JP2016180045A - プライマー組成物および積層体 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]ポリオール(i)、ポリイソシアナート(ii)および、水酸基と2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有する多価(メタ)アクリレート(iii)を含むプライマー組成物。
[2]上記ポリオール(i)が、下記一般式(1)で示される化合物である[1]に記載のプライマー組成物。
[5]基材と、該基材表面の少なくとも一方側に設けられた、[1]〜[4]のいずれかに記載のプライマー組成物の硬化物から形成されるプライマー層とを備える積層体。
[6]上記プライマー層を形成する硬化物が、加熱により得られたものである[5]に記載の積層体。
[7]基材表面の少なくとも一方の側に、プライマー層、(メタ)アクリル系塗膜の順に設けられた[5]に記載の積層体。
[8]上記(メタ)アクリル系塗膜にアニオン性親水基が含まれており、該アクリル系塗膜層において、プライマー層と反対側の表面におけるアニオン性親水基の濃度が、該表面から塗膜の膜厚1/2の深さにおけるアニオン性親水基の濃度よりも高いことを特徴とする[7]に記載の積層体。
本発明のプライマー組成物は、少なくともポリオール(i)、ポリイソシアナート化合物(ii)および水酸基と(メタ)アクリロイル基を2個以上とを有する多価(メタ)アクリレート化合物(iii)から得られる組成物である。
本発明で用いる(i)成分 ポリオール(以下、ポリオール(i)ともいう。)は、水酸基を、1分子あたり平均2個以上含むもののことをいう。水酸基はポリオール(i)の主鎖、側鎖のいずれに含まれていてもよい。ポリオールの主鎖は重合体により形成されていてもよく、この場合主鎖を形成する重合体は、例えば、エステル結合、エーテル結合、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合などの結合部位を介して構造単位が結合した重合体であってもよく、また、炭素−炭素二重結合を有する化合物(例えば(メタ)アクリレート)の付加重合によりその構造単位が連結した重合体であってもよい。また、上記重合体としては、複数の結合部位(例えば、エステル結合とエーテル結合)を介してその構造単位が結合した重合体であってもよいし、結合部位を介してその構造単位が結合した連鎖部分と付加重合によりその構造単位が連結した連鎖部分の両方を有する重合体であってもよい。また、結合部位を介してその構造単位が結合した連鎖部分同士、付加重合によりその構造単位が連結した連鎖分同士、結合部位を介してその構造単位が結合した連鎖部分と付加重合によりその構造単位が連結した連鎖部分とが、他の結合(例えば、マイケル付加により形成される結合)を介して結合していてもよい。
上記ポリオール(i)の中でも、下記一般式(1)示される化合物が好ましい。
タケラックTMU−21、タケラックTMU−24、タケラックTMU−25、タケラックTMU−27、タケラックTMU−53、タケラックTMU−253、タケラックTMU−502、タケラックTMU−118A、オレスターTMC−1000、オレスターTMC−1066(以上、三井化学製)等のポリエステルポリオール;
タケラックTMUA−702、タケラックTMUA−902、タケラックTMUA−906(以上、三井化学製)等の(メタ)アクリルポリオール;などが挙げられる。
上記ポリオール(i)は、1種単独であるいは2種以上混合して使用できる。
本発明で用いる(ii)成分 ポリイソシアナート(以下、ポリイソシアナート(ii)ともいう。)は、1分子あたり2個以上のイソシアナト基を有する化合物である。
上記ポリイソシアナート(ii)としては、例えば、2,4−トルイレンジイソシアナート、2,6−トルイレンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート、1,5−ペンタメチレンジイソシアナート、ノルボルナンジイソシアナトメチル、キシリレンジイソシアナート、シクロヘキサンジイソシアナトメチル等のポリイソシアナート単量体などが挙げられる。
タケネートTMD−204、オレスターTMP3300、タケネートTMD−212L、タケネートTMD−215、タケネートTMD−217、タケネートTMD−218、タケネートTMD−219、タケネートTMD−268、タケネートTMD−251N(以上、三井化学製)等の速乾性ポリイソシアナート;
タケネートTMB−830、タケネートTMB−815、タケネートTMB−820NSU、タケネートTMB−842N、タケネートTMB−846N、タケネートTMB−870N、タケネートTMB−874N、タケネートTMB−882N(以上、三井化学製)等のブロック型のポリイソシアナート;などが挙げられる。
上記ポリイソシアナート(ii)は、1種単独であるいは2種以上混合して使用できる。
本発明で用いる(iii)成分 水酸基と2個以上の(メタ)アクリレート基を有する多価(メタ)アクリレート(以下、多価(メタ)アクリレート(iii)ともいう。)は、1分子あたり1個以上の水酸基と2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有する化合物である。なお、(メタ)アクリロイルは、アクリロイルおよびメタクリルロイルの総称である。
上記n3としては、0〜3の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましい。
上記aとしては、1〜5の整数が好ましい。上記bとしては、2〜6の整数が好ましい。
ペンタエリスルトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、2,2,2−トリス(5−(メタ)アクリロイルオキシ−4−ヒドロキシ−2−オキサペンチル)エタノール、テトラキス(5−(メタ)アクリロイルオキシ−4−ヒドロキシ−2−オキサペンチル)メタン等のペンタエリスリトール骨格を有する多価(メタ)アクリレート:
ジペンタエリスルトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールペンタ(メタ)アクリレート等のジペンタエリスリトール骨格を有する多価(メタ)アクリレート:等が挙げられる。
上記R3としては、本発明で得られるプライマー層と塗膜(例えば(メタ)アクリル系樹脂からなる塗膜)との反応性が高くなる点から、水素原子が好ましい。
ジグリセリン−1,7−ジ(メタ)アクリレート、ジグリセリン−1,2−ジ(メタ)アクリレート、ジグリセリン−1,6−ジ(メタ)アクリレート、ジグリセリン−2,6−ジ(メタ)アクリレート、ジグリセリン−1,2,6−トリ(メタ)アクリレート、ジグリセリン−1,2,7−トリ(メタ)アクリレート、ジグリセリン−1,6,7−トリ(メタ)アクリレート等のグリセリン骨格を有する多価(メタ)アクリレート;
トリグリセリン−1,11−ジ(メタ)アクリレート、トリグリセリン−1,6,11−トリ(メタ)アクリレート、トリグリセリン−1,2,6,11−テトラ(メタ)アクリレート等のトリグリセリン骨格を有する多価(メタ)アクリレート;
等が挙げられる。
上記R3およびR4としては、本発明で得られるプライマー層と塗膜(例えば(メタ)アクリル系樹脂からなる塗膜)との反応性が高くなる点から、水素原子が好ましい。
1,2−ビス(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ-プロピルオキシ)プロパン、1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ-プロピルオキシ)−1,4−ジメチル−3−オキサペンタン、1,8−ビス(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ-プロピルオキシ)−1,4,7−トリメチル−3,6−ジオキサオクタン、1,11−ビス(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ-プロピルオキシ)−1,4,7,10−テトラメチル−3,6,9−トリオキウンデカン等のプロピレングリコール骨格を有する多価(メタ)アクリレート;
1,2−ビス(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ-プロピルオキシ)ブタン、1,5−ビス(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ-プロピルオキシ)−1,4−ジエチル−3−オキサペンタン、1,8−ビス(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ-プロピルオキシ)−1,4,7−トリエチル−3,6−ジオキサオクタン、1,11−ビス(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ-プロピルオキシ)−1,4,7,10−テトラエチル−3,6,9−トリオキウンデカン等の1,2−ブチレングリコール骨格を有する多価(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
上記n900およびn1000としては、それぞれ独立して、0〜5の整数が好ましく、0〜3の整数がより好ましい。
2,2−ジメチル−1,3−ビス(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ-プロピルオキシ)プロパンの中心構造(800)を含む多価(メタ)アクリレート;
1,2−ビス(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ-プロピル)ヘキサヒドロフタル酸エステル、1,3−ビス(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ-プロピル)ヘキサヒドロフタル酸エステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ-プロピル)ヘキサヒドロフタル酸エステル等の中心構造(900)を含む多価(メタ)アクリレート;
1,3−ビス(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ-プロピルオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ-プロピルオキシ)シクロヘキサン、1,3−ビス(4−ヒドロキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシ-2−オキサペンチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(4−ヒドロキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシ-2−オキサペンチル)シクロヘキサン等の中心構造(1000)を含む多価(メタ)アクリレート;
1,2−ビス(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ-プロピル)フタル酸エステル、1,3−ビス(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ-プロピル)フタル酸エステル、1,4−ビス(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ-プロピル)フタル酸エステル等の中心構造(1100)を含む多価(メタ)アクリレート;
1,3−ビス(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ-プロピルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ-プロピルオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシ-2−オキサペンチル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシ-2−オキサペンチル)ベンゼン等の中心構造(1200)を含む多価(メタ)アクリレート;
