JP2017226345A

JP2017226345A - 車両用シート装置

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Publication number: JP2017226345A
Application number: JP2016124707A
Authority: JP
Inventors: 東鉉金; Dong-Hyun Kim; 田中　大助; Daisuke Tanaka; 大助田中
Original assignee: NHK Spring Co Ltd
Current assignee: NHK Spring Co Ltd
Priority date: 2016-06-23
Filing date: 2016-06-23
Publication date: 2017-12-28
Anticipated expiration: 2036-06-23
Also published as: US10259347B2; JP6675276B2; CN107539168A; US20170368964A1

Abstract

【課題】車体に対して垂直軸回りに回転されるシートが閉状態のサイドドアと干渉することを防止でき、しかもシートの幅寸法の確保が容易な車両用シート装置を得る。
【解決手段】車両用シート装置１０では、制御装置は、セカンドシート２０を回転機構により垂直軸回りに回転させる場合、当該回転に先立って、横スライド機構によりセカンドシート２０を通常領域から内方領域へ移動させる。セカンドシート２０が通常領域に配置された状態では、セカンドシート２０の回転が閉状態のリヤサイドドア３４によって制限される（仮想円Ｃ１、Ｃ２参照）。一方、セカンドシート２０が内方領域に配置された状態では、セカンドシート２０が回転可能となる（仮想円Ｃ３、Ｃ４参照）。しかも、セカンドシート２０が通常時に配置される通常領域に対して車幅方向内方のみに横スライド用のスペースを確保すれば良いので、セカンドシート２０の幅寸法を確保し易くなる。
【選択図】図７

Description

本発明は、シートを車体に対して垂直軸回りに回転可能な車両用シート装置に関する。

下記特許文献１には、位置を調整するための動作部を有し且つ垂直軸回りに回転可能とされるシートを回転させるためのシート動作制御装置が記載されている。このシート動作制御装置では、ミニバン等の車両において、リヤサイドドアの側方に配置された２列目のシートが車幅方向内方及び車幅方向外方へそれぞれＳ２の範囲内で横スライド可能とされている。そして、この横スライド位置が車幅方向内方及び車幅方向外方にそれぞれＳＴ２内にあり、且つ他の動作部（シートバック、オットマン等）がシート回転可能範囲内に位置する場合、リヤサイドドアが閉じた状態でも、シートがリヤサイドドアと干渉せずに垂直軸回りに回転される構成になっている。

特開２０１５−２０９１９３号公報

しかしながら、上記構成のシート動作制御装置は、シートの車幅方向内方及び車幅方向外方にそれぞれＳ２の範囲内で横スライド用のスペースを確保する構成になっている。このため、車幅寸法が小さい車両に適用した場合、シートの幅寸法を縮小する必要が生じるので、シートの座り心地が損なわれる可能性がある。

本発明は上記事実を考慮し、車体に対して垂直軸回りに回転されるシートが閉状態のサイドドアと干渉することを防止でき、しかもシートの幅寸法の確保が容易な車両用シート装置を得ることを目的とする。

請求項１に記載の発明に係る車両用シート装置は、車両のサイドドアに対して車幅方向内方に配置されるシートと、前記シートを車体に対して垂直軸回りに回転させる回転機構と、前記シートが通常時に配置されると共に前記垂直軸回りの回転が閉状態の前記サイドドアと前記シートとの干渉によって制限される通常領域と当該通常領域に対して車幅方向内方に設定されると共に前記シートが閉状態の前記サイドドアと干渉せずに前記垂直軸回りに回転可能となる内方領域との間で前記シートを車体に対して車幅方向に移動させる横移動機構と、前記回転機構により前記シートを回転させる場合、当該回転に先立って、前記横移動機構により前記シートを前記通常領域から前記内方領域へ移動させる制御装置と、を備えている。

