JP2017176049A - 植生マット及び法面緑化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】土壌をその土地に生息する自然植生植物でより効率的に緑化することが可能である植生マットを提供する。【解決手段】自然植生植物で緑化すべき土壌の表面に敷設される植生マット100は、緑化すべき土壌の自然環境に対応する埋土種子111を含む現地発生土106を収容した第1収容部102と、第1収容部102と異なる位置で人工土107を収容した第2収容部103と、を備え、人工土を内包する第2収容部103よりも先に現地発生土を内包する第1収容部102から自然植生植物Pが発芽及び成長する。【選択図】図5

Description

本発明は、法面を緑化するための植生マット、法面植生構造及び法面緑化方法に関する。
各種法面等の施工面においては、その緑化を積極的に行って、法面等の美化と共に土砂の流失を防止することが行われている。昨今の傾向として、土地又は地域ごとの自然環境における生物多様性を保護することが重要となっている。すなわち、工事目的における法面の表面及び表層の土砂流失防止の目的に加えて、施工場所の植生環境を保護することが同時に求められている。例えば、人工土等に洋芝などの外来植物の種を含ませて施工面を緑化すると、外来種の繁茂によって自然環境が変化するので、環境保護の観点から好ましくないといえる。よって、各地域において法面等を緑化する際、外来植物でなく、その土地(又は地域)に元来生息する自然植生植物を使用して法面等を緑化することが求められている。そして、外来植物を使用せずに在来の自然植生植物で土壌を緑化する様々な試みが為されている。
例えば、特許文献1の飛散種子捕捉用の植生マットは、ジュート、綿、あるいはパルプ等の自然繊維からなるマット基材(11)に、内側壁面(12a)が法面(20)の設置面(21)に対して立ち上がることになる捕捉開口(12)を多数形成するとともに、マット基材(11)の表面または裏面に補強網(13)を一体化し、さらに、マット基材(11)の裏面側に流亡防止シート(14)を一体化したものである。各捕捉開口(12)が法面(20)上に開口していると、飛散してきた種子(30)の一部が、捕捉開口(12)内に入る、つまり捕捉される。すなわち、当該植生マット(10)は最初から植生植物の種子(30)を有していないものであって、施工後に外から飛散してきた種子(30)、つまりその施工箇所の近傍に生育していた植物の種子(30)を捕捉する。その結果、自然植生植物を植生植物として有効に利用でき、外来植物の使用を中止できるのである。なお、()内に特許文献1の符号を示した。
特許第4767040号公報
しかしながら、特許文献1の植生マットを利用した緑化方法では、施工面の緑化において、敷設した後に在来植物の種子の飛来を待たなければならない。それ故、自然植生植物が発芽し、根を張るまでにある程度の時間を要する。そして、このように飛来した種子は、特に施工面が法面である場合には、降雨によって施工面から流出しやすいため、安定して自然植生植物を定着させることが困難である。すなわち、従来の方法では、施工面の緑化に多くの時間がかかることが問題であった。これに対し、緑化にかかる時間を短縮するために、その土地(又は地域)から採取した現地発生土を施工面に敷き詰めることが提案されている。しかしながら、現地発生土の大量の採取が環境破壊につながるため、現地発生土の使用量が限られている。よって、施工面全てに貴重な現地発生土を敷設することは現実的に難しく、自然植生植物のみで施工面を迅速に緑化することが困難であった。
本発明は、上記欠点を解決するためになされたものであり、その目的は、土壌をその土地に生息する自然植生植物でより効率的に緑化することが可能である植生マット、及び、法面緑化方法を提供することにある。
請求項1に記載の植生マットは、自然植生植物で緑化すべき土壌に敷設される植生マットであって、
前記緑化すべき土壌の自然環境に対応する埋土種子を含む現地発生土を収容した第1収容部と、
前記第1収容部と異なる位置で人工土を収容した第2収容部と、を備え、
前記人工土を内包する前記第2収容部よりも先に前記現地発生土を内包する前記第1収容部から自然植生植物が発芽及び成長することを特徴とする。
請求項2に記載の植生マットは、請求項1に記載の植生マットにおいて、第1及び第2収容部は、長手方向に延伸する網状の長筒体から構成され、前記現地発生土又は前記人工土を収容する植生袋を保持可能に構成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の植生マットは、請求項1又は2に記載の植生マットにおいて、前記長筒体は、目が粗い粗部、及び、目が細かい密部を組み合わせてなり、前記粗部は、前記植生マットの平面視において、前記長筒体の長手方向に直交する幅方向の一端側に偏って形成されており、
前記植生マットは、法面に敷設されたときに、前記粗部が前記法面の法肩側に位置し、前記密部が前記法面の法尻側に位置するように敷設可能であることを特徴とする。
請求項4に記載の植生マットは、自然植生植物で緑化すべき土壌に敷設される植生マットであって、
前記緑化すべき土壌の自然環境に対応する埋土種子を含む現地発生土を収容する第1収容部と、
前記第1収容部と異なる位置で人工土を収容する第2収容部と、を備え、
前記第1収容部は、前記植生マット表面と、前記植生マットに取着され、前記植生マット表面を覆う網状の蓋体とによって定められていることを特徴とする。
