JP2018052926A - 縮合多環芳香族化合物及びその用途 - Google Patents

縮合多環芳香族化合物及びその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】有機半導体デバイスを作成する際の印刷プロセスに好適に用いられると共に、高い移動度を有する有機半導体デバイスが得られる有機化合物の提供。
【解決手段】式(1)又は(2)で表される縮合多環芳香族化合物。
Figure 2018052926

〔R及びRはいずれか一方が、C1〜20のアルキル基、芳香族炭化水素基又は複素環基、他方がH;R及びRはいずれか一方が下記式(3)又は(4)で表される置換基、他方がH
Figure 2018052926

(p、q及びrは夫々独立に1〜20の整数;Xは夫々独立にO又はS;RはC1〜20のアルキル基、芳香族炭化水素基又は複素環基)〕
【選択図】なし

Description

本発明は、縮合多環芳香族化合物、該化合物を含有する有機半導体材料並びに有機半導体組成物、該有機半導体材料を含む有機薄膜、該有機薄膜の製造方法、及び該有機薄膜を有する有機半導体デバイスに関する。
近年、デバイス製造プロセスの大幅な効率化や、プラスチック材料を用いたフレキシブルデバイスの製造が可能なことから、印刷技術を用いた有機半導体デバイス(プリンテッド・エレクトロニクス)に関する研究開発が盛んに行われている。
このような技術に利用される有機半導体材料には、良好な半導体特性(キャリア移動度など)を有することは言うまでもなく、印刷技術に使用される有機半導体溶液(インク)を調製するために、有機溶媒に可溶であることが求められる。
有機溶媒に可溶な低分子半導体材料としては、ベンゾジチオフェン(BDT)骨格、ベンゾチエノベンゾチオフェン(以下、適宜「BTBT」と略記する)骨格及びジナフトジチオフェン(以下、適宜「DNTT」と略記する)骨格を有する硫黄原子やセレン原子を含んだ縮合多環芳香族化合物の分子長軸にアルキル鎖を導入した化合物が知られている(特許文献1乃至3及び非特許文献1乃至3参照)。
BTBTのアルキル誘導体は、印刷プロセスで半導体薄膜を形成し得る有機半導体溶液の調製に必要な溶媒溶解性を有するが、アルキル鎖長に対する縮環数が相対的に少ないことから低温で相転移を起こしやすく、得られた有機半導体デバイスの半導体特性が低下することが知られている(非特許文献4参照)。その一方で、BTBTよりも縮環を増やしたDNTTのアルキル誘導体を用いた場合、得られた有機半導体デバイスは低温での相転移に起因する半導体特性の低下は改善されるものの、印刷プロセスで半導体薄膜を形成し得る有機半導体溶液の調製に必要な溶媒溶解性が不充分であり、縮環数を増やしても印刷プロセスで半導体薄膜を形成し得る有機半導体溶液の調製に必要な溶媒溶解性を有すると共に、得られた有機半導体デバイスが良好な半導体特性を有する有機半導体材料(有機半導体化合物)の開発が求められている。
特許文献4および5には、縮環数がBTBTとDNTTの中間の構造を有しているベンゾチエノナフトチオフェン(以下、適宜「BTNT」と略記する。)誘導体が記載されている。BTNT骨格は、縮環数がBTBTとDNTTの中間の構造を有しており、溶解度と半導体特性の両方を担保することが期待できるが、これらの文献に記載されている誘導体はいずれもキャリア移動度が10−1cm/Vs程度であり、実用に足る良好な半導体特性を得るに至っていない。
特許第5187737号公報 特許第4581062号公報 特許第5477978号公報 特許第5415723号公報 WO2013/039842号
Chem.Lett.,2008,37,284. J.Am.Chem.Soc.,2007,129,15732. Adv.Matter.,2011,23,1222. Nat.Commun.,2015, 6, 6828.
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、印刷プロセスで半導体薄膜を形成し得る有機半導体溶液の調製に必要の溶媒溶解性を有し、かつ該有機半導体溶液を用いて得られた有機半導体デバイスが優れた半導体特性を発現する新規の有機半導体化合物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、BTNT骨格に特定構造の置換基を導入した縮合多環芳香族化合物を用いることにより、上記の課題が解決することを見出した。
すなわち本発明は、
[1]下記式(1)または(2)
Figure 2018052926
(式(1)及び(2)中、R及びRはいずれか一方が水素原子、炭素数1乃至20のアルキル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、他方が水素原子を表す。R及びRはいずれか一方が下記式(3)または(4)
Figure 2018052926
(式(3)及び(4)中、p、q及びrはそれぞれ1乃至20の整数を表す。Xはそれぞれ独立に酸素原子または硫黄原子を表す。Rは炭素数1乃至20のアルキル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表す。)で表される置換基を表し、他方が水素原子を表す。)で表される縮合多環芳香族化合物、
(2)R及びRが水素原子であり、Rが水素原子、炭素数1乃至20のアルキル基、芳香族炭化水素基または複素環基であり、かつRが式(3)または(4)で表される置換基である前項(1)に記載の縮合多環芳香族化合物、
(3)Rが水素原子、炭素数1乃至20のアルキル基、芳香族炭化水素基または複素環基であり、R及びRが水素原子であり、かつRが式(3)または(4)で表される置換基である前項(1)に記載の縮合多環芳香族化合物、
(4)R及びRのいずれか一方が式(3)で表される置換基である前項(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の縮合多環芳香族化合物、
(5)pが6乃至14の整数である前項(4)に記載の縮合多環芳香族化合物、
(6)R及びRのいずれか一方が式(4)で表される置換基である前項(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の縮合多環芳香族化合物、
(7)qが6乃至14の整数であって、かつrが1乃至4の整数である前項(6)に記載の縮合多環芳香族化合物、
(8)Rが炭素数1乃至4のアルキル基である前項(1)乃至(7)のいずれか一項に記載の縮合多環芳香族化合物、
(9)液晶性を示さない前項(1)乃至(8)のいずれか一項に記載の縮合多環芳香族化合物、
(10)前項(1)乃至(9)のいずれか一項に記載の縮合多環芳香族化合物を含有する有機半導体材料、
(11)前項(10)に記載の有機半導体材料及び有機溶媒を含有する有機半導体組成物、
(12)前項(10)に記載の有機半導体材料を含む有機薄膜、
(13)前項(12)に記載の有機薄膜を有する有機半導体デバイス、
(14)有機トランジスタである前項(13)に記載の有機半導体デバイス、及び
