JPH1111486A - 電子印刷フィルム貼着缶の製法 - Google Patents

電子印刷フィルム貼着缶の製法

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JPH1111486A
JPH1111486A JP18575897A JP18575897A JPH1111486A JP H1111486 A JPH1111486 A JP H1111486A JP 18575897 A JP18575897 A JP 18575897A JP 18575897 A JP18575897 A JP 18575897A JP H1111486 A JPH1111486 A JP H1111486A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質の画像のフィルム貼着缶を高速かつ低
コストに製造することのできる方法を提供する。 【解決手段】 長尺状の熱可塑性樹脂フィルム2の片面
に電子写真印刷法により着色トナーを静電付着させると
ともに、その着色トナーの上層にクリアートナーを、ニ
ス除け部分を設けつつ積層し、これら積層した着色トナ
ーおよびクリアートナーを仮定着させ、次に、前記長尺
状の熱可塑性樹脂フィルムを前記ニス除け部分において
切断して缶胴1周分毎の大きさの印刷フィルムとし、そ
の缶胴1周分の大きさの印刷フィルムを、前記仮定着温
度以上に加熱昇温した缶胴面に、前記トナー層を外面側
にして接着剤層を介して加熱接着すると同時に前記トナ
ーを本定着させることを特徴とする電子印刷フィルム貼
着缶の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子写真印刷法
により印刷した樹脂フィルムを、金属製の缶胴の外面に
貼着した缶体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように電子写真印刷法は、帯電さ
せた感光ドラムにレーザ光や可視光線を照射して模様や
文字の潜像を形成し、その潜像の部分にトナーを静電気
によって付着させ、これをフィルムや紙などの印刷対象
物に転写するとともに、加熱して定着させる方法であ
る。この印刷法は、ゼログラフィと称されるように、版
を使用しないから、ニーズに対する即応性が高い。
【0003】そこで印刷缶を製造する場合においても、
オフセット印刷法やグラビア印刷法、フレキソ印刷法な
どの版を使用する印刷法によって印刷缶を製造すること
に替えて、電子写真印刷法を利用することが、従来、種
々試みられている。その一例として、例えば特開昭63
−279267号公報に記載された方法は、移動する帯
状ベルトに、電子写真法により形成された感光ドラム上
の一色のトナー像を転写するとともに定着し、帯状ベル
ト上のトナー像に他の色のトナー像を同様の方法で繰り
返し重ねて転写かつ定着し、次いで加熱された金属容器
をその帯状ベルトに圧接することによりトナー像を帯状
ベルトから容器表面へ転写させる方法である。
【0004】また他の例として、特開平1−19838
3号公報に記載された方法は、帯状ベルトにプラスチッ
クフィルムを剥離可能に積層し、このプラスチックフィ
ルム上に、電子写真法により形成された感光ドラム上の
一色のトナー像を転写かつ定着し、同様な方法で複数の
色のトナーを繰り返し重ねて転写かつ定着し、このよう
にして多色のトナー像を形成したプラスチックフィルム
を、加熱した金属容器に圧接してプラスチックフィルム
を帯状ベルトから金属容器の表面に転写させる方法であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
特開昭63−279267号公報に記載された方法は、
帯状ベルトの表面に直接トナーを付着させ、これを金属
容器に転写する方法であるから、帯状ベルト上のトナー
(インキ)が完全に金属容器に転移せずに、一部未転写
のまま溶融して残り易く、次の転写の際に金属容器に転
写されて汚れやゴーストの原因となることがある。また
帯状ベルトを清浄な状態に保つためにクリーニングを定
期的に行う必要があるが、帯状ベルトに付着したトナー
などによる汚れは、ブラッシングのみで容易に除去する
ことが困難であり、結局、帯状ベルトのクリーニングに
多大の労力と時間を費やすことになり、ひいては印刷缶
の生産効率が悪くなる不都合があった。
【0006】また上記の帯状ベルトは、トナーを溶融さ
せるための赤外線照射を受けて加熱され、これが各トナ
ーごとに繰り返されるので、帯状ベルトの膨張収縮が繰
り返し生じ、その結果、トナー画像が歪んだり各トナー
