JP2001140261A - 法面における樹林化工法 - Google Patents

法面における樹林化工法

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JP2001140261A
JP2001140261A JP31962399A JP31962399A JP2001140261A JP 2001140261 A JP2001140261 A JP 2001140261A JP 31962399 A JP31962399 A JP 31962399A JP 31962399 A JP31962399 A JP 31962399A JP 2001140261 A JP2001140261 A JP 2001140261A
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JP
Japan
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slope
bag
tubular bag
seeds
soil
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JP31962399A
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English (en)
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Yasuki Aoki
泰樹 青木
Takashi Shirasawa
隆 白沢
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SHIN NIPPON RYOKKA KK
Original Assignee
SHIN NIPPON RYOKKA KK
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 法面を樹林化することにより安定化させる。 【解決手段】 アカメガシワ、アラカシ、クスノキ、コ
ナラ、サザンカ、シャリンバイ、タブ、シラカシ、イタ
チハギ、ヤマハギ、ヤマハンノキ、ヤシャブシから選択
される1つまたは複数樹種の木本類の種子Eと、有機質
土壌O等を、ポリエチレン製平織布からなる袋体2に封
入した、長さ約100cm×巾10cm×厚さ5cmの
樹林化筒袋1を、その長辺と法面Gの略等高線とが成す
設置角度αが約60°となるように法面Gに配置し、ア
ンカーAにより固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、法面の安定化およ
び緑化を目的とする植生工法に関する。
【0002】
【従来の技術】法面は、切り出したままの状態で放置さ
れると、表層土が流亡する虞があるため、様々な方法に
より安定化が行われる。中でも、近年では、環境面での
要請から、法面の保護と同時に緑化を行う工法が頻繁に
採用されるようになってきている。
【0003】このような工法としては、例えば緑化ネッ
トによる工法がある。この工法は、法面を覆うようにし
てネットを敷設し、種子・肥料等を吹き付けたり、種子
・肥料等を封入した袋等の植生部材を係留して、発芽し
た草本・木本類の根によって表層土を安定化させるもの
である。この工法を、例えば、既に洋芝等の草本類が植
生され一定長さ以上にまで生い茂っているような法面の
樹林化に適用する場合には、草本類によって木本類の発
芽や成長が阻害されないようにする必要がある。そこ
で、木本類の種子を封入した植生部材を点在的に配置し
て、これらの生育領域を確保するようにした方法が提案
されている(特開平9−53238)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、木本類
の植生に際しては、その性質上、総じて生育に時間がか
かるという問題点がある。特に、上記のように草本類が
一定以上の長さに生い茂っている法面においては、幼芽
時の草本類の被圧による日照不足、植生面の傾斜による
土壌保水不足等の種々の要因が影響し、木本類の良好な
生育、特に、土壌を安定化させるための根系の良好な発
達が実現できない場合があるという問題点があった。
【0005】本発明は、上記した問題点を解決すべく開
発工夫したものであり、木本類のより良好な生育が期待
できる法面の樹林化工法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、請求項1に係る発明は、法面の樹林化工法におい
て、木本類の種子等を封入した長尺の筒袋を、前記筒袋
の長辺が略等高線に対して45°〜90°の角度をなす
ように配置することを特徴とするものである。
【0007】請求項2に係る発明は、前記請求項1に記
載の法面の樹林化工法において、前記筒袋は、隣接する
筒袋と低位側端部が交叉するように略V字状をなして法
面に設置されることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の作用及び効果】請求項1の発明によれば、木本