(15)前項(11)に記載の有機半導体組成物を基板に塗布または印刷する工程、及び該基板に塗布または印刷した有機半導体組成物から有機溶媒を除去する工程を含む有薄膜の製造方法、
に関するものである。
本発明の縮合多環芳香族化合物は良好な溶媒溶解性を有するため、印刷プロセスで有機半導体デバイスを作成する際に好適に用いられると共に、該化合物を用いて得られる有機薄膜を有する有機半導体デバイスは、良好な半導体特性を発現する。
本発明の有機トランジスタの構造態様例を示す概略図である。 本発明の有機トランジスタの一態様例を製造する為の工程の概略図である。
以下に本発明を説明する。
本発明の縮合多環芳香族化合物は、上記式(1)または(2)で表される構造を有する。
式(1)及び(2)中、R及びRはいずれか一方が水素原子、炭素数1乃至20のアルキル基、芳香族炭化水素基または複素環基を、他方が水素原子を表す。
式(1)及び(2)のRまたはRが表す炭素数1乃至20のアルキル基は、直鎖、分岐鎖または脂環式の何れにも限定されない。
直鎖アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基及びn−エイコシル基等が挙げられる。
分岐鎖アルキル基の具体例としては、iso−プロピル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、iso−ペンチル基、t−ペンチル基、sec−ペンチル基、iso−ヘキシル基、sec−ヘプチル基及びsec−ノニル基等が挙げられる。
脂環式のアルキル基の具体例としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、アダマンチル基及びノルボルニル基等が挙げられる。
式(1)及び(2)のRまたはRが表すアルキル基としては、直鎖または分岐鎖アルキル基であることが好ましく、直鎖アルキル基であることがより好ましい。また、RまたはRが表すアルキル基の炭素数は4乃至12であることが好ましく、6乃至12であることがより好ましい。
式(1)及び(2)のRまたはRが表す芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基及びベンゾピレニル基等が挙げられ、フェニル基又はナフチル基であることが好ましく、フェニル基であることがより好ましい。
式(1)及び(2)のRまたはRが表す芳香族炭化水素基はアルキル基を置換基として有していてもよく、該置換基として有していてもよいアルキル基は直鎖、分岐鎖または脂環式の何れにも限定されず、その具体例としては、式(1)及び(2)のRまたはRが表すアルキル基と同じものが挙げられる。
式(1)及び(2)のRまたはRが表す芳香族炭化水素基が置換基として有していてもよいアルキル基としては、直鎖または分岐鎖のアルキル基であることが好ましく、直鎖アルキル基であることがより好ましい。また、RまたはRが表す芳香族炭化水素基が置換基として有していてもよいアルキル基の炭素数は1乃至20であることが好ましく、1乃至12であることがより好ましく、1乃至6であることが更に好ましい。
式(1)及び(2)のRまたはRが表す複素環基の具体例としては、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピロリル基、インドレニル基、イミダゾリル基、カルバゾリル基、チエニル基、フリル基、ピラニル基、ピリドニル基、ベンゾキノリル基、アントラキノリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基及びチエノチエニル基等が挙げられ、ピリジル基、チエニル基、ベンゾチエニル基又はチエノチエニル基であることが好ましく、ピリジル基、チエニル基又はベンゾチエニル基であることがより好ましく、ピリジル基又はチエニル基であることが更に好ましい。
式(1)及び(2)のRまたはRが表す芳香族炭化水素基はアルキル基を置換基として有していてもよく、該置換基として有していてもよいアルキル基の具体例としては、式(1)及び(2)のRまたはRが表すアルキル基と同じものが挙げられる。
式(1)及び(2)のRまたはRが表す複素環基が置換基として有していてもよいアルキル基としては、式(1)及び(2)のRまたはRが表す芳香族炭化水素基が置換基として有していてもよいアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。
式(1)及び(2)中、R及びRはいずれか一方が上記式(3)または(4)で表される置換基を、他方が水素原子を表す。
式(3)及び(4)中、p、q及びrはそれぞれ1乃至20の整数を表し、Xはそれぞれ独立に酸素原子または硫黄原子を表し、Rは炭素数1乃至20のアルキル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表す。
pは式(3)で表される置換基中のアルキレン基の炭素数を示しており、4乃至16の整数であることが好ましく、6乃至14の整数であることがより好ましく、8乃至12の整数であることが更に好ましい。
q及びrはそれぞれ式(4)で表される置換基中のアルキレン基の炭素数を示しており、qは4乃至16の整数であることが好ましく、6乃至14の整数であることがより好ましく、8乃至12の整数であることが更に好ましく、rは1乃至8の整数であることが好ましく、1乃至6の整数であることがより好ましく、1乃至4の整数であることが更に好ましい。
また、q及びrの合計q+rが、2乃至25であることが好ましく、2乃至20であることがより好ましく、2乃至15であることが更に好ましい。
式(3)及び式(4)のRが表す炭素数1乃至20のアルキル基は直鎖、分岐鎖または脂環式の何れにも限定されず、その具体例としては、式(1)及び(2)のRまたはRが表すアルキル基と同じものが挙げられる。
式(3)及び式(4)のRが表す炭素数1乃至20のアルキル基は芳香族炭化水素基または複素環基を置換基として有していてもよく、該有していてもよい置換基としては、式(1)及び(2)のRまたはRが表す芳香族炭化水素基及び複素環基と同じものが挙げられる。
式(3)及び式(4)のRが表す炭素数1乃至20のアルキル基としては、直鎖または分岐鎖のアルキル基であることが好ましく、直鎖アルキル基であることがより好ましい。また、式(3)及び式(4)のRが表す炭素数1乃至20のアルキル基の炭素数は、1乃至10であることが好ましく、1乃至8であることがより好ましく、1乃至6であることが更に好ましく、1乃至4であることが特に好ましい。
式(1)または(2)で表される縮合多環芳香族化合物としては、以下に記載する(i)または(ii)の条件を満たす化合物が特に好ましい。
(i)R及びRが水素原子であり、Rが水素原子、炭素数1乃至20のアルキル基、芳香族炭化水素基または複素環基であり、かつRが式(3)または(4)で表される置換基である縮合多環芳香族化合物が好ましく、該R乃至R(及び式(3)、式(4)中のp、q、r、X並びにR)が、上記の好ましい乃至特に好ましい等の縮合多環芳香族化合物がより好ましい。