請求項１に記載の発明では、制御装置は、車両のサイドドアに対して車幅方向内方に配置されるシートを、回転機構により車体に対して垂直軸回りに回転させる場合、当該回転に先立って、横移動機構によりシートを通常領域から内方領域へ移動させる。上記の通常領域にシートが配置された状態では、シートの垂直軸回りの回転が閉状態のサイドドアとシートとの干渉によって制限される。一方、上記の内方領域にシートが配置された状態では、シートが閉状態のサイドドアと干渉せずに垂直軸回りに回転可能となる。このため、上記のようにシートが内方領域へ移動されてから垂直軸回りに回転されることにより、シートとサイドドアとの干渉が防止される。しかも、シートが通常時に配置される通常領域に対して車幅方向内方のみに車幅方向移動（横移動）用のスペースを確保すれば良いので、シートの幅寸法を確保し易くなる。

請求項２に記載の発明に係る車両用シート装置は、請求項１に記載の車両用シート装置において、前記通常領域に位置する前記シートに対して車幅方向内方に配置される障害物と、前記障害物を前記シートの回転領域の外側へ移動させる障害物移動機構と、を更に備え、前記制御装置は、前記横移動機構により前記シートを前記通常領域から前記内方領域へ移動させるのに先立って、前記障害物移動機構により前記障害物を前記回転領域の外側へ移動させる。

請求項２に記載の車両用シート装置では、制御装置は、横移動機構によりシートを通常領域から内方領域へ移動させるのに先立って、障害物移動機構により障害物（例えば、センターコンソール、センターシート等）をシートの回転領域の外側へ移動させる。これにより、通常領域に位置するシートに対して車幅方向内方に配置される障害物を備えた構成であっても、サイドドアの閉状態でシートを垂直軸回りに回転させることが可能になる。

請求項３に記載の発明に係る車両用シート装置は、請求項１又は請求項２に記載の車両用シート装置において、前記シートを車体に対して前後方向に移動させると共に、前後方向の移動範囲内に前後基準位置が設定された前後移動機構と、前記シートのシートバックを前記シートのシートクッションに対して傾動させると共に、前記シートバックの傾動範囲内に傾斜基準位置が設定されたリクライニング機構と、を更に備え、前記制御装置は、前記横移動機構により前記シートを前記通常領域から前記内方領域へ移動させるのに先立って、前記前後移動機構により前記シートを前記前後基準位置へ移動させると共に、前記リクライニング機構により前記シートバックを前記傾斜基準位置へ移動させる。

請求項３に記載の車両用シート装置では、制御装置は、横移動機構によりシートを通常領域から内方領域へ移動させるのに先立って、前後移動機構によりシートを前後基準位置へ移動させると共に、リクライニング機構によりシートバックを傾斜基準位置へ移動させる。つまり、シートの前後位置及びシートバックの傾斜位置が特定の位置に調整された後で、シートが車幅方向に移動される。このため、シートの前後位置及びシートバックの傾斜位置が不特定の状態でシートが車幅方向へ移動される構成と比較して、シートと周囲物との干渉を防止し易くなる。

以上説明したように、本発明に係る車両用シート装置によれば、車体に対して垂直軸回りに回転されるシートが閉状態のサイドドアと干渉することを防止でき、しかもシートの幅寸法の確保が容易である。

本発明の実施形態に係る車両用シート装置が適用された車両を、ルーフの図示を省略した状態で示す模式的な平面図である。同車両用シート装置の主要部の構成を示す斜視図である。同車両用シート装置が備える前後スライド機構の斜視図である。同車両用シート装置が備える横スライド機構の斜視図である。同車両用シート装置が備える回転機構を上面側から見た斜視図である。同回転機構を下面側から見た斜視図である。同車両用シート装置が備えるシートの回転領域について説明するための図１に対応した平面図である。同車両用シート装置の制御システムを示すブロック図である。同制御システムを構成する制御装置の制御フローを示すフローチャートである。センターコンソールがシートの回転領域の外側へ移動された状態を示す図１に対応した平面図である。シートが第１の前後基準位置へ移動された状態を示す図１０Ａの一部に対応した平面図である。シートバックが傾斜基準位置へ移動された状態を示す図１０Ａの一部に対応した平面図である。シートが内方領域へ移動された状態を示す図１０Ａの一部に対応した平面図である。シートが左斜め前向き位置へ回転された状態を示す図１０Ａの一部に対応した平面図である。シートが右斜め前向き位置へ回転された状態を示す図１０Ａの一部に対応した平面図である。シートが乗降位置へ回転された状態を示す図１０Ａの一部に対応した平面図である。シートが第２の前後基準位置へ移動された状態を示す図１０Ａの一部に対応した平面図である。シートバックが傾斜基準位置へ移動された状態を示す図１０Ａの一部に対応した平面図である。シートが内方領域へ移動された状態を示す図１０Ａの一部に対応した平面図である。シートが対座位置へ回転された状態を示す図１０Ａの一部に対応した平面図である。シートが斜め対座位置へ回転された状態を示す図１０Ａの一部に対応した平面図である。

