JP2018003218A - 不織布およびその製造方法並びにその不織布を用いた壁紙 - Google Patents

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治城 山下
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長谷川 真
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真 長谷川
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Hiromitsu Kamio
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Abstract

【課題】壁紙施工後の環境変化による寸法変化が少ないため目開きが生じにくく、また、毛羽立ちを抑えた壁紙となし得る不織布およびその製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】パルプ繊維と合成繊維とを含んだ不織布であって、前記合成繊維として異型断面を有する合成繊維を含み、前記パルプ繊維と円型断面を有する合成繊維と前記異型断面を有する合成繊維の含有質量比率が80〜50:40〜0:50〜10とすることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、不織布およびその製造方法並びにその不織布を用いた壁紙に関するものであり、より詳細には、環境変化による寸法変化が少ない壁紙となし得る不織布およびその製造方法、並びに、その不織布を用いて成る壁紙に関するものである。なお、本発明において言う壁紙には、塩化ビニル樹脂層、オレフィン樹脂層等の化粧層と、該化粧層を保持するための裏打ち紙により構成されるものと、前記化粧層を設けずに直接印刷等が施された後に、壁紙として供されるダイレクト壁紙とが含まれる。
不織布シートや壁紙として、パルプ繊維と合成繊維を組み合わせて製造されるものがある。この不織布を壁紙として使用した場合は、寸法変化による目開きが生じて、壁紙と壁紙の間に隙間等が生じるおそれがある。この課題を解決するために、極性基を有する合成繊維を含有させることで、パルプ繊維との接着性を向上させ、塩化ビニルペースト等の塗工時、あるいは、その後の乾燥工程において合成繊維由来の毛羽立ちの発生が少なく、壁紙施工後に目開きが生じない壁紙用裏打ち紙が提案されている(特許文献1)。
また、エンボスによって立体感のある壁紙になるような低密度の不織布でありながら、その表面に摩耗強さがあり、且つ、平滑であることによって印刷適性が向上した壁紙用不織布が提案されている(特許文献2)。そこにおいては、密度を小さくするために、サイドバイサイド型等の捲縮繊維、三角や四角、あるいは、ドッグボーン型やレンコンのように内部に穴を有するもの等の異形断面繊維を混合することができることが開示されている。
特開2013-2015号公報 特開2002−371495号公報
不織布シートや壁紙として、パルプ繊維と合成繊維を組み合わせて製造されるものの場合、合成繊維はパルプ繊維より寸法変化が少ないものの、その分子に水素結合可能な官能基を持たないことから、パルプ繊維と合成繊維が接着しないだけでなく、パルプ繊維間の接着に対し、合成繊維がパルプ繊維間に介入してその接着を阻害してしまい、その結果として、湿潤引張強さを含む、シートの強度低下が引き起こされるという問題がある。そして、この不織布を壁紙として使用した場合は、寸法変化により、壁紙施工後に壁紙と壁紙の継ぎ目に目開きによる隙間が生じるおそれがある。また、合成繊維同士の絡み付きが少なくなり毛羽立ちが生じる可能性がある。
上記特許文献1には、極性基を有する合成繊維を含有させることで、パルプ繊維との接着性が向上し、毛羽立ちおよび寸法変化による目開きが生じないことが記載されているが、合成繊維の断面型状についての記載はない。
また、上記特許文献2には、不織布の密度を小さくして嵩高とするのに有効な合成繊維として、断面が三角や四角、あるいは、ドッグボーン型やレンコンのように内部に穴を有するもの等の異型断面を有する捲縮繊維が挙げられている。しかし、ここで挙げられている異型断面を有する合成繊維の場合は、いずれもその断面が合成繊維同士の絡み付きを促進する型状でないため、不織布の密度を小さくして嵩高とするのには有効であっても、合成繊維同士の接着性を向上させることには何ら寄与するものではない。
