JP2024069998A - 非レトルト調味料 - Google Patents

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明彦 菅野
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Abstract

【課題】レトルト処理せずに常温保存可能であり、かつ良好な植物由来香味成分の風味を有する調味料の提供。【解決手段】香味成分及びアミノ酸を含有し、水分活性が0.85以上、かつpHが4.6以上であり、該アミノ酸の含有量が0.3~5.0質量%である、非レトルト液体調味料。【選択図】なし

Description

本発明は、非レトルト調味料に関する。
調味料は、食品に味付けや風味を引き立てるために用いられる。調味料は、その製造過程で、原料食材を調理するため又は殺菌して保存性を高めるために、加熱される場合が多い。しかしながら加熱は、調味料に含まれる香気物質や呈味物質を飛散又は分解させて調味料の風味を低下させてしまうことがある。特に、食品を常温で長期間保存可能にするために行われるレトルト加熱は、120℃以上のような高温で行われるため加熱による風味低下の問題が起こりやすい。
加熱殺菌することなく調味料における微生物の増殖を抑制する手法が従来知られている。例えば、食品用の保存料としては、エタノール、グリシン、有機酸(酢酸、乳酸等)、ポリフェノール類、キトサンなどがよく用いられている。また、調味料に油脂を多量に配合して水分量を低下させる、調味料にアルコールを配合する、調味料に酸を配合してpHを低下させる、などの手法がある。しかし、これら従来の手法で得られた調味料は、風味が変質したり異味を有するなど、風味が損なわれる場合が多い。
特許文献1には、40%以上80%以下の食用油脂、1%以上5%未満の卵黄(生換算)、乳化剤、卵黄油、5%以上40%以下の糖アルコール(固形分換算)、及び0.08%以上0.25%以下のコレステロールを含有し、pH5.0以上8.0以下である水中油型乳化ソース、及び、当該ソースが常温保存可能であり、かつ卵黄由来のコクのある風味を有することが記載されている。特許文献2には、乳タンパク質を含む乳原料、酢酸、乳酸、アルコール、食塩、脂質、有機酸塩、及び水を含み、pHが4.7以上5.1以下であり、水分活性が0.88以上0.94未満であり、該乳タンパク質の含有量が1質量%以上7質量%以下であり、該酢酸の含有量が0.05質量%以上0.5質量%以下であり、該食塩の含有量が1質量%以上7質量%以下である液状調味料、及び、該液状調味料が乳風味に優れ、酸味及び塩味が弱く、かつ常温流通可能であることが記載されている。特許文献3には、酢酸と、食用油脂と、ソルビン酸塩又はエタノールとを含有し、該酢酸の含有量が0.03質量%以上0.30質量%以下であり、エタノールを含有する場合、該エタノールの含有割合が該酢酸1質量部に対して5質量部以上80質量部以下である非レトルト調理ソース、及び、当該ソースがまろやかな風味があり香りを十分に感じることができるものであることが記載されている。
特開2016-77167号公報 特開2021-108651号公報 特開2021-69306号公報
本発明は、レトルト処理せずに常温保存可能であり、かつ良好な香味成分の風味を有する調味料を提供する。
本発明は、以下を提供する。
〔1〕非レトルト液体調味料であって、
香味成分及びアミノ酸を含有し、
水分活性が0.85以上、かつpHが4.6以上であり、
該アミノ酸の含有量が0.3~5.0質量%である、
調味料。
〔2〕前記アミノ酸がグリシンである、〔1〕記載の調味料。
〔3〕さらに油脂を20.0質量%未満の量で含有する、〔1〕又は〔2〕記載の調味料。
〔4〕さらに加工澱粉及び増粘剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有し、かつ
ボストウィック粘度計による品温23℃での粘度が5~20cm/30秒である、〔1〕~〔3〕のいずれか1項記載の調味料。
〔5〕非レトルト液体調味料の製造方法であって、
香味成分及びアミノ酸を含有し、水分活性が0.85以上、pHが4.6以上であり、かつアミノ酸の含有量が0.3~5.0質量%である液体調味料を調製すること、
を含み、さらに、