以下、図１〜図１１Ｅを用いて、本発明の実施形態に係る車両用シート装置１０について説明する。なお、各図中に適宜示される矢印ＦＲ、矢印ＵＰ、矢印ＲＨは、車両用シート装置１０が適用された車両１２の前方、上方、右方をそれぞれ示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、車両左右方向（車幅方向）の左右を示すものとする。

図１に示されるように、本実施形態に係る車両１２は、例えばミニバンタイプの自動車とされており、左右のフロントシート１４、１６と、左右のセカンドシート１８、２０と、左右のサードシート２２、２４とを備えている。また、この車両１２は、左右のフロントシート１４、１６の間、及び左右のセカンドシート１８、２０の間に選択的に配置可能なセンターコンソール２６を備えている。本実施形態に係る車両用シート装置１０は、上記のセカンドシート２０及びセンターコンソール２６を含んで構成されており、上記のセカンドシート２０が本発明における「シート」に相当する。また、上記のセンターコンソール２６は本発明における「障害物」に相当する。

なお、図１では、車両１２の左右のフロントサイドドア２８、３０及び左右のリヤサイドドア３２、３４が閉じた状態（以下、「閉状態」と称する）が図示されている。左右のリヤサイドドア３２、３４は、例えばスライドドアとされている。上記のセカンドシート２０は、閉状態のリヤサイドドア３４に対して車幅方向内方に配置されている。このリヤサイドドア３４は、本発明における「サイドドア」に相当する。

図２に示されるように、セカンドシート２０は、シートクッション２０Ａの骨格を構成するクッションフレーム２０Ａ１と、シートバック２０Ｂの骨格を構成するバックフレーム２０Ｂ１とを備えている。クッションフレーム２０Ａ１及びバックフレーム２０Ｂ１には、表皮材によって覆われたパッド材（図２では何れ図示省略）が被せられた構成になっている。バックフレーム２０Ｂ１の下端部は、リクライニング機構３６を介してクッションフレーム２０Ａ１の後端部に連結されている。このリクライニング機構３６は、モータ３８の駆動力でバックフレーム２０Ｂ１をクッションフレーム２０Ａ１に対して車体の水平軸回りに傾動させる構成になっている。

クッションフレーム２０Ａ１は、前後移動機構としての前後スライド機構４０、横移動機構としての横スライド機構４２、及び回転機構４４を介して車体のフロアＦに連結されている。前後スライド機構４０は、図３に示されるように、左右一対のロアレール４６と、左右一対のアッパレール４８と、前後アクチュエータ５０とを備えている。左右のロアレール４６は、前後方向を長手として車体のフロアＦ（図１参照）に固定されている。左右のアッパレール４８は、左右のロアレール４６に対して前後方向にスライド可能に支持されている。前後アクチュエータ５０は、モータ５２の駆動力で左右のアッパレール４８を左右のロアレール４６に対して前後方向に移動（スライド）させる構成になっている。

横スライド機構４２は、図４に示されるように、前後一対のロアレール５４と、前後一対のアッパレール５６と、左右アクチュエータ５８とを備えている。前後のロアレール５４は、左右方向（車幅方向）を長手として前記左右のアッパレール４８に固定されている。前後のアッパレール５６は、前後のロアレール５４に対して左右方向にスライド可能に支持されている。左右アクチュエータ５８は、モータ６０の駆動力で前後のアッパレール４８を前後のロアレール５４に対して左右方向に移動（スライド）させる構成になっている。

