JP2019043861A - 乳酸/ピルビン酸比の改善用組成物 - Google Patents

乳酸/ピルビン酸比の改善用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】アルコール摂取後のピルビン酸濃度の低下を抑制し、乳酸/ピルビン酸比を改善可能な組成物の提供。【解決手段】トリプトファンを含む乳酸/ピルビン酸比の改善用組成物。グリシン、アラニン、グルタミン、アルギニン、セリン、システイン、トレオニン、フェニルアラニン、プロリン、アスパラギン、アスパラギン酸、メチオニン、ヒスチジン、イソロイシン、シトルリン、グルタミン酸、オルニチン、テアニン、タウリン、チロシン及びバリンからなる群から選択されるアミノ酸、並びにフルクトース、スクロース及びグルコースからなる群から選択される糖類の少なくとも1種を更に含む乳酸/ピルビン酸比の改善用組成物。【選択図】図2

Description

本発明は、乳酸/ピルビン酸比の改善用組成物に関する。
生体内に摂取されたアルコールの代謝を促進する物質が種々知られている。例えば特許文献1には、グリシンが生体内におけるアルコール消失速度を速めることが記載されている。また特許文献2にはトマト果実由来の非水溶性成分とフェニルアラニン等のアミノ酸を含む飲食品が血中アルコール濃度を効率的に低下させることが記載されている。さらに特許文献3にはスズメバチの幼虫が分泌するアミノ酸組成物がアルコール性肝機能障害に対して改善作用を有することが記載されている。
ところでヒトにおいては、血液中の乳酸/ピルビン酸比は、ほぼ一定に保たれており、その変動は代謝、循環の状態変化などを示す指標となる。これに関連して飲酒等によりアルコールを摂取するとピルビン酸濃度が低下し、乳酸/ピルビン酸比が上昇することが知られている。また乳酸/ピルビン酸比の上昇は、NADH/NAD比の上昇を表すとされる。ここで脂質、糖、アミノ酸、核酸等の代謝はNAD依存性であるため、NADH/NAD比の上昇はそれらの代謝に影響を及ぼすことになり、例えば、高脂血症、低血糖症、高尿酸血症等の原因となり得るといわれている。
特開2003−116504号公報 特開2016−042826号公報 国際公開第2002/074302号
アルコール代謝に付随してNADからNADHへの還元が生じるとNADが不足してくる。NADHからNADへの再酸化はピルビン酸から乳酸への変換に伴っておきるため、ピルビン酸の供給はNADの供給につながり、アルコール代謝を促進すると考えられる。しかしながら、飲酒後のピルビン酸濃度の低下を効率的に抑制する方法は従来知られていなかった。
本発明は、アルコール摂取後のピルビン酸濃度の低下を抑制し、乳酸/ピルビン酸比を改善可能な組成物を提供することを目的とする。
本発明は、トリプトファンを含む乳酸/ピルビン酸比の改善用組成物を提供する。
ある一形態において、前記組成物は、グリシン、アラニン、グルタミン、アルギニン、セリン、システイン、トレオニン、フェニルアラニン、プロリン、アスパラギン、アスパラギン酸、メチオニン、ヒスチジン、イソロイシン、シトルリン、グルタミン酸、オルニチン、テアニン、タウリン、チロシン及びバリンからなる群から選択されるアミノ酸、並びにフルクトース、スクロース及びグルコースからなる群から選択される糖類の少なくとも1種を更に含む。
ある一形態において、前記アミノ酸がグリシン、アラニン及びグルタミンからなる群から選択され、前記糖類がフルクトース及びスクロースからなる群から選択される。
ある一形態において、前記アミノ酸又は糖類のトリプトファンに対する重量基準の含有比が5以上100以下である。
ある一形態において、前記組成物はアルコール代謝促進に用いられる。
また本発明は、前記組成物を含む飲食品を提供する。
また本発明は、前記組成物を含むアルコール代謝促進剤を提供する。
また本発明は、前記組成物を含む二日酔い防止剤を提供する。
本発明によれば、アルコール摂取後のピルビン酸濃度の低下を抑制し、乳酸/ピルビン酸比を改善可能な組成物を提供することができる。
