JP2016507551A - ヘテロアリール置換ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン化合物 - Google Patents

ヘテロアリール置換ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン化合物 Download PDF

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Abstract

本発明は、式Iの構造を有し、可変基R1およびR2が明細書において定義されているとおりである化合物、その開示されている化合物の互変異性体、および薬学的に許容できる塩を対象とする。対応する医薬組成物、治療方法、合成方法、および中間体も開示する。【化1】

Description

本発明は、β部位アミロイド前駆体タンパク質(APP)切断酵素1(BACE1)の阻害剤およびBACE2の阻害剤である低分子化合物および薬学的に許容できるその塩に関する。本発明は、アミロイドタンパク質の神経沈着物の形成の一因となり得るA−βペプチドの産生を阻害することに関する。本発明はまた、ヒトを含めた哺乳動物におけるアルツハイマー病(AD)ならびに他の神経変性障害および/または神経障害の治療、さらには、糖尿病の治療に関する。より詳細には、本発明は、A−βペプチドの産生に関連するADおよびダウン症候群などの神経変性障害および/または神経障害の治療に有用なチオアミジン化合物および薬学的に許容できるその塩に関する。
認知症は、多種多様な特有の病理学的経過の結果として生じる。認知症を引き起こす最も一般的な病理学的経過は、アルツハイマー病(「AD」)、脳アミロイド血管障害(「CM」)およびプリオン媒介疾患である(例えば、Haanら、Clin.Neurol.Neurosurg.、1990、92(4):305〜310;Glennerら、J.Neurol.Sci.、1989、94:1〜28を参照されたい)。ADは、記憶障害および認知機能障害によって特徴付けられる進行性の神経変性障害である。ADは、米国人口の最も急速に増加している部分である85歳を超える人全ての半数近くが罹患する。したがって、米国におけるAD患者の数は、2050年までに約400万人から約1400万人に増加することが予想される。
アミロイド−β(Aβペプチド)の蓄積は、高齢者における認知低下の最も一般的な原因であるアルツハイマー病(AD)の根本的な原因の1つであると考えられている(Hardy & Allsop、Trends Pharmacol Sci.、1991;12(10):383〜8;Selkoe、Behav. Brain Res.、 2008;192(1):106〜13)。アミロイド斑の主なタンパク質成分であるAβは、2種のプロテアーゼ、β−およびγ−セクレターゼによるアミロイド前駆体タンパク質(APP)であるI型内在性膜タンパク質の連続切断に由来する。β部位APP切断酵素(BACE1およびBACE2)によるAPPのタンパク質分解性切断により、APPの可溶性N末端エクトドメイン(sAPPβ)およびC末端断片C99が生成する。γ−セクレターゼによる膜結合C99断片のその後の切断により、Aβ40およびAβ42が最も優勢な形態である様々なAβペプチド種が遊離する(Vassarら、J. Neurosci.、 2009;29(41):12787〜94;Marks & Berg、Neurochem. Res.、 2010;35:181〜210)。したがって、BACE1阻害剤は、全ての優勢なAβペプチドの形成を有効に阻害することができるであろうために、BACE1の阻害により直接的にAβの生成を制限することは、ADを治療するための最も魅力的な手法の1つである。
加えて、BACE1ノックアウトマウスは、変性線維からの軸索デブリおよびミエリンデブリのクリアランスと、軸索再生の促進と、同腹子対照と比較して早い神経筋接合部の神経再支配とを顕著に強化したことが決定されている。これらのデータは、末梢神経損傷後の再生および回復を促進する治療手法としてのBACE1阻害を示唆している(Farahら、J.Neurosci.、2011、31(15):5744〜5754を参照されたい)。
インスリン抵抗性およびグルコース恒常性障害は、2型糖尿病の重要な指標であり、ADの初期危険因子である。特に、2型糖尿病の患者には、より高い散発性ADのリスクがあり、AD患者は、2型糖尿病をより発症しやすい(Butler, Diabetes 53:474−481, 2004)。最近、ADを3型糖尿病として再考すべきであるとも提案されている(de la Monte、J. Diabetes Sci. Technol.、 2008;2(6):1101〜1113)。ADおよび2型糖尿病は、共通の発病機構を、また、ことによると共通の治療を共有するという事実は、特に重要である(Park. S.A.、J. Clin. Neurol.、 2011;7:10〜18;Raffa, Br. J. Clin. Pharmacol 2011、71(3):365〜376)。BACE活性の生成物であるAβの血漿中レベルの上昇は最近では、ヒトにおける高血糖症および肥満に関連づけられた(Meakinら、Biochem J.、2012、441(1):285〜96.;Martins、Journal of Alzheimer’s Disease、 8(2005)269〜282を参照されたい)。さらに、Aβ産生の増大は、マウスにおけるグルコース不耐性およびインスリン抵抗性の発症を刺激する(Cozar−Castellano、Am. J. Physiol. Endocrinol. Metab.、 302:E1373〜E1380、2012;Delibegovic、Diabetologia(2011)54:2143〜2151)。最後に、Aβの循環は、ヒトおよびマウスの両方におけるアテローム硬化症の発生に関係し得るであろうことも示唆されている(De Meyer、Atherosclerosis 216(2011)54〜58;Catapano、Atherosclerosis 210(2010)78〜87;Roher、Biochimica et Biophysica Acta 1812(2011)1508〜1514)。
したがって、慢性的な栄養分過剰の状態では、BACE1レベルがグルコースおよび脂質の恒常性において重要な役割を果たし得ると考えられている。具体的には、BACE1の低減がマウスにおいて体重を減少させ、食事性肥満を予防し、インスリン感受性を増強するという事実によって例示されるとおり、BACE1阻害剤は、骨格筋および肝臓におけるインスリン感受性を高めるために潜在的に有用であり得る(Meakinら、Biochem. J.2012、441(1):285〜96を参照されたい)。BACE1基質としてのLRP1の同定およびアテローム硬化症との潜在的な連係も同様に重要である(Strickland、Physiol.Rev.、88:887〜918、2008;Hyman、J.Biol.Chem.、Vol.280、No.18、17777〜17785、2005)。
同様に、BACE2の阻害は、β細胞量を保存および回復し、前糖尿病患者および糖尿病患者におけるインスリン分泌を刺激する可能性を有する2型糖尿病の治療として提案されている(WO2011/020806)。BACE2は、膵臓β細胞の機能および量を調節するβ細胞濃縮プロテアーゼ(β−cell enriched protease)であり、BACE1の類似同族体である。BACE2の薬理学的阻害は、β細胞の量および機能を増大させ、このことは、Tmem27の安定化につながる(Esterhazyら、Cell Metabolism 2011、14(3):365〜377を参照されたい)。BACE2の阻害に関連した疾患を治療および/または予防する際にBACE2阻害剤が有用であることが示唆されている(例えば、2型糖尿病では、前糖尿病性および糖尿病性患者におけるβ細胞量を維持および回復させ、インスリン分泌を刺激する可能性がある)(WO2011/020806)。
アミノジヒドロチアジンまたはチオアミジン化合物は、β−セクレターゼ酵素の有用な阻害剤としてUS2009/0082560、WO2009/091016およびWO2010/038686に記載されている。2012年8月17日にPfizer Incにより出願された同時係属中のPCT出願、PCT/IB2012/054198も、β−セクレターゼ酵素の有用な阻害剤であるアミノジヒドロチアジン化合物を記載している。本発明は、新規のチオアミジン化合物ならびにADを含めた神経変性疾患の治療、さらには、糖尿病および肥満などの代謝性疾患および状態の治療におけるその使用を対象とする。
本発明の第1の態様の第1の実施形態は、式Iの化合物:
Figure 2016507551
[式中、
は、水素またはメチルであり、前記メチルは、1〜3個のフルオロで置換されていてもよく、
は、N、O、またはSから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員ヘテロアリールであり、そのヘテロ原子の少なくとも1個はNであり、前記Nは、Rで置換されていてもよく、前記5〜10員ヘテロアリールは、炭素上で、1〜3個のRで置換されていてもよく、
は、出現する毎に、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルコキシ−C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルコキシ、C3〜6シクロアルコキシ−(CR5a5b−、C3〜6シクロアルキル−(CR5a5b−O−、−(CR5a5b−C3〜6シクロアルキル、または−(CR5a5b−(4〜6員ヘテロシクロアルキル)からなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、またはC1〜6アルコキシ−C1〜6アルキルは、それぞれ、1〜3個のフルオロで置換されていてもよく、前記C3〜6シクロアルキル、C3〜6シクロアルコキシ、および(4〜6員ヘテロシクロアルキル)部分は、フルオロ、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、またはトリフルオロメチルからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
は、水素、C1〜6アルキル、−(CR5a5b−C3〜6シクロアルキル、または−(CR5a5b−(4〜6員ヘテロシクロアルキル)であり、前記C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、および−(4〜6員ヘテロシクロアルキル)部分は、それぞれ、フルオロ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、またはトリフルオロメトキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
5aおよびR5bは、独立に、水素、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり、
mは、出現する毎に独立に、0、1、または2であり、
nは、1、2、または3である]
もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の別の実施形態は、式Iの化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩、および薬学的に許容できるビヒクル、賦形剤、または担体を含む医薬組成物である。本明細書に記載の医薬組成物は、アミロイド−βタンパク質の産生の阻害、およびベータ部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素1(BACE1)の阻害;神経変性疾患、特に、アルツハイマー病の治療;糖尿病または2型糖尿病を含めた、β−アミロイドレベルの上昇により特徴付けられる疾患および障害を治療的および/または予防的に治療するためのBACE1および/またはBACE2活性の阻害;ヒトを含めた哺乳動物における骨格筋および肝臓でのインスリン感受性の増大;ならびに肥満の治療および/または予防のために使用することができる。
本発明は、また、
(1)治療有効量の式Iの実施形態のいずれかのチオアミジン化合物またはその薬学的に許容できる塩、および薬学的に許容できる担体を、それを必要とする哺乳動物または患者に投与することにより、BACE酵素活性を阻害する方法。
(2)哺乳動物、好ましくはヒトにおける、β−セクレターゼ酵素が関与する中枢神経系および神経障害の状態または疾患(例えば、片頭痛;てんかん;アルツハイマー病;パーキンソン病;脳傷害;脳卒中;脳血管疾患(脳動脈硬化症、脳アミロイド血管障害、遺伝性脳出血、および脳低酸素虚血を含めた);認知障害(健忘症、老人性認知症、HIV関連認知症、アルツハイマー病、ハンチントン病、レビー小体型認知症、血管性認知症、薬物が関係する認知症、晩発性ジスキネジア、ミオクローヌス、ジストニア、せん妄、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病、HIV疾患、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、てんかん、筋痙縮、筋痙直または筋力低下と関連する障害(振戦を含めた)、および軽度認知障害(「MCI」)を含めた);精神遅滞(痙縮、ダウン症候群および脆弱X症候群を含めた);睡眠障害(過眠症、概日リズム睡眠障害、不眠、睡眠時異常行動、および睡眠遮断を含めた)、ならびに精神障害、例えば、不安(急性ストレス障害、全般性不安障害、社会不安障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害、広場恐怖症、および強迫性障害を含めた);虚偽性障害(急性幻覚性躁病を含めた);衝動制御障害(強迫性賭博および間欠性爆発性障害を含めた);気分障害(双極性障害I型、双極性障害II型、躁病、混合感情状態、大うつ病、慢性うつ病、季節性うつ病、精神病性うつ病、季節性うつ病、月経前症候群(PMS)、月経前不機嫌性障害(PDD)、および産後うつ病を含めた);精神運動障害;精神病性障害(統合失調症、統合失調感情障害、統合失調症様、および妄想性障害を含めた);薬物依存(麻薬依存、アルコール依存、アンフェタミン依存、コカイン嗜癖、ニコチン依存、および薬物離脱症候群を含めた);摂食障害(食欲不振症、過食症、過食障害、食欲過剰、肥満症、強迫性摂食障害および氷食症を含めた);性的機能障害;尿失禁;ニューロン損傷障害(目の損傷、目の網膜症または黄斑変性症、耳鳴、聴覚障害および聴覚損失、ならびに脳浮腫を含めた)、神経傷害治療(末梢神経損傷後の再生および回復の促進を含む)ならびに小児精神障害(注意欠陥障害、注意欠陥/機能亢進障害、行為障害、および自閉症を含めた)を治療する方法であって、前記哺乳動物に治療有効量の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を投与することを含む方法。式Iの化合物はまた、記憶(短期および長期の両方)ならびに学習能力の改善のために有用であり得る。Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (DSM−IV−TR) (2000、American Psychiatric Association、Washington D.C.)の第4版のテキスト改訂版は、本明細書に記載されている障害の多くを同定するための診断手段を提供する。DMS−IV−TRに記載されているものを含めて、本明細書に記載されている障害についての代わりの命名法、疾病分類、および分類体系が存在し、用語法および分類体系は医科学の進展と共に進化することを当業者は認識する;
(3)哺乳動物、好ましくはヒトにおいて、神経障害(例えば、片頭痛;てんかん;アルツハイマー病;パーキンソン病;ニーマンピックC型;脳傷害;脳卒中;脳血管疾患;認知障害;睡眠障害)または精神障害(例えば、不安;虚偽性障害;衝動制御障害;気分障害;精神運動障害;精神病性障害;薬物依存;摂食障害;および小児精神障害)を治療する方法であって、前記哺乳動物に治療有効量の式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を投与することを含む方法;
(4)1型および2型糖尿病、耐糖能障害、インスリン抵抗性、高血糖症、ならびにアテローム硬化症、冠状動脈性心疾患、卒中、末梢血管疾患、腎障害、高血圧、神経障害、および網膜障害などの糖尿病合併症を含めた、糖尿病または糖尿病関連障害を治療する(例えば、進行または発症を遅延させる)方法;
(5)代謝症候群などの肥満共存症を治療する方法。代謝症候群には、脂質異常症、高血圧、インスリン抵抗性、糖尿病(例えば、2型糖尿病)、冠状動脈疾患、および心不全などの疾患、状態、または障害が含まれる。代謝症候群に関するより詳細な情報については、例えば、Zimmet,P.Z.ら、「The Metabolic Syndrome: Perhaps an Etiologic Mystery but Far From a Myth − Where Does the International Diabetes Federation Stand?」、Medscape Diabetes & Endocrinology、7(2)、(2005);およびAlberti, K.G.ら、「The Metabolic Syndrome − A New Worldwide Definition」、Lancet、366、1059〜62(2005)を参照されたい;および
(6)非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)および肝インスリン抵抗性を治療する方法
などの式Iの化合物を使用する治療方法を対象とする。
本発明はまた、本発明の化合物を、本明細書に記載の疾患、状態、および/または障害を治療するための他の医薬品と併せて使用することもできる併用療法を対象とする。したがって、本発明の化合物を他の医薬品と組み合わせて投与することを含む治療方法も提供する。
本明細書において言及される全ての特許、特許出願、および参考文献は、その全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。
本発明の他の特徴および利点は、本発明を説明する本明細書および添付の特許請求の範囲から明らかであろう。上記および下記の詳細な説明は、例示に過ぎず、特許請求の範囲に記載の本発明を制限するものではないことを理解されたい。
本発明は、本発明の例示的な実施形態の以下の詳細な説明および本明細書に含まれる実施例を参照することで、より容易に理解され得る。本発明が、特定の合成方法に限定されず、合成方法はもちろん変化し得ることを理解されたい。また、本明細書において使用される専門用語は、特定の実施形態を記載するためのものであるに過ぎず、限定的であることを意図されたものではないことを理解されたい。
本明細書および以下の特許請求の範囲では、次の意味を有すると定義されるいくつかの用語に言及する:
本明細書で使用する場合、「摂食障害」は、患者が、患者の摂食行動ならびに関連する思考および情動に障害を負っている疾患を指す。肥満関連摂食障害の代表的な例には、過食、大食、むちゃ食い障害、強迫ダイエット(compulsive dieting)、夜間睡眠関連摂食障害、異食、プラダー−ウィリ症候群、および夜食症候群が包含される。
「患者」は、例えば、モルモット、マウス、ラット、アレチネズミ、ネコ、ウサギ、イヌ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、サル、チンパンジー、およびヒトなどの温血動物を指す。
「薬学的に許容できる」という用語は、その物質または組成物が、製剤を構成する他の成分および/またはそれで治療される哺乳動物と化学的および/または毒物学的に適合性でなければならないことを意味している。
「治療有効量」という用語は、(i)特定の疾患、状態、もしくは障害を治療もしくは予防するか、(ii)特定の疾患、状態、もしくは障害の1種もしくは複数の症状を減弱、寛解、もしくは除去するか、または(iii)本明細書に記載の特定の疾患、状態、もしくは障害の1種もしくは複数の症状の発症を予防もしくは遅延させる本発明の化合物の量を意味する。
「治療すること」という用語は、本明細書で使用する場合、他に示さない限り、このような用語を適用する障害もしくは状態、またはそのような障害もしくは状態の1種もしくは複数の症状の逆転、緩和、進行の阻害、進行の遅延、発症の遅延、または予防を意味する。「治療」という用語は、本明細書で使用する場合、他に示さない限り、治療する行為を指す(「治療する」は直前に定義する)。「治療すること」という用語にはまた、対象のアジュバントおよびネオアジュバント治療が包含される。誤解を避けるために記すと、「治療」に対する本明細書における言及は、治癒的、姑息的、および予防的治療に対する言及、ならびにそのような治療において使用するための医薬品の投与に対する言及を包含する。
「アルキル」という用語は、一実施形態では、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖飽和ヒドロカルビル置換基(すなわち、炭化水素から1個の水素を除去して得られる置換基)を指す。そのような置換基の非限定的例には、メチル、エチル、プロピル(n−プロピルおよびイソプロピルを含む)、ブチル(n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルを含む)、ペンチル、イソアミル、ヘキシルなどが含まれる。
「アルコキシ」という用語は、一実施形態では、1〜6個の炭素原子を含有する、酸素ラジカルに結合している直鎖または分枝鎖飽和ヒドロカルビル置換基(すなわち、炭化水素アルコールから、OHからの水素を除去することによって得られる置換基)を指す。そのような置換基の非限定的例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(n−プロポキシおよびイソプロポキシを含む)、ブトキシ(n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、およびtert−ブトキシを含む)、ペントキシ、ヘキソキシなどが含まれる。
場合によっては、ヒドロカルビル置換基(すなわち、アルキル、シクロアルキルなど)中の炭素原子の数は、接頭辞「C〜C−」または「Cx〜y」によって示され、ここで、xは、その置換基中の炭素原子の最小数であり、yは、最大数である。したがって、例えば、「C〜C−アルキル」または「C1〜6アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含有するアルキル置換基を指す。さらに説明すると、C〜CシクロアルキルまたはC3〜6−シクロアルキルは、3〜6個の炭素環原子を含有する飽和シクロアルキル基を指す。
「シクロアルキル」という用語は、例えば、飽和炭素環式分子から1個の水素を除去することによって得られる炭素環式置換基、例えば、3〜6個の炭素原子を有するものを指す。「C3〜6シクロアルキル」という用語は3〜6員環のラジカルを意味し、これには、基シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが含まれる。「C3〜6シクロアルコキシ」という用語は、酸素ラジカルに結合している3〜6員シクロアルキル基を指す。例には、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペントキシ、およびシクロヘキソキシが含まれる。
場合によっては、1個または複数のヘテロ原子を含有する環式置換基(すなわち、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル)中の原子の数は、接頭辞「x〜y員」によって示され、ここで、xは、置換基の環式部分を形成する原子の最小数であり、yは、最大数である。したがって、例えば、「4〜6員ヘテロシクロアルキル」は、ヘテロシクロアルキルの環式部分に、1〜3個のヘテロ原子を含めて4から6個の原子を含有するヘテロシクロアルキルを指す。同様に、語句「5〜6員ヘテロアリール」は、5〜6個の原子を含有するヘテロアリールを指し、「5〜10員ヘテロアリール」は、5〜10個の原子を含有するヘテロアリールを指し、それぞれ、ヘテロアリールの環式部分に1個または複数のヘテロ原子を含有する。さらに、語句「5員ヘテロアリール」および「6員ヘテロアリール」は、それぞれ、5員ヘテロ芳香環系および6員ヘテロ芳香環系を指す。これらの環系中に存在するヘテロ原子は、N、O、およびSから選択される。
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」という用語は、−OHを指す。別の用語(複数可)と組み合わせて使用するとき、接頭語「ヒドロキシ」は、接頭語が付着している置換基が、1個または複数のヒドロキシ置換基で置換されていることを示す。1個または複数のヒドロキシ置換基が付着している炭素を担持する化合物には、例えば、アルコール、エノールおよびフェノールが含まれる。
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フッ素(−Fとして示し得る)、塩素(−Clとして示し得る)、臭素(−Brとして示し得る)、またはヨウ素(−Iとして示し得る)を指す。
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、環原子の少なくとも1個がヘテロ原子(すなわち、酸素、窒素、または硫黄)であり、残りの環原子が炭素、酸素、窒素、および硫黄からなる群から独立に選択される、4〜6個の環原子などの規定の数の原子の合計を含有する飽和または部分飽和環構造から1個の水素を除去することによって得られる置換基を指す。ヘテロシクロアルキル置換基を有する基では、その基に結合しているヘテロシクロアルキル置換基の環原子は、窒素ヘテロ原子であってよいか、または環炭素原子であってよい。同様に、ヘテロシクロアルキル置換基がさらに、基または置換基で置換されていたら、その基または置換基は、窒素ヘテロ原子に結合していてよいか、または環炭素原子に結合していてよい。
「ヘテロアリール」という用語は、環原子の少なくとも1個がヘテロ原子(すなわち、酸素、窒素、または硫黄)であり、残りの環原子が炭素、酸素、窒素、および硫黄からなる群から独立に選択される、規定の数の環原子を含有する芳香環構造を指す。ヘテロアリール置換基の例には、ピリジル、ピラジル、ピリミジニル、およびピリダジニルなどの6員ヘテロアリール置換基;ならびにトリアゾリル、イミダゾリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、1,2,3−、1,2,4−、1,2,5−、または1,3,4−オキサジアゾリル、およびイソチアゾリルなどの5員ヘテロアリール置換基が含まれる。ヘテロアリール基はまた、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、オキサゾロピリジニル、イミダゾピリジニル、イミダゾピリミジニルなどの二環式ヘテロ芳香族基であってよい。ヘテロアリール置換基を有する基では、その基に結合しているヘテロアリール置換基の環原子は、ヘテロ原子の1個であってよいか、または環炭素原子であってよい。同様に、ヘテロアリール置換基がさらに、基または置換基で置換されていたら、その基または置換基は、ヘテロ原子の1個に結合していてよいか、または環炭素原子に結合していてよい。「ヘテロアリール」という用語にはまた、ピリジルN−オキシド、およびピリジンN−オキシド環を含有する基が含まれる。加えて、ヘテロアリール基は、ピリドン基中に存在するものなど、オキソ基を含有してよい。さらなる例には、フリル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジン−2(1H)−オニル、ピリダジン−2(1H)−オニル、ピリミジン−2(1H)−オニル、ピラジン−2(1H)−オニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、およびピラゾロ[1,5−a]ピリジニルが含まれる。ヘテロアリールは、本明細書において定義するとおりにさらに置換されていてよい。
単環式ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルの例には、フラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、チオフェニル、ジヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオフェニル、ピロリル、イソピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリル、イソイミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、ジチオリル、オキサチオリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアゾリニル、イソチアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、チアオキサジアゾリル、オキサチアゾリル、オキサジアゾリル(オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、または1,3,4−オキサジアゾリルを含む)、ピラニル(1,2−ピラニルまたは1,4−ピラニルを含む)、ジヒドロピラニル、ピリジニル、ピペリジニル、ジアジニル(ピリダジニル、ピリミジニル、ピペラジニル、トリアジニル(s−トリアジニル、as−トリアジニル、およびv−トリアジニルを含む)、オキサジニル(2H−1,2−オキサジニル、6H−1,3−オキサジニル、または2H−1,4−オキサジニルを含む)、イソオキサジニル(o−イソオキサジニルまたはp−イソオキサジニルを含む)、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサチアジニル(1,2,5−オキサチアジニルまたは1,2,6−オキサチアジニルを含む)、オキサジアジニル(2H−1,2,4−オキサジアジニルまたは2H−1,2,5−オキサジアジニルを含む)、モルホリニルが含まれる。
「ヘテロアリール」という用語にはまた、規定されている場合、縮合していてよく、一方の環が芳香族であり、他方の環が完全には、コンジュゲートした芳香族系の部分ではない2個の環を有する環系(すなわち、ヘテロ芳香環がシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環に縮合していてよい)が含まれ得る。そのような環系の非限定的例には、5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−キノリニル、6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[b]ピリジニル、6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリジニル、1,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾリル、2,4,5,6−テトラヒドロシクロペンタ[c]ピラゾリル、5,6−ジヒドロ−4H−ピロロ[1,2−b]ピラゾリル、6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[1,2−b][1,2,4]トリアゾリル、5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インダゾリル、および4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾリルが含まれる。炭素環式または複素環式部分が、特定の結合点を示すことなく、種々の環原子を介して指定の基質に結合していてよいか、または他の方法で付着している場合、炭素原子か、または例えば、三価窒素原子を介してかに関わらず、可能な結合点の全てが意図されていることを理解されたい。例えば、「ピリジル」という用語は、2−、3−、または4−ピリジルを意味し、「チエニル」という用語は、2−または3−チエニルなどを意味する。
置換基が1個より多い可変基を「独立に」有すると記載されている場合、置換基の各例は、利用可能な可変基のリストから、互いに独立して選択される。したがって、各置換基は、他の置換基と同一でも、異なってもよい。
置換基について、群から「それぞれ独立に選択される」と記載する場合、置換基の各例は、他の置換基(複数可)とは無関係に選択される。したがって、各置換基は、他の置換基(複数可)と同一または異なり得る。
本明細書において使用する場合、「式I」という用語は、本明細書において下記では、「本発明の化合物(複数可)」、「本発明」、および「式Iの化合物」と称し得る。このような用語にはまた、水和物、溶媒和物、異性体、結晶および非結晶形態、同形体、多形、ならびにその代謝物を含めて、式Iの化合物の全ての形態が含まれると定義される。例えば、本発明の化合物、または薬学的に許容できるその塩は、非溶媒和および溶媒和形態で存在し得る。溶媒または水が強固に結合しているとき、錯体は、湿度と無関係に明確な化学量論を有する。しかし、溶媒または水が、チャネル溶媒和物および吸湿性化合物中のように弱く結合しているとき、水/溶媒含量は、湿度および乾燥条件によって決まる。このような場合、非化学量論が標準である。
本発明の化合物は、クラスレートまたは他の錯体として存在し得る。本発明の範囲内に含まれるのは、錯体(クラスレート、薬物−ホスト包接錯体など)であり、薬物およびホストは、化学量論量または非化学量論量で存在する。また含まれるのは、2種以上の有機および/または無機成分を含有する本発明の化合物の錯体であり、これは化学量論量または非化学量論量でよい。このように得られた錯体は、イオン化、部分的にイオン化、または非イオン化し得る。このような錯体の概説については、J.Pharm.Sci.、64(8)、1269〜1288、Haleblian(1975年8月)を参照されたい。
本発明の化合物は、不斉炭素原子を有する。本発明の化合物の炭素−炭素結合は、実線
Figure 2016507551
、実線のくさび
Figure 2016507551
、または点線のくさび
Figure 2016507551
を使用して本明細書において示し得る。不斉炭素原子への結合を示す実線の使用は、この炭素原子における全ての可能性のある立体異性体(例えば、特定のエナンチオマー、ラセミ混合物など)が含まれることを示すことを意味する。不斉炭素原子への結合を示す実線または点線のくさびの使用は、示される立体異性体のみが包含されることを意味することを示すこととする。式Iの化合物は、1個を超える不斉炭素原子を含有することも可能である。これらの化合物では、不斉炭素原子への結合を示す実線の使用は、可能な立体異性体の全てが包含されることを意味することを示すこととする。例えば、他に述べられていない限り、式Iの化合物は、エナンチオマーおよびジアステレオマーとして、またはラセミ化合物およびそれらの混合物として存在し得ることが意図されている。式Iの化合物中の1個または複数の不斉炭素原子への結合を示す実線の使用および同じ化合物中の他の不斉炭素原子への結合を示す実線または点線のくさびの使用は、ジアステレオマーの混合物が存在することを示すこととする。
式Iの立体異性体には、1種を超える異性を示す化合物を含めた、本発明の化合物のシスおよびトランス異性体、光学異性体(RおよびSエナンチオマー、ジアステレオマーなど)、幾何異性体、回転異性体、配座異性体、ならびに互変異性体;およびその混合物(ラセミ化合物およびジアステレオマー対など)が含まれる。また含まれるのは、対イオンが光学活性である酸付加塩または塩基付加塩(例えば、D−乳酸塩もしくはL−リシン、またはラセミ、例えば、DL−酒石酸塩もしくはDL−アルギニン)である。
任意のラセミ化合物が結晶化するとき、2つの異なるタイプの結晶が可能である。第1のタイプは、上記のラセミ化合物(真のラセミ化合物)であり、等モル量の両方のエナンチオマーを含有する1つの均一な形態の結晶が生成される。第2のタイプは、ラセミ混合物または集合体であり、各々が単一のエナンチオマーを含む2つの形態の結晶が等モル量で生成される。
式Iの化合物は、互変異性の現象を示すことがあり、このような互変異性体はまた、本発明の化合物としてみなされる。例えば、式Iの化合物は、2−アミノ−ジヒドロチアジン型Iaおよび2−イミノ−テトラヒドロチアジン型Ibを含めた複数の互変異性型で存在し得る。そのような互変異性型およびそれらの混合物は全て、式Iの化合物の範囲内に含まれる。互変異性体は、溶液中では互変異性体セットの混合物として存在する。固体の形態では通常、1種の互変異性体が優勢である。1種の互変異性体が記載されていることもあるが、本発明は、式Iの化合物およびその塩の全ての互変異性体を含む。互変異性体の例を式IaおよびIbの化合物によって記載し、総称的に、かつ一般に、式Iの化合物と称する。
Figure 2016507551
本発明の化合物は、無機酸または有機酸から得られる塩の形で使用することもできる。特定の化合物によりけりであるが、化合物の塩は、塩の1つまたは複数の物理的性質、例えば、異なる温度および湿度における薬学的安定性が向上していることや、水または油への望ましい溶解性のために有利な場合がある。ある例では、化合物の塩を、化合物の単離、精製、および/または分割の補助手段として使用する場合もある。
塩を(例えば、in vitroの状況で使用するのとは対照的に)患者に投与しようとする場合、その塩は、薬学的に許容できることが好ましい。用語「薬学的に許容できる塩」とは、式Iの化合物を、ヒトが摂取するのに適すると一般にみなされるアニオンまたはカチオンを有する酸または塩基と化合させることにより調製された塩を指す。薬学的に許容できる塩は、水への溶解度が親化合物より高いので、本発明の方法の生成物として特に有用である。医薬品において使用するためには、本発明の化合物の塩は、非毒性の「薬学的に許容できる塩」である。「薬学的に許容できる塩」という用語に含まれる塩は、遊離塩基を適切な有機酸または無機酸と反応させることによって一般に調製される本発明の化合物の非毒性塩を指す。
本発明の化合物の薬学的に許容できる適切な酸付加塩としては、可能である場合、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、ホウ酸、フルオロホウ酸、リン酸、メタリン酸、硝酸、炭酸、スルホン酸、および硫酸、ならびに有機酸、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グリコール酸、イソチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、コハク酸、トルエンスルホン酸、酒石酸、およびトリフルオロ酢酸から得られる塩が挙げられる。適切な有機酸としては、例えば、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族(araliphatic)、複素環、炭素環、およびスルホン酸クラスの有機酸が一般に挙げられる。
適切な有機酸の詳細な例として、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、ジグルコン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、グルクロン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、ピルビン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、安息香酸塩、アントラニル酸塩、ステアリン酸塩、サリチル酸塩、p−ヒドロキシ安息香酸塩、フェニル酢酸塩、マンデル酸塩、エンボン酸塩(パモ酸塩)、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パントテン酸塩、トルエンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、スルファニル酸塩、シクロヘキシルアミノスルホン酸塩、アルゲン酸(algenic acid)、β−ヒドロキシ酪酸、ガラクタル酸塩、ガラクツロン酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、グリコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、チオシアン酸塩、およびウンデカン酸塩が挙げられる。