請求項5に記載の植生マットは、請求項4に記載の植生マットにおいて、前記蓋体は、前記植生マット表面に回動式に開閉自在に取着されていることを特徴とする。
請求項6に記載の植生マットは、請求項4又は5に記載の植生マットにおいて、前記蓋体は、剛性の合成樹脂からなることを特徴とする。
請求項7に記載の法面緑化方法は、法面を自然植生植物で緑化するための法面緑化方法であって、
前記緑化すべき土壌に対応する自然環境から埋土種子を含む現地発生土を採取する工程と、
前記法面上の一部に前記現地発生土を配置した第1領域を形成する工程と、
前記第1領域を形成する工程に前後して、前記法面上の一部で前記第1領域と異なる位置に、人工土を配置した第2領域を形成する工程と、を含み、
前記第2領域よりも先に前記第1領域から植生植物が発芽及び成長することを特徴とする。
請求項8に記載の法面緑化方法は、請求項7に記載の方法において、前記現地発生土を収容する第1収容部、及び、前記人工土を収容する第2収容部を備える植生マットを敷設する工程をさらに含み、
前記第1収容部に前記現地発生土を収容することにより、前記第1領域を形成し、前記第2収容部に前記人工土を収容することにより、前記第2領域を形成することを特徴とする。
請求項9に記載の法面緑化方法は、請求項8に記載の方法において、前記第1及び第2収容部は、長手方向に延伸する網状の長筒体から構成され、水解性又は生分解性の植生袋を保持可能に構成され、
前記長筒体は、目が粗い粗部、及び、目が細かい密部を組み合わせてなり、前記粗部は、前記植生マットの平面視において、前記長筒体の長手方向に直交する幅方向の一端側に偏って形成されており、
前記粗部が前記法面の法肩側に位置するとともに前記密部が前記法面の法尻側に位置するように、前記植生マットを前記法面上に敷設することを特徴とする。
請求項10に記載の法面緑化方法は、請求項7から9のいずれか一項に記載の方法において、前記第1領域の下側に、前記現地発生土を堰き止めるための堰止体を設ける工程をさらに含むことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、植生マットは、緑化すべき土壌の環境に対応する現地発生土を収容した第1収容部と、人工土を収容した第2収容部とを備えることを特徴とする。すなわち、第1収容部に収容された現地発生土は自然植生植物の種子を一定量含有しているので、種子が飛来するのを待つことなく、人工土よりも先に現地発生土に自然植生植物を発芽及び成長させることができる。また、植生マット上に、現地発生土の領域に加えて人工土の領域を形成したことにより、現地発生土の使用量を抑えつつ、法面を効率的且つ安定的に自然植生植物のみで緑化することができる。具体的には、植生マット上において現地発生土の領域で相対的に早く自然植生植物が成長するので、人工土に隣接して自然植生植物の壁が形成される。そして、現地発生土で壁の如く成長した自然植生植物は、飛来種子を捕捉して人工土に導いたり、人工土の飛来種子の流出を抑制するように機能する。したがって、本発明の植生マットは、土壌表面をその土地に生息する自然植生植物でより効率的に緑化することが可能である。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、網状の長筒体からなる収容部に、現地発生土又は人工土を含む植生袋を挿入することにより、植生マット上に現地発生土又は人工土の領域を簡単に形成することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果に加えて、粗密部が収容部の幅方向(長手方向に直交する方向)において偏って形成されていることにより、網状長筒体の粗部が法面の法肩(上方)側に位置し、網状長筒体の密部が法面の法尻(下方)側に位置するように植生マットを法面に配置可能である。すなわち、法面の法肩側の網目が粗いので、飛来種子を捕捉し易く、且つ、植物の発芽及び成長がネットによって邪魔されることがない。他方、法面の法尻側の網目が細かいので、種子等を含む現地発生土及び人工土の流出を抑え、現地発生土及び人工土をより安定的に保持することが可能である。
請求項4に記載の発明によれば、植生マットは、緑化すべき土壌の環境に対応する現地発生土を収容する第1収容部と、人工土を収容する第2収容部とを備えることを特徴とする。すなわち、第1収容部に収容される現地発生土は自然植生植物の種子を一定量含有しているので、種子が飛来するのを待つことなく、人工土よりも先に現地発生土に自然植生植物を発芽及び成長させることができる。また、植生マット上に、現地発生土の領域に加えて人工土の領域を形成することにより、現地発生土の使用量を抑えつつ、法面を効率的且つ安定的に自然植生植物のみで緑化することができる。具体的には、植生マット上において現地発生土の領域で相対的に早く自然植生植物が成長するので、人工土に隣接して自然植生植物の壁が形成される。そして、現地発生土で壁の如く成長した自然植生植物は、飛来種子を捕捉して人工土に導いたり、人工土の飛来種子の流出を抑制するように機能する。さらに、第1収容部には、植生マットを覆う網状の蓋体が設けられている。該蓋体の内側に現地発生土(又は現地発生土を含む植生袋)を配置することにより、現地発生土を無駄にすることなく第1収容部に安定的に留めることが可能である。したがって、本発明の植生マットは、土壌表面をその土地に生息する自然植生植物でより効率的に緑化することが可能である。
