JP5421047B2 - 地表面保護材および地表面保護構造 - Google Patents

地表面保護材および地表面保護構造 Download PDF

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Description

本発明は、地表面を保護する地表面保護材および地表面保護構造に関し、特に、地表面における草本類の発生時期をコントロールすることのできる、地表面保護材および地表面保護構造に関する。
地表面(法面等)を雨水等による浸食から保護する従来の地表面保護材としては、特許文献1または2に記載されているような「植生土嚢」または「緑化部材」が周知である。
特許文献1の「植生土嚢」は、ポリエチレンまたはポリプロピレン等からなる土嚢袋の内部に植物育成用の土砂を充填するとともに、土嚢袋の表面材と裏面材とを部分的に縫合し、これにより土砂の片寄りを防止して、「植生土嚢」の表面全体に植物を根付かせるようにしたものである。
特許文献2の「緑化部材」は、ポリエチレンまたはポリプロピレン等からなる土嚢袋を複数の区画室に区画し、各区画室に植物育成用の用土(栄養分を含まない。)を充填するとともに、各区画室の表面に窓を形成し、当該窓から用土に予め植え込んだ樹木を地表面に根付かせるようにしたものである。
特開平8−109635号公報 特開2001−57号公報
特許文献1の「植生土嚢」によれば、「植生土嚢」の表面全体に植物を速やかに根付かせることができるので、地表面の全面に植物を速やかに着床させることができる(特許文献1の段落[0010]参照)。しかし、地表面で樹木の苗木を育成する場合には、「植生土嚢」の表面で生育した草本類が、苗木を圧迫したり、苗木に対する日照を遮ったりするため、苗木が枯死するおそれがあった。
一方、特許文献2の「緑化部材」によれば、用土に栄養分を含ませないことによって、草本類の発生を抑制しつつ、地表面に対する苗木の着床を促進することができる(特許文献2の段落[0017]参照)。しかし、この「緑化部材」を使用することができるのは、「樹木を育成する用途」に限定され、「樹木を育成しない領域を緑化する用途」には使用することができなかった。
また、これらの「植生土嚢」および「緑化部材」は、いずれも土嚢袋内に土砂または用土を充填していたので、重量が大きくなり、運搬性および施工性が悪いという問題があった。さらに、これらはいずれも、ポリエチレンまたはポリプロピレン等からなる分解性の悪い土嚢袋を用いていたので、土嚢袋内の土砂または用土と地表面の土砂との混合が促進されず、地表面の植生環境を十分に改善することができないという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、地表面の植生環境を改善することができるとともに、樹木の生育を促進することができ、さらに、「樹木を育成しない領域を緑化する用途」にも使用することができる地表面保護材および地表面保護構造を提供することを目的とする。また、本発明は、軽量化によって運搬性および施工性を高めることができる地表面保護材および地表面保護構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の地表面保護材は、地表面に敷設される地表面保護材であって、生分解性を有する糸で構成された布からなる袋の内部に、ケイ酸を含有する植物由来の植生環境改善材を充填したことを特徴とする。
この構成では、ケイ酸を含有する植生環境改善材によって地表面の植生環境を改善することができる。つまり、植生環境改善材に含まれるケイ酸が地表面の土壌に与えられると、土壌中に微生物が繁殖し、当該微生物によって地表面の土壌粒子が団粒化される。そして、土壌粒子が団粒化されると、土壌の通気性および透水性が高められるため、植生環境が改善される。したがって、地表面から自生種の草本類を自然発生させることができ、地表面に対して草本類を直接かつ確実に根付かせることができる。
また、地表面保護材によって地表面の植生環境が改善されるまでには、或る程度の時間がかかるため、地表面保護材を敷設する時期と樹木の苗木を植え付ける時期とが同時期であったとしても、当該苗木が成長するまで草本類の発生を抑えることができる。したがって、「草本類が発生する頃には、樹木(苗木)は既に大きくなっている。」という状況を作り出すことができ、「草本類が作る日陰によって樹木が日照不足になる。」という問題を解消することができる。換言すると、草本類の発生時期をコントロールすることによって、樹木(苗木)の生育を促進することができる。