さらに、本発明の化合物が酸性部分を有する場合では、適切な薬学的に許容できるその塩として、より軽いアルカリ金属塩、すなわち、ナトリウム塩またはカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム塩またはマグネシウム塩;および適切な有機配位子と共に形成される塩、例えば、第四級アンモニウム塩を挙げることができる。別の実施形態では、塩基の塩は、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リシン、メグルミン、オールアミン、トロメタミン、および亜鉛の塩を含めて、非毒性の塩を形成する塩基から生成されるものである。
有機塩は、トロメタミン、ジエチルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、プロカインなどの、第二級、第三級、または第四級アミンから生成されるものでもよい。塩基性窒素を含んでいる基は、低級アルキル(C〜C)ハロゲン化物(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチル塩化物、臭化物、およびヨウ化物)、ジアルキルスルフェート(例えば、ジメチル、ジエチル、ジブチル、およびジアミルスルフェート)、長鎖ハロゲン化物(例えば、デシル、ラウリル、ミリスチル、およびステアリル塩化物、臭化物、およびヨウ化物)、アリールアルキルハロゲン化物(例えば、ベンジルおよびフェネチル臭化物)他などの物質で四級化することができる。
一実施形態において、酸および塩基のヘミ塩(例えば、ヘミ硫酸塩およびヘミカルシウム塩)をまた形成し得る。
本発明の化合物のいわゆる「プロドラッグ」もまた本発明の範囲内である。よって、これら自体が薬理活性を殆ど有さなくてもよく、または有さなくてもよい本発明の化合物の特定の誘導体は、体内または体表に投与されるとき、例えば、加水分解によって、所望の活性を有する本発明の化合物に変換されることができる。このような誘導体は、「プロドラッグ」と称される。プロドラッグの使用についてのさらなる情報は、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems、Vol.14、ACSシンポジウムシリーズ(T.HiguchiおよびW.Stella)ならびに「Bioreversible Carriers in Drug Design」、Pergamon Press、1987(編E.B.Roche、American Pharmaceutical Association)に見出し得る。本発明によるプロドラッグは、例えば、式Iのいずれかの化合物において存在する適当な官能基を、例えば、H. Bundgaardの「Design of Prodrugs」(Elsevier、1985)に記載されているような「プロ部分」として当業者には公知の特定の部分で置き換えることによって生成することができる。
本発明はまた、1個または複数の原子が、天然に通常見出される原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子で置き換えられていること以外は、式Iにおいて記載されているものと同一である同位体標識化合物を含む。本発明の化合物中に組み込むことができる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、硫黄、フッ素および塩素の同位体、例えば、それぞれ、H、H、13C、11C、14C、15N、18O、17O、32P、35S、18F、および36Clが含まれる。上記の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する、本発明の化合物、そのプロドラッグ、および前記化合物または前記プロドラッグの薬学的に許容できる塩は本発明の範囲内である。本発明の特定の同位体的に標識された化合物、例えば、放射性同位体、例えば、Hおよび14Cが組み込まれている化合物は、薬物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化、すなわち、H、および炭素−14、すなわち、14C、同位体は、それらの調製および検出性の容易さのために特に好ましい。さらに、より重い同位体、例えば、重水素、すなわち、Hによる置換は、より大きな代謝安定性、例えば、インビボの半減期の増加または投与必要量の減少に由来する特定の治療上の利点をもたらすことができ、したがって、ある状況においては好ましくてもよい。本発明の式Iの同位体標識化合物およびそのプロドラッグは一般に、スキームにおいて、ならびに/または下記の実施例および調製において開示されている手順を行うことによって、同位体的に標識されていない試薬を、容易に利用可能な同位体的に標識されている試薬で置換することによって調製することができる。
本発明の第1の態様の第2の実施形態は、Rが、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、およびオキサジアゾリルからなる群から選択される5員ヘテロアリールであり(それぞれ炭素上で1〜2個のRで置換されていてもよく、前記ピラゾリルおよびトリアゾリルは、N上でRで置換されている)、Rが、出現する毎に、ハロゲン、シアノ、C1〜6アルキル、およびC1〜6アルコキシからなる群から独立に選択され(前記アルキルは、1〜3個のフルオロで置換されていてもよい)、Rが、水素、メチル、またはトリフルオロエチルである第1の態様の第1の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第3の実施形態は、Rが、
Figure 2016507551
からなる群から選択され、
が、フルオロ、シアノ、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、およびエトキシからなる群から選択され、Rが、メチルまたはトリフルオロエチルである第1の態様の第2の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第4の実施形態は、Rが水素である第1の態様の第3の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第5の実施形態は、Rがメチルまたはフルオロメチルである第1の態様の第3の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第6の実施形態は、R
Figure 2016507551
であり、Rがメチルである、本発明の第1の態様の第5の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第7の実施形態は、(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(4−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−メチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−6−[4−(ジフルオロメチル)−1,3−オキサゾール−2−イル]−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−[1−()メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;2−[(4aR,6R,8aS)−2−アミノ−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イル]−1,3−オキサゾール−4−カルボニトリル;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−メチルピラジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aS,6S,8aR)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−メチルピラジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;および(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−エトキシ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミンからなる群から選択される本発明の第4の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第8の実施形態は、(4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−6−(3−メチル−1,2−オキサゾール−5−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4S,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(フルオロメチル)−6−(3−メチル−1,2−オキサゾール−5−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4S,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(フルオロメチル)−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミンからなる群から選択される本発明の第1の態様の第5の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第9の実施形態は、Rが、ピリジニル、ピリドニル、ピリミジニル、およびピラジニルからなる群から選択される6員ヘテロアリールであり(それぞれ炭素上で1〜2個のRで置換されていてもよく、前記ピリドニルは、N上で、Rで置換されている)、Rが、出現する毎に、ハロゲン、シアノ、C1〜6アルキル、およびC1〜6アルコキシからなる群から独立に選択され(前記アルキルは、1〜3個のフルオロで置換されていてもよく)、Rが、水素、メチル、またはトリフルオロエチルである第1の態様の第1の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第10の実施形態は、Rが、
Figure 2016507551
からなる群から選択され、Rが、フルオロ、メチル、およびメトキシから選択され、Rがメチルである第1の態様の第9の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第11の実施形態は、Rが水素である第1の態様の第10の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第12の実施形態は、(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−フルオロピリジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;5−[(4aR,6R,8aS)−2−アミノ−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イル]−1−メチルピリジン−2(1H)−オン;rel−(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(6−メチルピリジン−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−メトキシピリミジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−メチルピリミジン−5−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(ピリミジン−5−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−メトキシピリジン−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−メトキシピリジン−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−メチルピリジン−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;および(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−フルオロピリジン−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミンからなる群から選択される第1の態様の第11の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第13の実施形態は、Rが水素であり、Rがオキサゾロピリジニル、イミダゾピリジニル、およびイミダゾピリミジニルからなる群から選択される第1の態様の第1の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第14の実施形態は、Rが、[1,3]オキサゾロ[4,5−c]ピリジニル、[1,3]オキサゾロ[5,4−c]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、およびイミダゾ[1,2−a]ピリミジニルからなる群から選択される第1の態様の第13の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第1の態様の第15の実施形態は、(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−([1,3]オキサゾロ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−([1,3]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;および(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミンからなる群から選択される第1の態様の第14の実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩である。
本発明の第2の態様の第1の実施形態は、治療有効量の本発明の第1の態様の第1〜第15の実施形態のいずれか一実施形態の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩、および薬学的に許容できるビヒクル、賦形剤、または担体を含む医薬組成物である。
本発明のさらなる実施形態は、本発明の化合物を使用する治療方法を含む。
本発明の第3の態様の第1の実施形態は、患者におけるアミロイド−βタンパク質の産生を阻害する方法であって、治療有効量の本発明の第1の態様の第1〜第15の実施形態のいずれか一実施形態による化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩を、アミロイド−βタンパク質の産生の阻害を必要とする患者に投与することを含む方法である。
本発明の第3の態様の第2の実施形態は、患者においてβ部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素1(BACE1)を阻害する方法であって、治療有効量の本発明の第1の態様の第1〜第15の実施形態のいずれか一実施形態による化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩を、β部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素1(BACE1)の阻害を必要とする患者に投与することを含む方法である。
本発明の第3の態様の第3の実施形態は、患者における神経変性疾患を治療するための方法であって、治療有効量の本発明の第1の態様の第1〜第15の実施形態のいずれか一実施形態による化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩を、その治療を必要とする患者に投与することを含む方法である。
本発明の第3の態様の第4の実施形態は、神経変性疾患がアルツハイマー病である第3の態様の第3の実施形態の方法である。
本発明の第3の態様の第5の実施形態は、患者における糖尿病を治療または予防する方法であって、治療有効量の本発明の第1の態様の第1〜第15の実施形態のいずれか一実施形態による化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩を、その治療または予防を必要とする患者に投与することを含む方法である。
本発明の第3の態様の第6の実施形態は、糖尿病が2型糖尿病である第3の態様の第5の実施形態の方法である。
本発明のさらなる実施形態は、本明細書に記載のとおりの状態、疾患、および障害を治療するために有用な医薬品の調製における、本発明の第1の態様の第1〜第15の実施形態のいずれか一実施形態による化合物の使用を含む。
通常、本発明の化合物は、本明細書に記載の状態の治療に有効な量で投与する。本発明の化合物は、適切な経路によって、その経路に適合させた医薬組成物の形で、目的の治療に有効な用量を投与する。医学的状態の進行に対する処置に必要となる、化合物の治療上有効な用量は、医学分野でよく知られている前臨床および臨床の手法を使用して、当業者の手で容易に突き止められる。
本発明の化合物は、経口投与することができる。経口投与は、化合物が消化管に入るように飲み込むものでもよいし、または化合物が口から血流に直接入る頬側もしくは舌下投与を用いてもよい。
別の実施形態では、本発明の化合物は、血流中、筋肉、または内臓に直接投与することもできる。非経口投与に適する手段には、静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、および皮下が含まれる。非経口投与に適するデバイスとして、(微細針を含めた)針注射器、無針注射器、および注入技術が挙げられる。
別の実施形態では、本発明の化合物は、皮膚または粘膜に局所的に、すなわち、皮膚上にまたは経皮的に投与することもできる。別の実施形態では、本発明の化合物は、鼻腔内にまたは吸入によって投与することもできる。別の実施形態では、本発明の化合物は、直腸投与または経膣投与することができる。別の実施形態では、本発明の化合物は、眼または耳に直接投与することもできる。
化合物および/または化合物を含有する組成物の投与計画は、患者のタイプ、年齢、体重、性別、および医学的状態;医学的状態の重症度;投与経路;ならびに用いる特定の化合物の活性を含めた様々な要素に基づくものである。したがって、投与計画は多種多様となり得る。体重1キログラムあたり1日約0.01mg〜約100mg程度の投与量レベルが、上で示した状態の治療では有用である。一実施形態では、(1回量または分割した用量で投与される)本発明の化合物の合計1日量は通常、約0.01〜約100mg/kgである。別の実施形態では、本発明の化合物の合計1日量は、約0.1〜約50mg/kgであり、別の実施形態では、約0.5〜約30mg/kg(すなわち、体重1kgあたりの本発明の化合物mg)である。一実施形態では、投薬量は、0.01〜10mg/kg/日である。別の実施形態では、投薬量は、0.1〜1.0mg/kg/日である。投与量単位組成物は、そのような量または1日量を構成するその約数を含有するものでよい。多くの事例では、化合物の投与は、1日に複数回(通常は4回以下)繰り返される。所望なら、通常は、1日あたり複数回の用量を使用して、合計1日量を増やすこともできる。
経口投与では、組成物は、約0.01mg〜約500mgの活性成分、または別の実施形態では、約1mg〜約100mgの活性成分を含有する錠剤の形で提供することができる。静脈内について、定速注入の際の用量は、約0.1〜約10mg/kg/分の範囲をとり得る。
本発明による適切な対象として、哺乳動物対象が挙げられる。本発明による哺乳動物には、限定はしないが、イヌ、ネコ、ウシ、ヤギ、ウマ、ヒツジ、ブタ、げっ歯動物、ウサギ、霊長類などが含まれ、子宮内の哺乳動物も包含される。一実施形態では、ヒトが適切な対象である。ヒト対象は、どちらの性の者でも、どの発育段階にある者でもよい。
別の実施形態では、本発明は、本明細書で列挙した状態を治療する医薬を調製するための、1種または複数の本発明の化合物の使用を含む。
上で言及した状態を治療するために、本発明の化合物は、化合物それ自体として投与することができる。一方、薬学的に許容できる塩は、親化合物よりも水への溶解性が高いので、医学的な適用に適する。
別の実施形態では、本発明は、医薬組成物を含む。そのような医薬組成物は、薬学的に許容できる担体と共に提供される本発明の化合物を含む。担体は、固体でも、液体でも、または両方でもよく、0.05重量%〜95重量%の活性化合物を含有し得る単位用量組成物、例えば錠剤としての化合物に配合することができる。本発明の化合物は、ターゲット指向性薬物担体としての適切なポリマーと結合させることもできる。他の薬理活性物質が存在してもよい。
本発明の化合物は、適切な任意の経路によって、好ましくはそのような経路に適合させた医薬組成物の形で、目的の治療に有効な用量を投与することができる。活性化合物および組成物は、例えば、経口、直腸、非経口、または局所投与することができる。
固体投与形態の経口投与は、例えば、少なくとも1種の予め決められた量の本発明の化合物をそれぞれが含有する別個の単位、例えば、硬カプセル剤もしくは軟カプセル剤、丸剤、カシェ剤、ロゼンジ、または錠剤の体裁にすることができる。別の実施形態では、経口投与は、粉末または顆粒形態にしてもよい。別の実施形態では、経口投与形態は、例えばロゼンジなどの舌下である。このような固体剤形では、式Iの化合物に、1種または複数の佐剤が配合されているのが普通である。そうしたカプセル剤または錠剤は、徐放製剤を含有してもよい。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合では、剤形は、緩衝剤も含んでよく、または腸溶コーティングを施して調製することもできる。
別の実施形態では、経口投与は、液体投与形態にすることができる。経口投与用の液体剤形としては、例えば、当業界で一般に使用される不活性希釈剤(例えば、水)を含有する薬学的に許容できる乳濁液、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシルが挙げられる。このような組成物は、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、香味剤(例えば、甘味剤)、および/または着香剤などの佐剤も含んでよい。
別の実施形態では、本発明は、非経口投与形態を含む。「非経口投与」は、例えば、皮下注射、静脈内注射、腹腔内注射、筋肉内注射、胸骨内注射、および注入を包含する。注射用製剤(例えば、無菌の注射可能な水性または油性懸濁液)は、適切な分散剤、湿潤剤、および/または懸濁化剤を使用し、知られている技術に従って製剤することができる。
別の実施形態では、本発明は、局所投与形態を含む。「局所投与」は、例えば、経皮パッチやイオン導入デバイスを介してなどの経皮投与、眼内投与、または鼻腔内もしくは吸入投与を包含する。局所投与用の組成物として、例えば、局所用のゲル、スプレー、軟膏、およびクリームも挙げられる。局所用製剤は、皮膚または他の患部を通しての活性成分の吸収または通過を強化する化合物を含有してもよい。本発明の化合物が経皮デバイスによって投与されるとき、投与は、貯蔵部および多孔膜型または固体基材型のいずれかのパッチを使用して実現される。この目的のための典型的な製剤としては、ゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏、散粉剤、包帯剤、フォーム、フィルム、皮パッチ、ウェーハ、植込錠、スポンジ、繊維、絆創膏、およびマイクロエマルジョンが挙げられる。リポソームも使用することができる。典型的な担体として、アルコール、水、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコール、およびプロピレングリコールが挙げられる。浸透性改善剤を混ぜてもよい。例えば、FinninおよびMorgan、J.Pharm.Sci.、88(10)、955〜958(1999年10月)を参照されたい。
眼への局所投与に適する製剤としては、例えば、本発明の化合物を適切な担体に溶解または懸濁させてある点眼剤が挙げられる。眼または耳への投与に適する典型的な製剤は、pH調整された等張性無菌食塩水中の超微粒子化懸濁液または溶液からなる滴剤の形でよい。眼および耳への投与に適する他の製剤として、軟膏、生分解性(例えば、吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)および非生分解性(例えば、シリコーン)植込錠、ウェーハ、レンズ、ならびにニオソームやリポソームなどの微粒子系または小胞系が挙げられる。架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース系ポリマー、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、もしくはメチルセルロース、またはヘテロ多糖ポリマー、例えばジェランガムなどのポリマーを、塩化ベンザルコニウムなどの保存剤と共に混ぜてもよい。このような製剤は、イオン導入法によって送達することもできる。
鼻腔内投与または吸入による投与では、本発明の活性化合物は、患者によって圧搾もしくはポンプによる汲み出しがなされるポンプスプレー容器から溶液もしくは懸濁液の形で、または加圧容器もしくはネブライザーから適切な噴射剤を使用しながらエアロゾルスプレー体裁として送達することが好都合である。鼻腔内投与に適する製剤は通常、(単独、または例えばラクトースとの乾燥ブレンドにした混合物として、または例えばホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合した混合型成分粒子としての)乾燥粉末の形で乾燥粉末吸入器から、または加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは、電気水力学を使用して微細な霧を生成するアトマイザー)、もしくはネブライザーから、1,1,1,2−テトラフルオロエタンや1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなどの適切な噴射剤を使用しもしくは使用せずにエアロゾルスプレーとして投与する。鼻腔内の使用では、粉末は、生体接着剤、例えば、キトサンまたはシクロデキストリンを含んでよい。
別の実施形態では、本発明は、直腸投与形態を含む。そのような直腸投与形態は、例えば、坐剤の形でよい。カカオ脂が伝統的な坐剤基剤であるが、様々な代替品を適宜使用してよい。
製薬の分野で知られている他の担体材料および投与方式も使用することができる。本発明の医薬組成物は、有効な製剤手順や投与手順などの、よく知られた薬学の技術のいずれかによって準備することができる。有効な製剤手順および投与手順に関する上記の考慮事項は、当業界でよく知られており、標準の教本に記載されている。薬物の製剤は、例えば、Hoover,John E.、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、Mack Publishing Co.、ペンシルヴェニア州イーストン、1975;Libermanら編、「Pharmaceutical Dosage Forms」、Marcel Decker、ニューヨーク州ニューヨーク、1980;およびKibbeら編、「Handbook of Pharmaceutical Excipients」(第3版)、American Pharmaceutical Association、ワシントン、1999で論述されている。
本発明の化合物は、様々な状態または疾患状態の治療において、単独で、または他の治療薬と組み合わせて使用することができる。本発明の(1種または複数の)化合物および他の(1種または複数の)治療薬は、(同じ剤形または別々の剤形のいずれかで)同時に、または順次投与することができる。
2種以上の化合物は、同時に、並行して、または順次投与することができる。さらに、同時投与は、投与前に化合物を混合して実施することもでき、または同時点であるが、異なる解剖学的部位で、もしくは異なる投与経路を使用して化合物を投与することにより実施することもできる。
語句「並行投与」、「共投与」、「同時投与」、および「同時に投与」とは、化合物を組み合わせて投与することを意味する。
本発明は、式Iにおいて提供されているようなBACE阻害剤化合物、および1種または複数のさらなる医薬活性剤の組合せの使用を含む。活性剤の組合せが投与される場合、これらは別々の剤形で、または単一の剤形において合わせて、逐次的または同時に投与し得る。したがって、本発明はまた、ある量の(a)式Iの化合物または化合物の薬学的に許容できる塩を含む第1の薬剤;(b)第2の医薬活性剤;および(c)薬学的に許容できる担体、ビヒクルまたは賦形剤を含む医薬組成物を含む。
本発明の化合物は、本明細書に記載の疾患、状態、および/または障害を治療するための他の医薬品と併せて使用することもできる。したがって、本発明の化合物を他の医薬品と組み合わせて投与することを含む治療方法も提供する。本発明の化合物と組み合わせて使用し得る適切な医薬品には、これらに限定されないが、下記が含まれる:
(i)抗肥満剤(食欲抑制剤を含む)には、腸選択的MTP阻害剤(例えば、ジルロタピド(dirlotapide)、ミトラタピドおよびインプリタピド、CCKaアゴニスト(例えば、PCT公報WO2005/116034または米国特許出願公開第2005−0267100 A1号に記載のN−ベンジル−2−[4−(1H−インドール−3−イルメチル)−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロ−2,3,6,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−6−イル]−N−イソプロピル−アセトアミド)、5HT2cアゴニスト(例えば、ロルカセリン)、MCR4アゴニスト(例えば、米国特許第6,818,658号に記載の化合物)、リパーゼ阻害剤(例えば、セチリスタット)、PYY3−36(本明細書で使用する場合、「PYY3−36」はペグ化PYY3−36などの類似体、例えば、米国特許出願公開第2006/0178501号に記載のものを含む)、オピオイドアンタゴニスト(例えば、ナルトレキソン)、オレオイル−エストロン(CAS番号180003−17−2)、オビネピチド(obinepitide)(TM30338)、プラムリンチド(Symlin(登録商標))、テソフェンシン(NS2330)、レプチン、ブロモクリプチン、オルリスタット、AOD−9604(CAS番号221231−10−3)、およびシブトラミンが包含される。
(ii)抗糖尿病剤、例えば、WO2009144554、WO2003072197、WO2009144555、およびWO2008065508に記載されているとおりのアセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤、WO09016462またはWO2010086820に記載されているものなどのジアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼ1(DGAT−1)阻害剤、AZD7687またはLCQ908、ジアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼ2(DGAT−2)阻害剤、モノアシルグリセロールO−アシルトランスフェラーゼ阻害剤、ホスホジエステラーゼ(PDE)−10阻害剤、AMPK活性化因子、スルホニル尿素(例えば、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、ダイアビネス、グリベンクラミド、グリピジド、グリブリド、グリメピリド、グリクラジド、グリペンチド、グリキドン、グリソラミド、トラザミド、およびトルブタミド)、メグリチニド、α−アミラーゼ阻害剤(例えば、テンダミスタット、トレスタチン、およびAL−3688)、α−グルコシドヒドロラーゼ阻害剤(例えば、アカルボース)、α−グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アジポシン、カミグリボース、エミグリテート、ミグリトール、ボグリボース、プラディマイシン−Q、およびサルボスタチン)、PPARγアゴニスト(例えば、バラグリタゾン、シグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、イサグリタゾン、ピオグリタゾン、およびロシグリタゾン)、PPARα/γアゴニスト(例えば、CLX−0940、GW−1536、GW−1929、GW−2433、KRP−297、L−796449、LR−90、MK−0767、およびSB−219994)、ビグアニド(例えば、メトホルミン)、グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)モジュレーター、例えば、アゴニスト(例えば、エキセンジン−3およびエキセンジン−4)、リラグルチド、アルビグルチド、エクセナチド(Byetta(登録商標))、アルビグルチド、タスポグルチド、リキシセナチド、デュラグルチド、セマグルチド、NN−9924、TTP−054、タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤(例えば、トロズスクエミン、ヒルチオサール抽出物、およびZhang,S.ら、Drug Discovery Today、12(9/10)、373〜381(2007)によって開示された化合物)、SIRT−1阻害剤(例えば、レスベラトロール、GSK2245840、またはGSK184072)、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)阻害剤(例えば、WO2005116014に記載のもの、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン、デュトグリプチン、リナグリプチン、およびサクサグリプチン)、インスリン分泌促進物質、脂肪酸酸化阻害剤、A2アンタゴニスト、c−junアミノ末端キナーゼ(JNK)阻害剤、WO2010103437、WO2010103438、WO2010013161、WO2007122482に記載されているもの、TTP−399、TTP−355、TTP−547、AZD1656、ARRY403、MK−0599、TAK−329、AZD5658、またはGKM−001などのグルコキナーゼ活性化因子(GKa)、インスリン、インスリン模倣物質、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤(例えば、GSK1362885)、VPAC2受容体アゴニスト、ダパグリフロジン、カナグリフロジン、BI−10733、トホグリフロジン(CSG452)、ASP−1941、THR1474、TS−071、ISIS388626、およびLX4211、さらにはWO2010023594に記載されているものを含めたE.C.Chaoら、Nature Reviews Drug Discovery 9、551〜559(2010年7月)に記載されているものなどのSGLT2阻害剤、Demong,D.E.ら、Annual Reports in Medicinal Chemistry 2008、43、119〜137に記載されているものなどのグルカゴン受容体モジュレーター、WO2010140092、WO2010128425、WO2010128414、WO2010106457、Jones,R.M.ら、Medicinal Chemistry 2009、44、149〜170に記載されているものなどのGPR119モジュレーター、特にアゴニスト(例えば、MBX−2982、GSK1292263、APD597、およびPSN821)、Kharitonenkov,A.ら、Current Opinion in Investigational Drugs 2009、10(4)、359〜364に記載されているものなどのFGF21誘導体または類似体、Zhong, M.、Current Topics in Medicinal Chemistry、2010、10(4)、386〜396に記載されているものおよびINT777などのTGR5(GPBAR1とも称される)受容体モジュレーター、特にアゴニスト、これに限定されないが、TAK−875を含めたMedina,J.C.、Annual Reports in Medicinal Chemistry、2008、43、75〜85に記載されているものなどのGPR40アゴニスト、GPR120モジュレーター、特にアゴニスト、高親和性ニコチン酸受容体(HM74A)活性化因子、ならびにGSK1614235などのSGLT1阻害剤が包含される。本発明の化合物と組み合わせることができる抗糖尿病剤のさらに代表的なリストは、例えば、WO2011005611の28頁35行から30頁19行にて見出すことができる。好ましい抗糖尿病剤は、メトホルミンおよびDPP−IV阻害剤(例えば、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン、デュトグリプチン、リナグリプチン、およびサクサグリプチン)である。他の抗糖尿病剤には、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ酵素の阻害剤またはモジュレーター、フルクトース1,6−ジホスファターゼの阻害剤、アルドースレダクターゼの阻害剤、ミネラロコルチコイド受容体阻害剤、TORC2の阻害剤、CCR2および/またはCCR5の阻害剤、PKCアイソフォーム(例えば、PKCa、PKCb、PKCg)の阻害剤、脂肪酸シンテターゼの阻害剤、セリンパルミトイルトランスフェラーゼの阻害剤、GPR81、GPR39、GPR43、GPR41、GPR105、Kv1.3、レチノール結合タンパク質4、グルココルチコイド受容体、ソマトスタチン受容体(例えば、SSTR1、SSTR2、SSTR3、およびSSTR5)のモジュレーター、PDHK2またはPDHK4の阻害剤またはモジュレーター、MAP4K4の阻害剤、IL1ベータを含めたIL1ファミリーのモジュレーター、ならびにRXRアルファのモジュレーターが含まれ得るであろう。加えて、適切な抗糖尿病剤は、Carpino,P.A.、Goodwin,B.、Expert Opin.Ther.Pat、2010、20(12)、1627〜51によって列挙された機構を含む;
(iii)抗高血糖剤、例えば、WO2011005611の31頁31行から32頁18行に記載されているもの;
(iv)脂質低下剤(例えば、WO2011005611の30頁20行から31頁30行に記載されているもの)および抗高血圧剤(例えば、WO2011005611の31頁31行から32頁18行に記載されているもの);
(v)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、例えば、ドネペジル塩酸塩(ARICEPT(登録商標)、MEMAC)、サリチル酸フィゾスチグミン(ANTILIRIUM(登録商標))、硫酸フィゾスチグミン(ESERINE)、ガンスチグミン、リバスチグミン(EXELON(登録商標))、ラドスチギル、NP−0361、ガランタミン臭化水素酸塩(RAZADYNE(登録商標)、REMINYL(登録商標)、NIVALIN(登録商標))、タクリン(COGNEX(登録商標))、トルセリン、メモキン、ヒューペルジンA(HUP−A;Neuro−Hitech)、フェンセリン、ビスノルシムセリン(BNCとしてもまた公知である)、およびINM−176;