類の種子等を封入した長尺の筒袋は、既に草本類が植生
している法面においても、略等高線に対して所定範囲の
角度をなすように配置されれば、草本類によって被圧さ
れることなく、木本類の良好な生育が期待できる。
【0009】請求項2の発明によれば、隣接する筒袋同
士はこれらの低位側端部が交叉するように略V字状をな
して設置されるため、この交叉部分において土留め効果
を期待できる。例えば、法面が裸地であったり、まだ草
本類の生育が不十分で法面の表面流亡が生じやすい環境
に施工する場合、特に有効である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しながら具体的に説明する。
【0011】本実施形態にかかわる筒袋1は、図1に示
すようなものであり、長さ約100cmのポリエチレン
平織布で構成された袋体2中に、木本類の種子Eと、遅
効性肥料を含む有機質土壌Oが予め封入されている。こ
の結果、筒袋は巾約10cm、厚さ約5cmの扁平状を
なす。また、袋体2の両短辺付近には、アンカーピンを
貫通させるためのハトメ3が設けられている。袋体2は
縦糸と横糸とで編織されており、内部は水溶性不織布が
貼り付けられて内部の植生基材がこぼれ出さないように
なっているが、この不織布は雨水などによって経時的に
溶出される。さらに、この実施形態における袋体2は、
横糸が2.5本〜7.5本/inch、縦糸が約4cmピッチ
で編織されていて、上記した不織布が溶出した後は、内
部に封入された種子が発芽あるいは根の伸長を妨げない
ようにしてある。
【0012】袋体2は、ポリエチレン平織布に限らず、
耐候性に優れ、種子E及び土壌Oが容易に漏出せず、か
つ、発芽に支障をきたさない程度の空隙を有しているも
のであれば、如何なるものでも使用できる。
【0013】上記のような筒袋1を、既に草本類である
草丈30〜50cmの洋芝が植生している法面Gに配置
する。この際、筒袋1が固定される箇所については、周
辺の洋芝を軽く刈り込んでおくと良い。ところで、筒袋
1の長辺が法面の略等高線に対して形成する設置角度を
αとすると、設置角度αと木本類の生育状況との間に相
関関係が確認されている。図2のグラフは、木本類の種
子としてヤマハギの種子を封入した筒袋を、草本類が植
生している法面に異なった設置角度αで5月に施工し、
同年10月の生育状況を測定した結果を示している。
尚、ここにおいて、生育比とは、播かれた種子の粒数に
対する、成長木の本数の割合をいう。図2から、木本類
の良好な生育を期待できる設置角度αは、45°〜90
°であることが読みとれる。筒袋1の配置は、法面Gの
状態等に応じて、設置角度αが上記のような範囲内とな
るように適宜決定することができるが、より好ましくは
55°〜70°、最も好ましくは約60°の設置角度α
をなすように法面Gに配置することが望ましい。
【0014】筒袋1が上記のような範囲の角度に配置さ
れた場合には、木本類の発芽に支障をきたさず、かつ、
日照による筒袋1中の土壌の乾燥を防止できる程度に被
覆されるため、より良好な生育が実現できるものと推定
される。すなわち、一般に、法面に草生している草本類
(洋芝)は、傾斜方向に沿って垂下し、法面表面を被覆
する。このため、筒袋1の設置角度αが小さい場合に
は、法面上方に位置する筒袋1の長辺に沿って草生して
いる草本類が、筒袋1の長辺に対して直角に近い角度で
被さり、筒袋1の表面が密に被圧される。そのため、設
置角度αが0°〜45°未満と小さな範囲では、草本類
の被圧によって木本類の成長が抑制される。設置角度α
が大きくなるにつれ、草本類の垂下方向と筒袋1長辺の
なす角度は減少し、筒袋1長辺に沿って草生している草
本類による筒袋1の被圧密度が小さくなるため、木本類
は成長し易くなる。一方で、設置角度αが約90°まで
大きくなると、筒袋1の長辺に沿って草生している草本
類による被圧は殆どなくなり、法面上方の短辺に沿って
草生している草本類が筒袋1の一部のみを被圧する状態
となる。このような状態では、草本類の被圧によって木
本類の成長が阻害されることはないが、筒袋1が直接日
射に曝されるため、筒袋1中の土壌の乾燥を招き、その
結果、木本類の成長が抑制されるものと推測される。以
上のように、筒袋1の設置角度αは、草本類による過度
の被圧を避けるために45°〜90°の範囲であること
が望ましく、さらに土壌の乾燥による影響を避けるため
には、55°〜70°、望ましくは約60°であること
が好ましい。
【0015】法面Gに対する筒袋の配置としては、例え
ば、図3〜図5に模式的に示したような配置が考えられ
る。尚、各模式図は、法面Gの斜面に対する直角方向か
ら見た正面図であり、図の左右を結ぶ水平線が略等高線
をなすように描かれている。
【0016】このように配置した筒袋1は、図6に示す
ように、両短辺付近のハトメ3と、中心部にアンカーA
を打ち込み、法面Gに固定する。固定された筒袋1から
は、図7に示すように発芽し、樹林化(図8参照)へと
進む。
【0017】この際、筒袋1に封入する木本類の種子と
しては、アカメガシワ、アラカシ、クスノキ、コナラ、