(ii)Rが水素原子、炭素数1乃至20のアルキル基、芳香族炭化水素基または複素環基であり、R及びRが水素原子であり、かつRが式(3)または(4)で表される置換基である縮合多環芳香族化合物が好ましく、該R乃至R(及び式(3)、式(4)中のp、q、r、X並びにR)が、上記の好ましい乃至特に好ましい等の縮合多環芳香族化合物がより好ましい。
本発明の式(1)または式(2)で表わされる縮合多環芳香族化合物は、例えばJ.Am.Chem.Soc.,2013,135,13900.に記載の合成フローに基づき、対応する置換基を有する原料を用いることで合成することができる。
以下に本発明の式(1)または式(2)で表される縮合多環芳香族化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2018052926
Figure 2018052926
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また、式(1)または(2)で表される縮合多環芳香族化合物は、有機溶媒に可溶であることが求められる。該有機溶媒は、式(1)または(2)で表される縮合多環芳香族化合物を溶解し得るものであれば特に限定なく用いることが出来るが、実用的な意味で非ハロゲン系溶媒であることが好ましい。また、式(1)または(2)で表される縮合多環芳香族化合物を溶媒に溶解して得られる溶液の安定性を考慮した場合、室温における式(1)または(2)で表される縮合多環芳香族化合物の溶解度がある程度以上高いことが求められる。25℃における溶解度は通常0.05質量%以上であり、0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましい。また、溶液の安定性は、溶解後24時間経過した後も結晶の析出がないことが好ましく、溶解後1週間経過した後も完全に溶解していることがより好ましい。
有機溶媒としては、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼン及びジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒も使用できるが、非ハロゲン系溶媒が好ましく、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、テトラヒドロナフタレン及びシクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール及びブトキシベンゼンなどのエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド及びN−メチルピロリドンなどのアミド類等、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン及びシクロヘキサノンなどのケトン類、アセトニトリル、プロピオニトリル及びベンゾニトリルなどのニトリル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール及びシクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸エチル及び炭酸ジエチルなどのエステル類、ヘキサン、オクタン、デカン、シクロヘキサン及びデカリンなどの炭化水素類などを用いることができる。
本発明の有機半導体材料は、式(1)または(2)で表される縮合多環芳香族化合物を含有する。
有機半導体材料中の式(1)または(2)で表される縮合多環芳香族化合物の含有量は特に限定されないが、通常は有機半導体材料中に50乃至100質量%程度である。
本発明の有機半導体組成物は、式(1)または(2)で表わされる縮合多環芳香族化合物を含有する有機半導体材料を上記の溶媒に溶解または分散したものである。使用できる溶媒は、上記の溶媒を単一の有機溶媒でも、複数の有機溶媒を混合して使用することもできる。
有機半導体組成物中の式(1)または(2)で表わされる縮合多環芳香族化合物の含有量は、溶媒の種類や作成する薄膜の膜厚により異なるが、溶媒に対して通常0.01乃至5質量%であり、0.1乃至5質量%が好ましく、0.3乃至5質量%がより好ましい。また、本発明の有機半導体組成物は、本発明の有機半導体材料が上記の溶媒に溶解又は分散していれば構わないが、均一な溶液として溶解していることが好ましい。
本発明の有機半導体材料は、上記の式(1)または(2)で表される縮合多環芳香族化合物と有機溶媒以外に、有機半導体デバイスの特性を改善及び/または他の特性を付与する等を目的として、必要に応じて他の添加剤を含んでいてもよく、半導体としての機能を阻害しないものであれば添加剤の種類は特に制限されない。例えば、本発明の式(1)または(2)以外の構造を有する半導体性材料、絶縁性材料のほか、レオロジーの制御するための界面活性剤、増粘剤、キャリア注入やキャリア量を調整するためのドーパントなどが一例として挙げられる。これらは組成物としての安定性を阻害しないものが好ましく、高分子であっても低分子であってもよい。これら添加剤の含有量は、その目的により異なるため一概には言えないが、式(1)または(2)で表される縮合多環芳香族化合物の含有量よりも少ない方が好ましい。
本発明の有機薄膜は式(1)または(2)で表わされる縮合多環芳香族化合物を含む有機半導体材料を用いて得られる。該薄膜の膜厚は、その用途によって異なるが、通常1nm乃至1μmであり、好ましくは5nm乃至500nmであり、より好ましくは10nm乃至300nmである。
有機薄膜の形成方法は、蒸着法などのドライプロセスや種々の溶液プロセスなどがあげられるが、溶液プロセスで形成することが好ましい。溶液プロセスとしてはたとえば、スピンコート法、ドロップキャスト法、ディップコート法、スプレー法、フレキソ印刷、樹脂凸版印刷などの凸版印刷法、オフセット印刷法、ドライオフセット印刷法、パッド印刷法などの平板印刷法、グラビア印刷法などの凹版印刷法、スクリーン印刷法、謄写版印刷法、リングラフ印刷法などの孔版印刷法、インクジェット印刷法、マイクロコンタクトプリント法等、さらにはこれらの手法を複数組み合わせた方法が挙げられる。溶液プロセスで成膜する場合、上記の塗布、印刷したのち、溶媒を蒸発させて薄膜を形成することが好ましい。
式(1)または式(2)で表わされる縮合多環芳香族化合物は、有機EL素子、有機太陽電池素子、有機光電変換素子及び有機トランジスタ素子等の有機半導体デバイスの有機薄膜の材料として好適に用いられる。その一例として有機トランジスタについて詳細に説明する。
有機トランジスタは、有機半導体に接して2つの電極(ソース電極及びドレイン電極)があり、その電極間に流れる電流を、ゲート電極と呼ばれるもう一つの電極に印加する電圧で制御するものである。
一般に、有機トランジスタデバイスはゲート電極が絶縁膜で絶縁されている構造(Metal−InsuIator−Semiconductor MIS構造)がよく用いられる。絶縁膜に金属酸化膜を用いるものはMOS構造と呼ばれる。他には、ショットキー障壁を介してゲート電極が形成されている構造(すなわちMES構造)もあるが、有機トランジスタの場合、MIS構造がよく用いられる。