(vi)アミロイド−β(またはその断片)、例えば、汎HLA DR−結合エピトープにコンジュゲートしているAβ1−15(PADRE(登録商標))、ACC−001(Elan/Wyeth)、およびAffitope;
(vii)アミロイド−βへの抗体(またはその断片)、例えば、ポネズマブ、ソラネズマブ、バピヌズマブ(AAB−001としてもまた公知である)、AAB−002(Wyeth/Elan)、ガンテネルマブ、静脈内Ig(GAMMAGARD(登録商標))、LY2062430(ヒト化m266;Lilly)、ならびに国際公開第WO04/032868号、同第WO05/025616号、同第WO06/036291号、同第WO06/069081号、同第WO06/118959号、米国特許出願公開第US2003/0073655号、同第US2004/0192898号、同第US2005/0048049号、同第US2005/0019328号、欧州特許出願公開第EP0994728号および同第1257584号、および米国特許第5,750,349号に開示されているもの;
(viii)アミロイド低下剤または阻害剤(アミロイドの産生、蓄積および線維化を低減させるものを含めた)、例えば、エプロジセート(KIACTA(登録商標))、セレコキシブ、ロバスタチン、アナプソス、コロストリニン、ピオグリタゾン、クリオキノール(PBT1としてもまた公知である)、PBT2(Prana Biotechnology)、フルルビプロフェン(ANSAID(登録商標)、FROBEN(登録商標))およびそのR−エナンチオマーであるタレンフルルビル(FLURIZAN(登録商標))、ニトロフルルビプロフェン、フェノプロフェン(FENOPRON、NALFON(登録商標))、イブプロフェン(ADVIL(登録商標)、MOTRIN(登録商標)、NUROFEN(登録商標))、イブプロフェンリシネート、メクロフェナム酸、メクロフェナム酸ナトリウム(MECLOMEN(登録商標))、インドメタシン(INDOCIN(登録商標))、ジクロフェナクナトリウム(VOLTAREN(登録商標))、ジクロフェナクカリウム、スリンダク(CLINORIL(登録商標))、スリンダク硫化物、ジフルニサル(DOLOBID(登録商標))、ナプロキセン(NAPROSYN(登録商標))、ナプロキセンナトリウム(ANAPROX(登録商標)、ALEVE(登録商標))、インスリン分解酵素(インスリジンとしてもまた公知である)、イチョウ(gingko biloba)抽出物EGb−761(ROKAN(登録商標)、TEBONIN(登録商標))、トラミプロセート(CEREBRIL(登録商標)、ALZHEMED(登録商標))、ネプリライシン(中性エンドペプチダーゼ(NEP)としてもまた公知である)、シロ−イノシトール(シリトールとしてもまた公知である)、アトルバスタチン(LIPITOR(登録商標))、シンバスタチン(ZOCOR(登録商標))、メシル酸イブタモレン、BACE阻害剤、例えば、LY450139(Lilly)、BMS−782450、およびGSK−188909;γセクレターゼモジュレーターおよび阻害剤、例えば、ELND−007、BMS−708163(Avagacestat)、およびDSP8658(Dainippon);およびRAGE(糖化最終産物についての受容体)阻害剤、例えば、TTP488(Transtech)およびTTP4000(Transtech)、ならびに米国特許第7,285,293号に開示されているもの(PTI−777を含めた);
(ix)α−アドレナリン作動性受容体アゴニスト、およびβ−アドレナリン作動性受容体遮断剤(β遮断薬);抗コリン作用薬;抗痙攣薬;抗精神病剤;カルシウムチャネル遮断薬;カテコールO−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤;中枢神経系刺激物質;コルチコステロイド;ドパミン受容体アゴニストおよびアンタゴニスト;ドパミン再取込み阻害剤;γ−アミノ酪酸(GABA)受容体アゴニスト;免疫抑制剤;インターフェロン;ムスカリン様受容体アゴニスト;神経保護剤;ニコチン受容体アゴニスト;ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)再取込み阻害剤;キノリン;および栄養因子;
(x)ヒスタミン3(H3)アンタゴニスト、例えば、PF−3654746、ならびに米国特許出願公開第US2005−0043354号、同第US2005−0267095号、同第US2005−0256135号、同第US2008−0096955号、同第US2007−1079175号、および同第US2008−0176925号;国際公開第WO2006/136924号、同第WO2007/063385号、同第WO2007/069053号、同第WO2007/088450号、同第WO2007/099423号、同第WO2007/105053号、同第WO2007/138431号、および同第WO2007/088462号;および米国特許第7,115,600号)に開示されているもの;
(xi)N−メチル−D−アスパルテート(NMDA)受容体アンタゴニスト、例えば、メマンチン(NAMENDA、AXURA、EBIXA)、アマンタジン(SYMMETREL)、アカンプロサート(CAMPRAL)、ベソンプロジル、ケタミン(KETALAR)、デルセミン、デキサナビノール、デキセファロキサン、デキストロメトルファン、デキストロルファン、トラキソプロジル、CP−283097、ヒマンタン、イダンタドール、イペノキサゾン、L−701252(Merck)、ランシセミン、レボルファノール(DROMORAN)、メサドン、(DOLOPHINE)、ネラメキサン、ペルジンホテル、フェンシクリジン、チアネプチン(STABLON)、ジゾシルピン(MK−801としてもまた公知である)、イボガイン、ボアカンギン、チレタミン、リルゾール(RILUTEK)、アプチガネル(CERESTAT)、ガベスチネル、ならびにレマシミド(remacimide);
(xii)モノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害剤、例えば、セレギリン(EMSAM)、セレギリン塩酸塩(l−デプレニル、ELDEPRYL、ZELAPAR)、ジメチルセレギリン、ブロファロミン、フェネルジン(NARDIL)、トラニルシプロミン(PARNATE)、モクロベミド(AURORIX、MANERIX)、ベフロキサトン、サフィナミド、イソカルボキサジド(MARPLAN)、ニアラミド(NIAMID)、ラサギリン(AZILECT)、イプロニアジド(MARSILID、IPROZID、IPRONID)、イプロクロジド、トロキサトン(HUMORYL、PERENUM)、ビフェメラン、デスオキシペガニン、ハルミン(テレパチンまたはバナステリンとしてもまた公知である)、ハルマリン、リネゾリド(ザイボックス、ZYVOXID)、ならびにパルギリン(EUDATIN、SUPIRDYL);
(xiii)下記を含めたホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤。(a)PDE1阻害剤、(b)PDE2阻害剤、(c)PDE3阻害剤、(d)PDE4阻害剤、(e)PDE5阻害剤、(f)PDE9阻害剤(例えば、PF−04447943、BAY73−6691(Bayer AG)、ならびに米国特許出願公開第US2003/0195205号、同第US2004/0220186号、同第US2006/0111372号、同第US2006/0106035号、およびUSSN12/118,062(2008年5月9日に出願)に開示されているもの)、ならびに(g)PDE10阻害剤、例えば、2−({4−[1−メチル−4−(ピリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−3−イル]フェノキシ}メチル)キノリン(PF−2545920);
(xiv)セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)1A(5−HT1A)受容体アンタゴニスト、例えば、スピペロン、レボ−ピンドロール、レコゾタン;
(xv)セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)2C(5−HT2c)受容体アゴニスト、例えば、バビカセリン、およびジクロナピン;セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)4(5−HT)受容体アゴニスト/アンタゴニスト、例えば、PRX−03140(Epix)およびPF−04995274;
(xvi)セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)3C(5−HT3c)受容体アンタゴニスト、例えば、オンダンセトロン(ゾフラン);
(xvii)セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)6(5−HT)受容体アンタゴニスト、例えば、ミアンセリン(TOLVON、BOLVIDON、NORVAL)、メチオテピン(メチテピンとしてもまた公知である)、リタンセリン、SB−271046、SB−742457(GlaxoSmithKline)、Lu AE58054(Lundbeck A/S)、SAM−760、ならびにPRX−07034(Epix);
(xviii)セロトニン(5−HT)再取込み阻害剤、例えば、アラプロクラート、シタロプラム(CELEXA、CIPRAMIL)、エスシタロプラム(LEXAPRO、CIPRALEX)、クロミプラミン(ANAFRANIL)、デュロキセチン(CYMBALTA)、フェモキセチン(MALEXIL)、フェンフルラミン(PONDIMIN)、ノルフェンフルラミン、フルオキセチン(PROZAC)、フルボキサミン(LUVOX)、インダルピン、ミルナシプラン(IXEL)、パロキセチン(PAXIL、SEROXAT)、セルトラリン(ZOLOFT、LUSTRAL)、トラゾドン(DESYREL、MOLIPAXIN)、ベンラファクシン(EFFEXOR)、ジメリジン(NORMUD、ZELMID)、ビシファジン、デスベンラファキシン(PRISTIQ)、ブラソフェンシン、ビラゾドン、カリプラジンならびにテソフェンシン;
(xix)グリシントランスポーター−1阻害剤、例えば、パリフルチン(paliflutine)、ORG−25935、およびORG−26041;ならびにAFQ−059およびアマンチジンなどのmGluRモジュレーター;
(xx)AMPA型グルタミン酸受容体モジュレーター、例えば、ペランパネル、ミバンパトル、セルランパネル、GSK−729327、およびN−{(3S,4S)−4−[4−(5−シアノチオフェン−2−イル)フェノキシ]テトラヒドロフラン−3−イル}プロパン−2−スルホンアミド;
(xxi)P450阻害剤、例えば、リトナビル;
(xxii)ダブネチドなどのタウ療法標的;
など。
本発明は、上述の治療方法を実施する際に使用するのに適するキットもさらに含む。一実施形態では、キットは、本発明の化合物の1種または複数を含む第一の剤形と、その剤形の容器とを、本発明の方法を実施するのに十分な量で含んでいる。
別の実施形態では、本発明のキットは、1種または複数の本発明の化合物を含む。
一般合成スキーム
本発明の化合物は、以下に記載の方法、ならびに有機化学の分野で知られている合成方法、または当業者によく知られている変更形態および変換形態によって調製することができる。本明細書で使用する出発材料は、市販されているか、または当業界で知られているごく普通の方法[例えば、「Compendium of Organic Synthetic Methods」、第I巻〜第VII巻(Wiley−Interscience刊)などの標準の参考書に記載の方法]によって調製することができる。好ましい方法として、限定はしないが、以下に記載の方法が挙げられる。
以下の合成順序のいずれかの際、問題のいずれかの分子上の高感度または反応性の基を保護することが必要であり、かつ/または望ましい場合もある。これは、T.W.Greene、「Protective Groups in Organic Chemistry」、John Wiley&Sons、1981;T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、「Protective Groups in Organic Chemistry」、John Wiley&Sons、1991;ならびにT.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、「Protective Groups in Organic Chemistry」John Wiley&Sons、1999に記載のものなどの従来の保護基によって実現することができ、これらの文献を参照により本明細書に援用する。
本発明の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩は、以下本明細書で論述する反応スキームに従って調製することができる。別段表記しない限り、スキーム中の置換基は、上で定義したとおりである。生成物の単離および精製は、通常の化学者に知られている標準の手順によって実現される。
多くの場合、スキーム1〜15における化合物は、ジアステレオマーおよび/またはエナンチオマーの混合物として生じることを当業者は認識する。これらは、従来の技術、またはこのような技術の組合せ(これらに限定されないが、結晶化、順相クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーおよびキラルクロマトグラフィーなど)を使用して合成スキームの様々な段階において分離し、本発明の単一のエナンチオマーを得てもよい。
当業者には、スキーム、方法、および実施例で使用する様々な記号、上付き文字、および下付き文字は、表示の都合上、かつ/またはこれらがスキームに導入される順序を反映させるために使用しており、付属の請求項における記号、上付き文字、または下付き文字に必ずしも対応するものではないことを理解されたい。スキームは、本発明の化合物の合成において有用な方法を代表するものである。スキームは、本発明の範囲に決して制約を課さない。
スキーム1は、式Iの化合物の調製を指す。スキーム1に関して、式Iの化合物は、保護基Pの除去によって式IIの化合物から調製することができる。Pは、この場合は、アミン保護のための当業者には周知の基を指す。例えば、Pは、酸性条件によって、またはメタノール中の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)による処理によって切断することができるベンゾイル基(Bz)でよい。代わりに、Pは、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)またはtert−ブトキシカルボニル(BOC)を含めた、アミンに適した多くの保護基のうちのいずれかであってよく、当業者に知られている標準的な条件下で切断することができる。
Figure 2016507551
スキーム2は、PがBzまたはFmocである化合物IIの調製を指す。式IIIのラクトンを、塩基、例えば、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(KHMDS)、およびN−(5−クロロピリジン−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]−メタンスルホンアミド(Comins試薬)で処理して、式IVの化合物を得る。標準的な鈴木反応条件を使用して、エノールトリフラートIVを対応するR含有ボロン酸と反応させて、トリフラートをRに置き換え、その後、標準的な還元条件、例えば、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホナート(TMSOTf)およびトリエチルシランを使用して、得られたエノールエーテルを還元させて、式IIの化合物を得る。別法では、ヘキサブチルジスタンナンを用いるパラジウム媒介性条件下で、対応するR含有ヘテロアリールヨウ化物を、式IVの化合物とカップリングさせることができる。化合物IIは、スキーム1の方法によって式Iの化合物に変換することができる。
Figure 2016507551
スキーム3は、PがBzまたはFmocである化合物IIの調製を指す。式Vの化合物の酸化は、いくつかの標準的な酸化プロトコルによって、例えば、アセトニトリル中の過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(TPAP)および4−メチルモルホリン−N−オキシド(NMO)を使用することによって達成することができる。カルボン酸VIは、次の参考文献:Practical Synthetic Organic Chemistry:Reactions, Principles, and Techniques. 2011、Chapter 13、Wiley & Sons,Inc.、Caron,S.編において概説されているいくつかの方法、さらには、当業者に知られている追加の方法によって、式IIの化合物に変換することができる。化合物IIは、スキーム1の方法によって式Iの化合物に変換することができる。
Figure 2016507551
スキーム4は、PがBzまたはFmocである化合物IIの調製を指す。式Vの化合物の酸化は、いくつかの標準的な酸化プロトコルによって、例えば、デス−マーチンペルヨージナンまたは三酸化硫黄−ピリジンをDMSO(ジメチルスルホキシド)(Parikh−Doering条件)と共に使用することによって行うことができる。アルデヒドVIIは、次の参考文献:Practical Synthetic Organic Chemistry:Reactions, Principles, and Techniques. 2011、Chapter 13、Wiley & Sons,Inc.、Caron,S.編において概説されているいくつかの方法によって、式IIの化合物に変換することができる。化合物IIは、スキーム1の方法によって式Iの化合物に変換することができる。
Figure 2016507551
スキーム5は、PがBzまたはFmocである化合物IIの調製を指す。式VIIIの化合物の調製は、標準的なペプチドカップリング試薬を使用して、例えば、2−[2−オキソ−1(2H)−ピリジル]−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TPTU)を使用して、酸VIを活性化させ、続いて、適切なアミン、例えば、1,4−ジオキサン中のアンモニアの溶液で処理することによって行うことができる。式VIIIのアミドは、次の参考文献:Practical Synthetic Organic Chemistry:Reactions, Principles, and Techniques. 2011、Chapter 13、Wiley & Sons,Inc.、Caron,S.編において概説されているいくつかの方法によって、式IIの化合物に変換することができる。化合物IIは、スキーム1の方法によって式Iの化合物に変換することができる。
Figure 2016507551
スキーム6は、PがBzまたはBocである化合物IIの調製を指す。式IXのイソオキサゾリジンを、酢酸中の亜鉛などの還元条件に掛けて、式Xの化合物を得る。これらのアミノアルコールを、イソチオシアナート、例えば、ベンゾイルイソチオシアナートで処理して、式XIのチオ尿素を得る。例えば、硫酸を含めた強酸、または代わりに、標準的な光延条件を使用して、環化を誘発して、式IIの化合物を得る。化合物IIは、スキーム1の方法によって式Iの化合物に変換することができる。
Figure 2016507551
スキーム7は、式IXの化合物の調製を指す。ホモアリルアルコールXIIを、水素化カリウムでの処理などの塩基性条件下で、2−ブロモ−1,1−ジメトキシエタンでアルキル化して、対応するエーテルXIIIを得る。アセタールを酸性条件下で、例としてはHCl水溶液で切断して、アルデヒドXIVを得る。硫酸ヒドロキシルアミンなどのヒドロキシルアミン塩と縮合させて、対応するオキシムXVの幾何混合物を得る。イソオキサゾリンXVIを形成するための付加環化は、オキシムXVを次亜塩素酸ナトリウムまたはN−クロロスクシンイミドなどの酸化剤で処理することにより実施することができる。イソオキサゾリンXVIを適切なアリール金属試薬(例えば、2,4−ジフルオロフェニルリチウムなどのアリールリチウム、または対応するアリールグリニャール試薬)と低温、例えば、−78℃で反応させて、式IXの化合物を得る。当業者であれば、アリール金属試薬の添加の立体化学は、隣接するメチン中心の立体化学により決定されて、cis−縮合ジアステレオマーのラセミ混合物が得られ、これを、スキーム6および1の方法によって式Iの化合物に変換することができることは分かるであろう。
Figure 2016507551
スキーム8は、PがBzまたはFmocである化合物IIの調製を指す。式XVIIの化合物は、アミドVIII(R=H)を適切なメチル化剤、例えば、テトラフルオロホウ酸トリメチルオキソニウムで処理し、続いて、アンモニア供給源、例えば、メタノール中のアンモニアの溶液で処理することによって調製することができる。アミジンXVIIは、次の参考文献:Practical Synthetic Organic Chemistry:Reactions, Principles, and Techniques. 2011、Chapter 13、Wiley & Sons,Inc.、Caron,S.編において概説されているいくつかの方法によって、式IIの化合物に変換することができる。化合物IIは、スキーム1の方法によって式Iの化合物に変換することができる。
Figure 2016507551
スキーム9は、PがBzまたはFmocである式IIIの化合物の調製を指す。式VIIのアルデヒドを、塩基性条件、例えば、アセトニトリル中の炭酸カリウムに掛け、適切な無水物、例えば、無水酢酸を使用して捕捉して、Pがアシル基である式XVIIIの保護エノールエーテルを得る。例えば、塩化ルテニウムおよび過ヨウ素酸ナトリウムを含めた標準的な条件を使用して、エノールエーテル部分を酸化的開裂して、式IIIのラクトンを得る。化合物IIIは、スキーム2、10、および1の方法によって式Iの化合物に変換することができる。
Figure 2016507551
スキーム10は、PがBzまたはBocである化合物IIの調製を指す。標準的な陰イオン条件下で、例えば、テトラヒドロフラン(THF)中、−78℃で、式IIIの化合物にRの有機金属誘導体(マグネシアートまたはリチアート)を付加して、式XIXの化合物を得る。その後、標準的な還元条件、例えば、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホナート(TMSOTf)およびトリエチルシランを使用して、得られたラクトールを還元させて、式IIの化合物を得る。化合物IIは、スキーム1の方法によって、式Iの化合物に変換することができる。
Figure 2016507551
スキーム11は、PがBzである化合物Vの調製を指す。式XXのイソオキサゾリジン(スキーム7に図示されている化学作用により、Rの代わりにベンジルオキシメチル基を利用して得ることができる)を、酢酸中の亜鉛などの還元条件に掛けて、式XXIの化合物を得る。アミノアルコールXXIをイソチオシアナート、例えば、ベンゾイルイソチオシアナートで処理して、式XXIIのチオ尿素を得る。例えば、硫酸を含めた強酸を使用して、または代わりに、標準的な光延条件を使用して、環化を誘発して、式XXIIIの化合物を得る。標準的な条件下で、例えば、三塩化ホウ素を使用して、ベンジルエーテルを切断して、式Vのアルコールを得る。化合物Vは、スキーム3または4、続くスキーム1の方法によって式Iの化合物に変換することができる。
Figure 2016507551
スキーム12は、Rが−CHFである化合物IXの調製を指す。式XXIVのイソオキサゾリジンを、これだけに限定されないが、ジクロロメタン中の三フッ化(ジエチルアミノ)硫黄(DAST)を含めた、R基にフッ素を導入するための適切な条件に掛けて、式XVIの化合物を得る。イソオキサゾリンXVIを適切なアリールメタル試薬(例えば、2,4−ジフルオロフェニルリチウムまたは相当するアリールグリニャール試薬などのアリールリチウム)と低温、例えば、−78℃で反応させて、式IXの化合物を得、これをスキーム6および1の方法によって式Iの化合物に変換することができる。
Figure 2016507551
スキーム13は、化合物XXIVの調製を指す。式XXVの化合物(スキーム7に類似の様式で形成)を、標準的なルテニウム触媒交差複分解条件に掛けて、例えば、メチルプロパ−2−エノアートの存在下でGrubbs第2世代複分解触媒を使用して、式XXVIの化合物を得る。アセタールを酸性条件下で、例としてはHCl水溶液で切断して、アルデヒドを得、これを、ヒドロキシルアミン硫酸塩などのヒドロキシルアミン塩とただちに縮合させて、対応するオキシムXXVIIの幾何混合物を得る。イソオキサゾリンXXVIIIを形成するための付加環化は、オキシムXXVIIを次亜塩素酸ナトリウムまたはN−クロロスクシンイミドなどの酸化剤で処理することにより実施することができる。イソオキサゾリンXXVIIIのメチルエステルの還元を、適切な還元剤、例えば、ホウ水素化ナトリウムの使用により行って、式XXIVの化合物を得ることができ、これは、スキーム12、6、および1の方法によって式Iの化合物に変換することができる。
Figure 2016507551
スキーム14は、Rが−CHOBnであるキラルホモアリル化合物XIIの調製を指す。式XXIXの化合物を、適切なアルキニル−金属試薬、例としてプロピニルリチウムでの処理に掛けて、式XXXの化合物を得る。適切な還元試薬、例として水素化アルミニウムリチウムで処理して、立体化学的に定義される式XIIの化合物を得、これを、スキーム7、11、3、4、および1によって式Iの化合物に変換することができる。
Figure 2016507551
スキーム15は、ラセミ化合物XIIの調製を指す。式XXXIのアルデヒドを、適切なアリル金属試薬(例えば、臭化アリルマグネシウム)で処理して、式XIIのアルコールを得、これを、スキーム7、6、および1によって式Iの化合物に変換することができる。
Figure 2016507551
実験手順
下記は、様々な本発明の化合物の合成を例示する。本発明の範囲内のさらなる化合物は、単独で、または、当技術分野で一般に知られている技術と組み合わせて、これらの実施例において例示した方法を使用して、調製し得る。
特に、酸素または湿気に感受性の試薬または中間体が用いられた場合、実験は一般に不活性雰囲気(窒素またはアルゴン)下で行った。市販の溶媒および試薬を一般にそれ以上精製することなく使用した。適切な場合には、無水溶媒、一般に、Acros Organicsの製品であるAcroSeal(登録商標)またはEMD Chamicasの製品であるDriSolv(登録商標)を使用した。さらなる反応に進めるか、または動物実験に供する前に、生成物を一般に真空下で乾燥した。質量分析法データは、液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)、大気圧化学イオン化(APCI)、またはガスクロマトグラフィー質量分析(GCMS)計器類から報告する。核磁気共鳴(NMR)データについての化学シフトは、用いた重水素化溶媒からの残留ピークを参照して百万分率(ppm、δ)で表す。
検出可能な中間体を介して進行する反応を一般に、LCMSによって追跡し、次の試薬を添加する前に、完全な変換まで進行させた。他の実施例または方法における手順を参照した合成について、反応条件(反応時間および温度)は変化し得る。一般に、反応に続いて、薄層クロマトグラフィーまたは質量分析を行い、適切な場合後処理に供した。精製は、実験の間で変化し得る。一般に、溶離液/勾配のために使用される溶媒および溶媒比は、適当なRまたは保持時間を実現するために選択した。
調製
調製P1
N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−ヒドロキシメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(P1)
Figure 2016507551
ステップ1、(2R)−1−(ベンジルオキシ)ペンタ−4−エン−2−オール(C1)の合成。
(2R)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]オキシラン(167g、1.02mol)のテトラヒドロフラン(2L)溶液に、ヨウ化銅(I)(11.62g、61.02mmol)を室温で添加した。混合物を5分間撹拌し、次いで、−78℃に冷却した。反応温度を−70℃未満に維持する一方で、臭化ビニルマグネシウム溶液(テトラヒドロフラン中1M、1.12L、1.12mol)を1時間かけて滴下で添加した。添加が完了したら、冷却浴を外し、反応混合物を室温で1時間撹拌し続け、次いで、塩化アンモニウム水溶液(200mL)をゆっくり添加することによってクエンチした。塩化アンモニウム水溶液(1.5L)および酢酸エチル(1.5L)で希釈した後に、水性層を酢酸エチル(1L)で抽出し、合わせた有機層を塩化アンモニウム水溶液(1.5L)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。この反応の3つのバッチを実施し、合わせて、生成物をオレンジ色のオイルとして得た。収量:600g、3.1mol、定量的。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.28-7.40 (m, 5H), 5.78-5.90 (m, 1H), 5.08-5.17 (m, 2H), 4.57 (s,
2H), 3.86-3.94 (m, 1H), 3.53 (dd, J=9.6, 3.3 Hz, 1H), 3.39 (dd, J=9.6, 7.4 Hz,
1H), 2.26-2.34 (m, 3H).
ステップ2、({[(2R)−2−(2,2−ジエトキシエトキシ)ペンタ−4−エン−1−イル]オキシ}メチル)ベンゼン(C2)の合成。
この反応を2つの同一の実験で実施した。テトラヒドロフラン(1L)中の水素化ナトリウム(鉱油中60%、125g、3.12mol)の0℃懸濁液に、テトラヒドロフラン(500mL)中のC1(200g、1.04mol)の溶液を添加した。反応物を室温で30分間撹拌し、その後、2−ブロモ−1,1−ジエトキシエタン(528g、2.68mol)を添加し、反応混合物を18時間還流で加熱した。混合物を水(2×300mL)で慎重にクエンチし、合わせた実験を真空中で濃縮した。水性残渣を酢酸エチル(5L)および水(5L)に分配した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(5L)で洗浄し、乾燥させ、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:20:1の石油エーテル/酢酸エチル)によって精製して、生成物を黄色のオイルとして得た。収量:300g、0.97mol、47%。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.26-7.37 (m, 5H), 5.78-5.90 (m, 1H), 5.01-5.13 (m, 2H), 4.61 (t,
J=5.3 Hz, 1H), 4.55 (s, 2H), 3.48-3.74 (m, 9H), 2.30-2.36 (m, 2H), 1.22 (t,
J=7.1 Hz, 3H), 1.21 (t, J=7.0 Hz, 3H).
ステップ3、2−{[(2R)−1−(ベンジルオキシ)ペンタ−4−エン−2−イル]オキシ}−N−ヒドロキシエタンイミン(C3)の合成。
C2(234g、0.759mol)のギ酸(400mL)および水(100mL)中の溶液を室温で2時間撹拌した。LCMS分析によって少量の残留出発物質が明らかとなったので、ギ酸(50mL)を添加し、反応混合物をさらに30分間撹拌した。反応混合物をエタノール(1L)および水(400mL)で希釈した。硫酸ヒドロキシルアミン(435g、2.65mol)および酢酸ナトリウム(217g、2.64mol)を添加し、反応物を室温で18時間撹拌した。次いで、反応混合物を濾過し、真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチル(500mL)および水(1L)に分配し、水性層を酢酸エチル(3×500mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(2×500mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物をオレンジ色のオイルとして得た。H NMRによると、この物質は、オキシム異性体のほぼ1:1混合物から構成された。収量:234g;これを、次のステップにそのまま入れた。LCMS m/z 250.1 [M+H+]. 1H NMR (400 MHz, CDCl3),
特徴的ピーク:δ[7.52 (t, J=5.5 Hz)および6.96 (t, J=3.6 Hz), 計1H], 7.28-7.39 (m, 5H),
5.74-5.87 (m, 1H), 5.04-5.14 (m, 2H), 4.55および4.56 (2 s,
計2H), {4.45-4.55 (m)および[4.27
(dd, ABXパターンの半分, J=13.2, 5.4 Hz)および4.21 (dd, ABXパターンの半分, J=13.2, 5.6 Hz)], 計2H}, 2.30-2.37 (m, 2H).
ステップ4、(3aR,5R)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(C4)の合成。
内部温度を15℃未満に維持する一方で、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(14.5%溶液、600mL)を、0℃のC3(先行するステップからの224g、≦0.759mol)のジクロロメタン(1L)溶液に滴下で添加した。添加が完了した後に、反応混合物を0℃で1.5時間撹拌し続け、次いで、水(1L)およびジクロロメタン(500mL)で希釈した。水性層をジクロロメタン(2×500mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(500mL)、水(500mL)で、かつ再び飽和塩化ナトリウム水溶液(500mL)で洗浄した。続いて、これを硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜25%酢酸エチル)によって、生成物を無色のオイルとして得た。化合物C4の示された相対立体化学を、核オーバーハウザー増強(NOE)研究に基づいて割り当て、これによって炭素3aおよび5上のメチンプロトン間の相互作用が明らかとなった。収量:85.3g、345mmol、2ステップに亘り45%。LCMS m/z 248.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.27-7.40 (m, 5H), 4.77 (d, J=13.5 Hz, 1H), 4.54-4.65 (m, 3H), 4.22
(dd, J=13.5, 1 Hz, 1H), 3.79 (dd, J=11.7, 8.0 Hz, 1H), 3.69-3.76 (m, 1H), 3.57
(dd, ABXパターンの半分, J=10.1, 5.9 Hz, 1H), 3.49 (dd, ABXパターンの半分, J=10.1, 4.3 Hz, 1H), 3.39-3.5 (m, 1H), 2.20 (ddd, J=12.9, 6.5, 1.6
Hz, 1H), 1.51-1.62 (m, 1H).
ステップ5、(3aR,5R,7aS)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−7a−(2,4−ジフルオロフェニル)ヘキサヒドロ−1H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(C5)の合成。
ボロントリフルオリドジエチルエーテラート(60.1mL、474mmol)を、トルエンおよびジイソプロピルエーテルの1:1混合物(2L)中のC4(50.0g、202mmol)の溶液に−76℃の内部温度にて添加した。反応物をこの温度にて30分間撹拌し、次いで、2,4−ジフルオロ−1−ヨードベンゼン(27.1mL、226mmol)で処理した。反応温度を−76〜−71℃で維持する一方で、n−ブチルリチウム(ヘキサン中の2.5M、85.7mL、214mmol)をゆっくり添加した。反応混合物を−76℃で1.5時間撹拌し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(1L)でクエンチし、水(1L)および酢酸エチル(750mL)に分配した。混合物を室温に加温した後に、水性層を酢酸エチル(3×250mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(550mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜70%酢酸エチル)によって、生成物を黄色のオイルとして得た。収量:48.14g、133.2mmol、66%。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.94 (ddd, J=9, 9, 7 Hz, 1H), 7.28-7.40 (m, 5H), 6.87-6.93 (m, 1H),
6.80 (ddd, J=12.0, 8.6, 2.4 Hz, 1H), 4.60 (AB四重線, JAB=12.1
Hz,δνAB=21.4 Hz,
2H), 4.14 (br dd, J=12.8, 1.3 Hz, 1H), 3.82-3.90 (m, 2H), 3.72 (d, J=7.2 Hz,
1H), 3.54-3.60 (m, 2H), 3.50 (dd, ABXパターンの半分, J=10.3,
4.1 Hz, 1H), 3.04-3.13 (m, 1H), 1.86 (ddd, J=14.0, 7.0, 2.0 Hz, 1H), 1.49-1.61
(m, 1H).
ステップ6、[(2R,4R,5S)−5−アミノ−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]メタノール(C6)の合成。
化合物C5(48.1g、133mmol)を酢酸(444mL)に溶解し、亜鉛粉末(113g、1.73mol)で処理した。40℃に加温しておいた反応混合物を室温に冷却し、16時間撹拌した。不溶性物質を珪藻土のパッドでの濾過によって除去し、そのパッドを酢酸エチル(3×500mL)で洗浄した。合わせた濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2.5L)で中和し、水性層を酢酸エチル(3×500mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(1L)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、生成物を濃厚な黄色のオイルとして得、これを、さらに精製することなく次の反応で使用した。収量:48.7g、定量的と推定。1H NMR (400 MHz, CDCl3), 特徴的ピーク:δ7.62-7.80 (br m, 1H), 7.28-7.39 (m, 5H),
6.94-7.06 (m, 1H), 6.83 (ddd, J=12.7, 8.5, 2.6 Hz, 1H), 4.61 (AB四重線, 高磁場二重線が広幅化, JAB=12.2 Hz,δνAB=30.5 Hz, 2H), 4.22 (dd, J=11.6, 2.2
Hz, 1H), 3.83-3.92 (br m, 1H), 3.62-3.73 (br m, 1H), 3.56 (dd, J=10.2, 3.5 Hz,
1H), 3.34-3.41 (m, 1H), 2.26-2.43 (br m, 1H), 2.00-2.17 (br m, 1H), 1.65 (ddd,
J=14.1, 4.5, 2.5 Hz, 1H).