アルコール投与後のラットの血中のピルビン酸濃度を示す図である。 アミノ酸又は糖類を投与後にアルコール投与したラットの血中のピルビン酸濃度を示す図である。 グリシン又はトリプトファン投与後にアルコール投与したラットの血中のピルビン酸濃度を示す図である。 フルクトース又はトリプトファン投与後にアルコール投与したラットの血中のピルビン酸濃度を示す図である。 飲酒試験における血中ピルビン酸濃度の経時変化を示す図である。 飲酒試験における飲酒から180分後の血中のピルビン酸濃度を示す図である。 飲酒試験における血中乳酸/ピルビン酸比の経時変化を示す図である。 飲酒試験における飲酒から180分後の血中の乳酸/ピルビン酸比を示す図である。 飲酒試験における血中のアルコール消失速度を示す図である。
本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
<乳酸/ピルビン酸比の改善用組成物>
本実施形態に係る組成物は、有効成分としてトリプトファンを含み、血液中の乳酸/ピルビン酸比の改善に用いられる。トリプトファンを含む組成物を、例えば経口投与することで、飲酒等に起因して上昇する乳酸/ピルビン酸比を改善することができる。これは例えば、トリプトファンを含む組成物を投与することで血液中のピルビン酸濃度が上昇するためと考えることができる。ここで、本明細書における乳酸/ピルビン酸比の改善とは、何らかの要因によって正常な状態から逸脱した乳酸/ピルビン酸比を正常な値に近づけることを意味する。乳酸/ピルビン酸比は対象動物(例えば、哺乳動物、特にヒト)の血液サンプルついて、常法により測定することができる。
組成物は、特にアルコール摂取に伴う乳酸/ピルビン酸比の上昇を効果的に改善することができ、アルコール代謝が効果的に促進される。また組成物はその投与により、正常な状態から逸脱した乳酸/ピルビン酸比を改善することができるため、NADH/NAD比を改善することができ、高脂血症、低血糖症、高尿酸血症等の病態の予防、改善等に資することができると考えられる。
組成物が含むトリプトファンは、2−アミノ−3−インドリルプロピオン酸のことであり、少なくともL−トリプトファンを含んでいればよい。トリプトファンは、ラセミ体であってもよいが、L−トリプトファンであることが好ましい。トリプトファンの純度は人体への投与に適するものであればよく、その純度は例えば90%以上、好ましくは98%以上である。トリプトファンは、例えば抽出法、微生物発酵法等により製造することができ、市販品から適宜選択されてもよい。
組成物中のトリプトファンは単体(遊離体)として含まれていてもよく、塩の形態で含まれていてもよい。トリプトファンの塩としては薬理学的に許容される塩であれば特に制限はない。具体的には例えば、酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩等が挙げられる。酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、α−ケトグルタル酸塩、グルコン酸塩、カプリル酸塩等の有機酸塩が挙げられる。金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等が挙げられる。アンモニウム塩としては、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の塩が挙げられる。有機アミン付加塩としては、モルホリン、ピペリジン等の塩が挙げられる。
組成物は、トリプトファン以外の有効成分を更に含んでいてもよい。トリプトファン以外の有効成分としては、アミノ酸、糖類等を挙げることができる。アミノ酸はトリプトファン以外の他のアミノ酸(以下、第二アミノ酸ともいう)であり、例えば生体内でピルビン酸に変換され得る糖原性アミノ酸を挙げることができる。他のアミノ酸として具体的には、グリシン、アラニン、グルタミン、アルギニン、セリン、システイン、トレオニン、フェニルアラニン、プロリン、アスパラギン、アスパラギン酸、メチオニン、ヒスチジン、イソロイシン、シトルリン、グルタミン酸、オルニチン、テアニン、タウリン、チロシン、バリン等を挙げることができ、乳酸/ピルビン酸比の改善効果の観点から、これらからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、グリシン、アラニン及びグルタミンからなる群から選択され少なくとも1種であることがより好ましく、少なくともグリシンを含むことが更に好ましい。第二アミノ酸は、単体のアミノ酸であってもよく、薬理学的に許容される塩であってもよい。
