例えば、読み出し回路11aは、フレキシブルプリント基板2e1を介して、制御信号S1を各制御ライン2c1毎に順次入力する。制御ライン2c1に入力された制御信号S1により薄膜トランジスタ2b2がオン状態となり、蓄積キャパシタからの電荷(画像データ信号S2)が受信できるようになる。
信号検出回路11bは、複数の積分アンプ11ba、複数の選択回路11bb、および複数のADコンバータ11bcを有している。
1つの積分アンプ11baは、1つのデータライン2c2と電気的に接続されている。積分アンプ11baは、光電変換部2bからの画像データ信号S2を順次受信する。そして、積分アンプ11baは、一定時間内に流れる電流を積分し、その積分値に対応した電圧を選択回路11bbへ出力する。この様にすれば、所定の時間内にデータライン2c2を流れる電流の値(電荷量)を電圧値に変換することが可能となる。すなわち、積分アンプ11baは、シンチレータ5において発生した蛍光の強弱分布に対応した画像データ情報を、電位情報へと変換する。
選択回路11bbは、読み出しを行う積分アンプ11baを選択し、電位情報へと変換された画像データ信号S2を順次読み出す。
ADコンバータ11bcは、読み出された画像データ信号S2をデジタル信号に順次変換する。デジタル信号に変換された画像データ信号S2は、配線を介して画像処理部に入力される。なお、デジタル信号に変換された画像データ信号S2は、無線により画像処理部に送信されるようにしてもよい。
画像処理部は、デジタル信号に変換された画像データ信号S2に基づいてX線画像を構成する。なお、画像処理部は、回路基板11と一体化することもできる。
(X線検出モジュール10の製造方法、およびX線検出器1の製造方法)
まず、基板2aの上に、制御ライン2c1、データライン2c2、配線パッド2d1、配線パッド2d2、光電変換部2b、および保護層2fなどを順次形成してアレイ基板2を製造する。アレイ基板2は、例えば、半導体製造プロセスを用いて製造することができる。なお、アレイ基板2の製造には既知の技術を適用することができるので詳細な説明は省略する。
次に、基板2a上の有効画素領域Aを覆うようにシンチレータ5を形成する。
例えば、シンチレータ5は、真空蒸着法を用いて形成することができる。真空蒸着法を用いてシンチレータ5を形成すれば、複数の柱状結晶の集合体からなるシンチレータ5が形成される。シンチレータ5の厚みは、X線検出器1に求められるDQE特性、感度特性、解像度特性などに応じて適宜変更することができる。シンチレータ5の厚みは、例えば、600μm程度とすることができる。
また、発光物質とバインダ材とを混合し、混合された材料を有効画素領域Aを覆うように塗布し、これを焼成し、焼成された材料にマトリクス状の溝部を形成して複数の光電変換部2bごとに四角柱状のシンチレータ5が設けられるようにしてもよい。
次に、シンチレータ5の上に反射層6を形成する。
例えば、反射層6は、複数の光散乱性粒子、樹脂、および溶媒を混合した塗布液をシンチレータ5上に塗布し、これを乾燥させることで形成することができる。
また、防湿部8を形成する。
例えば、シート状の保護部8aの一方の面にバリア部8bを形成することで、防湿部8を形成する。例えば、樹脂シートの一方の面に、金属および無機材料の少なくともいずれかを含む膜を成膜することで、防湿部8を形成する。樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などとすることができる。金属は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金などとすることができる。無機材料は、例えば、酸化シリコンや酸化アルミニウムなどの酸化物、窒化シリコンなどの窒化物、酸窒化シリコンなどの酸窒化物などとすることができる。なお、樹脂、金属、無機材料は例示をしたものに限定されるわけではない。
成膜は、物理的気相成長法または化学的気相成長法を用いて行うことができる。
防湿部8の厚みは、50μm以上、100μm以下とすることができる。
次に、接合部7を介して、シンチレータ5および反射層6を覆うようにシート状の防湿部8を接合する。前述したように、シンチレータ5の厚みは600μm程度である。そのため、防湿部8の厚みが100μm以下であれば、シート状の防湿部8をシンチレータ5および反射層6に被せた際に、シンチレータ5および反射層6の形状に防湿部8を倣わせることができる。