ビスフェノールF−ビス(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ-プロピルエーテル)、ビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ-プロピルエーテル)、ビスフェノールA−ビス(5−ヒドロキシ−6−(メタ)アクリロイルオキシ-3−オキサヘキシルエーテル)、ビスフェノールA−ビス(11−ヒドロキシ−12−(メタ)アクリロイルオキシ-3,6,9−トリオキサドデシルエーテル)、ビスフェノールA−ビス(2−メチル−5−ヒドロキシ−6−(メタ)アクリロイルオキシ-3−オキサヘキシルエーテル)、ビスフェノールA−ビス(2−エチル−5−ヒドロキシ−6−(メタ)アクリロイルオキシ-3−オキサヘキシルエーテル)等の中心構造(1300)を含む多価(メタ)アクリレート;
等が挙げられる。
上記多価(メタ)アクリレート(iii)は、1種単独であるいは2種以上混合して使用できる。
本発明のプライマー組成物は、上述したポリオール(i)、ポリイソシアナート(ii)および多価(メタ)アクリレート(iii)を必須成分として含む。
ポリオール(i)/ポリイソシアナート(ii)/多価(メタ)アクリレート(iii)の配合比は、所望の目的などに応じて適切に設定できる。
本発明のプライマー組成物には、塗工性を向上させる等の目的で溶剤を含まれていてもよい。該溶剤としては、ポリオール(i)、ポリイソシアナート(ii)および多価(メタ)アクリレート(iii)に対する溶解度が高く、基材を著しく浸さない溶剤が望ましい。
ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;
t−ブタノール等のイソシアナト基と反応しないアルコール;
酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、エチレングリコールジアセテート等のエステル、
アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン(メチルプロピルケトン)、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン;
アセトニトリル等のニトリル;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤:等が挙げられる。
本発明のプライマー組成物には、ポリオール(i)および多価(メタ)アクリレート(iii)に含まれる水酸基とポリイソシアナート(ii)に含まれるイソシアナト基との反応性を向上させる等の目的で触媒が含まれてもよい。
ジ−n−ブチル錫ビス(イソブチルチオグリコレート)、ジ−n−ブチル錫−3−メルカプトプロピオネートポリマー、ジ−n−ブチル錫ジマレート、ジ−n−ブチル錫ジラウレート、テトラ−n−ブチル錫、ジ−n−ブチル錫ジクロリド、ジ−n−ブチル錫オキサイド等のブチル錫系化合物:
ジ−n−メチル錫ビス(イソメチルチオグリコレート)、ジ−n−メチル錫−3−メルカプトプロピオネートポリマー、ジ−n−メチル錫ジマレート、ジ−n−メチル錫ジラウレート、テトラ−n−メチル錫、ジ−n−メチル錫ジクロリド、ジ−n−メチル錫オキサイド等のメチル錫系化合物:
酸化錫などの無機系錫化合物:などが挙げられる。
これら触媒は、1種単独であるいは2種以上混合して使用できる。
これら添加剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
本発明のプライマー組成物は、基材と塗膜との接着性を向上させるプライマーとして好適に使用できる。本発明のプライマー組成物から得られる層は、例えば基材表面の少なくとも一方の側に本発明のプライマー組成物を塗布するなどの方法で形成することができる。
鉄、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、金、銀、銅等の金属、金属酸化物、ガラス、セラミックス、セメント、スレート、大理石および御影石等の石材、モルタル等の無機材料からなる基材;
ガラス繊維および炭酸カルシウムの無機材料と不飽和ポリエステル樹脂などの有機材料とを複合化したSMC(シート・モールディング・コンパウンド)等の複合材料からなる基材;
有機材料からなる基材、無機材料からなる基材、および複合材料からなる基材から選ばれる少なくとも2種の基材を積層したラミネート基材、上記基材の表面をさらに金属メッキした基材、上記基材の表面に塗料が塗られた塗装基材等が挙げられる。
上記基材などの表面の汚染度を簡便に測定する方法として、例えば、水接触角の測定が挙げられる。上記基材の表面の水接触角は、基材本来の水接触角から±10°の範囲が好ましく、±5°の範囲がより好ましい。
また、プライマー組成物の加熱硬化は、加圧下、または減圧下で行ってもよいが、常圧下が簡便で好ましい。
このように、基材表面の少なくとも一方側にプライマー層が設けられた積層体は、さらにそのプライマー層の上に塗膜が設けられていることが好ましい。
上記塗料を塗布する方法としては、上述したプライマー組成物を塗布する方法と同様の方法が挙げられる。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ}エタン、1,2−ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ}プロパン、1,3−ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ}プロパン、1,4−ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ}プタン、1,6−ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ}ヘキサン ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピル}エーテル、1,2−ポリプロピレングリコール−ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピル}エーテル、1,2−ポリプロピレングリコール−ビス{(メタ)アクリロイル−ポリ(オキシエチレン)}エーテル、1,3−ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ポリブチレングリコール−ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピル}エーテル、ビス{2−(メタ)アクリロイルチオ−エチル}スルフィド、ビス{5−(メタ)アクリロイルチオ−3−チアペンチル}スルフィド、ビス{2−(メタ)アクリロイルオキシ−エチル}燐酸、ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−プロピル}燐酸、ビス{4−(メタ)アクリロイルオキシ−ブチル}燐酸、ビス{6−(メタ)アクリロイルオキシ−ヘキシル}燐酸、シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビス{(メタ)アクリロイルオキシ−メチル}シクロヘキサン、ビス{7−(メタ)アクリロイルオキシ−2,5−ジオキサヘプチル}シクロヘキサン、ビス{(メタ)アクリロイルオキシ−ポリ(エチレンオキシ)−メチル}シクロヘキサン、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2−プロペノイックアシッド{2−(1,1,−ジメチル−2−{(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ}エチル)−5−エチル−1,3−ジオキサン−5−イル}メチルエステル(日本化薬社製,商品名「KAYARAD R−604」)、N,N´,N“−トリス{2−(メタ)アクリロイルオキシ−エチル}イソシアヌレート、キシリレンジオールジ(メタ)アクリレート、ビス{7−(メタ)アクリロイルオキシ−2,5−ジオキサヘプチル}ベンゼン、ビス{(メタ)アクリロイルオキシ−ポリ(エチレンオキシ)−メチル}ベンゼン、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビス{(メタ)アクリロイル−オキシエチル}ビスフェノールA、ビス{(メタ)アクリロイル−オキシプロピル}ビスフェノールA、ビス{(メタ)アクリロイル−ポリ(オキシエチレン)}ビスフェノールA、ビス{(メタ)アクリロイル−ポリ(オキシ−1,2−プロピレン)}ビスフェノールA、ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピル}ビスフェノールA、ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルーオキシエチル}ビスフェノールA、ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピル−オキシプロピル}ビスフェノールA、ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピル−ポリ(オキシエチレン)}ビスフェノールA、ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピル−ポリ(オキシ−1,2−プロピレン)}ビスフェノールA、ビス{(メタ)アクリロイル−オキシエチル−オキシプロピル}ビスフェノールA、ビス{(メタ)アクリロイルポリ(オキシエチレン)−ポリ(オキシ−1,2−プロピレン)}ビスフェノールA、ナフタレンジオールジ(メタ)アクリレート、ビス{3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピル−オキシ}ナフタレン、9,9−フルオレンジオールジ(メタ)アクリレート、9,9−ビス{4−(2−(メタ)アクリロイルオキシ−エチル−オキシ)}フルオレン、9,9−ビス{3−フェニル−4−(メタ)アクリロイルオキシ−ポリ(エチレンオキシ)}フルオレン、フェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート(新中村化学製,商品名「NKオリゴ EA−6320,EA−7120,EA−7420」)、グリセリン−1,3−ジ(メタ)アクリレート、1−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシ−プロパン、2,6,10−トリヒドロキシ−4,8−ジオキサウンデカン−1,11−ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(日本化薬「カヤラッド HX−220」など)、ポリエステルジ(メタ)アクリレート(第一工業薬品「ニューフロンティア R−2201」など)、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート(共栄社化学「エポキシエステル 80−MFA」など)、ジ(メタ)アクリル酸亜鉛、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート(日本化薬「カヤラッド「R−604」」、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、EO(エチレンオキシド)変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート(東亞合成「アロニックス M−210」など)、エピクロルヒドリン変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート(ナガセ化成「DA−721」)、エピクロルヒドリン変性ヘキサヒドロフタル酸ジ(メタ)アクリレート(ナガセ化成「DA−722」)、ビス{(メタ)アクリロイルオキシエチル}リン酸、2,2−ビス{((メタ)アクリロイルオキシメチル)}プロピオン酸−3−スルホプロピルエステル ナトリウム塩、2,2−ビス{((メタ)アクリロイルオキシメチル)}プロピオン酸−3−スルホプロピルエステル カリウム塩、2,2−ビス{((メタ)アクリロイルオキシメチル)}酪酸−3−スルホプロピルエステル