糖類としては、例えばフルクトース、グルコース等の単糖類、スクロース等の二糖類を挙げることができる。組成物に含まれる糖類は、乳酸/ピルビン酸比の改善効果の観点から、フルクトース、グルコース及びスクロースからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、フルクトース及びスクロースからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
組成物がトリプトファンに加えて第二アミノ酸、糖類等を含む場合、その含有量は、乳酸/ピルビン酸比の改善効果の観点から、トリプトファンに対する重量比として、例えば5以上、好ましくは10以上、より好ましくは15以上であり、また例えば100以下、好ましくは60以下、より好ましくは30以下である。
組成物中の有効成分の総含有量は、組成物の構成、組成物の投与により期待する効果等に応じて適宜選択すればよい。組成物中の有効成分の総含有量は例えば0.0001重量%以上、好ましくは0.001重量%以上、より好ましくは0.01重量%以上であり、また例えば100重量%以下、好ましくは70重量%以下、より好ましくは50重量%以下である。
組成物は、必要に応じて有効成分以外のその他の成分を更に含んでいてもよい。その他の成分としては、水等の溶媒;ビタミンB群等を含む各種ビタミン類;甘味料;香料;着色料;薬理学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤、塩類、pH調整剤、キレート剤、緩衝剤等を挙げることができる。
組成物は、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、シロップ剤、液剤、注射剤等のいずれの剤形であってもよい。投与方法は、組成物の剤形等に応じて通常用いられる投与経路から選択すればよい。投与経路としては例えば、経口投与、経鼻投与、直腸投与、静脈注射、点滴等を挙げることができる。
組成物の投与量は、通常1回につきトリプトファンの投与量として例えば0.01g以上、好ましくは0.1g以上であり、また例えば1.0g以下、好ましくは0.6以下、より好ましくは0.4g以下である。また1日当たりの投与回数は、例えば1から3回である。
ある一形態において、組成物はアルコール代謝促進に用いられる。組成物の投与によりアルコール代謝が促進されることで、過度のアルコール摂取等に起因する二日酔い症状を軽減又は防止することができる。組成物をアルコール代謝促進に用いる場合、組成物の投与は例えば、アルコール摂取の30分前から60分前とすることができる。またアルコール摂取中、アルコール摂取後に組成物を投与してもよい。
<飲食品>
飲食品は、上述したトリプトファンを含む乳酸/ピルビン酸比の改善用組成物を含む。飲食品を摂取することで、上述した組成物の効果を得ることができる。本発明の乳酸/ピルビン酸比の改善用組成物を含有する飲食品には、健康飲食品、機能性飲食品、病者用飲食品などの他、上記乳酸/ピルビン酸比の改善用組成物を配合できる全ての飲食品が含まれる。なかでも、機能性飲食品はとりわけ好ましい。「機能性飲食品」は、生体に対して一定の機能性を有する飲食品を意味し、例えば、特定保健用飲食品(条件付きトクホ[特定保健用食品]を含む)及び栄養機能飲食品を含む保健機能飲食品、特別用途飲食品、栄養補助飲食品、健康補助飲食品、サプリメント(例えば、錠剤、被覆錠、糖衣錠、カプセル及び液剤などの各種剤形のもの)及び美容飲食品(例えばダイエット飲食品)などのいわゆる健康飲食品全般を包含する。機能性飲食品はまた、コーデックス(FAO/WHO合同食品規格委員会)の食品規格に基づく健康強調表示(Health claim)が適用される健康飲食品を包含する。
