JP2018166423A - 乳化ソース及び容器詰ソース - Google Patents

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Abstract

【課題】氷点下以下に冷却しても流動性を失わず、その冷却された状態のままで使用可能であり、保存性及びハンドリング性に優れる乳化ソース、並びに該乳化ソースを用いた容器詰ソースを提供すること。【解決手段】本発明の乳化ソースは、発酵セルロース及び油脂を含有し、品温−5℃以下の状態で流動性を有する。好ましくは、前記発酵セルロースの含有量が0.03質量%以上であり、また、前記油脂の含有量が20質量%以上であり、また、さらに増粘多糖類を0.01質量%以上含有し、また、前記乳化ソースの水相における塩分濃度が3.0質量%以上である。本発明には、可撓性容器とその内容物とを含んで構成され、該内容物が、前記の本発明の乳化ソースである容器詰ソースが包含される。【選択図】なし

Description

本発明は、パスタソースやディップソースなどの、他の食品と組み合わされて食される乳化ソースに関し、詳細には、氷点下に冷却されても乳化状態が維持され流動性を有する乳化ソースに関する。
近年、食生活やライフスタイルの多様化が進み、調理済食品や半調理済食品などの加工食品の需要が拡大している。これらの加工食品は、家庭などで調理後速やかに食される食品とは異なり、製造後に流通過程を経た一定時間後に初めて食されるため、その流通過程で微生物の増殖などに起因する腐敗が起こらないように、微生物制御の対策をとる必要がある。特に、水分と油分とが乳化状態にある乳化ソースは、他の食品に比して水分を比較的多く含むために、微生物の増殖による腐敗を起こしやすく保存性に乏しいという問題がある。
従来、食品の保存性を向上させるために、レトルト処理(加熱殺菌処理)を施す、あるいは日持ち向上剤や保存料などの各種添加剤を使用するなどの方法が採られているが、これらの保存性向上法では、要求される保存性のレベルが高い場合に、より厳しい条件でのレトルト処理やより多量の添加剤の使用が必要となるため、食品の品質や安全性などの点で消費者に不安を与えるおそれがある。これに対し、食品を冷凍保存する方法は、食品の変質が比較的起こりにくく、且つ微生物の増殖による腐敗防止に対しても有効であるという利点を有する。
しかしながら、常温で流動性を有する乳化ソースを冷凍保存すると、完全に硬化して流動性が失われる場合があり、その場合、収容容器からの取り出しや所定の単位量への取り分けといった操作を、湯煎などの解凍処理無しで行うことが困難となり、利便性が著しく低下する。また、斯かる問題に鑑みて、乳化ソース中の油分の量を増加する(水分の量を低減する)ことが考えられるが、そのような油分を比較的多量に含む乳化ソースは、冷凍温度帯で乳化状態が解除されやすく、水相と油相とに分離してしまうおそれがあるため、長期保存に向かず、開封後はなるべく短期間で使い切る必要がある。
特許文献1には、冷凍状態においても完全に硬化することのない冷凍食品組成物として、α化していない澱粉、糖質及び水を含有し、水分量が40質量%以下であるものが記載され、また、この冷凍食品組成物をパウチ状容器などの容器に充填・密封した、容器入り冷凍食品組成物が記載されている。
特許文献2には、加熱処理せずに冷凍状態のまま食品に振りかけて使用する粉状又は粒状の冷凍ソースフレークが記載されている。この冷凍ソースフレークは、トマトソースなどの液体に油脂分を加えた後、撹拌、乳化、冷凍からなる一連の作業を繰り返して、油脂分と空気とが混合した冷凍固形物を得、該冷凍固形物をハンマーなどで粉砕することで製造される。このような、粉砕工程を経て製造されるフレーク状に小片化された冷凍ソースは、特許文献3にも記載されている。
特開2014−60960号公報 特開2014−54216号公報 特開平9−285278号公報