回転機構４４は、図５及び図６に示されるように、ブラケット６２と、ギヤ６４と、回転板６６と、モータ６８とを備えている。ブラケット６２は、平面視で略矩形の板状に形成されており、上下方向を板厚方向として前記前後のアッパレール５６に固定されている。ギヤ６４は、円盤状に形成され、上下方向を軸線方向としてブラケット６２の下方に配置されており、ブラケット６２に対して車体の垂直軸回りに回転可能に支持されている。回転板６６は、円盤状に形成され、上下方向を軸線方向としてブラケット６２の上方に配置されており、ブラケット６２に対して車体の垂直軸回りに回転可能に支持されている。回転板６６とギヤ６４とは、両者の中心部が互いに結合されており、一体に回転するようになっている。ギヤ６４の外周には外歯６４Ａが形成されている。この外歯６４Ａには、モータ６８の出力軸に固定されたピニオン７０が噛合されている。

上記のモータ６８は、ブラケット６２の下方に配置されており、ブラケット６２の外周部の一部に固定されている。このモータ６８の駆動力でピニオン７０が回転されると、当該ピニオン７０が外歯６４Ａに噛合されたギヤ６４が回転板６６と一体で回転される構成になっている。回転板６６の上面には、クッションフレーム２０Ａ１の底部を構成するパンフレーム２０Ａ１１が固定されている。これにより、上記モータ６８の回転時には、クッションフレーム２０Ａ１が回転板６６及びギヤ６４と一体で車体の垂直軸回り（以下、単に「垂直軸回り」と称する）に回転される構成になっている。

一方、図１に示されるセンターコンソール２６は、障害物移動機構としてのセンタースライド機構７２を介して車体のフロアＦに連結されている。センタースライド機構７２は、前述した前後スライド機構４０と基本的に同様の構成とされており、モータ７４（図８参照：図８以外では図示省略）の駆動力によってセンターコンソール２６を車体に対して前後方向に移動（スライド）させる構成になっている。具体的には、このセンタースライド機構７２は、左右のフロントシート１４、１６の間に設定されたフロント位置と、左右のセカンドシート１８、２０の間に設定されたセカンド位置との間でセンターコンソール２６を前後方向にスライド可能とされている。

ここで、本実施形態では、上記のセンターコンソール２６が図７に示されるフロント位置に配置された状態では、横スライド機構４２がセカンドシート２０を車体に対して車幅方向にスライド可能になる。この横スライド機構４２は、セカンドシート２０が通常時に配置される通常領域と、当該通常領域に対して車幅方向内方に設定された内方領域との間で、セカンドシート２０を車体に対して車幅方向に移動させる構成になっている。

なお、図７に示される仮想円Ｃ１は、通常領域において前後スライド範囲のフロントモースト位置側に配置されたセカンドシート２０が垂直軸回りに回転された際の回転領域を示しており、図７に示される点Ｐ１は、仮想円Ｃ１の中心を示している。また、図７に示される仮想円Ｃ２は、通常領域において前後スライド範囲のリヤモースト位置側に配置されたセカンドシート２０が垂直軸回りに回転された際の回転領域を示しており、図７に示される点Ｐ２は、仮想円Ｃ２の中心を示している。また、図７に示される仮想円Ｃ３は、内方領域において前後スライド範囲のフロントモースト位置側に配置されたセカンドシート２０が垂直軸回りに回転された際の回転領域を示しており、図７に示される点Ｐ３は、仮想円Ｃ３の中心を示している。さらに、図７に示される仮想円Ｃ４は、内方領域において前後スライド範囲のリヤモースト位置側に配置されたセカンドシート２０が垂直軸回りに回転された際の回転領域を示しており、図７に示される点Ｐ４は、仮想円Ｃ４の中心を示している。