そして、地表面保護材は、地表面の植生環境を改善する機能を有しているので、「樹木を育成しない領域を緑化する用途」にも使用することができる。さらに、袋の内部には、植物由来の植生環境改善材が充填されているため、土砂や用土が充填されている従来技術(特許文献1、2)に比べて、大幅な軽量化を達成でき、運搬性および施工性を高めることができる。
前記植生環境改善材は枯れ草であってもよい。
この構成では、ケイ酸を含有する植物由来の植生環境改善材として分解性に優れた「枯れ草」が用いられているので、地表面の土壌に対するケイ酸の供給効率を高めることができる。なお、「枯れ草」の具体例としては、藁、葦、ススキ、笹等を挙げることができる。
前記枯れ草は廃畳から得られた藁であってもよい。
この構成では、植生環境改善材としての「藁」を、建築廃材である廃畳から安価にして安定的に得ることができる。
前記糸は麻糸であってもよい。
この構成では、袋を構成する糸として天然材料である「麻糸」が用いられているので、当該袋すなわち麻袋を微生物によって容易に分解することができ、土壌に対する植生環境改善材の混入を促進することができる。
前記袋は、平面視形状が正方形となるように形成されており、前記袋の内部空間は、前記袋の表面を構成する表面材と前記袋の裏面を構成する裏面材とを十字状に縫合することによって、平面視形状が正方形となる4つの区画室に区画されており、前記区画室のそれぞれに前記植生環境改善材が充填されている構成であってもよい。
この構成では、袋の内部空間が十字状の縫合部によって4つの区画室に区画されているので、植生環境改善材の片寄りを防止することができる。また、十字状の縫合部によって隣り合う2つの区画室間に溝が形成されるので、飛来してきた草本類の種子を当該溝で捕捉することができ、当該溝で草本類を育成することができる。さらに、当該溝を用いて雨水または湧水等を排水することができる。
前記表面材と前記裏面材とを十字状に縫合した縫合部は、前記表面材と前記裏面材とを重ねた部分を下方へ向けて凸となるように折り重ねるとともに、この折り重ねた部分を縫合することによって構成されていてもよい。
この構成では、表面材と裏面材とを重ねた部分を下方へ向けて凸となるように折り重ねているので、縫合部の断面形状は略V字状になる。したがって、隣り合う2つの区画室間に通水性に優れた略V字状の溝を形成することができる。
本発明の地表面保護構造は、生分解性を有する糸で構成された布からなる袋と、前記袋の内部に充填されたケイ酸を含有する植物由来の植生環境改善材とを備える複数の地表面保護材を、水平面に対して傾斜した地表面上に並べて敷設した地表面保護構造であって、前記地表面保護材のそれぞれは、前記袋の表面を構成する表面材と前記袋の裏面を構成する裏面材とを縫合することによって形成された溝を有しており、隣り合う前記地表面保護材の前記溝が直線状に連続することによって排水路が構成されていることを特徴とする。
この構成は、地表面保護材を用いた地表面保護構造であり、隣り合う地表面保護材の溝が直線状に連続することによって排水路が構成されているので、雨水または湧水等が溝内に溜まるのを防止することができ、水分による不所望な袋の腐食を防止することができる。また、当該排水路を流れる水を植生環境改善材に与えることができるので、植生環境の改善に寄与する微生物の繁殖を促進することができる。
前記地表面保護材は、平面視形状が正方形となるように形成されており、前記地表面保護材のそれぞれは、一方の対角線が地表面の傾斜方向と同じ方向へ延びるようにして地表面上に敷設されている構成であってもよい。
この構成では、一方の対角線が地表面の傾斜方向と同じ方向へ延びるようにして地表面保護材が敷設されているので、袋の下端部における容積は小さくなっている。したがって、当該下端部に植生環境改善材が片寄るのを防止することができ、地表面の植生環境をむら無く改善することができる。
前記袋の内部空間は、前記表面材と前記裏面材とを十字状に縫合することによって、平面視形状が正方形となる4つの区画室に区画されており、前記区画室のそれぞれに前記植生環境改善材が充填されている構成であってもよい。
この構成では、袋の内部空間が4つの区画室に区画されているので、植生環境改善材の片寄りをより有効に防止することができる。