本発明の課題は、氷点下以下に冷却しても流動性を失わず、その冷却された状態のままで使用可能であり、保存性及びハンドリング性に優れる乳化ソース、並びに該乳化ソースを用いた容器詰ソースを提供することである。
本発明は、発酵セルロース及び油脂を含有し、品温−5℃以下の状態で流動性を有する乳化ソースである。
また本発明は、可撓性容器とその内容物とを含んで構成され、該内容物が、前記の本発明の乳化ソースである容器詰ソースである。
本発明の乳化ソースは、氷点下以下に冷却しても流動性を失わず、水分と油分とに分離し難く、その冷却された状態のままで使用可能であり、保存性及びハンドリング性に優れる。また、本発明の容器詰ソースは、可撓性容器に前記の本発明の乳化ソースが内包された構成を有し、長期保存が可能で使い勝手が良く、携帯性に優れる。
図1は、乳化ソースの流動性の評価試験において作製される本発明の容器詰ソースの一例を模式的に示す平面図である。
本発明の乳化ソースは、品温−5℃以下の状態、好ましくは−30℃以上−5℃以下の状態、さらに好ましくは−20℃以上−5℃以下の状態で流動性を有する。即ち、本発明の乳化ソースを、長期保存を目的として該乳化ソースの温度(品温)が−5℃以下となるように冷却しても、その冷却された乳化ソースは流動性(可撓性)を有し、例えば手指で押すなどして外力を与えると変形し得る。従って本発明の乳化ソースは、品温−5℃以下の状態にすることで長期保存が可能であり、また、斯かる冷却状態の乳化ソースは、長時間にわたる解凍処理や加熱を伴う解凍処理を施さずとも、手指で押す程度の比較的小さい外力で容易に変形・流動するので、冷却状態のまま使用することが可能であり、ハンドリング性に優れる。
前記の「品温−5℃以下の状態で流動性を有する」における「流動性」とは、より具体的には、下記評価試験に基づくものである。即ち、下記評価試験において流動性を有すると評価された場合、当該ソースは「品温−5℃以下の状態で流動性を有する」と言える。
<流動性の評価試験>
評価対象のソース100gを、内部に一辺の長さ120mmの平面視正方形形状の収容部を有する可撓性袋容器の該収容部に充填・密封して容器詰ソースを得、該容器詰ソースを、庫内温度−20℃の冷凍庫内に5時間静置する。その後、冷凍庫から容器詰ソースを取り出し、気温20℃の環境下に3分間静置後、該容器詰ソースにおける前記袋容器の前記収容部の4つの角部のうちの1つを切断して、最大差し渡し長さ20mmの開口部を形成し、該開口部を下方に向けた状態として、該開口部から内容物たる評価対象のソースを手指で押し出すことができるか否かを試験し、押し出すことができた場合に、評価対象のソースが品温−5℃以下の状態で流動性を有すると評価する。
図1には、前記評価試験において作製される容器詰ソースの一例である容器詰ソース1が示されている。容器詰ソース1は、可撓性袋容器2と、袋容器2に内包された乳化ソース3(評価対象のソース)とを含んで構成される。袋容器2は、可撓性を有するシート材料からなる複数のシート部を含んで構成され、それら複数のシート部どうしが接着剤、融着などの接合手段によって互いに部分的に接合されて接合部21を形成し、接合部21に囲まれた該シート部どうしの非接合部が、内容物たる乳化ソース3の収容部として機能する。図1に示す袋容器2は、前記シート部として前後一対の正面シート部を含み、その一対の正面シート部どうしがそれらの周縁部にてヒートシールによって互いに接合されて接合部21(シール部)が形成されており、収容部20は、図1に示す如き平面視において正方形形状をなし、接合部21によって包囲されている。前記シート材料としては、乳化ソースが透過不可能で且つ可撓性を有するものを使用することができ、例えば、ナイロン製シート、ポリエチレン製シート又は両シートを貼り合わせた複合シートからなり、厚みが0.075mmのシート材料を例示できる。