そこで本発明は、合成繊維同士の接着性を向上させることにより、壁紙として使用する場合において、壁紙施工後の環境変化による寸法変化が少ないため目開きが生じにくく、また毛羽立ちを抑えた壁紙となし得る不織布およびその製造方法を提供することを課題とする。また本発明は、壁紙施工後の環境変化による寸法変化が少なくて目開きが生じにくく、毛羽立ちの発生が抑えられた壁紙を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を進めた結果、パルプ繊維と合成繊維を含む不織布を製造するに当たり、従来から広く使用されてきた円型断面を有する合成繊維(以下、「円型断面の合成繊維」という)以外の異型断面を有する合成繊維(以下、「異径断面の合成繊維」という)を所定の含有質量比率分含有することにより、パルプ繊維と合成繊維の接着性が向上し、環境変化による寸法変化が少ない壁紙となし得る不織布が得られることを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
即ち、上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、パルプ繊維と合成繊維とを含んだ不織布であって、前記合成繊維として異型断面の合成繊維を含み、前記パルプ繊維と円型断面の合成繊維と前記異型断面の合成繊維の含有質量比率が80〜50:40〜0:50〜10であることを特徴とする不織布である。なお、上記円型断面の合成繊維は、断面が楕円形を含む円型断面の合成繊維を意味する。
前記異型断面の合成繊維は、好ましくは十字型又はY字型の断面を有する合成繊維(以下、「十字型の合成繊維」、「Y字型の合成繊維」という)である。
一実施形態においては、前記合成繊維は、融点が100〜300℃であるポリエステル系合成繊維を前記合成繊維の全体質量%に対して80.0質量%以上含有し、また、前記合成繊維は、繊度が0.5〜4.5dtexで繊維長が3〜30mmの範囲のものとされる。また、一実施形態においては、水に浸漬した後の縦方向および横方向の水中伸度が0.50%以下であり、次いでJIS P8111:1998の環境に戻して24時間調湿した後の縦方向および横方向の寸法変化が、水に浸漬する前の寸法の0.35%以下である。
本発明に係る壁紙は、請求項1乃至5のいずれかに記載の不織布を用いて成るものである。
また、上記課題を解決するための請求項7に記載の発明は、パルプ繊維と合成繊維とを含んだ不織布の製造方法であって、前記合成繊維として異型断面の合成繊維を含め、前記パルプ繊維と前記異型断面の合成繊維以外の合成繊維と前記異型断面の合成繊維の含有質量比率を80〜50:40〜0:50〜10とすることを特徴とする不織布の製造方法である。
本発明は上記のとおり、パルプ繊維と合成繊維とを含んだ不織布であって、前記合成繊維同士が絡み付きやすい異型断面の合成繊維を所定の含有質量比率分含むため、異型断面の合成繊維同士 並びに 異型断面の合成繊維と円型断面の合成繊維との絡み付きが増えることにより、壁紙として使用する場合には、毛羽立ちと環境変化による寸法変化が少ない壁紙となし得る効果がある。
また、合成繊維同士の絡み付きが増加する結果、寸法安定性が向上するので、本発明から得られる不織布は、産業用フィルター、タオル用不織布、触媒用担持体等として利用するのに好適である。
以下に、本発明を実施するための形態について、より詳細に説明する。本発明に係る不織布は、パルプ繊維と合成繊維とを含んだ不織布であって、前記合成繊維として異型断面の合成繊維を含み、前記パルプ繊維と前記円型断面の合成繊維と前記異型断面の合成繊維の含有質量比率が80〜50:40〜0:50〜10であることを特徴とするものである。
本発明においては、特に、繊維の絡み付きおよび入手のしやすさの観点から、十字型のポリエステル系合成繊維とY字型のポリエステル系合成繊維のうちの少なくとも一方を含むものが好ましい。また、本発明において用いる異型断面の合成繊維は、繊維分散性を良好にするとの観点から、繊度が0.5〜4.5dtexで繊維長が3〜30mmであることが好ましい。繊度と繊維長の測定は、JIS L 1015:2010に基づく。
十字型、Y字型以外の異型断面の合成繊維としては、C、E、F、G、H、J、Zのアルファベット各文字型、あるいは*、#型のように、繊維同士が絡み付きやすい断面の合成繊維を単独もしくは組み合わせて使用可能である。また、これらの繊度および繊維長も前記十字型、Y字型と同じ範囲であることが好ましい。なお、このような異型断面の合成繊維を用いるのは、主に、異型断面の合成繊維同士並びに異型断面の合成繊維と円型断面の合成繊維との絡み付きを促進するためであるが、同時に、パルプ繊維と合成繊維の絡み付きが促進されることもあり得る。