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明の効果に加えて、蓋体が回動式に開閉自在であることにより、蓋体を開放させた状態で第1収容部に現地発生土を配置し、そして、蓋体を閉塞することで第1収容部に現地発生土を簡単に配置することができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項4又は5に記載の発明の効果に加えて、硬質(剛性)な合成樹脂からなることにより、植生マット上に現地発生土を収容する第1収容部を安定的に確保することができる。
請求項7に記載の発明によれば、法面緑化方法は、法面上の一部に現地発生土を配置した第1領域と、法面上の一部で第1領域と異なる位置に、人工土を配置した第2領域を形成することを特徴とする。すなわち、第1領域の現地発生土は自然植生植物の種子を一定量含有しているので、種子が飛来するのを待つことなく、人工土よりも先に自然植生植物を発芽及び成長させることができる。また、法面上に、現地発生土の第1領域に加えて人工土の第2領域を形成したことにより、現地発生土の使用量を抑えつつ、法面を効率的且つ安定的に自然植生植物のみで緑化することができる。具体的には、法面上において現地発生土の第1領域で相対的に早く自然植生植物が発芽及び成長するので、人工土に隣接した自然植生植物の壁が形成される。そして、現地発生土で壁の如く成長した自然植生植物は、飛来種子を捕捉して人工土に導いたり、人工土の飛来種子の流出を抑制するように機能する。したがって、本発明の法面緑化方法は、土壌表面をその土地に生息する自然植生植物でより効率的に緑化することが可能である。
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明の効果に加えて、現地発生土を収容する第1収容部、及び、人工土を収容する第2収容部を備える植生マットを敷設することにより、第1領域及び第2領域を法面上に簡単に形成すること可能である。
請求項9に記載の発明によれば、請求項8に記載の発明の効果に加えて、網状の長筒体からなる収容部に、現地発生土又は人工土を含む植生袋を挿入することにより、植生マット上に第1及び第2領域を簡単に形成することができる。さらに、粗密部が収容部の幅方向(長手方向に直交する方向)において偏って形成され、網状長筒体の粗部が法面の法肩側に位置し、網状長筒体の密部が法面の法尻側に位置するように植生マットを法面に配置する。すなわち、法面の法肩側の網目が粗いので、飛来種子を捕捉し易く、且つ、植物の発芽及び成長がネットによって邪魔されることがない。他方、法面の法尻側の網目が細かいので、種子等を含む現地発生土及び人工土の流出を抑え、現地発生土及び人工土をより安定的に保持することが可能である。
請求項10に記載の発明によれば、請求項7から9のいずれかに記載の発明の効果に加えて、第1収容部の法尻側に堰止体を設けることにより、現地発生土を堰止体によって堰き止め、現地発生土が流出することを抑えることができる。
本発明の一実施形態の植生マットの概略斜視図。 図1の植生マットの部分拡大斜視図。 図1の植生マットの概略断面図。 図1の植生マットを設置した法面植生構造の第1段階(設置直後であり、且つ降雨後の段階)を示す模式図。 図1の植生マットを設置した法面植生構造の第2段階(現地発生土の第1領域から自然植生植物が発芽した段階)を示す模式図。 図1の植生マットを設置した法面植生構造の第3段階(現地発生土の第1領域の自然植生植物の成長に加えて、人工土の第2領域に自然植生植物が発芽した段階)を示す模式図。 本発明の別実施形態の植生マットの一部の概略斜視図。 図7の植生マットの概略断面図。 図7の植生マットを設置した法面植生構造を示す模式図。 本発明の別実施形態の法面緑化方法によって構築された法面植生構造を示す模式図。 本発明の別実施形態の法面緑化方法によって構築された法面植生構造を示す模式図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。
[第1実施形態]
図1は、本発明の一実施形態の植生マット100の概略斜視図である。この植生マット100は、縦横所定の大きさ及び所定の厚みを有する柔軟な平面長手状のマットである。当該植生マット100は、不織布シートからなるマット状の基部101に、縦糸及び横糸を略直交に編み込んで形成したネット体を貼り合わせたものである。本実施形態では、植生マット100が法面に敷設されたときに法面の傾斜方向に沿う方向を「縦」方向とし、法面の等高線方向に沿う方向を「横」方向として定義する。さらに、植生マット100が法面に敷設されたときに法面の法肩側(上方又は高所側)に配置される側を「上」位置とし、法面の法尻側(下方又は低所側)に配置される側を「下」位置として定義する。
図1に示すとおり、本実施形態の植生マット100は、マット状の基部101と、該基部101に形成され、緑化すべき土壌(法面G)の自然環境に対応する埋土種子111を含む現地発生土106を収容した第1収容部102と、該基部101に形成され、人工土107を収容した第2収容部103とを備える。現地発生土106は、法面Gの近隣の土地又は地域の土壌から採取されたものである。一般に、環境保全のため、現地発生土106は土壌の表層10cm程度からしか採取することができない。それ故、現地発生土106は、その量に限りがあり、非常に貴重である。他方、人工土107は、ホームセンター等の市場で購入可能である一般的な培土や基材であり、その種類等は特に制限されない。