図1中、符号22は、容器詰ソース1に形成される前記開口部(前記開口部の開口縁)を示し、符号Lは、開口部22の前記最大差し渡し長さを示す。即ち、開口部22は、容器詰ソース1における袋容器2の収容部20の4つの角部のうちの1つを切断することで形成されるものであり、そうして形成された開口部22の最大差し渡し長さLは、開口部22の閉塞状態(袋容器2の一面側と他面側とが密着した状態)における開口縁に沿った長さである。開口部22の開口縁は図1に示す如き平面視において直線である。前記評価試験では、開口部22が下方を向くように容器詰ソース1を手指で支持し、その状態で袋容器2を手指で押圧して、開口部22から内容物たる乳化ソース3を押し出す操作を行い、斯かる操作によって乳化ソース3が開口部22から押し出されれば、乳化ソース3は「品温−5℃以下の状態で流動性を有する」と評価される。
本発明の乳化ソースの主たる特徴の1つとして、発酵セルロースを含有する点が挙げられる。発酵セルロースは、アグロバクテリウム属、アセトバクター属、シュードモナス属などに分類されるセルロース産生菌が生産する繊維状セルロースであり、植物パルプ由来の結晶セルロースと比較して繊維が細くて長く、繊維の絡み合いがより緻密であるといった特徴を有する。
本発明の乳化ソースは、前述した通り、品温−5℃以下の状態で流動性を有するところ、斯かる流動性の発現メカニズムは定かではないが、発酵セルロースの作用によるものと推察される。即ち、発酵セルロースを含有しない通常の乳化ソースは、品温−5℃以下の状態では乳化状態が解除されて水相と油相とに分離してしまうが、本発明の乳化ソースは、発酵セルロースによる三次元網目構造を有し、その三次元網目構造の中に水分と油分とが取り込まれることで乳化状態をなしているため、本発明の乳化ソースを冷却して品温−5℃以下の状態としても、三次元網目構造が維持される限り乳化状態が維持され、水相と油相とに分離し難い。また、この発酵セルロースによる三次元網目構造は、品温が−5℃以下となるような冷却及びその後の解凍を複数回繰り返しても破壊されずに維持されるため、例えば、品温−5℃以下の状態で保存されている本発明の乳化ソースを自然解凍(非加熱で室温下で放置することによる昇温)し、該乳化ソースの一部のみを使用し、残りを再冷却して品温−5℃以下の状態で保存しても、その乳化ソースの残りは、品温−5℃以下の状態で流動性を有する。
本発明の乳化ソースにおいて発酵セルロースの含有量は、該乳化ソースの全質量に対して、好ましくは0.03質量%以上、さらに好ましくは0.03〜1.0質量%である。発酵セルロースの含有量が少なすぎると、これを使用する意義に乏しく、発酵セルロースの含有量が多すぎると、乳化安定性が損なわれるおそれがある。
本発明の乳化ソースは、発酵セルロースに加えてさらに、油脂を含有する。油脂としては、食品分野において通常用いられるものを特に制限なく用いることができ、例えば、ひまわり油、大豆油、綿実油、サラダ油、コーン油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、菜種油、米ぬか油、紅花油、ゴマ油、カポック油、ヤシ油、アマニ油、荏胡麻油、ぶどう油等の植物性油脂;牛脂、ラード、魚油、鯨油、バター等の乳脂肪等の動物性油脂;これらの油脂の1種以上を原料とする硬化油、分別油、エステル交換油等の加工油脂等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの油脂の中でも、風味、健康の観点から、植物性油脂が好ましく、特にひまわり油が好ましい。ひまわり油を乳化ソースに用いると、乳化ソースの品温−5℃以下の状態での流動性がより一層向上し得る。
本発明の乳化ソースにおいて油脂の含有量は、該乳化ソースの全質量に対して、好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは20〜50質量%である。油脂の含有量が少なすぎると、相対的に水分の含有量が多くなるため、乳化ソースの品温−5℃以下の状態での流動性が著しく低下するおそれがあり、油脂の含有量が多すぎると、乳化崩壊のおそれがある。