上記の仮想円Ｃ１、Ｃ２によって示されるように、セカンドシート２０が通常領域に配置された状態では、セカンドシート２０の垂直軸回りの回転が、閉状態のリヤサイドドア３４とセカンドシート２０との干渉によって制限される構成になっている。一方、上記の仮想円Ｃ３、Ｃ４によって示されるように、セカンドシート２０が内方領域に配置された状態では、セカンドシート２０が閉状態のリヤサイドドア３４と干渉せずに垂直軸回りに回転可能となる構成になっている。また、図７に示されるようにセンターコンソール２６がフロント位置に配置された状態では、セカンドシート２０の回転領域の外側にセンターコンソール２６が配置される構成になっている。

また、本実施形態では、図８に示されるように、前述したモータ３８、５２、６０、６８、７４が、モータ本体３８Ａ、５２Ａ、６０Ａ、６８Ａ、７４Ａと、エンコーダ３８Ｂ、５２Ｂ、６０Ｂ、６８Ｂ、７４Ｂとを備えている。モータ本体３８Ａ、５２Ａ、６０Ａ、６８Ａ、７４Ａ、及びエンコーダ３８Ｂ、５２Ｂ、６０Ｂ、６８Ｂ、７４Ｂは、それぞれ制御装置としてのＥＣＵに電気的に接続されている。このＥＣＵ７６は、例えばセカンドシート２０のシートクッション２０Ａに配設されている。このＥＣＵ７６は、バスを介して互いに接続された制御部、ＲＯＭ、ＲＡＭ、入出力インターフェース、駆動回路等を備えている。ＲＯＭには、モータ３８、５２、６０、６８、７４の作動を制御するためのプログラムが格納されている。また、このＥＣＵ７６には、リヤサイドドア３４の開閉状態を検出するドアセンサ７７が電気的に接続されている。

このＥＣＵ７６は、各エンコーダ３８Ｂ、５２Ｂ、６０Ｂ、６８Ｂ、７４Ｂの検出信号に基づいて、セカンドシート２０のシートバック２０Ｂの傾斜位置、セカンドシート２０の前後位置、セカンドシート２０の左右位置、セカンドシート２０の垂直軸回りの回転位置、及びセンターコンソール２６の前後位置を検知する。このＥＣＵ７６には、左斜め前向きモードスイッチ７８、右斜め前向きモードスイッチ８０、乗降モードスイッチ８２、対座モードスイッチ８４、及び斜め対座モードスイッチ８６が電気的に接続されている。上記各スイッチ７８、８０、８２、８４、８６の何れかが操作されると、ＥＣＵ７６の制御部が、ＲＯＭに格納されたプログラムを、ＲＡＭの一時記憶機能を利用しながら実行する。これにより、ＥＣＵ７６は、上記各スイッチのモードに応じた位置にセカンドシート２０を回転させるようになっている。

ここで、上記のＥＣＵ７６は、回転機構４４によりセカンドシート２０を回転させる場合、当該回転に先立って、横スライド機構４２によりセカンドシート２０を通常領域から内方領域へ移動させる構成になっている。また、このＥＣＵ７６は、横スライド機構４２によりセカンドシート２０を通常領域から内方領域へ移動させるのに先立って、センタースライド機構７２によりセンターコンソール２６をセカンドシート２０の回転領域の外側へ移動させる構成になっている。さらに、このＥＣＵ７６は、横スライド機構４２によりセカンドシート２０を通常領域から内方領域へ移動させるのに先立って、前後スライド機構４０によりセカンドシート２０を前後基準位置へ移動させると共に、リクライニング機構によりシートバック２０Ｂを傾斜基準位置へ移動させる構成になっている。

以下、左斜め前向きモードスイッチ７８が操作された場合におけるＥＣＵ７６の制御につき、図９に示されるフローチャートを用いて説明する。なお、この図９は、センターコンソール２６がセカンド位置（図１に示される位置）に配置されると共に、セカンドシート２０のシートバック２０Ｂが図１０Ａに示されるようにリクライニングされた状態で、左斜め前向きモードスイッチ７８が操作された場合のＥＣＵ７６の制御フローを示している。先ずステップＳ１では、ＥＣＵ７６は、左斜め前向きモードスイッチ７８からＯＮ信号が出力されたか否かを判断する。否定判断の場合はステップＳ１での処理を継続し、肯定判断の場合はステップＳ２に移行する。