ステップ7、N−{[(3S,4R,6R)−6−[(ベンジルオキシ)メチル]−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバモチオイル}ベンズアミド(C7)の合成。
イソチオシアン酸ベンゾイル(17.8mL、132mmol)をC6(48.7g、≦133mmol)のジクロロメタン(1.34L)溶液に添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。溶媒を真空中で除去して、生成物を白色の固体として得、これをさらに精製することなく使用した。収量:72.2g、定量的と推定。LCMS m/z 527.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD),
特徴的ピーク:δ7.89-7.93 (m, 2H),
7.62-7.67 (m, 1H), 7.50-7.56 (m, 2H), 7.42-7.54 (br m, 1H), 7.31-7.36 (m, 2H),
7.17-7.28 (m, 3H), 6.86-6.98 (m, 2H), 4.57 (AB四重線, JAB=11.9
Hz,δνAB=11.8 Hz,
2H), 3.84-3.91 (m, 1H), 3.64 (br dd, ABXパターンの半分,
J=10.6, 6.0 Hz, 1H), 3.58 (dd, ABXパターンの半分, J=10.6, 3.8
Hz, 1H), 3.44-3.54 (br m, 1H), 2.32-2.59 (br m, 1H), 1.82-2.06 (m, 2H).
ステップ8、N−[(4aR,6R,8aS)−6−[(ベンジルオキシ)メチル]−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C8)の合成。
ピリジン(11.0mL、137mmol)をC7(19.00g、36.08mmol)のジクロロメタン(150mL)溶液に添加し、このように得られた溶液を−50〜−60℃に冷却した。ジクロロメタン(50mL)中のトリフルオロメタンスルホン酸無水物(12.1mL、71.9mmol)を滴下で添加し、反応混合物を3時間かけて徐々に−5℃に加温した。水を添加し、水性層をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の20%〜40%酢酸エチル)によって精製して、生成物を黄色の泡として得た。収量:15.51g、30.50mmol、85%。LCMS m/z 509.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.23 (br d, J=7 Hz, 2H), 7.37-7.57 (br m, 4H), 7.24-7.36 (m, 5H),
6.85-6.97 (m, 2H), 4.58 (AB四重線, 高磁場シグナルが少し広幅化, JAB=11.9 Hz,δνAB=23.5 Hz, 2H), 4.17 (br d, J=12 Hz, 1H), 3.90-3.97 (m, 1H), 3.83 (br
d, J=12 Hz, 1H), 3.64 (dd, ABXパターンの半分, J=10.1, 6.4 Hz,
1H), 3.50 (dd, ABXパターンの半分, J=10.2, 4.4 Hz, 1H),
3.11-3.21 (br m, 1H), 3.02 (dd, J=12.9, 4.1 Hz, 1H), 2.64 (br d, J=13 Hz, 1H),
1.92-2.05 (br m, 1H), 1.71 (br d, J=13 Hz, 1H).
ステップ9、N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(P1)の合成。
三塩化ホウ素(ヘプタン中の1M溶液、89.7mL、89.7mmol)を0℃のC8(15.20g、29.89mmol)のジクロロメタン(150mL)溶液に添加した。15分後に、反応混合物を室温に加温し、4時間撹拌した。次いで、フラスコ内部を窒素ガスでフラッシュする一方で、メタノール(50mL)を初めは滴下で添加し{注:激しい反応}、次いで、一定速度で添加した。混合物を30分間還流加熱し、室温に冷却し、真空中で濃縮した。残渣を再びメタノールに溶解し、撹拌し、真空中で濃縮した。このように得られた物質をジクロロメタンに入れ、1M水酸化ナトリウム水溶液、水、および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:酢酸エチル中0%〜3%メタノール)によって精製して、生成物を黄色の泡として得た。収量:11.97g、28.60mmol、96%。LCMS m/z 419.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD)δ8.13 (d, J=7.4 Hz, 2H), 7.50-7.56 (m, 1H), 7.41-7.49 (m, 3H),
7.02-7.11 (m, 2H), 4.13 (dd, J=11.9, 1.8 Hz, 1H), 3.90 (d, J=12.1 Hz, 1H),
3.72-3.80 (m, 1H), 3.59 (d, J=5.1 Hz, 2H), 3.14-3.24 (br m, 1H), 2.96 (dd, ABXパターンの半分, J=13.1, 4.1 Hz, 1H), 2.75 (dd, ABXパターンの半分,
J=13.1, 2.7 Hz, 1H), 1.80-1.92 (m, 1H), 1.70 (ddd, J=13.4, 4.2, 2.4 Hz, 1H).
調製P2
(4aR,6R,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボン酸(P2)
Figure 2016507551
過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(1.09g、3.10mmol)をアセトニトリル(207mL)中のP1(13.0g、31.1mmol)および4−メチルモルホリンN−オキシド一水和物(25.2g、186mmol)の混合物に添加し、反応混合物を室温で90分間撹拌した。2−プロパノール(100mL)を添加した後、さらに2時間撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチルおよび0.5M水酸化ナトリウム水溶液に分配した。有機層を0.5M水酸化ナトリウム水溶液で2回抽出し、合わせた水層を、2M塩酸水溶液で約1のpHに酸性化し、次いで、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた酢酸エチル層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、残渣をジクロロメタンに溶かし、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中の0%〜20%メタノール)によって精製して、生成物を赤色がかった固体として得た。収量:12.36g、28.58mmol、92%。LCMS m/z 433.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD)δ8.09-8.13 (m, 2H), 7.52-7.57 (m, 1H), 7.43-7.51 (m, 3H), 7.03-7.11
(m, 2H), 4.35 (dd, J=11.2, 3.4 Hz, 1H), 4.19 (dd, J=12.0, 1.4 Hz, 1H), 3.97 (d,
J=12.1 Hz, 1H), 3.20-3.27 (m, 1H), 2.96 (dd, ABXパターンの半分,
J=13.1, 4.0 Hz, 1H), 2.78 (dd, ABXパターンの半分, J=13.2, 2.8
Hz, 1H), 2.03-2.15 (m, 2H).
調製P3
N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−ホルミル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(P3)の合成。
Figure 2016507551
トリエチルアミン(16.7mL、120mmol)を、室温の水浴に浸漬されているP1(4.18g、10.0mmol)のジクロロメタン(200mL)溶液に一度に迅速に添加した。5分後に、無水ジメチルスルホキシド(9.94mL、140mmol)を迅速に添加し、直後に、固体の三酸化硫黄ピリジン錯体(98%、13.0g、80.0mmol)を一度に添加した。その結果生じた溶液を周囲温度で6.5時間撹拌し、次いで、水および飽和塩化ナトリウム水溶液の1:1混合物(200mL)で希釈し、10分間撹拌した。水性層をジクロロメタン(2×200mL)で抽出し、合わせた有機層を水(100mL)で洗浄し、飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル)により精製して、生成物を白色の固体として得た。収量:2.81g、6.75mmol、67%。LCMS m/z 414.9 [M-H+]. 1H NMR (400MHz, CDCl3)
δ 9.71 (s, 1H), 8.20 (br d, J=7Hz, 2H), 7.50-7.56 (m,
1H), 7.36-7.49 (m, 3H), 6.86-6.99 (m, 2H), 4.23 (br d, J=12.1Hz, 1H), 4.12 (dd,
J=12.1, 2.9Hz, 1H), 3.94 (d, J=12.5Hz, 1H), 3.13-3.22 (m, 1H), 3.04 (dd,
J=13.1, 4.1Hz, 1H), 2.69 (dd, J=13.1, 2.9Hz, 1H), 2.02-2.14 (m, 1H), 1.92-1.99
(m, 1H).
調製P4
N−[(4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(P4)
Figure 2016507551
ステップ1、(2R)−1−(ベンジルオキシ)ヘキサ−4−イン−2−オール(C9)の合成。
薄い懸濁液が得られるまで、プロパ−1−インを、トルエン(5L)中のn−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、1.06L、2.65mol)の溶液に0℃で1.5時間吹き込んだ。塩化ジエチルアルミニウム(ヘキサン中1M、2.44L、2.44mol)を添加し、反応混合物を0℃で2時間撹拌し、その後、(2R)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]オキシラン(200g、1.22mol)を添加した。10分後に、反応物を水(100mL)で、次いで、塩酸水溶液(2M、2L)でクエンチした。混合物を酢酸エチル(2L)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中の2%〜17%酢酸エチル)によって精製して、生成物を淡茶色のオイルとして得た。収量:250g、1.22mol、100%。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.28-7.41 (m, 5H), 4.58 (s, 2H), 3.89-3.97 (s, 1H), 3.60 (dd, ABXパターンの半分, J=9.5, 3.9 Hz, 1H), 3.50 (dd, ABXパターンの半分,
J=9.5, 6.7 Hz, 1H), 2.50 (br s, 1H), 2.38-2.43 (m, 2H), 1.79 (t, J=2.6 Hz, 3H).
ステップ2、(2R,4E)−1−(ベンジルオキシ)ヘキサ−4−エン−2−オール(C10)の合成。
水素化アルミニウムリチウム(93g、2.4mol)を、1,2−ジメトキシエタン(2.2L)中のC9(167g、0.818mol)の10〜20℃溶液に滴下で徐々に添加し、反応物を100℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、次いで、氷、続いて、塩酸水溶液(2M、2L)で10〜20℃でクエンチした。その結果生じた混合物を酢酸エチル(2L)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、生成物を淡茶色のオイルとして得た。この物質をさらに精製することなく、次のステップのために使用した。収量:160g、0.78mol、95%。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.27-7.41 (m, 5H), 5.49-5.60 (m, 1H), 5.39-5.49 (m, 1H), 4.56 (s,
2H), 3.80-3.88 (m, 1H), 3.51 (dd, ABXパターンの半分, J=9.5,
3.4 Hz, 1H), 3.39 (dd, ABXパターンの半分, J=9.3, 1.9 Hz, 1H),
2.4 (br s, 1H), 2.16-2.24 (m, 2H), 1.66-1.70 (m, 3H).
ステップ3、({[(2R,4E)−2−(2,2−ジエトキシエトキシ)ヘキサ−4−エン−1−イル]オキシ}メチル)ベンゼン(C11)の合成。
テトラヒドロフラン(1.6L)中の水素化ナトリウム(鉱油中60%、93g、2.3mol)の0℃懸濁液に、C10(160g、0.78mol)をゆっくりと添加し、反応混合物を0℃で1時間撹拌した。2−ブロモ−1,1−ジエトキシエタン(460g、2.33mol)を、この冷混合物に添加し、次いで、還流で16時間加熱した。反応物を、水(1L)を添加することによって慎重にクエンチし、混合物を酢酸エチル(2L)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、生成物を茶色のオイルとして得、これを、精製することなく、次のステップのために使用した。1H NMR (400 MHz, CDCl3), 特徴的ピーク:δ7.24-7.38 (m, 5H), 5.37-5.54 (m, 2H), 4.54
(s, 2H), 2.19-2.30 (m, 2H), 1.64 (br d, J=5 Hz, 3H).
ステップ4、{[(2R,4E)−1−(ベンジルオキシ)ヘキサ−4−エン−2−イル]オキシ}アセトアルデヒド(C12)の合成。
テトラヒドロフラン(1.5L)中の粗製のC11(先行するステップから、≦0.78mol)の溶液に、塩酸水溶液(2M、850mL、1.7mol)を25℃で添加し、反応混合物を60℃で1時間撹拌した。室温に冷却した後、固体の塩化ナトリウムで飽和させ、酢酸エチル(2L)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(3×1L)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、生成物を淡茶色のオイルとして得、これをさらに精製することなく、次のステップのために使用した。1H NMR (400 MHz, CDCl3), 特徴的ピーク:δ9.72 (br s, <1H), 7.27-7.40 (m, 5H),
5.4-5.57 (m, 2H), 1.66 (br d, J=5 Hz, 3H).
ステップ5、2−{[(2R,4E)−1−(ベンジルオキシ)ヘキサ−4−エン−2−イル]オキシ}−N−ヒドロキシエタンイミン(C13)の合成。
エタノールおよび水の混合物(2:1、2.1L)中の粗製のC12(先行するステップから、≦0.78mol)の溶液に、酢酸ナトリウム(472g、5.75mol)を、続いて、塩酸ヒドロキシルアミン(238g、3.42mol)を添加した。反応混合物を60℃で16時間撹拌し、次いで、濃縮して、エタノールを除去し、ジクロロメタン(2L)で抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸ナトリウム水溶液(2×1L)および飽和塩化ナトリウム水溶液(1L)で連続して洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中の2%〜17%酢酸エチル)により、生成物を淡黄色のオイルとして得た。収量:105g、0.399mol、3ステップで51%。
ステップ6、(3S,3aR,5R)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−3−メチル−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(C14)の合成。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液(6.15%、1L)を、ジクロロメタン(2L)中のC13(100g、0.38mol)およびトリエチルアミン(2.9g、28.6mmol)の混合物にゆっくりと添加した。反応混合物を25℃で1時間撹拌し、次いで、水(5×2L)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中の2%〜17%酢酸エチル)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:58g、0.22mol、58%。
追加の精製を、再結晶化によって実施することができた。薄い濁った混合物が得られるまで、tert−ブチルメチルエーテル(135mL)中のC14(174g)の溶液に、還流で、ヘプタン(430mL)を添加した。これを、25℃にゆっくりと冷却し、次いで、16時間静止を保った。その結果生じた沈殿物を濾過によって収集し、ヘプタン(100mL)で洗浄して、白色の固体(142g)を得、これを、同じ手法で再び再結晶化させて、生成物を白色の固体として得た。収量:102g、59%。LCMS m/z 262.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.26-7.39 (m, 5H), 4.70 (d, J=13.7 Hz, 1H), 4.58 (AB四重線, JAB=12.1 Hz,δνAB=13.2 Hz, 2H), 4.14-4.25 (m, 2H), 3.63-3.71 (m, 1H), 3.56 (dd, ABXパターンの半分, J=10.2, 5.9 Hz, 1H), 3.48 (dd, ABXパターンの半分,
J=10.1, 4.3 Hz, 1H), 2.93 (ddd, J=11.3, 11.2, 6.7 Hz, 1H), 2.12 (ddd, J=12.8,
6.6, 1.2 Hz, 1H), 1.46 (d, J=6.2 Hz, 3H), 1.45-1.57 (m, 1H).
ステップ7、(3S,3aR,5R,7aS)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−7a−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−メチルヘキサヒドロ−1H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(C15)の合成。
トルエンおよびテトラヒドロフランの10:1混合物(191mL)中の2,4−ジフルオロ−1−ヨードベンゼン(30mL、250mmol)の溶液を−70℃に冷却し、n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、90mL、220mmol)で30分かけて滴下で処理した。反応混合物を−70℃でさらに30分間撹拌した後に、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(28mL、230mmol)と、トルエンおよびテトラヒドロフランの10:1混合物(574mL)中のC14(30g、110mmol)の溶液とを30分かけて滴下で同時に添加した。この時点で、塩化アンモニウム水溶液を添加することによって、反応物をクエンチした。水層を酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル)による精製によって、生成物を暗黄色のオイルとして得た。収量:39.4g、105mmol、95%。LCMS m/z 376.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.98 (ddd, J=9.2, 9.0, 6.8 Hz, 1H), 7.29-7.40 (m, 5H), 6.90 (dddd,
J=8.9, 7.9, 2.5, 1.0 Hz, 1H), 6.80 (ddd, J=11.9, 8.6, 2.5 Hz, 1H), 4.60 (AB四重線, JAB=12.1 Hz,δνAB=19.9 Hz, 2H), 4.03 (qd, J=6.4, 2.5 Hz, 1H), 3.97 (dd, ABXパターンの半分, J=12.9, 2.0 Hz, 1H), 3.81-3.88 (m, 2H), 3.56 (dd, ABXパターンの半分, J=10.2, 6.2 Hz, 1H), 3.49 (dd, ABXパターンの半分,
J=10.2, 4.1 Hz, 1H), 2.81-2.87 (m, 1H), 2.04 (ddd, J=14.2, 7.5, 2.9 Hz, 1H),
1.49-1.60 (m, 1H), 0.79 (d, J=6.4 Hz, 3H).
ステップ8、(1S)−1−[(2R,4R,5S)−5−アミノ−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]エタノール(C16)の合成。
酢酸(379mL)中のC15(39.4g、105mmol)の混合物に、亜鉛粉末(89.2g、1.36mol)を添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。亜鉛を、珪藻土での濾過によって除去し、濾液を真空中で濃縮し、酢酸エチルおよび1M水酸化ナトリウム水溶液に分配した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル)によって、生成物を無色のオイルとして得た。収量:32.6g、86.4mmol、82%。LCMS m/z 378.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.67 (ddd, J=9, 9, 6.5 Hz, 1H), 7.28-7.39 (m, 5H), 6.89-6.97 (m,
1H), 6.81 (ddd, J=12.6, 8.6, 2.6 Hz, 1H), 4.61 (AB四重線,
JAB=12.2 Hz,δνAB=22.2 Hz, 2H), 4.06 (dd, J=11.5, 2.4 Hz, 1H), 3.76-3.84 (m, 1H),
3.66-3.74 (m, 1H), 3.60 (br dd, ABXパターンの半分, J=10.2, 6.3
Hz, 1H), 3.53 (dd, ABXパターンの半分, J=10.2, 3.8 Hz, 1H),
3.32 (br d, J=11 Hz, 1H), 2.52 (ddd, J=12.6, 4.5, 4.5 Hz, 1H), 1.70-1.83 (m,
1H), 1.61 (ddd, J=13.9, 4.7, 2.6 Hz, 1H), 0.87 (d, J=6.6 Hz, 3H).
ステップ9、N−[(4R,4aR,6R,8aS)−6−[(ベンジルオキシ)メチル]−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C17)の合成。
イソチオシアン酸ベンゾイル(98%、13.1mL、95.5mmol)を、ジクロロメタン(964mL)中のC16(36.4g、96.4mmol)の溶液に滴下で添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。LCMSは、アシルチオ尿素中間体の形成を示した:LCMS m/z 541.2 [M+H]。1−クロロ−N,N,2−トリメチルプロパ−1−エン−1−アミン(Ghosez試薬、96%、33.2mL、241mmol)を滴下で添加し、反応混合物を室温で30分間撹拌した。次いで、これを炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、ジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の20%〜40%酢酸エチル)によって、生成物を白色の泡として得た。収量:40.0g、76.5mmol、79%。LCMS m/z 523.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3),
特徴的ピーク:δ6.84-6.96 (m, 2H), 4.58
(AB四重線, JAB=12.0 Hz,δνAB=24.7 Hz, 2H), 4.15-4.21 (m, 1H),
3.86-3.94 (m, 1H), 3.84 (d, J=12 Hz, 1H), 3.63 (dd, ABXパターンの半分, J=10.1, 6.3 Hz, 1H), 3.50 (dd, ABXパターンの半分,
J=10.2, 4.4 Hz, 1H), 3.22-3.33 (br m, 1H), 2.87-2.98 (br m, 1H), 1.25 (d, J=7.0
Hz, 3H).
ステップ10、N−[(4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(ヒドロキシメチル)−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(P4)の合成。
調製P1においてP1を合成するために記載した方法に従って、化合物C17を生成物に変換した。この場合、クロマトグラフィー精製ではなく、粗製の生成物をジクロロメタンおよびヘプタンで摩砕して、生成物を白色の固体として得た。収量:14.3g、33.1mmol、92%。LCMS m/z 433.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD)δ8.12 (br d, J=7 Hz, 2H), 7.51-7.57 (m, 1H), 7.40-7.49 (m, 3H),
7.02-7.11 (m, 2H), 4.15 (br d, J=12 Hz, 1H), 3.91 (d, J=12.0 Hz, 1H), 3.71-3.78
(m, 1H), 3.60 (d, J=5.2 Hz, 2H), 3.19-3.28 (br m, 1H), 2.97-3.05 (br m, 1H),
1.74-1.82 (m, 1H), 1.50-1.62 (m, 1H), 1.26 (d, J=7.0 Hz, 3H).
調製P5
(4R,4aR,6R,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボン酸(P5)
Figure 2016507551
過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(2.50g、7.11mmol)を等量の4ポーションで、アセトニトリル(200mL)中のP4(32.4g、75.0mmol)および4−メチルモルホリンN−オキシド一水和物(50.0g、370mmol)の混合物に添加した。発熱が生じたので、反応フラスコを必要に応じて氷−メタノールスラリー中で冷却し、2時間撹拌した。2−プロパノール(125mL)を添加し、撹拌を室温で1時間継続した。溶媒を真空中で除去した後に、残渣をジクロロメタン(700mL)および塩酸水溶液(1M、500mL)に分配した。水性層をジクロロメタン(2×300mL)で抽出し、合わせた有機層を水酸化ナトリウム水溶液(0.25M、3×600mL)で抽出した。合わせた水層を、5M塩酸水溶液でpH1〜2に調整し、次いで、ジクロロメタン(3×650mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー[勾配:ジクロロメタン中の0%〜100%(89:10:1のジクロロメタン/メタノール/酢酸)]によって精製して、物質を得、次いで、これを、トルエン(3×50mL)と共に同時濃縮した。その結果生じた固体をジクロロメタン(200mL)および水酸化ナトリウム水溶液(0.25M、600mL)に分配した。有機層を追加の水酸化ナトリウム水溶液(0.25M、100mL)で抽出し、合わせた水層を5M塩酸水溶液でpH1〜2に調整した。水性層をジクロロメタン(3×500mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、生成物をオフホワイト色の顆粒固体として得た。収量:30.6g、68.5mmol、91%。LCMS m/z 447.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)δ8.10-8.15 (m, 2H), 7.55-7.61 (m, 1H), 7.47-7.53 (m, 2H), 7.32-7.44
(m, 2H), 7.22 (ddd, J=8.5, 8.5, 2.5 Hz, 1H), 4.28 (dd, J=11.8, 2.4 Hz, 1H),
4.01 (br AB四重線, JAB=12 Hz,δνAB=12 Hz, 2H), 3.06-3.16 (m, 1H),
2.95-3.04 (m, 1H), 1.99-2.07 (m, 1H), 1.53-1.66 (m, 1H), 1.21 (d, J=6.9 Hz,
3H).
調製P6
N−[(4S,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(フルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(P6)
Figure 2016507551
ステップ1、メチル(2E,5R)−6−(ベンジルオキシ)−5−(2,2−ジエトキシエトキシ)ヘキサ−2−エノアート(C18)の合成。
この反応を10バッチで実施した。ジクロロメタン(400mL)中のC2(10g、32mmol)の溶液に、[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(フェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(グラブス第2世代触媒、1.38g、1.62mmol)およびメチルプロパ−2−エノアート(69.7g、0.81mol)を添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:3:1の石油エーテル/酢酸エチル)によって精製して、生成物を黄色のオイルとして得た。合わせた収量:70g、0.19mol、59%。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.27-7.38 (m, 5H), 6.94-7.04 (m, 1H), 5.89 (br d, J=15.6 Hz, 1H),
4.58 (dd, J=5.3, 5.0 Hz, 1H), 4.54 (s, 2H), 3.73 (s, 3H), 3.44-3.7 (m, 9H),
2.41-2.55 (m, 2H), 1.21 (t, J=7.0 Hz, 3H), 1.20 (t, J=7.0 Hz, 3H).
ステップ2、メチル(2E,5R)−6−(ベンジルオキシ)−5−{[2−(ヒドロキシイミノ)エチル]オキシ}ヘキサ−2−エノアート(C19)の合成。
この反応を13バッチで実施した。塩酸水溶液(1M、27mL、27mmol)を、テトラヒドロフラン(20mL)中のC18(10g、27mmol)の溶液に添加し、反応混合物を室温で15分間撹拌した。塩酸ヒドロキシルアミン(3.8g、55mmol)を添加し、撹拌を18時間継続した。真空中で濃縮した後に、様々なバッチからの水性残渣を合わせ、酢酸エチル(3×500mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、生成物を黄色のオイルとして得た。この物質をさらに精製することなく、次のステップで使用した。合わせた収量:110g(推定された定量)。
ステップ3、メチル(3R,3aR,5R)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール−3−カルボキシラート(C20)の合成。
ジクロロメタン(500mL)中のC19(先行するステップからの110g、0.35mol)の溶液に、トリエチルアミン(2.7g、27mmol)を添加した。次いで、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(6%、1.5L、1.2mol)を、内部反応温度が20℃から25℃の間に維持されるような速度で添加した。反応混合物を20〜25℃で20分間撹拌し、その後、水(500mL)およびジクロロメタン(500mL)に分配した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:3:1の石油エーテル/酢酸エチル)によって、生成物を黄色のオイルとして得た。収量:65g、0.21mol、2ステップで60%。1H NMR (400 MHz, CDCl3), 特徴的ピーク:δ7.28-7.40 (m, 5H), 4.75 (d, J=13.3 Hz,
1H), 4.56-4.63 (m, 3H), 4.22 (dd, J=13.4, 1.0 Hz, 1H), 3.83 (s, 3H), 3.58 (dd,
ABXパターンの半分, J=10.2, 5.6 Hz, 1H), 3.50 (dd, ABXパターンの半分, J=10.2, 4.4 Hz, 1H), 2.30 (br dd, J=13, 6.5 Hz, 1H), 1.64-1.75 (m,
1H).
ステップ4、{(3R,3aR,5R)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール−3−イル}メタノール(C21)の合成。
この反応を5バッチで実施した。エタノール(90mL)およびテトラヒドロフラン(180mL)中のC20(13g、42mmol)の溶液を0℃に冷却した。ホウ水素化ナトリウム(2.4g、63mmol)を添加し、反応混合物を室温で20分間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)でクエンチし、真空中で濃縮した。水性残渣を酢酸エチル(3×300mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:3:1 石油エーテル/酢酸エチル)によって、生成物を黄色のオイルとして得た。合わせた収量:50g、180mmol、86%。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.27-7.39 (m, 5H), 4.71 (d, J=13.4 Hz, 1H), 4.58 (AB四重線, JAB=12.2 Hz,δνAB=11.8 Hz, 2H), 4.24-4.29 (m, 1H), 4.21 (dd, J=13.4, 1.1 Hz, 1H),
3.96-4.03 (m, 1H), 3.68-3.77 (m, 2H), 3.57 (dd, ABXパターンの半分, J=10.2, 5.8 Hz, 1H), 3.49 (dd, ABXパターンの半分,
J=10.1, 4.3 Hz, 1H), 3.38-3.47 (m, 1H), 2.15 (ddd, J=12.9, 6.7, 1.5 Hz, 1H),
1.83-1.89 (m, 1H), 1.6-1.67 (m, 1H).
ステップ5、(3R,3aR,5R)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−3−(フルオロメチル)−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(C22)の合成。
この反応を10バッチで実施した。ジクロロメタン(150mL)中のC21(5.0g、18mmol)の−70℃溶液に、三フッ化(ジエチルアミノ)硫黄(11.6g、72.0mmol)を添加し、反応混合物を−70℃で2時間撹拌し、次いで、室温に加温し、1時間撹拌した。反応物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(500mL)を添加することによってクエンチし、水性層をジクロロメタン(2×300mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:5:1の石油エーテル/酢酸エチル)によって、生成物を黄色のオイルとして得た。合わせた収量:12.6g、45.1mmol、25%。LCMS m/z 280.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.28-7.41 (m, 5H), 4.51-4.76 (m, 5H), 4.30-4.42 (m, 1H), 4.22 (dd,
J=13.4, 1.1 Hz, 1H), 3.69-3.77 (m, 1H), 3.58 (dd, ABXパターンの半分, J=10.0, 5.8 Hz, 1H), 3.50 (dd, ABXパターンの半分,
J=10.2, 4.4 Hz, 1H), 3.32-3.42 (m, 1H), 2.19 (br dd, J=13, 7 Hz, 1H), 1.60-1.71
(m, 1H).
ステップ6、(3R,3aR,5R,7aS)−5−[(ベンジルオキシ)メチル]−7a−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−(フルオロメチル)ヘキサヒドロ−1H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(C23)の合成。
三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(12.7mL、103mmol)を、トルエンおよびテトラヒドロフランの10:1混合物(250mL)中の2,4−ジフルオロ−1−ヨードベンゼン(12.6mL、105mmol)の−78℃溶液に添加した。n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、40mL、100mmol)を滴下で添加し、反応混合物を−78℃で15分間撹拌した。少量の10:1のトルエン/テトラヒドロフラン中のC22(14g、50mmol)の溶液を添加し、撹拌を−78℃で15分間継続した。この時点で、反応混合物を塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、水層を酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機層を水で洗浄し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜30%酢酸エチル)によって、生成物をオイルとして得た。収量:18g、46mmol、92%。LCMS m/z 394.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.94 (ddd, J=9.1, 9.0, 6.7 Hz, 1H), 7.29-7.41 (m, 5H), 6.88-6.94 (m,
1H), 6.82 (ddd, J=11.9, 8.6, 2.5 Hz, 1H), 6.42 (br s, 1H), 4.61 (AB四重線, JAB=12.2 Hz,δνAB=13.7 Hz, 2H), 4.11-4.20 (m, 1H), 4.01 (dd, ABXパターンの半分, J=12.9, 2.0 Hz, 1H), [3.81-3.91, 3.73-3.80および3.63-3.68 (多重線, 計4H)],
3.58 (dd, ABXパターンの半分, J=10.2, 6.0 Hz, 1H), 3.51 (dd, ABXパターンの半分, J=10.2, 4.2 Hz, 1H), 3.09-3.17 (m, 1H), 2.07 (ddd, J=14.1, 7.5,
2.2 Hz, 1H), 1.57-1.69 (m, 1H).
ステップ7、(1R)−1−[(2R,4R,5S)−5−アミノ−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−5−(2,4−ジフルオロフェニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]−2−フルオロエタノール(C24)の合成。
調製P4においてC16を合成するために記載した方法により、化合物C23を生成物に変換した。この場合、クロマトグラフィーによる精製は実施しなかった。収量:15.6g、39.4mmol、86%。LCMS m/z 396.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD)δ7.73 (ddd, J=9.1, 9.0, 6.5 Hz, 1H), 7.26-7.40 (m, 5H), 6.96-7.02 (m,
1H), 6.92 (ddd, J=12.8, 8.9, 2.6 Hz, 1H), 4.59 (s, 2H), [4.11-4.15および3.99-4.06 (多重線, 計2H)],
3.90 (ddd, J=48.2, 9.5, 7.0 Hz, 1H), 3.64-3.79 (m, 2H), 3.63 (dd, ABXパターンの半分, J=10.4, 5.7 Hz, 1H), 3.58 (dd, ABXパターンの半分,
J=10.4, 3.9 Hz, 1H), 3.39 (d, J=11.3 Hz, 1H), 2.73 (ddd, J=12.8, 4.4, 4.3 Hz,
1H), 1.79-1.91 (m, 1H), 1.64 (ddd, J=13.7, 4.2, 2.6 Hz, 1H).