本発明の乳化ソースは、増粘多糖類を含有してもよい。増粘多糖類は、乳化安定の点で有効である。増粘多糖類としては、食品分野において通常用いられるものを特に制限なく用いることができ、例えば、ペクチン、アルギン酸、アルギン酸塩類、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、キサンタンガム、アラビアガム、グルコマンナン、ガラクトマンナン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、カラヤガム、寒天、カラギーナン、プルラン、カードラン、ジェランガム、こんにゃく粉、セルロース及びその誘導体(カルボキシメチルセルロース、微結晶セルロース等)、大豆多糖類、α化デンプン、α化加工デンプン等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの増粘多糖類の中でもキサンタンガムは、乳化ソースの乳化安定性の向上に特に優れるため、本発明で好ましく用いられる。
本発明の乳化ソースにおいて増粘多糖類の含有量は、該乳化ソースの全質量に対して、好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.01〜0.5質量%である。増粘多糖類の含有量が少なすぎると、これを使用する意義に乏しく、増粘多糖類の含有量が多すぎると、食味低下のおそれがある。
乳化ソースの品温−5℃以下の状態での流動性をより一層確実に発現させる観点から、本発明の乳化ソースの水相における塩分濃度は3.0質量%以上であることが好ましい。一般に、乳化ソースの水相塩分濃度が多いほど、凝固点降下現象により、品温−5℃以下の状態での流動性が発現しやすくなるが、水相塩分濃度が高すぎると、乳化ソースの食味が塩辛いものとなるなどの不都合が生じるおそれがある。斯かる点を考慮すると、乳化ソースの水相塩分濃度は3.0〜15質量%がさらに好ましい。乳化ソースの水相塩分濃度は、例えば電極式塩分分析計を用いて、電量滴定法により塩化物量を測定することで測定できる。
本発明の乳化ソースは、典型的には、常温(25℃)で流動性を有するソース部(ペースト状食品組成物)を含み、該ソース部に前記成分(発酵セルロース、油脂、増粘多糖類、塩)及び水が含有されている。本発明の乳化ソースは、このソース部のみから構成されていてもよく、さらに前述した品温−5℃以下の状態での流動性を損なわない範囲で、肉類、魚介類、野菜類を素材とする塊状の固形物である具材を含んで構成されていてもよい。
前記ソース部は、水分と油分とが部分的又は全体的に乳化状態にある乳化ソースであればよく、その種類は特に制限されず、具体的には例えば、ホワイトソース、クリームソース、カルボナーラソース、オイルソース、トマトソース、タラコソース、バジルソース、バターソース等が挙げられる。また、前記ソース部の原材料としては、前記成分及び水以外に、例えば、牛乳、砂糖、卵、生クリーム;トマトや玉ねぎなどの野菜類やエンドウなどの豆類のペースト;野菜類や豆類のピューレ状物(固形物が残存しないものに限る);しょうゆ、酢、ブイヨン、コンソメなどの調味料類等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。前記ソース部には、原材料の他に必要に応じて、酸味料、乳化剤、安定剤、着色料など、従来からソースの原材料として用いられている添加剤を用いることができ、乳化ソースの種類に応じて適宜選択することができる。
本発明の乳化ソースは、発酵セルロース、油脂及び水を含む原材料を混合し、ホモジナイザーなどを用いて均質化処理することで製造することができ、特許文献2及び3に記載の如き、液体ソースの冷凍固化物の粉砕工程は不要である。即ち本発明の乳化ソースは、斯かる粉砕工程によって形成される、液体ソースの冷凍固化物の粉砕物(該冷凍固化物の小片)を含んでいない。前記均質化処理におけるホモジナイザーの回転数は2000rpm以上とすることが好ましい。また、後述する本発明の容器詰ソースは、こうして製造された本発明の乳化ソースを可撓性容器に充填し密封するだけで製造することができる。