該液体調味料の製造過程で、アミノ酸以外の材料を混合し、該混合物を100℃以下の温度で加熱殺菌するか、又は、
製造した該液体調味料を100℃以下の温度で加熱殺菌すること、
を含む、方法。
〔6〕前記アミノ酸がグリシンである、〔5〕記載の方法。
〔7〕前記液体調味料がさらに油脂を20.0質量%未満の量で含有する、〔5〕又は〔6〕記載の方法。
〔8〕前記液体調味料がさらに加工澱粉及び増粘剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有し、かつ、ボストウィック粘度計による品温23℃での粘度が5~20cm/30秒である、〔5〕~〔7〕のいずれか1項記載の方法。
本発明の調味料は、非レトルト食品でありながらも常温保存可能であり、かつ良好な香味成分の風味を有する。
本発明は非レトルト調味料を提供する。本明細書において「非レトルト」調味料とは、製造過程でレトルト殺菌をされていない調味料をいう。本明細書におけるレトルト殺菌とは、具体的には、「食品、添加物等の規格基準」(昭和34年厚生省告示第370号)の「容器包装詰加圧加熱殺菌食品の製造基準」の項に記載されている「そのpHが4.6を超え、かつ、水分活性が0.94を超える容器包装詰加圧加熱殺菌食品」に対する加圧加熱殺菌の方法をいう。すなわち、「中心部の温度を120℃で4分間加熱する方法又はこれと同等以上の効力を有する方法」による加圧加熱殺菌をいう。より広義には、本明細書におけるレトルト殺菌とは、100℃を超える温度で殺菌する方法をいう。
本発明の非レトルト調味料(以下、本発明の調味料ともいう)は、液体調味料、すなわち常温常圧下で液状又はペースト状の調味料である。本明細書において、「常温」とは15~25℃をいい、「常圧」とは人為的に加圧又は減圧をしていない状態をいう。本発明の調味料は、該調味料全体として常温常圧下で流動性を有していれば、固形分(例えば後述する香味成分の粉砕物や、具材等)を含有していてもよい。したがって、本発明の調味料は、液状部分からなる形態と、液状部分及び固形分を含む形態とを包含し得る。本発明の調味料の液状部分とは、本発明の調味料のうち目開き2mmの篩を通過した画分をいう。一方、該篩上に残った画分は、本発明の調味料の固形分である。
本発明の調味料は、香味成分を含有する。本明細書における香味成分とは、動物性、植物性又は藻類に由来する、調味料に香気性及び/又は呈味性を与える成分をいう。動物由来香味成分の例としては、肉類、魚類もしくは貝類の乾燥粉末又は抽出物などを挙げることができる。植物由来香味成分の例としては、ニンニク、ミョウガ、ショウガ、シソ、タマネギ、バジル、パセリ等の香味野菜、ユズ、スダチ、ダイダイ等の柑橘類に代表される香味性を有する果実類、ペッパー、クミン、ナツメグ等の香辛料、及びそれらの乾燥物又は抽出物、などを挙げることができる。藻類由来香味成分の例としては、昆布等の海藻類、及びそれらの乾燥物又は抽出物、などを挙げることができる。このうち、植物由来香味成分が好ましい。これらの香味成分は、いずれか1種又はいずれか2種類以上を組み合わせて本発明の調味料に使用することができる。好ましくは、該香味成分は、液状、ペースト状、又は粉砕物の形態で本発明の調味料に含有されている。好ましくは、該香味成分は、目開き2mmの篩を通過するサイズを有する。好ましい例において、該香味成分は、前述した香味野菜、果実類及び香辛料の乾燥粉砕物からなる群より選択される少なくとも1種であり、目開き2mmの篩を通過するサイズを有する。本発明の調味料における該香味成分の含有量は、該調味料に所望の香味を賦課できる量であれば特に制限されず、例えば該調味料の全質量中、0.001~5質量%であればよい。
本発明の調味料は、さらにアミノ酸を含有する。該アミノ酸としては、食用に使用可能なものを特に制限無く用いることができ、例えば、グリシン、アラニン、グルタミン、アルギニンなどが挙げられる。これらのアミノ酸は、いずれか1種又はいずれか2種類以上を組み合わせて用いることができる。このうち、グリシンは調味料の風味に及ぼす影響が少ないため好ましい。本発明の調味料におけるアミノの含有量は、該調味料の全質量中、好ましくは0.3~5.0質量%、より好ましくは0.5~4.0質量%、さらに好ましくは1.0~3.0質量%である。上記のアミノ酸の含有量には、本発明の調味料の原材料に含まれる蛋白質やペプチドに含まれるアミノ酸や、調味成分に含まれるアミノ酸(例えば、うまみ成分に含まれるアミノ酸や、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸など)は含まれない。
