JP6818617B2 - 放射線検出器、放射線検出器の製造装置、および放射線検出器の製造方法 - Google Patents

放射線検出器、放射線検出器の製造装置、および放射線検出器の製造方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、放射線検出器、放射線検出器の製造装置、および放射線検出器の製造方法に関する。
放射線検出器の一例にX線検出器がある。X線検出器には、X線を可視光すなわち蛍光に変換するシンチレータと、蛍光を信号電荷に変換する光電変換部を有するアレイ基板と、シンチレータの上に設けられた反射部とが設けられている。
ここで、シンチレータと反射部は、水蒸気などに起因する特性の劣化を抑制するために外部雰囲気から隔離する必要がある。特に、シンチレータが、CsI(ヨウ化セシウム):Tl(タリウム)膜やCsI:Na(ナトリウム)膜などからなる場合には、湿度などによる特性劣化が大きくなるおそれがある。
そのため、高い防湿性能を得られる構造として、シンチレータと反射部をハット形状の防湿体で覆い、防湿体のつば(鍔)部をアレイ基板と接着する構造が提案されている。
ところが、航空機による輸送などのようにX線検出器が大気圧よりも減圧された環境に置かれる場合がある。この場合、ハット形状の防湿体の内側の圧力が外側の圧力よりも高くなると、防湿体のつば部をアレイ基板から引き剥がす力が大きくなったり、防湿体が膨らんで変形したりするおそれがある。そのため、大気圧よりも減圧された環境において、防湿体のつば部をアレイ基板に接着する技術が提案されている。防湿体のつば部をアレイ基板に接着する際の環境の圧力を大気圧よりも低くすれば、防湿体の内側の圧力を低くすることができるので、X線検出器が大気圧よりも減圧された環境に置かれた場合に防湿体に作用する力を低減させることができる。
しかしながら、大気圧よりも減圧された環境において、防湿体のつば部をアレイ基板に接着したとしても、大気圧の環境において接着剤を硬化させる際には、大気圧により防湿体が押されて、防湿体と反射部との間の隙間の体積が減少し、防湿体の内側の圧力が当初の圧力よりも高くなる場合がある。防湿体の内側の圧力が当初の圧力よりも高くなると、X線検出器が大気圧よりも減圧された環境に置かれた場合に防湿体に作用する力が大きくなる。
そこで、X線検出器が大気圧よりも減圧された環境に置かれた場合に防湿体に作用する力を低減させることができる技術の開発が望まれていた。
特開2012−37454号公報
本発明が解決しようとする課題は、大気圧よりも減圧された環境において防湿体に作用する力を低減させることができる放射線検出器、放射線検出器の製造装置、および放射線検出器の製造方法を提供することである。
実施形態に係る放射線検出器は、複数の光電変換部を有するアレイ基板と、前記複数の光電変換部の上に設けられ、中央領域の外側に位置する周縁領域の厚みが外側になるに従い薄くなるシンチレータと、前記シンチレータの中央領域における放射線の第1の入射面と、前記シンチレータの周縁領域における放射線の第2の入射面の少なくとも一部と、を覆う第1の反射部と、ハット形状を呈し、前記第1の反射部を覆う防湿体と、前記防湿体のつば部と、前記アレイ基板と、の間に設けられた接着層と、を備えている。
前記シンチレータは、複数の柱状結晶の集合体であり、前記柱状結晶の充填率は85%以下である。
本実施の形態に係るX線検出器1を例示するための模式斜視図である。 X線検出器1の模式断面図である。 反射部16を例示するための模式断面図である。 製造装置100を例示するための模式断面図である。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
また、本発明の実施形態に係る放射線検出器は、X線のほかにもγ線などの各種放射線に適用させることができる。ここでは、一例として、放射線の中の代表的なものとしてX線に係る場合を例にとり説明をする。したがって、以下の実施形態の「X線」を「他の放射線」に置き換えることにより、他の放射線にも適用させることができる。
(X線検出器)
まず、本発明の実施形態に係るX線検出器1について例示をする。
図1は、本実施の形態に係るX線検出器1を例示するための模式斜視図である。
図2は、X線検出器1の模式断面図である。
なお、煩雑となるのを避けるために、図2においては、信号処理部3、画像処理部4などを省いて描いている。
放射線検出器であるX線検出器1は、放射線画像であるX線画像を検出するX線平面センサである。X線検出器1は、例えば、一般医療などに用いることができる。ただし、X線検出器1の用途は、一般医療に限定されるわけではない。
図1および図2に示すように、X線検出器1には、アレイ基板2、信号処理部3、画像処理部4、シンチレータ5、反射部6(第1の反射部の一例に相当する)、防湿体7、および接着層8が設けられている。
アレイ基板2は、シンチレータ5によりX線から変換された蛍光(可視光)を電気信号に変換する。
アレイ基板2は、基板2a、光電変換部2b、制御ライン(又はゲートライン)2c1、データライン(又はシグナルライン)2c2、配線パッド2d1、2d2、および保護層2fなどを有する。