ステップＳ２では、ＥＣＵ７６は、センタースライド機構７２のモータ７４を作動させ、センターコンソール２６をセカンド位置からフロント位置へスライドさせる（図１０Ａ参照）。このステップＳ２での処理が完了すると、ステップＳ３に移行する。

ステップＳ３では、ＥＣＵ７６は、前後スライド機構４０のモータ５２を作動させ、予め設定された第１の前後基準位置（図１０Ｂに実線で示される位置）へセカンドシート２０をスライドさせる。このステップＳ３での処理が完了すると、ステップＳ４に移行する。なお、図１０Ｂ〜図１１Ｅでは、図面を見易くするために、前後スライド機構４０、センタースライド機構７２等の図示を省略している。

ステップＳ４では、ＥＣＵ７６は、リクライニング機構３６のモータ３８を作動させ、予め設定された傾斜基準位置（図１０Ｃに実線で示される位置）へシートバック２０Ｂを傾動させる。このステップＳ４での処理が完了すると、ステップＳ５に移行する。

ステップＳ５では、ＥＣＵ７６は、横スライド機構４２のモータ６０を作動させ、セカンドシート２０を通常領域から内方領域へスライドさせる（図１０Ｄ参照）。このステップＳ５での処理が完了すると、ステップＳ６に移行する。

ステップＳ６では、ＥＣＵ７６は、回転機構４４のモータ６８を作動させ、セカンドシート２０を左斜め前向き位置（図１０Ｅに実線で示される位置）へ回転させる。このステップＳ６での処理が完了すると、制御プログラムが終了される。

なお、操作されたスイッチが左斜め前向きモードスイッチ７８ではなく、右斜め前向きモードスイッチ８０の場合、ＥＣＵ７６は、ステップＳ１〜Ｓ５において、左斜め前向きモードスイッチ７８が操作された場合と同様の処理を行う。その後、ＥＣＵ７６は、ステップＳ６においてセカンドシート２０を右斜め前向き位置（図１０Ｆに実線で示される位置）へ回転させる。なおこの場合、本実施形態では、ステップＳ５におけるセカンドシート２０の車幅方向内方への移動量が、左斜め前向きモードスイッチ７８が操作された場合よりも小さくされる。

また、操作されたスイッチが乗降モードスイッチ８２の場合、ＥＣＵ７６は、ステップＳ１〜Ｓ５において、左斜め前向きモードスイッチ７８が操作された場合と同様の処理を行う。その後、ＥＣＵ７６は、ステップＳ６においてセカンドシート２０を乗降位置（図１０Ｇに実線で示される位置）へ回転させる。なおこの場合、本実施形態では、ステップＳ５におけるセカンドシート２０の車幅方向内方への移動量が、右斜め前向きモードスイッチ８０が操作された場合よりも小さくされる。この点は、対座モードスイッチ８４及び斜め対座モードスイッチ８６が操作された場合も同様である。また、ＥＣＵ７６は、リヤサイドドア３４が開いていることをドアセンサ７７が検出している状態でのみ、乗降モードスイッチ８２の操作を有効にする構成になっている。

また、操作されたスイッチが対座モードスイッチ８４の場合、ＥＣＵ７６は、ステップＳ１〜Ｓ２の処理を行った後、ステップＳ３において、左斜め前向きモードスイッチ７８が操作された場合とは異なる第２の前後基準位置（図１１Ａに実線で示される位置）へセカンドシート２０を移動させる。次いで、ＥＣＵ７６は、ステップＳ４〜Ｓ５において、左斜め前向きモードスイッチ７８が操作された場合と同様の処理を行う（図１１Ｂ及び図１１Ｃ参照）。その後、ＥＣＵ７６は、ステップＳ６においてセカンドシート２０を対座位置（図１１Ｄに実線で示される位置）へ回転させる。

また、操作されたスイッチが斜め対座モードスイッチ８６の場合、ＥＣＵ７６は、ステップＳ１〜Ｓ５において、対座モードスイッチ８４が操作された場合と同様の処理を行う。その後、ＥＣＵ７６は、ステップＳ６においてセカンドシート２０を斜め対座位置（図１１Ｅに実線で示される位置）へ回転させる。