の見当ずれが発生し易くなるなどのおそれが多分にあ
る。
【0007】他方、後者の特開平1−198383号公
報に記載された方法は、プラスチックフィルム上に電子
写真印刷法により画像を形成し、そのプラスチックフィ
ルムの画像部分あるいは画像部分を含む所定の範囲を、
プラスチックフィルムと共に容器の表面に転移させて融
着させることにより容器へ多色印刷する方法であるか
ら、帯状ベルトに直接トナーを付着させる上記の方法に
おけるような不都合は生じない。しかしながら、この特
開平1−198383号公報に記載された方法では、ト
ナーを各色ごとに加熱溶融および冷却させるから、各ト
ナーの加熱時間が異なり、特に最初に施されたトナーは
加熱履歴が多く塗膜の劣化が起り易く、塗膜の密着性が
悪くなり易い。また、この公報に記載された方法では、
金属容器に融着しなかったプラスチックフィルムをコイ
ラーで巻き取ることとしており、したがって金属缶など
の対象とする金属容器に融着させる量よりも多くのプラ
スチックフィルムを必要とし、その結果、消耗品の量が
大きくなってコスト高になるおそれがある。
【0008】さらにこの特開平1−198383号公報
に記載された方法では、印刷の施されたプラスチックフ
ィルムを帯状ベルトから剥離して金属容器に転写・融着
させるから、そのプラスチックフィルムの印刷の施され
ていない他方の面が金属容器の表面に現れる。すなわち
プラスチックフィルムの一方の面がそのまま表面に現れ
るために、金属容器としての表面の滑りが阻害され、後
工程での金属容器のハンドリングに支障が生じる可能性
が多分にある。
【0009】この発明は、上記の事情を背景にしてなさ
れたものであり、美麗な画像を有し、かつ後工程でのハ
ンドリングに支障の生じないフィルム貼着缶を効率良く
製造することのできる方法を提供することを目的とする
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、この発明の方法は、金属板から円
筒缶体を形成した後、印刷層を有する熱可塑性樹脂フィ
ルムを、その円筒缶体の加熱した缶胴部に、熱硬化性樹
脂からなる接着剤層を介して熱接着することによりフィ
ルム貼着缶体を製造する電子印刷フィルム貼着缶の製法
において、長尺状の熱可塑性樹脂フィルムの片面に電子
写真印刷法により着色トナーを静電付着させるととも
に、その着色トナーの上層にクリアートナーを、着色ト
ナーの位置に合せてニス除け部分を設けつつ積層し、こ
れら積層した着色トナーおよびクリアートナーを仮定着
させ、次に、前記長尺状の熱可塑性樹脂フィルムを前記
ニス除け部分において切断して1缶分毎の大きさの印刷
フィルムとし、その1缶分の大きさの印刷フィルムを、
前記仮定着温度以上に加熱昇温した缶胴面に、前記トナ
ー層を外面側にして接着剤層を介して加熱接着すると同
時に前記トナーを本定着させることを特徴とする方法で
ある。
【0011】またこの発明の方法では、長尺状の熱可塑
性樹脂フィルムの前記着色トナーを付着させる面とは反
対側の面に、予め接着剤層を形成しておくことができ
る。
【0012】したがってこの発明の方法では、熱可塑性
樹脂フィルム上に形成した着色トナーおよびその上層の
クリアートナーを付着させるごとに加熱溶融および冷却
を行なわず、クリアートナー付着後の加熱だけで仮定着
した後、その印刷フィルムの缶胴面に対する加熱接着時
に、その接着のための加熱によって各トナーを本定着す
る。そのため、各トナーの熱履歴がほぼ同等になってフ
ィルムの熱膨張および熱収縮による画像の歪みが防止さ
れ、またオーバーキュアーによる塗膜劣化が防げ、同時
に消費する熱エネルギ量が低減されてランニングコスト
の低廉化を図ることができる。
【0013】ここで言う「仮定着」状態とは、トナーが
静電気でフィルムに付着している状態から熱融着状態ま
でを指し、トナーのフロー状態が不完全ではあるが、フ
ィルムから簡単にトナーが離脱しない程度を指す。すな
わち、熱硬化型のトナーの場合は架橋反応が進んでない
状態を指す。一方の「本定着」状態とは、仮定着状態で
フィルムに付着しているトナーを、仮定着温度より高い
温度で圧着することにより、トナーのフロー状態をさら
に溶融状態化し、架橋反応を進ませた状態を指す。この
本定着の温度は、完全溶融したフロー状態にさせて速や
かに架橋反応をさせるためには、仮温度より10度以上
高くするのが好ましい。
【0014】また、滑剤含有のクリアートナーによる印
刷層が缶胴の最外面になるので、缶胴の滑りが良好にな
ってそのハンドリングに支障が生じることはない。また
この発明の方法では、長尺フィルムを缶胴1周分ごとに
切断し、各々を缶体に接着して使用するから、余剰の樹