ナトリウム塩、2,2−ビス{((メタ)アクリロイルオキシメチル)}酪酸−3−スルホプロピルエステル カリウム塩などの2つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートから選ばれる水酸基含有(メタ)アクリレートと、ヘキサメチレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、イソホロンジイソシアナート、ビス(イソシアナトメチル)ノルボルナン、m−キシリレンジイソシアナート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、トリレンジイソシアナート、ペンタメチレンジイソシアナートから選ばれるイソシアナート(ここで、イソシアナートは、トリメチロールプロパン付加体、イソシアヌレート体、ビウレット体、アロファネート体であってもうよい)との反応生成物、新中村化学工業「U−2PPA」、新中村化学工業「U−6HA」、新中村化学工業「U−6LPA」、新中村化学工業「UA−32P」、新中村化学工業「UA−NDP」、新中村化学工業「U−108A」、新中村化学工業「UA−511」、新中村化学工業「UA−4200」、新中村化学工業「UA−340P」、新中村化学工業「UA−160TM」、新中村化学工業「UA−6200」、新中村化学工業「U−108」、新中村化学工業「UA−122P」、新中村化学工業「UA−512」、新中村化学工業「UA−W2A」、新中村化学工業「UA−7000」、新中村化学工業「UA−7200」、東亞合成「M−1200」、東亞合成「M−1600」、東亞合成「M−1960」などのウレタン(メタ)アクリレート化合物;
東亞合成「アロニックス M−6200」,東亞合成「アロニックス M−6500」,東亞合成「アロニックス M−7100」,東亞合成「アロニックス M−8030」,東亞合成「アロニックス M−8530」,東亞合成「アロニックス M−8560」,東亞合成「アロニックス M−9050」,ダイセルUCB「Ebcryl80」,BASF「Laromer PE56F」、三菱レーヨン「ダイヤビーム UK−4003」、日立化成「ヒタロイド 7831」などのポリエステル(メタ)アクリレート化合物;などが挙げられる。
塗膜の親水性を向上させる観点から、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物は、親水基を有していることが好ましく、中でもアニオン性親水基を有していることがより好ましい。さらに、上記親水基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン基等が挙げられ、この中でも、スルホン基が特に好ましい。
[X]s[M1]l[M2]m (6)
上記一般式(6)中、sは1または2を表し、lは1または2を表し、mは0または1を表し、かつs=l+mを満たし、M1およびM2はそれぞれ独立して水素イオン、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、またはアルカリ土類金属イオンを表し、M1とM2とは互いに異なるものであり、Xは下記一般式(7)〜(10)で示される親水基を含む基である。
なお、上記式(6)で示される親水性(メタ)アクリレート(I)は、1種単独であるいは2種以上組み合わせて使用できる。
イソブチリルパーオキサイド、o−クロロベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;
トリス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、t−ヌチルクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド;
2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール;
α−クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,4,4−トリメチルペンニルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート等のアルキルパーエステル;
ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジエチレングリコールビス(t−ブチルパーオキシカーボネート)等のパーカボネート;等が挙げられる。
放射線により重合(硬化)する場合、使用する放射線としては、例えば、波長領域が0.0001〜800nm範囲のエネルギー線が挙げられる。上記放射線は、α線、β線、γ線、X線、電子線、紫外線、可視光等に分類されているが、塗料の組成に応じて適切に選択して使用できる。これら放射線の中でも紫外線が好ましい。紫外線を用いる場合、紫外線の出力ピークは、好ましくは200〜450nmの範囲、より好ましくは210〜445nmの範囲、さらに好ましくは220〜430nm範囲、特に好ましくは230〜400nmの範囲である。上記出力ピークの範囲の紫外線を用いた場合には、重合時の黄変及び熱変形等の不具合が少なく、且つ紫外線吸収剤を添加した場合も比較的に短時間で重合を完結できる。また紫外線を用いる場合、紫外線ランプの種類としては、通常の有電極UV(紫外線)ランプよりも、赤外線が少なく照度が高い無電極UV(紫外線)ランプの方が好ましい。さらに、上記(メタ)アクリル系塗料に紫外線吸収剤またはヒンダードアミン系安定剤が含まれる場合には、出力特性で240〜270nmにピーク強度を持つ紫外線ランプを用いたほうが好ましい傾向にある。
本発明において、プライマー構成成分の評価は下記のようにして行った。
重量平均分子量MwはGPC(ポリスチレン換算)により分析した。
(測定条件)
* 装置: 昭和電工(株) Shodex GPC−101
* 検出器: RI−71S
* カラム: 昭和電工(株) GPC KF804L(Φ8.0mm×300mm)×3本
* 測定温度: 40℃
* 溶離液: THF(テトラヒドロフラン)
* 流速: 1.0ml/min.