好ましくは、上記異型断面の合成繊維と円型断面の合成繊維として、融点が100〜300℃であるポリエステル系合成繊維を、合成繊維の全体質量%に対して80.0質量%以上含有することとする。ここで融点が100℃未満と低い場合には、不織布の基紙を抄造する際に、抄紙ドライヤーに合成繊維由来の汚れ(毛羽立ち)が発生しやすくなる。一方、融点が300℃を超えるものを配合することは、技術的に意味がないだけでなく、不経済なことでもある。また、融点が100〜300℃であるポリエステル系合成繊維の含有量が、合成繊維の全体質量%に対して80質量%以上であることが望ましい。そのようにした場合は、不織布の地合が良好となる。
上記のようにポリエステル系繊維を主体とすることで、パルプ繊維との調成工程における混抄性が良好で、抄紙工程におけるろ水性(抄紙ワイヤーにおける脱水性)および地合が良好な不織布および壁紙が得られる。また、ポリエステル系繊維以外の合成繊維、例えば、鞘部がポリエチレン系樹脂で芯部がポリエステル系樹脂で構成される芯鞘合成繊維、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維等の合成繊維を所望の効果を阻害しない範囲で含有することも可能である。
本発明において用いるパルプ繊維としては、針葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)、未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹の未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹の晒サルファイトパルプ( N B S P ) 又は未晒サルファイトパルプ( N U S P ) 、広葉樹の晒サルファイトパルプ( L B S P )、広葉樹の未晒サルファイトパルプ( L U S P ) 等の化学パルプ、あるいは、グランドパルプ( G P ) 、サーモメカニカルパルプ( T M P ) 、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP等)等の機械パルプ 、古紙パルプ、脱墨古紙パルプ( D I P ) 、コットンやケナフ等の非木材繊維パルプ、レーヨン等の再生繊維を挙げることができ、これらの繊維を1種類配合し、もしくは、2種類以上組み合わせて配合する。
本発明においては、上記パルプ繊維と円型断面の合成繊維と異型断面の合成繊維の含有質量比率が80〜50:40〜0:50〜10となるように配合される。ここにおいてパルプ繊維の含有質量比率が80を超えると、環境変化による寸法変化が多くなり、50未満であると合成繊維の割合が多すぎて、合成繊維由来の毛羽立ちが発生しやすくなる。また、円型断面の合成繊維の含有質量比率が40を超え異型断面の合成繊維の含有質量比率が10未満となると、合成繊維同士の絡み付きが低下して、目開きや毛羽立ちが起こる結果となる。また、異型断面の合成繊維の含有質量比率が50を超えると強度が低下し、10未満であると、合成繊維同士の絡み付きが低下して毛羽立ちが起こる結果となる。
本発明に係る不織布は、水に浸漬した後の水中伸度が、縦方向および横方向において0.50%以下であり、次いでJIS P8111の環境(気温23度、湿度50%)に戻し24時間調湿した後の、縦方向および横方向の寸法変化が、水に浸漬する前の寸法の0.35%以下である。本発明においては、ここで、単に水に浸漬した後の伸びを見るだけでなく、一旦水浸漬を行った後、再度JIS環境に戻して追従測定しており、不織布を壁紙として使用する場合の環境変化を考慮していることに特徴がある。
一般的に長網式の湿式抄紙機で得られた不織布は、繊維の配向が縦方向に配列するので、横方向の伸びが縦方向の伸びより大きくなるので、前記水中伸度も横方向が縦方向より大きくなる傾向があるが、本発明の不織布は、長網、傾斜短網、円短混合、乾式抄紙機等の全ての抄紙機で製造可能であり、また、繊維の縦横比を調整することにより、不織布の繊維の配列も所望の範囲にコントロールできる。従って、本発明の不織布は、水中伸度および追従測定による寸法変化は、縦方向および横方向において0.50%以下で、次いで、JIS P8111の環境に戻して24時間調湿した後の縦方向および横方向の寸法変化が、水に浸漬する前の寸法の0.35%以下とする。
また、本不織布を壁紙として使用する場合は、縦方向湿潤引張強さが0.80kN/m以上、横方向湿潤引張強さが0.50kN/m以上(以上試験片を105℃×10分間キュアリング後、JIS P8135:1998で測定)で、縦方向引張強さが2.00kN/m以上、横方向引張強さが1.50kN/m以上(試験片を105℃×10分間キュアリング後、JIS P8113:2006で測定)とすることにより、例えば、壁紙を壁に貼り付ける際に、破れが生じにくい壁紙となし得る。