図2は、図1の植生マット100の部分拡大図である。図2に示すとおり、第1及び第2収容部102,103は、長手方向に延伸する網状の長筒体から構成され、植生袋108を保持可能に構成されている。人工土107を内包する植生袋108は、水解性又は生分解性の袋や、土の流出を防止するとともに通芽性及び通根性を有する目の細かいネットから選択され得る。他方、現地発生土106を内包する植生袋108は、目の細かいネットであることが好ましく、特に水解性でないことが好ましい。なぜなら、採取した現地発生土106は一般的に水分を多く含んでおり、第1収容部102に設置する前に植生袋108が簡単に破けてしまう虞があるからである。網状の長筒体は、縦方向に位置する複数の縦糸と、該縦糸を連結する横糸とにより構成されて、横糸を表裏に分割してこれら各横糸のそれぞれに各縦糸を横方向に対して交互に編み込むことにより筒状を形成したものである。長筒体は、2枚のネットが重ね合わされた袋状に形成されている。そして、長筒体は、その長手方向が植生マット100の横方向に沿うように一端から他端に亘って延在している。該長筒体の長手方向の端部の一端又は両端が開口し、筒状の植生袋108を挿入可能に構成されている。
また、長筒体は、目が粗い粗部104、及び、目が細かい密部105を組み合わせてなる。なお、粗部104及び密部105は、縦横両方又はいずれかの目の大きさが相対的に異なる領域として定められている。粗部104は、植生マット100の平面視において、長筒体の長手方向に直交する幅方向の一端側に偏って形成されている。特には、マット平面における縦方向の略上側半分を粗部104が占め、残りの略下側半分を密部105が占めている。これにより、後述するとおり、植生マット100が法面Gに敷設されたときに、長筒体の外周の一部を占める粗部104が植生マット100の上側に位置し、長筒体の外周の残りを占める密部105が下側に位置する。本実施形態では、粗部104の目合いの大きさが、縦横約20mm×約12.5mmであり、密部105の目合いの大きさが、縦横約3mm×約12.5mmであるが、本発明は特定の寸法に限定されるものではない。
図3は、植生マット100の概略断面図である。図3に示すように、現地発生土106及び人工土107は、筒状の植生袋108に個別に充填されている。現地発生土106及び人工土107を保持する各植生袋108が第1及び第2収容部102,103にそれぞれ区別されて挿入されている。そして、植生マット100の縦方向に沿って現地発生土106のみを収容する第1収容部102及び人工土107のみを収納する第2収容部103が規則的に並んでいる。本実施形態では、現地発生土106を収容する第1収容部102と、人工土107を収納する第2収容部103との割合が1:2である。つまり、植生マット100上には、現地発生土106による第1領域に対して、人工土107による第2領域が2倍の面積で形成される。現地発生土106の使用量の節約、及び、法面Gの緑化促進の観点から、本実施形態のような割合が好ましい。しかしながら、第1収容部102(現地発生土106)及び第2収容部103(人工土107)の割合は、入手できた現地発生土106の量などに応じて任意に変更されてもよい。また、本実施形態の植生マット100では、第1収容部102及び第2収容部103が植生マット100の上下方向に並んでいるが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明の変形例において、第1収容部(第1領域)及び第2収容部(第2領域)を植生マットの左右方向に交互に並べてもよい。
次に、本実施形態の法面植生構造10を構築して法面Gを自然植生植物で緑化するための法面緑化方法について説明する。まず、法面G(緑化すべき土壌)に対応する自然環境から現地発生土106を採取する。現地発生土106及び人工土107をそれぞれ異なる植生袋108に充填する。次に、植生マット100を法面Gに敷設してアンカー等で固定する。このとき、第1及び第2収容部102、103の長筒体の長手方向が法面Gの傾斜方向に略直交し、尚且つ、長筒体の粗部104が法面Gの法肩側に位置するように、植生マット100を配置する。そして、現地発生土106を充填した植生袋108を植生マット100の第1収容部102に収容し、且つ、人工土107を充填した植生袋108を植生マット100の第2収容部103に収容する。こうして、法面G上の一部に現地発生土106を配置した第1領域(第1収容部)102を形成し、法面G上の一部で第1領域102と異なる位置に、人工土107を配置した第2領域(第2収容部)103を形成する。なお、第1及び第2収容部102、103に現地発生土106及び人工土107を収容した上で植生マット100を法面Gに固定してもよい。すなわち、本発明の法面緑化方法において、施工者が現地で第1領域及び第2領域を法面上に直接形成してもよいし、あるいは、工場などで予め現地発生土及び人工土を第1収容部及び第2収容部にそれぞれ充填した植生マットを準備してもよい。
続いて、図4乃至図6を参照して、本実施形態の植生マット100を法面Gに設置した法面植生構造10の実際の観察に基づいた経時変化について説明する。
図4は、法面植生構造10の第1段階を示す模式図である。図4の法面植生構造10では、植生マット100を法面Gに設置した直後であり、且つ、降雨によって植生袋108が分解している。この第1段階では、現地発生土106が自然植生植物Pの埋土種子111を含んでいるのに対し、人工土107には種子等が含まれていない。自然植生植物Pは、例えば、ヨモギ、ススキ、メドハギ、カヤ、イタドリ、ヤハズ、ダケカンバ等の草花、草木であり、一般にその土地に生息する多種多様な自然植生植物である。