ステップ8、N−({(3S,4R,6R)−6−[(ベンジルオキシ)メチル]−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−[(1R)−2−フルオロ−1−ヒドロキシエチル]テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル}カルバモチオイル)ベンズアミド(C25)の合成。
調製P1においてC7を合成するために記載した方法により、化合物C24を生成物に変換した。この場合、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル)によって、生成物を固体として得た。収量:18.7g、33.5mmol、85%。
ステップ9、N−[(4S,4aR,6R,8aS)−6−[(ベンジルオキシ)メチル]−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(フルオロメチル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C26)の合成。
ジクロロメタン(180mL)中のC25(7.50g、13.4mmol)の溶液に、1−クロロ−N,N,2−トリメチルプロパ−1−エン−1−アミン(8.83mL、20.1mmol)を添加し、反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。次いで、これをジクロロメタンおよび水に分配し、水性層をジクロロメタンで抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜60%酢酸エチル)によって、生成物を固体として得た。H NMR分析によると、多少の試薬由来物質がなお存在した。補正収量:3.86g、7.14mmol、53%。LCMS m/z 541.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3),
生成物のピークのみ, 特徴的ピーク:δ8.20 (br d, J=7 Hz, 2H), 7.51-7.57 (m, 1H), 7.43-7.49 (m, 2H),
7.34-7.42 (m, 1H), 7.23-7.34 (m, 5H), 6.86-6.98 (m, 2H), 4.57 (AB四重線, JAB=11.9 Hz,δνAB=18.1 Hz, 2H), [4.45-4.66および4.33-4.39 (多重線, 計2H)], 4.19 (br d, J=12 Hz, 1H), 3.82-3.94
(m, 2H), 3.63 (dd, ABXパターンの半分, J=10.2, 6.2 Hz, 1H),
3.5-3.57 (m, 1H), 3.49 (dd, ABXパターンの半分, J=10.2, 4.4 Hz,
1H), 3.21-3.29 (m, 1H).
ステップ10、N−[(4S,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(フルオロメチル)−6−(ヒドロキシメチル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(P6)の合成。
ジクロロメタン(130mL)中のC26(13.8g、25.5mmol)の溶液を0℃に冷却した。三塩化ホウ素(トルエン中1M溶液、76.6mL、76.6mmol)を添加の間に反応混合物の温度が<5℃に維持されるような速度で、迅速な滴下で添加した。0℃での10分間の後に、反応混合物を室温に加温し、30分間撹拌し、その後、メタノール(20mL)の滴下での添加によって慎重にクエンチした。その結果生じた溶液を還流で30分間加熱し、室温に冷却し、真空中で濃縮した。残渣をメタノール(460mL)に溶かし、減圧下で濃縮し、その結果生じた物質をジクロロメタンに溶かし、1M水酸化ナトリウム水溶液で2回および飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄し、次いで、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過した。有機層を真空中で濃縮して、その元の体積の約30%にし、沈殿物が形成するまで、ヘプタンで処理し、これを、濾過によって収集して、生成物を固体として得た。収量:8.5g、19mmol、74%。LCMS m/z 451.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD)δ8.06-8.18 (m, 2H), 7.51-7.59 (m, 1H), 7.42-7.51 (m, 3H), 7.02-7.14
(m, 2H), 4.68 (ddd, J=46.6, 9.7, 6.5 Hz, 1H), 4.51 (ddd, J=46.6, 9.7, 7.0 Hz,
1H), 4.16 (br d, J=12 Hz, 1H), 3.93 (d, J=11.9 Hz, 1H), 3.69-3.78 (m, 1H), 3.59
(d, J=5.2 Hz, 2H), 3.40-3.51 (br m, 1H), 3.23-3.3 (br m, 1H, 推定; 溶媒ピークにより一部不明確), 1.59-1.74 (m, 2H).
調製P7
(4S,4aR,6R,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(フルオロメチル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボン酸(P7)
Figure 2016507551
実施例P5においてP5を合成するために記載した方法により、化合物P6を生成物に変換した。生成物を固体として得た。収量:9.9g、21mmol、74%。LCMS m/z 465.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3),
小規模で実施した類似反応から得られた(110 mg P6, 80%収率):δ9.09 (v br s, 2H), 8.07-8.12 (m, 2H),
7.52-7.58 (m, 1H), 7.46 (br dd, J=8, 7 Hz, 2H), 7.32 (ddd, J=8.9, 8.9, 6.2 Hz,
1H), 6.85-6.98 (m, 2H), 4.35-4.66 (m, 2H), 4.08-4.20 (m, 2H), 4.03 (d, AB四重線の半分, J=12.2 Hz, 1H), 3.43-3.52 (m, 1H), 3.22 (ddd, J=12.0, 3.9, 3.8 Hz,
1H), 2.06-2.14 (m, 1H), 1.84-1.97 (m, 1H).
調製P8
N−[(4S,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(フルオロメチル)−6−ホルミル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(P8)
Figure 2016507551
トリエチルアミン(0.817mL、5.86mmol)を、ジクロロメタン(29mL)中のP6(660mg、1.46mmol)の溶液に迅速に添加した。5分後に、無水ジメチルスルホキシド(468μL、6.59mmol)を迅速に添加し、直後に、固体の三酸化硫黄ピリジン錯体(98%、654mg、4.03mmol)を単一のポーションで添加した。その結果生じた溶液を周囲温度で3.5時間撹拌し、次いで、水および飽和塩化ナトリウム水溶液の1:1混合物で希釈し、10分間撹拌した。水層をジクロロメタンで2回抽出し、水性洗浄液のpHがpH6〜7になるまで、合わせた有機層を水で洗浄した。次いで、有機層を0.2M塩酸水溶液で2回、および飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜75%酢酸エチル)によって精製して、生成物を固体として得た。収量:0.54g、1.2mmol、82%。LCMS m/z 449.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ9.69 (s, 1H), 8.14 (br d, J=7 Hz, 2H), 7.50-7.57 (m, 1H), 7.46 (br
dd, J=8, 7 Hz, 2H), 7.36 (ddd, J=9.0, 8.8, 6.2 Hz, 1H), 6.86-6.98 (m, 2H),
4.35-4.67 (m, 2H), 4.23 (br d, J=12 Hz, 1H), 4.06-4.12 (m, 1H), 3.97 (d, J=12.1
Hz, 1H), 3.46-3.56 (m, 1H), 3.25 (ddd, J=12.0, 4.0, 3.9 Hz, 1H), 1.97 (ddd,
J=13.5, 3.5, 3.5 Hz, 1H), 1.74-1.86 (m, 1H).
(実施例1)
(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(1)
Figure 2016507551
ステップ1、5−フルオロ−3−ヨード−1−メチル−1H−ピラゾール(C27)の合成。
リチウムジイソプロピルアミド(ヘプタン/テトラヒドロフラン/エチルベンゼン中2.0M、3.30mL、6.60mmol)を、テトラヒドロフラン(25mL)中の3−ヨード−1−メチル−1H−ピラゾール(97%、1.29g、6.02mmol)の−75℃溶液に滴下で添加した。5分後に、N−フルオロ−N−(フェニルスルホニル)ベンゼンスルホンアミド(97%、2.60g、8.00mmol)を、***液に1ポーションで添加した。反応混合物を30分かけて0℃に加温し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(25mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(15mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜50%酢酸エチル)によって精製して、生成物を淡黄色のオイルとして得た。収量:435mg、1.92mmol、32%。GCMS m/z 226 [M+]. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ5.93 (d, J=6.0 Hz, 1H), 3.74 (d, J=1.2 Hz, 3H).
ステップ2、(4aR,6S,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イルアセタート(C28)の合成。
テトラヒドロフラン(80mL)および酢酸(15mL)中のP2(3.0g、6.9mmol)の溶液に、酢酸鉛(IV)(19.3g、43.5mmol)を添加した。室温で18時間撹拌した後に、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、珪藻土で濾過した。濾液を真空中で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル)によって精製して、生成物を白色の固体として得た。収量:1.38g、3.09mmol、45%。LCMS m/z 445.1 [M-H+]. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.21 (br d, J=7 Hz, 2H), 7.50-7.56 (m, 1H), 7.36-7.49 (m, 3H),
6.87-6.98 (m, 2H), 6.31 (br d, J=3 Hz, 1H), 4.55 (d, J=12.2 Hz, 1H), 3.59 (br
d, J=12 Hz, 1H), 3.44-3.52 (m, 1H), 3.05 (dd, J=13.0, 4.2 Hz, 1H), 2.63 (dd,
J=13.0, 2.8 Hz, 1H), 2.38-2.48 (m, 1H), 2.19 (s, 3H), 1.80 (br dd, J=14, 4 Hz,
1H).
ステップ3、N−[(4aR,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−オキソ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C29)の合成。
反応を2バッチで実施した。アセトニトリル(25mL/15mL)中のC28(2.5g、5.6mmol/1.66g、3.72mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(6mL/4mL)を室温で、続いてクロロクロム酸ピリジニウム(6.02g、28mmol/3.98g、18.5mmol)を1ポーションで添加した。その結果生じた反応混合物を室温で3.5時間撹拌し、次いで、合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(350mL)にゆっくりと注いだ。水性層を酢酸エチル(2×400mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中の0%〜50%酢酸エチル)によって精製して、生成物を、残留ジクロロメタンを含有する白色の泡として得た。補正収量:2.51g、6.24mmol、67%。LCMS m/z 403.0 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.03 (br d, J=7 Hz, 2H), 7.56-7.62 (m, 1H), 7.47-7.54 (m, 2H),
7.31-7.39 (m, 1H), 6.88-6.99 (m, 2H), 4.90 (d, J=11.5 Hz, 1H), 4.29 (d, J=11.7
Hz, 1H), 3.39-3.48 (m, 1H), 2.94-3.05 (m, 2H), 2.84 (dd, ABXパターンの半分, J=18.5, 7.6 Hz, 1H), 2.68 (dd, J=13.2, 3.1 Hz, 1H).
ステップ4、(4aR,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,8,8a−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イルトリフルオロメタンスルホナート(C30)の合成。
テトラヒドロフラン(100mL)中のC29[2.51g、6.24mmol;この物質は、トルエン(2×10mL)と共に共沸させておいた]およびN−(5−クロロピリジン−2−イル)−1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタン−スルホンアミド(Comins試薬、96%、10.2g、24.9mmol)の混合物を−78℃に冷却した。カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(トルエン中0.5M溶液、62.4mL、31.2mmol)を20分かけて滴下で添加し、反応混合物を−78℃で1.1時間撹拌し、炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)を添加した後に、これを室温に加温し、酢酸エチル(2×75mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜60%酢酸エチル)によって、生成物を淡黄色の固体として得た。収量:2.43g、4.55mmol、73%。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.99 (br d, J=8 Hz, 2H), 7.55-7.60 (m, 1H), 7.49 (br dd, J=8, 7 Hz,
2H), 7.39 (ddd, J=9, 9, 6.4 Hz, 1H), 6.94-7.00 (m, 1H), 6.90 (ddd, J=12.4, 8.4,
2.6 Hz, 1H), 4.82 (d, J=10.7 Hz, 1H), 4.77 (d, J=2.0 Hz, 1H), 4.17 (d, J=10.7
Hz, 1H), 3.63-3.69 (m, 1H), 2.97 (dd, J=13.3, 3.1 Hz, 1H), 2.68 (dd, J=13.3,
4.3 Hz, 1H).
ステップ5、N−[(4aR,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−4,4a,8,8a−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C31)の合成。
マイクロ撹拌棒を備えたバイアル内で、化合物C27(73.0mg、0.323mmol)、C30(121mg、0.226mmol)、およびヘキサブチルジスタンナン(130μL、0.257mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(0.8mL)中で合わせた。バイアルを真空パージし、窒素を3回再充填した。ベンジル(クロロ)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(10mg、26μmol)を添加し、パージ/再充填プロセスを2回実施した。次いで、反応混合物を120℃で15分間撹拌した。室温に冷却した後に、反応混合物を酢酸エチル(15mL)で希釈し、ナイロンディスクで濾過した。濾液を水(2×7mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル)によって精製して、生成物をコハク色の固体として得た。収量:43mg、89μmol、39%。LCMS m/z 485.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.11 (br d, J=8 Hz, 2H), 7.47-7.55 (m, 2H), 7.39-7.45 (m, 2H),
6.93-6.99 (m, 1H), 6.89 (ddd, J=12.3, 8.4, 2.6 Hz, 1H), 5.88 (d, J=5.8 Hz, 1H),
5.34 (d, J=2.4 Hz, 1H), 4.75 (br d, J=11.2 Hz, 1H), 4.18 (d, J=11.4 Hz, 1H),
3.72 (d, J=1.2 Hz, 3H), 3.66-3.71 (m, 1H), 3.06 (dd, J=13.2, 3.3 Hz, 1H), 2.78
(dd, J=13.2, 4.7 Hz, 1H).
ステップ6、N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C32)の合成。
トリエチルシラン(0.10mL、0.63mmol)およびトリフルオロ酢酸(25μL、0.32mmol)を、ジクロロメタン(1.2mL)中のC31(32mg、66μmol)の0℃溶液に添加し、反応物を室温に加温し、1時間撹拌した。LCMSによって反応の進行をモニターしながら、追加のトリエチルシランおよびトリフルオロ酢酸を定期的に添加した。合計66当量のトリエチルシランおよび38当量のトリフルオロ酢酸を添加した後に、反応混合物を室温で15時間撹拌し、次いで、窒素流下で濃縮し、ジクロロメタン(15mL)および飽和炭酸ナトリウム水溶液(10mL)に分配した。水性層をジクロロメタン(2×5mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル)によって、生成物をオフホワイト色の固体として得た。示された立体化学は、炭素4aおよび6のプロトン間の相互作用を示すNOE研究によって支持された。収量:24mg、49μmol、74%。LCMS m/z 487.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.22 (br d, J=7 Hz, 2H), 7.49-7.55 (m, 1H), 7.39-7.48 (m, 3H),
6.86-6.98 (m, 2H), 5.80 (d, J=5.7 Hz, 1H), 4.69 (dd, J=11.6, 2.4 Hz, 1H), 4.30
(dd, J=12.2, 1.7 Hz, 1H), 3.91 (br d, J=12 Hz, 1H), 3.70 (d, J=1.2 Hz, 3H),
3.22-3.30 (m, 1H), 3.05 (dd, J=12.9, 4.1 Hz, 1H), 2.69 (dd, J=12.9, 2.8 Hz,
1H), 2.27-2.39 (m, 1H), 1.95-2.03 (m, 1H).
ステップ7、(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(1)の合成。
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU、4.0μL、27μmol)を、メタノール(0.75mL)中のC32(17mg、35μmol)の溶液に添加し、反応混合物を50℃で18時間加熱した。溶媒を真空中で除去し、残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2mL)および酢酸エチル(5mL)に分配した。水性層を酢酸エチル(2×5mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製の生成物をオフホワイト色の固体(12mg)として得た。これを、C32(6.3mg、13μmol)で実施した同様の反応からの粗製の生成物(5mg)と合わせ、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中の0%〜17.5%メタノール)による精製に掛けて、生成物を白色の固体として得た。収量:11.7mg、30.0μmol、62%。LCMS m/z 383.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.40 (ddd, J=9.0, 9.0, 6.6 Hz, 1H), 6.85-6.91 (m, 1H), 6.81 (ddd,
J=12.4, 8.5, 2.6 Hz, 1H), 5.81 (d, J=5.7 Hz, 1H), 4.64 (dd, J=11.7, 2.4 Hz,
1H), 4.21 (dd, J=11.2, 2.3 Hz, 1H), 3.94 (d, J=11.4 Hz, 1H), 3.72 (d, J=1.2 Hz,
3H), 2.97-3.07 (m, 2H), 2.62-2.68 (m, 1H), 2.13-2.24 (m, 1H), 1.78-1.85 (m,
1H).
(実施例2)
(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−フルオロピリジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(2)
Figure 2016507551
ステップ1、[(4aR,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4a,5,8,8a−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6(4H)−イリデン]メチルアセタート(C33)の合成。
無水酢酸(1.5mL、16mmol)を、アセトニトリル(16mL)中のP3(661mg、1.59mmol)および炭酸カリウム(1.34g、9.70mmol)のスラリーに添加した。フラスコを窒素でフラッシュした後に、反応混合物を2.5時間還流で加熱し、次いで、室温に冷却し、18時間撹拌した。スラリーを酢酸エチルで希釈し、濾過し、固体を酢酸エチルで洗浄し、合わせた濾液を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル)を使用して精製して、生成物を白色の固体として得、これは、H NMRによって、幾何異性体の約4:1混合物として指定された。収量:437mg、0.953mmol、60%。LCMS m/z 459.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3),
主異性体だけのピーク:δ8.09-8.32 (br s,
2H), 7.50-7.56 (m, 1H), 7.39-7.45 (m, 3H), 6.85-6.99 (m, 2H), 6.75 (d, J=1.9
Hz, 1H), 4.31 (dd, J=11.7, 1.2 Hz, 1H), 4.02 (d, J=11.8 Hz, 1H), 3.13-3.26 (m,
1H), 2.97-3.07 (m, 1H), 2.70-2.87 (m, 2H), 2.19 (s, 3H), 2.17-2.25 (m, 1H).
ステップ2、N−[(4aR,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−オキソ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C29)の合成。
アセトニトリル(0.5mL)ならびに、1,2−ジクロロエタンおよび水の1:1混合物(5mL)中のC33(430mg、0.938mmol)、塩化ルテニウム(III)(5.8mg、28μmol)、および過ヨウ素酸ナトリウム(98.5%、407mg、1.87mmol)の溶液を室温で3時間撹拌し、次いで、撹拌することなく、18時間放置した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(25mL)で希釈した後に、混合物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜80%酢酸エチル)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:237mg、0.589mmol、63%。LCMS m/z 403.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.99 (br d, J=8 Hz, 2H), 7.49-7.54 (m, 1H), 7.43 (br dd, J=8, 7 Hz,
2H), 7.32 (ddd, J=9.0, 9.0, 6.3 Hz, 1H), 6.81-6.93 (m, 2H), 4.85 (d, J=11.7 Hz,
1H), 4.24 (d, J=11.5 Hz, 1H), 3.35-3.44 (m, 1H), 2.87-2.97 (m, 2H), 2.80 (dd,
ABXパターンの半分, J=18.7, 7.5 Hz, 1H), 2.63 (dd, J=13.1, 3.1
Hz, 1H).
ステップ3、N−[(4aR,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−フルオロピリジン−2−イル)−6−ヒドロキシ−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C34)の合成。
トルエン(10mL)中の2−ブロモ−5−フルオロピリジン(355mg、2.02mmol)の溶液を−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M溶液、790μL、1.98mmol)を5分かけて滴下で添加し、撹拌を−78℃で50分間継続した。トルエン(1mL)中のC29(162mg、403μmol)の溶液を添加した後に、反応混合物を−78℃でさらに1.5時間撹拌し、その後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)でクエンチし、室温に加温した。酢酸エチル(20mL)を添加し、水性層を追加の酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜90%酢酸エチル)によって精製して、生成物をオフホワイト色の固体として得た。H NMR分析により、これを、ヒドロキシル基でのエピマーの混合物として暫定的に割り当てた。収量:120mg、240μmol、60%。LCMS m/z 500.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3),
主エピマーの特徴的ピーク:δ8.38 (d, J=2.7
Hz, 1H), 8.28 (br d, J=7.5 Hz, 2H), 7.61 (dd, J=8.7, 4.4 Hz, 1H), 7.52-7.57 (m,
1H), 4.89 (d, J=12.3 Hz, 1H), 3.76-3.84 (m, 1H), 3.68 (d, J=12.2 Hz, 1H), 3.12
(dd, J=12.9, 4.1 Hz, 1H), 2.67 (dd, J=13.0, 2.8 Hz, 1H), 2.43-2.52 (m, 1H),
1.88 (dd, J=13.4, 4.2 Hz, 1H); 副エピマーの特徴的ピーク:δ8.32 (d, J=2.7 Hz, 1H), 7.67 (dd, J=9, 4 Hz, 1H), 4.94 (dd, J=9.5, 2
Hz, 1H), 4.64 (d, J=9 Hz, 1H), 2.89-2.96 (m, 1H), 2.71-2.77 (m, 1H), 2.21-2.28
(m, 1H).
ステップ4、N−[(4aR,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−フルオロピリジン−2−イル)−4,4a,8,8a−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C35)の合成。
C34(56.7mg、114μmol)、トリフルオロ酢酸(1.0mL)、および1,2−ジクロロエタン(1.0mL)の混合物を42℃で5.5時間、次いで、38℃で18時間撹拌した。真空中で溶媒を除去した後に、残渣を炭酸水素ナトリウム水溶液(4mL)および酢酸エチル(5mL)に分配した。水性層を追加の酢酸エチル(3×5mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜90%酢酸エチル)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:42mg、87μmol、76%。NMR (400 MHz, CD3OD), 特徴的ピーク:δ8.38 (br d, J=2.9 Hz, 1H), 8.00 (br d, J=7 Hz, 2H), 7.70 (dd, J=9.0,
4.4 Hz, 1H), 7.47-7.63 (m, 3H), 7.41 (br dd, J=7.7, 7.3 Hz, 2H), 7.03-7.11 (m,
2H), 5.98 (d, J=2.4 Hz, 1H), 4.78 (d, J=11.0 Hz, 1H), 4.33 (d, J=11.0 Hz, 1H),
3.06 (dd, ABXパターンの半分, J=13.2, 3.3 Hz, 1H), 2.95 (dd,
ABXパターンの半分, J=13.3, 4.6 Hz, 1H).
ステップ5、N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−フルオロピリジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C36)の合成。
メタノール(10mL)中のC35(43mg、90μmol)および水酸化パラジウム(炭素上20%、湿潤、50mg)の混合物を40℃で水素(45psi)下で18時間激しく振盪した。反応混合物を珪藻土で濾過し、濾液を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル)によって、生成物を白色の固体として得た。出発物質C35も、白色の固体(16mg)として単離した。回収された出発物質について補正した収量:6.5mg、13μmol、23%。LCMS m/z 484.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD),
特徴的ピーク:δ8.39-8.41 (m, 1H), 8.13
(br d, J=7 Hz, 2H), 7.45 (br dd, J=8, 7 Hz, 2H), 7.05-7.15 (m, 2H), 4.35 (dd,
J=11.9, 1.7 Hz, 1H), 4.08 (d, J=11.9 Hz, 1H), 3.01 (dd, ABXパターンの半分, J=13.2, 4.1 Hz, 1H), 2.81 (dd, ABXパターンの半分,
J=13.2, 2.9 Hz, 1H), 2.12-2.20 (m, 1H), 1.98-2.10 (m, 1H).
ステップ6、(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−フルオロピリジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(2)の合成。
メタノール(2mL)中のC36(16mg、33μmol)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(5.0μL、33μmol)の混合物を63℃で18時間加熱した。溶媒を真空中で除去した後に、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中の0%〜15%メタノール)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:8.7mg、23μmol、70%。LCMS m/z 380.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD)δ8.38-8.40 (m, 1H), 7.61-7.65 (m, 2H), 7.40 (ddd, J=9.6, 8.8, 6.6 Hz,
1H), 6.96-7.05 (m, 2H), 4.76 (dd, J=11.4, 2.8 Hz, 1H), 4.29 (dd, J=11.2, 2.0
Hz, 1H), 3.89 (d, J=11.2 Hz, 1H), 3.08-3.16 (m, 1H), 2.94 (dd, J=12.6, 4.2 Hz,
1H), 2.72-2.77 (m, 1H), 1.97-2.04 (m, 1H), 1.86-1.97 (m, 1H).
(実施例3)
5−[(4aR,6R,8aS)−2−アミノ−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イル]−1−メチルピリジン−2(1H)−オン(3)
Figure 2016507551
ステップ1、N−[(4aR,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(6−メトキシピリジン−3−イル)−4,4a,8,8a−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C37)の合成。
2−ブロモ−5−フルオロピリジンの代わりに5−ブロモ−2−メトキシピリジンを使用し、かつ第1のステップを、トルエンの代わりにテトラヒドロフラン中で実施することを除いて、実施例2においてC35を調製するために記載した方法を使用して、生成物をC29から合成した。生成物を白色の固体として得た。LCMS m/z 494.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.40 (dd, J=2.5, 0.6 Hz, 1H), 8.08-8.13 (m, 2H), 7.75 (dd, J=8.7,
2.5 Hz, 1H), 7.46-7.54 (m, 2H), 7.38-7.43 (m, 2H), 6.94-7.00 (m, 1H), 6.91
(ddd, J=12.3, 8.4, 2.5 Hz, 1H), 6.69 (dd, J=8.7, 0.8 Hz, 1H), 5.16 (d, J=2.4
Hz, 1H), 4.78 (br d, J=11.2 Hz, 1H), 4.20 (d, J=11.2 Hz, 1H), 3.93 (s, 3H),
3.69-3.74 (br m, 1H), 3.08 (d, J=13.2, 3.2 Hz, 1H), 2.79 (dd, J=13.2, 4.6 Hz,
1H).
ステップ2、N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(6−メトキシピリジン−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C38)の合成。
ギ酸アンモニウム(97%、32mg、0.49mmol)を、メタノール(10mL)中のC37(116mg、0.235mmol)および水酸化パラジウム(炭素上の20%、湿潤、200mg)の混合物に添加し、反応混合物を40℃で水素(45psi)下で24時間激しく振盪した。追加の水酸化パラジウム(50mg)を添加し、水素化を40℃でさらに24時間継続した。反応混合物を珪藻土で濾過し、フィルターパッドをメタノール、ジクロロメタン、および酢酸エチルで連続して洗浄し、合わせた濾液を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘキサン中の0%〜100%酢酸エチル)によって精製して、生成物を得た。出発物質C37(17mg)も単離した。回収された出発物質について補正した収量:30mg、60μmol、30%。LCMS m/z 496.3 [M+H]
ステップ3、N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C39)の合成。
ヨードメタン(0.05mL、0.8mmol)を、アセトニトリル(0.8mL)中のC38(35.2mg、71.0μmol)の溶液に添加し、反応混合物を45℃で30時間加熱した。溶媒を真空中で除去し、粗製の生成物をそのまま、次の反応で使用した。収量:35mg(定量と推定)。1H NMR (400 MHz, CDCl3), 特徴的ピーク:δ8.23 (br d, J=8 Hz, 2H), 6.87-6.99 (m,
2H), 4.51 (br d, J=11 Hz, 1H), 4.26 (br d, J=12 Hz, 1H), 3.05 (dd, J=13.0, 4.0
Hz, 1H), 2.71 (dd, J=13.1, 2.6 Hz, 1H), 1.87-1.94 (m, 1H).
ステップ4、5−[(4aR,6R,8aS)−2−アミノ−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イル]−1−メチルピリジン−2(1H)−オン(3)の合成。
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(7.0μL、50μmol)をメタノール(1mL)中のC39(先行するステップから、35mg、≦71μmol)の溶液に添加し、反応混合物を60℃で18時間撹拌した。逆相高速液体クロマトグラフィー(カラム:Waters XBridge C18、5μm;移動相A:水中の0.03%水酸化アンモニウム(v/v);移動相B:アセトニトリル中の0.03%水酸化アンモニウム(v/v);勾配:20%〜50%B)によって精製して、生成物を固体として得た。収量:7.0mg、18μmol、2ステップで25%。LCMS m/z 392.1 [M+H]+. 1H NMR (600 MHz, DMSO-d6)δ7.61 (d, J=2.2 Hz, 1H), 7.34-7.40 (m, 2H), 7.18-7.24 (m, 1H), 7.11
(ddd, J=8.5, 8.4, 2.5 Hz, 1H), 6.39 (d, J=9.2 Hz, 1H), 6.12 (br s, 2H), 4.41
(br d, J=11 Hz, 1H), 4.03 (dd, J=10.7, 2 Hz, 1H), 3.65 (d, J=10.5 Hz, 1H), 3.42
(s, 3H), 2.80-2.85 (m, 1H), 2.76 (dd, ABXパターンの半分,
J=12.5, 4.0 Hz, 1H), 2.68 (dd, ABXパターンの半分, J=12.7, 2.8
Hz, 1H), 1.80-1.89 (m, 1H), 1.68-1.74 (m, 1H).
(実施例4)
(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン塩酸塩(4)
Figure 2016507551
ステップ1、(4aR,6R,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボニルクロリド(C40)の合成。
ジクロロメタン(7mL)中のP2(580mg、1.34mmol)の溶液に、塩化オキサリル(0.253mL、2.95mmol)を滴下で、続いて、N,N−ジメチルホルムアミド(16μL、0.21mmol)を添加した。反応混合物を30分間撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。この物質をそのまま、次のステップで使用した。収量:600mg、1.33mmol、99%。LCMS m/z 447.1(LCMS溶離液中でのメタノールとの酸塩化物の反応により、対応するメチルエステルでは[M+H])。1H NMR (400 MHz, CDCI3)δ8.39-8.43 (m, 2H), 7.66-7.71 (m, 1H), 7.50-7.62 (m, 3H), 7.04-7.10
(m, 1H), 6.95 (ddd, J=12.7, 8.0, 2.5 Hz, 1H), 4.51 (dd, J=11.8, 2.5 Hz, 1H),
4.46 (d, J=12.9 Hz, 1H), 4.18 (dd, J=12.8, 1.3 Hz, 1H), 3.36-3.44 (m, 1H), 3.09
(dd, J=13.6, 3.7 Hz, 1H), 2.85 (dd, J=13.7, 3.2 Hz, 1H), 2.36 (ddd, J=13.7,
4.5, 2.5 Hz, 1H), 2.10-2.21 (m, 1H).
ステップ2、N−[(4aR,6R,8аS)−6−(ブロモアセチル)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4а,5,6,8,8а−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C41)の合成。
化合物C40(先行するステップから、600mg、1.33mmol)を、テトラヒドロフランおよびアセトニトリルの1:1混合物(7mL)に溶かし、(ジアゾメチル)(トリメチル)シラン(1:1 テトラヒドロフラン/アセトニトリル中2M、2.33mL、4.66mmol)の0℃溶液に添加した。2.5時間の後に、臭化水素酸水溶液(48%、1.51mL、13.3mmol)を滴下で添加した。反応混合物を10分間撹拌し、次いで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の添加によってクエンチした。水層を酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜40%酢酸エチル)によって、生成物を固体として得た。収量:330mg、0.648mmol、49%。LCMS m/z 509.0, 511.0 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz,
CDCI3), 特徴的ピーク:δ8.19
(br d, J=7 Hz, 2H), 7.48- 7.54 (m, 1H), 7.34-7.47 (m, ЗH),
6.85-6.97 (m, 2H), 4.26 (AB四重線, JAB=14.1 Hz,δνAB=44.1 Hz, 2H), 3.11-3.19 (m, 1H),
3.00 (dd, J=13.1, 3.9 Hz, 1H), 2.68 (dd, J=13.0, 2.8 Hz, 1H), 2.04-2.17 (m,
2H).
ステップ3、N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C42)の合成。
エタノール(0.69mL)中のC41(35mg、69μmol)の溶液に、2−アミノピリミジン(26.2mg、0.276mmol)を添加し、反応物を100℃で3時間撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。この物質をそのまま、次のステップで使用した。収量:34mg、67μmol、97%。LCMS m/z 506.2 [M+H]
ステップ4、(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン塩酸塩(4)の合成。
メタノール(1.34mL)中のC42(34mg、67μmol)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(13.3μL、84.0μmol)の溶液を70℃で18時間加熱し、次いで、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中の0%〜15%メタノール)によって、生成物の遊離塩基を得、次いで、これをジクロロメタンに溶かし、過剰の塩化水素(ジエチルエーテル中1M)で処理して、生成物を得た。収量:25.6mg、58.3μmol、87%。LCMS m/z 402.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCI3),
遊離塩基の特徴的ピーク:δ8.98 (dd, J=6.6,
1.2 Hz, 1H), 8.53 (dd, J=3.9, 1.6 Hz, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.40-7.46 (m, 1H),
6.89-7.00 (m, 3H), 5.04 (d, J=11.7 Hz, 1H), 4.24-4.31 (m, 2H), 2.94-3.20 (m,
2H), 2.37 (q, J=12.2 Hz, 1H).