以下、図1に示す有機トランジスタデバイスのいくつかの態様例を用いて有機トランジスタについてより詳細に説明するが、本発明はこれらの構造には限定されない。
図1における各態様例において、1がソース電極、2が半導体層、3がドレイン電極、4が絶縁体層、5がゲート電極、6が基板をそれぞれ表す。尚、各層や電極の配置は、デバイスの用途により適宜選択できる。A乃至D及びFは基板と並行方向に電流が流れるので、横型トランジスタと呼ばれる。Aはボトムコンタクトボトムゲート構造、Bはトップコンタクトボトムゲート構造と呼ばれる。また、Cは半導体上にソース及びドレイン電極、絶縁体層を設け、さらにその上にゲート電極を形成しており、トップコンタクトトップゲート構造と呼ばれている。Dはトップ&ボトムコンタクトボトムゲート型トランジスタと呼ばれる構造である。Fはボトムコンタクトトップゲート構造である。Eは縦型の構造をもつトランジスタ、すなわち静電誘導トランジスタ(SIT)の模式図である。このSITは、電流の流れが平面状に広がるので一度に大量のキャリアが移動できる。またソース電極とドレイン電極が縦に配されているので電極間距離を小さくできるため応答が高速である。従って、大電流を流す、高速のスイッチングを行うなどの用途に好ましく適用できる。なお図1中のEには、基板を記載していないが、通常の場合、図1E中の1及び3で表されるソース又はドレイン電極の外側には基板が設けられる。
次に各態様例における各構成要素について説明する。
基板6は、その上に形成される各層が剥離することなく保持できることが必要である。例えば樹脂板やフィルム、紙、ガラス、石英、セラミックなどの絶縁性材料;金属や合金などの導電性基板上にコーティング等により絶縁層を形成した物;樹脂と無機材料など各種組合せからなる材料;等が使用できる。使用できる樹脂フィルムの例としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、ポリエーテルイミドなどが挙げられる。樹脂フィルムや紙を用いると、デバイスに可撓性を持たせることができ、フレキシブルで、軽量となり、実用性が向上する。基板の厚さとしては、通常1μm乃至10mmであり、好ましくは5μm乃至5mmである。
ソース電極1、ドレイン電極3、ゲート電極5には導電性を有する材料が用いられる。例えば、白金、金、銀、アルミニウム、クロム、タングステン、タンタル、ニッケル、コバルト、銅、鉄、鉛、錫、チタン、インジウム、パラジウム、モリブデン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、リチウム、カリウム、ナトリウム等の金属及びそれらを含む合金;InO、ZnO、SnO、ITO等の導電性酸化物;ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリジアセチレン等の導電性高分子化合物;シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素等の半導体;カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト、グラフェン等の炭素材料;等が使用できる。また、導電性高分子化合物や半導体にはドーピングが行われていてもよい。ドーパントとしては、例えば、塩酸、硫酸等の無機酸;スルホン酸等の酸性官能基を有する有機酸;PF、AsF、FeCl等のルイス酸;ヨウ素等のハロゲン原子;リチウム、ナトリウム、カリウム等の金属原子;等が挙げられる。ホウ素、リン、砒素などはシリコンなどの無機半導体用のドーパントとしても多用されている。
また、上記のドーパントにカーボンブラックや金属粒子などを分散した導電性の複合材料も用いられる。直接、半導体と接触するソース電極1およびドレイン電極3はコンタクト抵抗を低減するために適切な仕事関数を選択するか、表面処理などが重要である。
またソース電極とドレイン電極間の距離(チャネル長)がデバイスの特性を決める重要なファクターであり、適正なチャネル長が必要である。チャネル長が短ければ取り出せる電流量は増えるが、コンタクト抵抗の影響などの短チャネル効果が生じ、半導体特性を低下させることがある。該チャネル長は、通常0.01乃至300μm、好ましくは0.1乃至100μmである。ソースとドレイン電極間の幅(チャネル幅)は通常10乃至5000μm、好ましくは40乃至2000μmとなる。またこのチャネル幅は、電極の構造をくし型構造とすることなどにより、さらに長いチャネル幅を形成することが可能で、必要な電流量やデバイスの構造などにより、適切な長さにする必要がある。
次にソース電極及びドレイン電極のそれぞれの構造(形)について説明する。ソース電極とドレイン電極の構造はそれぞれ同じであっても、異なっていてもよい。
ボトムコンタクト構造の場合は、一般的にはリソグラフィー法を用いて各電極を作製し、また各電極は直方体に形成するのが好ましい。最近は各種印刷方法による印刷精度が向上してきており、インクジェット印刷、グラビア印刷又はスクリーン印刷などの手法を用いて精度よく電極を作製することが可能となってきている。半導体上に電極のあるトップコンタクト構造の場合はシャドウマスクなどを用いて蒸着することが出来る。インクジェットなどの手法を用いて電極パターンを直接印刷形成することも可能となってきている。電極の長さは前記のチャネル幅と同じである。電極の幅には特に規定は無いが、電気的特性を安定化できる範囲で、デバイスの面積を小さくするためには短い方が好ましい。電極の幅は、通常0.1乃至1000μmであり、好ましくは0.5乃至100μmである。電極の厚さは、通常0.5乃至1000nmであり、好ましくは1乃至500nmであり、より好ましくは5乃至200nmである。各電極1、3、5には配線が連結されているが、配線も電極とほぼ同様の材料により作製される。
絶縁体層4としては絶縁性を有する材料が用いられる。例えば、ポリパラキシリレン、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルフェノール、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリシロキサン、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のポリマー及びこれらを組み合わせた共重合体;酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル等の金属酸化物;SrTiO、BaTiO等の強誘電性金属酸化物;窒化珪素、窒化アルミニウム等の窒化物、硫化物、フッ化物などの誘電体;あるいは、これら誘電体の粒子を分散させたポリマー;等が使用しうる。この絶縁体層はリーク電流を少なくするために電気絶縁特性が高いものが好ましく使用できる。それにより膜厚を薄膜化し、絶縁容量を高くすることが出来、取り出せる電流が多くなる。また半導体の移動度を向上させるためには絶縁体層表面の表面エネルギーを低下させ、凹凸がなくスムースな膜であることが好ましい。その為に自己組織化単分子膜や、2層の絶縁体層を形成させる場合がある。絶縁体層4の膜厚は、材料によって異なるが、通常1nm乃至100μm、好ましくは5nm乃至50μm、より好ましくは5nm乃至10μmである。