なお、光電変換部2b、制御ライン2c1、およびデータライン2c2の数などは例示をしたものに限定されるわけではない。
基板2aは、板状を呈し、無アルカリガラスなどの透光性材料から形成されている。
光電変換部2bは、基板2aの一方の表面に複数設けられている。
光電変換部2bは、矩形状を呈したものとすることができる。光電変換部2bは、平面視において、複数の制御ライン2c1と、複数のデータライン2c2と、により画された複数の領域のそれぞれに設けられている。複数の光電変換部2bは、マトリクス状に並べられている。光電変換部2bは、対応する制御ライン2c1と対応するデータライン2c2とに電気的に接続されている。
なお、1つの光電変換部2bは、X線画像の1つの画素(pixel)に対応する。
複数の光電変換部2bのそれぞれには、光電変換素子2b1と、スイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)2b2が設けられている。
また、光電変換素子2b1において変換した電荷が供給される蓄積キャパシタを設けることができる。蓄積キャパシタは、例えば、矩形平板状を呈し、薄膜トランジスタ2b2の下に設けることができる。ただし、光電変換素子2b1の容量によっては、光電変換素子2b1が蓄積キャパシタを兼ねることができる。なお、以下においては、一例として、光電変換素子2b1が蓄積キャパシタを兼ねる場合を例示する。
光電変換素子2b1は、例えば、フォトダイオードなどとすることができる。
薄膜トランジスタ2b2は、蓄積キャパシタの役割をはたす光電変換素子2b1への電荷の蓄積および放出のスイッチングを行う。
薄膜トランジスタ2b2は、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を有している。薄膜トランジスタ2b2のゲート電極は、対応する制御ライン2c1と電気的に接続される。薄膜トランジスタ2b2のソース電極は、対応するデータライン2c2と電気的に接続される。薄膜トランジスタ2b2のドレイン電極は、対応する光電変換素子2b1と電気的に接続される。また、光電変換素子2b1のアノード側は、対応する図示しないバイアスラインと電気的に接続される。なお、バイアスラインが設けられない場合には、光電変換素子2b1のアノード側はバイアスラインに代えてグランドに電気的に接続される。
制御ライン2c1は、所定の間隔をあけて互いに平行に複数設けられている。制御ライン2c1は、例えば、行方向に延びている。
1つの制御ライン2c1は、アレイ基板2の周縁近傍に設けられた複数の配線パッド2d1のうちの1つと電気的に接続されている。1つの配線パッド2d1には、フレキシブルプリント基板2e1に設けられた複数の配線のうちの1つが電気的に接続されている。フレキシブルプリント基板2e1に設けられた複数の配線の他端は、信号処理部3に設けられた制御回路と電気的に接続されている。
データライン2c2は、所定の間隔をあけて互いに平行に複数設けられている。データライン2c2は、例えば、行方向に直交する列方向に延びている。
1つのデータライン2c2は、アレイ基板2の周縁近傍に設けられた複数の配線パッド2d2のうちの1つと電気的に接続されている。1つの配線パッド2d2には、フレキシブルプリント基板2e2に設けられた複数の配線のうちの1つが電気的に接続されている。フレキシブルプリント基板2e2に設けられた複数の配線の他端は、信号処理部3に設けられた信号検出回路と電気的に接続されている。
保護層2fは、基板2aの上に設けられた光電変換部2b、制御ライン2c1、およびデータライン2c2などを覆っている。保護層2fは、絶縁性を有する。保護層2fは、例えば、酸化物絶縁材料、窒化物絶縁材料、酸窒化物絶縁材料、および樹脂材料の少なくとも1種を含むものとすることができる。
信号処理部3は、アレイ基板2の、シンチレータ5側とは反対側に設けられている。
信号処理部3には、制御回路と、信号検出回路とが設けられている。
制御回路は、薄膜トランジスタ2b2のオン状態とオフ状態を切り替える。
制御回路には、画像処理部4などから制御信号S1が入力される。制御回路は、X線画像の走査方向に従って、制御ライン2c1に制御信号S1を入力する。
例えば、制御回路は、フレキシブルプリント基板2e1と制御ライン2c1とを介して、制御信号S1を各制御ライン2c1毎に順次入力する。制御ライン2c1に入力された制御信号S1により薄膜トランジスタ2b2がオン状態となり、蓄積キャパシタの役割をはたす光電変換素子2b1からの電荷(画像データ信号S2)が受信できるようになる。
信号検出回路は、複数の積分アンプ、選択回路、およびADコンバータなどを有する。 1つの積分アンプは、1つのデータライン2c2と電気的に接続されている。積分アンプは、光電変換部2bからの画像データ信号S2を順次受信する。そして、積分アンプは、一定時間内に流れる電流を積分し、その積分値に対応した電圧を選択回路へ出力する。この様にすれば、所定の時間内にデータライン2c2を流れる電流の値(電荷量)を電圧値に変換することが可能となる。すなわち、積分アンプは、シンチレータ5において発生した蛍光の強弱分布に対応した画像データ情報を、電位情報へと変換する。