なお、本発明において塗膜および積層体の物性評価は、下記のようにして行った。
協和界面科学社製の水接触角測定装置CA−V型を用いて、1サンプルについて3箇所測定し、これら値の平均値を水接触角の値とした。
JISK5600−5−6に従い、カッターを用いて積層膜に縦横方向にそれぞれ2mm間隔で6本ずつ切れ込みを入れることで25マスの碁盤目を作り、ニチバン社のセロテープ(CT−24)を碁盤目が形成された積層膜に貼り、剥離試験により評価した。
図1に示す試料調製の通り、基材10の上に、プライマー層60、塗膜層20の順に形成してなるサンプルを斜めに切断し、飛行時間型2次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)を用いて、塗膜層20の外表面におけるスルホン酸濃度(Sa)と、プライマー層60に接する界面と前記外表面との中間地点におけるスルホン酸濃度(Da)とを測定し、その値から外気に接する膜の外表面と膜の内表面と外表面との中間地点のスルホン濃度比で表される塗膜の傾斜度(Sa/Da)を求めた。
TOF−SIMS; ION・TOF社製 TOF−SIMS 5
1次イオン; Bi3 2+ (加速電圧25kV)
測定面積; 300〜340μm角
測定には帯電補正用電子銃を使用
図1に示す通りに、基材10の表面にプライマー層60、塗膜層20の順に各層が設けられたサンプルを切削方向30に向かって、精密斜め切削を行った後、10mm×10mm程度の大きさに切り出し、測定面にメッシュを当て、サンプルホルダーに固定し、外気と接する塗膜層表面40および膜の内部である塗膜層内部50(膜厚1/2の地点)で飛行時間型2次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)を用いてスルホン酸濃度を測定した。
評価は以下の計算式で行った。尚、各測定点のイオン濃度は、相対強度(トータル検出イオンに対する)を用いた。
傾斜度Sa/Da(スルホン酸濃度比,傾斜度)=塗膜層表面40でのスルホン酸濃度/塗膜層20の膜厚1/2の地点(塗膜層内部50の地点)でのスルホン酸濃度
((メタ)アクリル系塗料1の調製)
まず、3−スルホプロピルアクリレート・カリウム塩 1.4g、安定剤としてナイロスタッブ S−EED(クラリアント・ジャパン(株)) 0.1g、ペレックスTR(花王(株))0.1g、水0.6gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、PGMと略す。) 120gを混合し溶液を作製した。得られた溶液に、紫外線ラジカル重合開始剤としてダロキュアー1173(BASF社) 3.0g、NKエステル「A−BPE−10」(新中村化学工業(株)) 7.9g、NKオリゴ「EA−5721」(新中村化学工業(株)) 15.7g 、およびNKオリゴ「U−15HA」(新中村化学工業(株)) 54.9gを加えて混合し、固形分NV=40wt%の均一な「(メタ)アクリル系塗料1」を得た。
((メタ)アクリル系塗料2の調製)
まず、3−スルホプロピルアクリレート・カリウム塩 2.5g、2,2,−ビス(アクリロイルオキシメチル)プロピオン酸−3−スルホプロピルエステル・カリウム塩 1.0g、安定剤としてナイロスタッブ S−EED(クラリアント・ジャパン(株)) 0.1g、1,2,3−トリス(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシ-プロピルオキシ)プロパン(以下GHAと略す。) 19.3g、およびメチルセルソルブ(以下EGMと略す。)150.0gを混合し溶液を作製した。得られた溶液に、紫外線ラジカル重合開始剤としてダロキュア1173(BASF社) 3.0g、熱重合開始剤としてパーロイルTCP(日油(株)) 1.0g、NKエステル「A−BPE−10」 (新中村化学工業(株))38.6g、およびNKオリゴ「UA−1100H」(新中村化学工業(株)) 38.6gを加えて、混合し、固形分濃度40wt%の均一な「(メタ)アクリル系塗料2」を得た。
(プライマー溶液1の製造)
イソフタル酸330.69g、セバシン酸402.56g、ネオペンチオルグルコール359.31g、およびエチレングルコール71.38g、酢酸亜鉛0.3gを窒素気流下180〜220℃でエステル化反応させ、所定量の水およびグリコールを留出させ、ポリエステルポリオール(数平均分子量:Mn=2500、水酸基含有量0.80 mmol/g)(以下、プレポリマー1と称する。)を得た。得られたプレポリマー1の 138.1g、ヘキサメチレンジイソシアナート7.3g、酢酸エチル146.2g、触媒としてジオクチル錫ジラウリレート0.1gの混合液を70℃で3時間反応させた後、ジエチレングリコール0.65gを加えてさらに30分反応させることにより、ポリオール(i)であるポリエステルポリウレタンポリオール(以下、ポリオール1と称する。)を含む溶液(固形分濃度50%、重量平均分子量:Mw=26000、溶液中の水酸基含有量 0.12mmol/g)100gを得た。得られたポリオール1を含む溶液100g、ポリイソシアナート(ii)として1,6−ヘキサメチレンジイソシアナートのイソシアヌレート付加体(以下、ポリイソシアナート1と称する。)(イソシアナト基含有量4.93mmol/g)4.0g、および多価(メタ)アクリレート(iii)としてDPHA(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとヘキサアクリレートの混合物、水酸基含有量0.64 mmol/g) 10.0g、ウレタン化反応の触媒としてジオクチル錫ジラウレート0.4g、溶剤として酢酸エチル75.2gとを混合し、固形分濃度34.0wt%の均一な溶液(以下、プライマー溶液1と称する。)を得た。