上記健康食品等は、通常の食品の形状であってもよく、サプリメントの形状(錠剤、顆粒剤(例えば、スティック状に梱包された顆粒剤)、細粒剤、タブレット、チュアブルタブレット、カプセル(軟カプセル、硬カプセル)など)であってもよい。
飲食品は流動性を有する飲料であってもよい。飲食品が飲料である場合、飲料中のトリプトファン濃度は例えば、0.001g/100ml以上、好ましくは0.005g/100ml以上、より好ましくは0.02g/100ml以上であり、また例えば1.0g/100ml以下、好ましくは0.6g/100ml以下、より好ましくは0.4g/100ml以下である。
飲料が含む組成物はグリシンを含むことが好ましい。組成物がグリシンを含む場合、飲料中のグリシン濃度は例えば、0.1g/100ml以上、好ましくは0.3g/100ml以上、より好ましくは0.6g/100ml以上であり、また例えば10g/100ml以下、好ましくは8g/100ml以下、より好ましくは7g/100ml以下である。
飲料は例えば、トリプトファンを含む組成物と、水、果汁等の液媒体とを含んで構成される。飲料は例えば、緑茶、ウーロン茶、紅茶などの茶飲料、清涼飲料、ゼリー飲料、スポーツ飲料、乳飲料、炭酸飲料、野菜飲料、果汁飲料、醗酵野菜飲料、醗酵果汁飲料、発酵乳飲料(ヨーグルトなど)、乳酸菌飲料、乳飲料(コーヒー牛乳、フルーツ牛乳など)、粉末飲料、ココア飲料、アルコール飲料であってもよく、組成物を含み、牛乳、精製水などを液媒体とする飲料であってもよい。
飲料は、甘みを調整するために、甘味料を含有していてもよい。甘味料は糖であってもよく、糖としては、砂糖、葡萄糖、果糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等が挙げられる。あるいは、糖の代わりに、アスパラテーム、サッカリン等の合成甘味料が添加されていてもよい。
飲料は酸味料を含有していてもよい。酸味料としては、例えば、クエン酸、DL−リンゴ酸、L−酒石酸、乳酸、リン酸等が挙げられる。
飲料は香料を含有していてもよい。香料としては、例えば、レモン、ライム、オレンジ等のシトラス油、オレンジ油、ハーブエキス等が挙げられる。香料は天然香料であっても、合成香料であってもよい。天然香料としては、例えば、アニス油、アンゲリカ油、オールスパイス油、オレンジ油、カシア油、カプシカム油、ガラナエキス、カルダモン油、キャラウェイ油、クミン油、クラリセージ油、グレープフルーツ油、クローブ油、コリアンダー油、コーヒー油、コニャック油、コーラナッツエキス、シナモン油、ジンジャー油、タイム油、ナツメグ油、ハッカ油、バニラエキス、ビターアーモンド油、フェヌグリーク油、フェンネル油、ペッパー油、ペパーミント油、ペリラ油、ベルガモット油、マンダリン油、ユーカリ油、レモン油、ローズマリー油等が挙げられる。
合成香料としては、例えば、アネトール、アリルカプロエート、イソアミルアセテート、γ−ウンデカラクトン、エチルバニリン、エチルブチレート、エチルフェニルグリシデート、オイゲノール、ゲラニオール、ジアセチル、シクロテン、シトラール、シナミック
アルデヒド、ターピネオール、δ−デカラクトン、デカナール、ノナナール、γ―ノナラクトン、バニリン、フェニルエチルアルコール、フラネオール、フルフリルメルカプタン、2−ヘキセナール、3−ヘキセノール、ヘリオトロピン、ペリラアルデヒド、ベンズアルデヒド、マルトール、メチルアンスラニレート、メチルサリシレート、メントール、α−ヨノン、リナロール等が挙げられる。
飲食品が流動性を持たない形態である場合、飲食品は、錠剤、カプセル剤、粉末、ゲル状、スティック状、板状等のいずれの形態であってもよい。飲食品は1回の摂取におけるトリプトファンの摂取量が、既述の組成物における投与量となるように組成物を含んでいればよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(参考例)