脂フィルムが生じることがなく、材料歩留まりが良好に
なってコストの低廉化を図ることができる。さらに缶胴
1周分ごとに切断された各フィルムは、それぞれの両端
部にニス除け部分があるから、缶体に貼着する際に端部
同士が重なってもその接着に支障が生じない(接着強度
の低下がない)。
【0015】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明をより具体的に説
明する。図1に示すこの発明で対象とする缶体1は、金
属製であり、その素材としての金属板には、アルミニウ
ム板、アルミニウム合金板、ティンフリースチールなど
の表面処理鋼板、ブリキ、クロムメッキ鋼板、アルミメ
ッキ鋼板、ニッケルメッキ鋼板、その他の各種合金メッ
キ鋼板を用いることができる。またこの缶体1は、図1
に示すように、絞り缶、再絞り缶、ストレッチ缶、絞り
しごき缶、インパクト缶などの缶底と缶胴とが一体に成
形された底付き缶体、すなわちツーピース缶、もしくは
スリーピース缶とすることができる。通常は、この缶胴
の開口端部には、最終的にネックイン加工およびフラン
ジ加工が施されてネックイン部1aおよびフランジ部1
bが形成される。
【0016】この缶体に貼着される熱可塑性樹脂フィル
ム2としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などのポリエ
ステル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートとイソフタ
ル酸との共重合体などよりなる共重合ポリエステル系樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
スチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、
ポリ塩化ビニリデン共重合体などのうちから選ばれた透
明な高分子樹脂単体、あるいは上記樹脂の複合体からな
る熱可塑性樹脂フィルムが用いられる。これらのうち、
貼着工程において60kgf /cmの線圧力で缶体1の円周
方向にある程度展延し、しかも耐熱性があるポリエチレ
ンテレフタレート樹脂フィルムを用いることが好まし
い。その樹脂フィルムの厚さは適宜決定することがで
き、一例として10〜30μm程度の厚さの樹脂フィル
ムを使用することができる。
【0017】この熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に
は、予め接着剤層を形成しておくことができる。その接
着剤としては、加熱と加圧とにより密着し易い熱硬化性
接着剤を用いることができる。具体的には、トナー型接
着剤として、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウ
レタン樹脂などに硬化剤として、イソシアネート樹脂、
メラミン樹脂等を使用したものであって、融点が140
〜160℃、軟化点が60〜70℃のものを例示するこ
とができる。またその付着法としては電子印刷方式を採
用することができ、さらにその付着量は、厚さが7〜5
0μmとなる量に設定すればよい。また溶剤型接着剤と
してはポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン
樹脂などに硬化剤として、イソシアネート樹脂、メラミ
ン樹脂等を使用したものを例示でき、これらの接着剤
は、例えばグラビアロールコータによって塗布し、その
塗布量は、70〜130mg/dm2 とすればよい。ま
た、この溶剤型接着剤は、フィルム側に設けても良い
し、あるいは缶体側に設けても良い。
【0018】図2は、熱可塑性樹脂フィルム2に溶剤型
接着剤を塗布する工程を模式的に示しており、ロール3
から繰り出したフィルム2をグラビアロールコータ4に
通過させ、ここでフィルム2の一方の面(図2では下
面)に接着剤を塗布する。ついでドライヤー5に通過さ
せて接着剤を乾燥させた後、ロール6に巻き取る。な
お、そのドライヤー5としては、温風乾燥機や赤外線を
照射して加熱する赤外線乾燥機などを用いることができ
る。
【0019】接着剤層を片面に形成した上記のフィルム
2の他方の面に、電子印刷法によって模様や文字を形成
する。この電子印刷法は、複写機やレーザプリンタなど
に採用されている公知の方法であり、これを簡単に説明
すると、図3において符号7は潜像転写ドラム(感光ド
ラム)を示し、その表面にはセレニウムなどの光電導性
物質が塗布されている。このドラム7を先ず、高電圧発
生器8によってプラス(+)に帯電させ、ついでレーザ
光や可視光をその表面に照射する。これらの光線を照射