樹木を育成するために地表面上に設けられたプランターをさらに備えており、前記地表面保護材は、前記プランターを取り囲むようにして敷設されている構成であってもよい。
この構成では、プランターを取り囲むようにして敷設された地表面保護材によって、草本類の発生時期を遅らせることができるので、「草本類が発生する頃には、樹木(苗木)は既に大きくなっている。」という状況を作り出すことができ、「草本類が作る日陰によって樹木が日照不足になる。」という問題を解消することができる。
前記水平面に対して傾斜した地表面は法面であってもよい。
この構成は、水平面に対して傾斜した地表面を「法面」に限定したものである。
本発明は、以上に説明したように構成され、ケイ酸を含有する植生環境改善材によって地表面の植生環境を改善することができるので、地表面に対して自生種の草本類を直接かつ確実に根付かせることができる。また、草本類の発生時期を遅らせることによって、樹木が日照不足になるのを防止することができるので、樹木の生育を促進することができる。そして、地表面の植生環境を改善して草本類を育成することができるので、「樹木を育成しない領域を緑化する用途」にも使用することができる。さらに、袋の内部に土砂や用土を充填する必要がなく、軽量化を図ることができるので、運搬性および施工性を高めることができる。
第1実施形態に係る地表面保護材の構成を示す斜視図である。 第1実施形態に係る地表面保護材の構成を示す平面図である。 第1実施形態に係る地表面保護材の構成を示す正面図である。 図3におけるIV−IV線断面図である。 十字状の縫合部の構成を示す部分拡大断面図である。 第1実施形態に係る地表面保護材を用いた地表面保護構造の構成を示す正面図である。 図6におけるVII−VII線断面図である。 地表面保護構造を構成した後、2〜3ヶ月が経過した状態を示す断面図である。 地表面保護構造を構成した後、5〜6年が経過した状態を示す断面図である。 第2実施形態に係る地表面保護材の構成を示す平面図である。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
[地表面保護材の構成]
図1は、本発明の第1実施形態に係る地表面保護材10を示す斜視図であり、図2は、地表面保護材10を示す平面図である。また、図3は、地表面保護材10を示す正面図であり、図4は、図3におけるIV−IV線断面図である。
地表面保護材10は、図6および図7に示すように、「地表面」としての法面Aの表層を雨水等による浸食から保護することを目的として法面A上に敷設されるものであり、図1〜図4に示すように、生分解性を有する糸12で構成された布14からなる袋16の内部に、ケイ酸を含有する植物由来の植生環境改善材18(図4)を充填したものである。
糸12は、天然繊維または生分解性プラスチック繊維等を撚り合わせること等によって形成された線状部材である。糸12の種類は、生分解性を有する限り、特に限定されるものではないが、袋16を構成したときの型崩れ等を防止する観点からは、伸度が小さい「麻糸」を用いることが望ましい。
布14は、糸12を織成して得られた織布であり、布14における糸12間の間隔、すなわち織目の大きさは、袋16の内容物である植生環境改善材18が通過せず、かつ、十分な通気性および通水性が得られるように設計されている。なお、布14の織組織としては、平織、綾織、もじり織等を任意に選択して用いることができるが、強度が高く、かつ、目ずれが生じ難い点において、「平織」を用いることが望ましい。
袋16は、1枚の長方形の布14を長手方向中央部において2つに折り畳むことによって平面視形状が正方形となるように形成されており、袋16の表面を構成する正方形の表面材20と袋16の裏面を構成する正方形の裏面材22とは、図2に示すように、袋16の4辺のうちの1辺16aにおいて連続しており、残りの3辺16b、16cおよび16dにおいて糸24を用いて互いに縫合されている。袋16の大きさは、運搬性および施工性が損なわれない限り、特に限定されるものではないが、本実施形態では、植生環境改善材18を充填したときの重量を考慮して「1m(縦)×1m(横)×0.1m(高さ)」の大きさに設計されている。なお、糸24の種類は、特に限定されるものではないが、自然環境に対する負荷を軽減する観点からは、生分解性の糸(麻糸等)を用いることが望ましい。