次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。

上記構成の車両用シート装置１０では、ＥＣＵ７６は、リヤサイドドア３４に対して車幅方向内方に配置されたセカンドシート２０を、回転機構４４により車体に対して垂直軸回りに回転させる場合、当該回転に先立って、横スライド機構４２によりセカンドシート２０を通常領域から内方領域へ移動させる。

上記の通常領域にセカンドシート２０が配置された状態では、セカンドシート２０の垂直軸回りの回転が閉状態のリヤサイドドア３４とセカンドシート２０との干渉によって制限される（図７の仮想円Ｃ１、Ｃ２参照）。一方、上記の内方領域にセカンドシート２０が配置された状態では、セカンドシート２０が閉状態のリヤサイドドア３４と干渉せずに垂直軸回りに回転可能となる（図７の仮想円Ｃ３、Ｃ４参照）。このため、上記のようにセカンドシート２０が内方領域へ移動されてから垂直軸回りに回転されることにより、セカンドシート２０とリヤサイドドア３４との干渉が防止される。しかも、セカンドシート２０が通常時に配置される通常領域に対して車幅方向内方のみに車幅方向移動（横スライド）用のスペースを確保すれば良いので、セカンドシート２０の幅寸法（図１の矢印Ｗ参照）を確保し易くなる。

また、本実施形態では、通常領域に位置するセカンドシート２０に対して車幅方向内方に配置されるセンターコンソール２６と、センターコンソール２６をセカンドシート２０の回転領域の外側のフロント位置へ移動させるセンタースライド機構７２と、を備えている。そして、ＥＣＵ７６は、横スライド機構４２によりセカンドシート２０を通常領域から内方領域へ移動させるのに先立って、センタースライド機構７２によりセンターコンソール２６をセカンドシート２０の回転領域の外側へ移動させる。これにより、センターコンソール２６を備えた構成であっても、リヤサイドドア３４の閉状態でセカンドシート２０を垂直軸回りに回転させることが可能になる。

さらに、本実施形態では、セカンドシート２０を車体に対して前後方向に移動させると共に、前後方向の移動範囲内に第１の前後基準位置及び第２の前後基準位置が設定された前後スライド機構４０と、セカンドシート２０のシートバック２０Ｂをシートクッション２０Ａに対して傾動させると共に、シートバック２０Ｂの傾動範囲内に傾斜基準位置が設定されたリクライニング機構３６と、を備えている。そして、ＥＣＵ７６は、横スライド機構４２によりセカンドシート２０を通常領域から内方領域へ移動させるのに先立って、前後スライド機構４０によりセカンドシート２０を前後基準位置へ移動させると共に、リクライニング機構によりシートバック２０Ｂを傾斜基準位置へ移動させる。つまり、セカンドシート２０の前後位置及びシートバック２０Ｂの傾斜位置が特定の位置に調整された後で、セカンドシート２０が車幅方向に移動される。このため、セカンドシート２０の前後位置及びシートバック２０Ｂの傾斜位置が不特定の状態でセカンドシート２０が車幅方向へ移動される構成と比較して、セカンドシート２０と周囲物との干渉を防止し易くなる。

なお、本実施形態は、センターコンソール２６及びセンタースライド機構７２を備えた構成にしたが、これに限るものではない。例えば、センターコンソール２６及びセンタースライド機構７２が省略され、フロントシート１４、１６の間及び左右のセカンドシート１８、２０の間のスペースが、ウォークスルー用のスペースとされた構成にしてもよい。

また、本実施形態では、センターコンソール２６が障害物とされた構成にしたが、これに限らず、例えばセンターシートが障害物とされた構成にしてもよい。その場合、センターシートが左右のフロントシート１４、１６の間に配置された状態では、左右のフロントシート１４、１６とセンターシートとによって３人掛けのシートが形成される一方、センターシートが左右のセカンドシート１８、２０間に配置された状態では、左右のセカンドシート２０とセンターシートとによって３人掛けのシートが形成される構成になる。