半導体層2の材料には、上記の式(1)または(2)で表わされる縮合多環芳香族化合物を少なくとも1種類含む有機半導体材料を用いることができる。先に示した薄膜の形成方法を用いて、式(1)または(2)で表される縮合多環芳香族化合物を含む有機薄膜を形成し、半導体層2とすることができる。
半導体層については複数の層を形成してもよいが、単層構造であることがより好ましい。半導体層2の膜厚は、必要な機能を失わない範囲で、薄いほど好ましい。A、B及びDに示すような横型の有機トランジスタにおいては、所定以上の膜厚があればデバイスの特性は膜厚に依存しないが、膜厚が厚くなると漏れ電流が増加してくることが多いためである。必要な機能を示すための半導体層の膜厚は、通常、1nm乃至1μm、好ましくは5nm乃至500nm、より好ましくは10nm乃至300nmである。
有機トランジスタには、例えば基板層と絶縁膜層や絶縁膜層と半導体層の間やデバイスの外面に必要に応じて他の層を設けることができる。例えば、有機半導体層上に直接、又は他の層を介して、保護層を形成すると、湿度などの外気の影響を小さくすることができる。また、有機トランジスタデバイスのオン/オフ比を上げることができるなど、電気的特性を安定化できる利点もある。
上記保護層の材料としては特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、ポリオレフィン等の各種樹脂からなる膜;酸化珪素、酸化アルミニウム、窒化珪素等の無機酸化膜;及び窒化膜等の誘電体からなる膜;等が好ましく用いられ、特に、酸素や水分の透過率や吸水率の小さな樹脂(ポリマー)が好ましい。有機ELディスプレイ用に開発されているガスバリア性保護材料も使用が可能である。保護層の膜厚は、その目的に応じて任意の膜厚を選択できるが、通常100nm乃至1mmである。
また有機半導体層が積層される基板又は絶縁体層に予め表面改質や表面処理を行うことにより、有機トランジスタデバイスとしての特性を向上させることが可能である。例えば基板表面の親水性/疎水性の度合いを調整することにより、その上に成膜される膜の膜質や成膜性を改良することができる。特に、有機半導体材料は分子の配向など膜の状態によって特性が大きく変わることがある。そのため、基板、絶縁体層などへの表面処理によって、その後に成膜される有機半導体層との界面部分の分子配向が制御される、あるいは基板や絶縁体層上のトラップ部位が低減されることにより、キャリア移動度等の特性が改良されるものと考えられる。
トラップ部位とは、未処理の基板に存在する例えば水酸基のような官能基をさし、このような官能基が存在すると、電子が該官能基に引き寄せられ、この結果としてキャリア移動度が低下する。従って、トラップ部位を低減することもキャリア移動度等の特性改良には有効な場合が多い。
上記のような特性改良のための表面処理としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、オクチルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン等による自己組織化単分子膜処理、ポリマーなどによる表面処理、塩酸や硫酸、酢酸等による酸処理、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等によるアルカリ処理、オゾン処理、フッ素化処理、酸素やアルゴン等のプラズマ処理、ラングミュア・ブロジェット膜の形成処理、その他の絶縁体や半導体の薄膜の形成処理、機械的処理、コロナ放電などの電気的処理、繊維等を利用したラビング処理などがあげられ、それらの組み合わせた処理も行うことができる。
これらの態様において、例えば基板層と絶縁膜層や絶縁膜層と有機半導体層等の各層を設ける方法としては、前記した真空プロセス、溶液プロセスが適宜採用できる。
次に、本発明に係る有機トランジスタデバイスの製造方法について、図1の態様例Bに示すトップコンタクトボトムゲート型有機トランジスタを例として、図2に基づき以下に説明する。この製造方法は前記した他の態様の有機トランジスタ等にも同様に適用しうるものである。
(有機トランジスタの基板及び基板処理について)
本発明の有機トランジスタは、基板6上に必要な各種の層や電極を設けることで作製される(図2(1)参照)。基板としては上記で説明したものが使用できる。この基板上に前述の表面処理などを行うことも可能である。基板6の厚みは、必要な機能を妨げない範囲で薄い方が好ましい。材料によっても異なるが、通常1μm乃至10mmであり、好ましくは5μm乃至5mmである。また、必要により、基板に電極の機能を持たせるようにする事も出来る。
(ゲート電極の形成について)
基板6上にゲート電極5を形成する(図2(2)参照)。電極材料としては上記で説明したものが用いられる。電極膜を成膜する方法としては、各種の方法を用いることができ、例えば真空蒸着法、スパッタ法、塗布法、熱転写法、印刷法、ゾルゲル法等が採用される。成膜時又は成膜後、所望の形状になるよう必要に応じてパターニングを行うのが好ましい。パターニングの方法としても各種の方法を用いうるが、例えばフォトレジストのパターニングとエッチングを組み合わせたフォトリソグラフィー法等が挙げられる。また、シャドウマスクを用いた蒸着法やスパッタ法やインクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法等のソフトリソグラフィーの手法、及びこれら手法を複数組み合わせた手法を利用し、パターニングすることも可能である。ゲート電極5の膜厚は、材料によっても異なるが、通常0.1nm乃至10μmであり、好ましくは0.5nm乃至5μmであり、より好ましくは1nm乃至3μmである。また、ゲート電極と基板を兼ねるような場合は上記の膜厚より大きくてもよい。
(絶縁体層の形成について)
ゲート電極5上に絶縁体層4を形成する(図2(3)参照)。絶縁体材料としては上記で説明した材料が用いられる。絶縁体層4を形成するにあたっては各種の方法を用いることができる。例えばスピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、キャスト、バーコート、ブレードコーティングなどの塗布法、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット等の印刷法、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法、CVD法などのドライプロセス法が挙げられる。その他、ゾルゲル法やアルミニウム上のアルマイト、シリコン上の酸化珪素のように金属上に熱酸化法などにより酸化物膜を形成する方法等が採用される。尚、絶縁体層と半導体層が接する部分においては、両層の界面で半導体を構成する分子、例えば上記式(1)または(2)で表される縮合多環芳香族化合物の分子を良好に配向させるために、絶縁体層に所定の表面処理を行うこともできる。表面処理の手法は、基板の表面処理と同様のものを用いることができうる。絶縁体層4の膜厚は、その電気容量をあげることで取り出す電気量を増やすことが出来るため、出来るだけ薄い膜であることが好ましい。このときに薄い膜になるとリーク電流が増えるため、その機能を損なわない範囲で薄い方が好ましい。通常0.1nm乃至100μmであり、好ましくは0.5nm乃至50μmであり、より好ましくは5nm乃至10μmである。