Wistar系ラット(雄性、6週齢以上)に、エチルアルコール(Alc)を1g/kg、2g/kgまたは3g/kgの投与量で強制胃内投与し、3時間後に採血して、血中ピルビン酸濃度(mg/dl)を測定した。結果を図1に示す。
図1から、アルコールをラットの胃に強制投与することで投与量依存的に血中ピルビン酸濃度が低下することが分かる。
(実施例1)
Wistar系ラット(雄性、6週齢以上)に、各種アミノ酸(グリシン以外はすべてL型)及び糖類を1.5g/kg(但し、オルニチンとタウリンは0.5g/kg)投与し、30分後にアルコール3g/kgを強制胃内投与した。アルコール投与の3時間後に採血して、血中ピルビン酸濃度(mg/dl)を測定した。結果を図2に示す。なお、図2中の略語は以下の通りである。アルコール非投与(Alc(−))、アルコール投与(Alc)、グリシン(Gly)、アラニン(Ala)、グルタミン(Gln)、アルギニン(Arg)、セリン(Ser)、システイン(Cys)、トレオニン(Thr)、フェニルアラニン(Phe)、プロリン(Pro)、アスパラギン(Asn)、アスパラギン酸(Asp)、メチオニン(Met)、ヒスチジン(His)、イソロイシン(Ile)、シトルリン(Cit)、グルタミン酸(Glu)、オルニチン(Orn)、テアニン(Tea)、タウリン(Tau)、チロシン(Tyr)。また図2中、左下がり斜線は対照(Alc(−)、Alc)を示し、右下がり斜線は対照と有意差があったことを示す。
図2から、アルコールの強制投与前にトリプトファンを投与することで、血中ピルビン酸濃度の低下を顕著に抑制できることがわかる。トリプトファンはアルコール摂取に伴うピルビン酸濃度の低下を顕著に抑制することから、血中の乳酸/ピルビン酸比を改善することができ、またアルコール代謝を促進できると考えられる。またグリシン、アラニン、グルタミン、フルクトースおよびスクロースもアルコール摂取に伴う血中ピルビン酸濃度の低下を効果的に抑制することができることが分かる。
(実施例2)
Wistar系ラット(雄性、6週齢以上)に、グリシン単独、トリプトファン単独、またはグリシンとトリプトファンの混合物をそれぞれ投与し、30分後にアルコール3g/kgを強制胃内投与した。アルコール投与の3時間後に採血して、血中ピルビン酸濃度(mg/dl)を測定した。結果を図3に示す。なお、グリシンの投与量は1.5g/kgであり、トリプトファンの投与量は0.125g/kgであった。
図3から、アルコールの強制投与前にグリシンを投与することで、血中ピルビン酸濃度の低下を有意に抑制できることがわかる。また少量のトリプトファンを事前投与した場合でも血中ピルビン酸濃度の低下を抑制する傾向があることがわかる。さらにトリプトファンとグリシンを同時に投与することで、血中ピルビン酸濃度の低下を顕著に抑制でき、トリプトファンとグリシンの併用に相乗効果が認められることがわかる。なお、図3においてa、b及びcの符号は同じ符号どうしでは有意差がなかったことを示す。
(実施例3)
Wistar系ラット(雄性、6週齢以上)に、フルクトース単独、トリプトファン単独、またはフルクトースとトリプトファンの混合物をそれぞれ投与し、30分後にアルコール3g/kgを強制胃内投与した。アルコール投与の3時間後に採血して、血中ピルビン酸濃度(mg/dl)を測定した。結果を図4に示す。なお、フルクトースの投与量は1.5g/kgであり、トリプトファンの投与量は0.125g/kgであった。
図4から、アルコールの強制投与前にフルクトースを投与することで、血中ピルビン酸濃度の低下を有意に抑制できることがわかる。またトリプトファンとフルクトースを同時に投与することで、血中ピルビン酸濃度の低下をより効果的に抑制できる傾向があることがわかる。
(実施例4)