本発明の乳化ソースは、ペースト状食品組成物とも言えるものであり、典型的には、パスタソース、カレールー、あん、たれ、ドレッシング、ディップソースなどの、他の食材にかけるなどして組み合わされて食される「ソース」として使用されるが、それ自体の喫食が目的とされる「スープ」として使用することも可能である。本発明の乳化ソースは、例えば、スパゲティ、カレー、シチュー、ハンバーグ、グラタン等の食品に適用できる。
本発明には、可撓性容器とその内容物とを含んで構成され、該内容物が、前述した本発明の乳化ソースである容器詰ソースが包含される。図1の容器詰ソース1は、斯かる本発明の容器詰ソースの一実施形態である。内容物たる本発明の乳化ソースを内包する容器が可撓性を有していることで、その容器詰ソースが品温−5℃以下の状態であっても、該容器を手指で押圧することで、内包されている該乳化ソースを流動させることが可能となり、該乳化ソースのハンドリング性に優れ、使い勝手がよい。
本発明の容器詰ソースを構成する可撓性容器の素材としては、乳化ソースが透過不可能で且つ可撓性を有するものであればよく、例えば、合成樹脂、紙、金属、あるいはこれらの2種以上を組み合わせた複合材料を用いることができる。また、可撓性容器の形状は特に制限されず、図1に示す如き袋状の他、チューブ状、カップ状などでもよい。本発明の容器詰ソースの典型的な形態として、可撓性容器を手指で押圧することで該容器に内包されている乳化ソースを該容器の外部へ押し出す形態が挙げられ、斯かる形態における可撓性容器として、チューブ状又は袋状の可撓性容器を例示できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〜8、比較例1及び参考例1〜2〕
油脂に、塩及び水以外の原材料(発酵セルロース、増粘多糖類、乳化剤)を加え、その混合物を、ホモジナイザー(KINAMATICA社製、商品名「POLYTRON(登録商標)PT−2500E」)を用いて回転数13500rpmで2分間攪拌(均質化処理)し、均質化処理物を得た。別途、水に塩を溶解させて塩水を調製し、その塩水を前記均質化処理物に加え、その混合物を、前記ホモジナイザーを用いて回転数13500rpmで2分間攪拌(均質化処理)し、目的とする乳化ソースを得た。使用した原材料の詳細は下記の通り。
・大豆油(株式会社J−オイルミルズ製、商品名「J−大豆白絞油」)
・ひまわり油(株式会社J−オイルミルズ製、商品名「J−ひまわり油SL」)
・キサンタンガム(DSP五協フード&ケミカル株式会社製、商品名「モナートガムGS」)
・乳化剤(三菱化学フーズ株式会社製、商品名「リョートーシュガーエステルP1670」、HLB値16)
〔評価試験1(冷却後の流動性の評価試験)〕
各実施例、比較例及び参考例の乳化ソースについて、前記<流動性の評価試験>に準じて、1)容器詰ソースの作製及びその冷却(庫内温度−20℃の冷凍庫内での放置)、2)自然解凍(気温20℃の環境下での放置)、3)開口部の形成、4)内容物たる乳化ソースの該開口部からの押し出しを順次実施し、下記評価基準(5点満点)に従って内容物の品温−5℃以下の状態での流動性を評価した。以上の評価を10名のパネラーに実施してもらった。結果(10名のパネラーの平均点)を下記表1に示す。ここで作製した容器詰ソースは、乳化ソースが押し出される開口部を含め、図1に示す容器詰ソース1と同じであり、また、該容器詰ソースを構成する可撓性容器は、ナイロン製シートとポリエチレン製シートとを貼り合わせた厚み0.075mmの複合シートからなる袋容器であった。
(流動性の評価基準)
5点:内容物に流動性があり、弱い力でもこれを押し出すことができる。
4点:内容物にある程度流動性があり、ほどほどの力でこれを押し出すことができる。
3点:内容物に硬さはあるが、これを押し出すことができる
2点:内容物がやや硬く、これを押し出すのに抵抗がある。