された部分の帯電がなくなり、陽電荷による潜像がドラ
ム7に形成される。したがってレーザ光や可視光の照射
パターンをコンピュータ9などによって制御することに
より、模様や文字などの任意の潜像を得ることができ
る。そしてマイナス(−)に帯電したトナー10をドラ
ム7に供給することにより、潜像の部分にトナーが付着
し、画線が現れる。このようにして画線を形成したドラ
ム7に対して、プラス(+)に帯電させたフィルム2を
圧接すると、トナーがフィルム2に転写される。すなわ
ちレーザ光や可視光によって描いた画像がフィルム2上
に形成される。そしてその画像を固定するためにフィル
ム2を溶融定着ロール11に通し、トナーを加熱溶融す
る。
【0020】図4は電子印刷から缶体へのフィルムの貼
着までの工程を模式的に示しており、前記の接着剤を片
面に塗布した熱可塑性樹脂フィルム2をロール6から繰
り出し、そのフィルム2の接着剤を塗布していない面
に、電子印刷によりイエロー(Y)トナー、マゼンタ
(M)トナー、シアン(C)トナー、ブラック(B)ト
ナーの各トナーを付着させる。これらの着色トナーを用
いた電子印刷の後に、これら互いに積層した着色トナー
の上層に滑剤を含有するクリアー(Cr)トナーによる
電子印刷を行う。図4中、符号12,13,14,1
5,16はそれぞれのトナーを使用する現像ユニットで
ある。各トナーによる電子印刷は、公知の位置合せ手段
(例えば、見当マークを使う方法)を使用して行われ
る。
【0021】これら着色トナーおよびクリアートナーに
よる電子印刷は、前記長尺フィルム2に対して1缶分の
長さごとに行うので、クリアートナーはほぼ缶胴1周分
の長さを1単位として繰り返し行なわれる。そしてこの
クリアートナーは、フィルムのほぼ全面を覆うように付
着させるが、その両端にクリアートナーの存在しない所
定長さのニス除け部分を生じさせるように付着させる。
図5は、クリアートナーを使用して電子印刷を終了した
段階のフィルム2の断面を模式的に示しており、フィル
ム2の図5での下面には接着剤層17が形成され、また
上面には着色トナーによる印刷層18およびクリアート
ナーによる印刷層19が順に積層されており、そのトナ
ーによる印刷層18,19同士の間にニス除け部分20
が形成されている。
【0022】ここでイエロー、マゼンタ、シアンの各着
色トナーおよびクリアートナーの樹脂成分(バインダ
ー)としては、エポキシ樹脂あるいはポリエステル樹脂
であって、融点が100〜120℃、軟化点が60〜7
0℃のものを使用することができる。またブラックトナ
ーは顔料(着色剤)として炭素粉を使用することができ
る。さらに着色トナー(ブラックトナーを含む)の付着
量は、その厚さが7〜50μmとなる量とする。またク
リアートナーの付着量は、その厚さが5〜7μmとなる
量とする。
【0023】各トナー(Y,M,C,B,Cr)を電子
印刷によりフィルム2に付着させた後、これらのトナー
の仮定着を行う。これは、例えば前記フィルム2を赤外
線炉21に送り込み、赤外線を照射することにより全ト
ナーを一度に加熱溶融させ、その後冷却ゾーン41にて
冷却を行う。この仮定着は、上記のフィルム2を缶胴1
周分の長さごとに切断し、かつ缶体に貼着するまでの間
にフィルムからトナーが離脱しないようにするためのも
のであり、一例として140〜160℃の温度に加熱昇
温して行う。
【0024】つぎにトナーを仮定着したフィルム2を、
図示しないフィード装置により搬送し、缶胴1周分の長
さごとに切断し、かつ缶体に貼着する。その工程を図4
に示す装置に基づいて説明する。上記の長尺フィルム2
を挟み込んで缶胴1周分の長さごとに切断するカッター
ロール22と固定刃23とが貼着ロール24に接近して
配置されている。このカッターロール22は、缶胴1周
分の長さの円周長を有しかつ1回転ごとにフィルム2を
切断するカッターを備えており、前記ニス除け部分20
のほぼ中央部で切断するようにフィルム2の走行と同期
して回転する。
【0025】貼着ロール24は、複数缶分の周長を備え
たロールであって、缶胴1周分の長さに切断されたフィ
ルム2をその外周面に複数枚吸着して保持するようにな
っている。この貼着ロール24は、缶体1を嵌合させて
旋回移動する複数のマンドレル25の旋回サークルに接
近した所定箇所に配置されている。この旋回サークルに
おけるマンドレル25の旋回方向でのいわゆる上流側に
は、供給ステーション26が設けられており、この供給
ステーション26に向けて供給コンベア27が配置され
ている。この供給コンベア27は、アルミニウム板など
の金属板を素材として絞り加工あるいは絞りしごき加工