(実施例5)
(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(5)
Figure 2016507551
ステップ1、N−{(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−メトキシエテニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル}ベンズアミド(C43)の合成。
テトラヒドロフラン(65mL)中の(メトキシメチル)(トリフェニル)ホスホニウムクロリド(4.73g、13.8mmol)の懸濁液を氷浴中で冷却した。カリウムtert−ブトキシド(テトラヒドロフラン中1.0M溶液、12.0mL、12.0mmol)を、内部反応温度を5℃未満に維持する速度でゆっくりと添加した。その結果生じた溶液を2〜5℃の内部温度で5分間撹拌し、15分かけて室温に加温し、引き続いて、氷浴中で冷却した。テトラヒドロフラン(10mL)中のP3(1.57g、3.77mmol)の溶液を2分かけて添加し、その間、内部温度を6℃未満に維持した。反応混合物を氷冷下で15分間撹拌し、20分かけて室温に加温し、次いで、12℃の内部温度に冷却し、その後、これを、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(75mL)の添加によってクエンチした。その結果生じた混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜80%酢酸エチル)によって、生成物を白色の固体として得た。H NMR分析によると、この物質は、エノールエーテルでのE−およびZ−異性体のほぼ等モルの混合物からなった。収量:1.33g、2.99mmol、79%。LCMS m/z 445.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.24 (br d, J=8 Hz, 2H), 7.48-7.55 (m, 1H), 7.37-7.48 (m, 3H),
6.84-6.97 (m, 2H), [6.69 (d, J=12.8 Hz)および5.99 (dd,
J=6.2, 0.7 Hz), 計1H], [4.86 (dd, J=12.7, 8.1 Hz)および4.55 (dd, ABXパターンの半分, J=8.0, 6.3 Hz), 計1H], [4.60-4.68 (m)および4.06-4.14 (m), 計1H], 4.16-4.23 (m, 1H), 3.76-3.84 (m, 1H), 3.55および3.66 (2 s, 計3H), 3.14-3.23 (m, 1H),
2.97-3.05 (m, 1H), 2.60-2.67 (m, 1H), 1.97-2.19 (m, 1H), 1.66-1.75 (m, 1H).
ステップ2、N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(1,1,3,3−テトラメトキシプロパン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C44)の合成。
オルトギ酸トリメチル(167μL、1.52mmol)を、ジクロロメタン(1.5mL)中のC43(331mg、0.745mmol)の氷***液に添加した。次いで、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(95.0μL、0.756mmol)を滴下で添加し、その間、内部温度を3.5℃未満に維持した。氷冷下での1.5時間の後に、反応混合物をジクロロメタン(15mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)に分配した。水性層をジクロロメタン(15mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、生成物をオフホワイト色の泡様固体として得た。収量:381mg、0.692mmol、93%。LCMS m/z 551.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3),
特徴的ピーク:δ4.56 (d, J=5.0 Hz, 1H),
4.52 (d, J=3.7 Hz, 1H), 4.14 (br d, J=12 Hz, 1H), 4.03-4.09 (m, 1H), 3.79 (d,
J=12.3 Hz, 1H), 3.44 (s, 3H), 3.41 (s, 3H), 3.40 (s, 3H), 3.36 (s, 3H),
2.95-3.01 (m, 1H), 2.62-2.69 (m, 1H), 2.22-2.33 (m, 1H), 2.12-2.17 (m, 1H),
1.74-1.80 (m, 1H).
ステップ3、(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(5)の合成。
(2,2,2−トリフルオロエチル)ヒドラジン(水中の70%、25.0μL、0.20mmol)を、メタノール(200μL)および水(100μL)中のC44(60mg、0.11mmol)の混合物に添加した。次いで、濃硫酸(13μL、0.24mmol)を、続いて、追加のメタノール(200μL)を添加し、次いで、反応混合物を60℃に18時間加熱し、その時間の間に、当初のゲル状物が溶液になった。反応混合物を水(5mL)およびジクロロメタン(2mL)に分配し、水層を、1M水酸化ナトリウム水溶液を滴下で添加することによって、8〜9のpHに調整した。水性層を酢酸エチル(2×10mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中の0%〜15%メタノール)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:13.7mg、31.7μmol、29%。LCMS m/z 433.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.59 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.38 (ddd, J=9.0, 8.8, 6.9 Hz, 1H),
6.86-6.92 (m, 1H), 6.82 (ddd, J=12.5, 8.5, 2.4 Hz, 1H), 4.63-4.73 (m, 3H), 4.23
(dd, J=11.1, 2.0 Hz, 1H), 3.87 (d, J=11.1 Hz, 1H), 2.98-3.06 (m, 2H), 2.61-2.68
(m, 1H), 2.06-2.18 (m, 1H), 1.76-1.83 (m, 1H).
(実施例6)
(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(6)
Figure 2016507551
ステップ1、(4aR,6R,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキサミド(C45)の合成。
N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中のP2[3.0g、6.94mmol]、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.79g、13.9mmol)、および2−[2−オキソ−1(2H)−ピリジル]−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TPTU、2.16g、27.3mmol)の混合物を室温で25分間撹拌した。1,4−ジオキサン中のアンモニアの溶液(0.5M、55.5mL、27.7mmol)を添加し、撹拌を18時間継続し、その時点で、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)および水(30mL)で希釈し、ジエチルエーテル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。その結果生じたオイルを、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル)によって精製して、生成物を白色の固体として得た。収量:2.14g、4.93mmol、71%。LCMS m/z 432.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD)δ8.12 (br d, J=7 Hz, 2H), 7.43-7.57 (m, 4H), 7.03-7.13 (m, 2H), 4.21
(dd, J=12.0, 1.5 Hz, 1H), 4.20 (dd, J=11.9, 2.7 Hz, 1H), 4.00 (d, J=11.9 Hz,
1H), 3.19-3.28 (br m, 1H), 2.97 (dd, ABXパターンの半分,
J=13.0, 4.0 Hz, 1H), 2.80 (dd, ABXパターンの半分, J=13.2, 2.8
Hz, 1H), 2.09-2.16 (m, 1H), 1.88-2.00 (m, 1H).
ステップ2、N−[(4aR,6R,8aS)−6−シアノ−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C46)の合成。
ピリジン(25mL)中のC45(2.1g、4.9mmol)、イミダゾール(682mg、9.92mmol)、およびオキシ塩化リン(768mg、4.94mmol)の混合物を80℃で3時間加熱し、この時点で、反応混合物を水(10mL)で希釈した。反応混合物をジクロロメタンで抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。その結果生じた泡をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル)によって精製して、生成物を白色の固体として得た。収量:1.56g、3.78mmol、77%。LCMS m/z 414.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.10-8.20 (m, 2H), 7.53-7.59 (m, 1H), 7.45-7.52 (m, 2H), 7.31-7.40
(m, 1H), 6.92-6.98 (m, 1H), 6.89 (ddd, J=12.6, 8.3, 2.6 Hz, 1H), 4.56 (dd,
J=12.1, 2.6 Hz, 1H), 4.13 (dd, J=12.2, 1.5 Hz, 1H), 3.88 (d, J=12.3 Hz, 1H),
3.06-3.14 (br m, 1H), 3.00 (dd, J=13.2, 3.9 Hz, 1H), 2.67 (dd, J=13.1, 2.9 Hz,
1H), 2.46-2.59 (m, 1H), 1.98-2.06 (m, 1H).
ステップ3、N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(N’−ヒドロキシカルバムイミドイル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C47)の合成。
エタノール(15mL)中のC46(1.27g、3.07mmol)およびヒドロキシルアミン(233mg、3.53mmol)の混合物を還流で6時間加熱した。真空中で濃縮した後に、固体をジクロロメタン(3×25mL)と共沸させて、生成物を白色の固体(1.68g)として得、これをさらに精製することなく、次のステップで使用した。H NMR分析によると、これは、オキシムでのE/Z異性体と推測される約2:1混合物であった。LCMS m/z 447.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3),
主異性体の特徴的ピーク:δ6.89 (ddd, J=12.3,
8.3, 2.6 Hz, 1H), 4.24 (dd, J=11.7, 2.5 Hz, 1H), 4.20 (dd, J=12.1, 1.6 Hz, 1H),
1.87 (ddd, J=13.8, 4.1, 2.7 Hz, 1H); 副異性体の特徴的ピーク:δ6.81 (ddd, J=12.4, 8.5, 2.6 Hz, 1H), 4.17 (dd, J=11.5, 2.7 Hz, 1H),
4.09 (dd, J=11.3, 2.1 Hz, 1H), 1.64-1.70 (m, 1H).
ステップ4、N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C48)の合成。
ベンゼン(4mL)中のC47(337mg、0.755mmol)、塩化アセチル(151mg、1.89mmol)、および酸化マグネシウム(152mg、3.78mmol)の混合物を、マイクロ波反応器内で150℃で30分間加熱した。粗製の反応混合物を、C47(2×500mg、2.2mmol)で開始した2つの追加の実験からの粗製の反応混合物と合わせ、水(10mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させた、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーによる2回の精製(勾配#1:ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル;勾配#2:ヘプタン中の0%〜75%酢酸エチル)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:187mg、0.397mmol、13%。LCMS m/z 471.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.11-8.25 (br m, 2H), 7.49-7.55 (m, 1H), 7.38-7.48 (m, 3H),
6.87-6.98 (m, 2H), 4.92 (dd, J=11.8, 2.4 Hz, 1H), 4.34 (dd, J=12.3, 1.6 Hz,
1H), 3.98 (d, J=12.2 Hz, 1H), 3.22-3.33 (br m, 1H), 3.06 (dd, J=13, 4 Hz, 1H),
2.70 (dd, J=13, 2.5 Hz, 1H), 2.60 (s, 3H), 2.49-2.6 (br m, 1H), 2.07-2.15 (m,
1H).
ステップ5、(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(6)の合成。
実施例4において4の遊離塩基を合成するために記載した方法を使用して、化合物C48を生成物に変換した。生成物を白色の固体として得た。収量:102mg、0.278mmol、73%。LCMS m/z 367.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD)δ7.38 (ddd, J=9.4, 9.0, 6.6 Hz, 1H), 6.96-7.04 (m, 2H), 4.87 (dd,
J=12.0, 2.4 Hz, 1H, 推定; 水のピークにより一部不明確), 4.27 (dd, J=11.2, 2.0 Hz, 1H), 3.82 (d, J=11.2 Hz, 1H), 3.05-3.12
(m, 1H), 2.93 (dd, J=12.6, 4.1 Hz, 1H), 2.76 (dd, J=12.7, 2.9 Hz, 1H), 2.60 (s,
3H), 2.26-2.37 (m, 1H), 1.90 (ddd, J=13.3, 4.0, 2.5 Hz, 1H).
(実施例7)
rel−(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(6−メチルピリジン−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン塩酸塩(7)
Figure 2016507551
ステップ1、1−(6−メチルピリジン−3−イル)ブタ−3−エン−1−オール(C49)の合成。
テトラヒドロフラン(400mL)中の6−メチルピリジン−3−カルボアルデヒド(20g、0.16mol)の混合物に、臭化アリルマグネシウム(246mL、0.246mol)を−40℃で滴下で添加した。混合物を−20℃で10分間撹拌し、臭化アリルマグネシウムの第2のアリコット(82mL、82mmol)を−20℃で滴下で添加した。薄層クロマトグラフィー(溶離液:3:1の石油エーテル/酢酸エチル)が、反応が完了したことを示したときに、反応物を飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)で0℃でクエンチした。その結果生じた混合物を酢酸エチル(200mL)および水(100mL)に分配し、水性相を酢酸エチル(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、生成物を黄色のオイルとして得た。収量25g、0.15mol、94%。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.42-8.48 (m, 1H), 7.61 (dd, J=8.0, 2.3 Hz, 1H), 7.15 (d, J=8.2 Hz,
1H), 5.74-5.86 (m, 1H), 5.12-5.22 (m, 2H), 4.77 (dd, J=7.5, 5.5 Hz, 1H), 2.55
(s, 3H), 2.46-2.58 (m, 2H).
ステップ2、5−[1−(2,2−ジエトキシエトキシ)ブタ−3−エン−1−イル]−2−メチルピリジン(C50)の合成。
テトラヒドロフラン(400mL)中の水素化ナトリウム(鉱油中60%、18.4g、0.46mol)の0℃懸濁液に、テトラヒドロフラン(100mL)中のC49(25g、0.15mol)の溶液を滴下で添加し、反応混合物を0℃で30分間撹拌した後に、2−ブロモ−1,1−ジエトキシエタン(90.6g、0.46mol)を滴下で添加した。反応混合物を80℃で18時間撹拌し、次いで、水(200mL)で慎重にクエンチし、ジクロロメタン(2×500mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(2×300mL)で洗浄し、乾燥させ、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜75%酢酸エチル)によって、生成物を黄色のオイルとして得た。収量:30g、0.11mol、73%。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.40 (d, J=2.1 Hz, 1H), 7.54 (dd, J=7.9, 2.3 Hz, 1H), 7.14 (d, J=8.0
Hz, 1H), 5.69-5.81 (m, 1H), 5.03-5.07 (m, 1H), 5.00-5.02 (m, 1H), 4.60 (dd,
J=5.4, 5.1 Hz, 1H), 4.36 (dd, J=6.8, 6.6 Hz, 1H), 3.45-3.74 (m, 4H), 3.31-3.40
(m, 2H), 2.57-2.66 (m, 1H), 2.55 (s, 3H), 2.36-2.44 (m, 1H), 1.22 (t, J=7.1 Hz,
3H), 1.18 (t, J=7.0 Hz, 3H).
ステップ3、N−ヒドロキシ−2−{[1−(6−メチルピリジン−3−イル)ブタ−3−エン−1−イル]オキシ}エタンイミン(C51)の合成。
テトラヒドロフラン(300mL)中のC50(30g、0.11mol)の溶液に、塩酸水溶液(1M、100mL)を添加し、反応混合物を70℃で1時間撹拌した。真空中でテトラヒドロフランを除去した後に、水を添加することによって、水性残基の体積を150mLにし、pHを、固体の酢酸ナトリウムで6〜7に調整した。追加の酢酸ナトリウム(12.4g、0.15mol)を、続いて、塩酸ヒドロキシルアミン(10.5g、0.151mol)およびエタノール(150mL)を添加した。反応混合物を10分間撹拌し、次いで、酢酸エチル(300mL)および水(100mL)に分配した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(2×300mL)で洗浄し、真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中の40%〜100%酢酸エチル)によって精製し、その後、石油エーテルから再結晶化させて、生成物を、オキシム異性体の混合物と推定される白色の固体として得た。収量22.5g、0.102mol、93%。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.38-8.41 (m, 1H), 7.59-7.64 (m, 1H), 7.45-7.50 (m, 1H), 7.20 (br d,
J=7.9 Hz, 1H), 5.66-5.78 (m, 1H), 5.00-5.09 (m, 2H), 4.38-4.45 (m, 1H), 4.00-4.08
(m, 1H), 3.84-3.92 (m, 1H), 2.57-2.66 (m, 1H), 2.57 (s, 3H), 2.38-2.46 (m, 1H).
ステップ4、rel−(3aR,5R)−5−(6−メチルピリジン−3−イル)−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(C52)の合成。
ジクロロメタン(200mL)中のC51(10g、45mmol)およびトリエチルアミン(0.47mL、3.4mmol)の混合物に、6%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(56mL、44mmol)を10〜20℃で滴下で添加した。次いで、反応混合物を飽和塩化ナトリウム水溶液(2×200mL)で洗浄し、乾燥させ、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中の45%〜100%酢酸エチル)によって、生成物を黄色の固体として得た。この物質を、2つの追加の生成物のバッチ(2×5g、46mmol)と合わせ、石油エーテルから結晶化させて、生成物を淡黄色の固体として得た。合わせた収量:10.1g、46.3mmol、51%。LCMS m/z 219.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.47 (d, J=2.3 Hz, 1H), 7.60 (dd, J=8.0, 2.4 Hz, 1H), 7.17 (d, J=8.0
Hz, 1H), 4.89 (d, J=13.4 Hz, 1H), 4.67 (dd, J=10.2, 8.1 Hz, 1H), 4.57 (br dd,
J=11.4, 1.9 Hz, 1H), 4.38 (dd, J=13.5, 1.2 Hz, 1H), 3.86 (dd, J=11.5, 8.0 Hz,
1H), 3.60-3.71 (m, 1H), 2.56 (s, 3H), 2.40 (ddd, J=13.2, 6.3, 1.6 Hz, 1H), 1.82
(ddd, J=13.0, 11.4, 11.4 Hz, 1H).
ステップ5、rel−(3aR,5R,7aS)−7a−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−(6−メチルピリジン−3−イル)ヘキサヒドロ−1H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(C53)の合成。
調製P1においてC5を合成するために利用した方法を使用して、化合物C52を生成物に変換した。生成物を固体として得た。収量0.2g、0.6mmol、9%。LCMS m/z 333.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.51 (d, J=2 Hz, 1H), 7.99 (ddd, J=9, 9, 7 Hz, 1H), 7.65 (dd, J=8, 2
Hz, 1H), 7.19 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.90-6.96 (m, 1H), 6.86 (ddd, J=12.0, 8.6, 2.4
Hz, 1H), 4.68 (br d, J=11.7 Hz, 1H), 4.30 (br d, J=12.7 Hz, 1H), 3.99 (d,
J=12.8 Hz, 1H), 3.76 (d, J=7.3 Hz, 1H), 3.61 (dd, J=7.2, 5.0 Hz, 1H), 3.22-3.30
(m, 1H), 2.57 (s, 3H), 2.12 (br ddd, J=14, 7, 1 Hz, 1H), 1.74-1.86 (m, 1H).
ステップ6、rel−[(2R,4R,5S)−5−アミノ−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(6−メチルピリジン−3−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]メタノール(C54)の合成。
酢酸(2mL)およびC53(200mg、0.60mmol))の混合物を、亜鉛粉末(512mg、7.83mmol)で処理した。その結果生じた混合物を室温に冷却し、5時間撹拌した。反応物をナイロンディスクで濾過し、真空中で濃縮し、さらに精製することなく次のステップで使用した。収量:160mg、0.48mmol、80%。
ステップ7、rel−N−{[(3S,4R,6R)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(ヒドロキシメチル)−6−(6−メチルピリジン−3−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバモチオイル}ベンズアミド(C55)の合成。
ジクロロメタン(2.4mL)中のC54(160mg、0.48mmol)の混合物をイソチオシアン酸ベンゾイル(32μL、0.24mmol)で滴下で処理し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜60%酢酸エチル)によって、生成物をオイルとして得た。収量100mg、0.20mmol、83%。LCMS m/z 498.2 [M+H]
ステップ8、rel−N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(6−メチルピリジン−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C56)の合成。
テトラヒドロフラン(1.2mL)中のトリフェニルホスフィン(47mg、0.18mmol)の溶液に、アゾジカルボン酸ジエチル(28.2μL、0.18mmol)を添加し、混合物を30分間撹拌した。反応物を0℃に冷却し、少量のテトラヒドロフラン中のC55(30mg、60μmol)の溶液を滴下で添加した。反応混合物を0℃で1時間、および室温で18時間撹拌し、次いで、濾過し、真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル)によって、生成物をオイルとして得た。収量9mg、0.02mmol、30%。LCMS m/z 480.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.48 (br d, J=2 Hz, 1H), 8.24 (br d, J=7.6 Hz, 2H), 7.67 (br dd,
J=8, 2 Hz, 1H), 7.50-7.56 (m, 1H), 7.41-7.49 (m, 3H), 7.15 (d, J=8.0 Hz, 1H),
6.88-7.00 (m, 2H), 4.75 (br d, J=11 Hz, 1H), 4.33 (br d, J=12 Hz, 1H), 3.96 (d,
J=12.4 Hz, 1H), 3.29-3.38 (m, 1H), 3.07 (dd, J=13.0, 4.1 Hz, 1H), 2.69 (dd,
J=13.0, 2.7 Hz, 1H), 2.55 (s, 3H), 2.17-2.29 (m, 1H), 1.87-1.97 (m, 1H).
ステップ9、rel−(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(6−メチルピリジン−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン塩酸塩(7)の合成。
メタノール(0.38mL)中のC56(9mg、0.02mmol)の溶液を、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(3.8mg、24μmol)で処理し、次いで、反応バイアルを密封し、70℃に18時間加熱した。反応混合物を真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中の0%〜15%メタノール)によって精製して、生成物の遊離塩基を白色の固体として得た。収量1.8mg、4.8μmol、24%。LCMS m/z 376.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.51 (br d, J=2 Hz, 1H), 7.70 (dd, J=8.0, 2.3 Hz, 1H), 7.41 (ddd,
J=9.2, 8.9, 6.7 Hz, 1H), 7.16 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.89-6.96 (m, 1H), 6.85 (ddd,
J=12.5, 8.5, 2.5 Hz, 1H), 4.70 (br d, J=12 Hz, 1H), 4.24 (dd, J=11.6, 1.8 Hz,
1H), 4.01 (d, J=11.3 Hz, 1H), 3.11-3.18 (m, 1H), 3.04 (dd, J=12.4, 4.0 Hz, 1H),
2.67 (dd, J=12.5, 2.7 Hz, 1H), 2.56 (s, 3H), 2.01-2.13 (m, 1H), 1.74-1.81 (m,
1H).ジクロロメタンに溶かし、ジエチルエーテル中1M塩化水素溶液で処理することによって、7の遊離塩基を生成物に変換した。真空中で溶媒を除去して、生成物を固体として得た。
(実施例8)
(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(4−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン塩酸塩(8)
Figure 2016507551
ステップ1、N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(1−ヒドロキシプロパ−2−イン−1−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C57)の合成。
テトラヒドロフラン中の臭化エチニルマグネシウムの溶液(0.5M、17.3mL、8.64mmol)を15℃に冷却した。次いで、テトラヒドロフラン(5mL)中のP3(800mg、1.92mmol)の溶液を15分かけて滴下で添加し、その時間の間に、内部反応温度が23℃に上昇した。反応混合物を室温でさらに60分間撹拌し、次いで、0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液(15mL)でクエンチし、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、粗製の生成物をコハク色の泡(750mg、<88%)として得、これをそのまま、次のステップに入れた。LCMS m/z 443.2 [M+H]
ステップ2、N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(プロパ−2−イノイル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C58)の合成。
デス−マーチンペルヨージナン[1,1,1−トリス(アセチルオキシ)−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズヨードキソール−3−(1H)−オン](791mg、1.86mmol)を、ジクロロメタン(34mL)中のC57(先行するステップからの物質、750mg、<1.7mmol)の0℃溶液に添加した。反応混合物を室温に加温し、次いで、1.5時間撹拌した。ジクロロメタンを、続いて、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し、混合物を30分間撹拌した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜65%酢酸エチル)によって、生成物をオフホワイト色の固体として得た。収量:470mg、1.07mmol、2ステップで63%。LCMS m/z 441.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCI3)δ8.18 (br d, J=7.6 Hz, 2H), 7.50-7.57 (m, 1H), 7.36-7.49 (m, 3H),
6.86-6.99 (m, 2H), 4.28 (dd, J=11.5, 3.1 Hz, 1H), 4.22 (dd, J=12.2, 1.5 Hz,
1H), 3.97 (d, J=12.1 Hz, 1H), 3.42 (s, 1H), 3.15-3.25 (m, 1H), 3.04 (dd,
J=13.0, 4.0 Hz, 1H), 2.69 (dd, J=13.1, 2.7 Hz, 1H), 2.07-2.25 (m, 2H).
ステップ3、N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C59)の合成。
2−プロパノール(21mL)中のC58(470mg、1.07mmol)およびメチルヒドラジン(56.2μL、1.07mmol)のスラリーを室温で3時間撹拌し、次いで、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜50%酢酸エチル)によって精製して、生成物をオフホワイト色の泡として得た。収量:280mg、0.599mmol、56%。LCMS m/z 469.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCI3):δ8.22 (br d, J=7.4 Hz, 2H), 7.40-7.55 (m, 4H), 7.29 (d, J=2.2 Hz,
1H), 6.86-6.97 (m, 2H), 6.29 (d, J=2.2 Hz, 1H), 4.83 (dd, J=11.6, 2.3 Hz, 1H),
4.33 (dd, J=12.2, 1.5 Hz, 1H), 3.9-3.96 (m, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.24-3.33 (m,
1H), 3.06 (dd, J=12.9, 4.1 Hz, 1H), 2.69 (dd, J=12.9, 2.7 Hz, 1H), 2.34-2.47
(m, 1H), 1.99-2.07 (m, 1H).
ステップ4、N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(4−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C60)の合成。
2−プロパノール(1.9mL)に溶かしたC59(90mg、0.19mmol)に、1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボラート)(136mg、0.384mmol)を添加し、反応物を窒素で1分間脱気した。反応混合物を80℃で6時間加熱し、次いで、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル)によって、生成物を固体として得た。収量:13mg、27μmol、14%。LCMS m/z 487.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCI3)δ8.23 (br d, J=7.4 Hz, 1H), 7.85 (d, J=7.8 Hz, 1H), 7.44-7.58 (m,
4H), 7.22 (d, J=5.1 Hz, 1H), 6.89-6.99 (m, 2H), 4.89 (dd, J=11.9, 2.1 Hz, 1H),
4.35 (d, J=12.1 Hz, 1H), 3.91-3.96 (m, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.26-3.32 (m, 1H),
3.08 (dd, J=12.9, 3.9 Hz, 1H), 2.65-2.74 (m, 2H), 1.97-2.02 (m, 1H).
ステップ5、(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(4−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン塩酸塩(8)の合成。
実施例7において7を合成するために利用した方法を使用して、化合物C60を生成物に変換した。収量:3.6mg、8.6μmol、32%。LCMS m/z 383.1 [M+H]+. 遊離塩基の1H NMR (400 MHz, CDCI3):δ7.46 (td,
J=9, 6.7 Hz, 1H), 7.2 (d, J=4.9 Hz, 1H), 6.76-6.87 (m, 2H), 4.82 (dd, J=11.8,
2.2 Hz, 1H), 4.25 (dd, J=11, 2.3 Hz, 1H), 3.95 (d, J=11.2 Hz, 1H), 3.85 (s,
3H), 2.96-3.03 (m, 2H), 2.62-2.66 (m, 1H), 2.36-2.46 (m, 1H), 1.72 (dt, J=13.2,
3 Hz, 1H)
(実施例9)
(4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−6−(3−メチル−1,2−オキサゾール−5−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(9)
Figure 2016507551
ステップ1、(4R,4aR,6R,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−N−メトキシ−N,4−ジメチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキサミド(C61)の合成。
1,2−ジクロロエタン(5mL)中のP5(893mg、2.00mmol)の溶液に、1,1’−カルボニルジイミダゾール(389mg、2.40mmol)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(273mg、2.80mmol)を添加し、撹拌を2時間継続し、その後、反応混合物を水(60mL)およびジクロロメタン(50mL)に分配した。有機層を塩酸水溶液(0.5M、20mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、および飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で連続して洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタン(3×10mL)と共沸させて、生成物をオフホワイト色の固体として得た。収量:953mg、1.95mmol、98%。LCMS m/z 490.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.18 (v br d, J=7 Hz, 2H), 7.49-7.55 (m, 1H), 7.36-7.48 (m, 3H),
6.90-6.97 (m, 1H), 6.89 (ddd, J=12.3, 8.3, 2.5 Hz, 1H), 4.53 (br d, J=11.5 Hz,
1H), 4.22 (br d, J=12 Hz, 1H), 3.92 (br d, J=12 Hz, 1H), 3.76 (s, 3H),
3.18-3.31 (m, 4H), 2.90-2.99 (m, 1H), 2.06-2.20 (m, 1H), 1.88 (br d, J=13 Hz,
1H), 1.27 (d, J=6.9 Hz, 3H).
ステップ2、N−[(4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−6−(3−メチル−1,2−オキサゾール−5−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C62)の合成。
テトラヒドロフラン(10mL)中のN−ヒドロキシプロパン−2−イミン(272mg、3.72mmol)の溶液を、氷浴中で冷却した。n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M溶液、3.00mL、7.50mmol)を、***液に8分かけて添加した。冷却浴を外し、反応混合物を室温に加温し、その後、これを、氷浴中で冷却し、テトラヒドロフラン(5mL)中のC61(617mg、1.26mmol)の溶液で15分かけて処理した。撹拌を氷冷下で2分間継続し、この時点で、濃硫酸(1.01mL、18.9mmol)をゆっくりと添加した。反応混合物を室温で1.5時間撹拌し、次いで、氷浴中で冷却し、水性相のpHが9〜10に達するまで、15%水酸化ナトリウム水溶液の添加によってクエンチした。混合物を水(60mL)および酢酸エチル(50mL)に分配し、水性層を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜80%酢酸エチル)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:491mg、1.02mmol、81%。LCMS m/z 484.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.19 (br d, J=7 Hz, 2H), 7.50-7.56 (m, 1H), 7.36-7.49 (m, 3H),
6.87-6.98 (m, 2H), 6.14 (s, 1H), 4.86 (br dd, J=11.8, 2.4 Hz, 1H), 4.31 (dd,
J=12.2, 1.5 Hz, 1H), 3.94 (d, J=12.2 Hz, 1H), 3.26-3.34 (m, 1H), 3.00-3.08 (m,
1H), 2.28 (s, 3H), 2.12-2.20 (m, 1H), 1.94-2.05 (m, 1H), 1.30 (d, J=7.0 Hz,
3H).
ステップ3、(4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−6−(3−メチル−1,2−オキサゾール−5−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(9)の合成。
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(47.5μL、0.318mmol)を、メタノール(3mL)中のC62(154mg、0.318mmol)の溶液に添加し、反応混合物を60℃で18時間加熱した。溶媒を真空中で除去し、残渣を酢酸エチルおよび炭酸水素ナトリウム水溶液に分配した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中の0%〜15%メタノール)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:103mg、0.271mmol、85%。LCMS m/z 380.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)δ7.33 (ddd, J=9.0, 9.0, 7.0 Hz, 1H), 7.23 (ddd, J=12.6, 9.1, 2.6 Hz,
1H), 7.08-7.14 (m, 1H), 6.30 (s, 1H), 6.22 (br s, 2H), 4.80 (dd, J=11.7, 2.1
Hz, 1H), 4.09 (dd, J=10.6, 2.1 Hz, 1H), 3.69 (d, J=10.8 Hz, 1H), 2.96 (qd,
J=6.9, 3.3 Hz, 1H), 2.71 (ddd, J=11.9, 4, 3 Hz, 1H), 2.22 (s, 3H), 1.81-1.88
(m, 1H), 1.62-1.73 (m, 1H), 1.10 (d, J=6.9 Hz, 3H).