なお、本実施形態では、表面材20および裏面材22が1枚の長方形の布14を2つに折り畳むことによって構成されているが、これらの構成態様はこれに限定されるものではなく、製造上の便宜等を考慮して適宜変更されてもよい。たとえば、表面材20および裏面材22が布14を筒状に織ることによって一体に構成されてもよいし、表面材20および裏面材22が正方形の布14として別々に構成されてもよい。前者の場合には、表面材20と裏面材22とが2辺で縫合されることによって袋16が完成され、後者の場合には、表面材20と裏面材22とが4辺で縫合されることによって袋16が完成される。
そして、袋16の内部空間は、図5に示すように、表面材20と裏面材22とを糸26を用いて十字状に縫合することによって、平面視形状が正方形となる4つの区画室Rに区画されており、区画室Rのそれぞれには、植生環境改善材18が充填されている。
表面材20と裏面材22とを十字状に縫合した縫合部28は、表面材20と裏面材22とを重ねた部分(すなわち2重部分)30を下方へ向けて凸となるように折り重ねるとともに、この折り重ねた部分(すなわち4重部分)32を糸26で縫合することによって構成されている。したがって、縫合部28の断面形状は略V字状となり、隣り合う2つの区画室R間には、通水性に優れた略V字状の溝34が形成される。
なお、十字状の縫合部28の縫合構造は、袋16の内部空間を区画できる限り、特に限定されるものではなく、たとえば2重部分30を糸26で縫合することによって構成されてもよい。この場合でも、隣り合う2つの区画室R間に溝を形成することができ、当該溝に雨水等を流すことができる。また、糸26の種類は、特に限定されるものではないが、自然環境に対する負荷を軽減する観点からは、生分解性の糸(麻糸等)を用いることが望ましい。
植生環境改善材18は、ケイ酸を含有する植物由来のものであり、具体的には、藁、葦、ススキ、笹等の刈り草を乾燥させた「枯れ草」や「木質チップ」等が植生環境改善材18として用いられる。植生環境改善材18として使用可能な材料の中でも「枯れ草」は、繊維が柔らかくて分解され易いことから、土壌に対するケイ酸の供給源として優れており、「枯れ草」の中でも「藁」は、稲作の副産物として大量かつ継続的に生産されることから、安定的に供給できる材料として優れている。さらに、「藁」の中でも「廃畳から得られる藁」は、建築物の建て替え時や解体時に発生する建築廃材から得られることから、安価にして安定的に供給できる材料として、また、自然環境に優しいリサイクル材料として優れている。
なお、植生環境の改善にケイ酸が有効であることは、伝統的な農業技術によって立証されており、たとえば、藁を押し伏せる「敷き藁工法」はケイ酸の「植生環境改善機能」を利用したものとして周知である。
袋16の各区画室Rに植生環境改善材18を充填すると、図5に示すように、植生環境改善材18によって表面材20が持ち上げられ、隣り合う2つの区画室R間に、略V字状の溝34が顕著に現れるとともに、十字状の縫合部28の4重部分32が袋16の底面に突出される。したがって、地表面保護材10を法面A上に敷設した際には、十字状に突出した4重部分32を「法面Aの表面に引っ掛かる係止部」として機能させることができ、地表面保護材10の位置ずれを防止することができる。
[地表面保護構造の構成]
法面Aを緑化する際には、図6および図7に示すように、樹木36を育成するための少なくとも1つ(本実施形態では2つ)のプランター38を法面A上の所定箇所に設けるとともに、このプランター38を取り囲むようにして複数の地表面保護材10を法面A上に並べて敷設し、これにより、少なくとも1つのプランター38と複数の地表面保護材10とを備える地表面保護構造40を構成する。
地表面保護構造40を構成する複数の地表面保護材10のそれぞれは、平面視形状である「正方形」の一方の対角線L(図6)が法面Aの傾斜方向と同じ方向へ延びるようにして法面A上に敷設されており、袋16の中央部に貫通させた固定ピン(図示省略)を法面Aの土壌に突き刺すことによって法面A上に固定されている。また、地表面保護材10のそれぞれは、隣り合う地表面保護材10の溝34が直線状に連続するとともに、隣り合う地表面保護材10間に溝42が形成されるように、法面Aの傾斜方向に対して略45度の角度で傾斜する方向へ並べて敷設されており、これにより、当該方向へ延びる排水路44が網目状に構成されている。