(有機半導体層の形成について)
本発明の上記式(1)または(2)で表される縮合多環芳香族化合物を含む有機半導体材料は、有機半導体層の形成に使用される(図2(4)参照)。有機半導体層を成膜するにあたっては、各種の方法を用いることができる。具体的にはディップコート法、ダイコーター法、ロールコーター法、バーコーター法、スピンコート法等の塗布法、インクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクト印刷法などの溶液プロセスによる形成方法が挙げられる。
溶液プロセスによって成膜し有機半導体層を得る方法について説明する。本発明の式(1)または(2)で表わされる縮合多環芳香族化合物を溶媒等に溶解し、さらに必要であれば添加剤などを添加した組成物を、基板(絶縁体層、ソース電極及びドレイン電極間の露出部)に塗布する。塗布の方法としては、スピンコート法、ドロップキャスト法、ディップコート法、スプレー法、フレキソ印刷、樹脂凸版印刷などの凸版印刷法、オフセット印刷法、ドライオフセット印刷法、パッド印刷法などの平板印刷法、グラビア印刷法などの凹版印刷法、シルクスクリーン印刷法、謄写版印刷法、リングラフ印刷法などの孔版印刷法、インクジェット印刷法、マイクロコンタクトプリント法等、さらにはこれらの手法を複数組み合わせた方法が挙げられる。
更に、塗布方法に類似した方法として水面上に上記の組成物を滴下することにより作製した有機半導体層の単分子膜を基板に移し積層するラングミュアプロジェクト法、液晶や融液状態の材料を2枚の基板で挟んで毛管現象で基板間に導入する方法等も採用できる。
製膜時における基板や組成物の温度などの環境も重要で、基板や組成物の温度によってトランジスタの特性が変化する場合があるので、注意深く基板及び組成物の温度を選択するのが好ましい。基板温度は通常、0乃至200℃であり、好ましくは10乃至120℃であり、より好ましくは15乃至100℃である。用いる組成物中の溶媒などに大きく依存するため、注意が必要である。
この方法により作製される有機半導体層の膜厚は、機能を損なわない範囲で、薄い方が好ましい。膜厚が厚くなると漏れ電流が大きくなる懸念がある。有機半導体層の膜厚は、通常1nm乃至1μm、好ましくは5nm乃至500nm、より好ましくは10nm乃至300nmである。
このように形成された有機半導体層(図2(4)参照)は、後処理によりさらに特性を改良することが可能である。例えば、熱処理により、成膜時に生じた膜中の歪みが緩和されること、ピンホール等が低減されること、膜中の配列・配向が制御できる等の理由により、有機半導体特性の向上や安定化を図ることができる。本発明の有機トランジスタの作製時にはこの熱処理を行うことが特性の向上の為には効果的である。当該熱処理は有機半導体層を形成した後に基板を加熱することによって行う。熱処理の温度は特に制限は無いが通常、室温から150℃程度で、好ましくは40乃至120℃、さらに好ましくは45乃至100℃である。この時の熱処理時間については特に制限は無いが通常10秒から24時間、好ましくは30秒から3時間程度である。その時の雰囲気は大気中でもよいが、窒素やアルゴンなどの不活性雰囲気下でもよい。その他、溶媒蒸気による膜形状のコントロールなどが可能である。
またその他の有機半導体層の後処理方法として、酸素や水素等の酸化性あるいは還元性の気体や、酸化性あるいは還元性の液体などを用いて処理することにより、酸化あるいは還元による特性変化を誘起することもできる。これは例えば膜中のキャリア密度の増加あるいは減少の目的で利用することが出来る。
また、ドーピングと呼ばれる手法において、微量の元素、原子団、分子、高分子を有機半導体層に加えることにより、有機半導体層特性を変化させることができる。例えば、酸素、水素、塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸;PF、AsF、FeCl等のルイス酸;ヨウ素等のハロゲン原子;ナトリウム、カリウム等の金属原子;テトラチアフルバレン(TTF)やフタロシアニン等のドナー化合物をドーピングすることができる。これは、有機半導体層に対して、これらのガスを接触させたり、溶液に浸したり、電気化学的なドーピング処理をすることにより達成できる。これらのドーピングは有機半導体層の作製後でなくても、有機半導体化合物の合成時に添加したり、有機半導体デバイス作製用の組成物を用いて有機半導体層を作製するプロセスでは、その組成物に添加したり薄膜を形成する工程段階などで添加することができる。また蒸着時に有機半導体層を形成する材料に、ドーピングに用いる材料を添加して共蒸着したり、有機半導体層を作製する時の周囲の雰囲気に混合したり(ドーピング材料を存在させた環境下で有機半導体層を作製する)、さらにはイオンを真空中で加速して膜に衝突させてドーピングすることも可能である。
これらのドーピングの効果は、キャリア密度の増加あるいは減少による電気伝導度の変化、キャリアの極性の変化(p型、n型)、フェルミ準位の変化等が挙げられる。
(ソース電極及びドレイン電極の形成)
ソース電極1及びドレイン電極3の形成方法等はゲート電極5の場合に準じて形成することができる(図2(5)参照)。また有機半導体層との接触抵抗を低減するために各種添加剤などを用いることが可能である。
(保護層について)
有機半導体層上に保護層7を形成すると、外気の影響を最小限にでき、また、有機トランジスタの電気的特性を安定化できるという利点がある(図2(6)参照)。保護層の材料としては前記のものが使用される。保護層7の膜厚は、その目的に応じて任意の膜厚を採用できるが、通常100nm乃至1mmである。
保護層を成膜するにあたっては各種の方法を採用しうるが、保護層が樹脂からなる場合は、例えば、樹脂溶液を塗布後、乾燥させて樹脂膜とする方法;樹脂モノマーを塗布あるいは蒸着したのち重合する方法;などが挙げられる。成膜後に架橋処理を行ってもよい。保護層が無機物からなる場合は、例えば、スパッタリング法、蒸着法等の真空プロセスでの形成方法や、ゾルゲル法等の溶液プロセスでの形成方法も用いることができる。
有機トランジスタにおいては有機半導体層上の他、各層の間にも必要に応じて保護層を設けることができる。それらの層は有機トランジスタの電気的特性の安定化に役立つ場合がある。