図4に示すように、法面Pの法肩側に粗部104が配置され、法面Pの法尻側に密部105が配置されている。各収容部102、103の下側約半分の網目を、上側約半分のそれに対して細かくして、この長筒体の下側約半分によって内容物(現地発生土106及び人工土107)を保持するようにしたので、植生袋108が破れたり消失しても、内容物が保留されたままとなるのである。つまり、網目を細かく形成した下側約半分の密部105が内容物を法面Gから落下させないで受け止める。他方、法面Pの法肩側の網目が粗いので、飛来種子112を捕捉し易く、且つ、自然植生植物Pの発芽及び成長がネットによって邪魔されることがない。
図5は、法面植生構造10の第2段階を示す模式図である。図5の法面植生構造10では、第1段階から1ヶ月程度経過し、現地発生土106による第1領域102の埋土種子111から自然植生植物Pが発芽及び成長しているが、人工土107による第2領域103からは未だ自然植生植物Pが発芽していない。つまり、現地発生土106には自然植生植物Pの埋土種子111が予め含まれているので、人工土107よりも先に現地発生土106から植生植物Pが発芽及び成長する。そして、人工土107の第2領域103に隣接して自然植生植物Pの「壁」が形成される。この自然植生植物Pの「壁」により、飛来種子112の第2領域103への捕捉が容易となり、且つ、第2領域103上に捕捉した飛来種子112が流出することが抑えられている。
図6は、法面植生構造10の第3段階を示す模式図である。図6の法面植生構造10では、第2段階からさらに1ヶ月程度経過し、第1領域102の自然植生植物Pが繁茂し、人工土107による第2領域103で飛来種子112から自然植生植物Pが発芽及び成長している。本発明との比較として、一般的に、人工土のみを含む植生マットを敷設した場合、飛来種子を捕捉して該自然植生植物Pを第3段階のように発芽及び成長させるまで、第1段階から3ヶ月以上の月日を要する。また、発芽、成長した自然植生植物もまばらになり、安定した法面緑化が容易ではない。なぜなら、飛来した種子が降雨等により流出し易く、マット上に安定的に維持することが難しいからである。これに対し、本発明では、現地発生土106による第1領域102の埋土種子111から自然植生植物Pを迅速に発芽及び成長させ、該自然植生植物Pの「壁」が飛来種子112の捕捉及び保持を促進することにより、第2領域103の発芽及び成長に要する期間までもを短縮することができる。その結果、第3段階の法面植生構造10では、第1及び第2領域102,103の間で自然植生植物Pの成長の度合いに差異があるが、法面G全体が自然植生植物Pのみによって緑化されている。さらなる経時によって、第2領域103の自然植生植物Pが繁茂して、第1領域102と第2領域103の区別が付かなくなる。こうして、法面Gの自然植生植物Pのみによる緑化が完了する。
以下、本発明の一実施形態の植生マット100及び法面緑化方法の作用効果について説明する。
本実施形態によれば、植生マット100は、緑化すべき法面Pの環境に対応する現地発生土106を収容した第1収容部102と、人工土107を収容した第2収容部103とを備えることを特徴とする。すなわち、第1収容部102に収容された現地発生土106は自然植生植物Pの埋土種子111を一定量含有しているので、飛来種子112を待つことなく、人工土107よりも先に現地発生土106に自然植生植物Pを発芽及び成長させることができる。また、植生マット100上に、現地発生土106の第1領域102に加えて人工土107の第2領域103を形成したことにより、貴重な現地発生土106の使用量を節約しつつ、法面Gを効率的且つ安定的に自然植生植物Pのみで緑化することができる。具体的には、植生マット100上において現地発生土106の第1領域102で相対的に早く自然植生植物Pが発芽及び成長するので、人工土107に隣接して自然植生植物Pの「壁」が形成される。そして、現地発生土106で壁の如く成長した自然植生植物Pは、飛来種子112を捕捉して第2領域103に導いたり、第2領域103上の飛来種子112の流出を抑制するように機能する。したがって、本実施形態の植生マット100及び法面緑化方法は、法面Pをその土地に生息する自然植生植物Pでより効率的且つ迅速に緑化することが可能である。
[第2実施形態]
次に、図7〜図9を参照して、本発明の別実施形態の植生マット200について説明する。図7は、本発明の第2実施形態の植生マット200の概略斜視図である。図8は、該植生マット200の概略断面図である。図9は、該植物育成装置200を設置した法面植生構造20を示す模式図である。なお、図面において、三桁で示される構成要素における下二桁が共通する構成要素に関しては、特別な説明がない限り、同一又は類似の特徴を有する。
図7に示すとおり、植生マット200は、マット状の基部201と、該基部201に形成された現地発生土206を収容する第1収容部202と、該基部201に形成され、第1収容部202と異なる位置で人工土207を収容する第2収容部203と、を備える。本実施形態では、第1収容部202は、植生マット200(又は基部201)表面と、基部201に取着され、該植生マット200表面を覆う網状の蓋体209とによって定められている。他方、第2収容部203は、第1実施形態と同じく、粗部204及び密部205を有する長手方向に延伸する網状の長筒体からなる。