などによって形成された円筒状の缶体1を一列に並べて
搬送するものであって、その最先端部において供給ステ
ーション26のマンドレル25に缶体1を受け渡して嵌
合させるようになっている。
【0026】この供給ステーション26に対してマンド
レル25の旋回方向での下流側で前記貼着ロール24と
の間には、マンドレル25に嵌合された缶体1を加熱す
る誘導加熱装置28が配置されている。この誘導加熱装
置28は、前記フィルム2の加熱接着とトナーの本定着
のために充分な温度となるように缶体1を加熱昇温する
ものであって、この加熱温度は、前記仮定着温度よりも
高い温度、例えば150〜170℃に設定されている。
すなわち、仮定着と本定着とに温度差をつけるのは、ト
ナーフロー状態を完全なものとし硬化反応を進行させる
ためである。
【0027】マンドレル25の旋回サークルのうち前記
貼着ロール24に接近した箇所が接着ステーション29
であって、貼着ロール24に吸着保持されている1缶分
の長さのフィルム2が、加熱昇温された缶体1に押し付
けられることにより、貼着ロール24から剥がれて缶体
1に巻き付けられる。すなわちその場合、切断されたフ
ィルム2は、接着剤層17を外向きにして貼着ロール2
4に吸着保持されている。また、その押圧力は、例えば
線圧力30kgf /cmに設定されている。
【0028】接着ステーション29に続けて押圧ステー
ション30が設けられており、ここには押圧ロール31
が配置されている。この押圧ロール31は回転しつつ缶
体1に接触させられることにより、缶体1の表面に接着
されているフィルム2を押圧して接着剤の密着度を高め
るものであって、その押圧力は、マンドレル25との間
隔を調整することにより、例えば40〜60kgf /cmに
設定されている。
【0029】なお、缶胴1周分の長さに切断したフィル
ム2を缶体1に接着する場合、そのフィルム2の両端部
が重なることがあるが、フィルム2の端部にはニス除け
部分20を設けてあるから、接着剤層17の下側に滑剤
含有のクリアートナーにより被覆された印刷層18,1
9が介在することがなく、したがって、フィルム両端の
重なり部で剥離することがなく、フィルム2を缶体1の
外周面に確実に貼着することができる。
【0030】そして上記の押圧ステーション30に対し
てマンドレル25の旋回方向での下流側に搬出ステーシ
ョン32が設けられており、フィルム2を貼着した缶体
1をここから搬出コンベア33に対して送り出すように
なっている。なお、この搬出コンベア33は、フィルム
2を貼着した缶体1をネックイン加工やフランジ加工を
行う工程へ搬送する。
【0031】
【実施例】つぎにこの発明の実施例を記す。
【0032】鋼板を絞り加工したスチールDI缶に、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムを貼
着してフィルム貼着缶を得た。そのフィルムの厚さは1
6μmであり、表面をコロナ処理した。その長尺フィル
ムの一方の面に、ポリエステル系樹脂から成る接着剤
を、グラビアロールコートによって、90mg/dm2 の割
合で塗布した。
【0033】上記の接着剤を塗布しかつ乾燥させた長尺
のフィルムの他方の面すなわち接着剤を塗布していない
面に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の
カラートナーを使用して電子印刷によって画像を形成
し、さらにその上層にクリアートナーを電子印刷した。
カラートナーはポリエステル樹脂を主成分とするもので
あり、その組成は、バインダー95重量部に対して顔料
5重量部とし、これに数重量部の帯電剤を混合した。
【0034】クリアートナーを含む各トナーの融点は1
00℃、軟化点は60℃であり、カラートナーは7〜3
0μmの厚さに付着させ、またその上層のクリアートナ
ーは7μmの厚さに付着させた。これらのトナーの仮定
着として、赤外線ランプによる輻射加熱を行った。加熱
温度は140℃、加熱時間は1秒である。
【0035】一方、上記のフィルムの接着とトナーの本
定着のために、上記のスチールDI缶を誘導加熱によっ
て150℃に加熱昇温し、これに前記のフィルムを貼着
した。押圧ステーションでの押圧荷重は、30kgf /cm
の線圧力とした。なお、缶体に巻き付けて貼着したフィ
ルムの両端部は、僅かに重なり合っていた。
【0036】得られたフィルム貼着缶体を目視観察した
ところ、トナー画像の歪みや見当ずれは認められず、模
様および文字に異常は認められなかった。
【0037】また、各トナー毎に加熱冷却が施される場
合(4色カラー、クリアーとフィルム接着で熱履歴的に