ポリカーボネート(銘柄 PC1600:タキロン社製)の板(厚み:2mm、大きさ100mm×100mm)をそのまま使用した。
ポリカーボネート板の表面に、プライマー溶液1をバーコーター#5で塗布し、100℃のオーブンで30分間加熱することで膜厚約2μmのプライマー層を設けた。
得られた積層体に対し、上述の密着性試験を実施した。結果を表1に掲載する。
表1の記載に従って、多価(メタ)アクリレート(iii)であるDPHAの添加量および溶剤である酢酸エチルの添加量を変更する以外は実施例1と同様にプライマー組成物の作製、積層体の作製、および試験を行った。結果を表1に掲載する。
表1の記載に従って、多価(メタ)アクリレート(iii)であるDPHAを添加せずに、溶剤である酢酸エチルの添加量を変更する以外は実施例1と同様にプライマー組成物の作製、積層体の作製、および試験を行った。結果を表1に掲載する。
(プライマー溶液2の製造)
実施例1で作製したプレポリマー1 138.1g、イソホロンジイソシアナート 8.1g、酢酸エチル 147.1g、触媒としてジオクチル錫ジラウリレート 0.2gの混合液を80℃で4時間反応させた後、ジエチレングリコール0.65gを加えてさらに30分反応させることにより、ポリオール(i)であるポリエステルポリウレタンポリオール(以下、ポリオール2と称する。)を含む溶液(固形分濃度50%、重量平均分子量:Mw=18000、溶液中の水酸基含有量0.17mmol/g)100gを得た。得られたポリオール2を含む溶液 100g、ポリイソシアナート(ii)であるポリイソシアナート1 8.0g、および多価(メタ)アクリレート(iii)成分であるDPHA 20.0g、ウレタン化反応の触媒であるジオクチル錫ジラウレート 0.4g、溶剤である酢酸エチル 96.2gを混合し、固形分濃度30wt%の均一な溶液(以下、プライマー溶液2と称する。)を得た。
実施例1と同様に、ポリカーボネート板上にプライマー層および(メタ)アクリル系塗膜を設けた積層体を作製し、試験を行った。結果を表2に掲載する。
表2の記載に従って、多価(メタ)アクリレート(iii)であるDPHAの添加量および溶剤である酢酸エチルの添加量を変更する以外は、実施例3と同様にプライマー組成物の作製、積層体の作製、および試験を行った。結果を表2に掲載する。
表2の記載に従って、多価(メタ)アクリレート(iii)であるDPHAを添加せずに、溶剤である酢酸エチルの添加量を変更する以外は実施例3と同様にプライマー組成物の作製、積層体の作製、および試験を行った。結果を表2に掲載する。
(プライマー溶液3の製造)
実施例1で作製したプレポリマー1 138.1g、イソホロンジイソシアナート 9.6g、酢酸エチル 148.6g、触媒としてジオクチル錫ジラウリレート 0.2gの混合液を80℃で4時間反応させた後、ジエチレングリコール0.65gを加えてさらに30分反応させることにより、ポリオール(i)であるポリエステルポリウレタンポリオール(以下、ポリオール3と称する。)を含む溶液(固形分濃度50%、重量平均分子量:Mw=18000、溶液中の水酸基含有量0.12mmol/g)88.8gを得た。ポリオール3を含む溶液88.8g、ポリイソシアナート(ii)であるm−キシリレンジイソシアナートのトリメチロールプロパン付加体(以下、ポリイソシアナート2と称する。)を含む溶液(固形分75%、溶液中のイソシアナト基含有量2.73mmol/g、) 11.3g、および多価(メタ)アクリレート(iii)成分であるPETA(ペンタエリスリトールトリアクリレートとテトラアクリレートの混合物、水酸基含有量2.01mmol/g) 20.0g、溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PMAcと称する。) 121.7g、および酢酸n-ブチル 486.9gを混合し、固形分濃度10wt%の均一な溶液(以下、プライマー溶液3と称する。)を得た。
不飽和ポリエステル樹脂、硬化剤、増粘剤、内部離型剤、および充填材などを混合した樹脂ペーストを加熱成型した日東紡績(株)製のSMC(Sheet Molding Compound)板(厚み:5mm、大きさ100mm×100mm)を基材として使用した。SMC板は使用前にその表面を、イソプロパノールを含ませたコットン・バージンウエスで拭き取り洗浄した。
洗浄したSMC板表面に、プライマー溶液3をスプレーガンで塗布し、120℃のオーブンで20分間加熱し5μmのプライマー層を形成させた。
表3の記載に従って、多価(メタ)アクリレート(iii)であるPETAの添加量と溶剤の添加量とを変更する以外は、実施例5と同様にプライマー組成物の作製、積層体の作製、および試験を行った。結果を表3に掲載する。