1点:内容物を押し出すことができない。
〔評価試験2(再冷却後の流動性の評価試験)〕
前記評価試験1において、前記2)の自然解凍後に、容器詰ソースを庫内温度−20℃の冷凍庫内に5時間静置し、その後、前記2)から順次実施した以外は前記評価試験1と同様にして、内容物の品温−5℃以下の状態での流動性を評価した。結果(10名のパネラーの平均点)を下記表1に示す。
表1に示す通り、発酵セルロース及び油脂を含有する各実施例の乳化ソースは、発酵セルロースを含有しない比較例1の乳化ソースに比して、冷却後及び再冷却後それぞれの流動性に優れていた。このことから、氷点下以下に冷却しても流動性を失わず、その冷却された状態のままで使用可能であり、保存性及びハンドリング性に優れる乳化ソースを得るためには、発酵セルロースの使用が有効であることがわかる。
一方、参考例1及び2は、いずれも発酵セルロース及び油脂の双方を含有しながらも流動性に劣る結果となったが、この理由は、参考例1は油脂の含有量が少なすぎるため、参考例2は水相塩分濃度が低すぎるためと考えられる。従って、保存性及びハンドリング性に優れる乳化ソースを得るためには、発酵セルロース及び油脂の使用に加え、油脂の含有量及び水相塩分濃度にも留意すべきであることがわかる。
実施例1〜3どうしの対比から、油脂の含有量は、実施例2〜3を含む範囲である30〜50質量%程度が好ましく、特に実施例2を含む範囲である30〜40質量%程度が好ましいことがわかる。また、実施例2〜3と実施例6〜7との対比から、油脂の種類としては、大豆油よりもひまわり油の方が有効であることがわかる。
実施例2〜3と実施例4〜5との対比から、発酵セルロースの含有量は、実施例4〜5を含む範囲である0.15質量%以上が好ましいことがわかる。
実施例2と実施例8との対比から、乳化ソースの水相塩分濃度は、実施例2を含む範囲である4.5質量%以上が好ましいことがわかる。
1 容器詰ソース
2 袋容器
20 収容部
21 シール部
22 開口部(開口縁)
3 乳化ソース

Claims (7)

  1. 発酵セルロース及び油脂を含有し、品温−5℃以下の状態で流動性を有する乳化ソース。
  2. 前記流動性が、下記評価試験に基づくものである請求項1に記載の乳化ソース。
    <流動性の評価試験>
    評価対象のソース100gを、内部に一辺の長さ120mmの平面視正方形形状の収容部を有する可撓性袋容器の該収容部に充填・密封して容器詰ソースを得、該容器詰ソースを、庫内温度−20℃の冷凍庫内に5時間静置する。その後、冷凍庫から容器詰ソースを取り出し、気温20℃の環境下に3分間静置後、該容器詰ソースにおける前記袋容器の前記収容部の4つの角部のうちの1つを切断して、最大差し渡し長さ20mmの開口部を形成し、該開口部を下方に向けた状態として、該開口部から内容物たる評価対象のソースを手指で押し出すことができるか否かを試験し、押し出すことができた場合に、評価対象のソースが品温−5℃以下の状態で流動性を有すると評価する。
  3. 前記発酵セルロースの含有量が0.03質量%以上である請求項1又は2に記載の乳化ソース。
  4. 前記油脂の含有量が20質量%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の乳化ソース。
  5. さらに増粘多糖類を0.01質量%以上含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の乳化ソース。
  6. 前記乳化ソースの水相における塩分濃度が3.0質量%以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の乳化ソース。
  7. 可撓性容器とその内容物とを含んで構成され、該内容物が、請求項1〜6のいずれか1項に記載の乳化ソースである容器詰ソース。
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