選択回路は、読み出しを行う積分アンプを選択し、電位情報へと変換された画像データ信号S2を順次読み出す。
ADコンバータは、読み出された画像データ信号S2をデジタル信号に順次変換する。デジタル信号に変換された画像データ信号S2は、画像処理部4に入力される。
画像処理部4は、デジタル信号に変換された画像データ信号S2に基づいてX線画像を構成する。
画像処理部4は、信号処理部3と一体化されている。なお、画像処理部4は、配線を介して、信号処理部3の信号検出回路と電気的に接続されていてもよい。
シンチレータ5は、複数の光電変換部2bの上に設けられ、入射するX線を可視光すなわち蛍光に変換する。シンチレータ5は、有効画素領域(基板2a上の複数の光電変換部2bが設けられた領域)Aを覆うように設けられている。
シンチレータ5は、例えば、ヨウ化セシウム(CsI):タリウム(Tl)、ヨウ化ナトリウム(NaI):タリウム(Tl)、あるいは臭化セシウム(CsBr):ユーロピウム(Eu)などを用いて形成することができる。シンチレータ5は、真空蒸着法を用いて形成することができる。真空蒸着法を用いてシンチレータ5を形成すれば、複数の柱状結晶の集合体からなるシンチレータ5とすることができる。この場合、柱状結晶の太さは、最表面で3μm〜8μm程度とすることができる。シンチレータ5の厚みは、例えば、200μm〜600μm程度とすることができる。
柱状結晶の集合体は、ファイバープレートのような効果を発現する。そのため、シンチレータ5のある一点で生じた蛍光は、面方向における散乱が抑制された状態で光電変換部2bに到達する。その結果、X線画像の解像度を向上させることができる。なお、柱状結晶同士の間には、物質が充填されていない隙間が形成されている。
真空蒸着法を用いてシンチレータ5を形成する際には、シンチレータ5が、アレイ基板2の周縁近傍に位置する防湿体7のつば部7cが接着される領域や、配線パッド2d1、2d2の上に形成されないようにする必要がある。そのため、蒸着工程においては、蒸着材料がアレイ基板2の周縁近傍に到達しないようにマスクが用いられる。このマスクにおいては、アレイ基板2の有効画素領域Aに対峙する部分は開口し、その他の部分は開口していない。しかしながら、この様なマスクを用いても、平面視においてマスクの開口端から外側にも蒸着材料が侵入する。そして、開口の外側では、マスクが蒸着材料到達に対して障害となり、マスクから十分な距離がある部分(開口の中央側の部分)と比較して、膜厚が薄くなる傾向がある。そのため、図2に示すように、シンチレータ5の中央領域の外側に位置する周縁領域は、外側になるに従い厚みが薄くなる。すなわち、シンチレータ5は、中央領域におけるX線の第1の入射面5aと、周縁領域におけるX線の第2の入射面5bとを有している。第2の入射面5bは、第1の入射面5aと交差している。第1の入射面5aは、基板2aの表面と対峙している。第1の入射面5aは、基板2aの表面とほぼ平行な面となっている。第2の入射面5bは、基板2aの表面に対して傾斜している傾斜面となっている。
反射部6は、蛍光の利用効率を高めて感度特性を改善するために設けられている。すなわち、反射部6は、シンチレータ5において生じた蛍光のうち、光電変換部2bが設けられた側とは反対側に向かう光を反射させて、光電変換部2bに向かうようにする。反射部6は、シンチレータ5の中央領域におけるX線の第1の入射面5aと、シンチレータ5の周縁領域におけるX線の第2の入射面5bの少なくとも一部と、を覆っている。
反射部6は、例えば、シンチレータ5の上に、光散乱性を有する粒子、樹脂、および溶媒からなる材料を塗布し、これを乾燥させることで形成することができる。
反射部6は、アルミニウムなどの金属をシンチレータ5の上に成膜することで形成することもできる。
反射部6は、光散乱性を有する複数の粒子と樹脂を含むシート、アルミニウムなどの金属を含むシートなどとすることもできる。
防湿体7は、空気中に含まれる水蒸気により、シンチレータ5および反射部6の特性が劣化するのを抑制するために設けられている。防湿体7は、反射部6とシンチレータ5を覆っている。
防湿体7は、ハット形状を呈し、表面部7a、周面部7b、およびつば(鍔)部7cを有する。表面部7a、周面部7b、およびつば部7cは一体成形されたものとすることができる。
防湿体7は、透湿係数の小さい材料から形成することができる。
例えば、表面部7a、周面部7b、およびつば部7cは、アルミニウム、アルミニウム合金、樹脂層と無機材料(アルミニウムなどの軽金属、SiO、SiON、Alなどのセラミック系材料)の層が積層された低透湿防湿材料などから形成することができる。例えば、表面部7a、周面部7b、およびつば部7cは、厚み寸法が50μm〜100μm程度のアルミニウム箔をプレス成形して形成することができる。