蓋体209は、剛性(硬質)の合成樹脂からなる。より具体的には、蓋体209は、合成樹脂で一体成形された所謂「編まないネット」として形成されているため、線材を編んで形成したネットよりも強度及び耐久性が高い。このようなネットは、ネトロン(登録商標)シートとして呼称されている。本実施形態では、合成樹脂として、剛性及び加工性に優れた高密度ポリエチレン(HDPE)を用いた。しかしながら、本発明はこれに限定されず、当業者であれば、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ABS樹脂等の可撓性及び弾性を有する他の合成樹脂を任意に選択可能である。
該蓋体209は、横方向に長手状に延在しており、縦方向においてアーチ状に湾曲している。そして、図8に示すように、蓋体209は、植生マット200表面に回動式に開閉自在に取着されている。この蓋体209のヒンジ部分が植生マット200の下側(法尻側)に位置するように、蓋体209が植生マット200の基部201に取り付けられている。施工者は、蓋体209を開いた上で現地発生土206を配置し、蓋体209を閉塞することによって第1収容部202に現地発生土206を収容することができる。このとき、蓋体209のヒンジ部分が法尻側に位置するので、蓋体209を開放させた状態でも現地発生土206(又は植生袋208)を下側から支持することができる。すなわち、施工者は、第1収容部202に現地発生土206を簡単に収容することが可能である。
なお、本実施形態では、基部201全体に亘って、網状の長筒体が形成されており、該網状の長筒体の上から蓋体209を設けることにより、第1収容部202を形成した。つまり、施工者は、現場で所望の位置に蓋体209を取り付けることによって第1収容部202及び第2収容部203をそれぞれ臨機応変に定めることができる。しかしながら、本発明は上記実施形態に限定されず、蓋体を(網状の長筒体を介さずに)基部上に直接取り付けてもよい。
図9は、植生マット20を法面Gに設置し、現地発生土206を第1収容部202に収容し、人工土207を第2収容部203に収容した法面植生構造20を示している。図9に示すように、剛性の蓋体209によって現地発生土206を含む第1収容部202が保護されている。本実施形態においても第1実施形態で示した図5、図6と同様に、経時によって法面Gの自然植生植物Pのみによる緑化を行うことが可能である。
[第3,4実施形態]
次に、図10〜図11を参照して、本発明の別実施形態の法面緑化方法及び法面植生構造30,40について説明する。図10は、本発明の第3実施形態の法面植生構造30の概略斜視図である。図11は、本発明の第4実施形態の法面植生構造40の概略斜視図である。なお、図面において、三桁で示される構成要素における下二桁が共通する構成要素に関しては、特別な説明がない限り、同一又は類似の特徴を有する。
図10及び図11は、本発明の別実施形態の法面緑化方法によって法面Gに構築した法面植生構造30,40を示している。該法面緑化方法では、上記実施形態と異なり、植生マットを使用せずに、第1領域302,402及び第2領域303,403を法面G上に形成したものである。すなわち、本実施形態の法面緑化方法は、緑化すべき土壌に対応する自然環境から埋土種子311,411を含む現地発生土306,406を採取する工程と、法面G上の一部に現地発生土306,406を配置した第1領域302,402を形成する工程と、該第1領域302,402を形成する工程に前後して、法面G上の一部で第1領域302,402と異なる位置に、人工土307,407を配置した第2領域303,403を形成する工程とを含む。そして、該法面緑化方法では、第2領域303,403よりも先に第1領域302,402から植生植物Pが発芽及び成長する。
また、本実施形態の法面緑化方法は、図10及び図11に示すように、第1領域302,402の法尻側に現地発生土306,406を堰き止めるための堰止体309,409を設ける工程を選択的に含んでもよい。堰止体309は、硬質の合成樹脂からなる略平板状の網状体からなり、アンカーなどで法面Gに立設されることにより、その法肩側に
第1領域302を定めている。他方、堰止体409は、硬質の合成樹脂からなる湾曲した網状体からなり、蓋体のごとく現地発生土406を上方から覆って第1領域402を定めている。そして、現地発生土306,406を堰止体309,409で堰き止めて、現地発生土306,406が流出することを抑えることにより、第1領域302,402を法面G上で維持することができる。図示しないが、第2領域303,403の法尻側に人工土307,407を堰止めるための第2の堰止体が配置されてもよい。
なお、本発明は上述した複数の実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。
10,20,30,40 法面植生構造
100,200 植生マット
101,201 基部
102,202,302,402 第1収容部(第1領域)
103,203,303,403 第2収容部(第2領域)
104,204 粗部
105,205 密部
106,206,306,406 現地発生土
107,207,307,407 人工土
108,208,308,408 植生袋
209 蓋体
309,409 堰止体
111,211,311,411 埋土種子
112,212,312,412 飛来種子
P 自然植生植物
G 法面