また、本実施形態では、モータ３８、５２、６０、６８、７４がエンコーダ３８Ｂ、５２Ｂ、６０Ｂ、６８Ｂ、７４Ｂを備え、ＥＣＵ７６が各エンコーダ３８Ｂ、５２Ｂ、６０Ｂ、６８Ｂ、７４Ｂの検出信号に基づいて、シートバック２０Ｂの傾斜位置、セカンドシート２０の前後位置、セカンドシート２０の左右位置、セカンドシート２０の垂直軸回りの回転位置、及びセンターコンソール２６の前後位置を検知する構成にしたが、これに限るものではない。上記各位置を検出するためにセンサ、カメラ又はスイッチ等を用いる構成にしてもよい。

また、本実施形態において、セカンドシート２０のシートクッション２０Ａの前端部に対して水平軸回りに回転可能に支持されたオットマンと、当該オットマンをシートクッション２０Ａに対して水平軸回りに回転させるオットマン回転機構とを更に備えた構成にしてもよい。その場合、例えばＥＣＵ７６がステップＳ４においてシートバック２０Ｂを傾斜基準位置へ移動させる際に、オットマンを格納位置（シートクッション２０Ａの前端部から下方側へ垂下する位置）へ移動させる構成になる。

また、本実施形態では、車両１２の右側に配置されたセカンドシート２０が本発明に係る「シート」とされた構成にしたが、これに限らず、車両１２の左側に配置されたセカンドシート２０が本発明に係る「シート」とされた構成にしてもよいし、フロントシート１４、１６及びサードシート２２、２４のうちの全部又は何れかが本発明に係る「シート」とされた構成にしてもよい。

さらに、本実施形態では、本発明に係る車両用シート装置がミニバンタイプの自動車に適用された構成にしたが、これに限らず、本発明に係る車両用シート装置はミニバンタイプ以外の自動車にも適用可能である。

その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは勿論である。

１０車両用シート装置
１２車両
２０セカンドシート（シート）
２０Ａシートクッション
２０Ｂシートバック
２６センターコンソール（障害物）
３４リヤサイドドア（サイドドア）
３６リクライニング機構
４０前後スライド機構（前後移動機構）
４２横スライド機構（横移動機構）
４４回転機構
７２センタースライド機構（障害物移動機構）
７６ＥＣＵ（制御装置）

Claims

車両のサイドドアに対して車幅方向内方に配置されるシートと、
前記シートを車体に対して垂直軸回りに回転させる回転機構と、
前記シートが通常時に配置されると共に前記垂直軸回りの回転が閉状態の前記サイドドアと前記シートとの干渉によって制限される通常領域と当該通常領域に対して車幅方向内方に設定されると共に前記シートが閉状態の前記サイドドアと干渉せずに前記垂直軸回りに回転可能となる内方領域との間で前記シートを車体に対して車幅方向に移動させる横移動機構と、
前記回転機構により前記シートを回転させる場合、当該回転に先立って、前記横移動機構により前記シートを前記通常領域から前記内方領域へ移動させる制御装置と、
を備えた車両用シート装置。
前記通常領域に位置する前記シートに対して車幅方向内方に配置される障害物と、
前記障害物を前記シートの回転領域の外側へ移動させる障害物移動機構と、
を更に備え、
前記制御装置は、前記横移動機構により前記シートを前記通常領域から前記内方領域へ移動させるのに先立って、前記障害物移動機構により前記障害物を前記回転領域の外側へ移動させる請求項１に記載の車両用シート装置。
前記シートを車体に対して前後方向に移動させると共に、前後方向の移動範囲内に前後基準位置が設定された前後移動機構と、
前記シートのシートバックを前記シートのシートクッションに対して傾動させると共に、前記シートバックの傾動範囲内に傾斜基準位置が設定されたリクライニング機構と、
を更に備え、
前記制御装置は、前記横移動機構により前記シートを前記通常領域から前記内方領域へ移動させるのに先立って、前記前後移動機構により前記シートを前記前後基準位置へ移動させると共に、前記リクライニング機構により前記シートバックを前記傾斜基準位置へ移動させる請求項１又は請求項２に記載の車両用シート装置。