表面部7aは、シンチレータ5のX線の第1の入射面5aと対峙している。表面部7aは、シンチレータ5の、複数の光電変換部2b側とは反対側に位置している。表面部7aと第1の入射面5aとの間には、反射部6の中央領域が設けられている。
周面部7bは、表面部7aの周縁を囲むように設けられている。周面部7bは、表面部7aの周縁から基板2aに向けて延びている。周面部7bは、シンチレータ5の第2の入射面5bと対峙している。周面部7bは、シンチレータ5の側面側に位置している。周面部7bと第2の入射面5bとの間には、反射部6の周縁領域が設けられている。
すなわち、表面部7aおよび周面部7bにより形成された空間の内部には、シンチレータ5と反射部6が設けられている。
つば部7cは、周面部7bの、表面部7a側とは反対側の端部を囲むように設けられている。つば部7cは、周面部7bの端部から外側に向けて延びている。つば部7cは、シンチレータ5の外側に位置している。つば部7cの平面形状は、枠状となっている。
接着層8は、防湿体7のつば部7cと、アレイ基板2の、光電変換部2bが設けられる側の面との間に設けられている。接着層8は、接着剤が硬化することで形成されたものである。接着剤は、透湿係数と、防湿体7とアレイ基板2との接着性を考慮して選択する。接着剤は、例えば、紫外線硬化型のエポキシ系接着剤や、熱硬化型のエポキシ系接着剤などとすることができる。また、接着層8の透湿係数を低くするために、無機材料からなるフィラーが添加された接着剤を用いることができる。例えば、エポキシ系の接着剤にタルク(滑石:MgSi10(OH))からなるフィラーを70重量%以上添加すれば、接着層8の透湿係数を大幅に低減させることができる。
ここで、X線検出器1が大気圧よりも減圧された環境に置かれる場合がある。例えば、X線検出器1が航空機により輸送される場合には、X線検出器1が70kPa〜80kPa程度の環境に置かれる場合がある。
X線検出器1が減圧環境に置かれた場合、ハット形状の防湿体7の内側(表面部7aおよび周面部7bにより形成された空間)の圧力が外側の圧力よりも高くなると、防湿体7のつば部7cをアレイ基板2から引き剥がす力が大きくなったり、防湿体7が膨らんで変形したりするおそれがある。
そのため、防湿体7の内側の圧力は、大気圧よりも低くされている。例えば、大気圧よりも減圧された環境において、防湿体7のつば部7cをアレイ基板2に接着すれば、防湿体7の内側の圧力が大気圧よりも低くなるようにすることができる。この場合、接着剤の硬化は大気圧の環境において行うことができる。また、防湿体7は、大気圧により押されるので、表面部7aおよび周面部7bと、反射部6とが密着することになる。
ところが、大気圧よりも減圧された環境において、防湿体7を、シンチレータ5および反射部6に被せる際には、表面部7aおよび周面部7bと、反射部6との間には隙間が生じている。そして、大気圧の環境において接着剤を硬化させる際には、大気圧により表面部7aおよび周面部7bが押されるので、当該隙間の体積が減少することになる。当該隙間の体積が減少すると、ボイルの法則により、当該隙間の圧力が上昇する。当該隙間の体積が大きければ、防湿体7の内側の圧力(当該隙間の圧力)は大気圧となる。当該隙間の圧力が上昇すると、防湿体7の内側の圧力が当初の圧力よりも高くなり、防湿体7の内側の圧力が所定の圧力(例えば、10kPa程度)よりも高くなるおそれがある。この場合、防湿体7、シンチレータ5、および反射部6の寸法精度を考慮すると、当該隙間の寸法を0(ゼロ)にすることは困難である。
また、防湿体7のつば部7cをアレイ基板2に接着する際の環境の圧力を低くすれば、防湿体7の内側の当初の圧力を低くすることができるので、防湿体7の内側の圧力が所定の圧力よりも高くなることを抑制することができる。
ところが、防湿体7のつば部7cをアレイ基板2に接着する際の環境の圧力を低くしすぎると、接着剤に溶存していた気体が気泡となり、気泡に押されて接着剤がつば部7cの内外にはみ出す場合がある。接着剤のはみ出し量が多くなると、接着層8における接着強度が低くなったり、水蒸気が接着層8を透過しやすくなったり、配線パッド2d1、2d2などに接着剤が付着したりするおそれがある。そのため、防湿体7のつば部7cをアレイ基板2に接着する際の環境の圧力を低くするのには限界がある。
ここで、前述したように、シンチレータ5の柱状結晶同士の間には隙間が形成されている。柱状結晶同士の間の隙間の体積は、大気圧により表面部7aおよび周面部7bが押された場合であっても減少しない。そのため、柱状結晶同士の間の隙間の総体積を大きくすれば、表面部7aおよび周面部7bと、反射部6との間の隙間の体積が減少することによる圧力上昇を緩和させることができる。
柱状結晶同士の間の隙間の総体積は、例えば、柱状結晶の充填率で規定することができる。柱状結晶の充填率は、例えば、シンチレータ5の見た目の体積をV(cm)、シンチレータ5の材料の密度をρ(g/cm)、シンチレータ5の重量をW(g)とした場合に、以下の式で表すことができる。
充填率(%)=(W/(ρ×V))×100