請求項1に記載の植生マットは、自然植生植物で緑化すべき土壌に敷設される植生マットであって、
前記緑化すべき土壌の自然環境に対応する埋土種子を含む現地発生土を収容した第1収容部と、
前記第1収容部と異なる位置で人工土を収容した第2収容部と、を備え、
第1及び第2収容部は、長手方向に延伸する網状の長筒体から構成され、前記現地発生土又は前記人工土を収容する植生袋を保持可能に構成され、
前記長筒体は、目が粗い粗部、及び、目が細かい密部を組み合わせてなり、前記粗部は、前記植生マットの平面視において、前記長筒体の長手方向に直交する幅方向の一端側に偏って形成されており、
前記植生マットは、法面に敷設されたときに、前記粗部が前記法面の法肩側に位置し、前記密部が前記法面の法尻側に位置するように敷設可能であり、
前記人工土を内包する前記第2収容部よりも先に前記現地発生土を内包する前記第1収容部から自然植生植物が発芽及び成長することを特徴とする。
請求項に記載の法面緑化方法は、法面を自然植生植物で緑化するための法面緑化方法であって、
前記緑化すべき土壌に対応する自然環境から埋土種子を含む現地発生土を採取する工程と、
前記法面上の一部に前記現地発生土を配置した第1領域を形成する工程と、
前記第1領域を形成する工程に前後して、前記法面上の一部で前記第1領域と異なる位置に、人工土を配置した第2領域を形成する工程と、を含み、
前記現地発生土を収容する第1収容部、及び、前記人工土を収容する第2収容部を備える植生マットを敷設する工程をさらに含み、
前記第1収容部に前記現地発生土を収容することにより、前記第1領域を形成し、前記第2収容部に前記人工土を収容することにより、前記第2領域を形成し、
前記第1及び第2収容部は、長手方向に延伸する網状の長筒体から構成され、水解性又は生分解性の植生袋を保持可能に構成され、
前記長筒体は、目が粗い粗部、及び、目が細かい密部を組み合わせてなり、前記粗部は、前記植生マットの平面視において、前記長筒体の長手方向に直交する幅方向の一端側に偏って形成されており、
前記粗部が前記法肩側に位置するとともに前記密部が前記法尻側に位置するように、前記植生マットを前記法面上に敷設し、
前記第2領域よりも先に前記第1領域から植生植物が発芽及び成長することを特徴とする。
請求項に記載の法面緑化方法は、請求項に記載の方法において、前記第1領域の下側に、前記現地発生土を堰き止めるための堰止体を設ける工程をさらに含むことを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば網状の長筒体からなる収容部に、現地発生土又は人工土を含む植生袋を挿入することにより、植生マット上に現地発生土又は人工土の領域を簡単に形成することができる。
請求項に記載の発明によれば粗密部が収容部の幅方向(長手方向に直交する方向)において偏って形成されていることにより、網状長筒体の粗部が法面の法肩(上方)側に位置し、網状長筒体の密部が法面の法尻(下方)側に位置するように植生マットを法面に配置可能である。すなわち、法面の法肩側の網目が粗いので、飛来種子を捕捉し易く、且つ、植物の発芽及び成長がネットによって邪魔されることがない。他方、法面の法尻側の網目が細かいので、種子等を含む現地発生土及び人工土の流出を抑え、現地発生土及び人工土をより安定的に保持することが可能である。
本明細書の一実施例によれば、植生マットは、緑化すべき土壌の環境に対応する現地発生土を収容する第1収容部と、人工土を収容する第2収容部とを備えることを特徴とする。すなわち、第1収容部に収容される現地発生土は自然植生植物の種子を一定量含有しているので、種子が飛来するのを待つことなく、人工土よりも先に現地発生土に自然植生植物を発芽及び成長させることができる。また、植生マット上に、現地発生土の領域に加えて人工土の領域を形成することにより、現地発生土の使用量を抑えつつ、法面を効率的且つ安定的に自然植生植物のみで緑化することができる。具体的には、植生マット上において現地発生土の領域で相対的に早く自然植生植物が成長するので、人工土に隣接して自然植生植物の壁が形成される。そして、現地発生土で壁の如く成長した自然植生植物は、飛来種子を捕捉して人工土に導いたり、人工土の飛来種子の流出を抑制するように機能する。さらに、第1収容部には、植生マットを覆う網状の蓋体が設けられている。該蓋体の内側に現地発生土(又は現地発生土を含む植生袋)を配置することにより、現地発生土を無駄にすることなく第1収容部に安定的に留めることが可能である。したがって、本発明の植生マットは、土壌表面をその土地に生息する自然植生植物でより効率的に緑化することが可能である。
本明細書の一実施例によれば蓋体が回動式に開閉自在であることにより、蓋体を開放させた状態で第1収容部に現地発生土を配置し、そして、蓋体を閉塞することで第1収容部に現地発生土を簡単に配置することができる。
本明細書の一実施例によれば硬質(剛性)な合成樹脂からなることにより、植生マット上に現地発生土を収容する第1収容部を安定的に確保することができる。