上記式(1)または(2)で表される縮合多環芳香族化合物を有機半導体材料として用いているため、プラスチック基板上に作製した他の構成部材の作製におけるプロセス温度に十分耐えうることができる。その結果、軽量で柔軟性に優れた壊れにくいデバイスの製造が可能になり、ディスプレイのアクティブマトリクスのスイッチングデバイス等として利用することができる。
有機トランジスタは、メモリー回路デバイス、信号ドライバー回路デバイス、信号処理回路デバイスなどのデジタルデバイスやアナログデバイスとしても利用できる。さらにこれらを組み合わせることにより、ディスプレイ、ICカードやICタグ等の作製が可能となる。更に、有機トランジスタは化学物質等の外部刺激によりその特性に変化を起こすことができるので、センサーとしての利用も可能である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の操作において、不活性ガス下の反応や測定には無水蒸留した溶媒を用い、その他の反応や操作においては市販一級または特級の溶媒を用いた。また、試薬は必要に応じて無水蒸留等で精製し、その他は市販一級または特級の試薬を用いた。以下に、使用した分析機器および測定機器を示す。核磁気共鳴分光は、LAMBDA−NMR(395.75MHz、σ値、ppm、内部標準TMS)を用いて行った。
実施例1(上記具体例のNo.1で表される縮合多環芳香族化合物の合成)
化合物No.1で表される本発明の有機化合物を、下記の合成フローに準じて合成した。
Figure 2018052926
窒素雰囲気下、100mLの3つ口フラスコに上記フローに記載したPrecursor3.3g(4.75mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド333mg(0.475mmol)、酢酸ナトリウム780mg(9.50mmol)およびN,N−ジメチルアセトアミド40mLを加え120℃で10時間加熱した。反応液を冷蔵庫で一晩放置し、析出した固体を濾別したのち、ソックスレー抽出器を用いて固体から粗生成物を抽出した(抽出溶媒;クロロホルム)。クロロホルムを濃縮し、得られた固体をクロロホルム−ヘキサンから再結晶した。再結晶により得られた有機化合物を昇華精製することで上記No.1で表される本発明の縮合多環芳香族化合物512mg(収率19%)を黄色固体として得た。
実施例1で得られたNo.1で表される縮合多環芳香族化合物の核磁気共鳴分光の測定結果は以下のとおりであった。
H−NMR(400MHz,CDCl)σ1.31−1.36(m,12H)、1.61(m,1H)、1.71(m,1H)、2.79(t,2H)、3.36(s,3H)、3.51(t,2H)、4.62(s,2H)、7.28(dd,1H)、7.41(m,1H)、7.70−7.54(m,2H)、7.70(d,1H)、7.76−7.81(m,3H)、7.85(d,1H)、8.01(d,1H)、8.22(d,1H)、8.40(s,1H)、8,41(s,1H)
実施例2(溶解度の評価)
実施例1で得られたNo.1で表される縮合多環芳香族化合物の粉末約1mgをバイアルに量り取り、正確に質量を測定した。そこにシクロヘキサノン及びキシレンをそれぞれ加えていき、縮合多環芳香族化合物が完全に溶解した時点で溶液の質量を正確に測定した。No.1で表される縮合多環芳香族化合物の質量と前記のシクロヘキサノン溶液又はキシレン溶液の質量から溶解度(縮合多環芳香族化合物の質量/各溶液の質量×100)を算出した。尚、完全に溶解した時点の見極めは目視確認により行った。結果を表1に示した。
Figure 2018052926
実施例3(有機トランジスタの特性評価)
実施例1で得られたNo.1で表される縮合多環芳香族化合物を用いて有機トランジスタデバイスを作製し、トランジスタ特性を評価した。
実施例2で得られたNo.1で表される化合物のキシレン溶液を用いて、フェネチルトリクロロシランにより表面処理を施したSiO熱酸化膜付きnドープシリコンウェハー上に、スピンコート法により有機薄膜を作製した。次に、前記で得られた有機薄膜上にシャドウマスクを用いてAuを真空蒸着してソース電極及びドレイン電極を作製することによりトップコンタクト型の有機トランジスタを得た。得られた有機トランジスタのチャネル長は20μm、チャネル幅は100μmであった。
図1Bはトップコンタクト型の有機トランジスタの構造を示すものである。尚、本実施例の有機トランジスタにおいては、nドープシリコンウェハー上の熱酸化膜が絶縁層4の機能を有し、nドープシリコンウェハーが基板6及びゲート電極5の機能を兼ね備えている。
実施例3で得られた有機トランジスタの性能は、ゲート電極に電位をかけた状態でソース電極とドレイン電極の間に電位をかけた時に流れた電流量に依存する。この電流値の測定結果を、有機半導体層中に生じるキャリア種の電気的特性を表現する下記式(a)に用いることにより、移動度を算出することができる。
Id=ZμCi(Vg−Vt)/2L・・・(a)
式(a)中、Idは飽和したソース・ドレイン電流値、Zはチャネル幅、Ciは絶縁体の電気容量、Vgはゲート電位、Vtはしきい電位、Lはチャネル長であり、μは決定する移動度(cm/Vs)である。Ciは用いたSiO絶縁膜の誘電率、Z、Lは有機トランジスタデバイスのデバイス構造よりに決まり、Id、Vgは有機トランジスタデバイスの電流値の測定時に決まり、VtはId、Vgから求めることができる。式(a)に各値を代入することで、それぞれのゲート電位での移動度を算出することができる。
上記のように作成したトランジスタ素子について、ドレイン電圧−30Vの条件で、ゲート電圧を+20V乃至−80Vまで掃引した場合のドレイン電流変化を測定し、その結果から算出した正孔移動度とオン電流とオフ電流の比を表2にまとめた。
Figure 2018052926
本発明の式(1)または(2)で表される縮合多環芳香族化合物は溶媒に対する溶解性に優れるため、該縮合多環芳香族化合物及び有機溶媒を含有する有機半導体組成物から容易に有機薄膜を成形可能であり、しかも該有機薄膜を有する有機トランジスタは、正孔移動度1.0cm/Vs、オン/オフ比10の優れたトランジスタ特性を発現した。
実施例4(上記具体例のNo.41で表される縮合多環芳香族化合物の合成)
Precursorを下記式(5)で表される化合物に変更した以外は実施例1と同様の処理を行うことにより、上記No.41で表される本発明の縮合多環芳香族化合物396mg(収率32%)を黄色固体として得た。
Figure 2018052926
実施例4で得られたNo.41で表される縮合多環芳香族化合物の核磁気共鳴分光の測定結果は以下のとおりであった。
H−NMR(400MHz,CDCl)σ1.25−1.40(m,12H)、1.77(m,4H)、2.79(t,2H)、3.94(t,2H)、6.90(m,3H)、7.25−7.29(m,3H)、7.41(dd,1H)、7.52(dd,2H)、7.70(s,1H)、7.77(d,2H)、7.81(s,1H)、7.85(d,1H)、8.01(d,1H)、8.22(d,1H)、8.40(s,1H)、8,41(s,1H)
実施例5(上記具体例のNo.42で表される縮合多環芳香族化合物の合成)