また、防湿体7の内側の圧力の上昇は、防湿体7の表面部7aの張りを目視観察することにより評価することができる。例えば、防湿体7の内側の圧力が十分低くければ、表面部7aは反射部6に沿ってほぼ密着する。一方、防湿体7の内側の圧力が所定の圧力よりも高くなれば、表面部7aと反射部6との間に隙間が生じ、時には表面部7aが膨らんでいるように見える場合がある。表面部7aの張りの判定は、例えば、大気圧の環境において接着剤を硬化させる工程において行うことができる。
表1は、防湿体7の内側の圧力上昇を抑制する効果を例示するための表である。
なお、表1における反射部6と表面部7aとの間の隙間は、つば部7cをアレイ基板2に接着する際の大気圧よりも減圧された環境(例えば、0.2Paの環境)における反射部6と表面部7aとの間の寸法である。
Figure 0006818617

表1から分かるように、柱状結晶の充填率を85%以下とすれば、大気圧の環境において表面部7aの張りが弱くなること、すなわち、防湿体7の内側の圧力が当初の圧力よりも上昇するのを抑制することができる。
また、大気圧よりも減圧された環境(70kPa)においても、防湿体7の内側の圧力が所望の範囲内に収まることが確認できた。
また、解像度特性(MTF(modulation transfer function)特性)も良好であることが確認できた。
ただし、柱状結晶の充填率を85%とした場合には、反射部6と表面部7aとの間の隙間を0.5mmとすると、防湿体7の内側の圧力が所望の範囲外となる。そのため、柱状結晶の充填率は、80%以下とすることがより好ましい。この様にすれば、防湿体7、シンチレータ5、および反射部6の寸法精度のばらつきがある程度大きくなった場合であっても、防湿体7の内側の圧力が当初の圧力よりも上昇するのを抑制することができる。
ここで、シンチレータ5の厚みを薄くすれば、柱状結晶同士の間の隙間の総体積が小さくなるので、防湿体7の内側の圧力が当初の圧力よりも上昇し易くなる。この場合、表1から分かるように、シンチレータ5の厚みを300μm以上とすれば、防湿体7の内側の圧力が当初の圧力よりも上昇するのを抑制することができる。
ここで、前述したように、柱状結晶を有するシンチレータ5の上に、光散乱性を有する粒子、樹脂、および溶媒からなる材料を塗布し、これを乾燥させることで反射部6を形成することもできる。ところが、柱状結晶の充填率を小さくすれば、材料が柱状結晶同士の間の隙間に侵入しやすくなる。この場合、材料がシンチレータ5の表面からある程度の深さ入り込んだ位置で乾燥(固化)することになる。シンチレータ5において発生し、光電変換部2b側とは反対側に向かう光が、柱状結晶同士の間に設けられた光散乱性を有する粒子に入射すると、入射した光は光電変換部2b側に向けて反射される。ところが、シンチレータ5において発生し、光電変換部2b側に向かう光が、柱状結晶同士の間に設けられた光散乱性を有する粒子に入射すると、少なくとも入射した光の一部は光電変換部2b側とは反対側に向けて反射されてしまう。
この場合、材料が入り込む深さは、材料の粘度や、柱状結晶同士の間の隙間寸法のばらつきなどの影響を受けるため、制御が難しい。
そのため、柱状結晶同士の間に光散乱性を有する粒子が設けられないようにすることが好ましい。
また、前述したように、反射部6は、アルミニウムなどの金属をシンチレータ5の上に成膜することで形成することもできるが、アルミニウムなどの金属を用いた反射部6は、光散乱性を有する粒子を含む反射部6に比べて反射率が低くなるという問題がある。
そのため、反射部6の材料は、例えば、樹脂を含むシート状の基材と、基材の内部に設けられた光散乱性を有する複数の粒子と、を有するものとすることが好ましい。光散乱性を有する粒子は、例えば、酸化チタン(TiO)などからなるサブミクロン粒子とすることができる。樹脂は、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET:polyethylene terephthalate)などとすることができる。光散乱性を有する粒子の含有量は、例えば、5wt%以上とすることができる。
ここで、接着剤を用いて反射部6をシンチレータ5に接着すると、接着剤が柱状結晶同士の間の隙間に侵入する。接着剤が入り込む深さは、接着剤の粘度や、柱状結晶同士の間の隙間寸法のばらつきなどの影響を受けるため、制御が難しい。そのため、感度特性に面内分布が生じるおそれがある。
そこで、反射部6は、シンチレータ5の上に直接設けられるようにすることが好ましい。すなわち、反射部6はシンチレータ5の上に載置され、接着剤による固定を行わないようにすることが好ましい。
前述したように、柱状結晶の充填率を85%以下とすれば、防湿体7の内側の圧力が当初の圧力よりも上昇するのを抑制することができる。そのため、柱状結晶の充填率を85%以下とすれば、表面部7aおよび周面部7bと、シンチレータ5との間に反射部6を挟み込むことができるので、接着剤による固定を行わないようにしても反射部6を保持することができる。
また、反射部6は、粘着部9を用いてシンチレータ5の上に固定することもできる(図4を参照)。粘着部9は、反射部6とシンチレータ5との間に設けることができる。粘着部9は、例えば、厚みが5μm程度の両面テープなどとすることができる。粘着部9が両面テープなどであれば、粘着部9が柱状結晶同士の間の隙間に侵入するのを抑制することができるので、感度特性に面内分布が生じるのを抑制することができる。