6回加熱された場合)に比し、塗膜の耐衝撃性および耐
折曲げ性に優れ、ネックイン加工およびフランジ加工を
行ったところ、塗膜に亀裂がなく、しかもフィルムのシ
ワや剥離も生じなかった。
【0038】またさらに、クリアートナーによる印刷層
はロールコートによる場合に比べて膜厚が厚くでき、缶
体の滑りが良好となり、製缶および缶詰製造工程でのハ
ンドリングにおいて傷付きは皆無であった。
【0039】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明のフィルム
貼着缶の製法によれば、電子印刷法により画像を形成す
るから、予め版を作成する必要がなくなり、したがって
小ロット多品種の缶体の製造にフレキシブルに対応する
ことが可能となる。また、すべてのカラートナーとクリ
アートナーとを付着させた段階で仮定着させるので、ト
ナーの定着ための手段や工程を削減でき、工程の短縮
化、生産速度の高速化、設備コストならびにランニング
コストの低廉化を図ることができる。さらに各トナーの
本定着とフィルム貼着工程とを同時に行い、しかもフィ
ルム貼着の際の缶胴の熱を利用して各トナーの本定着を
行うので、この点でも工程の短縮化や生産速度の高速化
を図ることができ、これに加えて、完全に定着した印刷
フィルムを貼着するのと比較して熱履歴が少なくてす
み、高品質のフィルム貼着缶を得ることが可能となる。
【0040】そしてこの発明の方法では、すべてのトナ
ーを付着させた後に、仮定着と本定着とを順に行うの
で、各トナーの熱履歴が同等になり、その結果、各トナ
ーにおける塗膜の物性の均一化を図ることができると同
時に、各トナーによる印刷の際のフィルムの熱膨張・熱
収縮を防止して画像のずれを防止できるため、鮮明な印
刷像を得ることが可能になる。
【0041】そしてこの発明では、クリアートナーの付
着をカラートナーの付着工程後に連続して行うことが可
能になるので、カラートナーの位置に対するクリアート
ナーの位置合わせが容易となり、クリアートナーをスポ
ット的にニス除け部分を設けて付着させることができ
る。さらにそのクリアートナーによる印刷層が缶体の最
も外側の表面に現れるので、缶体の滑りが良好になり、
そのハンドリングに支障が生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明で対象とする缶体の一例を示す側面図
である。
【図2】接着剤の塗布工程を説明するための模式図であ
る。
【図3】電子写真印刷法を原理的に示す模式図である。
【図4】この発明の方法による4色のカラートナーとク
リアートナーとを用いた電子印刷工程から缶体に対する
フィルムの貼着工程までを示す模式図である。
【図5】クリアートナーを付着させた時点のフィルムの
模式的な断面図である。
【符号の説明】
1 缶体 2 熱可塑性樹脂フィルム 7 感光ドラム 12,13,14,15,16 現像ユニット 17 接着剤層 18 着色トナーによる印刷層 19 クリアートナーによる印刷層 20 ニス除け部分

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板から円筒缶体を形成した後、印刷
    層を有する熱可塑性樹脂フィルムを、その円筒缶体の加
    熱した缶胴部に、熱硬化性樹脂からなる接着剤層を介し
    て熱接着することによりフィルム貼着缶体を製造する電
    子印刷フィルム貼着缶の製法において、 長尺状の熱可塑性樹脂フィルムの片面に電子写真印刷法
    により着色トナーを静電付着させるとともに、その着色
    トナーの上層にクリアートナーを、着色トナーの位置に
    合せてニス除け部分を設けつつ積層し、これら積層した
    着色トナーおよびクリアートナーを仮定着させ、次に、
    前記長尺状の熱可塑性樹脂フィルムを前記ニス除け部分
    において切断して1缶分毎の大きさの印刷フィルムと
    し、その1缶分の大きさの印刷フィルムを、前記仮定着
    温度以上に加熱昇温した缶胴面に、前記トナー層を外面
    側にして接着剤層を介して加熱接着すると同時に前記ト
    ナーを本定着させることを特徴とする電子印刷フィルム
    貼着缶の製法。
  2. 【請求項2】 長尺状の熱可塑性樹脂フィルムの前記着
    色トナーを付着させる面とは反対側の面に、予め接着剤
    層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の
    電子印刷フィルム貼着缶の製法。
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