以上の様にして、X線検出モジュール10を製造することができる。
次に、フレキシブルプリント基板2e1、2e2を介して、アレイ基板2と回路基板11を電気的に接続する。
その他、回路部品などを適宜実装する。
次に、図示しない筐体の内部にアレイ基板2、回路基板11などを格納する。
そして、必要に応じて、光電変換素子2b1の異常の有無や電気的な接続の異常の有無を確認する電気試験、X線画像試験などを行う。
以上のようにして、X線検出器1を製造することができる。
なお、製品の防湿信頼性や温度環境の変化に対する信頼性を確認するために、高温高湿試験、冷熱サイクル試験などを実施することもできる。
以上に説明したように、本実施の形態に係るX線検出モジュール10の製造方法は以下の工程を含むことができる。
アレイ基板2に設けられた複数の光電変換部2bの上に、X線を蛍光に変換するシンチレータ5を形成する工程。
樹脂を主成分として含む保護部8aと、保護部8aの一方の面に設けられ、金属および無機材料の少なくともいずれかを含むバリア部8bと、を有するシート状の防湿部8を形成する工程。
防湿部8のバリア部8bが設けられた側をシンチレータ5側にして、シート状の防湿部8をシンチレータ5に被せる工程。
また、防湿部8を形成する工程において、物理的気相成長法または化学的気相成長法を用いて、シート状を呈する保護部8aの一方の面にバリア部8bを形成することができる。
なお、各工程の内容は、前述したものと同様とすることができるので詳細な説明は省略する。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 X線検出器、2 アレイ基板、2a 基板、2b 光電変換部、2b1 光電変換素子、5 シンチレータ、6 反射層、7 接合部、8 防湿部、8a 保護部、8b バリア部、10 X線検出モジュール、11 回路基板

Claims (9)

  1. 基板と、前記基板の一方の面側に設けられた複数の光電変換部と、を有するアレイ基板と、
    前記複数の光電変換部の上に設けられ、放射線を蛍光に変換するシンチレータと、
    シート状を呈し、前記シンチレータを覆う防湿部と、
    を備え、
    前記防湿部は、樹脂を主成分として含む保護部と、前記保護部の前記シンチレータ側の面に設けられ、金属および無機材料の少なくともいずれかを含むバリア部と、を有する放射線検出モジュール。
  2. 前記防湿部の厚みは、50μm以上、100μm以下である請求項1記載の放射線検出モジュール。
  3. 前記防湿部は、前記シンチレータの形状に倣うように設けられている請求項1または2に記載の放射線検出モジュール。
  4. 前記防湿部と、前記シンチレータとの間に設けられた接合部をさらに備え、
    前記接合部の剥離強度および剪断強度は、1N/mm以上である請求項1〜3のいずれか1つに記載の放射線検出モジュール。
  5. 前記接合部は、粘着性を有するシートである請求項4記載の放射線検出モジュール。
  6. 温度が40℃、湿度が90%の環境下において、前記防湿部の水蒸気透過度は、0.1g/(m・24h)以下である請求項1〜5のいずれか1つに記載の放射線検出モジュール。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の放射線検出モジュールと、
    前記放射線検出モジュールと電気的に接続された回路基板と、
    を備えた放射線検出器。
  8. アレイ基板に設けられた複数の光電変換部の上に、放射線を蛍光に変換するシンチレータを形成する工程と、
    樹脂を主成分として含む保護部と、前記保護部の一方の面に設けられ、金属および無機材料の少なくともいずれかを含むバリア部と、を有するシート状の防湿部を形成する工程と、
    前記防湿部のバリア部が設けられた側を前記シンチレータ側にして、前記シート状の防湿部を前記シンチレータに被せる工程と、
    を備えた放射線検出モジュールの製造方法。
  9. 前記防湿部を形成する工程において、
    物理的気相成長法または化学的気相成長法を用いて、シート状を呈する前記保護部の一方の面に前記バリア部を形成する請求項8記載の放射線検出モジュールの製造方法。
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