この場合、反射部6の一方の面に粘着部9を貼り付け、粘着部9が貼り付けられた反射部6をシンチレータ5に固定するようにすれば、作業性を向上させることができる。
シート状の反射部6とすれば、シンチレータ5の周縁領域において感度特性が低くなるのを抑制することができる。そのため、平面視におけるシンチレータ5の周縁領域と有効画素領域Aとの間の距離を短くすることができるので、アレイ基板2の小型化、ひいてはX線検出器1の小型化を図ることが可能となる。また、反射部6の周縁近傍を第2の入射面5bに密着させることができるので、反射部6により反射した光が隣接する領域に混入するのを抑制することができる。また、柱状結晶の充填率を85%以下としても、反射部6が柱状結晶同士の間の隙間に侵入することがないので、感度特性に面内分布が生じるのを抑制することができる。
図3は、反射部16(第2の反射部の一例に相当する)を例示するための模式断面図である。
シート状の反射部6の厚みを厚くすれば、反射部6の反射率を高くすることができる。ところが、シート状の反射部6の厚みを厚くすると、元の形状に戻ろうとする力(弾性力)が大きくなる。反射部6の周縁近傍は、シンチレータ5の第2の入射面5bに設けられるので、弾性力が大きくなるとシンチレータ5の第2の入射面5bと反射部6との間に隙間が生じやすくなる。第2の入射面5bと反射部6との間に隙間が生じると、反射部6により反射した光が隣接する領域に混入し易くなる。
この場合、図3に示すように、反射部6の、シンチレータ5の第1の入射面5aを覆う部分の上に反射部16を設け、反射部16の厚みを反射部6の厚みよりも厚くすればよい。
本発明者の得た知見によれば、反射部6の厚みを100μm以下とすれば、反射部6の周縁近傍を第2の入射面5bに密着させるのが容易となる。
反射部16は反射部6の上に載置され、接着剤による固定は行わないようにすることができる。この場合、反射部16は、ハット形状を呈する防湿体7とシンチレータ5との間に挟まれることで保持される。
反射部16は、平坦なシート状を呈し、シンチレータ5の第1の入射面5aと対峙している。反射部16は、シンチレータ5の第2の入射面5bとは対峙していない。反射部16にはシンチレータ5の形状に合わせて変形させる部分がないので、反射部16の厚みを厚くしても反射部16と反射部6との間に隙間が生じることがない。
反射部16の材料は、反射部6の材料と同じとすることができる。この場合、反射部16の厚みを厚くすれば光散乱性を有する粒子の含有量を多くすることができるので反射率を高くすることができる。例えば、反射部16の厚みを180μm程度とすれば、反射部16の厚みが100μm程度の場合に比べて感度特性を20%程度高くすることができる。
本発明者らの得た知見によれば、反射部16の材料が反射部6の材料と同じである場合には、反射部16の厚みは反射部6の厚みの3倍以上とすることが好ましい。例えば、反射部16の厚みを150μm程度とし、反射部6の厚みを50μm程度とすることができる。
なお、反射部16に含まれる光散乱性を有する粒子の含有量と、反射部6に含まれる光散乱性を有する粒子の含有量とが異なるようにすることもできる。この場合、反射部16に含まれる粒子の含有量を反射部6に含まれる粒子の含有量より多くすれば、その分反射部16の厚みを薄くすることができる。
本実施の形態に係る反射部16を設ければ、反射部6の厚みを薄くして第2の入射面5bと反射部6との間に隙間が生じるのを抑制することができるとともに、有効画素領域Aの上方における反射率を高くすることができる。
(X線検出器の製造装置)
次に、本発明の実施形態に係るX線検出器の製造装置100(以下、単に、製造装置100と称する)について例示をする。
製造装置100は、粘着部9を有するX線検出器1を製造する際に用いることができる。すなわち、製造装置100は、粘着部9を用いて反射部6をシンチレータ5の上に固定する際に用いることができる。
図4は、製造装置100を例示するための模式断面図である。
図4に示すように、製造装置100には、袋状部101および排気部102が設けられている。
袋状部101は、袋状を呈し、一方の端部が開口している。袋状部101は、樹脂やゴムなどの柔軟な材料から形成されている。袋状部101の内部には、シンチレータ5が形成されたアレイ基板2と、粘着部9を介してシンチレータ5の上に載置された反射部6とが収納される。
排気部102は、袋状部101の開口端と接続されている。排気部102は、袋状部101の内部にある空気を排出する。排気部102は、例えば、真空ポンプや排気ブロアなどとすることができる。
次に、製造装置100の作用について説明する。
まず、袋状部101の内部に、シンチレータ5が形成されたアレイ基板2と、粘着部9を介してシンチレータ5の上に載置された反射部6とを収納する。
次に、図4に示すように、袋状部101の開口端を排気部102に接続する。
次に、排気部102は、袋状部101の内部にある空気を排出する。