好ましくは、本発明の調味料は油脂を含有する。油脂を含有させることで、該調味料の香味成分の風味を向上させることができる。該油脂としては、食用の油脂を特に制限無く用いることができ、例えば、植物性油脂、動物性油脂、加工油脂が挙げられる。該植物性油脂の例としては、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、落花生油、ひまわり油、こめ油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、パーム油、ヤシ油、パーム核油などが挙げられる。該動物性油脂の例としては、牛脂、豚脂、鳥油などが挙げられる。該加工油脂は、原料となる油脂(例えば、植物性油脂又は動物性油脂)に、物理的、酵素的又は化学的な加工を施したものの総称である。該加工油脂を得るための油脂の加工方法は特に制限されず、例えば、分別、水素添加、エステル交換が挙げられ、これらの加工方法の2種類以上を組み合わせてもよい。本発明の調味料においては、前記に挙げた油脂のいずれか1種又はいずれか2種以上を組み合わせて用いることできる。
本発明の調味料が前記油脂を含有する場合、その含有量は、該調味料の液状部分の全質量中、好ましくは20.0質量%未満であり、より好ましくは4.0~15.0質量%、さらに好ましくは7.5~12.0質量%である。本発明の調味料における油脂の含有量は、ソックスレー抽出法に従って調味料からジエチルエーテル抽出された画分の質量に基づいて算出された値である。
本発明の調味料は、水分活性(Aw)が0.85以上、好ましくは0.85以上0.95以下、より好ましくは0.87以上0.94以下である。好ましくは、本発明の調味料の水分活性の値は、波長可変ダイオードレーザーを用いた水分活性測定装置(例えば、AquaLab TDL 2;メータージャパン株式会社)に従って測定された値である。該調味料の水分活性は、原料中の水分、油脂、塩類(食塩、塩化カリウム等)などの量を調節することによって調整することができる。
本発明の調味料は、pHが4.6以上、好ましくは4.9以上6.2以下、より好ましくは5.1以上6.0以下である。pHは、市販のpH/イオンメータ(例えば、HM-42X;東亜ディーケーケー株式会社製)などを用いて常法に従って測定することができる。該調味料のpHは、原料にpH調整剤を適宜添加することによって調整することができる。
本発明の調味料は、ボストウィック粘度計による品温23℃での粘度(以下、「ボストウィック粘度」ともいう)が、好ましくは5~20cm/30秒であり、より好ましくは7~18cm/30秒、さらに好ましくは8~15cm/30秒である。ボストウィック粘度計は、流体の粘性の一貫性を測定する装置であり、流体が一定時間に移動する距離又は流体が一定距離を移動するのに要する時間を測定することができる。本発明の調味料のボストウィック粘度が前記の範囲にあると、該調味料の含有成分の分散安定性が向上し、該調味料が、成分の偏りや沈殿の少ない均質な状態を保つことができる。該調味料のボストウィック粘度の値が小さすぎる(粘性が高すぎる)と、該調味料の香味成分の風味が感じられにくくなる場合がある。一方、該調味料のボストウィック粘度の値が大きすぎる(粘性が低すぎる)と、該調味料中で成分の偏りが生じて、風味や濃度の均質性が損なわれる場合がある。
本発明の調味料のボストウィック粘度の測定は、一般的に入手可能なボストウィック粘度計を用いて、使用する粘度計の標準的な測定方法に準拠して行うことができる。ボストウィック粘度計としては、例えば、市販のボストウィック・コンシストメータ(例えば、日本ジェネティクス株式会社製)を用いることができる。本発明の調味料のボストウィック粘度の測定方法の一例として、前記ボストウィック・コンシストメータ装置を用いた以下の方法を例示できる:ボストウィック・コンシストメータ装置を水平な台に設置し、装置ゲートを閉じた状態で、リザーバーの上面まで品温23℃に調整したサンプル(調味料)を充填する。ゲートを開くためにトリガーを押し下げると同時に時間を計測し、30秒経過時点でのトラフ内のサンプルの流下距離を測定する。トラフ中央での流下距離の最大値と、トラフ端での流下距離の最小値とを測定し、それらの算術平均値を算出し、当該サンプルのボストウィック粘度とする。