本不織布に、バインダー樹脂、湿潤紙力剤等を含む混合液を塗布もしくは含浸してもよい。その場合、ロールコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、エアナイフコーター、ゲートロールコーター、カーテンコーター等の通常使用される塗工機やサイズプレスコーター、シムサイザー等を用いることができ、それらの塗工設備により、外添薬品を含む塗液を塗工あるいは含浸することができる。また、その塗工は、オンマシン(基紙の抄造・乾燥およびバインダー樹脂の塗工・乾燥を連続して行う)とオフマシン(基紙を抄造・乾燥して巻き取った後、その巻取に2次的に塗工・乾燥を行う)のいずれであってもよい。合成繊維の毛羽立ちを最小限にするために、抄紙ドライヤーの温度を合成繊維の融点より低い温度に設定することが重要となる。
上記混合液としては、PVA樹脂とPAE樹脂の混合液もしくはどちらか一方、酸化デンプンおよび酵素変成デンプン等の各種変性デンプン、カルボキシルメチルセルロース、カゼイン等の水溶性バインダーや表面紙力剤、染料、顔料(クレー、カオリン、炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム等)、難燃剤等を適宜使用することができる。
本不織布を壁紙として使用する場合は、JIS P8124:2011に基づいて測定した坪量の範囲が56.0〜300g/mで、好ましくは、80.0〜150g/mの範囲とされる。坪量が56.0/m未満の場合には、壁紙としての強度が不足し、300g/mを超える場合は、坪量が過多となり、壁紙を壁に貼付するときの作業性が悪化する。
本発明の不織布中に、不透明性、不燃性・難燃性を付与するために、填料を、不織布の全質量に対して30質量%以下の範囲で含有してもよい。その添加は内添もしくは外添、あるいは、その両方の方法で行うことができる。その場合の填料としては、不透明性、不燃性・難燃性の観点から、焼成クレーを使用することが好ましい。また、他の填料としては、カオリン、焼成カオリン、デラミネーティッドカオリン、クレー、デラミネーティッドクレー、イライト、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛等の無機填料を挙げることができる。なお、壁紙の用途によっては、これらの填料を含めないこととする。
不織布には、通常の紙と同様にサイズ剤をパルプスラリーに使用することができる。その場合は内添であってもよいし、塗布もしくは含浸であってもよい。使用するサイズ剤としては、ロジン系サイズ剤、ロジン系バインダー樹脂サイズ剤、アルファカルボキシルメチル飽和脂肪酸等、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、カチオンポリマー系サイズ剤等を挙げることができる。
本発明の不織布は、前記のとおり、公知の長網、ツインワイヤー、円網、傾斜短網、円短混合、ヤンキー抄紙機、乾式を含む全ての抄紙機で生産することが可能である。その抄造は、主に1層抄きとされるが、2層以上の多層抄きで抄造することもできる。3層抄き以上の場合は、少なくとも1つの層に合成繊維を含有させることが好ましく、その場合、中層のみに配合させることができる。
本発明に係る不織布は、壁紙に用いるのに好適である。壁紙として使用する場合は、直接、印刷やエンボス加工等の処理を行う。また、塩化ビニル樹脂等の化粧層の支持体である壁紙用裏打ち紙としての使用も可能である。なお、壁紙の他、本発明の不織布は、産業用フィルター、タオル用不織布、触媒用担持体等に利用できるが、その利用範囲はこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。
以下に本発明の実施例および比較例を示すが、それらの例における測定方法および評価方法は以下の通りである。
<坪量>
JIS P8124:2011による。
<横方向・水中伸度%>
幅15mm、長さ150mmの試験片を純水に浸漬し、1時間放置した後取り出し、取り出し直後の長さを測定し、以下の式により求めた。
横方向・水中伸度%=(水浸漬後長さ−JIS P8111:1998における水浸漬前長さ)/(JIS P8111:1998水浸漬前長さ)×100
<横方向・乾燥収縮%(寸法変化)>
上記水中伸度を測定済みのサンプルをJIS P8111:1998に24時間放置したのちの横方向の長さを測定し、以下の式により求めた。
横方向・乾燥収縮%:(JIS P8111:1998に24時間放置したのちの長さ−JIS P8111:1998における水浸漬前長さ)/(JIS P8111:1998水浸漬前長さ)×100