すると、袋状部101の内部の圧力が袋状部101の外部の圧力よりも低くなるので、袋状部101の内部にある反射部6が均一な圧力でシンチレータ5に押さえつけられる。反射部6は厚みの薄い樹脂シートであるため、反射部6はシンチレータ5の第1の入射面5aおよび第2の入射面5bに倣って変形する。そのため、反射部6は、粘着部9を介して第1の入射面5aおよび第2の入射面5bに密着する。
以上の様にして、反射部6がシンチレータ5の第1の入射面5aおよび第2の入射面5bに倣って貼り付けられる。
(X線検出器の製造方法)
次に、本発明の実施形態に係るX線検出器1の製造方法について例示をする。
まず、基板2a上に光電変換部2b、制御ライン2c1、データライン2c2、配線パッド2d1、2d2、および保護層2fなどを順次形成してアレイ基板2を作成する。アレイ基板2は、例えば、半導体製造プロセスを用いて作成することができる。
次に、アレイ基板2の複数の光電変換部2bが設けられた領域の上に、X線を蛍光に変換するシンチレータ5を形成する。シンチレータ5は、例えば、真空蒸着法を用いて、ヨウ化セシウム:タリウムからなる膜を成膜することで形成することができる。この場合、シンチレータ5の厚みは、200μm〜600μm程度とすることができる。
前述したように、蒸着工程においては、蒸着材料がアレイ基板2の周縁近傍に到達しないようにマスクが用いられる。そのため、シンチレータ5の周縁領域は、外側になるに従い厚みが薄くなり、第1の入射面5aと交差する第2の入射面5bが形成される。
また、真空蒸着法を用いて、シンチレータ5を形成すれば、複数の柱状結晶の集合体からなるシンチレータ5を形成することができる。また、真空蒸着を行う際に、アレイ基板2の温度を制御することで、柱状結晶の充填率が85%以下、より好ましくは80%以下となるようにする。
次に、反射部6をシンチレータ5の上に載置する。
なお、粘着部9を用いてシンチレータ5の上に反射部6を固定することもできる。反射部6の固定は、例えば、前述した製造装置100を用いて行うことができる。製造装置100を用いれば、大気圧により、反射部6をシンチレータ5に押し付けることができる。 また、反射部16を設ける場合には、反射部16を反射部6の上に載置する。
以下においては、反射部6のみが設けられる場合を例示する。
次に、以下のようにして、ハット形状の防湿体7をアレイ基板2上に接着し、防湿体7と接着層8によりシンチレータ5と反射部6を封止する。
まず、表面部7a、周面部7b、および、つば部7cを一体成形してハット形状の防湿体7を作成する。ハット形状の防湿体7は、例えば、厚みが50μm〜100μm程度のアルミニウム箔をプレス成形して形成することができる。この際、反射部6と表面部7aとの間の隙間、あるいは、反射部16と表面部7aとの間の隙間が0.5mm以下、好ましくは0.2mm以下となるように、つば部7cの接着面と表面部7aのアレイ基板2側の面との間の寸法を規定する。
続いて、つば部7cの接着面を清浄化し、清浄化したつば部7cの接着面に所定の量の接着剤を塗布する。接着剤の塗布は、ディスペンサー装置を用いて行うことができる。なお、接着剤は、アレイ基板2上に塗布してもよい。
続いて、つば部7cに接着剤が塗布されたハット形状の防湿体7をシンチレータ5および反射部6にかぶせ、つば部7cとアレイ基板2とを接着する。接着は、大気圧よりも減圧された環境において行うことができる。つば部7cをアレイ基板2に接着する際の環境の圧力は、例えば、0.2Pa程度とすることができる。接着剤が硬化することで接着層8が形成され、防湿体7がアレイ基板2に固定される。なお、接着剤の硬化は、大気圧よりも減圧された環境において行うこともできるし、大気圧の環境において行うこともできる。
大気圧よりも減圧された環境において防湿体7をアレイ基板2に接着することで、防湿体7の内部に水蒸気を含む空気が収納されるのを抑制することができる。また、航空機によりX線検出器1を輸送する場合などのようにX線検出器1が大気圧よりも減圧された環境に置かれる場合であっても、防湿体7の内部にある空気により防湿体7が膨張したり変形したりするのを抑制することができる。
また、大気圧により防湿体7が押さえつけられるので、反射部6が防湿体7とシンチレータ5との間に挟まれることで保持される。反射部16が設けられる場合には、反射部6および反射部16が防湿体7とシンチレータ5との間に挟まれることで保持される。
次に、フレキシブルプリント基板2e1、2e2を介して、アレイ基板2と信号処理部3を電気的に接続する。
その他、回路部品などを適宜実装する。
次に、図示しない筐体の内部に、防湿体7が接着されたアレイ基板2、フレキシブルプリント基板2e1、2e2、信号処理部3、画像処理部4などを格納する。
そして、必要に応じて、光電変換部2bの異常の有無や電気的な接続の異常の有無を確認する電気試験、X線画像試験などを行う。
以上のようにして、X線検出器1を製造することができる。
なお、製品の防湿信頼性や温度環境変化に対する信頼性を確認するために、高温高湿試験、冷熱サイクル試験などを実施することもできる。