本発明の調味料の粘度は、原料に加工澱粉、増粘剤などを添加することによって調整することができる。好ましくは、本発明の調味料は、加工澱粉及び増粘剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有する。加工澱粉又は増粘剤を含有することにより、本発明の調味料の粘度を調整し、分散安定性を向上させることができる。本発明の調味料が該加工澱粉及び増粘剤のいずれかを含有する場合、該調味料の液状部分の全質量中、該加工澱粉の含有量は、好ましくは1.0~5.0質量%、より好ましくは1.3~3.5質量%であり、該増粘剤の含有量は、好ましくは0.1~1.0質量%、より好ましくは0.3~0.7質量%である。また本発明の調味料が該加工澱粉及び増粘剤の両方を含有する場合、その合計含有量は、該調味料の液状部分の全質量中、好ましくは1.0~5.0質量%、より好ましくは1.3~3.5質量%である。
加工澱粉は、原料となる澱粉に、物理的、酵素的又は化学的な加工を施したものの総称である。本発明の調味料に用いる加工澱粉としては、食用に使用可能なものを特に制限無く用いることができる。加工澱粉の原料となる澱粉としては、例えば、タピオカ澱粉、小麦澱粉、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、米澱粉などが挙げられる。該加工澱粉を得るための澱粉の加工方法は特に制限されず、例えば、架橋処理、エステル化処理、エーテル化処理、酸化処理が挙げられ、これらの加工方法の2種類以上を組み合わせてもよい。本発明で用いる加工澱粉としては、前記に挙げた原料澱粉又は加工方法を用いて得られた加工澱粉のいずれか1種又はいずれか2種以上を組み合わせて用いることできる。
本発明の調味料に用いる増粘剤としては、食用に使用可能なものを特に制限無く用いることができ、例えば、ゼラチン、ジェランガム、カラギーナン、ファーセルラン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、タラガム、グアガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸エステル、ペクチン等の増粘多糖類が挙げられる。これらの増粘剤は、いずれか1種又はいずれか2種以上を組み合わせて用いることできる。
本発明の調味料は、前記に挙げた成分以外の他の原料を含有していてもよい。他の原料としては、本発明の効果を損なわない範囲で、調味料に通常用いられ得る各種食材を特に制限無く用いることができる。該他の原料の例としては、清水;未加工澱粉;穀粉類;食塩、グルタミン酸ナトリウム等の調味成分;牛乳、生クリーム、バター、チーズ等の乳製品;糖類;卵黄、卵白等の卵類;食酢、クエン酸等の有機酸又はその塩(前記酢酸ナトリウム以外);アスコルビン酸又はその塩、ビタミンE等の酸化防止剤;着色料;香料;甘味料;保存料、などが挙げられる。これらの他の原料は、製造する調味料の種類に応じて、いずれか1種又はいずれか2種以上組み合わせて用いることできる。本発明の調味料における当該他の原料の含有量は、該調味料の液状部分の全質量中、好ましくは70.0質量%以上、より好ましくは80.0質量%以上である。
本発明の調味料は具材を含んでいてもよい。本発明の調味料に含まれ得る具材の種類は、特に制限されないが、例えば、牛肉、豚肉、鶏肉等の肉類;ヒラメ、カニ、エビ等の魚介類;タラコ等の魚卵類;トマト、タマネギ、ニンジン等の野菜類;マッシュルーム等のキノコ類、などが挙げられる。本発明の調味料が具材を含有する場合、その含有量は、該調味料の液状部分100質量%に対して、好ましくは100質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。