Precursorを下記式(6)で表される化合物に変更した以外は実施例1と同様の処理を行うことにより、上記No.42で表される本発明の縮合多環芳香族化合物198mg(収率29%)を黄色固体として得た。
Figure 2018052926
実施例5で得られたNo.42で表される縮合多環芳香族化合物の核磁気共鳴分光の測定結果は以下のとおりであった。
H−NMR(400MHz,CDCl)σ1.25−1.35(m,14H)、1.77(m,2H)、2.78(t,2H)、3.94(t,2H)、6.90(m,3H)、7.26(m,2H)、7.31(d,1H)、7.52(m,2H)、7.75(s,1H)、7.79(d,1H)、7.93(dd,1H)、8.01(dd,1H)、8.33(s,1H)、8.38(s,1H)
実施例6(溶解度の評価)
No.1で表される縮合多環芳香族化合物をNo.41で表される縮合多環芳香族化合物に変更した以外は実施例2と同様の方法で溶解度を測定した。結果を表3に示した。
実施例7(溶解度の評価)
No.1で表される縮合多環芳香族化合物をNo.42で表される縮合多環芳香族化合物に変更した以外は実施例2と同様の方法で溶解度を測定した。結果を表3に示した。
比較例1(溶解度の評価)
No.1で表される縮合多環芳香族化合物を下記式(7)で表される比較用の縮合多環芳香族化合物(特許文献4に記載の化合物の類似化合物)に変更した以外は実施例2と同様の方法で溶解度を測定した。結果を表3に示した。
Figure 2018052926
Figure 2018052926
表1及び表3の結果より、実施例と比較例の縮合多環芳香族化合物はいずれもBTNT骨格を有しているにもかかわらず、実施例の縮合多環芳香族化合物は比較用の縮合多環芳香族化合物よりも5倍以上も高い有機溶媒に対する溶解度を示した。
実施例8(有機トランジスタの特性評価)
No.1で表される化合物のキシレン溶液を実施例6で得られたNo.41で表される化合物のキシレン溶液に変更した以外は、実施例3と同様の方法で有機トランジスタデバイスを作製し、トランジスタ特性を評価した。結果を表4に示した。
実施例9(有機トランジスタの特性評価)
No.1で表される化合物のキシレン溶液を実施例7で得られたNo.42で表される化合物のキシレン溶液に変更した以外は、実施例3と同様の方法で有機トランジスタデバイスを作製し、トランジスタ特性を評価した。結果を表4に示した。
比較例2(有機トランジスタの特性評価)
No.1で表される化合物のキシレン溶液を比較例1で得られた式(7)で表される化合物のキシレン溶液に変更した以外は、実施例3と同様の方法で有機トランジスタデバイスを作製し、トランジスタ特性を評価した。結果を表4に示した。
Figure 2018052926
式(7)で表される化合物を用いた比較例2では、化合物の溶媒溶解性が不十分であったことから塗布製膜により薄膜を形成することができなかった。これに対して、実施例8及び9で用いた本発明の縮合多芳香族化合物は高い溶媒溶解性を有しているため、容易に有機トランジスタデバイスを作製可能であった。更に、特許文献4および5には、これら文献の化合物を用いた有機トランジスタの正孔移動度が10−1台であったことが報告されている一方で、本発明の縮合多環芳香族化合物を用いた有機トランジスタの正孔移動度は最大で1を超える値を示した。以上の結果から、本発明の縮合多環芳香族化合物は高い溶解性を有すると共に、該化合物を用いて得られた有機トランジスタデバイスは優れたトランジスタ特性を示すことは明らかである。
本発明の縮合多環芳香族化合物は良好な溶媒溶解性を有するため、印刷プロセスで有機半導体デバイスを作成する際に好適に用いられると共に、該化合物を用いて得られる有機薄膜を有する有機半導体デバイスは、良好な半導体特性を発現する。よって、本発明は有機トランジスタデバイス、ダイオード、コンデンサ、薄膜光電変換デバイス、色素増感太陽電池、有機ELデバイス等の分野に利用することが可能である。


Claims (15)

  1. 下記式(1)または(2)
    Figure 2018052926
    (式(1)及び(2)中、R及びRはいずれか一方が水素原子、炭素数1乃至20のアルキル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、他方が水素原子を表す。R及びRはいずれか一方が下記式(3)または(4)
    Figure 2018052926
    (式(3)及び(4)中、p、q及びrはそれぞれ1乃至20の整数を表す。Xはそれぞれ独立に酸素原子または硫黄原子を表す。Rは炭素数1乃至20のアルキル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表す。)で表される置換基を表し、他方が水素原子を表す。)で表される縮合多環芳香族化合物。
  2. 及びRが水素原子であり、Rが水素原子、炭素数1乃至20のアルキル基、芳香族炭化水素基または複素環基であり、かつRが式(3)または(4)で表される置換基である請求項1に記載の縮合多環芳香族化合物。
  3. が水素原子、炭素数1乃至20のアルキル基、芳香族炭化水素基または複素環基であり、R及びRが水素原子であり、かつRが式(3)または(4)で表される置換基である請求項1に記載の縮合多環芳香族化合物。
  4. 及びRのいずれか一方が式(3)で表される置換基である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の縮合多環芳香族化合物。
  5. pが6乃至14の整数である請求項4に記載の縮合多環芳香族化合物。
  6. 及びRのいずれか一方が式(4)で表される置換基である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の縮合多環芳香族化合物。
  7. qが6乃至14の整数であって、かつrが1乃至4の整数である請求項6に記載の縮合多環芳香族化合物。
  8. が炭素数1乃至4のアルキル基である請求項1乃至7のいずれか一項に記載の縮合多環芳香族化合物。
  9. 液晶性を示さない請求項1乃至8のいずれか一項に記載の縮合多環芳香族化合物。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の縮合多環芳香族化合物を含有する有機半導体材料。
  11. 請求項10に記載の有機半導体材料及び有機溶媒を含有する有機半導体組成物。
  12. 請求項10に記載の有機半導体材料を含む有機薄膜。
  13. 請求項12に記載の有機薄膜を有する有機半導体デバイス。
  14. 有機トランジスタである請求項13に記載の有機半導体デバイス。
  15. 請求項11に記載の有機半導体組成物を基板に塗布または印刷する工程、及び該基板に塗布または印刷した有機半導体組成物から有機溶媒を除去する工程を含む有機薄膜の製造方法。


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