以上に説明したように、本実施の形態に係るX線検出器1の製造方法は、以下の工程を備えることができる。
アレイ基板2の複数の光電変換部2bが設けられた領域の上に、中央領域の外側に位置する周縁領域の厚みが外側になるに従い薄くなるシンチレータ5を形成する工程。
シンチレータ5の中央領域におけるX線の第1の入射面5aと、シンチレータ5の周縁領域におけるX線の第2の入射面2bの少なくとも一部と、を覆う反射部6をシンチレータ5の上に載置する工程。
ハット形状を呈し、反射部6を覆う防湿体7をアレイ基板2に接着する工程。
そして、シンチレータ5を形成する工程において、複数の柱状結晶の集合体であるシンチレータ5が形成されるとともに、柱状結晶の充填率が85%以下とされる。また、防湿体7をアレイ基板2に接着する工程は、大気圧よりも減圧された環境において行われる。
この場合、反射部6は、樹脂を含むシート状の基材と、基材の内部に設けられた光散乱性を有する複数の粒子と、を有するものとすることができる。
また、反射部6をシンチレータ5の上に載置する工程において、粘着部9を介して、反射部6をシンチレータ5の上に載置することができる。
また、反射部6の、第1の入射面5aを覆う部分を覆い、反射部6の厚みよりも厚い反射部16を反射部6の上に載置する工程をさらに備えることができる。
なお、各工程における内容は、前述したものと同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 X線検出器、2 アレイ基板、2a 基板、2b 光電変換部、2b1 光電変換素子、3 信号処理部、4 画像処理部、5 シンチレータ、5a 第1の入射面、5b 第2の入射面、6 反射部、7 防湿体、8 接着層、9 粘着部、16 反射部、100 製造装置、101 袋状部、102 排気部

Claims (10)

  1. 複数の光電変換部を有するアレイ基板と、
    前記複数の光電変換部の上に設けられ、中央領域の外側に位置する周縁領域の厚みが外側になるに従い薄くなるシンチレータと、
    前記シンチレータの中央領域における放射線の第1の入射面と、前記シンチレータの周縁領域における放射線の第2の入射面の少なくとも一部と、を覆う第1の反射部と、
    ハット形状を呈し、前記第1の反射部を覆う防湿体と、
    前記防湿体のつば部と、前記アレイ基板と、の間に設けられた接着層と、
    を備え、
    前記シンチレータは、複数の柱状結晶の集合体であり、前記柱状結晶の充填率は85%以下である放射線検出器。
  2. 前記第1の反射部は、樹脂を含むシート状の基材と、前記基材の内部に設けられた光散乱性を有する複数の粒子と、を有する請求項1記載の放射線検出器。
  3. 前記第1の反射部の厚みは、100μm以下である請求項1または2に記載の放射線検出器。
  4. 前記第1の反射部と、前記シンチレータと、の間に設けられた粘着部をさらに備えた請求項1〜3のいずれか1つに記載の放射線検出器。
  5. 前記第1の反射部の、前記第1の入射面を覆う部分を覆う第2の反射部をさらに備え、
    前記第2の反射部の厚みは、前記第1の反射部の厚みよりも厚い請求項1〜4のいずれか1つに記載の放射線検出器。
  6. 請求項4記載の放射線検出器を製造する製造装置であって、
    袋状を呈し、一方の端部が開口した袋状部と、
    前記袋状部の開口端と接続される排気部と、
    を備えた放射線検出器の製造装置。
  7. アレイ基板の複数の光電変換部が設けられた領域の上に、中央領域の外側に位置する周縁領域の厚みが外側になるに従い薄くなるシンチレータを形成する工程と、
    前記シンチレータの中央領域における放射線の第1の入射面と、前記シンチレータの周縁領域における放射線の第2の入射面の少なくとも一部と、を覆う第1の反射部を前記シンチレータの上に載置する工程と、
    ハット形状を呈し、前記第1の反射部を覆う防湿体を前記アレイ基板に接着する工程と、
    を備え、
    前記シンチレータを形成する工程において、複数の柱状結晶の集合体である前記シンチレータが形成されるとともに、前記柱状結晶の充填率が85%以下とされ、
    前記防湿体を前記アレイ基板に接着する工程は、大気圧よりも減圧された環境において行われる放射線検出器の製造方法。
  8. 前記第1の反射部は、樹脂を含むシート状の基材と、前記基材の内部に設けられた光散乱性を有する複数の粒子と、を有する請求項7記載の放射線検出器の製造方法。
  9. 前記第1の反射部を前記シンチレータの上に載置する工程において、
    粘着部を介して、前記第1の反射部を前記シンチレータの上に載置する請求項7または8に記載の放射線検出器の製造方法。
  10. 前記第1の反射部の、前記第1の入射面を覆う部分を覆い、前記第1の反射部の厚みよりも厚い第2の反射部を前記第1の反射部の上に載置する工程をさらに備えた請求項7〜9のいずれか1つに記載の放射線検出器の製造方法。
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