本発明の調味料は、液体調味料の通常の製法に従って製造することができる。基本的には、本発明の調味料の製造方法は、前記の各原料(固形分を含んでいてもよい)を、必要に応じて加熱又は撹拌しながら、混合して、前述した香味成分及びアミノ酸を含有し、水分活性が0.85以上、pHが4.6以上である液体調味料を調製することを含む。好ましい実施形態として、本発明の調味料の製造方法では、まず、アミノ酸以外の原料(固形分を含んでいてもよい)を上記のとおり混合し、調味料の中間品として均質な混合物(液体混合物、固形分を含んでいてもよい)を調製する。ついで、これにアミノ酸を加えて混合して、前述した香味成分及びアミノ酸を含有し、水分活性が0.85以上、pHが4.6以上である液体調味料を製造する。
好ましくは、本発明の調味料の製造方法は、前記液体調味料の製造過程で原料を加熱殺菌することを含む。一実施形態において、本発明の調味料の製造方法では、まず、アミノ酸以外の原料(固形分を含んでいてもよい)を上記のとおり混合して該調味料の中間品として均質な混合物(液体混合物、固形分を含んでいてもよい)を調製する。次いで、該混合物を加熱殺菌する。その後、該加熱殺菌した混合物にアミノ酸を加え、水分活性が0.85以上、pHが4.6以上である液体調味料を製造する。製造した調味料を容器に充填し、密封包装すればよい。
あるいは、前記で得られた液体調味料を加熱殺菌してもよい。好ましくは、該液体調味料の加熱殺菌は密封容器内で行われる。好ましい実施形態において、本発明の調味料の製造方法は、前記のとおりの手順で製造した液体調味料を、容器に密封し、加熱殺菌することを含む。あるいは、容器に密封せずに加熱殺菌した後の液体調味料を、容器に充填し、密封包装してもよい。
前記加熱殺菌により、本発明の調味料の保存性が向上する。ただし、本発明の調味料の製造方法において行われ得る該加熱殺菌は、レトルト殺菌ではない。レトルト殺菌は、調味料に含まれる香味成分の風味を損なうため好ましくない。好ましくは、該加熱殺菌は、100℃以下の温度、より好ましくは65~85℃で行われる。該加熱殺菌の時間は、加熱温度により異なり得るが、例えば5~60分間、好ましくは10~40分間であればよい。
本発明の調味料を充填する容器は、液体調味料を収容し得るものであれば特に制限されず、例えば、プラスチック、ガラス等の素材でできた容器を用いることができる。好ましくは、該容器は、前述した加熱殺菌が可能な容器である。
本発明の調味料は、レトルト殺菌されていないにもかかわらず、常温で保存可能である。好ましくは、本発明の調味料は、25℃で10日間保存後にも、前記香味成分の風味を維持しており、かつ安全に喫食可能である。
本発明の調味料の種類としては、特に制限されず、例えば、つゆ、たれ、和風ソース、ホワイトソース、トマトソース、カレーソースなどが挙げられる。一方、一般に油脂含有量が高いソース、例えばオイルソースやドレッシングなどは、本発明の調味料の種類として好適ではない。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例において、水分活性は、波長可変ダイオードレーザーを用いた水分活性測定装置(AquaLab TDL 2;メータージャパン株式会社)で測定した。pHはpH/イオンメータ(HM-42X;東亜ディーケーケー株式会社製)で測定した。油脂量は調味料Aからソックスレー抽出法にてジエチルエーテル抽出した画分の質量として算出した。ボストウィック粘度はボストウィック・コンシストメータ(日本ジェネティクス株式会社)で測定した。
〔試験例1〕
<標準調味液Aの製造>
バター50gを鍋に入れて弱火で加熱し、バターが溶けたところで薄力小麦粉50gを加えてよく混合した。全体に泡立ちはじめたら牛乳950mLを加え、強火で素早く撹拌しながら加熱した。沸騰し始めたら中火で時々撹拌しながら10分間加熱した。塩で味を整え、ブラックペッパー(植物由来香味成分)粉末2.5gを加えた後、清水を加えて全量を1000gとして標準調味液Aを製造した。調味料Aは、水分活性0.97、pH6.2、油脂量9.0質量%、ボストウィック粘度15.6cm/30秒であった。
<調味料(ホワイトソース)の製造>
前記で製造した標準調味液Aに、下記表1の配合でアミノ酸を添加して混合し、調味料(ホワイトソース)を製造した。製造した各調味料の水分活性、pH及びボストウィック粘度を測定した。その結果を表1に示す。製造した調味料を、各100gずつ耐熱性のパウチ袋に充填し、脱気して密封した。各パウチ袋を98℃のウォーターバス又は118℃のオイルバスにそれぞれ40分間及び10分間浸漬して中心部まで加熱殺菌した。殺菌後、該パウチ袋を冷水で30℃まで冷却し、そのまま居室空間内にて25℃で10日間保管した。