<目開き>
不織布の表面に塩化ビニルペーストを、塗工厚が200μmとなるようにアプリケータを用いて塗布し、145℃で1分間加熱してゲル化させた。得られた不織布を、縦方向長さ1mで横方向長さ95cmにカットして試料とした。試料を2枚用意し、不織布の裏面に、澱粉系のヤヨイ化学製糊を塗布し、横幅2m、縦長さ1mのベニア板に2枚の不織布を横方向(水平方向)に継ぎ目が見えないよう貼付した。そして、JIS P8111:1998の雰囲気で7日間放置して完全に乾燥し、乾燥後の繋ぎ目の箇所に目開きが発生したか否かについて以下の基準で評価した。○以上であれば実用上問題がない。
○:目開き発生せず。
△:○より微小な目開きが散見され、壁紙として使用不可とまでは言えないが、適とは言えないレベル。
×:目開きあり壁紙として使用不可。
<毛羽立ち>
上記目開きの評価を行った各サンプルの表面の毛羽立ちの程度を、以下の基準で目視評価した。
○:毛羽立ち発生せず。
△:○より微小な毛羽立ちが散見され、壁紙として使用不可とまでは言えないが、適とは言えないレベル。
×:毛羽立ちあり壁紙として使用不可。
[実施例および比較例]
以下、表1に記載の本発明の実施例および比較例について説明する。それらの実施例および比較例は、いずれも晒クラフトパルプのLBKP[カナダ標準ろ水度(CSF)440ml]、晒クラフトパルプのNBKP(CSF420ml)を表1の含有率となるようにした。
また、円型断面の合成繊維としては、繊度1.7dtex、繊維長5mmのポリエステル系合成繊維(製品名:TT04N:帝人製)を使用した。十字型断面の合成繊維としては、繊度2.2dtex、繊維長5mmのポリエステル系合成繊維(ユニチカ製)を、また、Y字型断面の合成繊維としては、繊度1.75dtex、繊維長5mmのポリエステル系合成繊維(DKBセーレン製)を使用し、表1の含有率になるようにした。
硫酸バンド、サイズ剤、紙力剤としてポリアミドエピクロロヒドリン樹脂やポリアクリルアマイド樹脂等の内添剤を適宜添加し、円網・短網抄合わせ抄紙機で基紙を抄造し(抄速340m/分、抄紙ドライヤーの表面温度100℃)、その基紙に、2ロールサイズプレス塗工機において塗工スピード400m/分で、水溶性PVA樹脂(製品名:117K、クラレ製)を、固形分含有量2.60g/mとなるように塗工した。
<表1>
Figure 2018003218
表1から明らかなように、本発明を実施した実施例1〜実施例8の場合は、いずれもパルプ繊維と円型断面の合成繊維と異型断面の合成繊維の含有質量比率が80〜50:40〜0:50〜10であって、壁紙とした場合の目開きおよび毛羽立ちの評価結果は良好であった。これに対して比較例1〜3は、前記含有質量比率ではないために、目開き、毛羽立ちのいずれかが、壁紙として不適の評価であった。

Claims (8)

  1. パルプ繊維と合成繊維とを含んだ不織布であって、前記合成繊維として異型断面を有する合成繊維を含み、前記パルプ繊維と円型断面を有する合成繊維と前記異型断面を有する合成繊維の含有質量比率が80〜50:40〜0:50〜10であることを特徴とする不織布。
  2. 前記異型断面を有する合成繊維は、十字型又はY字型の断面を有する合成繊維である、請求項1に記載の不織布。
  3. 前記合成繊維は、融点が100〜300℃であるポリエステル系合成繊維を前記合成繊維の全体質量%に対して80.0質量%以上含有する、請求項1乃至2のいずれかに記載の不織布。
  4. 前記合成繊維は、繊度が0.5〜4.5dtexで繊維長が3〜30mmである、請求項1乃至3のいずれかに記載の不織布。
  5. 水に浸漬した後の縦方向および横方向の水中伸度が0.50%以下であり、次いでJIS P8111:1998の環境に戻して24時間調湿した後の縦方向および横方向の寸法変化が、水に浸漬する前の寸法の0.35%以下である、請求項1乃至4のいずれかに記載の不織布。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の不織布を用いて成る壁紙。
  7. パルプ繊維と合成繊維とを含んだ不織布の製造方法であって、前記合成繊維として異型断面を有する合成繊維を含め、前記パルプ繊維と前記円型断面を有する合成繊維と前記異型断面を有する合成繊維の含有質量比率を80〜50:40〜0:50〜10とすることを特徴とする不織布の製造方法。
  8. 前記異型断面を有する合成繊維は、十字型又はY字型の断面を有する合成繊維である、請求項7に記載の不織布の製造方法。
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