(実施例10)
(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−([1,3]オキサゾロ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(10)
Figure 2016507551
ステップ1、(4aR,6R,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−N−(4−ヒドロキシピリジン−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキサミド(C63)の合成。
N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中のP2(135mg、0.312mmol)の混合物に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(120mg、0.94mmol)および2−[2−オキソ−1(2H)−ピリジル]−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TPTU)(102mg、0.343mmol)を添加し、反応混合物を45分間撹拌した。3−アミノ−4−ヒドロキシピリジン(137mg、1.25mmol)を添加し、反応混合物を18時間撹拌した。反応物を炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)および水(10mL)で希釈し、次いで、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中の0%〜15%メタノール)によって精製して、生成物を白色の固体として得た。収量145mg、0.276mmol、88%。LCMS m/z 525.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD)δ8.90 (d, J=1.7 Hz, 1H), 8.09 (br d, J=7 Hz, 2H), 7.69 (dd, J=7.1,
1.6 Hz, 1H), 7.41-7.55 (m, 4H), 7.04-7.12 (m, 2H), 6.49 (d, J=7.0 Hz, 1H), 4.42
(dd, J=11.9, 2.7 Hz, 1H), 4.29 (dd, J=11.9, 1.3 Hz, 1H), 4.12 (d, J=12.1 Hz,
1H), 3.22-3.3 (m, 1H), 2.96 (dd, ABXパターンの半分, J=13.2,
4.1 Hz, 1H), 2.80 (dd, ABXパターンの半分, J=13.2, 2.9 Hz, 1H),
2.20-2.27 (m, 1H), 1.96-2.07 (m, 1H).
ステップ2、N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−([1,3]オキサゾロ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C64)の合成。
ジクロロメタン(7mL)中のトリフェニルホスフィン(278mg、1.06mmol)およびアゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(183mg、0.795mmol)の混合物を7分間撹拌した。ジクロロメタン(2mL)中のC63(139mg、0.265mmol)の溶液を添加し、反応混合物を18時間撹拌した。真空中で濃縮した後に、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の50%〜100%酢酸エチル)によって精製して、トリフェニルホスフィンオキシドで汚染された生成物を含有する白色の固体(126mg)を得た。この物質をさらに精製することなく、次のステップで使用した。LCMS m/z 507.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3),
特徴的生成物のピーク:δ9.00 (s, 1H), 8.55
(d, J=5.8 Hz, 1H), 8.06-8.16 (br m, 2H), 7.77 (d, J=5.5 Hz, 1H), 7.05-7.15 (m,
2H), 5.22 (br d, J=12 Hz, 1H), 4.40 (d, J=12.1 Hz, 1H), 3.02 (dd, ABXパターンの半分, J=13.4, 4.0 Hz, 1H), 2.86 (br dd, ABXパターンの半分, J=13, 2 Hz, 1H), 2.49-2.61 (m, 1H), 2.22-2.30 (m, 1H).
ステップ3、(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−([1,3]オキサゾロ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(10)の合成。
メタノール(7.5mL)中のC64(先行するステップから、120mg、<0.24mmol)の混合物に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(38mg、0.24mmol)を添加した。反応混合物を68℃に18時間加熱し、次いで、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中の0%〜10%メタノール)によって、生成物を白色の固体として得た。収量4.5mg、11μmol、2ステップで4%。1H NMR (400 MHz, CD3OD)δ9.00 (d, J=0.9 Hz, 1H), 8.56 (d, J=5.7 Hz, 1H), 7.76 (dd, J=5.7, 1.0
Hz, 1H), 7.39 (ddd, J=9.5, 8.8, 6.5 Hz, 1H), 6.97-7.05 (m, 2H), 5.13 (dd,
J=11.9, 2.6 Hz, 1H), 4.35 (dd, J=11.4, 1.8 Hz, 1H), 3.91 (d, J=11.4 Hz, 1H),
3.15-3.23 (m, 1H), 2.99 (dd, ABXパターンの半分, J=12.6, 4.1
Hz, 1H), 2.84 (dd, ABXパターンの半分, J=12.7, 2.8 Hz, 1H),
2.42-2.53 (m, 1H), 2.12 (ddd, J=13.4, 3.9, 2.8 Hz, 1H).
(実施例11)
(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−メトキシピリミジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミントリフルオロ酢酸塩(11)
Figure 2016507551
ステップ1、N−[(4aR,6R,8aS)−6−カルバムイミドイル−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C65)の合成。
ジクロロメタン(26mL)中のC45(1.82g、4.22mmol)の懸濁液に、テトラフルオロホウ酸トリメチルオキソニウム(1.40g、9.28mmol)を室温で添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。ジエチルエーテル(20mL)を添加し、撹拌し、次いで、デカンテーションし、残渣を、メタノール(3.3mL)を含む密封可能な管に移した。メタノール中のアンモニアの溶液(7.0M、31mL)を添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中の0%〜20%メタノール)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:958mg、2.21mmol、52%。LCMS m/z 431.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3),
特徴的ピーク:δ8.15-8.18 (m, 2H),
7.41-7.55 (m, 4H), 6.68-6.95 (m, 2H), 4.73 (dd, J=11.9, 2.1 Hz, 1H), 4.20 (d,
J=11.5 Hz, 1H), 3.82 (d, J=12.3 Hz, 1H), 2.93-3.00 (m, 1H), 3.27-3.36 (m, 1H),
2.76-2.81 (m, 1H), 2.33-2.44 (m, 1H), 1.99-2.08 (m, 1H).
ステップ2、(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−メトキシピリミジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミントリフルオロ酢酸塩(11)の合成。
メタノール(0.3mL)中の(2Z)−3−(ジメチルアミノ)−2−フルオロプロパ−2−エナール(87mg、0.72mmol)の溶液に、C65(89mg、0.21mmol)を添加した。反応混合物を65℃で5分間撹拌し、その後、メタノール中のナトリウムメトキシドの溶液(0.5M、0.828mL、0.414mmol)を添加した。反応混合物を65℃で18時間撹拌し、次いで、室温に冷却し、水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中の0%〜10%メタノール)によって、生成物の遊離塩基を黄色の固体として得た。収量:9.8mg、20μmol、9%。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.44 (s, J=8.4 Hz, 2H), 7.43-7.53 (m, 1H), 6.81-7.01 (m, 2H), 4.90
(dd, J=11.6, 2.2 Hz, 1H), 4.31 (dd, J=11.3, 2.2 Hz, 1H), 4.09-4.11 (m, 1H),
3.93 (s, 3H), 3.11-3.15 (m, 1H), 2.98-3.05 (m, 1H), 2.69 (dd, J=12.2, 2.6 Hz,
1H), 2.22-2.32 (m, 1H), 1.93-1.97 (m, 1H).逆相HPLC(カラム:Waters Sunfire C18、5μm;移動相A:水中の0.05%トリフルオロ酢酸(v/v);移動相B:アセトニトリル中の0.05%トリフルオロ酢酸(v/v);勾配:5.0%〜50%B)によってさらに精製して、生成物を得た。収量:6.0mg、12μmol、6%。LCMS m/z 393.3 [M+H]
(実施例12)
(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−メチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン塩酸塩(12)
Figure 2016507551
B.XuおよびY.Hu、J. Chem. Research(S)2003、96〜97によって記載された方法を使用して、メチルヒドラジン(19.8mg、0.43mmol)を、酢酸(0.17mL)中のC41(44mg、86μmol)の溶液にゆっくりと添加した。反応混合物を130℃に3時間加熱し、次いで、室温に冷却し、1N水酸化ナトリウム水溶液でクエンチした。混合物をジクロロメタンで3回抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中の0%〜10%メタノール)によって精製して、12の遊離塩基を得た。この物質をジクロロメタンに溶かし、ジクロロメタン中1M塩化水素で処理し、真空中で濃縮して、生成物を固体として得た。収量:4.5mg、12μmol、14%。LCMS m/z 366.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.60 (s, 1H), 7.43-7.32 (m, 1H), 6.93-6.78 (m, 2H), 4.88-4.82 (m,
1H), 4.26 (dd, J=11.2, 2.2 Hz, 1H), 4.18 (s, 3H), 3.92 (d, J=11.4 Hz, 1H),
2.95-3.09 (m, 2H), 2.61-2.72 (m, 1H), 2.16-2.30 (m, 1H), 1.84-1.94 (m, 1H).
(実施例13)
(4S,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(フルオロメチル)−6−(3−メチル−1,2−オキサゾール−5−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(13)
Figure 2016507551
ステップ1、(4S,4aR,6R,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(フルオロメチル)−N−メトキシ−N−メチル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−カルボキサミド(C66)の合成。
1,1’−カルボニルジイミダゾール(4.40g、27.1mmol)を、1,2−ジクロロエタン(70mL)中のP7(9.7g、21mmol)の溶液に添加し、反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。次いで、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(3.06g、31.4mmol)を添加し、撹拌を18時間継続した。反応混合物を水およびジクロロメタンに分配し、有機層を、0.5M塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和塩化ナトリウム水溶液で連続して洗浄し、次いで、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタン(3×100mL)と共沸させて、生成物を固体として得た。収量:7.6g、15mmol、71%。LCMS m/z 508.2 [M+H]
ステップ2、N−[(4S,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(フルオロメチル)−6−(3−メチル−1,2−オキサゾール−5−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C67)の合成。
テトラヒドロフラン(150mL)中のN−ヒドロキシプロパン−2−イミン(3.28g、44.9mmol)の溶液を−9℃の内部温度に冷却した。n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M溶液、35.9mL、89.8mmol)を、この***液にゆっくりと添加した。冷却浴を外し、反応混合物を室温に加温し、その後、−8℃に冷却し、内部反応温度が−5℃を決して超えないような速度で、最小体積のテトラヒドロフラン中のC66(7.6g、15mmol)の溶液で、20分未満かけて滴下で処理した。撹拌を−5℃で2分間、次いで、0℃で10分間継続し、この時点で、濃硫酸(12.0mL、225mmol)をゆっくりと添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、−5℃に冷却し、水性相のpHが9〜10に達するまで、15%水酸化ナトリウム水溶液を添加することによってゆっくりとクエンチした。混合物を水および酢酸エチルに分配し、水性層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜20%酢酸エチル)によって、生成物を固体として得た。収量:5.65g、11.3mmol、75%。1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.17 (br s, 2H), 7.43-7.59 (m, 3H), 7.33-7.43 (m, 1H), 6.89-7.00 (m,
2H), 6.14 (s, 1H), 4.87 (dd, J=10.7, 3.5 Hz, 1H), 4.61 (ddd, J=46.9, 9.6, 7.9
Hz, 1H), 4.46 (ddd, J=46.1, 9.7, 6.2 Hz, 1H), 4.33 (dd, J=12.1, 1.3 Hz, 1H),
3.96 (d, J=12.1 Hz, 1H), 3.50-3.62 (br m, 1H), 3.32-3.43 (br m, 1H), 2.28 (s,
3H), 2.0-2.16 (m, 2H).
ステップ3、(4S,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(フルオロメチル)−6−(3−メチル−1,2−オキサゾール−5−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(13)の合成。
メチルアミン(無水エタノール中の33%溶液、23.8mL、200mmol)をエタノール(40mL)中のC67(1.00g、1.99mmol)の溶液に添加し、反応混合物を2時間撹拌した。減圧下で濃縮した後に、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜60%酢酸エチル)によって精製して、生成物を得た。収量:0.71g、1.8mmol、90%。LCMS m/z 398.0 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.36 (ddd, J=9.0, 8.8, 6.6 Hz, 1H), 6.81-6.92 (m, 2H), 6.14 (s, 1H),
4.78-4.84 (m, 1H), 4.56 (ddd, J=46.8, 9.5, 7.3 Hz, 1H), 4.37 (ddd, J=46.3, 9.5,
6.7 Hz, 1H), 4.24 (dd, J=11.2, 2.0 Hz, 1H), 3.93 (d, J=11.3 Hz, 1H), 3.47-3.57
(m, 1H), 3.10-3.17 (m, 1H), 2.30 (s, 3H), 1.88-2.00 (m, 2H).13の試料を、アセトニトリルに溶かし、真空中で濃縮し、その結果生じた固体は、X線粉末回折によって決定したところ結晶質であった。
(実施例14)
(4aR,6R,8aS)−6−[4−(ジフルオロメチル)−1,3−オキサゾール−2−イル]−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(14)
Figure 2016507551
ステップ1、メチルN−{[(4aR,6R,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イル]カルボニル}セリナート(C68)の合成
N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中のP2(812mg、1.88mmol)の溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1mL)および2−[2−オキソ−1(2H)−ピリジル]−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TPTU)(614mg、2.07mmol)を添加した。混合物を室温で35分間撹拌し、さらに、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(960μL)およびメチル2−アミノ−3−ヒドロキシプロパノアートヒドロクロリド(1020mg、6.57mmol)を添加した。混合物を室温で18時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)および水(30mL)で希釈し、tert−ブチルメチルエーテル(3×60mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の30%〜100%酢酸エチル)によって、生成物を白色の固体として得た。H NMRによって、これは、ジアステレオマーの混合物であると判断された。収量:840mg、1.57mmol、84%。LCMS m/z 534.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD)δ8.11 (br d, J=6 Hz, 2H), 7.44-7.57 (m, 4H), 7.04-7.23 (m, 4H), 4.54
(t, J=3.8 Hz, 1H), 4.23-4.31 (m, 2H), 4.05 (dd, J=11.9, 3.9 Hz, 1H), 3.92-3.95
(m, 1H), 3.82 (ddd, J=11.5, 8.3, 3.6 Hz, 1H), 3.75および3.68
(2 s, 計3H), 3.23-3.25 (m, 1H), 2.97 (dd, J=13.3, 4.1
Hz, 1H), 2.78-2.82 (m, 1H), 2.11-2.16 (m, 1H), 1.98-2.04 (m, 1H).
ステップ2、メチル2−[(4aR,6R,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イル]−1,3−オキサゾール−4−カルボキシラート(C69)の合成。
2−メトキシ−N−(2−メトキシエチル)−N−(トリフルオロ−λ−スルファニル)エタンアミン(Deoxo−fluor(登録商標)、373μL、2.02mmol)を、ジクロロメタン(40mL)中のC68(830mg、1.56mmol)の溶液に−20℃で添加した。反応混合物を−20℃で50分間撹拌し、その後、ブロモトリクロロメタン(568μL、5.76mmol)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(906μL、5.76mmol)を滴下で添加した。反応混合物を0℃に加温し、0℃で18時間撹拌し、次いで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)およびジクロロメタン(50mL)で希釈した。水性相をジクロロメタン(2×50mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:95mg、0.18mmol、12%。LCMS m/z 514.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD),
特徴的ピーク:δ8.55 (s, 1H), 8.11 (br
d, J=6.5 Hz, 2H), 7.43-7.55 (m, 4H), 7.04-7.13 (m, 2H), 5.00 (dd, J=11.9, 2.5
Hz, 1H), 4.32 (dd, J=12, 1.5 Hz, 1H), 4.01 (d, J=11.9 Hz, 1H), 3.86 (s, 3H),
2.99 (dd, J=13.2, 4.0 Hz, 1H), 2.82 (dd, J=13.2, 2.8 Hz, 1H), 2.42-2.51 (m,
1H), 2.07-2.14 (m, 1H).
ステップ3、N−{(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−[4−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサゾール−2−イル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル}ベンズアミド(C70)の合成。
ジクロロメタン(5mL)中のC69(59mg、0.12mmol)の溶液に、−78℃で、トルエン中の水素化ジイソブチルアルミニウムの溶液(1.5M、269μL、0.403mmol)を3分かけて滴下で添加した。反応混合物を−78℃で45分間撹拌し、次いで、飽和酒石酸ナトリウムカリウム水溶液(10mL)で希釈し、室温に加温した。混合物を酢酸エチル(3×15mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:32mg、66μmol、55%。LCMS m/z 486.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD),
特徴的ピーク:δ8.11 (br d, J=7 Hz,
2H), 7.79 (t, J=1.0 Hz, 1H), 7.43-7.55 (m, 4H), 7.04-7.12 (m, 2H), 4.93 (dd,
J=11.9, 2.3 Hz, 1H), 4.49 (d, J=1.0 Hz, 2H), 4.30 (dd, J=11.9, 1.6 Hz, 1H),
3.99 (d, J=11.9 Hz, 1H), 2.98 (dd, J=13.1, 4.1 Hz, 1H), 2.8 (dd, J=13.3, 2.9
Hz, 1H), 2.40-2.50 (m, 1H), 2.03-2.10 (m, 1H).
ステップ5、N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(4−ホルミル−1,3−オキサゾール−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C71)の合成。
ジクロロメタン(2mL)中のC70(30mg、62μmol)の溶液に、デス−マーチンペルヨージナン[1,1,1−トリス(アセチルオキシ)−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズヨードキソール−3−(1H)−オン](39.4mg、93μmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液の混合物(1:1、7.5mL)で希釈した。5分間撹拌した後に、混合物を酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:26.5mg、54.8μmol、88%。LCMS m/z 484.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ9.94 (s, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.17-8.20 (m, 2H), 7.39-7.55 (m, 4H),
6.90-6.98 (m, 2H), 4.95 (dd, J=11.9, 2.5 Hz, 1H), 4.35 (dd, J=12.3, 1.6 Hz,
1H), 3.97 (d, J=12.4 Hz, 1H), 3.25-3.28 (m, 1H), 3.07 (dd, J=13.1, 3.9 Hz, 1H),
2.72 (dd, J=13.1, 2.9 Hz, 1H), 2.56-2.68 (m, 1H), 2.15-2.19 (m, 1H).
ステップ6、N−[(4aR,6R,8aS)−6−[4−(ジフルオロメチル)−1,3−オキサゾール−2−イル]−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C72)の合成。
ジクロロメタン中のC71(30mg、62μmol)の溶液に、トリエチルアミントリヒドロフルオリド(35μL、0.217mmol)およびN−(ジフルオロ−λ−スルファニリデン)−N−エチルエタンアミニウムテトラフルオロボラート(XtalFluor−E(登録商標))(29mg、0.124mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。この混合物に、さらなるトリエチルアミントリヒドロフルオリド(35μL、0.217mmol)およびXtalFluor−E(登録商標)(29mg、0.124mmol)を添加し、撹拌を18時間継続した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)でクエンチし、10分間撹拌し、その結果生じた混合物をジクロロメタン(2×15mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜90%酢酸エチル)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:8.6mg、17μmol、27%。LCMS m/z 506.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD),
特徴的ピーク:δ8.23 (td, J=2.6, 0.5
Hz, 1H), 8.11 (br d, J=7 Hz, 2H), 7.44-7.56 (m, 4H), 7.04-7.13 (m, 2H), 6.77
(td, J=54.3, 0.5 Hz, 1H), 5.00 (dd, J=11.9, 2.4 Hz, 1H), 4.33 (dd, J=11.9, 1.5
Hz, 1H), 4.01 (d, J=12.0 Hz, 1H), 2.99 (dd, J=13.2, 4.1 Hz, 1H), 2.82 (dd,
J=13.2, 2.8 Hz, 1H), 2.41-2.50 (m, 1H), 2.08-2.12 (m, 1H).
ステップ7、(4aR,6R,8aS)−6−[4−(ジフルオロメチル)−1,3−オキサゾール−2−イル]−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(14)の合成。
実施例2において2を合成するために利用した方法を使用して、化合物C72を生成物に変換した。生成物を白色の固体として単離した。収量:6.5mg、16μmol、89%。LCMS m/z 402.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.21 (t, J=2.3 Hz, 1H), 7.32-7.43 (m, 1H), 7.00-7.05 (m, 2H), 6.77
(td, J=54.6, 0.8 Hz, 1H), 4.93 (dd, J=11.7, 2.5 Hz, 1H), 4.28 (dd, J=11.6, 1.7
Hz, 1H), 3.90 (d, J=11.7 Hz, 1H), 3.16-3.22 (m, 1H), 2.99 (dd, J=12.7, 4.1 Hz,
1H), 2.85 (dd, J=12.7, 2.9 Hz, 1H), 2.33-2.43 (m, 1H), 1.98-2.03 (m, 1H).
(実施例15)
(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−[1−()メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(15)
Figure 2016507551
ステップ1、N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C73)の合成。
エタノール/水混合物(3:1、4mL)中に溶かしたC44(620mg、1.13mmol)に、硫酸ヒドラジン(150mg、1.15mmol)を添加し、混合物を60℃で16時間加熱した。9のpHが得られるまで、飽和炭酸ナトリウム水溶液を添加し、続いて、メタノール(1mL)を添加し、酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中の0%〜17.5%メタノール)によって精製して、生成物を淡褐色の固体として得た。収量:47mg、0.10mmol、9%。LCMS m/z 455.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.20-8.22 (m, 2H), 7.39-7.53 (m, 6H), 6.86-6.96 (m, 2H), 4.77 (dd,
J=11.6, 2.1 Hz, 1H), 4.3 (dd, J=12.1, 1.8 Hz, 1H), 3.89 (d, J=12.1 Hz, 1H),
3.22-3.28 (m, 1H), 3.04 (dd, J=12.8, 4.2 Hz, 1H), 2.67 (dd, J=12.9, 2.7 Hz,
1H), 2.21-2.31 (m, 1H), 1.91-1.96 (m, 1H).
ステップ2、N−{(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−[1−()メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル}ベンズアミド(C74)の合成。
テトラヒドロフラン(0.30mL)中のC73(32mg、70μmol)に、水素化ナトリウム(鉱油中60%、9.00mg、0.224mmol)を添加し、続いて、室温で10分間撹拌した。テトラヒドロフラン(0.40mL)中のヨード()メタン(11.7mg、81μmol)を添加し、反応混合物を室温で30分間、次いで、32℃で45分間撹拌した。塩酸水溶液(1M、5滴)および水(2mL)を添加し、続いて、酢酸エチル(2×5mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:1ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:22mg、47μmol、67%。LCMS m/z 472.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.20-8.23 (m, 2H), 7.39-7.53 (m, 6H), 6.87-6.96 (m, 2H), 4.72 (dd,
J=11.5, 2.2 Hz, 1H), 4.29 (dd, J=12.3, 1.4 Hz, 1H), 3.86 (d, J=12.3 Hz, 1H),
3.22-3.28 (m, 1H), 3.04 (dd, J=12.8, 4.0 Hz, 1H), 2.67 (dd, J=12.9, 2.7 Hz,
1H), 2.24-2.23 (m, 1H), 1.90-1.95 (m, 1H).
ステップ3、(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−[1−()メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(15)の合成。
メタノール(0.50mL)中のC74(20mg、42μmol)および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(4.0μL、27.0μmol)の溶液を、55℃で16時間加熱し、次いで、真空中で濃縮した。水(2mL)を添加し、混合物を酢酸エチル(2×5mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中の0%〜17.5%メタノール)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:12.3mg、33.6μmol、80%。LCMS m/z 368.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD)δ7.58 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.33-7.39 (m, 1H), 6.94-7.01 (m, 2H),
4.68 (dd, J=11.5, 2.3 Hz, 1H), 4.23 (dd, J=11.2, 2.2 Hz, 1H), 3.74 (d, J=11.3
Hz, 1H), 3.00-3.05 (m, 1H), 2.9 (dd, J=12.5, 4.3 Hz, 1H), 2.71 (dd, J=12.5, 2.7
Hz, 1H), 2.02-2.12 (m, 1H), 1.78-1.83 (m, 1H).
(実施例16)
(4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(16)
Figure 2016507551
N−[(4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−6−(1,1,3,3−テトラメトキシプロパン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C75)[調製P3および実施例5においてP1をC44に変換するために使用した方法と同様の方法によって、P4から調製](297mg、0.526mmol)をエタノール(1.75mL)およびメチルヒドラジン(36.4mg、0.789mmol)と合わせ、続いて、水(0.6mL)を添加した。濃硫酸(55μL、1.0mmol)をゆっくりと添加し、反応混合物を70℃で18時間加熱した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し、水層を酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機層を0.2M塩酸水溶液で3回抽出し、合わせた水層を酢酸エチルで洗浄した。1M水酸化ナトリウム水溶液を添加することによって、pHを9〜10に調整し、混合物を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中の0%〜15%メタノール)によって、生成物をオフホワイト色の固体として得た。収量:109mg、0.287mmol、55%。LCMS m/z 379.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD)δ7.48 (s, 1H), 7.36 (s, 1H), 7.22-7.28 (m, 1H), 6.85-6.92 (m, 2H),
4.57 (dd, J=11.3, 2.3 Hz, 1H), 4.16 (dd, J=11.1, 2.1 Hz, 1H), 3.76 (s, 3H),
3.69 (d, J=11.3, 1H), 3.01-3.06 (m, 1H), 2.78 (dt, J=11.9, 3.8 Hz, 1H),
1.75-1.80 (m, 1H), 1.59-1.68 (m, 1H), 1.10 (d, J=7 Hz, 3H).
(実施例17)
(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−メチルピリミジン−5−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(17)
Figure 2016507551
ステップ1、N−[(4aR,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−メチルピリミジン−5−イル)−4,4a,8,8a−テトラヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C76)の合成。
C30(60mg、0.11mmol)、2−メチルピリミジン−5−ボロン酸(30.9mg、0.224mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(4.3mg、6.0μmol)、およびテトラヒドロフラン(5mL)の混合物を、アルゴンで5分間パージし、続いて、炭酸セシウム水溶液(2M、280μL)を添加した。反応混合物を65℃で18時間撹拌し、次いで、真空中で濃縮し、残渣を水(15mL)で希釈し、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の30%〜100%酢酸エチル)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:44mg、92μmol、84%.1H NMR (400 MHz, CD3OD)δ8.88 (d, J=1.4 Hz, 2H), 8.00 (br d, J=6.7 Hz, 2H), 7.56-7.62 (m,
1H), 7.50-7.53 (m, 1H), 7.40-7.44 (m, 2H), 7.07-7.12 (m, 2H), 5.66 (br s, 1H),
4.79 (d, J=11 Hz, 1H), 4.34 (br d, J=10.8 Hz, 1H), 3.73 (br s, 1H), 2.93-3.05
(m, 2H), 2.67 (s, 3H)
ステップ2、N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−メチルピリミジン−5−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C77)の合成。
実施例2においてC36を合成するために利用した方法を使用して、化合物C76を生成物に変換した。生成物を白色の固体として得た。収量:17.4mg、36μmol、40%。LCMS m/z 481.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD)δ8.74 (s, 2H), 8.12 (br d, J=7.4 Hz, 2H), 7.44-7.56 (m, 4H),
7.05-7.13 (m, 2H), 4.88-4.92 (m, 1H), 4.34 (d, J=12.7 Hz, 1H), 4.07 (d, J=11.9
Hz, 1H), 3.37 (br s, 1H), 2.99 (dd, J=13.1, 4.1 Hz, 1H), 2.8 (dd, J=13.1, 2.7
Hz, 1H), 2.67 (s, 3H), 2.05-2.08 (m, 2H).
ステップ3、(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−メチルピリミジン−5−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(17)の合成。
実施例2において2を合成するために利用した方法を使用して、化合物C77を生成物に変換した。生成物を白色の固体として単離した。収量:8.7mg、23μmol、66%。LCMS m/z 378.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD)δ8.72 (s, 2H), 7.36-7.42 (m, 1H), 6.97-7.04 (m, 2H), 4.80-4.83 (m,
1H), 4.28 (dd, J=11.2, 2 Hz, 1H), 3.87 (d, J=11.3 Hz, 1H), 3.14 (m, 1H), 2.94
(dd, J=12.5, 4.1 Hz, 1H), 2.75 (dd, J=12.5, 2.7 Hz, 1H), 2.68 (s, 3H),
1.87-1.98 (m, 2H).
(実施例18)
(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(18)
Figure 2016507551
ステップ1、N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−エチニル−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C78)の合成。
Roth,G.J.、Liepold,B.、Mueller,S.G.、およびBestmann,H.J.、Synthesis 2004、59〜62によって記載された方法を使用して、(2−オキソプロピル)ホスホン酸ジメチル(229mg、1.38mmol)を、アセトニトリル(18mL)中の炭酸カリウム(477mg、3.45mmol)および4−メチルベンゼンスルホニルアジド(13%溶液、2.09g、1.38mmol)の懸濁液にゆっくりと添加し、反応混合物を2時間撹拌した。この混合物に、メタノール(4mL)中のP3(479mg、1.15mmol)の溶液を添加し、反応混合物をさらに17時間撹拌した。次いで、溶媒を真空中で除去し、残渣を酢酸エチル(50mL)および水(30mL)に分配した。有機層を水(20mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(120mL)で連続して洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜50%酢酸エチル)によって精製して、生成物をオフホワイト色の固体として得た。収量:332mg、1.15mmol、70%。LCMS m/z 413.0 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.20 (d, J=7.6 Hz, 2H), 7.56-7.30 (m, 4H), 6.99-6.82 (m, 2H), 4.44
(d, J=11.4 Hz, 1H), 4.14 (d, J=12.3 Hz, 1H), 3.83 (d, J=11.9 Hz, 1H), 3.17-2.96
(m, 2H), 2.69-2.61 (m, 1H), 2.45-2.33 (m, 1H), 1.97-1.87 (m, 1H), 1.32-1.22 (m,
1H).
ステップ2、N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C79)の合成。
{注意:熱アジド反応は本質的に危険であるので、適切なシールドを使用されたい!}。反応バイアル内のN,N−ジメチルホルムアミド(1.2mL)およびメタノール(0.30mL)中のC78(325mg、0.788mmol)およびヨウ化銅(I)(10mg、0.05mmol)の撹拌混合物に、アジ化トリメチルシリル(174mg、1.51mmol)を添加した。バイアルを、隔膜キャップでしっかりと密封し、ブラストシールドの背後に置き、撹拌しながら100℃に1時間加熱し、次いで、80℃に冷却し、さらに3.5時間撹拌した。引き続いて、反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(30mL)で希釈し、水酸化アンモニウム水溶液(30%、8mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の20%〜100%酢酸エチル)によって、生成物を粘着性の淡褐色の固体として得た。収量:86mg、0.79mmol、24%。LCMS m/z 456.2 [M+H]
ステップ3、N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C80)の合成。
テトラヒドロフラン(1mL)中のC79(82mg、0.18mmol)の撹拌溶液に、室温で水素化ナトリウム(鉱油中60%、22.5mg、0.562mmol)を1ポーションで添加した。反応混合物を室温で10分間撹拌し、その時点で、テトラヒドロフラン(200μL)中のヨウ化メチル(28.1mg、0.29mmol)の溶液を滴下で添加した。反応混合物を30分間撹拌し、32℃に加温し(ブロック温度加熱)、18時間撹拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、塩酸水溶液(1M、10滴)で、続いて、水(4mL)でクエンチした。生成物を酢酸エチル(2×10mL)で抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の10%〜100%酢酸エチル)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:41mg、87μmol、48%。LCMS m/z 470.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.22 (d, J=7.1 Hz, 2H), 7.55 (s, 1H), 7.51 (t, J=7.3 Hz, 1H),
7.46-7.39 (m, 3H), 6.97-6.88 (m, 2H), 4.99 (dd, J=11.0, 3.4 Hz, 1H), 4.33 (d,
J=11.2 Hz, 1H), 4.06 (s, 3H), 3.90 (d, J=12.4 Hz, 1H), 3.34-3.28 (m, 1H), 3.06
(dd, J=12.9, 4.2 Hz, 1H), 2.71 (dd, J=12.9, 2.9 Hz, 1H), 2.31-2.17 (m, 2H).