請求項に記載の発明によれば、法面緑化方法は、法面上の一部に現地発生土を配置した第1領域と、法面上の一部で第1領域と異なる位置に、人工土を配置した第2領域を形成することを特徴とする。すなわち、第1領域の現地発生土は自然植生植物の種子を一定量含有しているので、種子が飛来するのを待つことなく、人工土よりも先に自然植生植物を発芽及び成長させることができる。また、法面上に、現地発生土の第1領域に加えて人工土の第2領域を形成したことにより、現地発生土の使用量を抑えつつ、法面を効率的且つ安定的に自然植生植物のみで緑化することができる。具体的には、法面上において現地発生土の第1領域で相対的に早く自然植生植物が発芽及び成長するので、人工土に隣接した自然植生植物の壁が形成される。そして、現地発生土で壁の如く成長した自然植生植物は、飛来種子を捕捉して人工土に導いたり、人工土の飛来種子の流出を抑制するように機能する。したがって、本発明の法面緑化方法は、土壌表面をその土地に生息する自然植生植物でより効率的に緑化することが可能である。
請求項に記載の発明によれば現地発生土を収容する第1収容部、及び、人工土を収容する第2収容部を備える植生マットを敷設することにより、第1領域及び第2領域を法面上に簡単に形成すること可能である。
請求項に記載の発明によれば網状の長筒体からなる収容部に、現地発生土又は人工土を含む植生袋を挿入することにより、植生マット上に第1及び第2領域を簡単に形成することができる。さらに、粗密部が収容部の幅方向(長手方向に直交する方向)において偏って形成され、網状長筒体の粗部が法面の法肩側に位置し、網状長筒体の密部が法面の法尻側に位置するように植生マットを法面に配置する。すなわち、法面の法肩側の網目が粗いので、飛来種子を捕捉し易く、且つ、植物の発芽及び成長がネットによって邪魔されることがない。他方、法面の法尻側の網目が細かいので、種子等を含む現地発生土及び人工土の流出を抑え、現地発生土及び人工土をより安定的に保持することが可能である。
請求項に記載の発明によれば、請求項に記載の発明の効果に加えて、第1収容部の法尻側に堰止体を設けることにより、現地発生土を堰止体によって堰き止め、現地発生土が流出することを抑えることができる。

Claims (10)

  1. 自然植生植物で緑化すべき土壌に敷設される植生マットであって、
    前記緑化すべき土壌の自然環境に対応する埋土種子を含む現地発生土を収容した第1収容部と、
    前記第1収容部と異なる位置で人工土を収容した第2収容部と、を備え、
    前記人工土を内包する前記第2収容部よりも先に前記現地発生土を内包する前記第1収容部から自然植生植物が発芽及び成長することを特徴とする植生マット。
  2. 第1及び第2収容部は、長手方向に延伸する網状の長筒体から構成され、前記現地発生土又は前記人工土を収容する植生袋を保持可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の植生マット。
  3. 前記長筒体は、目が粗い粗部、及び、目が細かい密部を組み合わせてなり、前記粗部は、前記植生マットの平面視において、前記長筒体の長手方向に直交する幅方向の一端側に偏って形成されており、
    前記植生マットは、法面に敷設されたときに、前記粗部が前記法面の法肩側に位置し、前記密部が前記法面の法尻側に位置するように敷設可能であることを特徴とする請求項2に記載の植生マット。
  4. 自然植生植物で緑化すべき土壌に敷設される植生マットであって、
    前記緑化すべき土壌の自然環境に対応する埋土種子を含む現地発生土を収容する第1収容部と、
    前記第1収容部と異なる位置で人工土を収容する第2収容部と、を備え、
    前記第1収容部は、前記植生マット表面と、前記植生マットに取着され、前記植生マット表面を覆う網状の蓋体とによって定められていることを特徴とする植生マット。
  5. 前記蓋体は、前記植生マット表面に回動式に開閉自在に取着されていることを特徴とする請求項4に記載の植生マット。
  6. 前記蓋体は、剛性の合成樹脂からなることを特徴とする請求項4又は5に記載の植生マット。
  7. 法面を自然植生植物で緑化するための法面緑化方法であって、
    前記緑化すべき土壌に対応する自然環境から埋土種子を含む現地発生土を採取する工程と、
    前記法面上の一部に前記現地発生土を配置した第1領域を形成する工程と、
    前記第1領域を形成する工程に前後して、前記法面上の一部で前記第1領域と異なる位置に、人工土を配置した第2領域を形成する工程と、を含み、
    前記第2領域よりも先に前記第1領域から植生植物が発芽及び成長することを特徴とする法面緑化方法。
  8. 前記現地発生土を収容する第1収容部、及び、前記人工土を収容する第2収容部を備える植生マットを敷設する工程をさらに含み、
    前記第1収容部に前記現地発生土を収容することにより、前記第1領域を形成し、前記第2収容部に前記人工土を収容することにより、前記第2領域を形成することを特徴とする請求項7に記載の法面緑化方法。
  9. 前記第1及び第2収容部は、長手方向に延伸する網状の長筒体から構成され、水解性又は生分解性の植生袋を保持可能に構成され、
    前記長筒体は、目が粗い粗部、及び、目が細かい密部を組み合わせてなり、前記粗部は、前記植生マットの平面視において、前記長筒体の長手方向に直交する幅方向の一端側に偏って形成されており、
    前記粗部が前記法肩側に位置するとともに前記密部が前記法尻側に位置するように、前記植生マットを前記法面上に敷設することを特徴とする請求項8に記載の法面緑化方法。
  10. 前記第1領域の法尻側に、前記現地発生土を堰き止めるための堰止体を設ける工程をさらに含むことを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載の法面緑化方法。
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