なお、地表面保護材10を法面A上に固定する方法としては、上述の「固定ピンを用いて固定する方法」の他、「竹等によって構成された押さえ枠を地表面保護材10の上に載せて固定する方法」や「法面Aの土壌に突き刺したピンに地表面保護材10を押える線状部材(麻縄等)を架け渡して固定する方法」等を任意に選択して用いることができる。
また、地表面保護材10の各区画室Rに充填される植生環境改善材18の量は、適宜変更可能であり、場合によっては、植生環境改善材18が充填されていない区画室Rが存在していてもよい。本実施形態では、図7に示すように、プランター38と重なる位置に配置された区画室R0には、植生環境改善材18が充填されておらず、袋16における当該区画室R0の部分は、樹木36の植え付けの妨げにならないように折り畳まれている。
[地表面保護材の作用・効果]
法面A上に地表面保護構造40を構成した当初には、図6および図7に示すように、プランター38に樹木36の苗木が植え込まれる。このとき、地表面保護材10の上には、草本類の種子等が撒かれることはなく、草本類の発生および生育は、地表面保護材10によって条件付けられた環境下において、自然の推移に委ねられる。
法面A上に地表面保護構造40を構成した後、2〜3ヶ月が経過すると、図8に示すように、排水路44を構成する溝34および42から草本類46が自然発生する。これは、風に乗って飛来してきた草本類46の種子が溝34および42に溜まり、溝34および42の下方に存在する法面Aの土壌から養分を得て発芽するためであると考えられる。
この頃には、未だ植生環境改善材18の分解は進んでおらず、たとえ表面材20の上面に草本類46の種子が付着したとしても、植生環境改善材18からは直接養分を得ることができないめ、発芽することはない。したがって、溝34および42において草本類46が発生したとしても、その量は僅かであり、草本類46が作る日陰によって樹木(苗木)36の日照が遮られることはなく、樹木(苗木)36の生育が阻害されることはない。
植生環境改善材18の分解が進んで、その体積減少が生じるまでは、植生環境改善材18で表面材20が持ち上げられているため、溝34および42の深さは十分にあり、雨水または湧水は溝34および42(すなわち排水路44)を流れることになる。したがって、溝34および42(すなわち排水路44)から植生環境改善材18に対して適度な水分を供給することができ、袋16および植生環境改善材18の「保湿および保温の機能」と相俟って、植生環境改善材18の分解に寄与する微生物の繁殖を促進することができる。また、溝34および42(すなわち排水路44)を流れる水を、そこに発生した草本類46に供給することができるので、上記「保湿および保温の機能」と相俟って、草本類46の生育を促進することができる。さらに、過剰な雨水等は、排水路44を通して排出されるので、雨水等によって法面Aの表層が浸食されるのを防止することができる。
法面A上に地表面保護構造40を構成した後、5〜6年が経過すると、図9に示すように、微生物等によって植生環境改善材18および袋16が完全に分解され、これらが法面Aの土壌48と完全に一体化される。したがって、地表面保護材10によって草本類46の発生が抑制されることはなく、法面Aの全面に自生種の草本類46が発生するようになる。
この頃の樹木36は、既に草本類46よりも大きく成長しているため、草本類46が作る日陰によって樹木36の日照が遮られることはなく、樹木36の生育が阻害されることはない。また、植生環境改善材18および袋16が完全に分解されると、雨水または湧水は、法面Aを傾斜方向へ真っ直ぐに流れようとするが、成長した樹木36および草本類46が水分をしっかりと吸収するため、法面Aの表層が雨水等によって浸食されることはない。
法面A上に地表面保護構造40を構成した後、9〜10年が経過すると(図示省略)、樹木36は既に大きく成長しているため、樹木36が作る日陰によって草本類46の日照が遮られ、草本類46の生育が抑制される。したがって、草本類46は、枯死によって徐々に減少し、樹木36を主体とする林が構成されるようになる。この頃には、大きく成長した樹木36が法面Aの土壌に深く根付いているので、法面Aの地盤は極めて安定しており、法面Aの表層が雨水等によって浸食されることはない。