サザンカ、シャリンバイ、タブ、シラカシ、イタチハ
ギ、ヤマハギ、ヤマハンノキ、ヤシャブシから選択され
る1つまたは複数の樹種の種子を好ましく用いることが
できる。また、筒袋1には、同時に有機質土壌Oを含め
ておくことが好ましい。
【0018】上記に示したような木本類の種子を、有機
質土壌Oを含む筒袋1に封入して使用すると、防災に特
に効果的である。これらの木本類の略鉛直方向に伸長す
る主根と略水平方向に伸長する側根からなる根系は、肥
沃な有機質土壌Oに沿って成長した後に、法面土壌中へ
伸長する。すなわち、筒袋1は、設置角度αが45°〜
90°となるようにほぼ縦方向に配置されているため、
重力方向を感知して略鉛直方向に伸長する性質を有する
主根が、図6〜図8に模式的に示したように、より生育
環境に優れた袋中を通って成長可能である。その結果、
生育初期の主根に充分な養分が供給され、根系の良好な
発達、ひいては木本類自体良好な生育を促進することと
なる。また、主根が法面土壌中に根を下ろすのに先立
ち、筒袋の土壌に沿ってある程度伸長するため、主根か
ら分岐する側根の表層付近における密度がより高くな
り、根系による土壌把持効果が増大する。このように、
上記に示したような木本類の種子を有機質土壌Oと共に
筒袋1に封入して使用すると、木本類が法面表層にしっ
かりと根を張りつつ、法面土壌内部へも根を下ろして安
定化するため、より高い防災効果が期待できるのであ
る。
【0019】筒袋1の施工態様は図3〜図5の場合に限
らず、例えば図9あるいは図10に示すようなものであ
ってもよい。図9の場合は、筒袋を法面の傾斜方向に沿
って略菱形をなす連続した枠状に施工したものであり、
図10では等高線に沿って連続するV字状に施工したも
のである。いずれも隣接する筒袋同士の低位側端部を突
き当てている。こうすることで、隣接する筒袋1同士に
よって土留め効果が期待できる。したがって、法面が裸
地である場合、あるいは草本類の生育が不十分で法面が
未だ表面流亡を生じやすい環境にある場合に、このよう
な筒袋の配置は有効である。
【0020】以上のように、本願発明によれば、極めて
簡単な施工により、木本類のより良好な生育が期待で
き、かつ、防災効果も高い法面の樹林化が可能となる。
本発明の樹林化方法は、上記実施形態で例示したよう
な、既に草本類の植生が形成されている場所での施工の
他、草本類を、木本類と同時もしくは後から植え込む場
合にも適用できる。草本類は木本類よりも総じて成長が
早く、上記実施形態とほぼ同様の状況が現出し得るた
め、上記実施形態と同様の有利な効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】筒袋の一部を切欠して示した正面図である。
【図2】筒袋の設置角度と樹木の生育比との関係を示す
グラフである。
【図3】法面への筒袋の配置様式を示す正面模式図であ
る。
【図4】他の配置様式を示す正面模式図である。
【図5】さらに別の配置様式を示す正面模式図である。
【図6】初期の施工状況を示す横断面図である。
【図7】樹林化の中間状況を示す横断面図である。
【図8】樹林化のほぼ完成状況を示す横断面図である。
【図9】筒袋の別の配置様式を示す正面模式図である。
【図10】筒袋の配置様式のさらなる別態様を示す正面
模式図である。
【符号の説明】
1……筒袋 2……袋体 3……ハトメ E……木本類の種子 O……有機質土壌 G……法面 α……設置角度 A……アンカー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 法面において、木本類の種子等を封入し
    た長尺の筒袋を、前記筒袋の長辺が略等高線に対して4
    5°〜90°の角度をなすように配置することを特徴と
    する法面における樹林化工法。
  2. 【請求項2】 前記筒袋は、隣接する筒袋と低位側端部
    が交叉するように略V字状をなして法面に設置されるこ
    とを特徴とする請求項1記載の法面における樹林化工
    法。
JP31962399A 1999-11-10 1999-11-10 法面における樹林化工法 Pending JP2001140261A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2835695A1 (fr) * 2002-02-12 2003-08-15 Henri Andre Fascines biodegradables pour vegetalisation
CN107371674A (zh) * 2017-06-22 2017-11-24 兰溪市奥而特农业科技有限公司 一种玫瑰枝条的快速生根方法

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FR2835695A1 (fr) * 2002-02-12 2003-08-15 Henri Andre Fascines biodegradables pour vegetalisation
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