保管後の調味料の風味を評価した。具体的には、パウチ袋内の調味料を平皿に取り出し、その風味を10名の専門パネラーにより、製造直後の標準調味液Aの風味を5点として下記評価基準にて評価し、10名の評価の平均値を求めた。
<風味の評価基準>
5点:ペッパーの香りが非常に強く、非常に良好。
4点:ペッパーの香りが強く、良好。
3点:ペッパーの香りが感じられ、わずかに異臭(蒸れ臭又は腐敗臭)が感じられるが許容範囲。
2点:ペッパーの香りがわずかに感じられるが、異臭(蒸れ臭又は腐敗臭)が感じられ、不良。
1点:ペッパーの香りが感じられず、異臭(蒸れ臭又は腐敗臭)が強く感じられ、非常に不良。
結果を表1に示す。アミノ酸を0.3~5.0質量%添加した調味料は常温保存後にも香味成分の風味を維持しており、品質良好であった。ただし、レトルト加熱した調味料は、アミノ酸添加、非添加に関わらず香味成分の風味を失っていた。
Figure 2024069998000001
〔試験例2〕
標準調味液Aの製造の際に、さらに食用油脂、食塩、塩化カリウム又はクエン酸を添加した。得られた標準調味液Aを用いることで、表2のとおり水分活性又はpHが異なる調味料(ホワイトソース)を製造した。該調味料は、試験例1の手順に従って、ただし表2の配合にて製造した。製造した調味料の風味を試験例1と同様の手順で評価した。結果を表2に示す。
Figure 2024069998000002
〔試験例3〕
標準調味液Aを製造する際にバターの量を増減して油脂量を調整した。得られた標準調味液Aを用いて試験例1と同様の手順で、ただし表3の配合にて調味料(ホワイトソース)を製造し、評価した。結果を表3に示す。
Figure 2024069998000003
〔試験例4〕
標準調味液Aを製造する際、牛乳を加えた後にアセチル化小麦澱粉(加工澱粉)又はキサンタンガム(増粘剤)を添加し、よく撹拌して粘度を調整した。得られた標準調味液Aを用いることで、表4のとおりボストウィック粘度が異なる調味料(ホワイトソース)を製造した。該調味料は、試験例1の手順に従って、ただし表4の配合にて製造した。製造した調味料の風味を試験例1と同様の手順で評価した。結果を表4に示す。
Figure 2024069998000004

Claims (8)

  1. 非レトルト液体調味料であって、
    香味成分及びアミノ酸を含有し、
    水分活性が0.85以上、かつpHが4.6以上であり、
    該アミノ酸の含有量が0.3~5.0質量%である、
    調味料。
  2. 前記アミノ酸がグリシンである、請求項1記載の調味料。
  3. さらに油脂を20.0質量%未満の量で含有する、請求項1記載の調味料。
  4. さらに加工澱粉及び増粘剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有し、かつ
    ボストウィック粘度計による品温23℃での粘度が5~20cm/30秒である、請求項1記載の調味料。
  5. 非レトルト液体調味料の製造方法であって、
    香味成分及びアミノ酸を含有し、水分活性が0.85以上、pHが4.6以上であり、かつアミノ酸の含有量が0.3~5.0質量%である液体調味料を調製すること、
    を含み、さらに、
    該液体調味料の製造過程で、アミノ酸以外の材料を混合し、該混合物を100℃以下の温度で加熱殺菌するか、又は、
    製造した該液体調味料を100℃以下の温度で加熱殺菌すること、
    を含む、方法。
  6. 前記アミノ酸がグリシンである、請求項5記載の方法。
  7. 前記液体調味料がさらに油脂を20.0質量%未満の量で含有する、請求項5記載の方法。
  8. 前記液体調味料がさらに加工澱粉及び増粘剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有し、かつ、ボストウィック粘度計による品温23℃での粘度が5~20cm/30秒である、請求項5記載の方法。
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