このように、本実施形態では、地表面保護材10で地表面保護構造40を構成することによって、草本類46の発生時期をコントロールすることができ、法面Aの表層を保護しつつ、樹木36の生育を促進することができる。また、ケイ酸を含有する植生環境改善材18によって法面Aの植生環境を長期間に亘って改善することができるので、法面Aから草本類46を自然発生させることができ、法面Aに対して自生種の草本類46を直接かつ確実に根付かせることができる。したがって、プランター38で樹木36を育成するか否かにかかわらず、法面Aの表層を自生種の草本類46によって保護することができる。換言すると、外来の草本類(牧草等)による生態系の撹乱を生じることなく、法面Aの地盤を安定させることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る地表面保護材50は、図10に示すように、袋52の内部空間を十字状の縫合部54によって平面視形状が直角三角形となる4つの区画室Rに区画するようにしたものであり、他の構成は、第1実施形態に係る地表面保護材10と同様である。
この地表面保護材50を用いて法面を緑化する際には、複数の地表面保護材50のそれぞれが、平面視形状である「正方形」の一辺が法面の傾斜方向と同じ方向へ延びるようにして法面上に並べて敷設される。また、隣り合う地表面保護材50の溝56が法面の傾斜方向に対して略45度の角度で傾斜する方向に連続され、これにより、当該方向へ延びる排水路が網目状に構成される。
第2実施形態によれば、複数の地表面保護材50を並べることによって平面視略四角形の地表面保護構造(図示省略)を構成することができるので、法面が四角形である場合でも、法面の全体をむら無く緑化することができる。
本発明は、植生環境を改善すべきあらゆる「地表面」に使用可能であり、上述の各実施形態における「法面」の他、たとえば、丘陵地における水平面に対して傾斜した地表面や、平地における水平面に対して平行な地表面にも使用可能である。
A… 法面
R… 区画室
10… 地表面保護材
12… 糸
14… 布
16… 袋
18… 植生環境改善材
20… 表面材
22… 裏面材
28… 縫合部
30… 2重部分
32… 4重部分
34… 溝
36… 樹木
38… プランター
40… 地表面保護構造
42… 溝
44… 排水路
46… 草本類
48… 土壌
50… 地表面保護材
52… 袋
54… 縫合部
56… 溝

Claims (4)

  1. 地表面に敷設される地表面保護材であって、
    生分解性を有する糸で構成された布からなる袋の内部に、ケイ酸を含有する植物由来の植生環境改善材を充填し、
    前記袋は、平面視形状が正方形となるように形成されており、
    前記袋の内部空間は、前記袋の表面を構成する表面材と前記袋の裏面を構成する裏面材とを十字状に縫合することによって、平面視形状が正方形となる4つの区画室に区画されており、
    前記区画室のそれぞれに前記植生環境改善材が充填されている、地表面保護材。
  2. 前記表面材と前記裏面材とを十字状に縫合した縫合部は、前記表面材と前記裏面材とを重ねた部分を下方へ向けて凸となるように折り重ねるとともに、この折り重ねた部分を縫合することによって構成されている、請求項1に記載の地表面保護材。
  3. 生分解性を有する糸で構成された布からなる袋と、前記袋の内部に充填されたケイ酸を含有する植物由来の植生環境改善材とを備える複数の地表面保護材を、水平面に対して傾斜した地表面上に並べて敷設した地表面保護構造であって、
    前記地表面保護材のそれぞれは、前記袋の表面を構成する表面材と前記袋の裏面を構成する裏面材とを縫合することによって形成された溝を有しており、
    隣り合う前記地表面保護材の前記溝が直線状に連続することによって排水路が構成されており、
    前記地表面保護材は、平面視形状が正方形となるように形成されており、前記地表面保護材のそれぞれは、一方の対角線が地表面の傾斜方向と同じ方向へ延びるようにして地表面上に敷設されている、地表面保護構造。
  4. 前記袋の内部空間は、前記表面材と前記裏面材とを十字状に縫合することによって、平面視形状が正方形となる4つの区画室に区画されており、
    前記区画室のそれぞれに前記植生環境改善材が充填されている、請求項3に記載の地表面保護構造。
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