ステップ4、(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(18)の合成。
メタノール(0.8mL)中のC80(36mg、77μmol)の懸濁液に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(8.1mg、53μmol)を添加した。反応混合物を55℃に加温し、14時間撹拌し、次いで、室温に冷却し、真空中で濃縮し(窒素を充填)、酢酸エチル(5mL)および水(2mL)に分配した。水性層を酢酸エチル(5mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中の0%〜17.5%メタノール)によって精製して、生成物を白色の固体として得た。収量:21mg、57μmol、74%。LCMS m/z 366.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ7.59 (s, 1H), 7.37 (td, J=9.2, 6.8 Hz, 1H), 6.92-6.80 (m, 2H), 5.31
(s, 1H), 4.92 (dd, J=10.7, 3.5 Hz, 1H), 4.27 (dd, J=11.2, 2.2 Hz, 1H), 4.08 (s,
3H), 3.91 (d, J=11.2 Hz, 1H), 3.13-3.05 (m, 1H), 3.02 (dd, J=12.3, 4.3 Hz, 1H),
2.69 (dd, J=12.3, 2.7 Hz, 1H), 2.20-1.99 (m, 2H).
(実施例19)
2−[(4aR,6R,8aS)−2−アミノ−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イル]−1,3−オキサゾール−4−カルボニトリル(19)
Figure 2016507551
ステップ1、2−[(4aR,6R,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イル]−1,3−オキサゾール−4−カルボキサミド(C81)の合成。
水酸化アンモニウム水溶液(28〜32%、2mL)を、メタノール(0.5mL)中のC69(84mg、0.16mmol)の溶液に添加した。牛乳様の懸濁液を室温で撹拌した。2時間後に、追加のメタノール(2mL)および水酸化アンモニウム溶液(2mL)を添加して、溶液を得、これを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)で希釈し、酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:55.9mg、0.112mmol、70%。LCMS m/z 499.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD),
特徴的ピーク:δ8.38 (s, 1H), 8.11 (br
d, J=7 Hz, 2H), 7.43-7.56 (m, 4H), 7.04-7.12 (m, 2H), 4.99 (dd, J=11.7, 2.0 Hz,
1H), 4.33 (br d, J=12.1 Hz, 1H), 4.00-4.03 (m, 1H), 2.99 (dd, J=13.3, 4.3 Hz,
1H), 2.82 (dd, J=13.3, 2.7 Hz, 1H), 2.45-2.54 (m, 1H), 2.08-2.16 (m, 1H).
ステップ2、N−[(4aR,6R,8aS)−6−(4−シアノ−1,3−オキサゾール−2−イル)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C82)の合成。
N,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)を0℃に冷却し、オキシ塩化リン(17μL、0.18mmol)で滴下で処理した。混合物を0℃でさらに15分間撹拌し、その後、N,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)中のC81(30mg、60μmol)の溶液を滴下で添加した。反応混合物を0℃で1.2時間撹拌し、次いで、飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で希釈し、ジクロロメタン(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:24.8mg、51.6μmol、86%。LCMS m/z 481.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD),
特徴的ピーク:δ8.69 (s, 1H), 8.10 (br
d, J=7 Hz, 2H), 7.44-7.56 (m, 4H), 7.04-7.12 (m, 2H), 5.02 (dd, J=11.8, 2.4 Hz,
1H), 4.32 (dd, J=12.0, 1.5 Hz, 1H), 4.02 (d, J=12.0 Hz, 1H), 2.99 (dd, J=13.3,
4.1 Hz, 1H), 2.82 (dd, J=13.2, 2.8 Hz, 1H), 2.37-2.47 (m, 1H), 2.07-2.14 (m,
1H).
ステップ3、2−[(4aR,6R,8aS)−2−アミノ−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イル]−1,3−オキサゾール−4−カルボニトリル(19)の合成。
密封反応バイアル内のエタノール(1.0mL)中のC82(19.3mg、40.2μmol)の溶液に、エタノール中のメチルアミンの溶液(8M、0.6mL、5.0mmol)を添加した。反応混合物を室温で2.5時間撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中の0%〜15%メタノール)によって、生成物を白色の固体として得た。収量:10.8mg、28.7μmol、71%。LCMS m/z 377.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.70 (s, 1H), 7.37 (td, J=9.2, 6.6 Hz, 1H), 6.97-7.03 (m, 2H), 4.93
(dd, J=11.9, 2.5 Hz, 1H), 4.27 (dd, J=11.1, 1.8 Hz, 1H), 3.80 (d, J=11.3 Hz,
1H), 3.05-3.09 (m, 1H), 2.93 (dd, J=12.5, 3.9 Hz, 1H), 2.77 (dd, J=12.7, 2.9
Hz, 1H), 2.34-2.37 (m, 1H), 1.92-1.97 (m, 1H).
(実施例20)
(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−メチルピラジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(20)
Figure 2016507551
ステップ1、rel−(3aR,5R,7aS)−7a−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−(5−メチルピラジン−2−イル)ヘキサヒドロ−1H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(C84)の合成。
実施例7においてC53を合成するために利用した方法を使用して、rel−(3aR,5R)−5−(5−メチルピラジン−2−イル)−3,3a,4,5−テトラヒドロ−7H−ピラノ[3,4−c][1,2]オキサゾール(C83、実施例7においてC52を合成するために記載した一般手順を使用して、5−メチルピラジン−2−カルボアルデヒドから調製)を生成物に変換した。生成物をオフホワイト色/黄色の固体として得た。収量:130mg、0.390mmol、20%。LCMS m/z 334.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD)δ8.65 (s, 1H), 8.50 (s, 1H), 7.94 (td, J=9.2, 6.9 Hz, 1H), 7.04-6.95
(m, 2H), 4.81 (d, J=10.8 Hz, 1H), 4.32 (dd, J=12.7, 1.8 Hz, 1H), 3.99 (d,
J=12.9 Hz, 1H), 3.74 (d, J=7.2 Hz, 1H), 3.55 (dd, J=7.2, 5.1 Hz, 1H), 3.32-3.26
(m, 1H; 溶媒ピークにより一部不明確), 2.56 (s, 3H), 2.25 (ddd,
J=14.1, 6.8, 2.3 Hz, 1H), 1.85 (dtd, J=13.8, 11.8, 1.7 Hz, 1H).
ステップ2、rel−[(2R,4R,5S)−5−アミノ−5−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(5−メチルピラジン−2−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]メタノール(C85)の合成。
200mLParrボトルに、C84(352mg、1.06mmol)、メタノール(20mL)、および炭素上の20%水酸化パラジウム(350mg)を添加した。ボトルを封止し、排気し、次いで、42psi水素下に置いた。反応混合物を5.75時間間激しく振盪し、次いで、珪藻土で濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー[勾配:ジクロロメタン中の0%〜40%(84:15:1のジクロロメタン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)]によって、生成物を白色の固体として得た。収量:154mg、0.461mmol、収率43%。LCMS m/z 336.4 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.68 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 7.79-7.62 (m, 1H), 7.05-6.92 (m, 1H),
6.90-6.79 (m, 1H), 4.78 (d, J=11.4 Hz, 1H), 4.40 (d, J=11.5 Hz, 1H), 3.60 (d,
J=11.5 Hz, 2H), 3.42 (dd, J=11.3, 2.3 Hz, 1H), 2.59 (s, 3H), 2.49 (d, J=12.7
Hz, 1H), 2.36-2.22 (m, 1H), 2.18-2.10 (m, 1H).
ステップ3、rel−N−{[(3S,4R,6R)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(ヒドロキシメチル)−6−(5−メチルピラジン−2−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]カルバモチオイル}ベンズアミド(C86)の合成。
実施例7においてC55を合成するために記載した方法を使用して、化合物C85を生成物に変換した。生成物を白色の固体として単離した。収量:200mg、0.40mmol、88%。LCMS m/z 499.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ12.14-11.73 (br s, 1H), 8.91 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.93-7.86 (m,
2H), 7.80-7.59 (m, 2H), 7.56-7.49 (m, 2H), 6.97-6.89 (m, 1H), 6.87-6.75 (m,
1H), 4.78 (d, J=9.4 Hz, 1H), 3.87-3.66 (m, 3H), 3.12-2.84 (m, 1H), 2.59 (s,
3H), 2.23 (d, J=11.9 Hz, 1H), 2.01-1.53 (m, 1H).
ステップ4、N−((4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−メチルピラジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル)ベンズアミド(C87)の合成。
ジクロロメタン(10mL)中のC86(198mg、0.397mmol)の溶液に、1−クロロ−N,N,2−トリメチルプロパ−1−エン−1−アミン(Ghosez試薬)(158μL、1.19mmol)を滴下で添加した。混合物を周囲温度で20分間撹拌し、次いで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)で希釈し、ジクロロメタン(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル)によって、ラセミ生成物を白色の固体として得た。収量:164mg、0.341mmol、86%。LCMS m/z 481.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.69 (s, 1H), 8.35 (s, 1H), 8.26-8.10 (m, 2H), 7.58-7.36 (m, 4H),
7.04-6.74 (m, 2H), 4.97-4.78 (m, 1H), 4.36 (dd, J=12.3, 1.2 Hz, 1H), 4.00 (d,
J=12.1 Hz, 1H), 3.41-3.25 (m, 1H), 3.11-3.01 (m, 1H), 2.70 (dd, J=12.9, 2.5 Hz,
1H), 2.55 (s, 3H), 2.25-2.17 (m, 2H).これを、C86(96mg、0.19mmol)で実施した同様の反応からの物質と合わせ、超臨界流体クロマトグラフィー(カラム:Chiral Technologies、Chiralcel OJ−H、5μm;溶離液:3:1の二酸化炭素/メタノール)によるキラル分離に掛けた。第1の溶離ピークによって、C87をオフホワイト色の固体として得た。収量:106mg、0.220mmol、SFCから41%。示された絶対立体化学は、誘導される最終生成物20(以下)の生物学的活性に基づきC87に割り当てたが、その生物学的活性は、最終生成物C89[(4aS,6S,8aR)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−メチルピラジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(下記のステップ5に記載の方法を使用して、第2に溶離する鏡像異性体C88から得られる)の生物学的活性よりもかなり改善された。表2を参照されたい。
ステップ5、(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−メチルピラジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン(20)の合成。
実施例19において19を合成するために記載した方法により、化合物C87を生成物に変換した。生成物を固体として得た。収量:45.2mg、0.120mmol、54%。LCMS m/z 377.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD)δ8.63 (s, 1H), 8.47 (s, 1H), 7.46-7.32 (m, 1H), 7.08-6.92 (m, 2H),
4.84-4.79 (m, 1H; 水のピークにより一部不明確), 4.30 (dd, J=11.2, 1.9
Hz, 1H), 3.89 (d, J=11.2 Hz), 3.17-3.05 (m, 1H), 2.93 (dd, J=12.6, 4.2 Hz, 1H),
2.74 (dd, J=12.5, 2.7 Hz, 1H), 2.55 (s, 3H), 2.06-1.91 (m, 2H).
(実施例21)
(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−エトキシ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミントリフルオロ酢酸塩(21)
Figure 2016507551
ステップ1、エチル3−[(4aR,6R,8aS)−2−(ベンゾイルアミノ)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イル]−3−オキソプロパノアート(C90)の合成。
テトラヒドロフラン(2.5mL)中のマロン酸モノエチル(182mg、1.38mmol)の溶液に、マグネシウムエトキシド(79mg、0.69mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。別の反応容器内で、テトラヒドロフラン(5mL)中のP2(284mg、0.657mmol)の溶液を1,1’−カルボニルジイミダゾール(117mg、0.723mmol)で処理し、室温で6時間撹拌し、その時点で、第1の反応フラスコ内で生成させたマロン酸エチルマグネシウムを添加し、その結果生じた混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、混合物を真空中で濃縮し、塩酸水溶液(0.25M、20mL)および酢酸エチル(20mL)に分配した。水性層を酢酸エチル(10mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の30%〜100%酢酸エチル)によって精製して、生成物を淡コハク色の固体として得た。収量:163mg、0.324mmol、49%。LCMS m/z 503.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3)δ8.21 (d, J=7.2 Hz, 2H), 7.52 (t, J=7.0 Hz, 1H), 7.44 (t, J=7.4 Hz,
2H), 7.41-7.35 (m, 1H), 7.00-6.84 (m, 2H), 4.26-4.01 (m, 4H), 3.89 (d, J=11.9
Hz, 1H), 3.69 (d, J=16.6 Hz, 1H), 3.59 (d, J=16.4 Hz, 1H), 3.20-3.11 (m, 1H),
3.02 (dd, J=12.9, 4.1 Hz, 1H), 2.68 (dd, J=13.1, 2.2 Hz, 1H), 2,18-2.02 (m,
2H), 1.21 (t, J=7.2 Hz, 3H).
ステップ2、N−[(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−エトキシ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C91)の合成。
エタノール(0.75mL)中のC90(50.3mg、100μmol)の溶液に、硫酸メチルヒドラジン(14.4mg、100μmol)を添加した。反応混合物を60℃に加温し、1時間撹拌し、その後、真空中で濃縮した(窒素を再充填)。残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3mL)および酢酸エチル(5mL)に分配した。水性層を酢酸エチル(2×5mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜100%酢酸エチル)によって精製して、生成物を粘着性のコハク色の固体として得た。収量:35mg、68μmol、68%。LCMS m/z 513.2 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD)δ8.15 (d, J=7.0 Hz, 2H), 7.58-7.44 (m, 4H), 7.15-7.05 (m, 2H), 5.70
(s, 1H), 4.67 (d, J=11.3 Hz, 1H), 4.29 (d, J=12.1 Hz, 1H), 4.12 (q, J=7.0 Hz,
2H), 3.98 (d, J=12.1 Hz, 1H), 3.58 (s, 3H), 3.00 (dd, J=13.3, 3.9 Hz, 1H), 2.81
(dd, J=13.3, 2.7 Hz, 1H), 2.33-2.22 (m, 1H), 1.97 (d, J=12.1 Hz, 1H), 1.39 (t,
J=7.0 Hz, 3H).
ステップ3、(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−エトキシ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミントリフルオロ酢酸塩(21)の合成。
メタノール(0.5mL)中のC91(13mg、25μmol)の溶液に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(3.1mg、20μmol)を添加し、その結果生じた溶液を60℃に加温し、18時間間撹拌した。次いで、反応混合物を、真空中で濃縮し(窒素を再充填)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2mL)および酢酸エチル(5mL)に分配した。水性層を酢酸エチル(2×2mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。精製を、逆相HPLC(カラム:Waters Atlantis dC18、5μm;移動相A:水中の0.05%トリフルオロ酢酸(v/v);移動相B:アセトニトリル中の0.05%トリフルオロ酢酸(v/v);勾配:5%〜95%B)によって実施した。収量:7.6mg、14μmol、58%。LCMS m/z 409.3 [M+H]+. 1H NMR (600 MHz, DMSO-d6)δ7.40 (ddd, J=13, 9, 2 Hz, 1H), 7.31-7.37 (m, 1H), 7.25 (ddd, J=9, 8,
2 Hz, 1H), 5.65 (s, 1H), 4.62 (dd, J=11, 3 Hz, 1H), 4.11 (q, J=7 Hz, 2H), 4.05
(d, J=12.3 Hz, 1H), 3.93 (d, J=12.3 Hz, 1H), 3.52 (s, 3H), 3.25-3.30 (m, 1H),
3.08 (dd, J=13.1, 2.2 Hz, 1H), 2.93 (dd, J=13.2, 3.5 Hz, 1H), 1.90-2.01 (m,
2H), 1.33 (t, J=7.0 Hz, 3H).
実施例22
(4S,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(フルオロメチル)−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン塩酸塩(22)
Figure 2016507551
ステップ1、N−[(4S,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(フルオロメチル)−6−(2−メトキシエテニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C92)の合成。
2℃に冷却したテトラヒドロフラン(20mL)中の(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(1.47g、4.29mmol)の撹拌懸濁液に、カリウムtert−ブトキシド(テトラヒドロフラン中1M、3.68mL、3.68mmol)を滴下で添加した。反応混合物を室温に30分かけて加温し、次いで、3℃に再び冷却し、この時点で、テトラヒドロフラン(6mL)中のP8(540mg、1.20mmol)の溶液を2分かけて添加したが、その間、内部温度を6度未満に維持することを保証した。反応混合物を3〜6℃で20分間撹拌し、30分かけて室温に加温し、次いで、14℃に再び冷却し、この時点で、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。混合物を酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中の0%〜75%酢酸エチル)によって、生成物を得た。収量:200mg、0.418mmol、35%。LCMS m/z 379.2 [M+H]
ステップ2、N−[(4S,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(フルオロメチル)−6−(1,1,3,3−テトラメトキシプロパン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−イル]ベンズアミド(C93)の合成。
0℃に冷却したジクロロメタン(4.2mL)中のC92(200mg、0.40mmol)の溶液に、オルトギ酸トリメチル(0.940mL、0.861mmol)を添加し、続いて、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(58.4μL、0.462mmol)を滴下で添加した。反応物を0℃で1.5時間撹拌し、次いで、ジクロロメタンおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に分配した。水性層をジクロロメタンで抽出し、合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。この物質(300mg)をさらに精製することなく、その後のステップに入れた。
ステップ3、(4S,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(フルオロメチル)−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン塩酸塩(22)の合成。
エタノール(3mL)中のC93(先行するステップからの物質、300mg、≦0.40mmol)の溶液に、メチルヒドラジン(34.0mg、0.736mmol)および水(1.3mL)を添加した。濃硫酸(51μL、0.96mmol)を滴下で添加し、反応混合物を60℃で16時間加熱した。反応物を酢酸エチルおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に分配し、水層を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中の0%〜4%メタノール)によって精製して、生成物の遊離塩基を得た。この物質をジクロロメタンに溶かし、過剰の塩化水素(ジエチルエーテル中1M)で処理して、生成物を固体として得た。収量:44.0mg、0.102mmol、2ステップで26%。LCMS m/z 397.1 [M+H]+. 遊離塩基の1H NMR (400 MHz, CD3OD):δ7.27-7.40
(m, 3H), 6.73-6.81 (m, 2H), 4.40-4.59 (m, 2H), 4.20-4.35 (m, 1H), 4.15 (dd,
J=11.1, 2.1 Hz, 1H), 3.78-3.81 (m, 4H), 3.39-3.40 (m, 1H), 3.03 (dt, J=11.8,
3.9 Hz, 1H), 1.75-1.85 (m, 1H), 1.65 (dt, J=12.9, 3.1 Hz, 1H).
方法
方法A
(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−ヘテロアリール−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミンの合成
Figure 2016507551
2ドラムバイアル内の必要なヘテロアリールボロン酸(0.15mmol、2.0当量)に、テトラヒドロフラン(1mL)中のC30(40mg、75μmol、1.0当量)の溶液を添加した。炭酸セシウムの水溶液(2M、0.19mL、0.375mmol、5.0当量)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(約3mg、4μmol、0.05当量)を、各バイアルに添加した。反応物を脱気し、65℃で17時間振盪した。反応混合物をそれぞれ、水(1.5mL)および酢酸エチル(2.4mL)に分配し、有機層を分離した。抽出を2回繰り返し、それぞれ個々の反応からの有機物を合わせ、硫酸ナトリウムを含有する固相抽出カートリッジ(6mLカートリッジ、約1g床重量)に通した。濾液を真空中で濃縮した。粗製の残渣(約0.1mmol、1当量)をメタノール(4mL)に溶かし、炭素上の20%水酸化パラジウム(50mg、0.31mmol、4.1当量)を添加した。反応混合物を50℃で45psi水素下で16時間撹拌した。反応混合物をそれぞれ、珪藻土で濾過し、濾液を真空中で濃縮した。粗製の残渣(約75μmol)をメタノール(0.5mL)に溶かし、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(15μL、0.1mmol、1当量)を添加した。反応バイアルを65℃で16時間振盪し、次いで、真空中で濃縮した。精製を逆相HPLC(カラム:Waters XBridge C18、5μm;移動相A:水中の0.03%水酸化アンモニウム(v/v);移動相B:アセトニトリル中の0.03%水酸化アンモニウム(v/v);勾配:20%〜60%B、または5%〜100%B)によって実施した。特性決定データについては、表1を参照されたい。
Figure 2016507551
Figure 2016507551
生物学的アッセイ
BACE1無細胞アッセイ:β−セクレターゼ(BACE)は、アルツハイマー病患者のアミロイド斑において見出されるアミロイドβペプチドの産生に関与する酵素の1つである。β−セクレターゼ酵素は非天然ペプチドを切断するため、このアッセイはβ−セクレターゼ酵素の阻害を測定する。
β−セクレターゼによって切断することができ、N−末端ビオチンを有し、かつCys残基におけるオレゴングリーンの共有結合によって蛍光性とされた合成APP基質を使用して、阻害性化合物の存在下または非存在下でβ−セクレターゼ活性をアッセイする。基質は、ビオチン−GLTNIKTEEISEISY^EVEFR−C[オレゴングリーン]KK−OHである。BACE1酵素は、可溶性BACEコンストラクト(BACE1δTM96His)をトランスフェクトされたCHO−K1細胞の条件培地からアフィニティー精製された材料である。化合物を、384ウェルブラックプレートにおいてBACE1酵素およびビオチン化蛍光性ペプチドと共に、100μMの最も高い濃度から半対数用量反応曲線においてインキュベートする(Thermo Scientific #4318)。30μLのアッセイ緩衝液[100mMの酢酸ナトリウム、pH4.5(酢酸によってpHとする)、および0.001%Tween−20]の反応容量中で、BACE1は0.1nMの最終濃度であり、ペプチド基質の最終濃度は150nMである。プレートを覆い、37℃で3時間インキュベートする。30μLのストレプトアビジン(1.5μM)(Pierce、#21125)を添加することによって反応を停止させる。室温にて10分のインキュベーション後に、プレートを、蛍光偏光についてPerkinElmer EnVision上で読み取る(Ex485nm/Em530nm)。β−セクレターゼ酵素の活性を、基質が酵素によって切断されたときに起こる蛍光偏光の変化によって検出する。化合物阻害剤の存在下でのインキュベーションは、合成APP基質のβ−セクレターゼ酵素的切断の特異的阻害を示す。
全細胞アッセイ(インビトロのsAPPbアッセイ):野生型ヒトAPP695を過剰発現するH4ヒト神経膠腫細胞を化合物で、最終濃度1%DMSO中で18時間処理する。sAPPβレベルを、TMB−ELISAを使用して、キャプチャーAPP N末端抗体(Affinity BioReagents、OMA1−03132)、野生型sAPPβ特異的レポーターp192(Elan)、および三次抗ウサギHRP(GE Healthcare)を用いて測定する。
BACE2アッセイ:BACE2酵素は非天然ペプチドを切断するので、このアッセイでは、BACE2酵素の阻害を測定する。BACE2によって切断することができ、N−末端ビオチンを有し、かつCys残基におけるオレゴングリーンの共有結合によって蛍光性とされた合成基質を使用して、阻害性化合物の存在下で、または非存在下でBACE2活性をアッセイする。基質は、ビオチン−KEISEISYEVEFR−C(オレゴングリーン)−KK−OHである。BACE2酵素は、Enzo Life Sciences(Cat # BML−SE550)から入手可能である。化合物を、384ウェルブラックプレート(Thermo Scientific #4318)においてBACE2酵素およびビオチン化蛍光性ペプチドと共に、100μMの最も高い濃度から半対数用量反応曲線においてインキュベートする。30μLのアッセイ緩衝液[100mMの酢酸ナトリウム、pH4.5(酢酸によってpHとする)、および0.001%Tween−20]の反応容量中で、BACE2は2.5nMの最終濃度であり、ペプチド基質の最終濃度は150nMである。プレートを覆い、37℃で3時間インキュベートする。30μLのストレプトアビジン(1.5μM)(Pierce、#21125)を添加することによって、反応を停止させる。室温にて10分のインキュベート後に、プレートを、蛍光偏光についてPerkinElmer EnVision上で読み取る(Ex485nm/Em530nm)。β−セクレターゼ酵素の活性を、基質が酵素によって切断されたときに起こる蛍光偏光の変化によって検出する。化合物阻害剤の存在下でのインキュベーションは、合成基質のBACE2酵素的切断の特異的阻害を示す。
Figure 2016507551
Figure 2016507551
Figure 2016507551

Claims (28)

  1. 式Iの化合物
    Figure 2016507551
    [式中、
    は、水素またはメチルであり、前記メチルは、1〜3個のフルオロで置換されていてもよく、
    は、N、O、またはSから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員ヘテロアリールであり、前記ヘテロ原子の少なくとも1個は、Nであり、前記Nは、Rで置換されていてもよく、前記5〜10員ヘテロアリールは、炭素上で1〜3個のRで置換されていてもよく、
    は、出現する毎に、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルコキシ−C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルコキシ、C3〜6シクロアルコキシ−(CR5a5b−、C3〜6シクロアルキル−(CR5a5b−O−、−(CR5a5b−C3〜6シクロアルキル、または−(CR5a5b−(4〜6員ヘテロシクロアルキル)からなる群から独立に選択され、前記C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、またはC1〜6アルコキシ−C1〜6アルキルは、それぞれ、1〜3個のフルオロで置換されていてもよく、前記C3〜6シクロアルキル、C3〜6シクロアルコキシ、および(4〜6員ヘテロシクロアルキル)部分は、フルオロ、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、またはトリフルオロメチルからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
    は、水素、C1〜6アルキル、−(CR5a5b−C3〜6シクロアルキル、または−(CR5a5b−(4〜6員ヘテロシクロアルキル)であり、前記C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、および−(4〜6員ヘテロシクロアルキル)部分は、それぞれ、フルオロ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、またはトリフルオロメトキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
    5aおよびR5bは、独立に、水素、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり、
    mは、出現する毎に独立に、0、1、または2であり、
    nは、1、2、または3である]もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  2. が、それぞれ炭素上で1〜2個のRで置換されていてもよいピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、およびオキサジアゾリルからなる群から選択される5員ヘテロアリールであり、前記ピラゾリルおよびトリアゾリルが、N上でRで置換されており、
    が、出現する毎に、ハロゲン、シアノ、C1〜6アルキル、およびC1〜6アルコキシからなる群から独立に選択され、前記アルキルが、1〜3個のフルオロで置換されていてもよく、
    が、水素、メチル、またはトリフルオロエチルである、請求項1に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  3. が、
    Figure 2016507551
    からなる群から選択され、
    は、フルオロ、シアノ、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、およびエトキシからなる群から選択され、
    は、メチルまたはトリフルオロエチルである、請求項2に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  4. が水素である、請求項3に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  5. がメチルまたはフルオロメチルである、請求項3に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  6. が、
    Figure 2016507551
    であり、
    がメチルである、請求項5に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  7. (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(4−フルオロ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−メチル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−6−[4−(ジフルオロメチル)−1,3−オキサゾール−2−イル]−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−[1−()メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    2−[(4aR,6R,8aS)−2−アミノ−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イル]−1,3−オキサゾール−4−カルボニトリル;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−メチルピラジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aS,6S,8aR)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−メチルピラジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;および
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−エトキシ−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン
    からなる群から選択される、請求項4に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  8. (4S,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(フルオロメチル)−6−(3−メチル−1,2−オキサゾール−5−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−6−(3−メチル−1,2−オキサゾール−5−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4R,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−メチル−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4S,4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(フルオロメチル)−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン
    からなる群から選択される、請求項5に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  9. が、それぞれ炭素上で1〜2個のRで置換されていてもよいピリジニル、ピリドニル、ピリミジニル、およびピラジニルからなる群から選択される6員ヘテロアリールであり、前記ピリドニルが、N上でRで置換されており、
    が、出現する毎に、ハロゲン、シアノ、C1〜6アルキル、およびC1〜6アルコキシからなる群から独立に選択され、前記アルキルは、1〜3個のフルオロで置換されていてもよく、
    は、水素、メチル、またはトリフルオロエチルである、請求項1に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  10. が、
    Figure 2016507551
    からなる群から選択され、
    が、フルオロ、メチル、およびメトキシから選択され、
    が、メチルである、請求項9に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  11. が水素である、請求項10に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  12. (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−フルオロピリジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    5−[(4aR,6R,8aS)−2−アミノ−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−6−イル]−1−メチルピリジン−2(1H)−オン;
    rel−(4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(6−メチルピリジン−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−メトキシピリミジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−メチルピリミジン−5−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(ピリミジン−5−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−メトキシピリジン−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−メトキシピリジン−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(2−メチルピリジン−4−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;および
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(5−フルオロピリジン−3−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン
    からなる群から選択される、請求項11に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  13. が水素であり、Rがオキサゾロピリジニル、イミダゾピリジニル、およびイミダゾピリミジニルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  14. が、[1,3]オキサゾロ[4,5−c]ピリジニル、[1,3]オキサゾロ[5,4−c]ピリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、およびイミダゾ[1,2−a]ピリミジニルからなる群から選択される、請求項13に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  15. (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−([1,3]オキサゾロ[4,5−c]ピリジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−([1,3]オキサゾロ[5,4−c]ピリジン−2−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン;および
    (4aR,6R,8aS)−8a−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−4,4a,5,6,8,8a−ヘキサヒドロピラノ[3,4−d][1,3]チアジン−2−アミン
    からなる群から選択される、請求項14に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩。
  16. 治療有効量の請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩、および薬学的に許容でき
    るビヒクル、賦形剤、または担体を含む医薬組成物。
  17. 患者におけるアミロイド−βタンパク質の産生を阻害する方法であって、治療有効量の請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩を、アミロイド−βタンパク質の産生の阻害を必要とする患者に投与することを含む方法。
  18. 患者におけるベータ部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素1(BACE1)を阻害する方法であって、治療有効量の請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩を、ベータ部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素1(BACE1)の阻害を必要とする患者に投与することを含む方法。
  19. 治療有効量の請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩を、その治療を必要とする患者に投与することを含む、患者における神経変性疾患を治療する方法。
  20. 前記神経変性疾患がアルツハイマー病である、請求項19に記載の方法。
  21. 治療有効量の請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩を、その治療または予防を必要とする患者に投与することを含む、患者における糖尿病を治療または予防する方法。
  22. 前記糖尿病が2型糖尿病である、請求項21に記載の方法。
  23. その阻害を必要とする患者においてアミロイド−βタンパク質の産生を阻害するために有用な医薬品を調製するための、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩の使用。
  24. その阻害を必要とする患者においてベータ部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素1(BACE1)を阻害するために有用な医薬品を調製するための、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩の使用。
  25. その治療を必要とする患者において神経変性疾患を治療するために有用な医薬品を調製するための、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩の使用。
  26. 前記神経変性疾患がアルツハイマー病である、請求項25に記載の使用。
  27. その治療を必要とする患者において糖尿病を治療するために有用な医薬品を調製するための、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物もしくはその互変異性体または前記化合物もしくは互変異性体の薬学的に許容できる塩の使用。
  28. 前記糖尿病が2型糖尿病である、請求項27に記載の使用。
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