表3の記載に従って、多価(メタ)アクリレート(iii)であるPETAを添加せずに、溶剤である酢酸エチルの添加量を変更する以外は実施例5と同様にプライマー組成物の作製、積層体の作製、および試験を行った。結果を表3に掲載する。
表4の記載に従って、ポリイソシアナート(ii)をポリイソシアナート2からヘキサメチレンジイソシアナートのイソシアヌレート体(以下、ポリイソシアナート3と称する。)(イソシアナト基含有量5.39mmol/g)に、多価(メタ)アクリレート(iii)をPETAから1,2,3−トリス(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシ-プロピルオキシ)プロパン(以下、GHAと称する。)(水酸基含有量6.30mmol/g)に変更し、さらにウレタン化反応の触媒としてテトラオクチル錫を添加する以外は、実施例5と同様にプライマー組成物の作製、積層体の作製、および試験した。結果を表4に掲載する。
表4の記載に従って、多価(メタ)アクリレート(iii)であるPETAを添加せずに、溶剤である酢酸エチルの添加量を変更する以外は実施例5と同様にプライマー組成物の作製、積層体の作製、および試験を行った。結果を表4に掲載する。
ポリオール(i)であるポリオール3 20.0g、ポリイソシアナート(ii)であるポリイソシアナート3 2.8g、および多価(メタ)アクリレート(iii)であるトリグリセリン−1,11−ジアクリレート(以下TGDAと称する。)(水酸基含有量8.62mmol/g) 2.0g、溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 20.0gと酢酸ブチル 104.0g、およびウレタン化触媒であるテトラオクチル錫 0.1gを混合し、固形分濃度10wt%の均一な溶液(以下、プライマー溶液4と称する。)を得た。プライマー溶液3を、得られたプライマー溶液4に変更する以外は、実施例5と同様にプライマー組成物の作製、積層体の作製、および試験を行った。結果を表5に掲載する。
表5の記載に従って、多価(メタ)アクリレート(iii)の種類を変更する以外は実施例12と同様にプライマー組成物の作製、積層体の作製、および試験を行った。結果を表5に掲載する。
表5の記載に従って、多価(メタ)アクリレート(iii)であるGDAをモノ(メタ)アクリレートである4−HBAに変更する以外は、実施例12と同様にプライマー組成物の作製、積層体の作製、および試験を行った。結果を表5に掲載する。比較例5の結果より、(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物では、多価(メタ)アクリレート(iii)を用いた場合と比較して、十分な効果が得られないことが分かった。
塗料を(メタ)アクリル系塗料2からモメンティブ社のハードコート剤「UVHC1101」30.0gおよび溶剤であるメトキシエタノール70.0gからなる塗料(固形分濃度30wt%、以下(メタ)アクリル系塗料3と称する。)に変更する以外は、実施例12と同様にプライマー組成物の作製、積層体の作製、および試験を行った。結果を表6に掲載する。
表7の記載に従って、基材をSMC板から他の基材に変更する以外は、実施例12と同様にプライマー組成物の作製、積層体の作製、および試験を行った。結果を表7に掲載する。
50:塗膜層20の膜厚1/2の地点 60:プライマー層
Claims (8)
- ポリオール(i)、ポリイソシアナート(ii)および、水酸基と2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有する多価(メタ)アクリレート(iii)を含むプライマー組成物。
- 上記ポリオール(i)が、下記一般式(1)で示される化合物である請求項1に記載のプライマー組成物。
- 上記多価(メタ)アクリレート(iii)が、下記一般式(2)〜(5)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載のプライマー組成物。
- ポリイソシアナート(ii)に含まれるイソシアナト基とポリオール(i)および多価(メタ)アクリレート(iii)に含まれる水酸基とのモル比(NCO/OH)が0.1〜10である請求項1〜3のいずれか1項に記載のプライマー組成物。
- 基材と、該基材表面の少なくとも一方側に設けられた、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプライマー組成物の硬化物から形成されるプライマー層とを備える積層体。
- 上記プライマー層を形成する硬化物が、加熱により得られたものである請求項5に記載の積層体。
- 基材表面の少なくとも一方の側に、プライマー層、(メタ)アクリル系塗膜の順に設けられた請求項5に記載の積層体。
- 上記(メタ)アクリル系塗膜にアニオン性親水基が含まれており、該アクリル系塗膜層において、プライマー層と反対側の表面におけるアニオン性親水基の濃度が、該表面から塗膜の膜厚1/2の深さにおけるアニオン性親水基の濃度よりも高いことを特徴とする請求項7に記載の積層体。
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