健康な成人男女を被験者として、書面でのインフォームドコンセントに同意を得た後に飲酒試験を実施した。対照としての難溶性デキストリン6g(n=7)、グリシン6g(n=7)、グリシン6gとトリプトファン0.1gを含む組成物(n=5)、グリシン6gとトリプトファン0.2gを含む組成物(n=7)、又はグリシン6gとトリプトファン0.4gを含む組成物(n=7)のいずれかを経口投与し、その30分後に甲類焼酎をアルコール量0.32g/kgで摂取させた。甲類焼酎を摂取前、摂取から60分後、120分後、及び180分後に採血して、血中ピルビン酸濃度(mg/dl)、血中乳酸/ピルビン酸比、及び血中アルコール消失速度(mg/ml/hr)を測定した。血中ピルビン酸濃度の測定結果を図5及び図6、血中乳酸/ピルビン酸比の測定結果を図7及び図8、血中アルコール消失速度の測定結果を図9に示す。なお、血中アルコール消失速度は、血中アルコール濃度経時変化における最高血中アルコール濃度到達以降の濃度低下、すなわち消失相の傾きから算出した。
図5は血中ピルビン酸濃度の経時変化を示し、点線が対照群(難溶性デキストリン)であり、実線がトリプトファンとグリシンを含む組成物投与群であり、破線がグリシン投与群である。図5からトリプトファンとグリシンを含む組成物を飲酒前に摂取することで、飲酒60分後に低下した血中ピルビン酸濃度が、経時的に改善されることが分かる。また図6からトリプトファンとグリシンを含む組成物を飲酒前に摂取することで、飲酒により低下した血中ピルビン酸濃度の回復が促進される傾向があることが分かる。特にグリシン6gとトリプトファン0.2gを含む組成物を摂取した場合に、対照群に対して有意(p=0.034)に血中ピルビン酸濃度の回復が促進されることが分かる。
図7は血中乳酸/ピルビン酸比の経時変化を示し、点線が対照群(難溶性デキストリン)であり、実線がトリプトファンとグリシンを含む組成物投与群であり、破線がグリシン投与群である。図7からトリプトファンとグリシンを含む組成物を飲酒前に摂取することで、飲酒60分後の乳酸/ピルビン酸比の上昇が抑制され、さらに経時的に改善されることが分かる。図8からトリプトファンとグリシンを含む組成物を飲酒前に摂取することで、飲酒により上昇した血中乳酸/ピルビン酸比の改善が促進される傾向があることが分かる。特にグリシン6gとトリプトファン0.2gを含む組成物を摂取した場合に、対照群に対して有意(p=0.009)に血中乳酸/ピルビン酸比の改善が促進されることが分かる。
図9から、トリプトファンとグリシンを含む組成物を飲酒前に摂取することで、アルコール消失速度が上昇することから、アルコール代謝が促進されることが分かる。特にグリシン6gとトリプトファン0.2gを含む組成物を摂取した場合に、対照群に対して有意(p=0.034)に血中アルコール消失速度が向上することが分かる。

Claims (8)

  1. トリプトファンを含む乳酸/ピルビン酸比の改善用組成物。
  2. グリシン、アラニン、グルタミン、アルギニン、セリン、システイン、トレオニン、フェニルアラニン、プロリン、アスパラギン、アスパラギン酸、メチオニン、ヒスチジン、イソロイシン、シトルリン、グルタミン酸、オルニチン、テアニン、タウリン、チロシン及びバリンからなる群から選択されるアミノ酸、並びにフルクトース、スクロース及びグルコースからなる群から選択される糖類の少なくとも1種を更に含む請求項1に記載の組成物。
  3. 前記アミノ酸がグリシン、アラニン及びグルタミンからなる群から選択され、前記糖類がフルクトース及びスクロースからなる群から選択される請求項2に記載の組成物。
  4. 前記アミノ酸又は糖類のトリプトファンに対する重量基準の含有比が5以上100以下である請求項2又は3に記載の組成物。
  5. アルコール代謝促進に用いられる請求項1から4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の組成物を含む飲食品。
  7. 請求項1から5のいずれか1項に記載の組成物を含むアルコール代謝促進剤。
  8. 請求項1から5のいずれか1項に記載の組成物を含む二日酔い防止剤。
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